JP2023124670A - 軟磁性合金粉末、磁心、および磁性部品 - Google Patents

軟磁性合金粉末、磁心、および磁性部品 Download PDF

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Abstract

【課題】直流重畳特性の向上に寄与する軟磁性合金粉末、および、当該軟磁性合金粉末を含む磁心と磁性部品とを提供すること。【解決手段】粒子表面が滑らかな凹凸を有するディンプル粒子を含む軟磁性合金粉末である。ディンプル粒子の断面で観測される粒子表面は、複数の凸点と、前記凸点の間に位置する凹部と、を有する。凹部の平均深さRDが、10nm以上150nm以下であり、粒子表面の周方向に沿って隣接する凸点の平均間隔VDが、平均深さRDの5倍以上である。【選択図】図1A

Description

本開示は、軟磁性合金粉末、磁心、および、磁性部品に関する。
インダクタなどの磁性部品では、磁心の磁気特性を向上させるために、磁心に含まれる磁性粉末の充填率を高める試みがなされてきた。たとえば、特許文献1では、粒度が異なる2種類の金属磁性粉を用いて磁心を構成することで、充填率を高めることができ、透磁率などの磁気特性が向上することが開示されている。
ただし、近年、磁性部品に対する小型化、高周波化、高効率化、省エネルギー化などの要求は益々高まっている。磁性粉末の充填率を改善するだけでは、上記要求に応えることができるほどの良好な直流重畳特性を得るには不十分であり、直流重畳特性の更なる向上が求められている。
特開2011-192729号公報
本開示は、上記の実情を鑑みてなされ、その目的は、直流重畳特性の向上に寄与する軟磁性合金粉末、および、当該軟磁性合金粉末を含む磁心と磁性部品とを提供することである。
上記の目的を達成するために、本開示に係る軟磁性合金粉末は、
粒子表面が滑らかな凹凸を有するディンプル粒子を含み、
前記ディンプル粒子の断面で観測される前記粒子表面が、複数の凸点と、前記凸点の間に位置する凹部と、を有し、
前記凹部の平均深さRDが、10nm以上150nm以下であり、
前記粒子表面の周方向に沿って隣接する前記凸点の平均間隔VDが、前記平均深さRDの5倍以上である。
上記の特徴を有する軟磁性合金粉末を用いることで、磁心の直流重畳特性を向上させることができる。
前記ディンプル粒子の断面において、前記粒子表面の前記凸点と接する仮想曲線を外接円とし、前記粒子表面の前記凹部の底点と接する仮想曲線を内接円とし、前記外接円と前記内接円との間隔を等分する仮想曲線を中間線とする。
好ましくは、前記断面で観測される前記粒子表面の1/4周分の範囲において、前記中間線と前記粒子表面との交点の数NIが、平均で、2個以上18個以下である。
好ましくは、前記ディンプル粒子の平均粒径が、10μm以上50μm以下である。
好ましくは、前記ディンプル粒子がFe基ナノ結晶を有する。
好ましくは、前記ディンプル粒子が非晶質である。
前記ディンプル粒子を含む軟磁性合金粉末は、インダクタ、トランス、チョークコイルなどの磁性部品における磁心の材料として好適に用いることができる。本開示の軟磁性合金粉末を含む磁心では、前記磁心の断面に占める前記ディンプル粒子の面積割合が、10%以上70%以下であることが好ましい。
上記面積割合を満たすことで、高い透磁率を確保しつつ、優れた直流重畳特性を得ることができる。
図1Aは、ディンプル粒子の外観を撮影したSEM画像の一例である。 図1Bは、ディンプル粒子の断面を撮影したTEM画像の一例である。 図1Cは、図1Bに示す断面画像の一部をさらに拡大したTEM画像である。 図2Aは、従来の軟磁性金属粒子の外観を撮影したSEM画像の一例である。 図2Bは、従来の軟磁性金属粒子の断面を撮影したTEM画像の一例である。 図2Cは、図2Bに示す断面画像の一部をさらに拡大したTEM画像である。 図3Aは、絶縁被膜を有するディンプル粒子の断面を撮影したSEM画像の一例である。 図3Bは、図3Aに示す断面の一部をさらに拡大したSEM画像である。 図4Aは、ディンプル粒子の解析方法の一例を示す模式図である。 図4Bは、ディンプル粒子の解析方法の一例を示す模式図である。 図4Cは、ディンプル粒子の解析方法の一例を示す模式図である。 図5Aは、ディンプル粒子の製造に用いる金属粉末製造装置の概略断面図である。 図5Bは、図5Aに示す金属粉末製造装置における冷却液の流れを鉛直方向から見た模式図である。 図6は、図1Aに示すようなディンプル粒子を含む磁心の一例を示す概略断面図である。 図7は、図6に示すような磁心を含む磁性部品の一例を示す概略断面図である。
以下、本開示を、図面に示す実施形態に基づき詳細に説明する。
本実施形態に係る軟磁性合金粉末1は、図1Aに示すディンプル粒子2を含む。従来の軟磁性合金粉末では、構成粒子の表面(図2A~図2C参照)が、凹凸のない滑らかな曲面を有しているのに対し、ディンプル粒子2の表面は、図1Aに示すように、複数の浅い窪みを有する。換言すると、ディンプル粒子2における粒子表面20は、滑らかな凹凸を有する。
なお、ディンプル粒子2には、粒子表面20を覆うように絶縁被膜が形成してあってもよいが、図1Aは、絶縁被膜を形成する前のディンプル粒子2の外観を撮影したSEM画像である。すなわち、本実施形態における「粒子表面20」とは、粒子を覆う絶縁被膜の表面ではなく、粒子本体の表面(金属表面)を意味する。
なおディンプル粒子2は、任意の粉末粒子の観察において、観察面から作為的に抽出することで観察が可能である。また、前記磁心の断面においても、ディンプル粒子2を、任意の視野において作為的に抽出することで、観察が可能である。
図1Bおよび図1Cは、図1Aに示すディンプル粒子2の表面近傍における断面をTEMで観察した結果である。図1Bおよび図1Cに示すように、断面で観測される粒子表面20は、表面粗さよりも長周期的なうねり曲線を成しており、複数の凸点21と、凹部22とを有する。凸点21は、粒子表面20が径方向の外側に向かって隆起している領域の頂点である。一方、凹部22は、それぞれ、粒子表面20の周方向で隣接する2つの凸点21の間に位置し、粒子表面20が径方向の内側に向かって窪んでいる領域である。それぞれの凹部22において、粒子表面20が径方向の内側に向かって最も窪んでいる箇所の中心(すなわち各凹部22における最深部の中心)を底点23と称する。
なお、TEM観察で使用する測定試料は、集束イオンビーム(FIB)を用いたマイクロサンプリング法により、ディンプル粒子2の表面付近から薄片を採取することで準備することができる。図1Bおよび図1Cに示すTEM画像では、粒子表面20の外側に、ディンプル粒子2よりもコントラストが明るい領域が存在するが、当該領域は、TEM観察用の測定試料を作製する際に形成した保護層である。
図1Bおよび図1Cに示すような断面で観測される粒子表面20において、凹部22の平均深さRDは、10nm以上150nm以下である。また、粒子表面20の周方向に沿って隣接する凸部21の平均間隔VDは、平均深さRDの5倍以上である。ディンプル粒子2の表面には、上記の平均深さRDおよび平均間隔VDを満たすような浅い窪みが形成してあり、当該ディンプル粒子2が、直流重畳特性の向上に寄与する。
なお、平均深さRDは、15nm以上145nm以下であることが好ましく、20nm以上100nm未満であることがより好ましい。また、平均深さRDに対する平均間隔VDの比(VD/RD)は、5以上であり、10以上であることが好ましい。VD/RDの上限は、特に限定されず、たとえば、VD/RDは、100以下であることが好ましく、60以下であることがより好ましい。
平均深さRD、および、平均間隔VDは、ディンプル粒子2の断面解析により測定することができる。以下、図4A~図4Cに示す模式図に基づいて、ディンプル粒子2の断面解析方法について説明する。なお、図4A~図4Cに示す粒子表面20の起伏は、実際のTEM像で観測される起伏よりも誇張して描いてある。
まず、凹部22の深さD1は、外接円C1から内接円C2までの径方向の距離として計測することができる。外接円C1(図4Aおよび図4Bの一点鎖線)とは、粒子表面20の凸点21と接する仮想曲線であり、内接円C2(図4Aおよび図4Bの二点鎖線)とは、粒子表面20における凹部22の底点23と接する仮想曲線である。ディンプル粒子2の表面に存在する窪みは、前述のとおり、非常に浅いため、粒子表面20の全周が納まる視野で外接円C1および内接円C2を描くことは困難である。そのため、断面解析を実施する際の視野は、図4Aや図4Bに示すように、2個~6個の凸点21が含まれる範囲に設定することが好ましい。もしくは、断面解析を実施する際の視野は、ディンプル粒子2の周囲長の1/4以下の範囲で、かつ、少なくとも2個の凸点21が含まれる範囲に設定することが好ましい。
上記の条件を満たすように視野を設定したうえで、粒子表面20に沿う曲率で、視野内に含まれる凸点21を繋ぐように、外接円C1を描く。また、内接円C2についても、粒子表面20に沿う曲率で、視野内に含まれる底点23を繋ぐように、内接円C2を描く。このようにして外接円C1と内接円C2とを描いた場合、図4Bに示すように、外接円C1から内接円C2までの径方向の距離を凹部22の深さD1と見なすことができる。なお、外接円C1から内接円C2までの径方向の距離は、外接円C1の半径と内接円C2の半径との差に相当する。
深さD1の平均値である平均深さRDは、上記の断面解析を少なくとも20個のディンプル粒子2に対して実施し、D1のn数を50以上として、算出することが好ましい。
隣接する凸点21の間隔D2は、断面における凹部22の開口長さに相当する。図4Bに示すように、凸点21の間隔D2は、凸点間の直線距離として算出すればよい。間隔D2の平均値である平均間隔VDについても、平均深さRDと同様に、上記の断面解析を少なくとも20個のディンプル粒子2に対して実施し、D2のn数を50以上として、算出することが好ましい。
また、上記の断面解析では、図4Bに示すように、外接円C1と内接円C2との間隔を等分する仮想曲線を描き、当該仮想曲線を中間線C3(図4Bの破線)とする。この中間線C3と粒子表面20とが交わる点を、交点24と称する。ディンプル粒子2の断面では、所定範囲内に含まれる交点24の数が所定の範囲に制御してあることが好ましい。具体的に、断面で観測される粒子表面20の1/4周分の範囲において、交点24の数NIが、平均で、2個以上18個以下であることが好ましく、3.4個以上15個以下であることがより好ましい。
なお、「粒子表面20の1/4周分の範囲」とは、ディンプル粒子2の周囲長の1/4の範囲であり、当該範囲は、1つの視野で観測してもよいし、複数の視野に分けて観測してもよい。また、交点24の数NIは、少なくとも20個のディンプル粒子2の断面を解析して、交点24の個数を計測し、その平均値として算出すればよい。交点の数NIは、断面で観測される粒子表面20における凹部22の個数を表す指標である。
上述のとおり、断面で観測される粒子表面20の凹凸は、外接円C1、内接円C2、および中間線C3を描いて解析することができる。ただし、各仮想曲線C1~C3を描く際に曲率の設定が必ずしも容易ではない場合には、図4Cに示す方法で粒子表面20の凹凸を解析してもよい。
具体的に、図4Cに示すような凹部22を拡大した断面において、隣接する凸点21を結ぶ第1直線L1(図4Cの一点鎖線)を引く。そして、第1直線L1と平行で、かつ、底点23を通る第2直線L2(図4Cの二点鎖線)を引く。この第1直線L1と第2直線L2との垂線距離を、凹部22の深さD1と見なしてもよい。なお、図4Cに示す解析方法においても、凸点21の間隔D2は、図4Bの場合と同様に、凸点間の直線距離として算出すればよい。間隔D2が、ディンプル粒子2の直径(すなわち円相当径)に対して、1/10以下である場合には、図4Cに示す方法で測定した深さD1は、図4Bに示す方法で測定した深さD1と同程度であり、曲率の影響を無視しても問題ない。
なお、図4Cに示す直線(L1およびL2)に基づく解析方法においても、少なくとも20個のディンプル粒子2に対して断面解析を実施し、D1およびD2のn数を50以上として、平均深さRDおよび平均間隔VDを算出することが好ましい。
また、ディンプル粒子2の断面解析において、断面観察の視野中に存在する任意の底点23と、この任意の底点23と隣接する凸点21とを通る直線を、第3直線L3(図4Cの破線)とする。第1直線L1と第3直線L3とがなす角θrは、平均で、20°以下であることが好ましく、10°以下であることがより好ましく、7°以下であることがさらに好ましい。
図4A~図4Cに示す断面解析で使用する測定試料は、ディンプル粒子2を含む磁心から採取してもよいし、ディンプル粒子2を含む粉末試料から採取してもよい。つまり、粉末試料中のディンプル粒子2の断面を各種電子顕微鏡(SEM、STEM、TEMなど)により観察して、RDやVDを求めてもよいし、磁心の断面を各種電子顕微鏡により観察して、RDやVDを求めてもよい。
ディンプル粒子2の平均粒径(断面円相当径の算術平均値)は、10μm以上50μm以下であることが好ましい。当該平均粒径は、ディンプル粒子2を含む埋込樹脂の断面や磁心の断面を、電子顕微鏡を用いて観察し、測定断面に含まれるディンプル粒子2の円相当径を測定することで、算出すればよい。
また、ディンプル粒子2は、表面に浅い窪みが形成されているものの、図1Aに示すように、球に近い粒子形状を有する。具体的に、ディンプル粒子2の平均円形度は、0.8以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましい。各ディンプル粒子2の円形度は、断面におけるディンプル粒子2の面積をS、ディンプル粒子2の周囲長をLとして、2(πS)1/2/Lで表される。真円の円形度は1であり、円形度が1に近いほど、粒子の球形度が高くなる。なお平均円形度は、少なくとも20個のディンプル粒子2の円形度を測定し、算出することが好ましい。
ディンプル粒子2は、軟磁性の合金組成を有しており、具体的な合金組成は特に限定されない。たとえば、ディンプル粒子2は、Fe-Si系、Fe-Ni系、Fe-Si-Cr系、Fe-Si-Al系、Fe-Si-Al-Ni系、Fe-Ni-Si-Co系などの結晶系の合金組成を有することができる。もしくは、Fe基非晶質系またはFe基ナノ結晶系の合金組成であってもよい。軟磁性合金粉末1の保磁力を低くする観点から、軟磁性合金粉末1の構成粒子であるディンプル粒子2は、Fe基非晶質またはFe基ナノ結晶の合金組成を有していることが好ましく、Fe基ナノ結晶の合金組成を有していることがより好ましい。
非晶質やナノ結晶の合金組成としては、Fe-Co-P-C系、Fe-Co-B系、もしくはFe-Co-B-Si系などがあげられる。より具体的に、ディンプル粒子2は、組成式(Fe(1-(α+β))CoαNiβ)(1-(a+b))X1aX2bを満たす合金組成を有していることが好ましく、上記組成を有することで、非晶質、ヘテロアモルファス、もしくはナノ結晶の結晶構造が得られやすい。
上記組成式において、X1はB、P、C、Si、およびAlから選択される1種以上の元素である。X2は、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Cr、Ga、Ag、Zn、S、Ca、Mg、V、Sn、As、Sb、Bi、N、O、Au、Cu、希土類元素、および白金族元素から選択される1種以上の元素である。希土類元素には、Sc,Yおよびランタノイドが含まれ、白金族元素には、Ru,Rh,Pd,Os,Ir,およびPtが含まれる。また、α,β,a,bは、原子数比であり、これら原子数比は、以下の要件を満足することが好ましい。
Feに対するCoの含有量(α)は、0≦α≦0.700であり、0.010≦α≦0.600であってもよく、0.030≦α≦0.600であってもよく、0.050≦α≦0.600であってもよい。αが上記の範囲内であることにより、軟磁性合金粉末1の飽和磁束密度Bsおよび耐食性が向上する。Bsを向上させる観点では、0.050≦α≦0.500であることが好ましい。αが大きくなるほど耐食性が向上する傾向にあるが、αが大きすぎる場合にはBsが低下しやすくなる。
また、Feに対するNiの含有量(β)は、たとえば、0≦β≦0.200とすることができる。すなわち、軟磁性合金はNiを含まなくてもよく、0.005≦β≦0.200であってもよい。Bsを向上させる観点では、0≦β≦0.050であってもよく、0.001≦β≦0.050であってもよく、0.005≦β≦0.010であってもよい。βが大きくなるほど耐食性が向上する傾向にあるが、βが大きすぎる場合にはBsが低下する。
さらに、軟磁性合金を構成する各元素の原子数比の和を1としたとき、Fe,Co,およびNiの合計含有量の原子数比(1-(a+b))は、0.720≦(1-(a+b))≦0.950であることが好ましく、0.780≦(1-(a+b))≦0.890であることがより好ましい。当該要件を満足することでBsが向上しやすくなる。また、0.720≦(1-(a+b))≦0.890であることにより、非晶質が得られやすく、保磁力が低下しやすくなる。
X1は不純物として含まれていてもよく、意図的に添加してもよい。X1の含有量(a)は、0≦a≦0.200であることが好ましい。Bsを向上させる観点では0≦a≦0.150であることが好ましい。
X2は不純物として含まれていてもよく、意図的に添加してもよい。X2の含有量(b)は、0≦b≦0.200であることが好ましい。Bsを向上させる観点では0≦b≦0.150であることが好ましく、0≦b≦0.100であることがさらに好ましい。
上述したディンプル粒子2の組成は、たとえば、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP)を用いて分析することができる。この際、ICPで酸素量を求めることが難しい場合には、インパルス加熱溶融抽出法を併用することができる。また、ICPで炭素量および硫黄量を求めることが難しい場合には、赤外吸収法を併用することができる。
また、ICPの他に、電子顕微鏡に付随のEDX(エネルギー分散型X線分析)やEPMA(電子プローブマイクロアナライザー)で組成分析を実施してもよい。たとえば、樹脂成分を有する磁心に含まれているディンプル粒子2については、ICPによる組成分析が難しい場合があり、この場合は、EDXやEPMAを用いて組成分析をしてもよい。また、上述したいずれの方法でも詳細な組成分析が難しい場合は、3DAP(3次元アトムプローブ)を用いて組成分析を実施してもよい。3DAPを用いる場合には、分析する領域において樹脂成分や表面酸化などの影響を除外してディンプル粒子2の組成を測定することができる。3DAPでは、ディンプル粒子2の内部において小さな領域(例えばΦ20nm×100nmの領域)を設定して平均組成を測定することができるためである。
前述したように、ディンプル粒子2の結晶構造は、結晶質、ナノ結晶、非晶質とすることができ、保磁力を低くする観点で、ナノ結晶または非晶質であることが好ましい。ここで、「非晶質の結晶構造」とは、非晶質化度Xが85%以上の結晶構造であって、当該非晶質化度Xを満足する範囲で結晶が含まれていてもよいことを意味する。すなわち、非晶質の結晶構造には、概ね非晶質で構成される構造、もしくは、ヘテロアモルファスからなる構造などが含まれる。ヘテロアモルファスからなる構造の場合、非晶質中に存在する結晶の平均結晶粒径は、0.1nm以上10nm以下であることが好ましい。また、本実施形態では、「ナノ結晶」とは、非晶質化度Xが85%未満であって、かつ、平均結晶粒径が100nm以下(好ましくは3nm~50nm)である結晶構造を意味し、「結晶質」とは、非晶質化度Xが85%未満であって、かつ、平均結晶粒径が100nmを超過する結晶構造を意味する。
なお、非晶質化度Xは、XRDを用いたX線結晶構造解析により測定することができ、EBSD(結晶方位解析)や電子線回折により測定してもよい。
また、前述したように、ディンプル粒子2は、粒子表面20を覆う絶縁被膜を有していてもよい。絶縁被膜は、粒子表面20の酸化による被膜、もしくは、BN、SiO2、MgO、Al23、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、ビスマス酸塩、または各種ガラスなどの無機材料を含む被膜とすることができ、絶縁被膜の材質は特に限定されない。また、絶縁被膜の平均厚みは、1nm以上150nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。
以下、ディンプル粒子2を含む軟磁性合金粉末1の製造方法の一例について説明する。軟磁性合金粉末1は、ガスアトマイズ法で製造することが好ましく、ガスアトマイズ装置として図5Aに示す金属粉末製造装置10を用いて製造することがより好ましい。金属粉末製造装置10は、楕円螺旋状の冷却水流を発生させることができる装置であり、当該金属粉末製造装置10を用いることで、最適な急冷条件で軟磁性合金粉末1を製造することができる。
金属粉末製造装置10は、図5Aに示すように、溶融金属供給部60と、当該供給部の鉛直方向の下方に配置してある冷却部30と、を有する。図5Aでは、鉛直方向をZ軸方向とする。溶融金属供給部60は、溶融金属61を収容する耐熱性の容器62を有しており、容器62の外周には加熱用コイル64が配置してある。軟磁性合金粉末1の製造時には、所望の合金組成を有する母合金を容器62に投入し、加熱用コイル64により母合金を溶融させ、得られた溶融金属61の温度を所定の範囲に保持する。
なお、母合金の製造方法は特に限定されない。たとえば、軟磁性合金粉末1を構成する各元素の原料(純金属等)を目的の合金組成となるように秤量し、当該原料を所定の真空度のチャンバー内で高周波加熱により溶解させることで、母合金を得ることができる。また、母合金を溶解して得た溶融金属61の温度は、特に限定されず、目的の合金組成の融点を考慮して設定すればよく、たとえば、1200℃~1600℃とすることができる。
容器62の底部には、吐出口63が形成してある。所定温度に保持された溶融金属61は、吐出口63から、冷却部30を構成する筒体32の内周面33に向けて、滴下溶融金属61aとして吐出される。
また、容器62の外底壁の外側には、吐出口63を囲むように、ガス噴射ノズル66が配置してある。このガス噴射ノズル66には、噴射口67が具備してあり、噴射口67から滴下溶融金属61aに向けて高圧ガスが噴射される。より具体的に、高圧ガスは、吐出口63から吐出された溶融金属61の周囲全周から斜め下方向に向けて噴射される。これにより、滴下溶融金属61aは、多数の液滴となり、ガスの流れに沿って筒体32の上部内側の内周面33に向けて運ばれる。
なお、高圧ガスは、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガス、もしくは、アンモニア分解ガスなどの還元性ガスであることが好ましい。また、浅い窪みを有するディンプル粒子2を得るためには、吐出口63付近の吸引圧力を-40kPa~-60kPaとすることが好ましい。この吸引圧力は、高圧ガスが衝突する吐出口63の先端長と、高圧ガスの圧力とのバランスを調整することで制御することができる。
また、ディンプル粒子2の平均粒径は、溶融金属61の吐出流量により、制御することができる。吐出流量が少ないほどディンプル粒子2の平均粒径が小さくなり、吐出流量が多いほどディンプル粒子2の平均粒径が大きくなる傾向となる。ディンプル粒子2の粒径は、吐出流量の他、ガス噴射圧、滴下溶融金属61aが冷却部30に達するまでの距離、冷却部30の水流速度などの因子を調整することでも制御可能である。
冷却部30は、内周面33を擁する筒体32と、筒体32の上部に具備してある冷却液導出部36と、筒体32の下部に具備してある排出部34と、を有する。筒体32は、筒体32の軸芯Oが鉛直方向(Z軸方向)に対して所定角度θ2で傾くように設置してある。また、筒体32の上部は、所定角度θ2で傾いた状態で、Z軸方向と垂直な水平方向に切断されており、筒体32の上面は楕円形状の開口面となっている。さらに、筒体32の内周面33では、軸芯Oに対して角度θ1で傾斜する断面が、図5Bに示すような楕円形状となっており、この楕円形状の断面が軸芯Oに沿って連続的に形成される。
なお角度θ1は、θ1=(90度-θ2)で表され、前述した楕円形状の断面とは、鉛直方向と垂直な内周面33(筒体32)の水平断面である。内周面33の水平断面における楕円の長軸は、筒体32の軸芯OがZ軸(鉛直線)に対して傾斜する方向と一致していることが好ましい。すなわち、水平断面の長軸が、筒体32の軸芯Oと、その軸芯Oと交差するZ軸とを含む平面に含まれるように、筒体32が構成してあることが好ましい。
図5Bに示すように、内周面33の水平断面において、楕円形の短径をW1とし、楕円形の長径をW2とする。浅い窪みを有するディンプル粒子2を得るためには、短径W1に対する長径W2の比(W2/W1)が、1.04以上3.00以下であることが好ましく、1.10以上2.00以下であることがより好ましく、1.10以上1.30以下であることがさらに好ましい。
冷却部30における冷却液導出部36は、供給ライン37と、冷却液吐出口52と、を有しており、冷却液導出部36では、供給ライン37から供給される冷却液が、冷却液吐出口52から筒体32の内周面33に沿って吐出される。冷却液導出部36は、楕円螺旋形の水流を生み出すために最適な構造を有しており、冷却液吐出口52から吐出された冷却液は、内周面33に沿って楕円形状の螺旋を描きながら、軸芯Oの下方に向かって流れ、一定の厚みを有する冷却液層50を形成する。
高圧ガスによって内周面33に向かって噴射された滴下溶融金属61aは、楕円螺旋状の水流を有する冷却液層50により急冷される。冷却液層50で発生している楕円螺旋状の水流では、楕円の短径側で流速が速くなり、楕円の長径側では流速が遅くなっている。そのため、冷却液層50に噴射された滴下溶融金属61aは、冷却液の流速に併せて、速度変化を伴いながら、楕円螺旋状の水流にのって軸芯Oの下方に向かって流されていく。
このように、冷却液層50を流れる滴下溶融金属61aに速度変化を与えることで、滴下溶融金属61a周りに発生する蒸気の膜が、滴下溶融金属61aから剥離され易くなり、滴下溶融金属61aに対する急冷の効率が向上する。そして、滴下溶融金属61aが、冷却液層50における楕円螺旋状の水流により凝固することで、ディンプル粒子2を含む軟磁性合金粉末1が得られる。この軟磁性合金粉末1は、筒体32の下方に位置する排出部34から、冷却液と共に排出される。金属粉末製造装置10から取り出した軟磁性合金粉末1に対しては、適宜、乾燥や分級などの処理を施してもよい。
上記の金属粉末製造装置10により製造した軟磁性合金粉末1では、構成粒子の大半がディンプル粒子2となる場合があり、構成粒子の一部がディンプル粒子2となる場合もある。つまり、軟磁性合金粉末1には、図1A~図1Cに示すようなディンプル粒子2だけでなく、図2A~図2Cに示す球状粒子などの他の粒子が含まれていてもよい。
ディンプル粒子2の生成には、筒体32のW2/W1や、溶融金属61の吐出口63付近における吸引圧力などが影響していると考えられる。適度な吸引圧力によって溶湯が加速され、一定の溶融状態を維持した噴射溶融金属の溶滴が、流速変化を伴う楕円螺旋状の冷却液層で急速に冷却されることによって、粒子表面に応力がかかり、ディンプル粒子2が生成すると考えられる。上記の製法で得られた軟磁性合金粉末1におけるディンプル粒子2の含有割合は、製造条件によって変化する場合がある。「10nm≦平均深さRD≦150nm、および、5.0≦VD/RD」を満たす条件で製造した軟磁性合金粉末1では、ディンプル粒子2の含有割合が、重量換算で、少なくとも1%である。軟磁性合金粉末1におけるディンプル粒子2の含有割合は、10%以上であることがより好ましい。
なお、軟磁性合金粉末1の各構成粒子の表面に絶縁被膜を形成する場合には、軟磁性合金粉末1に対して、熱処理、リン酸塩処理、メカニカルアロイング、シランカップリング処理、もしくは、水熱合成などの被膜形成処理を施せばよい。
(軟磁性合金粉末1の用途)
ディンプル粒子2を含む軟磁性合金粉末1の用途は、特に限定されず、各種磁性部品に適用することができる。特に、軟磁性合金粉末1は、インダクタ、トランス、チョークコイルなどの磁性部品における磁心の材料として好適に用いることができる。以下、図6および図7に基づいて、ディンプル粒子2を含む磁心および磁性部品の一例を説明する。
(磁心4)
ディンプル粒子2を含む磁心4(圧粉磁心)は、所定の形状を有するように形成されていればよく、その外形寸法や形状は特に限定されない。図6の概略断面図に示すように、磁心4は、少なくとも磁性粉11と、結合剤としての樹脂40とを含み、磁性粉11の構成粒子(2,12)が樹脂40を介して結合することにより所定の形状に固定されている。
樹脂40の材質は、特に限定されず、たとえば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂とすることができる。また、磁心4における樹脂40の含有率は、特に限定されず、たとえば、1.0質量%~2.5質量%であることが好ましい。
磁心4における磁性粉11の充填率は、成形圧などの製造条件や樹脂40の含有率などにより制御でき、たとえば、70vol%~90vol%とすることができる。透磁率を高める観点では、磁性粉11の充填率は、80vol%以上とすることが好ましい。
磁心4における磁性粉11は、粒子表面20に所定の凹凸を有するディンプル粒子2のみで構成してあってもよいが、図6に示すように、磁性粉11には、ディンプル粒子2と、所定の凹凸を有していないその他の粒子12と、が含まれていてもよい。図6では、ドットのハッチングで示す粒子がディンプル粒子2であり、斜線のハッチングで示す粒子が、その他の粒子12である。
磁心4の断面に占めるディンプル粒子2の面積割合は、少なくとも1%とすることができ、10%以上であることが好ましく、10%以上70%以下であることがより好ましい。
ディンプル粒子2の面積割合は、A2/A0で表され、A2は、磁心4の断面に含まれるディンプル粒子2の合計面積であり、A0は、樹脂40および磁性粉11の合計面積(すなわち、樹脂40、ディンプル粒子2、その他の粒子12の合計面積)である。上記面積割合A2/A0を計測するための測定視野は、磁性部品を構成するコイルなど磁心4以外の部分を含まない範囲に設定する。つまり、A0は、測定視野の面積に相当する。ディンプル粒子2の面積割合は、磁心4の断面を少なくとも150000μm2解析して算出することが好ましい(つまり、測定視野の合計面積を少なくとも150000μm2として算出することが好ましい)。
図3Aおよび図3Bは、絶縁被膜を有するディンプル粒子2の断面のSEM画像である。図3Aおよび図3Bに示すように、絶縁被膜の形成後においても、粒子表面20が凹凸を有していることが確認できる。図3Aおよび図3Bと同様に、磁心4の断面で観測されるディンプル粒子2においても、粒子表面20が所定の凹凸を有していることが確認できる。つまり、磁心4の断面を電子顕微鏡で観察し、当該断面中に含まれる構成粒子の表面が滑らかな凹凸を有しているか否かを確認することで、ディンプル粒子2と、その他の粒子12とを識別することができる。また、磁心4の断面で観測されるディンプル粒子2に対して、図4A~図4Cに示す解析方法を適用することで、平均深さRD、凸点21の平均間隔VD、交点24の数NI、平均粒径、平均円形度などを計測することができる。
なお、ディンプル粒子2と、その他の粒子12とは、同じ組成系で構成してあってもよいし、互いに異なる組成系を有していてもよい。また、ディンプル粒子2と、その他の粒子12とは、同じ結晶構造を有していてもよいし、互いに異なる結晶構造を有していてもよい。たとえば、ディンプル粒子2を、組成式(Fe(1-(α+β))CoαNiβ)(1-(a+b))X1aX2bを満たすFe基ナノ結晶の合金粒子とし、その他の粒子12をFe-Si系の結晶質の合金粒子とすることができる。
また、磁心4に含まれる磁性粉11の構成粒子を、粒径で分類した場合、磁性粉11には、断面の円相当径が5μm未満の小粒子11aと、断面の円相当径が5μm以上の大粒子11bと、が含まれることが好ましい(図6参照)。前述のとおり、ディンプル粒子2の平均粒径は、10μm以上50μm以下であることが好ましいため、上記のように、磁性粉11を粒径で大別した場合、ディンプル粒子2は、大粒子11bに分類されることが好ましい。なお、大粒子11bの平均粒径は、ディンプル粒子2と同様に、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
磁性粉11が小粒子11aと大粒子11bとで構成してある場合、磁心4における小粒子11aと大粒子11bとの割合は、特に限定されない。たとえば、磁心4の断面に占める小粒子11aの合計面積をA1aとし、磁心4の断面に占める大粒子11bの合計面積をA1bとした場合、A1b/A1aは、0.1~9.0とすることができ、1.5~9.0であることが好ましい。
なお、小粒子11aと、大粒子11bとは、同じ組成系で構成してあってもよいし、互いに異なる組成系を有していてもよい。また、小粒子11aと、大粒子11bとは、同じ結晶構造を有していてもよいし、互いに異なる結晶構造を有していてもよい。たとえば、小粒子11aを、Fe-Ni系の結晶質の合金粒子とし、ディンプル粒子2を含む大粒子11bを、組成式(Fe(1-(α+β))CoαNiβ)(1-(a+b))X1aX2bを満たすFe基ナノ結晶の合金粒子とすることができる。
磁心4の製造方法は特に限定されない。たとえば、金属粉末製造装置10を用いて製造したディンプル粒子2を含む軟磁性合金粉末1と、熱硬化性樹脂とを混錬して樹脂コンパウンドを得る。この際、従来のガスアトマイズ装置で製造したディンプル粒子2を含まない他の軟磁性合金粉末、または/および、平均粒径がディンプル粒子2よりも小さい微粉末などを樹脂コンパウンドに添加してもよい。また、改質剤、防腐剤、分散剤、非磁性粉末などを添加してもよい。そして、樹脂コンパウンドを金型に充填し、加圧成形し、その後、熱硬化性樹脂を硬化させることで、図6に示すような磁心4が得られる。
(磁性部品100)
図7に示す磁性部品100では、素体が、図6に示すような磁心4で構成してある。素体である磁心4の内部には、コイル5が埋設してあり、コイル5の端部5a,5bは、それぞれ、磁心4の端面に引き出されている。また、磁心4の端面には、一対の外部電極6,8が形成してあり、一対の外部電極6,8は、それぞれ、コイル5の端部5a,5bと電気的に接続してある。
図7に示す磁性部品100の用途は、特に限定されないが、たとえば、電源回路に用いられるパワーインダクタなどに好適である。なお、軟磁性合金粉末1を含む磁性部品(すなわちディンプル粒子2を含む磁性部品)は、図7に示すような様態に限定されず、所定形状の磁心の表面にワイヤが所定の巻き数だけ巻回されてなる磁性部品であってもよい。
(実施形態のまとめ)
本実施形態に係る軟磁性合金粉末1は、粒子表面20が滑らかな凹凸を有するディンプル粒子2を含む。ディンプル粒子2の断面(=磁心の断面)で観測される粒子表面20は、複数の凸点21と、凸点21の間に位置する凹部22と、を有する。凹部22の平均深さRDが、10nm以上150nm以下であり、粒子表面20の周方向に沿って隣接する凸点21の平均間隔VDが、平均深さRDの5倍以上である。
上記の特徴を有するディンプル粒子2は、直流重畳特性の向上に寄与する。また、ディンプル粒子2では、粒子表面20の凹部22に絶縁被膜が充填され、絶縁被膜の形成が容易である。そのうえ、ディンプル粒子2では、粒子表面20に対する絶縁被膜の密着強度が、従来の軟磁性合金粒子よりも高くなり、粒子表面20から絶縁被膜が剥離し難くなる。そのため、ディンプル粒子2は、耐電圧の向上にも寄与する。
断面で観測される粒子表面20の1/4周分の範囲において、中間線C3と粒子表面20との交点24の数NIが、平均で、2個以上18個以下であることが好ましい。交点24の数NIを上記の範囲とすることで、直流重畳特性の向上効果をより高めることができる。
ディンプル粒子2の平均粒径は、10μm以上50μm以下であることが好ましい。当該要件を満たすことで、高い透磁率を確保しつつ、直流重畳特性の向上効果を得ることができる。
また、ディンプル粒子2の結晶構造は、Fe基ナノ結晶または非晶質であることが好ましい。Fe基ナノ結晶または非晶質のディンプル粒子2では、保磁力を低くすることができ、優れた軟磁気特性を示す。また、Fe基ナノ結晶または非晶質のディンプル粒子2では、結晶質の場合よりも、直流重畳特性の向上効果をより高めることができる。
また、ディンプル粒子2を含む磁心4では、ディンプル粒子2の面積割合が、10%以上70%以下であることが好ましい。当該要件を満たすことで、磁心4において、高い透磁率を確保しつつ、より優れた直流重畳特性を得ることができる。
以上、本開示の実施形態について説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々に改変することができる。
以下、具体的な実施例に基づいて、本開示をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実験1)
実験1では、ガスアトマイズ装置における冷却部(筒体)のW2/W1を調整し、試料1~試料11に係る軟磁性合金粉末を作製した。
まず、Fe、Nb、および、その他副成分などの純金属原料を準備し、溶解後に表1に示すFe基ナノ結晶系の軟磁性合金組成が得られるように当該純金属原料を秤量した。そして、秤量した純金属原料を、真空引きしたチャンバー内で、高周波加熱により溶解し、母合金を得た。次に、作製した母合金を用いて、ガスアトマイズ法により軟磁性合金粉末を製造した。
具体的に、試料1の軟磁性合金粉末は、冷却部における筒体のW2/W1を1.00に設定した従来のガスアトマイズ装置で製造した。一方、試料2~11の軟磁性合金粉末は、筒体のW2/W1を表1に示す値に設定し、楕円螺旋状の冷却水流を発生させる金属粉末製造装置で製造した。また、実験1では、溶融金属の吐出口付近の吸引圧力を-50kPaに設定した。加えて、実験1の各試料1~11において、得られる軟磁性合金粉末の平均粒径が、20μm~22μmの範囲内となるように、溶融金属の吐出流量を制御した。
ガスアトマイズ法で製造した各試料の軟磁性合金粉末に対して、コーティング処理を施し、構成粒子の表面にリン酸塩を含む絶縁被膜を形成した。この際、各試料における絶縁被膜の平均厚みが5nm~150nmとなるように、コーティング処理の条件を制御した。
次に、試料1~11毎に、製造した軟磁性合金粉末を用いて、以下に示す手順で圧粉磁心を製造した。まず、軟磁性合金粉末とエポキシ樹脂とを、混練することで、樹脂コンパウンドを得た。この際、軟磁性合金粉末とエポキシ樹脂との配合比は、実験1の各試料において、圧粉磁心中の樹脂含有率が2.5wt%となるように制御した。そして、当該樹脂コンパウンドを、金型に充填し加圧することで、トロイダル形状の成形体を得た。この際、成形圧は、得られる圧粉磁心の比透磁率μi(直流磁界を印加していない状態(0kA/m)での比透磁率)が30(単位なし)となるように、制御した。そして、上記成形体を、180℃で60分間、加熱処理することで、成形体中のエポキシ樹脂を硬化させ、トロイダル形状(外形11mm、内径6.5mm、厚み2.5mm)の圧粉磁心を得た。
実験1の各試料では、作製した圧粉磁心に対して、以下に示す評価を実施した。
(圧粉磁心の断面解析)
各試料の圧粉磁心の断面をSEMにより観察し、観察視野中に含まれる軟磁性合金粉末のうちから、粒子表面に少しでも凹凸を有する粒子を特定した。本実験では、この「粒子表面に少しでも凹凸を有する粒子」を、「特定粒子」と称することとした(後述する実験2および3も同様)。そして、各特定粒子に対して、図4Aおよび図4Bに示す断面解析を実施した。つまり、特定粒子の粒子表面を拡大した断面像において、外接円C1、内接円C2、および中間線C3を描き、凹部の平均深さRD、凸点の平均間隔VD、中間線C3と粒子表面との交点の数NI(平均)、および、特定粒子の平均粒径(断面円相当径の算術平均)を算出した。
上記の断面解析は、少なくとも20個の特定粒子に対して実施した。また、平均深さRDの算出においては、深さD1のn数を50以上とし、平均間隔VDの算出においては、間隔D2のn数を50以上とした。さらに、少なくとも20個の特定粒子の断面における円相当径を計測し、粒度分布を得ることで、特定粒子の平均粒径を算出した。実験1の各試料における特定粒子の断面解析結果を、表1に示す。
なお、本実験では、10nm≦RD≦150nmおよび5≦(VD/RD)を満たす試料の特定粒子を、ディンプル粒子と称することとした(実験2および3も同様)。つまり、上記の断面解析結果において、RD<10nmである試料、150nm<RDである試料、もしくは、(VD/RD)<5である試料については、ディンプル粒子が含まれておらず、比較例であると判断した。一方、10nm≦RD≦150nmを満たし、かつ、5≦(VD/RD)を満たす試料については、ディンプル粒子が含まれており、実施例であると判断した。
なお、各試料の軟磁性合金粉末において、特定粒子の平均円形度、および、その他の構成粒子の平均円形度、を計測したところ、いずれも、0.9以上であることが確認できた。また、圧粉磁心の断面における特定粒子の面積割合は、試料1~11において、いずれも5%以上であった。
(圧粉磁心の比透磁率μiおよび直流重畳特性)
各試料におけるトロイダル形状の圧粉磁心に対して、ポリウレタン銅線(UEW線)を巻回した。そして、周波数1MHzにおける圧粉磁心のインダクタンスを、LCRメータ(アジレント・テクノロジー社製4284A)を用いて測定し、当該インダクタンス値に基づいて圧粉磁心の比透磁率μi(単位なし)を算出した。比透磁率μiの測定においては、直流磁界を印加しなかった。前述したように、実験1の各試料では、比透磁率μiが30となるように成形圧を制御しており、狙い通り、各試料の比透磁率μiが30となったことが確認できた。
また、各試料の圧粉磁心に対して8kA/mの直流磁界を印加して、インダクタンスを測定し、当該インダクタンス値から直流透磁率μHdc(単位なし)を算出した。この直流透磁率μHdcが高く、比透磁率μi(すなわち30)に近いほど、直流重畳特性が良好であると判断できる。実験1では、従来のガスアトマイズ装置を用いて製造した試料1の直流透磁率μHdcを基準として、試料2~11における直流重畳特性の向上率を算出した。直流重畳特性の向上率は、基準である試料1の直流透磁率μHdcに対する各試料2~11の直流透磁率μHdcの比で表される。基準試料に対する直流重畳特性の向上率が、1.30倍以上を良好、1.70倍以上をさらに良好、2.00倍以上を特に良好と判断した。実験1における各試料の評価結果を表1に示す。
Figure 2023124670000002
表1に示すように、試料1および試料2では、RDが10nm未満であり、圧粉磁心に所定の表面凹凸を有するディンプル粒子が含まれていなかった。また、試料11では、RDが150nm超過であり、かつ、VD/RDが5未満であり、圧粉磁心に所定の表面凹凸を有するディンプル粒子が含まれていなかった。
一方、試料3~10は、10nm≦RD≦150nm、および、5≦(VD/RD)を満たしており、圧粉磁心にディンプル粒子が含まれていることが確認できた。そして、当該試料3~10では、基準試料に対する直流重畳特性の向上率が1.3倍以上となった。この結果から、所定の凹凸を有するディンプル粒子により、高い比透磁率μiを確保しつつ、直流重畳特性の向上が図れることがわかった。
また、試料4~9の結果から、交点の数NIを2個以上18個以下とすることで、高い透磁率を確保しつつ、直流重畳特性をより効果的に向上できることがわかった。
(実験2)
実験2では、平均粒径が異なる試料A1~A15に係る軟磁性合金粉末を製造した。具体的に、ガスアトマイズにおける溶融金属の吐出流量(以下溶湯流量)を表2に示す値に設定することで、軟磁性合金粉末の平均粒径を制御した。試料A1~A15では、上記以外の実験条件は実験1と同様として、軟磁性合金粉末および圧粉磁心を製造した。試料A1~A15における粉末製造時の条件、および、評価結果を表2に示す。
なお、本実験においても、実験1と同様に、10nm≦RD≦150nmおよび5≦(VD/RD)を満たす試料の特定粒子を、ディンプル粒子と称している。RD<10nmである試料、150nm<RDである試料、もしくは、(VD/RD)<5である試料については、ディンプル粒子が含まれていないため、圧粉磁心中のディンプル粒子の面積割合は0%とした。一方、10nm≦RD≦150nmおよび5≦(VD/RD)を満たす試料については、圧粉磁心の断面における特定粒子の面積割合を、ディンプル粒子の面積割合(A2/A0)として算出した。
また、実験2では、ディンプル粒子を含む試料A9の軟磁性合金粉末と、ディンプル粒子を含まない試料A7の軟磁性合金粉末とを混合し、当該混合粉末を用いて圧粉磁心を製造した。つまり、試料A9粉末に対して添加する試料A7粉末の配合割合により、圧粉磁心の断面に占めるディンプル粒子の面積割合を調整し、試料B1~B6に係る圧粉磁心を得た。試料A7粉末の配合割合は、試料A7粉末と試料A9粉末とを含む混合粉末100wt%に対する試料A7粉末の重量比で表され、試料B1~B6における試料A7粉末の配合割合は、表3に示す値に設定した。試料B1~B6における上記以外の実験条件は実験1と同様とした。なお、試料B1~B6における特定粒子の平均粒径、RD、VD、およびNIは、試料A9と同程度であった。試料B1~B6に係る圧粉磁心の評価結果を表3に示す。
なお、実験2において、ディンプル粒子を含まない試料A1,A4,A7,A10,およびA13が比較例に相当し、これら比較例の直流透磁率μHdcを基準として、ディンプル粒子を含む実施例の直流重畳特性の向上率を算出した。表2および表3では、直流重畳特性の評価に際して基準に設定した試料の向上率を、「1.00」と表記している。
Figure 2023124670000003
Figure 2023124670000004
表2に示すように、ディンプル粒子(特定粒子)の平均粒径が10μm以上50μm以下である試料では、直流重畳特性の向上率を1.70倍以上とすることができた。つまり、ディンプル粒子の平均粒径を10μm以上50μm以下とすることで、高い透磁率を確保しつつ、より優れた直流重畳特性が得られることがわかった。
また、表3に示す評価結果から、圧粉磁心の断面におけるディンプル粒子の面積割合を10%以上70%以下とすることで、高い透磁率を確保しつつ、より優れた直流重畳特性が得られることがわかった。
(実験3)
実験3では、合金組成が異なる軟磁性合金粉末を作製し、試料C1~試料C35に係る圧粉磁心を得た。各試料の合金組成を分析した結果を表4に示す。実験3では、合金組成ごとに、従来のガスアトマイズ装置で製造した試料(ディンプル粒子を含まない試料)と、楕円螺旋状の水流を発生させる金属粉末製造装置10で製造した試料(ディンプル粒子を含む試料)と、を得た。金属粉末製造装置10で製造した各軟磁性合金粉末には、ディンプル粒子と、所定の凹凸を有していない球状粒子とが、含まれており、ディンプル粒子と、それ以外の球状粒子とは、いずれも同じ合金組成を有していた。つまり、表4に示す軟磁性合金粉末の合金組成が、各試料におけるディンプル粒子の合金組成である。
実験3における上記以外の実験条件は、実験1と同様とした。なお、実験3でも、実験1および2と同様に、直流重畳特性を、基準試料に対するμHdcの向上率で評価し、各合金組成におけるディンプル粒子を含まない試料を、基準試料とした。実験3の評価結果を表4に示す。表4では、直流重畳特性の評価において基準とした試料の向上率を「1.00」と表記している。
Figure 2023124670000005
表4に示すように、軟磁性合金粉末の合金組成や結晶構造を変えた場合であっても、所定の凹凸を有するディンプル粒子により、高い透磁率を確保しつつ、直流重畳特性の向上が図れることが確認できた。特に、ディンプル粒子がナノ結晶または非晶質の合金である場合に、結晶質の場合よりも直流重畳特性の向上率が高かった。この結果から、ディンプル粒子はナノ結晶または非晶質であることが好ましいことがわかった。
1 … 軟磁性合金粉末
2 … ディンプル粒子
20 … 粒子表面
21 … 凸点
22 … 凹部
23 … 底点
24 … 交点
10 … 金属粉末製造装置
60 … 溶融金属供給部
61 … 溶融金属
61a … 滴下溶融金属
62 … 容器
63 … (溶融金属の)吐出口
64 … 加熱用コイル
66 … ガス噴射ノズル
67 … 噴射口
30 … 冷却部
32 … 筒体
33 … 内周面
34 … 排出部
36 … 冷却液導出部
37 … 供給ライン
52 … 冷却液吐出口
50 … 冷却液層
4 … 磁心
11 … 磁性粉
12 … その他の粒子
11a … 小粒子
11b … 大粒子
40 … 樹脂
100 … 磁性部品
5 … コイル
5a,5b … (コイルの)端部
6,8 … 外部電極

Claims (8)

  1. 粒子表面が滑らかな凹凸を有するディンプル粒子を含み、
    前記ディンプル粒子の断面で観測される前記粒子表面が、複数の凸点と、前記凸点の間に位置する凹部と、を有し、
    前記凹部の平均深さRDが、10nm以上150nm以下であり、
    前記粒子表面の周方向に沿って隣接する前記凸点の平均間隔VDが、前記平均深さRDの5倍以上である軟磁性合金粉末。
  2. 前記ディンプル粒子の断面において、
    前記粒子表面の前記凸点と接する仮想曲線を外接円とし、
    前記粒子表面の前記凹部の底点と接する仮想曲線を内接円とし、
    前記外接円と前記内接円との間隔を等分する仮想曲線を中間線として、
    前記断面で観測される前記粒子表面の1/4周分の範囲において、前記中間線と前記粒子表面との交点の数NIが、平均で、2個以上18個以下である請求項1に記載の軟磁性合金粉末。
  3. 前記ディンプル粒子の平均粒径が、10μm以上50μm以下である請求項1または2に記載の軟磁性合金粉末。
  4. 前記ディンプル粒子がFe基ナノ結晶を有する請求項1~3のいずれかに記載の軟磁性合金粉末。
  5. 前記ディンプル粒子が非晶質である請求項1~3のいずれかに記載の軟磁性合金粉末。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の軟磁性合金粉末を含む磁心。
  7. 前記磁心の断面に占める前記ディンプル粒子の面積割合が、10%以上70%以下である請求項6に記載の磁心。
  8. 請求項6または7に記載の磁心を有する磁性部品。
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