JP7075817B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質体を用いたセンサ素子を有するガスセンサに関する。
内燃機関の燃焼状態や排ガス処理装置の作動を監視するために、排ガス通路には、排ガスに含まれる各種ガス濃度を検出するためのガスセンサが配置されている。このような排ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサとしては、従来から、固体電解質を用いた電気化学式センサ等、種々の検出方式のものがあり、測定しようとするガス種に適した検出方式や周囲の環境に応じた制御手法等が提案されている。
排ガス処理装置として、排ガスに含まれるNOxを低減するための尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが知られており、選択還元型NOx触媒の上流に尿素水添加弁が配置されて、還元剤としてのアンモニアを生成する尿素水を供給している。尿素水の供給量は、例えば、選択還元型NOx触媒の下流に配置されるNOxセンサの検出結果に基づいて制御されている。尿素SCRシステムにおいて、効率よくNOxを還元浄化するためには、尿素水が過不足なく供給されることが必要となる。そのため、選択還元型NOx触媒を通過した排ガス中のNOx濃度のみならず、アンモニア濃度を検出して、フィードバック制御に反映させることが望まれている。
例えば、特許文献1には、酸素の汲み出しまたは汲み入れを行うポンピングセルと、NOx濃度に応じたポンピング電流が流れるポンピングセルとを備えたNOxセンサ部と、NOxセンサ部の外表面に形成されたアンモニアセンサ部を備えるマルチガスセンサが開示されている。アンモニアセンサ部はインピーダンス式であり、絶縁層上に構成された一対の電極と、一対の電極を覆う感応部とを含み、アンモニア濃度に応じて感応部のインピーダンスが変化することを利用して、アンモニア濃度を検出する。
特許文献1において、アンモニアセンサ部は、NOxセンサ部の制御温度と同じ温度になるようにヒータ制御されている。また、感応部を完全に覆うように多孔質の拡散層が形成されて、NOxセンサ部と検出タイミングが同等となるように、拡散速度が調整されている。
特許第5215500号公報
特許文献1のマルチガスセンサは、NOxセンサ部におけるNOx濃度の計算に、アンモニアセンサ部の検出結果を用いるために、アンモニアセンサ部の検出タイミングがNOxセンサ部と合うように拡散速度が調整されている。一方で、尿素SCRシステムにおいて、選択還元型NOx触媒の下流に排出される微量のアンモニア濃度を、より応答性よく検出することが望まれており、その場合には、特許文献1のアンモニアセンサ部では、十分な応答性が得られない。
そこで、尿素SCRシステムにおいて、選択還元型NOx触媒の下流に排出される微量のアンモニア濃度を、より応答性よく検出するために、混成電位式のアンモニアセンサを採用することが検討されている。混成電位式のアンモニアセンサは、非平衡反応に基づく電位を検出するものであり、応答性を向上させるためには、排ガスが検出電極に到達しやすい構造として、電極表面でのガス交換を促進する必要がある。また、センサ出力が温度依存性を有するために、所定の作動温度を大きく外れると、センサ出力が十分出なくなるおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、被測定ガス中のアンモニア濃度を応答性よく検出し、かつ高い検出感度を有するセンサ素子を備えるガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
上記センサ素子は、
第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されていると共に、
上記第1固体電解質体と上記第2固体電解質体との間に、基準ガスが導入される基準ガス室(24)を備え、
上記第1センサ部は、上記基準ガス室に面する上記第1固体電解質体の表面(212)に、上記第1基準電極を備え、上記基準ガス室と反対側の上記第1固体電解質体の表面(211)に、上記第1検出電極を備えて、上記第1検出電極と上記第1基準電極との電位差に基づく混成電位信号を出力するものであり、
上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にある、ガスセンサにある。
本発明の他の一態様は、
酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
上記センサ素子は、
第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されており、
上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にあると共に、
上記センサ素子の積層方向(X)において、上記第1検出電極及び上記第2検出電極は、上記発熱部と少なくとも一部が重なる位置にある、ガスセンサにある。
本発明のさらに他の一態様は、
酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
上記センサ素子は、
第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されており、
上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にあると共に、
上記第1センサ部において、上記第1検出電極と上記第1基準電極とは、上記第1固体電解質体を挟んで対向して位置しており、かつ、上記第1基準電極の面積は、上記第1検出電極の面積よりも大きい、ガスセンサにある。
本発明のさらに他の一態様は、
酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
上記センサ素子は、
第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されており、
上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にあると共に、
上記被測定ガス室は、上記第2固体電解質体を挟んで上記第1センサ部と反対側に配置されており、上記センサ素子は、ガス拡散層(43)を介して上記被測定ガス室に導入される被測定ガス中の酸素濃度を調整する酸素ポンプ部(6)を備え、
上記第2検出電極は、上記被測定ガス室に面する上記第2固体電解質体の表面(221)に配置されており、上記第2センサ部は、上記被測定ガス室と反対側の上記第2固体電解質体の表面(222)に、上記第2基準電極を備えて、上記第2検出電極と上記第2基準電極との間に流れる酸素イオン電流信号を出力するものである、ガスセンサにある。
本発明のさらに他の一態様は、
酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
上記センサ素子は、
第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されており、
上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にあると共に、
上記センサ素子は、上記被測定ガス室への被測定ガスの導入口となる表面に、酸化触媒層(7)を有すると共に、上記第2センサ部において、アンモニアの酸化により生成されたNOxの濃度を検出する、ガスセンサにある。
本発明のさらに他の一態様は、
酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
上記センサ素子は、
第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されており、
上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にあると共に、
上記第1検出電極は、上記ヒータによって400℃~600℃に加熱される位置に配置されており、上記第2検出電極は、上記ヒータによって600℃~800℃に加熱される位置に配置されている、ガスセンサにある。
上記一態様において、センサ素子は、第1センサ部にてアンモニア濃度を検出し、第2センサ部にてNOx濃度を検出する。このうち、混成電位式の第1センサ部は、第1検出電極が被測定ガスに晒される第1固体電解質体の表面に配置されるので、電極界面におけるガス交換が促進されて、検出応答性を向上させることができる。
また、ヒータの発熱中心と第1検出電極との距離が、第2センサ部の第2電極との距離よりも遠くなるように配置されているので、第1センサ部の方が第2センサ部よりも温度が低くなる。非平衡反応に基づく電位を検出する混成電位式では、作動温度が高くなると平衡反応に近づいてセンサ出力が低下する傾向にあるが、第1センサ部の作動温度を第2センサ部よりも低くすることができるので、検出感度が向上する。
以上のごとく、上記態様によれば、被測定ガス中のアンモニア濃度を応答性よく検出し、かつ高い検出感度を有するセンサ素子を備えるガスセンサを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、ガスセンサの全体概略構成図。 実施形態1における、ガスセンサの要部であるセンサ素子の長手方向断面図であり、積層方向におけるセンサ部の電極中心とヒータの発熱中心との位置関係を説明する図。 実施形態1における、センサ素子の第1センサ部及び第2センサ部を通る断面の温度変化を示す図。 実施形態1における、センサ素子のヒータのヒータパターン例を示す模式図。 試験例1における、評価用のテストピースを用いた検出電位の測定に使用する試験装置の概略構成図。 試験例1における、評価用のテストピースの温度と検出電位の関係を示す図。 試験例1における、評価用のテストピースの検出電位の時間変化を示す図。 試験例1における、評価用のテストピースの温度と検出電位変化時間の関係を示す図。 試験例2における、試験用センサ素子の概略構成を示す長手方向断面図。 試験例2における、参照用センサ素子の概略構成を示す長手方向断面図。 試験例2における、試験用センサ素子の検出電位と酸素濃度の関係を、参照用センサ素子と比較して示す図。 試験例2における、酸素共存化での検出電位の測定に使用する試験装置の概略構成図。 ガスセンサが適用される内燃機関の排ガス浄化システムの概略構成図。 実施形態2における、ガスセンサの要部であるセンサ素子の概略構成を示す長手方向断面図。 実施形態2における、センサ素子の変形例を示す長手方向断面図。 実施形態2における、センサ素子の変形例を示す長手方向断面図。 実施形態3における、ガスセンサの要部であるセンサ素子の概略構成を示す長手方向断面図。 実施形態3における、センサ素子の変形例を示す長手方向断面図。 実施形態3における、センサ素子の変形例を示す長手方向断面図。 実施形態4における、ガスセンサの要部であるセンサ素子の概略構成を示す長手方向断面図。
(実施形態1)
以下、ガスセンサに係る実施形態1について、図1~図13を参照して説明する。
図1に示すように、本形態のガスセンサ1は、酸素イオン導電性の第1固体電解質体21及び第2固体電解質体22を用いたセンサ素子2を有する。センサ素子2は、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するものであり、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部3と、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部4と、ヒータ5と、が積層されて構成されている。
第1センサ部3は、第1固体電解質体21の表面に形成される第1検出電極31及び第1基準電極32を有し、少なくとも第1検出電極31が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する。
第2センサ部4は、第2固体電解質体22の表面に形成される第2検出電極41及び第2基準電極42を有し、第2検出電極41が、被測定ガス室23に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する。
ヒータ5は、通電により発熱する発熱部51を有して、第1センサ部3及び第2センサ部4を加熱する。このとき、図2に示すように、積層方向において、第1センサ部3及び第2センサ部4は、発熱部51の発熱中心5Aと第1検出電極31の電極中心3Aとの距離d1と、発熱中心5Aと第2検出電極41の電極中心4Aとの距離d2とが、d1>d2の関係にある。
被測定ガスは、例えば、内燃機関から排出される排ガスであり、後述するように、ガスセンサ1は、内燃機関の排ガス通路に取り付けられて、尿素SCRシステム等の排ガス浄化システムの一部を構成することができる。
次に、ガスセンサ1を構成する各部の詳細構造について説明する。
図1に主要部構成を示すセンサ素子2は、排ガス中のアンモニア濃度を検出するための第1センサ部3、排ガス中のNOx濃度を検出するための第2センサ部4及びヒータ5が、この順序で積層された積層型の素子構造を有する。センサ素子2は、さらに、第2センサ部4におけるNOx濃度の検出に先立ち、排ガス中の酸素濃度を調整するための酸素ポンプ部6を有する。
本形態では、センサ素子2の積層方向をX方向とし、X方向と直交するセンサ素子2の長手方向を、Y方向とする。また、第1センサ部3及び第2センサ部4が配置されるX方向の一端側を、センサ素子2の先端側とし、その反対側を、基端側とする。
ガスセンサ1は、センサ素子2の外部に設けられるセンサ制御部10を、さらに備える。センサ制御部10のガス濃度検出部10Aは、第2センサ部4及び酸素ポンプ部6へ所定の電圧を印加すると共に、第1センサ部3、第2センサ部4及び酸素ポンプ部6からの出力信号に基づいて、排ガス中のアンモニア濃度、NOx濃度及び酸素濃度を検出する。また、センサ制御部10の素子温度制御部10Bにより、ヒータ5への通電を制御し、センサ素子2の各部を所定の温度範囲に制御する。
センサ素子2は、第1センサ部3を構成する第1固体電解質体21と、第2センサ部4を構成する第2固体電解質体22とが、X方向に間隔をおいて平行配置され、その間に、基準ガスが導入される基準ガス室24を備えている。基準ガス室24は、Y方向の基端側が開放されており、排ガス通路の外部から、基準ガスとしての大気が導入されるように構成されている。
基準ガス室24は、例えば、第1絶縁性基板25に設けられた、Y方向に延びる貫通溝にて構成される。この第1絶縁性基板25を挟んで、第1固体電解質体21と第2固体電解質体22とが積層されることにより、貫通溝の内側面と、貫通溝に面する第1固体電解質体21及び第2固体電解質体22の表面とを室壁とする基準ガス室24が形成される。
第1固体電解質体21、第2固体電解質体22は、例えば、酸素イオン導電性を有する固体電解質を、平板状に成形してなる。酸素イオン導電性を有する固体電解質としては、例えば、イットリアが添加された安定化ジルコニア等が好適に使用される。
第1センサ部3には、基準ガス室24と反対側に位置し、被測定ガスである排ガスに晒される第1固体電解質体21の外側の表面211に、第1検出電極31が形成される。また、基準ガス室24に面する第1固体電解質体21の内側の表面212に、第1基準電極32が形成される。
本形態では、第1検出電極31と第1基準電極32とは、X方向において、第1固体電解質体21を挟んで対向する位置にあり、概略同一形状である。
第1センサ部3は、混成電位式センサの検出原理に基づいて、第1検出電極31と第1基準電極32との電位差Vに基づく混成電位信号を出力する。すなわち、第1検出電極31においては、検出しようとするアンモニア(すなわち、NH3)が関与する電気化学的酸化反応(1)と、酸素(すなわち、O2)が関与する電気化学的還元反応(2)が同時に進行する。第1基準電極32では、酸素が関与する電気化学的還元反応(2)が進行する。
(1)2NH3+3O2-⇔N2+3H2O+6e-
(2)O2+4e-⇔2O2-
このとき、第1検出電極31上において、電気化学的酸化反応(1)による酸化電流と、電気化学的還元反応(2)による還元電流とが釣り合うことで、混成電位が発現する。第1検出電極31の電位は、これら2つの電気化学的反応による混成電位によって決定され、第1基準電極32との電位差Vを、混成電位信号として取り出すことができる。混成電位信号は、随時、センサ制御部10のガス濃度検出部10Aに入力される。
第1検出電極31、第1基準電極32は、このような電気化学的反応による電位差が検出可能な組み合わせであればよく、例えば、貴金属又は貴金属合金を含む電極にて構成することができる。好適には、第1検出電極31は、例えば、Auを含有する多孔質サーメット電極にて構成され、第1基準電極32は、例えば、Ptを含有する多孔質サーメット電極にて構成される。
センサ素子2は、第2固体電解質体22を挟んで、第1センサ部3及び基準ガス室24と反対側に、被測定ガス室23を備えている。被測定ガス室23は、Y方向の先端側が、ガス拡散層43を介して排ガス通路に連通しており、排ガス通路から所定の拡散抵抗で排ガスが導入されるようになっている。
被測定ガス室23は、例えば、ヒータ5の基体を兼ねる第2絶縁性基板52の表面に設けられた凹部にて構成される。この凹部が第2固体電解質体22側を向くように、第2固体電解質体22と第2絶縁性基板52とが積層されることにより、凹部の内表面と、凹部に面する第2固体電解質体22及びガス拡散層43の表面とを室壁とする被測定ガス室23が形成される。
第2センサ部4には、基準ガス室24と反対側に位置し、排ガスに晒される第2固体電解質体22の表面221に、第2検出電極41が形成される。また、基準ガス室24に面する第2固体電解質体22の表面222に、第2基準電極32が形成される。第2検出電極41と第2基準電極42とは、X方向において、第2固体電解質体22を挟んで対向する位置にあり、概略同一形状である。
Y方向において、第2センサ部4の先端側には、ポンプ電極61と第3基準電極62を備える酸素ポンプ部6が設けられる。ポンプ電極61は、第2センサ部4の第2検出電極41とガス拡散層43との間において、被測定ガス室23に面する第2固体電解質体22の表面221に配置される。また、被測定ガス室23と反対側に形成される基準ガス室24に面する第2固体電解質体22の表面222に、第3基準電極62が形成される。ポンプ電極61と第3基準電極62とは、X方向において、第2固体電解質体22を挟んで対向する位置にあり、概略同一形状である。
酸素ポンプ部6のポンプ電極61と第3基準電極62との間には、ポンプ電極61が負極となるように直流電圧が印加される。これにより、被測定ガス室23に導入される排ガス中の酸素が分解され、発生した酸素イオンが第2固体電解質体22を通過して基準ガス室24側へ排出されて、酸素濃度が低減する。また、酸素ポンプ部6は、限界電流式の酸素センサとして機能し、酸素の分解により生じる酸素イオン電流信号を出力する。
酸素ポンプ部6の下流側に位置する第2センサ部4には、酸素濃度が低減した排ガスが導入される。第2センサ部4には、第2検出電極41が負極となるように、第2検出電極41と第2基準電極42との間に直流電圧が印加される。これにより、第2検出電極41に到達した排ガス中のNOxが分解され、発生した酸素イオンが第2固体電解質体22を通過して基準ガス室24側へ排出される。
このように、第2センサ部4は、限界電流式センサの検出原理に基づいて、排ガス中のNOxの分解により生じる酸素イオン電流信号を出力する。
第2検出電極41と第2基準電極42、ポンプ電極61と第3基準電極62は、例えば、貴金属又は貴金属合金を含む電極にて構成することができる。好適には、ポンプ電極61は、NOxの分解活性が低い電極、例えば、Auを含有する多孔質サーメット電極にて構成される。第2検出電極41と第2基準電極42、第3基準電極62は、例えば、Ptを含有する多孔質サーメット電極にて構成することができる。
ヒータ5は、これら第1センサ部3、第2センサ部4及び酸素ポンプ部6を、所定の作動温度範囲となるように加熱する。
ヒータ5は、第2絶縁性基板52内に、発熱部51と、発熱部51に接続されるリード部53とが埋設されて構成されている。通電経路となるリード部53は、Y方向の先端側に位置する発熱部51から基端側へ延びており、図示しない通電用端子を介して、外部のセンサ制御部10に接続される。発熱部51は、X方向において、被測定ガス室23と重なるように配置されている。
第2絶縁性基板52は、例えば、アルミナ等の絶縁性セラミックス材料にて構成され、複数のセラミックス基板を積層することにより一体化されている。発熱部51及びリード部53は、未焼成のセラミックス基板の表面に形成され、別のセラミックス基板を積層して、焼成することにより、一体化された第2絶縁性基板52の内部に埋設される。
図4に示すように、発熱部51及びリード部53は、第2絶縁性基板52を構成するセラミックス基板52aの表面に、所定のヒータパターンHとして形成される。本形態において、ヒータパターンHは、それぞれY方向に直線状に延び、平行に配置される一対のリード部53の先端側に、概略W字状をなす発熱部51の両端が、重なるように接続された、一連なりの電極パターンからなる。発熱部51は、リード部53との接続部51aよりも先端側においては、リード部53よりも幅狭に形成されており、接続部51aから先端側へ延びると共に、U字状に繰り返し折り返されて全体が概略W字状をなしている。
ここで、発熱部51の外周縁に沿う概略矩形の領域を、発熱部51が配置される発熱領域50とし、その表面の幾何学的中心位置を、発熱部51の発熱中心5Aとする。本形態では、上記図1において、発熱部51が配置される領域50は、X方向において、被測定ガス室23及びガス拡散層43の一部と重なるように配置されている。また、第1検出電極31及び第1基準電極32と、第2検出電極41及び第2基準電極42とは、X方向において重なる位置にあり、概略同一形状である。第1基準電極32と第2基準電極42とは、基準ガス室24を挟んで対向している。
また、上記図2に示すように、第1固体電解質体21に接する表面において、第1検出電極31の幾何学的中心を電極中心3Aとし、第2固体電解質体22に接する表面において、第2検出電極41の幾何学的中心を電極中心4Aとする。このとき、電極中心3Aと発熱部51の発熱中心5Aとの距離d1は、電極中心4Aと発熱中心5Aとの距離d2よりも長く、d1>d2の関係にある。第2センサ部4の第2検出電極41は、酸素ポンプ部6のポンプ電極61と共に被測定ガス室23に面し、発熱部51の発熱中心5Aに対して、概略同等位置にある。
混成電位式センサを用いた第1センサ部3は、原理的に、電極表面でのガス交換が必要なため、第1検出電極31を第1固体電解質体21の外側の表面211に配置して、排ガスが到達しやすい構造としている。また、非平衡反応に基づく電位を検出するために、最適な作動温度が一般的な排ガスセンサよりも低く、例えば、350℃~600℃の範囲であることが望ましい。作動温度が、400℃未満又は600℃を超えると、混成電位が発現しにくくなり、センサ出力が不足するために、検出精度が低下するおそれがある。
限界電流式センサを用いた第2センサ部4、酸素ポンプ部6の作動温度は、例えば、600℃~800℃の範囲であることが望ましい。
本形態のガスセンサ1は、第1基準電極32が配置される基準ガス室24を、第2固体電解質体22との間に設けたので、第1検出電極31が、第2検出電極41の外側に離れて位置する。したがって、発熱中心5Aとの距離d1とd2の差が大きくなり、また、熱伝導率の小さい基準ガス室24内の大気を挟んでいるので、ヒータ5の発熱による第1検出電極31の温度上昇が抑制される。
これにより、図3に示すように、第1検出電極31の電極中心3A及び第2検出電極41の電極中心4Aを通る断面において、最高温度となるヒータ5の発熱部51から、積層方向(すなわち、X方向)により離れて位置する電極中心3Aの温度を、電極中心4Aの温度に対して、大きく低下させることができる。
したがって、第1センサ部3の作動温度を、第2センサ部4の作動温度よりも低い所望の温度範囲に制御して、アンモニア濃度の検出を精度よく行うことができる。また、第1センサ部3の第1基準電極32が、十分な酸素を含む大気が存在する基準ガス室24に配置されるので、電極界面における電気化学的反応が速やかに進行し、感度よい検出が可能になる。第2センサ部4の作動温度を最適となる範囲に制御して、アンモニア濃度の検出を精度よく行うことができる。
(試験例1)
図5に示す構成の評価用の試験装置と、ガスセンサ1の第1センサ部3に相当するテストピースPを用いて、アンモニアの検出を行い、検出される混成電位の温度依存性を調べた。結果を図6に示す。テストピースPは、以下のようにして作製した。まず、厚さ1mmの酸素イオン導電性の固体電解質体P1を用意し、その厚さ方向の端面(すなわち、図の下端面)に、第1検出電極31を、反対側の端面(すなわち、図の上端面)に、第1基準電極32を形成した。
第1センサ部3の第1固体電解質体21に相当する固体電解質体P1は、イットリア安定化ジルコニア(以下、YSZと称する)からなり、第1検出電極31は、Au-YSZ電極、第1基準電極32は、Pt-YSZ電極からなる。第1基準電極32は、PtとYSZの体積比を、Pt:YSZ=80:20とし、直径φ8mmとなるように印刷形成した後、大気雰囲気下、1200℃×2時間、焼成して形成した。第1検出電極31は、AuとYSZの体積比を、Au:YSZ=80:20とし、直径φ8mmとなるように印刷形成した後、大気雰囲気下、850℃×2時間、焼成することで形成し、評価用のテストピースPとした。
図5において、評価用のテストピースPを、電気炉100内に配置したアルミナ管101に収容し、電気炉100にて加熱した。テストピースPは、両端開放のアルミナ管101内を区画するように配置され、第1基準電極32側は大気開放とした。第1検出電極31側には、被測定ガスとして、N2ベースの5%O2とN2ベースの100ppmNH3との混合ガスを供給した。ガス流量は、500ml/minとした。
この状態で、第1検出電極31における検出電位の温度依存性を検討するために、電気炉100により加熱されるテストピースPの温度を変更したときの、第1検出電極31と第1基準電極32の間の電圧を測定した。測定温度は、300℃~800℃の範囲で、50℃間隔で変更した。
図6に示されるように、300℃では、混成電位は発現しない。これは、固体電解質体P1に使用したYSZの酸素イオン導電性が低く、テストピースPから出力される電位がふらつき、安定しないためである。アンモニアを含む被測定ガスを供給することによる混成電位は、350℃から発現し、温度が高くなるにつれて、混成電位の大きさは、小さくなる。ここで、混成電位の大きさは、マイナスの電位である検出電位の絶対値の大きさで示され、温度が低いほど、混成電位が大きくなる。
混成電位の大きさは、650℃から顕著に減少する。これは温度上昇により平衡電位に近づくことに加えてアンモニアが電極上で燃焼するためと推察される。したがって、混成電位を発現させるためには、第1検出電極31の作動温度を、350℃~600℃に制御する必要があることがわかる。
次に、図7、図8により、検出応答性の温度依存性について検討した。この場合は、N2ベースの5%O2を500ml/minで第1検出電極31へ供給する状態から、N2ベースの5%O2とN2ベースの100ppmNH3との混合ガスを500ml/minで第1検出電極31へ供給する状態へ変化させて、第1検出電極31における検出電位の時間変化を調べた。
図7は、450℃における検出電位の時間変化の計測例であり、検出電位は、ある時点において基準電位から急減した後、安定する。このとき、基準電位から検出電位が安定するまでの変化量を、検出電位変化100%とし、その10%変化時点から90%変化時点までの時間を、検出電位変化時間とする。図8に、各温度における検出電位変化時間を、比較して示した。
図8において、上述したように、300℃では、混成電位は発現しないため、検出電位変化時間は計測できない。混成電位は、350℃にて発現し、温度が上昇するにつれて電位変化時間が短くなる。ただし、350℃における電位変化時間は、400℃以上の範囲に比べると、顕著に遅くなっている。これは、350℃では温度が低く、第1検出電極31におけるアンモニアの吸着-脱離が進行するには、充分な温度でないためと推察される。
図6、図8の結果から、混成電位式の第1センサ部3において、安定した混成電位が発現し、検出電位変化時間が短くなる温度範囲は、400℃~600℃となる。一方、限界電流式の第2センサ部4は、作動温度が700℃~850℃となることが望ましい。
上記図2、図3に示したように、上記実施形態1の構成において、第1センサ部3は、第2センサ部4よりも温度が低くなる位置にある。したがって、好適には、ヒータ5への通電時に、第1検出電極31の電極中心3Aが、400℃~600℃となる位置に配置され、第2検出電極41の電極中心4Aが、700℃~850℃となる位置に配置されるように、例えば、発熱中心5Aと電極中心3Aとの距離d1、又は電極中心4Aとの距離d2を調整するのがよい。
そして、センサ制御部10の素子温度制御部10Bにより、これら温度が維持されるように、ヒータ5への通電を制御することが望ましい。素子温度は、素子各部の構成部材、例えば、第1、第2固体電解質体21、22の抵抗(インピーダンス)やヒータ5の発熱部51の抵抗が温度特性を持つことを利用して検出することができる。また、検出部位は任意であり、上記図3の関係を利用して、素子各部の温度を推定することができる。
これにより、第1センサ部3によるアンモニアの検出を応答性よく行い、かつ検出感度を向上させることができる。
(試験例2)
図9に示す構成の試験用センサ素子2Sと、図10に示す構成の参照用センサ素子2Srefを用いて、アンモニアの検出を行い、検出される混成電位の酸素依存性を比較した。結果を図11に示す。
図9において、試験用センサ素子2Sは、実施形態1のセンサ素子2における第1センサ部3とヒータ5とが積層され、第2センサ部4が省略された構成となっている。具体的には、第1センサ部3を構成する第1固体電解質体21、基準ガス室24を構成する第1絶縁性基板25及びヒータ5を構成する第2絶縁性基板52が、この順に積層された試験用センサ素子2Sを、以下のようにして製造した。
まず、第2絶縁性基板52となるセラミックスグリーンシートの積層体と、第1固体電解質体21となるYSZグリーンシートを用意した。これらの間に、第1絶縁性基板25となるセラミックスグリーンシートを挟んで積層し、圧着したものを、1450℃で2時間加熱して、素子基板を作製した。
YSZグリーンシートには、予め、第1絶縁性基板25側の表面に、第1基準電極32となるPt-YSZ電極が印刷形成されている。
セラミックスグリーンシートの積層体は、第2絶縁性基板52を構成する複数のセラミックス基板となるセラミックスグリーンシートが積層されたものであり、予め、ヒータ5の発熱体51及びリード部53を構成するヒータパターンHが埋設形成されている。第1絶縁性基板25、第2絶縁性基板52となるセラミックスグリーンシートは、アルミナからなる。
作製した素子基板は、第1固体電解質体21の露出する表面において、第1基準電極32と対向する位置に、第1検出電極31となるAu-YSZ電極を印刷形成し、850℃で2時間焼成した。このようにして、第1検出電極31が非測定ガス雰囲気に、第1基準電極32が大気雰囲気に晒される、試験用センサ素子2Sを作製した。
次に、図10に示す参照用センサ素子2Srefを作製した。参照用センサ素子2Srefは、試験センサ素子2Sにおける第1絶縁性基板25を有さず、固体電解質体21とヒータ5とが直接積層されて、基準ガス室を有しない構成となっている。第1検出電極31と第1基準電極32とは、第1固体電解質体21の同じ面において、幅方向に並んで配設されている。この参照用センサ素子2Srefを、以下のようにして製造した。
まず、第2絶縁性基板52となるセラミックグリーンシートの積層体を用意し、第1固体電解質体21となるYSZグリーンシートを積層して圧着したものを、1450℃で2時間加熱して素子基板を作成した。得られた素子基板の露出する表面に、Au-YSZ電極とAu-Pt電極とを印刷形成し、850℃で2時間焼成することで、第1検出電極31と第1基準電極32を形成した。セラミックグリーンシートの積層体は、試験用センサ素子2Sと基本構成は同じであり、基準ガス室を有しない分の厚みを加えて、素子全体の厚さが試験用センサ素子2Sと同等となるようにした。
このようにして、第1検出電極31と第1基準電極32の両方が、非測定ガス雰囲気に晒される、参照用センサ素子2Srefを作製した。
図12に示す評価用の試験装置は、電気炉100により加熱可能な配管102が設けられ、配管102内にアンモニアと酸素を含む被測定ガスが導入可能に構成されている。配管102の菅壁には、電気炉100の下流側に、試験用センサ素子2Sと、参照用センサ素子2Srefとが取り付けている。
この試験装置に、被測定ガスとして、N2ベースの所定濃度O2と、N2ベースの100ppmNH3との混合ガスを供給したときの、試験用センサ素子2Sと、参照用センサ素子2Srefによる検出電位を比較した。O2濃度は、5%、10%、20%とし、被測定ガス流量は、2000ml/min、被測定ガス温度は、250℃、素子温度は、500℃とした。なお、素子温度は、第1検出電極31が配置される固体電解質体21の温度とした。
図11に示されるように、試験用センサ素子2Sと、参照用センサ素子2Srefのいずれについても、アンモニアの供給による混成電位が発現した。ただし、参照用センサ素子2Srefでは、O2濃度が大きくなるほど混成電位の大きさ(すなわち、検出電位の絶対値の大きさ)が小さくなり、検出電位の酸素濃度依存性が大きい。これは、参照用センサ素子2Srefでは、第1検出電極31だけでなく第1基準電極32も被測定ガスに晒される位置にあり、第1基準電極32においてもアンモニアの吸着-乖離反応が進行するためである。
一方、試験用センサ素子2Sでは、第1基準電極32が基準ガス室24にあり、一定の大気雰囲気に晒される安定した環境にある。そのため、発現する混成電位の酸素濃度依存性は、第1検出電極31のみに依存する。したがって、アンモニアを精度よく検出するために、好適には、第1基準電極32が基準ガス室24に配置されて、大気雰囲気に晒される構造であるのがよい。
上記構成のガスセンサ1は、例えば、図13に示す排ガス浄化システム200に適用されて、排ガス通路EXにおいてSCR触媒201の下流側に配置される。排ガス通路EXには、エンジンEから排出される排ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタFが配置され、その下流側に、排ガス温度センサ202、尿素水添加弁203、SCR触媒201が順に配置されている。SCR触媒201は、排ガスに含まれるNOxを、尿素水から生成するアンモニアと反応させて還元浄化する尿素SCRシステムを構成している。
ガスセンサ1は、例えば、図示しないハウジングにてセンサ素子2の外周を保持し、排ガス通路EX内に突出する先端側を通気性のカバー体に収容した状態で、排ガス通路EXの通路壁に取り付けられる。センサ素子2は、第1センサ部3により、NOxと反応せずにSCR触媒201を通過した排ガス中のアンモニア濃度を検出する。また、第2センサ部4により、アンモニアと反応せずにSCR触媒201を通過した排ガス中のNOx濃度を検出する。これらの検出結果は、センサ制御部10(例えば、図1参照)を含む排ガス浄化システム200の制御装置ECUに出力され、尿素水の供給量にフィードバックされる。これにより、SCR触媒201におけるNOx浄化反応を効率よく実施することができる。
(実施形態2)
ガスセンサに係る実施形態2について、図14を参照して説明する。
本形態のガスセンサ1は、上記実施形態1のセンサ素子2と、第1センサ部3の電極配置が異なっている。それ以外のセンサ素子2の基本構成と、センサ制御部10の構成及びその基本作動は、上記実施形態1と同様であり、図示及び説明を省略する。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図14に示すように、本形態のセンサ素子2は、第1センサ部3の第1検出電極31が、X方向において、ヒータ5の発熱部51が配置される領域50と重ならず、Y方向において、領域50よりも基端側に配置されている。また、第1基準電極32は、X方向において、第2センサ部4の第2検出電極41及び第2基準電極42と重なると共に、第1検出電極31と重なるように、Y方向に延びている。すなわち、第1基準電極32の面積は、第1検出電極31の面積よりも大きい。
上記実施形態1のセンサ素子2は、第1センサ部3の第1検出電極31と、第2センサ部4の第2検出電極41の両方が、X方向において、ヒータ5の発熱部51が配置される領域50と重なるように配置したが、第1センサ部3の配置は、これに限るものではない。
そして、本形態の配置とすることで、第1センサ部3の第1検出電極は、第2センサ部4及びヒータ5から、より離れた位置となる。すなわち、発熱中心5Aと電極中心3Aとの距離d1と、発熱中心5Aと電極中心4Aとの距離d2とは、d1>d2の関係にあり、その差は、上記実施形態1の構成よりも大きい。
したがって、第1センサ部3の第1検出電極31を、より温度の低い位置に配置することができるので、第1センサ部3の温度を適切に制御して、アンモニアの検出応答性及び検出感度を向上させることができる。また、第1基準電極32が大きく形成されることで、第上記(1)、(2)に示した電気化学的反応がより円滑になされるので、第1検出電極31における混成電位が安定して発現し、精度よいアンモニアの検出が可能になる。
図15に変形例として示すように、本形態の第1検出電極31の配置において、第1基準電極32と第1検出電極31と同じ形状として、対向配置することももちろんできる。
あるいは、図16に変形例として示すように、第1基準電極32と第1検出電極31と同じ形状として対向させた配置とし、X方向において、酸素ポンプ部6の両電極61、62と重なる位置にあってもよい。
いずれの場合も、発熱中心5Aと電極中心3Aとの距離d1と、発熱中心5Aと電極中心4Aとの距離d2とは、d1>d2の関係にあり、その差は、上記実施形態1の構成よりも大きい。
(実施形態3)
ガスセンサに係る実施形態3について、図17を参照して説明する。
本形態のガスセンサ1は、上記実施形態1のセンサ素子2と、第1センサ部3の電極配置が異なっている。それ以外のセンサ素子2の基本構成と、センサ制御部10の構成及びその基本作動は、上記実施形態1と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
図17に示すように、本形態のセンサ素子2は、発熱部51が配置される領域50が、X方向において、ガス拡散層43とは重ならず、被測定ガス室23のみと重なるように配置されている。第1センサ部3の第1検出電極31は、Y方向において、領域50及び基準ガス室24の先端側よりも先端側に延び、X方向において、ガス拡散層43の一部及び酸素ポンプ部6の両電極61、62の一部と重なる位置にある。この場合も、発熱中心5Aと電極中心3Aとの距離d1と、発熱中心5Aと電極中心4Aとの距離d2とは、d1>d2の関係にあり、その差は、上記実施形態1の構成よりも大きい。第1基準電極32は、上記実施形態2と同様の位置にあり、X方向において、領域50と重なると共に、Y方向において、領域50よりも基端側へ延びている。
本形態のセンサ素子2は、ヒータ5の発熱部51が領域50に近接して、第2センサ部4と酸素ポンプ部6を集中的に加熱する配置となっている。その場合には、センサ素子2の先端側が発熱中心Aからより離れて位置し、より低温となるので、第1センサ部3の第1検出電極31が、先端側に配置されていても、十分に低い温度とすることができる。なお、第1基準電極32は、X方向において、一部が第1検出電極31と重ならない位置となるが、第1検出電極31よりも十分に大きな面積を有するので、上記(1)、(2)に示した電気化学的反応が妨げられることはなく、安定してアンモニアを検出が可能である。
また、図18に変形例として示すように、本形態のヒータ5の発熱部51及び第1基準電極32の配置としたときに、上記実施形態2と同様に、第1検出電極31を、Y方向において被測定ガス室23よりも基端側に配置することもできる。
その場合には、図19に変形例として示すように、X方向において、第1検出電極31の一部が、被測定ガス室23と重なるように配置されていてもよい。
いずれの場合も、発熱中心5Aと電極中心3Aとの距離d1と、発熱中心5Aと電極中心4Aとの距離d2とは、d1>d2の関係にあり、その差は、上記実施形態1の構成よりも大きい。
このように、センサ素子2の第1センサ部3は、第1固体電解質体21を挟んで第1検出電極31と第1基準電極32が配置されるので、両電極31、32の配置の自由度が高い。したがって、第1検出電極31が、第2センサ部2の第2検出電極41よりも温度が低い位置となり、かつヒータ5により第1検出電極31及び第2検出電極41が、それぞれ所望の作動温度に制御されるように、第1検出電極31の配置を変更することができる。
(実施形態4)
ガスセンサに係る実施形態4について、図20を参照して説明する。
本形態のガスセンサ1は、上記実施形態2のセンサ素子2と同様の構成において、さらに、センサ素子2の表面に、保護層及び酸化触媒層を形成している。具体的には、第1センサ部3を保護する第1保護層33と、第2センサ部4を保護すると共に、酸化触媒層を兼ねる第2保護層7が形成されている。この場合には、第2センサ部4は、アンモニアが酸化されたNOxを検出することができ、アンモニア検出部として機能する。
第1センサ部3の電極配置以外のセンサ素子2の基本構成と、センサ制御部10の構成及びその基本作動は、上記実施形態1と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
図20に示すように、本形態のセンサ素子2は、第1センサ部3の第1検出電極31が、X方向において、ヒータ5の発熱部51が配置される領域50と重ならず、Y方向において、領域50よりも基端側に配置されている。第1基準電極32は、X方向において、領域50と重なると共に、第1検出電極31と重なるように、Y方向に延びている。また、ヒータ5の発熱部51が配置される領域50は、X方向において、被測定ガス室23及びガス拡散層43の一部と重なるように配置される。
さらに、本形態のセンサ素子2には、第1検出電極31の外側の表面を覆って、第1保護層33が形成されている。第1保護層33は、例えば、ガス透過性のセラミックス多孔体にて構成することができ、排ガスが速やかに第1検出電極31に到達するように、セラミックス多孔体の気孔率や気孔径を調整することが望ましい。
また、センサ素子2の先端側の表面には、第1保護層33の形成部位を除く表面を覆って、第2保護層7が形成されている。第2保護層7は、第1保護層33と同様のガス透過性のセラミックス多孔体を基材とし、さらに酸化触媒を担持させた構成となっている。第2保護層7は、センサ素子2の先端面とこれに続く側面の一部を覆っており、被測定ガス室23への排ガスの導入口となるガス拡散層43の表面を覆っている。
これにより、第1センサ部3、第2センサ部4に導入される排ガス中の被毒成分や水分等が、第1保護層33、第2保護層7に捕捉されて、第1検出電極31、第2検出電極41に到達するのを防止できる。また、第2保護層7を通過することにより、排ガス中のアンモニアがNOxに酸化される。このとき、ヒータ5の発熱部51がガス拡散層43とX方向において重なる位置にあるので、ガス拡散層43が加熱されることにより、アンモニアの酸化が促進される。
ここで、上記図13に示した排ガス浄化システム200において、SCR触媒201に供給される尿素水の供給量が、排ガス中のNOxに対して多いと、SCR触媒201の下流側に排出されるアンモニアが増加する。一方、尿素水の供給量が少ないと、SCR触媒201の下流側に排出されるNOxが増加する。つまり、アンモニアの排出量が多いときは、NOxがほとんど排出されないので、第2センサ部4において検出されるNOxは、ほぼアンモニアに由来するものとなる。
したがって、アンモニア濃度に応じて、第1センサ部3と第2センサ部4とを使い分けることができる。例えば、アンモニアの排出量が少ないときには、第1センサ部3を用いて、アンモニアの検出を行い、アンモニアの排出量が多いときは、第2センサ部4を用いて、アンモニアの検出を行うことで、広い濃度範囲において、精度よい検出が可能になる。
なお、第1保護層33、第2保護層7は、上記実施形態2に限らず、他の実施形態に示した構成のセンサ素子2適用することができる。
また、第1保護層33、第2保護層7を設けない構成において、例えば、排ガスの導入口となるガス拡散層43が、酸化触媒層を兼ねる構成としてもよい。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、上記各実施形態では、ガスセンサを内燃機関の排ガス浄化システムに適用した例について説明したが、被測定ガスは内燃機関からの排ガスに限らず、任意のガスとすることができる。
1 ガスセンサ
2 センサ素子
21 第1固体電解質体
22 第2固体電解質体
3 第1センサ部
31 第1検出電極
32 第1基準電極
4 第2センサ部
5 ヒータ
51 発熱部

Claims (16)

  1. 酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
    上記センサ素子は、
    第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
    第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
    通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されていると共に、
    上記第1固体電解質体と上記第2固体電解質体との間に、基準ガスが導入される基準ガス室(24)を備え、
    上記第1センサ部は、上記基準ガス室に面する上記第1固体電解質体の表面(212)に、上記第1基準電極を備え、上記基準ガス室と反対側の上記第1固体電解質体の表面(211)に、上記第1検出電極を備えて、上記第1検出電極と上記第1基準電極との電位差に基づく混成電位信号を出力するものであり、
    上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
    上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にある、ガスセンサ。
  2. 酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
    上記センサ素子は、
    第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
    第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
    通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されており、
    上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
    上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にあると共に、
    上記センサ素子の積層方向(X)において、上記第1検出電極及び上記第2検出電極は、上記発熱部と少なくとも一部が重なる位置にある、ガスセンサ。
  3. 上記センサ素子は、上記基準ガス室が構成される第1絶縁性基板(25)を挟んで、上記第1固体電解質体と上記第2固体電解質体とが積層され、上記基準ガス室と反対側において、上記第2固体電解質体に上記ヒータが積層されて構成されており、
    上記ヒータは、上記第2固体電解質体に積層される第2絶縁性基板(52)の内部に、上記発熱部と上記発熱部に接続されるリード部(53)とが埋設されて構成されている、請求項に記載のガスセンサ。
  4. 上記センサ素子の積層方向(X)において、上記第1検出電極及び上記第2検出電極は、上記発熱部と少なくとも一部が重なる位置にある、請求項1又は3に記載のガスセンサ。
  5. 上記センサ素子の積層方向(X)において、上記第1検出電極は、上記第2検出電極と重ならない位置にあり、上記第2検出電極は上記発熱部と少なくとも一部が重なる位置にある、請求項1又は3に記載のガスセンサ。
  6. 上記センサ素子の長手方向(Y)において、上記第1検出電極の電極中心は、上記第2検出電極の電極中心よりも上記センサ素子の先端側又は基端側にずれて配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  7. 上記第1センサ部において、上記第1検出電極と上記第1基準電極とは、上記第1固体電解質体を挟んで対向して位置しており、かつ、上記第1基準電極の面積は、上記第1検出電極の面積よりも大きい、請求項1~6のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  8. 上記被測定ガス室は、上記第2固体電解質体を挟んで上記第1センサ部と反対側に配置されており、上記センサ素子は、ガス拡散層(43)を介して上記被測定ガス室に導入される被測定ガス中の酸素濃度を調整する酸素ポンプ部(6)を備え、
    上記第2検出電極は、上記被測定ガス室に面する上記第2固体電解質体の表面(221)に配置されており、上記第2センサ部は、上記被測定ガス室と反対側の上記第2固体電解質体の表面(222)に、上記第2基準電極を備えて、上記第2検出電極と上記第2基準電極との間に流れる酸素イオン電流信号を出力するものである、請求項1~7のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  9. 上記酸素ポンプ部は、上記第2センサ部と上記ガス拡散層との間において、上記被測定ガス室に面する上記第2固体電解質体の表面に配置されるポンプ電極(61)と、上記被測定ガス室と反対側の上記第2固体電解質体の表面に配置される第3基準電極(62)と、を備えている、請求項8に記載のガスセンサ。
  10. 上記センサ素子は、上記被測定ガス室への被測定ガスの導入口となる表面に、酸化触媒層(7)を有すると共に、上記第2センサ部において、アンモニアの酸化により生成されたNOxの濃度を検出する、請求項1~9のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  11. 上記センサ素子は、上記第1検出電極の外側の表面に形成される第1保護層(33)と、上記第1保護層の形成部位を除く表面に形成されると共に上記酸化触媒層を兼ねる第2保護層を備えている、請求項10に記載のガスセンサ。
  12. 上記第1検出電極は、上記ヒータによって400℃~600℃に加熱される位置に配置されており、上記第2検出電極は、上記ヒータによって600℃~800℃に加熱される位置に配置されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  13. 酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
    上記センサ素子は、
    第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
    第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
    通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されており、
    上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
    上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にあると共に
    上記第1センサ部において、上記第1検出電極と上記第1基準電極とは、上記第1固体電解質体を挟んで対向して位置しており、かつ、上記第1基準電極の面積は、上記第1検出電極の面積よりも大きい、ガスセンサ。
  14. 酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
    上記センサ素子は、
    第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
    第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
    通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されており、
    上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
    上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にあると共に
    上記被測定ガス室は、上記第2固体電解質体を挟んで上記第1センサ部と反対側に配置されており、上記センサ素子は、ガス拡散層(43)を介して上記被測定ガス室に導入される被測定ガス中の酸素濃度を調整する酸素ポンプ部(6)を備え、
    上記第2検出電極は、上記被測定ガス室に面する上記第2固体電解質体の表面(221)に配置されており、上記第2センサ部は、上記被測定ガス室と反対側の上記第2固体電解質体の表面(222)に、上記第2基準電極を備えて、上記第2検出電極と上記第2基準電極との間に流れる酸素イオン電流信号を出力するものである、ガスセンサ。
  15. 酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
    上記センサ素子は、
    第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
    第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
    通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されており、
    上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
    上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にあると共に
    上記センサ素子は、上記被測定ガス室への被測定ガスの導入口となる表面に、酸化触媒層(7)を有すると共に、上記第2センサ部において、アンモニアの酸化により生成されたNOxの濃度を検出する、ガスセンサ。
  16. 酸素イオン導電性の第1固体電解質体(21)及び第2固体電解質体(22)を用いたセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)であって、
    上記センサ素子は、
    第1固体電解質体(21)の表面(211、212)に形成される第1検出電極(31)及び第1基準電極(32)を有し、少なくとも上記第1検出電極が被測定ガスに晒されることにより、アンモニア濃度に応じた混成電位信号を出力する混成電位式の第1センサ部(3)と、
    第2固体電解質体(22)の表面(221、222)に形成される第2検出電極(41)及び第2基準電極(42)を有し、上記第2検出電極が、被測定ガス室(23)に導入される被測定ガスに晒されることにより、NOx濃度に応じた電流信号を出力する第2センサ部(4)と、
    通電により発熱する発熱部(51)を有して、上記第1センサ部及び上記第2センサ部を加熱するヒータ(5)と、が積層されて構成されており、
    上記第1センサ部及び上記第2センサ部は、
    上記発熱部の発熱中心(5A)と上記第1検出電極の電極中心(3A)との距離d1と、上記発熱中心と上記第2検出電極の電極中心(4A)との距離d2とが、d1>d2の関係にあると共に
    上記第1検出電極は、上記ヒータによって400℃~600℃に加熱される位置に配置されており、上記第2検出電極は、上記ヒータによって600℃~800℃に加熱される位置に配置されている、ガスセンサ。
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