JP2023118396A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Takehiro Komatsu
創一 今井
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Abstract

【課題】ショックを抑制し、かつ内燃機関の始動が可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。【解決手段】内燃機関と、モータと、前記内燃機関と前記モータとの間に設けられたクラッチと、を有するハイブリッド車両の制御装置であって、前記クラッチを制御するクラッチ制御部と、前記内燃機関への燃料の供給を制御する燃料制御部と、を具備し、前記内燃機関の始動中に前記クラッチがスタックした場合、前記燃料制御部は前記燃料の供給を停止し、前記クラッチ制御部は前記スタック前に比べて前記クラッチを強く係合させるハイブリッド車両の制御装置。【選択図】図2

Description

本発明はハイブリッド車両の制御装置に関する。
ハイブリッド車両には、内燃機関(エンジン)、エンジンと車輪との動力伝達経路に設けられたモータ、および動力伝達経路であってエンジンとモータとの間に設けられたクラッチ、を備えたものがある。エンジンの始動要求時には、クラッチをスリップさせてモータによりエンジンのクランキングを行ってクラッチを係合して、エンジンを始動する(例えば特許文献1など)。
特開2020-111276号公報
内燃機関の始動中にクラッチがスタックした場合には、クラッチの係合を強めることで始動を行う。しかし内燃機関から伝わるトルクが大きくなり、ショックが発生する。そこで、ショックを抑制し、かつ内燃機関の始動が可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的は、内燃機関と、モータと、前記内燃機関と前記モータとの間に設けられたクラッチと、を有するハイブリッド車両の制御装置であって、前記クラッチを制御するクラッチ制御部と、前記内燃機関への燃料の供給を制御する燃料制御部と、を具備し、前記内燃機関の始動中に前記クラッチがスタックした場合、前記燃料制御部は前記燃料の供給を停止し、前記クラッチ制御部は前記スタック前に比べて前記クラッチを強く係合させるハイブリッド車両の制御装置によって達成することができる。
ショックを抑制し、かつ内燃機関の始動が可能なハイブリッド車両の制御装を提供できる。
図1は、ハイブリッド車両を例示する模式図である。 図2はECUが実行する処理を例示するフローチャートである。
(ハイブリッド車両)
図1は、ハイブリッド車両1を例示する模式図である。ハイブリッド車両1には、駆動源としてエンジン10(内燃機関)およびモータ15が搭載されている。ハイブリッド車両1には、エンジン10から車輪13までの動力伝達経路に、K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、および自動変速機19が順に設けられている。エンジン10は例えばV型6気筒エンジンであり、6個の気筒♯1~♯6を有する。エンジン10は、例えばV型エンジンでもよいし直列エンジンでもよい。エンジン10はガソリンエンジンでもよいしディーゼルエンジンでもよい。エンジン10の気筒の数は例えば4個または6個など複数でもよいし、1個でもよい。K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、および自動変速機19は、変速ユニット11内に設けられている。変速ユニット11と左右の車輪13とは、ディファレンシャルギヤ12を介して駆動連結されている。
K0クラッチ14は、同動力伝達経路上のエンジン10とモータ15との間に設けられている。K0クラッチ14は、油圧の供給に応じて、解放状態、スリップ状態、及び係合状態の何れかに切り替えられる。詳細には、K0クラッチ14が解放状態の場合に油圧供給により、スリップ状態又は係合状態となり、エンジン10とモータ15との動力伝達が接続される。また、K0クラッチ14は、油圧供給の停止に応じて解放状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を遮断する。尚、スリップ状態とは、K0クラッチ14のエンジン10側の係合要素とモータ15側の係合要素とが所定の回転数差を有して摺接している状態である。係合状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が連結しエンジン10とモータ15とが同じ回転数となっている状態である。解放状態とは、K0クラッチ14の双方の係合要素が離間した状態である。
モータ15は、インバータ17を介してバッテリ16に接続されている。モータ15は、バッテリ16からの給電に応じて車両の駆動力を発生するモータとして機能する一方で、エンジン10や車輪13からの動力伝達に応じてバッテリ16に充電する電力を発電する発電機としても機能する。モータ15とバッテリ16との間で授受される電力は、インバータ17により調整されている。
インバータ17は、後述するECU50によって制御され、バッテリ16からの直流電圧を交流電圧に変換するか、またはモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換する。モータ15がトルクを出力する力行運転の場合、インバータ17はバッテリ16の直流電圧を交流電圧に変換してモータ15に供給される電力を調整する。モータ15が発電する回生運転の場合、インバータ17はモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ16に供給される電力を調整する。
トルクコンバータ18は、トルク増幅機能を有する流体継ぎ手である。自動変速機19は、ギア段の切替えにより変速比を多段階に切替える有段式の自動変速機である。自動変速機19は、動力伝達経路上のモータ15と車輪13の間に設けられている。トルクコンバータ18を介して、モータ15と自動変速機19とが連結されている。トルクコンバータ18には、油圧の供給を受けて係合状態となってモータ15と自動変速機19とを直結するロックアップクラッチ20が設けられている。
変速ユニット11には、更にオイルポンプ21と油圧制御機構22とが設けられている。オイルポンプ21で発生した油圧は、油圧制御機構22を介して、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、自動変速機19、およびロックアップクラッチ20にそれぞれ供給されている。油圧制御機構22には、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、自動変速機19、及びロックアップクラッチ20のそれぞれの油圧回路と、それらの作動油圧を制御するための各種の油圧制御弁と、が設けられている。
ハイブリッド車両1には、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)50が設けられている。ECU50は、車両の走行制御に係る各種演算処理を行う演算処理回路と、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリと、を備える電子制御ユニットである。ECU50は、ハイブリッド車両の制御装置の一例であり、K0クラッチ14を制御するクラッチ制御部、およびエンジン10への燃料の供給を制御する燃料制御部として機能する。
ECU50は、エンジン10およびモータ15の駆動を制御する。例えばECU50は、エンジン10のスロットル開度、点火時期、燃料噴射量を制御することにより、エンジン10のトルクや回転数を制御する。またECU50は、油圧制御機構22の制御を通じて、K0クラッチ14やロックアップクラッチ20、自動変速機19の駆動制御を行う。ECU50は、油圧制御機構22を用いてK0クラッチ14に加わる油圧を制御し、K0クラッチ14の状態を変化させることで、モータ15からエンジン10に伝わるクランキングトルクを制御する。
ECU50は、インバータ17を制御して、モータ15とバッテリ16との間での電力の授受量を調整することで、モータ15の回転数やトルクを制御する。また詳しくは後述するがECU50は、回生運転でのモータ制動トルクが目標値となるように、インバータ17がモータ15からバッテリ16へ供給される電力を制御する。
ECU50には、イグニッションスイッチ71、クランク角センサ72、モータ回転数センサ73、エアフローメータ74、およびアクセル開度センサ75からの信号が入力される。クランク角センサ72は、エンジン10のクランク軸の回転速度を検出する。モータ回転数センサ73は、モータ15の出力軸の回転速度を検出する。エアフローメータ74はエンジン10の吸入空気量を検出する。アクセル開度センサ75は、運転者のアクセルペダルの踏込量であるアクセルペダル開度を検出する。
ECU50は、モータモードおよびハイブリッドモードのいずれかの走行モードでハイブリッド車両を走行させる。モータモードでは、ECU50はK0クラッチ14を解放し、モータ15の動力により走行する。ハイブリッドモードでは、ECU50はK0クラッチ14を係合して少なくともエンジン10の動力により走行する。なお、ハイブリッドモードでは、エンジン10のみの動力で走行するモード、モータ15を力行運転させてエンジン10およびモータ15の双方を動力源として走行するモードを含む。
走行モードの切り替えは、車速やアクセル開度から求められた車両の要求駆動力と、バッテリ16の充電状態などに基づいて行われる。例えば、要求駆動力が比較的小さくバッテリ16の蓄電残量を示すSOC(State Of Charge)が比較的高い場合には、燃費を向上させるためにエンジン10を停止したモータモードが選択される。要求駆動力が比較的大きい場合やバッテリ16のSOCが比較的低い場合には、少なくともエンジン10が駆動したハイブリッドモードが選択される。
ECU50は、ハイブリッドモードにおいて、所定の停止条件が成立した場合にエンジン10を自動停止させ、所定の再始動条件が成立した場合に自動停止したエンジン10を再始動させる間欠運転制御を実行する。例えばECU50は、ハイブリッドモードにおいてアクセル開度がゼロになった場合に、自動停止条件が成立したものとしてエンジン10を自動停止させる。また、ECU50は、アクセル開度がゼロよりも大きくなった場合に、再始動条件が成立したものとしてエンジン10を自動で再始動させる。エンジン10を自動停止させる際には、ECU50はK0クラッチ14を解放して燃料噴射を停止する。エンジン10を自動で再始動させる際には、ECU50はK0クラッチ14を介してモータ15によりエンジン10をクランキングして燃料噴射および点火を開始し、その後にK0クラッチ14を係合させる。
始動制御中に、K0クラッチ14がスタックすることがある。K0クラッチ14のスタックとは、K0クラッチ14の制御シーケンスが途中で停止することであり、例えばK0クラッチ14の動作の不良、およびK0クラッチ14以外の部分の動作不良などによって発生することがある。本実施形態では、スタック発生時に、エンジン10を始動させ、かつショックを抑制する。
図2はECU50が実行する処理を例示するフローチャートである。エンジン10の始動要求に応じて、ECU50はエンジン10の始動制御を実行する。ECU50は、エンジン10の始動中にK0クラッチ14がスタックしたか否か判定する(ステップS10)。否定判定(No)の場合、ECU50は、エンジン10の始動制御を行う(ステップS12)。具体的には、ECU50は、モータ15によりエンジン10のクランキングを行い、エンジン10に燃料の供給および燃焼を行い、エンジン10の始動を行う。フューエルカットは行われない。
ステップS10において肯定判定(Yes)の場合、ECU50は、エンジン10への燃料の供給を停止する(フューエルカット、ステップS14)。ステップS14の後、ECU50はK0クラッチ14の油圧を上昇させ、例えばK0クラッチ14を完全係合させる(ステップS16、バックアップフェーズ)。ステップS16の後、ECU50は燃料の供給を再開し、エンジン10を始動させる(ステップS12)。以上で処理は終了する。
本実施形態によれば、エンジン10の始動中にK0クラッチ14がスタックした場合、ECU50はエンジン10のフューエルカットを行う。フューエルカット後、ECU50はスタック前よりもK0クラッチ14の係合を強め、例えばK0クラッチ14を完全に係合させる。フューエルカットしているため、エンジン10のトルクは抑制され、K0クラッチ14を完全に係合してもトルクの増加は抑制される。この結果、ショックが抑制される。K0クラッチ14が完全に係合することで、クランキングトルクが上昇する。クランキングによってエンジン10のクランク軸を回転させ、かつ燃料の供給および燃焼を行い、エンジン10を始動させる。ショックを抑制し、かつエンジン10を始動することが可能である。
上記の例では、単一のECU50によりハイブリッド車両1を制御する。実施形態はこれに限定されず、例えばエンジン10を制御するエンジンECU、モータ15を制御するモータECU、K0クラッチ14を制御するクラッチECUなど複数のECUによって上述の制御を実行してもよい。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 ハイブリッド車両
10 エンジン
11 変速ユニット
12 ディファレンシャルギヤ
13 車輪
14 K0クラッチ
15 モータ
16 バッテリ
17 インバータ
18 トルクコンバータ
19 自動変速機
20 ロックアップクラッチ
21 オイルポンプ
22 油圧制御機構
50 ECU
71 イグニッションスイッチ
72 クランク角センサ
73 モータ回転数センサ
74 エアフローメータ
75 アクセル開度センサ

Claims (1)

  1. 内燃機関と、モータと、前記内燃機関と前記モータとの間に設けられたクラッチと、を有するハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記クラッチを制御するクラッチ制御部と、
    前記内燃機関への燃料の供給を制御する燃料制御部と、を具備し、
    前記内燃機関の始動中に前記クラッチがスタックした場合、前記燃料制御部は前記燃料の供給を停止し、前記クラッチ制御部は前記スタック前に比べて前記クラッチを強く係合させるハイブリッド車両の制御装置。

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