JP2021077873A - ダイシングテープ、及び、ダイシングダイボンドフィルム - Google Patents

ダイシングテープ、及び、ダイシングダイボンドフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 エキスパンド後にカーフを良好に維持できるダイシングテープなどを提供することを課題としている。【解決手段】 基材層と、該基材層よりも粘着性が高い粘着剤層とを備え、前記基材層を示差走査熱量測定によって測定したチャートは、100℃以上140℃以下の範囲に頂点がある吸熱ピークを有し、且つ、該吸熱ピークにおいてピーク開始点と頂点との温度差が40℃以下である、ダイシングテープなどを提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば半導体集積回路を製造するときに使用されるダイシングテープ、及び、該ダイシングテープを備えたダイシングダイボンドフィルムに関する。
従来、半導体集積回路の製造において使用されるダイシングダイボンドフィルムが知られている。この種のダイシングダイボンドフィルムは、例えば、ダイシングテープと、該ダイシングテープに積層され且つウエハに接着されるダイボンド層と、を備える。ダイシングテープは、基材層と、ダイボンド層に接している粘着層とを有する。この種のダイシングダイボンドフィルムは、半導体集積回路の製造において、例えば下記のように使用される。
半導体集積回路を製造する方法は、一般的に、高集積の電子回路によってウエハの片面側に回路面を形成する前工程と、回路面が形成されたウエハからチップを切り出して組立てを行う後工程とを備える。
後工程は、例えば、ウエハを小さいチップ(ダイ)へ割断すべくウエハに溝を形成するダイシング工程と、ウエハの回路面とは反対側の面をダイボンド層に貼り付けてダイシングテープにウエハを固定するマウント工程と、溝が形成されたウエハをダイボンド層と共に割断してチップ同士の間隔を広げるエキスパンド工程と、ダイボンド層と粘着剤層との間で剥離してダイボンド層が貼り付いた状態のチップ(ダイ)を取り出すピックアップ工程と、ダイボンド層が貼り付いた状態のチップ(ダイ)を被着体に接着させるダイボンド工程と、を有する。半導体集積回路は、これらの工程を経て製造される。
上記のような半導体集積回路の製造方法において、ダイシング工程においてウエハ分割後のバリ発生を抑制すべく、特定の物性を有する基材層を備えたダイシングテープが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載のダイシングテープでは、前記基材層が熱可塑性樹脂フィルムであり、該熱可塑性樹脂フィルムの融解に伴う30℃〜200℃の範囲における基材層の総吸熱量が50J/g以下である。
ところが、特許文献1に記載のダイシングテープは、エキスパンド工程で用いられたときに、チップ同士の間隔(カーフ)を広げたあとに間隔(カーフ)が保てなくなる場合がある。
詳しくは、エキスパンド工程では、例えば、ダイシングテープを放射方向に引き延ばし、伸びて張力が低下したダイシングテープの一部を、熱収縮(ヒートシュリンク)させ、これにより間隔(カーフ)を保たせようとする。しかしながら、いったん引き延ばされたダイシングテープが弾性によって縮むことで、上記の間隔(カーフ)が保てなくなる場合がある。間隔(カーフ)が保てないと、ピックアップ工程でチップ同士が接触して、チップが破損する。
このような問題を防ぐべく、ダイシングテープには、エキスパンド後にカーフを良好に維持できる性能が要望されている。
特許第6232842号公報
しかしながら、エキスパンド後にカーフを良好に維持できるダイシングテープやダイシングダイボンドフィルムについては、未だ十分に検討されているとはいえない。
そこで、本発明は、エキスパンド後にカーフを良好に維持できるダイシングテープ、及び、ダイシングダイボンドフィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係るダイシングテープは、基材層と、該基材層よりも粘着性が高い粘着剤層とを備え、
前記基材層を示差走査熱量測定によって測定したチャートは、100℃以上140℃以下の範囲に頂点がある吸熱ピークを有し、且つ、該吸熱ピークにおいてピーク開始点と前記頂点との温度差が40℃以下であることを特徴とする。
上記構成のダイシングテープによれば、エキスパンド後にカーフを良好に維持できる。
上記のダイシングテープでは、前記吸熱ピークにおいて、前記ピーク開始点とピーク終了点との温度差が60℃以下であることが好ましい。これにより、エキスパンド後において基材層がより効率的に熱収縮(ヒートシュリンク)されることから、カーフを効率的に維持できる。
上記のダイシングテープでは、前記吸熱ピークにおいて、前記ピーク開始点の温度が70℃以上であることが好ましい。これにより、カーフを効率的に維持できる。
上記のダイシングテープでは、吸熱ピークにおいて、ピーク終了点の温度が150℃以下であることが好ましい。これにより、カーフを効率的に維持できる。
本発明に係るダイシングダイボンドフィルムは、上記のダイシングテープと、該ダイシングテープに貼り合わされたダイボンド層とを備える。
本発明に係るダイシングテープ及びダイシングダイボンドフィルムによれば、エキスパンド後にカーフを良好に維持できる。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルムを厚さ方向に切断した断面図。 半導体集積回路の製造方法におけるハーフカット加工の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法におけるハーフカット加工の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法におけるハーフカット加工の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法におけるハーフカット加工の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法におけるマウント工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法におけるマウント工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法における低温でのエキスパンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法における低温でのエキスパンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法における低温でのエキスパンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法における常温でのエキスパンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法における常温でのエキスパンド工程の様子を模式的に表す断面図。 半導体集積回路の製造方法におけるピックアップ工程の様子を模式的に表す断面図。 示差走査熱量測定の一例(実施例1)を表す第1チャート図。 示差走査熱量測定の一例(実施例1)を表す第2チャート図。 示差走査熱量測定の一例(実施例2)を表す第1チャート図。 示差走査熱量測定の一例(実施例2)を表す第2チャート図。 示差走査熱量測定の一例(比較例1)を表す第1チャート図。 示差走査熱量測定の一例(比較例1)を表す第2チャート図。
以下、本発明に係るダイシングダイボンドフィルム、及び、ダイシングテープの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1は、ダイシングテープ20と、該ダイシングテープ20の粘着剤層22に積層され且つ半導体ウエハに接着されるダイボンド層10とを備える。
本実施形態のダイシングテープ20は、通常、長尺シートであり、使用されるまで巻回された状態で保管される。本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1は、割断処理されるシリコンウエハよりも、ひと回り大きい内径を有する円環状の枠に張られ、カットされて使用される。
本実施形態のダイシングテープ20は、基材層21と、該基材層21に重なった粘着剤層22とを備える。
本実施形態のダイシングテープ20では、基材層21を示差走査熱量測定(DSC)によって測定したチャートが、100℃以上140℃以下の範囲に頂点がある吸熱ピークを有し、且つ、該吸熱ピークにおいてピーク開始点と頂点との温度差が40℃以下である。
本実施形態のダイシングテープ20は、上記の構成を有することから、エキスパンド後にカーフを良好に維持できる。
なお、100℃以上140℃以下の範囲に複数の吸熱ピークがある場合、これらのうち少なくとも1つの吸熱ピークが上記の条件(ピーク開始点と頂点との温度差が40℃以下である)を満たせばよい。また、上記条件を満たす吸熱ピークが、以下に説明する規定(ピーク開始点、頂点、終了点など)を満たすことが好ましい。
基材層21についての示差走査熱量測定(DSC測定)は、下記の測定条件に従って実施される。1回の測定で得られたチャートから上記の各温度(ピーク開始点、頂点など)を求める。
詳しくは、市販されているDSC測定装置を用いて、測定サンプルの約10mgを秤量し、室温(約20℃)から200℃まで5℃/分の昇温速度で、窒素ガス雰囲気下において測定を実施する。測定サンプルは、基材層21を厚さ方向に切断することによって作製する。
測定チャートにおいて現れた吸熱ピークのピーク開始点(以下、単にA点ともいう)、ピークの頂点(以下、単にC点ともいう)、ピーク終了点(以下、単にB点ともいう)の各温度を、DSC測定装置に付属した解析ソフトウェアによって計測する。
測定チャートにおいて複数のピークが現れた場合、それぞれのピークについて上記の各温度を計測する。
なお、ピーク開始点、ピークの頂点、ピークの終了点は、ピークにおける熱量変化がない低温側の点と高温側の点とを結んだベースラインを基準にして、決定することができる。また、測定チャートにおいて発熱ピ ークやガラス転移点によるカーブが出現する場合があるが、これらについては、吸熱ピークとして扱わない。
最も望ましくは、ピーク開始点、ピークの頂点、ピークの終了点は、後の実施例に記載された特定のDSC測定装置を用いた測定結果を基にして、後の実施例に記載された特定の解析ソフトウェアによって求められる。
上記の吸熱ピークの頂点(C点)は、105℃以上に存在することが好ましく、110℃以上に存在することがより好ましい。吸熱ピークの頂点が105℃以上に存在することによって、ヒートシュリンク終了後に速やかに固化してカーフを維持することができるという利点がある。
上記の吸熱ピークの頂点(C点)は、135℃以下に存在することが好ましく、130℃以下に存在することがより好ましい。吸熱ピークの頂点が135℃以下に存在することによって、ヒートシュリンク時に十分に熱収縮させることができるという利点がある。
例えば、融点がより高い樹脂材料で基材層21を形成したり、融点がより高い樹脂材料の層を用いて積層構造の基材層21を構成したり、融点がより高い樹脂材料を基材層21に配合(ブレンド)することによって、上記の吸熱ピークの頂点(C点)をより高い温度にシフトさせることができる。一方、例えば、融点がより低い樹脂材料で基材層21を形成したり、融点がより低い樹脂材料の層を用いて積層構造の基材層21を構成したり、融点がより低い樹脂材料を基材層21に配合(ブレンド)することによって、上記の吸熱ピークの頂点(C点)の温度をより低い温度にシフトさせることができる。
吸熱ピークにおけるピーク開始点(A点)と頂点(C点)との温度差は、40℃以下である。斯かる温度差は、35℃以下であることが好ましい。
斯かる温度差が40℃以下であるため、基材層21の融解が比較的小さい(狭い)温度差で完了し得る。よって、比較的小さい温度差で基材層21の固化及び軟化が可能となる。従って、ヒートシュリンク終了後に速やかに固化してカーフを維持することができる。
斯かる温度差が35℃以下であることによって、エキスパンド後にカーフを良好に維持することを効率的に実施できるという利点がある。
吸熱ピークにおけるピーク開始点(A点)と頂点(C点)との温度差は、20℃以上であってもよい。
例えば、基材層21に含まれる樹脂(ポリマー)の分子量分散度をより大きくすることによって、吸熱ピークにおけるピーク開始点(A点)と頂点(C点)との温度差をより大きくすることができる。
例えば、基材層21に含まれる樹脂(ポリマー)の分子量分散度をより小さくすることによって、吸熱ピークにおけるピーク開始点(A点)と頂点(C点)との温度差をより小さくすることができる。
上記のダイシングテープでは、基材層21の上記吸熱ピークにおいて、ピーク開始点(A点)とピーク終了点(B点)との温度差が60℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましい。斯かる温度差が60℃以下であることによって、基材層21の融解開始から融解終了までの温度差がより小さくなることから、より小さい温度差で基材層21の固化及び軟化が可能となる。従って、エキスパンド後に行う上述した熱収縮を効率的に実施できるという利点がある。
斯かる温度差は、30℃以上であってもよい。
例えば、基材層21に含まれる樹脂(ポリマー)の分子量分散度をより小さくすることによって、ピーク開始点(A点)とピーク終了点(B点)との温度差をより小さくすることができる。一方、例えば、基材層21に含まれる樹脂(ポリマー)の分子量分散度をより大きくすることによって、ピーク開始点(A点)とピーク終了点(B点)との温度差をより大きくすることができる。
上記のダイシングテープでは、基材層21の上記吸熱ピークにおいて、ピーク開始点(A点)の温度が70℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。ピーク開始点(A点)は、基材層21の固化が完了する温度の指標であり、ピーク開始点の温度が70℃以上であることによって、ヒータによっていったん軟化した基材層21が、冷却し始めて比較的高い温度で固化を完了する。70℃よりも低い温度であれば、基材層21の固化が完了するため、エキスパンド後における上述した熱収縮を十分に行うことができる。従って、エキスパンド後にカーフを良好に維持することを効率的に実施できる。
ピーク開始点(A点)の温度は、110℃以下であってもよく、100℃以下であってもよい。
例えば、融点がより高い樹脂材料で基材層21を形成したり、融点がより高い樹脂材料の層を用いて積層構造の基材層21を構成したり、融点がより高い樹脂材料を基材層21に配合(ブレンド)することによって、ピーク開始点(A点)の温度をより高い温度にシフトさせることができる。一方、例えば、融点がより低い樹脂材料で基材層21を形成したり、融点がより低い樹脂材料の層を用いて積層構造の基材層21を構成したり、融点がより低い樹脂材料を基材層21に配合(ブレンド)することによって、ピーク開始点(A点)の温度をより低い温度にシフトさせることができる。
上記のダイシングテープでは、基材層21の上記吸熱ピークにおいて、ピーク終了点(B点)の温度が150℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましい。ピーク終了点(B点)は、基材層21の軟化が完了する温度の指標であり、ピーク終了点の温度が150℃以下であることによって、ヒータの加熱温度がやや低くても、150℃よりも高い温度であれば、基材層21が十分に軟化する。よって、軟化させる加熱温度がやや低くても上述した熱収縮を効率的に実施できることから、エキスパンド後にカーフを良好に維持することを効率的に実施できる。
ピーク終了点(B点)の温度は、110℃以上であってもよく、120℃以上であってもよい。
例えば、融点がより低い樹脂材料で基材層21を形成したり、融点がより低い樹脂材料の層を用いて積層構造の基材層21を構成したり、融点がより低い樹脂材料を基材層21に配合(ブレンド)することによって、ピーク終了点(B点)の温度をより低い温度にシフトさせることができる。一方、例えば、融点がより高い樹脂材料で基材層21を形成したり、融点がより高い樹脂材料の層を用いて積層構造の基材層21を構成したり、融点がより高い樹脂材料を基材層21に配合(ブレンド)することによって、ピーク終了点(B点)の温度をより高い温度にシフトさせることができる。
基材層21は、単層構造であってもよく、積層構造を有してもよい。
基材層21の各層は、例えば、金属箔、紙や布などの繊維シート、ゴムシート、樹脂フィルムなどである。
基材層21を構成する繊維シートとしては、紙、織布、不織布などが挙げられる。
樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体等のエチレンの共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;ポリアクリレート;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリウレタン;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド(PPS);脂肪族ポリアミド、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のポリアミド;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリ塩化ビニリデン;ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体);セルロース又はセルロース誘導体;含シリコーン高分子;含フッ素高分子などが挙げられる。これらは、1種が単独で又は2種以上が組み合わされて使用され得る。
基材層21は、樹脂フィルムなどの高分子材料で構成されていることが好ましい。
基材層21が樹脂フィルムを有する場合、樹脂フィルムが延伸処理等を施され、伸び率などの変形性が制御されていてもよい。
基材層21の表面には、粘着剤層22との密着性を高めるために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的方法又は物理的方法による酸化処理等が採用され得る。また、アンカーコーティング剤、プライマー、接着剤等のコーティング剤によるコーティング処理が施されていてもよい。
基材層21は、複数の層で構成されていることが好ましく、少なくとも3層で構成されていることがより好ましく、3層で構成されていることがさらに好ましい。
基材層21が複数の層の積層構造(例えば3層構造)を有することによって、より弾性率が高い層とより弾性率が低い層とを積層することが可能となるため、比較的簡便に基材層21の弾性率をコントロールすることができるという利点がある。例えば、比較的弾性率が高い層のみを有する基材層の場合、エキスパンド工程において、チップの浮きや基材の破れを生じることもある。また、例えば、比較的弾性率が低い層のみを有する基材層の場合、エキスパンドによって割断するための十分な応力を基材層に伝搬することができないこともある。
3層構造の基材層21は、非エラストマーで形成された2つの非エラストマー層(X,X)と、2つの非エラストマー層の間に配置され且つエラストマーで形成されたエラストマー層(Y)とを有する(X層/Y層/X層)ことが好ましい。
エラストマー層は、室温における弾性率が200MPa以下の層である。エラストマー層は、通常、室温(23℃)においてゴム弾性を示す高分子材料で形成されている。一方、非エラストマー層は、室温における弾性率が200MPaよりも大きい層である。
このような3層の積層構造を有するエラストマーの各層は、通常、樹脂で形成されている。3層の積層構造を有するエラストマーは、例えば、共押出成形によって作製され、3つの層が一体化されている。
3層構造の基材層21において、外層1層分の厚さに対する内層の厚さの比(Y厚さ/X厚さ)は、5以上15以下であることが好ましい。
外側に配置された非エラストマー層は、構成する樹脂をGPC測定したときに、3以下の分子量分布分散度(質量平均分子量/数平均分子量)を有することが好ましい。
非エラストマー層(X)は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンなどを含んでもよい。ポリプロピレンとしては、ホモポリマー(ホモポリプロピレン)、又は、ランダムポリプロピレンやブロックポリプロピレンなどのコポリマー等が挙げられる。ポリプロピレンは、メタロセン触媒によって合成されたメタロセンポリプロピレンであってもよい。非エラストマー層(X)は、メタロセンポリプロピレンを含むことが好ましい。
一方、エラストマー層(Y)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、又は、α−オレフィン系熱可塑性エラストマーを含むことが好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含むことがより好ましい。α−オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、α−オレフィンのホモポリマー、2種類以上のα−オレフィンのコポリマーなどが挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)は、酢酸ビニルの構成単位を5質量%以上35質量%以下含んでもよい。
基材層21の厚さ(総厚さ)は、80μm以上150μm以下であることが好ましい。斯かる値は、ランダムに選んだ少なくとも3箇所における測定値の平均値である。以下、粘着剤層22の厚さについても、同様に平均値を採用する。
基材層21の厚さが80μm以上であることによって、基材層21の全体に対してより均一に応力をかけることができ、低温エキスパンド工程における良好な割断性がより十分に発揮され得る。
基材層21の背面側(粘着剤層22が重なっていない側)には、剥離性を付与するために、例えば、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂等の離型剤(剥離剤)などによって離型処理が施されていてもよい。
基材層21は、背面側から紫外線等の活性エネルギー線を粘着剤層22へ与えることが可能となる点で、光透過性(紫外線透過性)の樹脂フィルム等であることが好ましい。
本実施形態のダイシングテープ20は、使用される前の状態において、粘着剤層22の一方の面(粘着剤層22が基材層21と重なっていない面)を覆う剥離シートを備えてもよい。粘着剤層22よりも小さい面積のダイボンド層10が、粘着剤層22に収まるように配置されている場合、剥離シートは、粘着剤層22及びダイボンド層10の両方を覆うように配置される。剥離シートは、粘着剤層22を保護するために用いられ、粘着剤層22にダイボンド層10を貼り付ける前に剥がされる。
剥離シートとしては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤によって表面処理された、プラスチックフィルム又は紙等を用いることができる。
また、剥離シートとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系ポリマー製のフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製のフィルム;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル製のフィルムなどを用いることができる。
また、剥離シートとしては、例えば、フッ素系剥離剤や長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤によって表面コートされた、プラスチックフィルム又は紙類などを用いることができる。
なお、剥離シートは、粘着剤層22を支持するための支持材として利用できる。特に、剥離シートは、基材層21のうえに粘着剤層22を重ねるときに、好適に使用される。詳しくは、剥離シートと粘着剤層22とが積層された状態で粘着剤層22を基材層21に重ね、重ねた後に剥離シートを剥がす(転写する)ことによって、基材層21のうえに粘着剤層22を重ねることができる。
本実施形態において、粘着剤層22は、例えば、アクリルポリマーと、イソシアネート化合物と、重合開始剤とを含む。
粘着剤層22は、好ましくは、5μm以上40μm以下の厚さを有する。粘着剤層22の形状および大きさは、通常、基材層21の形状および大きさと同じである。
本実施形態のダイシングテープ20において、ダイシングテープ20の総厚さに対して、粘着剤層22の厚さが占める割合は、5%以上30%以下であってもよい。
上記のアクリルポリマーは、分子中に、アルキル(メタ)アクリレートの構成単位と、水酸基含有(メタ)アクリレートの構成単位と、重合性基含有(メタ)アクリレートの構成単位と、を少なくとも有する。構成単位は、アクリルポリマーの主鎖を構成する単位である。上記のアクリルポリマーにおける各側鎖は、主鎖を構成する各構成単位に含まれる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」との表記は、メタクリレート(メタクリル酸エステル)及びアクリレート(アクリル酸エステル)のうちの少なくとも一方を表す。同様に、「(メタ)アクリル酸」との表記は、メタクリル酸及びアクリル酸のうちの少なくとも一方を表す。
粘着剤層22に含まれるアクリルポリマーにおいて、上記の構成単位は、H−NMR、13C−NMRなどのNMR分析、熱分解GC/MS分析、及び、赤外分光法などによって確認できる。なお、アクリルポリマーにおける上記の構成単位のモル割合は、通常、アクリルポリマーを重合するときの配合量(仕込量)から算出される。
上記のアルキル(メタ)アクリレートの構成単位は、アルキル(メタ)アクリレートモノマーに由来する。換言すると、アルキル(メタ)アクリレートモノマーが重合反応したあとの分子構造が、アルキル(メタ)アクリレートの構成単位である。「アルキル」という表記は、(メタ)アクリル酸に対してエステル結合した炭化水素部分の炭素数を表す。
アルキル(メタ)アクリレートの構成単位におけるアルキル部分の炭化水素部分は、飽和炭化水素であってもよく、不飽和炭化水素であってもよい。
なお、アルキル部分は、酸素(O)や窒素(N)などを含有する極性基を含まないことが好ましい。これにより、アルキルポリマーの極性が極端に高まることを抑制できる。従って、粘着剤層22が、ダイボンド層10に対して過度の親和性を有することが抑えられる。よって、ダイボンド層10からダイシングテープ20を、より良好に剥離することができる。アルキル部分の炭素数は、6以上10以下であってもよい。
アルキル(メタ)アクリレートの構成単位としては、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレートなどの各構成単位が挙げられる。
アクリルポリマーは、水酸基含有(メタ)アクリレートの構成単位を有し、斯かる構成単位の水酸基が、イソシアネート基と容易に反応する。
水酸基含有(メタ)アクリレートの構成単位を有するアクリルポリマーと、イソシアネート化合物とを粘着剤層22に共存させておくことによって、粘着剤層22を適度に硬化させることができる。そのため、アクリルポリマーが十分にゲル化できる。よって、粘着剤層22は、形状を維持しつつ粘着性能を発揮できる。
水酸基含有(メタ)アクリレートの構成単位は、水酸基含有C2〜C4アルキル(メタ)アクリレートの構成単位であることが好ましい。「C2〜C4アルキル」という表記は、(メタ)アクリル酸に対してエステル結合した炭化水素部分の炭素数を表す。換言すると、水酸基含有C2〜C4アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、(メタ)アクリル酸と、炭素数2〜4のアルコール(通常、2価アルコール)とがエステル結合したモノマーを示す。
C2〜C4アルキルの炭化水素部分は、通常、飽和炭化水素である。例えば、C2〜C4アルキルの炭化水素部分は、直鎖状飽和炭化水素、又は、分岐鎖状飽和炭化水素である。C2〜C4アルキルの炭化水素部分は、酸素(O)や窒素(N)などを含有する極性基を含まないことが好ましい。
水酸基含有C2〜C4アルキル(メタ)アクリレートの構成単位としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシn−ブチル(メタ)アクリレート、又は、ヒドロキシiso−ブチル(メタ)アクリレートといったヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの各構成単位が挙げられる。なお、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの構成単位において、水酸基(−OH基)は、炭化水素部分の末端の炭素(C)に結合していてもよく、炭化水素部分の末端以外の炭素(C)に結合していてもよい。
上記のアクリルポリマーは、側鎖に重合性不飽和二重結合を有する重合性基含有(メタ)アクリレートの構成単位を含む。
上記のアクリルポリマーが、重合性基含有(メタ)アクリレートの構成単位を含むことによって、ピックアップ工程の前に、粘着剤層22を、活性エネルギー線(紫外線等)の照射によって硬化させることができる。詳しくは、紫外線等の活性エネルギー線の照射によって、光重合開始剤からラジカルを発生させ、このラジカルの作用によって、アクリルポリマー同士を架橋反応させることができる。これによって、照射前における粘着剤層22の粘着力を、照射によって低下させることができる。そして、ダイボンド層10を粘着剤層22から良好に剥離させることができる。
なお、活性エネルギー線としては、紫外線、放射線、電子線が採用される。
重合性基含有(メタ)アクリレートの構成単位は、具体的には、上述した水酸基含有(メタ)アクリレートの構成単位における水酸基に、イソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマーのイソシアネート基がウレタン結合した分子構造を有してもよい。
重合性基を有する重合性基含有(メタ)アクリレートの構成単位は、アクリルポリマーの重合後に、調製され得る。例えば、アルキル(メタ)アクリレートモノマーと、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーとの共重合の後に、水酸基含有(メタ)アクリレートの構成単位の一部における水酸基と、イソシアネート基含有重合性モノマーのイソシアネート基とを、ウレタン化反応させることによって、上記の重合性基含有(メタ)アクリレートの構成単位を得ることができる。
上記のイソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマーは、分子中にイソシアネート基を1つ有し且つ(メタ)アクリロイル基を1つ有することが好ましい。斯かるモノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート)が挙げられる。
本実施形態におけるダイシングテープ20の粘着剤層22は、さらにイソシアネート化合物を含む。イソシアネート化合物の一部は、ウレタン化反応などによって反応した後の状態であってもよい。
イソシアネート化合物は、分子中に複数のイソシアネート基を有する。イソシアネート化合物が分子中に複数のイソシアネート基を有することによって、粘着剤層22におけるアクリルポリマー間の架橋反応を進行させることができる。詳しくは、イソシアネート化合物の一方のイソシアネート基をアクリルポリマーの水酸基と反応させ、他方のイソシアネート基を別のアクリルポリマーの水酸基と反応させることで、イソシアネート化合物を介した架橋反応を進行させることができる。
イソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、又は、芳香脂肪族ジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。
さらに、イソシアネート化合物としては、例えば、ジイソシアネートの二量体や三量体等の重合ポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートが挙げられる。
加えて、イソシアネート化合物としては、例えば、上述したイソシアネート化合物の過剰量と、活性水素含有化合物とを反応させたポリイソシアネートが挙げられる。活性水素含有化合物としては、活性水素含有低分子量化合物、活性水素含有高分子量化合物などが挙げられる。
なお、イソシアネート化合物としては、アロファネート化ポリイソシアネート、ビウレット化ポリイソシアネート等も用いることができる。
上記のイソシアネート化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネートと活性水素含有低分子量化合物との反応物が好ましい。芳香族ジイソシアネートの反応物は、イソシアネート基の反応速度が比較的遅いため、斯かる反応物を含む粘着剤層22は、過度に硬化してしまうことが抑制される。上記のイソシアネート化合物としては、分子中にイソシアネート基を3つ以上有するものが好ましい。
粘着剤層22に含まれる重合開始剤は、加えられた熱や光のエネルギーによって重合反応を開始できる化合物である。粘着剤層22が重合開始剤を含むことによって、粘着剤層22に熱エネルギーや光エネルギーを与えたときに、アクリルポリマー間における架橋反応を進行させることができる。詳しくは、重合性基含有(メタ)アクリレートの構成単位を有するアクリルポリマー間において、重合性基同士の重合反応を開始させて、粘着剤層22を硬化させることができる。これにより、粘着剤層22の粘着力を低下させ、ピックアップ工程において、硬化した粘着剤層22からダイボンド層10を容易に剥離させることができる。
重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤又は熱重合開始剤などが採用される。重合開始剤としては、一般的な市販製品を使用できる。
粘着剤層22は、上述した成分以外のその他の成分をさらに含み得る。その他の成分としては、例えば、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、軽剥離化剤等が挙げられる。その他の成分の種類および使用量は、目的に応じて、適切に選択され得る。
次に、本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1について詳しく説明する。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1は、上述したダイシングテープ20と、該ダイシングテープ20の粘着剤層22に積層されたダイボンド層10とを備える。ダイボンド層10は、半導体集積回路の製造において、半導体ウエハに接着されることとなる。
ダイボンド層10は、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のうち少なくとも一方を含み得る。ダイボンド層10は、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、1種のみ、又は、2種以上が採用される。ダイボンディング対象である半導体チップの腐食原因となり得るイオン性不純物等をより少なく含有するという点で、上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール樹脂が好ましい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型、ヒダントイン型、トリスグリシジルイソシアヌレート型、又は、グリシジルアミン型の各エポキシ樹脂が挙げられる。
フェノール樹脂は、エポキシ樹脂の硬化剤として作用し得る。フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン等が挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等が挙げられる。
上記フェノール樹脂としては、1種のみ、又は、2種以上が採用される。
ダイボンド層10において、フェノール樹脂の水酸基は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量当たり、好ましくは0.5当量以上2.0当量以下、より好ましくは0.7当量以上1.5当量以下である。これにより、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との硬化反応を十分に進行させることができる。
ダイボンド層10が熱硬化性樹脂を含む場合、ダイボンド層10における斯かる熱硬化性樹脂の含有割合は、ダイボンド層10の総質量に対して、5質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましい。これにより、ダイボンド層10において熱硬化型接着剤としての機能を適切に発現させることができる。
ダイボンド層10に含まれ得る熱可塑性樹脂としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン(商品名)等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBT等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、イオン性不純物が少なく且つ耐熱性が高いためにダイボンド層10の接着性をより確保できるという点で、アクリル樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、1種のみ、又は、2種以上が採用される。
上記アクリル樹脂は、分子中の構成単位のうち、アルキル(メタ)アクリレートの構成単位が質量割合で最も多いポリマーであることが好ましい。当該アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、C2〜C4アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記アクリル樹脂は、アルキル(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能な他のモノマー成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。
上記他のモノマー成分としては、例えば、カルボキシ基含有モノマー、酸無水物モノマー、ヒドロキシ基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、アクリルアミド、アクリロニトリル等の官能基含有モノマー、又は、その他各種の多官能性モノマー等が挙げられる。
上記アクリル樹脂は、ダイボンド層10においてより高い凝集力を発揮できるという点で、好ましくは、アルキル(メタ)アクリレート(特に、アルキル部分の炭素数が4以下のアルキル(メタ)アクリレート)と、カルボキシ基含有モノマーと、窒素原子含有モノマーと、多官能性モノマー(特にポリグリシジル系多官能モノマー)との共重合体であり、より好ましくは、アクリル酸エチルと、アクリル酸ブチルと、アクリル酸と、アクリロニトリルと、ポリグリシジル(メタ)アクリレートとの共重合体である。
上記アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ダイボンド層10の弾性や粘性を所望の範囲内に設定しやすいという点で、−50℃以上50℃以下であることが好ましく、10℃以上30℃以下であることがより好ましい。
ダイボンド層10が熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む場合、ダイボンド層10における上記熱可塑性樹脂の含有割合は、フィラーを除く有機成分(例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、硬化触媒等、シランカップリング剤、染料)の総質量に対して、好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましくは45質量%以上55質量%以下である。なお、熱硬化性樹脂の含有割合を変化させることによって、ダイボンド層10の弾性や粘性を調整することができる。
ダイボンド層10の熱可塑性樹脂が熱硬化性官能基を有する場合、当該熱可塑性樹脂として、例えば、熱硬化性官能基含有アクリル樹脂を採用できる。この熱硬化性官能基含有アクリル樹脂は、好ましくは、分子中に、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を最も多い質量割合で含む。当該アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、上記例示の(メタ)アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
一方、熱硬化性官能基含有アクリル樹脂における熱硬化性官能基としては、例えば、グリシジル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。
ダイボンド層10は、熱硬化性官能基含有アクリル樹脂と硬化剤とを含むことが好ましい。熱硬化性官能基含有アクリル樹脂における熱硬化性官能基がグリシジル基である場合には、複数のフェノール構造を有する化合物を硬化剤として用いることが好ましい。例えば、上述の各種フェノール樹脂を硬化剤として用いることができる。
ダイボンド層10は、好ましくはフィラーを含有する。ダイボンド層10におけるフィラーの量を変えることにより、ダイボンド層10の弾性及び粘性をより容易に調整することができる。さらに、ダイボンド層10の導電性、熱伝導性、弾性率等の物性を調整することができる。
フィラーとしては、無機フィラー及び有機フィラーが挙げられる。フィラーとしては、無機フィラーが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶質シリカや非晶質シリカといったシリカなどを含むフィラーが挙げられる。また、無機フィラーの材質としては、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル等の金属単体や、合金などが挙げられる。ホウ酸アルミニウムウィスカ、アモルファスカーボンブラック、グラファイト等のフィラーであってもよい。フィラーの形状は、球状、針状、フレーク状等の各種形状であってもよい。フィラーとしては、上記の1種のみ、又は、2種以上が採用される。
上記フィラーの平均粒径は、好ましくは0.005μm以上10μm以下であり、より好ましくは0.005μm以上1μm以下である。上記平均粒径が0.005μm以上であることによって、半導体ウエハ等の被着体への濡れ性、接着性がより向上する。上記平均粒径が10μm以下であることによって、加えたフィラーによる特性をより十分に発揮させることができ、また、ダイボンド層10の耐熱性をより発揮させることができる。フィラーの平均粒径は、例えば、光度式の粒度分布計(例えば、製品名「LA−910」、堀場製作所社製)を用いて求めることができる。
ダイボンド層10がフィラーを含む場合、上記フィラーの含有割合は、ダイボンド層10の総質量に対して、好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましくは42質量%以上55質量%以下である。
ダイボンド層10は、必要に応じて他の成分を含んでもよい。上記他の成分としては、例えば、硬化触媒、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤、染料等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
イオントラップ剤としては、例えば、ハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記他の添加剤としては、1種のみ、又は、2種以上が採用される。
ダイボンド層10は、弾性及び粘性を調整しやすいという点で、好ましくは、熱可塑性樹脂(特に、アクリル樹脂)、熱硬化性樹脂、及びフィラーを含む。
ダイボンド層10の厚さは、特に限定されないが、例えば1μm以上200μm以下である。斯かる厚さは、3μm以上150μm以下であってもよく、5μm以上100μm以下であってもよい。なお、ダイボンド層10が積層体である場合、上記の厚さは、積層体の総厚さである。
ダイボンド層10のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは10℃以上である。上記ガラス転移温度が0℃以上であることによって、低温エキスパンドによってダイボンド層10を容易に割断することができる。ダイボンド層10のガラス転移温度の上限は、例えば100℃である。
ダイボンド層10は、例えば図1に示すように、単層構造を有してもよい。本明細書において、単層とは、同じ組成物で形成された層のみを有することである。同じ組成物で形成された層が複数積層された形態も単層である。
一方、ダイボンド層10は、例えば、2種以上の異なる組成物でそれぞれ形成された層が積層された多層構造を有してもよい。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1では、使用されるときに、活性エネルギー線(例えば紫外線)が照射されることによって、粘着剤層22が硬化される。詳しくは、一方の面に半導体ウエハが接着されたダイボンド層10と、該ダイボンド層10の他方の面に貼り合わされた粘着剤層22とが積層した状態で、紫外線等が少なくとも粘着剤層22に照射される。例えば、基材層21が配置されている方から紫外線等を照射して、基材層21を経た紫外線等が粘着剤層22に届く。紫外線等の照射によって、粘着剤層22が硬化する。
照射後に粘着剤層22が硬化することによって、粘着剤層22の粘着力を下げることができるため、照射後に粘着剤層22からダイボンド層10(半導体ウエハが接着した状態)を比較的容易に剥離させることができる。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1は、使用される前の状態において、ダイボンド層10の一方の面(ダイボンド層10が粘着剤層22と重なっていない面)を覆う剥離シートを備えてもよい。剥離シートは、ダイボンド層10を保護するために用いられ、ダイボンド層10に被着体(例えば半導体ウエハ)を貼り付ける直前に剥離される。
この剥離シートとしては、上述した剥離シートと同様のものを採用できる。この剥離シートは、ダイボンド層10を支持するための支持材として利用できる。剥離シートは、粘着剤層22のうえにダイボンド層10を重ねるときに、好適に使用される。詳しくは、剥離シートとダイボンド層10とが積層された状態でダイボンド層10を粘着剤層22に重ね、重ねた後に剥離シートを剥がす(転写する)ことによって、粘着剤層22のうえにダイボンド層10を重ねることができる。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1は、以上のように構成されていることから、後述する常温エキスパンド工程の後にカーフを良好に維持できる。
次に、本実施形態のダイシングテープ20、及び、ダイシングダイボンドフィルム1の製造方法について説明する。
本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1の製造方法は、
ダイシングテープ20を製造する工程(ダイシングテープの製造方法)と、製造されたダイシングテープ20にダイボンド層10を重ねてダイシングダイボンドフィルム1を製造する工程とを備える。
ダイシングテープの製造方法(ダイシングテープを製造する工程)は、
アクリルポリマーを合成する合成工程と、
上述したアクリルポリマーと、イソシアネート化合物と、重合開始剤と、溶媒と、目的に応じて適宜追加するその他の成分と、を含む粘着剤組成物から溶媒を揮発させて粘着剤層22を作製する粘着剤層作製工程と、
基材層21を作製する基材層作製工程と、
粘着剤層22と基材層21とを貼り合わせることによって、基材層21と粘着剤層22とを積層させる積層工程と、を備える。
合成工程では、例えば、C9〜C11アルキル(メタ)アクリレートモノマーと、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーと、をラジカル重合させることによって、アクリルポリマー中間体を合成する。
ラジカル重合は、一般的な方法によって行うことができる。例えば、上記の各モノマーを溶媒に溶解させて加熱しながら撹拌し、重合開始剤を添加することによって、アクリルポリマー中間体を合成できる。アクリルポリマーの分子量を調整するために、連鎖移動剤の存在下において重合を行ってもよい。
次に、アクリルポリマー中間体に含まれる、水酸基含有(メタ)アクリレートの構成単位の一部の水酸基と、イソシアネート基含有重合性モノマーのイソシアネート基とを、ウレタン化反応によって結合させる。これにより、水酸基含有(メタ)アクリレートの構成単位の一部が、重合性基含有(メタ)アクリレートの構成単位となる。
ウレタン化反応は、一般的な方法によって行うことができる。例えば、溶媒及びウレタン化触媒の存在下において、加熱しながらアクリルポリマー中間体とイソシアネート基含有重合性モノマーとを撹拌する。これにより、アクリルポリマー中間体の水酸基の一部に、イソシアネート基含有重合性モノマーのイソシアネート基をウレタン結合させることができる。
粘着剤層作製工程では、例えば、アクリルポリマーと、イソシアネート化合物と、重合開始剤とを溶媒に溶解させて、粘着剤組成物を調製する。溶媒の量を変化させることによって、組成物の粘度を調整することができる。次に、粘着剤組成物を剥離シートに塗布する。塗布方法としては、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等の一般的な塗布方法が採用される。塗布した組成物に、脱溶媒処理や固化処理等を施すことによって、塗布した粘着剤組成物を固化させて、粘着剤層22を作製する。
基材層作製工程では、一般的な方法によって製膜して基材層21を作製できる。製膜する方法としては、例えば、カレンダー製膜法、有機溶媒中でのキャスティング法、密閉系でのインフレーション押出法、Tダイ押出法、ドライラミネート法等が挙げられる。共押出し成形法を採用してもよい。なお、基材層21として、市販されているフィルム等を用いてもよい。
積層工程では、剥離シートに重なった状態の粘着剤層22と基材層21とを重ねて積層させる。なお、剥離シートは、使用前まで粘着剤層22に重なった状態であってもよい。
なお、架橋剤とアクリルポリマーとの反応を促進するため、また、架橋剤と基材層21の表面部分との反応を促進するために、積層工程の後に、50℃環境下で、48時間のエージング処理工程を実施してもよい。
これら工程によって、ダイシングテープ20を製造することができる。
ダイシングダイボンドフィルムの製造方法(ダイシングダイボンドフィルムを製造する工程)は、
ダイボンド層10を形成するための樹脂組成物を調製する樹脂組成物調製工程と、
樹脂組成物からダイボンド層10を作製するダイボンド層作製工程と、
上記のごとく製造したダイシングテープ20の粘着剤層22にダイボンド層10を貼り付ける貼付工程と、を備える。
樹脂組成物調製工程では、例えば、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化触媒、アクリル樹脂、フェノール樹脂、溶媒などを混合して、各樹脂を溶媒に溶解させることによって、樹脂組成物を調製する。溶媒の量を変化させることによって、組成物の粘度を調整することができる。なお、これらの樹脂としては、市販されている製品を用いることができる。
ダイボンド層作製工程では、例えば、上記のごとく調製した樹脂組成物を、剥離シートに塗布する。塗布方法としては、特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等の一般的な塗布方法が採用される。次に、必要に応じて、脱溶媒処理や硬化処理等によって、塗布した組成物を固化させて、ダイボンド層10を作製する。
貼付工程では、ダイシングテープ20の粘着剤層22、及び、ダイボンド層10からそれぞれ剥離シートを剥離し、ダイボンド層10と粘着剤層22とが直接接触するように、両者を貼り合わせる。例えば、圧着することによって貼り合わせることができる。貼り合わせるときの温度は、特に限定されず、例えば、30℃以上50℃以下であり、好ましくは35℃以上45℃以下である。貼り合わせるときの線圧は、特に限定されないが、好ましくは0.1kgf/cm以上20kgf/cm以下であり、より好ましくは1kgf/cm以上10kgf/cm以下である。
上記のごとく製造されたダイシングダイボンドフィルム1は、例えば、半導体集積回路を製造するための補助用具として使用される。以下、使用における具体例について説明する。
半導体集積回路を製造する方法は、一般的に、回路面が形成された半導体ウエハからチップを切り出して組立てを行う工程を備える。
この工程は、例えば、半導体ウエハを割断処理によってチップ(ダイ)へ加工すべく半導体ウエハに溝を形成し、さらに半導体ウエハを研削して厚さを薄くするハーフカット工程と、ハーフカット加工された半導体ウエハの一面(例えば、回路面とは反対側の面)をダイボンド層10に貼り付けて、ダイシングテープ20に半導体ウエハを固定するマウント工程と、ハーフカット加工された半導体チップ同士の間隔を広げるエキスパンド工程と、ダイボンド層10と粘着剤層22との間を剥離してダイボンド層10が貼り付いた状態で半導体チップ(ダイ)を取り出すピックアップ工程と、ダイボンド層10が貼り付いた状態の半導体チップ(ダイ)を被着体に接着させるダイボンド工程と、を有する。これらの工程を実施するときに、本実施形態のダイシングテープ(ダイシングダイボンドフィルム)が製造補助用具として使用される。
ハーフカット工程では、図2A〜図2Dに示すように、半導体集積回路を小片(ダイ)に割断するためのハーフカット加工を施す。詳しくは、半導体ウエハWの回路面とは反対側の面に、ウエハ加工用テープTを貼り付ける。また、ウエハ加工用テープTにダイシングリングRを取り付ける。ウエハ加工用テープTを貼り付けた状態で、分割用の溝を形成する。溝を形成した面にバックグラインドテープGを貼り付ける一方で、始めに貼り付けたウエハ加工用テープTを剥離する。バックグラインドテープGを貼り付けた状態で、半導体ウエハWが所定の厚さになるまで研削加工を施す。
マウント工程では、図3A〜図3Bに示すように、ダイシングテープ20の粘着剤層22にダイシングリングRを取り付けつつ、露出したダイボンド層10の面に、ハーフカット加工された半導体ウエハWを貼り付ける。その後、半導体ウエハWからバックグラインドテープGを剥離する。
エキスパンド工程では、図4A〜図4Cに示すように、ダイシングテープ20の粘着剤層22にダイシングリングRを取り付けた後、エキスパンド装置の保持具Hに固定する。エキスパンド装置が備える突き上げ部材Uを、ダイシングダイボンドフィルム1の下側から突き上げることによって、ダイシングダイボンドフィルム1を面方向に広げるように引き延ばす。これにより、特定の温度条件において、ハーフカット加工された半導体ウエハWを割断する。上記温度条件は、例えば−20〜0℃であり、好ましくは−15〜0℃、より好ましくは−10〜−5℃である。突き上げ部材Uを下降させることによって、エキスパンド状態を解除する(ここまで低温エキスパンド工程)。さらに、エキスパンド工程では、図5A〜図5Bに示すように、より高い温度条件下において、面積を広げるようにダイシングテープ20を引き延ばす。これにより、割断された隣り合う半導体チップをフィルム面の面方向に引き離して、さらにカーフ(間隔)を広げる(常温エキスパンド工程)。
ピックアップ工程では、図6に示すように、ダイボンド層10が貼り付いた状態の半導体チップをダイシングテープ20の粘着剤層22から剥離する。詳しくは、ピン部材Pを上昇させて、ピックアップ対象の半導体チップを、ダイシングテープ20を介して突き上げる。突き上げられた半導体チップを吸着治具Jによって保持する。
ダイボンド工程では、ダイボンド層10が貼り付いた状態の半導体チップを被着体に接着させる。
上述したように、本実施形態のダイシングダイボンドフィルム1(ダイシングテープ20)は、上記の工程で使用され、低温エキスパンド工程では、0℃以下において、ダイボンド層10にウエハが接着された状態で、ダイシングテープ20が延伸され、ウエハがダイボンド層10とともに割断される。さらに、常温でのエキスパンド工程において、ダイシングテープ20が延伸される。
なお、低温エキスパンド工程における温度は、通常、0℃以下であり、例えば、−15℃〜0℃の温度である。常温でのエキスパンド工程における温度は、例えば、10℃〜25℃の温度である。
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1)
基材層と、該基材層よりも粘着性が高い粘着剤層とを備え、
上記基材層を示差走査熱量測定によって測定したチャートは、100℃以上140℃以下の範囲に頂点がある吸熱ピークを有し、且つ、該吸熱ピークにおいてピーク開始点(A点)と上記頂点(C点)との温度差が20℃以上40℃以下である、ダイシングテープ。
(2)
上記吸熱ピークにおいて、上記ピーク開始点(A点)とピーク終了点(B点)との温度差が60℃以下である、上記(1)に記載のダイシングテープ。
(3)
上記吸熱ピークにおいて、上記ピーク開始点(A点)の温度が70℃以上である、上記(1)又は(2)に記載のダイシングテープ。
(4)
上記吸熱ピークにおいて、ピーク終了点(B点)の温度が150℃以下である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のダイシングテープ。
(5)
上記吸熱ピークの上記頂点(C点)の温度が105℃以上135℃以下である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のダイシングテープ。
(6)
上記基材層は、単層構造、又は、積層構造を有する、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のダイシングテープ。
(7)
上記基材層は、少なくとも3層で構成されている、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のダイシングテープ。
(8)
上記基材層は、3層構造であり、外層1層分の厚さに対する、内層の厚さの比(Y厚さ/X厚さ)は、5以上15以下である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載のダイシングテープ。
(9)
上記基材層は、3層構造を含み、非エラストマーで形成された2つの非エラストマー層(X,X)と、2つの非エラストマー層の間に配置され且つエラストマーで形成されたエラストマー層(Y)とを有する、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のダイシングテープ。
(10)
上記非エラストマー層(X)は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及び、ポリプロピレンからなる群より選択された少なくとも1種を含む、上記(9)に記載のダイシングテープ。
(11)
上記エラストマー層(Y)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、及び、α−オレフィン系熱可塑性エラストマーのうち少なくとも一方を含む、上記(9)又は(10)に記載のダイシングテープ。
(12)
上記基材層の厚さ(総厚さ)は、80μm以上150μm以下である、上記(1)〜(11)のいずれかに記載のダイシングテープ。
(13)
上記ダイシングテープの厚さ(総厚さ)に対して、上記粘着剤層の厚さが占める割合は、5%以上30%以下である、上記(1)〜(12)のいずれかに記載のダイシングテープ。
(14)
上記(1)〜(13)のいずれかに記載のダイシングテープと、該ダイシングテープに貼り合わされたダイボンド層とを備える、ダイシングダイボンドフィルム。
(15)
上記ダイボンド層は、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のうち少なくとも一方を含む、上記(14)に記載のダイシングダイボンドフィルム。
(16)
上記ダイボンド層の厚さは、1μm以上200μm以下である、上記(14)又は(15)に記載のダイシングダイボンドフィルム。
本実施形態のダイシングテープ、ダイシングダイボンドフィルムは上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示のダイシングテープ、ダイシングダイボンドフィルムに限定されるものではない。
即ち、一般的なダイシングテープ、ダイシングダイボンドフィルムにおいて用いられる種々の形態が、本発明の効果を損ねない範囲において、採用され得る。
次に実験例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下のようにして、ダイシングテープを製造した。また、このダイシングテープを使用して、ダイシングダイボンドフィルムを製造した。
<基材層>
以下に示す製品を原料として用いて、3層が積層した基材層、又は、単層の基材層を作製した。
・内層を構成(又は単層の基材層を構成)する樹脂
原料名:ウルトラセン751
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA 酢酸ビニル28質量%含有)
東ソー社製
・外層を構成する樹脂
原料名:ウィンテック(WINTEC)WFX4M
メタロセンポリプロピレン
日本ポリプロ社製
・外層を構成する樹脂
原料名:ウィンテック(WINTEC)WSX03
メタロセンポリプロピレン
日本ポリプロ社製
・外層を構成する樹脂
原料名:ノバテックLC520
低密度ポリエチレン(LDPE)
三菱化学社製
・外層を構成する樹脂
原料名:ノーブレンFL6737
ランダムポリプロピレン
住友化学社製
(基材層の成形)
押し出しTダイ成形機を用いて基材層を成形した。押出温度は、190℃であった。3層積層タイプの基材層については、Tダイから共押出成形して一体化させた。一体化した基材層(積層体)が十分に固化した後、基材層をロール状に巻き取って保管した。
なお、基材層を構成する各層の厚さの比、基材層の総厚さは、表1に示す通りである。
<粘着剤層>
(粘着剤層(粘着剤組成物)の調製)
下記の原料を混合して第1樹脂組成物を調製した。
・INA(イソノニルアクリレート)173質量部
・HEA(ヒドロキシエチルアクリレート)54.5質量部
・AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)0.46質量部
・酢酸エチル372質量部
次に、丸底セパラブルフラスコ(容量1L)、温度計、窒素導入管、及び、撹拌翼が装備された重合用実験装置の丸底セパラブルフラスコ内に第1樹脂組成物を入れた。第1樹脂組成物を撹拌しながら、第1樹脂組成物の液温を常温(23℃)に調節しつつ、丸底セパラブルフラスコ内を6時間窒素ガスで置換する処理を行った。
続いて、丸底セパラブルフラスコ内に窒素ガスを流入させつつ、第1樹脂組成物を撹拌しながら、第1樹脂組成物の液温を62℃で3時間保持した。その後、さらに75℃で2時間保持することで、上記のINA、HEA、及び、AIBNの重合反応を実施し、第2樹脂組成物を調製した。その後、丸底セパラブルフラスコ内への窒素ガスの流入を停止した。
常温となるまで第2樹脂組成物を冷却した後、第2樹脂組成物に下記の原料を加えた。
・2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート
重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物
商品名「カレンズMOI」、(昭和電工社製)52.5質量部
・ジラウリン酸ジブチルスズIV(和光純薬工業社製)0.26質量部
得られた第3樹脂組成物を、大気雰囲気下において50℃で24時間撹拌した。
最後に、第3樹脂組成物のポリマー固形分100質量部に対して下記の原料を加えた。
・イソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、東ソー社製)0.75質量部
・光重合開始剤(商品名「Omnirad127」、IGM Resins社製)2質量部
そして、固形分濃度が20質量%となるように酢酸エチルによって第3樹脂組成物を希釈して、粘着剤組成物を調製した。
<ダイシングテープの製造>
基材層の一方の表面に、乾燥後に厚さ10μmとなるようにアプリケータを用いて粘着剤組成物を塗布した。粘着剤組成物塗布後の基材層を110℃で3分加熱乾燥し、粘着剤層を形成することにより、ダイシングテープを製造した。
<ダイシングダイボンドフィルムの作製>
(ダイボンド層の作製)
下記の原料をメチルエチルケトンに加えて混合し、固形分濃度20質量%のダイボンド層用組成物を得た。
・アクリル樹脂(商品名「SG−P3」、ナガセケムテックス社製、ガラス転移温度12℃)100質量部
・エポキシ樹脂(商品名「JER1001」、三菱化学社製)46質量部
・フェノール樹脂(商品名「MEH−7851ss」、明和化成社製)51質量部
・球状シリカ(商品名「SO−25R」、アドマテックス社製)191質量部
・硬化触媒(商品名「キュアゾールPHZ」、四国化成工業社製)0.6質量部
次に、PET系セパレータ(厚さ50μm)にシリコーン処理を施した、剥離ライナーを用意した。この剥離ライナーの処理面上に、乾燥後に厚さ10μmとなるようにダイボンド層用組成物をアプリケータによって塗布した。130℃で2分間の乾燥処理によってダイボンド層用組成物から溶媒を揮発させ、剥離ライナー上にダイボンド層が積層されたダイボンドシートを得た。
(ダイボンド層とダイシングテープとの貼り合わせ)
続いて、ダイシングテープの粘着剤層と、ダイボンドシートにおけるダイボンド層(剥離シートが積層されていない側)とを貼り合せた。その後、剥離ライナーをダイボンド層から剥離して、ダイボンド層を備えるダイシングダイボンドフィルムを作製した。
以上のようにして、上記の方法に従って、実施例及び比較例のダイシングテープ及びダイシングダイボンドフィルムをそれぞれ製造した。各ダイシングテープの構成を表1に示す。
Figure 2021077873
<示差走査熱量測定(DSC)の測定>
各実施例及び各比較例のダイシングテープから、測定用サンプルを取り出した。測定用サンプルは、基材層を厚さ方向に切断することによって基材層から取り出した。
市販されているDSC測定装置を用いて、測定用サンプルの約10mgを秤量し、室温(約20℃)から200℃まで5℃/分の昇温速度で、窒素ガス雰囲気下において測定を実施した。
測定チャートにおいて現れた吸熱ピークのピーク開始点(A点)、ピークの頂点(C点)、ピーク終了点(B点)の各温度を、装置に付属した解析ソフトウェアによって計測した。
測定チャートにおいて複数のピークが現れた場合、それぞれのピークについて上記の各温度を計測した。
DSC測定装置及び解析ソフトウェアの詳細は、以下の通りである。
測定装置:ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製
装置名 DSC Q−2000
解析ソフトウェア:TA Instruments Universal Analysis 2000 バージョン4.5A
実施例1の基材層について示差走査熱量測定(DSC測定)を行ったときのチャートを図7A及び図7Bに示す。なお、図7A及び図7Bは、同じ測定結果を異なる表示形式でそれぞれ表している。図7Aにおいては、チャートにおける斜めの線が温度を表す。
同様に、実施例2の基材層について示差走査熱量測定(DSC測定)を行ったときのチャートを図8A及び図8Bに示し、比較例1の基材層について示差走査熱量測定(DSC測定)を行ったときのチャートを図9A及び図9Bに示す。
<性能評価(カーフの評価)>
各実施例及び各比較例で製造したダイシングダイボンドフィルムを用いて以下のようにして性能評価を行った。
ベアウエハ(直径300mm)の片面にウエハ加工用テープ(商品名「V−12SR2」、日東電工株式会社製)を貼付した後、ウエハ加工用テープを介して、ベアウエハをダイシングリングに固定し、ダイシング装置(DISCO社製、型番6361)を用いて、ウエハ加工用テープを貼りつけた側とは反対側から、チップが2mm×2mmの正方形となるように、格子状の溝(25μm巾、100μm深さ)を形成した。次に、ウエハ加工用テープ(商品名「V−12SR2」、日東電工株式会社製)をウエハから剥がし、溝を形成した面にバックグラインドテープを貼り合せ、バックグラインダー(DISCO社製、型式DGP8760)を用いて、厚みが30μm(0.030mm)となるようにベアウエハを研削した。
ダイシングダイボンドテープのダイボンドフィルム面に、バックグラインドテープ付きの研削されたウエハを60℃の温度で貼り合わせた。次に、研削後のウエハと貼り合わされたダイシングダイボンドフィルムをリングに貼り合わせて固定したのち、バックグラインドテープを剥がした。その後、クールエキスパンダーユニットにて、エキスパンド温度−5℃、エキスパンド速度100mm/秒、エキスパンド量14mmの条件でダイボンド層を割断した。次に、室温、エキスパンド速度1mm/秒、エキスパンド量10mmの条件で常温エキスパンドを行った。そして、エキスパンド状態を維持したまま、ヒート温度200℃、ヒート距離18mm、ローテーションスピード5°/秒の条件で、ダイシングダイボンドフィルムの外周部を熱収縮させた。
熱収縮後のダイシングダイボンドフィルムにおいて以下のようにしてカーフ評価を行った。
(カーフ評価のための測定方法)
デジタルマイクロスコープ(VHX−6000,キーエンス社製)を用いてカーフの測定を行った。詳しくは、ヒートエキスパンド終了後に、割断された部分におけるチップとチップとの間隔(カーフ)を、デジタルマイクロスコープで観察して、間隔長さを測定した。任意に選んだ5カ所において、MD方向及びTD方向のカーフをそれぞれ測定し、測定値の最小値を採用した。30μm以上のカーフであれば、○と評価し、30μm未満のカーフであれば×と評価した。なお、任意の5カ所とは、円形ウエハの最外周部分であって周方向に互いに約90度離れた4カ所、及び、ウエハの中央付近である。
各実施例及び各比較例のダイシングテープの基材層について示差走査熱量測定(DSC)の測定を行った結果、及び、性能評価(カーフの評価)の結果を表1に示す。
上記の評価結果から把握されるように、実施例のダイシングダイボンドフィルムは、比較例のダイシングダイボンドフィルムに比べて、エキスパンド後にカーフを良好に維持できた。
実施例のダイシングテープでは、基材層のDSC測定チャートにおいて、100℃以上140℃以下の範囲に吸熱ピークの頂点があり、吸熱ピークにおいてピーク開始点と頂点との温度差が40℃以下であり、吸熱ピークにおいてピーク開始点とピーク終了点との温度差が60℃以下であり、ピーク終了点の温度が150℃以下である。
このような物性を有する基材層を備えた実施例のダイシングテープ(ダイシングダイボンドフィルム)を、半導体集積回路の製造において使用することによって、常温エキスパンド工程の後におけるカーフを良好に維持することができる。
本発明のダイシングテープ及びダイシングダイボンドフィルムは、例えば、半導体集積回路を製造するときの補助用具として、好適に使用される。
1:ダイシングダイボンドフィルム、
10:ダイボンド層、
20:ダイシングテープ、
21:基材層、 22:粘着剤層。

Claims (5)

  1. 基材層と、該基材層よりも粘着性が高い粘着剤層とを備え、
    前記基材層を示差走査熱量測定によって測定したチャートは、100℃以上140℃以下の範囲に頂点がある吸熱ピークを有し、且つ、該吸熱ピークにおいてピーク開始点と前記頂点との温度差が40℃以下である、ダイシングテープ。
  2. 前記吸熱ピークにおいて、前記ピーク開始点とピーク終了点との温度差が60℃以下である、請求項1記載のダイシングテープ。
  3. 前記吸熱ピークにおいて、前記ピーク開始点の温度が70℃以上である、請求項1又は2に記載のダイシングテープ。
  4. 前記吸熱ピークにおいて、ピーク終了点の温度が150℃以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダイシングテープ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のダイシングテープと、該ダイシングテープに貼り合わされたダイボンド層とを備える、ダイシングダイボンドフィルム。
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