JP2023121609A - デバイスチップの製造方法 - Google Patents

デバイスチップの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023121609A
JP2023121609A JP2022025048A JP2022025048A JP2023121609A JP 2023121609 A JP2023121609 A JP 2023121609A JP 2022025048 A JP2022025048 A JP 2022025048A JP 2022025048 A JP2022025048 A JP 2022025048A JP 2023121609 A JP2023121609 A JP 2023121609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forming step
groove forming
processing
laser beam
workpiece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022025048A
Other languages
English (en)
Inventor
健太郎 小田中
Kentaro Odanaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Disco Corp
Original Assignee
Disco Abrasive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Disco Abrasive Systems Ltd filed Critical Disco Abrasive Systems Ltd
Priority to JP2022025048A priority Critical patent/JP2023121609A/ja
Publication of JP2023121609A publication Critical patent/JP2023121609A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Dicing (AREA)

Abstract

【課題】加工品質の向上が可能なデバイスチップの製造方法を提供すること。【解決手段】デバイスチップの製造方法は、被加工物の表面に保護膜を形成する保護膜形成ステップ101と、レーザビームを照射してマスクを形成するマスク形成ステップ102と、被加工物をデバイスチップへと分割する分割ステップ103とを備え、マスク形成ステップ102は、レーザビームを照射し、第2分割予定ラインとの交差部を除いて第1分割予定ラインに沿った加工溝を形成する第1の加工溝形成ステップ1021と、レーザビームを照射して第2分割予定ラインに沿って連続した加工溝を形成する第2の加工溝形成ステップ1022と、第1の加工溝形成ステップ1021および第2の加工溝形成ステップ1022を実施した後、レーザビームを照射して、第1分割予定ラインに沿って連続した加工溝を形成する第3の加工溝形成ステップ1023とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、デバイスチップの製造方法に関する。
半導体ウエーハのような被加工物を分割して個片化する方法として、被加工物に設定されたストリートに沿ってレーザビームを照射して加工溝を形成した後、プラズマによってエッチングするプラズマダイシングが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上述のようなレーザビームの照射による加工では、加工時にデブリが生じ、加工溝の両側に沿って盛り上がるように付着する場合がある。従って、ストリートが交差している場合には、一方のストリートを加工すると、ストリートのクロス部において、他方のストリート上にストリートを遮るような盛り上がりが形成される。
こうした盛り上がりがストリート上に存在すると、その部分がプラズマエッチングのマスクとなってしまい、未分割が発生するなど加工品質が低下してしまうという問題があった。そこで、レーザー加工の順序を工夫する等して、こうしたデブリの盛り上がりを除去するアイディアが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2018-190857号公報 特開2018-98411号公報
しかしながら、ストリートの交差部は、交差部以外よりも2倍加工が施されることになるため、加工深さが深くなるだけでなく、熱ダメージが大きくなりコーナークラックが発生して加工品質が低下するという異なる課題が存在していた。
本願発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その目的は、加工品質の向上が可能なデバイスチップの製造方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のデバイスチップの製造方法は、格子状に形成された複数の第1分割予定ラインと該第1分割予定ラインに交差する第2分割予定ラインとによって区画された各領域にそれぞれデバイスが形成された被加工物を分割してデバイスチップを製造するデバイスチップの製造方法であって、該被加工物の一方の面に保護膜を形成する保護膜形成ステップと、該保護膜に対して吸収性を有する波長のレーザビームを該第1分割予定ラインおよび該第2分割予定ラインに沿って照射して該保護膜を開口しマスクを形成するマスク形成ステップと、該マスク形成ステップを実施した後、該被加工物を個々のデバイスチップへと分割する分割ステップと、を備え、該マスク形成ステップは、該保護膜に対して吸収性を有する波長のレーザビームを該第1分割予定ラインに沿って照射し、該第2分割予定ラインとの交差部を除いて第1分割予定ラインに沿った加工溝を形成する第1の加工溝形成ステップと、該保護膜に対して吸収性を有する波長のレーザビームを該第2分割予定ラインに沿って照射して該第2分割予定ラインに沿って連続した加工溝を形成する第2の加工溝形成ステップと、該第1の加工溝形成ステップおよび該第2の加工溝形成ステップを実施した後、該保護膜に対して吸収性を有する波長のレーザビームを該第1分割予定ラインに沿って照射して、該第1分割予定ラインに沿って連続した加工溝を形成する第3の加工溝形成ステップと、を備え、該第3の加工溝形成ステップでは、該第2の加工溝形成ステップで生じたデブリを除去することを特徴とする。
前記デバイスチップの製造方法において、該第3の加工溝形成ステップを実施した後、該被加工物に対して吸収性を有する波長のレーザビームを該第2分割予定ラインに沿って照射して、該第1分割予定ラインとの交差部を除いて該第2分割予定ラインに沿った加工溝を形成する第4の加工溝形成ステップを実施しても良い。
前記デバイスチップの製造方法において、該第3の加工溝形成ステップでは、該第1の加工溝形成ステップおよび該第2の加工溝形成ステップにおいて加工されなかった未加工部を除去しても良い。
本発明は、加工品質の向上が可能になるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法の加工対象の被加工物の斜視図である。 図2は、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。 図3は、図2に示されたデバイスチップの製造方法の保護膜形成ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。 図4は、図2に示されたデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップを模式的に一部断面で示す側面図である。 図5は、図2に示されたデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップの第1の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。 図6は、図2に示されたデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップの第2の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。 図7は、図2に示されたデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップの第3の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。 図8は、図2に示されたデバイスチップの製造方法の分割ステップを模式的に示す断面図である。 図9は、従来のデバイスチップの製造方法の第1の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。 図10は、従来のデバイスチップの製造方法の第2の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。 図11は、従来のデバイスチップの製造方法の第3の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。 図12は、実施形態2に係るデバイスチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。 図13は、図12に示されたデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップの第4の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。 図14は、従来のデバイスチップの製造方法の第4の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。 図15は、実施形態1及び実施形態2の変形例に係るデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップの第1の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るデバイスチップの製造方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法の加工対象の被加工物の斜視図である。図2は、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。
実施形態1に係るデバイスチップの製造方法の加工対象の被加工物1は、シリコン、サファイヤ、ガリウムヒ素、又はSiC(炭化ケイ素)等などを基板2とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハである。被加工物1は、表面3の格子状に形成された互いに平行な複数の第1分割予定ライン4と第1分割予定ライン4に交差(実施形態1では、直交)する互いに平行な複数の第2分割予定ライン5とによって区画された各領域にそれぞれデバイス6が形成されている。
デバイス6は、例えば、IC(Integrated Circuit)、又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ、又はあるいはメモリ(半導体記憶装置)等である。
被加工物1は、結晶方位を示す異形状部であるノッチ7が外縁に形成されている。被加工物1は、分割予定ライン4,5に沿って個々のデバイスチップ8に分割される。なお、デバイスチップ8は、基板2の一部とデバイス6とを含んでいる。
実施形態1に係るデバイスチップの製造方法は、前述した構成の被加工物1を分割予定ライン4,5に沿って分割して、デバイスチップ8を製造する方法である。実施形態1に係るデバイスチップの製造方法は、図2に示すように、保護膜形成ステップ101と、マスク形成ステップ102と、分割ステップ103とを備える。
(保護膜形成ステップ)
図3は、図2に示されたデバイスチップの製造方法の保護膜形成ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。保護膜形成ステップ101は、被加工物1の表面3の裏側の裏面9(一方の面に相当)に保護膜25(図4に示す)を形成するステップである。
なお、実施形態1において、保護膜形成ステップ101では、図1に示すように、被加工物1の表面3に被加工物1よりも大径な粘着テープ10を貼着し、粘着テープ10の外周縁に環状の環状フレーム11を貼着して、環状フレーム11により被加工物1を支持する。
実施形態1において、保護膜形成ステップ101では、保護膜被覆装置20が、被加工物1の表面3側を粘着テープ10を介してスピンナーテーブル21の保持面に吸引保持し、環状フレーム11をスピンナーテーブル21の周囲に設けられたクランプ部22でクランプする。保護膜形成ステップ101では、保護膜被覆装置20が、図3に示すように、スピンナーテーブル21を軸心回りに回転するとともに、水溶性樹脂供給ノズル23から水溶性樹脂24を被加工物1の裏面9の中央に滴下する。
滴下された水溶性樹脂24は、スピンナーテーブル21の回転により発生する遠心力によって、被加工物1の裏面9上を中心側から外周側に向けて流れていき、被加工物1の裏面9の全面に塗布される。
なお、水溶性樹脂24は、例えば、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol:PVA)、又はポリビニルピロリドン(Polyvinylpyrrolidone:PVP)等の水溶性樹脂である。保護膜形成ステップ101では、被加工物1の裏面9の全面に塗布された水溶性樹脂24を乾燥することによって、被加工物1の裏面9の全面を被覆する水溶性の保護膜25を形成する。
(マスク形成ステップ)
図4は、図2に示されたデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップを模式的に一部断面で示す側面図である。図5は、図2に示されたデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップの第1の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。図6は、図2に示されたデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップの第2の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。図7は、図2に示されたデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップの第3の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。なお、図5、図6及び図7は、デバイス6を省略している。
マスク形成ステップ102は、保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長のパルス状のレーザビーム31を第1分割予定ライン4および第2分割予定ライン5に沿って照射して保護膜25を開口して分割予定ライン4,5を露出させるマスク26を形成するステップである。なお、マスク26は、分割ステップ103において実施されるプラズマエッチングのエッチングガスに対して耐性を有し、分割予定ライン4,5に沿って被加工物1をアブレーション加工又は切削加工する際にも基板2を保護することが可能な膜である。また、マスク26は、分割予定ライン4,5を露出させる膜でもある。実施形態1において、マスク形成ステップ102は、第1の加工溝形成ステップ1021と、第2の加工溝形成ステップ1022と、第3の加工溝形成ステップ1023とを備える。
(第1の加工溝形成ステップ)
第1の加工溝形成ステップ1021は、保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長のレーザビーム31(図4に示す)を第1分割予定ライン4に沿って照射し、第2分割予定ライン5との交差部12(図1に示す)を除いて第1分割予定ライン4に沿った加工溝13を裏面9側に形成するステップである。第1の加工溝形成ステップ1021では、図4に示すレーザ加工装置30が図示しない制御ユニットにマスク形成ステップ102の加工条件を受け付けて登録する。
なお、加工条件は、レーザビーム31の出力、レーザビーム31の繰り返し周波数、レーザビーム31に対する被加工物1の相対的な移動速度、被加工物1の分割予定ライン4,5の位置、間隔などである。加工条件は、第1の加工溝形成ステップ1021と、第2の加工溝形成ステップ1022と、第3の加工溝形成ステップ1023毎に異なっていても良く、同じでも良い。
制御ユニットは、レーザ加工装置30の各構成要素をそれぞれ制御して、被加工物1に対する加工動作をレーザ加工装置30に実施させるものである。制御ユニットは、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニットの演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、レーザ加工装置30を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介してレーザ加工装置30の各構成要素に出力する。
また、制御ユニットは、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示ユニットと、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる入力ユニットとに接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルにより構成される。
制御ユニットは、加工条件に基づいて、第1の加工溝形成ステップ1021においてレーザビーム31を照射する位置とレーザビーム31の照射を停止する位置とを算出するコンピュータプログラムを記憶している。具体的には、制御ユニットは、第1の加工溝形成ステップ1021及び第2の加工溝形成ステップ1022において、保護膜25が形成された被加工物1にレーザビーム31を照射した際に形成される加工溝13の幅131(図5及び図6に示す)を加工条件に基づいて算出する。
制御ユニットは、仮に、第1の加工溝形成ステップ1021及び第2の加工溝形成ステップ1022において、全ての分割予定ライン4,5に全長に亘って連続した加工溝13を形成した際に、分割予定ライン4,5同士が交差する交差部12における加工溝13同士が重なる加工溝交差部14(図5及び図6等に平行斜線で示す)の角の位置を算出する。制御ユニットは、加工溝交差部14の角の位置に基づいて、加工溝交差部14の第1の加工溝形成ステップ1021における被加工物1に対するレーザビーム31の相対的な移動方向の上流側の角をレーザビーム31の照射を停止する位置とし、下流側の角をレーザビーム31の照射を再開する位置として、第1の加工溝形成ステップ1021においてレーザビーム31を照射する位置とレーザビーム31の照射を停止する位置とを算出する。なお、被加工物1の各位置は、被加工物1の基準位置(例えば、ノッチ7)からの各分割予定ライン4,5と平行な2方向の距離により定められる。
また、第1の加工溝形成ステップ1021では、レーザ加工装置30の制御ユニットが各構成要素を制御して、被加工物1の表面3側を粘着テープ10を介してチャックテーブル32の保持面に吸引保持し、環状フレーム11をチャックテーブル32の周囲に設けられたクランプ部33でクランプする。第1の加工溝形成ステップ1021では、レーザ加工装置30の制御ユニットが図示しない赤外線撮像ユニットにチャックテーブル32に保持された被加工物1を撮像させ、撮像させて取得した赤外線画像からデバイス6を抽出し、抽出したデバイス6に基づいて、被加工物1とレーザビーム31を照射するレーザビーム照射ユニット34との位置合わせを行うアライメントを遂行する。なお、アライメントでは、被加工物1の第1分割予定ライン4をチャックテーブル32の移動方向である水平方向と平行なX軸方向と平行に位置付ける。
第1の加工溝形成ステップ1021では、図4に示すように、レーザ加工装置30の制御ユニットがチャックテーブル32とレーザビーム照射ユニット34により形成される集光点とを第1分割予定ライン4に沿ってX軸方向に相対的に移動させながら、レーザビーム照射ユニット34から第1分割予定ライン4上の保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長のレーザビーム31を裏面9側から保護膜25に照射する。なお、実施形態1において、第1の加工溝形成ステップ1021では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、集光点を各分割予定ライン4の予め定められた位置である幅方向の中央に設定して、算出した第1の加工溝形成ステップ1021においてレーザビーム31を照射する位置とレーザビーム31の照射を停止する位置とに基づいてレーザビーム31を照射する。
第1の加工溝形成ステップ1021では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、算出した第1の加工溝形成ステップ1021においてレーザビーム31を照射する位置とレーザビーム31の照射を停止する位置とに基づいてレーザビーム31を照射するので、交差部12の加工溝交差部14が形成される位置を除いて、第1分割予定ライン4の全長に亘ってレーザビーム31を照射する。第1の加工溝形成ステップ1021では、レーザビーム31が保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長を有するために、レーザ加工装置30の制御ユニットが、図5に示すように、交差部12の加工溝交差部14が形成される位置を除いて、第1分割予定ライン4上の保護膜25及び基板2にアブレーション加工を施して、第1分割予定ライン4上の保護膜25及び基板2の表層を除去し、交差部12の加工溝交差部14が形成される位置を除いて、第1分割予定ライン4の全長に亘って、第1分割予定ライン4に沿った基板2の裏面9側が露出する加工溝13を形成する。
なお、実施形態1において、レーザ加工装置30の制御ユニットが第1の加工溝形成ステップ1021では、第1分割予定ライン4の交差部12に保護膜25の加工されなかった(未加工の)未加工部15を形成することとなる。なお、実施形態1において、未加工部15は、交差部12の加工溝交差部14上に位置する保護膜25により構成され、未加工部15の第1分割予定ライン4に沿った幅151が、第2の加工溝形成ステップ1022に形成される加工溝13の幅131と等しい。
また、第1の加工溝形成ステップ1002では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、交差部12の加工溝交差部14が形成される位置を除いて、加工溝13の両端に除去された保護膜25及び基板2の表層などで構成されたデブリ16を形成する。デブリ16は、加工溝13の両端に加工溝13と平行に形成され、保護膜25の表面よりも突出している。
第1の加工溝形成ステップ1002では、交差部12の加工溝交差部14が形成される位置を除いて、各第1分割予定ライン4に加工溝13を形成すると、レーザ加工装置30の制御ユニットが、レーザビーム照射ユニット34からのレーザビーム31の照射を停止した後、チャックテーブル32を水平方向と平行でかつX軸方向に対して直交するY軸方向に移動させて、次の第1分割予定ライン4に交差部12の加工溝交差部14が形成される位置を除いてレーザビーム31を照射する。第1の加工溝形成ステップ1002では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、交差部12の加工溝交差部14が形成される位置を除いて、全ての第1分割予定ライン4に全長に亘って加工溝13を裏面9に形成する。なお、実施形態1では、加工溝13を第1分割予定ライン4の予め定められた位置である幅方向の中央に形成する。
(第2の加工溝形成ステップ)
第2の加工溝形成ステップ1022は、保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長のレーザビーム31を第2分割予定ライン5に沿って照射して第2分割予定ライン5に沿って連続した加工溝13を裏面9側に形成するステップである。第2の加工溝形成ステップ1022では、レーザ加工装置30の制御ユニットがチャックテーブル32を鉛直方向(以下、Z軸方向と記す)と平行な軸心回りに回転して、被加工物1の第2分割予定ライン5をX軸方向と平行に位置付ける。
第2の加工溝形成ステップ1022では、レーザ加工装置30の制御ユニットがチャックテーブル32とレーザビーム照射ユニット34により形成される集光点とを第2分割予定ライン5に沿ってX軸方向に相対的に移動させながら、レーザビーム照射ユニット34から第2分割予定ライン5上の保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長のレーザビーム31を裏面9側から保護膜25に照射する。なお、実施形態1において、第2の加工溝形成ステップ1022では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、集光点を各分割予定ライン4の予め定められた位置である幅方向の中央に設定して、レーザビーム31を第2分割予定ライン5の全長に亘って定められた加工条件で照射する。
第2の加工溝形成ステップ1022では、レーザビーム31が保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長を有する。このために、第2の加工溝形成ステップ1022では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、図6に示すように、第1の加工溝形成ステップ1021により形成された未加工部15も含む第2分割予定ライン5上の保護膜25及び基板2にアブレーション加工を施して、第2分割予定ライン5上の保護膜25及び基板2の表層を除去し、第2分割予定ライン5に沿って、第2分割予定ライン5の全長に亘って連続した基板2の裏面9側が露出する加工溝13を形成する。
また、第2の加工溝形成ステップ1022では、レーザ加工装置30の制御ユニットが加工溝13の両端に第2分割予定ライン5の全長に亘って連続したデブリ16を形成する。実施形態1において、第2の加工溝形成ステップ1022では、レーザ加工装置30の制御ユニットが第1分割予定ライン4に沿った加工溝13内にも第2分割予定ライン5に沿った加工溝13の両端のデブリ16を形成する。第2の加工溝形成ステップ1022では、各第2分割予定ライン5に加工溝13を形成すると、レーザ加工装置30の制御ユニットが、レーザビーム照射ユニット34からのレーザビーム31の照射を停止した後、チャックテーブル32をY軸方向に移動させて、次の第2分割予定ライン5にレーザビーム31を照射する。第2の加工溝形成ステップ1022では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、全ての第2分割予定ライン5に全長に亘って連続した加工溝13を裏面9側に形成する。なお、実施形態1では、加工溝13を第2分割予定ライン5の予め定められた位置である幅方向の中央に形成する。
(第3の加工溝形成ステップ)
第3の加工溝形成ステップ1023は、第1の加工溝形成ステップ1021および第2の加工溝形成ステップ1022を実施した後、保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長のレーザビーム31を第1分割予定ライン4に沿って照射して、第1分割予定ライン4に沿って連続した加工溝13を裏面9側に形成するステップである。第3の加工溝形成ステップ1023では、レーザ加工装置30の制御ユニットがチャックテーブル32をZ軸方向と平行な軸心回りに回転して、被加工物1の第1分割予定ライン4をX軸方向と平行に位置付ける。
第3の加工溝形成ステップ1023では、レーザ加工装置30の制御ユニットがチャックテーブル32とレーザビーム照射ユニット34により形成される集光点とを第1分割予定ライン4に沿ってX軸方向に相対的に移動させながら、レーザビーム照射ユニット34から第1分割予定ライン4にレーザビーム31を裏面9側から照射する。なお、実施形態1において、第3の加工溝形成ステップ1023では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、集光点を各分割予定ライン4の予め定められた位置である幅方向の中央に設定して、レーザビーム31を第1分割予定ライン4の全長に亘って定められた加工条件で照射する。
第3の加工溝形成ステップ1023では、レーザビーム31が保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長を有する。このために、第3の加工溝形成ステップ1023では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、図7に示すように、第1分割予定ライン4の加工溝13から露出した基板2にアブレーション加工を施すとともに、第1分割予定ライン4に沿った加工溝13内のデブリ16にアブレーション加工を施して、第1分割予定ライン4に沿った加工溝13内のデブリ16を除去し、第1分割予定ライン4に沿って第1分割予定ライン4の全長に亘って連続した基板2の裏面9側が露出する加工溝13を形成する。
こうして、第3の加工溝形成ステップ1023では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、図7に示すように、第1分割予定ライン4に沿った加工溝13内に生じたデブリ16を図6に示された第2の加工溝形成ステップ1022後よりも抑制する。第3の加工溝形成ステップ1023では、各第1分割予定ライン4に沿った加工溝13内のデブリ16を除去すると、レーザ加工装置30の制御ユニットが、レーザビーム照射ユニット34からのレーザビーム31の照射を停止した後、チャックテーブル32をY軸方向に移動させて、次の第1分割予定ライン4にレーザビーム31を照射する。第3の加工溝形成ステップ1023では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、全ての第1分割予定ライン4に全長に亘ってレーザビーム31を照射して、全ての第1分割予定ライン4に沿った加工溝13内のデブリ16を除去する。なお、実施形態1では、加工溝13を第1分割予定ライン4の予め定められた位置である幅方向の中央に形成する。
こうして、実施形態1において、マスク形成ステップ102では、被加工物1の分割予定ライン4,5上の基板2の裏面9を露出させる開口である加工溝13が形成され、開口である加工溝13を除いて被加工物1の裏面9全体を被覆するマスク26を形成する。実施形態1に係るデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップ102の特に第3の加工溝形成ステップ1023では、加工溝交差部14のデブリ16が被加工物1に対するレーザビーム31の移動方向と同方向に移動しながら除去されることとなる。
このために、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップ102により形成されたマスク26は、図7に示すように、第1分割予定ライン4の加工溝交差部14の角の第3の加工溝形成ステップ1023の被加工物1に対するレーザビーム31の移動方向の上流側の角には若干デブリ16が残存するが、下流側の角にはデブリ16が残存しなくなる。このように、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップ102により形成されたマスク26は、図7に示すように、第1分割予定ライン4の加工溝交差部14の角に残存するデブリ16を抑制することができる。
(分割ステップ)
図8は、図2に示されたデバイスチップの製造方法の分割ステップを模式的に示す断面図である。分割ステップ103は、マスク形成ステップ102を実施した後、被加工物1を個々のデバイスチップ8へと分割するステップである。
実施形態1において、分割ステップ103では、プラズマエッチング装置40の制御ユニットが、ゲートバルブ411を駆動して、搬入出口412を開放し、被加工物1がチャンバ41内に搬入され、保護膜25側を上に向けて被加工物1が静電チャック42の保持面上に載置される。実施形態1において、分割ステップ103では、プラズマエッチング装置40の制御ユニットが、ゲートバルブ411を駆動して、搬入出口412を閉じ、排気装置43にチャンバ41内を排気させ、チャンバ41内を所定の圧力の密閉空間とする。
実施形態1において、分割ステップ103では、プラズマエッチング装置40の制御ユニットが、静電チャック42の保持面に相対するガス噴出ヘッド44を所定の高さ位置まで下降させ、ガス供給部45に例えばSFを主体とするエッチングガスをガス噴出ヘッド44内のガス拡散空間441に供給させ、ガス吐出口442から下方に噴出させる。また、実施形態1において、分割ステップ103では、プラズマエッチング装置40の制御ユニットが、高周波電源46に整合器461を介してガス噴出ヘッド44に高周波電力を印加させ、ガス噴出ヘッド44と静電チャック42との間に高周波電界を生じさせ、エッチングガスをプラズマ化させる。エッチングガスのプラズマ化に並行して、プラズマエッチング装置40の制御ユニットが、バイアス高周波電源47に整合器471を介して静電チャック42内の電極421に電圧を印加させて、静電チャック42の保持面と被加工物1との間に誘電分極現象を発生させ、電荷の分極による静電吸着力によって被加工物1を保持面上に吸着保持する。
実施形態1において、分割ステップ103では、プラズマ化したエッチングガスは、マスク26として作用する保護膜25をほとんどエッチングせずに、加工溝13から露出した分割予定ライン4,5上の基板2を表面3側に向けて異方性エッチングしていく。そのため、実施形態1において、分割ステップ103では、プラズマエッチング装置40が、被加工物1をプラズマエッチングして、被加工物1の裏面9に分割予定ライン4,5に沿った格子状のエッチング溝を形成する。
実施形態1において、分割ステップ103では、プラズマエッチング装置40の制御ユニットが、所定時間プラズマエッチングを行って、エッチング溝の底に粘着テープ10を露出させた後、プラズマエッチングを終了させる。即ち、実施形態1において、分割ステップ103では、プラズマエッチング装置40の制御ユニットが、所定時間プラズマエッチングを行った後、チャンバ41内へのエッチングガス等の導入及びガス噴出ヘッド44への高周波電力の供給を停止させ、チャンバ41内のエッチングガスを排気口431から排気装置43に排気させて、チャンバ41内部にエッチングガスが存在しない状態とする。
こうして、実施形態1において、分割ステップ103では、プラズマエッチング装置40の制御ユニットが、被加工物1を個々のデバイスチップ8に分割する。なお、本発明では、分割ステップ103では、上記したSFガス単体によるプラズマエッチングで行われる形態に限定されず、SFガスによるプラズマエッチングとCによる溝側壁等に対する保護膜堆積(デポジション)とを交互に繰り返すボッシュ法により被加工物1を個々のデバイスチップ8に分割しても良い。このように、実施形態1では、分割ステップ103は、マスク形成ステップ102を実施した後、マスク26が形成された側から被加工物1をプラズマエッチングして被加工物1を個々のデバイスチップ8へと分割するプラズマ加工ステップでもある。なお、デバイスチップ8に分割された被加工物1は、裏面9側に洗浄液が供給されることにより残ったデブリ16とともに保護膜25が除去される。
以上説明した実施形態1に係るデバイスチップの製造方法は、格子状の分割予定ライン4,5を備えて裏面9に保護膜25が形成された被加工物1に対して分割予定ライン4,5に沿ってレーザビーム31を照射してマスク26を形成するマスク形成ステップ102の第1の加工溝形成ステップ1021において、第1分割予定ライン4の交差部12に形成される加工溝交差部14上ではレーザビーム31の照射を停止させることとした。
実施形態1に係るデバイスチップの製造方法に対して、従来のデバイスチップの製造方法は、図9に示された第1の加工溝形成ステップ1021と、図10に示された第2の加工溝形成ステップ1022と、図11に示された第3の加工溝形成ステップ1023とのいずれも各分割予定ライン4,5の全長に亘って連続した加工溝13を形成するようにレーザビーム31を照射すること以外、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法と同じである。
なお、図9は、従来のデバイスチップの製造方法の第1の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。図10は、従来のデバイスチップの製造方法の第2の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。図11は、従来のデバイスチップの製造方法の第3の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。図9、図10及び図11は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
従来のデバイスチップの製造方法では、第2の加工溝形成ステップ1022において、第1分割予定ライン4に沿った加工溝13内に発生するデブリ16が実施形態1に係るデバイスチップの製造方法よりも増加する。このために、従来のデバイスチップの製造方法の第3の加工溝形成ステップ1023後のマスク26は、図11に示すように、第1分割予定ライン4の加工溝交差部14の各角にデブリ16が残存することとなる。また、従来のデバイスチップの製造方法では、第1の加工溝形成ステップ1021、第2の加工溝形成ステップ1022及び第3の加工溝形成ステップ1023の全てにおいて、加工溝交差部14の基板2にレーザビーム31が照射されてアブレーション加工が施される。
このため、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法は、図10及び図11に示された従来のデバイスチップの製造方法よりも図6及び図7に示すように、マスク形成ステップ102において生じるデブリ16を抑制することができる。また、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法は、従来のデバイスチップの製造方法よりも、各分割予定ライン4,5の加工溝交差部14にレーザビーム31を照射する回数を抑制することができる。
このために、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法は、従来のデバイスチップの製造方法よりも、各分割予定ライン4,5の加工溝交差部14の加工溝13の深さと、各分割予定ライン4,5の加工溝交差部14以外との加工溝13の深さとの差を抑制することができるとともに、加工溝交差部14の熱ダメージを低減することが可能となる。
その結果、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法は、加工品質の向上が可能になるという効果を奏する。
一般に、被加工物1の表面3側にバンプなどのパターン等の凹凸があると凸部に保護膜25が塗れないなどの問題が生じ保護膜25の塗布が難しくなったり、保護膜25を厚塗りすることによりレーザビーム31の照射による加工溝13の形成の難易度が上がったりする。そこで、実施形態1に係るデバイスチップの製造方法は、被加工物1の裏面9に保護膜25を形成し、裏面9からプラズマエッチングするので、平坦な裏面9に保護膜25塗布を塗布するので、保護膜25の塗布が容易であり、レーザビーム31の照射により加工溝13を形成し易いという効果を奏する。
〔実施形態2〕
実施形態2に係るデバイスチップの製造方法を図面に基づいて説明する。図12は、実施形態2に係るデバイスチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。図13は、図12に示されたデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップの第4の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。なお、図12及び図13は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係るデバイスチップの製造方法は、図12に示すように、マスク形成ステップ102が、第4の加工溝形成ステップ1024を実施すること(即ち、備えること)以外、実施形態1と同一である。
第4の加工溝形成ステップ1024は、第3の加工溝形成ステップ1023を実施した後、保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長のレーザビーム31を第2分割予定ライン5に沿って照射して、第1分割予定ライン4との交差部12の加工溝交差部14を除いて第2分割予定ライン5に沿った加工溝13を裏面9に形成して、マスク26を形成するステップである。第4の加工溝形成ステップ1024は、第3の加工溝形成ステップ1023の実施後、レーザ加工装置30の制御ユニットがチャックテーブル32をZ軸方向と平行な軸心回りに回転して、被加工物1の第2分割予定ライン5をX軸方向と平行に位置付ける。
第4の加工溝形成ステップ1024では、レーザ加工装置30の制御ユニットがチャックテーブル32とレーザビーム照射ユニット34により形成される集光点とを第2分割予定ライン5に沿ってX軸方向に相対的に移動させながら、レーザビーム照射ユニット34からレーザビーム31を裏面9側から照射する。なお、実施形態2において、第4の加工溝形成ステップ1024では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、集光点を各分割予定ライン4の予め定められた位置である幅方向の中央に設定して、第1の加工溝形成ステップ1021において算出したレーザビーム31を照射する位置とレーザビーム31の照射を停止する位置とに基づいてレーザビーム31を照射する。
第4の加工溝形成ステップ1024では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、第1の加工溝形成ステップ1021において算出したレーザビーム31を照射する位置とレーザビーム31の照射を停止する位置とに基づいてレーザビーム31を照射するので、交差部12の加工溝交差部14を除いて、第2分割予定ライン5の全長に亘ってレーザビーム31を照射する。第4の加工溝形成ステップ1024では、レーザビーム31が保護膜25及び被加工物1の基板2に対して吸収性を有する波長を有するために、レーザ加工装置30の制御ユニットが、交差部12の加工溝交差部14を除いて、第2分割予定ライン5の加工溝13から露出した基板2の裏面9にアブレーション加工を施すとともに、加工溝交差部14の角に残存したデブリ16にアブレーション加工を施して除去し、第2分割予定ライン5に沿って第2分割予定ライン5の全長に亘って連続した基板2が露出する加工溝13を形成する。
こうして、第4の加工溝形成ステップ1024では、図13に示すように、レーザ加工装置30の制御ユニットが第3の加工溝形成ステップ1023で加工溝交差部14の角に残存したデブリ16を除去して、加工溝交差部14の全ての角からデブリ16を除去する。第4の加工溝形成ステップ1024では、各第2分割予定ライン5の加工溝交差部14の角に残存したデブリ16を除去すると、レーザ加工装置30の制御ユニットが、レーザビーム照射ユニット34からのレーザビーム31の照射を停止した後、チャックテーブル32をY軸方向に移動させて、次の第2分割予定ライン5にレーザビーム31を照射する。
第4の加工溝形成ステップ1024では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、加工溝交差部14を除いて全ての第2分割予定ライン5に全長に亘ってレーザビーム31を照射して、全ての第2分割予定ライン5の加工溝交差部14の角のデブリ16を除去する。なお、実施形態2では、加工溝13を第2分割予定ライン5の予め定められた位置である幅方向の中央に形成する。
こうして、実施形態2において、マスク形成ステップ102では、被加工物1の分割予定ライン4,5上の基板2を露出させる加工溝13が裏面9側に形成され、加工溝13を除いて被加工物1の裏面9全体を被覆するマスク26を形成する。実施形態2に係るデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップ102により形成されたマスク26は、図13に示すように、第2分割予定ライン5の加工溝交差部14の全ての角にデブリ16が残存しなくなる。このように、実施形態2に係るデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップ102により形成されたマスク26は、図13に示すように、第2分割予定ライン5の加工溝交差部14の全ての角からデブリ16を除去することができる。
実施形態2に係るデバイスチップの製造方法は、マスク形成ステップ102の第1の加工溝形成ステップ1021において、第1分割予定ライン4の交差部12に形成される加工溝交差部14上ではレーザビーム31の照射を停止させ、第4の加工溝形成ステップ1024において、第2分割予定ライン5の加工溝交差部14上ではレーザビーム31の照射を停止させる。
実施形態2に係るデバイスチップの製造方法に対して、従来のデバイスチップの製造方法は、図9に示された第1の加工溝形成ステップ1021と、図10に示された第2の加工溝形成ステップ1022と、図11に示された第3の加工溝形成ステップ1023と、図14に示された第4の加工溝形成ステップ1024のいずれも各分割予定ライン4,5の全長に亘って連続した加工溝13を形成するようにレーザビーム31を照射すること以外、実施形態2に係るデバイスチップの製造方法と同じである。なお、図14は、従来のデバイスチップの製造方法の第4の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。図14は、実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
従来のデバイスチップの製造方法では、第2の加工溝形成ステップ1022において、第1分割予定ライン4に沿った加工溝13内に発生するデブリ16が実施形態1に係るデバイスチップの製造方法よりも増加する。このために、従来のデバイスチップの製造方法の第4の加工溝形成ステップ1024後のマスク26は、図14に示すように、第1分割予定ライン4の加工溝交差部14の各角にデブリ16が残存することとなる。また、従来のデバイスチップの製造方法では、第1の加工溝形成ステップ1021、第2の加工溝形成ステップ1022、第3の加工溝形成ステップ1023及び第4の加工溝形成ステップ1024の全てにおいて、加工溝交差部14の基板2にレーザビーム31が照射されてアブレーション加工が施される。
このため、実施形態2に係るデバイスチップの製造方法は、実施形態1と同様に、従来よりも分割予定ライン4,5の加工溝交差部14と、各分割予定ライン4,5の加工溝交差部14以外との加工溝13の深さの差を抑制することができるとともに、加工溝交差部14の熱ダメージを低減することが可能となる。
また、実施形態2に係るデバイスチップの製造方法は、第3の加工溝形成ステップ1023の実施後に、第2分割予定ライン5の加工溝交差部14上ではレーザビーム31の照射を停止させる第4の加工溝形成ステップ1024を実施するので、第2分割予定ライン5の加工溝交差部14の全ての角のデブリ16を除去することができる。
その結果、実施形態2に係るデバイスチップの製造方法は、より一層加工品質の向上が可能になるという効果を奏する。
〔変形例〕
変形例に係るデバイスチップの製造方法を図面に基づいて説明する。図15は、実施形態1及び実施形態2の変形例に係るデバイスチップの製造方法のマスク形成ステップの第1の加工溝形成ステップを模式的に示す被加工物の要部の平面図である。なお。図15は、実施形態1及び実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
変形例に係るデバイスチップの製造方法は、第1の加工溝形成ステップ1021において、レーザ加工装置30の制御ユニットが、レーザビーム31を照射する位置とレーザビーム31の照射を停止する位置とを、図15に示すように、保護膜25の未加工部15が加工溝交差部14上に位置し、未加工部15の幅151が第2分割予定ライン5に形成される加工溝13の幅131よりも広くなるように算出し、第1分割予定ライン4に加工溝交差部14上に位置し幅151が第2分割予定ライン5に形成される加工溝13の幅131よりも広い未加工部15を形成する事以外、実施形態1及び実施形態2と同じである。なお、この場合、実施形態2の第4の加工溝形成ステップ1024では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、レーザビーム31を照射する位置とレーザビーム31の照射を停止する位置とを実施形態1の第1の加工溝形成ステップ1021と同様に算出して第2分割予定ライン5に加工溝13を形成する。
このために、変形例に係るデバイスチップの製造方法は、第3の加工溝形成ステップ1023では、レーザ加工装置30の制御ユニットが、第2の加工溝形成ステップ1022において生じたデブリ16と、第1の加工溝形成ステップ1021および第2の加工溝形成ステップ1022において保護膜25の加工されなかった(未加工の)未加工部15とを除去することとなる。
変形例に係るデバイスチップの製造方法は、マスク形成ステップ102の第1の加工溝形成ステップ1021において、第1分割予定ライン4の交差部12に形成される加工溝交差部14上ではレーザビーム31の照射を停止させるので、実施形態1及び実施形態2と同様に、加工品質の向上が可能になるという効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、実施形態1では、マスク形成ステップ102において、第1の加工溝形成ステップ1021を実施した後、第2の加工溝形成ステップ1022を実施しているが、本発明では、第2の加工溝形成ステップ1022を実施した後、第1の加工溝形成ステップ1021を実施しても良い。
また、本発明では、分割ステップ103では、基板2に対して吸収性を有する波長を有するレーザビーム31を加工溝13内で露出する基板2に照射するアブレーション加工により被加工物1を個々のデバイスチップ8に分割しても良く、切削ブレードを加工溝13内で露出する基板2に切り込ませる切削加工により被加工物1を個々のデバイスチップ8に分割しても良い。
また、本発明では、被加工物1の表面3に保護膜25を形成してマスク26を形成しても良い。また、本発明では、第1の加工溝形成ステップ1021、第2の加工溝形成ステップ1022、第3の加工溝形成ステップ1023及び第4の加工溝形成ステップ1024において、基板2にはアブレーション加工を施さず、保護膜25のみを除去してもよい。即ち、本発明では、第1の加工溝形成ステップ1021、第2の加工溝形成ステップ1022、第3の加工溝形成ステップ1023及び第4の加工溝形成ステップ1024において、保護膜25を加工するが基板2を加工しない加工条件(パワー密度)にしてもよい。
1 被加工物
4 第1分割予定ライン
5 第2分割予定ライン
6 デバイス
8 デバイスチップ
9 裏面(一方の面)
12 交差部
13 加工溝(開口)
15 未加工部
16 デブリ
25 保護膜
26 マスク
31 レーザビーム
101 保護膜形成ステップ
102 マスク形成ステップ
103 分割ステップ
1021 第1の加工溝形成ステップ
1022 第2の加工溝形成ステップ
1023 第3の加工溝形成ステップ
1024 第4の加工溝形成ステップ

Claims (3)

  1. 格子状に形成された複数の第1分割予定ラインと該第1分割予定ラインに交差する第2分割予定ラインとによって区画された各領域にそれぞれデバイスが形成された被加工物を分割してデバイスチップを製造するデバイスチップの製造方法であって、
    該被加工物の一方の面に保護膜を形成する保護膜形成ステップと、
    該保護膜に対して吸収性を有する波長のレーザビームを該第1分割予定ラインおよび該第2分割予定ラインに沿って照射して該保護膜を開口しマスクを形成するマスク形成ステップと、
    該マスク形成ステップを実施した後、該被加工物を個々のデバイスチップへと分割する分割ステップと、を備え、
    該マスク形成ステップは、
    該保護膜に対して吸収性を有する波長のレーザビームを該第1分割予定ラインに沿って照射し、該第2分割予定ラインとの交差部を除いて第1分割予定ラインに沿った加工溝を形成する第1の加工溝形成ステップと、
    該保護膜に対して吸収性を有する波長のレーザビームを該第2分割予定ラインに沿って照射して該第2分割予定ラインに沿って連続した加工溝を形成する第2の加工溝形成ステップと、
    該第1の加工溝形成ステップおよび該第2の加工溝形成ステップを実施した後、該保護膜に対して吸収性を有する波長のレーザビームを該第1分割予定ラインに沿って照射して、該第1分割予定ラインに沿って連続した加工溝を形成する第3の加工溝形成ステップと、を備え、
    該第3の加工溝形成ステップでは、
    該第2の加工溝形成ステップで生じたデブリを除去することを特徴とする、デバイスチップの製造方法。
  2. 該第3の加工溝形成ステップを実施した後、該被加工物に対して吸収性を有する波長のレーザビームを該第2分割予定ラインに沿って照射して、該第1分割予定ラインとの交差部を除いて該第2分割予定ラインに沿った加工溝を形成する第4の加工溝形成ステップを実施することを特徴とする、請求項1に記載のデバイスチップの製造方法。
  3. 該第3の加工溝形成ステップでは、
    該第1の加工溝形成ステップおよび該第2の加工溝形成ステップにおいて加工されなかった未加工部を除去することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のデバイスチップの製造方法。
JP2022025048A 2022-02-21 2022-02-21 デバイスチップの製造方法 Pending JP2023121609A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022025048A JP2023121609A (ja) 2022-02-21 2022-02-21 デバイスチップの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022025048A JP2023121609A (ja) 2022-02-21 2022-02-21 デバイスチップの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023121609A true JP2023121609A (ja) 2023-08-31

Family

ID=87798135

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022025048A Pending JP2023121609A (ja) 2022-02-21 2022-02-21 デバイスチップの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023121609A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7767554B2 (en) Method of manufacturing semicondictor chip
JP5881464B2 (ja) ウェーハのレーザー加工方法
KR20200019929A (ko) 기판을 프로세싱하는 방법
JP2009184002A (ja) レーザ加工方法
US10083867B2 (en) Method of processing a wafer
JP6987448B2 (ja) 小径ウェーハの製造方法
JP2009176793A (ja) ウエーハの分割方法
JP6137798B2 (ja) レーザー加工装置及び保護膜被覆方法
JP2010182753A (ja) ウエーハの分割方法
CN109719374B (zh) 被加工物的加工方法
KR102320761B1 (ko) 웨이퍼의 가공 방법 및 연마 장치
JP6965126B2 (ja) 被加工物の加工方法
JP2023121609A (ja) デバイスチップの製造方法
JP7154697B2 (ja) 被加工物の加工方法
JP6713214B2 (ja) デバイスウェーハの加工方法
TW201812880A (zh) 晶圓的加工方法
JP7486379B2 (ja) レーザー加工方法およびチップの製造方法
JP2020061494A (ja) ウェーハの加工方法
JP7292803B2 (ja) ウェーハの加工方法
TWI846946B (zh) 晶圓加工方法
JP7520455B2 (ja) ウェーハの加工方法
JP7358193B2 (ja) ウエーハの加工方法
JP2019016651A (ja) ウェーハの加工方法
KR20240043690A (ko) 디바이스 웨이퍼의 가공 방법
JP6791585B2 (ja) ウェーハの加工方法