JP2023109509A - 減速機およびロボット - Google Patents

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浩伸 ▲吉▼田
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Abstract

【課題】より大きな減速比を得ることができる技術を提供する。【解決手段】この減速機は、遊星歯車機構と波動歯車機構とを備える。遊星歯車機構は、遊星入力軸と、太陽歯車と、複数の遊星歯車と、キャリアと、遊星側内歯歯車と、遊星出力軸とを有する。遊星出力軸は、キャリアまたは遊星側内歯歯車に接続され、第1回転軸を中心として第1中間回転速度で回転可能である。波動歯車機構は、波動入力軸と、カムと、可撓性外歯歯車と、剛性内歯歯車と、波動出力軸とを有する。波動入力軸は、中空筒状に延び、遊星出力軸の回転に伴い、第2回転軸を中心として第2中間回転速度で回転可能である。波動出力軸は、可撓性外歯歯車または剛性内歯歯車に接続され、出力回転速度で回転可能である。可撓性外歯歯車と剛性内歯歯車は、互いに噛み合い、歯数の違いによって相対回転可能である。遊星出力軸の一部と、波動入力軸の一部とは、第2径方向に重なる。【選択図】図2

Description

本発明は、減速機およびロボットに関する。
従来、減速機を用いたロボットが知られている。この種の減速機は、モータの回転運動を減速させて、ロボットのアームへ伝達する。アームは、減速機により減速された回転数で旋回する(特許文献1)。
特開2007-085530号公報
上記公報の中空減速機(10)は、クランク軸(11)と、クランク軸(11)のクランク部(11a)に嵌合して偏心運動するピニオン(12)と、ピニオン(12)の外歯に噛合う内歯が内周面に形成されたケース(13)からなる遊星歯車装置である。中空減速機(10)の内部には、中空円管(18)により中空孔が形成されている。また、中空円管(18)の外周には、センター歯車(20)が遊嵌され、軸受(19)によってセンター歯車(20)が回転可能に支承されている。また、中空減速機(10)の外周部において、8つのモータ(21)がセンター歯車(20)の回転軸心の回りに等配的に設けられている。
また、各モータ(21)の回転は、小歯車(22)からセンター歯車(20)に伝えられ、センター歯車(20)の回転によりクランク軸(11)が回転されてクランク運動を生じ、クランク軸(11)に嵌合されたピニオン(12)の遊星運動を介してケース(13)は減速回転される。これにより中空減速機(10)のケース(13)に止着されたロボットの出力部材(32)が減速される。しかしながら、より大きな減速比を得るため、センター歯車(20)と各部との位置関係を改善する余地がある。
本発明の目的は、減速機における各部の位置関係を工夫することによって、より大きな減速比を得ることができる技術を提供することである。
本発明は、遊星歯車機構と波動歯車機構とを備え、前記遊星歯車機構の入力部である遊星入力軸の回転を減速して、前記波動歯車機構の出力部である波動出力軸を回転可能な、減速機であって、前記遊星歯車機構は、第1回転軸を中心として入力回転速度で回転可能な前記遊星入力軸と、前記遊星入力軸に固定され、外側面に形成された外歯を有し、前記第1回転軸を中心として前記入力回転速度で回転可能な太陽歯車と、前記太陽歯車の周囲に配置され、前記太陽歯車の外歯に前記第1回転軸を中心とする第1径方向外側から噛み合う外歯を有し、前記太陽歯車の回転に伴い自転可能な複数の遊星歯車と、前記複数の遊星歯車をそれぞれ自転可能に支持する複数の遊星シャフトが固定されたキャリアと、前記第1回転軸を中心とする環状であり、前記複数の遊星歯車の外歯に第1径方向外側から噛み合う内歯を内側面に有する遊星側内歯歯車と、前記第1回転軸に沿って配置され、前記キャリアおよび前記遊星側内歯歯車のいずれか一方に接続され、前記第1回転軸を中心として第1中間回転速度で回転可能な遊星出力軸と、を有し、前記波動歯車機構は、第2回転軸に沿って中空筒状に延び、前記遊星出力軸の回転に伴い、前記第2回転軸を中心として第2中間回転速度で回転可能な波動入力軸と、前記波動入力軸とともに回転可能なカムと、前記カムの回転に応じて変形可能な可撓性外歯歯車と、前記第2回転軸を中心とする環状の剛性内歯歯車と、前記第2回転軸に沿って配置され、前記可撓性外歯歯車および前記剛性内歯歯車のいずれか一方に接続され、前記第2回転軸を中心として出力回転速度で回転可能な前記波動出力軸と、を有し、前記可撓性外歯歯車と前記剛性内歯歯車とが、互いに噛み合い、前記可撓性外歯歯車と前記剛性内歯歯車とが、歯数の違いによって相対回転可能であり、前記遊星出力軸の一部と、前記波動入力軸の一部とが、前記第2回転軸を中心とする第2径方向に重なる。
本発明によれば、減速機において、前段に遊星歯車機構を配置し、後段に波動歯車機構を配置することによって、減速比を大きくすることができる。
図1は、ロボットの概要図である。 図2は、減速機の縦断面図である。 図3は、減速機の部分縦断面図である。 図4は、太陽歯車、複数の遊星歯車、複数の遊星シャフト、および遊星側内歯歯車の横断面図である。 図5は、遊星側伝達ギアおよび波動側伝達ギアの横断面図である。 図6は、減速機の部分縦断面図である。 図7は、波動発生器、可撓性外歯歯車、および剛性内歯歯車を概略的に示した横断面図である。 図8は、第2実施形態に係るモータおよび減速機の縦断面図である。
以下、本願の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<1.第1実施形態>
<1-1.ロボットについて>
図1は、一実施形態に係る減速機1を搭載したロボット100の概要図である。ロボット100は、例えば、工業製品の製造ラインにおいて、部品の搬送、加工、組立等の作業を行う、いわゆる産業用ロボットである。図1に示すように、ロボット100は、減速機1を有する。本実施形態においては、ロボット100は、ベースフレーム101、アーム102、モータ103、および減速機1を有する。
アーム102は、ベースフレーム101に対して、回動可能に支持されている。モータ103および減速機1は、ベースフレーム101とアーム102との間の関節部に、組み込まれている。モータ103に駆動電流が供給されると、モータ103から回転運動が出力される。また、モータ103から出力される回転運動は、減速機1により減速されて、アーム102へ伝達される。これにより、ベースフレーム101に対してアーム102が、減速後の速さで回動する。ロボット100が減速機1を有することによって、減速機1において前段に遊星歯車機構3を配置し、後段に波動歯車機構4を配置することによって、減速比を大きくすることができる。また、波動歯車機構4の入力部を中空シャフト構造にすることによって、内部空間を有効活用することができる。また、遊星歯車機構3の一部と波動歯車機構4の一部とを径方向に重なるように配置することによって、これらを含む減速機1の軸方向の長さを低減することができる。
<1-2.減速機の構成>
続いて、減速機1の全体の構造について、説明する。
なお、以下では、後述するモータおよび遊星歯車機構の中心軸である第1回転軸と平行な方向を「第1軸方向」、第1回転軸に直交する方向を「第1径方向」、第1回転軸を中心とする円弧に沿う方向を「第1周方向」、とそれぞれ称する。また、後述する波動歯車機構の中心軸である第2回転軸と平行な方向を「第2軸方向」、第2回転軸に直交する方向を「第2径方向」、第2回転軸を中心とする円弧に沿う方向を「第2周方向」、とそれぞれ称する。
また、以下では、後述する図2,図3,図6,および図8において、モータ、遊星歯車機構、および波動歯車機構の中心軸の方向を左右方向とし、左側を「軸方向一方側」、右側を「軸方向他方側」として、各部の形状や位置関係を説明する。ただし、この左右方向の定義により、本発明に係る減速機およびロボットの製造時および使用時の向きを限定する意図はない。また、本願において「平行な方向」とは、幾何学的に厳密に平行な場合に限定されない。発明の効果を奏する程度に平行であればよい。また、本願において「直交する方向」とは、幾何学的に厳密に直交する場合に限定されない。発明の効果を奏する程度に直交であればよい。
図2は、減速機1の縦断面図である。モータ103は、水平方向(図2における左右方向)に延びる中心軸に沿って配置される。モータ103の中心軸と、減速機1の中心軸である第1回転軸91とは、互いに一致するものとする。モータ103は、ステータを含む静止部と、ロータを含む回転部とを有する。ステータに駆動電流が供給されると、ロータを含む回転部は、第1回転軸91を中心として、減速前の回転数である入力回転速度N1で回転する。
減速機1は、モータ103から得られる回転運動を減速させて、アーム102へ伝達する。減速機1は、遊星歯車機構3と波動歯車機構4とを備える。減速機1は、遊星歯車機構3の入力部である後述する遊星入力軸31の回転を減速して、波動歯車機構4の出力部である後述する波動出力軸45を回転可能である。後述のとおり、遊星入力軸31は、モータ103の回転部に接続される。また、波動出力軸45は、アーム102に接続される。
まず、遊星歯車機構3の構成について、説明する。図3は、減速機1のうち、遊星歯車機構3付近の部分縦断面図である。図2および図3に示すように、遊星歯車機構3は、遊星入力軸31と、太陽歯車32と、複数の遊星歯車33と、キャリア35と、遊星側内歯歯車36と、遊星出力軸37とを有する。また、遊星歯車機構3は、遊星側ケーシング7をさらに有する。本実施形態では、遊星歯車機構3は、遊星入力軸31と、太陽歯車32と、複数(本実施形態では、3つ)の遊星歯車33と、複数(本実施形態では、3つ)の遊星シャフト34と、キャリア35と、遊星側内歯歯車36と、遊星出力軸37と、遊星側伝達ギア38と、支持軸受396と、遊星側ケーシング7とを有する。
遊星側ケーシング7は、遊星入力軸31、太陽歯車32、複数の遊星歯車33、複数の遊星シャフト34、キャリア35、遊星側内歯歯車36、遊星出力軸37、遊星側伝達ギア38、および支持軸受396を収容する部材である。ただし、遊星側ケーシング7は、複数の遊星歯車33の少なくとも一部を収容するものであればよい。遊星側ケーシング7は、ロボット100のベースフレーム101に対して移動不能および回転不能に固定される。遊星側ケーシング7は、遊星第1ケーシング筒部71、遊星第2ケーシング筒部72、および遊星ケーシング天面部73を有する。すなわち、遊星側ケーシング7は、遊星ケーシング天面部73を有する。
遊星第1ケーシング筒部71および遊星第2ケーシング筒部72はそれぞれ、第1回転軸91と略同軸に配置された円筒状の部材である。遊星第1ケーシング筒部71の第1径方向内側には、モータ103の回転部と遊星入力軸31を接続するためのカップリングが収容される。遊星第1ケーシング筒部71は、遊星第2ケーシング筒部72および遊星ケーシング天面部73よりも軸方向他方側に位置する。また、遊星第1ケーシング筒部71の軸方向一方側の端部付近には、第1径方向外側へ拡がる遊星ケーシングフランジ部711が形成されている。
遊星第2ケーシング筒部72は、遊星第1ケーシング筒部71の軸方向一方側に隣接する。遊星第2ケーシング筒部72の第1径方向内側には、遊星入力軸31、太陽歯車32、複数の遊星歯車33、複数の遊星シャフト34、キャリア35、および遊星側内歯歯車36が収容される。遊星第2ケーシング筒部72は、遊星ケーシングフランジ部711の第1径方向外側の端部に固定される。
遊星ケーシング天面部73は、遊星第2ケーシング筒部72の軸方向一方側に隣接する。遊星ケーシング天面部73は、遊星第3ケーシング筒部731と端面部732とを有する。遊星第3ケーシング筒部731は、第1回転軸91に沿って拡がる部位である。遊星第3ケーシング筒部731の第1径方向内側には、遊星出力軸37および遊星側伝達ギア38が収容される。遊星第3ケーシング筒部731は、遊星側ケーシング7のうち、第1径方向の最も外側において、第1回転軸91に沿って拡がる。すなわち、遊星第3ケーシング筒部731は、遊星側ケーシング7の第1径方向における外端に位置する。遊星第3ケーシング筒部731は、遊星第2ケーシング筒部72の軸方向一方側の端部に、第1連結部材723を介して固定される。端面部732は、第1径方向に板状に拡がる。端面部732は、遊星出力軸37および遊星側伝達ギア38を軸方向一方側から囲む。すなわち、遊星ケーシング天面部73は、遊星出力軸37を軸方向一方側から囲む。
遊星入力軸31は、第1回転軸91を中心として第1軸方向に延びる部材である。遊星入力軸31は、モータ103の回転部に対して、相対回転不能に固定される。また、遊星入力軸31と遊星第1ケーシング筒部71との第1径方向の間には、軸受391が設けられる。本実施形態の軸受391には、ボールベアリングが用いられる。軸受391の内輪は、遊星入力軸31の外側面に固定される。軸受391の外輪は、遊星第1ケーシング筒部71の内側面に固定される。これにより、遊星入力軸31は、モータ103の回転部とともに、遊星第1ケーシング筒部71を含む遊星側ケーシング7に対して、軸受391を介して回転可能に支持される。遊星入力軸31は、第1回転軸91を中心として入力回転速度N1で回転可能である。
太陽歯車32は、第1回転軸91と略同軸に配置されたギアである。太陽歯車32は、遊星入力軸31の周囲に、相対回転不能に固定される。すなわち、太陽歯車32は、遊星入力軸31に固定される。これにより、モータ103を駆動させると、遊星入力軸31および太陽歯車32は、第1回転軸91を中心として入力回転速度N1で回転する。すなわち、太陽歯車32は、第1回転軸91を中心として入力回転速度N1で回転可能である。ただし、太陽歯車32と遊星入力軸31とは、単一部材であってもよい。
図4は、図2のA-A位置から見た太陽歯車32、複数の遊星歯車33、複数の遊星シャフト34、および遊星側内歯歯車36の横断面図である。図の煩雑化を避けるため、図4においては、断面を示すハッチングが省略されている。図4に示すように、太陽歯車32の外側面には、複数の外歯321が形成されている。すなわち、太陽歯車32は、外側面に形成された外歯321を有する。複数の外歯321はそれぞれ、第1径方向外側へ向かって突出する。複数の外歯321は、第1周方向に沿って、一定のピッチで配列される。
遊星歯車33は、太陽歯車32の周囲に配置される。また、図4に示すように、本実施形態では、太陽歯車32の周囲に、3個の遊星歯車33が等間隔に配置されている。ただし、減速機1が有する遊星歯車33の数は、2個であってもよく、4個以上であってもよい。また、遊星歯車33は、自転軸93に沿って配置される。自転軸93は、第1回転軸91と略平行である。また、遊星歯車33の径は、自転軸93に沿って略一定である。各遊星歯車33は、外側面に複数の外歯331を有する。すなわち、複数の遊星歯車33はそれぞれ、外歯331を有する。また、複数の外歯331はそれぞれ、外側へ向かって突出する。
本実施形態では、各遊星歯車33の径は、太陽歯車32の径よりもやや大きい。また、1つの遊星歯車33が有する外歯331の数は、太陽歯車32が有する外歯321の数よりも多い。そして、外歯331は、太陽歯車32の外歯321に、第1回転軸91を中心とする第1径方向外側から噛み合う。これにより、太陽歯車32が第1回転軸91を中心として回転すると、各遊星歯車33は、太陽歯車32からの動力を受け、自転軸93を中心として太陽歯車32の回転方向とは逆方向に自転する。すなわち、複数の遊星歯車33はそれぞれ、太陽歯車32の回転に伴い自転可能である。さらに、3つの遊星歯車33はそれぞれ、貫通孔330を有する。各貫通孔330は、自転軸93に沿って遊星歯車33を貫通する。
遊星シャフト34は、自転軸93に沿って延びる柱状の部材である。本実施形態では、3つの遊星シャフト34が設けられる。そして、各遊星シャフト34は、遊星歯車33を自転可能に支持する。すなわち、複数の遊星シャフト34は、複数の遊星歯車33をそれぞれ自転可能に支持する。遊星シャフト34は、遊星歯車33の貫通孔330に、自転軸93の方向に挿入される。また、遊星シャフト34と遊星歯車33との間には、軸受392が挿入される。軸受392には、例えば、ニードルベアリングが用いられる。これにより、遊星歯車33は、遊星シャフト34に対して、自転軸93を中心として自転可能に支持される。
キャリア35は、第1キャリア部351と、第2キャリア部352と、第3キャリア部353とを有する。第1キャリア部351は、キャリア35のうち軸方向一方側において、第1回転軸91に沿って柱状に延びる。第2キャリア部352は、第1キャリア部351の軸方向他方側の端部から第1径方向外側へ拡がる。第3キャリア部353は、第2キャリア部352の軸方向他方側の端面における第1周方向の3箇所から、さらに軸方向他方側に延びる。第3キャリア部353は、3つの遊星歯車33および3つの遊星シャフト34と、第1周方向に重ならない位置において、第1軸方向に延びる。第1キャリア部351と、第2キャリア部352と、第3キャリア部353とは、単一部材である。また、キャリア35と、遊星出力軸37とは、単一部材である。これにより、キャリア35と、遊星出力軸37とは、互いに相対回転不能に連結される。ただし、キャリア35と、遊星出力軸37とは、相対回転不能に連結されていれば、互いに別部材であってもよい。
また、第1キャリア部351と遊星第2ケーシング筒部72との第1径方向の間には、軸受393が挿入される。軸受393には、ボールベアリングが用いられる。軸受393の内輪は、第1キャリア部351の外側面に固定される。軸受393の外輪は、遊星第2ケーシング筒部72の内側面に固定される。また、第3キャリア部353と遊星第2ケーシング筒部72との第1径方向の間には、軸受394が挿入される。軸受394には、ボールベアリングが用いられる。軸受394の内輪は、第3キャリア部353の外側面に固定される。軸受394の外輪は、遊星第2ケーシング筒部72の内側面に固定される。これにより、キャリア35および遊星出力軸37は、遊星第2ケーシング筒部72を含む遊星側ケーシング7に対して、軸受393および軸受394を介して、第1回転軸91を中心として回転可能に支持される。
また、キャリア35は、複数の貫通孔350を有する。本実施形態では、3つの貫通孔350が、第1回転軸91を中心として互いに周方向に略120度の間隔を空けて設けられている。各貫通孔350は、第2キャリア部352における第1径方向外側の部位を第1回転軸91に沿って貫通する。そして、3つの遊星シャフト34はそれぞれ、1つの貫通孔350に挿入される。また、本実施形態では、各遊星シャフト34は、貫通孔350において接着または圧入等によりキャリア35に固定される。すなわち、キャリア35には、3つの遊星シャフト34がそれぞれ固定される。各遊星シャフト34は、キャリア35と互いに相対回転不能に固定され、支持される。この結果、キャリア35に固定された3つの遊星シャフト34と、各遊星シャフト34に支持された遊星歯車33とが、第1回転軸91を中心として第1周方向に公転すると、キャリア35および遊星出力軸37が第1回転軸91を中心として回転する。
遊星側内歯歯車36は、第1回転軸91と略同軸に配置される。遊星側内歯歯車36は、第1回転軸91を中心とする環状である。遊星側内歯歯車36は、遊星第2ケーシング筒部72の径方向内側において、第1回転軸91を中心として円環状に拡がる。遊星側内歯歯車36は、遊星第2ケーシング筒部72の内側面に固定される。すなわち、遊星側内歯歯車36は、遊星側ケーシング7の内側面に固定される。このように、本実施形態では、遊星側内歯歯車36と、遊星側ケーシング7とは、互いに別の部材である。しかしながら、遊星側内歯歯車36と遊星側ケーシング7とは、単一部材であってもよい。これにより、減速機1における部品点数を削減することができ、量産性を向上できる。
また、遊星側内歯歯車36の内側面には、複数の内歯361が形成されている。すなわち、遊星側内歯歯車36は、内歯361を内側面に有する。複数の内歯361はそれぞれ、第1径方向内側へ向かって突出する。複数の内歯361は、第1周方向に沿って、一定のピッチで配列される。また、複数の内歯361はそれぞれ、3つの遊星歯車33のそれぞれの外歯331に対して第1径方向外側から噛み合っている。すなわち、内歯361は、複数の遊星歯車33の外歯331に第1径方向外側から噛み合う。
遊星出力軸37は、第1回転軸91に沿って配置される。遊星出力軸37は、第1回転軸91に沿って円柱状に延びる。上記のとおり、遊星出力軸37と、キャリア35とは、単一部材である。すなわち、遊星出力軸37は、キャリア35に接続される。本実施形態の遊星歯車機構3は、所謂「プラネタリー型」の減速機構である。これにより、減速機1における部品点数を削減することができ、量産性を向上できる。
モータ103を駆動させると、遊星入力軸31および太陽歯車32は、モータ103の回転部とともに、第1回転軸91を中心として入力回転速度N1で回転する。また、太陽歯車32と遊星側内歯歯車36との双方に噛み合う3つの遊星歯車33は、それぞれ自転軸93を中心として自転する。また、3つの遊星歯車33はそれぞれ、自転軸93を中心として自転しながら、遊星側内歯歯車36との噛み合いにより、遊星シャフト34とともに、第1回転軸91を中心として第1中間回転速度N2で公転する。これにより、3つの遊星シャフト34が固定されたキャリア35は、遊星出力軸37とともに、第1回転軸91を中心として減速後の第1中間回転速度N2で回転する。すなわち、遊星出力軸37は、第1回転軸91を中心として第1中間回転速度N2で回転可能である。
上記のとおり、減速機1は、遊星側伝達ギア38をさらに有する。遊星側伝達ギア38は、第1回転軸91と略同軸に配置された円筒状のギアである。遊星側伝達ギア38は、遊星出力軸37の外側面に、相対回転不能に固定される。すなわち、遊星側伝達ギア38は、遊星出力軸37に固定される。これにより、遊星側伝達ギア38は、遊星出力軸37とともに、第1回転軸91を中心として第1中間回転速度N2で回転する。すなわち、遊星側伝達ギア38は、第1回転軸91を中心として第1中間回転速度N2で回転可能である。ただし、遊星側伝達ギア38と遊星出力軸37とは、単一部材であってもよい。
図5は、図2のB-B位置から見た遊星側伝達ギア38および後述する波動側伝達ギア46の横断面図である。図の煩雑化を避けるため、図5においては、断面を示すハッチングが省略されている。図2および図5に示すように、遊星側伝達ギア38の外側面には、複数の外歯381が形成されている。すなわち、遊星側伝達ギア38は、外側面に形成された外歯381を有する。複数の外歯381はそれぞれ、第1径方向外側へ向かって突出する。複数の外歯381は、第1周方向に沿って、一定のピッチで配列される。
次に、波動歯車機構4の構成について、説明する。図6は、減速機1のうち、波動歯車機構4付近の部分縦断面図である。図2および図6に示すように、波動歯車機構4の中心軸である第2回転軸92は、第1回転軸91と離間しつつ、第1回転軸91と略平行である。ただし、第1回転軸91と第2回転軸92とは、ねじれの関係にあってもよい。波動歯車機構4は、波動入力軸41と、カム421と、可撓性外歯歯車43と、剛性内歯歯車44と、波動出力軸45とを有する。また、波動歯車機構4は、波動側ケーシング8を有する。本実施形態では、波動歯車機構4は、波動入力軸41と、波動発生器42と、可撓性外歯歯車43と、剛性内歯歯車44と、波動出力軸45と、内輪151と、外輪152と、波動側伝達ギア46と、波動側ケーシング8とを有する。
上記のとおり、減速機1は、波動側伝達ギア46をさらに有する。波動側伝達ギア46は、第2回転軸92と略同軸に配置された円筒状のギアである。本実施形態では、波動側伝達ギア46と、波動入力軸41とは、単一部材である。具体的には、波動入力軸41の第2軸方向における一部が第2径方向外側へ突出することによって、波動側伝達ギア46が形成されている。また、波動側伝達ギア46は、波動入力軸41の第2軸方向における一部から、第2周方向の全周に亘って第2径方向外側へ突出する。これにより、減速機1における部品点数を削減できる。ただし、波動側伝達ギア46と、波動入力軸41とは、相対回転不能に連結されていれば、互いに別部材であってもよい。すなわち、波動側伝達ギア46は、波動入力軸41に固定され、または、波動入力軸41と単一部材であればよい。
また、波動側伝達ギア46は、波動入力軸41から第2径方向外側へ突出していなくてもよい。すなわち、波動側伝達ギア46の外径は、波動入力軸41の外径と、略同一であってもよい。これにより、波動側伝達ギア46および波動入力軸41を容易に製造することができる。
図5および図6に示すように、波動側伝達ギア46の外側面には、複数の外歯461が形成されている。すなわち、波動側伝達ギア46は、外側面に形成された外歯461を有する。複数の外歯461はそれぞれ、第2径方向外側へ向かって突出する。複数の外歯461は、第2周方向に沿って、一定のピッチで配列される。
波動側伝達ギア46は、遊星側伝達ギア38と第2径方向に隣接する。そして、波動側伝達ギア46の外歯461と遊星側伝達ギア38の外歯381とが噛み合うことによって、動力を受ける。これにより、遊星側伝達ギア38が第1回転軸91を中心として第1中間回転速度N2で回転すると、波動側伝達ギア46は、第2回転軸92を中心として回転する。
ここで、図5に示すように、本実施形態では、波動側伝達ギア46の径は、遊星側伝達ギア38の径よりも、十分に大きい。より具体的には、図2および図6に示すように、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1は、遊星側ケーシング7のうちの遊星第3ケーシング筒部731の外側面よりも、第1回転軸91に近い。すなわち、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1は、遊星側ケーシング7の第1径方向における外端よりも、第1回転軸91に近い。また、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1は、後述するカム421の第2径方向における外端よりも、第2回転軸92から遠い。また、波動側伝達ギア46の外歯461の歯数は、遊星側伝達ギア38の外歯381の歯数よりも大きい。このように、本実施形態では、遊星側伝達ギア38の外径に対する、波動側伝達ギア46の外径を十分に大きく形成し、波動側伝達ギア46の外歯461の歯数を、遊星側伝達ギア38の外歯381の歯数よりも大きくすることによって、遊星側伝達ギア38の第1回転軸91を中心とした第1中間回転速度N2を、十分に減速することができる。すなわち、遊星側伝達ギア38の外径に対する、波動側伝達ギア46の外径を大きくすることによって、より高い減速比を得ることができる。この結果、遊星側伝達ギア38が第1中間回転速度N2で回転すると、波動側伝達ギア46は、第1中間回転速度N2よりも十分に減速された第2中間回転速度N3で回転する。すなわち、波動側伝達ギア46は、波動入力軸41とともに、第2回転軸92を中心として第2中間回転速度N3で回転可能である。
なお、波動側伝達ギア46と、遊星側伝達ギア38とが、さらに別のギア等の動力伝達部材を介して噛み合っていてもよい。そして、遊星側伝達ギア38から波動側伝達ギア46へ、当該別のギア等の動力伝達部材を介して動力が伝達されればよい。すなわち、波動側伝達ギア46の外歯461が遊星側伝達ギア38の外歯381に接続されていればよい。これにより、遊星歯車機構3と波動歯車機構4とを組み合わせて高い減速比を実現できる。
波動入力軸41は、第2回転軸92に沿って中空筒状に延びる。上記のとおり、波動入力軸41と波動側伝達ギア46とは相対回転不能となっている。このため、遊星出力軸37および遊星側伝達ギア38が、第1回転軸91を中心として第1中間回転速度N2で回転すると、波動入力軸41は、波動側伝達ギア46とともに、第2回転軸92を中心として第2中間回転速度N3で回転する。すなわち、波動入力軸41は、遊星出力軸37の回転に伴い、第2回転軸92を中心として第2中間回転速度N3で回転可能である。また、上記のとおり、波動入力軸41は、中空筒状に延びる。これにより、波動入力軸41の第2径方向内側に配線等を設置することができる。すなわち、波動歯車機構4において、波動入力軸41(中空シャフト)の内部空間を有効活用することができる。
波動発生器42は、可撓性外歯歯車43を撓み変形させるための機構である。波動発生器42は、カム421と可撓性軸受422とを有する。カム421と可撓性軸受422は、それぞれ、第2回転軸92を中心として環状に拡がる。図7は、図2のC-C位置から見た波動発生器42、可撓性外歯歯車43、および剛性内歯歯車44を概略的に示した横断面図である。図の煩雑化を避けるため、図4においては、断面を示すハッチングが省略されている。
本実施形態において、カム421と、波動入力軸41とは、単一部材である。具体的には、波動入力軸41の第2軸方向における一部が、波動側伝達ギア46よりも軸方向一方側において、第2径方向外側へ突出することによって、カム421が形成されている。また、カム421は、波動入力軸41の第2軸方向における一部から、第2周方向の全周に亘って第2径方向外側へ突出する。これにより、カム421と波動入力軸41とは互いに相対回転不能となっている。この結果、波動入力軸41が第2回転軸92を中心として第2中間回転速度N3で回転すると、カム421も、第2回転軸92を中心として第2中間回転速度N3で回転する。すなわち、カム421は、波動入力軸41とともに回転可能である。ただし、カム421と、波動入力軸41とは、相対回転不能に連結されていれば、互いに別部材であってもよい。
図7に示すように、カム421は、楕円形のカムプロフィールを有する。すなわち、カム421の外側面は、第2軸方向に視たときに楕円形であり、第2周方向の位置によって異なる外径を有する。可撓性軸受422は、撓み変形可能な軸受である。可撓性軸受422は、カム421の外側面と、可撓性外歯歯車43の後述する筒部431の内側面との間に配置される。カム421と筒部431とは、互いに異なる回転速度で回転可能である。
図6に示すように、可撓性軸受422は、内輪96と、複数のボール97と、弾性変形可能な外輪98とを有する。内輪96は、カム421の外側面に接触する。複数のボール97は、内輪96と外輪98との間に介在し、周方向に沿って配列される。外輪98は、回転するカム421のカムプロフィールに沿って、内輪96およびボール97を介して弾性変形(撓み変形)する。このように、本実施形態の可撓性軸受422には、ボールベアリングが用いられる。ただし、ボールベアリングに代えて、ローラベアリング等の他方式の軸受が用いられてもよい。
可撓性外歯歯車43は、撓み変形可能な環状の歯車である。後述のとおり、可撓性外歯歯車43は、波動出力軸45および外輪152を介して、ロボット100のアーム102に固定される。可撓性外歯歯車43は、第2回転軸92に沿って設けられる。可撓性外歯歯車43は、筒部431と、フランジ部432とを有する。
筒部431は、第2回転軸92に沿って中空筒状に延びる。また、筒部431は、可撓性を有し、第2径方向に撓み可能な円筒状の部位である。筒部431の軸方向他方側の端部付近の外側面には、複数の外歯433が形成されている。複数の外歯433はそれぞれ、第2径方向外側へ突出する。また、複数の外歯433は、第2周方向に沿って、一定のピッチで配列される。また、筒部431の内側面には、可撓性軸受422の外輪98が接触する。これにより、可撓性外歯歯車43は、カム421の回転に応じて変形可能となっている。
フランジ部432は、筒部431の軸方向一方側の端部から、第2径方向外側に向かって拡がる。フランジ部432は、第2回転軸92を中心として円環状に拡がる。このように、フランジ部432が筒部431から第2径方向外側に拡がることによって、可撓性外歯歯車43が波動入力軸41に干渉することを防止できる。また、このように、波動入力軸41よりも第2径方向外側のスペースにフランジ部432を配置することによって、当該スペースを効率良く活用することができる。
また、フランジ部432は、筒部431よりも撓み難い平板状の部位である。また、図6に示すように、フランジ部432における第2径方向外側の位置に、ボス部434が形成されている。ボス部434は、第2軸方向に肉厚の部位である。ボス部434には、複数の貫通孔430が形成されている。複数の貫通孔430はそれぞれ、ボス部434を第2軸方向に貫通する。
剛性内歯歯車44は、第2回転軸92を中心とする環状である。本実施形態では、剛性内歯歯車44は、第2回転軸92を中心として円環状に拡がる。剛性内歯歯車44の第2径方向内側には、筒部431の軸方向他方側の端部が配置される。剛性内歯歯車44の剛性は、筒部431の剛性よりも、はるかに高い。したがって、剛性内歯歯車44は、実質的に剛体とみなすことができる。図6および図7に示すように、剛性内歯歯車44の内側面には、複数の内歯441が形成されている。複数の内歯441は、第2周方向に沿って、一定のピッチで配列される。剛性内歯歯車44が有する内歯441の歯数と、可撓性外歯歯車43が有する外歯433の歯数とは、僅かに相違する。
また、剛性内歯歯車44には、複数の貫通孔440が、設けられている。複数の貫通孔440は、第2回転軸92を中心として、周方向に等間隔に並んでいる。また、各貫通孔440は、剛性内歯歯車44を第2軸方向に貫通する。また、剛性内歯歯車44は、遊星側ケーシング7の端面部732に固定される。ここで、上記のとおり、遊星側ケーシング7は、減速機1が配置されるロボット100のベースフレーム101に対して移動不能および回転不能に固定されている。これにより、剛性内歯歯車44は、第2周方向、第2径方向、および第2軸方向の動きが制限される。
図2に示すように、本実施形態では、上記の端面部732を含む遊星ケーシング天面部73と、剛性内歯歯車44との固定位置P2は、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも、第2回転軸92から遠い。また、端面部732を含む遊星ケーシング天面部73と、剛性内歯歯車44との固定位置P2は、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも、軸方向一方側に位置する。すなわち、本実施形態では、遊星ケーシング天面部73と剛性内歯歯車44とが、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも第2回転軸92から遠く、かつ、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも軸方向一方側において、固定される。
上記のとおり、可撓性軸受422の外輪98は、可撓性外歯歯車43の筒部431の内側面に接触する。このため、筒部431は、カム421の外側面に沿った楕円形状に変形する。その結果、当該楕円の長軸の両端に相当する2箇所において、可撓性外歯歯車43の外歯433と、剛性内歯歯車44の内歯441とが噛み合う。すなわち、可撓性外歯歯車43と、剛性内歯歯車44とが、互いに噛み合う。しかしながら、周方向の他の位置においては、可撓性外歯歯車43の外歯433と剛性内歯歯車44の内歯441とが噛み合わない。
波動入力軸41が、カム421とともに第2回転軸92を中心として第2中間回転速度N3で回転すると、可撓性外歯歯車43の上記の楕円の長軸も、第2中間回転速度N3で回転する。そうすると、外歯433と内歯441との噛み合い位置も、第2周方向に第2中間回転速度N3で変化する。また、上記の通り、可撓性外歯歯車43の外歯433の歯数と、剛性内歯歯車44の内歯441の歯数とは、僅かに相違する。この歯数の差によって、カム421の1回転ごとに、外歯433と内歯441とが噛み合う組合せが、第2周方向に僅かに変化する。ここで、剛性内歯歯車44は、ロボット100のベースフレーム101に固定されており、回転しない。この結果、剛性内歯歯車44およびベースフレーム101に対して、可撓性外歯歯車43が、第2回転軸92を中心として、第2中間回転速度N3よりも減速された出力回転速度N4で回転する。すなわち、可撓性外歯歯車43と剛性内歯歯車44とが、歯数の違いによって相対回転可能となっている。
なお、本実施形態では、可撓性外歯歯車43と剛性内歯歯車44との噛み合い位置P3は、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも、第2回転軸92から遠い。このように、可撓性外歯歯車43の外径および剛性内歯歯車44の内径を大きくすることによって、可撓性外歯歯車43と剛性内歯歯車44との間の相対回転を安定させることができる。
内輪151は、第2回転軸92を中心として円環状に拡がる部材である。内輪151および外輪152は、ともに高い剛性を有する。また、内輪151には、複数のねじ孔153が設けられている。複数のねじ孔153は、それぞれ、内輪151の軸方向他方側の端面から、軸方向一方側へ向かって形成されている。内輪151は、剛性内歯歯車44の複数の貫通孔440のそれぞれを貫通する複数のねじ154を、複数のねじ孔153に締結することにより、剛性内歯歯車44に固定される。これにより、内輪151は、剛性内歯歯車44とともに、ロボット100のベースフレーム101に固定される。
内輪151の第2径方向外側には、外輪152が配置されている。外輪152は、第2回転軸92を中心として円環状に拡がる部材である。また、外輪152は、波動側ケーシング8の一部でもある。外輪152は、内輪151の外径よりも僅かに大きな内径を有する。また、図2に示すように、外輪152には、複数のねじ孔155が設けられている。複数のねじ孔155は、それぞれ、外輪152の軸方向一方側の端面から、軸方向他方側へ向かって形成されている。
外輪152は、内輪151に対して、軸受16によって回転可能に接続される。本実施形態の軸受16には、クロスローラベアリングが用いられる。軸受16は、内輪151の外側面と、外輪152の内側面との間に、複数の円筒ころ161を有する。複数の円筒ころ161は、内輪151の外側面に設けられた環状のV溝と、外輪152の内側面に設けられた環状のV溝との間に、向きを交互に変えながら配置される。これにより、内輪151に対する外輪152の回転を許容しながら、内輪151と外輪152とが高剛性に接続される。このようなクロスローラベアリングは、ボールベアリングのように一対で用いずとも、第2軸方向および第2径方向に、十分な剛性を得ることができる。すなわち、クロスローラベアリングを用いることで、減速機1に設けられるベアリング(軸受)の数を減らすことができる。これにより、軸受16の重量を低減できるとともに、軸受16の軸方向の寸法を抑えることができる。
波動出力軸45は、減速機1における減速後の動力を取り出すための部材である。波動出力軸45は、第2回転軸92に沿って配置される。本実施形態では、波動出力軸45は、第2回転軸92を中心として略円環状である。波動出力軸45は、内側延伸部451、径方向延伸部452、および外側延伸部453を有する。
内側延伸部451および外側延伸部453はそれぞれ、第2回転軸92と略同軸に配置された円筒状の部位である。内側延伸部451は、径方向延伸部452および外側延伸部453よりも軸方向一方側に位置する。内側延伸部451と波動入力軸41との第2径方向の間には、軸受395が設けられる。本実施形態の軸受395には、ボールベアリングが用いられる。軸受395の内輪は、波動入力軸41の外側面に固定される。軸受395の外輪は、内側延伸部451の内側面に固定される。これにより、内側延伸部451を含む波動出力軸45は、波動入力軸41に対して、第2回転軸92を中心として、軸受395を介して相対回転可能に支持される。
径方向延伸部452は、内側延伸部451の軸方向他方側の端部から、第2径方向外側へ拡がる。径方向延伸部452には、複数の貫通孔450が、設けられている。各貫通孔450は、径方向延伸部452を第2軸方向に貫通する。また、径方向延伸部452は、複数の貫通孔450のそれぞれと、可撓性外歯歯車43の複数の貫通孔430のそれぞれとを貫通する複数のねじ156を、外輪152の複数のねじ孔155に締結することにより、可撓性外歯歯車43および外輪152に固定される。これにより、可撓性外歯歯車43のフランジ部432は、波動出力軸45に固定される。この結果、波動出力軸45、可撓性外歯歯車43、および外輪152が、波動入力軸41に対して、第2回転軸92を中心として、軸受395を介して相対回転可能に支持される。
外側延伸部453は、径方向延伸部452の第2径方向外側の端部から軸方向他方側へ拡がる。外側延伸部453は、波動側ケーシング8の一部でもある。
波動側ケーシング8は、波動入力軸41、波動発生器42、可撓性外歯歯車43、剛性内歯歯車44、波動出力軸45の一部、内輪151、および外輪152を収容する部材である。ただし、波動側ケーシング8は、可撓性外歯歯車43の少なくとも一部を収容するものであればよい。波動側ケーシング8は、上記の外輪152、上記の外側延伸部453、波動ケーシング筒部81、第1波動ケーシング固定部82、および第2波動ケーシング固定部83を有する。
外側延伸部453は、波動側ケーシング8のうち、第2径方向の最も外側において、第2回転軸92に沿って拡がる。すなわち、外側延伸部453は、波動側ケーシング8の第2径方向における外端に位置する。そして、第2回転軸92から見たときに、外側延伸部453の外側面は、第1回転軸91よりも、第2回転軸92から遠い。すなわち、波動側ケーシング8の第2径方向の外端は、第1回転軸91よりも、第2回転軸92から遠い。本実施形態では、このように遊星歯車機構3と波動歯車機構4とを近接して配置することによって、減速機1全体の省スペース化を図ることができる。
波動ケーシング筒部81は、第2回転軸92に沿って延びる。波動ケーシング筒部81は、第1波動ケーシング固定部82と第2波動ケーシング固定部83との第2軸方向の間に位置する。第1波動ケーシング固定部82は、波動ケーシング筒部81の軸方向一方側の端部から、第2径方向の外側へ拡がる。第1波動ケーシング固定部82には、1または複数の貫通孔820が、設けられている。各貫通孔820は、第1波動ケーシング固定部82を第2軸方向に貫通する。第1波動ケーシング固定部82を含む波動側ケーシング8は、貫通孔820と、剛性内歯歯車44の貫通孔440とを貫通するねじ84を、内輪151のねじ孔153に締結することにより、剛性内歯歯車44および内輪151に固定される。
これにより、波動側ケーシング8は、剛性内歯歯車44および内輪151とともに、ロボット100のベースフレーム101に固定される。ただし、剛性内歯歯車44と波動側ケーシング8とは単一部材であってもよい。これにより、減速機1における部品点数を削減することができ、量産性を向上できる。
第2波動ケーシング固定部83は、波動ケーシング筒部81の軸方向他方側の端部から、第2径方向内側へ拡がる。第2波動ケーシング固定部83と波動入力軸41との第2径方向の間には、支持軸受396が設けられる。上記のとおり、支持軸受396は、遊星歯車機構3の構成要素でもある。本実施形態の支持軸受396には、ボールベアリングが用いられる。支持軸受396の内輪は、波動入力軸41の外側面に固定される。支持軸受396の外輪は、第2周方向の一部において、第2波動ケーシング固定部83の内側面に固定される。これにより、波動入力軸41は、第2波動ケーシング固定部83を含む波動側ケーシング8、剛性内歯歯車44、および内輪151に対して、第2回転軸92を中心として、支持軸受396を介して相対回転可能に支持される。なお、支持軸受396の外輪は、第2周方向の他の一部において、遊星第2ケーシング筒部72に、第2連結部材724を介して固定される。すなわち、支持軸受396の外輪は、遊星側ケーシング7に固定される。
上記のとおり、波動出力軸45は、可撓性外歯歯車43および外輪152とともに、波動入力軸41に対して、第2回転軸92を中心として、軸受395を介して相対回転可能に支持される。また、可撓性外歯歯車43は、ロボット100のアーム102に固定される。これにより、波動出力軸45、可撓性外歯歯車43、および外輪152と、ロボット100のアーム102とが、剛性内歯歯車44が固定されるベースフレーム101に対して、第2回転軸92を中心として回転可能となる。この結果、波動入力軸41が、カム421とともに第2回転軸92を中心として第2中間回転速度N3で回転すると、波動出力軸45、可撓性外歯歯車43、および外輪152と、ロボット100のアーム102とが、出力回転速度N4で、第2回転軸92を中心として回転する。
図2に示すように、本実施形態では、波動入力軸41と支持軸受396の内輪との固定位置P4は、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも、第2回転軸92に近い。また、波動入力軸41と支持軸受396の内輪との固定位置P4は、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも、軸方向他方側に位置する。すなわち、本実施形態では、波動入力軸41は、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも第2回転軸92に近く、かつ、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも軸方向他方側において、支持軸受396の内輪に固定される。
すなわち、本実施形態では、遊星歯車機構3と波動歯車機構4とを、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも軸方向一方側の上記の固定位置P2と、軸方向他方側の上記の固定位置P4とにおいて、それぞれ固定する。このように、遊星歯車機構3と波動歯車機構4とを、遊星側伝達ギア38の外歯381と波動側伝達ギア46の外歯461との噛み合い位置P1よりも軸方向一方側および他方側で固定することによって、より強固に固定することができる。
また、本実施形態では、減速機1において、遊星歯車機構3の遊星出力軸37の第1軸方向における一部と、波動歯車機構4の波動入力軸41の第2軸方向における一部とが、第1径方向および第2径方向に重なるように、遊星歯車機構3と波動歯車機構4とを近接して配置している。すなわち、本実施形態では、遊星出力軸37の一部と、波動入力軸41の一部とが、第2回転軸92を中心とする第2径方向に重なる。このように、遊星歯車機構3の一部と波動歯車機構4の一部とを径方向に重なるように配置することによって、これらを含む減速機1の軸方向の長さを低減することができる。
また、本実施形態では、減速機1において、モータ103の回転部による入力回転速度N1の回転を、前段の遊星歯車機構3において減速した後、さらに後段の波動歯車機構4において減速する。このように、本実施形態では、後段に波動歯車機構4を配置することによって、減速比を大きくすることができる。
<2.第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態に係るロボットに搭載される減速機1Bの構成について説明する。なお、以下では、第1実施形態の減速機1との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同等の部分については、重複説明を一部省略する。図8は、第2実施形態に係る減速機1Bの縦断面図である。
減速機1Bは、遊星歯車機構3Bと波動歯車機構4Bとを備える。本実施形態の波動歯車機構4Bは、第1実施形態の波動歯車機構4と同等の構成を有する。
図8に示すように、遊星歯車機構3Bは、遊星入力軸31Bと、太陽歯車32Bと、複数の遊星歯車33Bと、複数の遊星シャフト34Bと、キャリア35Bと、遊星側内歯歯車36Bと、遊星出力軸37Bと、遊星側伝達ギア38Bと、支持軸受396Bと、遊星側ケーシング7Bとを有する。本実施形態の遊星入力軸31B、太陽歯車32B、複数の遊星歯車33B、複数の遊星シャフト34B、遊星側伝達ギア38B、および支持軸受396Bについては、第1実施形態の遊星入力軸31、太陽歯車32、複数の遊星歯車33、複数の遊星シャフト34、遊星側伝達ギア38、および支持軸受396と同等の構成を有するため、重複説明を省略する。
本実施形態の遊星側ケーシング7Bは、第1実施形態の遊星側ケーシング7と異なり、遊星第2ケーシング筒部72に相当する部位を有していない。本実施形態の複数の遊星歯車33Bは、遊星ケーシング天面部73Bの第1径方向内側に配置される。また、本実施形態のキャリア35Bは、遊星ケーシング天面部73Bにねじ止めにより固定される。すなわち、キャリア35Bは、遊星側ケーシング7Bに固定される。
遊星側内歯歯車36Bは、第1回転軸91Bと略同軸に配置される。遊星側内歯歯車36Bの内歯は、複数の遊星歯車33Bの外歯に第1径方向外側から噛み合う。遊星出力軸37Bは、第1回転軸91Bに沿って円筒状に延びる部材である。本実施形態では、遊星出力軸37Bと、遊星側内歯歯車36Bとは、単一部材である。すなわち、遊星出力軸37Bは、遊星側内歯歯車36Bに接続される。本実施形態の遊星歯車機構3Bは、所謂「スター型」である。このような構造とすることにより、遊星歯車機構3Bの軸方向の長さを抑制できる。すなわち、本発明において、遊星出力軸37Bは、キャリア35Bおよび遊星側内歯歯車36Bのいずれか一方に接続されていればよい。
キャリア35Bと遊星出力軸37Bとの第1径方向の間には、2つの軸受397Bが挿入される。2つの軸受397Bは、互いに第1軸方向に隣接して配置される。本実施形態の軸受397Bには、ボールベアリングが用いられる。軸受397Bの内輪は、キャリア35Bの外側面に固定される。軸受397Bの外輪は、遊星出力軸37Bの内側面に固定される。これにより、遊星出力軸37Bおよび遊星側内歯歯車36Bは、キャリア35Bおよび遊星側ケーシング7Bに対して、軸受397Bを介して、第1回転軸91Bを中心として回転可能に支持される。
モータ103を駆動させると、遊星入力軸31Bおよび太陽歯車32Bは、第1回転軸91Bを中心として入力回転速度N1で回転する。また、太陽歯車32Bと遊星側内歯歯車36Bとの双方に噛み合う複数の遊星歯車33Bは、それぞれ自転する。しかしながら、複数の遊星歯車33Bは、遊星シャフト34Bを介してキャリア35Bに固定されているが、上記のとおり、キャリア35Bは、遊星側ケーシング7Bに固定されているため、回転しない。このため、遊星側内歯歯車36Bは、複数の遊星歯車33Bとの噛み合いにより、遊星出力軸37Bとともに、第1回転軸91Bを中心として減速後の第1中間回転速度N2で回転する。
<3.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の波動歯車機構4においては、可撓性外歯歯車43を、波動出力軸45およびロボット100のアーム102に対して固定し、剛性内歯歯車44を、ロボット100のベースフレーム101に対して移動不能および回転不能に固定していた。しかしながら、可撓性外歯歯車43を、ロボット100のベースフレーム101に対して移動不能および回転不能に固定し、剛性内歯歯車44を、波動出力軸45およびロボット100のアーム102に対して固定してもよい。そして、可撓性外歯歯車43の外歯433と、剛性内歯歯車44の内歯441との噛み合いにより、剛性内歯歯車44を可撓性外歯歯車43に対して回転させてもよい。すなわち、波動出力軸45は、可撓性外歯歯車43および剛性内歯歯車44のいずれか一方に接続され、第2回転軸92を中心として出力回転速度N4で回転可能であればよい。
また、減速機に用いられる遊星歯車機構は、多段型であってもよい。この場合、例えば、遊星歯車機構は、前段に配置される前段遊星歯車装置と、前段遊星歯車装置よりも後段に配置される後段遊星歯車装置とを有していればよい。また、前段遊星歯車装置は、上記の実施形態の遊星入力軸である前段遊星入力軸と、上記の実施形態の太陽歯車である前段太陽歯車と、上記の実施形態の複数の遊星歯車である複数の前段遊星歯車と、上記の実施形態のキャリアである前段キャリアと、上記の実施形態の遊星側内歯歯車である前段遊星側内歯歯車と、前段遊星出力軸とを有していればよい。また、前段遊星出力軸は、第1回転軸に沿って配置され、前段キャリアに接続され、第1回転軸を中心として回転可能な出力軸であればよい。
また、後段遊星歯車装置は、後段遊星入力軸と、後段太陽歯車と、複数の後段遊星歯車と、後段キャリアと、後段遊星側内歯歯車と、後段遊星出力軸とを有していればよい。また、後段遊星入力軸は、前段遊星出力軸に固定され、第1回転軸を中心として回転可能であればよい。また、後段太陽歯車は、後段遊星入力軸に固定され、外側面に形成された外歯を有し、第1回転軸を中心として回転可能であればよい。また、複数の後段遊星歯車は、後段太陽歯車の周囲に配置され、後段太陽歯車の外歯に第1径方向外側から噛み合う外歯を有し、後段太陽歯車の回転に伴い自転すればよい。また、後段キャリアには、複数の後段遊星歯車をそれぞれ自転可能に支持する複数の後段遊星シャフトが固定されていればよい。また、後段遊星側内歯歯車は、第1回転軸を中心とする環状であり、複数の後段遊星歯車の外歯に第1径方向外側から噛み合う内歯を内側面に有していればよい。また、後段遊星出力軸は、第1回転軸に沿って配置され、後段キャリアに接続され、第1回転軸を中心として第1中間回転速度N2で回転可能な上記の実施形態の遊星出力軸に接続されていればよい。このように、多段型の遊星歯車機構を用いることによって、より高い減速比を得ることができる。
また、多段型の遊星歯車機構において、上記の実施形態の遊星出力軸と後段遊星出力軸とは単一部材であってもよい。遊星出力軸と後段遊星出力軸とを単一部材にすることによって、部品点数を削減することができ、量産性を向上できる。
また、減速機およびロボットの細部の形状については、上記の実施形態の各図に示された形状と相違していてもよい。
本願は、減速機およびロボットに利用できる。
1,1B 減速機
3,3B 遊星歯車機構
4,4B 波動歯車機構
7,7B 遊星側ケーシング
8 波動側ケーシング
31,31B 遊星入力軸
32,32B 太陽歯車
33,33B 遊星歯車
34,34B 遊星シャフト
35,35B キャリア
36,36B 遊星側内歯歯車
37,37B 遊星出力軸
38,38B 遊星側伝達ギア
41 波動入力軸
42 波動発生器
43 可撓性外歯歯車
44 剛性内歯歯車
45 波動出力軸
46 波動側伝達ギア
73,73B 遊星ケーシング天面部
91,91B 第1回転軸
92 第2回転軸
93 自転軸
100 ロボット
103 モータ
321 (太陽歯車の)外歯
331 (遊星歯車の)外歯
361 (遊星側内歯歯車の)内歯
381 (遊星側伝達ギアの)外歯
396,396B 支持軸受
421 カム
431 (可撓性外歯歯車の)筒部
432 (可撓性外歯歯車の)フランジ部
433 (可撓性外歯歯車の)外歯
441 (剛性内歯歯車の)内歯
461 (波動側伝達ギアの)外歯
P1 (遊星側伝達ギアの外歯と波動側伝達ギアの外歯との)噛み合い位置
P2 (遊星ケーシング天面部と剛性内歯歯車との)固定位置
P3 (可撓性外歯歯車と剛性内歯歯車との)噛み合い位置
P4 (波動入力軸と支持軸受の内輪との)固定位置

Claims (18)

  1. 遊星歯車機構と波動歯車機構とを備え、前記遊星歯車機構の入力部である遊星入力軸の回転を減速して、前記波動歯車機構の出力部である波動出力軸を回転可能な、減速機であって、
    前記遊星歯車機構は、
    第1回転軸を中心として入力回転速度で回転可能な前記遊星入力軸と、
    前記遊星入力軸に固定され、外側面に形成された外歯を有し、前記第1回転軸を中心として前記入力回転速度で回転可能な太陽歯車と、
    前記太陽歯車の周囲に配置され、前記太陽歯車の外歯に前記第1回転軸を中心とする第1径方向外側から噛み合う外歯を有し、前記太陽歯車の回転に伴い自転可能な複数の遊星歯車と、
    前記複数の遊星歯車をそれぞれ自転可能に支持する複数の遊星シャフトが固定されたキャリアと、
    前記第1回転軸を中心とする環状であり、前記複数の遊星歯車の外歯に第1径方向外側から噛み合う内歯を内側面に有する遊星側内歯歯車と、
    前記第1回転軸に沿って配置され、前記キャリアおよび前記遊星側内歯歯車のいずれか一方に接続され、前記第1回転軸を中心として第1中間回転速度で回転可能な遊星出力軸と、
    を有し、
    前記波動歯車機構は、
    第2回転軸に沿って中空筒状に延び、前記遊星出力軸の回転に伴い、前記第2回転軸を中心として第2中間回転速度で回転可能な波動入力軸と、
    前記波動入力軸とともに回転可能なカムと、
    前記カムの回転に応じて変形可能な可撓性外歯歯車と、
    前記第2回転軸を中心とする環状の剛性内歯歯車と、
    前記第2回転軸に沿って配置され、前記可撓性外歯歯車および前記剛性内歯歯車のいずれか一方に接続され、前記第2回転軸を中心として出力回転速度で回転可能な前記波動出力軸と、
    を有し、
    前記可撓性外歯歯車と前記剛性内歯歯車とが、互いに噛み合い、前記可撓性外歯歯車と前記剛性内歯歯車とが、歯数の違いによって相対回転可能であり、
    前記遊星出力軸の一部と、前記波動入力軸の一部とが、前記第2回転軸を中心とする第2径方向に重なる、減速機。
  2. 請求項1に記載の減速機であって、
    前記遊星出力軸に固定され、または、前記遊星出力軸と単一部材であり、外側面に形成された外歯を有し、前記第1回転軸を中心として前記第1中間回転速度で回転可能な遊星側伝達ギアと、
    前記波動入力軸に固定され、または、前記波動入力軸と単一部材であり、外側面に形成された外歯を有し、前記第2回転軸を中心として前記第2中間回転速度で回転可能な波動側伝達ギアと、
    をさらに有し、
    前記波動側伝達ギアの外歯が前記遊星側伝達ギアの外歯に接続され、前記波動側伝達ギアは、前記波動入力軸とともに、前記第2回転軸を中心として前記第2中間回転速度で回転可能な、減速機。
  3. 請求項2に記載の減速機であって、
    前記遊星歯車機構は、
    前記複数の遊星歯車の少なくとも一部を収容する遊星側ケーシング
    をさらに有し、
    前記波動側伝達ギアの外歯の歯数は、前記遊星側伝達ギアの外歯の歯数よりも大きく、
    前記遊星側伝達ギアの外歯と前記波動側伝達ギアの外歯との噛み合い位置は、前記遊星側ケーシングの第1径方向における外端よりも、前記第1回転軸に近い、減速機。
  4. 請求項3に記載の減速機であって、
    前記遊星側内歯歯車と前記遊星側ケーシングとは単一部材である、減速機。
  5. 請求項1または請求項2に記載の減速機であって、
    前記遊星歯車機構は、
    前記複数の遊星歯車の少なくとも一部を収容する遊星側ケーシング
    をさらに有し、
    前記遊星側内歯歯車は、前記遊星側ケーシングの内側面に固定され、
    前記遊星出力軸は、前記キャリアに接続される、減速機。
  6. 請求項1または請求項2に記載の減速機であって、
    前記遊星歯車機構は、
    前記複数の遊星歯車の少なくとも一部を収容する遊星側ケーシング
    をさらに有し、
    前記キャリアは、前記遊星側ケーシングに固定され、
    前記遊星出力軸は、前記遊星側内歯歯車に接続される、減速機。
  7. 請求項1または請求項2に記載の減速機であって、
    前記遊星歯車機構は、前段に配置される前段遊星歯車装置と、前記前段遊星歯車装置よりも後段に配置される後段遊星歯車装置と、を有し、
    前記前段遊星歯車装置は、
    前記遊星入力軸である前段遊星入力軸と、
    前記太陽歯車である前段太陽歯車と、
    前記複数の遊星歯車である複数の前段遊星歯車と、
    前記キャリアである前段キャリアと、
    前記遊星側内歯歯車である前段遊星側内歯歯車と、
    前記第1回転軸に沿って配置され、前記前段キャリアに接続され、前記第1回転軸を中心として回転可能な出力軸である前段遊星出力軸と、
    を有し、
    前記後段遊星歯車装置は、
    前記前段遊星出力軸に固定され、前記第1回転軸を中心として回転可能な後段遊星入力軸と、
    前記後段遊星入力軸に固定され、外側面に形成された外歯を有し、前記第1回転軸を中心として回転可能な後段太陽歯車と、
    前記後段太陽歯車の周囲に配置され、前記後段太陽歯車の外歯に第1径方向外側から噛み合う外歯を有し、前記後段太陽歯車の回転に伴い自転する複数の後段遊星歯車と、
    前記複数の後段遊星歯車をそれぞれ自転可能に支持する複数の後段遊星シャフトが固定された後段キャリアと、
    前記第1回転軸を中心とする環状であり、前記複数の後段遊星歯車の外歯に第1径方向外側から噛み合う内歯を内側面に有する後段遊星側内歯歯車と、
    前記第1回転軸に沿って配置され、前記後段キャリアに接続され、前記第1回転軸を中心として前記第1中間回転速度で回転可能な前記遊星出力軸に接続される、後段遊星出力軸と、
    を有する、減速機。
  8. 請求項7に記載の減速機であって、
    前記遊星出力軸と前記後段遊星出力軸とは単一部材である、減速機。
  9. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記波動側伝達ギアの外歯の歯数は、前記遊星側伝達ギアの外歯の歯数よりも大きく、
    前記遊星側伝達ギアの外歯と前記波動側伝達ギアの外歯との噛み合い位置は、前記カムの第2径方向における外端よりも、前記第2回転軸から遠い、減速機。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記波動歯車機構は、
    前記可撓性外歯歯車の少なくとも一部を収容する波動側ケーシング
    をさらに有し、
    前記波動側ケーシングの第2径方向の外端は、前記第1回転軸よりも、前記第2回転軸から遠い、減速機。
  11. 請求項10に記載の減速機であって、
    前記剛性内歯歯車と前記波動側ケーシングとは単一部材である、減速機。
  12. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記可撓性外歯歯車と前記剛性内歯歯車との噛み合い位置は、前記遊星側伝達ギアの外歯と前記波動側伝達ギアの外歯との噛み合い位置よりも、前記第2回転軸から遠い、減速機。
  13. 請求項2に記載の減速機であって、
    前記遊星歯車機構は、
    前記複数の遊星歯車の少なくとも一部を収容する遊星側ケーシング
    をさらに有し、
    前記遊星側ケーシングは、
    前記遊星出力軸を軸方向一方側から囲む遊星ケーシング天面部
    を有し、
    前記遊星ケーシング天面部と前記剛性内歯歯車とが、前記遊星側伝達ギアの外歯と前記波動側伝達ギアの外歯との噛み合い位置よりも前記第2回転軸から遠く、かつ、前記遊星側伝達ギアの外歯と前記波動側伝達ギアの外歯との噛み合い位置よりも軸方向一方側において、固定される、減速機。
  14. 請求項13に記載の減速機であって、
    前記遊星歯車機構は、
    外輪が前記遊星側ケーシングに固定された支持軸受
    をさらに有し、
    前記波動入力軸は、前記遊星側伝達ギアの外歯と前記波動側伝達ギアの外歯との噛み合い位置よりも前記第2回転軸に近く、かつ、前記遊星側伝達ギアの外歯と前記波動側伝達ギアの外歯との噛み合い位置よりも軸方向他方側において、前記支持軸受の内輪に固定される、減速機。
  15. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記波動側伝達ギアと前記波動入力軸とは単一部材である、減速機。
  16. 請求項2から請求項4、および請求項15のいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記波動側伝達ギアの外径は、前記波動入力軸の外径と、略同一である、減速機。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記可撓性外歯歯車は、
    前記第2回転軸に沿って中空筒状に延びる筒部と、
    前記筒部の軸方向一方側の端部から、第2径方向外側に向かって拡がるフランジ部と、
    を有し、
    前記フランジ部は、前記波動出力軸に固定される、減速機。
  18. 請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の減速機を有する、ロボット。
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