JP2023115890A - セルロース粒子 - Google Patents

セルロース粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP2023115890A
JP2023115890A JP2022122215A JP2022122215A JP2023115890A JP 2023115890 A JP2023115890 A JP 2023115890A JP 2022122215 A JP2022122215 A JP 2022122215A JP 2022122215 A JP2022122215 A JP 2022122215A JP 2023115890 A JP2023115890 A JP 2023115890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose
particles
coating layer
cellulose particles
fatty acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022122215A
Other languages
English (en)
Inventor
健二 八百
Kenji Yao
正啓 大木
Masahiro Oki
英昭 吉川
Hideaki Yoshikawa
和世 吉田
Kazuyo Yoshida
亜侑 内藤
Ayu NAITO
侑子 岩舘
Yuko Iwadate
孝宏 石塚
Takahiro Ishizuka
哲也 田口
Tetsuya Taguchi
弘一 濱野
Koichi Hamano
里美 柏木
Satomi Kashiwagi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fujifilm Business Innovation Corp
Priority to US18/151,132 priority Critical patent/US20230312842A1/en
Priority to EP23154388.5A priority patent/EP4223273A1/en
Publication of JP2023115890A publication Critical patent/JP2023115890A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

【課題】生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子の提供。【解決手段】セルロースを主成分し、JIS K6950:2000に準拠して測定される、5日間の生分解率が20%未満、且つ60日間の生分解率60%以上であるセルロース粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロース粒子に関する。
特許文献1には、「セルロースを主成分とする樹脂で形成された樹脂ビーズであって、体積基準の累積50%粒子径が、50μm以下であり、真球度が、0.7~1.0であり、表面平滑度が、70~100%であり、中実度が、50~100%であり、JIS K6950:2000(ISO 14851:1999)に準拠して測定される5日間の生分解率が、20%以上であり、前記樹脂中のセルロースの含有量が、90~100質量%である樹脂ビーズ。」が提案されている。
特許文献2には、「平均粒子径が5~150μmであり、式(1):超音波水中残存率(%)=[湿式測定(超音波照射あり)の体積累計50%粒子径/湿式測定(超音波照射なし)の体積累計50%粒子径]×100で表される超音波水中残存率が20~60%である粉末状セルロース。」が提案されている。
特許第6872068号公報 特許第6855631号公報
本発明の課題は、セルロースを主成分し、JIS K6950:2000に準拠して測定される、5日間の生分解率が20%超え、又は60日間の生分解率60%未満であるセルロース粒子に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1> セルロースを主成分し、
JIS K6950:2000に準拠して測定される、5日間の生分解率が20%未満、且つ60日間の生分解率60%以上であるセルロース粒子。
<2> 前記セルロースを主成分とする母粒子と、
前記母粒子を被覆する被覆層であって、ポリアミン化合物、アルギニン化合物、ワックス、直鎖脂肪酸、直鎖脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む被覆層と、
を有する<1>に記載のセルロース粒子。
<3> 前記ポリアミン化合物が、ポリエチレンイミン、及びポリリジンよりなる群から選択される少なくとも1種である<2>に記載のセルロース粒子。
<4> 前記ワックスが、カルバナワックスである<2>又は<3>に記載のセルロース粒子。
<5> 前記被覆層が、前記母粒子を被覆し、前記ポリアミン化合物、前記アルギニン化合物、前記直鎖脂肪酸、前記ヒドロキシ脂肪酸及び前記アミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、前記第一被覆層を被覆し、ワックス、前記直鎖脂肪酸、前記直鎖脂肪酸金属塩、前記ヒドロキシ脂肪酸及び前記アミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有する<2>~<4>のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
<6> 前記第二被覆層に、多価金属塩をさらに含む<5>に記載のセルロース粒子。
<7> 前記被覆層が、前記母粒子を被覆し、前記ポリアミン化合物、及び前記アルギニン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、前記第一被覆層を被覆し、前記直鎖脂肪酸、前記直鎖脂肪酸金属塩、前記アミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有する<2>~<4>のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
<8> 前記第二被覆層に、多価金属塩をさらに含む<7>に記載のセルロース粒子。
<9> 珪素含有化合物粒子、及び金属石鹸粒子よりなる群から選択される少なくとも1種の外添剤が外添されている<1>~<8>のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
<10> 前記珪素含有化合物粒子として、シリカ粒子が外添されている<9>に記載のセルロース粒子。
<11> 体積平均粒子径が、3μm以上10μm未満である<1>~<10>のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
<12> 大径側個数粒度分布指標GSDvが、1.0以上1.7以下である<1>~<11>のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
<13> 真球度が0.9以上である<1>~<10>のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
<14> 前記セルロースの数平均分子量が、37000以上である<1>~<13>のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
<15> 前記セルロースの数平均分子量が、45000以上である<14>に記載のセルロース粒子。
<16> 表面平滑度が80%以上である<1>~<15>のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
<1>に係る発明によれば、セルロースを主成分し、JIS K6950:2000に準拠して測定される、5日間の生分解率が20%超え、又は60日間の生分解率60%未満であるセルロース粒子に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<2>に係る発明によれば、セルロースを主成分とする単層のセルロース粒子に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないが提供される。
<3>に係る発明によれば、ポリアミン化合物がポリビニルアミンである場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<4>に係る発明によれば、ワックスがキャンデリラワックスである場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<5>に係る発明によれば、被覆層が、母粒子を被覆し、ポリアミン化合物を含む第一被覆層のみを有する場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<6>に係る発明によれば、第二被覆層に多価金属塩を含まない場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<7>に係る発明によれば、被覆層が、直鎖脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、ワックス、及びヒドロキシ脂肪酸よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有する場合に比べ、質感の経時変化が少ないが提供される。
<8>に係る発明によれば、第二被覆層に多価金属塩を含まない場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<9>、に係る発明によれば、場合に比べ、ステアリン酸ステアリル粒子、又は酸化亜鉛粒子が外添されている場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<10>に係る発明によれば、シリカ粒子以外の珪素含有化合物粒子が外添されている場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<11>に係る発明によれば、体積平均粒子径が3μm未満又は以上10μm超えである場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<12>に係る発明によれば、大径側個数粒度分布指標GSDvが1.0未満又は1.7超えである場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<13>に係る発明によれば、真球度が0.9未満である場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<14>に係る発明によれば、セルロースの数平均分子量が37000未満である場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<15>に係る発明によれば、セルロースの数平均分子量が45000未満である場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
<16>に係る発明によれば、表面平滑度が80%未満である場合に比べ、生分解性が
高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。これらの説明および実施例は、実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<セルロース粒子>
本実施形態に係るセルロース粒子は、セルロースを主成分し、JIS K6950:2000に準拠して測定される、5日間の生分解率が20%未満、且つ60日間の生分解率60%以上である。
本実施形態に係るセルロース粒子は、上記構成により、生分解性が高く、質感の経時変化が少ない。その理由は、次の通り推測される。
海洋ゴミの問題から、生分解性を有する樹脂粒子が求められている。中でも、セルロースを主成分とするセルロール粒子はコンポスト、活性汚泥、海水のいずれの環境下でも生分解性が速く、化粧品などの様々な用途で実用化されている。
しかし、従来のセルロース粒子は、初期の生分解性が速すぎるため、粒子表面の機械強度が低下し、欠けなどが起こり、表面の質感(例えば、すべり、しっとり感、なめらかさ等の肌触り)が、通常使用環境の時間経過で劣化する。
通常、セルロース粒子の生分解は、表面(つまり分解促進媒体との接触点)から開始する。したがって、初期の生分解性が速いセルロース粒子では、セルロースの分子量低下がごく表面で選択的に進行し、強度低下。それにより、わずかな欠け又は変形を起こしやすくなる。初期の生分解性が抑制されたセルロース粒子は、経時による表面の欠け又は変形を抑制することができ、質感の変化を抑制できる。
つまり、IS K6950:2000に準拠して測定される5日間の生分解率が20%未満とすることで、初期の生分解性が抑制される。それにより、経時による表面の欠け又は変形を抑制することができ、質感の変化を抑制できる。
一方、IS K6950:2000に準拠して測定される60日間の生分解率が60%以上とすることで、高い生分解性も確保される。
以上から、本実施形態に係るセルロース粒子は、上記構成により、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないと推測される。
具体的には、本実施形態に係るセルロース粒子は、質感の経時変化が少ないため、例えば、すべり、しっとり感、なめらかさ等の肌触りの経時変化が少ない。
以下、本実施形態に係るセルロース粒子の詳細について説明する。
(セルロース)
本実施形態に係るセルロース粒子は、セルロースを主成分とする。
ここで、セルロースを主成分とするとは、セルロース粒子に対するセルロースの含有量が90質量%以上であることをいう。
ただし、セルロース粒子が、後述する被覆層を有する場合、セルロースを主成分とするとは、母粒子に対するセルロース含有量が90質量%以上であることをいう。
セルロースの数平均分子量は、37000以上であることが好ましく、45000以上であることがより好ましい。
セルロースの数平均分子量の上限値は、特に限定されないが、例えば100000以下であってもよい。
セルロースの数平均分子量を、37000以上とすることで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
セルロースの数平均分子量が低過ぎると、生分解速度が顕著に速くなり、初期の生分解速度を抑制できなくなる傾向がある。分子量を37000以上とすることで、粒子表面の欠け、変形を抑制でき、質感の経時間変化を少なくすることができる。また、数平均分子量が低すぎると、初期の生分解が速すぎることから、粒子の崩壊が均一性に欠け、サイズにばらつきが生じ、結果最終的な生分解速度が遅くなる、分子量を37000以上にすることで、粒子を均一に崩壊でき、生分解性も優れたものとなる。
以上のことから、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
セルロースの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(示差屈折率計 Optilab T-rEX/ Wyatt Technology社製、多角度光散乱検出器
DAWN HELEOS II/ Wyatt Technology社製、カラム TSKgel α-M、α-3000各1本/東ソー社製)にて、ジメチルアセトアミド(0.1M 塩化リチウム添加)を溶媒として測定される。
(その他の成分)
本実施形態に係るセルロース粒子は、その他の成分を含んでもよい。ただし、その他の成分は、セルロース粒子が後述する被覆層を有する場合、被覆層により被覆される母粒子に含まれる。
その他の成分としては、例えば、可塑剤、難燃剤、相溶化剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド等)、酢酸放出を防ぐための受酸剤(酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の金属水酸化物;炭酸カルシウム;タルク;など)、反応性トラップ剤(例えば、エポキシ化合物、酸無水物化合物、カルボジイミド等)などが挙げられる。
その他の成分の含有量は、セルロース粒子(又は母粒子)全量に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
(生分解率)
本実施形態に係るセルロース粒子における、JIS K6950:2000に準拠して測定される、5日間の生分解率は20%未満である。質感の経時変化抑制の観点から、5日間の生分解率は15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
5日間の生分解率は、理想的には0%が好ましいが、本質的には生分解性を有する材料
を使用する観点から、完全に初期の生分解性を抑制することは困難であり、例えば、5%以上である。
本実施形態に係るセルロース粒子における、JIS K6950:2000に準拠して測定される、60日間の生分解率は60%以上である。高い生分解性の観点から、
60日間の生分解率は65%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
60日間の生分解率は、高い程好ましいが、BOD測定精度の限界、すなわち酸素検出精度や検体の分解に関わらない微生物による酸素消費の影響などで、100%にならないのが通常である観点から、例えば、95%以下である。
ここで、生分解率は、JIS K6950:2000に準拠して測定される。そして、JIS K6950:2000は、ISO 14851:1999に相当する。
具体的は、生分解率は、測定対象のセルロース粒子(以下対象物質)と参照物質の酸素要求量から下記式で算出される。
生分解率(%)=(A-B)/C×100
A(mg):対象物質の生化学的酸素要求量
B(mg):対照物質の平均生化学的酸素要求量
C(mg):対象物質を酸化するために必要な理論上の最大酸素量
そして、酸素要求量は、下記条件で閉鎖系酸素消費量測定装置を用いて測定する。
植種源:主に家庭排水を処理する下水処理場の好気的反応槽汚泥
対照物質:微結晶セルロース
対象物質濃度:100mg/L
対照物質濃度:100mg/L
植種源濃度:150mg/L
試験液量:300mL
試験温度:25±1℃
培養期間:30日間
(被覆層を有するセルロース粒子)
本実施形態に係るセルロース粒子は、セルロースを主成分とする母粒子(以下、セルロース母粒子とも称する)と、母粒子を被覆する被覆層であって、ポリアミン化合物、アルギニン化合物、ワックス、直鎖脂肪酸、直鎖脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む被覆層と、を有するセルロース粒子(以下、「被覆層を有するセルロース粒子」とも称する)であることが好ましい。
本実施形態に係るセルロース粒子を上記構成とすることで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
ポリアミン化合物は、セルロースの水酸基と親和し、表面付着する。これによりセルロース粒子表面の初期の生分解が抑制され、質感の経時変化を少なくできる。また、ポリアミン化合物は完全被覆されずに、ところどころ空隙が出来る。表面の隙間を微生物が通過できるため、時間が経過すればセルロースの優れた生分解性が粒子の生分解性に反映される。
アルギニン化合物は、末端に存在するカルボン酸がセルロース母粒子表面の水酸基とイオン結合し、セルロース母粒子を部分的に被覆する。セルロース母粒子露出部分とアルギニン化合物の被覆部分が連続的に形成され、微妙な凹凸構造と吸水率の変化により、質感の経時変化が小さくなると考えられる。また被覆部分がセルロース母粒子よりも生分解性に劣ることから、初期の生分解は抑制されるが、アルギニン化合物も生分解性を有するため、時間が経てば全体が生分解する。
ワックス、直鎖脂肪酸及び直鎖脂肪酸金属塩は自身に強い撥水性があり、疎水性が高くなるため、セルロースの加水分解が抑制され、粒子の初期の生分解による表面欠損を起こさず、生分解を均一に進めることが出来るため、質感の経時変化を小さくできる。一方でこれらの化合物は部分的な凝集を起こしやすいため、表面には隙間部分が生じ、この間から微生物が侵入できることで優れた生分解性を実現できる。
ヒドロキシ脂肪酸はヒドロキシ脂肪酸の水酸基がセルロース粒子の水酸基と弱い水素結合を形成し、ヒドロキシ脂肪酸はセルロース粒子の表面に付着する。付着したヒドロキシ
脂肪酸の脂肪酸部が粒子の外側を向き、疎水性が向上することで、セルロースの初期の加水分解を抑制し、表面欠損を生じさせないことで、質感の経時変化を小さくできる。また、脂肪酸の炭化水素部はセルロースと親和性が低いため、両者の間に隙間ができ、ここから微生物がセルロース粒子に侵入することができるため、均一な生分解が可能となり、優れた生分解性を実現できる。
アミノ酸系化合物については、被覆後に扁平な形状の結晶になる傾向が強く、比表面積が大きくなることで、初期の微生物のセルロースとの接触を抑制でき、生分解が遅れることで質感の経時変化が小さくなる。また、結晶間に隙間が生じるため、微生物の緩やかな侵入が可能で、均一に生分解が進行し、優れた生分解性も実現できる。
以上のことから、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
なお、本実施形態に係るセルロース粒子において、例えば、セルロースを主体とする母粒子を、セルロースアシレートの鹸化で作製することによって、水酸基を表面に偏在させる。それにより、母粒子に、被覆層を高い被覆率で被覆することができる。
また、被覆層を有するセルロース粒子を化粧品に適用すると、高温、低温においても優れた肌感触(滑り、しっとり感、なめらかさ)を有する化粧品となる。その理由は、次の通り、推測される。
被覆層を有するセルロース粒子の生分解は以下の二つの現象のいずれか、または両方で開始される。
(1)分解を促す微生物が被覆層を通過し、元来生分解が速いセルロース母粒子を生分解する。
(2)微生物が被覆層自体を分解する。
JIS K6950(ISO 14581:1999)に準拠して測定される5日間の生分解率が20%以上と高い場合、生分解が速いセルロース母粒子が分解する(1)の現象で進行する。この場合、通常の温度条件では被覆層の構造が残っているため仮に生分解が進行しても、化粧品としての肌感覚が低下することはない。しかし、セルロース母粒子の表面が分解したために、被覆層は土台を失い、一部セルロース母粒子表面と結着できない状態が生じている。
周囲の環境温度が0℃以下の低温になると、被覆層の構造の分子運動が凍結され、脆くなる。それでも、セルロース母粒子に結着していれば、セルロース母粒子が低温でも高強度であることから、被覆層の構造も破壊されることはない。
しかし、JIS K6950(ISO 14581:1999)に準拠して測定される5日間の生分解率が20%以上と高い、表面層を有するセルロース粒子では、表面層の構造の一部がセルロース粒子に結着できていないため、その箇所を起点に表面層の構造が破壊する。
このため、JIS K6950(ISO 14581:1999)に準拠して測定される5日間の生分解率が20%以上と高い、表面層を有するセルロース粒子は、0℃以下の低温で化粧品としての肌感触(具体的には、滑り、しっとり感、なめらかさ等)が低下してしまう。
また、周囲の環境温度が60℃異常の高温になると、被覆層の処理構造が変形しやすくなる。被覆層がセルロース母粒子と均一に結着していれば、変形の影響は最小限に抑制されるが、JIS K6950(ISO 14581:1999)に準拠して測定される5日間の生分解率が20%以上と高い、被覆層を有するセルロース粒子では、被覆層の構造の一部がセルロース母粒子に結着できていないため、変形の影響を受け、化粧品としての肌感触(具体的には、滑り、しっとり感、なめらかさ等)が低下してしまう。
一方、JIS K6950(ISO 14581:1999)に準拠して測定される60日間の生分解率が60%未満の場合は、微生物がセルロース母粒子に全く接触できない状態、例えば、密にセルロース粒子の表面が、生分解が遅い化合物で覆われているような形態になり、0℃以下の低温、又は60℃以上の恒温では、セルロース母粒子と被覆層の線膨張の違いから、被覆層が亀裂していまい、表面が非常に粗くなってしまう。そのことから、化粧品としての肌感触(具体的には、滑り、しっとり感、なめらかさ等)が低下してしまう。
そのため、被覆層を有するセルロース粒子を化粧品に適用すると、高温、低温においても優れた肌感触(滑り、しっとり感、なめらかさ)を有する化粧品となる推測される。
-母粒子-
母粒子はセルロースを主成分とする。
母粒子に含まれるセルロースは、既述のセルロースと同義であり、好ましい範囲も同様である。
-被覆層-
被覆層は、ポリアミン化合物、ワックス、アルギニン化合物、直鎖脂肪酸、直鎖脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む。
・ポリアミン化合物
ポリアミン化合物とは、第1級アミノ基を2つ以上有する脂肪族炭化水素の総称である。
ポリアミン化合物としては、ポリアルキレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリリジン等が挙げられる。
ポリアルキレンイミンとしては、生分解性向上の観点から、炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数1以上4以下、より好ましくは炭素数1以上2以下)のアルキレン基を持つ構成単位を有するポリアルキレンイミンが好ましく、ポリエチレンイミンがより好ましい。
ポリアリルアミンとしては、例えば、アリルアミン、アリルアミンアミド硫酸塩、ジアリルアミン、ジメチルアリルアミンなどの単独重合体又は共重合体などが挙げられる。
ポリビニルアミンとしては、例えば、ポリ(N-ビニルホルムアミド)をアルカリで加水分解して製造されるもので、具体的には三菱化学社製「PVAM-0595B」等が挙げられる。
ポリリジンとしては、天然物から抽出されたものであってもよく、形質転換微生物に産生させたものであってもよく、化学合成されたものであってもよい。
ポリアミン化合物が、ポリエチレンイミン、及びポリリジンよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ポリアミン化合物としてポリエチレンイミン、及びポリリジンよりなる群から選択される少なくとも1種を適用することで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
ポリエチレンイミン、ポリリジンはカチオン密度が高く、セルロースの水酸基と反応する官能基を有するので、セルロース粒子に強固に付着することが出来る。一方で適度な面積比率の炭化水素鎖を有し、セルロース粒子の表面に付着した場合は、炭化水素鎖が表面に露出する傾向があることから、粒子の疎水性が高まり、初期のセルロースの加水分解、
生分解を遅らせることで、表面欠陥の発生を防ぎ、均一に生分解を進行させられることから質感の経時変化が小さくなる。またポリエチレンイミン、ポリリジンは構造が密ではなく比較的粗であることから、微生物が侵入する隙間を有し、セルロースの優れた生分解性が粒子の生分解性に反映される。
以上のことから、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
ポリアミン化合物の含有量は、セルロース粒子全体に対して、0.2質量%以上2質量%以下であることが好ましい。
・アルギニン化合物とは、2-アミノ-5-グアニジノペンタン酸(2-アミノ-5-グアニジノ吉草酸)の構造を有する化合物である。
アルギニン化合物としては、L-アルギニン、D-アルギニン、2-アミノ-3―メチル5-グアニジノペンタン酸、2-アミノ-3―エチルー5-グアニジノペンタン酸、2-アミノ-3,3―ジメチルー5-グアニジノペンタン酸が挙げられる。
アルギニン化合物の含有量は、セルロース粒子全体に対して、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
・ワックス
ワックスとしては、脂肪酸を含む植物油、炭化水素系ワックス、ジエステル等が挙げられる。
脂肪酸を含む植物油としては、ひまし油、桐油、亜麻仁油、ショートニング、コーン油、大豆油、胡麻油、菜種油、ひまわり油、こめ油、椿油、ヤシ油、パーム油、クルミ油、オリーブ油、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、ホホバ油、カカオバター、シアバター、ニーム油、ベニバナ油、木蝋、キャンデリラワックス、ライスワックス、カルナバワックス、ダマスクバラ花ロウ等が挙げられる。
炭化水素系ワックスとしては、石油ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムワックス等)、合成炭化水素ワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリブテンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等)が挙げられる。
ジエステルとしては、例えば、リンゴ酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の2塩基酸と、炭素数10以上25以下のアルコールと、のジエステル等が挙げられる。
ワックスとしては、カルバナワックスであることが好ましい。
ワックスとして、カルバナワックスを適用することで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
カルナバワックスは遊離脂肪酸や炭化水素など撥水性構造を有する成分を多く含むためセルロース粒子の初期の加水分解を防ぐことが出来、表面欠損を生じることなく均一に生分解を進行させることが出来、質感の経時変化を少なくする効果が高く、且つ遊離アルコールを成分に含むことからセルロース粒子の水酸基と弱い水素結合を形成するためセルロース粒子に付着するが、付着力が比較的弱いため、界面に隙間があり、そこから微生物が侵入できるので、十分な時間が経過すれば、優れた生分解性を実現できる。
以上のことから、生分解性が高く、かつ質感の経時変化が小さいセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
ワックスの含有量は、セルロース粒子全体に対して、0.1質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
・直鎖脂肪酸
直鎖脂肪酸とは、直鎖状の飽和又は不飽和の脂肪酸である。直鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸の混合物であってもよい。
直鎖脂肪酸としては、生分解性向上及び質感の経時変化を少なくする観点から、炭素数14以上22以下の直鎖脂肪酸であることが好ましい。炭素数14以上22以下の直鎖脂肪酸の具体例としては、ベヘン酸、アラキジン酸、パルチミン酸などが挙げられる。
直鎖脂肪酸を被覆層に用いることで、粒子の質感の経時変化を小さくでき、優れた生分解性を実現できる理由は以下のように考える。末端のカルボン酸がセルロースの水酸基と共有結合またはイオン的親和を起こしセルロース粒子表面に付着することが出来る。表面には直鎖炭化水素基が露出し、疎水性が高くなるため、セルロースの加水分解が抑制され、粒子の初期の生分解による表面欠損を起こさず、生分解を均一に進めることが出来るため、質感の経時変化を小さくできる。一方でこの化合物は部分的な凝集を起こしやすいため、表面には隙間部分が生じ、この間から微生物が侵入できることで優れた生分解性を実現できる。
ここで、直鎖脂肪酸において、炭素数が14以上であると、部分凝集力が十分となり、質感の経時変化防止効果、生分解性ともに十分になる。一方、炭素数が22以下であると、凝集力が強くなり難く、セルロース粒子表面への付着が弱くなることが抑制され、質感の経時変化防止効果が不十分になる傾向がある。
直鎖脂肪酸の含有量は、セルロース粒子全体に対して、2質量%以上15質量%以下が好ましく、5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
・直鎖脂肪酸金属塩
直鎖脂肪酸金属塩とは、直鎖状の飽和又は不飽和の脂肪酸金属塩である。直鎖脂肪酸金属塩は、飽和脂肪酸金属塩及び不飽和脂肪酸金属塩の混合物であってもよい。
脂肪酸金属塩としては、炭素数10以上25以下(好ましくは、12以上22以下)の脂肪酸の金属塩が挙げられる。炭素数10以上25以下の脂肪酸の金属塩としては、例えば、ステアリン酸の金属塩、パルミチン酸の金属塩、ラウリン酸の金属塩、オレイン酸の金属塩、リノール酸の金属塩、リシノール酸の金属塩などが挙げられる。
直鎖脂肪酸金属塩における金属としては、2価の金属が挙げられる。
直鎖脂肪酸金属塩における金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、亜鉛が挙げられる。
直鎖脂肪酸金属塩の含有量は、セルロース粒子全体に対して、2質量%以上15質量%以下が好ましく、5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
・ヒドロキシ脂肪酸
ヒドロキシ脂肪酸としては、生分解性向上及び質感の経時変化を少なくする観点から、炭素数12~20のヒドロキシ脂肪酸であることが好ましい。
炭素数12~20のヒドロキシ脂肪酸としては、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシパルチミン酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシミリスチン酸、ひまし硬化脂肪酸、などが挙げられる。
ヒドロキシ脂肪酸を被覆層に用いることで、粒子の質感の経時変化を防ぎ、優れた生分解性を実現できる理由は以下のように考える。ヒドロキシ脂肪酸の水酸基がセルロース粒子の水酸基と弱い水素結合を形成し、ヒドロキシ脂肪酸はセルロース粒子の表面に付着する。付着したヒドロキシ脂肪酸の脂肪酸部が粒子の外側を向き、疎水性が向上することで、セルロースの初期の加水分解を抑制し、表面欠損を生じさせないことで、質感の経時変化を小さくできる。また、脂肪酸の炭化水素部はセルロースと親和性が低いため、両者の間に隙間ができ、ここから微生物がセルロース粒子に侵入することができるため、均一な生分解が可能となり、優れた生分解性を実現できる。
ここで、ヒドロキシ脂肪酸において、炭素数が12以上であると、脂肪酸同士の反発力が弱くなり難く、疎水性が向上し、質感の経時変化抑制効果が向上する傾向にある。逆に、炭素数が20以下であるとい、長鎖が絡み合い難く、微生物の進入路を防くことが抑制され、生分解性が向上する傾向がある。
ヒドロキシ脂肪酸の含有量は、セルロース粒子全体に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上10質量%以下がより好ましい。
・アミノ酸系化合物
アミノ酸系化合物とは、アミノ酸及びアミノ酸誘導体をいう。
アミノ酸系化合物としては、ラウリルロイシン、ラウリルアルギニン、ミリスチルロイシンなどが挙げられる。
アミノ酸系化合物を被覆層に用いることで、粒子の質感の経時変化を防ぎ、優れた生分解性を実現できる理由は以下のように考える。アミノ酸化合物は、被覆後に扁平な形状の結晶になる傾向が強く、比表面積が大きくなることで、初期の微生物のセルロースとの接触を抑制でき、生分解が遅れることで質感の経時変化が小さくなる。また、結晶間に隙間が生じるため、微生物の緩やかな侵入が可能で、均一に生分解が進行し、優れた生分解性も実現できる。
アミノ酸系化合物の含有量は、セルロース粒子全体に対して、2質量%以上10質量%以下が好ましい。
・被覆層の層構造
被覆層は、母粒子を被覆し、ポリアミン化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギニン化合物、からなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、第一被覆層を被覆し、ワックス、直鎖脂肪酸、直鎖脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有してもよい。
特に、被覆層は、母粒子を被覆し、ポリアミン化合物、アルギニン化合物、直鎖脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、第一被覆層を被覆し、ワックス、直鎖脂肪酸、直鎖脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有することが好ましい。ただし、第一被覆層と第二被覆層は、異なる化合物を含む。
被覆層が、上記第一被覆層と、上記第二被覆層と、を有することで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
ワックスは、撥水性、反発力が強いが、自己凝集が強い傾向があり、被覆層の欠陥が大きくなりやすい。これが大きくなりすぎるとセルロースの加水分解抑制効果が低下することがあり、粒子の表面欠損が生じ、質感の経時変化抑制効果が低下することがある。欠陥を作らないようある程度の量を被覆する必要があり、量が多すぎると今度は生分解性が低下する傾向がある。また、直鎖脂肪酸及び脂肪酸金属塩は周囲の温度などの因子で結晶化しやすい傾向にあり、結晶化するとセルロース母粒子との密着性が低下することがあり、やはりある程度の量を被覆する必要があり、量が多すぎると今度は生分解性が低下する傾向がある。
一方、ポリアミン化合物、ヒドロキシ脂肪酸、又はアミノ酸化合物、アルギニン化合物反発力の大きさはワックスに劣るが、セルロース粒子への付着性が高く、被覆層の欠陥を少なく抑制できる。そしてワックスとポリアミン化合物、直鎖脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸、アミノ酸系化合物はお互いに付着性が高く、ワックスの大きな被覆欠陥ができにくくなる。
以上の理由から、被覆層が、上記第一被覆層と、上記第二被覆層と、を有することで、質感の経時変化が小さいセルロース粒子に更になりやすい。2層であっても、微生物が緩やかに侵入する隙間はあるため、生分解がより均一に進み、優れた生分解性を実現できる。
以上のことから、生分解性が高く、かつ質感の経時変化が小さいセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
また、被覆層が、上記第一被覆層と、上記第二被覆層と、を有するセルロース粒子を化粧品に適用すると、高温、低温においても優れた肌感触(滑り、しっとり感、なめらかさ)を有する化粧品となる。その理由は、次の通り、推測される。
第二被覆化合物は、疎水性及び撥水性が高く、滑りや滑らかさに効果的である。しっとり感に関してはセルロース母粒子の吸水、保水性をやや損なう傾向にある。一方、第一被覆層はセルロース母粒子、第一被覆層両方との親和性、結着性が高く、セルロース母粒子と第二被覆層を密に結着させることが可能である。結果としてセルロース母粒子の吸水性、保水性が第二被覆層に強く影響し、しっとり感も向上させることができる。
特に、セルロース粒子を化粧品に適用したとき、高温、低温においても優れた肌感触(滑り、しっとり感、なめらかさ)を有する化粧品となる観点から、被覆層が、母粒子を被覆し、ポリアミン化合物、アルギニン化合物、よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、第一被覆層を被覆し、直鎖脂肪酸、直鎖脂肪酸金属塩、アミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有することが好ましい。その理由は、次の通り推測される。
直鎖脂肪酸、及び直鎖脂肪酸金属塩は、脂肪酸部分が優れた疎水性、撥水性をもたらすが、カルボン酸またはカルボン酸金属塩部位がセルロース母粒子とイオン結合する傾向があるため、直鎖脂肪酸部分がセルロース母粒子表面側に集中し、滑り、なめらかさを向上させる。アミノ酸系化合物は脂肪族の長さは短いが、末端アミノ酸の第一被覆層への結着が非常に強いため、短い脂肪族が表面に集まり、滑り、なめらかさを向上させる。また第一被覆層にポリアミン化合物を使用すると量末端にアミノ基が存在するため、一方はセルロース母粒子の水酸基と、もう一方は第二被覆層のカルボン酸またはアミノ酸と強固に結着するため、アルギニン化合物を使用すると、末端アミノ酸がセルロースの水酸基に、グアニジン構造がポリアミンは第二被覆層のカルボン酸またはアミノ酸と結合するため、第二被覆層と第一被覆層の距離を詰める力が特に強く、セルロース母粒子のしっとり感が損なわれることなく、肌感触、滑り、しっとり感、なめらかさの全てが優れたセルロース粒子を得ることができる。
・多価金属塩
第二被覆層は、多価金属塩を含むことが好ましい。
第二被覆層が、多価金属塩を含むことで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
第二層に含むワックスは、下層に対する密着性が低い。そのため、自己凝集により被覆欠陥が出来やすい傾向がある。第二被覆層にワックスと共に多価金属塩を含ませることで、多価金属塩がワックス全体に均一に張り込み、そこを起点に広範囲で均一に凝集が起こることから、自己凝集による被覆欠陥発生が抑制され、第二被覆層の密着性が高まる。
以上のことから、生分解性が高く、かつ質感の経時変化が小さいセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
多価金属塩とは、2価以上の金属イオンとアニオンから構成される化合物である。
多価金属塩を構成する2価以上の金属イオンとしては、例えば、カルシウム、マグネシウム、銅、ニッケル、亜鉛、バリウム、アルミニウム、チタン、ストロンチウム、クロム、コバルト、鉄等のイオンが挙げられる。
多価金属塩を構成するアニオンとしては、無機イオン又は有機イオンが挙げられる。無機イオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、水酸化物イオン等が挙げられる。有機イオンとしては有機酸イオンが挙げられ、例えばカルボン酸イオンが挙げられる。
多価金属塩としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化鉄、水酸化カルシウム等が挙げられる。
ワックス、直鎖脂肪酸、直鎖脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物の合計含有量に対する、多価金属塩の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0.
3質量%以上1質量%以下であることが更に好ましい。
・第一被覆層、及び第二被覆層の成分の含有量
第一被覆層全体に対する、ポリアミン化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギニン化合物、直鎖脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸、及びアミノ酸系化合物の合計の含有量は90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
第二被覆層全体に対する、ワックス、直鎖脂肪酸、直鎖脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸、アミノ酸系化合物、及び多価金属塩の合計の含有量は90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
-外添剤-
本実施形態に係るセルロース粒子は、珪素含有化合物粒子、金属石鹸粒子、脂肪酸エステル粒子、金属酸化物粒子、よりなる群から選択される少なくとも1種の外添剤が外添されていてもよい。
特に、本実施形態に係るセルロース粒子は、珪素含有化合物粒子、金属石鹸粒子、よりなる群から選択される少なくとも1種の外添剤が外添されていることが好ましい。
本実施形態に係るセルロース粒子は、上記外添剤が外添されていることで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
珪素含有化合物粒子、金属石鹸粒子は、帯電付着で自身より大きな粒子に付着することが可能で、同様に付着する金属酸化物粒子や脂肪族エステル粒子よりも表面エネルギーが低く、質感向上への効果が大きい。従って、経時で珪素含有化合物粒子、金属石鹸粒子の一部がセルロース粒子から脱離しても、質感の低下は殆ど起こらず、質感の経時変化が小さくなる。粒子形状であることから、微生物が侵入する隙間が十分にあり、セルロースの優れた生分解性も阻害しない。
以上のことから、生分解性が高く、かつ質感の経時変化が小さいセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
珪素含有化合物粒子とは、珪素を含有する粒子を示す。
珪素含有化合物粒子としては、珪素のみを含む粒子であってもよく、珪素及び、その他の元素を含む粒子であってもよい。
珪素含有化合物粒子としては、シリカ粒子であることが好ましい。
シリカ粒子は、シリカ、即ちSiOを主成分とする粒子であればよく、結晶性でも非晶性でもよい。また、シリカ粒子は、水ガラス、アルコキシシラン等のケイ素化合物を原料に製造された粒子であってもよいし、石英を粉砕して得られる粒子であってもよい。
珪素含有化合物粒子として、シリカ粒子を適用することで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
シリカはセルロース粒子への帯電付着力が特に高く、表面エネルギーが特に低いことから、上述した理由で質感の経時変化が特に小さく、生分解性が優れる。
以上のことから、生分解性が高く、かつ質感の経時変化が小さいセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
金属石鹸粒子とは、金属石鹸を主成分とする粒子である。
ここで、金属石鹸を主成分とする粒子とは、粒子に対する金属石鹸の含有量が90質量%以上である粒子をいう。
金属石鹸とは、脂肪酸と金属とが結合した脂肪酸金属塩である。
脂肪酸金属塩としては、炭素数10以上25以下(好ましくは、12以上22以下)の脂肪酸の金属塩が挙げられる。炭素数10以上25以下の脂肪酸の金属塩としては、例えば、ステアリン酸の金属塩、パルミチン酸の金属塩、ラウリン酸の金属塩、オレイン酸の金属塩、リノール酸の金属塩、リシノール酸の金属塩などが挙げられる。
脂肪酸金属塩における金属としては、2価の金属が挙げられる。
脂肪酸金属塩における金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、亜鉛が挙げられる。
脂肪酸エステル粒子とは、脂肪酸エステル粒子を主成分とする粒子である。
ここで、脂肪酸エステル粒子を主成分とする粒子とは、粒子に対する脂肪酸エステル粒子の含有量が90質量%以上である粒子をいう。
脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数が10以上25以下である飽和脂肪酸と、炭素数が10以上25以下であるアルコールと、のエステル化物が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ステアリル、パルチミン酸ステアリルなどが挙げられる。
金属酸化物粒子とは、金属酸化物を主成分とする粒子である。
ここで、金属酸化物を主成分とする粒子とは、粒子に対する金属酸化物の含有量が90質量%以上である粒子をいう。
金属酸化物としては、ケイ素以外の金属の酸化物が適用可能である。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
外添剤の体積平均粒径は、質感(具体的には、肌触り)の観点から、1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上30nm以下がより好ましい。
外添剤の体積平均粒径は、セルロースの体積平均粒径と同様な方法で測定される。
外添剤の外添量は、セルロース粒子(外添剤を外添していない状態のセルロース粒子)全体の質量に対して、0.1質量%以上2質量%以下であることが好ましい。
(体積平均粒子径及び大径側個数粒度分布指標GSDv)
本実施形態に係るセルロース粒子の体積平均粒子径は、3μm以上10μm未満であることが好ましく、4μm以上9μm以下であることより好ましく、5μm以上8μm以下であること更に好ましい。
本実施形態に係るセルロース粒子の体積平均粒子径を、3μm以上10μm未満とすることで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
体積平均粒径が3μm以上であれば、粒子の表面積が大きくなり過ぎず、質感が良好になり、表面欠損の影響を受けにくいことから、質感の経時変化が小さくなる。また、体積平均粒径が10μm未満であれば、表面積が適度に大きくなることから、表面から起こる生分解が均一に進行しやすく生分解性に優れる傾向にある
以上のことから、生分解性が高く、かつ質感の経時変化が小さいセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
本実施形態に係るセルロース粒子の大径側個数粒度分布指標GSDvは1.0以上1.
7以下であることが好ましく、1.0以上1.5以下であることがより好ましく、1.0以上1.3以下であることが更に好ましい。
本実施形態に係るセルロース粒子の大径側個数粒度分布指標GSDvを、1.0以上1.7以下とすることで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
GSDvが1.0以上1.7以下であれば、微粉(3μm未満の小さな粒子)の量が少ないことから、この微粉が残存することによる質感の低下が起こりにくく、質感の経時変化が少なくなる。また、粗紛(10μmを越える大きな粒子)による生分解阻害(表面から分解するため)が起こりにくく、優れた生分解性を実現できる傾向にある。
以上のことから、生分解性が高く、かつ質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
セルロース粒子の体積平均粒径および大径側粒度分布指標GSDpは、次の通り測定される。
LS粒度分布測定装置「Beckman Coulter LS13 320(ベックマンコールター社製)」により粒径を測定し、粒径の累積分布を、体積基準で小径側から描き、累積50%となる粒子径を、体積平均粒径として求める。
一方、粒径の累積分布を、体積基準で小径側から描き、累積50%となる粒子径を個数平均粒子径D50v、累積84%となる粒子径を個数粒子径D84vと定義する。そして、大径側個数粒度分布指標GSDvは、式GSDv=(D84v/D50v)1/2で算出する。
(真球度)
本実施形態に係るセルロース粒子の真球度は0.90以上であることが好ましく、0.95以上であることがより好ましく、0.97以上であることが更に好ましい。
本実施形態に係るセルロース粒子の真球度を、0.90以上とすることで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
真球度が0.9以上であれば、たとえ表面欠陥が生じてもその影響を最小限にでき、質感の経時変化が少なくなる。また、微生物による分解が表面から内部中心に向かい、最短で進行することが可能になり、生分解性が優れる傾向にある。
以上のことから、生分解性が高く、かつ質感の経時変化が少ないセルロース粒子に更になりやすいと推測される。
真球度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるセルロース粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス(株)製のFPIA-3000)によって求める。そして、真球度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
セルロース粒子が外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるセルロース粒子を分散させた後、超音波処理を行って外添剤を除去したセルロース粒子とし、測定対象として用いる。
(表面平滑度)
本実施形態に係るセルロース粒子の表面平滑度は80%以上であることが好ましく、82%以上99%以下であることがより好ましく、84%以上98%以下であることが更に
好ましい。
本実施形態に係るセルロース粒子の表面平滑度を、80%以上とすることで、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子になりやすい。その理由は、次の通り推測される。
平滑度が80%以上であれば、粒子の表面欠損が生じたとしても、全体に平滑なため質感に影響がでにくく、質感の経時変化が少なくなる。また、生分解を進める微生物には比較的大きなサイズのものもあるが、そのような大きな微生物で粒子表面に接触することができるため、生分解性に優れる傾向にある。
以上のことから、より生分解性が高く、かつ質感の経時変化が少ないセルロース粒子になりやすいと推測される。
表面平滑度は以下の通りの手順で測定する。
走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影したセルロース粒子のSEM画像(倍率5,000倍)を観察し、下記式より、個々のセルロース粒子の平滑度Mを算出する。そして、任意に選択した10個以上のセルロース粒子の平滑度Mの相加平均値を表面平滑度とする。平滑度Mの値が1に近いほど、セルロース粒子の表面は平滑に近い。
M=(1-(S3)/(S2))×100
上記式中、S2は、画像中に占めるセルロース粒子の面積(投影面積)を示し、S3は画像中のセルロース粒子とS2と同じ投影面積をもつ円と、を重ねた際に、「S2と同じ投影面積をもつ円の輪郭より外側、かつ、画像中のセルロース粒子の輪郭より内側の面積」及び「S2と同じ投影面積をもつ円の輪郭より内側、かつ、画像中のセルロース粒子の輪郭より外側の面積」の総和を示す。
なお、画像中のセルロース粒子とS2と同じ投影面積をもつ円とを重ねる方法は以下の通りである。
画像中のセルロース粒子とS2と同じ投影面積をもつ円とを重ねた時に、2つの画像の重なる領域の面積(S2と同じ投影面積をもつ円の輪郭より内側、かつ、画像中のセルロース粒子の輪郭より内側の面積)が最大となる様に重ねる。
<セルロース粒子の製造方法>
セルロース粒子の製造方法は、セルロースアシレートを含む粒子前駆体を製造する工程と(粒子前駆体製造工程)、粒子前駆体に含まれるセルロースアシレートを鹸化する工程と(鹸化工程)、を含むことが好ましい。
-粒子前駆体製造工程-
下記(1)~(5)のいずれかの方法で、セルロースアシレートを含む粒子前駆体を製造する。
(1)各成分を混練し、得られた混練物を粉砕、分級して、粒状物を得る混練粉砕法、
(2)混練粉砕法にて得られた粒状物を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させ、粒状物を得る乾式製法
(3)各成分の粒子分散液を混合し、分散液中の粒子を凝集、加熱融着させ、粒状物を得る凝集合一法
(4)各成分を溶解した有機溶媒を水系溶媒に懸濁させて、各成分を含む粒状物を造粒する溶解懸濁法
(5)各成分と、結着剤と、を混練し、押出成形することでペレット状にして、得られたペレットを前記結着剤のみを溶解する溶媒中で撹拌することで造粒する混練溶解法
ここでセルロースアシレートとは、セルロースにおけるヒドロキシ基の少なくも一つが脂肪族アシル基により置換(アシル化)されたセルロース誘導体である。具体的には、セ
ルロースにおけるヒドロキシ基の少なくも一つが、-CO-RAC(RACは、脂肪族炭化水素基を表す。)により置換されたセルロース誘導体である。
-鹸化工程-
続いて、粒子前駆体に含まれるセルロースアシレートを鹸化する。
本工程を経ることでセルロースアシレートにおける脂肪族アシル基が加水分解され、セルロースがセルロースに変化する。
鹸化工程は、例えば、粒子前駆体の分散液に水酸化ナトリウムを添加し、分散液を撹拌することで行う。
-被覆層形成工程-
被覆層を有するセルロース粒子を製造する場合、上記鹸化工程の後に被覆層を形成する工程(被覆層形成工程)を含むことが好ましい。
ここで、被覆層形成工程を行う場合、上記鹸化工程を経ることで得た粒子を母粒子として被覆層を形成する。
先ず、母粒子が分散された水分散液を調製する。水分散液を調製する前に、母粒子を酸洗浄することがよい。
次に、母粒子を分散した水分散液と第一被覆層を構成する化合物を含む水溶液とを混合する。それにより、例えば、母粒子に含む樹脂の水酸基と表面処理ポリマーのアミンサイト、カルボキシル基、アミノ基などが反応したり、水酸基が水素結合することで、第一被覆層が形成される。そして、第一被覆層が形成された母粒子を分散した水分散液と第二被覆層を構成する化合物を含む乳化液と混合する。それにより第二被覆層が形成される。
そして混合液から、被覆層を有するセルロース粒子を取り出す。被覆層を有するセルロース粒子の取り出しは、例えば、混合液を濾過することにより実施する。取り出した被覆層を有するセルロース粒子は、水により洗浄することがよい。それにより、未反応の表面処理ポリマーを除去できる。そして、被覆層を有するセルロース粒子を乾燥させることで本実施形態に係るセルロース粒子が得られる。
-外添工程-
得られたセルロース粒子に対して外添剤を添加してもよい。
外添工程としては、例えば、混合ミル、V型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等を用いてセルロース粒子に外添剤を添加する処理が挙げられる。
<用途>
本実施形態に係るセルロース粒子の用途としては、化粧品、ローリング剤、研磨剤、スクラブ剤、ディスプレイスペーサー、ビーズ成形用材料、光拡散粒子、樹脂強化剤、屈折率制御剤、生分解促進剤、肥料、吸水性粒子、トナー粒子、アンチブロッキング粒子の粒状体が挙げられる。
本実施形態に係るセルロース粒子の用途としては、化粧品が好ましい。
中でも、本実施形態に係るセルロース粒子の用途としては、化粧品添加剤が好ましい。
本実施形態に係るセルロース粒子は柔軟性に優れるため、化粧品添加剤として用いた場合、当該化粧品を肌に塗布した場合における、肌への化粧品の伸びが良好となりやすい。
本実施形態に係るセルロース粒子は、例えば、ベースメイク用化粧品(例えば、化粧下地、コンシーラー、ファンデーション、フェイスパウダー等);メイクアップ用化粧品(例えば、口紅、グロス、リップライナー、チーク、アイシャドウ、アイライナー、マスカ
ラ、アイブロウ、ネイル、ネイルケア用化粧品等);スキンケア用化粧品(例えば、洗顔料、クレンジング、化粧水、乳液、美容液、パック、フェイスマスク、目元口元ケア用化粧品等);等の化粧品添加剤として適用可能である。
とくに、メイクアップ用化粧品の化粧品添加剤は、柔軟性、及び生分解性が要求される観点から、本実施形態に係る樹脂粒子はメイクアップ用化粧品の化粧品添加剤として用いられることが好ましい。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<各材料の準備>
次の材料を準備した。
(セルロースアシレート)
・Cel1:ダイセル「L-20」、セルロースアセテート、数平均分子量47000。・Cel2:ダイセル「L-50」、セルロースアセテート、数平均分子量58000。・Cel3:イーストマンケミカル「CAP482-20」、セルロースアセテートプロピオネート、数平均分子量75000。
・Cel4:イーストマンケミカル「CAB381-20」、セルロースアセテートブチレート、数平均分子量70000。
・Cel5:イーストマンケミカル「CA398-6」、セルロースアセテート、数平均分子量35000。
・Cel6:イーストマンケミカル「CAP482-0.5」、セルロースアセテートプロピオネート、数平均分子量25000。
・Cel7:イーストマンケミカル「CAP-504-0.2」、セルロースアセテートプロピオネート、数平均分子量15000。
-ポリアミン化合物-
・Fir1:日本触媒「エポミンSP-003」、ポリエチレンイミン、分子量300
・Fir2:日本触媒「エポミンSP-006」、ポリエチレンイミン、分子量600
・Fir3:日本触媒「エポミンSP-012」、ポリエチレンイミン、分子量1200・Fir4:日本触媒「エポミンSP-018」、ポリエチレンイミン、分子量1800・Fir5:日本触媒「エポミンSP-200」、ポリエチレンイミン、分子量10000
・Fir6:日本触媒「エポミンHM-2000」、ポリエチレンイミン、分子量30000
・Fir7:日本触媒「エポミンP-1000」、ポリエチレンイミン、分子量70000
・Fir8:ニットーボーメディカル「PAA-01」、ポリアリルアミン、分子量1600
・Fir9:ニットーボーメディカル「PAA-03」、ポリアリルアミン、分子量3000
・Fir10:ニットーボーメディカル「PAA-05」、ポリアリルアミン、分子量5000
・Fir11:ニットーボーメディカル「PAA-08」、ポリアリルアミン、分子量8000
・Fir12:ニットーボーメディカル「PAA-15C」、ポリアリルアミン、分子量15000
・Fir13:ニットーボーメディカル「PAA-25」、ポリアリルアミン、分子量25000
・Fir14:三菱ケミカル「ポリビニルアミン」、ポリビニルアミン
・Fir15:JNC「ポリリジン10」、ポリリジン
・Fir16:一丸ファルコス「ポリリジン10」、ポリリジン
・Fir31: BASFジャパン「デヒコートH81」、PEG15-ココポリアミン
-ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドン-
・Fir17:三菱ケミカル「ゴーセノールN-300」、ポリビニルアルコール
・Fir18:日本触媒「K-30」、ポリビニルピロリドン
-直鎖脂肪酸-
・Fir19:日油「NAA-222S」、ベヘン酸(炭素数22)
・Fir20:富士フイルム湘南和光純薬「アラキジン酸」、アラキジン酸(炭素数20)
・Fir21:富士フイルム湘南和光純薬「パルチミン酸」、パルチミン酸(炭素数14)
・Fir22:富士フイルム湘南和光純薬「ラウリン酸」、ラウリン酸(炭素数12)
・Fir23:富士フイルム湘南和光純薬「リグノセリン酸」、リグノセリン酸(炭素数24)
-ヒドロキシ脂肪酸-
・Fir24:伊藤製油「12―ヒドロキシステアリン酸」、ヒドロキシステアリン酸
・Fir25:日油、「ヒマシ硬化脂肪酸」、ヒマシ硬化脂肪酸
-アミノ酸系化合物-
・Fir26:味の素「アミホープLL」、ラウロイルリシン
-アルギニン化合物-
・Fir32:日本理化学薬品「L-アルギニン」
・Fir33:味の素「L-アルギニン Cグレード」
・Fir34:味の素「CAE」、ココイルアルギニンエチルPCA
-直鎖脂肪酸金属塩-
・Fir41:日油「ステアリン酸カルシウム植物」、ステアリン酸カルシウム
-ワックス-
・Sec1:センカ「CN-100」、カルナバワックス
・Sec2:東亜化成「TOWAX-1F3」、カルナバワックス
・Sec3:東亜化成「TOWAX-1F6」、カルナバワックス
・Sec4:東亜化成「TOWAX-1F8」、カルナバワックス
・Sec5:東亜化成「TOWAX-1F12」、カルナバワックス
・Sec6:東亜化成「TOWAX-5B2」、カルナバワックス
・Sec7:東亜化成「TOWAX-1B4」、カルナバワックス
・Sec8:東亜化成「TOWAX-4F2」、キャンデリラワックス
・Sec9:東亜化成「TOWAX-4F3」、キャンデリラワックス
・Sec10:東亜化成「TOWAX-4F4」、キャンデリラワックス
・Sec11:東亜化成「TOWAX-6B2」、ダマスクバラ花ワックス
・Sec12:東亜化成「TOWAX-6F2」、ヒマワリ種子ワックス
・Sec13:小倉合成工業、ライスワックス
・Sec14:ボーソー油脂「SS-1」、ライスワックス
・Sec15:日清オイリオ「コスモール222」、リンゴ酸ジイソステアリル
-多価金属塩-
・Sec21:富士フイルム和光純薬、硫酸アルミニウム
・Sec22:富士フイルム和光純薬、ポリ塩化アルミニウム
・Sec23:富士フイルム和光純薬、塩化鉄
・Sec24:富士フイルム和光純薬、水酸化カルシウム
(外添剤)
-珪素含有化合物粒子-
・Sur1:日本アエロジル「AEROSIL R972」、ジメチルシリル化シリカ粒子、平均粒径=16nm
・Sur2:日本アエロジル「AEROSIL RY200S」、ジメチコンケイ酸シリカ粒子、平均粒径=12nm
-金属石鹸粒子-
・Sur3:日油「MZ-2」、ステアリン酸亜鉛粒子、体積平均粒径=1.5μm
・Sur4:日油「マグネシウムステアレートS」、ステアリン酸マグネシウム粒子、体積平均粒径=1μm
-脂肪酸エステル粒子-
・Sur6:花王「エキセパールSS」、ステアリン酸ステアリル粒子、体積平均粒径=1μm
-金属酸化物粒子-
・Sur7:堺化学「FINEX-50」、酸化亜鉛粒子、体積平均粒径=1.5μm
なお、外添剤の体積平均粒径の測定は、セルロース粒子の体積平均粒径と同一の手順で測定した。
<実施例1>
(粒子前駆体製造工程)
セルロースアシレートとしてCel1:130部を酢酸エチル870部中に完全に溶解する。これを、炭酸カルシウム50部、及び純水500部を含有する水系液体中に加え3時間撹拌(以下、「第1撹拌時間」と称する)した。これに、カルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」とも称する)4部、メチルエチルケトン200部を純水600部に分散させた溶液を加え、高速乳化機で5分間撹拌した。これに、10部の水酸化ナトリウムを加え、80℃に加熱して3時間攪拌して酢酸エチル及びメチルエチルケトンを除去した。これに水酸化ナトリウムと同量の希塩酸を添加し、残渣をろ過した後、再度純水中に分散し、粒子前駆体分散液(固形分濃度10%)を得た。
(鹸化工程)
粒子前駆体分散液500部に20%水酸化ナトリウム水溶液を17.5部添加して、鹸化温度を30℃として6時間撹拌した。鹸化後のスラリーに塩酸を添加してpH7に調整後、ろ過、及び洗浄を繰り返し、ろ液の電導度が10μs/cm以下になるまで洗浄し、セルロース粒子を得た。
<実施例2~7>
粒子前駆体製造工程においてセルロースアシレートの種類を表1の通りとしたこと以外は実施例1と同一の手順でセルロース粒子を得た。
<実施例8>
(粒子前駆体製造工程)、及び(鹸化工程)
実施例1と同一の手順でセルロース粒子を得た。
(被覆層形成工程)
母粒子であるセルロース粒子1000部とイオン交換水10000部とを混合し母粒子
分散液を得た。母粒子分散液に第一被覆層を構成する化合物としてFir16を5部添加し1時間撹拌し、被覆層を形成した。被覆層を有するセルロース粒子をろ過、及び洗浄を繰り返し、ろ液の電導度が10μs/cm以下になるまで洗浄し、被覆層を有するセルロース粒子を得た。
<実施例9~25>
被覆層形成工程において、第一被覆層を構成する化合物(表1中「第一層化合物」)の種類を表1の通りとしたこと以外は実施例8と同一の手順で被覆層を有するセルロース粒子を得た。
<実施例26>
(粒子前駆体製造工程)、及び(鹸化工程)
実施例1と同一の手順でセルロース粒子を得た。
(被覆層形成工程)
母粒子であるセルロース粒子1000部とイオン交換水10000部とを混合し母粒子分散液を得た。母粒子分散液に第一被覆層を構成する化合物としてFir16を5部添加し1時間撹拌することで、第一被覆層を形成し、第一被覆層を有するセルロース粒子分散液を得た。
つづいて、ワックスとしてSec1を6部及び純水を50部を高速乳化機で撹拌し、第二被覆層形成乳化液を調製した。
第一被覆層を有するセルロース粒子分散液に対して第二被覆層形成乳化液を全量添加し24時間撹拌することで第二被覆層を形成し、第一及び第二被覆層を有するセルロース粒子分散液を得た。
第一及び第二被覆層を有するセルロース粒子をろ過、及び洗浄を繰り返し、ろ液の電導度が10μs/cm以下になるまで洗浄し、第一及び第二被覆層を有するセルロース粒子を得た。
<実施例28~41>
被覆層形成工程において、ワックスの種類を表1の通りとしたこと以外は、実施例26と同一の手順で第一及び第二被覆層を有するセルロース粒子を得た。
<実施例42~44>
被覆層形成工程において、第一被覆層を構成する化合物の添加量、及びワックスの添加量を表1の通りとしたこと以外は、実施例26と同一の手順で第一及び第二被覆層を有するセルロース粒子を得た。
<実施例45>
(粒子前駆体製造工程)、(鹸化工程)、及び(被覆層形成工程)
実施例26と同一の手順で第一及び第二被覆層を有するセルロース粒子を得た。
(外添工程)
第一及び第二被覆層を有するセルロース粒子30部に対して、外添剤としてSur1を0.6部添加し、混合ミル(ワンダークラッシャー、大阪ケミカル社製)にて混合することで外添剤を有するセルロース粒子を得た。
<実施例46~48、50~53>
外添工程において、外添剤の種類及び外添剤の添加量を表1の通りとしたこと以外は、実施例44と同一の手順で外添剤を有するセルロース粒子を得た。
<実施例54~61>
粒子前駆体製造工程において、炭酸カルシウムの添加量、第1撹拌時間、カルボキシメチルセルロースの添加量、及び水酸化ナトリウムの添加量を表1の通りとしたこと以外は、実施例26と同一の手順で外添剤を有するセルロース粒子を得た。
<実施例64~65>
被覆層形成工程において、母粒子分散液に第一被覆層を構成する化合物としてFir16を5部添加し1時間撹拌する手順を行わなかったこと以外は、実施例26、又は45と同一の手順で被覆層を有するセルロース粒子を得た。
<実施例66~69>
被覆層形成工程において、ワックスの種類を表1の通りに変更したこと、及び第二被覆層形成乳化液を調製する際に、ワックス及び純水と共に表1に記載の多価金属塩を表1に記載の量添加したこと以外は実施例45と同一の手順で外添剤を有するセルロース粒子を得た。
<実施例70~84>
表1に示す条件に変更した以外は、上記実施例と同一の手順で被覆層を有するセルロース粒子を得た。
<比較例1~4>
以下の粒子を、各例のセルロース粒子とした。
比較例1:CELLULOBEADS D10(大東化成社製、セルロースを主成分とするセルロース粒子。被覆層、及び外添剤を有しない。)
比較例2:OTS-0.5A CELLULOBEADS D10(大東化成社製、セルロースを主成分とする母粒子と、トリエトキシオクチルシランを含む被覆層と、を有するセルロース粒子。外添剤を有しない。)
比較例3:S-STM CELLULOBEADS D-5(大東化成社製、セルロースを主成分とする母粒子と、ステリアン酸マグネシウムを含む被覆層と、を有するセルロース粒子。外添剤を有しない。)
比較例4:セルフローC25(JNC社製、セルロースを主成分とするセルロース粒子。被覆層、及び外添剤を有しない。)
<比較例5>
特許第6872068号公報の実施例1に記載された手順に従ってセルロース粒子を得た。なお、セルロースを主成分とするセルロース粒子であって、外添剤を有しない。具体的な製法は、次の通りである。
ジアセチルセルロース(CA398-3、イーストマンケミカル社製)250質量部を酢酸エチル2500質量部に溶解して油相を調整した。ポリビニルアルコール200質量部をイオン交換水2300質量部に溶解して水相を調整した。調整した水相に油相を加えて混合し、ディゾルバーを用いて1000rpmで3分間攪拌した。さらにディソルバーを用いて1800rpmで10分間攪拌して、油相が均一に分散した懸濁液を得た。
得られた懸濁液を500rpmで攪拌しながら、イオン交換水112500質量部を75分間かけて注入し、樹脂粒子分散液を得た。樹脂粒子をろ過、洗浄した後、イオン交換水内で攪拌した。ろ過、洗浄して得た樹脂粒子を、イオン交換水2500質量部に分散させた。水酸化ナトリウムを添加してpH13.0以下に調整するとともに、60℃に加熱して加水分解し、塩酸で中和した。生成物をろ過、洗浄後、イオン交換水に浸した。ろ過、洗浄後、乾燥、解砕処理してセルロース粒子を得た。
<比較例6>
特許第6872068号公報の実施例2に記載された手順に従ってセルロース粒子を得た。なお、セルロースを主成分とするセルロース粒子であって、外添剤を有しない。具体的な製法は、次の通りである。
セルロースアセテートプロピオネート(CAP504-0.2、イーストマンケミカル社製)250質量部を酢酸エチル1000質量部に溶解して油相を調整した。ポリビニルアルコール100部をイオン交換水1088部に溶解し、酢酸エチル62.5部を添加して攪拌し、水相を調整した。調整した水相に油相を加えて混合し、ディゾルバーを用いて1000rpmで3分間攪拌した。更に1500rpmで5分間攪拌して、油滴が均一に分散した懸濁液を得た。
懸濁液を500rpmで攪拌しながら、イオン交換水21250質量部を60分間かけて注入し、樹脂粒子分散液を得た。樹脂粒子をろ過、洗浄し、イオン交換水に浸して攪拌した。ろ過、洗浄後、乾燥、解砕処理して樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子をイオン交換水5000質量部に分散させた。水酸化ナトリウムを添加して、pH13.0以下に調整し、40℃に加熱して、加水分解後、酢酸で中和した。生成物をろ過、洗浄し、セルロース粒子を得た。
<比較例7>
特開2021-021044号公報の実施例1に記載された手順に従ってセルロース粒子を得た。なお、セルロースを主成分とするセルロース粒子であって、被覆層、及び外添剤を有しない。具体的な製法は、次の通りである。
シクロヘキサノン4.8gにジアセチルセルロース(L20、ダイセル社製)0.2gを加えて攪拌した。さらに60℃で3時間攪拌し、ジアセチルセルロース濃度が4質量%である溶液を調整し、これを分散相とした。
純水50gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1g、シクロヘキサノン3.5gを加えて攪拌した。さらに60℃に昇温して水性媒体を調整し、これを連続相とした。上記分散相を60℃に余熱し、シリンジポンプ(高圧マイクロフィーダーJP-H、古江サイエンス社製)を用いて1mL/分で、上記連続相は60℃に予熱し、ブランジャーポンプ(NP-KX-840、日本精密科学社製)を用いて10mL/分で、内筒回転装置(内筒外径78mm、内筒長さ215mm、内筒内径80mm、クリアランス1mm、チップトン社製)の異なる導入口に投入し、内筒回転数2000rpm、乳化時間138秒で乳化し、水中油型の乳化液を得た。
この水中油型の乳化液を5℃に冷却し二重管状の合流器に供給、さらに純水を10mL/分で供給し、ジアセチルセルロースを析出させ、粒子スラリー溶液を得た。
得られたジアセチルセルロース粒子に対し55質量%のメタノール水溶液7質量部と20質量%水酸化ナトリウム水溶液3.5質量部の混合液にジアセチルセルロース粒子を投入、35℃で20時間攪拌して、ジアセチルセルロース粒子を鹸化し、セルロース粒子を得た。
<比較例8>
特開2021-021045号公報の実施例1に記載された手順に従ってセルロース粒子を得た。なお、セルロースを主成分とするセルロース粒子であって、被覆層、及び外添剤を有しない。具体的な製法は、次の通りである。
酢酸エチル64gおよびアセトン16gにジアセチルセルロース(L20、ダイセル社製)を加えて、50℃で3時間以上攪拌し、濃度10質量%のジアセチルセルロース溶液を得た。
これを、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.18g、酢酸エチル6.2gを含
む50℃の純水82.8g中に注ぎ、回転数300rpmで10分間攪拌し、粗乳化液を調整した。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.71g、酢酸エチル24.9gを含む50℃の純水331.2gを仕込んだ容器に多孔質膜(円筒形状の外径10mm、膜厚1mm、膜孔径50μmのSPG膜/エスピージーテクノ社製)を浸漬させた多孔質膜の内側に前記粗乳化液を調整した容器を接続した。前記粗乳化液を調整した容器に100kPaの圧力をかけて粗乳化液を圧送し、膜乳化し、水中油滴型の入荷液を得た。
これを冷却し、20℃になったところで、純水444mLを滴下し、球状のジアセチルセルロース粒子を得た。その後、前記分散物を遠心分離およびろ過し、濾別したジアセチルセルロース粒子を大量の水で十分に洗浄、ろ過し、ジアセチルセルロース粒子2.8gを得た。
得られたジアセチルセルロース粒子に対し55%のメタノール水溶液(7質量部)と20質量%水酸化ナトリウム水溶液(3.5質量部)の混合液にジアセチルセルロース粒子を投入し、35℃で20時間攪拌して、ジアセチルセルロースを鹸化し、セルロース粒子を得た。
<比較例9>
セルフローTA25(JNC社製、ジアセチルセルロース粒子。被覆層、及び外添剤を有しない。)を、比較例9のセルロース粒子とした。
<比較例10>
特許6921293号の実施例1に記載された手順に従ってセルロース粒子を得た。具体的な製法は、次の通りである。
セルロースアセテート(商品名「CA-398-6」、イーストマンケミカル社製、アセチル基の含有率:39.8%)150部を酢酸エチル(水溶解度:8g/100g)1 ,350部に溶解して油相を調製した。また、ポリビニルアルコール100部をイオン交 換水1,250部に溶解して水相を調製した。調製した水相に油相を加えて混合し、ディゾルバーを用いて1,000rpmで3分間撹拌した。さらに、ディゾルバーを用いて2,000rpmで10分間撹拌して、油滴が均一に分散した懸濁液を得た。光学顕微鏡で観察及び画像解析して測定した油滴の体積平均粒子径は、18μmであった。
ディゾルバーを用いて得られた懸濁液を500rpmで撹拌しながら、イオン交換水42,000部を90分間かけて注入し、樹脂粒子分散液を得た。樹脂粒子をろ過及び洗浄した後、イオン交換水に解膠して撹拌した。ろ過及び洗浄して得た樹脂粒子を、イオン交 換水2,500部に分散させた。水酸化ナトリウムを添加してpH13.0以下に調整するとともに、50℃に加熱して加水分解反応を行った。加水分解反応終了後、塩酸で中和 した。生成物をろ過及び洗浄した後、イオン交換水に解膠した。さらに、ろ過及び洗浄した後、乾燥及び解砕処理して、メジアン径(D50)9μmのコアビーズを得た。
得られたコアビーズ50g及びステアリン酸亜鉛(商品名「SPZ-100F」、堺化 学工業社製、板状粉体、平均粒子径0.4μm、厚さ0.1μm、アスペクト比3)1.5gを小型混合機に入れた。乾式で3分間混合して、コアビーズをステアリン酸亜鉛で表面処理し、樹脂ビーズを得た。
得られた樹脂ビーズを、比較例10のセルロース粒子とした。
<比較例11>
特許6921293号の実施例2に記載された手順に従ってセルロース粒子を得た。具体的な製法は、次の通りである。
ステアリン酸亜鉛に代えて、ステアリン酸マグネシウム(商品名「SPX-100F」 、堺化学工業社製、板状粉体、平均粒子径0.7μm、厚さ0.1μm、アスペクト比4 )2.5gを用いたこと以外は、特許6921293号の実施例1と同様にして樹脂ビーズを得た
得られた樹脂ビーズを、比較例11のセルロース粒子とした。
<実施例101~124>
表1に示す条件に変更した以外は、上記実施例と同一の手順で被覆層を有するセルロース粒子を得た。
<評価>
各例で得られたセルロース粒子にいて、次の粒子性状を既述の方法に従って測定した。・JIS K6950:2000に準拠して測定される、5日間の生分解率(表中「生分解率 5日」と表記)
・JIS K6950:2000に準拠して測定される、60日間の生分解率(表中「生分解率 60日」と表記)
・セルロース粒子の体積平均粒子径(表中「粒径」と表記)
・セルロース粒子の大径側個数粒度分布指標(表中「GSDv」と表記)
・セルロース粒子の真球度
・セルロース粒子におけるセルロースの数平均分子量(表中「Mn」と表記)
・セルロース粒の表面平滑度
(質感評価)
-滑り-
滑りの経時劣化は、任意の10人の女性モニターに粒子を手の甲で延ばした時の感覚を、きしむをグレード1、滑るをグレード10として評価してもらい、10人の平均値を得点とした。評価は粒子作製後室温で24時間放置したものを初期、粒子を温度50℃、相対湿度85%rhの恒温槽で96時間静置した後を経時後として実施し、初期と経過時間後のグレードの差を滑りの経時劣化とした。
-しっとり感-
しっとり感の経時劣化は、任意の10人の女性モニターに粒子を手の甲で延ばした時の感覚を、ぱさぱさをグレード1、しっとりをグレード10として評価してもらい、10人の平均値を得点とした。評価は粒子作製後室温で24時間放置したものを初期、粒子を温度50℃、相対湿度85%rhの恒温槽で96時間静置した後を経時後として実施し、初期と経過時間後のグレードの差をしっとり感の経時劣化とした。
-なめらさ-
なめらかさの経時劣化は、任意の10人の女性モニターに粒子を手の甲で延ばした時の感覚を、ぱさぱさをグレード1、しっとりをグレード10として評価してもらい、10人の平均値を得点とした。評価は粒子作製後室温で24時間放置したものを初期、粒子を温度50℃、相対湿度85%rhの恒温槽で96時間静置した後を経時後として実施し、初期と経過時間後のグレードの差をなめらかさの経時劣化とした。
上記結果から、本実施例のセルロース粒子は、比較例のセルロース粒子に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないことがわかる。
<化粧品評価>
(化粧品の作製)
各例のセルロース粒子のうち、表4に示すセルロース粒子を使用し、各種の化粧品を作製した。具体的には、次の通りである。
-リキッドファンデーション-
表3-1に示す処方にて公知の方法でリキッドファンデーションを得た。
-乳液-
表3-2に示す処方にて、公知の方法で乳液を得た。
-ルースパウダー-
表3-3に示す処方をブレンダーで混合、粉砕機で粉砕した後、目開き250μmのふるいをかけ、ルースパウダーを得た。
-パウダーファンデーション-
表3-4に示す処方に従って、粒子、粉体を混合、別途結合剤を混合し、粒子、粉体混合物を結合剤に攪拌しながら徐々に添加し、混合してパウダーファンデーションを得た。
-日焼け止めクリーム-
表3-5に示す処方に従って、油相(1)を50℃に加温して溶解させた後、油相(2)を加えて混合した。一方、水相(2)を溶解し、混合した。油相(1)と(2)混合物に粒子、粉体を加え、分散、混合した後、水相(1)と(2)の混合物を徐々に加えて乳化し、日焼け止めクリームを得た。
-オールインワンジェル-
表3-6に示す処方に従って、水相(1)と水相(2)を混合した。次に、油相(1)を混合し、水相(1)と水相(2)の混合物に添加した。油相(2)を70℃に加温した後、粒子を加えて分散液を得た。得られた分散液を水相(1)と水相(2)と油相(1)の混合物に加え、攪拌、混合して乳化した。これに中和剤を加えた後、攪拌、冷却してオールインワンジェルを得た。
-化粧下地-
表3-7に示す処方に従って、粒子を成分Aに分散し、攪拌した。これに成分Bを添加、攪拌し、化粧下地を得た。
-口紅用下地料-
表3-8に示す処方に従って、成分Bを60℃に加熱し、混合した。これに粒子を分散させ、成分Aを加え、電子レンジにて加熱溶解させ混合し、金型に流し込み、冷却した。これを口紅容器にセットし、口紅用下地料を得た
-ボディーパウダー-
表3-9に示す処方をラボミキサーで混合し、ボディーパウダーを得た。
-固形粉末アイシャドー-
表3-10に示す処方に従って、粒子と粉体を混合し、結合剤を均一に溶解し、粉体混合物に加え更に混合後、圧縮成形して固形粉末アイシャドーを得た。
(評価)
得られた化粧品を、低温(0℃、高温(60℃)の恒温槽内に各々24時間保持した後に、上述した質感評価(滑り、しっとり感、滑らかさ)を実施した。
上記結果から、本実施例のセルロース粒子を化粧品に適用すると、比較例に比べ、高温、低温においても優れた肌感触(滑り、しっとり感、なめらかさ)を有する化粧品となることがわかる。
本実施形態は、下記態様を含む。
(((1))) セルロースを主成分し、
JIS K6950:2000に準拠して測定される、5日間の生分解率が20%未満、且つ60日間の生分解率60%以上であるセルロース粒子。
(((2))) 前記セルロースを主成分とする母粒子と、
前記母粒子を被覆する被覆層であって、ポリアミン化合物、アルギニン化合物、ワックス、直鎖脂肪酸、直鎖脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む被覆層と、
を有する(((1)))に記載のセルロース粒子。
(((3))) 前記ポリアミン化合物が、ポリエチレンイミン、及びポリリジンよりなる群から選択される少なくとも1種である(((2)))に記載のセルロース粒子。
(((4))) 前記ワックスが、カルバナワックスである(((2)))又は(((3)))に記載のセルロース粒子。
(((5))) 前記被覆層が、前記母粒子を被覆し、前記ポリアミン化合物、前記アルギニン化合物、前記直鎖脂肪酸、前記ヒドロキシ脂肪酸及び前記アミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、前記第一被覆層を被覆し、ワックス、前記直鎖脂肪酸、前記直鎖脂肪酸金属塩、前記ヒドロキシ脂肪酸及び前記アミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有する(((2)))~(((4)))のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
(((6))) 前記第二被覆層に、多価金属塩をさらに含む(((5)))に記載のセルロース粒子。
(((7))) 前記被覆層が、前記母粒子を被覆し、前記ポリアミン化合物、及び前記アルギニン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、前記第一被覆層を被覆し、前記直鎖脂肪酸、前記直鎖脂肪酸金属塩、前記アミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有する(((2)))~<4)))のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
(((8))) 前記第二被覆層に、多価金属塩をさらに含む(((7)))に記載のセルロース粒子。
(((9))) 珪素含有化合物粒子、及び金属石鹸粒子よりなる群から選択される少なくとも1種の外添剤が外添されている(((1)))~(((8)))のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
(((10))) 前記珪素含有化合物粒子として、シリカ粒子が外添されている(((9)))に記載のセルロース粒子。
(((11))) 体積平均粒子径が、3μm以上10μm未満である(((1)))~(((10)))のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
(((12))) 大径側個数粒度分布指標GSDvが、1.0以上1.7以下である(((1)))~(((11)))のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
(((13))) 真球度が0.9以上である(((1)))~(((10)))のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
(((14))) 前記セルロースの数平均分子量が、37000以上である(((1)))~(((13)))のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
(((15))) 前記セルロースの数平均分子量が、45000以上である(((14)))に記載のセルロース粒子。
(((16))) 表面平滑度が80%以上である(((1)))~(((15)))のいずれか1項に記載のセルロース粒子。
上記態様の効果は、次の通りである。
(((1)))に係る発明によれば、セルロースを主成分し、JIS K6950:2000に準拠して測定される、5日間の生分解率が20%超え、又は60日間の生分解率60%未満であるセルロース粒子に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((2)))に係る発明によれば、セルロースを主成分とする単層のセルロース粒子に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないが提供される。
(((3)))に係る発明によれば、ポリアミン化合物がポリビニルアミンである場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((4)))に係る発明によれば、ワックスがキャンデリラワックスである場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((5)))に係る発明によれば、被覆層が、母粒子を被覆し、ポリアミン化合物を含む第一被覆層のみを有する場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((6)))に係る発明によれば、第二被覆層に多価金属塩を含まない場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((7)))に係る発明によれば、被覆層が、直鎖脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、ワックス、及びヒドロキシ脂肪酸よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有する場合に比べ、質感の経時変化が少ないが提供される。
(((8)))に係る発明によれば、第二被覆層に多価金属塩を含まない場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((9)))、に係る発明によれば、場合に比べ、ステアリン酸ステアリル粒子、又は酸化亜鉛粒子が外添されている場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((10)))に係る発明によれば、シリカ粒子以外の珪素含有化合物粒子が外添されている場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((11)))に係る発明によれば、体積平均粒子径が3μm未満又は以上10μm超えである場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((12)))に係る発明によれば、大径側個数粒度分布指標GSDvが1.0未満又は1.7超えである場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((13)))に係る発明によれば、真球度が0.9未満である場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((14)))に係る発明によれば、セルロースの数平均分子量が37000未満である場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((15)))に係る発明によれば、セルロースの数平均分子量が45000未満である場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。
(((16)))に係る発明によれば、表面平滑度が80%未満である場合に比べ、生分解性が高く、質感の経時変化が少ないセルロース粒子が提供される。

Claims (16)

  1. セルロースを主成分し、
    JIS K6950:2000に準拠して測定される、5日間の生分解率が20%未満、且つ60日間の生分解率60%以上であるセルロース粒子。
  2. 前記セルロースを主成分とする母粒子と、
    前記母粒子を被覆する被覆層であって、ポリアミン化合物、アルギニン化合物、ワックス、直鎖脂肪酸、直鎖脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸及びアミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む被覆層と、
    を有する請求項1に記載のセルロース粒子。
  3. 前記ポリアミン化合物が、ポリエチレンイミン、及びポリリジンよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項2に記載のセルロース粒子。
  4. 前記ワックスが、カルバナワックスである請求項2又は請求項3に記載のセルロース粒子。
  5. 前記被覆層が、前記母粒子を被覆し、前記ポリアミン化合物、前記アルギニン化合物、前記直鎖脂肪酸、前記ヒドロキシ脂肪酸及び前記アミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、前記第一被覆層を被覆し、前記ワックス、前記直鎖脂肪酸、前記直鎖脂肪酸金属塩、前記ヒドロキシ脂肪酸及び前記アミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有する請求項2又は請求項3に記載のセルロース粒子。
  6. 前記第二被覆層に、多価金属塩をさらに含む請求項5に記載のセルロース粒子。
  7. 前記被覆層が、前記母粒子を被覆し、前記ポリアミン化合物、及び前記アルギニン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第一被覆層と、前記第一被覆層を被覆し、前記直鎖脂肪酸、前記直鎖脂肪酸金属塩、前記アミノ酸系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第二被覆層と、を有する請求項2又は請求項3に記載のセルロース粒子。
  8. 前記第二被覆層に、多価金属塩をさらに含む請求項7に記載のセルロース粒子。
  9. 珪素含有化合物粒子、及び金属石鹸粒子よりなる群から選択される少なくとも1種の外添剤が外添されている請求項1又は請求項2に記載のセルロース粒子。
  10. 前記珪素含有化合物粒子として、シリカ粒子が外添されている請求項9に記載のセルロース粒子。
  11. 体積平均粒子径が、3μm以上10μm未満である請求項1又は請求項2に記載のセルロース粒子。
  12. 大径側個数粒度分布指標GSDvが、1.0以上1.7以下である請求項1又は請求項2に記載のセルロース粒子。
  13. 真球度が0.9以上である請求項1又は請求項2に記載のセルロース粒子。
  14. 前記セルロースの数平均分子量が、37000以上である請求項1又は請求項2に記載のセルロース粒子。
  15. 前記セルロースの数平均分子量が、45000以上である請求項14に記載のセルロース粒子。
  16. 表面平滑度が80%以上である請求項1又は請求項2に記載のセルロース粒子。
JP2022122215A 2022-02-08 2022-07-29 セルロース粒子 Pending JP2023115890A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US18/151,132 US20230312842A1 (en) 2022-02-08 2023-01-06 Cellulosic particle
EP23154388.5A EP4223273A1 (en) 2022-02-08 2023-02-01 Cellulosic particle

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022017985 2022-02-08
JP2022017985 2022-02-08

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023115890A true JP2023115890A (ja) 2023-08-21

Family

ID=87576279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022122215A Pending JP2023115890A (ja) 2022-02-08 2022-07-29 セルロース粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023115890A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101555345B1 (ko) 제립화 실리카 입자, 복합 분체, 그리고 이들의 제조 방법 및 이들을 함유하는 화장료
KR20220027995A (ko) Nε-장쇄 아실 라이신 결정의 제조 방법 및 그 결정을 함유하는 조성물
JP2023115643A (ja) セルロース粒子
WO2006011661A1 (ja) 化粧品組成物
JPWO2017038138A1 (ja) 複合粒子及びその製造方法、並びにその用途
JP2023115890A (ja) セルロース粒子
Rodrigues et al. Development of polycaprolactone/poly (vinyl alcohol)/clay microparticles by spray drying
JP2023115644A (ja) セルロース粒子
KR102614353B1 (ko) 수지 비드, 수지 비드의 제조 방법 및 수지 비드를사용한 제품
JP2004168913A (ja) 紫外線吸収性複合粉体
JP2008120715A (ja) 化粧品組成物
US20230143367A1 (en) Elastic Makeup Powder Derived From Natural Inorganic Particulates And Method Of Preparing Same
JP2023115646A (ja) セルロース粒子
US20230312842A1 (en) Cellulosic particle
EP4357403A1 (en) Composition and method for producing same
JP2010018684A (ja) 複合型微粒子の製造方法
WO2023139987A1 (ja) 粒子、及びその用途
WO2022131358A1 (ja) セルロースを含む顔料
JP7435967B2 (ja) 固形粉末化粧料
WO2021182498A1 (ja) 多糖複合粒子
JP7443605B2 (ja) ポリマー粒子及びその用途
JP2023053420A (ja) 多糖複合粒子
JP2008273853A (ja) 化粧品組成物
JP2024008719A (ja) 光沢を失わずに着色する方法
JP2024011095A (ja) ポリマー粒子及びその用途