JP2023106803A - 車両の制御装置 - Google Patents

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JP2023106803A JP2022007749A JP2022007749A JP2023106803A JP 2023106803 A JP2023106803 A JP 2023106803A JP 2022007749 A JP2022007749 A JP 2022007749A JP 2022007749 A JP2022007749 A JP 2022007749A JP 2023106803 A JP2023106803 A JP 2023106803A
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雅人 下田
Masahito Shimoda
孝志 井上
Takashi Inoue
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Abstract

【課題】内燃機関の上限トルクを適切に変更することによって、駆動力の低下を抑制でき、また変速ショックが生じることを抑制することができる車両の制御装置を提供する。【解決手段】要求駆動力が増加することによって、変速段を変速比が小さい第1変速段から変速比が大きい第2変速段にダウンシフトする変速制御部28と、ダウンシフトしている過程での自動変速機の実際の入力回転数と第2変速段に応じた自動変速機の入力回転数との差が所定差以下になったことを判断する同期判断部29と、自動変速機の実際の入力回転数と第2変速段に応じた自動変速機の入力回転数との差が所定差以下となったことが判断された場合に、内燃機関の上限トルクを、第1変速段に応じて予め定められた第1上限トルクから、第2変速段に応じて予め定められた第2上限トルクに連続的に低下させる上限トルク制御部30とを備えている。【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関と、自動変速機とを備えた車両の制御装置に関するものである。
特許文献1には、有段式の自動変速機を備えた車両の制御装置が記載されている。この制御装置は、アクセルペダルが踏み込まれたことによって自動変速機の変速段を変速比が大きい変速段にダウンシフトするパワーオンダウンシフトを実行している過渡期に、アクセルペダルが踏み戻された場合に、エンジントルクの応答遅れを要因とした変速ショックが生じることを抑制するように構成されている。具体的には、パワーオンダウンシフト時にアクセルペダルの踏み戻しが検出されると、ダウンシフトを行うために解放されるクラッチの待機圧を、アクセルペダルの踏み戻し操作がされていない場合よりも大きく設定し、またその待機圧から油圧を減少させる場合の減少率を、アクセルペダルの踏み戻し操作がされていない場合よりも小さく設定するように構成されている。
特開2013-29154号公報
特許文献1に記載された制御装置は、パワーオンダウンシフト時にアクセルペダルの踏み戻し操作がされた場合に、解放側クラッチの待機圧を、アクセルペダルの踏み戻し操作がされていない通常時よりも高く設定することにより、アクセルペダルの踏み戻し操作に遅れてエンジントルクが低下する場合であっても、エンジンの吹き上がりを抑制することや急激な変速段の切り替えに伴う変速ショックが生じることを抑制することができる。
一方、特許文献1に記載されたように複数の変速段を設定することができる自動変速機を備えた車両は、内燃機関から駆動輪に至るトルクの伝達経路の種々の部品に過度なトルクが作用することを抑制するために、通常、設定している変速段に応じて内燃機関の上限トルクが設定されている。そのため、パワーオンダウンシフトを行う場合には、内燃機関の上限トルクは、変速前の変速段に応じた上限トルクから変速後の変速段に応じた上限トルクに低下させられる。
しかしながら、変速開始時あるいは変速過渡期に、変速後の上限トルクに移行すると、内燃機関の出力トルクを過度に制限する可能性があり駆動力が低下する可能性がある。また、変速後に、その変速後の変速段に応じた上限トルクに移行すると、内燃機関の出力トルクの応答遅れなどを要因として、自動変速機から駆動輪に至るトルクの伝達経路の部品に過度なトルクが作用し、耐久性が低下する可能性がある。さらに、設定された変速段に応じて内燃機関の上限トルクを設定する場合には、変速に伴って内燃機関の上限トルクがステップ的に変化する。そのため、変速開始時における内燃機関の出力トルクが、その変速段に応じた上限トルク近傍まで増加している場合には、上限トルクのステップ的な変化に追従して、内燃機関の出力トルクがステップ的に変化することになり、変速ショックが生じる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、内燃機関の上限トルクを適切に変更することによって、駆動力の低下を抑制でき、また変速ショックが生じることを抑制することができる車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、内燃機関と、駆動輪と、前記内燃機関と前記駆動輪との間に連結されかつ複数の変速段を設定することができる自動変速機とを備えた車両の制御装置において、前記内燃機関と、前記自動変速機とを制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記車両に要求される駆動力が増加することによって、前記自動変速機の変速段を変速比が小さい第1変速段から変速比が大きい第2変速段にダウンシフトする変速制御部と、前記ダウンシフトしている過程での前記自動変速機の実際の入力回転数と前記第2変速段に応じた前記自動変速機の入力回転数との差が所定差以下になったことを判断する同期判断部と、前記同期判断部によって前記自動変速機の実際の入力回転数と前記第2変速段に応じた前記自動変速機の入力回転数との差が所定差以下となったことが判断された場合に、前記内燃機関の上限トルクを、前記第1変速段に応じて予め定められた第1上限トルクから、前記第2変速段に応じて予め定められた第2上限トルクに連続的に低下させる上限トルク制御部とを備えていることを特徴とするものである。
この発明では、前記自動変速機は、伝達トルク容量を制御可能な複数の係合機構を備え、前記変速制御部は、前記複数の係合機構のうちの少なくともいずれか一つの係合機構の伝達トルク容量を低下させ、かつ複数の係合機構のうちの他の係合機構の伝達トルク容量を増加させることによって、前記ダウンシフトを行うように構成され、前記上限トルク制御部は、前記他の係合機構の伝達トルク容量に基づいて前記内燃機関の上限トルクを定めてよい。
この発明では、前記変速制御部は、前記同期判断部によって前記自動変速機の実際の入力回転数と前記第2変速段に応じた前記自動変速機の入力回転数との差が前記所定差以下になったことが判断された場合に、前記他の係合機構の伝達トルク容量を増加させ始めてよい。
そして、この発明では、前記上限トルク制御部は、前記同期判断部によって前記自動変速機の実際の入力回転数と前記第2変速段に応じた前記自動変速機の入力回転数との差が前記所定差よりも大きいと判断された場合に、前記内燃機関の上限トルクを前記第1上限トルクに定めてよい。
この発明によれば、車両に要求される駆動力が増加することによって変速比が小さい第1変速段から変速比が大きい第2変速段にダウンシフトされる。すなわち、パワーオンダウンシフトが実行される。そのダウンシフト時における自動変速機の実際の入力回転数と第2変速段に応じた自動変速機の入力回転数との差が所定差以下になったことが同期判断部によって判断された場合に、内燃機関の上限トルクが、第1変速段に応じた第1上限トルクから、第2変速段に応じた第2上限トルクに連続的に低下させられる。したがって、変速開始時点に内燃機関の上限トルクが制限されるなどの駆動力が過度に制限されることを抑制できる。また、内燃機関の上限トルクを連続的に変化させることによって、内燃機関のトルクがステップ的に変化することを抑制でき、駆動力が急激に低下すること、すなわち変速ショックが生じることを抑制できる。
この発明の実施形態における車両の一例を説明するためのスケルトン図である。 コントローラの一例を説明するためのブロック図である。 この発明の実施形態における制御装置で実行される制御例を説明するためのフローチャートである。 パワーオンダウンシフト時におけるエンジンの上限トルクの変化を説明するためのタイムチャートである。
この発明の実施形態における車両の一例を図1を参照して説明する。図1に示す車両は、この発明の実施形態における「内燃機関」に相当するエンジン(Eng)1と、そのエンジン1と図示しない駆動輪との間に設けられかつ出力回転数に対する入力回転数である変速比を複数設定することができる自動変速機2とが、エンジン1の回転中心軸線上に並んで配置されている。
エンジン1は、従来知られたガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどと同様に構成することができる。すなわち、供給される燃料と空気との混合気を燃焼することにより駆動トルクを出力し、また、その混合気の燃焼を停止することにより、フリクショントルクやポンピングロスなどに応じた制動トルクを出力することができるように構成されている。
そのエンジン1の出力軸3に、トルクコンバータ4が設けられている。このトルクコンバータ4は、従来のトルクコンバータと同様に構成することができる。すなわち、エンジン1に連結されたポンプインペラー5と、ポンプインペラー5に対向して配置されたタービンランナー6と、ポンプインペラー5とタービンランナー6との間に配置されかつワンウェイクラッチ7を介してケース8に連結されたステータ9とによって構成されている。
また、エンジン1とタービンランナー6とを係合することができるように構成されたロックアップクラッチ10が設けられている。このロックアップクラッチ10は、従来のロックアップクラッチと同様に構成することができる。すなわち、エンジン1とタービンランナー6との回転数差を適宜変更することができるように構成されている。
上記のタービンランナー6の出力軸11には、有段式の自動変速機2の入力軸12が連結されている。図1に示す自動変速機2は、前進第1速段から前進第8速段の変速段を設定することができるように構成されている。具体的には、ダブルピニオン型の遊星歯車機構13、ラビニョ型の遊星歯車機構14、四つのクラッチ機構C1,C2,C3,C4、二つのブレーキ機構B1,B2によって構成されている。なお、各クラッチ機構C1,C2,C3,C4および各ブレーキ機構B1,B2は、油圧式の係合機構によって構成されている。つまり、油圧を制御することによって伝達するトルク容量を制御することができるように構成されている。以下の説明では、各クラッチ機構C1,C2,C3,C4および各ブレーキ機構B1,B2を区別することなく、係合機構Eと記す場合がある。
ダブルピニオン型の遊星歯車機構13は、トルクコンバータ4を挟んでエンジン1とは反対側に配置され、ケース8に固定されたサンギヤ15と、そのサンギヤ15と同心円上に配置されたリングギヤ16と、サンギヤ15に噛み合う内側ピニオンギヤ17と、内側ピニオンギヤ17およびリングギヤ16に噛み合う外側ピニオンギヤ18と、内側ピニオンギヤ17および外側ピニオンギヤ18を自転および公転可能に保持するキャリヤ19とによって構成されている。そのキャリヤ19に、自動変速機2の入力軸12が連結されている。すなわち、キャリヤ19にエンジントルクが伝達されるように構成されている。
ラビニョ型の遊星歯車機構14は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構13を挟んでトルクコンバータ4とは反対側に配置され、相対的に大径の第1サンギヤ20と、その第1サンギヤ20と並んで配置されかつ第1サンギヤ20よりも小径の第2サンギヤ21と、第1サンギヤ20と同心円上に配置されたリングギヤ22と、第2サンギヤ21に噛み合うショートピニオンギヤ23と、ショートピニオンギヤ23、第1サンギヤ20、およびリングギヤ22に噛み合うロングピニオンギヤ24と、ショートピニオンギヤ23およびロングピニオンギヤ24を自転および公転可能に保持するキャリヤ25とによって構成されている。なお、リングギヤ22には、図示しないデファレンシャルユニットなどの出力部材に噛み合う出力ギヤ26が連結されている。
第1クラッチ機構C1は、リングギヤ16と第2サンギヤ21とを選択的に連結するように構成され、第2クラッチ機構C2は、入力軸12とキャリヤ25とを選択的に連結するように構成され、第3クラッチ機構C3は、リングギヤ16と第1サンギヤ20とを選択的に連結するように構成され、第4クラッチ機構C4は、キャリヤ19と第1サンギヤ20とを選択的に連結するように構成されている。また、第1ブレーキ機構B1は、第1サンギヤ20を選択的に固定するように構成され、第2ブレーキ機構B2は、キャリヤ25を選択的に固定するように構成されている。そして、それらの係合機構Eを適宜係合することによって、前進第1速段から前進第8速段のうちのいずれかの変速段を設定するように構成されている。
上記の前進第1速段から前進第8速段の各変速段は、係合機構Eの係合状態と解放状態とを制御することにより設定される。各変速段と、係合機構Eの係合および解放の状態とを以下の表に示してある。表中における「○」のシンボルは係合している状態を示し、空欄は解放している状態を示している。
Figure 2023106803000002
上表に示すように第1クラッチ機構C1および第2ブレーキ機構B2を係合することにより前進第1速段が設定され、第1クラッチ機構C1および第1ブレーキ機構B1を係合することにより前進第2速段が設定され、第1クラッチ機構C1および第3クラッチ機構C3を係合することにより前進第3速段が設定され、第1クラッチ機構C1および第4クラッチ機構C4を係合することにより前進第4速段が設定され、第1クラッチ機構C1および第2クラッチ機構C2を係合することにより前進第5速段が設定される。また、第2クラッチ機構C2および第4クラッチ機構C4を係合することにより前進第6速段が設定され、第2クラッチ機構C2および第3クラッチ機構C3を係合することにより前進第7速段が設定され、第2クラッチ機構C2および第1ブレーキ機構B1を係合することにより前進第8速段が設定される。
上記の前進第1速段から前進第5速段の間で変速段を変更する変速時には、共通して係合する第1クラッチ機構C1を係合したまま、変速前に係合している係合機構Eの伝達トルク容量を低下させながら、変速後の変速段を設定するために係合させる係合機構Eの伝達トルク容量を次第に増加させる。同様に前進第5速段から前進第8速段の間で変速段を変更する変速時には、共通して係合する第2クラッチ機構C2を係合したまま、変速前に係合している係合機構Eの伝達トルク容量を低下させながら、変速後の変速段を設定するために係合させる係合機構Eの伝達トルク容量を次第に増加させる。すなわち、従来の有段式の自動変速機と同様にクラッチツウクラッチ制御によって変速するように構成されている。
図2には、上記のエンジン1、各クラッチ機構C1,C2,C3,C4、および各ブレーキ機構B1,B2を制御するための電子制御装置(以下、単にECUと記す)27の構成を説明するためのブロック図を示してある。このECU27は、この発明の実施形態における「コントローラ」に相当するものであり、マイクロコンピュータを主体にして構成されている。ECU27は、車両に搭載された種々のセンサからデータが入力され、その入力されたデータと、予め記憶されているマップや演算式などとに基づいて、エンジン1、各クラッチ機構C1,C2,C3,C4、および各ブレーキ機構B1,B2に指令信号を出力するように構成されている。
ECU27に入力されるデータの一例を図2に示してあり、車速、アクセル開度、ブレーキ操作量、エンジン1の出力軸3の回転数(エンジン回転数)、トルクコンバータ4の出力軸11の回転数(すなわち、自動変速機2の入力回転数)、出力ギヤ26の回転数である出力回転数などのデータが、ECU27に入力される。
また、ECU27には、図示しない変速マップが記憶されている。この変速マップは、従来の自動変速機を制御するコントローラに記憶された変速マップと同様に構成されていて、車速とアクセル開度(すなわち、要求駆動力)とに基づいて自動変速機2で設定するべき変速段を選択するように構成されている。具体的には、アップシフト線を跨いで車速が増加し、またはアクセル開度が低下した場合には、変速比が小さい変速段にアップシフトし、ダウンシフト線を跨いで車速が低下し、またはアクセル開度が増加した場合には、変速比が大きい変速段にダウンシフトするように構成されている。そして、変速マップに基づいて選択された変速段に移行するようにエンジン1や各クラッチ機構C1,C2,C3,C4あるいは各ブレーキ機構B1,B2に信号を出力する。
上述したように変速することによってエンジン1と自動変速機2の出力側のギヤなどの回転部材(以下、出力部材と記す)とのギヤ比が変化するため、エンジン1からトルクを出力した場合には、出力部材に作用するトルクが変化する。すなわち、ダウンシフトした場合には、出力部材に作用するトルクがダウンシフト前よりも大きくなる。そのため、出力部材に作用するトルクが、出力部材の耐久性を考慮して予め定められたトルク以下となるように、エンジン1の出力トルクの上限値(以下、上限トルクと記す)が定められている。すなわち、変速段が小さい程、エンジン1の上限トルクが小さくなるように、変速段毎にエンジン1の上限トルクが予め定められている。
そこで、この発明の実施形態における制御装置は、アクセル開度が増加したことによってダウンシフトしている過渡期のエンジン1の上限トルクを適切なトルクに定めるように構成されている。具体的には、図2に示すようにECU27は、変速制御部28と、同期判断部29と、上限トルク制御部30とによって構成されている。
変速制御部28は、上述したように記憶された変速マップに基づいて、変速を行うための制御部であって、変速することが判断された場合に、現在係合している係合機構Eの油圧を予め定められた所定の待機圧まで低下させ、その後、その待機圧から連続的に油圧を低下させるとともに、ダウンシフト後の変速段を設定するために係合させる係合機構Eの油圧を次第に増加させるように各係合機構Eに指令信号を出力する。
同期判断部29は、ダウンシフトしている過渡期において、エンジン回転数がダウンシフト後のエンジン回転数まで増加したか否かを判断するためのものである。したがって、例えば、出力軸11の実際の回転数を検出し、その実際の回転数と、ダウンシフト後の変速段の変速比と車速とに応じた回転数との差が所定差以下か否かを判断するように構成されている。
上限トルク制御部30は、変速制御部28から係合機構Eに出力される指令信号に基づいてエンジン1の上限トルクを定めるように構成されている。具体的には、係合する係合機構Eの油圧を増加させ始める時点まで、エンジン1の上限トルクを、ダウンシフト以前の変速段に応じたトルクに設定し、その時点からエンジン1の上限トルクを、ダウンシフト後の変速段に応じたトルクに向けて連続的に低下させる。より具体的には、係合する係合機構Eの油圧に応じてエンジン1の上限トルクを設定する。
図3は、その制御装置により実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。図3に示す制御例は、変速が開始された時点、すなわち変速するために解放する係合機構(以下、解放クラッチと記す)の油圧を低下させ始める時点に実行される。図3に示す制御例では、まず、その変速がパワーオンダウンシフトであるか否かを判断する(ステップS1)。このステップS1は、ダウンシフト線を跨いでアクセル開度が増加したことにより変速を開始したか否かに基づいて判断することができる。
ダウンシフト線を跨いで車速が低下したことにより変速を開始した場合には、通常、エンジントルクが比較的低トルクであり、また運転者が加速することを意図していないと考えられる。したがって、変速開始時点で変速後の変速段に応じた上限トルクに、エンジン1の上限トルクを低下させたとしても、エンジントルクが急変することによる変速ショックが生じることがなく、また運転者が駆動力不足と違和感を抱くことがない。また、アップシフトする場合には、変速に伴ってエンジン1の上限トルクが増加するため、変速開始時点で変速後の変速段に応じた上限トルクに、エンジン1の上限トルクを増加させたとしても、エンジントルクが急変することによる変速ショックが生じることがなく、また運転者が駆動力不足と違和感を抱くことがない。そのため、パワーオンダウンシフトでないことによりステップS1で否定的に判断された場合は、変速後の変速段に応じた上限トルクに、エンジン1の上限トルクを設定して(ステップS2)、このルーチンを一旦終了する。
それとは反対に、パワーオンダウンシフトであることによりステップS1で肯定的に判断された場合は、ついで、変速がトルク相まで進行しているか否かを判断するために、自動変速機2の実際の入力回転数と同期回転数との差が所定差以下であるか否かを判断する(ステップS3)。このステップS3は、上記の同期判断部29によって判断することができる。この実際の入力回転数は、タービンランナー6の出力軸11の回転数を検出すればよい。また、同期回転数は、変速後の入力回転数であって、車速と変速後の変速比とに基づいて求めることができる。
実際の入力回転数と同期回転数との差が所定差よりも大きいことによりステップS3で否定的に判断された場合は、未だイナーシャ相であるため、解放クラッチの油圧を制御して変速を進行させ、変速するために係合する係合機構(以下、係合クラッチと記す)は待機する(ステップS4)。すなわち、係合クラッチは、予め定められた所定圧の油圧を供給した状態を維持する。ついで、変速前の変速段に応じた上限トルクに、エンジン1の上限トルクを設定して(ステップS5)、このルーチンを一旦終了する。
一方、実際の入力回転数と同期回転数との差が所定差以下であることによりステップS3で肯定的に判断された場合は、係合クラッチへのトルクの掛け替えを行う(ステップS6)。すなわち、係合クラッチの油圧を次第に増加させる。また、そのように係合クラッチの油圧を増加させることに伴って、出力部材に伝達されるトルクが増加し、また自動変速機2の変速比が、変速後の変速比相当まで次第に増加するため、クラッチ掛け替えに合わせて変速後の変速段に応じた上限トルクに向けて、エンジン1の上限トルクを徐変させて(ステップS7)、このルーチンを一旦終了する。すなわち、変速過渡期には、エンジン1の上限トルクが係合クラッチの油圧に基づいて設定される。なお、係合クラッチが、この発明の実施形態における「他の係合機構」に相当する。
図4には、前進第2速段から前進第1速段にパワーオンダウンシフトした場合におけるエンジン1の上限トルクの変化を説明するためのタイムチャートを示してある。図4におけるt0時点では、前進第2速段が設定されていることにより、エンジン1の上限トルクは、前進第2速段に応じて定められたトルクに設定されている。この前進第2速段が、この発明の実施形態における「第1変速段」に相当し、その前進第2速段に応じて定められたトルクが、この発明の実施形態における「第1上限トルク」に相当する。
t1時点で、前進第2速段から前進第1速段へのダウンシフトが判定されると、第1ブレーキ機構B1の油圧が低下させられ、その結果、t2時点からタービンランナー6の出力軸11の回転数であるタービン回転数が増加し始めている。すなわち、t2時点からイナーシャ相に移行している。
そのタービン回転数が、前進第1速段を設定した場合の回転数である同期回転数と所定差まで増加したことが同期判断部29によって判断されると(t3時点)、変速制御部28によって第2ブレーキ機構B2の油圧を増加させ始めるとともに、上限トルク制御部30によって、第2ブレーキ機構B2の油圧に基づいてエンジン1の上限トルクを低下させ始める。すなわち、t3時点からトルク相に移行している。
そして、t4時点で、第1クラッチ機構C1と第2ブレーキ機構B2とでトルクを伝達する。すなわち、変速が完了する。その結果、エンジン1の上限トルクも同様に、t4時点で前進第1速段に応じた上限トルクとなっている。この前進第1速段が、この発明の実施形態における「第2変速段」に相当し、その前進第1速段に応じた上限トルクが、この発明の実施形態における「第2上限トルク」に相当する。なお、タービン回転数は、t3時点とt4時点との間のt5時点で、同期回転数まで増加している。
上述したようにパワーオンダウンシフト時に、自動変速機の実際の入力回転数と同期回転数との差が所定差以下となった時点で、エンジン1の上限トルクを連続的に低下させるため、未だ変速比が増加していない時点でエンジン1の上限トルクが低下することを抑制できる。すなわち、駆動力が過度に制限されることを抑制できる。また、エンジン1の上限トルクを連続的に変化させることによって、エンジン1のトルクがステップ的に変化することを抑制でき、駆動力が急激に低下すること、すなわち変速ショックが生じることを抑制できる。
さらに、変速するために係合する係合機構の油圧は、連続的に増加させられるため、その油圧に基づいてエンジン1の上限トルクを定めることにより、エンジン1の上限トルクを連続的に変化させることができるとともに、エンジン1の上限トルクが過剰になることや不足することを抑制でき、また、エンジントルクがステップ的に変化することを抑制でき、駆動力が急激に低下すること、より具体的には、駆動力がステップ的に低下することを抑制できる。
なお、この発明の実施形態における車両は、複数の変速段を設定することができる自動変速機を備えていればよく、例えば、前進第1速段から前進第6速段までの変速段を設定することができる車両などであってもよく、図1に示す構成の車両に限らない。また、変速段を設定する係合機構は、油圧式の係合機構に限らず、電磁クラッチなどの他のクラッチ機構であってもよい。
1 エンジン
2 自動変速機
3,11 出力軸
12 入力軸
13,14 遊星歯車機構
15,20,21 サンギヤ
16,22 リングギヤ
17,18,23,24 ピニオンギヤ
19,25 キャリヤ
26 出力ギヤ
27 電子制御装置(ECU)
28 変速制御部
29 同期判断部
30 上限トルク制御部
B1,B2 ブレーキ機構
C1,C2,C3,C4 クラッチ機構

Claims (4)

  1. 内燃機関と、駆動輪と、前記内燃機関と前記駆動輪との間に連結されかつ複数の変速段を設定することができる自動変速機とを備えた車両の制御装置において、
    前記内燃機関と、前記自動変速機とを制御するコントローラを備え、
    前記コントローラは、
    前記車両に要求される駆動力が増加することによって、前記自動変速機の変速段を変速比が小さい第1変速段から変速比が大きい第2変速段にダウンシフトする変速制御部と、
    前記ダウンシフトしている過程での前記自動変速機の実際の入力回転数と前記第2変速段に応じた前記自動変速機の入力回転数との差が所定差以下になったことを判断する同期判断部と、
    前記同期判断部によって前記自動変速機の実際の入力回転数と前記第2変速段に応じた前記自動変速機の入力回転数との差が所定差以下となったことが判断された場合に、前記内燃機関の上限トルクを、前記第1変速段に応じて予め定められた第1上限トルクから、前記第2変速段に応じて予め定められた第2上限トルクに連続的に低下させる上限トルク制御部と
    を備えている
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置において、
    前記自動変速機は、伝達トルク容量を制御可能な複数の係合機構を備え、
    前記変速制御部は、前記複数の係合機構のうちの少なくともいずれか一つの係合機構の伝達トルク容量を低下させ、かつ複数の係合機構のうちの他の係合機構の伝達トルク容量を増加させることによって、前記ダウンシフトを行うように構成され、
    前記上限トルク制御部は、前記他の係合機構の伝達トルク容量に基づいて前記内燃機関の上限トルクを定める
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の制御装置において、
    前記変速制御部は、前記同期判断部によって前記自動変速機の実際の入力回転数と前記第2変速段に応じた前記自動変速機の入力回転数との差が前記所定差以下になったことが判断された場合に、前記他の係合機構の伝達トルク容量を増加させ始める
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の車両の制御装置において、
    前記上限トルク制御部は、前記同期判断部によって前記自動変速機の実際の入力回転数と前記第2変速段に応じた前記自動変速機の入力回転数との差が前記所定差よりも大きいと判断された場合に、前記内燃機関の上限トルクを前記第1上限トルクに定める
    ことを特徴とする車両の制御装置。
JP2022007749A 2022-01-21 2022-01-21 車両の制御装置 Pending JP2023106803A (ja)

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