JP2023124394A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの始動性が確保されたハイブリッド車両の制御装置を提供する。【解決手段】エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられたモータ、エンジンとモータとの間に設けられたクラッチ、クランク角センサを有したハイブリッド車両の制御装置において、停止したエンジンの始動要求がある場合にエンジンをクランキングするのに要求される要求トルクをモータが出力することによりエンジンを始動する始動制御部と、エンジンの停止時での第1角度及び第1角度からエンジンの正回転方向の所定範囲内で検出可能な第2角度を取得するクランク角取得部と、エンジンの停止時でのクランク角が第1及び第2角度であった場合にそれぞれエンジンをクランキングするのに必要となる第1及び第2必要トルクを算出する算出部と、第1及び第2必要トルクのうち大きい方を要求トルクとして選択する選択部とを備えたハイブリッド車両の制御装置。【選択図】図5

Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
エンジン、エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられたモータ、動力伝達経路上におけるエンジンとモータとの間に設けられたクラッチ、及びエンジンのクランク角を検出するクランク角センサ、を有したハイブリッド車両が知られている。このようなハイブリッド車両では、停止したエンジンの始動要求がある場合に、クラッチを介してエンジンをクランキングするのに要求される要求トルクをモータが出力することにより、エンジンを始動させる(例えば特許文献1参照)。
特開2013-091466号公報
エンジンをクランキングするのに必要となるトルクは、エンジンの停止時のクランク角に応じて異なる。従って、エンジンの停止時のクランク角に応じてモータが出力するトルクを変更することが考えられる。しかしながら、クランク角を検出するクランク角センサの検出分解能には、一定の制限がある。このため、エンジンの停止時にクランク角センサにより検出されたクランク角と、エンジン停止時の実際のクランク角とに差が生じ、クランキングのためのトルクが不足してエンジンの始動性が低下するおそれがある。
そこで本発明は、エンジンの始動性が確保されたハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的は、エンジン、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられたモータ、前記動力伝達経路上における前記エンジンと前記モータとの間に設けられたクラッチ、及び前記エンジンのクランク角を検出するクランク角センサ、を有したハイブリッド車両の制御装置において、停止した前記エンジンの始動要求がある場合に、前記クラッチを介して前記エンジンをクランキングするのに要求される要求トルクを前記モータが出力することにより前記エンジンを始動する始動制御部と、前記エンジンの停止時での前記クランク角センサにより検出された第1角度、及び前記第1角度から前記エンジンの正回転方向の所定範囲内で前記クランク角センサにより検出可能な第2角度、を取得するクランク角取得部と、前記エンジンの停止時での前記クランク角が前記第1及び第2角度であった場合にそれぞれ前記エンジンをクランキングするのに必要となる第1及び第2必要トルクを算出する算出部と、前記第1及び第2必要トルクのうち大きい方を前記要求トルクとして選択する選択部と、を備えたハイブリッド車両の制御装置によって達成可能である。
前記クランク角取得部は、前記第1角度から前記エンジンの逆回転方向で前記クランク角センサにより検出可能な第3角度を更に取得し、前記算出部は、前記エンジンの停止時で前記クランク角が前記第3角度であった場合に前記エンジンをクランキングするのに必要となる第3必要トルクを更に算出し、前記選択部は、前記第1、第2、及び第3必要トルクのうち最大値を前記要求トルクとして選択してもよい。
前記エンジンのスロットル弁よりも下流側の吸気通路内の圧力を取得する圧力取得部を備え、前記算出部は、前記圧力が高いほど前記第1及び第2必要トルクを大きく算出してもよい。
前記算出部は、前記エンジンが停止してからの経過時間が長いほど前記第1及び第2必要トルクを小さく算出してもよい。
本発明によれば、エンジンの始動性が確保されたハイブリッド車両の制御装置を提供できる。
図1は、ハイブリッド車両の概略構成図である。 図2は、エンジンの概略構成図である。 図3Aは、クランク角を検出するための構造の説明図であり、図3Bは、クランク角センサが出力するパルス信号の説明図である。 図4は、モータのトルクと回転数との関係を示したマップである。 図5は、ECUが実行するエンジン始動制御の一例を示したフローチャートである。 図6は、エンジンの停止時でのクランク角に応じてエンジンをクランキングするのに必要となる必要トルクを規定したマップの一例である。
[ハイブリッド車両の概略構成]
図1は、ハイブリッド車両1の概略構成図である。ハイブリッド車両1には、エンジン10から駆動輪13までの動力伝達経路に、K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び変速機19が順に設けられている。エンジン10及びモータ15はハイブリッド車両1の走行用動力源として搭載されている。エンジン10は、例えばV型6気筒ガソリンエンジンであるが気筒数はこれに限定されず、直列型のガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び変速機19は、変速ユニット11内に設けられている。変速ユニット11と左右の駆動輪13とは、ディファレンシャル12を介して駆動連結されている。
K0クラッチ14は、同動力伝達経路上のエンジン10とモータ15との間に設けられている。K0クラッチ14は、解放状態から油圧の供給を受けて係合状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を接続する。K0クラッチ14は、油圧供給の停止に応じて解放状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を遮断する。係合状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が連結しエンジン10とモータ15が同じ回転数となっている状態である。解放状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が離れた状態である。
モータ15は、インバータ17を介してバッテリ16に接続されている。モータ15は、バッテリ16からの給電に応じて車両の駆動力を発生するモータとして機能し、更にエンジン10や駆動輪13からの動力伝達に応じてバッテリ16に充電する電力を発電する発電機としても機能する。モータ15とバッテリ16との間で授受される電力は、インバータ17により調整されている。
インバータ17は、後述するECU100によって制御され、バッテリ16からの直流電圧を交流電圧に変換し、またはモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換する。モータ15がトルクを出力する力行運転の場合、インバータ17はバッテリ16の直流電圧を交流電圧に変換してモータ15に供給される電力を調整する。モータ15が発電する回生運転の場合、インバータ17はモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ16に供給される電力を調整する。
トルクコンバータ18は、トルク増幅機能を有した流体継ぎ手である。変速機19は、ギア段の切替えにより変速比を多段階に切替える有段式の自動変速機であるが、これに限定されず無段式の自動変速機であってもよい。変速機19は、動力伝達経路上のモータ15と駆動輪13の間に設けられている。トルクコンバータ18を介して、モータ15と変速機19とが連結されている。トルクコンバータ18には、油圧の供給を受けて係合状態となってモータ15と変速機19とを直結するロックアップクラッチ20が設けられている。
変速ユニット11には、更にオイルポンプ21と油圧制御機構22とが設けられている。オイルポンプ21で発生した油圧は、油圧制御機構22を介して、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、変速機19、及びロックアップクラッチ20にそれぞれ供給されている。油圧制御機構22には、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、変速機19、及びロックアップクラッチ20のそれぞれの油圧回路と、それらの作動油圧を制御するための各種の油圧制御弁と、が設けられている。尚、トルクコンバータ18の代わりに湿式クラッチが設けられていてもよい。
ハイブリッド車両1には、同ハイブリッド車両としてのECU(Electronic Control Unit)100が設けられている。ECU100は、車両の走行制御に係る各種演算処理を行う演算処理回路と、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリと、を備える電子制御ユニットである。ECU100はハイブリッド車両の一例であり、詳しくは後述する始動制御部、クランク角取得部、算出部、選択部、及び圧力取得部を機能的に実現する。
ECU100は、エンジン10及びモータ15の駆動を制御する。具体的にはECU100は、エンジン10のスロットル開度、点火時期、燃料噴射量を制御することにより、エンジン10のトルクや回転数を制御する。ECU100は、インバータ17を制御してモータ15とバッテリ16との間での電力の授受量を調整することで、モータ15の回転数やトルクを制御する。またECU100は、油圧制御機構22の制御を通じて、K0クラッチ14やロックアップクラッチ20、変速機19の駆動制御を行う。
ECU100には、イグニッションスイッチ71、クランク角センサ72、モータ回転数センサ73、アクセル開度センサ74、エアフローメータ75、圧力センサ76、及び水温センサ77からの信号が入力される。クランク角センサ72は、エンジン10のクランクシャフトの回転速度を検出する。モータ回転数センサ73は、モータ15の出力軸の回転速度を検出する。アクセル開度センサ74は、運転者のアクセルペダルの踏込量であるアクセルペダル開度を検出する。エアフローメータ75は、エンジン10の吸入空気量を検出する。圧力センサ76は、後述するスロットル弁40よりも下流側の吸気通路35内の圧力(以下、インマニ圧と称する)を検出する。水温センサ77は、エンジン10の冷却水の温度を検出する。
ECU100は、モータモード及びハイブリッドモードの何れかの走行モードでハイブリッド車両を走行させる。モータモードでは、ECU100はK0クラッチ14を解放し、モータ15の動力により走行する。ハイブリッドモードでは、ECU100はK0クラッチ14を係合状態に切り替えて少なくともエンジン10の動力により走行する。尚、ハイブリッドモードには、エンジン10のみの動力で走行するモードや、モータ15を力行運転させてエンジン10及びモータ15の双方を動力源として走行するモードを含む。
走行モードの切り替えは、車速やアクセル開度から求められた車両の要求駆動力と、バッテリ16の充電状態などに基づいて行われる。例えば、要求駆動力が比較的小さくバッテリ16の蓄電量を示すSOC(State Of Charge)が比較的高い場合には、燃費を向上させるためにエンジン10を停止したモータモードが選択される。要求駆動力が比較的大きい場合やバッテリ16のSOCが比較的低い場合には、エンジン10が駆動したハイブリッドモードが選択される。
ECU100は、所定の停止条件が成立した場合にエンジン10を自動停止させ、所定の始動条件が成立した場合に自動停止したエンジン10を始動させる間欠運転制御を実行する。例えばECU100は、ハイブリッドモードにおいてアクセル開度がゼロになった場合に、自動停止条件が成立したものとしてエンジン10を自動停止させる。また、ECU100は、例えばアクセル開度がゼロよりも大きくなった場合に、始動条件が成立したものとしてエンジン10を自動で始動させる始動制御を実行する。自動停止の際には、ECU100はK0クラッチ14を解放して燃焼を停止する。自動始動の際には、ECU100はK0クラッチ14を介してモータ15によりエンジン10をクランキングして燃焼を開始し、その後にK0クラッチ14を係合させる。
[エンジンの概略構成]
図2は、エンジン10の概略構成図である。エンジン10は、気筒30、ピストン31、コネクティングロッド32、クランク軸33、吸気通路35、吸気弁36、排気通路37、及び排気弁38を有している。図2には、エンジン10が有する複数の気筒30のうちの一つのみが表示されている。気筒30では混合気の燃焼が行われる。ピストン31は、各気筒30に往復動可能に収容され、エンジン10の出力軸であるクランク軸33にコネクティングロッド32を介して連結されている。コネクティングロッド32は、ピストン31の往復運動をクランク軸33の回転運動に変換する。
吸気通路35は、各気筒30の吸気ポートに吸気弁36を介して接続されている。排気通路37は、各気筒30の排気ポートに排気弁38を介して接続されている。吸気通路35には、エアフローメータ75、圧力センサ76、及び吸入空気量を調整するスロットル弁40が設けられている。排気通路37には排気浄化用の触媒43が設けられている。
気筒30には筒内噴射弁41が設けられている。筒内噴射弁41は気筒30内に直接燃料を噴射する。尚、筒内噴射弁41の代わりに、又は筒内噴射弁41に加えて、吸気ポートに向けて燃料を噴射するポート噴射弁が設けられていてもよい。各気筒30には、吸気通路35を通じて導入された吸気と筒内噴射弁41が噴射した燃料との混合気を火花放電により点火する点火プラグ42が設けられている。
[クランク角の検出構造]
図3Aは、クランク角を検出するための構造の説明図である。クランク角センサ72は、エンジン10のクランク軸33の回転角の変化に応じた信号を出力する。クランク軸33には、クランクロータ34が固定されている。クランク角センサ72は、磁石及び磁気抵抗素子を内蔵したセンサ回路から構成され、クランクロータ34の回転により磁気抵抗素子にかかる磁気ベクトルが変化することでパルス信号を生成する磁気抵抗素子式のセンサである。
クランクロータ34は、外周に複数の突起341が周方向に10°CAの間隔で形成され、その外周の一カ所に突起341が欠けた欠歯部342を備えている。この欠歯部342は、突起の2つ分の幅(30°CA分の幅)を有している。クランク角センサ72は、クランク軸33と一体回転するクランクロータ34の複数の突起341の通過に対応してパルス信号を出力する。ECU100は、パルス信号を計数することでクランク角を算出する。またECU100は、パルス信号がそれまでの出力間隔の2回分の期間継続して出力されなかった後にパルス信号が出力されたときには、それに基づいて欠歯部342を検知する。ECU100は、算出されているクランク角を、欠歯部342が検知されるときに算出されるはずのクランク角の値に更新する。ECU100は、このようにしてクランク角を算出し、単位時間当りのクランク軸33の回転速度を示すエンジン回転数を算出する。
図3Bは、クランク角センサ72が出力するパルス信号の説明図である。本実施例では、クランク角センサ72はクランク軸33が10°CA回転する毎に、クランクロータ34の突起341に対応したパルス信号を出力する。また、70°CA、80°CAと、図示はしていないが430°CA、440°CAとは、クランクロータ34の欠歯部342に対応しており、この区間ではクランク角センサ72はパルス信号を出力しない。尚、欠歯部342の範囲や数はこれに限定されない。
[モータの最大トルクとクランキングに必要なトルク]
図4は、モータ15のトルクと回転数との関係を示したマップである。縦軸はモータ15のトルクを示し、横軸はモータ15の回転数を示している。図4での実線は、モータ15が出力可能な最大トルクを示している。モータ15の回転数が低い場合に最大トルクは高く、モータ15の回転数が高くなるほど最大トルクは低下する。ここで、モータ15は上述したエンジン10をクランキングに必要なトルクを余剰トルクとして常時確保しておく必要がある。このため、モータモードで走行可能な運転領域は、最大トルクからクランキングに必要なトルク分を除算した範囲となる。
モータモードでの走行領域が広いほど、エンジン10の駆動頻度を抑制することができるため燃費が向上する。このため、クランキングに必要なトルクは、エンジン10の始動性に影響のない範囲でできるだけ低いことが好ましい。エンジン10のクランキングの際には、モータ15はエンジン10の回転の抵抗となる回転抵抗トルクに打ち勝つだけのトルクを出力する必要がある。エンジン10の回転抵抗トルクは、エンジン10の停止時のクランク角によって変動する。本実施例では、ECU100はこのようなエンジン10の停止時のクランク角に対応したトルクをモータ15から出力させることにより、エンジン10を始動する。以下に詳しく説明する。
[エンジン始動制御]
図5は、ECU100が実行するエンジン始動制御の一例を示したフローチャートである。本制御は、イグニッションがオンの場合に実行される。ECU100は、クランク角センサ72からのパルス信号に基づいてエンジン10の回転が停止しているか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1でNoの場合には本制御を終了する。ステップS1でYesの場合、ECU100はエンジン10の始動要求があるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2でNoの場合には本制御を終了する。ステップS2でNoの場合には本制御を終了する。
次に、ECU100はクランク角センサ72に基づいて第1~第3角度を取得する(ステップS3)。第1角度は、エンジン10が停止状態でクランク角センサ72により検出されたクランク角である。第2角度は、第1角度からエンジン10の正回転方向の所定範囲内でクランク角センサ72により検出可能なクランク角である。第3角度は、第1角度からエンジン10の逆回転方向の所定範囲内でクランク角センサ72により検出可能なクランク角である。本実施例では、第2角度として、第1角度からエンジン10が正回転した場合に第1角度の次にクランク角センサ72により検出される角度を示している。また、第3角度として、第1角度が検出される直前にクランク角センサ72により検出されたクランク角である。換言すれば、第2及び第3角度は、クランク角センサ72により検出可能なクランク角であって、第1角度の前後のクランク角である。
例えば図3Bに示すように、第1角度が50°CAの場合、第2及び第3角度はそれぞれ60°CA及び40°CAである。第1角度が60°CAの場合には、第2及び第3角度はそれぞれ90°CA及び50°CAである。第1角度が90°CAの場合には、第2及び第3角度はそれぞれ100°CA及び60°CAである。ステップS3は、クランク角取得部が実行する処理の一例である。
次にECU100は、圧力センサ76に基づいてインマニ圧を取得する(ステップS4)。ステップS5は、圧力取得部が実行する処理の一例である。次にECU100は、エンジン10の停止からの経過時間を算出する(ステップS5)。
次に、ECU100は、上述した第1~第3角度とインマニ圧とエンジン10の回転停止からの経過時間とに基づいて、図6のマップを参照して第1~第3必要トルクを算出する(ステップS6)。図6は、エンジン10の停止時でのクランク角に応じてエンジン10をクランキングするのに必要となる必要トルクを規定したマップの一例である。図6のマップは、縦軸は必要トルクを示し、横軸はクランク角を示す。従って第1~第3必要トルクは、エンジン10の回転停止時のクランク角が第1~第3角度であった場合にエンジン10をクランキングするために必要なトルクである。
図6のマップでは、6つの気筒30のうちの一つの吸気行程上死点(0°CA)から圧縮行程上死点(120°CA)近傍にまで対応した必要トルクを示している。従って実際のマップは、0°CA~110°CAまでの必要トルクが、120°CA~230°CA、240°CA~350°CA、360°CA~470°CA、480°CA~590°CA、600°CA~710°CAのそれぞれの区間での必要トルクと略同じ値に規定されている。尚、上述したように70°CA、80°CA、430°CA、440°CAは欠歯部342に対応しているため、この区間ではトルクは定められていない。
図6には、エンジン10の回転停止直後でのインマニ圧が高い場合と低い場合とでの必要トルクと、エンジン10の回転停止から所定時間経過後に筒内圧が大気圧となった場合での必要トルクを示している。これらの必要トルクは実験結果により算出された適合値である。
図6に示すように、エンジン10の回転停止直後では、停止時でのクランク角に関わらずに必要トルクは一定である。これは回転停止直後では筒内圧は未だに高く、クランキング時にエンジン10の回転の抵抗となるコンプレッショントルクも高く、クランキングするためには停止時のクランク角によらずに大きなトルクが必要となるからである。また、図6のマップに示すように、エンジン10の回転停止直後でのインマニ圧が高い場合には低い場合よりも、必要トルクが高い値に規定されている。回転停止直後でのインマニ圧が高い場合には低い場合よりも筒内圧は高く、エンジン10のコンプレッショントルクも高いからである。
また、エンジン10の回転停止後からピストンリングとボア壁との隙間から筒内の空気が漏れはじめて筒内圧が徐々に低下し、回転停止から所定時間経過後には筒内圧が大気圧に維持される。この場合にはコンプレッショントルクも低下しているため、必要トルクは回転停止直後での必要トルクよりも低い値となる。また、この場合でのコンプレッショントルクは、大気圧となった筒内の容積の大きさ、換言すれば、クランク角に応じて大きく異なる。このため、図6に示すように、回転停止時でのクランク角に応じて必要トルクが異なっている。この場合、必要トルクはピストン31が下死点(60°CA)で最小となり、上死点で最大となる。
例えばECU100は、回転停止直後では、図6に示すように回転停止直後でのインマニ圧に応じて第1~第3必要トルクをすべて同じ値として算出する。またECU100は、回転停止から所定時間経過した後では、回転停止から所定時間経過後は筒内圧が大気圧となった場合での必要トルクに基づいて第1~第3必要トルクを算出する。
また、ECU100は、回転停止から所定時間経過する前では、第1~第3必要トルクについて例えば以下のようにして算出する。回転停止直後のインマニ圧に応じて定まる回転停止直後での必要トルクと、筒内圧が大気圧となった場合での必要トルクとの差分を算出する。次に回転停止から筒内圧が大気圧となるまでの所定時間に対する、実際の回転停止からの経過時間の割合を算出する。次に上述した差分に割合を乗算する。このようにして得られた値は、回転停止からの経過時間での必要トルクの低下分に相当する。従って、この値を回転停止直後での必要トルクから減算した値を、最終的な必要トルクとして算出する。以上の算出を第1~第3角度のそれぞれで行うことにより第1~第3必要トルクを算出することができる。この場合は、回転停止直後でのインマニ圧によらずに、回転停止から所定時間経過後に筒内圧が大気圧になることを前提としている。ステップS6は、算出部が実行する処理の一例である。
次に、ECU100は第1~第3必要トルクのうち最大値を要求トルクとして選択し(ステップS7)、エンジン10を始動するための始動制御を実行する(ステップS8)。始動制御では、K0クラッチ14をスリップさせてモータ15から要求トルクを出力させることによりエンジン10のクランキングを開始し、その後に初めて圧縮上死点を超える予定の気筒30から燃焼を開始してK0クラッチ14を係合させる。これによりエンジン10が始動する。ステップS7は、選択部が実行する処理の一例である。ステップS8は、始動制御部が実行する処理の一例である。
このように、第1~第3必要トルクのうち最大値を要求トルクとして選択する理由は以下による。上述したようにクランク角センサ72の検出分解能は、欠歯部342を除いて10°CAである。このため回転停止時の実際のクランク角は、上述した第1角度と第2角度との間に位置しており、第1及び第2角度の何れに近いのかが判別することができない。また、コンプレッショントルクによる反発力により、圧縮行程にある気筒30のピストン31が上死点を超えられずにエンジン10が回転停止直前で逆回転する場合がある。この場合に回転停止時の実際のクランク角は、上述した第1角度と第3角度との間に位置しており、第1及び第3角度の何れに近いのかが判別することができない。従って、第1~第3必要トルクから最大値を要求トルクとして選択することにより、クランキングに必要なトルクが不足してエンジン10の始動性が低下することを抑制することができる。
また、要求トルクの選択範囲は、上述したように第1角度に対応した第1必要トルクと、第1角度の前後の第2及び第3角度にそれぞれ対応した第2及び第3必要トルクとに限られる。例えば要求トルクの選択範囲が広すぎると、要求トルクとして選択された必要トルクが、実際にクランキングに必要なトルクに対して過大となるおそれがある。本実施例のように要求トルクの選択範囲を制限することにより、要求トルクが実際にクランキングに必要なトルクに対して過大となることを回避できる。これにより、クランキング時のモータ15への要求トルクが低減されモータモードでの走行領域を確保することができ、エンジン10の駆動頻度を抑制して燃費を向上させることができる。
また、図6に示したように、エンジン10の停止後から筒内圧が大気圧となるまでは、停止直後のインマニ圧が高いほど第1~第3必要トルクは大きな値として算出される。このため、コンプレッショントルクの大きさを考慮してクランキングに必要なトルクが不足することを抑制できる。
また、図6に示したように、エンジン10の停止後から筒内圧が大気圧となるまでは、停止からの経過時間が長いほど第1~第3必要トルクを小さな値として算出される。このため、経過時間が長くなるほど低下するコンプレッショントルクに対して、クランキングに必要なトルクが過大になりすぎることを抑制できる。
尚、回転停止時に検出されたクランク角が欠歯部342に対応している場合、第3必要トルクを算出せずに、第1及び第2必要トルクのうち大きい方を要求トルクとして選択してもよい。例えば本実施例では、回転停止時に検出されたクランク角が60°CAの場合には、第1角度である60°CAと第2角度である90°CAのそれぞれに対応した第1及び第2必要トルクのうち大きい方を、要求トルクとして選択してもよい。この理由は以下による。回転停止直前にエンジン10が逆回転したとしても10°CA程度しか逆回転しないのに対し、欠歯部342には30°CAが対応している。このため、回転停止直前にエンジン10が逆回転した場合であっても、実際のエンジン10の停止時でのクランク角は、この30°CAの範囲内にある可能性が高いからである。
クランク角センサ72が、エンジン10が逆回転をした場合においてもその逆回転分を差し引いたクランク角を検出できる場合には、第3必要トルクを算出せずに、第1及び第2必要トルクのうち大きい方を要求トルクとして選択してもよい。逆回転後の停止時でクランク角センサ72が検出したクランク角が第1角度に相当するため、第3角度に対応した第3必要トルクは不要となるからである。
上記実施例では、クランク角センサ72の検出分解能は10°CAであるが、これに限定されない。また、エンジン10は6気筒エンジンであるため、必要トルクは0°CA~720°CAまで120°CA毎にほぼ同じ推移を繰り返す。例えば4気筒エンジンの場合には、必要トルクは0°CA~720°CAまで180°CA毎にほぼ同じ推移を繰り返す。8気筒エンジンの場合には、必要トルクは0°CA~720°CAまで90°CA毎にほぼ同じ推移を繰り返す。
上記実施例では、第2及び第3角度として、クランク角センサ72により検出可能な第1角度の前後のクランク角を例に説明したがこれに限定されない。例えば、第1角度から必要トルクの差が大きくなり過ぎない所定範囲内にある、クランク角センサ72により検出可能な第2及び第3角度を取得して、第2及び第3角度にそれぞれ対応した第2及び第3必要トルクを算出してもよい。具体的には、クランク角センサ72の検出分解能が上述した10°CAよりも更に高い(例えば5°CA)の場合には、第2及び第3角度は必ずしも第1角度の前後の角度に限定されず、例えば第1角度からエンジン10の正回転方向でクランク角センサ72により検出可能な2つめの角度を第2角度としてもよい。第3角度についても同様である。
上記実施例では、単一のECU100によりハイブリッド車両を制御する場合を例示したが、これに限定されず、例えばエンジン10を制御するエンジンECU、モータ15を制御するモータECU、K0クラッチ14を制御するクラッチECU等の複数のECUによって、上述した制御を実行してもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 ハイブリッド車両
10 エンジン
14 K0クラッチ(クラッチ)
15 モータ
72 クランク角センサ
100 ECU(始動制御部、クランク角取得部、算出部、及び選択部、圧力取得部)

Claims (4)

  1. エンジン、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられたモータ、前記動力伝達経路上における前記エンジンと前記モータとの間に設けられたクラッチ、及び前記エンジンのクランク角を検出するクランク角センサ、を有したハイブリッド車両の制御装置において、
    停止した前記エンジンの始動要求がある場合に、前記クラッチを介して前記エンジンをクランキングするのに要求される要求トルクを前記モータが出力することにより前記エンジンを始動する始動制御部と、
    前記エンジンの停止時での前記クランク角センサにより検出された第1角度、及び前記第1角度から前記エンジンの正回転方向の所定範囲内で前記クランク角センサにより検出可能な第2角度、を取得するクランク角取得部と、
    前記エンジンの停止時での前記クランク角が前記第1及び第2角度であった場合にそれぞれ前記エンジンをクランキングするのに必要となる第1及び第2必要トルクを算出する算出部と、
    前記第1及び第2必要トルクのうち大きい方を前記要求トルクとして選択する選択部と、を備えたハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記クランク角取得部は、前記第1角度から前記エンジンの逆回転方向で前記クランク角センサにより検出可能な第3角度を更に取得し、
    前記算出部は、前記エンジンの停止時で前記クランク角が前記第3角度であった場合に前記エンジンをクランキングするのに必要となる第3必要トルクを更に算出し、
    前記選択部は、前記第1、第2、及び第3必要トルクのうち最大値を前記要求トルクとして選択する、請求項1のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記エンジンのスロットル弁よりも下流側の吸気通路内の圧力を取得する圧力取得部を備え、
    前記算出部は、前記圧力が高いほど前記第1及び第2必要トルクを大きく算出する、請求項1又は2のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記算出部は、前記エンジンが停止してからの経過時間が長いほど前記第1及び第2必要トルクを小さく算出する、請求項1乃至3の何れかのハイブリッド車両の制御装置。
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