JP2023114080A - 液体吐出装置の空吐出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】傾斜したノズル面を有する液体吐出ヘッドにおける空吐出において、トータルで消費される液体の量を低減することができる液体吐出装置の空吐出方法を提供する。【解決手段】液体吐出装置の空吐出方法は、鉛直方向と交差する吐出方向にノズルから液体を吐出することで印刷を行う液体吐出ヘッドを備え、液体吐出ヘッドには、複数のノズルが吐出方向と交差する交差方向に並んで構成されるノズル列が、鉛直方向に複数設けられており、複数のノズル列はそれぞれ種類の異なる液体を吐出可能な液体吐出装置の空吐出方法であって、空吐出方法は、複数のノズル列の複数のノズルから印刷に関係のない液体を吐出する空吐出を行うことと、複数のノズル列のうち少なくとも最も上方に位置するノズル列よりも下方に位置するノズル列において、複数のノズルの一部から印刷に関係のない液体を吐出する部分空吐出を行うことと、を含む。【選択図】図8

Description

本発明は、液体吐出ヘッドのメンテナンスを目的として、液体吐出ヘッドのノズルから印刷とは関係のない液滴を吐出する動作である液体吐出装置の空吐出方法に関する。
特許文献1に記載された液体噴射装置は、傾斜したノズル形成面に設けられたノズル開口から鉛直方向に対して斜め下方に液体を噴射する液体噴射ヘッドを備える。さらに、液体噴射装置は、ノズル開口から強制的に液体を排出させるクリーニングを行う機能を備える。さらに、液体噴射装置は、液体噴射ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させる機能を備える。クリーニングは、インクに混入した気泡などを排出する目的で実行させる動作である。空吐出は、インクの増粘による目詰まり等を防止する目的や、クリーニングによる混色を解消するために実行される動作である。液体噴射装置は液体吐出装置の一例であり、液体噴射ヘッドは液体吐出ヘッドの一例であり、ノズル形成面はノズル面の一例であり、インクは液体の一例である。
特開2005-199596号公報
傾斜したノズル面を有する液体吐出ヘッドにおいては、クリーニングにおいて、上方に位置するノズル列のノズルから排出された液体が、重力によりノズル面に沿って上方から流れ、下方に位置するノズル列のノズルまで到達する場合がある。このとき、上方に位置するノズル列のノズルから流れてきた液体が、下方に位置するノズル列のノズルの液体と混入すると、印刷の画質が低下する。そのため、下方に位置するノズル列のノズルにおいて混入が抑制できる量に合わせて、全体のノズルにおけるクリーニングの最後に行う空吐出による吐出量が決定される。これにより、空吐出において消費される液体の量が多くなる虞がある。
上記課題を解決する液体吐出装置の空吐出方法は、鉛直方向と交差する吐出方向にノズルから液体を吐出することで印刷を行う液体吐出ヘッドを備え、前記液体吐出ヘッドには、複数の前記ノズルが前記吐出方向と交差する交差方向に並んで構成されるノズル列が、前記鉛直方向に複数設けられており、複数の前記ノズル列はそれぞれ種類の異なる液体を吐出可能な液体吐出装置の空吐出方法であって、複数の前記ノズル列の複数の前記ノズルから前記印刷に関係のない液体を吐出する空吐出を行うことと、複数の前記ノズル列のうち少なくとも最も上方に位置するノズル列よりも下方に位置するノズル列において、複数の前記ノズルの一部から前記印刷に関係のない液体を吐出する部分空吐出を行うことと、を含む。
上記課題を解決する液体吐出装置の空吐出方法は、鉛直方向と交差する吐出方向にノズルから液体を吐出することで印刷を行う液体吐出ヘッドを備え、前記液体吐出ヘッドには、複数の前記ノズルが前記吐出方向と交差する交差方向に並んで構成されるノズル列が、水平方向に複数設けられており、複数の前記ノズル列はそれぞれ種類の異なる液体を吐出可能であり、前記吐出方向から見た場合に、複数の前記ノズル列は傾斜した状態で形成されている液体吐出装置の空吐出方法であって、複数の前記ノズル列の複数の前記ノズルか
ら前記印刷に関係のない液体を吐出する空吐出を行うことと、複数の前記ノズル列のうち少なくとも最も上方に位置するノズル列よりも下方に位置するノズル列において、複数の前記ノズルの一部から前記印刷に関係のない液体を吐出する部分空吐出を行うことと、を含む。
液体吐出装置の一実施形態を示す斜視図である。 液体吐出ヘッド周辺の構成を示す模式正面図である。 キャップが受容位置に移動したときの状態を示す模式正面図である。 液体吐出ヘッドが空吐出を行うときの状態を示す模式正面図である。 液体吐出ヘッドにおいて吐出方向からの平面視を示す図である。 図5に示す6-6線で破断した液体吐出ヘッドにおいて、クリーニングでノズルから排出された液体の状態を示す模式正断面図である。 図5に示す6-6線で破断した液体吐出ヘッドにおいて、ノズルから排出された液体が重力によって移動する状態を示す模式正断面図である。 空吐出方法のフローチャートである。 空吐出するときの液体の消費量を示すテーブルの一例である。
以下、液体吐出装置の空吐出方法の一実施形態を、図面を参照して説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。
図面では、液体吐出装置が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、X軸に沿う方向を幅方向X、Y軸に沿う方向を奥行方向Y、Z軸に沿う方向を鉛直方向Zという。鉛直方向Zにおいて、上方と下方とを区別する場合には、上方を-Z方向といい、下方を+Z方向という。
水平面に対して平行な方向を水平方向という。水平面に対して平行な方向は無数にあり、幅方向Xおよび奥行方向Yは、水平方向に含まれる。本明細書内において記載される水平方向とは、水平面に対して平行な方向であれば、何れの方向であってもよい。
<液体吐出装置について>
図1に示すように、液体吐出装置11は、媒体12を収容可能な媒体収容部13と、印刷された媒体12を受けるスタッカー14と、液体吐出装置11を操作するためのタッチパネルなどの操作部15と、を備えてもよい。液体吐出装置11は、原稿の画像を読み取る画像読取部16と、画像読取部16に原稿を送る自動給送部17と、を備えてもよい。
液体吐出装置11は、媒体12を印刷する印刷部20を備える。例えば、媒体収容部13に収容された媒体12は、スタッカー14まで搬送される。不図示の給送ローラーが媒体収容部13に収容された複数の媒体12のうち最上位のものと接して回転することにより、その最上位の媒体12が媒体収容部13から媒体収容部13の上方へ送り出される。印刷部20が有する不図示の液体吐出ヘッドを媒体12が通過するときに、媒体12に対して印刷が行われる。印刷が行われた媒体12は、不図示の排出ローラー対により、スタッカー14に排出される。印刷部20を含む液体吐出装置11の各部は、制御部19によって制御される。
<液体吐出ヘッド周辺の配置について>
図2に示すように、液体吐出装置11は、媒体12を印刷する印刷部20を備えるとと
もに、媒体12を搬送する搬送部30を備える。搬送部30は、印刷部20に対向した状態で媒体12を支持しながら搬送方向T1に搬送する搬送ベルト32と、駆動ローラー33と、従動ローラー34と、を有する。駆動ローラー33は、印刷部20よりも搬送方向T1の一方側に配置され、従動ローラー34は、印刷部20よりも搬送方向T1の他方側に配置される。搬送ベルト32は、駆動ローラー33と従動ローラー34とに巻き掛けられた無端状のゴム部材により構成される。搬送ベルト32は、駆動ローラー33と従動ローラー34との間において、所定の張力が作用した状態で保持される。
駆動ローラー33および従動ローラー34は、搬送ベルト32の内周面を支持する。駆動ローラー33は、駆動ローラー33を回転駆動させる不図示のモーターを有する。駆動ローラー33が回転すると、回転に伴って搬送ベルト32が回転し、搬送ベルト32の回転により従動ローラー34が従動回転する。
例えば、搬送ベルト32の表面に複数の孔が開いており、不図示の負圧部により搬送ベルト32の内周面側から負圧がかけられることで、媒体12が搬送ベルト32の外周面に吸着される。これにより、搬送ベルト32は媒体12を支持する。搬送ベルト32は、駆動ローラー33により図2に示す実線の矢印の方向に周回されることで、搬送ベルト32の外周面が媒体12を吸着した状態で、搬送ベルト32が搬送方向T1に媒体12を搬送する。なお、媒体12は、搬送ベルト32に吸着されずに、搬送ベルト32とローラーとで挟持された状態で搬送方向T1に搬送されてもよい。
印刷部20は、媒体12に対して搬送ベルト32の反対側に配置される。印刷部20は、液体を吐出する液体吐出ヘッド21を備える。液体吐出ヘッド21は、媒体12と対向する側に、複数のノズル24が形成されるノズル面25を有する。複数のノズル24から吐出される液体は、ノズル面25に対して垂直な方向に吐出される。つまり、液体吐出ヘッド21は、吐出方向D1にノズル24から液体を吐出することで印刷を行う。
本実施形態においては、奥行方向Yに対して位置が固定される液体吐出ヘッド21が、媒体12の奥行方向Yに亘るノズル列を有するラインヘッド方式の印刷部20が用いられる。なお、キャリッジに搭載された液体吐出ヘッドが、奥行方向Yに移動しながら液体を媒体12に吐出するシリアルヘッド方式の印刷部20が用いられてもよい。
印刷部20は、鉛直方向Zに対して角度を有して配置される。より詳しくは、液体吐出ヘッド21のノズル面25が水平方向に対して角度を有するため、液体吐出ヘッド21から吐出される液体は、鉛直方向Zに対して角度を有する方向に吐出される。すなわち、吐出方向D1は、鉛直方向Zと交差する。なお、角度を有するとは、角度が「ゼロ」ではないことをいう。液体吐出ヘッド21のノズル面25と水平方向との角度を傾斜角θという。例えば、傾斜角θは60度である。なお、60度は傾斜角θの一例であり、傾斜角θは30度であってもよいし、傾斜角θは90度であってもよい。すなわち、傾斜角θの角度は限定しない。本実施形態においては、傾斜したノズル面25に設けられたノズル24の開口から斜め下方に向けて液体が吐出される。
搬送部30も、水平方向に対して角度を有して配置される。より詳しくは、搬送ベルト32に支持された媒体12の表面が、液体吐出ヘッド21のノズル面25に沿う方向になるように、搬送部30が配置される。これにより、媒体12は斜め上方に搬送される。すなわち、搬送方向T1は、斜め上方である。なお、媒体12が図2に示す搬送方向T1と逆の方向に搬送されてもよい。換言すれば、搬送方向T1は、斜め下方であってもよい。
印刷部20において、液体吐出ヘッド21は、ノズル面25と媒体12との距離を調整可能に構成される。印刷時には、液体吐出ヘッド21は近接方向M1に移動し、図2に示
す印刷位置PPに位置する。そして、液体吐出ヘッド21はノズル24から搬送ベルト32に支持された媒体12に向けて液体を吐出することで印刷を行う。なお、本実施形態においては、近接方向M1と吐出方向D1とは同じ方向である。
図3に示すように、液体吐出装置11は、キャップ40を備える。空吐出のときに、液体吐出ヘッド21がキャップ40内に向かってノズル24から液体を吐出する。空吐出とは、液体吐出ヘッド21が印刷とは関係のない駆動信号を印加されて液体を吐出する動作のことをいう。空吐出は、液体の増粘による目詰まり等を防止する目的で、制御部19によって、例えば、一定周期ごとに実行される。
空吐出のときは、最初に、液体吐出ヘッド21が図3に示す退避方向M2に移動する。より詳しくは、液体吐出ヘッド21が、図3に示す印刷位置PPから、図3に示す退避位置EPへと移動する。これにより、キャップ40が図3に示すキャッピング方向M3に移動可能となるため、キャップ40が図3に示すキャッピング方向M3に移動する。より詳しくは、キャップ40が、図3に二点鎖線で示す待機位置SPから、図3に実線で示すキャッピング位置CPへと移動する。そして、この状態で複数のノズル24から印刷に関係のない液体が吐出方向D1に吐出される空吐出が行われる。
クリーニングのときは、空吐出の動作に加え、図4に示すように、液体吐出ヘッド21が図4に示す近接方向M1に移動する。より詳しくは、液体吐出ヘッド21が、図4に示す退避位置EPから、図4に示すクリーニング位置FPへと移動する。クリーニング位置FPにおいては、液体吐出ヘッド21のノズル24全体がキャップ40に覆われるとともに、液体吐出ヘッド21のノズル面25と、キャップ40の周囲に位置するシール部と、が密着する。そして、複数のノズル24から液体が強制的に排出されるクリーニングが行われる。空吐出により液体吐出ヘッド21のノズル24から吐出された液体や、クリーニングにより液体吐出ヘッド21のノズル24から排出された液体は、一時的にキャップ40内に収容される。そして、キャップ40内に収容された液体は、例えば、不図示の廃液流路を通じて不図示の廃液タンクに回収される。
なお、1つのキャップ40によって、液体吐出ヘッド21のノズル24全体が覆われなくてもよい。複数のキャップ40のそれぞれが、液体吐出ヘッド21の所定の部分のノズル24を覆うことにより、複数のキャップ40によって、液体吐出ヘッド21の全てのノズル24が覆われるように、キャップ40が構成されてもよい。
液体がノズル24からキャップ40内に排出もしくは吐出されると、例えば、キャップ40において液体の吸引動作が行われることで、キャップ40内に排出もしくは吐出された液体は、不図示の排出経路よりキャップ40の外部へと排出される。しかし、キャップ40が移動する際に、排出経路内に残った液体がキャップ40側へ逆流することがある。そのため、キャップ40が移動する際にも、吸引動作が実行されてもよい。
<ノズル列の配置について>
図5に示すように、ラインヘッドである液体吐出ヘッド21は、複数の単位ヘッド21aが奥行方向Yに並ぶように構成される。例えば、5個の単位ヘッド21aが奥行方向Yに並ぶ。図5は、液体吐出ヘッド21において吐出方向D1からの平面視を示す図である。本実施形態においては、吐出方向D1から見た場合に、以下に説明する複数のノズル列L1,L2,L3,L4は傾斜して設けられている。本実施形態においては、吐出方向D1から見た場合に、複数のノズル列L1,L2,L3,L4は、図5における右上から左下に向かって傾斜している。
単位ヘッド21aは、液体の一例であるシアンインクを吐出する複数の第1ノズル24
aを有する。複数の第1ノズル24aが吐出方向D1と交差する交差方向に並ぶことで、第1ノズル列L1が構成される。本実施形態の単位ヘッド21aには、6列の第1ノズル列L1が奥行方向Yに所定の間隔をあけて配置される。
液体吐出ヘッド21は、複数の単位ヘッド21aに形成される複数の第1ノズル列L1によって構成される第1ノズル群41を有する。すなわち、第1ノズル群41は、液体吐出ヘッド21が有する複数のノズル24のうち、シアンインクを吐出する複数の第1ノズル24aにより構成される。
単位ヘッド21aは、液体の一例であるイエローインクを吐出する複数の第2ノズル24bを有する。複数の第2ノズル24bが吐出方向D1と交差する交差方向に並ぶことで、第2ノズル列L2が構成される。本実施形態の単位ヘッド21aには、6列の第2ノズル列L2が奥行方向Yに所定の間隔をあけて配置される。
液体吐出ヘッド21は、複数の単位ヘッド21aに形成される複数の第2ノズル列L2によって構成される第2ノズル群42を有する。すなわち、第2ノズル群42は、液体吐出ヘッド21が有する複数のノズル24のうち、イエローインクを吐出する複数の第2ノズル24bにより構成される。
単位ヘッド21aは、液体の一例であるマゼンタインクを吐出する複数の第3ノズル24cを有する。複数の第3ノズル24cが吐出方向D1と交差する交差方向に並ぶことで、第3ノズル列L3が構成される。本実施形態の単位ヘッド21aには、6列の第3ノズル列L3が奥行方向Yに所定の間隔をあけて配置される。
液体吐出ヘッド21は、複数の単位ヘッド21aに形成される複数の第3ノズル列L3によって構成される第3ノズル群43を有する。すなわち、第3ノズル群43は、液体吐出ヘッド21が有する複数のノズル24のうち、マゼンタインクを吐出する複数の第3ノズル24cにより構成される。
単位ヘッド21aは、液体の一例であるブラックインクを吐出する複数の第4ノズル24dを有する。複数の第4ノズル24dが吐出方向D1と交差する交差方向に並ぶことで、第4ノズル列L4が構成される。本実施形態の単位ヘッド21aには、6列の第4ノズル列L4が奥行方向Yに所定の間隔をあけて配置される。
液体吐出ヘッド21は、複数の単位ヘッド21aに形成される複数の第4ノズル列L4によって構成される第4ノズル群44を有する。すなわち、第4ノズル群44は、液体吐出ヘッド21が有する複数のノズル24のうち、ブラックインクを吐出する複数の第4ノズル24dにより構成される。
第1ノズル列L1を構成する複数の第1ノズル24aと、第2ノズル列L2を構成する複数の第2ノズル24bは、直線状に並ぶ。第3ノズル列L3を構成する複数の第3ノズル24cと、第4ノズル列L4を構成する複数の第4ノズル24dは、直線状に並ぶ。
第1ノズル24aおよび第3ノズル24cは、第2ノズル24b及び第4ノズル24dよりも搬送方向T1の下流に位置する。第1ノズル列L1と第3ノズル列L3は、奥行方向Yに交互に並ぶ。第2ノズル列L2と第4ノズル列L4は、奥行方向Yに交互に並ぶ。
液体吐出ヘッド21において、ノズル列L2,L4は、ノズル列L1,L3に対して鉛直方向Zに設けられている。すなわち、ノズル列は、鉛直方向Zに複数設けられている。そして、ノズル列L1,L2,L3,L4は、複数のノズル24が吐出方向D1と交差す
る交差方向に並んで構成される。
液体吐出ヘッド21は、ノズル面25において、単位ノズル列21bを形成するノズルプレート23を有する。1つの単位ノズル列21bは、1つの第1ノズル列L1と、1つの第2ノズル列L2と、1つの第3ノズル列L3と、1つの第4ノズル列L4とで構成される。本実施形態においては、単位ヘッド21aにおいて、ノズルプレート23によって、6つの単位ノズル列21bが形成されている。
本実施形態においては、単位ノズル列21bにおいて、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2とが、鉛直方向Zに並んで設けられている。また、本実施形態においては、単位ノズル列21bにおいて、第3ノズル列L3と第4ノズル列L4とが、鉛直方向Zに並んで設けられている。第1ノズル列L1と第2ノズル列L2とは、必ずしも一直線に並んでいなくてもよく、鉛直方向Zに並んで設けられていればよい。また、第3ノズル列L3と第4ノズル列L4とは、必ずしも一直線に並んでいなくてもよく、鉛直方向Zに並んで設けられていればよい。また、3つ以上のノズル列L1,L2,L3,L4が、鉛直方向Zに並んで設けられていてもよい。
単位ノズル列21bにおいて、第2ノズル列L2の全てのノズル24は、第1ノズル列L1のどのノズル24よりも下方に位置する。このような場合に、「第2ノズル列L2は、上方に位置する第1ノズル列L1よりも下方に位置する」という。すなわち、本実施形態においては、第2ノズル列L2は、上方に位置する第1ノズル列L1よりも下方に位置する。
単位ノズル列21bにおいて、第2ノズル列L2の全てのノズル24は、第3ノズル列L3のどのノズル24よりも下方に位置する。このような場合に、「第2ノズル列L2は、上方に位置する第3ノズル列L3よりも下方に位置する」という。すなわち、本実施形態においては、第2ノズル列L2は、上方に位置する第3ノズル列L3よりも下方に位置する。
単位ノズル列21bにおいて、第4ノズル列L4の全てのノズル24は、第3ノズル列L3のどのノズル24よりも下方に位置する。このような場合に、「第4ノズル列L4は、上方に位置する第3ノズル列L3よりも下方に位置する」という。すなわち、本実施形態においては、第4ノズル列L4は、上方に位置する第3ノズル列L3よりも下方に位置する。
単位ノズル列21bにおいて、第4ノズル列L4の全てのノズル24は、第1ノズル列L1のどのノズル24よりも下方に位置する。このような場合に、「第4ノズル列L4は、上方に位置する第1ノズル列L1よりも下方に位置する」という。すなわち、本実施形態においては、第4ノズル列L4は、上方に位置する第1ノズル列L1よりも下方に位置する。
複数のノズル列L1,L2,L3,L4は、それぞれ種類の異なる液体を吐出可能に構成される。種類の異なる液体は、例えば、色の異なるカラーインクである。本実施形態においては、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2とが、鉛直方向Zに並んで設けられている。そして、第1ノズル列L1はシアンインクを吐出可能に構成されるとともに、第2ノズル列L2はイエローインクを吐出可能に構成される。また、本実施形態においては、第3ノズル列L3と第2ノズル列L2とが、鉛直方向Zに並んで設けられている。そして、第3ノズル列L3はマゼンタインクを吐出可能に構成されるとともに、第2ノズル列L2はイエローインクを吐出可能に構成される。また、本実施形態においては、第3ノズル列L3と第4ノズル列L4とが、鉛直方向Zに並んで設けられている。そして、第3ノズル
列L3はマゼンタインクを吐出可能に構成されるとともに、第4ノズル列L4はブラックインクを吐出可能に構成される。また、本実施形態においては、第1ノズル列L1と第4ノズル列L4とが、鉛直方向Zに並んで設けられている。そして、第1ノズル列L1はシアンインクを吐出可能に構成されるとともに、第4ノズル列L4はブラックインクを吐出可能に構成される。
また、液体吐出ヘッド21において、ノズル列L3,L4は、ノズル列L1,L2に対して水平方向に設けられている。すなわち、ノズル列は、水平方向に複数設けられている。そして、ノズル列L1,L2,L3,L4は、複数のノズル24が吐出方向D1と交差する交差方向に並んで構成される。ノズル列L1,L2,L3,L4は、それぞれ種類の異なる液体を吐出可能に構成される。本実施形態においては、第1ノズル列L1と第3ノズル列L3との2つのノズル列L1,L3が、水平方向に設けられている。そして、第1ノズル列L1はシアンインクを吐出可能に構成されるとともに、第3ノズル列L3はマゼンタインクを吐出可能に構成される。また、本実施形態においては、第2ノズル列L2と第4ノズル列L4との2つのノズル列L2,L4が、水平方向に設けられている。そして、第2ノズル列L2はイエローインクを吐出可能に構成されるとともに、第4ノズル列L4はブラックインクを吐出可能に構成される。そして、吐出方向D1から見た場合に、これらの複数のノズル列L1,L2,L3,L4は、傾斜した状態で形成されている。
すなわち、液体吐出ヘッド21には、ノズル列L1,L2,L3,L4が、鉛直方向Zに複数設けられているとともに、水平方向にも複数設けられている。
吐出方向D1から見た場合に、ノズル列L1,L3は、傾斜した状態で形成されているため、単位ノズル列21bにおいて、第1ノズル列L1を鉛直方向Zにおける+Z方向に平行移動させた場合に、第3ノズル列L3の一部と重なる部分がある。このような場合にも、「第3ノズル列L3は、上方に位置する第1ノズル列L1よりも下方に位置する」という。
吐出方向D1から見た場合に、ノズル列L2,L4は、傾斜した状態で形成されているため、単位ノズル列21bにおいて、第2ノズル列L2を鉛直方向Zにおける+Z方向に平行移動させた場合に、第4ノズル列L4の一部と重なる部分がある。このような場合にも、「第4ノズル列L4は、上方に位置する第2ノズル列L2よりも下方に位置する」という。
<ノズル面に排出された液体の流れについて>
図6に示すように、例えば、第1ノズル列L1においてクリーニングで液体の排出が行われると、第1ノズル列L1のノズル24の開口26に液滴が残る場合がある。ノズル24とそのノズル24に隣接するノズル24との距離が近いため、ノズル24の開口26に残った液滴は、隣接する液滴と接触することで、ノズル面25において、ノズル24が並ぶ方向に延びる1つの大きな液滴になる。つまり、第1ノズル列L1においてクリーニングが行われると、ノズル面25において、最上方ノズル24aaと最下方ノズル24azの間にシアンインクL1aが、まとまった塊状態となる場合がある。同様に、第2ノズル列L2においてクリーニングが行われると、ノズル面25において、最上方ノズル24baと最下方ノズル24bzの間にイエローインクL2aが、まとまった塊状態となる場合がある。同様に、第3ノズル列L3においてクリーニングが行われた場合、および第4ノズル列L4においてクリーニングが行われた場合にも、ノズル面25に残った液体は、まとまった塊状態となる場合がある。
図7に示すように、塊状態となったシアンインクL1aは、鉛直方向Zに重力を受ける。そのため、塊状態となったシアンインクL1aは、ノズル面25に沿って下方に移動す
る。また、塊状態となったイエローインクL2aも、鉛直方向Zに重力を受ける。そのため、塊状態となったイエローインクL2aは、ノズル面25に沿って下方に移動する。これにより、塊状態となったイエローインクL2aが、最上方ノズル24baの開口26より離れ、かつ、塊状態となったシアンインクL1aが、最上方ノズル24baの開口26に到達する場合がある。
塊状態となったイエローインクL2aがさらに下方に移動することで、塊状態となったイエローインクL2aが第2ノズル列L2の上方より離れる。そして、塊状態となったシアンインクL1aがさらに下方に移動することで、塊状態となったシアンインクL1aが第2ノズル列L2の上方を覆う。
重力の影響によって、上方に位置するノズル24内のインクに作用する圧力は、そのノズル24よりも下方に位置するノズル24内のインクに作用する圧力よりも低くなる。よって、上方に位置するノズル24はノズル面25にある液体を吸い込み易い状態となる。これにより、シアンインクL1aが第2ノズル列L2のノズル24の開口26に侵入する場合がある。
このような状態において、液体吐出ヘッド21が媒体12に対して印刷を行うと、イエローインクL2aにシアンインクL1aが混じったインクが、媒体12に対して吐出される。そのため、吐出された媒体12上において混色が発生する。つまり、第2ノズル列L2は第1ノズル列L1よりも下方に位置するため、第2ノズル列L2で吐出される液体は、第1ノズル列L1で吐出される液体と、混色する虞がある。
上記は、本実施形態における第1ノズル列L1と第2ノズル列L2との場合の説明である。しかし、他のノズル列L1,L2,L3,L4の組み合わせにおいても、鉛直方向Zの上下関係によって、同様な現象が発生する。
第4ノズル列L4は第3ノズル列L3よりも下方に位置するため、第4ノズル列L4で吐出される液体は、第3ノズル列L3で吐出される液体と、混色する虞がある。
第2ノズル列L2は第3ノズル列L3よりも下方に位置するため、第2ノズル列L2で吐出される液体は、第3ノズル列L3で吐出される液体と、混色する虞がある。
吐出方向D1から見た場合に、複数のノズル列L1,L3は傾斜し、かつ、第3ノズル列L3は第1ノズル列L1よりも下方に位置するため、第3ノズル列L3で吐出される液体は、第1ノズル列L1で吐出される液体と、混色する虞がある。
吐出方向D1から見た場合に、複数のノズル列L2,L4は傾斜し、かつ、第4ノズル列L4は第2ノズル列L2よりも下方に位置するため、第4ノズル列L4で吐出される液体は、第2ノズル列L2で吐出される液体と、混色する虞がある。
<空吐出方法のフローについて>
最初に、空吐出動作の種類について説明する。空吐出とは、複数のノズル列L1,L2,L3,L4の複数のノズル24から印刷に関係のない液体を吐出する動作のことをいう。部分空吐出とは、複数のノズル列L1,L2,L3,L4の複数のノズル24の一部から、印刷に関係のない液体を吐出する動作のことをいう。なお、部分空吐出は空吐出に含まれる。そのため、例えば、本明細書に「空吐出による吐出量」と記載されるとともに、その際に部分空吐出が行われている場合には、「空吐出による吐出量」は「部分空吐出による吐出量」を含む。なお、部分空吐出と、部分空吐出ではない空吐出と、を区別するために、部分空吐出ではない空吐出を「ノズル24全体による空吐出」という場合がある。
次に、本実施形態における液体吐出装置11の空吐出方法のフローについて説明する。
図8に示すように、制御部19は、クリーニングの排出で生じる混色を解消する目的および液体の増粘による目詰まり等を防止する目的で、液体吐出装置11の空吐出方法のフローを実行する。
ステップS101において、制御部19は、空吐出を実行する。本実施形態においては、本ステップにおいてノズル24全体による空吐出が行われる。しかし、本ステップにおいて部分空吐出が行われてもよい。より詳しくは、本ステップにおいて部分空吐出が行われる場合があってもよい。例えば、液体吐出ヘッド21の構造やノズル24の位置などの関係により、目詰まりが発生し難いノズル24がある場合は、そのノズル24における空吐出の頻度を減らしてもよい。換言すれば、本ステップにおいて、そのような目詰まりが発生し難いノズル24に関しては、空吐出が行われない場合があってもよい。つまり、本ステップにおいて部分空吐出が行われてもよい。
本実施形態においては、本ステップでは、制御部19は、各ノズル列L1,L2,L3,L4において、全てのノズル24で同量の空吐出を行う。ただし、各ノズル列L1,L2,L3,L4それぞれにおいて、空吐出による吐出量は異なってもよい。例えば、第1ノズル列L1においては、全てのノズル24での総量で、0.3gのシアンインクが空吐出され、第2ノズル列L2においては、全てのノズル24での総量で、1.0gのイエローインクが空吐出されてもよい。制御部19は、ステップS101が終了すると、ステップS102に移行する。
ステップS102において、制御部19は、部分空吐出を実行する。本ステップでは、制御部19は、複数のノズル列L1,L2,L3,L4のうち少なくとも最も上方に位置するノズル列よりも下方に位置するノズル列において、部分空吐出を行う。例えば、液体吐出ヘッド21において、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2とで空吐出が行われるとき、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2との両方で部分空吐出が行われてもよいし、下方に位置する第2ノズル列L2のみで部分空吐出が行われてもよい。制御部19は、ステップS102が終了すると、本フローを終了する。
本実施形態における部分空吐出について説明する。ノズル列L1においては、部分空吐出は、ノズル列L1を構成する複数のノズル24のうち上方に位置する半数のノズル24で行われる。ノズル列L2においても、部分空吐出は、ノズル列L2を構成する複数のノズル24のうち上方に位置する半数のノズル24で行われる。ノズル列L3においても、部分空吐出は、ノズル列L3を構成する複数のノズル24のうち上方に位置する半数のノズル24で行われる。ノズル列L4においても、部分空吐出は、ノズル列L4を構成する複数のノズル24のうち上方に位置する半数のノズル24で行われる。つまり、部分空吐出は、ノズル列L1,L2,L3,L4を構成する複数のノズル24のうち上方に位置する半数のノズル24で行われる。
各ノズル列L1,L2,L3,L4のノズル24の数が偶数の場合には、「半数」は、きっかり半数を意味する。各ノズル列L1,L2,L3,L4のノズル24の数が奇数の場合には、「半数」は、半数の小数点以下を繰り上げた値としてもよいし、繰り下げた値としてもよい。例えば、第1ノズル列L1において、241個のノズル24が並ぶ場合、半数とは120個であってもよいし、121個であってもよい。
ノズル列L1,L2,L3,L4を構成する複数のノズル24のうち下方に位置する半数のノズル24は、ノズル24全体による空吐出のみが行われ、部分空吐出が行われない。重力の影響によって、上方に位置するノズル24内の液体に作用する圧力は、そのノズル24よりも下方に位置するノズル24内の液体に作用する圧力よりも低くなる。すなわ
ち、上方に位置するノズル24は、そのノズル24よりもさらに上方のノズル24から流れてきた液体を吸い込み易い状態となる。そして、下方に位置するノズル24は、そのノズル24よりもさらに上方のノズル24から流れてきた他の種類の液体を吸い込み難い状態となる。つまり、下方に位置する半数のノズル24は、ノズル24全体による空吐出のみが行われ、部分空吐出が行われない。
部分空吐出は、ノズル列L1,L2,L3,L4を構成する複数のノズル24のうち少なくとも最も上方に位置するノズル24を含んで連続して並ぶ複数のノズル24で行なわれる。部分空吐出は、各ノズル列L1,L2,L3,L4を構成する複数のノズル24のうち上方に位置する1/3のノズル24で行われてもよいし、上方に位置する1/4のノズル24で行われてもよい。また、部分空吐出は、各ノズル列L1,L2,L3,L4を構成する複数のノズル24のうち上方に位置する2/3のノズル24で行われてもよい。そして、上方に位置する2/3のノズル24のうち最も上方に位置する1/3のノズル24における部分空吐出による吐出量は、上方に位置する2/3のノズル24のうちその下方に位置する1/3のノズル24における部分空吐出による吐出量より多くてもよい。そして、各ノズル列L1,L2,L3,L4を構成する複数のノズル24のうち下方に位置する1/3のノズル24は、部分空吐出が行われなくてもよい。
部分空吐出において、ノズル24がノズル面25にある液体を吸い込まないようにするために必要な吐出量は、そのノズル24が位置する高さによって異なる。つまり、各ノズル列L1,L2,L3,L4が複数に分割され、かつ、それぞれの分割部分において部分空吐出による吐出量が変えられることにより、各ノズル列L1,L2,L3,L4においてトータルとしての部分空吐出における吐出量を減らすことができる。なお、各ノズル列L1,L2,L3,L4が1/3に分割されることは分割の一例であり、1/4に分割されてもよいし、1/6に分割されてもよい。
なお、制御部19は、全吐出、および部分空吐出のどちらを先に行ってもよい。すなわち、液体吐出装置11の空吐出方法において、制御部19は、ステップS101とステップS102との順序が入れ替えられたフローを実行してもよい。
<実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
図9に示すように、各ノズル列L1,L2,L3,L4それぞれにおいて、全てのノズル24で同量の空吐出だけが行われた場合と、全てのノズル24で同量の空吐出と、部分空吐出と、が行われた場合とでは、混色が発生しないために必要な液体の吐出量が異なる。図9は、インクを吐出することで印刷を行う液体吐出ヘッド21を使用し、実際にインクの吐出量を測定した結果の一例である。
最初に、各ノズル列L1,L2,L3,L4それぞれにおいて、全てのノズル24で同量の空吐出だけが行われた場合の液体の吐出量について説明する。ただし、各ノズル列L1,L2,L3,L4それぞれにおいて、空吐出による吐出量は異なる。
第1ノズル列L1においては、全てのノズル24での総量で、0.7gのシアンインクが吐出された。第2ノズル列L2においては、全てのノズル24での総量で、2.0gのイエローインクが吐出された。第3ノズル列L3においては、全てのノズル24での総量で、0.9gのマゼンタインクが吐出された。第4ノズル列L4においては、全てのノズル24での総量で、0.6gのブラックインクが吐出された。この液体吐出ヘッド21により、どの液体に関しても混色が発生しない状態で、印刷を行うことができた。
第2ノズル列L2は第1ノズル列L1よりも下方に位置するため、第2ノズル列L2で
吐出される液体は、第1ノズル列L1で吐出される液体と、混色する虞がある。そのため、第2ノズル列L2で吐出されるイエローインクの吐出量は、第1ノズル列L1で吐出されるシアンインクの吐出量よりも多い。
第2ノズル列L2は第3ノズル列L3よりも下方に位置するため、第2ノズル列L2で吐出される液体は、第3ノズル列L3で吐出される液体と、混色する虞がある。そのため、第2ノズル列L2で吐出されるイエローインクの吐出量は、第3ノズル列L3で吐出されるマゼンタインクの吐出量よりも多い。
吐出方向D1から見た場合に、第3ノズル列L3および第1ノズル列L1は傾斜し、かつ、第3ノズル列L3は第1ノズル列L1よりも下方に位置するため、第3ノズル列L3で吐出される液体は、第1ノズル列L1で吐出される液体と、混色する虞がある。そのため、第3ノズル列L3で吐出されるマゼンタインクの吐出量は、第1ノズル列L1で吐出されるシアンインクの吐出量よりも多い。
黒色は他の色と混じっても変化がわかりにくい色である。そのため、第4ノズル列L4のブラックインクの吐出量に関しては、他のノズル列L1,L2,L3のインクと混色しても、画質への影響が少ない。これにより、第4ノズル列L4における空吐出による吐出量が少なかったと予想される。
また、図5に示す液体吐出ヘッド21においては、第1ノズル列L1と第3ノズル列L3との距離が非常に近い。そのため、ノズル列L1のノズル24で吐出された液体はすぐにノズル列L3のノズル24に到達する。これにより、第3ノズル列L3における空吐出による吐出量が多かったと予想される。
次に、同じ液体吐出ヘッド21が使用されて、各ノズル列L1,L2,L3,L4それぞれにおいて、全てのノズル24で同量の空吐出が行われ、その後に、部分空吐出が行われた場合の吐出量について説明する。ここでの部分空吐出においては、各ノズル列L1,L2,L3,L4それぞれにおいて、上方に位置する半数のノズル24で同量の空吐出が行われた。ここで、各ノズル列L1,L2,L3,L4における空吐出による吐出量は異なっている。
第1ノズル列L1においては、空吐出において0.3gのシアンインクが吐出され、部分空吐出において0.1gのシアンインクが吐出され、合計で0.4gのシアンインクが吐出された。第2ノズル列L2においては、空吐出において1.0gのイエローインクが吐出され、部分空吐出において0.5gのシアンインクが吐出され、合計で1.5gのイエローインクが吐出された。第3ノズル列L3においては、空吐出において0.7gのマゼンタインクが吐出され、部分空吐出において0.1gのマゼンタインクが吐出され、合計で0.8gのシアンインクが吐出された。第4ノズル列L4においては、空吐出において、0.6gのブラックインクが吐出され、部分空吐出は行われなかった。この液体吐出ヘッド21により、どの液体に関しても混色が発生しない状態で、印刷を行うことができた。
下方に位置する第2ノズル列L2、および第2ノズル列L2よりも上方に位置する第1ノズル列L1、ともに部分空吐出が行われた。そして、下方に位置する第2ノズル列L2の部分空吐出による吐出量は、0.5gであり、第2ノズル列L2よりも上方に位置する第1ノズル列L1の部分空吐出による吐出量は、0.1gである。つまり、下方に位置する第2ノズル列L2の部分空吐出による吐出量は、上方に位置する第1ノズル列L1の部分空吐出による吐出量よりも多い。すなわち、部分空吐出において、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の部分空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズ
ル24の部分空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができた。
下方に位置する第2ノズル列L2、および第2ノズル列L2よりも上方に位置する第3ノズル列L3、ともに部分空吐出が行われた。そして、下方に位置する第2ノズル列L2の部分空吐出による吐出量は、0.5gであり、第2ノズル列L2よりも上方に位置する第3ノズル列L3の部分空吐出による吐出量は、0.1gである。つまり、下方に位置する第2ノズル列L2の部分空吐出による吐出量は、上方に位置する第3ノズル列L3の部分空吐出による吐出量よりも多い。すなわち、部分空吐出において、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の部分空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の部分空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができた。
複数のノズル列L1,L2,L3,L4のうち、下方に位置する第2ノズル列L2の空吐出による吐出量は1.5gであり、第2ノズル列L2よりも上方に位置する第1ノズル列L1の空吐出による吐出量は0.4gである。つまり、複数のノズル列L1,L2,L3,L4のうち、下方に位置する第2ノズル列L2の空吐出による吐出量は、第2ノズル列L2よりも上方に位置する第1ノズル列L1の空吐出による吐出量よりも多い。すなわち、空吐出において、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができた。そして、空吐出だけが行われた場合の液体の吐出量は、第2ノズル列L2では2.0gであり、第1ノズル列L1では0.7gであるため、空吐出だけが行われた場合と比べて、空吐出による吐出量を減らすことができた。
複数のノズル列L1,L2,L3,L4のうち、下方に位置する第3ノズル列L3の空吐出による吐出量は0.8gであり、第3ノズル列L3よりも上方に位置する第1ノズル列L1の空吐出による吐出量は0.4gである。つまり、複数のノズル列L1,L2,L3,L4のうち、下方に位置する第3ノズル列L3の空吐出による吐出量は、第3ノズル列L3よりも上方に位置する第1ノズル列L1の空吐出による吐出量よりも多い。すなわち、空吐出において、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができた。そして、空吐出だけが行われた場合の液体の吐出量は、第3ノズル列L3では0.9gであり、第1ノズル列L1では0.7gであるため、空吐出だけが行われた場合と比べて、空吐出による吐出量を減らすことができた。
複数のノズル列L1,L2,L3,L4のうち、下方に位置する第2ノズル列L2の空吐出による吐出量は1.5gであり、第2ノズル列L2よりも上方に位置する第3ノズル列L3の空吐出による吐出量は0.8gである。つまり、複数のノズル列L1,L2,L3,L4のうち、下方に位置する第2ノズル列L2の空吐出による吐出量は、第2ノズル列L2よりも上方に位置する第3ノズル列L3の空吐出による吐出量よりも多い。すなわち、空吐出において、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができた。そして、空吐出だけが行われた場合の液体の吐出量は、第2ノズル列L2では2.0gであり、第3ノズル列L3では0.9gであるため、空吐出だけが行われた場合と比べて、空吐出による吐出量を減らすことができた。
複数のノズル列L1,L2,L3,L4における空吐出による吐出量を減らすことにより、液体吐出ヘッド21全体において、空吐出による吐出量を減らすことができる。これにより、液体吐出ヘッド21全体において、空吐出の時間を減らすことができる。その結果として、液体吐出装置11の生産性を向上させることができる。また、無駄インクも減
らすことができる。
<実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)液体吐出装置11の空吐出方法は、空吐出を行うことを含む。そして、その液体吐出装置11の空吐出方法は、複数のノズル列L1,L2のうち少なくとも最も上方に位置する第1ノズル列L1よりも下方に位置する第2ノズル列L2において、部分空吐出を行うことを含む。これにより、上方に位置する第1ノズル列L1と、下方に位置する第2ノズル列L2とで、空吐出による吐出量を、変えることができる。上方に位置する第1ノズル列L1においては、図6および図7で説明したクリーニングの排出で生じる混色を解消することができる量の空吐出が行われる。そして、下方に位置する第2ノズル列L2においては、上方に位置する第1ノズル列L1において排出された液体が重力により上方から流れてくることによって下方に位置する第2ノズル列L2の液体と混入することで生じた混色を解消する量の空吐出が行われる。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができる。すなわち、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(2)下方に位置する第2ノズル列L2の部分空吐出による吐出量は、上方に位置する第1ノズル列L1の部分空吐出による吐出量よりも多い。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の部分空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の部分空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができる。より詳しくは、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の部分空吐出による吐出量は多くし、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の部分空吐出による吐出量を少なくすることができる。すなわち、部分空吐出が行われる場合に、トータルで消費される液体の量を低減することができる。
(3)下方に位置する第2ノズル列L2の部分空吐出による吐出量は、上方に位置する第3ノズル列L3の部分空吐出による吐出量よりも多い。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の部分空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の部分空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができる。より詳しくは、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の部分空吐出による吐出量は多くし、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の部分空吐出による吐出量を少なくすることができる。すなわち、部分空吐出が行われる場合に、トータルで消費される液体の量を低減することができる。
(4)液体吐出ヘッド21には、ノズル列が、鉛直方向Zに複数設けられているとともに、水平方向にも複数設けられており、吐出方向D1から見た場合に、複数のノズル列は傾斜した状態で形成される。これにより、上方に位置する第1ノズル列L1と、下方に位置する第3ノズル列L3とで、空吐出による吐出量を、変えることができる。吐出方向D1から見た場合に、ノズル列L1,L2,L3,L4は傾斜した状態で形成されている。そのため、鉛直方向Zに複数設けられているノズル列だけでなく、水平方向に複数設けられているノズル列においても、上下方向の位置関係が存在する。このような場合、水平方向に設けられているノズル列同士においても、重力により、上方にある第1ノズル列L1において吐出された液体が、下方にある第3ノズル列L3の液体と混入する虞がある。上方に位置する第1ノズル列L1においては、図6および図7で説明したクリーニングの排出で生じる混色を解消することができる量の空吐出が行われる。そして、下方に位置する第3ノズル列L3においては、上方に位置する第1ノズル列L1において吐出された液体が重力により上方から流れてくることによって下方に位置する第3ノズル列L3の液体と混入することを抑制する量の空吐出が行われる。これにより、液体の混入の影響を受けや
すいノズル24の空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができる。すなわち、傾斜したノズル面25を有する液体吐出ヘッド21において、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(5)複数のノズル24が吐出方向D1と交差する交差方向に並んで構成されるノズル列が、水平方向に複数設けられており、吐出方向D1から見た場合に、複数のノズル列は傾斜した状態で形成されている。このような場合に、液体吐出装置11の空吐出方法は、空吐出を行うことを含む。そして、その液体吐出装置11の空吐出方法は、複数のノズル列のうち少なくとも最も上方に位置する第1ノズル列L1よりも下方に位置する第3ノズル列L3において、部分空吐出を行うことを含む。これにより、上方に位置する第1ノズル列L1と、下方に位置する第3ノズル列L3とで、空吐出による吐出量を、変えることができる。吐出方向D1から見た場合に、ノズル列L1,L3は傾斜した状態で形成されているため、水平方向に複数設けられているノズル列においても、上下方向の位置関係が存在する。より詳しくは、吐出方向D1から見た場合に、水平方向に設けられているノズル列L1,L3が、傾斜した状態で形成されているため、重力により、上方にある第1ノズル列L1において排出された液体が、下方にある第3ノズル列L3の液体と混入する虞がある。上方に位置する第1ノズル列L1においては、図6および図7で説明したクリーニングの排出で生じる混色を解消することができる量の空吐出が行われる。そして、下方に位置する第3ノズル列L3においては、上方に位置する第1ノズル列L1において排出された液体が重力により上方から流れてくることによって下方に位置する第3ノズル列L3の液体と混入することを抑制する量の空吐出が行われる。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができる。すなわち、傾斜したノズル面25を有する液体吐出ヘッド21において、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(6)複数のノズル列L1,L2のうち、下方に位置する第2ノズル列L2の空吐出による吐出量は、第2ノズル列L2よりも上方に位置する第1ノズル列L1の空吐出による吐出量よりも多い。これにより、上方に位置する第1ノズル列L1においては、図6および図7で説明したクリーニングの排出で生じる混色を解消することができる量の空吐出が行われる。なお、空吐出は部分空吐出を含む。また、第2ノズル列L2においては、第1ノズル列L1と同じ量の空吐出による吐出量では、上方に位置する第1ノズル列L1において排出された液体が重力により上方から流れてくることによって、下方に位置する第2ノズル列L2の液体と混入する虞がある。そのため、下方に位置する第2ノズル列L2の空吐出による吐出量を、第2ノズル列L2よりも上方に位置する第1ノズル列L1の空吐出による吐出量よりも多くする。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の部分吐出量は多くし、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の空吐出による吐出量を少なくすることができる。すなわち、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(7)複数のノズル列L3,L2のうち、下方に位置する第2ノズル列L2の空吐出による吐出量は、第2ノズル列L2よりも上方に位置する第3ノズル列L3の空吐出による吐出量よりも多い。これにより、上方に位置する第3ノズル列L3においては、図6および図7で説明したクリーニングの排出で生じる混色を解消することができる量の空吐出が行われる。なお、空吐出は部分空吐出を含む。また、第2ノズル列L2においては、第3ノズル列L3と同じ量の空吐出による吐出量では、上方に位置する第3ノズル列L3において排出された液体が重力により上方から流れてくることによって、下方に位置する第2ノズル列L2の液体と混入する虞がある。そのため、下方に位置する第2ノズル列L2の空吐出による吐出量を、第2ノズル列L2よりも上方に位置する第3ノズル列L3の空吐
出による吐出量よりも多くする。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の部分吐出量は多くし、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の空吐出による吐出量を少なくすることができる。すなわち、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(8)複数のノズル24が吐出方向D1と交差する交差方向に並んで構成されるノズル列が、水平方向に複数設けられており、吐出方向D1から見た場合に、複数のノズル列は傾斜した状態で形成されている。このような場合に、複数のノズル列のうち、下方に位置する第3ノズル列L3の空吐出による吐出量は、第3ノズル列L3よりも上方に位置する第1ノズル列L1の空吐出による吐出量よりも多い。これにより、上方に位置する第1ノズル列L1においては、液体の増粘による目詰まり等を抑制することができる量の空吐出が行われる。なお、空吐出は部分空吐出を含む。また、第3ノズル列L3においては、第1ノズル列L1と同じ量の空吐出による吐出量では、上方に位置する第1ノズル列L1において吐出された液体が重力により上方から流れてくることによって下方に位置する第3ノズル列L3の液体と混入する虞がある。そのため、下方に位置する第3ノズル列L3の空吐出による吐出量を、第3ノズル列L3よりも上方に位置する第1ノズル列L1の空吐出による吐出量よりも多くする。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズル24の部分吐出量は多くし、液体の混入の影響を受けにくいノズル24の空吐出による吐出量を少なくすることができる。すなわち、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(9)種類の異なる液体は、色の異なるカラーインクである。これにより、混色の影響を受けやすいカラーインクにおいて、クリーニングの排出による混色が抑制されることにより、混色の影響を受けやすいカラーインクが使用される印刷物の画質への影響を抑制することができる。
(10)部分空吐出は、ノズル列L1,L2,L3,L4を構成する複数のノズル24のうち少なくとも最も上方に位置するノズル24を含んで連続して並ぶ複数のノズル24で行なわれる。重力の影響によって、上方に位置するノズル24内の液体に作用する圧力は、そのノズル24よりも下方に位置するノズル24内の液体に作用する圧力よりも低くなる。そのため、上方に位置するノズル24は、ノズル面25にある液体を吸い込み易い状態となる。つまり、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(11)部分空吐出は、ノズル列L1,L2,L3,L4を構成する複数のノズル24のうち半数のノズル24で行なわれる。これにより、容易な制御方法によって、混色の影響を抑制できるとともに、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
<実施形態の変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態においては、単位ノズル列21bは4つのノズル列L1,L2,L3,L4によって構成されているが、単位ノズル列21bを構成するノズル列の数は限定しない。例えば、水平方向に4つのノズル列が並び、かつ、垂直方向に2つのノズル列が並ぶことにより、単位ノズル列21bが8つのノズル列によって構成されてもよい。また、水平方向に並ぶノズル列の数も限定されない。また、垂直方向に並ぶノズル列の数も限定されない。ノズル列の並ぶ数が変わっても同じ効果が得られる。
・吐出方向D1から見た場合に、複数のノズル列L1,L2,L3,L4が傾斜する角度は限定されない。複数のノズル列L1,L2,L3,L4が傾斜する角度が変わっても同じ効果が得られる。
・液体吐出装置11は、インク以外の他の液体を吐出する液体吐出装置11であってもよい。液体吐出装置11から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置11から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置11の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置11は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置11は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置11は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
<実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果>
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)液体吐出装置の空吐出方法は、鉛直方向と交差する吐出方向にノズルから液体を吐出することで印刷を行う液体吐出ヘッドを備え、前記液体吐出ヘッドには、複数の前記ノズルが前記吐出方向と交差する交差方向に並んで構成されるノズル列が、前記鉛直方向に複数設けられており、複数の前記ノズル列はそれぞれ種類の異なる液体を吐出可能な液体吐出装置の空吐出方法であって、複数の前記ノズル列の複数の前記ノズルから前記印刷に関係のない液体を吐出する空吐出を行うことと、複数の前記ノズル列のうち少なくとも最も上方に位置するノズル列よりも下方に位置するノズル列において、複数の前記ノズルの一部から前記印刷に関係のない液体を吐出する部分空吐出を行うことと、を含む。
この方法によれば、上方に位置するノズル列と、下方に位置するノズル列とで、空吐出による吐出量を、変えることができる。上方に位置するノズル列においては、クリーニングの排出で生じる混色を解消することができる量の空吐出が行われる。そして、下方に位置するノズル列においては、上方に位置するノズル列において排出された液体が重力により上方から流れてくることによって下方に位置するノズル列の液体と混入することで生じる混色を解消する量の空吐出が行われる。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズルの空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズルの空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができる。すなわち、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(B)上記液体吐出装置の空吐出方法において、前記下方に位置するノズル列、および該ノズル列よりも上方に位置するノズル列、ともに前記部分空吐出を行い、前記下方に位
置するノズル列の前記部分空吐出による吐出量は、前記上方に位置するノズル列の前記部分空吐出による吐出量よりも多くてもよい。
この方法によれば、液体の混入の影響を受けやすいノズルの部分空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズルの部分空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができる。より詳しくは、液体の混入の影響を受けやすいノズルの部分空吐出による吐出量は多くし、液体の混入の影響を受けにくいノズルの部分空吐出による吐出量を少なくすることができる。すなわち、部分空吐出による吐出量が行われる場合に、トータルで消費される液体の量を低減することができる。
(C)上記液体吐出装置の空吐出方法において、前記液体吐出ヘッドには、前記ノズル列が、水平方向に複数設けられており、前記吐出方向から見た場合に、複数の前記ノズル列は傾斜した状態で形成されてもよい。
この方法によれば、上方に位置するノズル列と、下方に位置するノズル列とで、空吐出による吐出量を、変えることができる。吐出方向から見た場合に、ノズル列は傾斜した状態で形成されているため、鉛直方向に複数設けられているノズル列だけでなく、水平方向に複数設けられているノズル列においても、上下方向の位置関係が存在する。このような場合、水平方向に設けられているノズル列同士においても、重力により、上方にあるノズル列においてクリーニングで排出された液体が、下方にあるノズル列の液体と混入する虞がある。上方に位置するノズル列においては、クリーニングの排出で生じる混色を解消することができる量の空吐出が行われる。そして、下方に位置するノズル列においては、上方に位置するノズル列において排出された液体が重力により上方から流れてくることによって下方に位置するノズル列の液体と混入することで生じる混色を解消する量の空吐出が行われる。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズルの空吐出による吐出量と、液体の混入の影響を受けにくいノズルの空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができる。すなわち、傾斜したノズル面を有する液体吐出ヘッドにおいて、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(D)液体吐出装置の空吐出方法は、鉛直方向と交差する吐出方向にノズルから液体を吐出することで印刷を行う液体吐出ヘッドを備え、前記液体吐出ヘッドには、複数の前記ノズルが前記吐出方向と交差する交差方向に並んで構成されるノズル列が、水平方向に複数設けられており、複数の前記ノズル列はそれぞれ種類の異なる液体を吐出可能であり、前記吐出方向から見た場合に、複数の前記ノズル列は傾斜した状態で形成されている液体吐出装置の空吐出方法であって、複数の前記ノズル列の複数の前記ノズルから前記印刷に関係のない液体を吐出する空吐出を行うことと、複数の前記ノズル列のうち少なくとも最も上方に位置するノズル列よりも下方に位置するノズル列において、複数の前記ノズルの一部から前記印刷に関係のない液体を吐出する部分空吐出を行うことと、を含む。
この方法によれば、上方に位置するノズル列と、下方に位置するノズル列とで、空吐出による吐出量を、変えることができる。吐出方向から見た場合に、ノズル列は傾斜した状態で形成されているため、水平方向に複数設けられているノズル列において、上下方向の位置関係が存在する。より詳しくは、吐出方向から見た場合に、水平方向に設けられているノズル列が、傾斜した状態で形成されているため、重力により、上方にあるノズル列においてクリーニングで排出された液体が、下方にあるノズル列の液体と混入する虞がある。上方に位置するノズル列においては、クリーニングの排出で生じる混色を解消することができる量の空吐出が行われる。そして、下方に位置するノズル列においては、上方に位置するノズル列において排出された液体が重力により上方から流れてくることによって下方に位置するノズル列の液体と混入することで生じる混色を解消する量の空吐出が行われる。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズルの空吐出による吐出量と、液体の
混入の影響を受けにくいノズルの空吐出による吐出量とを、目的に合わせた量に、個別に調整することができる。すなわち、傾斜したノズル面を有する液体吐出ヘッドにおいて、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(E)上記液体吐出装置の空吐出方法において、複数の前記ノズル列のうち、前記下方に位置するノズル列の前記空吐出による吐出量は、該ノズル列よりも上方に位置するノズル列の前記空吐出による吐出量よりも多くてもよい。
この方法によれば、上方に位置するノズル列においては、クリーニングの排出で生じる混色を解消することができる量の空吐出が行われる。なお、空吐出は部分空吐出を含む。また、下方に位置するノズル列においては、上方に位置するノズル列と同じ量の空吐出による吐出量では、上方に位置するノズル列において排出された液体が重力により上方から流れてくることによって下方に位置するノズル列の液体と混入する虞がある。そのため、下方に位置するノズル列の空吐出による吐出量を、そのノズル列よりも上方に位置するノズル列の空吐出による吐出量よりも多くする。これにより、液体の混入の影響を受けやすいノズルの部分吐出量は多くし、液体の混入の影響を受けにくいノズルの空吐出による吐出量を少なくすることができる。すなわち、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(F)上記液体吐出装置の空吐出方法において、前記種類の異なる液体は、色の異なるカラーインクであってもよい。
この方法によれば、クリーニングの排出による混色の影響を受けやすいカラーインクにおいて、空吐出と部分空吐出を行うことで消費量を抑制しつつ、混色の影響を受けやすいカラーインクが使用される印刷物の画質への影響を抑制することができる。
(G)上記液体吐出装置の空吐出方法において、前記部分空吐出は、前記ノズル列を構成する複数の前記ノズルのうち少なくとも最も上方に位置するノズルを含んで連続して並ぶ複数のノズルで行なわれてもよい。
この方法によれば、部分空吐出は、ノズル列を構成する複数のノズルのうち上方に位置するノズルで行われる。重力の影響によって、上方に位置するノズルの水頭圧は、そのノズルよりも下方に位置するノズルの水頭圧よりも低くなる。そのため、上方に位置するノズルは、クリーニングの排出の過程でノズル面にある液体を吸い込み易い状態である。つまり、空吐出と部分空吐出を組み合わせることで、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
(H)上記液体吐出装置の空吐出方法において、前記部分空吐出は、ノズル列を構成する複数の前記ノズルのうち半数のノズルで行なわれてもよい。
この方法によれば、容易な制御方法によって、クリーニングの排出で生じる混色の影響を抑制できるとともに、空吐出においてトータルで消費される液体の量を低減することができる。
11…液体吐出装置、12…媒体、13…媒体収容部、14…スタッカー、15…操作部、16…画像読取部、17…自動給送部、19…制御部、20…印刷部、21…液体吐出ヘッド、21a…単位ヘッド、21b…単位ノズル列、23…ノズルプレート、24…ノズル、24a…第1ノズル、24aa…最上方ノズル、24az…最下方ノズル、24b…第2ノズル、24ba…最上方ノズル、24bz…最下方ノズル、24c…第3ノズル、24d…第4ノズル、25…ノズル面、26…開口、30…搬送部、32…搬送ベルト、33…駆動ローラー、34…従動ローラー、40…キャップ、41…第1ノズル群、
42…第2ノズル群、43…第3ノズル群、44…第4ノズル群、CP…キャッピング位置、D1…吐出方向、EP…退避位置、FP…クリーニング位置、L1…第1ノズル列、L1a…シアンインク、L2…第2ノズル列、L2a…イエローインク、L3…第3ノズル列、L4…第4ノズル列、M1…近接方向、M2…退避方向、M3…キャッピング方向、PP…印刷位置、SP…待機位置、T1…搬送方向、X…幅方向、Y…奥行方向、Z…鉛直方向。

Claims (8)

  1. 鉛直方向と交差する吐出方向にノズルから液体を吐出することで印刷を行う液体吐出ヘッドを備え、前記液体吐出ヘッドには、複数の前記ノズルが前記吐出方向と交差する交差方向に並んで構成されるノズル列が、前記鉛直方向に複数設けられており、複数の前記ノズル列はそれぞれ種類の異なる液体を吐出可能な液体吐出装置の空吐出方法であって、
    複数の前記ノズル列の複数の前記ノズルから前記印刷に関係のない液体を吐出する空吐出を行うことと、
    複数の前記ノズル列のうち少なくとも最も上方に位置するノズル列よりも下方に位置するノズル列において、複数の前記ノズルの一部から前記印刷に関係のない液体を吐出する部分空吐出を行うことと、
    を含むことを特徴とする液体吐出装置の空吐出方法。
  2. 前記下方に位置するノズル列、および該ノズル列よりも上方に位置するノズル列、ともに前記部分空吐出を行い、
    前記下方に位置するノズル列の前記部分空吐出による吐出量は、前記上方に位置するノズル列の前記部分空吐出による吐出量よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置の空吐出方法。
  3. 前記液体吐出ヘッドには、前記ノズル列が、水平方向に複数設けられており、
    前記吐出方向から見た場合に、複数の前記ノズル列は傾斜した状態で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置の空吐出方法。
  4. 鉛直方向と交差する吐出方向にノズルから液体を吐出することで印刷を行う液体吐出ヘッドを備え、前記液体吐出ヘッドには、複数の前記ノズルが前記吐出方向と交差する交差方向に並んで構成されるノズル列が、水平方向に複数設けられており、複数の前記ノズル列はそれぞれ種類の異なる液体を吐出可能であり、前記吐出方向から見た場合に、複数の前記ノズル列は傾斜した状態で形成されている液体吐出装置の空吐出方法であって、
    複数の前記ノズル列の複数の前記ノズルから前記印刷に関係のない液体を吐出する空吐出を行うことと、
    複数の前記ノズル列のうち少なくとも最も上方に位置するノズル列よりも下方に位置するノズル列において、複数の前記ノズルの一部から前記印刷に関係のない液体を吐出する部分空吐出を行うことと、
    を含むことを特徴とする液体吐出装置の空吐出方法。
  5. 複数の前記ノズル列のうち、前記下方に位置するノズル列の前記空吐出による吐出量は、該ノズル列よりも上方に位置するノズル列の前記空吐出による吐出量よりも多いことを特徴とする請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の液体吐出装置の空吐出方法。
  6. 前記種類の異なる液体は、色の異なるカラーインクであることを特徴とする請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の液体吐出装置の空吐出方法。
  7. 前記部分空吐出は、前記ノズル列を構成する複数の前記ノズルのうち少なくとも最も上方に位置するノズルを含んで連続して並ぶ複数のノズルで行われることを特徴とする請求項1から請求項6のうち何れか一項に記載の液体吐出装置の空吐出方法。
  8. 前記部分空吐出は、前記ノズル列を構成する複数の前記ノズルのうち半数のノズルで行われることを特徴とする請求項1から請求項7のうち何れか一項に記載の液体吐出装置の空吐出方法。
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