JP2023106889A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの始動性が確保されたハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】エンジンと駆動輪との動力伝達経路上に、クラッチ、モータが順に設けられたハイブリッド車両の制御装置において、前記クラッチが解放し前記モータの駆動中に前記エンジンの始動要求がある場合に、前記エンジンのスロットル開度を目標スロットル開度に制御して前記エンジンの燃焼を開始して前記クラッチを係合するエンジン始動制御を実行する始動制御部と、前記クラッチの係合前に前記エンジンの始動要求時でのアクセル開度に基づいて、前記クラッチの係合時での前記モータの回転数に対応した前記目標スロットル開度を算出する算出部と、を備えたハイブリッド車両の制御装置。
【選択図】図3
【解決手段】エンジンと駆動輪との動力伝達経路上に、クラッチ、モータが順に設けられたハイブリッド車両の制御装置において、前記クラッチが解放し前記モータの駆動中に前記エンジンの始動要求がある場合に、前記エンジンのスロットル開度を目標スロットル開度に制御して前記エンジンの燃焼を開始して前記クラッチを係合するエンジン始動制御を実行する始動制御部と、前記クラッチの係合前に前記エンジンの始動要求時でのアクセル開度に基づいて、前記クラッチの係合時での前記モータの回転数に対応した前記目標スロットル開度を算出する算出部と、を備えたハイブリッド車両の制御装置。
【選択図】図3
Description
本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
エンジンと駆動輪との動力伝達経路上に、クラッチ、モータが順に設けられたハイブリッド車両が知られている(例えば特許文献1参照)。
クラッチが解放しモータの駆動中にエンジン始動要求があると、エンジンでの燃焼が開始されエンジン回転数をモータ回転数に同期させてクラッチが係合することにより、エンジンの始動が完了する。ここで、エンジン回転数がモータ回転数に対して低すぎたり又は高すぎたりすると、クラッチを係合するのに時間を要したり、クラッチの係合時にショックが発生するなど、エンジンの始動性が低下するおそれがある。
そこで本発明は、エンジンの始動性が確保されたハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的は、エンジンと駆動輪との動力伝達経路上に、クラッチ、モータが順に設けられたハイブリッド車両の制御装置において、前記クラッチが解放し前記モータの駆動中に前記エンジンの始動要求がある場合に、前記エンジンのスロットル開度を目標スロットル開度に制御して前記エンジンの燃焼を開始して前記クラッチを係合するエンジン始動制御を実行する始動制御部と、前記クラッチの係合前に前記エンジンの始動要求時でのアクセル開度に基づいて、前記クラッチの係合時での前記モータの回転数に対応した前記目標スロットル開度を算出する算出部と、を備えたハイブリッド車両の制御装置によって達成できる。
本発明によれば、エンジンの始動性が確保されたハイブリッド車両の制御装置を提供できる。
[ハイブリッド車両の概略構成]
図1は、ハイブリッド車両1の概略構成図である。ハイブリッド車両1には、エンジン10から駆動輪13までの動力伝達経路に、K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び変速機19が順に設けられている。エンジン10及びモータ15は、ハイブリッド車両1の走行用駆動源として搭載されている。エンジン10は、例えばV型6気筒ガソリンエンジンであるが気筒数はこれに限定されず、直列型のガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び変速機19は、変速ユニット11内に設けられている。変速ユニット11と左右の駆動輪13とは、プロペラシャフト12a及びディファレンシャル12を介して駆動連結されている。
図1は、ハイブリッド車両1の概略構成図である。ハイブリッド車両1には、エンジン10から駆動輪13までの動力伝達経路に、K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び変速機19が順に設けられている。エンジン10及びモータ15は、ハイブリッド車両1の走行用駆動源として搭載されている。エンジン10は、例えばV型6気筒ガソリンエンジンであるが気筒数はこれに限定されず、直列型のガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び変速機19は、変速ユニット11内に設けられている。変速ユニット11と左右の駆動輪13とは、プロペラシャフト12a及びディファレンシャル12を介して駆動連結されている。
K0クラッチ14は、同動力伝達経路上のエンジン10とモータ15との間に設けられている。K0クラッチ14は、解放状態から油圧の供給を受けて係合状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を接続する。K0クラッチ14は、油圧供給の停止に応じて解放状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を遮断する。係合状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が連結しエンジン10とモータ15が同じ回転数となっている状態である。解放状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が離れた状態である。
モータ15は、インバータ17を介してバッテリ16に接続されている。モータ15は、バッテリ16からの給電に応じて車両の駆動力を発生するモータとして機能し、更にエンジン10や駆動輪13からの動力伝達に応じてバッテリ16に充電する電力を発電する発電機としても機能する。モータ15とバッテリ16との間で授受される電力は、インバータ17により調整されている。
インバータ17は、後述するECU100によって制御され、バッテリ16からの直流電圧を交流電圧に変換し、またはモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換する。モータ15がトルクを出力する力行運転の場合、インバータ17はバッテリ16の直流電圧を交流電圧に変換してモータ15に供給される電力を調整する。モータ15が発電する回生運転の場合、インバータ17はモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ16に供給される電力を調整する。
トルクコンバータ18は、トルク増幅機能を有した流体継ぎ手である。変速機19は、ギア段の切替えにより変速比を多段階に切替える有段式の自動変速機であるが、これに限定されず無段式の自動変速機であってもよい。変速機19は、動力伝達経路上のモータ15と駆動輪13の間に設けられている。トルクコンバータ18を介して、モータ15と変速機19とが連結されている。トルクコンバータ18には、油圧の供給を受けて係合状態となってモータ15と変速機19とを直結するロックアップクラッチ20が設けられている。
変速ユニット11には、更にオイルポンプ21と油圧制御機構22とが設けられている。オイルポンプ21で発生した油圧は、油圧制御機構22を介して、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、変速機19、及びロックアップクラッチ20にそれぞれ供給されている。油圧制御機構22には、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、変速機19、及びロックアップクラッチ20のそれぞれの油圧回路と、それらの作動油圧を制御するための各種の油圧制御弁と、が設けられている。尚、トルクコンバータ18の代わりに湿式クラッチが設けられていてもよい。
ハイブリッド車両1には、同車両の制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)100が設けられている。ECU100は、車両の走行制御に係る各種演算処理を行う演算処理回路と、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリと、を備える電子制御ユニットである。ECU100は、ハイブリッド車両の制御装置の一例であり、詳しくは後述する始動制御部及び算出部を機能的に実現する。
ECU100は、エンジン10及びモータ15の駆動を制御する。具体的にはECU100は、エンジン10のスロットル開度、点火時期、燃料噴射量を制御することにより、エンジン10の回転数やトルクを制御する。ECU100は、インバータ17を制御してモータ15とバッテリ16との間での電力の授受量を調整することで、モータ15の回転数やトルクを制御する。またECU100は、油圧制御機構22の制御を通じて、K0クラッチ14やロックアップクラッチ20、変速機19の駆動制御を行う。
ECU100には、イグニッションスイッチ71、クランク角センサ72、モータ回転数センサ73、アクセル開度センサ74、エアフローメータ75、及び圧力センサ76からの信号が入力される。クランク角センサ72は、エンジン10のクランクシャフトの回転速度を検出する。モータ回転数センサ73は、モータ15の出力軸の回転速度を検出する。アクセル開度センサ74は、運転者のアクセルペダルの踏込量であるアクセルペダル開度を検出する。エアフローメータ75は、エンジン10の吸入空気量を検出する。圧力センサ76は、後述するスロットル弁40よりも下流側の吸気通路35内の圧力(以下、インマニ圧と称する)を検出する。
ECU100は、モータモード及びハイブリッドモードの何れかの走行モードでハイブリッド車両を走行させる。モータモードでは、ECU100はK0クラッチ14を解放し、モータ15の動力により走行する。ハイブリッドモードでは、ECU100はK0クラッチ14を係合状態に切り替えて少なくともエンジン10の動力により走行する。尚、ハイブリッドモードには、エンジン10のみの動力で走行するモード、モータ15を力行運転させてエンジン10及びモータ15の双方を動力源として走行するモードを含む。
走行モードの切り替えは、車速やアクセル開度から求められた車両の要求駆動力と、バッテリ16の充電状態などに基づいて行われる。例えば、要求駆動力が比較的小さくバッテリ16の蓄電量を示すSOC(State Of Charge)が比較的高い場合には、燃費を向上させるためにエンジン10を停止したモータモードが選択される。要求駆動力が比較的大きい場合やバッテリ16のSOCが比較的低い場合には、エンジン10が駆動したハイブリッドモードが選択される。
ECU100は、ハイブリッドモードにおいて、所定の停止条件が成立した場合にエンジン10を自動停止させ、所定の始動条件が成立した場合に自動停止したエンジン10を始動させる間欠運転制御を実行する。例えばECU100は、ハイブリッドモードにおいてアクセル開度がゼロになった場合に、自動停止条件が成立したものとしてエンジン10を自動停止させる。また、ECU100は、アクセル開度がゼロよりも大きくなった場合に、始動条件が成立したものとしてエンジン10を自動で始動させる。尚、エンジン10を自動停止させる際には、ECU100はK0クラッチ14を解放して燃料噴射を停止する。エンジン10を自動で始動させる際には、ECU100はK0クラッチ14を介してモータ15によりエンジン10をクランキングして燃料噴射及び点火を開始し、その後にK0クラッチ14を係合させる。
[エンジンの概略構成]
図2は、エンジン10の概略構成図である。エンジン10は、気筒30、ピストン31、コネクティングロッド32、クランク軸33、吸気通路35、吸気弁36、排気通路37、及び排気弁38を有している。図2には、エンジン10が有する複数の気筒30のうちの一つのみが表示されている。気筒30では混合気の燃焼が行われる。ピストン31は、各気筒30に往復動可能に収容され、エンジン10の出力軸であるクランク軸33にコネクティングロッド32を介して連結されている。コネクティングロッド32は、ピストン31の往復運動をクランク軸33の回転運動に変換する。
図2は、エンジン10の概略構成図である。エンジン10は、気筒30、ピストン31、コネクティングロッド32、クランク軸33、吸気通路35、吸気弁36、排気通路37、及び排気弁38を有している。図2には、エンジン10が有する複数の気筒30のうちの一つのみが表示されている。気筒30では混合気の燃焼が行われる。ピストン31は、各気筒30に往復動可能に収容され、エンジン10の出力軸であるクランク軸33にコネクティングロッド32を介して連結されている。コネクティングロッド32は、ピストン31の往復運動をクランク軸33の回転運動に変換する。
吸気通路35は、各気筒30の吸気ポートに吸気弁36を介して接続されている。排気通路37は、各気筒30の排気ポートに排気弁38を介して接続されている。吸気通路35には、エアフローメータ75、圧力センサ76、及び吸入空気量を調整するスロットル弁40が設けられている。排気通路37には排気浄化用の触媒43が設けられている。
気筒30には筒内噴射弁41が設けられている。筒内噴射弁41は気筒30内に直接燃料を噴射する。尚、筒内噴射弁41の代わりに、又は筒内噴射弁41に加えて、吸気ポートに向けて燃料を噴射するポート噴射弁が設けられていてもよい。各気筒30には、吸気通路35を通じて導入された吸気と筒内噴射弁41が噴射した燃料との混合気を火花放電により点火する点火装置42が設けられている。
このように構成されたエンジン10に対してモータ15の駆動中に始動要求があると、エンジン10での燃焼が開始されエンジン回転数をモータ回転数に同期させてK0クラッチ14が係合することにより、エンジン10の始動が完了する。ここで、エンジン回転数がモータ回転数に対して低すぎたり高くなりすぎたりすると、K0クラッチ14を係合するのに時間を要したり、K0クラッチ14の係合時にショックが発生したり、エンジン10の始動性が低下するおそれがある。そこでECU100は、エンジン10の始動制御での目標スロットル開度の算出制御を実行する。
[目標スロットル開度の算出制御]
図3は、ECU100が実行する目標スロットル開度の算出制御の一例を示したフローチャートである。本制御では、イグニッションがオンの状態で所定の周期ごとに繰り返し実行される。ECU100は、モータ15の駆動中にエンジン10の始動要求があるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1でNoの場合には、本制御は終了する。ステップS1でYesの場合にECU100は、詳しくは後述するがアクセル開度に基づいて、エンジン始動制御でのK0クラッチ14の係合時のモータ回転数を予測する(ステップS2)。
図3は、ECU100が実行する目標スロットル開度の算出制御の一例を示したフローチャートである。本制御では、イグニッションがオンの状態で所定の周期ごとに繰り返し実行される。ECU100は、モータ15の駆動中にエンジン10の始動要求があるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1でNoの場合には、本制御は終了する。ステップS1でYesの場合にECU100は、詳しくは後述するがアクセル開度に基づいて、エンジン始動制御でのK0クラッチ14の係合時のモータ回転数を予測する(ステップS2)。
次にECU100は、予測されたモータ回転数をエンジン目標回転数に設定する(ステップS3)。次にECU100は、エンジン目標回転数から目標スロットル開度を算出する(ステップS4)。図4は、エンジン目標回転数と目標スロットル開度との関係を規定したマップである。横軸はエンジン目標回転数[rpm]を示し、縦軸は目標スロットル開度[deg]を示している。図4のマップは、エンジン始動制御においてエンジン10の実回転数がエンジン目標回転数にまで早期に上昇するのに適した目標スロットル開度を規定している。図4に示すように、エンジン目標回転数が高いほど、目標スロットル開度が増大するに規定されている。これにより、エンジン目標回転数に対応させてエンジン10に導入される吸入空気量を増大させることができる。上述したようにエンジン目標回転数は予測されたモータ回転数であるため、K0クラッチ14の係合時でのモータ回転数に対応した目標スロットル開度が算出される。
また、図4には冷却水の温度が低温の場合と高温の場合とを示している。図4のマップでは、冷却水の温度が低いほど、目標スロットル開度が増大するように規定されている。エンジン10の温度が低いほど、エンジン10のフリクショントルクは増加する傾向があるからであり、これを補うように目標スロットル開度が規定されている。ECU100は、図4のマップを参照して目標スロットル開度を算出する。ステップS2~S4は、算出部が実行する処理の一例である。
尚、図4のマップではエンジン目標回転数に対して目標スロットル開度が直線状に変化するが、これに限定されず、曲線状に変化してもよい。また、上記のようなマップに限定されず、エンジン目標回転数と冷却水の温度とを引数とする演算式により目標スロットル開度を算出してもよい。また、冷却水の温度の代わりにエンジン10を潤滑する潤滑油の温度を用いてもよい。
次にECU100は、スロットル開度を目標スロットル開度に制御してエンジン10の始動制御を実行する(ステップS5)。以上のように、K0クラッチ14が係合する前に、アクセル開度に基づいてK0クラッチ14の係合時での予測モータ回転数に対応した目標スロットル開度が算出されて、エンジン10の始動制御が実行される。このため、エンジン回転数をモータ回転数に精度よく同期させてK0クラッチ14を係合することができ、エンジン10の始動性が確保されている。ステップS5は始動制御部が実行する処理の一例である。
[モータ回転数の予測制御]
図5は、モータ回転数の予測制御の一例を示したフローチャートである。ECU100は、アクセル開度センサ74に基づいて、エンジン10の始動要求時のアクセル開度と、単位時間当たりのアクセル開度変化率を算出する(ステップS11)。次に、ECU100は、エンジン10の始動時でのアクセル開度を予測する(ステップS12)。具体的には、エンジン10の始動要求があってからエンジン10が始動するまでに要する時間に、アクセル開度変化率を乗算して、この乗算して得られた値に現時点でのアクセル開度を加算することにより、エンジン始動時でのアクセル開度を予測する。
図5は、モータ回転数の予測制御の一例を示したフローチャートである。ECU100は、アクセル開度センサ74に基づいて、エンジン10の始動要求時のアクセル開度と、単位時間当たりのアクセル開度変化率を算出する(ステップS11)。次に、ECU100は、エンジン10の始動時でのアクセル開度を予測する(ステップS12)。具体的には、エンジン10の始動要求があってからエンジン10が始動するまでに要する時間に、アクセル開度変化率を乗算して、この乗算して得られた値に現時点でのアクセル開度を加算することにより、エンジン始動時でのアクセル開度を予測する。
次にECU100は、予測されたアクセル開度に基づいて、エンジン始動時でのエンジン10への要求トルクを予測する(ステップS13)。具体的には以下のようにしてエンジン始動時でのエンジン10への要求トルクを予測する。
ECU100は、予測されたアクセル開度から、図6Aのマップを参照してハイブリッド車両1への要求トルク(以下、車両要求トルクと称する)を算出する。図6Aは、アクセル開度毎のペラ軸トルクとペラ軸回転数との関係を規定したマップである。縦軸はペラ軸トルク[N・m]を示し、横軸はペラ軸回転数[rpm]を示している。ペラ軸トルク及びペラ軸回転数は、プロペラシャフト12aのトルク及び回転数である。ペラ軸トルクが車両要求トルクに相当する。図6Aには、アクセル開度が0%、50%、及び100%の場合を一例として示している。ECU100のメモリには、このような変速段毎のマップが記憶されている。図6Aに示すように、アクセル開度が増大するほどペラ軸トルク、即ち車両要求トルクが増大する。ECU100は、予測されたアクセル開度と現時点での変速段に基づいて、車両要求トルクを算出する。次に、車両要求トルクに現時点でのモータ回転数を乗算して、ハイブリッド車両1への要求出力(以下、車両要求出力と称する)を算出する。
次に、車両要求出力にバッテリ16の充放電要求に基づく出力(以下、充放電要求出力と称する)を加算することにより、エンジン10への要求出力(以下、エンジン要求出力と称する)を算出する。充放電要求出力は、バッテリ16への充電要求がある場合には正の値として算出され、バッテリ16への放電要求がある場合には負の値として算出され、バッテリ16への充放電要求がない場合には0として算出される。次に、エンジン要求出力を現時点でのエンジン回転数で除算することにより、エンジン10への要求トルク(以下、エンジン要求トルクと称する)を算出する。
次にECU100は、このようにして算出されたエンジン要求トルクに基づいて、予測モータ回転数を算出する(ステップS14)。具体的には、ECU100は図6Bのマップを参照して、エンジン要求トルクからK0クラッチ14の係合時のモータ回転数を予測する。図6Bは、車両要求トルクとモータ回転数との関係を規定したマップである。縦軸は車両要求トルク[N・m]を示し、横軸はモータ回転数[rpm]を示す。図6Bには等出力線を点線で示し、変速段に応じた回転数とトルクとの関係を細線で示し、実際のハイブリッド車両1の動作線を太線で示している。例えば、現在のハイブリッド車両1の運転状態が動作点P1を示し変速段が3速である場合であってエンジン要求トルクT2の場合には、エンジン10の始動時での予測される変速段は4段であり予測モータ回転数は回転数R2である。このようにアクセル開度に基づいてK0クラッチ14の係合時でのモータ回転数を予測することができる。
[目標スロットル開度の算出制御の変形例]
図7は、目標スロットル開度の算出制御の変形例を示したフローチャートである。尚、図3と同一の処理については同一の符号を付して重複する説明を省略する。ステップS1でYesの場合、ECU100はモータ回転数センサ73によりモータ回転数を取得する(ステップS2a)。次に、ECU100は取得したモータ回転数をエンジン目標回転数に設定する(ステップS3a)。
図7は、目標スロットル開度の算出制御の変形例を示したフローチャートである。尚、図3と同一の処理については同一の符号を付して重複する説明を省略する。ステップS1でYesの場合、ECU100はモータ回転数センサ73によりモータ回転数を取得する(ステップS2a)。次に、ECU100は取得したモータ回転数をエンジン目標回転数に設定する(ステップS3a)。
次にECU100は、アクセル開度センサ74により検出されたアクセル開度に基づいてエンジン目標回転数を補正する(ステップS3b)。具体的には、以下のようにして算出された補正係数をエンジン目標回転数に乗算することにより、エンジン目標回転数を補正する。図8は、アクセル開度とエンジン目標回転数を補正するための補正係数との関係を規定したマップである。横軸はアクセル開度[deg]を示し、縦軸は補正係数[-]を示している。補正係数は1以上の値である。図8に示すように、アクセル開度が増大するほど補正係数も増大する。エンジン10の始動要求時でのアクセル開度が大きいほど、K0クラッチ14の係合時でのモータ回転数も増大すると予測できるからである。尚、図8のマップでは、アクセル開度に対して補正係数が直線状に変化するが、これに限定されず曲線状に変化してもよい。また、上記のようなマップに限定されず、アクセル開度を引数とする演算式により補正係数を算出してもよい。
次にECU100は、図4のマップを参照して補正されたエンジン目標回転数に基づいて目標スロットル開度を算出し(ステップS4)、スロットル開度を目標スロットル開度に制御してエンジン10の始動制御を実行する(ステップS5)。以上のようにK0クラッチ14の係合前に、アクセル開度に基づいてK0クラッチ14の係合時のモータ回転数に対応した目標スロットル開度が算出されて、エンジン10の始動制御が実行される。これによりエンジン10の始動性を確保することができる。ステップS2a~S4は、算出部が実行する処理の一例である。ステップS5は、始動制御部が実行する処理の一例である。
上記実施例では、モータ15によりエンジン10をクランキングした例を説明したが、これに限定されずスタータモータによりエンジン10をクランキングしてもよい。
上記実施例では、単一のECU100によりハイブリッド車両を制御する場合を例示したが、これに限定されない。例えばエンジン10を制御するエンジンECU、モータ15を制御するモータECU、K0クラッチ14を制御するクラッチECU、これらのECUを統合制御するハイブリッドECU等の複数のECUによって、上述した制御を実行してもよい。例えば上述したステップS1~S3、S3a、及びS3bをハイブリッドECUが実行し、ステップS4及びS5をエンジンECUが実行してもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 エンジン
14 K0クラッチ
15 モータ
40 スロットル弁
100 ECU(始動制御部、算出部)
14 K0クラッチ
15 モータ
40 スロットル弁
100 ECU(始動制御部、算出部)
Claims (1)
- エンジンと駆動輪との動力伝達経路上に、クラッチ、モータが順に設けられたハイブリッド車両の制御装置において、
前記クラッチが解放し前記モータの駆動中に前記エンジンの始動要求がある場合に、前記エンジンのスロットル開度を目標スロットル開度に制御して前記エンジンの燃焼を開始して前記クラッチを係合するエンジン始動制御を実行する始動制御部と、
前記クラッチの係合前に前記エンジンの始動要求時でのアクセル開度に基づいて、前記クラッチの係合時での前記モータの回転数に対応した前記目標スロットル開度を算出する算出部と、を備えたハイブリッド車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022007877A JP2023106889A (ja) | 2022-01-21 | 2022-01-21 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022007877A JP2023106889A (ja) | 2022-01-21 | 2022-01-21 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023106889A true JP2023106889A (ja) | 2023-08-02 |
Family
ID=87473662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022007877A Pending JP2023106889A (ja) | 2022-01-21 | 2022-01-21 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023106889A (ja) |
-
2022
- 2022-01-21 JP JP2022007877A patent/JP2023106889A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20240320 |