JP2023116060A - ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents

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チンイイ リン
Qingyi Lin
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Abstract

【課題】検出電極の温度を精度よく検出可能なガスセンサ素子及びガスセンサを提供すること。【解決手段】ガスセンサ素子2は、混成電位を利用するガスセンサ1に用いられる。ガスセンサ素子2は、第1面201及び第2面202を有する固体電解質体21と、該固体電解質体の上記第1面に設けられて検出対象ガスGと接触する検出電極22と、上記固体電解質体の上記第2面における上記検出電極と対向する位置に設けられるとともに基準ガスAと接触する基準電極23と、上記固体電解質体に設けられた温度検出部25と、上記固体電解質体の上記第2面に対向するとともに、上記第2面との間に上記基準ガスが流通するダクト24を有して配された絶縁体3と、該絶縁体に配されるとともに、上記温度検出部が検出した温度に基づいて制御されるヒータ411と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ガスセンサ素子及びガスセンサに関する。
ガスセンサは、車両の内燃機関の排気管等に配置され、排気管を流れる排ガスを検出対象ガスとして、検出対象ガスにおける特定ガス成分濃度、酸素濃度等を検出するために用いられる。ガスセンサにおいては、空燃比センサ、NOxセンサ等の他に、アンモニアガス、炭化水素ガス等の特定ガス成分及び酸素ガスに触媒活性を有する検出電極を用いて、特定ガス成分及び酸素ガスによる混成電位を検出するものがある。
混成電位を利用するガスセンサとしては、例えば、特許文献1に示されるものがある。特許文献1に記載されたガスセンサは、絶縁層と、絶縁層に積層された固体電解質層と、を有する。絶縁層と固体電解質層との間には、基準ガスが流通可能な基準ガス室が設けられている。固体電解質層の表面には検出電極が設けられており、検出電極は検出対象ガスと接触可能になっている。また、固体電解質層の裏面のうち基準ガス室に面した領域には基準電極が設けられており、基準電極は基準ガスと接触可能になっている。さらにガスセンサは、絶縁層のうち検出電極と反対側に位置する最外層に、検出電極の温度を検出するための温度検出手段を有する。
特許第5134399号公報
特許文献1に記載されたガスセンサにおいては、温度検出手段は、ガスセンサにおいて検出電極と反対側の面に設けられている。このため、検出電極の温度と、温度検出手段の温度との間に差異が生じる可能性がある。この結果、検出電極の温度を精度よく検出することが難しいという問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、検出電極の温度を精度よく検出可能なガスセンサ素子及びガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
混成電位を利用するガスセンサ(1)に用いられるガスセンサ素子(2)であって、
第1面(201)及び第2面(202)を有する固体電解質体(21)と、
該固体電解質体の上記第1面に設けられて検出対象ガス(G)と接触する検出電極(22)と、
上記固体電解質体の上記第2面における上記検出電極と対向する位置に設けられるとともに基準ガス(A)と接触する基準電極(23)と、
上記固体電解質体に設けられた温度検出部(25)と、
上記固体電解質体の上記第2面に対向するとともに、上記第2面との間に上記基準ガスが流通するダクト(24)を有して配された絶縁体(3)と、
該絶縁体に配されるとともに、上記温度検出部が検出した温度に基づいて制御されるヒータ(411)と、を備えた、ガスセンサ素子にある。
本発明の他の態様は、混成電位を利用するガスセンサ(1)であって、
上記ガスセンサ素子を有する、ガスセンサ(1)にある。
温度検出部は固体電解質体に設けられているので、固体電解質体に設けられた検出電極の温度を精度よく検出することができる。これにより、温度検出部が固体電解質体と異なる部分に設けられる場合に比べて、ガスセンサ素子の精度を向上させることができる。
以上のごとく、上記の態様によれば、検出電極の温度を精度よく検出できるガスセンサ素子及びガスセンサを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1にかかる、ガスセンサ及びガスセンサ素子を示す図2のI-I断面図。 実施形態1にかかる、ガスセンサ素子を示す、図1のII矢視図。 実施形態1にかかる、ガスセンサ及びセンサ素子図を示す、図1のIII-III断面図 実施形態1にかかる、ガスセンサが配置された内燃機関を示す、説明図。 実施形態1にかかる、ガスセンサ素子を示す、図1における一部拡大II矢視図 実施形態1にかかる、検出電極が出力する電圧出力の、検出電極の表面温度に対する変化を示すグラフ。 実験例1にかかる、検出電極と、温度検出部とを示す説明図。 実験例2にかかる、検出電極と、温度検出部とを示す説明図。 実験例3にかかる、検出電極と、温度検出部とを示す説明図。 実験例1にかかる、検出対象ガスの温度、温度検出部の電気抵抗値、及び検出電極から出力される混成電位出力の、経時変化について示すグラフ。 実験例2にかかる、検出対象ガスの温度、温度検出部の電気抵抗値、及び検出電極から出力される混成電位出力の、経時変化について示すグラフ。 実験例3にかかる、検出対象ガスの温度、温度検出部の電気抵抗値、及び検出電極から出力される混成電位出力の、経時変化について示すグラフ。 実施形態2にかかる、ガスセンサ素子を示す、図1のII矢視相当図。 実施形態2にかかる、固体電解質体の第2面を示す説明図。 実施形態3にかかる、ガスセンサ素子を示す、図1のII矢視相当図。 実施形態4にかかる、ガスセンサ素子を示す、図1のII矢視相当図。
<実施形態1>
実施形態1のガスセンサ素子及びガスセンサについて、図1~図12を用いて説明する。
(ガスセンサ素子2)
まず、本実施形態のガスセンサ素子について説明する。本形態のガスセンサ素子2は、混成電位を利用するガスセンサ1(詳しくは後述する)に用いられる素子である。ガスセンサ素子2は、図1~図3に示すごとく、固体電解質体21と、検出電極22と、基準電極23と、温度検出部25と、絶縁体3と、ヒータ411と、を備えている。
固体電解質体21は、第1面201及び第2面202を有する。検出電極22は、固体電解質体21の第1面201に設けられて検出対象ガスGと接触する。基準電極23は、固体電解質体21の第2面202における検出電極22と対向する位置に設けられるとともに基準ガスAと接触する。温度検出部25は、固体電解質体21に設けられている。
絶縁体3は、固体電解質体21の第2面202に対向するとともに、第2面202との間に基準ガスが流通するダクト24を有して配されている。ヒータ411は、絶縁体3に配されるとともに、温度検出部25が検出した温度に基づいて制御される。
図1~図3に示すように、ガスセンサ素子2は、検出電極22及び基準電極23が設けられた固体電解質体21と、ヒータ411が埋設された絶縁体3とが積層されて形成されている。ガスセンサ素子2は、長尺形状に形成されている。ガスセンサ素子2の長手方向Xの先端側X1の部位は、ガスセンサ1を構成するカバー内に収容された状態で、排気管71内に配置される。ガスセンサ素子2においては、長手方向Xに直交して固体電解質体21のうち後述する第1面201と第2面202とが対向する方向を対向方向Dといい、長手方向X及び対向方向Dの双方に直交する方向を幅方向Wという。
(固体電解質体21)
図1~図3に示すように、固体電解質体21は、板状に形成されており、所定の温度において酸素イオンを伝導させる性質を有するジルコニア材料を用いて構成されている。ジルコニア材料は、ジルコニアを主成分とする種々の材料によって構成することができる。ジルコニア材料には、イットリア(酸化イットリウム)等の希土類金属元素もしくはアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアを用いることができる。
固体電解質体21の、検出対象ガスGに晒される第1面201は、ガスセンサ素子2における最も外側の表面を形成する。そして、第1面201に設けられた検出電極22には、検出対象ガスGが接触しやすい状態が形成されている。検出電極22は、長手方向Xに細長い長方形状をなしている。本形態の検出電極22の表面には、セラミックスの多孔質体等による保護層223が設けられている。保護層223は、検出電極22の表面を全て覆っている。なお、検出電極22の表面に保護層223を設けない構成とすることも可能である。
固体電解質体21の第2面202に設けられた基準電極23は、基準ガスAとしての大気に晒されている。固体電解質体21の第2面202には、大気が導入されるダクト24が隣接して形成されている。基準電極23は、長手方向Xに細長い長方形状をなしている。検出電極22の形状、及び大きさと、基準電極23の形状、及び大きさとは実質的に同じに形成されている。実質的に同じとは、同じである場合を含むとともに、同じでない場合であっても実質的に同じと認められる場合も含む。なお、検出電極22の形状と、基準電極23の形状は互いに異なっていてもよい。
(検出電極22)
図1~図3に示すように、検出電極22は、固体電解質体21における、酸素及びアンモニアが含まれる検出対象ガスGに晒される第1面201に設けられている。検出電極22は、アンモニア及び酸素に対する触媒活性を有する貴金属、及び固体電解質体21と焼結する際の共材となるジルコニア材料を含有している。検出電極22を構成する貴金属には、金(Au)、白金(Pt)-金合金、白金-パラジウム合金、パラジウム-金合金等を用いることができる。また、検出電極22は、貴金属及びジルコニア材料の他に、あるいは貴金属に代えて、金属酸化物、ペロブスカイト構造を有する酸化物(ペロブスカイト型酸化物)を含有していてもよい。
図1及び図2に示すように、固体電解質体21の第1面201には、検出電極22に繋がるリード部221が設けられている。リード部221は、検出電極22をガスセンサ1の外部と電気接続するために用いられる。
(基準電極23)
図1~図3に示すように、基準電極23は、固体電解質体21における、第1面201とは反対側の第2面202に設けられている。第2面202及び第2面202に設けられた基準電極23は、基準ガスAとしての大気に晒されている。基準電極23は、酸素に対する触媒活性を有する貴金属、及び固体電解質体21と焼結する際の共材となるジルコニア材料を含有している。基準電極23を構成する貴金属には、白金(Pt)等を用いることができる。
本形態の基準電極23は、検出電極22に対して固体電解質体21を介して対向する位置に形成されている。固体電解質体21の第2面202には、基準電極23に繋がるリード部231が設けられている。
ガスセンサ素子2においては、検出電極22、基準電極23、及び検出電極22と基準電極23との間に挟まれた固体電解質体21の部分によって、酸素イオンが伝導する検出セルが形成されている。ヒータ411の発熱によるガスセンサ素子2の温度は、検出セルの温度が所定の作動温度になるように制御される。
(温度検出部25)
図2及び図3に示すように、温度検出部25は、固体電解質体21における、酸素及びアンモニアが含まれる検出対象ガスGに晒される第1面201に設けられている。温度検出部25は、固体電解質体21の第1面201において、幅方向Wについて検出電極22と隣り合って設けられている。
図2に示すように、固体電解質体21の第1面201には、温度検出部25に繋がるリード部225が設けられている。リード部225は、温度検出部25をガスセンサ1の外部と電気接続するために用いられる。図3に示すように、温度検出部25の電気抵抗値の変化に基づいて、センサ制御ユニット5は、温度検出部25が配された部分の温度を検出するようになっている。
温度検出部25、及びリード部225は、白金(Pt)、アルミナ(Al)を含む。温度検出部25、及びリード部225は、白金とアルミナとを含む金属ペーストを固体電解質体21の第1面201に所定の形状で塗布したのちに焼成することにより形成することができる。
図2に示すように、温度検出部25は、長手方向Xに沿ってのびる複数の直線部226と、直線部226の端部を連結して幅方向Wについて隣り合う直線部226同士を折り返し状に連結する複数の折り返し部227と、を有する。直線部226は長手方向Xに平行に形成されている。直線部226のうち、幅方向Wについて両端部に位置する2つの直線部226は、それぞれ、リード部225に接続されている。リード部225の幅方向についての幅寸法は、直線部226の幅方向Wについての幅寸法、及び折り返し部227の長手方向についての幅寸法よりも大きく設定されている。これにより、リード部225の単位長さ当たりの電気抵抗値は、直線部226、及び折り返し部227の単位長さ当たりの電気抵抗値よりも小さくなっている。これにより、温度検出部25の電気抵抗値の変化を、リード部225を介してセンサ制御ユニット5によって検出することができる。
(絶縁層26)
図2に示すように、固体電解質体21の第1面201には、長手方向Xに長尺の長方形状をなす絶縁層26が設けられている。絶縁層26は、対向方向Dから見て、温度検出部25,及びリード部225に重なる位置に設けられている。絶縁層26は、固体電解質体21と、温度検出部25、及びリード部225と、の間に介在している。これにより、固体電解質体21と、温度検出部25、及びリード部225とが電気的に絶縁されている。絶縁層26はアルミナ(Al)を含む金属ペーストを固体電解質体21の第1面201に塗布したのちに、焼成することにより形成される。
(絶縁体3)
図1、及び図3に示すように、絶縁体3は、ダクト24を形成する切欠き部が設けられたスペーサ絶縁体部31と、ヒータ411が埋設されたヒータ絶縁体部32とによって形成されている。絶縁体3は、アルミナ等の絶縁性のセラミックス材料によって構成されている。ダクト24は、基準電極23が配置された位置から長手方向Xの基端側X2の位置まで形成されている。ダクト24内には、長手方向Xの基端側X2の位置に形成された開口部241から基準ガスAとしての大気が導入される。
(ヒータ411)
図1、及び図3に示すように、絶縁体3のヒータ絶縁体部32には、通電によって発熱するヒータ411が埋設されている。ヒータ411にはヒータリード部412が接続されている。ヒータ411は、検出電極22、基準電極23、及び温度検出部25に積層方向Dにおいて対向する位置に配置されている。ヒータ411には、ヒータ411に通電を行うための通電制御部52が、ヒータリード部412を介して接続されている。通電制御部52は、ヒータ411に、PWM(パルス幅変調)制御等を行った電圧を印加するドライブ回路等を用いて形成されている。通電制御部52は、センサ制御ユニット5内に形成されている。
ヒータ411は、直線部分及び曲線部分によって蛇行する線状の導体部によって形成されている。本形態のヒータ411の直線部分は、長手方向Xに平行に形成されている。ヒータリード部412は、直線状の導体部によって形成されている。ヒータ411の単位長さ当たりの抵抗値は、ヒータリード部412の単位長さ当たりの抵抗値よりも大きい。ヒータリード部412は、長手方向Xの基端側X2の部位まで引き出されている。ヒータ411,及びヒータリード部412は、導電性を有する金属材料を含有している。
ヒータ411の断面積は、ヒータリード部412の断面積よりも小さく、ヒータ411の単位長さ当たりの抵抗値はヒータ411及びヒータリード部412が延びる方向に直交する面内の断面積のことをいう。そして、一対のヒータリード部412に電圧が印加されると、ヒータ411がジュール熱によって発熱し、この発熱によって、検出電極22及び基準電極23の周辺が加熱される。
ヒータ411への通電によって制御される、ガスセンサ素子2の検出セルの目標作動温度は、350℃~550℃の温度範囲内の特定の温度として設定される。検出電極22(検出セル)の温度は、通電制御部52によるヒータ411への通電量によって、目標作動温度になるように制御される。通電制御部52は、温度検出部25によって検出された温度に基づいて、ヒータ411への通電量を制御する。ただし、検出の過渡期等においては、検出ガスの温度、流速等の変化の影響を受けて、検出電極22(検出セル)の温度は作動温度内において変化する。
(検出電極22の面積Ssの、温度検出部25の面積Stに対する比)
混成電位を利用するガスセンサ素子2においては、検出電極22の表面温度で、検出電極22上の反応速度が容易に変化する。このため、検出電極22の温度依存性が非常に大きいので、検出電極22の温度管理が重要となる。
図6には、検出電極22の電圧出力の、検出電極22の表面温度に対する変化を示す。測定条件は、O10%含有N雰囲気下、検出対象ガスGの温度は250℃である。図中に示された、「100ppm」、「50ppm」、及び「10ppm」は、検出対象ガスG中のNHの濃度である。
300℃から550℃の温度範囲において、対象検出ガスG中のNH濃度が10ppm、50ppm、100ppmと高くなるにしたがって、検出電極22から出力される電圧出力も大きくなる。また、一定のNH濃度においては、検出電極22から出力される電圧出力の、検出電極の表面温度に対する変化を示すグラフは、約350℃のときに電圧出力が最大値となる上に凸となる。
例えば、検出電極22の表面温度が400℃から350℃にまで下がると、検出対象ガスG中のNHの濃度が変化していなかったとしても、検出電極22の電圧出力は上昇してしまう。これにより、検出結果として、NHの濃度が、見かけ上、高くなってしまうという場合が考えられる。
本実施形態においては、検出電極22の幅方向Wについて隣り合って設けられた温度検出部25によって検出電極22の温度を検出し、この温度に基づいてヒータ411を制御することにより検出電極22の温度管理が行われている。
検出電極22の温度管理の精度を向上させるためには、検出電極22の面積Ssの、温度検出部25の面積Stに対する比が、所定の範囲内にあることが好ましい。以下に詳細に説明する。
図5において二点鎖線で示すように、本実施形態における検出電極22の面積Ssは、検出電極22の外形線で囲まれた領域の面積とされる。説明の便宜のため、検出電極22の面積Ssを示す二点鎖線の長方形は、検出電極22の外形線よりもわずかに大きく記載されている。なお、図5では、説明のため、保護層223、及び絶縁層26は省略されている。
図5において二点鎖線で示すように、本実施形態における温度検出部25の面積Stは、温度検出部25のうち長手方向Xの両端部と、幅方向Wの両端部に囲まれた長方形状の領域とされる。以下に詳細に説明する。温度検出部25の面積Stの長手方向Xについての境界は、折り返し部227のうち、長手方向Xの先端部側の折り返し部227Aの先端部と、長手方向Xの基端部側の折り返し部227Bの基端部と、によって規定される。また、温度検出部25の面積Stの幅方向Wについての境界は、直線部226のうち、幅方向Wの両端部に位置する直線部226A、226Bによって規定される。説明の便宜のため、温度検出部25の面積Stを示す二点鎖線の長方形は、長手方向Xの先端部側の折り返し部227Aの先端部、長手方向Xの基端部側の折り返し部227Bの基端部、及び幅方向Wの両端部に位置する直線部226A、226Bよりもわずかに大きく記載されている。
検出電極22の面積Ssの、温度検出部25の面積Stに対する比Ss/Stは、0.5 ≦ Ss/St ≦ 2.0 であることが好ましい。0.5 ≦ Ss/St ≦ 2.0 であることにより、検出電極22の温度変化に対する応答性と、温度検出部25の温度変化に対する応答性とを、同程度のものとすることができる。これにより、例えば、検出対象ガスGの温度が急激に変化することによって検出電極22の温度が急激に変化した場合でも、検出電極22の温度変化に対応して温度検出部25の温度も変化するので、検出電極22の温度を精度よく検出することができる。この結果、検出電極22の温度を適切に制御することができるので、ガスセンサ素子2の精度を向上させることができる。なお、Ss/Stの値は上記の範囲に限定されない。
(実験例)
続いて、検出電極22の面積Ssの、温度検出部25の面積Stに対する比Ss/Stと、混成電位出力との関係について、実験例1~3を参照して説明する。
(実験例1)
実験例1に係るガスセンサ素子2においては、検出電極22の面積Ssの、温度検出部25の面積Stに対する比Ss/Stは1.0となっている。図7に模式的に示すように、検出電極22と、温度検出部25の面積は同じに設定されている。また、検出電極22の長手方向X及び幅方向Wについての中心Csと、温度検出部25の長手方向X及び幅方向Wについての中心Ctとは、長手方向Xの同じ位置になるように配置されている。
図10には、Ss/St=1.0の場合における、検出対象ガスGの温度、温度検出部25の電気抵抗値、及び検出電極22から出力される混成電位出力の、経時変化について示す。
実験開始から5秒後に、温度検出対象ガスGの温度が250℃から200℃に低下すると、温度検出部25の温度が、一旦低下し、これに伴って温度検出部25の電気抵抗値が低下する。すると、センサ制御ユニット5はヒータ411に流す電流を増加させることによりヒータ411の温度を高くする。これにより、温度検出部25の温度が再び上昇し、温度検出部25の電気抵抗値も上昇する。温度検出部25の温度が400℃を超えると、センサ制御ユニット5は、ヒータ411に流す電流を減少させることによりヒータ411の温度を低下させる。これにより、温度検出部25の温度が400℃に制御される。
温度検出対象ガスGの温度が250℃から200℃に低下すると、温度検出部25の電気抵抗値の低下に基づいたセンサ制御ユニット5によるヒータ411の加熱により、検出電極22の温度はわずかに上昇する。これにより、検出電極22から出力される混成電位出力もわずかに上昇する。その後、温度検出部25の温度が400℃に制御された後には、検出電極22の温度も400℃に制御され、混成電位出力も、温度検出対象ガスGの温度が250℃のときの値に戻る。
上記のように、Ss/St=1.0の場合には、検出対象ガスGの温度が変化した場合に、検出電極22の温度を精度よく制御することができる。
(実験例2)
実験例2に係るガスセンサ素子2においては、検出電極22の面積Ssの、温度検出部25の面積Stに対する比Ss/Stは0.5となっている。図8に模式的に示すように、温度検出部25の面積は、検出電極22の2倍に設定されている。また、検出電極22の長手方向X及び幅方向Wについての中心Csと、温度検出部25の長手方向X及び幅方向Wについての中心Ctとは、長手方向Xの同じ位置になるように配置されている。
図11には、Ss/St=0.5の場合における、検出対象ガスGの温度、温度検出部25の電気抵抗値、及び検出電極22から出力される混成電位出力の、経時変化について示す。測定条件は実験例1と同様である。
実験開始から5秒後に、温度検出対象ガスGの温度が250℃から200℃に低下すると、温度検出部25の温度が、一旦低下し、これに伴って温度検出部25の電気抵抗値が低下する。電気抵抗値の低下量は、実験例1と比べて小さい。その後、センサ制御ユニット5はヒータ411に流す電流を増加させることによりヒータ411の温度を上昇させる。これにより、温度検出部25の温度が再び上昇し、温度検出部25の電気抵抗値も上昇する。温度検出部25の温度が400℃を超えると、センサ制御ユニット5は、ヒータ411に流す電流を減少させることによりヒータ411の温度を低下させる。これにより、温度検出部25の温度が400℃に制御される。
温度検出対象ガスGの温度が250℃から200℃に低下すると、温度検出部25の電気抵抗値の低下に基づいたセンサ制御ユニット5によるヒータ411の加熱により、検出電極22の温度はわずかに上昇する。これにより、検出電極22から出力される混成電位出力もわずかに上昇する。混成電位出力の上昇量は、実験例1と比べてわずかに大きい。その後、温度検出部25の温度が400℃に制御された後には、検出電極22の温度も400℃に制御され、混成電位出力も、温度検出対象ガスGの温度が250℃のときの値に戻る。
上記のように、Ss/St=0.5の場合も、検出対象ガスGの温度が変化した場合に、検出電極22の温度を精度よく制御することができる。
(実験例3)
実験例3に係るガスセンサ素子2においては、検出電極22の面積Ssの、温度検出部25の面積Stに対する比Ss/Stは2.0となっている。図9に模式的に示すように、検出電極22の面積は、温度検出部25の2倍に設定されている。また、検出電極22の長手方向X及び幅方向Wについての中心Csと、温度検出部25の長手方向X及び幅方向Wについての中心Ctとは、長手方向Xの同じ位置になるように配置されている。
図12には、Ss/St=2.0の場合における、検出対象ガスGの温度、温度検出部25の電気抵抗値、及び検出電極22から出力される混成電位出力の、経時変化について示す。測定条件は実験例1と同様である。
実験例3のガスセンサ素子2においては、Ss/St=2.0となっており、検出電極22の面積Ssに比べて、温度検出部25の面積Stは、小さくなっている。このため、温度検出部25は局所的な温度変化を検出可能になっているので、温度検出部25の感度は、検出電極22に比べて高くなっている。この結果、実験開始から5秒後までの間において、温度検出対象ガスGの温度が250℃に設定されている場合であっても、温度検出部25は局所的な温度変化を検出することにより、電気抵抗値の増加、及び減少が繰り返されるようになっている。すると、センサ制御ユニット5は、温度検出部25の電気抵抗値の変化に伴って、ヒータ411を繰り返してオン・オフさせる。
温度検出対象ガスGの温度が250℃から200℃に低下すると、温度検出部25の温度が、一旦低下し、これに伴って温度検出部25の電気抵抗値が低下する。すると、センサ制御ユニット5はヒータ411に流す電流を増加させることによりヒータ411の温度を上昇させる。これにより、温度検出部25の温度が再び上昇し、温度検出部25の電気抵抗値も上昇する。温度検出部25の温度が400℃を超えると、センサ制御ユニット5は、ヒータ411に流す電流を減少させることによりヒータ411の温度を低下させる。これにより、温度検出部25の温度が400℃に制御される。実験例3においては、温度検出部25の温度が400℃に制御されている場合であっても、温度検出部25は局所的な温度変化を検出することによって電気抵抗値が増加、及び減少が繰り返される。これに伴い、センサ制御ユニット5は、ヒータ411を繰り返してオン・オフさせる。
温度検出対象ガスGの温度が250℃から200℃に低下した場合でも、検出電極22の温度はほとんど変化しない。このため、検出電極22から出力される混成電極電位もほとんど変化しない。さらに、温度検出部25の温度が400℃に制御された後も、検出電極22の温度はほとんど変化せず、検出電極22から出力される混成電極電位もほとんど変化しない。混成電位出力の変化量は、実験例1と比べて小さい。
上記のように、Ss/St=2.0の場合には、検出対象ガスGの温度が変化した場合に、検出電極22の温度を精度よく制御することができる。
本形態のガスセンサ素子2においては、温度検出部25は固体電解質体21に設けられているので、固体電解質体21に設けられた検出電極22の温度を精度よく検出することができる。これにより、温度検出部25が固体電解質体21と異なる部分に設けられる場合に比べて、ガスセンサ素子2の精度を向上させることができる。
さらに、本形態においては、温度検出部25は、固体電解質体21のうち検出電極22が設けられた第1面201に設けられているので、検出電極22の温度をさらに精度よく検出することができる。
本形態のガスセンサ素子2は長手方向Xに長尺に形成されている。このため、ガスセンサ素子2のうち長手方向Xの端部寄りの領域では熱が外部に放散されやすくなっており、一方、長手方向Xの中央位置付近では熱がこもりやすくなっている。このように、ガスセンサ素子2は、長手方向Xについて温度分布が生じやすい。一方、長手方向Xと直交する幅方向Wの温度分布は、長手方向Xに比べると小さくなっている。このため、検出電極22と温度検出部25とが幅方向について隣り合って設けられていることにより、検出電極22の温度を精度よく検出することができる。この結果、ガスセンサ素子2の精度を向上させることができる。
本形態においては、検出電極22の面積Ssの、温度検出部25の面積Stに対する比Ss/Stが0.5以上2.0以下であることにより、検出電極22の温度変化に対する応答性と、温度検出部25の温度変化に対する応答性とを、同程度のものとすることができる。これにより、例えば、検出対象ガスGの温度が急激に変化することによって検出電極22の温度も急激に変化した場合でも、検出電極22の温度変化に対応して温度検出部25も温度変化するので、検出電極22の温度を精度よく検出することができる。この結果、検出電極22の温度を適切に制御することができるので、ガスセンサ素子2の精度を向上させることができる。
(ガスセンサ1)
次に、本実施形態のガスセンサ1について説明する。図1、および図3に例示されるように、本実施形態のガスセンサ1は、混成電位式のものであり、本実施形態のガスセンサ素子2を有している。
以下に、本実施形態のガスセンサ1の詳細構成の一例について示すが、本実施形態のガスセンサ1は、以下の構成に限定されるものではない。
図1、および図3に示すように、ガスセンサ1は、ガスセンサ素子2と、検出部51とを有する。検出部51は、検出電極22と基準電極23との間に生じる、特定ガス成分濃度および酸素濃度に基づく混成電位を検出するように構成される。
図4に示すように、ガスセンサ1は、車両の内燃機関7の排気管71に配置されて使用される。ガスセンサ1による検出対象ガスGは、内燃機関7から排気管71へ排気された排ガスである。そして、ガスセンサ1は、排気管71内に配置された、NOxを還元する触媒72の排ガスの流れの下流側の位置に配置されており、触媒72から流出するアンモニアガスの濃度を検出する。
図1に示すように、本形態のガスセンサ1は、混成電位式のものである。そして、ガスセンサ1は、特定ガス成分濃度としてのアンモニアガス濃度、及び酸素ガス濃度に基づく混成電位を検出し、この混成電位を酸素ガス濃度によって補正して、アンモニアガス濃度を検出するものである。検出部51においては、酸素の電気化学的還元反応(以下、単に還元反応という。)による還元電流と、アンモニアの電気化学的酸化反応(以下、単に酸化反応という。)による酸化電流と、が等しくなるときに生じる、検出電極22と基準電極23との間の電位差ΔVを混成電位として検出するよう構成されている。
図1、及び図3に示すように、ガスセンサ1の検出部51は、検出電極22と基準電極23との間に生じる混成電位としての電位差(電圧)ΔVに基づいて、検出対象ガスGにおけるアンモニア濃度を検出する。
検出部51は、車両のエンジン制御ユニット50に接続されるセンサ制御ユニット5内に形成されている。検出部51は、検出電極22と基準電極23との間に生じる電位差ΔVを検出する電位差検出回路511、電位差検出回路511による電位差ΔVを酸素濃度によって補正してアンモニア濃度を求める演算処理部512等を有する。演算処理部512は、酸素濃度をパラメータとして電位差ΔVとアンモニア濃度との関係が求められた関係マップを用い、関係マップに電位差ΔVと酸素濃度とを照合してアンモニア濃度を求めることができる。さらに、温度検出部25によって検出された検出電極22の温度に基づいて、アンモニア濃度を補正することができる。
検出電極22においては、検出電極22に接触する検出対象ガスGにアンモニアと酸素とが存在する場合に、アンモニアの酸化反応と、酸素の還元反応とが同時に進行する。アンモニアの酸化反応は、代表的には、2NH3+3O2-→N2+3H2O+6e-によって表される。酸素の還元反応は、代表的には、O2+4e-→2O2-によって表される。そして、検出電極22における、アンモニアと酸素とによる混成電位は、検出電極22における、アンモニアの酸化反応(速度)と酸素の還元反応(速度)とが等しくなるときの電位として生じる。
図示は省略するが、酸素ガス濃度は、ガスセンサ1とは別の酸素センサによって検出される。酸素センサは、排気管71における、触媒72の下流側の位置に配置されている。そして、検出部51においては、酸素センサによる酸素ガス濃度を利用して、混成電位を補正し、アンモニアガス濃度を求める。
図3に示すように、排気管71には、NOxを還元するための触媒72と、触媒72へアンモニアを含む還元剤Kを供給する還元剤供給装置73とが配置されている。触媒72は、触媒担体に、NOxの還元剤Kとしてのアンモニアが付着されるものである。触媒72の触媒担体におけるアンモニアの付着量は、NOxの還元反応に伴って減少する。そして、触媒担体におけるアンモニアの付着量が少なくなったときには、還元剤供給装置73から触媒担体へ新たにアンモニアが補充される。還元剤供給装置73は、排気管71における、触媒72よりも排ガスの流れの上流側位置に配置されており、尿素水を噴射して発生するアンモニアガスを排気管71へ供給するものである。アンモニアガスは、尿素水が加水分解されて生成される。還元剤供給装置73には、尿素水のタンク731が接続されている。
本形態の内燃機関7は、軽油の自己着火を利用して燃焼運転を行うディーゼルエンジンである。また、触媒72は、NOx(窒素酸化物)をアンモニア(NH3)と化学反応させて窒素(N2)及び水(H2O)に還元する選択式還元触媒(SCR)である。
なお、図示は省略するが、排気管71における、触媒72の上流側位置には、NOのNO2への変換(酸化)、CO、HC(炭化水素)等の低減を行う酸化触媒(DOC)、微粒子を捕集するフィルタ(DPF)等が配置されていてもよい。
以上のごとく、本形態によれば、検出電極の温度を精度よく検出できるガスセンサ素子2及びガスセンサ1を提供することができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2について図13及び図14を参照して説明する。図13に示すように、本形態のガスセンサ素子2においては、固体電解質体21の第1面201には、検出電極22が設けられている。
図14に示すように、固体電解質体21の第2面202には、基準電極23と、温度検出部25とが設けられている。基準電極23は、固体電解質体21の第2面202において、第1面201に形成された検出電極22に、対向方向Dから見て重なる位置に設けられている。温度検出部25は、固体電解質体21の第2面202において、幅方向Wについて基準電極23と隣り合って設けられている。
図14に示すように、固体電解質体21の第2面202には、温度検出部25に繋がるリード部225が設けられている。リード部225は、温度検出部25をガスセンサ1の外部と電気接続するために用いられる。温度検出部25、及びリード部225の構造は実施形態1と同様なので、重複する構成については同一の符号を付して説明を省略する。
(絶縁層26)
固体電解質体21の第2面202には、対向方向Dから見て温度検出部25,及びリード部225に重なる位置に、長手方向Xにのびる長方形状をなす絶縁層26が設けられている。絶縁層26は、固体電解質体21と、温度検出部25、及びリード部225と、の間に介在している。これにより、固体電解質体21と、温度検出部25、及びリード部225とが電気的に絶縁されている。絶縁層26は実施形態1と同じ材料から同じ製造方法により形成される。
本形態の温度検出部25は、固体電解質体21の第2面202に設けられている。これにより、温度検出部25は反応性に富んだ検出対象ガスGと接触しないので、検出対象ガスGによって温度検出部25が変質することが抑制される。これにより温度検出部25の信頼性が向上する。
本実施形態では、基準電極23は、固体電解質体21の第2面202において、第1面201に設けられた検出電極22に対向する位置に設けられている。また、基準電極23と温度検出部25とは幅方向Wについて隣り合って設けられている。このため、検出電極22と温度検出部25とは、固体電解質体21を介して比較的に近い位置に配されているので、検出電極22の温度を精度よく検出することができる。この結果、ガスセンサ素子2の精度を向上させることができる。
本形態のガスセンサ1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態3>
次に、実施形態3について、図15を参照して説明する。本形態のガスセンサ素子2においては、長手方向Xについて固体電解質体21の第1面201の先端部寄りの位置には、検出電極22が設けられている。長手方向Xについて検出電極22よりも基端部寄りの位置には、温度検出部25が設けられている。このように本形態においては、検出電極22と温度検出部25とが、長手方向Xについて前後に並んで設けられている。これにより、幅方向Wについて、ガスセンサ素子2を小型化することができる。なお、長手方向Xについて、温度検出部25が先端部寄りに配され、検出電極22が基端部寄りに配されていてもよい。
本形態のガスセンサ1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態4>
次に、実施形態4について、図16を参照して説明する。本形態のガスセンサ素子2においては、固体電解質体21の第1面201の先端部から、長手方向Xについてやや基端部側の位置に、検出電極22が設けられている。幅方向Wについて、検出電極22の両側縁部は、固体電解質体21の両側縁部と間隔を空けて設けられている。検出電極22には、長手方向Xについてのびるリード部221が接続されている。
固体電解質体21の第1面201には、幅方向Wの両側縁部寄りの位置と、長手方向Xについて先端部寄りの位置に、全体として長手方向Xに長尺なU字形状をなす絶縁層26が形成されている。検出電極22、及びリード部221は、固体電解質体21の第1面201のうち、絶縁層26によって覆われていない領域に形成されている。
絶縁層26のうち固体電解質体21と反対側の面には、長手方向Xについて先端部寄りの位置に、温度検出部25が形成されている。温度検出部25は、全体としてU字形状をなしている。温度検出部25のうち、長手方向Xについて基端部側の端部には、長手方向Xに沿ってのびるリード部225が形成されている。温度検出部25、及びリード部225は、絶縁層26によって、固体電解質体21と電気的に絶縁されている。
温度検出部25は、幅方向Wについて検出電極22の両側方との間に隙間を空けて形成された2つの側部325と、2つの側部325の先端部同士を連結するとともに長手方向Xについて検出電極22の先端部との間に隙間を空けて形成された連結部326と、を有する。これにより、検出電極22は、長手方向Xの先端部側と、幅方向Wの両側方とが、温度検出部25によって囲まれた状態になっている。
温度検出部25の側部325は、幅方向Wにのびる複数の第1直線部327と、複数の第1直線部327の端部を連結して長手方向Xについて隣り合う第1直線部327同士を折り返し状に連結する複数の第1折り返し部328と、を有する。また、温度検出部25の連結部326は、長手方向にのびる複数に第2直線部329と、複数の第2直線部329の端部を連結して幅方向Wについて隣り合う第2直線部329同士を連結して折り返し状に連結する複数の第2折り返し部330と、を有する。
本形態の温度検出部25は、検出電極22を三方から囲んでいるので、検出電極22の温度を精度よく検出することができる。
また、上記したように、本形態のガスセンサ素子2は長手方向Xに細長くのびて形成されているので、ガスセンサ素子2は長手方向Xについて温度分布が生じやすい。一方、幅方向Wの温度分布は、長手方向Xに比べると小さくなっている。本形態では、検出電極22と、温度検出部25とは、長手方向Xについて対称に形成されているので、検出電極22の温度を精度よく検出することができる。
本形態のガスセンサ1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1…ガスセンサ、2…ガスセンサ素子、3…絶縁体、5…センサ制御ユニット、21…固体電解質体、22…検出電極、23…基準電極、24…ダクト、25…温度検出部、201…第1面、202…第2面、411…ヒータ

Claims (7)

  1. 混成電位を利用するガスセンサ(1)に用いられるガスセンサ素子(2)であって、
    第1面(201)及び第2面(202)を有する固体電解質体(21)と、
    該固体電解質体の上記第1面に設けられて検出対象ガス(G)と接触する検出電極(22)と、
    上記固体電解質体の上記第2面における上記検出電極と対向する位置に設けられるとともに基準ガス(A)と接触する基準電極(23)と、
    上記固体電解質体に設けられた温度検出部(25)と、
    上記固体電解質体の上記第2面に対向するとともに、上記第2面との間に上記基準ガスが流通するダクト(24)を有して配された絶縁体(3)と、
    該絶縁体に配されるとともに、上記温度検出部が検出した温度に基づいて制御されるヒータ(411)と、を備えたガスセンサ素子(2)。
  2. 上記温度検出部は、上記固体電解質体の上記第1面に設けられている、請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 長手方向(X)に細長くのびた形状をなしており、
    上記検出電極と上記温度検出部とが、上記第1面と上記第2面との対向方向(D)、及び上記長手方向の双方に直交する幅方向(W)に隣り合って設けられている、請求項2に記載のガスセンサ素子。
  4. 上記温度検出部は、上記固体電解質体の上記第2面に設けられている、請求項1に記載のガスセンサ素子。
  5. 長手方向に細長くのびた形状をなしており、
    上記基準電極と上記温度検出部とが、上記第1面と上記第2面との対向方向、及び上記長手方向の双方に直交する幅方向に隣り合って設けられている、請求項4に記載のガスセンサ素子。
  6. 上記検出電極の面積Ssの、上記温度検出部の面積Stに対する比Ss/Stは、
    0.5 ≦ Ss/St ≦ 2.0
    である、請求項1~5のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  7. 混成電位を利用するガスセンサ(1)であって、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のガスセンサ素子を有する、ガスセンサ(1)。
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