JP2023113329A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ハイブリッド車両における内燃機関の始動時に、内燃機関と電動機との間に配置された断接クラッチの係合時の衝撃を緩和することを目的とする。【解決手段】燃料噴射制御装置は、動力伝達経路に設けられ、解放状態とされることで内燃機関と電動機との間の連結を切り離す断接クラッチを備えたハイブリッド車両において、内燃機関の始動時に直噴インジェクタを用いた始動時燃料噴射を実施し、始動時燃料噴射の後にポートインジェクタを使用したポートインジェクタ使用燃料噴射に移行する。燃料噴射制御装置は、内燃機関の始動指令によって直噴インジェクタによる始動時燃料噴射を開始し、前記内燃機関の要求噴射量が前記直噴インジェクタの最小噴射量よりも少ない状態となった場合、始動時燃料噴射を内燃機関の要求噴射量が直噴インジェクタの最小噴射量よりも少ない状態となった時点よりも後まで継続する。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来、直噴インジェクタとポートインジェクタとを備え、内燃機関の状態に応じてこれらのインジェクタを使い分ける燃料噴射制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-9702号公報
直噴インジェクタは、シリンダ内に直接燃料を噴射するため、吸気ポートで霧化させた燃料をシリンダ内に吸入するポートインジェクタと比較してより燃料の霧化性を高める必要があり、燃料噴射時の燃圧が高く、燃焼安定性が高い。このため、直噴インジェクタは、ポートインジェクタと比較してトルクを得易く、効率よくエンジン回転数を上昇させることができる。このため、直噴インジェクタとポートインジェクタとを備えた内燃機関では、その始動時に、まず、直噴インジェクタを用いた始動時燃料噴射を行う。その後、噴射形態は、ポートインジェクタを用い、内燃機関の要求噴射量に応じた燃料噴射量を噴射するポートインジェクタ使用燃料噴射に移行する。ポートインジェクタを用いた場合、直噴インジェクタのみを用いて要求噴射量を噴射する場合と比較して、ポートの温度や燃料性状によってはエンジン回転数の上昇速度が低下する。
ところで、直噴インジェクタとポートインジェクタと備えた内燃機関は、駆動源としての電動機と共にハイブリッド車両に搭載されることがある。ハイブリッド車両では、内燃機関と電動機との間に両者間の連結状態を変更する断接クラッチが配置されている。ハイブリッド車両では、電動機が回転している状態のときに停止していた内燃機関が始動することがある。断接クラッチは、内燃機関が停止しているときに解放状態とされ、内燃機関の始動に合せて係合状態とされる。このとき、内燃機関の回転数と電動機の回転数とに差があると、断接クラッチの係合に伴って衝撃が発生することがある。
内燃機関は、上述の如く、直噴インジェクタのみを用いた始動時燃料噴射を行った後、ポートインジェクタ使用噴燃料射に移行する。この噴射形態の移行に伴いエンジン回転数の上昇速度は低下する。このため、噴射形態の移行のタイミングによっては、噴射形態の移行後に内燃機関の回転数が電動機の回転数と一致するまでの期間が長期化し易く、断接クラッチの係合時の衝撃が発生し易くなる。
そこで本発明は、本明細書開示の内燃機関の燃料噴射制御装置は、ハイブリッド車両における内燃機関の始動時に、内燃機関と電動機との間に配置された断接クラッチの係合時の衝撃を緩和することを目的とする。
上記目的は、直噴インジェクタとポートインジェクタとを有する内燃機関と、前記内燃機関と駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路に設けられていると共に解放状態とされることによって前記内燃機関と前記電動機との間の連結を切り離す断接クラッチと、を備えたハイブリッド車両において、前記内燃機関の始動時に前記直噴インジェクタを用いた始動時燃料噴射を実施し、当該始動時燃料噴射の後に前記ポートインジェクタを使用したポートインジェクタ使用燃料噴射に移行する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、当該燃料噴射制御装置は、前記内燃機関の始動指令によって前記直噴インジェクタによる前記始動時燃料噴射を開始し、当該始動時燃料噴射を開始した後に前記内燃機関の要求噴射量が前記直噴インジェクタの最小噴射量よりも少ない状態となった場合に、当該始動時燃料噴射を前記内燃機関の要求噴射量が前記直噴インジェクタの最小噴射量よりも少ない状態となった時点よりも後まで継続した後、前記ポートインジェクタ使用燃料噴射に移行する、内燃機関の燃料噴射制御装置によって達成できる。
上記内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記燃料噴射制御装置は、前記直噴インジェクタの前記最小噴射量と前記要求噴射量を用いて設定される判定値を前記要求噴射量と比較して、前記要求噴射量が前記判定値を下回ると判断したときに、前記始動時燃料噴射から前記インジェクタ使用燃料噴射に移行する、態様とすることができる。
本発明によれば、ハイブリッド車両における内燃機関の始動時に、内燃機関と電動機との間に配置された断接クラッチの係合時の衝撃を緩和することができる。
図1は実施形態の燃料噴射制御装置を備えたハイブリッド車両の概略構成図である。 図2はエンジンの概略構成図である。 図3はECUが実行する燃料噴射制御の一例を示したフローチャートである。 図4は実施形態の燃料噴射制御装置による燃料噴射制御を実施した際の各値の推移の一例を比較例における各値の推移と共に示したタイムチャートである。 図5はインジェクタの最小噴射燃圧と燃圧との関係を例示するグラフである。 図6は実施形態の燃料噴射制御装置において、要求噴射量がリッチ限界噴射量を下回った場合の各値の推移の一例を示したタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。さらに、各図間に描かれている各要素の縮尺が異なっている場合がある。
[ハイブリッド車両の概略構成]
図1は、ハイブリッド車両1の概略構成図である。ハイブリッド車両1には、相当するエンジン10から駆動輪13までの動力伝達経路に、K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び変速機19が順に設けられている。エンジン10及びモータ15は、ハイブリッド車両1の走行用駆動源として搭載されている。エンジン10は、内燃機関の一例であり、例えばV型6気筒ガソリンエンジンであるが気筒数はこれに限定されず、直列型のガソリンエンジンであってもよい。K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び変速機19は、変速ユニット11内に設けられている。変速ユニット11と左右の駆動輪13とは、ディファレンシャル12を介して駆動連結されている。
K0クラッチ14は、動力伝達経路上のエンジン10とモータ15との間に設けられている。K0クラッチ14は、解放状態から油圧の供給を受けて係合状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を接続する。K0クラッチ14は、油圧供給の停止に応じて解放状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を遮断する。係合状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が連結しエンジン10とモータ15が同じ回転数となっている状態である。解放状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が離れた状態である。なお、K0クラッチ14は、断接クラッチに相当する。
モータ15は、インバータ17を介してバッテリ16に接続されている。モータ15は、バッテリ16からの給電に応じて車両の駆動力を発生するモータとして機能し、更にエンジン10や駆動輪13からの動力伝達に応じてバッテリ16に充電する電力を発電する発電機としても機能する。モータ15とバッテリ16との間で授受される電力は、インバータ17により調整されている。なお、モータ15は、電動機に相当する。
インバータ17は、後述するECU100によって制御され、バッテリ16からの直流電圧を交流電圧に変換し、またはモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換する。モータ15がトルクを出力する力行運転の場合、インバータ17はバッテリ16の直流電圧を交流電圧に変換してモータ15に供給される電力を調整する。モータ15が発電する回生運転の場合、インバータ17はモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ16に供給される電力を調整する。
トルクコンバータ18は、トルク増幅機能を有した流体継ぎ手である。変速機19は、ギア段の切替えにより変速比を多段階に切替える有段式の自動変速機であるが、これに限定されず無段式の自動変速機であってもよい。変速機19は、動力伝達経路上のモータ15と駆動輪13の間に設けられている。トルクコンバータ18を介して、モータ15と変速機19とが連結されている。トルクコンバータ18には、油圧の供給を受けて係合状態となってモータ15と変速機19とを直結するロックアップクラッチ20が設けられている。
変速ユニット11には、更にオイルポンプ21と油圧制御機構22とが設けられている。オイルポンプ21で発生した油圧は、油圧制御機構22を介して、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、変速機19、及びロックアップクラッチ20にそれぞれ供給されている。油圧制御機構22には、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、変速機19、及びロックアップクラッチ20のそれぞれの油圧回路と、それらの作動油圧を制御するための各種の油圧制御弁と、が設けられている。尚、トルクコンバータ18に代えて湿式クラッチが設けられた態様としてもよい。
ハイブリッド車両1には、同車両の制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)100が設けられている。ECU100は、車両の走行制御に係る各種演算処理を行う演算処理回路と、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリと、を備える電子制御ユニットである。ECU100は、燃料噴射制御装置としても機能する。
ECU100は、エンジン10及びモータ15の駆動を制御する。具体的にはECU100は、エンジン10のスロットル開度、点火時期、燃料噴射量を制御することにより、エンジン10のトルクや回転数を制御する。ECU100は、インバータ17を制御してモータ15とバッテリ16との間での電力の授受量を調整することで、モータ15のトルクや回転数を制御する。またECU100は、油圧制御機構22の制御を通じて、K0クラッチ14やロックアップクラッチ20、変速機19の駆動制御を行う。
ECU100には、イグニッションスイッチ71、クランク角センサ72、モータ回転数センサ73、アクセル開度センサ74、エアフローメータ75、空燃比センサ76、水温センサ77、及び燃圧センサ78(図2参照)からの信号が入力される。クランク角センサ72は、エンジン10のクランクシャフトの回転速度を検出する。モータ回転数センサ73は、モータ15の出力軸の回転速度を検出する。アクセル開度センサ74は、運転者のアクセルペダルの踏込量であるアクセルペダル開度を検出する。エアフローメータ75は、エンジン10の吸入空気量を検出する。空燃比センサ76は、触媒43に流入する排気の空燃比を検出する。水温センサ77は、エンジン10の冷却水の温度を検出する。燃圧センサ78は、後述する高圧デリバリパイプ54内の燃料の圧力(燃圧)を検出する。ECU100は、燃圧センサ78の検出値に基づいて、後述する直噴インジェクタ41dの最小噴射量Qminを算出する。また、ECU100は、予め設定されたエンジン10におけるリッチ限界噴射量の値を記憶している。さらに、ECU100は、直噴インジェクタ41dの最小噴射量とエンジン10の要求噴射量を用いて設定される判定値の算出を行うとともに、算出した判定値とリッチ限界噴射量との比較を行う。そして、その比較結果に基づく噴射形態の設定を行う。噴射形態の設定については、後に詳細に説明する。
ECU100は、モータモード及びハイブリッドモードの何れかの走行モードでハイブリッド車両を走行させる。モータモードでは、ECU100はK0クラッチ14を解放し、モータ15の動力により走行する。このとき、エンジン10は停止状態とされることがある。ハイブリッドモードでは、ECU100はK0クラッチ14を係合状態に切り替えて少なくともエンジン10の動力により走行する。エンジン10が停止している状態からハイブリッドモードに切り替わるときや、エンジン10は始動する。走行モードの切り替えは、車速やアクセル開度から求められた車両の要求駆動力と、バッテリ16の充電状態などに基づいて行われる。なお、エンジン10を稼働させることでバッテリ16を充電する場合に、エンジン10が停止状態である場合にも、エンジン10は始動する。
[エンジンの概略構成]
図2は、エンジン10の概略構成図である。エンジン10は、気筒30、ピストン31、コネクティングロッド32、クランクシャフト33、吸気通路35、吸気弁36、排気通路37、及び排気弁38を有している。図2には、エンジン10が有する複数の気筒30のうちの一つのみが表示されている。気筒30では混合気の燃焼が行われる。ピストン31は、各気筒30に往復動可能に収容され、エンジン10の出力軸であるクランクシャフト33にコネクティングロッド32を介して連結されている。コネクティングロッド32は、ピストン31の往復運動をクランクシャフト33の回転運動に変換する。
吸気通路35は、各気筒30の吸気ポートに吸気弁36を介して接続されている。排気通路37は、各気筒30の排気ポートに排気弁38を介して接続されている。吸気通路35には、エアフローメータ75、及び吸入空気量を調整するスロットル弁40が設けられている。排気通路37には空燃比センサ76、及び排気浄化用の触媒43が設けられている。
気筒30には直噴インジェクタ41dが設けられている。直噴インジェクタ41dは気筒30内に燃料を直接噴射する。吸気通路35には、吸気ポートに向けて燃料を噴射するポートインジェクタ41pが設けられている。各気筒30には、吸気通路35を通じて導入された吸気と直噴インジェクタ41d及びポートインジェクタ41pが噴射した燃料との混合気を火花放電により点火する点火プラグ42が設けられている。
ポートインジェクタ41pは低圧デリバリパイプ52に接続されている。低圧デリバリパイプ52には、低圧ポンプ51によりくみ上げた燃料タンク50内の燃料が供給される。低圧デリバリパイプ52内は比較的低い燃圧に維持されているため、ポートインジェクタ41pは比較的少ない噴射量で燃料を噴射する。低圧ポンプ51は、電力の供給により駆動する電動式のポンプである。
直噴インジェクタ41dは、高圧デリバリパイプ54に接続されている。高圧デリバリパイプ54には、低圧ポンプ51により燃料タンク50からくみ上げられ、高圧ポンプ53によって昇圧されて高燃圧となった燃料が供給される。高圧デリバリパイプ54内は比較的高い燃圧に維持されているため、直噴インジェクタ41dは比較的多い噴射量で燃料を噴射する。つまり、直噴インジェクタ41dの最小噴射量Qminは、ポートインジェクタ41pの最小噴射量と比較して、多い。ここで、最小噴射量とは、インジェクタが実現できる最小の開弁期間において噴射される燃料量である。高圧ポンプ53は、エンジン10の回転に連動して駆動する機械式のポンプである。高圧デリバリパイプ54には燃圧センサ78が取り付けられている。燃圧センサ78が検出する燃圧は、上述したように高圧デリバリパイプ54内の燃圧であり、直噴インジェクタ41dに供給される燃圧である。
[エンジンの停止と始動]
このように構成されたエンジン10に対して、ECU100は、ハイブリッドモード又はエンジンモードにおいて所定の停止条件が成立した場合に自動停止させ、所定の自動再始動条件が成立した場合に自動再始動させる間欠運転制御を実行する。自動停止条件は、例えばハイブリッドモード又はエンジンモードにおいてアクセル開度が0になった場合である。自動再始動条件は、例えばエンジン10の自動停止後にアクセル開度が0よりも大きくなってエンジン10への要求トルクが0よりも大きくなった場合である。
このようにエンジン10は、間欠運転中に自動再始動条件が成立した場合に始動が要求される。エンジン10の始動要求があると、ECU100はK0クラッチ14をスリップ状態に制御してモータ15によりエンジン10のクランキングを開始すると共にエンジン10での燃焼を開始する。
具体的にはECU100は、直噴インジェクタ41dによる圧縮行程噴射を所定の目標回数だけ実行し、その後に直噴インジェクタ41dによる吸気行程噴射に切り替えて所定の目標回数だけ実行する。圧縮行程噴射は、クランキングの開始と共に順に圧縮行程となる気筒30に対して圧縮行程中に実行される燃料噴射である。圧縮行程噴射を実行することにより、エンジン10のトルクを早期に増大させることができる。吸気行程噴射は、順に吸気行程となる気筒30に対して吸気行程中に実行される燃料噴射である。吸気行程噴射を実行することにより、エンジン10のトルクを安定させることができる。圧縮行程噴射と吸気行程噴射がそれぞれ目標回数だけ実行されたことをもって、エンジン10の運転状態が安定したものとみなしてエンジン10の始動が完了したものとする。以下、この一連の噴射形態を、始動時燃料噴射と称することとする。始動時燃料噴射では、直噴インジェクタ41dのみを用いるが、始動時燃料噴射が実施された後は、ポートインジェクタ41pを用いたポートインジェクタ使用燃料噴射に移行する。ポートインジェクタ使用燃料噴射では、ポートインジェクタ41pのみを用いてもよいし、ポートインジェクタ41pと直噴インジェクタ41dの双方を用いてもよい。
エンジン10が停止状態にあるとき、K0クラッチ14は、解除状態とされているが、ECU100は、エンジン10の始動指令に伴って、K0クラッチ14を係合させる制御を実行する。
[始動時の燃料噴射制御]
以下、図3から図6を参照して、エンジン10が始動する際の制御の一例について説明する。図3はECU100が実行する燃料噴射制御の一例を示したフローチャートであり、図4は燃料噴射制御を実施した際の各値の推移の一例を示したタイムチャートである。図5はインジェクタの最小噴射燃圧と燃圧との関係を例示するグラフであり、図6は燃料噴射制御装置において、要求噴射量がリッチ限界噴射量を下回った場合の各値の推移の一例を示したタイムチャートである。
図4には、K0クラッチ14を係合させるための油圧の推移、直噴インジェクタ41dに供給される燃料の燃圧の推移、直噴インジェクタ41dの最小噴射量Qminの推移、リッチ限界噴射量の推移、エンジン10の要求噴射量の推移、モータ回転数の推移、エンジン回転数の推移、噴射形態の切り替えを指示する信号が示されている。
以下の説明では、ハイブリッド車両1(図1参照)がモータ15を走行駆動源として所定の速度で走行している状態からエンジン10を始動させる状況について説明する。このため、モータ15は、図4に示すように、ハイブリッド車両1の走行速度に応じた概ね一定のモータ回転数を維持して稼働されているものとする。エンジン10は、図4における時刻t1以前において停止しており、このため、時刻t1以前のエンジン回転数は0となっている。時刻t1においてエンジン10の始動条件が満たされ、エンジン10を始動させるための制御が開始される。
直噴インジェクタ41dの最小噴射量Qminは、直噴インジェクタ41dに供給される燃料の燃圧の変化に応じて変化する。これは、図5に示すように、インジェクタにおける最小噴射量は、燃圧に応じて変化するものであるからである。
リッチ限界噴射量とは、要求噴射量が最小噴射量Qminを下回ることで生じるリッチ燃焼状態として、エンジン10が許容することができる限界の燃料噴射量を意味する。要求噴射量が最小噴射量Qminを下回ると、実際の燃料噴射量は要求噴射量よりも多くなり、燃焼形態はリッチ状態となる。要求噴射量と最小噴射量Qminとの乖離が大きくなると、リッチ状態が進行し、エンジン10は失火する。そこで、予めリッチ限界噴射量を実験等で求めておく。リッチ限界噴射量は、直噴インジェクタ41dの最小噴射量Qminと要求噴射量を用いて設定される判定値であり、本実施形態では、最小噴射量Qmin÷要求噴射量によって算出される値が許容される限界の乖離量となる噴射量である。例えば、最小噴射量Qmin÷要求噴射量として許容される値をα(αは1以上の値)とすると、最小噴射量Qmin÷要求噴射量の値がαよりも大きくなる場合に、要求噴射量が最小噴射量Qmin÷α(=リッチ限界噴射量)よりも小さくなる。つまり、要求噴射量がリッチ限界噴射量を下回ると、エンジン10は失火する。最小噴射量Qminと要求噴射量を用いて設定される判定値は、他の方法によって設定するようにしてもよい。
なお、図4に示すタイムチャートには、本実施形態における制御の特徴を理解し易くするために、比較例における各値の推移についても併せて掲載している。
図3を参照すると、まず、ステップS1では、ECU100は、エンジン10の始動要求があったか否かを判定する。例えば、アクセル開度センサ74(図1参照)の検出値に基づいて、アクセル開度が0よりも大きくなってエンジン10への要求トルクが0よりも大きくなったことを検出すると否定判定(No判定)を行う。ECU100は、ステップS1で肯定判定を行うまで、ステップS1の処理を繰り返す。ECU100は、ステップS1で肯定判定(Yes判定)をしたときは、ステップS2へ進む。
ECU100は、ステップS2において、始動時燃料噴射を実行する。図4における時刻t1が始動時燃料噴射の開始時点である。ECU100は、図4における実施形態の噴射形態が示すように、直噴インジェクタ41dを用いて圧縮行程噴射を所定の目標回数だけ実行し、その後、吸気行程噴射に切り替えて所定の目標回数だけ実行する。このとき、ECU100は、燃圧と要求噴射量の値を制御する。燃圧は、所定の値が維持されるように制御され、要求噴射量は、時刻t1において急激に立ち上がり、その後、徐々に低下する。
要求噴射量は、急激に立ち上がった後、徐々に低下し、時刻t2において直噴インジェクタ41dの最小噴射量Qminを下回る。本実施形態では、図4に示すように、時刻t2よりも後まで直噴インジェクタ41dのみを用いた始動時燃料噴射が継続される。図4における実施形態のエンジン回転数に着目すると、エンジン回転数は、時刻t1以後、滑らかに上昇し、時刻t4において、モータ回転数と同等の回転数に到達している。
ここで、図4における比較例の各値の推移を参照して、比較例の燃料噴射制御について説明する。比較例では、要求噴射量が最小噴射量Qminを下回った時刻t2において、直噴インジェクタ41dのみを用いた噴射形態から、ポートインジェクタ41pも用いたポートインジェクタ使用燃料噴射に移行している。この噴射形態の移行は、直噴インジェクタ41dによる燃料噴射は、燃圧が高いことに起因して要求噴射量よりも多い噴射量となり、リッチ状態となるため、これを回避するための措置である。噴射形態がポートインジェクタ41pを使用する形態に移行することにより、燃料噴射量が低下し、これに伴って、エンジン回転数の上昇速度が低下する。この結果、エンジン回転数がモータ回転数と同等の回転数に到達する時刻が、実施形態における時刻t4よりも遅れた時刻t5となる。
つぎに、K0クラッチ14の係合について説明する。K0クラッチは、エンジン10が停止している状態において、解除状態とされている。そして、エンジン10に対して始動の指令が出された時刻t1以後の時刻t3において、ECU100は、油圧制御機構22に対してK0クラッチ14を係合させるための油圧上昇を指示する。そして、時刻t4において、K0クラッチ14の係合が完了する。このとき、実施形態のエンジン回転数は、モータ回転数と同等の回転数まで上昇している。このため、K0クラッチ14の係合時の衝撃は抑制されている。これに対し、比較例のエンジン回転数は、噴射形態がポートインジェクタ41pを使用した形態に移行したことに起因して上昇速度が緩慢となっており、時刻t4においてモータ回転数まで到達していない。この結果、比較例では、K0クラッチ14が係合する時刻t4で衝撃が発生する。
比較例におけるK0クラッチ14係合時の衝撃発生は、上述のように、要求噴射量が直噴インジェクタ41dの最小噴射量Qminを下回った時刻t2において、ポートインジェクタ使用噴射形態に移行したからである。そこで、本実施形態においては、要求噴射量が直噴インジェクタ41dの最小噴射量Qminよりも少ない状態となった時点(時刻t2)よりも後まで直噴インジェクタ41dのみを用いた始動時燃料噴射を継続する。この結果、エンジン回転数はモータと同等の回転数となるまで直線的に上昇することができ、K0クラッチ14はエンジン回転数とモータ回転数とが同等となった状態で係合される。これにより、K0クラッチ14の係合時の衝撃が緩和される。
なお、K0クラッチ14を係合させる油圧の上昇速度は、作動油の温度等の条件によって多少異なるため、K0クラッチ14の油圧上昇指示のタイミング(時刻t3)はこれを考慮して決定されている。つまり、時刻t3は、K0クラッチ14を係合させる油圧の上昇速度にかかわらず、K0クラッチ14の係合が完了するタイミングができるだけ時刻t4以降となるように設定されている。
再び、図3を参照すると、ECU100は、ステップS3において、始動時燃料噴射の噴射回数が予め設定された目標回数となったか否かを判定する。ECU100は、ステップS3において肯定判定したとき、ステップS5へ進む。ステップS5では、ECU100は、始動時燃料噴射を終了し、その後は、ポートインジェクタ41pを適宜選択し、エンジン10における吸気量に応じた燃料噴射量を実現するポートインジェクタ使用燃料噴射に移行する。ステップS5を実行することで、エンジン10の始動時の一連の制御は終了する。一方、ECU100は、ステップS3において否定判定したときは、ステップS4へ進む。
ステップS4では、ECU100は、要求噴射量がリッチ限界噴射量よりも小さいか否かを判定する。リッチ限界噴射量は、上述のように、エンジン10が許容することができる限界の燃料噴射量を意味するが、図4に示すタイムチャートでは、要求噴射量は、リッチ限界噴射量を上回っている。このため、要求噴射量が図4に示す状態であれば、ECU100は、ステップS4において否定判定を行い、ステップS2からの処理を繰り返し、直噴インジェクタ41dのみを用いた始動時燃料噴射が継続される。
これに対し、図6で示すように、時刻t2´において要求噴射量がリッチ限界噴射量を下回った場合、ECU100は、ステップS4において肯定判定を行い、ステップS5へ移行する。ステップS5では、ECU100は、ステップ直噴インジェクタ41dのみを用いた噴射形態から、ポートインジェクタ41pも用いた噴射形態に移行する。ポートインジェクタ41pは、直噴インジェクタ41dと比較して燃圧が低く、最小噴射量も小さくすることができることから、ポートインジェクタ41pを用いることで要求噴射量を実現することができる。この結果、エンジン10の失火を回避することができる。
なお、時刻t2´においてポートインジェクタ41pを用いた噴射形態に移行することでエンジン回転数の上昇速度が低下する。このため、エンジン回転数がモータ回転数と同等の回転数となるのは、K0クラッチ14の係合が完了する時刻t4よりも後となる時刻t5´となる。しかしながら、時刻t4におけるエンジン回転数とモータ回転数との差は、図4に示した比較例の時刻t4におけるエンジン回転数とモータ回転数との差と比較して小さい。このため、図6に示すタイムチャートのような状況であっても、K0クラッチ14の係合時の衝撃は緩和される。
ステップS5を実行することで、エンジン10の始動時の一連の制御は終了する。
本実施形態では、要求噴射量が直噴インジェクタ41dの最小噴射量Qminよりも少ない状態となった時点よりも後まで直噴インジェクタ41dのみを用いた始動時燃料噴射を継続するため、K0クラッチ14の係合時の衝撃を緩和することができる。
ただし、要求噴射量がリッチ限界噴射量を下回った場合には、ポートインジェクタ41pを用いた噴射形態に移行することで、エンジン10における失火を回避することができる。
上記実施例では、単一のECU100によりハイブリッド車両を制御する場合を例示したが、これに限定されない。例えばエンジン10を制御するエンジンECU、モータ15を制御するモータECU、K0クラッチ14を制御するクラッチECU等の複数のECUによって、上述した制御を実行してもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 ハイブリッド車両
10 エンジン
11 変速ユニット
12 ディファレンシャル
13 駆動輪
14 K0クラッチ
15 モータ
41d 直噴インジェクタ
41p ポートインジェクタ
100 ECU

Claims (2)

  1. 直噴インジェクタとポートインジェクタとを有する内燃機関と、前記内燃機関と駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路に設けられていると共に解放状態とされることによって前記内燃機関と前記電動機との間の連結を切り離す断接クラッチと、を備えたハイブリッド車両において、前記内燃機関の始動時に前記直噴インジェクタを用いた始動時燃料噴射を実施し、当該始動時燃料噴射の後に前記ポートインジェクタを使用したポートインジェクタ使用燃料噴射に移行する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    当該燃料噴射制御装置は、
    前記内燃機関の始動指令によって前記直噴インジェクタによる前記始動時燃料噴射を開始し、
    当該始動時燃料噴射を開始した後に前記内燃機関の要求噴射量が前記直噴インジェクタの最小噴射量よりも少ない状態となった場合に、当該始動時燃料噴射を前記内燃機関の要求噴射量が前記直噴インジェクタの最小噴射量よりも少ない状態となった時点よりも後まで継続した後、前記ポートインジェクタ使用燃料噴射に移行する、
    内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記燃料噴射制御装置は、
    前記直噴インジェクタの前記最小噴射量と前記要求噴射量を用いて設定される判定値を前記要求噴射量と比較して、前記要求噴射量が前記判定値を下回ると判断したときに、前記始動時燃料噴射から前記インジェクタ使用燃料噴射に移行する、
    請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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