JP2023113060A - 樹脂構造体 - Google Patents

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Ayumi Kurien
裕一朗 後藤
Yuichiro Goto
司 齊藤
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寿久 八木
Toshihisa Yagi
雄二 指田
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Abstract

【課題】外周壁を通じた排水性の向上と外周壁の強度の向上とを両立可能な樹脂構造体の提供すること。【解決手段】樹脂構造体1は、外周壁11を有する第1樹脂体10と、外周壁11の壁端部に取り付けられる第2樹脂体20とを備える。外周壁11は、複数の連結壁によって連結された内側壁41及び外側壁42を含む多層壁構造を有し、内側壁41及び外側壁42の層間に画成され且つ上方及び下方に開口端47a,47bを有する貫通孔47を有する。複数の連結壁は、上下方向に沿う第1連結壁43と、第1連結壁43に一端44aが繋がり且つ他端44bに近づくほど下方に向かうように傾斜する第2連結壁44と、第2連結壁44の他端44bに繋がり且つ上下方向に沿う第3連結壁45とを含み、第2連結壁44は、上方側の面44cが上方側の開口端47aに向かい合うように配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、内部空間を取り囲む外周壁を有する第1樹脂体と、その外周壁の壁端部に取り付けられる第2樹脂体と、を備える樹脂構造体に関する。
従来から、車両に搭載される電気接続箱(例えば、リレーボックス)等のように、複数の樹脂体を互いに組み付けて構成される樹脂構造体が提案されている。例えば、従来の電気接続箱の一つは、電子部品などを保持する樹脂製の本体ケースと、本体ケースの上部に組み付けられる樹脂製のアッパカバーと、を有している。この電気接続箱では、本体ケースの外周壁の壁端部に嵌め合わされるように、アッパカバーが取り付けられるようになっている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2004-064881号公報
ところで、上述したような電気接続箱では、被水時に本体ケースの外周壁の壁端部とアッパカバーとの間の隙間に水が溜まって電気接続箱の内部に水が侵入することを抑制するべく、電気接続箱の設置方向における上下方向に外周壁を貫通する排水孔(即ち、壁内を上下方向に貫通するように設けられる内部空間)を、外周壁に設ける場合がある。ここで、排水性を向上する観点からは、この排水孔の孔径が大きいことが好ましい。一方、排水孔の孔径が大きいと、外周壁の強度が低下する可能性がある。
本発明の目的の一つは、外周壁を通じた排水性の向上と外周壁の強度の向上とを両立可能な樹脂構造体の提供である。
前述した目的を達成するために、本発明に係る樹脂構造体は、以下を特徴としている。
内部空間を取り囲む外周壁を有する第1樹脂体と、前記外周壁の壁端部に取り付けられる第2樹脂体と、を備える、樹脂構造体であって、
前記外周壁は、
内側壁及び外側壁を含む多層壁構造を有し、前記内側壁と前記外側壁との層間を連結する複数の連結壁と、前記層間に画成されて当該樹脂構造体の設置姿勢における上下方向における上方及び下方に開口端を有する貫通孔と、を有し、
前記複数の前記連結壁は、
前記上下方向に沿って延びる第1連結壁と、前記第1連結壁に一端が繋がり且つ他端に近づくにつれて前記上下方向における下方に向かうように傾斜する第2連結壁と、前記第2連結壁の前記他端に繋がるとともに前記上下方向に沿って延びる第3連結壁と、を含み、
前記第2連結壁は、
前記上下方向における当該第2連結壁の上方側の面が、前記貫通孔の上方側の前記開口端に向かい合うように、配置される、
樹脂構造体であること。
本発明の樹脂構造体によれば、樹脂構造体を構成する第1樹脂体(例えば、本体ケース)の外周壁の壁端部に、第2樹脂体(例えば、アッパカバー)が取り付けられる。外周壁は、内側壁及び外側壁を含む多層壁構造を有する。内側壁と外側壁との層間には、外周壁を上下方向に貫く貫通孔が画成される。樹脂構造体の被水時、この貫通孔を通じた排水により、外周壁の壁端部に水が溜まることが抑制される。更に、内側壁と外側壁との層間は、第1連結壁、第2連結壁、及び、第3連結壁を含む複数の連結壁によって連結されている。第1連結壁に第2連結壁の一端が繋がり、第2連結壁の他端が第3連結壁に繋がることで、これら連結壁同士も互いに連結される。これにより、これら連結壁が互いに独立している場合に比べ、外周壁の強度(例えば、剛性)が向上する。加えて、第2連結壁の上方側の面が貫通孔の開口端に向かい合い、且つ、第2連結壁が第3連結壁に近づくにつれて下方に向かうように傾斜することで、貫通孔に入った水を、第2連結壁に沿って第3連結壁に向けて案内するとともに、第3連結壁に沿って貫通孔の下方に向けて案内することができる。よって、連結壁同士が互いに連結されても、外周壁を通じた排水性が損なわれ難い。したがって、本構成の樹脂構造体は、外周壁を通じた排水性の向上と外周壁の強度の向上とを両立可能である。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る樹脂構造体の斜視図である。 図2は、本体ケースとアッパカバーとロアカバーとが分離した状態にある図1に示す樹脂構造体の斜視図である。 図3は、図2のA部の拡大図である。 図4は、図3のB-B断面図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、図1に示す本発明の実施形態に係る樹脂構造体1について説明する。樹脂構造体1は、典型的には、車両のフレーム等に取り付けられ、リレー等の電子部品を収容するリレーボックス(電気接続箱)である。
図1及び図2に示すように、樹脂構造体1は、リレー等の電子部品(及び、その他の部品、図示省略)が収容されることになる本体ケース10と、本体ケース10の上端開口部を塞ぐように本体ケース10の上端部に組み付けられるアッパカバー20と、本体ケース10の下端開口部を塞ぐように本体ケース10の下端部に組み付けられるロアカバー30と、を含んで構成される箱状体である。本体ケース10、アッパカバー20及びロアカバー30の各々は、樹脂構造体である。本体ケース10は、本発明の「第1樹脂体」に対応し、アッパカバー20は、本発明の「第2樹脂体」に対応している。
以下、説明の便宜上、車両搭載姿勢において樹脂構造体1における車両の上下方向に対応する方向を「上下方向」と、本体ケース10の後述する周壁11の周方向を「周方向」と、周壁11の厚み方向を「内外方向」と、定義する。「上下方向」、「周方向」及び「内外方向」は、互いに直交している(図3を参照)。なお、図2に示すA部に対応する周方向位置には、後述する電線挿通孔3(図1参照)が設けられている。「内外方向」の「内」及び「外」はそれぞれ、箱状体である樹脂構造体1の内部側及び外部側に対応している。以下、樹脂構造体1を構成する各部材について順に説明する。
まず、本体ケース10について説明する。本体ケース10は、図2に示すように、上下方向に延びる略矩形筒状の周壁11を有する。周壁11にて画成された本体ケース10の内部空間には、リレー等の電子部品(及び、その他の部品)を収容するための複数の収容部12が設けられている。なお、図2に示すA部に対応する周方向位置(電線挿通孔3が設けられている周方向位置)における周壁11の構造については、後に詳述する。
周壁11の略矩形枠状の下端縁部の周方向の1箇所(図2に示すA部に対応する周方向位置)には、上方に突出する円弧状の形状を有して周壁11から外側へ突出する上側突出部13が設けられている。上側突出部13の下面側には、円弧状に上方に窪み且つ内外方向に延びる上側凹部14が形成されている。上側凹部14は、本体ケース10の内外を内外方向に連通している。本体ケース10とロアカバー30との組付完了状態(図1参照)にて、上側突出部13とロアカバー30の後述する下側突出部33とが互いに組み合わされることで、樹脂構造体1から外側へ突出する筒状部2が構成されることになる(図1参照)。筒状部2は、樹脂構造体1の内外を連通する電線挿通孔3を画成する(図1参照)。
周壁11の略矩形枠状の上端縁部の外面には、周方向の複数箇所(本例では、4箇所)にて、係合部15がそれぞれ設けられている。本体ケース10とアッパカバー20との組付完了状態(図1参照)にて、複数の係合部15は、アッパカバー20に設けられた後述する複数の被係合部23とそれぞれ係合することになる。
次いで、アッパカバー20について説明する。アッパカバー20は、図2に示すように、上下方向に延びる略矩形筒状の周壁21と、周壁21の上端開口部を塞ぐ略矩形平板状の天壁部22と、を一体に有する。周壁21の略矩形枠状の外面には、本体ケース10の複数の係合部15に対応して、周方向の複数箇所(本例では、4箇所)にて、被係合部23がそれぞれ設けられている。
次いで、ロアカバー30について説明する。ロアカバー30は、図2に示すように、上下方向に延びる略矩形筒状の周壁31と、周壁31の下端開口部を塞ぐ略矩形板状の底壁部32と、を一体に有する。周壁21の略矩形枠状の上端縁部には、本体ケース10の上側突出部13に対応して、周方向の1箇所にて、下方に突出する円弧状の形状を有して周壁31から外側へ突出する下側突出部33が設けられている。下側突出部33の上面側には、円弧状に下方に窪み且つ内外方向に延びる下側凹部34が形成されている。下側凹部34は、ロアカバー30の内外を内外方向に連通している。
周壁31の略矩形枠状の上端縁部の外面には、下側突出部33が設けられた箇所以外の周方向の複数箇所(本例では、7箇所)にて、係合部35がそれぞれ設けられている。本体ケース10とロアカバー30との組付完了状態(図1参照)にて、複数の係合部35は、複数の係合部35に対応して本体ケース10に設けられた複数の被係合部(図示省略)とそれぞれ係合することになる。以上、樹脂構造体1を構成する各部材について説明した。
次いで、本体ケース10とアッパカバー20との組み付け、並びに、本体ケース10とロアカバー30との組み付けについて説明する。これらの組み付けの順序は問わない。
本体ケース10とアッパカバー20とを組み付けるためには、まず、図2に示すように、本体ケース10がアッパカバー20の下方に位置するように、本体ケース10及びアッパカバー20を配置する。次いで、本体ケース10及びアッパカバー20を上下方向に近づけて、本体ケース10の周壁11の上端縁部と、アッパカバー20の周壁21の下端縁部とを嵌合させる。この嵌合は、周壁11の上端縁部が周壁21の下端縁部の内側に位置するように、且つ、複数の係合部15と複数の被係合部23とがそれぞれ係合するように、進行していく。
この嵌合が進行し、係合部15と被係合部23とが係合すると(図1参照)、本体ケース10とアッパカバー20との組み付けが完了する。本体ケース10とアッパカバー20との組付完了状態(図1参照)では、係合部15と被係合部23とが互いに係合していることで、本体ケース10とアッパカバー20との上下方向への分離が防止される。
本体ケース10とロアカバー30とを組み付けるためには、まず、図2に示すように、本体ケース10がロアカバー30の上方に位置するように、本体ケース10及びロアカバー30を配置する。次いで、本体ケース10及びロアカバー30を上下方向に近づけて、本体ケース10の周壁11の下端縁部と、ロアカバー30の周壁31の上端縁部とを嵌合させる。この嵌合は、周壁11の下端縁部が周壁31の上端縁部の外側に位置するように、複数の係合部35と本体ケース10の複数の被係合部がそれぞれ係合するように、且つ、上側突出部13と下側突出部33とが組み合わされるように、進行していく。
この嵌合が進行し、係合部35と本体ケース10の被係合部とが係合すると(図1参照)、本体ケース10とロアカバー30との組み付けが完了する。本体ケース10とロアカバー30との組付完了状態(図1参照)では、係合部35と本体ケース10の被係合部とが互いに係合していることで、本体ケース10とロアカバー30との上下方向への分離が防止される。更に、上側突出部13と下側突出部33とが上下方向に組み合わされることで、樹脂構造体1から外側へ突出する筒状部2が形成されている。筒状部2の内部には、上側突出部13の上側凹部14と下側突出部33の下側凹部34とが上下方向に組み合わされることで、樹脂構造体1の内外を連通する円筒状の電線挿通孔3が画成される。電線挿通孔3には、樹脂構造体1の収容部12(図2参照)に収容した各種の電子部品等と外部機器とを電気的に接続するための電線束W(図1参照)が挿通される。
次いで、図2に示すA部に対応する周方向位置(電線挿通孔3が設けられている周方向位置)における周壁11の構造について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4に示すように、図2に示すA部に対応する周方向位置における周壁11は、平板状の内側壁41と、内側壁41と間隔を空けて内側壁41の外側に位置する平板状の外側壁42と、を含む多層壁構造を有している。
内側壁41と外側壁42との層間を連結する複数の連結壁は、図4に示すように、第1連結壁43と、一対の第2連結壁44と、一対の第3連結壁45と、一対の第4連結壁46と、を含んでいる。
第1連結壁43は、上下方向に沿って延びている。第1連結壁43の上端の上下方向位置は、外側壁42の周方向に延びる上端縁の上下方向位置と一致している(図3参照)。第1連結壁43の下端は、電線挿通孔3(上側凹部14)の頂部(上端部)に繋がり、電線挿通孔3の内部に面している。
一対の第2連結壁44は、第1連結壁43の周方向両側に位置している。一対の第2連結壁44は、第1連結壁43における上端から所定長さだけ下側の位置に一端44aがそれぞれ繋がり且つ他端44bに近づくにつれて下方に向かうようにそれぞれ傾斜している。
一対の第3連結壁45は、一対の第2連結壁44の他端44bに上端がそれぞれ繋がると共に他端44bから下方に向けてそれぞれ延びている。一対の第3連結壁45の下端は、電線挿通孔3(上側凹部14)を画成する筒状部2(上側突出部13)を構成する壁の一部にそれぞれ繋がっている。
一対の第4連結壁46は、一対の第3連結壁45より周方向両外側(一対の第3連結壁45より第1連結壁43から周方向に遠ざかる側)に位置している。一対の第4連結壁46はそれぞれ、上下方向に沿って延びている。一対の第4連結壁46の上端の上下方向位置はそれぞれ、外側壁42の周方向に延びる上端縁の上下方向位置と一致している(図3参照)。一対の第4連結壁46の下端はそれぞれ、筒状部2(上側突出部13)を構成する壁から上方に離れて位置している。
内側壁41と外側壁42との層間には、図4に示すように、一対の貫通孔47が形成されている。一対の貫通孔47は、後述するように、樹脂構造体1の被水時における排水機能を発揮する。一対の貫通孔47の上端開口47aはそれぞれ、内側壁41、外側壁42、第1連結壁43及び第4連結壁46で画成された周方向に延びる矩形状の形状を有しており(図3も参照)、上方に向けて開口している。一対の貫通孔47の孔内面はそれぞれ、内側壁41、外側壁42、第1連結壁43、第2連結壁44、第3連結壁45、第4連結壁46及び筒状部2(上側突出部13)を構成する壁の一部で画成されている。一対の貫通孔47の孔内面の一部を構成する、一対の第2連結壁44の上方側の面44cは、それぞれ、対応する貫通孔47の上端開口47aに向かい合うように、配置されている(図4参照)。
一対の貫通孔47の下端開口47bはそれぞれ、内側壁41、外側壁42、第4連結壁46及び筒状部2(上側突出部13)を構成する壁の一部で画成されており、電線挿通孔3を避けるように、周方向外側(電線挿通孔3から周方向に遠ざかる側)に向けて開口している。このように、一対の貫通孔47はそれぞれ、全体として上下方向に延びると共に、電線挿通孔3を避けるように構成されている。
<作用・効果>
以下、電線挿通孔3が設けられている周方向位置における周壁11が上記の構造を有することによる作用・効果について述べる。
電線挿通孔3が設けられている周方向位置における周壁11は、内側壁41及び外側壁42を含む多層壁構造を有する。内側壁41と外側壁42との層間は、第1連結壁43、一対の第2連結壁44、一対の第3連結壁45及び一対の第4連結壁46を含む複数の連結壁によって連結されている。第1連結壁43に一対の第2連結壁44の一端44aがそれぞれ繋がり、一対の第2連結壁44の他端44bが一対の第3連結壁45にそれぞれ繋がることで、第1、第2、第3連結壁43,44,45同士も互いに連結されている。これにより、第1、第2、第3連結壁43,44,45が互いに独立している場合に比べ、周壁11の強度(例えば、剛性)が向上する。
内側壁41と外側壁42との層間には、周壁11を上下方向に貫く一対の貫通孔47が画成されている。樹脂構造体1の被水時において、電線挿通孔3が設けられている周方向位置における本体ケース10とアッパカバー20の間の隙間G(図1参照)に水が進入すると、隙間Gに進入した水は、一対の貫通孔47の上端開口47aを介して一対の貫通孔47に進入する。ここで、一対の第2連結壁44の上方側の面44cが貫通孔47の上端開口47aに向かい合い、且つ、一対の第2連結壁44が一対の第3連結壁45に近づくにつれて下方に向かうように傾斜することに起因して、一対の貫通孔47に進入した水は、図4に白矢印で示すように、一対の第2連結壁44に沿って一対の第3連結壁45に向けて案内され、一対の第3連結壁45に沿って一対の貫通孔47の下方に向けて案内されて、一対の貫通孔47の下端開口47bを介して樹脂構造体1の外部へと排出される。よって、第1、第2、第3連結壁43,44,45同士が互いに連結されても、周壁11を通じた排水性が損なわれ難い。このように、一対の貫通孔47を通じた排水により、本体ケース10とアッパカバー20の間の隙間G(図1参照)に水が溜まることが抑制される。以上、本実施形態に係る樹脂構造体1によれば、周壁11を通じた排水性の向上と周壁11の強度の向上とを両立可能である。
更に、一対の第2連結壁44の一端44aが第1連結壁43の上端より所定長さだけ下側の位置に繋がっているため、一対の第2連結壁44の一端44aは、一対の貫通孔47の上端開口47aよりも下方に(即ち、貫通孔47の孔内側に)位置する。これにより、例えば、一対の第2連結壁44の一端44aが一対の貫通孔47の上端開口47aに位置する場合に比べ、一対の貫通孔47の上端開口47aの開口面積を大きくすることができ、被水時において一対の貫通孔47に効率良く水を取り込むことができる。
更に、一対の貫通孔47は、電線挿通孔3を避けるように構成されている。これにより、例えば、電線挿通孔3を通して電線束Wが挿通される場合(図1参照)、一対の貫通孔47を通じて排水された水によって電線束Wが被水することが抑制される。よって、電線束Wを介して樹脂構造体1の内部空間に水が侵入することを抑制できる。
更に、第1連結壁43、一対の第2連結壁44及び一対の第3連結壁45が電線挿通孔3の上方の周壁11に配置されている。このため、電線挿通孔3の上方における周壁11の強度を向上させることができる。これにより、電線挿通孔3の周縁部に電線束Wから外力が及ぼされた場合であっても、周壁11の形状を適正に維持することができる。
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、一対の第2連結壁44の一端44aが第1連結壁43の上端より所定長さだけ下側の位置に繋がっている。これに対し、一対の第2連結壁44の一端44aが第1連結壁43の上端に繋がっていてもよい。
更に、上記実施形態では、第1連結壁43、一対の第2連結壁44及び一対の第3連結壁45が、電線挿通孔3の上方の周壁11に配置されている。これに対し、第1連結壁43、一対の第2連結壁44及び一対の第3連結壁45が、電線挿通孔3の周方向位置とは異なる周方向位置の周壁11に配置されていてもよい。
ここで、上述した本発明に係る樹脂構造体1の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
内部空間を取り囲む外周壁(11)を有する第1樹脂体(10)と、前記外周壁(11)の壁端部に取り付けられる第2樹脂体(20)と、を備える、樹脂構造体(1)であって、
前記外周壁(11)は、
内側壁(41)及び外側壁(42)を含む多層壁構造を有し、前記内側壁(41)と前記外側壁(42)との層間を連結する複数の連結壁(43,44,45,46)と、前記層間に画成されて当該樹脂構造体(1)の設置姿勢における上下方向における上方及び下方に開口端(47a,47b)を有する貫通孔(47)と、を有し、
前記複数の前記連結壁は、
前記上下方向に沿って延びる第1連結壁(43)と、前記第1連結壁(43)に一端(44a)が繋がり且つ他端(44b)に近づくにつれて前記上下方向における下方に向かうように傾斜する第2連結壁(44)と、前記第2連結壁(44)の前記他端(44b)に繋がるとともに前記上下方向に沿って延びる第3連結壁(45)と、を含み、
前記第2連結壁(44)は、
前記上下方向における当該第2連結壁(44)の上方側の面(44c)が、前記貫通孔(47)の上方側の前記開口端(47a)に向かい合うように、配置される、
樹脂構造体(1)。
上記[1]の構成の樹脂構造体によれば、樹脂構造体を構成する第1樹脂体(例えば、本体ケース)の外周壁の壁端部に、第2樹脂体(例えば、アッパカバー)が取り付けられる。外周壁は、内側壁及び外側壁を含む多層壁構造を有する。内側壁と外側壁との層間には、外周壁を上下方向に貫く貫通孔が画成される。樹脂構造体の被水時、この貫通孔を通じた排水により、外周壁の壁端部に水が溜まることが抑制される。更に、内側壁と外側壁との層間は、第1連結壁、第2連結壁、及び、第3連結壁を含む複数の連結壁によって連結されている。第1連結壁に第2連結壁の一端が繋がり、第2連結壁の他端が第3連結壁に繋がることで、これら連結壁同士も互いに連結される。これにより、これら連結壁が互いに独立している場合に比べ、外周壁の強度(例えば、剛性)が向上する。加えて、第2連結壁の上方側の面が貫通孔の開口端に向かい合い、且つ、第2連結壁が第3連結壁に近づくにつれて下方に向かうように傾斜することで、貫通孔に入った水を、第2連結壁に沿って第3連結壁に向けて案内するとともに、第3連結壁に沿って貫通孔の下方に向けて案内することができる。よって、連結壁同士が互いに連結されても、外周壁を通じた排水性が損なわれ難い。したがって、本構成の樹脂構造体は、外周壁を通じた排水性の向上と外周壁の強度の向上とを両立可能である。
[2]
上記[1]に記載の樹脂構造体(1)において、
前記第2連結壁(44)の前記一端(44a)は、
前記貫通孔(47)の上方側の前記開口端(47a)よりも前記上下方向における下方に位置する、
樹脂構造体(1)。
上記[2]の構成の樹脂構造体によれば、第2連結壁の上方側の一端は、貫通孔の上方側の開口端よりも下方に(即ち、貫通孔の孔内側に)位置する。これにより、第2連結壁の一端が貫通孔の開口端に位置する場合に比べ、貫通孔の開口端での開口面積を大きくすることができ、被水時において貫通孔に効率良く水を取り込むことができる。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の樹脂構造体(1)であって、
前記第1樹脂体(10)の前記外周壁(11)の厚さ方向に前記内部空間の内外を連通するための連通口(3)を、更に有し、
前記貫通孔(47)は、前記連通口(3)を避けるように構成される、
樹脂構造体(1)。
上記[3]の構成の樹脂構造体によれば、外周壁の貫通孔は、外周壁の厚さ方向に第1樹脂体の内外を連通する連通口を避けるように、構成される。これにより、例えば、連通口を通して電線等を挿通する場合、外周壁を通じて排水された水によって電線等が被水することが抑制される。よって、電線等を介して内部空間に水が侵入することを抑制できる。
[4]
上記[3]に記載の樹脂構造体(1)において、
前記第1連結壁(43)の少なくとも一部及び前記第2連結壁(44)の少なくとも一部は、
前記連通口(3)の前記上下方向における上方に配置される、
樹脂構造体(1)。
上記[4]の構成の樹脂構造体によれば、連通口の上方における外周壁の強度を向上させることができる。これにより、連通口の周縁部に電線等から外力が及ぼされた場合であっても、外周壁の形状を適正に維持することができる。
1 樹脂構造体
3 電線挿通孔(連通口)
10 本体ケース(第1樹脂体)
11 周壁(外周壁)
20 アッパカバー(第2樹脂体)
41 内側壁
42 外側壁
43 第1連結壁
44 第2連結壁
44a 一端
44b 他端
44c 上方側の面
45 第3連結壁
47 貫通孔
47a 上端開口(上方側の開口端)
47b 下端開口(下方側の開口端)

Claims (4)

  1. 内部空間を取り囲む外周壁を有する第1樹脂体と、前記外周壁の壁端部に取り付けられる第2樹脂体と、を備える、樹脂構造体であって、
    前記外周壁は、
    内側壁及び外側壁を含む多層壁構造を有し、前記内側壁と前記外側壁との層間を連結する複数の連結壁と、前記層間に画成されて当該樹脂構造体の設置姿勢における上下方向における上方及び下方に開口端を有する貫通孔と、を有し、
    前記複数の前記連結壁は、
    前記上下方向に沿って延びる第1連結壁と、前記第1連結壁に一端が繋がり且つ他端に近づくにつれて前記上下方向における下方に向かうように傾斜する第2連結壁と、前記第2連結壁の前記他端に繋がるとともに前記上下方向に沿って延びる第3連結壁と、を含み、
    前記第2連結壁は、
    前記上下方向における当該第2連結壁の上方側の面が、前記貫通孔の上方側の前記開口端に向かい合うように、配置される、
    樹脂構造体。
  2. 請求項1に記載の樹脂構造体において、
    前記第2連結壁の前記一端は、
    前記貫通孔の上方側の前記開口端よりも前記上下方向における下方に位置する、
    樹脂構造体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の樹脂構造体であって、
    前記第1樹脂体の前記外周壁の厚さ方向に前記内部空間の内外を連通するための連通口を、更に有し、
    前記貫通孔は、前記連通口を避けるように構成される、
    樹脂構造体。
  4. 請求項3に記載の樹脂構造体において、
    前記第1連結壁の少なくとも一部及び前記第2連結壁の少なくとも一部は、
    前記連通口の前記上下方向における上方に配置される、
    樹脂構造体。
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