JP2023121562A - 車両後部構造 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、積載物としてスペアタイヤを積載物収容部(いわゆる、リアフロアパン)に積載することを仮定した場合にも、衝撃荷重を吸収する際に、スペアタイヤが積載物収容部から分離される。このため、スペアタイヤの移動を好適に制御することが難しく、車両の安全性の改善を図りにくい。
(1)本発明に係る車両後部構造は、リアフロアパン(例えば、実施形態のリアフロアパン15)と、前記リアフロアパンの上面に設けられ、スペアタイヤ固定部(例えば、実施形態のスペアタイヤ固定部51)に対して車両前方よりも車両後方が長く形成されたスペアタイヤブラケット(例えば、実施形態のスペアタイヤブラケット16,102)と、前記スペアタイヤ固定部に固定されるスペアタイヤ(例えば、実施形態のスペアタイヤ17)と、前記リアフロアパンの下面に設けられ、前記リアフロアパンの後部(例えば、実施形態のリアフロアパンの後部15d)から車両前方に向かうにしたがって上向きに延びる傾斜部(例えば、実施形態の第2傾斜補強部63)を有する補強部材(例えば、実施形態の補強部材18,103)と、前記補強部材の後部(例えば、実施形態の補強部材の後部18b)に設けられるフック(例えば、実施形態の牽引フック21)と、を備え、前記スペアタイヤブラケットは、前記スペアタイヤが固定される前記スペアタイヤ固定部よりも車両後方に設けられた第1昜屈曲部(例えば、実施形態の第1昜屈曲部47,105)を有し、前記補強部材は、前記スペアタイヤ固定部よりも車両後方に設けられた第2昜屈曲部(例えば、実施形態の第2昜屈曲部62,106)を有している。
このため、傾斜部に入力した上向きの荷重で第1昜屈曲部及び第2昜屈曲部を上方に向けて屈曲させる際に、スペアタイヤ固定部がリアフロアパンから分離することを抑制できる。これにより、スペアタイヤ固定部の車両後方側をリアフロアパンとともに上方へ向けて上方へ跳ね上げることができる。
このため、スペアタイヤをリアフロアパンから分離させることなく、スペアタイヤの後部を上方へ確実(好適)に跳ね上げることができる。
このため、スペアタイヤをリアフロアパンから分離させることなく、スペアタイヤの後部を上方へ確実(好適)に跳ね上げることができる。
<車両後部構造>
図1は、実施形態における車両後部構造10を示す平面図である。図2は、図1のII-II線に沿って破断した断面図である。
図1、図2に示すように、車両Veは、例えば、スポーツ用途多目的車(SUV:Sport Utility Vehicle)であり、後端部にトレーラヒッチTH(図10参照)が取り付けられる場合がある。トレーラヒッチTHは、例えば、フィッシング用のボートを積載するトレーラや、キャンピング用のトレーラなどを牽引するための装置である。図1から図6においては、車両VeにトレーラヒッチTHが取り付けられていない状態で説明する。
左リアサイドフレーム11は、不図示の左サイドシルの後端部から車体後方へ向けて延びている。右リアサイドフレーム12は、不図示の右サイドシルの後端部から車体後方へ向けて延びている。
リアフロアクロスメンバ13の車体前方で、かつ、左サイドシル及び右サイドシルの間には、例えば後部座席14が設けられている。後部座席14は、シートクッション25と、シートバック26と、不図示のヘッドレストと、を備える。
図3は、実施形態における車両後部構造10を左上方からみた斜視図である。図4は、図3のIV-IV線に沿って破断した断面図である。
図3、図4に示すように、リアフロアクロスメンバ13の車体後方に設けられたリアフロアパン15は、前端部15aがリアフロアクロスメンバ13に接続されている。リアフロアパン15は、左側部15b(図5参照)が左リアサイドフレーム11に接続されている。リアフロアパン15は、右側部15cが右リアサイドフレーム12に接続されている。
リアフロアパン15は、フロアパン前半部31と、フロアパン前半部31よりも車体後方に配置されたフロアパン後半部32と、フロアパン前半部31とフロアパン後半部32との接続部に形成されたフロアパン稜線部(稜線部)33と、を有する。
左側部35は、左リアサイドフレーム11から下方に向けて垂下されている。右側部36は、右リアサイドフレーム12から下方に向けて垂下されている。中央部37は、左側部35の下辺と右側部36の下辺とに連結されている。中央部37は、フロアパン前半部31の後端部から車両後方に向かうにしたがってフロアパン前半部31に比べて急な下向きに延びている。詳述すると、中央部37は、下方に突出するように緩やかな湾曲状で下向きに延びている。
また、フロアパン後半部32は、後端部32aが左側部35、右側部36、及び中央部37により、車両後方からの後面視においてU字状に形成されている。
フロアパン後半部32の後端部32a、左リアサイドフレーム11の後端部、及び右リアサイドフレーム12の後端部にはリアパネル41が設けられている。リアパネル41にはリアバンパービーム43(図1参照)が車両後方から設けられている。
図3、図4に戻って、リアフロアパン15の上面に、スペアタイヤブラケット16が上方から設けられている。スペアタイヤブラケット16は、リアフロアパン15において車幅方向の中央に配置されている。スペアタイヤブラケット16は、フロアパン前半部31からフロアパン稜線部33を経てフロアパン後半部32の途中まで延びている。スペアタイヤブラケット16は、外周の接続部(フランジ)がスペアタイヤブラケット16の上面に接続されている。
頂部45aは、例えば、フロアパン前半部31と同様に、車両後方に向かうにしたがって緩やかな下向きに形成されている。隆起部45は、車幅方向の断面がハット状に形成されている。
この状態において、スペアタイヤ17は、リアフロアパン15(具体的には、フロアパン前半部31)に車両後方へ向かうにしたがって緩やかな下向きに配置される。
第2後延長部48は、第1後延長部46の後端に一体に形成され、フロアパン後半部32に設けられている。第2後延長部48は、第1後延長部46の後端からフロアパン後半部32に沿って車両後方に向かうにしたがって第1後延長部46に比べて急な下向きに延びている。
すなわち、スペアタイヤブラケット16は、スペアタイヤ固定部51に対して車両前方よりも車両後方の方が長く形成されている。
図5は、実施形態における車両後部構造10を左下方からみた斜視図である。
図4、図5に示すように、リアフロアパン15の下面に、補強部材18が下方から設けられている。補強部材18は、リアフロアパン15において車幅方向の中央に配置されている。また、補強部材18は、前後方向においてフロアパン前半部31の途中からフロアパン稜線部33を経てフロアパン後半部32の後端部32aまで延びている。
補強部材18は、第1傾斜補強部61と、第1傾斜補強部61の後端に配置された第2傾斜補強部(傾斜部)63と、第2傾斜補強部63の前端と第1傾斜補強部61の後端とが交差する部位に形成された第2昜屈曲部62と、第2傾斜補強部63に設けられた第3昜屈曲部64と、第2傾斜補強部63の後端部63aに設けられた鉛直補強部65と、を有する。
すなわち、第2傾斜補強部63は、フロアパン後半部32の後端部32aから車両前方に向かうにしたがって上向きに延びている。詳述すると、第2傾斜補強部63は、下方に突出するように緩やかな湾曲状でフロアパン後半部32の後端部32aから車両前方に向かうにしたがって上向きに延びている。
図4、図6に示すように、第2昜屈曲部62は、スペアタイヤブラケット16に形成された第1昜屈曲部47の下方に配置されている。具体的には、第1昜屈曲部47及び第2昜屈曲部62は、車両前後方向において同一位置に設けられている。
すなわち、第1昜屈曲部47及び第2昜屈曲部62は、同一中心O1の第1円弧71上及び第2円弧72上に配置され、かつ、同一法線73上に配置されている。
第2傾斜補強部63の後端部63aから上方に向けて鉛直補強部65が立ち上げられている。鉛直補強部65は、リアパネル41の後面に車両後方から接続されている。
補強部材18の後部18bに、牽引フック21が設けられている。牽引フック21は、側面視において概ねU字状に形成されている。牽引フック21は、前端部21aが第2傾斜補強部63において、第2傾斜補強部63の後端部63a寄りで、かつ、第3昜屈曲部64より車両後方の部位に下方から接続されている。また、牽引フック21は、後端部21bが鉛直補強部65に車両後方から接続されている。このため、牽引フック21は、補強部材18の後部に設けられ、補強部材18の後部18bを介してリアフロアパン15の後部15dに設けられている。
すなわち、第2傾斜補強部63は、牽引フック21から車両前方に向かうにしたがって上向きに延び、牽引フック21より車両前方に第3昜屈曲部64を有している。
図4、図5に示すように、リアフロアパン15のフロアパン前半部31において、下面にフロアパンクロスメンバ22が設けられている。フロアパンクロスメンバ22は、フロアパン前半部31のうちフロアパン稜線部33寄りに配置されている。フロアパンクロスメンバ22は、左リアサイドフレーム11及び右リアサイドフレーム12に架け渡されて車幅方向に延びている。フロアパンクロスメンバ22は、例えば、左クロスメンバ81と、右クロスメンバ82とに2分割されている。
すなわち、補強部材18は、第1傾斜補強部61の接続部位61bがフロアパンクロスメンバ22に接続されている。
まず、車両Veの後端部にトレーラヒッチTH(図10参照)が取り付けられていない例を図7に基づいて説明する。
車両Ve1によれば、例えば、後面衝突の際に、第2傾斜補強部63の後端部63aに衝撃荷重F1が車両前方に向けて水平に入力する。
また、補強部材18を荷重F2でZ状に折り曲げることにより、スペアタイヤブラケット16の第1昜屈曲部47を第2昜屈曲部62とともに上方に向けて屈曲させることができる。
このため、第2傾斜補強部63に入力した上向きの荷重F2(図7参照)により第1昜屈曲部47及び第2昜屈曲部62を上方に向けて屈曲させる際に、スペアタイヤ固定部51がリアフロアパン15から分離することを抑制できる。これにより、スペアタイヤ固定部51の車両後方側をリアフロアパン15とともに上方へ向けて上方へ跳ね上げることができる。
図10は、車両後部構造10のトレーラヒッチTHに後面衝突により衝撃荷重が入力する例を説明する断面図である。図11は、トレーラヒッチTHに入力した荷重で補強部材18をZ状に折り曲げる例を説明する断面図である。図12は、トレーラヒッチTHに入力した荷重でスペアタイヤ17の後部17bを上方へ跳ね上げる例を説明する断面図である。
車両Ve2によれば、後面衝突において第2傾斜補強部63の後端部63aに、衝撃荷重F3がトレーラヒッチ取付部85を介して車両前方へ向けて上向きに圧縮荷重として入力される。以下、衝撃荷重F3を単に「荷重F3」と略記することがある。
また、補強部材18を荷重F3でV状に折り曲げることにより、スペアタイヤブラケット16の第1昜屈曲部47を第2昜屈曲部62とともに上方に向けて屈曲させることができる。
このため、第2傾斜補強部63に入力した上向きの荷重F3(図10参照)で第1昜屈曲部47及び第2昜屈曲部62を上方に向けて屈曲させる際に、スペアタイヤ固定部51がリアフロアパン15から分離することを抑制できる。これにより、スペアタイヤ固定部51の車両後方側をリアフロアパン15とともに上方へ向けて上方へ跳ね上げることができる。
次に、変形例の車両後部構造100を図9に基づいて説明する。変形例の車両後部構造100において、上述の実施形態の車両後部構造10と同一、類似の構成部材に同じ符号を付して説明を省略する。
図13は、変形例の車両後部構造100を示す断面図である。
図13に示すように、車両後部構造100は、実施形態のスペアタイヤブラケット16及び補強部材18をスペアタイヤブラケット102及び補強部材103に代えたもので、その他の構成は実施形態の車両後部構造10と同様である。
これにより、スペアタイヤ17(図2参照)をリアフロアパン15から分離させることなく、スペアタイヤ17の後部17b(図2参照)を上方へ確実(好適)に跳ね上げることができる。
すなわち、第1昜屈曲部105及び第2昜屈曲部106は、同一中心O2の円弧上において、ずらされた(オフセットされた)法線上に配置されている。
11,12…左右のリアサイドフレーム(一対のリアサイドフレーム)
15…リアフロアパン
15d…リアフロアパンの後部
16,102…スペアタイヤブラケット
17…スペアタイヤ
18,103…補強部材
18b…補強部材の後部
21…牽引フック(フック)
22…フロアパンクロスメンバ(リアクロスメンバ)
33…フロアパン稜線部(稜線部)
47,105…第1昜屈曲部
51…スペアタイヤ固定部
61…第1傾斜補強部
61b…接続部位(傾斜部に対して車両前方側の部位)
62,106…第2昜屈曲部
63…第2傾斜補強部(傾斜部)
64…第3昜屈曲部
71,111…第1円弧(円弧)
72,112…第2円弧(円弧)
73…同一法線
114…第1法線(法線)
115…第2法線(法線)
O1,O2…同一中心
Claims (9)
- リアフロアパンと、
前記リアフロアパンの上面に設けられ、スペアタイヤ固定部に対して車両前方よりも車両後方が長く形成されたスペアタイヤブラケットと、
前記スペアタイヤ固定部に固定されるスペアタイヤと、
前記リアフロアパンの下面に設けられ、前記リアフロアパンの後部から車両前方に向かうにしたがって上向きに延びる傾斜部を有する補強部材と、
前記補強部材の後部に設けられるフックと、を備え、
前記スペアタイヤブラケットは、前記スペアタイヤが固定される前記スペアタイヤ固定部よりも車両後方に設けられた第1昜屈曲部を有し、
前記補強部材は、前記スペアタイヤ固定部よりも車両後方に設けられた第2昜屈曲部を有する
ことを特徴とする車両後部構造。 - 前記第1昜屈曲部及び前記第2昜屈曲部は脆弱部である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両後部構造。 - 前記第1昜屈曲部及び前記第2昜屈曲部は、車両前後方向において同一位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両後部構造。 - 前記第1昜屈曲部及び前記第2昜屈曲部は、同一中心の円弧上に配置され、かつ、同一法線上に配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の車両後部構造。 - 前記第1昜屈曲部及び前記第2昜屈曲部は、車両前後方向においてずらされた位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両後部構造。 - 前記第1昜屈曲部及び前記第2昜屈曲部は、同一中心の円弧上に配置され、かつ、ずらされた法線上に配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の車両後部構造。 - 前記第1昜屈曲部及び前記第2昜屈曲部は、前記リアフロアパンにおいて車幅方向に延びる稜線部に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両後部構造。 - 前記リアフロアパンの車幅方向外側に設けられた状態で車両前後方向に延びる一対のリアサイドフレームと、
前記一対のリアサイドフレームに架け渡されることにより車幅方向に延び、前記リアフロアパンの下面に設けられたリアクロスメンバと、を備え、
前記補強部材は、前記傾斜部に対して車両前方側の部位が前記リアクロスメンバに接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両後部構造。 - 補強部材は、第2昜屈曲部よりも車両後方に設けられ、脆弱部で形成された第3昜屈曲部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両後部構造。
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