JP2023111110A - 熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物、及びその硬化物 - Google Patents

熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物、及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】放熱性に優れた熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を提供する。【解決手段】熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であって、(A)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm2/sであるオルガノポリシロキサン、(B)フェノール化合物:組成物全体に対し0.01~10質量%となる量、(C)銀粉末:組成物全体に対し10~98質量%となる量、(D)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:組成物が硬化物を形成するのに足る有効量、(E)白金族金属触媒:有効量、を含むものであることを特徴とする熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物、及びその硬化物に関する。
電子部品パッケージやパワーモジュールに共通する課題として、動作中の発熱及びそれによる性能の低下が広く知られており、これを解決するための手段として様々な放熱技術が用いられている。とりわけ、発熱部の付近に冷却部材を配置して両者を密接させたうえで、冷却部材から効率的に除熱することにより放熱する技術が一般的である。
その際、発熱部と冷却部材との間に隙間があると、熱伝導率の悪い空気が介在することにより伝熱性が低下し、発熱部材の温度が十分に下がらなくなってしまう。このような空気の介在を防ぎ、熱伝導を向上させるため、熱伝導率がよく、部材の表面に追随性のある放熱材料、例えば放熱グリースや放熱シートが用いられている(例えば、特許文献1~9)。
実際の電子部品パッケージやパワーモジュールの熱対策としては、薄く圧縮可能であり発熱部と冷却部材との隙間への侵入性に優れる放熱グリースが、放熱性能の観点から好適である。さらに所望の厚みに圧縮後に加熱硬化させることで、発熱部の発熱と冷却を反復する熱履歴による膨張・収縮に起因する放熱グリースの流れ出し(ポンピングアウト)を発生しづらくし、電子部品パッケージやパワーモジュールの信頼性を高めることができる、付加硬化型の放熱グリースがとりわけ有用である(例えば、特許文献10)。
近年、電子部品パッケージやパワーモジュールの高出力・高性能化、自動運転車両用半導体やIoTといった新しいアプリケーションへ対応するため、放熱材料にも一層の高熱伝導化の要求がある。そうした要求を満足しうる熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物が求められている。
特開2002-327116号公報 特開2004-130646号公報 特開2009-234112号公報 特開2009-209230号公報 特開2010-095730号公報 特開2008-031336号公報 特開2007-177001号公報 特開2008-260798号公報 特開2009-209165号公報 特開2016-053140号公報
従って、本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、放熱性に優れた熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であって、
(A)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm/sであるオルガノポリシロキサン、
(B)フェノール化合物:組成物全体に対し0.01~10質量%となる量、
(C)銀粉末:組成物全体に対し10~98質量%となる量、
(D)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:組成物が硬化物を形成するのに足る有効量、
(E)白金族金属触媒:有効量、
を含むものである熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を提供する。
このような熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であれば、放熱性に優れる。
また、本発明では、前記(B)成分が下記一般式(1A)で示されるフェノール化合物であることが好ましい。
Figure 2023111110000001
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は水酸基を示す。Azは炭素数1~20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の(ka+2)価の炭化水素基、又はフッ素化炭化水素基を示し、炭化水素基を構成する-CH-が-O-、-C(=O)-、又は-Si(R)-に置換されていてもよい。R、Rは炭素数1~6の直鎖状、分岐状、もしくは環状のアルキル基、又はフェニル基である。Xfはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のフッ素原子で置換されてよい直鎖状、分岐状、もしくは環状の1価炭化水素基、炭素数1~10のフッ素原子で置換されてよいアルコキシ基、又は電子求引基を示す。Zは単結合、又は酸素原子を示す。環ZZはそれぞれ独立に炭素数3~20の芳香族性の単環、又は多環を示す。前記環ZZの炭素原子は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子に置換されていてもよい。kaは0~2の整数を示す。kb及びkdは1又は2を示す。kc及びkeは0~2の整数を示す。)
このような熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であれば、より放熱性に優れる。
また、本発明では、前記(B)成分が下記一般式(1B)で示されるフェノール化合物であることが好ましい。
Figure 2023111110000002
(式中、Az’は炭素数1~19の直鎖状、分岐状、もしくは環状の(ka+2)価の炭化水素基、又はフッ素化炭化水素基を示し、炭化水素基を構成する-CH-が-O-、-C(=O)-、又は-Si(R)-に置換されていてもよい。kaは0又は1を示す。kb、kc、kd、keは1又は2を示す。R、R、Rは前記と同じである。)
このような熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であれば、より確実に放熱性に優れる。
また、本発明では、前記(C)成分の平均粒径が0.01~300μmであることが好ましい。
このような熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であれば、得られる組成物が均一となり、粘度が高くなりすぎず、伸展性に優れる。
また、本発明では、さらに、(F)アセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物、及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の付加硬化反応制御剤を有効量含有するものであることが好ましい。
このような熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であれば、所望とする十分なシェルフライフ、ポットライフが得られるとともに、シリコーン組成物の硬化性が低下するおそれがない。
また、本発明では、直径12.7mmの2枚のシリコン板の間に上記に記載の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を挟み込み、0.14MPaの圧力を掛けた状態にて125℃で1時間加熱硬化させ、熱抵抗測定用の試験片を作製し、熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱抵抗値を熱伝導率測定装置を用いて測定し、さらに、前記試験片の厚みをマイクロゲージにて測定し、あらかじめ測定しておいた前記シリコン板の厚さとの差分から前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の厚さを算出し、その後、前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の厚さ(μm)÷前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱抵抗値(mm・K/W)から前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱伝導率を導出したときの熱伝導率が7.0W/m・K以上であることを特徴とする熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物を提供する。
このような熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物であれば、放熱性に優れるものとなる。
本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物は、フェノール化合物と銀粉末を配合することで高熱伝導化を達成したものである。その結果、電子部品パッケージやパワーモジュールへ実装することで優れた放熱性能を発現することができる。
上述のように、放熱性に優れる熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の開発が求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、脂肪族不飽和炭化水素基含有オルガノポリシロキサン、フェノール化合物、銀粉末、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金族金属触媒を特定量配合することで、放熱性に優れる熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であって、
(A)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm/sであるオルガノポリシロキサン、
(B)フェノール化合物:組成物全体に対し0.01~10質量%となる量、
(C)銀粉末:組成物全体に対し10~98質量%となる量、
(D)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:組成物が硬化物を形成するのに足る有効量、
(E)白金族金属触媒:有効量、
を含むものである熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物
本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物は、後述する(A)~(E)成分と、必要によりこれに加えて(F)成分やその他の成分を含有するものである。以下各成分について詳細に説明する。
(A)成分
(A)成分は、1分子中に少なくとも1個、好ましくは1~100個、より好ましくは2~50個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm/sであるオルガノポリシロキサンである。
脂肪族不飽和炭化水素基は、好ましくは、脂肪族不飽和結合を有する、炭素数2~8、さらに好ましくは炭素数2~6の1価炭化水素基であり、より好ましくはアルケニル基である。例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、及びオクテニル基等のアルケニル基が挙げられる。特に好ましくはビニル基である。脂肪族不飽和炭化水素基は、分子鎖末端のケイ素原子、分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合していてもよく、両者に結合していてもよい。
前記オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する、脂肪族不飽和炭化水素基以外の有機基としては、炭素数1~18、好ましくは炭素数1~10、さらに好ましくは炭素数1~8の、非置換又は置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。特にはメチル基、トリフルオロプロピル基であることが好ましい。
前記オルガノポリシロキサンは、25℃での動粘度が、60~100,000mm/s、好ましくは100~30,000mm/sである。該動粘度が60mm/s未満であると、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の物理的特性が低下し、100,000mm/sを超えると、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の伸展性が乏しいものとなる。
本発明において、動粘度は、ウベローデ型オストワルド粘度計により測定した25℃における値である(以下、同じ)。
前記オルガノポリシロキサンは、上記性質を有するものであればその分子構造は特に限定されず、直鎖状構造、分岐鎖状構造、一部分岐状構造、又は環状構造を有する直鎖状構造等が挙げられる。特には、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するのが好ましい。該直鎖状構造を有するオルガノポリシロキサンは、部分的に分岐状構造又は環状構造を有していてもよい。
(A)成分の配合量は、組成物全体に対し1.5~89質量%が好ましく、1.7~50質量%がより好ましく、2~20質量%がさらに好ましい。89質量%以下であれば、熱伝導性に乏しいものとならず、1.5質量%以上であれば、組成物の粘度が必要以上に増加せず、作業性が低下しない。
前記オルガノポリシロキサンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(B)成分
(B)成分はフェノール化合物であり、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の添加剤として配合されるものである。フェノール化合物としては、下記一般式(1A)で示されるフェノール化合物であることが好ましい。なお、以下の説明中、化学式で表される構造によっては不斉炭素が存在し、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在し得るものがあるが、その場合は一つの式でそれらの異性体を代表して表す。それらの異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
Figure 2023111110000003
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は水酸基を示す。Azは炭素数1~20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の(ka+2)価の炭化水素基、又はフッ素化炭化水素基を示し、炭化水素基を構成する-CH-が-O-、-C(=O)-、又は-Si(R)-に置換されていてもよい。R、Rは炭素数1~6の直鎖状、分岐状、もしくは環状のアルキル基、又はフェニル基である。Xfはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のフッ素原子で置換されてよい直鎖状、分岐状、もしくは環状の1価炭化水素基、炭素数1~10のフッ素原子で置換されてよいアルコキシ基、又は電子求引基を示す。Zは単結合、又は酸素原子を示す。環ZZはそれぞれ独立に炭素数3~20の芳香族性の単環、又は多環を示す。前記環ZZの炭素原子は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子に置換されていてもよい。kaは0~2の整数を示す。kb及びkdは1又は2を示す。kc及びkeは0~2の整数を示す。)
Azの炭素数1~20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の(ka+2)価の炭化水素基としては、具体的には下記のものを例示できる。
Figure 2023111110000004
(式中、破線は結合手を示す。)
Figure 2023111110000005
(式中、破線は結合手を示す。)
Figure 2023111110000006
(式中、破線は結合手を示す。)
Azの炭素数1~20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の(ka+2)価のフッ素化炭化水素基としては、具体的には上記の炭化水素基中の水素原子の一部又は全部が、フッ素原子に置換されたものを例示できる。また炭化水素基を構成する-CH-が、-O-、-C(=O)-、又は-Si(R)-に置換されていてもよい。Azの炭素数は好ましくは2~18、より好ましくは3~16、さらに好ましくは4~14である。また炭化水素基を構成する-CH-の一部が、-Si(R)-、又は-Si(R)-O-に置換されているのが好ましい。
、Rの炭素数1~6の直鎖状、分岐状、もしくは環状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
Xfの炭素数1~10のフッ素原子で置換されてよい直鎖状、分岐状、もしくは環状の1価炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基等を挙げることができる。
Xfの炭素数1~10のフッ素原子で置換されてよいアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基等を挙げることができる。
Xfの電子求引基の具体例としては、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、スルホン酸エステル基、アミド基、-O-C(=O)-G-(Gは硫黄原子又はNHである)等を挙げることができる。
環ZZの炭素数3~20の芳香族性の単環、又は多環として、具体的には下記のものを例示できる。下記のように環ZZはさらに置換基を有していてもよい。
Figure 2023111110000007
上記一般式(1A)で示されるフェノール化合物としては、下記一般式(1B)で示されるフェノール化合物であることが特に好ましい。
Figure 2023111110000008
(式中、Az’は炭素数1~19の直鎖状、分岐状、もしくは環状の(ka+2)価の炭化水素基、又はフッ素化炭化水素基を示し、炭化水素基を構成する-CH-が-O-、-C(=O)-、又は-Si(R)-に置換されていてもよい。kaは0又は1を示す。kb、kc、kd、keは1又は2を示す。R、R、Rは前記と同じである。)
上記一般式(1A)および(1B)で示される化合物として、具体的には下記のものを例示できる。
Figure 2023111110000009
Figure 2023111110000010
Figure 2023111110000011
Figure 2023111110000012
Figure 2023111110000013
Figure 2023111110000014
Figure 2023111110000015
(B)成分の配合量は、組成物全体に対し0.01~10質量%となる量であり、0.03~5質量%が好ましく、0.05~1.0質量%配合量がより好ましい。配合量が、0.01質量%未満であると熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の放熱性向上に資する効果に乏しく、10質量%を超えても放熱性向上効果が大幅に増大することはなく不経済であるため好ましくない。
(C)成分
(C)成分は銀粉末である。銀粉末の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば電解法、粉砕法、熱処理法、アトマイズ法、還元法等が挙げられる。また、その形状は、フレーク状、球状、粒状、不定形状、樹枝状、針状等、特に限定されるものではない。
(C)成分の平均粒径は、0.01μm以上であれば、得られる組成物の粘度が高くなりすぎず、伸展性に優れたものとなり、300μm以下であれば、得られる組成物が均一となるため、0.01~300μmの範囲、好ましくは0.1~100μmの範囲、より好ましくは1~50μmの範囲が好ましい。なお、平均粒径は、例えば、レーザー光回折法による粒度分布測定における体積基準の平均値(又はメジアン径)として求めることができる。
また、(C)成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その割合は特に限定されず任意である。
(C)成分の配合量は、組成物全体に対し10~98質量%となる量であり、70~97質量%が好ましく、80~95質量%がより好ましい。98質量%より多いと、組成物の粘度増加が著しく作業性が低下する恐れがあり、10質量%より少ないと熱伝導性に乏しいものとなる。
(D)成分
(D)成分は、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、即ちケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を1分子中に2個以上、特に好ましくは2~100個、さらに好ましくは2~50個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中のSiH基が、上述した(A)成分が有する脂肪族不飽和炭化水素基と白金族金属触媒の存在下に付加反応し、架橋構造を形成できるものであればよい。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、上記性質を有するものであればその分子構造は特に限定されず、直鎖状構造、分岐鎖状構造、環状構造、一部分岐状構造、又は環状構造を有する直鎖状構造等が挙げられる。好ましくは直鎖状構造、環状構造である。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、25℃での動粘度が、好ましくは1~1,000mm/s、より好ましくは10~300mm/sである。前記動粘度が1mm/s以上であれば、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の物理的特性が低下するおそれがなく、1,000mm/s以下であれば、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の伸展性が良好なものとなる。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に結合した有機基としては、脂肪族不飽和炭化水素基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基が挙げられる。特には、炭素数1~12、好ましくは炭素数1~10の、非置換又は置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、2-フェニルエチル基、2-フェニルプロピル基等のアラルキル基、これらの水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基、エポキシ環含有有機基(グリシジル基又はグリシジルオキシ基置換アルキル基)等で置換したもの、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基、2-グリシドキシエチル基、3-グリシドキシプロピル基、及び4-グリシドキシブチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、トリフルオロプロピル基が好ましい。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独でも2種以上を混合して使用してもよい。
(D)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、組成物が硬化物を形成するのに足る有効量であり、好ましくは(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(D)成分中のSiH基の個数が0.5~10となる量、より好ましくは0.7~7.5となる量、さらに好ましくは1.0~5.0となる量である。(D)成分の量が上記下限値以上であれば、付加反応が十分に進行し、架橋が十分となる。また、上記上限値以下であれば、架橋構造が不均一とならず、組成物の保存性が悪化しない。
(E)成分
(E)成分は白金族金属触媒であり、上述した成分の付加反応を促進するために機能する。白金族金属触媒は、付加反応に用いられる従来公知のものを使用することができる。例えば白金系、パラジウム系、ロジウム系の触媒が挙げられるが、中でも比較的入手しやすい白金又は白金化合物が好ましい。例えば、白金の単体、白金黒、塩化白金酸、白金-オレフィン錯体、白金-アルコール錯体、白金配位化合物等が挙げられる。白金族金属触媒は1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)成分の配合量は触媒としての有効量、即ち、付加反応を促進して本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を硬化させるために必要な有効量であればよい。好ましくは、組成物全体に対し、白金族金属原子に換算した質量基準で0.1~500ppm、より好ましくは1~200ppm、さらに好ましくは10~100ppmである。触媒の量が上記下限値以上であれば、触媒としての効果が得られ、また上記上限値以下であれば、触媒効果が十分であり経済的である。
本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物は、上記成分の他に、必要に応じてさらに以下の任意成分を添加することができる。
(F)成分
(F)成分は室温でのヒドロシリル化反応の進行を抑えるアセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物、及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の付加硬化反応制御剤であり、シェルフライフ、ポットライフを延長させるために添加することができる。該付加硬化反応制御剤は、付加硬化型シリコーン組成物に使用される従来公知の付加硬化反応制御剤を使用することができる。これには、例えば、アセチレンアルコール類(例えば、エチニルメチルデシルカルビノール、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール)等のアセチレン化合物、トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の各種窒素化合物、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物等が挙げられる。
(F)成分を配合する場合の配合量は有効量でよく、(A)成分100質量部に対し、0.05~10質量部が好ましく、より好ましくは0.07~5質量部であり、さらに好ましくは0.1~2質量部である。反応制御剤の量が0.05質量部以上であれば、所望とする十分なシェルフライフ、ポットライフが得られ、また、10質量部以下であれば、シリコーン組成物の硬化性が低下しない。
また反応制御剤は、シリコーン組成物への分散性を良くするために、オルガノ(ポリ)シロキサンやトルエン等で希釈して使用してもよい。
その他の成分
本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物は、組成物の強度や粘度を調整するためにメチルポリシロキサン等の反応性を有さないオルガノ(ポリ)シロキサンを含有してもよい。さらに、銀以外の従来公知の熱伝導性充填剤を1種以上併用してもよい。さらに、熱伝導性充填剤の充填性を向上する目的や、組成物に接着性を付与する目的で、加水分解性オルガノポリシロキサンや各種変成シリコーン、加水分解性オルガノシランを配合してもよい。さらに、組成物の粘度を調整するための溶剤を配合してもよい。さらに、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の劣化を防ぐために、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール等の、従来公知の酸化防止剤を必要に応じて含有してもよい。さらに、染料、顔料、難燃剤、沈降防止剤、又はチクソ性向上剤等を、必要に応じて配合することができる。
熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を作製する工程
本発明における熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の製造方法について説明する。本発明における熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、上述の(A)~(E)成分、必要によりこれに加えて(F)成分やその他の成分を含有する熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を作製する工程を有する。
上述した(A)~(E)成分、及び必要により(F)成分やその他成分を、例えば、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリーミキサー(いずれも(株)井上製作所製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスミックス(プライミクス株式会社製混合機の登録商標)等の混合機等を用いて、25℃で通常3分~24時間、好ましくは5分~12時間、特に好ましくは10分~6時間混合する方法が挙げられる。また混合時に脱気を行ってもよく、40~170℃の範囲で加熱しながら混合してもよい。
本発明においては、予め(A)及び(C)成分を70℃で混合し、その後、(B)、(D)及び(E)成分を25℃で混合することが、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物が良好な熱伝導性を発現する観点から好ましい。なお、任意成分である(F)成分を配合する場合は、予め(A)及び(C)成分を混合後、(F)成分を混合し、その後(B)、(D)及び(E)成分を混合することが好ましい。
本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物は、25℃にて測定される粘度が、好ましくは10~1,000Pa・s、より好ましくは20~700Pa・s、さらに好ましくは40~600Pa・sである。粘度が、10Pa・s以上であれば、形状保持が困難とならず、銀粉末が沈降しない等、作業性が悪くならない。また粘度が1,000Pa・s以下であれば、吐出や塗布が困難とならない等、作業性が悪くならない。前記粘度は、上述した各成分の配合量を調整することにより得ることができる。前記粘度は例えば、マルコム粘度計(タイプPC-1T)を用いて25℃で測定することができる。
また本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の硬化物は、通常0.5~100W/m・Kの熱伝導率を有するが、電子部品パッケージやパワーモジュールへ実装した際に優れた放熱性能を発現するために7.0W/m・K以上の熱伝導率を有することが好ましい。
本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を加熱硬化する場合の硬化条件は、特に制限されるものでないが、通常80~200℃、好ましくは100~180℃で、15分~4時間、好ましくは30分~2時間である。
特に、本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物は、直径12.7mmの2枚のシリコン板の間に上記に記載の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を挟み込み、0.14MPaの圧力を掛けた状態にて125℃で1時間加熱硬化させ、熱抵抗測定用の試験片を作製し、熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱抵抗値を熱伝導率測定装置を用いて測定し、さらに、前記試験片の厚みをマイクロゲージにて測定し、あらかじめ測定しておいた前記シリコン板の厚さとの差分から前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の厚さを算出し、その後、前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の厚さ(μm)÷前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱抵抗値(mm・K/W)から前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱伝導率を導出したときの熱伝導率が7.0W/m・K以上であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、動粘度はウベローデ型オストワルド粘度計による25℃の値を示す。
初めに、本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を調製する以下の各成分を用意した。
(A)成分
A-1:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が600mm/sのジメチルポリシロキサン
A-2:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が30,000mm/sのジメチルポリシロキサン
A-3:下記式(2)で示される、25℃における動粘度が800mm/sのオルガノポリシロキサン
Figure 2023111110000016
(B)成分
B-1:下記式(3)で示されるフェノール化合物
Figure 2023111110000017
B-2:下記式(4)で示されるフェノール化合物
Figure 2023111110000018
B-3:下記式(5)で示されるフェノール化合物
Figure 2023111110000019
B-4:下記式(6)で示されるフェノール化合物
Figure 2023111110000020
B-5:下記式(7)で示されるフェノール化合物
Figure 2023111110000021
(C)成分
C-1:平均粒径15μm、タップ密度4.0g/mL、比表面積0.5m/gのフレーク状銀粉末
C-2:平均粒径4μm、タップ密度2.2g/mL、比表面積2.0m/gのフレーク状銀粉末
C-3:平均粒径4μm、タップ密度2.3g/mL、比表面積0.9m/gのフレーク状銀粉末
C-4:平均粒径2μm、タップ密度2.4g/mL、比表面積0.9m/gのフレーク状銀粉末
C-5:平均粒径3μm、タップ密度6.9g/mL、比表面積0.2m/gの球状銀粉末
(D)成分
D-1:下記式(8)で示されるメチルハイドロジェンジメチルポリシロキサン
(25℃における動粘度=100mm/s)
Figure 2023111110000022
D-2:下記式(9)で示されるメチルハイドロジェントリフルオロプロピルメチルポリシロキサン
(25℃における動粘度=60mm/s)
Figure 2023111110000023
(E)成分
E-1:白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を上記A-1と同じジメチルポリシロキサンに溶解した溶液(白金原子含有量:1質量%)
E-2:白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体をエタノールに溶解した溶液(白金原子含有量:3質量%)
(F)成分
F-1:下記式(10)で示される1-エチニル-1-シクロヘキサノール
Figure 2023111110000024
[実施例1~17、比較例1~7]
熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の調製
上記(A)~(F)成分を、下記表1~4に示す配合量で、下記に示す方法で配合して熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を調製した。なお、表においてSiH/SiViは(A)成分中のアルケニル基の個数の合計に対する(D)成分のSiH基の個数の合計の比である。
0.3リットルのハイビスミックス(プライミクス株式会社製)に、(A)、(C)成分を加え、70℃で1時間混合した。これを40℃以下となるまで冷却した後、(F)、(E)、(D)、及び(B)成分を加え、均一になるように混合し、組成物を調製した。
上記方法で得られた各熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物について、下記の方法に従い、粘度、熱伝導率を測定した。結果を表1~4に示す。
[粘度]
各熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の絶対粘度を、マルコム粘度計(タイプPC-1T)を用いて25℃で測定した(ロータAで10rpm、ズリ速度6[1/s])。
[熱伝導率]
直径12.7mmの2枚のシリコン板の間に各熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を挟み込み、0.14MPaの圧力を掛けた状態にて125℃で1時間加熱硬化させ、熱抵抗測定用の試験片を作製し、熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱抵抗値を測定した。さらに、試験片の厚みをマイクロゲージにて測定し、あらかじめ測定しておいたシリコン板の厚さとの差分から熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の厚さを算出した。その後、下記式から熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱伝導率を導出した。
(熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の厚さ、μm)÷(熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱抵抗値、mm・K/W)
なお、熱抵抗測定には、ナノフラッシュ(ニッチェ社製、LFA447)を用いた。
Figure 2023111110000025
Figure 2023111110000026
Figure 2023111110000027
Figure 2023111110000028
表1~4の結果より、本発明の要件を満たす実施例1~17の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の硬化物では(B)成分のフェノール化合物の添加により、(B)成分のフェノール化合物を含まない、対応する比較例1~7の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の硬化物と比較して、熱伝導率が大幅に向上していることがわかる。
従って、本発明の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物は、フェノール化合物と銀粉末とを配合することで高熱伝導化を達成したものである。その結果、電子部品パッケージやパワーモジュールへ実装することで優れた放熱性能を発現することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (6)

  1. 熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であって、
    (A)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm/sであるオルガノポリシロキサン、
    (B)フェノール化合物:組成物全体に対し0.01~10質量%となる量、
    (C)銀粉末:組成物全体に対し10~98質量%となる量、
    (D)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:組成物が硬化物を形成するのに足る有効量、
    (E)白金族金属触媒:有効量、
    を含むものであることを特徴とする熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物。
  2. 前記(B)成分が下記一般式(1A)で示されるフェノール化合物であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物。
    Figure 2023111110000029
    (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は水酸基を示す。Azは炭素数1~20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の(ka+2)価の炭化水素基、又はフッ素化炭化水素基を示し、炭化水素基を構成する-CH-が-O-、-C(=O)-、又は-Si(R)-に置換されていてもよい。R、Rは炭素数1~6の直鎖状、分岐状、もしくは環状のアルキル基、又はフェニル基である。Xfはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のフッ素原子で置換されてよい直鎖状、分岐状、もしくは環状の1価炭化水素基、炭素数1~10のフッ素原子で置換されてよいアルコキシ基、又は電子求引基を示す。Zは単結合、又は酸素原子を示す。環ZZはそれぞれ独立に炭素数3~20の芳香族性の単環、又は多環を示す。前記環ZZの炭素原子は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子に置換されていてもよい。kaは0~2の整数を示す。kb及びkdは1又は2を示す。kc及びkeは0~2の整数を示す。)
  3. 前記(B)成分が下記一般式(1B)で示されるフェノール化合物であることを特徴とする請求項2に記載の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物。
    Figure 2023111110000030
    (式中、Az’は炭素数1~19の直鎖状、分岐状、もしくは環状の(ka+2)価の炭化水素基、又はフッ素化炭化水素基を示し、炭化水素基を構成する-CH-が-O-、-C(=O)-、又は-Si(R)-に置換されていてもよい。kaは0又は1を示す。kb、kc、kd、keは1又は2を示す。R、R、Rは前記と同じである。)
  4. 前記(C)成分の平均粒径が0.01~300μmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物。
  5. さらに、(F)アセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物、及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の付加硬化反応制御剤を有効量含有するものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物。
  6. 直径12.7mmの2枚のシリコン板の間に請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を挟み込み、0.14MPaの圧力を掛けた状態にて125℃で1時間加熱硬化させ、熱抵抗測定用の試験片を作製し、熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱抵抗値を熱伝導率測定装置を用いて測定し、さらに、前記試験片の厚みをマイクロゲージにて測定し、あらかじめ測定しておいた前記シリコン板の厚さとの差分から前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の厚さを算出し、その後、前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の厚さ(μm)÷前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱抵抗値(mm・K/W)から前記熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物の熱伝導率を導出したときの熱伝導率が7.0W/m・K以上であることを特徴とする熱伝導性付加硬化型シリコーン硬化物。
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