JP2022179420A - ダイシングダイボンドフィルム - Google Patents

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JP2022179420A JP2022081481A JP2022081481A JP2022179420A JP 2022179420 A JP2022179420 A JP 2022179420A JP 2022081481 A JP2022081481 A JP 2022081481A JP 2022081481 A JP2022081481 A JP 2022081481A JP 2022179420 A JP2022179420 A JP 2022179420A
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章洋 福井
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敏正 杉村
Toshimasa Sugimura
雅俊 角野
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謙司 大西
Kenji Onishi
雄大 木村
Takehiro Kimura
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Abstract

【課題】 チップ浮きの抑制性能と良好なピックアップ性とを有するダイシングダイボンドフィルムを提供することを課題としている。【解決手段】 粘基材層、及び、該基材層に重なった粘着剤層を有するダイシングテープと、該ダイシングテープに重ねられたダイボンドシートとを備え、前記粘着剤層は、電子顕微鏡によって断面を観察したときに、相分離構造を有し、前記相分離構造は、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する第1相と、該第1相よりもラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率が低く前記第1相と分離した第2相とを含み、前記断面における前記第1相の面積割合が50%よりも高いダイシングダイボンドフィルムを提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば半導体装置を製造するときに使用されるダイシングダイボンドフィルムに関する。
従来、半導体装置の製造において使用されるダイシングダイボンドフィルムが知られている。この種のダイシングダイボンドフィルムは、例えば、ダイシングテープと、該ダイシングテープに積層され且つウエハに接着されるダイボンドシートと、を備える。ダイシングテープは、基材層と、ダイボンドシートに接している粘着剤層とを有する。この種のダイシングダイボンドフィルムは、半導体装置の製造において、例えば下記のように使用される。
半導体装置を製造する方法は、一般的に、高集積の電子回路によってウエハの片面側に回路面を形成する前工程と、回路面が形成されたウエハからチップを切り出して組立てを行う後工程とを備える。
後工程は、例えば、ウエハを小さいチップ(ダイ)へ割断するための脆弱部位をウエハに形成するダイシング工程と、ウエハの回路面とは反対側の面をダイボンドシートに貼り付けてダイシングテープにウエハを固定するマウント工程と、脆弱部位が形成されたウエハをダイボンドシートと共に割断してチップ同士の間隔を広げるエキスパンド工程と、ダイボンドシートと粘着剤層との間で剥離してダイボンドシートが貼り付いた状態のチップ(ダイ)を取り出すピックアップ工程と、ダイボンドシートが貼り付いた状態のチップ(ダイ)をダイボンドシートを介して被着体に接着させるダイボンド工程と、被着体に接着したダイボンドシートを熱硬化処理するキュアリング工程と、を有する。半導体装置は、例えばこれらの工程を経て製造される。
上記のような半導体装置の製造方法において、例えば上記のピックアップ工程において、チップとともにダイボンドシートを剥離するときの剥離性を良好にすべく、粘着剤層の加熱前のゲル分率と、加熱後のゲル分率とをそれぞれ特定したダイシングダイボンドフィルムが知られている(例えば、特許文献1)。
詳しくは、特許文献1に記載のダイシングダイボンドフィルムにおいて、粘着剤層が、ベースポリマーと熱架橋剤とを含む粘着剤組成物によって形成され、且つ該粘着剤層は、加熱前のゲル分率が90重量%未満であるとともに、加熱後のゲル分率が90重量%以上に変化する粘着剤層である。
特許文献1に記載のダイシングダイボンドフィルムによれば、硬化した粘着剤層からダイボンドシートを容易に剥離でき、ダイボンドシートとともにチップを比較的容易にピックアップできる。
特開2009-135377号公報
ところで、例えば上記のエキスパンド工程において、ウエハを割断してチップ同士の間隔を広げるために、ダイシングテープを面方向に広げるように強い力で引き伸ばす。このとき、ダイシングテープが引き伸ばされても、ダイシングテープの粘着剤層と、チップに貼り付いたダイボンドシートとは、剥離せずに比較的強い粘着力を維持することが要求される。換言すると、粘着剤層からダイボンドシートが剥離してしまう、いわゆるチップ浮き現象を抑制できることが要求される。一方で、ピックアップ工程では、ダイシングテープの粘着剤層と、ダイボンドシートとは、比較的容易に剥離することが要求される。換言すると、良好なピックアップ性を発揮することが要求される。このように、ダイシングダイボンドフィルムには、チップ浮きの抑制性能と良好なピックアップ性とを兼ね備えるとう、相反する性能を有することが要望されている。
しかしながら、チップ浮きの抑制性能と良好なピックアップ性とを有するダイシングダイボンドフィルムについては、未だ十分に検討されているとはいえない。
そこで、本発明は、チップ浮きの抑制性能と良好なピックアップ性とを有するダイシングダイボンドフィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係るダイシングダイボンドフィルムは、基材層、及び、該基材層に重なった粘着剤層を有するダイシングテープと、該ダイシングテープに重ねられたダイボンドシートとを備え、
前記粘着剤層は、電子顕微鏡によって断面を観察したときに、相分離構造を有し、
前記相分離構造は、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する第1相と、該第1相よりもラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率が低く且つ前記第1相と分離した第2相とを含み、
前記断面における前記第1相の面積割合が50%よりも高いことを特徴とする。
本発明に係るダイシングダイボンドフィルムによれば、チップ浮きの抑制性能と良好なピックアップ性とを発揮できる。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルムを厚さ方向に切断した断面図。 半導体装置の製造方法におけるステルスダイシング工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法におけるステルスダイシング工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法におけるステルスダイシング工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法におけるバックグラインド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法におけるマウント工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法におけるマウント工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法における低温でのエキスパンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法における低温でのエキスパンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法における低温でのエキスパンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法における常温でのエキスパンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法における常温でのエキスパンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法におけるピックアップ工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法におけるダイボンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法におけるワイヤボンディング工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体装置の製造方法における封止工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体チップ及びダイボンドシートが反った状態の一例を表す模式断面図。 粘着剤層の断面を電子顕微鏡観察したときの観察像の一例(左側が模式図、右側が写真)。 粘着剤層の断面を電子顕微鏡観察したときの観察像の他の例(左側が模式図、右側が写真)。
以下、本発明に係るダイシングダイボンドフィルムの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面における図は模式図であり、実物における縦横の長さ比と必ずしも同じではない。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1は、図1に示すように、ダイシングテープ20と、該ダイシングテープ20の粘着剤層22(後述)に積層され且つ半導体ウエハに接着されるダイボンドシート10とを備える。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1では、使用されるときに、活性エネルギー線(例えば紫外線)が照射されることによって、粘着剤層22が硬化される。詳しくは、一方の面に半導体ウエハが接着されたダイボンドシート10と、該ダイボンドシート10の他方の面に貼り合わされた粘着剤層22とが積層した状態で、紫外線等が少なくとも粘着剤層22に照射される。例えば、基材層21が配置されている方から紫外線等を照射して、基材層21を経た紫外線等が粘着剤層22に届く。紫外線等の照射によって、粘着剤層22が硬化する。
照射後に粘着剤層22が硬化することによって、粘着剤層22の粘着力を下げることができるため、照射後に粘着剤層22からダイボンドシート10(半導体ウエハが接着した状態)を比較的容易に剥離させることができる。ダイボンドシート10は、半導体装置の製造において、回路基板又は半導体チップなどの被着体に接着されることとなる。
<ダイシングダイボンドフィルムのダイシングテープ>
上記のダイシングテープ20は、通常、長尺シートであり、使用されるまで巻回された状態で保管される。本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1は、割断処理されるシリコンウエハよりも、ひと回り大きい内径を有する円環状の枠に張られ、カットされて使用される。
上記のダイシングテープ20は、基材層21と、該基材層21に重なった粘着剤層22とを備える。
本実施形態において、粘着剤層22は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーが重合した(メタ)アクリレート単位を少なくともモノマー単位として分子中に有するアクリル重合体と、イソシアネート化合物と、重合開始剤とを含む。
粘着剤層22は、5μm以上40μm以下の厚さを有してもよい。粘着剤層22の形状および大きさは、通常、基材層21の形状および大きさと同じである。
本実施形態において、粘着剤層22に含まれるアクリル重合体は、モノマー単位として少なくとも、硬化処理によって架橋反応を起こす架橋性基を有する架橋性基含有(メタ)アクリレート単位と、アルキル部分の炭素数が8以上の長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位とを分子中に有する。モノマー単位は、アクリル重合体の主鎖を構成する単位である。換言すると、モノマー単位は、アクリル共重合体を重合するために使用したモノマーに由来するものである。上記のアクリル重合体における各側鎖は、主鎖を構成する各モノマー単位に含まれる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」との表記は、メタクリレート(メタクリル酸エステル)及びアクリレート(アクリル酸エステル)のうちの少なくとも一方を表す。「(メタ)アクリル」という用語も同様である。
以下、アクリル重合体が共重合体である場合について詳しく説明するため、アクリル重合体をアクリル共重合体と称する。
本実施形態において、上記の架橋性基含有(メタ)アクリレート単位は、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する重合性(メタ)アクリレート単位と、炭素数4以下のアルキル部分にヒドロキシ基が結合したヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位とを少なくとも分子中に有する。
また、本実施形態において、重合性(メタ)アクリレート単位は、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位由来のモノマー単位である。例えば、アクリル共重合体の調製途中において、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位の一部におけるヒドロキシ基と、イソシアネート基含有重合性(メタ)アクリレートモノマーのイソシアネート基とを、ウレタン化反応させることによって、上記の重合性(メタ)アクリレート単位を作製できる。
上記のアクリル共重合体が分子中に有する長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位は、アルキル部分の炭素数が12以上の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位を含む。
粘着剤層22は、電子顕微鏡によって断面を観察したときに、相分離構造を有する。詳しくは、相分離構造は、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する第1相と、第1相と分離し第1相よりもラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率が低い第2相とを有する。換言すると、第1相におけるラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率は、第2相におけるラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率よりも高い。電子顕微鏡によって粘着剤層22の断面を観察したときに、例えば、第1相がより濃い色で示され、第2相がより淡い色で示される。
上記の相分離構造は、例えば図11に示すように、第1相が、連続する第2相中に分散した海島構造のような構造であってもよい。また、上記の相分離構造は、例えば図12に示すように、第1相及び第2相がそれぞれ連続相となっている共連続相分離構造のような構造であってもよい。具体的には、電子顕微鏡観察用のサンプルを作製するときに、OsOで染色処理を実施すると、オスミウムが不飽和結合(二重結合)と反応し、反応した部分がより濃くなって映し出されることとなる。よって、例えば第1相がより濃い色となり、観察像においてコントラストを得ることができる。
下記の測定条件で粘着剤層22の断面を電子顕微鏡によって観察したときに、第1相の占める面積割合が52%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。斯かる面積割合は、100%以下であってもよく、90%以下であってもよく、80%以下であってもよく、70%以下であってもよい。
(測定条件)
・粘着剤層からの測定サンプルの作製方法:ウルトラミクロトームを用いた超薄切片法
・観察倍率:12,000倍
・観察面積:少なくとも9μm (例えば3μm四方の正方形)
・測定サンプルの染色処理方法:OsOおよびRuO
・面積割合の算出方法:製品名「ImageJ」を使用した画像解析
なお、上記のごとき染色処理を経て作製された測定サンプルの観察像では、粘着剤層22中の不飽和結合(二重結合)の含有率の影響により、黒に見える部分及びグレーに見える部分が共存する場合がある。この場合、黒に見える部分及びグレーに見える部分の両方を第1相とする。換言すると、不飽和結合(二重結合)の含有率が最も低い部分が第2相であり、それ以外の部分が第1相である。
上述したように、粘着剤層22は、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率がより高い第1相と、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率がより低い第2相とを有する。また、粘着剤層22の断面における電子顕微鏡の観察像から把握できるように、第1相の割合が比較的高い。第1相は、極性の高いラジカル重合性炭素-炭素二重結合を比較的多く含むため、第2相よりも極性が高いといえる。このように極性の高い第1相を比較的多く含む粘着剤層22は、極性が高く、ダイボンドシート10との相互作用が高くなっている。従って、上記の二重結合が重合反応によって単結合となる前では、粘着剤層22とダイボンドシート10との粘着力が比較的高く保たれる。一方、紫外線等の照射による硬化処理(後に詳述)が粘着剤層22に施されると、上記の二重結合が重合反応によって単結合となる。上記の二重結合が単結合となった後では、第1相が収縮し、また、第1相の極性が低下する。よって、粘着剤層22の硬化後では、粘着剤層22とダイボンドシート10との相互作用が低くなり、粘着剤層22とダイボンドシート10との粘着力が低くなる。
このように、本実施形態において、ダイシングダイボンドフィルム1は、粘着剤層22の硬化前において、粘着剤層22とダイボンドシート10との粘着力を比較的高く保つことができるため、エキスパンド工程(後に詳述)においてチップ浮きを抑制できる。また、粘着剤層22の硬化後において、粘着剤層22とダイボンドシート10との粘着力を低下させることができるため、ピックアップ工程(後に詳述)において、良好なピックアップ性を発揮できる。従って、ダイシングダイボンドフィルム1は、チップ浮きの抑制性能と良好なピックアップ性とを有することができる。
本実施形態において、上記のアクリル共重合体は、側鎖にラジカル重合性炭素-炭素二重結合(重合性不飽和二重結合)を有する架橋性基含有(メタ)アクリレート単位と、炭素数4以下のアルキル部分にヒドロキシ基が結合したヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位とを含むことが好ましい。
架橋性基含有(メタ)アクリレート単位は、例えば、上述したヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位であってもよく、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する上述した重合性(メタ)アクリレート単位であってもよい。
本実施形態において、重合性(メタ)アクリレート単位は、例えば、上述したヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位におけるヒドロキシ基に、イソシアネート基含有(メタ)アクリルモノマーのイソシアネート基がウレタン結合した分子構造を有する。
上記の架橋性基含有(メタ)アクリレート単位は、アクリル共重合体の重合反応の後に、ウレタン化反応によって調製され得る。例えば、後述するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリルモノマーとの共重合の後に、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位の一部におけるヒドロキシ基と、イソシアネート基含有重合性(メタ)アクリレートモノマーのイソシアネート基とを、ウレタン化反応させることによって、重合性(メタ)アクリレート単位を得ることができる。
上記のイソシアネート基含有(メタ)アクリルモノマーは、分子中にイソシアネート基を1つ有し且つ(メタ)アクリロイル基を1つ有することが好ましい。イソシアネート基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
上記のアクリル共重合体が、架橋性基含有(メタ)アクリレート単位のラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含むことによって、ピックアップ工程(後に詳述)の前に、粘着剤層22を、活性エネルギー線(紫外線等)の照射によってより十分に硬化させることができる。例えば、紫外線等の活性エネルギー線の照射によって、光重合開始剤からラジカルを発生させ、このラジカルの作用によって、アクリル共重合体同士を架橋反応させることができる。これによって、照射前における粘着剤層22の粘着力を、照射後に低下させることができる。そして、ダイボンドシート10を粘着剤層22から良好に剥離させることができる。
なお、活性エネルギー線としては、紫外線、放射線、電子線が採用される。
上記のアクリル共重合体は、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位を有する。粘着剤層22がイソシアネート化合物を含む場合、イソシアネート化合物のイソシアネート基と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位のヒドロキシ基とが、容易に反応できる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位を有するアクリル共重合体と、イソシアネート化合物とを粘着剤層22に共存させておくことによって、粘着剤層22を適度に硬化させることができる。そのため、アクリル共重合体が十分にゲル化できる。よって、粘着剤層22は、形状を維持しつつ粘着性能を発揮できる。
本実施形態において、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位は、炭素数2以上4以下のアルキル部分にOH基が結合した、ヒドロキシ基含有C2~C4アルキル(メタ)アクリレート単位である。「C2~C4アルキル」という表記は、(メタ)アクリル酸に対してエステル結合した炭化水素部分及びその炭素数を表す。換言すると、ヒドロキシ基含有C2~C4アルキル(メタ)アクリルモノマーは、(メタ)アクリル酸と、炭素数2以上4以下のアルコール(通常、2価アルコール)とがエステル結合したモノマーを示す。
C2~C4アルキルの炭化水素部分は、通常、飽和炭化水素である。例えば、C2~C4アルキルの炭化水素部分は、直鎖状飽和炭化水素、又は、分岐鎖状飽和炭化水素である。C2~C4アルキルの炭化水素部分は、酸素(O)や窒素(N)などを含有する極性基を含まないことが好ましい。
ヒドロキシ基含有C2~C4アルキル(メタ)アクリレート単位としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシn-ブチル(メタ)アクリレート、又は、ヒドロキシiso-ブチル(メタ)アクリレートといったヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの各単位が挙げられる。なお、ヒドロキシ基(-OH基)は、炭化水素部分の末端の炭素(C)に結合していてもよく、炭化水素部分の末端以外の炭素(C)に結合していてもよい。
本実施形態において、上述したように、上記のアクリル共重合体は、アルキル部分の炭素数が8以上の長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位を分子中に有する。
上記の長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位は、アルキル部分の炭素数が8以上の長鎖アルキル(メタ)アクリレートモノマーに由来する。換言すると、長鎖アルキル(メタ)アクリレートモノマーが重合反応したあとの分子構造が、長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位である。「アルキル」という表記は、(メタ)アクリル酸に対してエステル結合した炭化水素部分を表す。
長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位におけるアルキル部分(炭化水素)は、飽和炭化水素であってもよく、不飽和炭化水素であってもよい。
長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位におけるアルキル部分(炭化水素)は、直鎖状炭化水素であってもよく、分岐鎖状炭化水素であってもよく、環状構造を含んでいてもよい。
長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位におけるアルキル部分(炭化水素)の炭素数は、22以下であってもよく、18以下であってもよく、14以下であってもよい。
長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位は、ベンゼン環、並びに、エーテル結合(-CH-O-CH-)、-OH基、及び-COOH基などの極性基のいずれも分子中に含まないことが好ましい。長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位において、アルキル部分は、C及びH以外の原子を含まず、8以上18以下の炭素原子で構成された飽和直鎖状炭化水素、又は、飽和分岐鎖状炭化水素であってもよい。
上記のアクリル共重合体が長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位を含むことによって、より良好なピックアップ性を発揮できる。
上記の長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位のアルキル部分(炭化水素部分)の構造としては、例えば、炭素数8以上の飽和直鎖状アルキル構造、又は、飽和分岐鎖状アルキル構造が挙げられる。
具体的には、飽和分岐鎖状アルキル構造を有する長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位としては、アルキル部分の炭素数が8以上11以下の飽和分岐鎖状アルキル(メタ)アクリレート単位が挙げられる。
なお、上記の長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位のアルキル部分(炭化水素部分)は、飽和直鎖状であってもよい。
上記の飽和分岐鎖状アルキル(メタ)アクリレート単位のアルキル部分(炭化水素部分)の構造は、飽和分岐鎖状アルキル構造であればよく、iso構造、sec構造、neo構造、又は、tert構造であり得る。
具体的には、飽和分岐鎖状アルキル(メタ)アクリレート単位としては、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートの各単位などが挙げられる。これらのなかでも、良好なピックアップ性を発揮でき、しかも、エキスパンド工程における、いわゆるチップ浮きを抑制できるという点で、イソノニル(メタ)アクリレート単位、及び、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート単位のうち少なくとも一方が好ましい。
上記のアクリル共重合体は、長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位として、アルキル部分の炭素数が12以上である脂肪族飽和アルキル(メタ)アクリレート単位を含むことが好ましい。脂肪族飽和アルキル(メタ)アクリレート単位は、アルキル部分が飽和炭化水素である脂肪族飽和アルキル(メタ)アクリレート単位であることが好ましく、アルキル部分が飽和炭化水素でありアルキル部分の炭素数が12以上18以下の脂肪族飽和アルキル(メタ)アクリレート単位であることがより好ましい。
上記の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位のアルキル部分(炭化水素部分)の構造としては、例えば、炭素数12以上の飽和直鎖状アルキル構造が挙げられる。
具体的には、脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位としては、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどの各単位が挙げられる。
なお、上記の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位のアルキル部分(炭化水素部分)は、飽和分岐鎖状であってもよい。脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位は、例えば、イソステアリル(メタ)アクリレート単位を含んでもよい。
上記のアクリル共重合体は、上述した長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位の1種を単独で含んでもよく、又は、2種以上を含んでもよい。また、上記のアクリル共重合体は、脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位の1種を単独で含んでもよく、又は、2種以上を含んでもよい。
上記のアクリル共重合体は、ラウリル(メタ)アクリレート単位と、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート単位及びイソノニル(メタ)アクリレート単位の少なくとも一方とを含むことが好ましい。これにより、より良好なピックアップ性を発揮できる。
本実施形態において、上記のアクリル共重合体では、全モノマー単位のうち、上述した架橋性基含有(メタ)アクリレート単位が占める割合は、18モル%以上50モル%以下であることが好ましい。これにより、いわゆるチップ浮きをより抑制でき、より良好なピックアップ性を発揮できる。架橋性基含有(メタ)アクリレート単位が占める割合は、全モノマー単位のうち、20モル%以上であってもよく、22モル%以上であってもよい。また、45モル%以下であってもよく、40モル%以下であってもよい。
上記のアクリル共重合体は、架橋性基含有(メタ)アクリレート単位として上記の重合性(メタ)アクリレート単位を含み、全モノマー単位のうち、上記の重合性(メタ)アクリレート単位が占める割合は、8モル%以上35モル%以下であることが好ましい。これにより、いわゆるチップ浮きをより抑制でき、より良好なピックアップ性を発揮できる。
上記のアクリル共重合体は、架橋性基含有(メタ)アクリレート単位として上記のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位を含み、全モノマー単位のうち、上記のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位が占める割合は、5モル%以上30モル%以下であることが好ましい。これにより、いわゆるチップ浮きをより抑制でき、より良好なピックアップ性を発揮できる。上記のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位が占める割合は、全モノマー単位のうち、10モル%以上であってもよく、12モル%以上であってもよい。また、26モル%以下であってもよい。
上記のアクリル共重合体では、全モノマー単位のうち、長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位が占める割合は、60モル%以上82モル%以下であることが好ましい。これにより、いわゆるチップ浮きをより抑制でき、より良好なピックアップ性を発揮できる。長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位が占める割合は、全モノマー単位のうち、65モル%以上であってもよく、70モル%以上であってもよい。また、80モル%以下であってもよく、78モル%以下であってもよい。
上記のアクリル共重合体では、全モノマー単位のうち、脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位が占める割合は、15モル%以上40モル%以下であることが好ましい。これにより、いわゆるチップ浮きをより抑制でき、より良好なピックアップ性を発揮できる。脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位が占める割合は、全モノマー単位のうち、10モル%以上であってもよい。また、35モル%以下であってもよい。
上記のアクリル共重合体では、架橋性基含有(メタ)アクリレート単位に対する長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位のモル比は、1.5以上3.5以下であることが好ましい。これにより、いわゆるチップ浮きをより抑制でき、より良好なピックアップ性を発揮できる。斯かるモル比は、1.8以上であってもよく、2.0以上であってもよい。また、3.4以下であってもよく、3.3以下であってもよい。
本実施形態において、上記のアクリル共重合体は、上述したモノマー単位以外のモノマー単位を含んでもよい。例えば、(メタ)アクリロイルモルフォリン、N-ビニル-2-ピロリドン、又は、アクリロニトリルなどの各単位を含んでもよい。
粘着剤層22に含まれるアクリル共重合体において、上記の各単位(各構成単位)は、H-NMR、13C-NMRなどのNMR分析、熱分解GC/MS分析、及び、赤外分光法などによって確認できる。なお、アクリル共重合体における上記単位のモル割合は、通常、アクリル共重合体を重合するときの配合量(仕込量)から算出される。
本実施形態において、ダイシングテープ20の粘着剤層22がさらに含み得るイソシアネート化合物は、分子中に複数のイソシアネート基を有する。イソシアネート化合物が分子中に複数のイソシアネート基を有することによって、粘着剤層22におけるアクリル共重合体間の架橋反応を進行させることができる。詳しくは、イソシアネート化合物の一方のイソシアネート基をアクリル共重合体のヒドロキシ基と反応させ、他方のイソシアネート基を別のアクリル共重合体のヒドロキシ基と反応させることで、イソシアネート化合物を介した架橋反応を進行させることができる。
なお、イソシアネート化合物は、ウレタン化反応などを経て合成された化合物であってもよい。
イソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、又は、芳香脂肪族ジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。
さらに、イソシアネート化合物としては、例えば、ジイソシアネートの二量体や三量体等の重合ポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートが挙げられる。
加えて、イソシアネート化合物としては、例えば、上述したイソシアネート化合物の過剰量と、活性水素含有化合物とを反応させたポリイソシアネートが挙げられる。活性水素含有化合物としては、活性水素含有低分子量化合物、活性水素含有高分子量化合物などが挙げられる。
なお、イソシアネート化合物としては、アロファネート化ポリイソシアネート、ビウレット化ポリイソシアネート等も用いることができる。
上記のイソシアネート化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネートと活性水素含有低分子量化合物との反応物が好ましい。芳香族ジイソシアネートの反応物は、イソシアネート基の反応速度が比較的遅いため、斯かる反応物を含む粘着剤層22は、過度に硬化してしまうことが抑制される。上記のイソシアネート化合物としては、分子中にイソシアネート基を3つ以上有するものが好ましい。
粘着剤層22に含まれる重合開始剤は、加えられた熱や光のエネルギーによって重合反応を開始できる化合物である。粘着剤層22が重合開始剤を含むことによって、粘着剤層22に熱エネルギーや光エネルギーを与えたときに、アクリル共重合体間における架橋反応を進行させることができる。詳しくは、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する重合性(メタ)アクリレート単位を有するアクリル共重合体間において、重合性基同士の重合反応を開始させて、粘着剤層22を硬化させることができる。これにより、粘着剤層22の粘着力を低下させ、ピックアップ工程において、硬化した粘着剤層22からダイボンドシート10を容易に剥離させることができる。
重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤又は熱重合開始剤などが採用される。重合開始剤としては、一般的な市販製品を使用できる。
粘着剤層22は、上述した成分以外のその他の成分をさらに含み得る。その他の成分としては、例えば、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、軽剥離化剤等が挙げられる。その他の成分の種類および使用量は、目的に応じて、適切に選択され得る。
本実施形態において、粘着剤層22が活性エネルギー線によって硬化された後の表面弾性率は、30MPaよりも大きく400MPa未満であることが好ましい。これにより、より良好なピックアップ性を発揮できる。上記の表面弾性率は、20MPa以上であってもよく、35MPa以上であってもよい、また、350MPa以下であってもよく、310MPa以下であってもよい。なお、表面弾性率を測定するために行う粘着剤層22の硬化処理条件は、後に説明する。
上記の表面弾性率は、例えば、上記のアクリル共重合体を構成する重合性(メタ)アクリレート単位の割合を高めることによって高めることができる。一方、上記のアクリル共重合体を構成する重合性(メタ)アクリレート単位の割合を低くすることによって上記の弾性率を下げることができる。
上記の表面弾性率(引張弾性率)は、以下の測定条件で測定される。
硬化処理条件:高圧水銀ランプ、60mW/cm、強度300mJ/cmの紫外線を照射
測定装置:ナノインデンター(Hysitron Inc.社製「Triboindenter」)
使用圧子 :Berkovich(三角錐)
測定方法 :単一押し込み測定
測定温度 :室温
押し込み深さ:1μm
測定回数:10回(平均値を算出)
詳しくは、ダイシングダイボンドフィルムにおいて、ダイボンドシート10と粘着剤層22とが重なり合っていない粘着剤層22の露出部分(例えば図1参照)で測定用サンプルを取り出す。通常、斯かる露出部分の表面は、剥離可能な剥離シート(後に詳述)で覆われている。剥離シートが付着した状態で、露出部分において厚さ方向に切断した断片を切り出す。具体的には、厚さ方向に見て一辺1cm程度の正方形状の粘着剤層及び基材層を切り出す。粘着剤層と剥離シートとが十分に密着していることを確認する。日東精機社製の商品名「UM-810」(高圧水銀ランプ、60mW/cm)を用いて、基材層側から強度300mJ/cmの紫外線を照射して粘着剤層を硬化させる。硬化した粘着剤層を支持体に固定し、粘着剤層に付着している剥離シートを剥離する。そして、剥離シートが付着していた粘着剤層の表面でナノインデンテーション測定を実施する。
本実施形態において、粘着剤層22に重ねられた基材層21は、単層構造であってもよく、積層構造を有してもよい。
基材層21の各層は、例えば、金属箔、紙や布などの繊維シート、ゴムシート、樹脂フィルムなどである。
基材層21を構成する繊維シートとしては、紙、織布、不織布などが挙げられる。
樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体等のエチレンの共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;ポリアクリレート;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリウレタン;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド(PPS);脂肪族ポリアミド、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のポリアミド;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリ塩化ビニリデン;ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体);セルロース又はセルロース誘導体;含シリコーン高分子;含フッ素高分子などが挙げられる。これらは、1種が単独で又は2種以上が組み合わされて使用され得る。
基材層21は、樹脂フィルムなどの高分子材料で構成されていることが好ましい。
基材層21が樹脂フィルムを有する場合、樹脂フィルムが延伸処理等を施され、伸び率などの変形性が制御されていてもよい。
基材層21の表面には、粘着剤層22との密着性を高めるために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的方法又は物理的方法による酸化処理等が採用され得る。また、アンカーコーティング剤、プライマー、接着剤等のコーティング剤によるコーティング処理が施されていてもよい。
基材層21は、単層であってもよく、複数の層(例えば3層)で構成されていてもよい。基材層21の厚さ(総厚さ)は、80μm以上150μm以下であってもよい。
基材層21の背面側(粘着剤層22が重なっていない側)には、剥離性を付与するために、例えば、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂等の離型剤(剥離剤)などによって離型処理が施されていてもよい。
基材層21は、背面側から紫外線等の活性エネルギー線を粘着剤層22へ与えることが可能となる点で、光透過性(紫外線透過性)の樹脂フィルム等であることが好ましい。
上記のダイシングテープ20は、使用される前の状態において、粘着剤層22の一方の面(粘着剤層22が基材層21と重なっていない面)を覆う剥離シートを備えてもよい。剥離シートは、粘着剤層22を保護するために用いられ、粘着剤層22にダイボンドシート10を貼り付ける前に剥がされる。
剥離シートとしては、例えば、シリコーン系の剥離剤、長鎖アルキル系の剥離剤、フッ素系の剥離剤、硫化モリブデン等の剥離剤によって表面処理された、プラスチックフィルム又は紙等を用いることができる。
なお、剥離シートは、粘着剤層22を支持するための支持材として利用できる。特に、剥離シートは、基材層21のうえに粘着剤層22を重ねるときに、好適に使用される。詳しくは、剥離シートと粘着剤層22とが積層された状態で粘着剤層22を基材層21に重ね、重ねた後に剥離シートを剥がす(転写する)ことによって、基材層21のうえに粘着剤層22を重ねることができる。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1は、使用される前の状態において、ダイボンドシート10の一方の面(ダイボンドシート10が粘着剤層22と重なっていない面)を覆う剥離シートを備えてもよい。剥離シートは、ダイボンドシート10を保護するために用いられ、ダイボンドシート10に被着体(例えば半導体ウエハ)を貼り付ける直前に剥離される。
この剥離シートは、ダイボンドシート10を支持するための支持材として利用できる。剥離シートは、粘着剤層22にダイボンドシート10を重ねるときに、好適に使用される。詳しくは、剥離シートとダイボンドシート10とが積層された状態でダイボンドシート10を粘着剤層22に重ね、重ねた後に剥離シートを剥がす(転写する)ことによって、粘着剤層22にダイボンドシート10を重ねることができる。
<ダイシングダイボンドフィルムのダイボンドシート>
ダイボンドシート10は、図1に示すように、上述したダイシングテープ20の粘着剤層22に重ねられている。
粘着剤層22とダイボンドシート10との間の剥離力について、粘着剤層22が活性エネルギー線によって硬化される前の剥離力(A)と硬化された後の剥離力(B)とが下記式(1)を満たすことが好ましい。なお、下記の(A)/(B)の数値は、25.0以下であってもよい。
(A)/(B)>7.0 式(1)
上記の式(1)が満たされることにより、チップ浮きをより十分に抑制しつつ、より良好なピックアップ性を発揮できる。なお、硬化された後の剥離力(B)を測定するためには、粘着剤層22を十分に硬化させた後に上記の剥離力を測定する。例えば、高圧水銀ランプ(60mW/cm)を用いて基材層側から少なくとも強度150mJ/cmの活性エネルギー線を照射して粘着剤層を硬化させる。
粘着剤層22とダイボンドシート10との間の剥離力は、粘着剤層22が活性エネルギー線によって硬化される前において(即ち、上記(A)の値)、0.30[N/20mm]以上であってもよく、0.50[N/20mm]以上であってもよい。(A)の値は、2.50[N/20mm]以下であってもよく、1.90[N/20mm]以下であってもよい。これにより、いわゆるチップ浮きをより十分に抑制できる。
粘着剤層22とダイボンドシート10との間の剥離力は、粘着剤層22が活性エネルギー線によって硬化された後において(即ち、上記(B)の値)、0.03[N/20mm]以上であってもよく、0.05[N/20mm]以上であってもよく、0.06[N/20mm]より大きくてもよい。(A)の値は、0.10[N/20mm]以下であってもよく、0.09[N/20mm]以下であってもよく、0.09[N/20mm]未満であってもよい。これにより、より良好なピックアップ性を発揮できる。
上記の(A)の数値は、例えば、粘着剤層22中の上記アクリル共重合体におけるラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有割合を高めることによって、より大きくすることができる。また、例えば、上述したヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位の上記アクリル共重合体中における含有割合を高めることによって、上記の(A)の数値をより大きくすることができる。
上記の(B)の数値は、例えば、粘着剤層22中の上記アクリル共重合体におけるラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有割合を高めることによって、より小さくすることができる。また、上述した脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位の上記アクリル共重合体中における含有割合を高めることによって、上記の(B)の数値をより小さくすることができる。
上記のようにして(A)及び(B)を変えることによって、上記の(A)/(B)の値を調整することができる。
ダイボンドシート10は、熱硬化処理によって架橋反応を起こす架橋性基を分子中に有する架橋性基含有アクリルポリマーを含む。斯かる架橋性基含有アクリルポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーが少なくとも重合した高分子化合物である。
上記の架橋性基含有アクリルポリマーは、通常、側鎖に上記の架橋性基を有する。上記の架橋性基含有アクリルポリマーは、側鎖の末端に上記の架橋性基を有してもよい。なお、上記の架橋性基含有アクリルポリマーは、主鎖の両端のうち少なくとも一方に上記の架橋性基を有してもよい。
上記の架橋性基含有アクリルポリマーが分子中に有する架橋性基は、熱硬化処理によって架橋反応を起こす官能基であれば、特に限定されない。
架橋性基としては、例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基などが挙げられる。これらの架橋性基は、エポキシ基又はイソシアネート基と架橋反応を起こすことができる。例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基の少なくとも一方を分子中に有する上記の架橋性基含有アクリルポリマーは、エポキシ基又はイソシアネート基を分子中に有する化合物(例えば、後述するエポキシ樹脂など)との間で架橋反応を起こすことができる。
また、架橋性基としては、例えば、エポキシ基又はイソシアネート基などが挙げられる。これらの架橋性基は、ヒドロキシ基やカルボキシ基と架橋反応を起こすことができる。例えば、エポキシ基又はイソシアネート基の少なくとも一方を分子中に有する上記の架橋性基含有アクリルポリマーは、ヒドロキシ基又はカルボキシ基の少なくとも一方を分子中に有する化合物(例えば、後述するフェノール樹脂など)との間で架橋反応を起こすことができる。
本実施形態において、ダイボンドシート10に含まれる架橋性基含有アクリルポリマーは、カルボキシ基又はエポキシ基の少なくとも一方を架橋性基として含有することが好ましい。これにより、ダイボンドシート10をより良好に被着体に接着させることができる。
なお、ダイボンドシート10には、硬化(後に詳述)後の被着体への接着性をより十分に発揮するため、硬化後に比較的高い凝集力を有する性能が求められる。硬化後の凝集力を高めるには、ダイボンドシート10に含まれる有機成分同士が十分に架橋反応して、ダイボンドシート10が十分に硬化する必要がある。十分に硬化を進行させるために、架橋性基含有アクリルポリマーは、エポキシ基(グリシジル基)又はカルボキシ基といった比較的反応性が高い官能基を有することが好ましい。
上記の架橋性基含有アクリルポリマーにおいて、架橋性基含有モノマーの構成単位が占める割合は、0.1質量%以上60.0質量%以下であってもよく、0.5質量%以上40.0質量%以下であってもよく、より好ましくは1.0質量%以上30.0質量%以下であってもよく、さらに好ましくは3.0質量%以上20.0質量%以下であってもよい。
上記の割合が0.1質量%以上であることにより、ダイボンドシート10が熱硬化処理されるときの硬化をより十分に進行させることができる。一方、上記の割合が60.0質量%以下であることにより、架橋性基含有アクリルポリマーの架橋反応性を適度に抑制して経時安定性を高めることができる。
上記の架橋性基含有アクリルポリマーがヒドロキシ基又はカルボキシ基を架橋性基として分子中に有する場合、架橋性基含有アクリルポリマーにおいて、架橋性基含有モノマーの構成単位が占める割合は、0.1質量%以上20.0質量%以下であってもよく、0.5質量%以上10.0質量%以下であってもよく、より好ましくは0.8質量%以上15.0質量%以下であってもよく、さらに好ましくは1.0質量%以上10.0質量%以下であってもよい。
上記の架橋性基含有アクリルポリマーがエポキシ基を架橋性基として分子中に有する場合、架橋性基含有アクリルポリマーに占める、エポキシ基を含有する構成単位の割合は、5質量%以上60質量%以下であってもよく、6質量%以上40質量%以下であってもよく、より好ましくは7質量%以上20質量%以下であってもよい。
なお、構成単位とは、架橋性基含有アクリルポリマーを調製するときのモノマー(例えば2-エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなど)が重合した後の各モノマー由来の構造である。以下同様である。
本実施形態のダイボンドシート10は、1種の架橋性基含有アクリルポリマーを含んでもよく、又は、複数種(例えば2種)の架橋性基含有アクリルポリマーを含んでもよい。
例えば、ダイボンドシート10が2種の架橋性基含有アクリルポリマーを含む場合、2種の架橋性基含有アクリルポリマーのうち一方の架橋性基と、他方の架橋性基とは、互いに架橋反応し合う。具体的には、ヒドロキシ基又はカルボキシ基の少なくとも一方を架橋性基として分子中に有する架橋性基含有アクリルポリマーと、エポキシ基又はイソシアネート基の少なくとも一方を架橋性基として分子中に有する架橋性基含有アクリルポリマーとは、互いに架橋反応できる。
上記の架橋性基含有アクリルポリマーは、例えばラジカル重合開始剤を用いた一般的な重合方法によって合成できる。
上記の架橋性基含有アクリルポリマーは、分子中の構成単位のうち、アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構成単位を質量割合で最も多く含むことが好ましい。当該アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、アルキル基(炭化水素基)の炭素数が1以上18以下のC1~C18アルキル(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、飽和直鎖状アルキル(メタ)アクリレートモノマー、飽和分岐鎖状アルキル(メタ)アクリレートモノマーなどが挙げられる。
飽和直鎖状アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、直鎖状アルキル基部分の炭素数は、2以上8以下であることが好ましい。
飽和分岐鎖状アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、イソヘプチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、アルキル基部分は、iso構造、sec構造、neo構造、又は、tert構造のいずれかを有してもよい。
上記の架橋性基含有アクリルポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能な架橋性基含有モノマーに由来する構成単位を含む。
本実施形態において、上記の架橋性基含有アクリルポリマーは、少なくともアルキル(メタ)アクリレートモノマーと架橋性基含有モノマーとが共重合したアクリルポリマーである。換言すると、上記の架橋性基含有アクリルポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構成単位と、架橋性基含有モノマーの構成単位とがランダムな順序でつながった構成を有する。
上記架橋性基含有モノマーとしては、例えば、カルボキシ基含有(メタ)アクリルモノマー、酸無水物(メタ)アクリルモノマー、ヒドロキシ基(水酸基)含有(メタ)アクリルモノマー、エポキシ基(グリシジル基)含有(メタ)アクリルモノマー、イソシアネート基含有(メタ)アクリルモノマー、スルホン酸基含有(メタ)アクリルモノマー、リン酸基含有(メタ)アクリルモノマー、アクリルアミド、アクリロニトリル等の官能基含有モノマー等が挙げられる。なお、上記架橋性基含有モノマーは、分子中にエーテル基又はエステル基などを有してもよい。
上記架橋性基含有アクリルポリマーは、好ましくは、
カルボキシ基含有(メタ)アクリルモノマー、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリルモノマー、エポキシ基含有(メタ)アクリルモノマー、及びイソシアネート基含有(メタ)アクリルモノマーからなる群より選択された少なくとも1種の架橋性基含有モノマーと、
アルキル(メタ)アクリレート(特に、アルキル部分の炭素数が8以下のアルキル(メタ)アクリレート)と、の共重合体である。
カルボキシ基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)サクシネートモノマーなどが挙げられる。なお、カルボキシ基は、モノマー構造の末端部分に配置されていてもよく、末端部分以外の炭化水素に結合していてもよい。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートモノマー、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートモノマー、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートモノマーなどが挙げられる。なお、ヒドロキシ基は、モノマー構造の末端部分に配置されていてもよく、末端部分以外の炭化水素に結合していてもよい。
エポキシ基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートモノマー、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルなどが挙げられる。なお、エポキシ基は、モノマー構造の末端部分に配置されていてもよく、末端部分以外の炭化水素に結合していてもよい。
イソシアネート基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-(2-メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネートなどが挙げられる。
ダイボンドシート10は、上記の架橋性基含有アクリルポリマー以外の成分を含んでもよい。例えば、ダイボンドシート10は、熱硬化性樹脂、又は、上記の架橋性基含有アクリルポリマー以外の熱可塑性樹脂の少なくとも一方をさらに含んでもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、1種のみ、又は、2種以上が採用される。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型、ヒダントイン型、トリスグリシジルイソシアヌレート型、又は、グリシジルアミン型の各エポキシ樹脂が挙げられる。
フェノール樹脂は、エポキシ樹脂の硬化剤として作用し得る。フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン等が挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert-ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等が挙げられる。
フェノール樹脂の水酸基当量[g/eq]は、例えば、90以上220以下であってもよい。
上記フェノール樹脂としては、1種のみ、又は、2種以上が採用される。
本実施形態において、ダイボンドシート10は、互いに架橋反応する、上記の架橋性基含有アクリルポリマーと熱硬化性樹脂とを含んでもよい。また、ダイボンドシート10は、互いに架橋反応する複数種の架橋性基含有アクリルポリマーを含んでもよい。
例えば、ダイボンドシート10は、カルボキシ基含有アクリルポリマー、又はヒドロキシ基含有アクリルポリマーを架橋性基含有アクリルポリマーとして含み、且つ、エポキシ樹脂を熱硬化性樹脂として含んでもよい。これにより、架橋性基含有アクリルポリマーのカルボキシ基又はヒドロキシ基と、エポキシ樹脂のエポキシ基とが架橋反応してダイボンドシート10を十分に硬化させることができる。
ダイボンドシート10に含まれ得る、上記の架橋性基含有アクリルポリマー以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6-ポリアミド樹脂や6,6-ポリアミド樹脂等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、架橋性官能基を分子中に含まないアクリル樹脂、PETやPBT等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、1種のみ、又は、2種以上が採用される。
ダイボンドシート10の総質量100質量部における、上記の架橋性基含有アクリルポリマーの含有割合は、好ましくは8質量部以上100質量部以下であり、より好ましくは30質量部以上であり、さらに好ましくは40質量部以上である。
ダイボンドシート10において、フィラーを除く有機成分(例えば、上記の架橋性基含有アクリルポリマー、熱硬化性樹脂、硬化触媒等、シランカップリング剤、染料)の100質量部に対して、上記の架橋性基含有アクリルポリマーの含有割合は、好ましくは15質量部以上100質量部以下であり、より好ましくは40質量部以上98質量部以下であり、さらに好ましくは60質量部以上である。なお、ダイボンドシート10における熱硬化性樹脂の含有率を変化させることによって、ダイボンドシート10の弾性や粘性を調整することができる。
一方、上記有機成分の100質量部に対して、熱硬化性樹脂の含有割合は、40質量部以下であってもよく、10質量部以下であってもよい。
ダイボンドシート10は、フィラーを含有してもよく、含有しなくてもよい。ダイボンドシート10におけるフィラーの量を変えることにより、ダイボンドシート10の弾性及び粘性をより容易に調整することができる。さらに、ダイボンドシート10の導電性、熱伝導性、弾性率等の物性を調整することができる。
フィラーとしては、無機フィラー及び有機フィラーが挙げられる。フィラーとしては、無機フィラーが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶質シリカや非晶質シリカといったシリカなどを含むフィラーが挙げられる。また、無機フィラーの材質としては、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル等の金属単体や、合金などが挙げられる。ホウ酸アルミニウムウィスカ、アモルファスカーボンブラック、グラファイト等のフィラーであってもよい。フィラーの形状は、球状、針状、フレーク状等の各種形状であってもよい。フィラーとしては、上記の1種のみ、又は、2種以上が採用される。
ダイボンドシート10がフィラーを含む場合、上記フィラーの含有率は、ダイボンドシート10の総質量の50質量%以下であってもよく、40質量%以下であってもよく、30質量%以下であってもよい。なお、上記フィラーの含有率は、例えば5質量%以上であってもよい。
ダイボンドシート10は、必要に応じて他の成分を含んでもよい。上記他の成分としては、例えば、硬化触媒、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤、染料等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
イオントラップ剤としては、例えば、ハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記他の添加剤としては、1種のみ、又は、2種以上が採用される。
ダイボンドシート10は、弾性及び粘性を調整しやすいという点で、好ましくは、上記の架橋性基含有アクリルポリマー、熱硬化性樹脂、及びフィラーを含む。
ダイボンドシート10の厚さは、特に限定されないが、例えば1μm以上200μm以下である。斯かる厚さは、3μm以上150μm以下であってもよく、5μm以上100μm以下であってもよい。なお、ダイボンドシート10が積層体である場合、上記の厚さは、積層体の総厚さである。
ダイボンドシート10は、例えば図1に示すように、単層構造を有してもよい。本明細書において、単層とは、同じ組成物で形成された層のみを有することである。同じ組成物で形成された層が複数積層された形態も単層である。
一方、ダイボンドシート10は、例えば、2種以上の異なる組成物でそれぞれ形成された層が積層された多層構造を有してもよい。ダイボンドシート10が多層構造を有する場合、ダイボンドシート10を構成する少なくとも1層が、上記の架橋性基含有アクリルポリマーを含み、必要に応じて熱硬化性樹脂をさらに含んでいればよい。
続いて、本実施形態のダイボンドシート10、及び、ダイシングダイボンドフィルム1の製造方法について説明する。
<ダイシングダイボンドフィルムの製造方法>
本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1の製造方法は、
ダイボンドシート10を作製する工程と、
ダイシングテープ20を作製する工程と、
製造されたダイボンドシート10とダイシングテープ20とを重ね合わせる工程とを備える。
<ダイボンドシートを作製する工程>
ダイボンドシート10を作製する工程は、
ダイボンドシート10を形成するための樹脂組成物を調製する樹脂組成物調製工程と、
樹脂組成物からダイボンドシート10を形成するダイボンドシート形成工程と、を有する。
樹脂組成物調製工程では、例えば、上記の架橋性基含有アクリルポリマーと、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化触媒、フェノール樹脂、又は、溶媒のいずれかとを混合して、各樹脂を溶媒に溶解させることによって、樹脂組成物を調製する。溶媒の量を変化させることによって、組成物の粘度を調整することができる。なお、これらの樹脂としては、市販されている製品を用いることができる。
ダイボンドシート形成工程では、例えば、上記のごとく調製した樹脂組成物を、剥離シートに塗布する。塗布方法としては、特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等の一般的な塗布方法が採用される。次に、必要に応じて、脱溶媒処理や硬化処理等によって、塗布した組成物を固化させて、ダイボンドシート10を形成する。
<ダイシングテープを作製する工程>
ダイシングテープを作製する工程は、
アクリル共重合体を合成する合成工程と、
上述したアクリル共重合体と、イソシアネート化合物と、重合開始剤と、溶媒と、目的に応じて適宜追加するその他の成分と、を含む粘着剤組成物から溶媒を揮発させて粘着剤層22を作製する粘着剤層作製工程と、
基材層21を作製する基材層作製工程と、
粘着剤層22と基材層21とを貼り合わせることによって、基材層21と粘着剤層22とを積層させる積層工程と、を備える。
合成工程では、例えば、上記の長鎖アルキル(メタ)アクリレートモノマーと、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリルモノマーと、をラジカル重合させることによって、アクリル共重合体中間体を合成する。
ラジカル重合は、一般的な方法によって行うことができる。例えば、上記の各モノマーを溶媒に溶解させて加熱しながら撹拌し、重合開始剤を添加することによって、アクリル共重合体中間体を合成できる。アクリル共重合体の分子量を調整するために、連鎖移動剤の存在下において重合を行ってもよい。
次に、アクリル共重合体中間体に含まれる、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位の一部のヒドロキシ基と、イソシアネート基含有重合性モノマーのイソシアネート基とを、ウレタン化反応によって結合させる。これにより、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位の一部が、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する重合性(メタ)アクリレート単位となる。
ウレタン化反応は、一般的な方法によって行うことができる。例えば、溶媒及びウレタン化触媒の存在下において、加熱しながらアクリル共重合体中間体とイソシアネート基含有重合性モノマーとを撹拌する。これにより、アクリル共重合体中間体のヒドロキシ基の一部に、イソシアネート基含有重合性モノマーのイソシアネート基をウレタン結合させることができる。
粘着剤層作製工程では、例えば、アクリル共重合体と、イソシアネート化合物と、重合開始剤とを溶媒に溶解させて、粘着剤組成物を調製する。溶媒の量を変化させることによって、組成物の粘度を調整することができる。次に、粘着剤組成物を剥離シートに塗布する。塗布方法としては、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等の一般的な塗布方法が採用される。塗布した組成物に、脱溶媒処理や固化処理等を施すことによって、塗布した粘着剤組成物を固化させて、粘着剤層22を作製する。
基材層作製工程では、一般的な方法によって製膜して基材層を作製できる。製膜する方法としては、例えば、カレンダー製膜法、有機溶媒中でのキャスティング法、密閉系でのインフレーション押出法、Tダイ押出法、ドライラミネート法等が挙げられる。共押出し成形法を採用してもよい。なお、基材層21として、市販されているフィルム等を用いてもよい。
積層工程では、剥離シートに重なった状態の粘着剤層22と基材層21とを重ねて積層させる。なお、剥離シートは、使用前まで粘着剤層22に重なった状態であってもよい。
なお、架橋剤とアクリル共重合体との反応を促進するため、また、架橋剤と基材層21の表面部分との反応を促進するために、積層工程の後に、50℃環境下で、48時間のエージング処理工程を実施してもよい。
これら工程によって、ダイシングテープ20を製造することができる。
<ダイボンドシート10とダイシングテープ20とを重ね合わせる工程>
ダイボンドシート10とダイシングテープ20とを重ね合わせる工程では、上記のごとく製造したダイシングテープ20の粘着剤層22にダイボンドシート10を貼り付ける。
斯かる貼付では、ダイシングテープ20の粘着剤層22、及び、ダイボンドシート10からそれぞれ剥離シートを剥離し、ダイボンドシート10と粘着剤層22とが直接接触するように、両者を貼り合わせる。例えば、圧着することによって貼り合わせることができる。貼り合わせるときの温度は、特に限定されず、例えば、30℃以上50℃以下であり、好ましくは35℃以上45℃以下である。貼り合わせるときの線圧は、特に限定されないが、好ましくは0.1kgf/cm以上20kgf/cm以下であり、より好ましくは1kgf/cm以上10kgf/cm以下である。
上述した工程を経て、上記のごとく製造されたダイシングダイボンドフィルム1は、例えば、半導体装置(半導体集積回路)を製造するための補助用具として使用される。以下、半導体装置の製造方法(ダイシングダイボンドフィルムの使用方法)について説明する。
<半導体装置の製造方法(半導体装置を製造するときのダイシングダイボンドフィルムの使用方法)>
半導体装置の製造方法では、一般的に、回路面が形成された半導体ウエハからチップを切り出して組立てを行う。このとき、本実施形態のダイシングダイボンドフィルムが製造補助用具として使用される。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、
回路面が形成されたウエハ(半導体ウエハ)をチップへ割断する割断工程と、
上述したダイシングダイボンドフィルムの前記粘着剤層に貼り付けられた前記ダイボンドシートを、前記チップとともに前記粘着剤層から剥離するピックアップ工程とを備える。
本実施形態の半導体装置の製造方法において、割断工程は、例えば、バックグラインドテープを貼り付けた半導体ウエハの内部にレーザー光によって脆弱部分を形成し、半導体ウエハを割断処理によってチップ(ダイ)へ加工する準備を行うステルスダイシング工程と、バックグラインドテープが貼り付けられた半導体ウエハを研削して厚さを薄くするバックグラインド工程と、厚さが薄くなった半導体ウエハの一面(例えば、回路面とは反対側の面)をダイボンドシート10に貼り付けて、ダイシングテープ20に半導体ウエハを固定するマウント工程と、ダイシングテープ20を引き延ばすことによって半導体ウエハを割断してチップ(ダイ)を作製し、チップ同士の間隔を広げるエキスパンド工程と、を有する。
ピックアップ工程では、ダイボンドシート10と粘着剤層22との間を剥離してダイボンドシート10が貼り付いた状態で半導体チップ(ダイ)を取り出す。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、さらに、半導体チップ(ダイ)に貼り付いたダイボンドシート10を被着体に接着させるダイボンド工程と、被着体に接着したダイボンドシート10を硬化させるキュアリング工程と、半導体チップ(ダイ)における電子回路の電極と被着体とをワイヤによって電気的に接続するワイヤボンディング工程と、被着体上の半導体チップ(ダイ)及びワイヤを熱硬化性樹脂によって封止する封止工程と、を有する。
ステルスダイシング工程は、いわゆるSDBG(Stealth Dicing Before Grinding)プロセスにおける工程である。ステルスダイシング工程では、図2A~図2Cに示すように、回路面が形成されたウエハをチップ(ダイ)に割断するための脆弱部分を半導体ウエハWの内部に形成する。詳しくは、半導体ウエハWの回路面にバックグラインドテープGを貼り付ける(図2A参照)。バックグラインドテープGを貼り付けた状態で、半導体ウエハWが所定の厚さになるまで研削パッドKによる研削加工(プレバックグラインド加工)を施す(図2B参照)。厚さが薄くなった半導体ウエハWにレーザー光を当てることによって半導体ウエハWの内部に脆弱部分を形成する(図2C参照)。
ステルスダイシング工程に代わり、ハーフカット工程を実施してもよい。ハーフカット工程は、いわゆるDBG(Dicing Before Grinding)プロセスにおける工程である。
ハーフカット工程では、半導体ウエハを割断処理によってチップ(ダイ)へ加工すべく半導体ウエハに溝を形成してから半導体ウエハを研削して厚さを薄くする。
具体的には、ハーフカット工程では、回路面が形成されたウエハ(パターンウエハ)をチップ(ダイ)に割断するためのハーフカット加工を施す。より具体的には、半導体ウエハの回路面とは反対側の面に、ウエハ加工用テープを貼り付ける。また、ウエハ加工用テープにダイシングリングを取り付ける。ウエハ加工用テープを貼り付けた状態で、分割用の溝を形成する。溝を形成した面にバックグラインドテープを貼り付ける一方で、始めに貼り付けたウエハ加工用テープを剥離する。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルムは、上記のように、半導体ウエハを割断して半導体チップを製造するためのSDBG(Stealth Dicing Before Grinding)プロセス又はDBG(Dicing Before Grinding)プロセスで使用されることが好ましい。
バックグラインド工程では、図2Dに示すように、バックグラインドテープGを貼り付けた状態の半導体ウエハWに対してさらに研削加工を施し、後の割断処理によって作製されるチップ(ダイ)の厚さになるまで半導体ウエハWの厚さを薄くする。例えば、上記ハーフカット加工された半導体ウエハWが個別化しないように所定の厚さになるまで研削加工を施してもよい。このように研削加工を施すと、後のエキスパンド工程(特に低温エキスパンド工程)によって、半導体ウエハWをチップへと割断すると同時にダイボンドシート10も割断することとなる。一方、上記ハーフカット加工された半導体ウエハWが個別化するまで研削加工を施してもよい。このように研削加工を施すと、後のエキスパンド工程(特に低温エキスパンド工程)において、例えば、隣り合うチップ同士の間隔を広げると同時にダイボンドシート10を割断することとなる。
マウント工程では、図3A~図3Bに示すように、半導体ウエハWをダイシングテープ20に固定する。詳しくは、ダイシングテープ20の粘着剤層22にダイシングリングRを取り付けつつ、露出したダイボンドシート10の面に、上記のごとき切削加工によって厚さが薄くなった半導体ウエハWを貼り付ける(図3A参照)。続いて、半導体ウエハWからバックグラインドテープGを剥離する(図3B参照)。
エキスパンド工程の前に、例えばレーザー光の照射によってダイボンドシート10を割断してもよい。具体的には、上記の切削加工によって半導体ウエハWを個別化する場合、半導体ウエハが個別化されてなるチップに重なりつつまだ割断されていないダイボンドシート10をレーザー光の照射によって切断してもよい。その後、エキスパンド工程によって、隣り合うチップ同士の間隔を広げてもよい。
エキスパンド工程では、図4A~図4Cに示すように、割断によって作製された半導体チップ(ダイ)X同士の間隔を広げる。詳しくは、ダイシングテープ20の粘着剤層22にダイシングリングRを取り付けた後、エキスパンド装置の保持具Hに固定する(図4A参照)。エキスパンド装置が備える突き上げ部材Uを、ダイシングダイボンドフィルム1の下側から突き上げることによって、ダイシングダイボンドフィルム1を面方向に広げるように引き延ばす(図4B参照)。これにより、特定の温度条件において半導体ウエハWを割断する。上記温度条件は、例えば-20~0℃であり、好ましくは-15~0℃、より好ましくは-10~-5℃である。突き上げ部材Uを下降させることによって、エキスパンド状態を解除する(図4C参照 ここまで低温エキスパンド工程)。
さらに、エキスパンド工程では、図5A~図5Bに示すように、より高い温度条件下(例えば10℃~25℃)において、面積を広げるようにダイシングテープ20を引き延ばす。これにより、割断後に隣り合う半導体チップXをフィルム面の面方向に引き離して、さらにカーフ(間隔)を広げる(常温エキスパンド工程)。
なお、上述したDBGプロセスを実施する場合、エキスパンド工程において、低温でダイボンドシートを割断する方式を採用してもよく、又は、レーザーでダイボンドシートをカットする方式を採用してもよい。レーザーでダイボンドシートをカットする場合には、ダイボンドシートをカットした後にさらに低温でエキスパンド工程を行うことがある。
ピックアップ工程の前に、例えば基材層21に重なった粘着剤層22に、基材層21側から紫外線を照射することによって、粘着剤層22に硬化処理を施す(硬化処理工程)。
ピックアップ工程では、図6に示すように、ダイボンドシート10が貼り付いた状態の半導体チップXをダイシングテープ20の粘着剤層22から剥離する。詳しくは、ピン部材Pを上昇させて、ピックアップ対象の半導体チップXを、ダイシングテープ20を介して突き上げる。突き上げられた半導体チップXを吸着治具Jによって保持する。
上述した本実施形態のダイシングダイボンドフィルムを使用することによって、ピックアップ工程において、良好なピックアップ性を発揮できる。
ダイボンド工程では、ダイボンドシート10が貼り付いた状態の半導体チップXを被着体Zに接着させる。ダイボンド工程では、例えば図7に示すように、ダイボンドシート10が貼り付いた状態の半導体チップXを複数回積み重ねていくことがある。このように、チップ埋込型の半導体装置(FOD[Film on Die]型半導体装置)を製造するときに、半導体チップを埋め込むためにダイボンドシート10が使用されてもよい。
キュアリング工程では、ダイボンドシート10に含まれる上述した架橋性基含有アクリルポリマーにおける架橋性基(例えばエポキシ基)の反応活性を高めてダイボンドシート10の硬化を進行させるために、例えば100℃以上180℃以下の温度で加熱処理を行う。
ワイヤボンディング工程では、図8に示すように、半導体チップX(ダイ)と被着体Zとを加熱しつつ、ワイヤLで接続する。よって、ダイボンドシート10に含まれる上述した架橋性基含有アクリルポリマーにおける架橋性基が、加熱によって再び反応活性を有することとなり、ダイボンドシート10の硬化反応が進行し得る。
なお、ワイヤボンディング工程では、ダイボンドシート10に対して厚さ方向に圧縮力を加える場合がある。
封止工程では、図9に示すように、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂Mによって半導体チップX(ダイ)とダイボンドシート10とを封止する。封止工程では、熱硬化性樹脂Mの硬化反応を進行させるために、例えば100℃以上180℃以下の温度で加熱処理を行う。
なお、近年の半導体産業においては、集積化技術のさらなる進展に伴って、より薄い半導体チップ(例えば20μm以上50μm以下の厚さ)、及び、より薄いダイボンドシート(例えば1μm以上40μm以下、好ましくは7μm以下、より好ましくは5μm以下の厚さ)が要望されている。
このような薄い半導体チップの一方の表面には、電子回路が形成されている。薄い半導体チップの一方の面に電子回路が形成されていると、半導体チップが内部応力に耐え切れずにわずかに変形(反りなど)し、この変形に伴ってダイボンドシートにも反りが生じ得る(図10参照)。
上述したエキスパンド工程では、特に常温エキスパンド工程において、ダイシングテープ20を面方向に強い力で引き伸ばすため、チップに反りがあると、ダイシングテープ20とダイボンドシート10とが剥離して、いわゆるチップ浮き現象が生じる。このチップ浮きを抑えるために、エキスパンド工程では、ダイシングテープ20とダイボンドシート10との間に比較的高い粘着力が必要となる。
一方で、ピックアップ工程では、ダイシングテープ20からダイボンドシート10を容易に剥離できること(良好なピックアップ性)が求められる。この相反する性能を発揮させるために、例えば、ダイシングテープ20の粘着剤層22が活性エネルギー線の照射によって硬化できるようにダイシングテープ20を設計する。具体的には、エキスパンド工程における割断のための低温エキスパンド工程と、チップ-チップ間距離を確保するための常温エキスパンド工程とは、活性エネルギー線を照射する前において粘着剤層22が比較的高い粘着力を有する状態で実施する。一方で、ピックアップ工程の前に粘着剤層22へ活性エネルギー線を照射して、粘着剤層22の粘着力を下げる。
本実施形態では、粘着剤層22を電子顕微鏡によって断面を観察したときに、相分離構造が観察され、相分離構造は、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する第1相と、第1相と分離し第1相よりもラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率が低い第2相とを含み、断面における第1相の面積割合が50%よりも高い。このように、硬化前の粘着剤層22の極性が適度に高くなるように粘着剤層22を設計している。これにより、硬化前の粘着剤層22と、ダイボンドシート10との粘着性を適度に高めることができ、硬化前の粘着剤層22とダイボンドシート10とを、比較的強く粘着できる。よって、エキスパンド工程におけるチップ浮き現象を抑えることができる。ラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有濾つがより高い第1相が比較的多いため、活性エネルギー線によって硬化した後の粘着剤層22の極性が低くなるように粘着剤層22を設計している。これにより、活性エネルギー線照射による硬化後の粘着剤層22は、比較的極性が低くなる。よって、活性エネルギー線を照射した後における粘着剤層22と、ダイボンドシート10との粘着性を弱めることができる。換言すると、粘着剤層22は、硬化された後において、比較的極性の高いダイボンドシート10との間における界面相互作用が小さくなる。従って、硬化後の粘着剤層22は、ダイボンドシート10との剥離性が高められる。よって、良好なピックアップ性が発揮される。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルムは上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示のダイシングダイボンドフィルムに限定されるものではない。
即ち、一般的なダイシングダイボンドフィルムにおいて用いられる種々の形態が、本発明の効果を損ねない範囲において、採用され得る。
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1)
基材層、及び、該基材層に重なった粘着剤層を有するダイシングテープと、該ダイシングテープに重ねられたダイボンドシートを備え、
前記粘着剤層は、電子顕微鏡によって断面を観察したときに、相分離構造を有し、
前記相分離構造は、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する第1相と、該第1相よりもラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率が低く前記第1相と分離した第2相とを含み、
前記断面における前記第1相の面積割合が50%よりも高い、ダイシングダイボンドフィルム。
(2)
前記粘着剤層は、前記ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する重合性(メタ)アクリレート単位をモノマー単位として分子中に有するアクリル共重合体を含む、上記(1)に記載のダイシングダイボンドフィルム。
(3)
前記アクリル共重合体は、硬化処理によって架橋反応を起こす架橋性基を有する架橋性基含有(メタ)アクリレート単位をモノマー単位として分子中に少なくとも有し、
前記アクリル共重合体において、全モノマー単位のうち前記架橋性基含有(メタ)アクリレート単位が占める割合は、18モル%以上50モル%以下であり、
前記架橋性基含有(メタ)アクリレート単位の一部が、前記重合性(メタ)アクリレート単位である、上記(2)に記載のダイシングダイボンドフィルム。
(4)
前記アクリル共重合体は、前記重合性(メタ)アクリレート単位を、全モノマー単位のうち、8モル%以上35モル%以下含む、上記(2)又は(3)に記載のダイシングダイボンドフィルム。
(5)
前記アクリル共重合体が、前記モノマー単位として、アルキル部分の炭素数が8以上の長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位を含み、
前記アクリル共重合体において、全モノマー単位のうち前記長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位が占める割合は、60モル%以上82モル%以下である、上記(2)乃至(4)のいずれかに記載のダイシングダイボンドフィルム。
(6)
前記アクリル共重合体は、アルキル部分の炭素数が12以上の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位を前記長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位として含み、
前記アクリル共重合体において、全モノマー単位のうち前記脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位が占める割合は、15モル%以上40モル%以下である、上記(5)に記載のダイシングダイボンドフィルム。
(7)
前記粘着剤層と前記ダイボンドシートとの間の剥離力について、前記ダイシングテープが活性エネルギー線によって硬化される前の剥離力(A)と硬化された後の剥離力(B)とが下記式(1)を満たす、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のダイシングダイボンドフィルム。
(A)/(B)>7.0 式(1)
(8)
前記粘着剤層が活性エネルギー線によって硬化された後の表面弾性率が30MPaよりも大きく400MPa未満である、上記(1)乃至(7)のいずれかに記載のダイシングダイボンドフィルム。
(9)
前記アクリル共重合体は、前記架橋性基含有(メタ)アクリレート単位と、アルキル(メタ)アクリレート単位とを含有し、
前記架橋性基含有(メタ)アクリレート単位は、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位と、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を分子中に含有する重合性(メタ)アクリレート単位とを有し、
前記アルキル(メタ)アクリレート単位は、アルキル部分の炭素数が8以上11以下の飽和分岐鎖状アルキル(メタ)アクリレート単位と、アルキル部分の炭素数が12以上14以下の飽和直鎖状脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位とを含有する、上記(3)乃至(8)のいずれかに記載のダイシングダイボンドフィルム。
(10)
前記アクリル共重合体において、前記飽和直鎖状脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位に対する、前記飽和分岐鎖状アルキル(メタ)アクリレート単位のモル換算での量比は、1.0以上5.0以下である、上記(9)に記載のダイシングダイボンドフィルム。
次に実験例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下のようにして、ダイシングテープを製造した。また、このダイシングテープをダイボンドシートと貼り合わせて、ダイシングダイボンドフィルムを製造した。
<ダイシングテープの作製>
(アクリル共重合体の原料モノマー)
・2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)
・2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
・4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)
・エチルアクリレート(EA)
・2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)
・イソノニルアクリレート(INA)
・ラウリルアクリレート(LA)
(実施例1~4)/(比較例1~5)
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、表1に示す配合組成となるように各原料を入れた。モノマーの合計100質量部に対し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を熱重合開始剤として使用した。全モノマーの濃度が所定濃度(例えば35質量%)となるように酢酸エチルを反応溶媒として加えた。窒素気流中で62℃にて所定時間(例えば3時間)、さらに75℃にて所定時間(例えば4時間)の重合反応処理を行い、アクリル共重合体の中間体を得た。
各実施例及び各比較例において、重合時のモノマー濃度、重合時間は、それぞれ表2に示す通りである。
上記のごとく調製したアクリル共重合体の中間体を含む液に、重合時に配合したモノマーの総量に対して、表1に示すモル割合(表1において重合性基含有モノマー単位と表示)となるように2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(以下、MOIともいう)を加えた。例えば、実施例1では、重合時に配合したモノマーの合計100モルに対して、MOIが32モルとなるようにMOIを添加した。また、MOI添加量に対して0.5質量%のジラウリン酸ジブチルスズを反応触媒として加えた。その後、空気気流中で50℃にて12時間、付加反応処理(ウレタン化反応処理)を行い、アクリル共重合体を得た。
次に、アクリル共重合体100質量部に対して、下記の配合成分を加えて、粘着剤溶液を調製した。
・光重合開始剤:アクリル共重合体の中間体100質量部に対して3質量部
(製品名「Omnirad127D」、IGM社製)
・ポリイソシアネート化合物:アクリル共重合体の中間体100質量部に対して0.8質量部
(製品名「コロネートL」、東ソー社製)
・酸化防止剤:アクリル共重合体の中間体100質量部に対して0.01質量部
(製品名「Irganox1010」、BASFジャパン社製)
上記のごとく調製した粘着剤溶液を、シリコーン処理を施したPET剥離ライナーの処理面上に塗布し、120℃で2分間加熱乾燥し、厚さ10μmの粘着剤層を形成した。
続いて、粘着剤層と、基材層(ポリオレフィンフィルム(125μm厚) グンゼ社製 製品名「ファンクレアNED#125」)とを貼り合わせ、50℃にて24時間保存し、ダイシングテープを製造した。
<ダイボンドシートの作製>
・アクリルポリマー:100質量部
(製品名「PARACRON KG-8001」、質量平均分子量:1,200,000、ガラス転移温度Tg:9℃、エポキシ基含有、根上工業社製)
・フェノール樹脂:3質量部
(製品名「MEHC-7851SS」、23℃で固形、明和化成社製)
・シリカフィラー:10質量部
(製品名「SE2050-MCV」、平均粒子径500nm、アドマテックス社製)
上記の各原料を所定量のメチルエチルケトンに加えて混合し、総固形分濃度12質量%の接着剤組成物溶液を調製した。次に、シリコーン離型処理の施された面を有するPET剥離ライナー(セパレータ)のシリコーン離型処理面上に、アプリケータを使用して接着剤組成物を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜に対して130℃で2分間の加熱乾燥を施し、PET剥離ライナー(セパレータ)上に厚さ10μmのダイボンドシートを作製した。
<ダイシングダイボンドフィルムの製造>
ダイボンドシートを直径330mmの円形状に打ち抜いて、円形状のダイボンドシートを作製した。室温において、ラミネーターを使用して、円形状のダイボンドシートと、ダイシングテープとを貼り合せることによって、ダイシングダイボンドフィルムを製造した。
<粘着剤層内部における相分離構造の観察>
2つの粘着剤層を用意し、粘着剤層同士を貼り合わせた。その後、ウルトラミクロトームを用いた超薄切片法によって、凍結雰囲気下(-100℃)において、約100nm厚に薄膜化した。なお、粘着剤層を厚さ方向に切断した断面に対して上記の超薄切片法を行った。
続いて、薄膜化サンプルに対して、重金属染色(OsOおよびRuO)を行って、染色後の薄膜化サンプルをTEMによって観察し、写真撮影した。さらに、観察写真を画像解析し、第1相(重合性二重結合の含有量がより高く、染色によってより黒くなっている相)の面積割合を算出した。なお、グレーに見える部分が存在する場合、黒い部分およびグレーの部分の両方の総面積を第1相の面積とした。
[透過型電子顕微鏡(TEM)観察条件]
装置:Hitachi,HT7820
加速電圧:100kV
[面積割合算出方法]
画像解析ソフト:製品名「ImageJ」
写真倍率:観察倍率 12,000倍
観察像において解析を実施した面積:13μm
<ダイシングダイボンドフィルムの物性測定>
各実施例及び各比較例のダイシングダイボンドフィルムについて、以下のようにして各物性を測定した。
[粘着剤層とダイボンドシートとの間の剥離力(粘着力)]
紫外線照射前(硬化前)と、紫外線照射後(硬化後)とにおける、上記の剥離力(粘着力)の測定方法の詳細は、以下の通りである。測定結果を表1に示す。また、硬化前の剥離力(粘着力)と、硬化後の剥離力(粘着力)との比も表1に示す。
[粘着剤層とダイボンドシートとの間の剥離力(紫外線照射後)]
T型剥離試験によって剥離力を測定した。測定用サンプルを以下のようにして作製した。
ダイボンドシートからPET剥離ライナー(セパレータ)を剥離して、ダイボンドシートの一方の面を露出させた。露出した面に、裏打ちテープ(製品名「ELP BT315」日東電工社製)を貼り合せた。日東精機社製の高圧水銀ランプ(製品名「UM-810」60mW/cm)を用いて、基材層側から強度150mJ/cmの紫外線を照射して粘着剤層を硬化させた。その後、幅50mm×長さ120mmの寸法となるように粘着剤層を切り出し、測定用サンプルとした。作製した測定用サンプルについて、引張試験器(例えば、製品名「AUTOGRAPH AGX-V」、島津製作所社製)を用いて、T型剥離試験を実施した。試験条件は、温度25℃、引張速度300mm/分であった。
[粘着剤層とダイボンドシートとの間の剥離力(紫外線照射前)]
紫外線を照射していない硬化前の粘着剤層について測定した点、また、幅20mm×長さ120mmの寸法となるように粘着剤層を切り出した点以外は、上記の方法と同様にして剥離力を測定した。
[紫外線照射後の粘着剤層の表面弾性率]
上記の粘着剤層の表面弾性率の測定方法の詳細は、上述した通りである。表面弾性率の測定結果を表1に示す。
各実施例及び各比較例におけるダイボンドシートの組成及び物性を表1に示す。表1において、“OH基含有モノマー単位”のモル%、及び、“重合性基含有モノマー単位”のモル%は、アクリル共重合体におけるヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位のモル%、及び、重合性(メタ)アクリレート単位のモル%をそれぞれ示す。なお、上記MOIのイソシアネート基と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単位のヒドロキシ基とは、ほぼ100%の反応効率でウレタン化反応することから、上記のモル%は、アクリル共重合体を合成したときの配合量を基にしてそれぞれ算出できる。
Figure 2022179420000002
Figure 2022179420000003
以下のようにして、上記のごとく製造したダイシングダイボンドフィルムの性能を評価した。
<性能評価(ピックアップ試験によるピックアップ性)>
割断された状態のダイボンドシート付半導体チップについて、ピックアップ性を評価した。割断された状態のダイボンドシート付半導体チップを以下のようにして得た。
具体的には、ハーフカット加工によって分割用の溝(10mm×10mm)を形成した12インチのベアウエハ(直径300mm、厚さ55μm)の、分割用の溝が形成された面に、バックグラインドテープを貼り付けた。その後、バックグラインダー(DISCO社製、型式DGP8760)を用いて、上記12インチのベアウエハの面(前記バックグラインドテープを貼り付けた側と反対側の面)を深さ25μmまで研削した。これにより、バックグランドされたベアウエハを得た。バックグラインドされたベアウエハのバックグラインドテープの貼付面と反対側に、各例のダイシングダイボンドフィルムのダイボンドシートを貼付した。このようにして、ダイシングダイボンドフィルム付ベアウエハを得た。このダイシングダイボンドフィルム付ベアウエハを、エキスパンド工程によって割断した。なお、エキスパンド工程は、前記バックグラインドテープをベアウエハから剥離した状態で、ダイセパレート装置(商品名「ダイセパレータDDS2300、ディスコ社製」を用いて実施した。また、エキスパンド工程では、クールエキスパンドを行った後、常温エキスパンドを行った。
クールエキスパンドは、以下のようにして実施した。具体的には、ベアウエハに貼り付けたダイシングダイボンドフィルムの粘着剤層上のフレーム貼着領域に、直径12インチのSUS製リングフレーム(ディスコ社製)を室温にて貼り付けた。その後、SUS製リングフレームが貼り付けられたベアウエハを、ダイセパレート装置に装着した。該ダイセパレート装置のクールエキスパンターユニットにて、ダイシングダイボンドフィルムのダイシングテープをエキスパンドすることによって、クールエキスパンドを行った。このときの条件は、エキスパンド温度-15℃、エキスパンド速度100mm/秒、エキスパンド量7mmとした。なお、クールエキスパンド後において、半導体ウエハは、複数の半導体チップへと個片化(個別化)された。また、ダイボンドシートも半導体チップ相当サイズに個片化された。よって、複数のダイボンドシート付半導体チップを得た。
常温エキスパンドは、クールエキスパンド後に、以下のようにして実施した。上述したダイセパレート装置の常温エキスパンドユニットを用いて、ダイシングダイボンドフィルムのダイシングテープをエキスパンドすることによって、常温エキスパンドを行った。このときの条件は、エキスパンド温度23±2℃、エキスパンド速度1mm/秒、エキスパンド量10mmとした。常温エキスパンド後のダイシングテープに対して、温度200℃、時間20秒の条件で加熱収縮処理を施した。
ダイシングテープを加熱収縮させた後、ピックアップ機構を有する装置(製品名「ダイボンダー SPA-300」、新川社製)を用いて、個片化されたダイボンドシート付半導体チップのピックアップ試験を実施した。斯かるピックアップ試験において、ピン部材による突き上げ速度を1mm/秒とし、突き上げ量を2000μmとした。なお、ピックアップ試験は、粘着剤層を硬化させた後に行った。硬化処理は、ダイセパレート装置に組み込まれている紫外線照射ユニット(高圧水銀ランプ、70mW/cm)を用いて、基材層側から1000mJ/cmの紫外線を照射することによって行った。
ピックアップ試験は、5個のダイボンドシート付半導体チップについて実施した。ピックアップ性の評価基準は、以下の通り。
◎(良い):
5個のダイボンドシート付半導体チップの全てがピックアップできる。
〇:(やや良い)
5個のダイボンドシート付半導体チップのうち3個または4個がピックアップできる。
×(悪い):
5個のダイボンドシート付半導体チップのうち3個以上がピックアップできない。
<チップ保持性能評価(チップ浮き現象の抑制性能の評価)>
上記のようにして製造した各実施例及び各比較例のダイシングダイボンドフィルムに、温度50~80℃で加熱しつつ、直径300mmのベアウエハ(「反りウエハ」以下に詳述)及びダイシングリングを貼付した。
次に、ダイセパレータDDS230(ディスコ社製)を用いて、半導体ウエハ及びダイボンドシートの割断を行い、割断後のチップ浮きについて評価した。ベアウエハは、長さ10mm×幅10mm×厚さ0.055mmの大きさのベアチップに割断した後、厚さ0.030mmまで研削した。
なお、ベアウエハとしては、チップ浮き現象をより起こしやすくするために、以下のようにして作製した「反りウエハ」を用いた。
[反りウエハの作製]
反りウエハの作製において、まず、下記(a)~(f)をメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度20質量%の反り調整組成物を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス社製、製品名「SG-70L」):5質量部
(b)エポキシ樹脂(三菱化学社製、製品名「JER828」):5質量部
(c)フェノール樹脂(明和化成社製、製品名「LDR8210」):14質量部
(d)エポキシ樹脂(三菱化学社製、製品名「MEH-8005」):2質量部
(e)球状シリカ(アドマテックス社製、商品名「SO-25R」):53質量部
(f)リン系触媒(TPP-K):1質量部
次に、アプリケータを用いて、前記反り調整組成物を、剥離ライナーたるPET系セパレータ(厚さ50μm)のシリコーン処理面上に、厚さ25μmで塗布した。130℃で2分間乾燥処理して前記反り調整組成物から溶媒を除去した。このようにして、前記剥離ライナー上に反り調整層が積層された反り調整シートを得た。
続いて、ラミネータ(MCK社製、型式MRK-600)を用いて、前記反り調整シートにおける前記剥離ライナーが積層されていない側に、60℃、0.1MPa、10mm/sの条件でベアウエハを貼付した。その後、オーブンに入れて175℃で1時間加熱して前記反り調整層における樹脂を熱硬化させた。これにより、前記反り調整層が収縮することに伴って反ったベアウエハを得た。
前記反り調整層を収縮させた後、反ったベアウエハにおける前記反り調整層が積層されていない側にウエハ加工用テープ(日東電工社製、製品名「V-12SR2」)を貼付した。その後、前記ウエハ加工用テープを介して、反ったベアウエハにダイシングリングを固定した。さらに、反ったベアウエハから前記反り調整層を取り除いた。
ダイシング装置(DISCO社製、型番6361)を用いて、反ったベアウエハにおける前記反り調整層を取り除いた面(以下、一方面という)の全体に、表面から100μmの深さの溝を格子状(溝の幅20μm)に形成した。
次に、反ったベアウエハの一方面にバックグラインドテープを貼り合せ、反ったベアウエハの他方面(前記一方面と反対側の面)から前記ウエハ加工用テープを取り除いた。
続いて、バックグラインダー(DISCO社製、型式DGP8760)を用いて、反ったベアウエハの厚みが30μm(0.030mm)となるように、反ったベアウエハを他方面側から研削した。このようにして得たウエハを、反りウエハとした。
[保持性(チップ浮き抑制)の評価方法]
まず、クールエキスパンダーユニットにて、エキスパンド温度-15℃、エキスパンド速度200mm/秒、エキスパンド量11mmの条件で、ベアウエハ及びダイボンドシートを割断して、ダイボンドシート付き半導体チップを得た。
次に、室温、エキスパンド速度1mm/秒、エキスパンド量7mmの条件でエキスパンド工程を行った。そして、エキスパンド状態を維持したまま、ヒート温度200℃、風量40L/min、ヒート距離20mm、ローテーションスピード3°/secの条件で、ベアウエハの外周縁との境界部分のダイシングダイボンドフィルムを熱収縮させた。
続いて、ダイシングダイボンドフィルムにダイシングリングを保持させた状態で、ダイボンドシート付半導体チップを、ダイシングテープ側(基材層たるポリオレフィンフィルム側)から観察した。そして、ダイボンドシートへの半導体チップの接触率を算出することにより、保持性を評価した。
具体的には、製品名「VHX-6000」(キーエンス社製)を用いて、ダイシングテープ側から顕微鏡写真を撮影した。その後、画像解析ソフト(製品名「ImageJ」)を用いて、撮像した顕微鏡写真を画像解析した。さらに、ダイボンドシートから半導体チップが浮いていない部分の面積を計測した。また、半導体チップの大きさから半導体チップの面積を算出した。
そして、この半導体チップの面積と、半導体チップが浮いていない部分の上記の面積とから、ダイボンドシートへの半導体チップの接触率を算出した。その接触率の値を基にして、以下の評価基準に基づいて、保持性性能を評価した。
○:接触率が60%以上である
×:接触率が60%未満である
上記の評価結果から把握されるように、実施例のダイシングダイボンドフィルムは、比較例のダイシングダイボンドフィルムに比べて、チップ浮き抑制性能の点で良好であり、また、ピックアップ性の点でも良好であった。
実施例のダイシングダイボンドフィルムの粘着剤層は、電子顕微鏡によって断面を観察したときに、相分離構造を有し、相分離構造は、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する第1相と、第1相と分離し第1相よりもラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率が低い第2相とを含み、断面における前記第1相の面積割合が50%よりも高い。
このような構成を有する実施例のダイシングダイボンドフィルムを、半導体装置の製造において使用することによって、半導体装置を効率良く製造することができる。半導体装置の製造において、エキスパンド工程では、上述したチップ浮き現象を抑制するために、粘着剤層とダイボンドシートとの間の粘着力が比較的大きいことが要求される。一方で、ピックアップ工程の前に、例えば粘着剤層に紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって、粘着剤層に硬化処理を施した後では、硬化した粘着剤層からダイボンドシートが容易に剥離される必要(良好なピックアップ性の発揮)がある。このような相反する性能を発揮させるために、実施例における粘着剤層は、ミクロな相分離構造を有し、断面において、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率がより高い第1相の面積割合が、50%よりも高い。
より極性が高い第1相を比較的多く含むことで、ダイボンドシートと硬化前の粘着剤層との粘着力が低下し過ぎず良好であり、一方、ダイボンドシートと硬化後の粘着剤層との粘着力が、二重結合の消失によって低下する。よって、粘着剤層が硬化する前においてチップ浮き現象を抑えることができ、また、粘着剤層が硬化した後において良好なピックアップ性を発揮できる。
本発明のダイシングダイボンドフィルムは、例えば、半導体装置(半導体集積回路)を製造するときの補助用具として、好適に使用される。
1:ダイシングダイボンドフィルム、
10:ダイボンドシート、
20:ダイシングテープ、
21:基材層、 22:粘着剤層。

Claims (8)

  1. 基材層、及び、該基材層に重なった粘着剤層を有するダイシングテープと、該ダイシングテープに重ねられたダイボンドシートとを備え、
    前記粘着剤層は、電子顕微鏡によって断面を観察したときに、相分離構造を有し、
    前記相分離構造は、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する第1相と、該第1相よりもラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有率が低く且つ前記第1相と分離した第2相とを含み、
    前記断面における前記第1相の面積割合が50%よりも高い、ダイシングダイボンドフィルム。
  2. 前記粘着剤層は、前記ラジカル重合性炭素-炭素二重結合を含有する重合性(メタ)アクリレート単位をモノマー単位として分子中に有するアクリル重合体を含む、請求項1に記載のダイシングダイボンドフィルム。
  3. 前記アクリル重合体は、硬化処理によって架橋反応を起こす架橋性基を有する架橋性基含有(メタ)アクリレート単位を前記モノマー単位として分子中に少なくとも有し、
    前記アクリル重合体において、前記モノマー単位のうち前記架橋性基含有(メタ)アクリレート単位が占める割合は、18モル%以上50モル%以下であり、
    前記架橋性基含有(メタ)アクリレート単位の一部が、前記重合性(メタ)アクリレート単位である、請求項2に記載のダイシングダイボンドフィルム。
  4. 前記アクリル重合体は、前記重合性(メタ)アクリレート単位を、前記モノマー単位のうち、8モル%以上35モル%以下含む、請求項2又は3に記載のダイシングダイボンドフィルム。
  5. 前記アクリル重合体が、前記モノマー単位として、アルキル部分の炭素数が8以上の長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位を含み、
    前記アクリル重合体において、前記モノマー単位のうち前記長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位が占める割合は、60モル%以上82モル%以下である、請求項2又は3に記載のダイシングダイボンドフィルム。
  6. 前記アクリル重合体は、アルキル部分の炭素数が12以上の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位を前記長鎖アルキル(メタ)アクリレート単位として含み、
    前記アクリル重合体において、前記モノマー単位のうち前記脂肪族アルキル(メタ)アクリレート単位が占める割合は、15モル%以上40モル%以下である、請求項5に記載のダイシングダイボンドフィルム。
  7. 前記粘着剤層と前記ダイボンドシートとの間の剥離力について、前記ダイシングテープが活性エネルギー線によって硬化される前の剥離力(A)と硬化された後の剥離力(B)とが下記式(1)を満たす、請求項1又は2に記載のダイシングダイボンドフィルム。
    (A)/(B)>7.0 式(1)
  8. 前記粘着剤層が活性エネルギー線によって硬化された後の表面弾性率が30MPaよりも大きく400MPa未満である、請求項1又は2に記載のダイシングダイボンドフィルム。
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