JP2023111584A - ペーパータオルロール - Google Patents

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祐樹 藤田
Yuki Fujita
光 佐藤
Hikari Sato
康伸 大岡
Yasunobu Ooka
幸治 大篭
Koji Okago
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Abstract

【課題】テール部におけるグルー塗布量が一定の範囲である2プライで嵩が高くかつ吸水性の高いペーパータオルロールにおいて、製造時のテールシールの剥がれ難さと使用時のペーパータオルの剥がし易さ及び水濡れ時の粘着感の少なさとを両立し、かつ持ち易さを確保する。【解決手段】本開示は、エンボスパターンが付与されたペーパータオルシート1xを2プライに積層してロール状に巻取り、ロール巻き方向Rの巻終わり側にロール幅方向に沿ってグルー2を塗布して接着処理した吸水量が230g/m2以上600g/m2以下のペーパータオルロール1であって、ペーパータオルシート1xの2プライの坪量が30g/m2以上54g/m2以下であり、ロール密度が0.04g/cm3以上0.15g/cm3以下であり、グルー2の塗布幅L2が2mm以上30mm以下であり、巻直径DRが110mm以上189mm以下である。【選択図】図2

Description

本開示は、ペーパータオルロールに関する。
ペーパータオルには、キッチン周りの油汚れ掃除、水拭き、食品の水切り等、様々な用途がある。そこで、ペーパータオルには、水および油に対する優れた吸収性、掃除用途に使用した際にも簡単に破れず継続使用に耐える強度が求められている。
例えば、特許文献1には、2プライのキッチンペーパーをロール状に巻いたキッチンペーパーロールの製造方法であって、帯状の2プライのキッチンペーパー原反をロール状に巻きとり、その巻き終わり部分であるテールをロール状にされた巻き取り部分に接着するテールシールを行う際に、テールをロール状とされた巻き取り部分に接着するための接着糊として、セルロース系、澱粉系、アクリル樹脂系又はこれらを混合した水溶性接着剤であって、30℃における粘度が5~200mPa・sである第1接着剤と、ポリエチレンオキシド系、ポリエチレングリコール系又はこれらを混合した水溶性接着剤であって、30℃における粘度が2000~3000mPa・sである第2接着剤と、を用いることを特徴とするキッチンペーパーロールの製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、2プライのキッチンペーパーをロール状に巻いたキッチンペーパーロールの製造方法であって、帯状の2プライのキッチンペーパー原反をロール状に巻きとり、その巻き終わり部分であるテールをロール状にされた巻き取り部分に接着するテールシールを行う際に、テールをロール状とされた巻き取り部分に接着するための接着糊として、セルロース系、澱粉系、アクリル樹脂系又はこれらを混合したものであって、30℃における粘度が5~200mPa・sである水溶性接着剤に対して、30℃における粘度が10000~20000mPa・sのポリビニルアルコール系水溶性接着剤を混合した第1接着剤と、ポリエチレンオキシド系、ポリエチレングリコール系又はこれらを混合した水溶性の接着剤であって、30℃における粘度が2000~3000mPa・sである第2接着剤と、を用いることを特徴とするキッチンペーパーロールの製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、テール部又は巻き始め部の少なくとも一部に、シール糊が塗布されたシール部が形成された、ペーパーロール体であって、シール糊は、セルロースナノファイバーを含有し、シール部が形成されたテール部又は巻き始め部の、テンシロン万能試験機による180度剥離試験で求めた乾燥剥離強度が、60~300cNであるペーパーロール体が開示されている。
特許第6077795号公報 特許第6077796号公報 特開2021-87615号公報
ところで、抄紙由来の凹凸を有し、嵩高で吸水性に優れたペーパータオルでは、一般的なペーパータオルとは異なり、ペーパータオルロールのテールシール(巻終わりの接着)に用いるグルー(糊)の塗布量及びその組成を自由に調整することが難しい。
例えば、一般的なペーパータオルは、グルーの塗布量を少なくすることが好ましいが、吸水性に優れたペーパータオルの場合、グルーの塗布量が少なすぎると、ペーパータオルのシートがグルーを吸収するためテール部で接着し難くなり、ペーパータオルロールのログソーでのカット時やフィルム包装時にテールシールが剥がれ易くなり、逆にグルーの塗布量が多すぎると、ペーパータオルの使用時に水に濡らした際にグルーが溶け出し、粘着感を覚え、使い易さに劣る。
また、グルーの塗布面積(塗布幅)が小さすぎると、テールシールが剥がれ易くなり、逆に塗布面積が大きすぎると、ペーパータオルの使用時に剥がし難く、水濡れ時の使い易さに劣る。
また、一般的なペーパータオルでは、坪量が高すぎると、シートがグルーを吸収して、テールシールが剥がれ易くなり、また、逆にグルーがシートに吸収されるのを防ぐために坪量を低くすると、吸水性に劣る。そのため、嵩高で吸水性に優れたペーパータオルでは、その傾向がより顕著となる。
更に、ペーパータオルロールのテール部が長すぎると、巻取後にロールを寝かせた際にテール部の巻き外側への荷重が大きくなるため、テールシールが剥がれ易くなり、逆にテール部が短かすぎると、ペーパータオルの使用時に剥がし難く、使い易さに劣る。
以上のことから、従来の高坪量かつ吸水性に優れるペーパータオルでは、グルーの塗布量、テールの長さ、製造時のテールシールの剥がれ難さ、使用時のペーパータオルの剥がし易さを両立することが困難であった。
そこで、本開示は、テール部におけるグルー塗布量が一定の範囲である2プライで嵩が高くかつ吸水性の高いペーパータオルロールにおいて、製造時のテールシールの剥がれ難さと使用時のペーパータオルの剥がし易さ及び水濡れ時の粘着感の少なさとを両立することができ、かつ持ち易さを確保することが可能なペーパータオルロールの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、エンボスパターンが付与されたペーパータオルシートを2プライに積層してロール状に巻取り、ロール巻き方向の巻終わり側にロール幅方向に沿ってテールシールグルーを塗布して接着処理した吸水量が230g/m以上600g/m以下のペーパータオルロールであって、前記ペーパータオルシートの2プライの坪量は、30g/m以上54g/m以下であり、前記ペーパータオルロールのロール密度は、0.04g/cm以上0.15g/cm以下であり、前記テールシールグルーの塗布幅は、2mm以上30mm以下であり、前記ペーパータオルロールの巻直径は、110mm以上189mm以下である。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のペーパータオルロールであって、1ロールあたりの前記テールシールグルーの塗布量は、0.01g以上0.5g以下である。
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様のペーパータオルロールであって、前記ペーパータオルシートの比容積は、7cm/g以上22cm/g以下である。
本発明の第4の態様は、上記第1の態様から上記第3の態様のいずれかのペーパータオルロールであって、前記テールシールグルーの塗布箇所よりもロール巻き方向の巻終わり側の前記ペーパータオルシートの長さは、4mm以上45mm以下である。
本発明の第5の態様は、上記第1の態様から上記第4の態様のいずれかのペーパータオルロールであって、前記ペーパータオルシートの紙厚は、1.3mm/10ply以上5.0mm/10ply以下である。
本発明の第6の態様は、上記第1の態様から上記第5の態様のいずれかのペーパータオルロールであって、前記グルーによる前記ペーパータオルシートの接着部分の剥離強度は、0.3N/76mm以上6.0N/76mm以下である。
本発明の第7の態様は、上記第1の態様から上記第6の態様のいずれかのペーパータオルロールであって、前記ペーパータオルシートのMD方向の曲げこわさは、5μN・m以上100μN・m以下である。
本発明の第8の態様は、上記第1の態様から上記第7の態様のいずれかのペーパータオルロールであって、前記エンボスパターンにおけるエンボスの深さは、0.06mm以上1.05mm以下である。
本発明の第9の態様は、上記第1の態様から上記第8の態様のいずれかのペーパータオルロールであって、前記ペーパータオルシートのJIS P 8113に基づく乾燥時のMD方向の引張強さDMDTは、4.5N/25mm以上21.0N/25mm以下であり、前記ペーパータオルシートのJIS P 8113に基づく乾燥時のCD方向の引張強さDCDTは、4.5N/25mm以上21.0N/25mm以下である。
本発明の第10の態様は、上記第1の態様から上記第9の態様のいずれかのペーパータオルロールであって、前記ペーパータオルシートの2プライ間の吸水量は、100g/m以上300g/m以下である。
本発明の第11の態様は、上記第1の態様から上記第10の態様のいずれかのペーパータオルロールであって、前記ペーパータオルシートは、前記エンボスパターンとは異なる抄紙工程由来の凹凸のパターンを有している。
本開示によれば、テール部におけるグルー塗布量が一定の範囲である2プライで嵩が高くかつ吸水性の高いペーパータオルロールにおいて、製造時のテールシールの剥がれ難さと使用時のペーパータオルの剥がし易さ及び水濡れ時の粘着感の少なさとを両立することができ、かつ持ち易さを確保することができる。
本発明の一実施形態に係るペーパータオルロールの斜視図である。 図1のペーパータオルロールのテールシールを剥がして端部を引き出した状態を示す斜視図である。 本発明のペーパータオルロールにおけるエンボスパターンの一例を示す図である。 マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルを濃淡で示す図である。 マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルをグラフで示す図である。 エンボスパターンについて、エンボスの深さの求め方を示す図である。 非エンボス部の、マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルを濃淡で示す図である。 本発明のペーパータオルロールの吸水量の測定方法を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、以下の実施形態は例示の目的で提示するものであり、本発明は、以下に示す実施形態に、何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るペーパータオルロール1の斜視図である。図2は、図1のペーパータオルロール1のテールシール3を剥がして端部を引き出した状態を示す斜視図である。なお、図2に示すように、ペーパータオルシート1xの表面のうち、ロール外側に指向した表面を表面1a(ペーパータオルシート1xの表面)と称し、ロール中心部に指向した表面を裏面1b(ペーパータオルシート1xの裏面)と称する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るペーパータオルロール1は、エンボスパターンが付与されたペーパータオルシート1xを2プライに積層してロール状に巻取り、ロール巻き方向Rの巻終わり側にロール幅方向W(ロール軸方向)に沿ってグルー2(以下、「テールシールグルー2」という。)を塗布して接着処理した吸水量が230g/m以上600g/m以下のペーパータオルロール1である。なお、ペーパータオルシート1xは、ロール巻き方向Rの等間隔において、ロール幅方向Wにミシン目を施されていることが好ましい。
ペーパータオルロール1としては、例えば、家庭のキッチンや飲食店の厨房等において水分又は油分のふき取りや汚れ落とし等に使用されるキッチンペーパー(ペーパータオル、クッキングペーパー等と称される場合もある。)のロール体(キッチンペーパーロール)、その他衛生紙のロール体等が挙げられる。これらはいずれも、ロール体の製造時に、ロール巻き方向Rの巻終わり部分(すなわち、ロール巻き方向Rにおける最外周の端縁1c又はその近傍)の内側に、ロール幅方向Wに沿ってテールシールグルー2を塗布することでテールシール3を形成する。
(テールシール)
ペーパータオルロール1のテールシール3は、ペーパータオルロール1のロール巻き方向Rの巻終わり部分の捲れを防止するために、巻終わり部分のペーパータオルシート1xの裏面1bを径方向内側のペーパータオルシート1xの表面1aに接着する。テールシール3は、ペーパータオルロール1のロール巻き方向Rの巻終わり部分にテールシールグルー2をロール幅方向Wに沿って塗布することにより形成される。例えば、テールシール3は、テールシールグルー2をペーパータオルシート1xの表面1a又は裏面1bに塗布して形成することができる。このとき、テールシールグルー2を、ペーパータオルロール1の巻終わり部分に対向する径方向内側のペーパータオルシート1xの表面1aに塗布して、ペーパータオルロール1の巻終わり部分を径方向内側のペーパータオルシート1xに接着させることができる。もしくは、テールシールグルー2を、ペーパータオルロール1の巻終わり部分のペーパータオルシート1xの裏面1bに塗布して、ペーパータオルロール1の巻終わり部分を径方向内側のペーパータオルシート1xに接着させることができるが、ペーパータオルシート1xの裏面1bに塗布することが好ましい。なお、本実施形態では、テールシールグルー2をロール幅方向Wに沿って直線状に連続して塗布したが、これに限定されるものではなく、例えば、テールシールグルー2をロール幅方向Wに所定距離で離間させて塗布してもよい。
(グルーの組成)
ペーパータオルロール1のロール巻方向Rの巻終わり部分を接着するグルー(テールシールグルー2)は、公知のものを用いることができるが、デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースからなる群より選ばれる1種類以上を用いることが好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。グルーを上記の組成とすることで、本願のような製造時にテールシールが剥がれ難く、使用時にテールシールが剥がし易いペーパータオルロール1とすることができる。
(グルーの塗布位置)
テールシールグルー2は、ペーパータオルロール1のロール巻き方向Rにおける最外周の端縁1cからロール巻き方向Rの基端側へ所定の長さL1だけ離間した位置(塗布位置)に塗布される。すなわち、ペーパータオルシート1xのうちテールシールグルー2(テールシール3)の塗布箇所よりもロール巻き方向Rの巻終わり側には、径方向内側のペーパータオルロール1に対して接着されない領域(テール部4)が設けられる。テールシールグルー2(テールシール3)の塗布箇所よりもロール巻き方向Rの巻終わり側のペーパータオルシート1xのテール部4の長さL1(上記所定の長さL1)は、4mm以上45mm以下であることが好ましく、8mm以上35mm以下であることがより好ましく、12mm以上28mm以下であることが更に好ましい。ペーパータオルシート1xのテール部4の長さL1が4mm未満であると、ペーパータオルシート1xを使用する際にテールシール3を剥がし難くなり、使い易さに劣る。また、ペーパータオルシート1xのテール部4の長さL1が45mmを超えると、ペーパータオルロール1から剥離しているテール部4が長くなるので、ペーパータオルロール1を製造する際のログソーでのカット時やフィルム包装時(以下、単に「ペーパータオルロール1の製造時」という。)に、テール部4の重さやテール部4への引っ掛かり等によって、テールシール3が剥がれ易くなる。なお、ペーパータオルシート1xのテール部4の長さL1は、ロール幅方向Wの中心部及びロール幅に対して両端部から10%の位置の合計3点について測定し、その平均値とする。
(グルーの塗布幅)
本実施形態に係るテールシールグルー2の塗布幅L2(テールシール3のロール巻き方向Rの長さ)は、接着強度と剥がし易さの両立の観点から、2mm以上30mm以下である。この塗布幅L2とは、テールシールグルー2のロール巻き方向Rにおける長さをいう。その際、長さはロール幅方向Wの中心部及びロール幅に対して両端部から10%の位置の合計3点について測定し、その平均値とする。テールシールグルー2の塗布幅L2が2mm未満であると、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。また、テールシールグルー2の塗布幅L2が30mmを超えると、ペーパータオルシート1xの使用時に水に濡らした際にテールシールグルー2が溶け出し、使い易さに劣る。なお、テールシールグルー2の塗布幅L2は、5mm以上20mm以下あることがより好ましく、7mm以上13mm以下であることが更に好ましい。
(グルーの塗布量)
テールシールグルー2の塗布量は、1ロールあたり0.01g以上0.5g以下であることが好ましく、0.03g以上0.4g以下であることがより好ましく、0.05g以上0.3g以下であることが更に好ましい。1ロールあたりのテールシールグルー2の塗布量が0.01g未満であると、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。また、1ロールあたりのテールシールグルー2の塗布量が0.5gを超えると、ペーパータオルシート1xの使用時に水に濡らした際にテールシールグルー2が溶け出し、使い易さに劣る。なお、1ロールあたりのテールシールグルー2の塗布量とは、1ロールあたり(1ロールの幅あたり)に使用されているグルー量のことをを意味する。
テールシールグルーの塗布量は以下の方法で測定する。まず、ペーパータオルロールのサンプルからテールシールグルーが塗布されている箇所を含むシート(ペーパータオルシート)を全て採取する。この時、外周のシート以外にも内巻のシートについても何周分か採取する。次にテールシールグルーが塗布されていない箇所のシートを上記で採取したシートと同じ枚数採取する。次にそれぞれの採取したシートの重量を測定し、次の計算式によって1ロールあたりのテールシールグルーの塗布量を算出する。
1ロールあたりのテールシールグルーの塗布量=(テールシールグルーが塗布された箇所のシートの総重量)-(テールシールグルーが塗布されていない箇所のシートの総重量)
(剥離強度)
テールシールグルー2によるペーパータオルシート1xの接着部分(テールシール3)の剥離強度は、0.3N/76mm以上6.0N/76mm以下であることが好ましく、0.5N/76mm以上4.0N/76mm以下であることがより好ましく、0.8N/76mm以上1.8N/76mm以下であることが更に好ましい。テールシール3の剥離強度が0.3N/76mm未満であると、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。また、テールシール3の剥離強度が6.0N/76mmを超えると、ペーパータオルシート1xを使用する際にテールシール3を剥がし難くなり、使い易さに劣る。
テールシール剥離強度の測定は、JIS P 8113の引張試験方法に準じて、引張試験機(STB-1225S、株式会社エー・アンド・デイ社製)を使用することができ、JIS P 8111に規定された標準条件下で行う。なお、テールシール剥離強度は、以下の方法で測定する。まず、ペーパータオルロールのサンプルから端部がテールシールグルーによって接着された幅方向76mm、ロール巻き方向R100mmの1組2プライのシート2組分の試験片を採取する。このとき、1組2プライのシート2組分の試験片それぞれについてテールシールグルーによって接着されていない箇所が連続して70mm以上となるようにする。ミシン目等によりテールシールグルーにより接着されていない箇所が連続して70mm採取できない場合は、ミシン目を含まない範囲で短くすることができる。その場合、後述するつかみ具のピッチも合わせて短くする。
次に、テールシールグルーにより接着されていない端部20mmをそれぞれ上下のつかみ具で挟み固定する。なお、つかみ具のピッチ(間隔)は100mmとする。次に、引張速度を100mm/minの条件で完全に剥離するまで引張り、その際の最大値を、テールシールの剥離強度(N/76mm)とする。
(巻長及び巻直径)
ペーパータオルロール1の巻長は、14m以上44m以下であることが好ましく、21m以上38m以下であることがより好ましく、25m以上33m以下であることが更に好ましい。巻長が14m未満であると、巻直径DRが小さくなり過ぎてしまい、曲率が大きくなり、ペーパータオルシート1xの反発が大きくなるので、テールシール3が剥がれ易くなる。また、巻長が44mを超えると、巻直径DRが大きくなり過ぎてしまい、ペーパータオルロール1を手で持ち難くなり、ロール製品としての使い易さに劣る。
巻長は、ペーパータオルロール1のミシン目とミシン目の間のペーパータオルシート1xについて、10シート分の長さを実測する。その後、ペーパータオルロール1のシート数を実測し、巻長は10シート分の長さとシート数から比例計算で求める。例えば、10シート分の長さが1.80m、シート数が150シートの場合、1.80m×(150/10)=27mとなる。なお、ペーパータオルロール1にミシン目がない場合は、巻長を実測する。
本実施形態に係るペーパータオルロール1の巻直径DRは、110mm以上189mm以下である。巻直径DRが110mm未満であると、曲率が大きくなり、ペーパータオルシート1xの反発が大きくなるので、テールシール3が剥がれ易くなる。また、巻直径DRが189mmを超えると、ペーパータオルロール1を手で持ち難くなり、ロール製品としての使い易さに劣る。なお、ペーパータオルロール1の巻直径DRは、130mm以上176mm以下あることがより好ましく、140mm以上163mm以下であることが更に好ましい。
ロールの巻直径DRは、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて実測する。測定は、10個のペーパータオルロール1を測定し、測定結果を平均する。
(シート長)
ミシン目とミシン目の間のシート長(ロール巻き方向Rのペーパータオルシート1xの長さ)は、87mm以上275mm以下が好ましく、131mm以上232mm以下がより好ましく、156mm以上207mm以下が更に好ましい。この範囲にすることで、本願のような吸水性が良好なペーパータオルロール1を使用する際、使用する面積が適正になり、吸水量を良好にすることができる。
(ロール幅及びロール質量)
ペーパータオルロール1のロール幅は、150mm以上380mm以下であることが好ましく、200mm以上340mm以下であることがより好ましく、250mm以上300mm以下であることが更に好ましい。この範囲にすることで、本願のような吸水性が良好で持ちやすさに優れるペーパータオルロール1を提供することができる。
また、ペーパータオルロール1のロール質量は160g以上550g以下であることが好ましく、230g以上450g以下であることがより好ましく、270g以上380g以下であることが更に好ましい。この範囲にすることで、本願のような吸水性が良好なペーパータオルロール1を使用する際、巻径が大きくなり過ぎずに持ち易いペーパータオルロール1とすることができる。
なお、ロール質量は、コア(紙管)を含まないロール幅280mmあたりの質量とする。ロール幅が280mmでない場合は、比例計算により280mmあたりの質量に換算する。
(ロール密度)
本実施形態に係るペーパータオルロール1のロール密度は、0.04g/cm以上0.15g/cm以下である。ペーパータオルロール1のロール密度が0.04g/cm未満であると、ペーパータオルロール1の巻取時の押さえが弱いため、テールシールグルー2の接着が弱くなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。また、ペーパータオルロール1のロール密度が0.15g/cmを超えると、吸水性に劣り、またペーパータオルロール1の巻取時の押さえが強いため、テールシールグルー2の接着が強くなり過ぎてしまい、ペーパータオルシート1xを使用する際にテールシール3を剥がし難くなる。
なお、ペーパータオルロール1のロール密度は0.05g/cm以上0.13g/cm以下であることがより好ましく、0.06g/cm以上0.08g/cm以下であることが更に好ましい。
ロール密度は、(ロール質量)÷(ロールの体積)で表される。ロール質量は、ロール幅280mmあたりのペーパータオルロール1の質量である。ロール体積は[{ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積}-(コア(紙管)外径DI部分の断面積)]×ロール幅(280mmあたりに換算する)で表される。例えば、ロール幅280mmあたりのロール質量(コアを除く)が382g、巻直径DRが150mm、コア外径DIが39mmの場合、ロール密度=382g÷[{3.14×(150mm÷2÷10)-3.14×(39mm÷2÷10)}×(280mm÷10)]=0.08g/cmとなる。なお、ペーパータオルロール1にコアが無い場合は、中心孔の直径をコア外径DIとする。
(巻密度)
本実施形態に係るペーパータオルロール1の巻密度は、0.21m/cm以上0.68m/cm以下である。ペーパータオルロール1の巻密度が0.21m/cm未満であると、ペーパータオルロール1の巻取時の押さえが弱いため、テールシールグルー2の接着が弱くなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。また、ペーパータオルロール1の巻密度が0.68m/cmを超えると、吸水性に劣り、またペーパータオルロール1の巻取時の押さえが強いため、テールシールグルー2の接着が強くなり過ぎてしまい、ペーパータオルシート1xを使用する際にテールシール3を剥がし難くなる。
なお、ペーパータオルロール1の巻密度は0.25m/cm以上0.54m/cm以下であることがより好ましく、0.28m/cm以上0.40m/cm以下であることが更に好ましい。
巻密度は、(巻長×プライ数)÷(ロールの断面積)で表される。ロールの断面積は、{ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積-(コア(紙管)外径DI部分の断面積)}で表される。例えば、巻長27m、2プライ、巻直径DR150mm、コア外径DI39mmの場合、巻密度=(27m×2)÷{3.14×(150mm÷2÷10)-3.14×(39mm÷2÷10)}=0.33m/cmとなる。ペーパータオルロール1にコアが無い場合は、中心孔の直径をコア外径DIとする。
(坪量)
本実施形態に係るペーパータオルシート1xの2プライの坪量は、30g/m以上54g/m以下である。2プライの坪量が30g/m未満であると、ペーパータオルシート1xの吸水量が低くなり、ロール製品としての使い易さに劣る。また、坪量が54g/mを超えると、ペーパータオルシート1xの吸水量が高くなり過ぎてしまい、テールシールグルー2を吸収してテールシール3の接着性に劣るので、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。坪量はJIS P 8124に基づいて測定することができる。なお、ペーパータオルシート1xの2プライの坪量は、34g/m以上50g/m以下であることがより好ましく、38g/m以上46g/m以下であることが更に好ましい。
また、ペーパータオルシート1xの1プライあたりの坪量は、表面1aも裏面1bもいずれも、14g/m以上28g/m以下であることが好ましく、16g/m以上26g/m以下であることがより好ましく、18g/m以上24g/m以下であることが更に好ましい。1プライあたりの坪量は、2プライの坪量を測定した後、プライを剥離し、表面1aと裏面1bの質量を測定して、その質量比から表面1aと裏面1bの坪量を算出する。
さらに、ペーパータオルシート1xにおいて、表面1aの坪量は、裏面1bの坪量より0.1g/m以上1g/m以下高い方が好ましい。テールシールグルー2は裏面1bに塗布することが好ましいため、表面1aの坪量を裏面1b高くすることで、テールシールグルー2がペーパータオルシート1xの裏面1bに吸収され過ぎることが少なくなり、本願のような吸水性に優れ、製造時にテールシール3が剥がれ難く、使用時にテールシール3が剥がし易いペーパータオルロール1とすることができる。なお、表面1aの坪量は、裏面1bの坪量より0.1g/m以上0.8g/m以下高い方がより好ましく、0.2g/m以上0.5g/m以下高い方が更に好ましい。
(紙厚)
ペーパータオルシート1xの紙厚は、1.3mm/10ply以上5.0mm/10ply以下であることが好ましく、2.0mm/10ply以上4.4mm/10ply以下であることがより好ましく、2.6mm/10ply以上3.8mm/10ply以下であることが更に好ましい。紙厚が1.3mm/10ply未満であると、ペーパータオルシート1xの吸水量に劣り、5mm/10plyを超えると、ペーパータオルシート1xの吸水量が高くなり過ぎてしまい、テールシールグルー2を吸収してテールシール3の接着性に劣るので、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。紙厚は、シックネスゲージ(株式会社尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定することができる。測定条件は、測定荷重37.85gf/cm、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。2プライに積層したペーパータオルシート1xを5組重ねて、10枚(10ply)分として測定を行う。また、測定を異なる箇所で10回繰り返して測定結果を平均する。
(エンボスパターン)
本発明のペーパータオルロール1(ペーパータオルシート1x)は、エンボス加工が施されてなるものであり、エンボスパターンを有している。また、本発明におけるペーパータオルシート1xは、シートにエンボス処理した後、積層して2プライにする。2プライ積層する際には、プライボンドグルー(糊)を用い、グルーを塗布して接着処理する。プライボンドグルーは、2プライのペーパータオルシート1xのうち表面1a側のシートのエンボス部の裏面側(2プライの表面1a側のシートと裏面1b側のシートとの間)に塗布し、両シートを積層することが好ましい。このように接着して2プライにすることにより、本願のように巻取時に紙をつぶすことなく、吸水性を良好に保ったペーパータオルロール1とすることができる。また、テールシールグルー2を適度に接着させることができる。
ペーパータオルシート1xの表面1aのプライには、エンボスパターンが施されている。エンボスパターンが表面1aに施されることで、本願のような吸水性に優れたペーパータオルロール1とすることができる。また、裏面1bはエンボスを設けてもよいが設けないことが好ましい。エンボスを設けないことで、テールシールグルー2を裏面1bに塗布する際に均一に塗布し易くなる。なお、エンボスパターンはドット状や線状等、ペーパータオルに一般的に施されるパターンであれば特に限定されないが、中でも線状のエンボスパターンであることが好ましい。線状のエンボスパターンとしては、具体的には図3に示すような、1つのパターンが、略丸型の略円形とその内部に他の柄を有する図形と、全体として上下及び左右に略線対称で、複数の曲線及び図形の組み合わせを含む図形の2種類の図形を2個ずつ含むパターンであれば、特に限定されない。略丸型の略円形については、略丸型が二重になっていることが好ましい。
また、エンボスパターンの寸法としては、エンボスパターンを囲む四角形E(Eはエンボスパターンではない)が、一辺2cm以上25cm以下四方の正方形であることが好ましく、一辺5cm以上20cm以下四方の正方形であることがより好ましく、一辺8cm以上15cm以下四方の正方形であることが更に好ましい。この四角形Eについて、縦方向はペーパータオルロール1のロール巻き方向Rに平行であり、横方向はペーパータオルロール1の幅方向に平行であることが好ましいが、傾いていても良い。このような柄を用いることで、本願のような吸水量が高いペーパータオルシート1xにおいて、吸水量を良好にできる。また、テールシールグルー2を適度に接着させることができる。
このとき、線状のエンボスパターンにおける、太さが0.1mm以上4mm以下で、かつ長さが5mm以上であるエンボスについて、エンボスの長さを足した時の総長が50cm/100cm以上550cm/100cm以下であることが好ましく、80cm/100cm以上410cm/100cm以下であることがより好ましく、110cm/100cm以上300cm/100cm以下であることが更に好ましい。
上記の総長は、図3のように1つのエンボスパターンをすべて含むようにした四角形Eの内側において、太さが0.1mm以上4mm以下で、かつ長さが5mm以上のエンボスについて、エンボス長さを足した時の合計を総長として測定し、100cm当たりの総長とする。この四角形Eの一辺の大きさは、エンボスパターンの大きさによって適宜変更できる。なお、エンボスパターンをすべて含むようにした四角形内に、四角形内に含まれるエンボスパターンに隣接するエンボスパターンが含まれる場合は、その隣接するエンボスパターンの長さも測定し、総長に含める。また、エンボスパターンによって、四角形Eの1辺の大きさを明確に決められない場合は、四角形Eの大きさを10×10cmとして、この四角形Eに含まれるエンボス長さの総長を測定する。総長を上記の範囲にすることで、本願のような吸水量が高いペーパータオルシート1xにおいて、吸水量を良好にできる。また、テールシールグルー2を適度に接着させることができる。総長は、上述した方法で実測して求める。なお、一般的な顕微鏡を用いて測定してもよい。
エンボスパターンにおいて、エンボスの深さは、0.06mm以上1.05mm以下であることが好ましく、0.10mm以上0.55mm以下であることがより好ましく、0.14mm以上0.35mm以下であることが更に好ましい。エンボスの深さが0.06mm未満であると、美粧性や吸水性が劣り、ロール製品としての使い易さに劣る。また、エンボスの深さが1.05mmを超えると、テールシールグルー2の接着面積が小さくなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。
エンボスの深さは、マイクロスコープを用いて測定する。マイクロスコープとしては、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ VR-3100」を使用することができる。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR-H1A」を使用することができる。又、測定条件は、倍率25倍、視野面積12mm×9mmの条件で測定する。測定倍率と視野面積は、求めるエンボスの大きさによって、適宜変更してもよい。
図4は、マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルを示し、ペーパータオルシート1x表面の高さが濃淡で表されている。図4の濃淡が周辺と異なる線状の部位が、個々のエンボスを示している。エンボスの深さは、上記のマイクロスコープを用いて上述のエンボスの高低差を測定して求める。なお、測定はペーパータオルシート1xの表面1a側で行う。また、測定時に、ペーパータオルロール1からペーパータオルシート1xを3周分取り除き、4周目のペーパータオルシート1xを用いて、2プライのシートの状態で測定する。また、ミシン目がある場合は、いずれも避けて測定する。
まず、図4のように線分ABを引き、図5の高さプロファイルを得る。なお、線分ABは、エンボスを横切るように引けばよい。また、線分ABは、ペーパータオルシート1xのロール幅方向W(CD方向)になるように引くが、エンボスとエンボスの間隔が例えば2mm以下と狭く、下記の凸部の高さが低くなってしまう場合は、線分を斜め方向に引いたり、ロール巻き方向Rに引いたりしてもよい。高さプロファイルは、実際のペーパータオルシート1xの試料表面の凹凸を表す(測定)断面曲線S1であるが、ノイズ(ペーパータオルシート1xの表面に繊維塊があったり、繊維がヒゲ状に伸びていたり、繊維のない部分に起因した急峻なピーク)をも含んでおり、凹凸の高低差の算出に当たっては、このようなノイズピークを除去する必要がある。
そこで、図5の(測定)断面曲線S1を重み平均ラジオボタンのフィルターのサイズを±12とし、スムージングした図6の断面曲線S2を得る。なお、重み平均ラジオボタンのフィルターを用いたスムージングは、上記の解析ソフトを使用すれば、自動で得られる。そして、図6に示すグラフにおいて、グラフの凸部H1と、凸部H1に隣接する凸部H2の縦軸のそれぞれの最大値の平均値を算出し、凸部H1と凸部H2とに挟まれる凹部D1における縦軸の最小値を求める。このようにして求められた最大値の平均値から最小値を差し引いた数値を暫定的なエンボスの深さとする。そして、図6に示すように、断面曲線上において連続する計2カ所(凹部D1と、凸部H3と凸部H4に挟まれる凹部D2の連続する計2カ所)について同様の測定を行う(この時点で2つの測定結果が得られる)。その後、ペーパータオルシート1xのロール巻き方向Rにペーパータオルロール1を90度ずつ3回に分けて回転させた各位置において上記同様の測定を行い(ロール巻き方向Rにおける測定位置は計4カ所となる)、合計8カ所(2×4)の平均値をエンボスの深さとして最終的に採用する。
なお、本発明のペーパータオルシート1xはエンボスパターンとは異なる抄紙工程由来の凹凸のパターンを有しているため、凹部を挟んでいる左右の凸部の高さにばらつきが見られる。そのため、凹部を挟む凸部と凸部(例えば、凹部D2を挟む凸部H3と凸部H4)の縦軸の値の差が0.2mm以上ある場合は、その部分を避けた箇所で測定を行う。
さらに、ペーパータオルシート1x全体の紙厚に対する、エンボスパターンにおけるエンボスの深さの比である、エンボスパターンにおけるエンボスの深さ/ペーパータオルシート1x全体の紙厚の比が、0.02以上0.4以下であることが好ましい。比が0.02未満であると、2プライに積層する際にプライ間の接着が弱くなってしわが入り易く、その結果テールシールグルー2を塗布する際に安定して塗布できずペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなり、ロール製品としての使い易さに劣る。比が0.4を超えると、テールシールグルー2の接着面積が小さくなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。なお、エンボスパターンにおけるエンボスの深さ/ペーパータオルシート1x全体の紙厚の比は、0.04以上0.35以下であることがより好ましく、0.08以上0.20以下であることが更に好ましい。
ペーパータオルシート1xの裏面1bのプライは、エンボスパターンとは異なる抄紙工程由来の凹凸のパターンを有していれば、エンボスのパターンが施されているかどうかに関しては特に制限はない。ネステッドエンボスやピントゥピンエンボスが施されているか、又はエンボスを施されていなくてもかまわないが、好ましくはネステッドエンボス又はエンボスなし、より好ましくはエンボスなしである。従来のペーパータオルは、ピントゥピンやネステッド形式で吸水量を確保しているが、本願のように、紙厚の高い原紙を用いた場合、先に述べたように、エンボスを設けることで紙がつぶれてしまい、吸水量が下がる場合がある。このため、表面1aは線状のエンボス、裏面1bはエンボスなしが好ましい。エンボスを設けないことでテールシールグルー2を均一に塗布できる。
このとき、ペーパータオルシート1xの、エンボスパターンが付与されていない部分(以下、非エンボス部とも称する)における表面粗さの二乗平均平方根高さSqは、35μm以上であることが好ましく、50μm以上150μm以下であることがより好ましく60μm以上120μm以下であることが更に好ましく、70μm以上90μm以下であることが特に好ましい。表面粗さの二乗平均平方根高さSqは、35μm未満の場合、吸収性に劣る。また、表面粗さの二乗平均平方根高さSqの上限は特に限定されないが、値が高くなりすぎると巻径が大きくなり過ぎて持ち易さに劣ったり、テールシールグルー2を均一にペーパータオルシート1xに塗布できない場合がある。
非エンボス部の表面粗さの二乗平均平方根高さSqは、マイクロスコープを用いて測定する。マイクロスコープとしては、上述のエンボスの深さと同様に、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ VR-3100」を使用することができる。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR-H1A」を使用することができる。また、測定条件は、倍率38倍、視野面積8mm×6mmの条件で測定する。測定倍率と視野面積は、求めるエンボスの大きさによって、適宜変更してもよい。
図7は、非エンボス部の、マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルを濃淡で示す図である。
図7に示す得られた画像について、上述のエンボスの深さと同様、フィルターを設定する。具体的には、S-フィルター(ローパスフィルター)を設定することで、カットオフ波長よりも小さいスケールの成分、L-フィルター(ハイパスフィルター)を設定することで、カットオフ波長よりも大きいスケールの成分を画像から取り除く。ここでは、S-フィルターは500μm、L-フィルターは8mmとする。S-フィルター及びL-フィルターを選択すれば、自動で二乗平均平方根高さSqが算出される。
非エンボス部は、エンボス深さと同様、ペーパータオルロール1からペーパータオルシート1xを3周分取り除き、4周目のペーパータオルシート1xを用いて、2プライのシートの状態で測定する。また、ミシン目がある場合は、いずれも避けて測定する。ペーパータオルロール1のロール幅方向Wで2カ所測定し、その後、ロール巻き方向Rにペーパータオルロール1を90度ずつ3回に分けて回転させた各位置において上記同様の測定を行い(ロール巻き方向Rにおける測定位置は計4カ所となる)、合計8カ所(2×4)の平均値を二乗平均平方根高さSqとして最終的に採用する。
(吸水量)
本発明において、ペーパータオルシート1xの2プライの1mあたりの吸水量(ペーパータオルシート1xの吸水量)は、230g/m以上600g/m以下である。2プライの1mあたりの吸水量が230g/m未満であると、ペーパータオルシート1xの吸水量に劣る。また、2プライの1mあたりの吸水量が600g/mを超えると、ペーパータオルシート1xがテールシールグルー2を吸収してしまい、テールシール3の接着性に劣り、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。なお、ペーパータオルシート1xの2プライの1mあたりの吸水量は、270g/m以上550g/m以下であることがより好ましく、330g/m以上480g/m以下であることがより好ましく、370g/m以上480g/m以下であることが更に好ましい。
また、ペーパータオルシート1xの2プライの1gあたりの吸水量は、6g/g以上であることが好ましい。1gあたりの吸水量が6g/g未満であると、ペーパータオルシート1xの吸水量に劣る。なお、1gあたりの吸水量は、7.0g/g以上14.0g/g以下であることがより好ましく、8.0g/g以上12.0g/g以下であることが更に好ましい。
さらに、ペーパータオルシート1xの2プライ間の1mあたりの吸水量(ペーパータオルシート1xの2プライ間の吸水量)は、100g/m以上300g/m以下であることが好ましく、130g/m以上280g/m以下であることがより好ましく、160g/m以上260g/m以下であることが更に好ましい。2プライ間の1mあたりの吸水量が100g/m未満であると、ペーパータオルシート1xの吸水量に劣る。また、2プライ間の1mあたりの吸水量が300g/mを超えると、吸水性が高くなり過ぎてしまい、ペーパータオルシート1xがテールシールグルー2を吸収してしまい、テールシール3の接着性に劣り、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。このとき、ペーパータオルシート1xの2プライ間の1mあたりの吸水量とは、2プライの1mあたりの吸水量(ペーパータオルシート1xの吸水量)から、後述する1プライ(表面1a)の1mあたりの吸水量及び1プライ(裏面1b)の1mあたりの吸水量を差し引いた値である。
なお、ペーパータオルシート1xの各吸水量は以下のように測定する。
まず、2プライに重ねられたペーパータオルシート1xを採取し、一片が7.6cm(3インチ)の正方形の型版を用いてカットし、一辺7.6cmの矩形の試験片を作製する。吸水前の試験片の質量を電子天秤で測定しておく。試験片をホルダー(試験片の3点を固定するジグで、ジグは水分を吸収しない金属からなる)にセットする。
次に、市販のバットに、蒸留水を深さ2cm入れ、ホルダーにセットした試験片を蒸留水中に2分間浸漬する。2分浸漬後に試験片をホルダーと共に蒸留水から取り出し、図8に示すように、試験片200の1つの隅部200dに帯210を貼り付ける。帯210は、測定するペーパータオル2プライと同じペーパータオルを1プライに剥離して、その紙製ペーパータオル1プライを3mm×長さ38mmの大きさに切り、試験片200の隅部200dから中心に向かって6mmの部分に貼り付ける。次に、ホルダーと試験片200を、隅部200dに対向する隅部200aが上になるようにして空の水槽内に設置した棒にぶら下げ、水槽の蓋を閉めて15分間、放置する。その後、ホルダー220と試験片200を水槽から取り出し、帯210とホルダー220を外し、電子天秤で試験片200の質量を測定する。蒸留水に浸す前後での試験片200の質量変化から、試験片200の1mあたりの蒸留水の吸水量(水g/シートm、単位面積当たり)を計算する。さらに、1mあたりの吸水量(水g/シートm)を試験片200の2プライの坪量で割ることにより、1mあたりの吸水量(水g/シートm)/坪量(シートg/シートm)=1gあたりの吸水量(水g/シートg、単位重量当たり)を算出する。測定は各サンプル5回ずつ行い、平均値を採用する。なお、1プライの吸水量は、2プライに重ねられたペーパータオルシート1xを7.6×7.6cm(3インチ)の正方形に切断して試料片を作製し、その後、プライを剥離して、これを1プライの吸水量測定用の試料片200とする。測定方法は、2プライと同様にする。
なお、本測定は、JIS P 8111法に従い、温度23±1℃、湿度50±2%の状態で行う。また、蒸留水は23±1℃に保持する。
なお、本発明において、ペーパータオルシート1xの1プライ(表面1a)の1mあたりの吸水量は50g/m以上165g/m以下であることが好ましく、60g/m以上150g/m以下であることがより好ましく、70g/m以上135g/m以下であることが更に好ましい。それに対して、ペーパータオルシート1xの1プライ(裏面1b)の1mあたりの吸水量は50g/m以上160g/m以下であることが好ましく、60g/m以上145g/m以下であることがより好ましく、70g/m以上130g/m以下であることが更に好ましい。
また、ペーパータオルシート1xの1プライ(表面1a)の1gあたりの吸水量は3.0g/g以上であることが好ましく、3.5g/g以上7.0g/g以下であることがより好ましく、4.0g/g以上6.0g/g以下であることが更に好ましい。それに対して、ペーパータオルシート1xの1プライ(裏面1b)の1gあたりの吸水量は3.1g/g以上であることが好ましく、3.6g/g以上7.1g/g以下であることがより好ましく、4.1g/g以上6.1g/g以下であることが更に好ましい。
(コア外径)
また、本発明のペーパータオルロール1の芯の外径である、コア外径DIは、25mm以上55mm以下であることが好ましく、30mm以上50mm以下であることがより好ましく、35mm以上45mm以下であることが更に好ましい。コア外径DIが上記の範囲のものであることにより、ペーパータオルロール1の巻径や巻密度を好適に維持しつつ、ロール製品の持ち易さを良好とすることができる。
コア外径は、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定した。測定は、10個のペーパータオルロール1を測定し、測定結果を平均した。
さらに、ロール幅280mmあたりのコア(紙管)の質量は、5g以上22g以下であることが好ましく、7g以上17g以下であることがより好ましく、9g以上13g以下であることが更に好ましい。
(比容積)
ペーパータオルシート1xの比容積は、7cm/g以上22cm/g以下であることが好ましい。ペーパータオルシート1xの比容積が7cm/g未満であると、ペーパータオルシート1xの吸水性が低くなり、ロール製品としての使い易さに劣る。また、ペーパータオルシート1xの比容積が22cm/gを超えると、ペーパータオルシート1xがテールシールグルー2を吸収してしまい、テールシール3の接着性に劣り、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。なお、ペーパータオルシート1xの比容積は、9cm/g以上20cm/g以下であることがより好ましく、12cm/g以上17cm/g以下であることが更に好ましい。比容積は、ペーパータオルシート1xの2プライあたりの紙厚を2プライあたりの坪量で割り、単位gあたりの容積cmで表す。
(DMDT及びDCDT)
ペーパータオルシート1xの2プライの、JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向(MD方向:ロール巻き方向R)の引張強さDMDT(Dry Machine Direction Tensile Strength)は、4.5N/25mm以上21.0N/25mm以下であることが好ましく、また、乾燥時の横方向(CD方向:ロール幅方向W)の引張強さDCDT(Dry Cross Direction Tensile Strength)が4.5N/25mm以上21.0N/25mm以下であることが好ましい。DMDT又はDCDTが4.5N/25mm未満であると、テールシール3を剥がす際にペーパータオルシート1xが破れ易くなる。DMDT又はDCDTが21.0N/25mmを超えると、ペーパータオルシート1xが硬くなり過ぎてしまい、ペーパータオルシート1xの反発が強くなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。
なお、DMDTは、6.0N/25mm以上17.0N/25mm以下であることがより好ましく、7.5N/25mm以上12.0N/25mm以下であることが更に好ましい。また、DCDTは6.0N/25mm以上17.0N/25mm以下であることがより好ましく、7.5N/25mm以上12.0N/25mm以下であることが更に好ましい。
また、DCDTに対するDMDTの比率(DMDT/DCDT)は0.9以上1.6以下であることが好ましく、1.0以上1.4以下であることがより好ましく、1.0以上1.2以下であることが更に好ましい。一般的なペーパータオルのDMDT/DCDTは2.0~4.0程度であるが、本願のような高吸収ペーパータオルでは、DMDT/DCDTを上記の範囲とすることでDCDT方向に破れ難くなり、使用時にテールシール3を剥がす際に破れずに剥がし易いペーパータオルロール1とすることができる。
(WMDT及びWCDT)
また、ペーパータオルシート1xの2プライの、旧JIS S 3104に基づく湿潤時の縦方向の引張強さWMDT(Wet Machine Direction Tensile Strength)が1.5N/25mm以上8.0N/25mm以下であることが好ましく、また、湿潤時の横方向の引張強さWCDT(Wet Cross Direction Tensile Strength)が1.5N/25mm以上8.0N/25mm以下であることが好ましい。WMDT又はWCDTが1.5N/25mm未満であると、本願のような吸水量が高いペーパータオルシート1xにおいて、いずれもペーパータオルシート1xがテールシール3を剥がす際に破れ易くなり、WMDT又はWCDTが8.0N/25mmを超えると、いずれもペーパータオルシート1xが硬くなり過ぎてしまい、ペーパータオルシート1xの反発が強くなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。
なお、WMDTは、2.0N/25mm以上6.0N/25mm以下であることがより好ましく、2.5N/25mm以上4.5N/25mm以下であることが更に好ましい。また、WCDTは2.0N/25mm以上6.0N/25mm以下であることがより好ましく、2.5N/25mm以上4.5N/25mm以下であることが更に好ましい。
また、WCDTに対するWMDTの比率(WMDT/WCDT)は0.9以上1.6以下であることが好ましく、1.0以上1.4以下であることがより好ましく、1.0以上1.2以下であることが更に好ましい。
(曲げこわさ)
ペーパータオルシート1xのMD方向の曲げこわさは、5μN・m以上100μN・m以下であることが好ましく、15μN・m以上90μN・m以下であることがより好ましく、25μN・m以上75μN・m以下であることが更に好ましい。ペーパータオルシート1xのMD方向の曲げこわさが5μN・m未満であると、ペーパータオルシート1xの坪量や強度が低くなり、使い易さに劣る。また、ペーパータオルシート1xのMD方向の曲げこわさが100μN・mを超えると、ペーパータオルシート1xが硬くなり過ぎてしまい、ペーパータオルシート1xの反発が強くなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。
ペーパータオルシート1xのMD方向の曲げこわさは、ISO2493に記載された方法に準拠し、L&Wベンディングテスター(Lorentzen&Wettre社製)を用いて測定することができる。幅38mm(CD方向)、長さ100mm(MD方向)のペーパータオルシート1xの試験片について、曲げ角度を15度、曲げ長(試料台のスパン)を10mmとしたときの測定値を曲げ抵抗(荷重)とし、次の算出式によって曲げこわさ(μN・m)を求めた。
曲げこわさ(μN・m)=60×曲げ抵抗(mN)×曲げ長10(mm)÷(π×曲げ角度15(度)×サンプル幅38(mm))
なお、長さ100mmの試験片を採取できない場合は、試験片の長さを短くすることができる。
(プライ剥離強度)
ペーパータオルシート1xのプライ剥離強度は、0.04N/76mm以上2.1N/76mm以下であることが好ましい。プライ剥離強度が上記の範囲のものであることにより、本願のような吸水性に優れたペーパータオルロール1とすることができる。
なお、ペーパータオルシート1xのプライ剥離強度は、0.10N/76mm以上1.2N/76mm以下であることがより好ましく、0.15N/76mm以上0.6N/76mm以下であることが更に好ましい。
プライ剥離強度の測定方法は、JIS P 8113の引張試験方法に準じて、引張試験機(STB-1225S、株式会社エー・アンド・デイ社製)を使用することができ、JIS P 8111に規定された標準条件下で行う。まず、ペーパータオルロール1のサンプルから幅方向76mm、ロール巻き方向R200mmの試験片を採取する。次に、ロール巻き方向Rにプライを35mm剥離する。剥離したプライの片側を上側のつかみ具(幅76mm)にロール巻き方向Rで15mm挟んで固定する。また、もう一方のプライも下側のつかみ具(幅76mm)にロール巻き方向Rで15mm挟んで固定する。なお、つかみ具のピッチ(間隔)は20mmとする。次に、引張速度を100mm/minの条件で引張り(剥離し)、強度データを採取する。データは20μmおきに取得し、測定開始後の距離40mmから150mmまで(測定長110mm)のデータを平均して、これを剥離強度(N/76mm)とする。ただし、測定開始後の距離40mmから150mmまでにミシン目を含んでしまう場合は、測定開始後の距離を40mmから例えば90mm(測定長50mm)のように、ミシン目を含まない範囲で短くすることができる。
(ペーパータオルシート及びペーパータオルロールの製造方法)
ペーパータオルシート1x及びペーパータオルロール1は、例えば(1)抄紙及びクレーピング、(2)エンボス処理、(3)ロール巻取り加工、(4)テールシールグルー塗布の順で製造することができる。製造(抄紙)工程においては、スルーエアードライヤー技術を用いることが好ましい。このとき、抄紙工程において、上述のエンボスパターンとは異なる抄紙工程(ファブリック)由来の凹凸のパターンがペーパータオルシート1xに施される。この凹凸のパターンを有することにより、ペーパータオルシート1xの吸水量が更に高くなる。なお、抄紙工程由来とは、ペーパータオルシート1xの抄紙工程において、抄紙機のヘッドボックスからヤンキードライヤーの入口までの間に付与されることを意味し、特にスルーエアードライヤー部でシートがファブリックと共に乾燥されることで、凹凸が形成される。
また、凹凸のパターンは、ファブリックのパターン(細かいパターン、荒いパターン)を変更することで、適宜変更することができる。凹凸のパターンを変更すると比容積(紙厚)が変わるが、原紙の比容積(紙厚)が後述する数値範囲内になるようなパターンを選定することが好ましい。また、ペーパータオルシート1xの非エンボス部の表面粗さの二乗平均平方根高さSqが上述した数値範囲内になるようなパターンを選定することが好ましい。
このスルーエアードライヤーを用いて抄紙された原紙を用いる場合、エンボスパターンを施すためのエンボスロールにおける凸部の面積率が4%以上40%以下であることが好ましい。面積率が4%未満であると、本願のような吸水性が良好なペーパータオルシート1xの場合、吸水性が高くなりすぎてしまい、テールシールグルー2を吸収してテールシール3の接着性に劣る。面積率が40%を超えると、ペーパータオルシート1xの紙が潰れて、吸水量に劣る。
なお、凸部の面積率は6%以上30%以下であることがより好ましく、8%以上18%以下であることが更に好ましい。また、凸部及びエンボス単体の形状は、円形、楕円形、長方形、正方形、花柄、ロゴ、文字等、特に制限なく用いることができるが、上述したように線状のエンボスが好ましい。このエンボスは、上述したようにペーパータオルシート1xの表面1aのみに設けることが好ましい。
このとき、ペーパータオルシート1xの製造に用いる原紙の2プライの坪量(1プライの坪量を2倍したもの)は、31g/m以上58g/m以下であることが好ましく、35g/m以上54g/m以下であることがより好ましく、39g/m以上50g/m以下であることが更に好ましい。また、紙厚は1.4mm/10ply以上5.4mm/10ply以下であることが好ましく、2.1mm/10ply以上4.8mm/10ply以下であることがより好ましく、2.7mm/10ply以上4.2mm/10ply以下であることが更に好ましい。さらに、比容積は7cm/g以上22cm/g以下であることが好ましく、9cm/g以上20cm/g以下であることがより好ましく、12cm/g以上17cm/g以下であることが更に好ましい。
なお、ペーパータオルシート1xの原紙の紙厚に対する、エンボスパターンにおけるエンボスの深さの比である、エンボスパターンにおけるエンボスの深さ/ペーパータオルシート1xの原紙の紙厚の比は、0.01以上0.38以下であることが好ましく、0.03以上0.33以下であることがより好ましく、0.07以上0.18以下であることが更に好ましい。比が0.01未満であると、2プライに積層する際にプライ間の接着が弱くなってしわが入り易く、その結果テールシールグルー2を塗布する際に安定して塗布できずペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなり、ロール製品としての使い易さに劣る。比が0.38を超えると、テールシールグルー2の接着面積が小さくなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール3が剥がれ易くなる。
また、ペーパータオルシート1xの比容積と原紙の比容積の差(ペーパータオルシート1xの比容積-原紙の比容積の差)は、吸水性を良好にするため、-3cm/g以上2cm/g以下が好ましく、-2cm/g以上1cm/g以下がより好ましく、-1cm/g以上0.5cm/g以下が更に好ましく、-0.5cm/g以上0cm/g以下が特に好ましい。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
(1)抄紙及びクレーピング、(2)エンボス処理、(3)ロール巻取り加工、(4)テールシールグルー塗布の工程を経て、実施例1から実施例23、比較例1から比較例10のペーパータオルシート及びペーパータオルロールを製造した。そして、全ての実施例、及び比較例のペーパータオルロールに関して上述の各パラメーターを測定し、かつ、評価を行った。なお、エンボスは全てペーパータオルシートの表側のみに設けた。
製造したペーパータオルシート及びペーパータオルロールについて、以下の5つの項目(製造時のテールシールの剥がれ難さ、使用時のテールシールの剥がし易さ、吸水性、持ち易さ、水濡れ時の粘着感)の評価を行った。
「製造時のテールシールの剥がれ難さ」は、製造後のペーパータオルロール30個について、テールシールが剥がれていたロールの個数を計測し、5段階にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎ :テールシールが一部もしくは全て剥がれているロールが0~1個
○ :テールシールが一部もしくは全て剥がれているロールが2~4個
△ :テールシールが一部もしくは全て剥がれているロールが5~7個
× :テールシールが一部もしくは全て剥がれているロールが8~14個
××:テールシールが一部もしくは全て剥がれているロールが15個以上
「使用時のテールシールの剥がし易さ」は、ペーパータオルロールのテールシールを剥がした際の剥がし易さを、30人のモニターによって官能評価し、「剥がし難い」もしくは「剥がせない」と感じた人数によって5段階にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎ :「剥がし難い」もしくは「剥がせない」と感じた人数が、0~1人
○ :「剥がし難い」もしくは「剥がせない」と感じた人数が、2~4人
△ :「剥がし難い」もしくは「剥がせない」と感じた人数が、5~7人
× :「剥がし難い」もしくは「剥がせない」と感じた人数が、8~14人
××:「剥がし難い」もしくは「剥がせない」と感じた人数が、15人以上
「吸水性」は、単位面積当たりの吸水量を実測して、4段階にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎ :330g/m以上のとき
○ :270g/m以上330g/m未満のとき
△ :230g/m以上270g/m未満のとき
× :230g/m未満のとき
「持ち易さ」は、製造したペーパータオルロールを持った際の持ち易さを、30人のモニターによって官能評価し、「持ち難い」と感じた人数によって4段階にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎ :「持ち難い」と感じた人数が、0~3人
○ :「持ち難い」と感じた人数が、4~6人
△ :「持ち難い」と感じた人数が、7~10人
× :「持ち難い」と感じた人数が、11人以上
「水濡れ時の粘着感」は、ペーパータオルシートを水で濡らして使用した際の粘着感を、30人のモニターよって官能評価し、「粘着感がある」と感じた人数によって4段階にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎ :「粘着感がある」と感じた人数が0~3人
○ :「粘着感がある」と感じた人数が4~6人
△ :「粘着感がある」と感じた人数が7~10人
× :「粘着感がある」と感じた人数が11人以上
得られた結果を表1~3に示す。
以上より、本発明のペーパータオルロールは、嵩が高くかつ吸水性の高いペーパータオルロールであって、製造時のテールシールの剥がれ難さと使用時のペーパータオルの剥がし易さとを両立することができ、かつ持ち易さを確保可能であることが分かる。
1:ペーパータオルロール
1a:表面
1b:裏面
1c:ペーパータオルロールの最外周の端縁
1x:ペーパータオルシート
2:テールシールグルー
3:テールシール
4:テール部
200:試験片
200a,200d:隅部
210:帯
220:ホルダー

Claims (11)

  1. エンボスパターンが付与されたペーパータオルシートを2プライに積層してロール状に巻取り、ロール巻き方向の巻終わり側にロール幅方向に沿ってテールシールグルーを塗布して接着処理した吸水量が230g/m以上600g/m以下のペーパータオルロールであって、
    前記ペーパータオルシートの2プライの坪量は、30g/m以上54g/m以下であり、
    前記ペーパータオルロールのロール密度は、0.04g/cm以上0.15g/cm以下であり、
    前記テールシールグルーの塗布幅は、2mm以上30mm以下であり、
    前記ペーパータオルロールの巻直径は、110mm以上189mm以下である
    ことを特徴とするペーパータオルロール。
  2. 1ロールあたりの前記テールシールグルーの塗布量は、0.01g以上0.5g以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のペーパータオルロール。
  3. 前記ペーパータオルシートの比容積は、7cm/g以上22cm/g以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のペーパータオルロール。
  4. 前記テールシールグルーの塗布箇所よりもロール巻き方向の巻終わり側の前記ペーパータオルシートの長さは、4mm以上45mm以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
  5. 前記ペーパータオルシートの紙厚は、1.3mm/10ply以上5.0mm/10ply以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
  6. 前記テールシールグルーによる前記ペーパータオルシートの接着部分の剥離強度は、0.3N/76mm以上6.0N/76mm以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
  7. 前記ペーパータオルシートのMD方向の曲げこわさは、5μN・m以上100μN・m以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
  8. 前記エンボスパターンにおけるエンボスの深さは、0.06mm以上1.05mm以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
  9. 前記ペーパータオルシートのJIS P 8113に基づく乾燥時のMD方向の引張強さDMDTは、4.5N/25mm以上21.0N/25mm以下であり、
    前記ペーパータオルシートのJIS P 8113に基づく乾燥時のCD方向の引張強さDCDTは、4.5N/25mm以上21.0N/25mm以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
  10. 前記ペーパータオルシートの2プライ間の吸水量は、100g/m以上300g/m以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
  11. 前記ペーパータオルシートは、前記エンボスパターンとは異なる抄紙工程由来の凹凸のパターンを有している
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
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