JP2023109300A - 印刷装置及び印刷装置の制御方法 - Google Patents

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洋 吉田
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Abstract

【課題】駆動対象物の駆動の安定化を図ることができる印刷装置及び印刷装置の制御方法を提供する。【解決手段】印刷装置は、媒体への印刷に関する駆動対象物を駆動可能な駆動部と、駆動対象物の目標速度を指示する目標速度指示部と、駆動部によって駆動される駆動対象物の速度を検出する速度検出部と、速度検出部によって検出された駆動対象物の速度に基づいて駆動対象物の躍度を算出する躍度算出部と、目標速度指示部によって指示された駆動対象物の目標速度と、速度検出部によって検出された駆動対象物の速度と、躍度算出部によって算出された駆動対象物の躍度とに基づいて、駆動対象物の制御値を演算する演算部と、演算部によって演算された駆動対象物の制御値に基づいて駆動部を制御する駆動制御部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、媒体への印刷に関する駆動対象物を駆動可能な印刷装置及び印刷装置の制御方法に関する。
例えば、特許文献1には、媒体を搬送方向に搬送させ、かつ、印刷ヘッドが搭載されたキャリッジを走査方向に移動させることにより、媒体に印刷を行う印刷装置が開示されている。印刷装置は、媒体への印刷に関する駆動対象物を駆動可能な駆動部を備えており、駆動部の駆動制御により、駆動対象物を駆動させることができる。詳しくは、印刷装置は、駆動部の駆動制御により、駆動対象物の一例としてのキャリッジを駆動させることでキャリッジを走査方向に移動させることができる。また、このような印刷装置は、駆動部の駆動制御により、駆動対象物の一例としての駆動ローラーを駆動されることで媒体を搬送させることができる。
また、このような印刷装置において、駆動対象物の速度を検出し、検出した駆動対象物の速度をフィードバック制御することにより、駆動対象物の速度を駆動対象物の目標速度に近づける制御が行われている。
特開2011-116050号公報
しかしながら、このような印刷装置では、駆動対象物の速度と駆動対象物の目標速度との差によっては、駆動対象物の速度が過度に変化してしまうことがあった。このため、駆動対象物の駆動が安定しているとは言い切れず、改善の余地があった。
上記課題を解決する印刷装置は、媒体への印刷に関する駆動対象物を駆動可能な駆動部と、前記駆動対象物の目標速度を指示する目標速度指示部と、前記駆動部によって駆動される前記駆動対象物の速度を検出する速度検出部と、前記速度検出部によって検出された前記駆動対象物の速度に基づいて前記駆動対象物の躍度を算出する躍度算出部と、前記目標速度指示部によって指示された前記駆動対象物の目標速度と、前記速度検出部によって検出された前記駆動対象物の速度と、前記躍度算出部によって算出された前記駆動対象物の躍度とに基づいて、前記駆動対象物の制御値を演算する演算部と、前記演算部によって演算された前記駆動対象物の制御値に基づいて前記駆動部を制御する駆動制御部と、を備える。
上記課題を解決する印刷装置の制御方法は、媒体への印刷に関する駆動対象物を駆動可能な駆動部を備える印刷装置の制御方法であって、前記駆動対象物の目標速度を指示することと、前記駆動対象物の速度を検出することと、前記駆動対象物の速度に基づいて前記駆動対象物の躍度を算出することと、前記駆動対象物の目標速度と、前記駆動対象物の速度と、前記駆動対象物の躍度とに基づいて、前記駆動対象物の制御値を演算することと、前記駆動対象物の制御値に基づいて前記駆動部を制御することと、を含む。
第1実施形態における印刷装置を示す斜視図である。 外装カバーが取り外された印刷装置を示す概略斜視図である。 印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。 印刷装置の機能を示す機能ブロック図である。 キャリッジの速度制御を示す模式図である。 設定テーブルを示す模式図である。 印刷装置の機能を示す機能ブロック図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して印刷装置の一実施形態について説明する。図面では、印刷装置が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。また、X軸と平行な方向を走査方向Xと示す場合があり、Y軸と平行な方向を搬送方向Yと示す場合があり、Z軸と平行な方向を鉛直方向Zと示す場合がある。
<印刷装置11の構成>
図1に示すように、印刷装置11は、シリアル方式のインクジェットプリンターであってもよい。印刷装置11は、本体12を備える。本体12は、排出口12Aを備える。排出口12Aは、本体12の前面に設けられる。排出口12Aは、本体12の内部から印刷後の媒体Mを排出するための開口である。
印刷装置11は、操作パネル13を備えてもよい。操作パネル13は、本体12の前面に設けられてもよい。操作パネル13は、表示部14と、操作部15とを備えてもよい。表示部14は、情報を表示する。操作部15は、ユーザーによって操作可能である。操作部15は、電源スイッチ15Aと、選択スイッチ15Bと、キャンセルスイッチ15Cとを含んでもよい。
印刷装置11は、給送トレイ16を備える。給送トレイ16は、本体12の背面に設けられている。給送トレイ16は、一対のエッジガイド16Aを備える。印刷装置11は、自動給送装置17を備える。自動給送装置17は、給送トレイ16に載置された媒体Mを本体12の内部に給送する。印刷装置11は、排出スタッカー18を備える。排出スタッカー18は、排出口12Aから排出される印刷後の媒体Mを受け取る。
<印刷装置11の内部構成>
図2に示すように、印刷装置11は、本体フレーム19を備える。本体フレーム19は、上側と前側が開口する略四角箱状のフレームである。本体フレーム19は、本体12の内部に設けられている。
印刷装置11は、印刷部20を備える。印刷部20は、媒体Mに印刷を行うように構成される。印刷部20は、ガイド軸21を備える。ガイド軸21は、本体フレーム19の走査方向Xの側壁間に架設される。つまり、ガイド軸21は、走査方向Xに沿って延びるように設けられている。
印刷部20は、キャリッジ22を備える。キャリッジ22は、ガイド軸21に案内されて走査方向Xに往復移動可能である。キャリッジ22は、非印刷時において、移動経路上の一端位置であるホーム位置HPで待機する。
キャリッジ22は、例えば4個など、複数のカートリッジ23を装填可能なように構成される。複数のカートリッジ23は、キャリッジ22の上部に装填可能である。複数のカートリッジ23には、例えば黒、シアン、マゼンタ、イエローの4色の液体がそれぞれ収容されている。液体は、例えばインクであってもよい。
印刷部20は、印刷ヘッド24を備える。印刷ヘッド24は、キャリッジ22の下部に設けられる。つまり、印刷ヘッド24は、キャリッジ22に搭載されている。言い換えると、キャリッジ22は、印刷ヘッド24を搭載している。印刷ヘッド24は、図示しない複数のノズルを備える。印刷ヘッド24は、カートリッジ23に収容されている液体を複数のノズルから媒体Mに吐出可能に構成される。このように、印刷ヘッド24は、媒体Mに印刷を行うように構成される。
印刷部20は、一対のプーリー25Aと、タイミングベルト25Bと、キャリッジモーター26と、を備える。一対のプーリー25Aは、本体フレーム19の背板内面に設けられる。一対のプーリー25Aのうち一方は、キャリッジモーター26の駆動軸に連結されている。
タイミングベルト25Bは、無端状のベルトである。タイミングベルト25Bは、一対のプーリー25Aに巻き掛けられている。タイミングベルト25Bは、キャリッジ22に固定されている。
キャリッジモーター26は、正逆転駆動によりタイミングベルト25Bを介してキャリッジ22を走査方向Xに往復移動させる駆動源である。このように、キャリッジモーター26は、媒体Mへの印刷に関するキャリッジ22を駆動可能な駆動部の一例に相当する。また、キャリッジ22は、駆動部による駆動対象物の一例に相当する。
印刷部20は、エンコーダー27を備える。エンコーダー27は、キャリッジ22の移動経路に沿って延びるように設けられている。エンコーダー27は、キャリッジ22の移動量に比例する数のパルスを出力する。エンコーダー27は、リニアエンコーダーであってもよい。
印刷装置11は、支持台28を備える。支持台28は、キャリッジ22の移動経路の下方に設けられる。支持台28は、走査方向Xに沿って延びるように設けられている。支持台28は、媒体Mを下側から支持する。支持台28は、印刷ヘッド24と媒体Mとの間隔を規定する。
印刷装置11は、搬送部29を備える。搬送部29は、媒体Mを搬送するように構成される。搬送部29は、給送モーター30を備える。給送モーター30は、自動給送装置17を構成する不図示の給送ローラーを回転させる。給送ローラーは、媒体Mを搬送するためのローラーである。これにより、給送モーター30は、給送トレイ16に載置されている複数枚の媒体Mを1枚ずつ給送する。
搬送部29は、搬送ローラー対31と、排出ローラー対32と、搬送モーター33と、を備える。搬送ローラー対31は、支持台28の搬送方向Yにおける上流に設けられる。搬送ローラー対31は、媒体Mを搬送するためのローラー対である。搬送ローラー対31は、搬送駆動ローラー31Aと、搬送従動ローラー31Bと、を備える。排出ローラー対32は、支持台28の搬送方向Yにおける下流に設けられる。排出ローラー対32は、媒体Mを搬送するためのローラー対である。排出ローラー対32は、排出駆動ローラー32Aと、排出従動ローラー32Bと、を備える。搬送モーター33は、搬送駆動ローラー31Aと、排出駆動ローラー32Aとを回転させる。これにより、搬送モーター33は、搬送ローラー対31及び排出ローラー対32により媒体Mを挟持した状態で媒体Mを搬送方向Yに搬送させる。
印刷装置11は、メンテナンス部34を備える。メンテナンス部34は、キャリッジ22がホーム位置HPに位置するときに、キャリッジ22の下方に位置するように設けられる。メンテナンス部34は、印刷ヘッド24のメンテナンスを行うように構成される。メンテナンス部34は、搬送モーター33の動力で駆動される。メンテナンス部34は、ホーム位置HPで印刷ヘッド24にキャッピングするキャップ34Aを備える。メンテナンスは、例えばクリーニングを含む。クリーニングは、印刷ヘッド24に対してキャッピング状態にあるキャップ内を不図示の吸引ポンプの駆動で負圧とし、ノズルからインクを強制的に排出することで行われる。
<印刷装置11の電気的構成>
図3を参照して、印刷装置11の電気的構成について説明する。
図3に示すように、印刷装置11は、制御部40を備える。制御部40は、印刷装置11における各機構の駆動を統括的に制御し、印刷装置11で実行される各種動作を制御してもよい。制御部40は、コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはそれらの組み合わせを含んでもよい。プロセッサーは、CPU及びメモリーを含む。メモリーは、RAM及びROM等であり、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
印刷装置11は、印刷ヘッド駆動制御部35を備えてもよい。印刷ヘッド駆動制御部35は、印刷ヘッド24を駆動させるための回路である。印刷ヘッド駆動制御部35は、印刷ヘッド24と接続されている。印刷ヘッド駆動制御部35は、制御部40からの信号に応じて印刷ヘッド24に駆動信号を出力する。
印刷装置11は、キャリッジモーター駆動制御部36を備えてもよい。キャリッジモーター駆動制御部36は、キャリッジモーター26を駆動させるための回路である。キャリッジモーター駆動制御部36は、キャリッジモーター26と接続されている。キャリッジモーター駆動制御部36は、制御部40からの信号に応じてキャリッジモーター26に駆動信号を出力する。
印刷装置11は、給送モーター駆動制御部37を備えてもよい。給送モーター駆動制御部37は、給送モーター30を駆動させるための回路である。給送モーター駆動制御部37は、給送モーター30と接続されている。給送モーター駆動制御部37は、制御部40からの信号に応じて給送モーター30に駆動信号を出力する。
印刷装置11は、搬送モーター駆動制御部38を備えてもよい。搬送モーター駆動制御部38は、搬送モーター33を駆動させるための回路である。搬送モーター駆動制御部38は、搬送モーター33と接続されている。搬送モーター駆動制御部38は、制御部40からの信号に応じて搬送モーター33に駆動信号を出力する。
制御部40は、操作パネル13と接続されている。詳しくは、制御部40は、表示部14と、操作部15とに接続されている。制御部40は、印刷ヘッド駆動制御部35、キャリッジモーター駆動制御部36、エンコーダー27、給送モーター駆動制御部37、搬送モーター駆動制御部38及びメンテナンス部34と接続されている。
制御部40は、操作部15及びエンコーダー27から信号を入力可能である。制御部40は、表示部14、印刷ヘッド駆動制御部35、キャリッジモーター駆動制御部36、給送モーター駆動制御部37、搬送モーター駆動制御部38及びメンテナンス部34を駆動させるための信号を出力可能である。特に、制御部40は、少なくともキャリッジモーター26を駆動制御するように構成される。
図示しない端末装置から印刷指示を入力した場合、制御部40は、給送モーター駆動制御部37及び搬送モーター駆動制御部38に駆動信号を出力し、給送モーター30及び搬送モーター33を駆動させる。これにより、制御部40は、印刷指示に基づく枚数の媒体Mを順次に搬送させる。
また、制御部40は、キャリッジモーター駆動制御部36に駆動信号を出力し、キャリッジモーター26を駆動させる。また、制御部40は、印刷指示に含まれる画像データに基づいて、印刷ヘッド駆動制御部35に駆動信号を出力する。これにより、制御部40は、キャリッジ22を走査方向Xに移動させ、印刷ヘッド24から液体を吐出させることにより、媒体Mに印刷を行う。
制御部40は、プログラムを実行することで機能する各種の機能部を備える。詳しくは、制御部40は、キャリッジモーター制御部41を備えてもよい。
キャリッジモーター制御部41は、速度制御データに基づいて、フィードバック制御によりキャリッジモーター26を制御するように構成される。速度制御データは、速度プロファイルを規定するデータである。速度プロファイルは、詳しく後述するが、キャリッジ22の位置に対応するキャリッジ22の目標速度が規定されたデータである。速度制御データは、制御部40のメモリーに記憶されている。
<キャリッジモーター制御部41の機能部>
図4を参照してキャリッジモーター制御部41について説明する。
図4に示すように、キャリッジモーター制御部41は、位置検出部42を備えてもよい。位置検出部42は、制御周期毎に、エンコーダー27からの信号に基づいて、キャリッジ22の位置を取得する。制御周期は、キャリッジモーター26を制御するための割込み周期である。制御周期は、エンコーダー27からの信号が有効信号となる間隔よりも長くなるように定められているが、短くなるように定められてもよく、同じとなる場合があってもよい。
キャリッジモーター制御部41は、速度検出部43と、躍度算出部44とを備える。速度検出部43は、制御周期毎に、エンコーダー27からの信号に基づいて、キャリッジモーター26によって駆動されるキャリッジ22の速度を検出してもよい。詳しくは、速度検出部43は、制御周期毎に、位置検出部42によって検出されたキャリッジ22の位置からキャリッジ22の移動距離を特定する。速度検出部43は、制御周期を示す時間と、キャリッジ22の移動距離とに基づいて、キャリッジ22の速度を検出する。以降、速度検出部43によって検出された速度を実速度として示す場合がある。このように、印刷装置11の制御方法としては、キャリッジ22の速度を検出することを含む。
また、速度検出部43は、制御周期毎に、キャリッジモーター駆動制御部36からキャリッジモーター26に出力される電流値に基づいて、キャリッジ22の実速度を検出してもよい。特に、キャリッジ22の実速度は、キャリッジモーター駆動制御部36からキャリッジモーター26に出力される電流のデューティー比に比例する。このように、速度検出部43は、キャリッジモーター駆動制御部36からキャリッジモーター26に出力される電流のデューティー比に基づいてキャリッジ22の実速度を検出してもよい。
躍度算出部44は、制御周期毎に、速度検出部43によって検出されたキャリッジ22の実速度に基づいてキャリッジ22の躍度を算出可能である。詳しくは、躍度算出部44は、速度検出部43によって検出されたキャリッジ22の実速度に基づいてキャリッジ22の加速度を算出し、算出されたキャリッジ22の加速度に基づいて、キャリッジ22の躍度を算出する。躍度は、加加速度ともいう。このように、印刷装置11の制御方法としては、キャリッジ22の速度に基づいてキャリッジ22の躍度を算出することを含む。
ここで、制御周期毎に連続する3回のタイミングを第1制御タイミング、第2制御タイミング及び第3制御タイミングとして具体的な一例を説明する。第2制御タイミングは、第1制御タイミングから制御周期の1周期分の時間が経過した制御タイミングである。第3制御タイミングは、第2制御タイミングから制御周期の1周期分の時間が経過した制御タイミングである。
速度検出部43は、第1制御タイミングにおいてキャリッジ22の実速度として第1速度を検出する。速度検出部43は、第2制御タイミングにおいてキャリッジ22の実速度として第2速度を検出する。速度検出部43は、第3制御タイミングにおいてキャリッジ22の実速度として第3速度を検出する。このように、速度検出部43がキャリッジ22の実速度を検出するタイミングは、第1制御タイミングと、第2制御タイミングと、第3制御タイミングと、含む。
躍度算出部44は、速度検出部43によって検出された第1速度と第2速度とに基づいて、キャリッジ22の第1加速度を算出する。詳しくは、躍度算出部44は、第2速度と第1速度との差を算出した結果と、制御周期の1周期分の時間とに基づいて、第1加速度を算出する。躍度算出部44は、速度検出部43によって検出された第2速度と第3速度とに基づいて、キャリッジ22の第2加速度を算出する。詳しくは、躍度算出部44は、第3速度と第2速度との差を算出した結果と、制御周期の1周期分の時間とに基づいて、第2加速度を算出する。躍度算出部44は、第1加速度と第2加速度とに基づいて、キャリッジ22の躍度を算出する。詳しくは、躍度算出部44は、第2加速度と第1加速度との差を算出した結果に基づいて、躍度を算出する。
このように、速度検出部43は、上記制御を繰り返し実行することにより、制御周期毎にキャリッジ22の実速度を検出する。躍度算出部44は、上記制御を繰り返し実行することにより、制御周期毎にキャリッジ22の躍度を検出する。
キャリッジモーター制御部41は、速度プロファイル記憶部45を備える。速度プロファイル記憶部45は、制御部40のメモリーを含む。速度プロファイル記憶部45は、詳しく後述するキャリッジ22の速度プロファイルを記憶する。
キャリッジモーター制御部41は、目標速度指示部46を備える。目標速度指示部46は、キャリッジ22の目標速度を指示する。特に、目標速度指示部46は、制御周期毎に、位置検出部42によって検出されたキャリッジ22の位置に対応する目標速度を速度プロファイルから取得する。このように、印刷装置11の制御方法としては、キャリッジ22の目標速度を指示することを含む。
キャリッジモーター制御部41は、第1演算部47と、第2演算部48とを備えてもよい。第1演算部47は、目標速度指示部46により指示されたキャリッジ22の目標速度と、速度検出部43により検出されたキャリッジ22の実速度とに基づいて、キャリッジ22の第1制御値を演算する。
特に、第1演算部47は、PID制御演算の結果に基づいてフィードバック制御を行い、速度検出部43により検出されたキャリッジ22の実速度を、目標速度指示部46により指示された目標速度に近づけるように第1制御値を算出する。第1制御値は、例えばPWM(pulse width modulation)指令値であってもよい。第1演算部47は、算出した第1制御値を第2演算部48に出力する。
第2演算部48は、第1演算部47によって演算された第1制御値と、躍度算出部44によって算出されたキャリッジ22の躍度とに基づいて、第2制御値を演算する。特に、第2演算部48は、躍度算出部44によって算出されたキャリッジ22の躍度と躍度係数とを演算した演算結果と、第1演算部47によって演算された第1制御値とに基づいて、第2制御値を演算してもよい。このように、躍度算出部44によって算出されたキャリッジ22の躍度と躍度係数とを演算した演算結果が第1制御値についての補正値であるといえる。
特に、第2演算部48は、第1演算部47によって演算された第1制御値について、キャリッジ22の躍度の絶対値が小さくなるように第2制御値を算出する。つまり、第2演算部48は、キャリッジ22の駆動を更に安定させるべく、キャリッジ22の躍度の絶対値が大きくならないように第1演算部47によって演算された第1制御値を補正することにより、第2制御値を算出する。
詳しくは、第2演算部48は、躍度算出部44によって算出されたキャリッジ22の躍度に躍度係数を乗算した演算結果を補正値として算出する。第2演算部48は、キャリッジ22の躍度に躍度係数を乗算した演算結果を、第1演算部47によって演算された第1制御値に加算することにより第2制御値を算出する。
具体的な一例をあげると、第2演算部48は、キャリッジ22の躍度が正の値である場合、第1制御値についての補正値として負の値を算出する。このように、キャリッジ22の躍度が正の値である場合、キャリッジ22が加速していることから、第2演算部48は、キャリッジ22が過剰に加速しないように補正値を算出し、第1制御値を第2制御値として補正する。一方、第2演算部48は、キャリッジ22の躍度が負の値である場合、第1制御値についての補正値として正の値を算出する。このように、キャリッジ22の躍度が負の値である場合、キャリッジ22が減速していることから、第2演算部48は、キャリッジ22が過剰に減速しないように補正値を算出し、第1制御値を第2制御値として補正する。第2制御値は、例えばPWM(pulse width modulation)指令値であってもよい。第2演算部48は、算出した第2制御値に対応する指令値をキャリッジモーター駆動制御部36に出力する。
このように、第1演算部47及び第2演算部48は、キャリッジ22の目標速度と、キャリッジ22の実速度と、キャリッジ22の躍度とに基づいて、キャリッジ22の制御値を演算する。また、印刷装置11の制御方法としては、キャリッジ22の目標速度と、キャリッジ22の速度と、キャリッジ22の躍度とに基づいて、キャリッジ22の制御値を演算することを含む。第1演算部47及び第2演算部48が演算部の一例に相当する。
キャリッジモーター駆動制御部36は、キャリッジモーター制御部41からの第2制御値に対応する電流を駆動信号としてキャリッジモーター26に出力する。これにより、キャリッジモーター駆動制御部36は、第2制御値に対応する駆動量だけキャリッジモーター26を駆動させる。つまり、キャリッジモーター駆動制御部36は、第2演算部48によって演算された第2制御値に基づいてキャリッジモーター26を制御する。また、印刷装置11の制御方法としては、キャリッジ22の制御値に基づいてキャリッジモーター26を制御することを含む。キャリッジモーター駆動制御部36が駆動制御部の一例に相当する。
このように、キャリッジモーター制御部41は、速度制御データに基づいて、速度プロファイルに沿ってキャリッジモーター26を制御することができる。また、キャリッジモーター制御部41は、キャリッジ22の目標速度と、キャリッジ22の実速度と、キャリッジ22の躍度とに基づいて、キャリッジモーター26を制御することができる。
<速度プロファイル>
ここで、図5を参照して、速度プロファイル記憶部45に記憶されているキャリッジ22の速度プロファイルについて説明する。図5において、横軸は、キャリッジ22の位置を示し、特に、キャリッジ22のホーム位置HPからの距離を示す。図5において、縦軸は、キャリッジ22の速度を示す。
図5に示すように、速度プロファイルは、キャリッジ22の移動が開始する移動開始位置D0においてキャリッジ22の速度が0から加速する。移動開始位置D0は、ホーム位置HPであってもよい。速度プロファイルは、加速終了位置D1においてキャリッジ22の速度が定速度V1となるように加速する。速度プロファイルは、加速終了位置D1から定速終了位置D2までキャリッジ22の速度として定速度V1が維持される。速度プロファイルは、定速終了位置D2からキャリッジ22の速度を減速する。速度プロファイルは、移動終了位置D3においてキャリッジ22の速度が0となるように減速する。
また、キャリッジ22の移動が開始してから終了するまでの区間を移動区間Rと示す。移動区間Rは、移動開始位置D0から移動終了位置D3までの区間である。つまり、移動区間Rは、制御部40によってキャリッジモーター26が制御される区間といえる。また、移動区間Rは、複数の制御区間を含む。移動区間Rは、加速区間R1と、定速区間R2と、減速区間R3とに区分されてもよい。
加速区間R1は、移動開始位置D0から加速終了位置D1までの制御区間である。加速区間R1は、キャリッジ22を加速させる制御区間である。加速区間R1は、複数の制御区間に区分されてもよい。加速区間R1は、第1加速区間R11と、第2加速区間R12と、第3加速区間R13と、第4加速区間R14とに区分されてもよい。
第1加速区間R11は、移動開始位置D0から第1加速位置D11までの制御区間である。第2加速区間R12は、第1加速位置D11から第2加速位置D12までの制御区間である。第3加速区間R13は、第2加速位置D12から第3加速位置D13までの制御区間である。第4加速区間R14は、第3加速位置D13から加速終了位置D1までの制御区間である。
第2加速区間R12は、第1加速区間R11と連続する制御区間であり、第1加速区間R11よりもキャリッジ22の速度が高い制御区間である。第3加速区間R13は、第2加速区間R12と連続する制御区間であり、第2加速区間R12よりもキャリッジ22の速度が高い制御区間である。第4加速区間R14は、第3加速区間R13と連続する制御区間であり、第3加速区間R13よりもキャリッジ22の速度が高い制御区間である。
定速区間R2は、加速終了位置D1から定速終了位置D2までの制御区間である。定速区間R2は、キャリッジ22を定速度V1で維持させる制御区間である。
減速区間R3は、定速終了位置D2から移動終了位置D3までの制御区間である。減速区間R3は、キャリッジ22を減速させる制御区間である。減速区間R3は、複数の制御区間に区分されてもよい。減速区間R3は、第1減速区間R31と、第2減速区間R32と、第3減速区間R33と、第4減速区間R34とに区分されてもよい。
第1減速区間R31は、定速終了位置D2から第1減速位置D31までの制御区間である。第2減速区間R32は、第1減速位置D31から第2減速位置D32までの制御区間である。第3減速区間R33は、第2減速位置D32から第3減速位置D33までの制御区間である。第4減速区間R34は、第3減速位置D33から移動終了位置D3までの制御区間である。
第2減速区間R32は、第1減速区間R31と連続する制御区間であり、第1減速区間R31よりもキャリッジ22の速度が低い制御区間である。第3減速区間R33は、第2減速区間R32と連続する制御区間であり、第2減速区間R32よりもキャリッジ22の速度が低い制御区間である。第4減速区間R34は、第3減速区間R33と連続する制御区間であり、第3減速区間R33よりもキャリッジ22の速度が低い制御区間である。
このように、移動区間Rは、複数の制御区間として、第1加速区間R11、第2加速区間R12、第3加速区間R13、第4加速区間R14、定速区間R2、第1減速区間R31、第2減速区間R32、第3減速区間R33及び第4減速区間R34とを含む。第1加速区間R11が第1制御区間の一例に相当する。第2加速区間R12が第2制御区間の一例に相当する。
<設定テーブル>
また、図6に示すように、制御部40のメモリーには、設定テーブルTAが記憶されている。設定テーブルTAは、複数の制御区間毎に躍度係数が対応付けられたテーブルである。設定テーブルTAは、複数の制御区間毎に対応する躍度係数を参照可能なテーブルである。躍度係数は、第2演算部48によって参照される係数である。躍度係数は、第1演算部47によって演算された第1制御値と、躍度算出部44によって算出された躍度とに基づいて、第2制御値を演算するための係数である。
特に、設定テーブルTAは、複数の制御区間毎に異なる躍度係数が対応付けられたテーブルである。躍度係数は、躍度係数Kj11~Kj14,Kj2,Kj31~Kj34を含んでいる。
躍度係数Kj11は、第1加速区間R11に対応する係数である。躍度係数Kj12は、第2加速区間R12に対応する係数である。躍度係数Kj13は、第3加速区間R13に対応する係数である。躍度係数Kj14は、第4加速区間R14に対応する係数である。躍度係数Kj2は、定速区間R2に対応する係数である。躍度係数Kj31は、第1減速区間R31に対応する係数である。躍度係数Kj32は、第2減速区間R32に対応する係数である。躍度係数Kj33は、第3減速区間R33に対応する係数である。躍度係数Kj34は、第4減速区間R34に対応する係数である。
詳しくは、第1加速区間R11に対応する躍度係数Kj11は、第2加速区間R12に対応する躍度係数Kj12よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が大きくなるように設定されている。
第1加速区間R11と第2加速区間R12とは、同じ加速区間R1であるが、第1加速区間R11のほうが、第2加速区間R12よりも、速度が低く、速度が不安定となる傾向がある。このため、第1加速区間R11においては、第2加速区間R12よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が大きくなるように躍度係数Kj11と躍度係数Kj12とが対応付けられている。つまり、第1加速区間R11と第2加速区間R12とでキャリッジ22の躍度が同じであっても、第1加速区間R11においては、第2加速区間R12よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が大きくなる。
同じように、躍度係数Kj12は、躍度係数Kj13よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が大きくなるように設定されている。躍度係数Kj13は、躍度係数Kj14よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が大きくなるように設定されている。躍度係数Kj14は、躍度係数Kj2よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が大きくなるように設定されている。
第1減速区間R31に対応する躍度係数Kj31は、第2減速区間R32に対応する躍度係数Kj32よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が小さくなるように設定されている。
第1減速区間R31と第2減速区間R32とは、同じ減速区間R3であるが、第2減速区間R32のほうが、第1減速区間R31よりも、速度が低く、速度が不安定となる傾向がある。このため、第2減速区間R32においては、第1減速区間R31よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が大きくなるように躍度係数Kj31と躍度係数Kj32とが対応付けられている。つまり、第1減速区間R31と第2減速区間R32とでキャリッジ22の躍度が同じであっても、第2減速区間R32においては、第1減速区間R31よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が大きくなる。
同じように、躍度係数Kj32は、躍度係数Kj33よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が小さくなるように設定されている。躍度係数Kj33は、躍度係数Kj34よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が小さくなるように設定されている。躍度係数Kj31は、躍度係数Kj2よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が大きくなるように設定されている。
このように、第2演算部48は、設定テーブルTAを参照することにより、制御区間に対応する躍度係数と、キャリッジ22の躍度とに基づいて補正値を算出し、第1制御値を第2制御値として補正する。特に、第2演算部48は、キャリッジ22の速度が不安定となる制御区間においては、キャリッジ22の実際の躍度の絶対値が小さくなる補正値を算出する。
本実施形態において、躍度係数が所定の係数の一例に相当する。第1加速区間R11が第1制御区間に相当し、第1加速区間R11に対応する躍度係数Kj11が第1係数の一例に相当する。第2加速区間R12が第2制御区間に相当し、第2加速区間R12に対応する躍度係数Kj12が第2係数の一例に相当する。
<第1実施形態の作用>
第1実施形態の作用について説明する。
印刷指示の入力に基づいて駆動条件が成立すると、キャリッジ22の走査方向Xへの移動が開始される。駆動条件が成立すると、キャリッジモーター26の制御によりキャリッジ22の走査方向Xへの移動が開始する。
特に、キャリッジモーター26を制御する制御周期毎に、キャリッジ22の位置及び実速度が検出される。速度プロファイルに基づいて、キャリッジ22の位置に対応するキャリッジ22の目標速度が取得される。キャリッジ22の実速度に基づいて、キャリッジ22の躍度が算出される。
キャリッジ22の目標速度とキャリッジ22の実速度とに基づいて、第1制御値が演算される。第1制御値と、キャリッジ22の躍度と、キャリッジモーター26の制御区間に対応する躍度係数とに基づいて、第2制御値が演算される。第2制御値に対応する電流値の駆動信号がキャリッジモーター駆動制御部36からキャリッジモーター26に出力される。これにより、キャリッジ22は、キャリッジモーター26の駆動制御により、キャリッジ22の位置に対応する目標速度にキャリッジ22の実速度が近づくように移動する。また、キャリッジ22の目標速度とキャリッジ22の実速度との差が大きい場合であっても、キャリッジ22は、加速度が急激に変化しないように移動する。
<第1実施形態の効果>
第1実施形態の効果について説明する。
(1)従来において、PID制御演算が行われることにより、キャリッジの実速度をキャリッジの目標速度に近づけるように制御されていた。しかしながら、キャリッジの目標速度とキャリッジの実速度とに大きい差が生じた場合には、キャリッジの速度が急激に変化してしまい、瞬間的ではあるがキャリッジの加速度も過度に変化してしまっていた。このように、キャリッジの瞬間的な駆動ではあるものの、キャリッジが振動してしまい、キャリッジの駆動が安定しているとは言い切れず、印刷品質を向上させるべく、更なる改良が望まれていた。
そこで、本実施形態では、キャリッジ22の目標速度と、キャリッジ22の速度と、キャリッジ22の躍度とに基づいて、キャリッジ22の制御値が演算される。演算されたキャリッジ22の制御値に基づいてキャリッジモーター26が制御される。このため、キャリッジ22の目標速度とキャリッジ22の速度とに大きい差が生じた場合であっても、キャリッジ22の目標速度及びキャリッジ22の速度だけではなく、キャリッジ22の加速度の変化を考慮した演算が行われる。したがって、キャリッジ22の加速度が急激に変化することを抑制することにより、キャリッジ22の振動を抑制することができ、キャリッジ22の駆動の安定化を図ることができる。
(2)特に、駆動対象物の一例は、印刷ヘッド24を搭載するキャリッジ22であり、駆動部の一例は、キャリッジ22を往復移動させるキャリッジモーター26である。このため、キャリッジ22の駆動の安定化を図ることができることにより、印刷品質の向上を図ることができる。
(3)キャリッジモーター26が制御される複数の制御区間のそれぞれには係数が対応する。複数の制御区間のそれぞれに対応する係数は、異なる係数である。このため、キャリッジモーター26が制御される制御区間によって、係数を異ならせることができる。その結果、キャリッジモーター26が制御される制御区間を考慮した演算が行われる。したがって、キャリッジ22の駆動の安定化を図ることができる。
(4)複数の制御区間のそれぞれは、キャリッジ22を加速させる制御区間を含む。このため、同じようにキャリッジ22を加速させる制御区間であっても、キャリッジモーター26が制御される制御区間によって、係数を異ならせることができる。その結果、キャリッジモーター26が制御される制御区間を考慮した演算が行われる。したがって、キャリッジ22の駆動の安定化を図ることができる。
(5)キャリッジ22を加速させる制御区間の一例として、第1加速区間R11は、第2加速区間R12よりも速度が低い制御区間である。第1加速区間R11に対応する躍度係数Kj11は、第2加速区間R12に対応する躍度係数Kj12よりも、キャリッジ22の制御値についての補正量が大きくなるように設定されている。このため、同じようにキャリッジ22を加速させる制御区間であっても、第1加速区間R11のほうが、第2加速区間R12よりも、キャリッジ22の躍度の絶対値を小さくすることができる。その結果、キャリッジモーター26が制御される制御区間が、第1加速区間R11であるか、第1加速区間R11よりも速度が安定する第2加速区間R12であるかを考慮した演算が行われる。したがって、キャリッジ22の駆動の安定化を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、演算部は、第1演算部47と第2演算部48とを備えていた。また、第1実施形態では、第1演算部47は、キャリッジ22の目標速度と、キャリッジ22の実速度とに基づいて、第1制御値を演算し、第2演算部48は、第1制御値と、キャリッジ22の躍度とに基づいて、第2制御値を演算したが、これに限らない。第2実施形態では、演算部は、第1実施形態における第1演算部47の機能と第2演算部48の機能とを一体的に備えてもよく、演算部は、キャリッジ22の目標速度と、キャリッジ22の実速度と、キャリッジ22の躍度とに基づく演算を並列的に行ってもよい。
図7に示すように、キャリッジモーター制御部41は、演算部49を備えてもよい。演算部49は、第1実施形態における第1演算部47の機能と第2演算部48の機能とを一体的に備える。つまり、演算部49は、キャリッジ22の目標速度と、キャリッジ22の実速度と、キャリッジ22の躍度とに基づいて、キャリッジ22の制御値を演算する。そして、キャリッジモーター駆動制御部36は、演算部49によって演算されたキャリッジ22の制御値に基づいてキャリッジモーター26を制御する。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
第1実施形態及び第2実施形態では、キャリッジモーター26が駆動部の一例に相当し、キャリッジ22が駆動対象物の一例に相当したが、これに限らない。第3実施形態では、搬送モーター33が駆動部の一例に相当し、搬送駆動ローラー31A及び排出駆動ローラー32Aが駆動対象物の一例に相当してもよい。
第3実施形態では、制御部40は、搬送モーター制御部を備えてもよい。搬送モーター制御部は、搬送モーター33を制御するように構成される。搬送モーター制御部は、第1実施形態及び第2実施形態におけるキャリッジモーター制御部41と同じような機能を備える。
つまり、搬送モーター制御部は、第1実施形態及び第2実施形態における位置検出部42、速度検出部43、躍度算出部44、速度プロファイル記憶部45及び目標速度指示部46を備えてもよい。搬送モーター制御部は、第1実施形態における第1演算部47及び第2演算部48を備えてもよく、第2実施形態における演算部49を備えてもよい。これらの機能は、搬送モーター駆動制御部38及び搬送モーター33を対象とした機能となる。また、搬送部29は、エンコーダーを備えてもよい。エンコーダーは、搬送モーター33の回転角度を検出可能なロータリーエンコーダーであってもよい。位置検出部42は、制御周期毎に、エンコーダーからの信号に基づいて、搬送駆動ローラー31A及び排出駆動ローラー32Aの位置を取得する。
このように、搬送モーター33は、媒体Mへの印刷に関する搬送駆動ローラー31A及び排出駆動ローラー32Aを駆動可能な駆動部の一例に相当する。また、搬送駆動ローラー31A及び排出駆動ローラー32Aは、駆動部による駆動対象物の一例に相当する。搬送モーター駆動制御部38は、駆動制御部の一例に相当する。
<第3実施形態の効果>
第3実施形態の効果について説明する。
(6)搬送駆動ローラー31A及び排出駆動ローラー32Aは、媒体Mを搬送するための駆動ローラーである。搬送モーター33は、搬送駆動ローラー31A及び排出駆動ローラー32Aを駆動させる駆動源である。このため、搬送駆動ローラー31A及び排出駆動ローラー32Aの目標速度と速度とに大きい差が生じた場合であっても、搬送駆動ローラー31A及び排出駆動ローラー32Aの加速度の変化を考慮した演算が行われる。したがって、搬送駆動ローラー31A及び排出駆動ローラー32Aの駆動の安定化を図ることができることにより、印刷品質の向上を図ることができる。
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・加速区間R1は、4つの制御区間に区分されたが、これに限らない。例えば、加速区間R1は、2つ、3つ、5つ以上の制御区間に区分されてもよく、複数の制御区間に区分されても複数の制御区間に区分されなくてもよい。
・減速区間R3は、4つの制御区間に区分されたが、これに限らない。例えば、減速区間R3は、2つ、3つ、5つ以上の制御区間に区分されてもよく、複数の制御区間に区分されても複数の制御区間に区分されなくてもよい。また、加速区間R1と減速区間R3とは、同数の制御区間に区分されても同数の制御区間に区分されなくてもよい。
・定速区間R2は、1つの制御区間として区分されたが、複数の制御区間として制御されてもよい。例えば、定速区間R2は、第1定速区間と、第2定速区間と、第3定速区間とに区分されてもよい。第1定速区間は、加速区間R1と連続する区間であってもよい。第3定速区間は、減速区間R3と連続する区間であってもよい。第2定速区間は、第1定速区間及び第3定速区間と連続する区間であってもよい。第1定速区間及び第3定速区間は、加速区間R1及び減速区間R3よりもキャリッジ22の速度及びキャリッジモーター26の動力負荷値が安定する制御区間である。第1定速区間及び第3定速区間は、第2定速区間よりもキャリッジ22の速度及びキャリッジモーター26の動力負荷値が安定しない制御区間である。
・第1加速区間R11を第1制御区間の一例とし、第2加速区間R12を第2制御区間の一例としたが、これに限らず、任意の制御区間を第1制御区間及び第2制御区間の一例としてもよい。詳しくは、第1制御区間と第2制御区間とは、加速区間R1、定速区間R2、減速区間R3のうち異なる制御区間であればよい。第1制御区間と第2制御区間とは、複数の制御区間のうち、連続する制御区間であっても連続しない制御区間であってもよい。
・移動区間Rに含まれる複数の制御区間のうち一部の制御区間においては、同じ躍度係数が設定されていてもよい。具体的な一例をあげると、第4加速区間R14に対応する躍度係数Kj14と、定速区間R2に対応する躍度係数Kj2とが同じであってもよい。例えば、第4加速区間R14に対応する躍度係数Kj14と、第1減速区間R31に対応する躍度係数Kj31とが同じであってもよい。
・移動区間Rに含まれる複数の制御区間のうち一部の制御区間においては、駆動対象物の躍度に基づいて制御値が演算されるが、その他の制御区間においては、駆動対象物の躍度に基づいて制御値が演算されなくてもよい。具体的な一例をあげると、加速区間R1及び減速区間R3においては、駆動対象物の躍度に基づいて制御値が演算されるが、定速区間R2においては、駆動対象物の躍度に基づいて制御値が演算されなくてもよい。また、例えば、第1加速区間R11及び第2加速区間R12においては、駆動対象物の躍度に基づいて制御値が演算されるが、第3加速区間R13及び第4加速区間R14においては、駆動対象物の躍度に基づいて制御値が演算されなくてもよい。また、例えば、第3減速区間R33及び第4減速区間R34においては、駆動対象物の躍度に基づいて制御値が演算されるが、第1減速区間R31及び第2減速区間R32においては、駆動対象物の躍度に基づいて制御値が演算されなくてもよい。駆動対象物の躍度に基づいて制御値が演算されない制御区間には、躍度係数が対応付けられていなくてもよい。
・印刷装置11は、キャリッジ22の移動速度が異なる複数のモードを選択可能であってもよい。複数のモードは、第1モードと、第2モードとを含んでもよい。第1モードは、第2モードよりもキャリッジ22の移動速度が高くてもよい。速度制御データは、第1モードに対応する第1速度制御データと、第2モードに対応する第2速度制御データとを含んでもよい。躍度係数は、第1モードに対応する係数と、第2モードに対応する係数とがあってもよく、同じ制御区間であっても、第1モードに対応する係数と、第2モードに対応する係数とが異なってもよい。
・躍度係数としては、正の値であっても負の値であってもよく、0である係数が含まれていてもよい。
・駆動対象物の躍度に基づく演算としては、躍度係数を乗算するものに限らない。例えば、駆動対象物の躍度に基づく演算としては、定数項である所定の係数が加算又は減算されるものであってもよい。
・搬送モーター33は、搬送駆動ローラー31Aを駆動させる駆動源であってもよい。搬送部29は、搬送モーター33とは別で、排出駆動ローラー32Aを駆動させる駆動源を備えてもよい。
・印刷装置11は、搬送部29とは別で、給送部を備えてもよく、給送部は、給送モーター30と、給送ローラーとを備えてもよい。
・媒体の印刷に関する駆動対象物を駆動させる駆動源であれば本発明を適用することができる。
・上記実施形態では、印刷装置11としてシリアル式プリンターが採用されたが、これに限らない。例えば、印刷装置11として、ラテラル式プリンターが採用されてもよく、ライン式プリンターが採用されてもよい。ラテラル式プリンターは、キャリッジが主走査方向と副走査方向との2方向に移動可能プリンターである。ライン式プリンターは、走査方向Xに一定のピッチで並ぶ複数のノズルを備え、媒体Mの幅に亘って液体を同時に吐出可能なプリンターである。
・印刷装置11は、インクジェット式プリンターに限定されず、ドットインパクト式プリンターでもよく、レーザー式プリンターであってもよい。
・媒体Mは、用紙に限定されず、樹脂製のフィルムやシート、樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートフィルム)、織物、不織布、金属箔、金属フィルム、セラミックシートなどであってもよい。また、媒体Mは、タオルや、シャツ等の衣料でもよい。
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)媒体への印刷に関する駆動対象物を駆動可能な駆動部と、前記駆動対象物の目標速度を指示する目標速度指示部と、前記駆動部によって駆動される前記駆動対象物の速度を検出する速度検出部と、前記速度検出部によって検出された前記駆動対象物の速度に基づいて前記駆動対象物の躍度を算出する躍度算出部と、前記目標速度指示部によって指示された前記駆動対象物の目標速度と、前記速度検出部によって検出された前記駆動対象物の速度と、前記躍度算出部によって算出された前記駆動対象物の躍度とに基づいて、前記駆動対象物の制御値を演算する演算部と、前記演算部によって演算された前記駆動対象物の制御値に基づいて前記駆動部を制御する駆動制御部と、を備える。
この構成によれば、駆動対象物の目標速度と駆動対象物の速度とに大きい差が生じた場合であっても、駆動対象物の目標速度及び駆動対象物の速度だけではなく、駆動対象物の加速度の変化を考慮した演算が行われる。したがって、駆動対象物の駆動の安定化を図ることができる。
(B)媒体に印刷を行うように構成される印刷部を備え、前記印刷部は、媒体に印刷を行うように構成される印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを搭載するキャリッジと、前記駆動部と、を有し、前記駆動対象物は、前記キャリッジであり、前記駆動部は、前記キャリッジを往復移動させる駆動源であってもよい。
この構成によれば、キャリッジの目標速度とキャリッジの速度とに大きい差が生じた場合であっても、キャリッジの目標速度及びキャリッジの速度だけではなく、キャリッジの加速度の変化を考慮した演算が行われる。したがって、キャリッジの駆動の安定化を図ることができることにより、印刷品質の向上を図ることができる。
(C)媒体を搬送するように構成される搬送部を備え、前記搬送部は、媒体を搬送するための駆動ローラーと、前記駆動部と、を有し、前記駆動対象物は、前記駆動ローラーであり、前記駆動部は、前記駆動ローラーを駆動させる駆動源であってもよい。
この構成によれば、搬送ローラーの目標速度と搬送ローラーの速度とに大きい差が生じた場合であっても、搬送ローラーの目標速度について、搬送ローラーの速度だけではなく、搬送ローラーの加速度の変化を考慮した演算が行われる。したがって、搬送ローラーの駆動の安定化を図ることができることにより、印刷品質の向上を図ることができる。
(D)前記演算部は、前記躍度算出部によって算出された前記駆動対象物の躍度と所定の係数との演算結果に基づいて、前記駆動対象物の制御値を演算してもよい。この構成によれば、(A)と同じような効果を奏する。
(E)前記駆動部が制御される区間は、複数の制御区間を含み、前記複数の制御区間は、第1制御区間と、第2制御区間とを含み、前記所定の係数は、第1係数と、前記第1係数とは異なる第2係数とを含み、前記複数の制御区間のそれぞれには係数が対応し、前記第1制御区間に対応する係数は、前記第1係数であり、前記第2制御区間に対応する係数は、前記第2係数であってもよい。
この構成によれば、駆動部が制御される制御区間が第1制御区間であるか第2制御区間であるかによって、係数を異ならせることができる。その結果、駆動部が制御される制御区間が第1制御区間であるか第2制御区間であるかを考慮した演算が行われる。したがって、駆動対象物の駆動の安定化を図ることができる。
(F)前記第1制御区間及び前記第2制御区間は、前記駆動対象物を加速させる制御区間であってもよい。
この構成によれば、同じように駆動対象物を加速させる制御区間であっても、駆動部が制御される制御区間が第1制御区間であるか第2制御区間であるかによって、係数を異ならせることができる。その結果、駆動部が制御される制御区間が第1制御区間であるか第2制御区間であるかを考慮した演算が行われる。したがって、駆動対象物の駆動の安定化を図ることができる。
(G)前記速度検出部は、制御周期毎に前記駆動対象物の速度を検出し、前記躍度算出部は、前記制御周期毎に前記駆動対象物の躍度を算出可能であり、前記速度検出部が前記駆動対象物の速度を検出するタイミングは、第1制御タイミングと、第2制御タイミングと、第3制御タイミングと、含み、前記第2制御タイミングは、前記第1制御タイミングから前記制御周期の1周期分の時間が経過した制御タイミングであり、前記第3制御タイミングは、前記第2制御タイミングから前記制御周期の1周期分の時間が経過した制御タイミングであり、前記速度検出部は、前記第1制御タイミングにおいて前記駆動対象物の速度として第1速度を検出し、前記第2制御タイミングにおいて前記駆動対象物の速度として第2速度を検出し、前記第3制御タイミングにおいて前記駆動対象物の速度として第3速度を検出し、前記躍度算出部は、前記速度検出部によって検出された前記第1速度と前記第2速度とに基づいて前記駆動対象物の第1加速度を算出し、前記第2速度と前記第3速度とに基づいて前記駆動対象物の第2加速度を算出し、前記第1加速度と前記第2加速度とに基づいて、躍度を算出してもよい。この構成によれば、(A)と同じような効果を奏する。
(H)前記演算部は、前記目標速度指示部によって指示された前記駆動対象物の目標速度と、前記速度検出部によって検出された前記駆動対象物の速度とに基づいて、前記駆動対象物の第1制御値を演算する第1演算部と、前記第1演算部によって演算された前記駆動対象物の第1制御値と、前記躍度算出部によって算出された前記駆動対象物の躍度とに基づいて、前記駆動対象物の第2制御値を演算する第2演算部と、を有し、前記駆動制御部は、前記第2演算部によって演算された前記駆動対象物の第2制御値に基づいて前記駆動部を制御してもよい。この構成によれば、(A)と同じような効果を奏する。
(I)媒体への印刷に関する駆動対象物を駆動可能な駆動部を備える印刷装置の制御方法であって、前記駆動対象物の目標速度を指示することと、前記駆動対象物の速度を検出することと、前記駆動対象物の速度に基づいて前記駆動対象物の躍度を算出することと、前記駆動対象物の目標速度と、前記駆動対象物の速度と、前記駆動対象物の躍度とに基づいて、前記駆動対象物の制御値を演算することと、前記駆動対象物の制御値に基づいて前記駆動部を制御することと、を含む。この構成によれば、(A)と同じような効果を奏する。
HP…ホーム位置、M…媒体、R…移動区間、R1…加速区間、R11…第1加速区間、R12…第2加速区間、R13…第3加速区間、R14…第4加速区間、R2…定速区間、R3…減速区間、R31…第1減速区間、R32…第2減速区間、R33…第3減速区間、R34…第4減速区間、TA…設定テーブル、X…走査方向、Y…搬送方向、Z…鉛直方向、11…印刷装置、12…本体、12A…排出口、13…操作パネル、14…表示部、15…操作部、15A…電源スイッチ、15B…選択スイッチ、15C…キャンセルスイッチ、16…給送トレイ、16A…エッジガイド、17…自動給送装置、18…排出スタッカー、19…本体フレーム、20…印刷部、21…ガイド軸、22…キャリッジ、23…カートリッジ、24…印刷ヘッド、25A…プーリー、25B…タイミングベルト、26…キャリッジモーター、27…エンコーダー、28…支持台、29…搬送部、30…給送モーター、31…搬送ローラー対、31A…搬送駆動ローラー、31B…搬送従動ローラー、32…排出ローラー対、32A…排出駆動ローラー、32B…排出従動ローラー、33…搬送モーター、34…メンテナンス部、34A…キャップ、35…印刷ヘッド駆動制御部、36…キャリッジモーター駆動制御部、37…給送モーター駆動制御部、38…搬送モーター駆動制御部、40…制御部、41…キャリッジモーター制御部、42…位置検出部、43…速度検出部、44…躍度算出部、45…速度プロファイル記憶部、46…目標速度指示部、47…第1演算部、48…第2演算部、49…演算部

Claims (9)

  1. 媒体への印刷に関する駆動対象物を駆動可能な駆動部と、
    前記駆動対象物の目標速度を指示する目標速度指示部と、
    前記駆動部によって駆動される前記駆動対象物の速度を検出する速度検出部と、
    前記速度検出部によって検出された前記駆動対象物の速度に基づいて前記駆動対象物の躍度を算出する躍度算出部と、
    前記目標速度指示部によって指示された前記駆動対象物の目標速度と、前記速度検出部によって検出された前記駆動対象物の速度と、前記躍度算出部によって算出された前記駆動対象物の躍度とに基づいて、前記駆動対象物の制御値を演算する演算部と、
    前記演算部によって演算された前記駆動対象物の制御値に基づいて前記駆動部を制御する駆動制御部と、を備える、
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    媒体に印刷を行うように構成される印刷部を備え、
    前記印刷部は、
    媒体に印刷を行うように構成される印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドを搭載するキャリッジと、
    前記駆動部と、を有し、
    前記駆動対象物は、前記キャリッジであり、
    前記駆動部は、前記キャリッジを往復移動させる駆動源である、
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1に記載の印刷装置において、
    媒体を搬送するように構成される搬送部を備え、
    前記搬送部は、
    媒体を搬送するための駆動ローラーと、
    前記駆動部と、を有し、
    前記駆動対象物は、前記駆動ローラーであり、
    前記駆動部は、前記駆動ローラーを駆動させる駆動源である、
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の印刷装置において、
    前記演算部は、前記躍度算出部によって算出された前記駆動対象物の躍度と所定の係数との演算結果に基づいて、前記駆動対象物の制御値を演算する、
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置において、
    前記駆動部が制御される区間は、複数の制御区間を含み、
    前記複数の制御区間は、第1制御区間と、第2制御区間とを含み、
    前記所定の係数は、第1係数と、前記第1係数とは異なる第2係数とを含み、
    前記複数の制御区間のそれぞれには係数が対応し、
    前記第1制御区間に対応する係数は、前記第1係数であり、
    前記第2制御区間に対応する係数は、前記第2係数である、
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置において、
    前記第1制御区間及び前記第2制御区間は、前記駆動対象物を加速させる制御区間である、
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1~請求項6のうち何れか一項に記載の印刷装置において、
    前記速度検出部は、制御周期毎に前記駆動対象物の速度を検出し、
    前記躍度算出部は、前記制御周期毎に前記駆動対象物の躍度を算出可能であり、
    前記速度検出部が前記駆動対象物の速度を検出するタイミングは、第1制御タイミングと、第2制御タイミングと、第3制御タイミングと、含み、
    前記第2制御タイミングは、前記第1制御タイミングから前記制御周期の1周期分の時間が経過した制御タイミングであり、
    前記第3制御タイミングは、前記第2制御タイミングから前記制御周期の1周期分の時間が経過した制御タイミングであり、
    前記速度検出部は、前記第1制御タイミングにおいて前記駆動対象物の速度として第1速度を検出し、前記第2制御タイミングにおいて前記駆動対象物の速度として第2速度を検出し、前記第3制御タイミングにおいて前記駆動対象物の速度として第3速度を検出し、
    前記躍度算出部は、前記速度検出部によって検出された前記第1速度と前記第2速度とに基づいて前記駆動対象物の第1加速度を算出し、前記第2速度と前記第3速度とに基づいて前記駆動対象物の第2加速度を算出し、前記第1加速度と前記第2加速度とに基づいて、躍度を算出する、
    ことを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1~請求項7のうち何れか一項に記載の印刷装置において、
    前記演算部は、
    前記目標速度指示部によって指示された前記駆動対象物の目標速度と、前記速度検出部によって検出された前記駆動対象物の速度とに基づいて、前記駆動対象物の第1制御値を演算する第1演算部と、
    前記第1演算部によって演算された前記駆動対象物の第1制御値と、前記躍度算出部によって算出された前記駆動対象物の躍度とに基づいて、前記駆動対象物の第2制御値を演算する第2演算部と、を有し、
    前記駆動制御部は、前記第2演算部によって演算された前記駆動対象物の第2制御値に基づいて前記駆動部を制御する、
    ことを特徴とする印刷装置。
  9. 媒体への印刷に関する駆動対象物を駆動可能な駆動部を備える印刷装置の制御方法であって、
    前記駆動対象物の目標速度を指示することと、
    前記駆動対象物の速度を検出することと、
    前記駆動対象物の速度に基づいて前記駆動対象物の躍度を算出することと、
    前記駆動対象物の目標速度と、前記駆動対象物の速度と、前記駆動対象物の躍度とに基づいて、前記駆動対象物の制御値を演算することと、
    前記駆動対象物の制御値に基づいて前記駆動部を制御することと、を含む、
    ことを特徴とする印刷装置の制御方法。
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