JP2023112870A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の停止位置のばらつきが抑制された車両の制御装置を提供することを課題とする。【解決手段】走行動力源である内燃機関を備えた車両の制御装置において、前記内燃機関の燃焼が停止した惰性回転中に前記内燃機関のスロットル開度を一時的に増大させてから減少させることにより、前記内燃機関の停止位置制御を実行する停止位置制御部と、前記停止位置制御の実行中に、前記内燃機関のスロットル弁よりも下流側の吸気通路内の圧力であるインマニ圧の目標値として、前記内燃機関の惰性回転を停止可能な目標インマニ圧を算出する算出部と、大気圧よりも低い上限値を設定する設定部と、前記停止位置制御の実行中に前記目標インマニ圧が前記上限値以下となった場合に、前記インマニ圧が前記目標インマニ圧にまで上昇するように前記スロットル開度を増大させるスロットル制御部と、を備えた車両の制御装置。【選択図】図4

Description

本発明は、車両の制御装置に関する。
内燃機関の燃焼が停止した惰性回転中に内燃機関のスロットル開度を一時的に増大させてから減少させることにより、内燃機関の停止位置制御を実行する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2020-147276号公報
上記の停止位置制御において、スロットル開度を増大させるタイミングにばらつきがあると、内燃機関の停止位置にもばらつきが生じるおそれがある。
そこで本発明は、内燃機関の停止位置のばらつきが抑制された車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的は、走行動力源である内燃機関を備えた車両の制御装置において、前記内燃機関の燃焼が停止した惰性回転中に前記内燃機関のスロットル開度を一時的に増大させてから減少させることにより、前記内燃機関の停止位置制御を実行する停止位置制御部と、前記停止位置制御の実行中に、前記内燃機関のスロットル弁よりも下流側の吸気通路内の圧力であるインマニ圧の目標値として、前記内燃機関の惰性回転を停止可能な目標インマニ圧を算出する算出部と、大気圧よりも低い上限値を設定する設定部と、前記停止位置制御の実行中に前記目標インマニ圧が前記上限値以下となった場合に、前記インマニ圧が前記目標インマニ圧にまで上昇するように前記スロットル開度を増大させるスロットル制御部と、を備えた車両の制御装置によって達成できる。
前記スロットル開度を増大させてから前記インマニ圧が前記上限値にまで上昇するのに必要な上昇必要時間を予測する予測部を備え、前記算出部は、現時点から前記上昇必要時間が経過した直後の前記内燃機関の吸気弁の閉弁時期での前記目標インマニ圧を算出してもよい。
前記予測部は、現時点での前記内燃機関の回転数が高いほど前記上昇必要時間を長く予測してもよい。
前記予測部は、現時点での前記インマニ圧と前記上限値との差圧が大きいほど、前記上昇必要時間を長く予測してもよい。
前記予測部は、前記上限値が高いほど前記上昇必要時間を長く予測してもよい。
前記算出部は、前記内燃機関の回転数の低下率と、前記閉弁時期で予測される前記内燃機関の回転数とに基づいて、前記目標インマニ圧を算出してもよい。
前記算出部は、前記閉弁時期で予測される前記内燃機関の回転数が低いほど前記目標インマニ圧を低い値として算出してもよい。
前記算出部は、前記低下率が大きいほど前記目標インマニ圧を低い値として算出してもよい。
前記設定部は、前記車両の車速が速いほど前記上限値を高い値に設定してもよい。
本発明によれば、内燃機関の停止位置のばらつきが抑制された車両の制御装置を提供できる。
図1は、ハイブリッド車両の概略構成図である。 図2は、エンジンの概略構成図である。 図3は、停止位置制御の一例を示したタイミングチャートである。 図4は、ECUが実行するスロットル制御の一例を示したフローチャートである。 図5は、スロットル開度が開度A1に維持される場合の一例を示したタイミングチャートである。 図6は、スロットル開度が開度A2に切り替えられる場合の一例を示したタイミングチャートである。 図7は、車速と上限値との関係を規定したマップの一例である。 図8Aは、エンジン回転数と上昇必要時間との関係を規定したマップの一例であり、図8Bは、上限値と上昇必要時間との関係を規定したマップの一例である。 図9は、エンジン回転数と目標インマニ圧との関係を規定したマップの一例である。
[ハイブリッド車両の概略構成]
図1は、ハイブリッド車両1の概略構成図である。ハイブリッド車両1には、エンジン10から駆動輪13までの動力伝達経路に、K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び変速機19が順に設けられている。エンジン10及びモータ15はハイブリッド車両1の走行動力源として搭載されている。エンジン10は、例えばV型6気筒ガソリンエンジンであるが気筒数はこれに限定されず、直列型のガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び変速機19は、変速ユニット11内に設けられている。変速ユニット11と左右の駆動輪13とは、ディファレンシャル12を介して駆動連結されている。
K0クラッチ14は、同動力伝達経路上のエンジン10とモータ15との間に設けられている。K0クラッチ14は、解放状態から油圧の供給を受けて係合状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を接続する。K0クラッチ14は、油圧供給の停止に応じて解放状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を遮断する。係合状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が連結しエンジン10とモータ15が同じ回転数となっている状態である。解放状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が離れた状態である。
モータ15は、インバータ17を介してバッテリ16に接続されている。モータ15は、バッテリ16からの給電に応じて車両の駆動力を発生するモータとして機能し、更にエンジン10や駆動輪13からの動力伝達に応じてバッテリ16に充電する電力を発電する発電機としても機能する。モータ15とバッテリ16との間で授受される電力は、インバータ17により調整されている。
インバータ17は、後述するECU100によって制御され、バッテリ16からの直流電圧を交流電圧に変換し、またはモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換する。モータ15がトルクを出力する力行運転の場合、インバータ17はバッテリ16の直流電圧を交流電圧に変換してモータ15に供給される電力を調整する。モータ15が発電する回生運転の場合、インバータ17はモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ16に供給される電力を調整する。
トルクコンバータ18は、トルク増幅機能を有した流体継ぎ手である。変速機19は、ギア段の切替えにより変速比を多段階に切替える有段式の自動変速機であるが、これに限定されず無段式の自動変速機であってもよい。変速機19は、動力伝達経路上のモータ15と駆動輪13の間に設けられている。トルクコンバータ18を介して、モータ15と変速機19とが連結されている。トルクコンバータ18には、油圧の供給を受けて係合状態となってモータ15と変速機19とを直結するロックアップクラッチ20が設けられている。
変速ユニット11には、更にオイルポンプ21と油圧制御機構22とが設けられている。オイルポンプ21で発生した油圧は、油圧制御機構22を介して、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、変速機19、及びロックアップクラッチ20にそれぞれ供給されている。油圧制御機構22には、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、変速機19、及びロックアップクラッチ20のそれぞれの油圧回路と、それらの作動油圧を制御するための各種の油圧制御弁と、が設けられている。尚、トルクコンバータ18の代わりに湿式クラッチが設けられていてもよい。
ハイブリッド車両1には、同車両の制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)100が設けられている。ECU100は、車両の走行制御に係る各種演算処理を行う演算処理回路と、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリと、を備える電子制御ユニットである。ECU100は車両の制御装置の一例であり、詳しくは後述する停止位置制御部、算出部、設定部、スロットル制御部、及び予測部を機能的に実現する。
ECU100は、エンジン10及びモータ15の駆動を制御する。具体的にはECU100は、エンジン10のスロットル開度、点火時期、燃料噴射量を制御することにより、エンジン10のトルクや回転数を制御する。ECU100は、インバータ17を制御してモータ15とバッテリ16との間での電力の授受量を調整することで、モータ15の回転数やトルクを制御する。またECU100は、油圧制御機構22の制御を通じて、K0クラッチ14やロックアップクラッチ20、変速機19の駆動制御を行う。
ECU100には、イグニッションスイッチ71、クランク角センサ72、モータ回転数センサ73、車速センサ74、エアフローメータ75、圧力センサ76、及び大気圧センサ77からの信号が入力される。クランク角センサ72は、エンジン10のクランクシャフトの回転数、即ちエンジン回転数を検出する。モータ回転数センサ73は、モータ15の出力軸の回転速度を検出する。車速センサ74は、ハイブリッド車両1の走行速度を検出する。エアフローメータ75は、エンジン10の吸入空気量を検出する。圧力センサ76は、後述するスロットル弁40よりも下流側の吸気通路37内の圧力(以下、インマニ圧と称する)を検出する。大気圧センサ77は、大気圧を検出する。
ECU100は、モータモード及びハイブリッドモードの何れかの走行モードでハイブリッド車両を走行させる。モータモードでは、ECU100はK0クラッチ14を解放し、モータ15の動力により走行する。ハイブリッドモードでは、ECU100はK0クラッチ14を係合状態に切り替えて少なくともエンジン10の動力により走行する。尚、ハイブリッドモードには、エンジン10のみの動力で走行するモード、モータ15を力行運転させてエンジン10及びモータ15の双方を動力源として走行するモードを含む。
走行モードの切り替えは、車速やアクセル開度から求められた車両の要求駆動力と、バッテリ16の充電状態などに基づいて行われる。例えば、要求駆動力が比較的小さくバッテリ16の蓄電量を示すSOC(State Of Charge)が比較的高い場合には、燃費を向上させるためにエンジン10を停止したモータモードが選択される。要求駆動力が比較的大きい場合やバッテリ16のSOCが比較的低い場合には、エンジン10が駆動したハイブリッドモードが選択される。
ECU100は、所定の停止条件が成立した場合にエンジン10を自動停止させ、所定の再始動条件が成立した場合に自動停止したエンジン10を再始動させる間欠運転制御を実行する。例えばECU100は、ハイブリッドモードにおいてアクセル開度がゼロになった場合に、自動停止条件が成立したものとしてエンジン10を自動停止させる。また、ECU100は、例えばアクセル開度がゼロよりも大きくなった場合に、再始動条件が成立したものとしてエンジン10を自動で再始動させる。自動停止の際には、ECU100はK0クラッチ14を解放して燃焼を停止する。自動再始動の際には、ECU100はK0クラッチ14を介してモータ15によりエンジン10をクランキングして燃焼を開始し、その後にK0クラッチ14を係合させる。また、エンジン10の自動停止の際に燃焼が停止し惰性回転中に、再びアクセル開度が増大して再始動条件が成立すると、燃焼が開始されてK0クラッチ14が係合する。
[エンジンの概略構成]
図2は、エンジン10の概略構成図である。エンジン10は、気筒30、ピストン31、コネクティングロッド32、クランク軸33、吸気通路35、吸気弁36、排気通路37、及び排気弁38を有している。図2には、エンジン10が有する複数の気筒30のうちの一つのみが表示されている。気筒30では混合気の燃焼が行われる。ピストン31は、各気筒30に往復動可能に収容され、エンジン10の出力軸であるクランク軸33にコネクティングロッド32を介して連結されている。コネクティングロッド32は、ピストン31の往復運動をクランク軸33の回転運動に変換する。
吸気通路35は、各気筒30の吸気ポートに吸気弁36を介して接続されている。排気通路37は、各気筒30の排気ポートに排気弁38を介して接続されている。吸気通路35には、エアフローメータ75、圧力センサ76、及び吸入空気量を調整するスロットル弁40が設けられている。排気通路37には排気浄化用の触媒43が設けられている。
気筒30には筒内噴射弁41が設けられている。筒内噴射弁41は気筒30内に直接燃料を噴射する。尚、筒内噴射弁41の代わりに、又は筒内噴射弁41に加えて、吸気ポートに向けて燃料を噴射するポート噴射弁が設けられていてもよい。各気筒30には、吸気通路35を通じて導入された吸気と筒内噴射弁41が噴射した燃料との混合気を火花放電により点火する点火装置42が設けられている。
[エンジンの停止位置制御]
エンジン10での燃焼が停止した惰性回転中に、スロットル開度を一時的に増大して減少することによりエンジン10の停止位置を制御する停止位置制御が実行される。詳細には、停止位置制御は、エンジン10の惰性回転中に所定の気筒30内に充填される吸気量を確保することにより、コンプレッショントルクを増大させてエンジン10の停止位置を所望の停止位置とする制御である。エンジン10の停止位置を所望の停止位置とすることにより、エンジン10の再始動の際にモータ15に要求されるエンジン10のクランキングトルクが少なくて済む。このため、例えばモータモードでの走行中にエンジン10を再始動させる際に、モータ15の出力トルクのうちクランキングトルクに消費される分が抑制される。これにより、モータ15の出力トルクのうちハイブリッド車両1の走行に消費されるトルクを確保することができ、モータモードで走行できる運転領域を確保して燃費の向上を図ることができる。
図3は、エンジン10の停止位置制御の一例を示したタイミングチャートである。図3には、エンジン回転数[rpm]、スロットル開度[deg]、及びインマニ圧[kPa]の推移を示している。エンジン10の燃焼が停止してスロットル開度が、開度A1に制御されてエンジン回転数が低下する(時刻t1)。開度A1は0に近い値であり0であってもよい。次に所定のタイミングでスロットル開度が開度A1から開度A2に増大し(時刻t2)、所定の時間スロットル開度が開度A2に維持される。開度A2は、0よりも最大開度に近い値である。次にスロットル開度は開度A2から開度A3に減少する(時刻t3)。開度A3は0に近い値であり0であってもよい。このようなスロットル開度の一時的な増大により、スロットル弁40よりも下流側の吸気通路35内に吸気が導入され、インマニ圧が目標インマニ圧近傍にまで増大する(時刻t4)。目標インマニ圧は、エンジン10を停止するのに適したインマニ圧の目標値である。目標インマニ圧については詳しくは後述する。
次に、吸気行程にある気筒30の吸気弁36が閉じることにより、スロットル弁40よりも下流側に導入された吸気の一部がその気筒30内に充填される(時刻t5)。次に吸気行程となる気筒30の吸気弁36が閉じることにより、その気筒30内に吸気の一部が充填される(時刻t6)。尚、吸気弁36が閉じる際のインマニ圧が高いほど、その気筒30内に充填される吸気量は増大する。その後に、最初に吸気が充填された気筒30のピストン31が膨張行程に位置し、次に吸気が充填された気筒30のピストン31が圧縮行程に位置して、エンジン10の回転が停止する(時刻t7)。ここで、ピストン31が膨張行程で停止した気筒30を膨張行程停止気筒と称し、ピストン31が圧縮行程で停止した気筒30を圧縮行程停止気筒と称する。その後にインマニ圧は大気圧へ戻る(時刻t8)。
以上により、膨張行程停止気筒及び圧縮行程停止気筒のそれぞれに充填された吸気の圧縮反力が釣り合う位置でエンジン10は停止する。これにより、エンジン10の再始動の際には、モータ15によりK0クラッチ14を介してエンジン10のクランキングを開始して圧縮行程停止気筒から燃焼を開始することができ、再始動性を確保することができる。停止位置制御は停止位置制御部が実行する処理の一例である。
[スロットル制御]
次に停止位置制御において実行されるスロットル制御について説明する。図4は、ECU100が実行するスロットル制御の一例を示したフローチャートである。本制御では、イグニッションがオンの状態で所定の周期ごとに繰り返し実行される。ECU100は、エンジン10が停止位置制御の実行中であるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1でNoの場合には、本制御は終了する。
ステップS1でYesの場合にECU100は、上限値及び下限値を設定する(ステップS2)。上限値は、大気圧センサ77により検出された大気圧よりも低い値に設定される。下限値は、上限値よりも低い値に設定される。上限値及び下限値の設定については詳しくは後述する。ステップS2は、設定部が実行する処理の一例である。
次にECU100は、スロットル開度を仮に開度A1から開度A2に増大して所定時間だけ開度A2に維持した場合に、インマニ圧が上限値にまで上昇するのに必要な上昇必要時間を予測する(ステップS3)。上昇必要時間の予測の詳細については後述する。ステップS3は、予測部が実行する処理の一例である。
次にECU100は、現時点から上昇必要時間経過直後での吸気弁36の閉弁時期での目標インマニ圧を算出する(ステップS4)。目標インマニ圧は、詳しくは後述するがエンジン10の惰性回転を停止可能なインマニ圧の目標値である。ステップS4は、算出部が実行する処理の一例である。
次にECU100は、目標インマニ圧が上限値以下であって下限値以上であるか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5でNoの場合には、ECU100はスロットル開度を開度A1に維持する(ステップS6)。ステップS5でYesの場合には、ECU100はインマニ圧が目標インマニ圧となるように所定時間だけスロットル開度を開度A2に維持する(ステップS7)。次にECU100は、スロットル開度を開度A3に維持する(ステップS8)。
次に、停止位置制御においてスロットル開度が開度A1に維持される場合について説明する。図5は、スロットル開度が開度A1に維持される場合の一例を支援したタイミングチャートである。図5には、複数の気筒30のそれぞれの吸気弁36の閉弁時期C1、C2、及びC3を示している。尚、ECU100は、閉弁時期C1等の各気筒30の吸気弁36の閉弁時期に対応するクランク角を把握している。図5の例では、現在時刻t11の直近の閉弁時期C1は上昇必要時間中であるため閉弁時期C1での目標インマニ圧は算出されずに、上昇必要時間が経過した時刻t12の直後の閉弁時期C2での目標インマニ圧が算出される(ステップS4)。図5の例では、目標インマニ圧は上限値よりも高い値であるため、現在時刻t11ではステップS5でNoと判定され、スロットル開度は開度A1に維持される(ステップS6)。
次に、停止位置制御においてスロットル開度が開度A1から開度A2に切り替えられる場合について説明する。図6は、スロットル開度が開度A2に切り替えられる場合の一例を示したタイミングチャートである。現在時刻t21から上昇必要時間が経過した時刻t22の直後の閉弁時期C3での目標インマニ圧を算出される(ステップS4)。図6の例では、目標インマニ圧は上限値と下限値との間にあるため、現在時刻t21ではステップS5でYesと判定され、スロットル開度はインマニ圧が目標インマニ圧となるように所定時間だけ開度A2に維持される(ステップS7)。これにより閉弁時期C3ではインマニ圧は目標インマニ圧近傍にまで上昇し、閉弁時期C3及びC4のそれぞれに対応した気筒30の充填吸気量を、エンジン10の惰性回転を停止可能な程度に確保することができる。尚、閉弁時期C3及びC4は、上述した膨張行程停止気筒及び圧縮行程停止気筒に対応する。
以上のように、スロットル開度が開度A1から開度A2に増大するタイミングを、目標インマニ圧が上限値以下であって下限値以上となった時点とする。これにより、膨張行程停止気筒の吸気弁36が閉じたタイミングでのインマニ圧のばらつきを抑制でき、膨張行程停止気筒での充填吸気量のばらつきを抑制できる。同様に、圧縮行程停止気筒の吸気弁36が閉じたタイミングでのインマニ圧のばらつきを抑制でき、圧縮行程停止気筒での充填吸気量のばらつきを抑制できる。これにより、エンジン10の惰性回転を停止させるコンプレッショントルクのばらつきも抑制され、エンジン10の停止位置のばらつきを抑制することができる。
[上限値の設定方法]
次に上限値の設定方法について説明する。図7は、車速と上限値との関係を規定したマップの一例である。横軸は車速[km/h]を示し、縦軸は上限値[kPa]を示している。このマップは予め実験結果等に基づいて作成されECU100のメモリに記憶されている。ECU100はこのマップを参照して、車速センサ74により検出された車速に基づいて上限値を設定する。図7に示すように、車速が速いほど上限値は高い値に設定される。
ここで、上限値が高いほど目標インマニ圧も高い値として算出されるが、インマニ圧が高いほど膨張行程停止気筒及び圧縮行程停止気筒のそれぞれでの充填空気量は増大し、惰性回転中でのエンジン10のコンプレッショントルクが増大する。これにより、エンジン10の振動が増大して搭乗者に不快感を与えるおそれがある。しかしながら車速が速い場合には、搭乗者はこのようなエンジン10の振動を感じ難くなる。このため、車速が高いほど上限値は高い値に設定することにより、搭乗者に不快感を与えない範囲で早期にエンジン10の惰性回転を停止させることができる。尚、上限値は車速によらずに少なくとも大気圧よりも低い値に設定される。インマニ圧を大気圧よりも高くすることはできないからである。
また、図7のマップで規定している上限値は、再始動性を考慮して高くなりすぎないように設定されている。上限値が大気圧以下であっても高すぎると、膨張行程停止気筒や圧縮行程停止気筒での充填吸気量が多くなりすぎる。これにより、エンジン10の停止直後や惰性回転中での再始動の際に、コンプレッショントルクが高くなりすぎて再始動性が損なわれるおそれがあるからである。
図7の例では、車速に対して上限値が直線状に変化する場合を例に示したがこれに限定されず、曲線状に変化してもよい。また、車速を引数とする演算式により上限値を算出してもよい。
[下限値の設定方法]
下限値は、大気圧よりも所定値だけ低い値に設定される。下限値は、停止位置のばらつきやエンジン10の再始動性をも考慮して低くなりすぎないように設定される。下限値が低すぎると、目標インマニ圧も低い値として算出され、コンプレッショントルクが低下してエンジン10の停止位置にばらつきが生じるおそれがあるからである。また、エンジン10の再始動の際には圧縮行程停止気筒から燃焼を開始するが、下限値が低すぎると圧縮行程停止気筒内の充填吸気量を確保することができずに、再始動性が低下するおそれがあるからである。
[上昇必要時間の予測方法]
上昇必要時間の予測方法について説明する。図8Aは、エンジン回転数と上昇必要時間との関係を規定したマップの一例である。横軸はエンジン回転数[rpm]を示し、縦軸は上昇必要時間[ms]を示している。このマップは予め実験結果等に基づいて作成されECU100のメモリに記憶されている。ECU100はこのマップを参照して、クランク角センサ72により検出されたエンジン回転数に基づいて上昇必要時間を予測する。図8Aに示すように、エンジン回転数が高いほど上昇必要時間は長期化する。エンジン回転数が高い方が低い場合よりも、スロットル開度が開度A1に維持されている状態でのインマニ圧は低くなるからである。
また、図8Aには、圧力センサ76により検出されたインマニ圧と上限値との差圧が大きい場合と小さい場合とを示している。この差圧が大きい方が小さい場合よりも上昇必要時間は長期化する。尚、圧力センサ76により検出されたインマニ圧とは、上昇必要時間を予測する現時点で圧力センサ76により検出されたインマニ圧を示す。換言すれば、スロットル開度が開度A1に維持されている状態でのインマニ圧である。
図8Bは、上限値と上昇必要時間との関係を規定したマップの一例である。横軸は上限値[kPa]を示し、縦軸は上昇必要時間[ms]を示している。ECU100はこのマップをも参照して、上限値に基づいて上昇必要時間を予測する。図8Bに示すように、上限値が大気圧に近いほど上昇必要時間は長期化する。インマニ圧が上昇して大気圧に近くなるほど、インマニ圧の上昇速度は緩やかになり、インマニ圧が上限値にまで上昇するのに必要な時間が長期化するからである。
図8A及び図8Bの例では、エンジン回転数及び上限値に対して上昇必要時間が直線状に変化する場合を例に示したがこれに限定されず、曲線状に変化してもよい。また、エンジン回転数、差圧、及び上限値を引数とする演算式により上昇必要時間を算出してもよい。
[目標インマニ圧の算出方法]
次に目標インマニ圧の算出方法について説明する。上述したように目標インマニ圧は、エンジン10の惰性回転を停止可能なインマニ圧の目標値である。ここで、エンジン10の惰性回転中は、エンジン10のイナーシャトルクIT、フリクショントルクFT、及びコンプレッショントルクCTは以下の関係が成立する。
IT>FT+CT…(1)
イナーシャトルクITは、エンジン10の正回転方向でのトルクを示す。フリクショントルクFT及びコンプレッショントルクCTは、エンジン10の逆回転方向でのトルクを示す。イナーシャトルクITはエンジン回転数に比例し、エンジン回転数が低いほどイナーシャトルクITも低下する。フリクショントルクFTはエンジン回転数の低下率に比例し、エンジン回転数の低下率が大きいほどフリクショントルクFTも大きい。コンプレッショントルクCTは、膨張行程停止気筒及び圧縮行程停止気筒のそれぞれの充填吸気量が多いほど増大する。ここで、膨張行程停止気筒及び圧縮行程停止気筒のそれぞれの充填吸気量は、吸気弁36の閉弁時期でのインマニ圧が高いほど増大する。即ち、吸気弁36の閉弁時期でのインマニ圧が高いほど、コンプレッショントルクCTも増大する。
エンジン10の惰性回転は、以下の式が成立する場合には停止する。
IT-FT=CT…(2)
このため、式(2)が成立する場合でのインマニ圧を目標インマニ圧としてECU100は算出する、具体的には、ECU100は以下のマップを参照して目標インマニ圧を算出する。図9は、エンジン回転数と目標インマニ圧との関係を規定したマップの一例である。横軸はエンジン回転数[rpm]を示し、縦軸は目標インマニ圧[kPa]を示す。また、図9には、エンジン回転数の低下率が小さい場合と大きい場合とを示している。図9に示す目標インマニ圧は、上述した式(2)の関係を満たす。図9に示すように、エンジン回転数が低いほど目標インマニ圧は低い値として算出される。上述したようにエンジン回転数が低いほどイナーシャトルクITも低下し、上記の式(2)が成立する場合のコンプレッショントルクCTも小さくて済むからである。また、図9に示すように、エンジン回転数の低下率が大きいほど、目標インマニ圧は低い値として算出される。上述したようにエンジン回転数の低下率が大きいほどフリクショントルクFTも大きく、上記の式(2)が成立する場合のコンプレッショントルクCTも小さくて済むからである。
例えば図5に示した例では、現在時刻t11でのエンジン回転数R1と、エンジン回転数の低下率とに基づいて、閉弁時期C2でのエンジン回転数R2を予測する。エンジン回転数の低下率はエンジン回転数の単位時間当たりの変化量に基づいて算出し、エンジン回転数の低下率は一定であるものとみなして閉弁時期C2でのエンジン回転数R2を予測する。ECU100は図9のマップを参照して、エンジン回転数R2と低下率とに基づいて、目標インマニ圧を算出する。図5の例では、目標インマニ圧は上限値よりも高い値として算出される。
同様に図6に示した例では、現在時刻t21でのエンジン回転数R1aとエンジン回転数の低下率とに基づいて、閉弁時期C3でのエンジン回転数R3を予測する。ECU100は図9のマップを参照して、エンジン回転数R3と低下率とに基づいて、目標インマニ圧を算出する。図6の例では、目標インマニ圧は上限値と下限値との間の値として算出される。
図9の例では、エンジン回転数に対して目標インマニ圧が直線状に変化する場合を例に示したがこれに限定されず、曲線状に変化してもよい。また、エンジン回転とエンジン回転数の低下率とを引数とする演算式により目標インマニ圧を算出してもよい。
尚、ステップS2で下限値を設定したが、必ずしもこれに限定されず下限値を設定しなくてもよい。目標インマニ圧が上限値以下となった場合に直ちにスロットル開度を増大させることができれば、膨張行程停止気筒及び圧縮行程停止気筒での充填吸気量のばらつきを抑制して、停止位置のばらつきを抑制できるからである。
上記実施例では、単一のECU100によりハイブリッド車両を制御する場合を例示したが、これに限定されず、例えばエンジン10を制御するエンジンECU、モータ15を制御するモータECU、K0クラッチ14を制御するクラッチECU等の複数のECUによって、上述した制御を実行してもよい。
上記実施例では、ハイブリッド車両1を例に説明したがこれに限定されない。例えば走行動力源としてエンジンのみが設けられており、アイドリングストップ機能によりエンジンの自動停止と自動再始動が行われるエンジン車両に対しても、本実施例の停止位置制御を適用できる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 ハイブリッド車両(車両)
10 エンジン(内燃機関)
40 スロットル弁
100 ECU(車両の制御装置、停止位置制御部、算出部、設定部、スロットル制御部、予測部)

Claims (9)

  1. 走行動力源である内燃機関を備えた車両の制御装置において、
    前記内燃機関の燃焼が停止した惰性回転中に前記内燃機関のスロットル開度を一時的に増大させてから減少させることにより、前記内燃機関の停止位置制御を実行する停止位置制御部と、
    前記停止位置制御の実行中に、前記内燃機関のスロットル弁よりも下流側の吸気通路内の圧力であるインマニ圧の目標値として、前記内燃機関の惰性回転を停止可能な目標インマニ圧を算出する算出部と、
    大気圧よりも低い上限値を設定する設定部と、
    前記停止位置制御の実行中に前記目標インマニ圧が前記上限値以下となった場合に、前記インマニ圧が前記目標インマニ圧にまで上昇するように前記スロットル開度を増大させるスロットル制御部と、を備えた車両の制御装置。
  2. 前記スロットル開度を増大させてから前記インマニ圧が前記上限値にまで上昇するのに必要な上昇必要時間を予測する予測部を備え、
    前記算出部は、現時点から前記上昇必要時間が経過した直後の前記内燃機関の吸気弁の閉弁時期での前記目標インマニ圧を算出する、請求項1の車両の制御装置。
  3. 前記予測部は、現時点での前記内燃機関の回転数が高いほど前記上昇必要時間を長く予測する、請求項2の車両の制御装置。
  4. 前記予測部は、現時点での前記インマニ圧と前記上限値との差圧が大きいほど、前記上昇必要時間を長く予測する、請求項2又は3の車両の制御装置。
  5. 前記予測部は、前記上限値が高いほど前記上昇必要時間を長く予測する、請求項2乃至4の車両の制御装置。
  6. 前記算出部は、前記内燃機関の回転数の低下率と、前記閉弁時期で予測される前記内燃機関の回転数とに基づいて、前記目標インマニ圧を算出する、請求項2乃至5の車両の制御装置。
  7. 前記算出部は、前記閉弁時期で予測される前記内燃機関の回転数が低いほど前記目標インマニ圧を低い値として算出する、請求項6の車両の制御装置。
  8. 前記算出部は、前記低下率が大きいほど前記目標インマニ圧を低い値として算出する、請求項6又は7の車両の制御装置。
  9. 前記設定部は、前記車両の車速が速いほど前記上限値を高い値に設定する、請求項1乃至8の何れかの車両の制御装置。
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