JP2003002253A - 車両のキャブ構造 - Google Patents
車両のキャブ構造Info
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Abstract
車両前後方向の外力によりメインシルが変形した際にそ
の一部がシートに接触することを防止するようにした車
両のキャブ構造を提供する。 【解決手段】 キャブ10の底部に車体前後方向に延在
して配設されキャブ10の強度部材を構成するメインシ
ル11の上部にフロアパネル12を介して取り付けられ
たシートブラケット16の後端部に、メインシル11と
対向させて補強部16gを設け、キャブ10の前後方向
に大きな衝撃荷重が加わりメインシル11がシート17
の後方部位において変形した際、フロアパネル12が補
強部16gに接触させる。補強部16gは、剛性が高
く、フロアパネル12と接触しても変形し難く、シート
ブラケット16の変形が阻止され、フロアパネル12が
シートに17接触することが防止され、乗員の生存空間
が確保される。
Description
に関し、特にショートキャブに適用して好適な車両のキ
ャブ構造に関する。
ャブに対して前後方向に大きな外力が加わったとき、乗
員の生存空間を確保するためにキャブの永久変形量をで
きるだけ少なくするように構成することが必要である。
特に、前後方向の長さが短いショートキャブは、シート
の後方にベッド部が設けられていないために前後方向に
大きな衝撃が加わった際にシートの後方で衝撃エネルギ
を吸収できる部位が殆ど無く、吸収させようとしてもフ
ロアパネル(キャブフロア)がシートに接触してしま
う。従って、シートより前部のフロア部で衝撃エネルギ
を吸収させようとすると、乗員の生存空間を確保するこ
とが困難となる。
し、シート1は、シート側シートブラケット2、フロア
側シートブラケット3を介してフロアパネル4に取り付
けられており、メインシル5のシートブラケット3の後
部が位置する屈曲部5aが補強部材(図示せず)により
補強されている。これにより、前後方向に大きな衝撃が
加わった際にメインシル5の屈曲部5aの変形を抑制
し、フロアパネル4がシート1に接触しないようにして
いる。
来のショートキャブ構造においては、メインシル5の屈
曲部5aにおける補強がもたらす剛性バランスから、図
4に細線で示すようにメインシル5の乗員の足元部より
前方の部位5bで衝撃エネルギを吸収するような構造と
なっており、この部位5bが潰れやすいために変形して
乗員の生存空間を確保することが困難である。また、シ
ート1よりも後方でメインシル5を変形させようとする
と、フロアパネル4がシート1に接触してしまう。
て、例えば、特開平11−286282号公報に開示さ
れているように、メインシル5のシート後方の屈曲部に
固定された補強部材に切欠を形成して容易に折れ曲がる
ようにした構造のものがある。しかしながら、このよう
なキャブ構造は、シートの後方にベッド部が設けられて
いる場合に有効な構造であり、ショートキャブでは対応
が困難である。
開示されているように、シート後端部とフロアパネル傾
斜部の下端部のキャブ前後方向長さをa、フロアパネル
傾斜部のキャブ前後方向長さをb、フロアパネル後部の
キャブ前後方向長さをcとしたとき、a≧b≧cに設定
し、キャブに対し、その後方から大きな外力が作用した
ときもフロアパネルの上部と当該フロアパネル傾斜部の
境界部がシートに突き当たらないようにした構造のもの
がある。しかしながら、この構造は、シートの後方に十
分な空間を取れないショートキャブには対処することが
できない。
の後端部に補強部を設け、車両前後方向の外力によりメ
インシルが変形した際にその一部がシートに接触するこ
とを防止するようにした車両のキャブ構造を提供するこ
とを目的としている。
め、請求項1の発明では、キャブの底部に車体前後方向
に延在して配設され前記キャブの強度部材を構成するメ
インシルの上部にフロアパネルを介して取り付けられた
シートブラケットの後端部に前記メインシルと対向して
補強部を設けた構造としている。前記キャブに前方から
大きな衝撃荷重が加わりメインシルがシートの後方部位
において変形した際、フロアパネルがシートブラケット
の補強部に接触する。補強部は、剛性が高く、フロアパ
ネルと接触しても変形し難く、シートブラケットの変形
が阻止される。これにより、フロアパネルがシートに接
触することが防止され、乗員の生存空間が確保される。
ブラケットの補強部と対向する位置に脆弱部を設けた構
造として、変形時における衝撃荷重を吸収させる。これ
により、乗員の生存空間の確保が容易となる。
適な実施例を例示的に詳しく説明する。図1は、本発明
に係る車両のキャブ構造の実施形態を示し、運転席側の
概略構成を示す斜視図、図2は、図1に示すキャブの側
面図、図3は、図1に示すシートブラケットの左後方か
ら見た一部切欠斜視図である。
インシル11は、当該キャブ10の底部に車体の前後方
向に延在して配設されて当該キャブの強度部材を構成
し、前部11aが略水平をなし、中央部11bが段差部
11cにより一段高くなっており、後部11dが屈曲部
11eにおいて斜め上方且つ後方に屈曲されて延出し、
後端11fが後方に略水平に屈曲されている。このメイ
ンシル11は、図1に示すように両側部11g、11g
が上方に折曲され、更に先端部が外側方に折曲されてフ
ランジ11h、11hが形成された断面ハット形状をな
している。そして、メインシル11は、屈曲部11eに
おいて変形し易く、前部11a即ち、乗員の足元部分が
変形し難くなるような剛性バランスとされている。この
メインシル11は、車幅方向に複数本並行に配置されて
いる。
記フランジ11hに載置されて溶着固定され、フロア側
のシートブラケット13、14、及び15が夫々フロア
パネル12に配設固定されている。シート17は、フロ
アパネル12の略中央に配置されており、内側(車両中
央寄り)のシートブラケット13、14がフロアパネル
12の車両中央に設けられているトンネル部のメインシ
ル中央部11c近傍に位置し、前側のシートブラケット
13が段差部11a近傍に、後側のシートブラケット1
4が中央部11cと後部11dとの屈曲部11eに位置
している。シート側のシートブラケット16は、シート
ブラケット13〜15上に不図示のスライド機構を介し
て前後方向に所定距離摺動可能に取り付けられており、
当該シートブラケット16にシート17が載置固定され
ている。シート17のシートクッション17aの上面
(着座面)は、略メインシル11の後端11fの高さに
位置している。
は、上面16aの略中央に角孔16bが穿設され、左右
両側部16c、16cが夫々下方に略直角に折曲され、
更に下部16d、16dが夫々外側に直角に折曲されて
フランジとされている。シートブラケット16は、左右
両側部16c、16cの前端部及び後部には、ブラケッ
ト16e、16e'及び16f、16f'が夫々側方に突
出して設けられており、後端部に補強部16gが設けら
れている。ブラケット16e、16e'、16f、16
f'は、略截頭角錐筒形状の閉断面構造をなし、各ブラ
ケット上面が上面16aと面一を成し、各基端が左右両
側部16cに溶着固定されており、シート17の下面の
両側縁部を載置支持する。
断面構造(BOX構造)とされ、その上面16g'が上面1
6aと面一を成して幅方向に全幅に亘り設けられてい
る。補強部16gは、上面16aの後部を延出し、順次
折曲して角筒形状に形成し、後端16a'を下面16a"
に溶着して閉断面構造を形成する。尚、補強部16g
は、他の方法によって形成しても良く、例えば、別体に
形成された角筒をシートブラケット16の後端部に全幅
に亘り溶着して閉断面構造を形成しても良い。
曲して、更に別体に形成された断面コ字状の溝形鋼を全
周に亘り溶着して閉断面構造を形成しても良い。或い
は、別体に形成された断面コ字状の溝形鋼をシートブラ
ケット16の後端部に溶着し、補強部16gの両端部1
6hを塞いだ形状にしても良い。このようにして、シー
トブラケット16が形成されている。
た補強部16gは、後端面16g'が図2に示すように
シート17のシートクッション17aの後端17bと略
面一を成しており、下側の折曲部16g"がメインシル
11の後部11dの略中央近傍においてフロアパネル1
2と僅かな間隙を存して対向している。即ち、メインシ
ル11が変形した際に、補強部16g特に、下側の折曲
部16g"がフロアパネル12に当たるように構成され
ている。
は、屈曲部11eにおいて変形し易く、前部11aが変
形し難くなるような剛性バランスとされていることで、
前後方向例えば、図2に矢印で示すようにキャブ10に
前方から大きな衝撃荷重Fが加わった場合、図5に太線
で示すようにメインシル11の屈曲部11eが変形し、
後部11dが前方に変位する。これに伴いフロアパネル
12がシートブラケット16の補強部16gの下側折曲
部(隅部)16g"に接触する。
とされていることで、剛性が高く、フロアパネル12と
接触しても変形し難く、シートブラケット16の変形が
阻止される。これにより、フロアパネル12がシート1
7に接触することが防止される。そして、メインシル1
1は、シートブラケット13〜15よりも後方即ち、シ
ート17よりも後方に位置する屈曲部11eにおいて屈
曲変形することで、前部11a即ち、乗員の足元部分が
変形し難く、十分な乗員の生存空間が確保される。
シートブラケット16の補強部16gと対向する位置即
ち、メインシル11が変形した際にフロアパネル12が
シートブラケット16の補強部16gの下側折曲部(隅
部)11g"に接触するメインシル11の後部11dに
脆弱部11iを設け、前記変形時における衝撃荷重を吸
収させるようにしてもよい。この脆弱部11iとして
は、例えば、前述したようにハット形状を成すメインシ
ル11の両側部11g、11g(図1)にビードを設け
ることで容易に形成することが可能である。この場合ビ
ードは、メインシル11の強度剛性面から側部のみと
し、底部には設けない。
は、キャブの底部に車体前後方向に延在して配設され前
記キャブの強度部材を構成するメインシルの上部にフロ
アパネルを介して取り付けられたシートブラケットの後
端部に前記メインシルと対向して補強部を設けた構造と
することで、車両前後方向に衝撃荷重が加わってメイン
シルが変形した際に、前記補強部によりフロアパネルが
シートに接触することが防止され、乗員の生存空間が確
保される。
前記シートブラケットの補強部材と対向する位置に脆弱
部が設けられていることで、メインシルが変形する際に
衝撃荷重を吸収することができ、乗員の生存空間の確保
が容易となる。
し、運転席側の概略構成を示す斜視図である。
一部切欠斜視図である。
図である。
構造において前方から衝撃荷重が加わった場合のキャブ
の変形の一例を示す説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 キャブの底部に車体前後方向に延在して
配設され前記キャブの強度部材を構成するメインシル
と、 前記メインシルの上部にフロアパネルを介して取り付け
られたシートブラケットと、 前記シートブラケットの後端部に前記メインシルと対向
して設けられた補強部とを備えたこと特徴とする車両の
キャブ構造。 - 【請求項2】 前記メインシルは、前記シートブラケッ
トの補強部と対向する位置に脆弱部が設けられているこ
とを特徴とする請求項1に記載の車両のキャブ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001192885A JP3865047B2 (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 車両のキャブ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001192885A JP3865047B2 (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 車両のキャブ構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011162120A (ja) * | 2010-02-12 | 2011-08-25 | Hino Motors Ltd | 車両用キャブフロア構造 |
WO2021060317A1 (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-01 | いすゞ自動車株式会社 | 車両のキャブ構造 |
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- 2001-06-26 JP JP2001192885A patent/JP3865047B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2021060317A1 (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-01 | いすゞ自動車株式会社 | 車両のキャブ構造 |
JP2021054154A (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-08 | いすゞ自動車株式会社 | 車両のキャブ構造 |
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