JP2023111124A - 半導体加工用粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】低汚染性の半導体加工用粘着テープを提供する。【解決手段】基材1と、基材の一方の面に配置されたエネルギー線硬化性の粘着層2とを有する半導体加工用粘着テープ10であって、下記試験により求められる、L*a*b*表色系における色差ΔE*abが2.0以下である。試験:(1)半導体加工用粘着テープの粘着層の面を銅箔に貼合し、積層体を作製する。(2)上記積層体を、温度25℃±5℃、湿度40%RH以上60%RH以下、エネルギー線を遮断した環境下、6日間保管する。(3)積層体の半導体加工用粘着テープにエネルギー線を照射し、粘着層を硬化させる。(4)積層体から半導体加工用粘着テープを剥離する。(5)半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面と、半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面との、L*a*b*表色系における色差ΔE*abを求める。【選択図】図1

Description

本開示は、半導体加工用粘着テープに関する。
半導体の製造工程では、部品の固定や保護のために、例えば、ダイシングテープやバックグラインドテープ等の半導体加工用粘着テープが用いられている。
半導体加工用粘着テープには、加工工程中は部品を十分な粘着力で固定できるとともに、加工工程後は部品を破損することなく容易に剥離できることが求められる。
このような半導体加工用粘着テープとしては、例えば、エネルギー線硬化型の粘着テープの開発が盛んに行われている(例えば特許文献1~3)。エネルギー線硬化型の粘着テープは、エネルギー線の照射により粘着層を硬化させることで粘着力を低下させることができるため、エネルギー線照射前の強粘着性と、エネルギー線照射後の易剥離性とを両立することが可能である。
国際公開第2015/133420号 特開2005-23188号公報 特開2014-154796号公報
半導体加工用粘着テープは、加工工程中は被着体に貼合されているため、半導体加工用粘着テープと被着体とは長時間接触していることになる。そのため、半導体加工用粘着テープに含まれる成分が被着体の表面に移行すること等によって、被着体を汚染してしまうことがある。被着体の表面が汚染されていると、半導体の製造工程におけるその後の工程、例えば、配線工程、封止工程等において、密着不良や剥離の要因となり、半導体の性能や信頼性が低下するという問題がある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、低汚染性の半導体加工用粘着テープを提供することを主目的とする。
本開示の発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記の知見を得た。半導体加工用粘着テープによる被着体の汚染は、被着体の表面状態が変化することである。本開示の発明者らは、被着体の表面状態の評価方法について鋭意検討を重ね、被着体表面の色に着目した。さらに、半導体においては、微細化および高速化に伴い、銅配線が広く使用されていることから、被着体として銅箔に着目した。そして、半導体加工用粘着テープの貼合前および剥離後の銅箔の被着面の色差ΔE abによって、被着体である銅箔の表面状態の変化を評価できること、さらには、上記色差ΔE abは、半導体加工用粘着テープによる被着体の汚染の評価に好適であることを見出した。本開示は、このような知見に基づくものである。
本開示の一実施形態は、基材と、上記基材の一方の面に配置されたエネルギー線硬化性の粘着層と、を有する半導体加工用粘着テープであって、下記試験により求められる、L表色系における色差ΔE abが2.0以下である、半導体加工用粘着テープを提供する。試験:下記工程(1)~(5)を順に有する。(1)上記半導体加工用粘着テープの上記粘着層の面を銅箔に貼合し、積層体を作製する。(2)上記積層体を、温度25℃±5℃、湿度40%RH以上60%RH以下、エネルギー線を遮断した環境下、6日間保管する。(3)上記積層体の上記半導体加工用粘着テープにエネルギー線を照射し、上記粘着層を硬化させる。(4)上記積層体から上記半導体加工用粘着テープを剥離する。(5)上記半導体加工用粘着テープの貼合前の上記銅箔の被着面と、上記半導体加工用粘着テープの剥離後の上記銅箔の被着面との、L表色系における色差ΔE abを求める。
本開示における半導体加工用粘着テープは、被着体の汚染を抑制することが可能であるという効果を奏する。
本開示における半導体加工用粘着テープの一例を示す概略断面図である。 半導体の製造方法を例示する工程図である。 半導体の製造方法を例示する工程図である。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
以下、本開示の半導体加工用粘着テープについて説明する。
本開示の半導体加工用粘着テープは、基材と、上記基材の一方の面に配置されたエネルギー線硬化性の粘着層と、を有し、下記試験により求められる、L表色系における色差ΔE abが2.0以下である。試験:下記工程(1)~(5)を順に有する。(1)上記半導体加工用粘着テープの上記粘着層の面を銅箔に貼合し、積層体を作製する。(2)上記積層体を、温度25℃±5℃、湿度40%RH以上60%RH以下、エネルギー線を遮断した環境下、6日間保管する。(3)上記積層体の上記半導体加工用粘着テープにエネルギー線を照射し、上記粘着層を硬化させる。(4)上記積層体から上記半導体加工用粘着テープを剥離する。(5)上記半導体加工用粘着テープの貼合前の上記銅箔の被着面と、上記半導体加工用粘着テープの剥離後の上記銅箔の被着面との、L表色系における色差ΔE abを求める。
図1は、本開示の半導体加工用粘着テープを例示する概略断面図である。図1における半導体加工用粘着テープ10は、基材1と、基材1の一方の面に配置されたエネルギー線硬化性の粘着層2とを有している。半導体加工用粘着テープ10においては、上記試験により求められる、上記色差ΔE abが、所定の値以下である。
本開示においては、上記試験により求められる、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面と、半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面との色差ΔE abが、所定の値以下である。これは、半導体加工用粘着テープの貼合前と剥離後とで、銅箔の被着面の表面状態の変化が少ないことを示している。
ここで、銅箔の表面状態が変化する要因としては、例えば、下記の3つが挙げられる。1つ目は、半導体加工用粘着テープを剥離する際に、糊残りが生じることである。2つ目は、半導体加工用粘着テープに含まれる成分、特に低分子成分が、銅箔の表面に移行することである。3つ目は、半導体加工用粘着テープに含まれる成分と銅とが反応することである。上記のような要因によって銅箔の表面状態が変化した場合、色差として現れると考えられる。
したがって、本開示においては、上記色差ΔE abが所定の値以下であることにより、半導体加工用粘着テープに含まれる成分が被着体の表面に移行するのを抑制できるといえる。また、半導体加工用粘着テープに含まれる成分と銅とが反応するのを抑制できるといえる。よって、被着体の汚染を抑制することができる。さらに、半導体加工用粘着テープを剥離する際の、被着体への糊残りも抑制できるといえる。ゆえに、半導体の性能および信頼性を向上させることが可能である。
なお、例えば特許文献1には、半導体加工用粘着テープの剥離後のシリコンウェハ表面の水接触角によって、半導体加工用粘着テープに含まれる有機物質による被着体の汚染を評価することが開示されている。しかしながら、上述したように、被着体の表面状態を変化させる要因は、半導体加工用粘着テープに含まれる有機物質が被着体の表面に移行することだけではない。
これに対し、上述したように、上記のいずれの要因によって銅箔の表面状態が変化した場合であっても、色差として現れると考えられる。したがって、本開示においては、上記色差ΔE abを採用することにより、被着体の表面状態を的確に評価でき、さらに、半導体加工用粘着テープによる被着体の汚染を好適に評価することが可能である。
以下、本開示の半導体加工用粘着テープの各構成について説明する。
1.半導体加工用粘着テープの特性
本開示の半導体加工用粘着テープにおいては、下記試験により求められる、L表色系における色差ΔE abが、2.0以下であり、好ましくは1.8以下であり、より好ましくは1.5以下である。上記色差ΔE abは小さいことが好ましく、下限は特に限定されない。
試験:下記工程(1)~(5)を順に有する。
(1)上記半導体加工用粘着テープの上記粘着層の面を銅箔に貼合し、積層体を作製する。
(2)上記積層体を、温度25℃±5℃、湿度40%RH以上60%RH以下、エネルギー線を遮断した環境下、6日間保管する。
(3)上記積層体の上記半導体加工用粘着テープにエネルギー線を照射し、上記粘着層を硬化させる。
(4)上記積層体から上記半導体加工用粘着テープを剥離する。
(5)上記半導体加工用粘着テープの貼合前の上記銅箔の被着面と、上記半導体加工用粘着テープの剥離後の上記銅箔の被着面との、L表色系における色差ΔE abを求める。
上記工程(1)においては、まず、半導体加工用粘着テープを、幅40mm以上、長さ100mm以上の大きさにカットする。また、銅箔としては、福田金属箔粉工業社製の厚さ35μmの圧延銅箔「RCF-T5B」を用いる。次いで、圧延銅箔の光沢面をイソプロピルアルコール(IPA)で拭き取り、十分に乾燥させる。その後、圧延銅箔の光沢面に、半導体加工用粘着テープの粘着層の面を貼合する。この際、温度25℃±5℃、湿度40%RH以上60%RH以下、エネルギー線を遮断した環境下で、半導体加工用粘着テープの粘着層の面を、圧延銅箔の光沢面に、2kgローラで2往復させて貼合する。また、この際、半導体加工用粘着テープがセパレータを有する場合には、セパレータを剥離して、粘着層を露出させればよい。
なお、上述したように、半導体の製造工程においては、半導体加工用粘着テープと被着体とは長時間接触していることになる。そのため、上記工程(1)においては、保管条件について、標準的な温度および湿度とし、保管期間をやや長めに設定している。
上記工程(2)において、遮断するエネルギー線は、エネルギー線硬化性の粘着層を硬化させることが可能なエネルギー線であり、粘着層の種類に応じて適宜選択される。エネルギー線については、後述する。
上記工程(3)において、照射するエネルギー線は、エネルギー線硬化性の粘着層を硬化させることが可能なエネルギー線であり、粘着層の種類に応じて適宜選択される。また、エネルギー線の照射条件(例えば、波長、積算光量等)は、エネルギー線硬化性の粘着層を硬化させることが可能な条件であればよく、粘着層の組成、厚さ等に応じて適宜選択される。具体的なエネルギー線の照射条件としては、波長400nm以下の紫外線、特に波長365nmの紫外線を積算光量200mJ/cm以上照射する条件等が挙げられる。
上記工程(4)において、積層体から半導体加工用粘着テープを剥離するに際しては、例えば、剥離速度を100mm/min以上1000mm/min以下程度に設定することが好ましい。
上記工程(5)において、L表色系は、1976年に国際照明委員会(CIE)により定められ、JIS Z8781-4にも規定されている表色系である。色差ΔE abは下記式により求められる。
ΔE ab={(ΔL+(Δa+(Δb1/2
(上記式中、ΔLは、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面の明度Lと、半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面の明度Lとの差である。また、Δaは、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面の色度aと、半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面の色度aとの差である。また、Δbは、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面の色度bと、半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面の色度bとの差である。)
半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面および半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面の明度L、色度a、bは、JIS Z8722に準拠し、分光光度計を用いて測定することができる。測定条件は、D65光源、10°視野、反射測定とする。分光光度計としては、例えば、日本電色工業社製「Spectrophotometer SE6000」等、反射測定が可能な装置を用いることができる。
また、上記工程(5)において、半導体加工用粘着テープの貼合後の銅箔の被着面の明度L、色度a、bを測定するに際しては、積層体から半導体加工用粘着テープを剥離した後、そのまま測定を行う。一方、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面の明度L、色度a、bを測定するに際しては、銅箔の被着面をイソプロピルアルコールで拭き取り、十分に乾燥させた後、測定を行う。
なお、エネルギー線硬化性の粘着層は、エネルギー線の照射により硬化することによって粘着力が低下する。また、上記工程(1)では、圧延銅箔の粗面ではなく、圧延銅箔の光沢面に半導体加工用粘着テープの粘着層の面を貼合する。そのため、積層体から半導体加工用粘着テープを容易に剥離することができる。よって、半導体加工用粘着テープの剥離によって銅箔が変形することはほとんどないと考えられる。したがって、上記色差ΔE abは、半導体加工用粘着テープによる銅箔の表面状態の変化をとらえており、銅箔の変形によるものではないと思料される。
また、半導体加工用粘着テープの剥離による銅箔の変形が懸念される場合は、あらかじめ、銅箔をSUS板やガラス板等の剛直な基板に両面テープ等で固定してから用いてもよい。
上記色差ΔE abを制御する手段としては、例えば、基材の組成を調整する方法、基材の形成方法を調整する方法、粘着層の組成を調整する方法、粘着剤の架橋度を調整する方法、基材と粘着層との間にプライマー層を配置する方法等が挙げられる。
基材の組成を調整する方法としては、例えば、添加剤の含有量、分子量を調整する方法が挙げられる。例えば、添加剤の含有量を少なくすることにより、基材に含まれる成分が粘着層を介して被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。また、例えば、添加剤の分子量を大きくすることにより、基材に含まれる成分が粘着層を介して被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。具体的には、ポリマータイプの添加剤を用いることにより、基材に含まれる成分が粘着層を介して被着体の表面に移行するのを抑制することができる。
基材の形成方法を調整する方法としては、例えば、樹脂組成物を溶融して成形する際に、樹脂組成物を十分に溶融させる方法が挙げられる。樹脂組成物を十分に溶融させることにより、樹脂組成物に含まれる添加剤の分散性が良くなるため、添加剤が基材中に安定的に存在することになる。これにより、基材に含まれる成分が粘着層を介して被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。
粘着層の組成を調整する方法としては、例えば、粘着主剤や添加剤の分子量を調整する方法、粘着主剤や添加剤のガラス転移温度を調整する方法、粘着主剤および添加剤の相溶性を調整する方法、架橋剤を添加する方法、粘着主剤やエネルギー線硬化性化合物の官能基の種類や数を調整する方法が挙げられる。
例えば、粘着主剤の分子量を調整する方法においては、粘着主剤の分子量を大きくすることにより、粘着層に含まれる成分が被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。また、例えば、添加剤の分子量を調整する方法においては、添加剤の分子量を大きくすることにより、粘着層に含まれる成分が被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。具体的には、ポリマータイプの添加剤を用いたり、架橋することが可能な添加剤を用いたりすることにより、粘着層に含まれる成分が被着体の表面に移行するのを抑制することができる。
また、例えば、粘着主剤のガラス転移温度を調整する方法においては、粘着主剤のガラス転移温度を高くすることにより、粘着層に含まれる成分が被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。また、例えば、添加剤のガラス転移温度を調整する方法においては、添加剤のガラス転移温度を高くすることにより、粘着層に含まれる成分が被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。
また、例えば、粘着主剤および添加剤の相溶性を調整する方法においては、粘着主剤および添加剤の相溶性を高めることにより、粘着層に含まれる成分が被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。具体的には、粘着主剤および添加剤の極性、分子量、組成比、混合方法等を調整することにより、粘着主剤および添加剤の相溶性を調整することができる。
例えば、架橋剤を添加する方法においては、粘着主剤の官能基と架橋剤とが反応することにより、架橋剤と反応しなかった未反応の官能基を低減することができ、例えば金属表面と官能基との反応を抑制できる。これにより、上記色差ΔE abを小さくすることができる。また、粘着主剤が架橋剤によって架橋することにより、凝集力が高まるため、粘着層に含まれる成分が被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。
また、例えば、粘着主剤の官能基の種類を調整する方法においては、架橋剤と反応し得る官能基について、銅と反応しにくい官能基とすることにより、架橋剤と反応しなかった未反応の官能基が残留したとしても、銅と官能基との反応を抑制でき、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。
また、例えば、エネルギー線硬化性化合物の官能基の種類を調整する方法においては、エネルギー線硬化性官能基や架橋剤と反応し得る官能基について、銅と反応しにくい官能基とすることにより、銅と官能基との反応を抑制でき、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。また、例えば、エネルギー線硬化性化合物の官能基の数を調整する方法においては、エネルギー線硬化性官能基や架橋剤と反応し得る官能基について、官能基数を少なくすることにより、銅と官能基との反応を抑制できる。これにより、上記色差ΔE abを小さくすることができる。
粘着剤の架橋度を調整する方法においては、粘着剤の架橋度を上げることにより、凝集力が高まるため、粘着層に含まれる成分が被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。
基材と粘着層との間にプライマー層を配置する方法においては、プライマー層によって、基材に含まれる成分が粘着層を介して被着体の表面に移行するのを抑制することができ、その結果、上記色差ΔE abを小さくすることができる。
また、本開示の半導体加工用粘着テープにおいては、エネルギー線照射前のSUS板に対する粘着力が、例えば、1N/25mm以上であることが好ましく、3N/25mm以上であることがより好ましく、5N/25mm以上であることがさらに好ましい。上記のSUS板に対する粘着力が上記範囲であることにより、エネルギー線を照射するまでの間、半導体加工用粘着テープに被着体を十分に固定することができる。一方、上記のSUS板に対する粘着力の上限は、特に限定されない。
ここで、SUS板に対する粘着力は、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)の試験方法の方法1(温度23℃湿度50%RH、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、測定することができる。SUS板は、SUS304、表面仕上げBA、厚さ1.5mm、幅100mm、長さ150mmのSUS板を用いることができる。
また、本開示の半導体加工用粘着テープにおいては、エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力が、例えば、2N/25mm以下であることが好ましく、1N/25mm以下であることがより好ましい。エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力が上記範囲であることにより、エネルギー線照射後には半導体加工用粘着テープから被着体を容易に剥離することができる。一方、上記のエネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力の下限は特に限定されないが、例えば、0.01N/25mm以上とすることができる。
ここで、エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力は、下記の方法により、測定することができる。まず、半導体加工用粘着テープの粘着層にエネルギー線を照射し、硬化させる。この際、例えば、半導体加工用粘着テープの基材側の面からエネルギー線を照射することができる。次に、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)の試験方法の方法1(温度23℃湿度50%RH、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力を測定することができる。SUS板は、SUS304、表面仕上げBA、厚さ1.5mm、幅100mm、長さ150mmのSUS板を用いることができる。
2.粘着層
本開示における粘着層は、基材の一方の面に配置され、エネルギー線硬化性を有する部材である。エネルギー線硬化性の粘着層は、エネルギー線の照射により硬化することで粘着力が低下する。エネルギー線硬化性の粘着層においては、その初期粘着力により、被着体を固定することができる。また、エネルギー線硬化性の粘着層においては、エネルギー線を照射して硬化させることで粘着力が低下して剥離性が向上するため、被着体を剥離または転写することができる。
エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。中でも、汎用性等の観点から、紫外線、電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
粘着層としては、上記の粘着力を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、樹脂(粘着主剤)と、エネルギー線硬化性化合物とを少なくとも含有することができる。粘着層がエネルギー線硬化性化合物を含有することにより、エネルギー線の照射によりエネルギー線硬化性化合物を硬化させることで、粘着力を低下させることができ、また、このとき凝集力が高まるため、剥離が容易になる。
(1)樹脂(粘着主剤)
樹脂(粘着主剤)としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂等、一般に粘着剤の主剤として用いられる樹脂が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂を用いることにより、被着体への糊残りを低減することができる。
よって、粘着層は、アクリル系樹脂と、エネルギー線硬化性化合物と、架橋剤とを少なくとも含有することが好ましい。粘着層内において、アクリル系樹脂は、通常、架橋剤によりアクリル系樹脂間が架橋されてなる架橋体として存在するが、架橋体と共にアクリル系樹脂の単体が含まれていてもよい。
(アクリル系樹脂)
アクリル系樹脂としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを単独重合させた(メタ)アクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させた(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルおよび他の単量体の具体例としては、特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。他の単量体は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体、または(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好適に用いることができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方をいうものとする。
共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとしては、特に限定されず、例えば特開2012-31316号公報に開示される水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーが用いられる。
アクリル系樹脂の分子量を調整することにより、上記ΔE abの制御が可能となる。具体的には、上述したように、アクリル系樹脂の分子量を大きくすることにより、上記ΔE abを小さくすることができる。アクリル系樹脂の重量平均分子量は、例えば、10万以上200万以下であることが好ましく、20万以上100万以下であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量を上記範囲内とすることで、被着体への糊残りや汚染を低減することができる。
ここで、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際のポリスチレン換算値である。重量平均分子量は、例えば、測定装置に東ソー株式会社製のHLC-8220GPCを、カラムに東ソー株式会社製のTSKGEL-SUPERMULTIPORE-HZ-Mを、溶媒にTHFを、標準品として分子量が1050、5970、18100、37900、96400、706000の標準ポリスチレンを用いることで測定することができる。
また、アクリル系樹脂のガラス転移温度を調整することにより、上記ΔE abの制御が可能となる。具体的には、上述したように、アクリル系樹脂のガラス転移温度を高くすることにより、上記ΔE abを小さくすることができる。アクリル系樹脂のガラス転移温度は、適宜調整される。
また、アクリル系樹脂は、エネルギー線硬化性を有していてもよく、例えば、側鎖にエネルギー線硬化性官能基を有していてもよい。エネルギー線硬化性官能基としては、例えば、エチレン性不飽和結合を有することが好ましく、具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
(2)エネルギー線硬化性化合物
エネルギー線硬化性化合物は、エネルギー線の照射を受けて重合するものであれば特に限定されず、例えば、エネルギー線硬化性官能基を有する化合物が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、エネルギー線硬化性モノマー、エネルギー線硬化性オリゴマー、エネルギー線硬化性ポリマーが挙げられる。なお、エネルギー線硬化性ポリマーは、上記の樹脂(粘着主剤)とは異なるポリマーである。中でも、エネルギー線照射前後の粘着力のバランスの観点から、エネルギー線硬化性オリゴマーが好ましい。また、エネルギー線硬化性モノマー、エネルギー線硬化性オリゴマー、エネルギー線硬化性ポリマーを組み合わせて用いてもよい。例えば、エネルギー線硬化性オリゴマーに加えてエネルギー線硬化性モノマーを用いる場合には、エネルギー線を照射した際に、粘着層を三次元架橋により硬化させて粘着力を低下させるとともに、凝集力を高めて被着体側へ転着させないようにすることができる。
また、エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、アニオン重合性化合物等が挙げられる。中でも、ラジカル重合性化合物が好ましい。硬化速度が速く、また、多種多様な化合物から選択することができ、さらには、エネルギー線照射前後の粘着力等の物性を容易に制御することができる。
エネルギー線硬化性化合物において、エネルギー線硬化性官能基の数は、1分子中に2個以上であることが好ましく、1分子中に3個以上であることがより好ましく、1分子中に4個以上であることがさらに好ましく、1分子中に5個以上であることが特に好ましい。エネルギー線硬化性官能基の数が上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の粘着層の架橋密度が十分となるので、所望の剥離性を実現することができる。また、凝集力の低下による汚染や糊残りの発生を抑制することができる。また、エネルギー線硬化性官能基の数の上限は、特に限定されない。
また、エネルギー線硬化性化合物は、架橋剤と反応し得る官能基をさらに有していてもよい。このような官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。エネルギー線硬化性化合物が架橋剤と反応し、樹脂(粘着主剤)と架橋することで、汚染や糊残りの発生をさらに抑制することができる。
エネルギー線硬化性化合物は、ラジカル重合性オリゴマーであることが好ましく、ラジカル重合性多官能オリゴマーであることがより好ましい。ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。
また、エネルギー線硬化性化合物として、ラジカル重合性オリゴマーおよびラジカル重合性モノマーを用いてもよく、中でも、ラジカル重合性多官能オリゴマーおよびラジカル重合性多官能モノマーを用いてもよい。ラジカル重合性モノマーとしては、例えば特開2010-173091号公報に開示されるものが挙げられる。
また、エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー、(メタ)アクリレート系ポリマー等を挙げることができる。また、エネルギー線硬化性化合物として、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等を用いることもできる。
また、エネルギー線硬化性化合物は、市販品を用いてもよい。例えば、三菱ケミカル社製のウレタンアクリレート「紫光UV7620EA(分子量:4100)」;根上工業社製のウレタンアクリレート「アートレジンUN-905(分子量:50000~210000)」、「アートレジンUN-905DU1(分子量:26000)」、「アートレジンUN-951SC(分子量:12500)」、「アートレジンUN-952(分子量:6500~9500)」、「アートレジンUN-953(分子量:14000~40000)」、「アートレジンUN-954(分子量:4200)」、「アートレジンH-219(分子量:25000~50000)」、「アートレジンH-315M(分子量:6600)」、「アートレジンH-417M(分子量:4000)」;大成ファインケミカル社製のアクリルウレタンポリマー「8BR-600(分子量:100000)」;DIC社製のポリマーアクリレート「ユニディックV-6850」;共栄社化学社製のアクリルポリマー「SMP-250AP(分子量:20000~30000)」、「SMP-360A(分子量:20000~30000)」;昭和電工マテリアルズ社製のアクリル樹脂アクリレート「HA7975」等が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エネルギー線硬化性化合物の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、30,000以下であることが好ましく、10,000であることがより好ましく、8,000以下であることがさらに好ましい。エネルギー線硬化性化合物の重量平均分子量が上記範囲であれば、アクリル系樹脂(粘着主剤)と十分な相溶性を示し、粘着層が、エネルギー線照射前には所望の粘着力を示し、エネルギー線照射後には糊残りの発生が抑制され、容易に剥離可能となる。一方、エネルギー線硬化性樹脂組成物の重量平均分子量は、例えば、100以上とすることができる。
エネルギー線硬化性化合物の含有量は、例えば、樹脂(粘着主剤)100質量部に対して、5質量部以上150質量部以下であることが好ましく、20質量部以上150質量部以下であることがより好ましく、30質量部以上100質量部以下であることがさらに好ましい。エネルギー線硬化性化合物の含有量が上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の粘着層の架橋密度が十分となるので、所望の剥離性を実現することができる。また、凝集力の低下による汚染や糊残りの発生を抑制することができる。
(3)重合開始剤
粘着層は、樹脂(粘着主剤)およびエネルギー線硬化性化合物に加えて、重合開始剤を含有することができる。
重合開始剤としては、一般的な光重合開始剤を用いることができる。具体的には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α-ヒドロキシケトン類、ベンジルメチルケタール類、α-アミノケトン類、ビスアシルフォスフィンオキサイド類が挙げられる。エネルギー線硬化性化合物としてウレタンアクリレートを使用する場合には、重合開始剤がビスアシルフォスフィン系重合開始剤であることが好ましい。この重合開始剤は耐熱性を有するため、基材に粘着剤組成物を塗布してエネルギー線照射を行う際に、基材を介してエネルギー線照射を行う場合であっても、確実にエネルギー線硬化性化合物を硬化させることができる。
重合開始剤は、波長230nm以上に吸収を有することが好ましく、波長300nm以上400nm以下に吸収を有することが好ましい。このような重合開始剤は、波長300nm以上の幅の広いエネルギー線を吸収し、エネルギー線硬化性化合物の重合反応を誘発する活性種を効率的に生成することができる。そのため、少量のエネルギー線照射量でもエネルギー線硬化性化合物を効率的に硬化させることができ、容易に剥離可能となる。また、後述するように基材には樹脂等を用いることができ、樹脂には、波長300nm程度までのエネルギー線を吸収するものの、波長300nm程度以上のエネルギー線を透過するものが多い。さらに、近年では、エネルギー線照射装置において、波長300nm以上のLEDランプを使用することが多い。そのため、波長230nm以上に吸収を有する重合開始剤を用いることにより、基材を透過したエネルギー線を利用してエネルギー線硬化性化合物を硬化させることができる。
重合開始剤の含有量は、例えば、樹脂(粘着主剤)およびエネルギー線硬化性化合物の合計100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.3質量部以上6質量部以下であることがより好ましい。重合開始剤の含有量が上記範囲に満たないと、エネルギー線硬化性化合物の重合反応が十分起こらず、エネルギー線照射後の粘着層の粘着力が過剰に高くなり、剥離性を実現することができない場合がある。一方、重合開始剤の含有量が上記範囲を超えると、凝集力が低下し、汚染や糊残りの発生の原因となる場合もある。
(4)架橋剤
粘着層は、樹脂(粘着主剤)およびエネルギー線硬化性化合物に加えて、架橋剤を含有することができる。
架橋剤は、少なくとも樹脂(粘着主剤)間を架橋するものであれば特に限定されるものではなく、樹脂(粘着主剤)の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。イソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤の具体例としては、特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。架橋剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量としては、架橋剤の種類に応じて適宜設定することができるが、例えば、樹脂(粘着主剤)100質量部に対して、0.01質量部以上15質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲に満たないと、密着性が劣る場合や、被着体を剥離または転写する際に粘着層が凝集破壊を起こして糊残りが生じる場合がある。一方、架橋剤の含有量が上記範囲を超えると、エネルギー線照射後の粘着層中に架橋剤が未反応モノマーとして残留することで、凝集力の低下により汚染や糊残りの発生の原因となる場合がある。
(5)添加剤
粘着層は、必要に応じて、各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、粘着付与剤、耐電防止剤、可塑剤、シランカップリング剤、金属キレート剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、防腐剤、消泡剤、ぬれ性調整剤、粘着力調整剤等が挙げられる。
添加剤のガラス転移温度を調整することにより、上記ΔE abの制御が可能となる。具体的には、上述したように、添加剤のガラス転移温度を高くすることにより、上記ΔE abを小さくすることができる。添加剤のガラス転移温度は、特に限定されないが、例えば、5℃以上150℃以下であることが好ましく、10℃以上120℃以下であることがより好ましい。添加剤のガラス転移温度が上記範囲内であることにより、上記ΔE abを所定の範囲になるように容易に調整することができる。粘着層が添加剤を含む場合、少なくとも1つの添加剤のガラス転移温度が上記範囲内であることが好ましい。
また、添加剤の分子量を調整することにより、上記ΔE abの制御が可能となる。具体的には、上述したように、添加剤の分子量を大きくすることにより、上記ΔE abを小さくすることができる。添加剤の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、100以上200,000以下であってもよく、500以上300,000以下であってもよい。
また、粘着層は、上述のように、粘着力調整剤を含んでいてもよい。粘着力調整剤としては、例えば、アクリル系ブロック共重合体、ポリエステル樹脂等が挙げられる。アクリル系ブロック共重合体としては、例えば、クラレ社製のクラリティシリーズ(例えば、「LA4285(Mw:約65000)」、「LA2250(Mw:約67000)」、「LA2140(Mw:約125000)」、「LA3320(Mw:約115000)」等)が挙げられる。また、ポリエステル樹脂としては、例えば、東洋紡社製のバイロンシリーズ(例えば、「バイロン200(Mn:約17000)」、「バイロン600(Mn:約16000)」等)、ユニチカ社製のエリーテルシリーズ(「エリーテルUE3210(Mw:約20000)」、「エリーテルUE9200(Mw:約15000)」等)が挙げられる。
また、添加剤の含有量を調整することにより、上記ΔE abの制御が可能となる。具体的には、添加剤の分子量が大きい場合には、添加剤の含有量を少なくすることにより、上記ΔE abを小さくすることができる。添加剤の含有量は、適宜調整される。
(6)粘着層の厚さおよび形成方法
粘着層の厚さとしては、十分な粘着力が得られ、かつ、エネルギー線が内部まで透過することが可能な厚さであればよく、例えば、3μm以上50μm以下であり、好ましくは5μm以上40μm以下である。
粘着層の形成方法としては、例えば、基材上に粘着剤組成物を塗布する方法や、セパレータ上に粘着剤組成物を塗布して粘着層を形成し、粘着層および基材を貼り合わせる方法が挙げられる。
3.基材
本開示における基材は、上記粘着層を支持する部材である。
基材としては、特に限定されないが、半導体加工用粘着テープの基材側からエネルギー線を照射して粘着層を硬化させることにより、粘着層の粘着力を低下させることが好ましいことから、基材は、エネルギー線を透過するものであることが好ましい。
基材のヤング率は、例えば、2000MPa以下であってもよく、1000MPa以下であってもよく、700MPa以下であってもよい。また、基材のヤング率は、例えば、20MPa以上であることが好ましく、30MPa以上であることがより好ましく、40MPa以上であることがさらに好ましい。中でも、基材は、エキスパンド可能であることが好ましい。基材のヤング率が低すぎると、基材が極端に柔らかくなり、半導体加工用粘着テープを均一に拡張することが困難になる可能性がある。
ここで、基材のヤング率、JIS K7127に準拠して測定することができる。具体的な測定条件を下記に示す。
・試験片:試験片タイプ5
・チャック間距離:60mm
・引張速度:100mm/min
引張試験機としては、例えば、エー・アンド・デイ社製「テンシロンRTF1150」を用いることができる。
基材の材質としては、上記の特性を満たすものであることが好ましく、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ウレタン樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;フッ素樹脂等が挙げられる。また、基材の材質としては、例えば、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アクリル系エラストマー、アミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー;イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等のゴム系材料を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂が好ましい。すなわち、基材は、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、または塩化ビニル樹脂を含有することが好ましい。塩化ビニル樹脂は可塑剤を添加することにより軟化するため、いわゆる軟質塩化ビニル樹脂を用いることにより、後述するように降伏点を有さない基材とすることができる。一方、オレフィン系樹脂やポリエステル樹脂は、塩化ビニル樹脂のように、可塑剤を多量に添加することはないため、添加剤の含有量を減らすことができ、上記ΔE abが小さくなる傾向にある。
塩化ビニル樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニル-プロピレン共重合体、塩化ビニル-スチレン共重合体、塩化ビニル-イソブチレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-スチレン-無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル-スチレン-アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル-ブタジエン共重合体、塩化ビニル-イソプレン共重合体、塩化ビニル-塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル-マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル-メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-各種ビニルエーテル共重合体等の塩素含有樹脂;それらの塩素含有樹脂の混合物;それらの塩素含有樹脂と他の塩素を含まない樹脂との混合物、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。他の塩素を含まない樹脂としては、例えば、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン三元共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等が挙げられる。
基材は、必要に応じて、例えば、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、難燃剤、着色剤等の各種の添加剤を含有していてもよい。
また、添加剤の分子量を調整することにより、上記ΔE abの制御が可能となる。具体的には、添加剤の分子量を大きくすることにより、上記ΔE abを小さくすることができる。添加剤の分子量は、適宜調整される。
また、添加剤の含有量を調整することにより、上記ΔE abの制御が可能となる。具体的には、添加剤の分子量が小さい場合には、添加剤の含有量を少なくすることにより、上記ΔE abを小さくすることができる。添加剤の含有量は、適宜調整される。例えば、基材が塩化ビニル樹脂を含有する場合には、可塑剤の含有量を少なくすることにより、上記ΔE abを小さくすることができる。
基材は、例えば、単層であってもよく、多層であってもよい。
基材の粘着層側の面には、粘着層との密着性を向上させるために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、特に限定されず、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー処理、アルカリ処理等が挙げられる。
基材の厚さとしては、特に限定されず、例えば、20μm以上500μm以下であり、40μm以上350μm以下であってもよく、50μm以上200μm以下であってもよい。基材の厚さが上記範囲内であれば、エキスパンドしやすく、また破断しない程度の十分な強度を有する基材とすることができる。
4.その他の構成
本開示の半導体加工用粘着テープは、上記の基材および粘着層の他に、必要に応じて、他の構成を有することができる。
本開示の半導体加工用粘着テープは、粘着層の基材とは反対側の面にセパレータを有していてもよい。セパレータにより粘着層を保護することができる。
また、本開示の半導体加工用粘着テープは、基材と粘着層との間にプライマー層を有していてもよい。プライマー層により基材および粘着層の密着性を高めることができる。また、プライマー層により、基材に含まれる成分が粘着層を介して被着体に移行するのを抑制でき、その結果、上記ΔE abを小さくすることができる。中でも、基材が塩化ビニル樹脂を含有する場合には、基材と粘着層との間にプライマー層が配置されていることが好ましい。
5.用途
本開示の半導体加工用粘着テープは、例えば、ダイシングテープ、バックグラインドテープ等の、部品を一時的に固定または保護する粘着テープとして好適に用いることができる。
図2(a)~(e)は、半導体加工用粘着テープを用いた半導体の製造方法の一例を示す工程図であり、半導体加工用粘着テープをダイシングテープとして用いる例である。まず、図2(a)に示すように、回路が形成されたウェハ11を半導体加工用粘着テープ10に貼り付けた後、図2(b)に示すように、回路が形成されたウェハ11をチップ12に切断(ダイシング)するダイシング工程を行う。次に、図2(c)に示すように、半導体加工用粘着テープ10を引き伸ばして、チップ12同士の間隔を広げるエキスパンド工程を行う。次に、図示しないが、半導体加工用粘着テープ10のエネルギー線硬化性の粘着層2にエネルギー線を照射して硬化させることで粘着力を低下させ、図2(d)に示すように、チップ12を半導体加工用粘着テープ10から剥離して、チップ12をピックアップするピックアップ工程を行う。次いで、図2(e)に示すように、ピックアップされたチップ12を基板30に接着するマウント(ダイボンディング)工程を行う。
図3(a)~(d)は、半導体加工用粘着テープを用いた半導体の製造方法の他の例を示す工程図であり、半導体加工用粘着テープをダイシングテープとして用いる例である。まず、図3(a)に示すように、回路が形成されたウェハ11を半導体加工用粘着テープ10に貼り付けた後、図3(b)に示すように、回路が形成されたウェハ11をチップ12に切断(ダイシング)するダイシング工程を行う。次に、図3(c)に示すように、チップ12の半導体加工用粘着テープ10とは反対側の面に転写テープ40を貼り付けた後、図示しないが、半導体加工用粘着テープ10のエネルギー線硬化性の粘着層2にエネルギー線を照射して硬化させることで粘着力を低下させ、図3(d)に示すように、半導体加工用粘着テープ10をチップ12から剥離して、チップ12を転写テープ40に転写する転写工程を行う。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を示し、本開示をさらに説明する。
[材料]
下記に、粘着剤組成物に用いた材料を示す。
・粘着主剤A(アクリル酸エステル共重合体、重量平均分子量 約50万、固形分23%)
・粘着主剤B(アクリル酸エステル共重合体、重量平均分子量 約80万、固形分20%)
・ウレタンアクリレートA(紫外線硬化性化合物、10官能、分子量500~1300)
・ウレタンアクリレートB(紫外線硬化性化合物、9官能、分子量4100、有効分65%)
・ウレタンアクリレートC(紫外線硬化性化合物、6官能、分子量4200、有効分60%)
・重合開始剤(IGM Resins社製「Omnirad 819」)
・架橋剤A(イソシアネート系硬化剤(トリレンジイソシアネート(TDI)系アダクト型(トリメチロールプロパン付加物))、固形分75%)
・架橋剤B(エポキシ系硬化剤)
・架橋剤C(金属キレート系硬化剤)
・粘着力調整剤A(アクリル系ブロック共重合体(メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチル-メタクリル酸メチルのトリブロック共重合体)、重量平均分子量 約65000)
・粘着力調整剤B(アクリル系共重合体)
[実施例1]
固形分比で、粘着主剤A 100質量部と、ウレタンアクリレートA 50質量部と、架橋剤A 3質量部と、重合開始剤1.5質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分25%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート(PET)セパレータ上に、乾燥後の厚さが10μmとなるように上記粘着剤組成物を塗工し、110℃オーブンで3分間乾燥させて、粘着層を形成した。
次に、上記粘着層上に、基材(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、東洋紡社製「TA051」、厚さ50μm)をラミネートした後、50℃で3日間エージングを行い、半導体加工用粘着テープを作製した。
[実施例2]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと、粘着層の厚さを20μmとしたこと、および、下記の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
固形分比で、粘着主剤B 100質量部と、ウレタンアクリレートB 40質量部と、ウレタンアクリレートC 30質量部と、架橋剤B 0.35質量部と、架橋剤C 0.2質量部と、重合開始剤6質量部と、粘着力調整剤A 0.5質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分25%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
また、基材として、塩化ビニル樹脂70質量部と、可塑剤25質量部と、ノニルフェノール0.3質量部とを含有する樹脂組成物を用いて、カレンダー法により製膜し、厚さ90μmのポリ塩化ビニル(PVC)フィルムを作製した。
[実施例3]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと、粘着層の厚さを20μmとしたこと、および、下記の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
固形分比で、粘着主剤B 100質量部と、ウレタンアクリレートA 75質量部と、架橋剤B 0.35質量部と、重合開始剤7.5質量部と、粘着力調整剤A 40質量部と、粘着力調整剤B 40質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分25%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
また、基材として、塩化ビニル樹脂70質量部と、可塑剤25質量部と、ノニルフェノール0.3質量部とを含有する樹脂組成物を用いて、カレンダー法により製膜し、厚さ70μmのポリ塩化ビニル(PVC)フィルムを作製した。
[実施例4]
粘着層の厚さを30μmとしたこと、および、基材として、ポリエチレン(PE)フィルム(日本マタイ社製「エスマーVPM-S」、厚さ100μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
[比較例1]
下記のようにして粘着剤組成物を調製したこと、粘着層の厚さを20μmとしたこと、および、下記の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
固形分比で、粘着主剤B 100質量部と、ウレタンアクリレートA 75質量部と、架橋剤B 0.35質量部と、重合開始剤7.5質量部と、粘着力調整剤A 40質量部と、粘着力調整剤B 40質量部とを、メチルエチルケトンおよびトルエンの混合溶媒(混合比1:1)で固形分25%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
また、基材として、塩化ビニル樹脂70質量部と、可塑剤40質量部と、安定剤0.5質量部とを含有する樹脂組成物を用いて、キャスト法により製膜し、厚さ70μmのポリ塩化ビニル(PVC)フィルムを作製した。
[比較例2]
粘着層の厚さを20μmとしたこと、および、下記の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを作製した。
基材として、塩化ビニル樹脂70質量部と、可塑剤40質量部と、安定剤0.5質量部とを含有する樹脂組成物を用いて、キャスト法により製膜し、厚さ70μmのポリ塩化ビニル(PVC)フィルムを作製した。
[評価]
(1)色差ΔE ab
まず、半導体加工用粘着テープを、幅40mm以上、長さ100mm以上の大きさにカットした。また、銅箔(福田金属箔粉工業社製「RCF-T5B」、厚さ35μm)の光沢面をイソプロピルアルコール(IPA)で拭き取り、十分に乾燥させた。次いで、温度25℃±5℃、湿度40%RH以上60%RH以下、紫外線を遮断した環境下で、半導体加工用粘着テープのセパレータを剥離して、粘着層を露出させ、半導体加工用粘着テープの粘着層の面を、銅箔の光沢面に、2kgローラで2往復させて貼合し、積層体を得た。次に、積層体を、温度25℃±5℃、湿度40%RH以上50%RH以下、紫外線を遮断した環境下、6日間保管した。次に、積層体の半導体加工用粘着テープ側の面から、積算光量500mJ/cmとなるように紫外線を照射し、粘着層を硬化させた。次に、剥離速度300mm/minで、積層体から半導体加工用粘着テープを剥離した。
JIS Z8722に準拠し、分光光度計(日本電色工業社製「Spectrophotometer SE6000」)を用いて、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面および半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面の明度L、色度a、bを測定し、ΔE abを求めた。測定条件は、D65光源、10°視野、反射測定とした。この際、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面の色の測定に際しては、銅箔の被着面をイソプロピルアルコールで拭き取り、十分に乾燥させた後、測定を行った。
(2)濡れ性
上記の半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面および半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面について、濡れ性を確認した。具体的には、ダインペン(enercon社製「EnerDyne ダインペンVariety」)を用いて、上記の銅箔の被着面に線を引き、5秒間静置した。インクが保持されている場合は、濡れ性ありと判定し、インクが弾かれている場合は、濡れ性なしと判定した。ダインペンのダイン数は、30、38、48とした。
半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面については、3種類のダインペンのいずれも、濡れ性ありと判定された。
半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面の濡れ性について、下記基準にて評価した。
A:3種類のダインペンのいずれも濡れ性ありと判定された。
B:3種類のダインペンのうち、2種類のダインペンは濡れ性あり、1種類のダインペンは濡れ性なしと判定された。
C:3種類のダインペンのうち、2種類以上のダインペンが濡れ性なしと判定された。
(3)SUS板に対する粘着力
SUS板に対する粘着力は、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)の試験方法の方法1(温度23℃湿度50%RH、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、測定した。SUS板は、SUS304、表面仕上げBA、厚さ1.5mm、幅100mm、長さ150mmのSUS板を用いた。
(4)エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力
まず、半導体加工用粘着テープの基材側の面から、積算光量500mJ/cmとなるように紫外線を照射し、粘着層を硬化させた。紫外線照射後の半導体加工用粘着テープのSUS板に対する粘着力は、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)の試験方法の方法1(温度23℃湿度50%RH、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、測定した。SUS板は、SUS304、表面仕上げBA、厚さ1.5mm、幅100mm、長さ150mmのSUS板を用いた。
Figure 2023111124000002
実施例1~4の半導体加工用粘着テープでは、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面と半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面との色差ΔE abが所定の範囲であり、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面の濡れ性に対して、半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面の濡れ性がほとんど変化していないことが確認された。一方、比較例1~2の半導体加工用粘着テープでは、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面と半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面との色差ΔE abが所定の範囲を満たしておらず、半導体加工用粘着テープの貼合前の銅箔の被着面の濡れ性に対して、半導体加工用粘着テープの剥離後の銅箔の被着面の濡れ性が変化していた。
また、実施例2、3によれば、上記ΔE abと濡れ性とは必ずしも相関するわけではない。このことから、上記ΔE abによって、濡れ性では捉えられなかった銅箔の表面状態の変化を捉えることができることが示唆された。
1 … 基材
2 … 粘着層
10 … 半導体加工用粘着テープ

Claims (3)

  1. 基材と、前記基材の一方の面に配置されたエネルギー線硬化性の粘着層と、を有する半導体加工用粘着テープであって、
    下記試験により求められる、L表色系における色差ΔE abが2.0以下である、半導体加工用粘着テープ。
    試験:下記工程(1)~(5)を順に有する。
    (1)前記半導体加工用粘着テープの前記粘着層の面を銅箔に貼合し、積層体を作製する。
    (2)前記積層体を、温度25℃±5℃、湿度40%RH以上60%RH以下、エネルギー線を遮断した環境下、6日間保管する。
    (3)前記積層体の前記半導体加工用粘着テープにエネルギー線を照射し、前記粘着層を硬化させる。
    (4)前記積層体から前記半導体加工用粘着テープを剥離する。
    (5)前記半導体加工用粘着テープの貼合前の前記銅箔の被着面と、前記半導体加工用粘着テープの剥離後の前記銅箔の被着面との、L表色系における色差ΔE abを求める。
  2. エネルギー線照射前のSUS板に対する粘着力が、1N/25mm以上である、請求項1に記載の半導体加工用粘着テープ。
  3. エネルギー線照射後のSUS板に対する粘着力が、2N/25mm以下である、請求項1または請求項2に記載の半導体加工用粘着テープ。
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