JP2023041151A - 菓子用ペースト含有ホイップドクリーム - Google Patents

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【課題】カット時の保形性、及び保存時の保形性が良好なホイップドクリームの提供。【解決手段】菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、菓子用ペースト、及び、ホイップドクリームを含有する。前記菓子用ペーストは、当該菓子用ペースト全体中、SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有する。前記ホイップドクリームは、オーバーランが100~160%である。前記菓子用ペースト含有ホイップドクリーム全体中、前記菓子用ペーストの含有量が5~50重量%、及び、前記ホイップドクリームの含有量が50~95重量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、菓子用ペースト含有ホイップドクリームに関する。
近年、ホイップドクリームをフィリングとして使用したパンや菓子が人気であり、ホイップドクリームで厚みのある層を形成してボリュームのある外観とした商品が多い。特に、パンにホイップドクリームと共にフルーツを挟み込んだフルーツサンドは、その切断面の美しさで注目されている。フルーツをカットせずにそのままサンドしたり、フルーツで花の形をあしらったりしたインパクトのある美しい断面は、消費者の購買意欲を高める重要なポイントになっている。また、ロールケーキでも同様に、その切断面の美しさが重要である。
このようなホイップドクリームを挟み込んだパンや菓子の切断面を美しく見せるには、カットする際にホイップドクリームが潰れてはみ出さないこと(カット時の保形性)と、カット後の断面の美しさを保存後も維持できること(保存時の経時的な保形性)が重要である。そのためには、ホイップドクリームが十分な硬さを有することと、経時的に硬さが軟らかくなる現象(モドリ)が起こらないことが求められる。
特許文献1には、ホイップドクリームに含まれる油脂組成物において、オレイン酸含有量と、5℃のSFCと15℃のSFCとの差をそれぞれ特定範囲に制御することによって、ホイップ後の作業性は良好でありながら、冷蔵保管中には硬さが変化しにくいホイップドクリームが得られることが開示されている。
特開2016-019516号公報
しかし、特許文献1に開示されたホイップドクリームでは、カット時の保形性や、保存時の経時的な保形性が十分ではなかった。
本発明は、上記現状に鑑み、カット時の保形性、及び保存時の保形性が良好なホイップドクリーム、その製造方法、及び、該ホイップドクリームの製造に使用される菓子用ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のSFC(固体脂含量)を有する油脂、澱粉、糖類、及び水をそれぞれ特定量含有する菓子用ペーストと、特定のオーバーランを示すホイップドクリームをそれぞれ特定量含有する、菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、カット時の保形性と保存時の保形性が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、菓子用ペースト、及び、ホイップドクリームを含有する、菓子用ペースト含有ホイップドクリームであって、前記菓子用ペーストは、当該菓子用ペースト全体中、SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有し、前記ホイップドクリームは、オーバーランが100~160%であり、前記菓子用ペースト含有ホイップドクリーム全体中、前記菓子用ペーストの含有量が5~50重量%、及び、前記ホイップドクリームの含有量が50~95重量%である、菓子用ペースト含有ホイップドクリームに関する。
本発明の第二は、前記菓子用ペースト含有ホイップドクリームがサンドされたパン又は菓子に関する。前記パンはフルーツサンドであってよく、前記菓子はロールケーキであってよい。
本発明の第三は、前記菓子用ペースト含有ホイップドクリームに用いられる菓子用ペーストであって、前記菓子用ペースト全体中、SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有する、菓子用ペーストに関する。
本発明の第四は、菓子用ペースト全体中、澱粉の含量が3~6重量%、糖類の含量が20~40重量%、及び、水の含量が25~60重量%となるように、澱粉、糖類、及び、水を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る工程、SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂の含量が菓子用ペースト全体中5~35重量%となるように、前記油脂を前記水相に添加して混合物を得る工程、該混合物を乳化処理し、加熱殺菌して菓子用ペーストを得る工程、及び、菓子用ペースト含有ホイップドクリーム全体中、菓子用ペーストの含量が5~50重量%、オーバーランが100~160%であるホイップドクリームの含量が50~95重量%となるように、前記菓子用ペーストと前記ホイップドクリームとを混合する工程、を含む、菓子用ペースト含有ホイップドクリームの製造方法に関する。
本発明に従えば、カット時の保形性、及び保存時の保形性が良好なホイップドクリーム、その製造方法、及び、該ホイップドクリームの製造に使用される菓子用ペーストを提供することができる。
本発明に係る菓子用ペースト含有ホイップドクリームを挟み込んだパンや菓子は、カット時にホイップドクリーム層が潰れにくく、切断面の外観に優れており、更に、保存中もその切断面の形状変化が少なく、その外観を良好なまま維持することが可能である。
以下、本発明の実施形態につき、さらに詳細に説明する。
本実施形態に係る菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、特定組成を有する菓子用ペースト、及び、特定のオーバーランを示すホイップドクリームを含有する。
(菓子用ペースト)
前記菓子用ペーストは、水及び水溶性原料(後述する澱粉、糖類を含む)とを含む水相と、油脂と必要に応じて油脂以外の油溶性原料とを含む、水中油型の乳化物であることが好ましい。本実施形態において、前記菓子用ペーストは、少なくとも、油脂、澱粉、糖類、及び、水を含有する。
前記油脂としては、前記菓子用ペーストに含まれる油脂の総体として、SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%、且つ30℃で8.5~21.5%を満足する油脂を使用することが好ましい。より好ましくは、SFCが10℃で50.5~58.5%、且つ、30℃で9.5~20.5%を満足する油脂であり、さらに好ましくは、SFCが10℃で51.5~57.5%、且つ、30℃で10.5~19.5%を満足する油脂である。10℃におけるSFCが50%未満であると、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性又は保存時の保形性に劣る場合があり、60%を超えると、菓子用ペースト含有ホイップドクリームが硬くなりすぎて絞り出し等の取り扱いが困難になる場合がある。また、30℃におけるSFCが8.5%未満であると、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性又は保存時の保形性に劣る場合があり、21.5%を超えると、菓子用ペースト含有ホイップドクリームが硬くなりすぎて絞り出し等の取り扱いが困難になる場合がある。
前記SFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9-2003 固体脂含量(NMR法)」の測定方法に従って測定することができる。前記SFCの要件は、前記菓子用ペーストに含まれる油脂の総体が満足すればよく、複数種の油脂を使用した場合、個々の油脂が示すSFCは特に限定されない。
前記油脂の種類としては、食用油脂であれば特に限定されないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、ハイエルシン菜種油、コーン油、綿実油、大豆油、ひまわり油、サフラワー油、オリーブ油等の植物性油脂や、乳脂肪、牛脂、豚脂、魚油等の動物性油脂が例示でき、これらを硬化、分別、エステル交換等の加工処理を行ったものも用いることができる。
特に、前述したSFCの数値を満足するように、複数種の油脂を適宜組み合わせて使用することが好ましい。好適な油脂の組合せの一例として、パーム油とハイエルシン菜種極度硬化油の組合せを挙げることができる。前記ハイエルシン菜種極度硬化油とは、菜種の中でもエルシン酸(エルカ酸)含量が概ね40%以上の品種から搾油した油脂を極度硬化したものをいう。また、前記油脂の組合せに、パーム油とヤシ油のエステル交換油を併用しても良い。
前記油脂の含有量は、菓子用ペースト全体中、5~35重量%であることが好ましい。より好ましくは8~32重量%であり、更に好ましくは10~20重量%である。油脂の含有量が5重量%より少ないと、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性又は保存時の保形性に劣る場合があり、35重量%より多いと、菓子用ペーストを作製する時の乳化が不十分となったり、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性又は保存時の保形性に劣る場合がある。
前記澱粉としては特に限定されず、例えば、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、及び、化学的及び/又は物理的処理が施された加工澱粉等が挙げられる。前記澱粉としては、食感に悪影響を与えない範囲で、小麦、コーン、米、甘藷、馬鈴薯、キャッサバ、サゴヤシ等の澱粉性植物の粉状製品を使用してもよい。前記加工澱粉における澱粉の由来は、口溶けが良好で滑らかな食感を得る上で、タピオカ澱粉由来、サゴ澱粉由来、又は、甘藷澱粉由来であることが好ましく、タピオカ澱粉由来であることがより好ましい。
前記加工澱粉は、一般的な化学修飾が施された澱粉をいい、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酸化澱粉、酸処理澱粉、油脂加工澱粉、酵素処理澱粉などが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
前記加工澱粉の中でも、リン酸架橋澱粉が好ましい。リン酸架橋澱粉とは、澱粉にトリメタリン酸塩やオキシ塩化リンなどを作用させ、澱粉の分子内または分子間の水酸基が架橋して、澱粉粒の膨潤や糊化が抑制された澱粉を言う。前記リン酸架橋澱粉としては、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉などが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。特に、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉は老化しにくく、保存性の観点から好ましい。
前記澱粉の含有量は、前記菓子用ペースト全体中、3~6重量%が好ましく、より好ましくは3.5~5.5重量%であり、更に好ましくは4~5重量%である。澱粉の含有量が3重量%より少ないと、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性又は保存時の保形性に劣る場合があり、6重量%より多いと、菓子用ペーストの粘度が高くなりすぎて、生産時のライン適正が悪くなったり、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性又は保存時の保形性に劣る場合がある。
前記糖類としては特に限定されず、上白糖、グラニュー糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、異性化糖、オリゴ糖、水あめ、糖アルコール類等が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。中でも、上白糖、グラニュー糖が味の観点で好ましい。
前記糖類の含有量は、前記菓子用ペースト全体中、20~40重量%が好ましい。より好ましくは20~30重量%であり、更に好ましくは22~25重量%である。糖類の含有量が20重量%より少ないと、増菌したり、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性又は保存時の保形性に劣る場合があり、40重量%より多いと、菓子用ペーストの甘みが強くなりすぎたり、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性又は保存時の保形性に劣る場合がある。
前記水の含有量は、前記菓子用ペースト全体中、25~60重量%であることが好ましい。より好ましくは30~55重量%であり、更に好ましくは46.5~54.5重量%である。水の含有量が25重量%より少ないと、水溶性原料の溶解性が悪くなる場合があり、60重量%より多いと、菓子用ペーストにおいて離水が発生する場合がある。
前記菓子用ペーストは、前記澱粉、糖類以外の水溶性原料を含有しても良い。前記水溶性原料としては、発明の効果を阻害しない範囲において、一般的に菓子用ペーストに配合される成分を使用することができる。そのような成分としては、例えば、増粘剤、乾燥卵白などを挙げることができる。
前記増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉等などが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記菓子用ペーストは、油脂以外の油溶性原料を含有しても良い。前記油溶性原料としては、発明の効果を阻害しない範囲において、一般的に菓子用ペーストに配合される成分を使用することができる。そのような成分としては、例えば、乳化剤、着色料、香料、乳製品などを挙げることができる。
前記乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記着色料としては、例えば、カロテノイド色素などが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記香料としては、例えば、ミルク香料、バター香料などが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記乳製品としては、例えば、バター、脱脂粉乳、ホエイタンパク、バターミルクパウダーなどが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記菓子用ペーストの含有量は、前記菓子用ペースト含有ホイップドクリーム全体中、5~50重量%であることが好ましい。より好ましくは10~40重量%であり、更に好ましくは12~30重量%である。菓子用ペーストの含有量が5重量%より少ないと、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性や保存時の保形性に劣る場合があり、50重量%より多いと、ホイップドクリームの風味が十分に感じられない場合がある。
(ホイップドクリーム)
前記ホイップドクリームとは、起泡性クリーム(ホイップクリーム)を起泡(ホイップ)させて製造されたものである。前記起泡性クリームとしては、市販されているものを使用することができ、特に限定されない。起泡性クリーム又はホイップドクリームの配合としても特に限定されないが、食用油脂と水の他、必要に応じて、乳化剤、増粘剤、糖類、乳固形分、風味素材、着色料、塩類、ビタミン類、ミネラル類、酸化防止剤等を含有してもよい。
また、市販の起泡性クリームに、糖類や風味素材等を適宜添加してホイップドクリームを調製してもよい。ホイップドクリームを調製する際に風味素材を添加しておくと、風味素材の分散性が良好となり、好ましい。
前記ホイップドクリームは、オーバーランが100~160%を示すことが好ましく、110~150%がより好ましく、115~145%が更に好ましい。オーバーランが100%未満であったり、160%を超えると、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性又は保存時の保形性に劣る。
ホイップドクリームのオーバーランとは、ホイップドクリームに含まれる空気の割合を%で示したものである。オーバーランの測定は、まず、起泡性クリームを100cmの容器に入れ、重量を測る。次いで、該起泡性クリームをホイップし、得られたホイップドクリームを100cmの容器に入れ、重量を測る。そしてこれらの測定値を基に、次式でオーバーランを求めることができる。
オーバーラン(%)=[(一定容積の起泡性クリームの重量)-(前記起泡性クリームと同容積のホイップドクリームの重量)]÷(前記起泡性クリームと同容積のホイップドクリームの重量)×100
前記ホイップドクリームの含有量は、前記菓子用ペースト含有ホイップドクリーム全体中、50~95重量%であることが好ましい。より好ましくは60~90重量%であり、更に好ましくは70~88重量%である。ホイップドクリームの含有量が50重量%より少ないと、ホイップドクリームの風味が十分に感じられない場合があり、95重量%より多いと、菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性又は保存時の保形性に劣る場合がある。
[菓子用ペースト含有ホイップドクリームの製造方法]
本実施形態に係る菓子用ペースト含有ホイップドクリームの製造方法を以下に例示する。
(菓子用ペーストの作製)
まず、水に、澱粉や糖類などの水溶性原料を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る。その際、各成分の含量が、前記菓子用ペースト全体中、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、水25~60重量%となるように調整する。前記加熱に際しては、各成分を混合してから昇温してもいいし、昇温しながら各成分を混合してもよい。
得られた前記水相を、好ましくは40~60℃に保って、撹拌しながら、油脂の含量が菓子用ペースト全体中5~35重量%となるように、SFCが10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂を前記水相に添加して混合物を得る。前記水相を添加する時の油脂は、40~60℃に保持されていることが好ましい。また、必要に応じて、前記油脂に前記油溶性原料を溶解してから、前記水相に添加してもよい。
得られた前記混合物を予備乳化し、ホモゲナイザーを用いて5~15MPaの圧力で乳化する。得られた乳化液をコンサーム掻き取り式熱交換機で95~105℃で2~3分間加熱殺菌してから、60℃以下になるまで冷却して、ペーストを得る。得られたペーストをピロー包装に充填し、2~7℃の冷水にて室温以下(具体的には5~35℃)に冷却することで、前記菓子用ペーストを得ることができる。ここで、ピロー包装とは、包装フィルムを、開口部を有する袋状に加工した後、内容物を充填し、前記開口部を閉じて該内容物を包装するものをいう。
(ホイップドクリームの調製)
別途、起泡性クリームに、糖類やフレーバー等を適宜混合した上で、常法によりホイップすることで、ホイップドクリームを作製する。ホイップする際には、適宜、オープン式ホイッパーや密閉式連続ホイップマシン等を使用することができる。得られるホイップドクリームのオーバーランが100~160%になるまでホイップを行えばよい。
(菓子用ペースト含有ホイップドクリームの作製)
菓子用ペースト含有ホイップドクリーム全体中、前記菓子用ペーストの含量が5~50重量%、及び、前記ホイップドクリームの含量が50~95重量%となるように両者を混合することで、本実施形態に係る菓子用ペースト含有ホイップドクリームを得ることができる。混合する時の温度は、例えば、5~35℃であることが好ましい。この時、菓子用ペーストとホイップドクリームに加えて、風味素材を添加し、混合してもよい。
また、当該混合工程において、菓子用ペーストとホイップドクリームを均一に混合するためには、縦型ミキサーを使用することが好ましい。そのような縦型ミキサーの具体例としては、HOBART CANADA社製「ホバートミキサー MODEL N-50」が挙げられる。
(菓子用ペースト含有ホイップドクリームの用途)
本実施形態に係る菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、フルーツサンドやロールケーキ、マリトッツォといった、ホイップドクリームが挟み込まれてなるパン又は菓子において、好適に使用することができる。本実施形態に係る菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、カット時の保形性、及び保存時の保形性が良好であるため、パンや菓子をカットして、ホイップドクリーム層を含む切断面を露出させた商品に対し、特に好適に使用することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
実施例及び比較例で使用した原料は以下の通りである。
1)松谷化学工業(株)製「ファリネックスVA70TJ」
2)日新製糖(株)製「上白糖」
3)キユーピータマゴ(株)製「乾燥卵白Kタイプ」
4)日本新薬(株)製「Wheyco W80」
5)エー・ディー・エム・ジャパン(株)製「ノヴァザン200メッシュ」
6)三栄源エフ・エフ・アイ(株)製「CESAGUM LN-1/200」
7)(株)カネカ製「パーム油(10℃のSFC:50.9%、30℃のSFC:9.8%)」
8)横関油脂工業(株)製「ハイエルシン菜種極度硬化油(10℃のSFC:99.4%、30℃のSFC:98.8%)」
9)パーム油とヤシ油のエステル交換油(10℃のSFC:55.3%、30℃のSFC:11.5%)(製造の情報は後述)
10)(株)カネカ製「菜種油(10℃のSFC:0.0%、30℃のSFC:0.0%)」
<カット時の保形性>
菓子用ペースト含有ホイップドクリームのカット時の保形性は、2枚の食パンの間に菓子用ペースト含有ホイップドクリームを3cmの厚さにサンドし、包丁を用いて半分にカットした後の菓子用ペースト含有ホイップドクリームの厚さを測定し、以下の基準で評価した。
5点:カット前後での切断面の厚さ変化が1~10%以下であり、カット時の保形性が極めて高い。
4点:カット前後での切断面の厚さ変化が10%超20%以下であり、カット時の保形性が高い。
3点:カット前後での切断面の厚さ変化が20%超30%以下であり、カット時の保形性が良好である。
2点:カット前後での切断面の厚さ変化が30%超40%以下であり、カット時の保形性が十分ではない。
1点:カット時に菓子用ペースト含有ホイップドクリームが潰れてはみ出してしまい、カットができない。
<保存時の保形性>
菓子用ペースト含有ホイップドクリームの保存時の保形性は、菓子用ペースト含有ホイップドクリームを星形の口金から絞り出し、5℃で24時間冷蔵保存した際の、菓子用ペースト含有ホイップドクリームの高さを冷蔵保存前後で測定し、以下の基準で評価した。
5点:冷蔵保存前後での高さ変化が全くなく、保存時の保形性が極めて高い。
4点:冷蔵保存前後での高さ変化が1~10%以下であり、保存時の保形性が高い。
3点:冷蔵保存前後での高さ変化が10%超20%以下であり、保存時の保形性が良好である。
2点:冷蔵保存前後での高さ変化が20%超30%以下であり、保存時の保形性がやや悪い。
1点:冷蔵保存前後での高さ変化が30%超であり、保存時の保形性が悪い。
[実施例及び比較例で使用した原料9)の製造]
パーム油((株)カネカ製):76重量部、ヤシ油((株)カネカ製):24重量部の混合物を、500Paの減圧下90℃に加熱し、ナトリウムメチラート(日本曹達株式会社製):0.2重量部を加えて30分攪拌してランダムエステル交換を行った。水洗した後、500Paの減圧下、90℃で白土(水澤化学工業株式会社製):2重量部を加えて脱色し、250℃、200Paの条件で1時間脱臭してパーム油とヤシ油のエステル交換油を得た。パーム油とヤシ油のエステル交換油の10℃のSFCは55.3%で、30℃のSFCは11.5%であった。
(製造例1)菓子用ペーストの作製
表1の配合に従って、次のように菓子用ペーストを作製した。即ち、ヒドロキシルプロピル化リン酸架橋デンプン4.4重量部、上白糖24.4重量部、乾燥卵白0.1重量部、ホエイタンパク1.9重量部、キサンタンガム0.07重量部、ローカストビーンガム0.02重量部、及び水54.1重量部が均一になるよう攪拌、及び混合しながら当該混合物を50℃まで昇温し、ここに60℃に温調したパーム油13.5重量部及びハイエルシン菜種極度硬化油1.5重量部を添加し、充分に攪拌して原料混合物を予備乳化した。その後、ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ製)を用い10MPaの圧力で原料混合物を乳化した。得られた乳化液をコンサーム掻き取り式熱交換機(ノリタケカンパニーリミテッド社製、ノリタケクッカー・スチームミキサー)で100℃、2分間の条件で殺菌した後、60℃まで冷却し、ピロー袋に充填した。その後、5℃の冷水にて室温以下に冷却し、菓子用ペーストを得た。
パーム油とハイエルシン菜種極度硬化油の混合物から構成される油脂は、SFCが10℃で53.4%、30℃で17.6%であった。
(製造例2~16)菓子用ペーストの作製
表1及び表2の配合に従って各成分の配合量を変更した以外は、製造例1と同様にして菓子用ペーストを作製した。
Figure 2023041151000001
Figure 2023041151000002
(実施例1)菓子用ペースト含有ホイップドクリームの作製
まず、ホイップクリーム((株)カネカ製「ラシェンテG」)500重量部とグラニュー糖40重量部をボールに入れ、品温を5.0℃に調整し、ホバートミキサーを用いて591rpmでホイップし、オーバーラン120%のホイップドクリームを作製した。
次に、表3の配合に従って、製造例1で作製した菓子用ペースト25重量部に、前記ホイップドクリーム75重量部を添加して、ホバートミキサーを用いて285rpmで混合し、菓子用ペースト含有ホイップドクリームを得た。得られた菓子用ペースト含有ホイップドクリームについて、カット時の保形性および保存時の保形性の評価を行い、それらの評価結果を表3にまとめた。
(実施例2~13、比較例1~10)菓子用ペースト含有ホイップドクリームの作製
表3~表6の配合に従って、ホイップドクリームのオーバーランを変更し、菓子用ペーストの種類(製造例番号)又は配合量、及び、ホイップドクリームの配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして菓子用ペースト含有ホイップドクリームを得た。得られた各菓子用ペースト含有ホイップドクリームについて、カット時の保形性および保存時の保形性の評価を行い、それらの評価結果を表3~表6にまとめた。
Figure 2023041151000003
Figure 2023041151000004
Figure 2023041151000005
Figure 2023041151000006
表3及び表4より、実施例1~13で得た菓子用ペースト含有ホイップドクリームはいずれも、発明の要件を満足するものであり、カット時の保形性および保存時の保形性の評価がいずれも良好であったことが分かる。
一方、表5及び表6より以下のことが分かる。比較例1で得た菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、菓子用ペースト中の油脂含量が4重量%と少ないものであり、カット時の保形性および保存時の保形性が低い評価であった。
比較例2で得た菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、菓子用ペースト中の油脂含量が36重量%と多いものであり、保存時の保形性が低い評価であった。
比較例3で得た菓子用ペーストは、菓子用ペースト中の澱粉含量が2重量%と少ないものであり、カット時の保形性および保存時の保形性が低い評価であった。
比較例4で得た菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、菓子用ペースト中の澱粉含量が7重量%と多いものであり、保存時の保形性が低い評価であった。
比較例5で得た菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、菓子用ペースト中の糖類含量が19重量%と少ないものであり、カット時の保形性および保存時の保形性が低い評価であった。
比較例6で得た菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、菓子用ペーストの糖類含量が41重量%と多いものであり、保存時の保形性が低い評価であった。
比較例7で得た菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、10℃のSFCが40.8%と低く、30℃のSFCが7.8%と低いものであり、カット時の保形性および保存時の保形性が低い評価であった。
比較例8で得た菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、菓子用ペーストの含有量が3重量%と少ないものであり、カット時の保形性および保存時の保形性が低い評価であった。
比較例9で得た菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、ホイップドクリームのオーバーランが92%と低いものであり、カット時の保形性および保存時の保形性が低い評価であった。
比較例10で得た菓子用ペースト含有ホイップドクリームは、ホイップドクリームのオーバーランが171%と高いものであり、保存時の保形性が低い評価であった。

Claims (6)

  1. 菓子用ペースト、及び、ホイップドクリームを含有する、菓子用ペースト含有ホイップドクリームであって、
    前記菓子用ペーストは、当該菓子用ペースト全体中、SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有し、
    前記ホイップドクリームは、オーバーランが100~160%であり、
    前記菓子用ペースト含有ホイップドクリーム全体中、前記菓子用ペーストの含有量が5~50重量%、及び、前記ホイップドクリームの含有量が50~95重量%である、菓子用ペースト含有ホイップドクリーム。
  2. 請求項1に記載の菓子用ペースト含有ホイップドクリームがサンドされたパン又は菓子。
  3. 前記パンが、フルーツサンドである、請求項2に記載のパン。
  4. 前記菓子が、ロールケーキである、請求項2に記載の菓子。
  5. 請求項1に記載の菓子用ペースト含有ホイップドクリームに用いられる菓子用ペーストであって、
    前記菓子用ペースト全体中、SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有する、菓子用ペースト。
  6. 菓子用ペースト全体中、澱粉の含量が3~6重量%、糖類の含量が20~40重量%、及び、水の含量が25~60重量%となるように、澱粉、糖類、及び、水を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る工程、
    SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂の含量が菓子用ペースト全体中5~35重量%となるように、前記油脂を前記水相に添加して混合物を得る工程、
    該混合物を乳化処理し、加熱殺菌して菓子用ペーストを得る工程、及び、
    菓子用ペースト含有ホイップドクリーム全体中、菓子用ペーストの含量が5~50重量%、オーバーランが100~160%であるホイップドクリームの含量が50~95重量%となるように、前記菓子用ペーストと前記ホイップドクリームとを混合する工程、
    を含む、菓子用ペースト含有ホイップドクリームの製造方法。
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