JP2023102542A - チップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、層間での剥離に対する抵抗力に優れたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を提供することである。【解決手段】本発明は、パルプを主成分とする厚さ1.0mm以上の多層抄きの基紙を有するチップ状電子部品用キャリアテープ台紙に関し、前記パルプがLBKPとNBKPとコットンパルプの混合叩解パルプであることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、チップ状電子部品用キャリアテープ台紙とその製造方法に関する。具体的には、層間での剥離に対する抵抗力に優れたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙とその製造方法に関する。
従来、各種の電子機器の自動生産化を図るために、プリント基板に対してチップ状電子部品の自動装着がなされている。チップ状電子部品の自動装着工程では、チップ部品実装機などを用いて、プリント配線板にチップ状電子部品を1つずつ供給し、プリント配線板に自動装着している。この自動装着工程において、チップ状電子部品の取り扱いを容易に行うために、個々のチップ状電子部品をテープ状の搬送体で包装したテーピング包装体が使用されている。
前記テーピング包装体は、キャリアテープ台紙に、チップ状電子部品装填用の凹状または穿孔の装填部(以下、単に「装填部」と記載することがある。)を一定間隔で形成し、前記装填部に所定のチップ状電子部品を装填した後、カバーテープで封入することによって加工形成されている。なお、装填部は、一般的に角形に設けられ、プレスポケットやキャビティーなどと称されることもある。装填部は金型を用いて形成される。
ここで使用される厚さが1.0mm以上のキャリアテープ台紙は、しなやかさに乏しいため、加工の際の工程内での走行中にロール等でしごかれ、台紙内部で層間剥離を生じることがあった。また製品巻取り時に折れじわが入りやすい問題があった。このような問題を解決する方法として、パルプにコットンリンターパルプを配合してしなやかさを改善する提案がある(例えば、特許文献1を参照)。
しかし加工機の高速化に伴い、より折れじわや層間剥離が発生しやすい状況にあり、更なる改善が求められていた。本発明は、このような問題に鑑み、高速化した加工機を使用する場合であっても、加工の際にロール等でしごかれても剥離を起こしにくく、巻取りの際にも折れじわの入りにくいチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上記課題を解決するため、本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、パルプを主成分とする厚さ1.0mm以上の多層抄きの基紙を有し、前記パルプがLBKPとNBKPとコットンパルプの混合叩解パルプであることを特徴とする。さらに、本発明に係るチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法は、パルプを主成分とする厚さ1.0mm以上の多層抄きの基紙を有するチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法であって、LBKPとNBKPとコットンパルプの混合叩解により得られたパルプスラリーを用いて抄紙機にて抄紙することを特徴とする。このような構成とすることで、加工の際にロール等でしごかれても剥離を起こしにくく、巻取りの際にも折れじわの入りにくいチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を製造することができる。
また、本発明においては、前記混合叩解により得られたパルプスラリーのカナダ標準濾水度(CSF)(JIS P 8121:1995 パルプのろ水度試験方法)が520~650mlであってもよい。このような構成によれば、加工の際にロール等でしごかれてもより剥離を起こしにくく、巻取りの際の折れじわがより入りにくいチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を製造することができる。
本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙において、前記混合叩解パルプが、15~40質量%のコットンパルプ、10~30質量%のLBKP、および、40~70質量%のNBKPを含むことが好ましい。
本開示によれば、加工の際にロール等でしごかれても剥離を起こしにくく、巻取りの際に折れじわの入りにくいチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を製造することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、パルプを主成分とする基紙を有する。ここで、主成分とは、基紙を構成する成分のうち質量基準で最も含有量の多い成分であり、基紙を構成する成分のうちパルプが50質量%以上であることを示す。本実施形態では、基紙を構成する成分のうちパルプが80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。基紙に使用する原料パルプとしては、コットンパルプ、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)と広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)を配合する。その他のパルプとして広葉樹未晒しクラフトパルプ(LUKP)針葉樹未晒しクラフトパルプ(NUKP)などの化学パルプ、砕木パルプ(GP)やサーモメカニカルパルプ(TMP)などの機械パルプ、脱墨パルプなどの古紙パルプも本発明の目的とする効果を損なわない範囲で使用することができる。全パルプ中、それぞれのパルプの配合量は、コットンパルプは10質量%以上とすることが好ましく、LBKPは10質量%以上とすることが好ましく、NBKPは30質量%以上とすることが好ましい。例えば、パルプ配合としては、全パルプに対して、コットンパルプは15~40質量%、LBKPは10~30質量%、NBKPは40~70質量%、さらには、好ましくは、全パルプに対して、コットンパルプは20~40質量%、LBKPは10~30質量%、NBKPは40~60質量%、さらに好ましくは、全パルプに対して、コットンパルプは25~35質量%、LBKPは15~25質量%、NBKPは45~55質量%とすればよい。
本発明のキャリアテープ台紙は、加工機のロール等で曲げたりしごいたりした際の層間での剥離に対する抵抗力(以下、「加速負荷抵抗力」という。)を向上させるために台紙の柔らかさが必要である。尚、加速負荷抵抗力は、加速負荷試験により評価することができる。加速負荷試験は8mm幅テープ状にスリットしたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を、荷重を掛けてφ20mm径のロールでしごき、層間から剥離するまでの回数で評価するものである。回数が多いほど加速負荷抵抗力が強いことを示す。実際の加工工程においてもロールのリターンが各所にあるため重要な品質項目となる。層間剥離を生じさせないためには基紙の柔らかさが必要であるが、基紙を柔らかくすると諸強度が低下しやすくなる。本発明ではこれを補うために上記にも示したとおりコットンパルプを配合する。コットンパルプは繊維長が長く低密度化、しなやかさに寄与する一方フィブリル化しにくく、叩解抵抗が大きい。本発明ではコットンパルプの他に針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)と広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)と混合叩解をするが叩解抵抗はコットンパルプが大きく、LBKPが小さく、NBKPはその中間である。繊維長も同様でコットンリンターが長く、LBKPが短く、NBKPはその中間である。各繊維にはこのような特徴があるが、台紙の加速負荷抵抗力を向上させるためには、長繊維であるコットンパルプの叩解を進めず、短繊維のLBKPは叩解を進め、NBKPの叩解はコットンパルプとLBKPとの中間程度とすることが好ましいことがわかった。そこで、本発明では、コットンパルプ、LBKP、およびNBKPの各パルプを混合して叩解する。これらのパルプを混合叩解すると結果的に叩解抵抗が大きいコットンパルプの叩解度は低く、LBKPの叩解度は高く、NBKPの叩解度はその中間となり所望する形態となり、基紙の加速負荷抵抗力を向上させることができる。また、混合叩解は一系統のパルピング装置、一系統の叩解装置により達成可能であることから、エネルギー効率に優れる。すなわち、本発明のパルプを主成分とするチップ状電子部品用キャリアテープ台紙において、パルプとしては、LBKPとNBKPとコットンパルプの混合叩解パルプスラリーを使用する。本発明においては、LBKPとNBKPとコットンパルプを各々単独で使用しそれを混合したパルプスラリーについては使用しない。
本発明において、前述の混合叩解により得られたパルプスラリーのカナダ標準濾水度(CSF)は、500~650mlとすることが好ましい。より好ましくは、CSF520~650ml、さらには、CSF550~600mlである。このような濾水度の範囲とすることで加速負荷抵抗力に更に優れ、巻取りの際の折れじわがより入りにくいチップ部品用キャリアテープ台紙とすることができる。
次に、適切な叩解度に調整したパルプスラリーを原料スラリーとし、抄紙機で抄紙してキャリアテープ台紙の基紙を形成する。抄紙機は公知の抄紙機を用いることができる。すなわち、長網式抄紙機、円網式抄紙機、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマー等で抄紙することができる。基紙の構成は3層以上の多層抄きが好ましい。3層以上の多層とする場合には、各層間には、層間強度を向上させることを目的として、層間に澱粉やポリアクリルアマイド水溶液を噴霧して抄紙してもよい。
原料スラリーには、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、填料、紙力剤、サイズ剤、歩留まり向上剤、着色染料、着色顔料などの製紙用添加剤を適宜添加してもよいが、加速負荷抵抗力をはじめとする強度付与のため填料、特に無機填料は基紙中に1質量%以下の含有量とすることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下である。本発明において、無機填料には、原料パルプに由来して意図せずに混入する灰分が含まれる。基紙に含まれる無機填料の含有量の下限値は、特に限定されないが、この非意図的に混入する灰分を考慮して、0.1質量%以上であってもよい。また、基紙の表面には、必要に応じて表面紙力増強剤を塗布することができる。表面紙力増強剤は澱粉系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアマイド系などが挙げられるが澱粉系、ポリビニルアルコール系、が好ましく特に澱粉系とポリビニルアルコール系の混合液が好ましい。前述した混合叩解をすると、コットンパルプの叩解度合いが小さくなり繊維の長さが維持される代わりに基紙の表面強度が弱くなるおそれがある。これを補うために表面紙力増強剤を基紙表面に塗布することが好ましい。ポリビニルアルコール系と澱粉系の表面紙力増強剤を混合使用することで適度な粘性、浸透となり好適な表面強度および層間強度が得られやすい。表面紙力増強剤の基紙への塗布方法は限定するものではなく、2本ロールサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、メタリングサイズプレス等の塗工機を用いて塗布することができる。これらの中でも、製造効率や加工適性、表面強度の向上、紙層強度の向上の観点から2本ロールサイズプレスを使用することが好ましい。表面紙力増強剤の塗布量は、基紙の両面当たり固形分換算で0.5~5g/m2であることが好ましく、より好ましくは2~4g/m2の範囲である。例えば、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの公知の水溶性高分子を塗布することが好ましく、酸化澱粉を2~6質量%および/またはポリビニルアルコールを2~5質量%含む混合サイズ液を基紙の両面に0.5~5g/m2塗布してもよい。また、酸化澱粉および/またはポリビニルアルコールを各々基紙両面当たり固形で0.3~2.5g/m2となるように塗布することができる。
本実施形態においては、乾燥後の基紙を、必要に応じて平滑化処理してもよい。平滑化処理の方法は特に限定するものではなく、マシンキャンダー、ソフトキャレンダ-、スーパーキャレンダ-などを用いることができる。
本実施形態においては、基紙の厚さは、1.0mm以上を対象とする。厚さの上限は特に限定するものではないが、厚みが大きすぎると基紙を巻き取ることが難しくなるので、実質的には1.8mm以下であり、好ましくは1.5mm以下であり、より好ましくは1.2mm以下である。特に厚みが1.0~1.2mmの範囲であると本発明の効果が得られやすい。厚さが1.2mmより大きくなるとなると、紙のしなやかさが損なわれやすくなり、加速負荷抵抗力が乏しいと基紙を曲げた時に層間から剥離が起こりやすくなる。この厚さに対応する基紙全体の坪量は760~1548g/m2とすることが好ましく、基紙の密度は0.76~0.86cm3/gが好ましい。密度が0.76cm3/g未満では加速負荷抵抗力に乏しくなるおそれがあり、0.86cm3/gを超えると基紙が硬くなりやすく、加速負荷抵抗力を損ねたり、巻取りの際の折れじわも入りやすくなるおそれがある。基紙は単層でも複層でもよいが、好ましくは3~6層程度の層構造を有していることが好ましい。各層の坪量としては、150~200g/m2とすることが好ましく、各層を合わせて上記の基紙全体の坪量とするとよい。
また、原料スラリーには、各種公知の製紙用添加剤が含まれていてもよい。製紙用添加剤としては、例えば、サイズ剤、湿潤紙力増強剤などの内添紙力増強剤、嵩高剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光消色剤、ピッチコントロール剤などがある。例えば、本発明の一実施形態においては、パルプスラリー100部に対して、硫酸バンドを0.05~0.3部、および/または、カチオン性デンプンを0.5~1.0部、および/または、両性ポリアクリルアマイドを0.1~0.5部、および/または、ロジンエマルジョンサイズ剤を0.2~1.0を加えることが好ましい。
本実施形態のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、チップ状電子部品を装填するための装填部を一定間隔で形成し、前記装填部にチップ状電子部品を装填した後、カバーテープで封入し、チップ状電子部品用キャリアテープとして使用される。装填部は、エンボス加工によって形成される有底の凹部または打ち抜き加工によって形成される貫通孔のいずれでもよい。貫通孔とする場合は、キャリアテープ台紙の一方の面にボトムテープを装着して貫通孔の一方の孔を塞ぎ、装填部を形成する。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
<実施例1>
基紙として表層(1層目)、中間層(2~4層目)、裏層(5層目)の5層抄きの紙を次の通り抄造した。コットンパルプ30部、LBKP20部、NBKP50部からなるパルプスラリーを混合叩解しカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)570mlに調整してパルプスラリーを得た。次に、硫酸バンドを0.2部、カチオン性デンプン(商品名:ネオタック#30T/日本食品加工社製)0.7部、両性ポリアクリルアマイド(商品名:ハーマイドRB234/ハリマ化成社製)0.3部、ロジンエマルジョンサイズ剤(商品名:CC-1404/星光PMC社製)0.5部をパルプスラリーに添加して原料スラリーを得た。得られた原料スラリーを用い円網抄紙機によって表層、中間層、裏層からなる5層の湿紙を抄き合わせて基紙を抄紙し、目的とするチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。尚、抄紙の際、プレスパートで窄水し、乾燥した後に、2本ロールサイズプレスにて酸化澱粉(SK-20/日本コーンスターチ社製)4.0%、ポリビニルアルコール(ゴーセナールT-350/日本合成化学工業社製)3.3%の混合サイズ液を基紙の両面あたり3g/m2となるように塗布し、シリンダードライヤーで乾燥、多段キャレンダーにより平滑化処理を行った。各層の坪量は、表層を170g/m2、中間層を190g/m2を3層、裏層を170g/m2として、基紙全体の坪量を、910g/m2とした。厚みは1.10mm、密度は0.83cm3/gであり、チップ状電子部品用キャリアテープ台紙中の灰分は、0.4質量%であった。
基紙として表層(1層目)、中間層(2~4層目)、裏層(5層目)の5層抄きの紙を次の通り抄造した。コットンパルプ30部、LBKP20部、NBKP50部からなるパルプスラリーを混合叩解しカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)570mlに調整してパルプスラリーを得た。次に、硫酸バンドを0.2部、カチオン性デンプン(商品名:ネオタック#30T/日本食品加工社製)0.7部、両性ポリアクリルアマイド(商品名:ハーマイドRB234/ハリマ化成社製)0.3部、ロジンエマルジョンサイズ剤(商品名:CC-1404/星光PMC社製)0.5部をパルプスラリーに添加して原料スラリーを得た。得られた原料スラリーを用い円網抄紙機によって表層、中間層、裏層からなる5層の湿紙を抄き合わせて基紙を抄紙し、目的とするチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。尚、抄紙の際、プレスパートで窄水し、乾燥した後に、2本ロールサイズプレスにて酸化澱粉(SK-20/日本コーンスターチ社製)4.0%、ポリビニルアルコール(ゴーセナールT-350/日本合成化学工業社製)3.3%の混合サイズ液を基紙の両面あたり3g/m2となるように塗布し、シリンダードライヤーで乾燥、多段キャレンダーにより平滑化処理を行った。各層の坪量は、表層を170g/m2、中間層を190g/m2を3層、裏層を170g/m2として、基紙全体の坪量を、910g/m2とした。厚みは1.10mm、密度は0.83cm3/gであり、チップ状電子部品用キャリアテープ台紙中の灰分は、0.4質量%であった。
<実施例2>
混合叩解したパルプスラリーのCSFを570mlから530mlに変更した以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
混合叩解したパルプスラリーのCSFを570mlから530mlに変更した以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
<実施例3>
混合叩解したパルプスラリーのCSFを570mlから640mlに変更した以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
混合叩解したパルプスラリーのCSFを570mlから640mlに変更した以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
<実施例4>
各層の坪量を調整し、紙厚を1.1mmから1.2mmに変更した以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
各層の坪量を調整し、紙厚を1.1mmから1.2mmに変更した以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
<実施例5>
各層の坪量を調整し、紙厚を1.1mmから1.3mmに変更した以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
各層の坪量を調整し、紙厚を1.1mmから1.3mmに変更した以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
<比較例1>
混合叩解せずに各々単独でコットンパルプ、LBKP、NBKPをCSF570mlとなるように各々を叩解した後、コットンパルプ30部、LBKP20部、NBKP50部の割合で混合してパルプスラリーを得た以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
混合叩解せずに各々単独でコットンパルプ、LBKP、NBKPをCSF570mlとなるように各々を叩解した後、コットンパルプ30部、LBKP20部、NBKP50部の割合で混合してパルプスラリーを得た以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
<比較例2>
紙厚を1.1mmから1.3mmとなるように各層の坪量を調整した以外は比較例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
紙厚を1.1mmから1.3mmとなるように各層の坪量を調整した以外は比較例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
<加速負荷試験>
チップ状電子部品用キャリアテープ台紙を8mm幅×1800mmのテープ状にスリットし、φ20mm径のロールに巻き付けて荷重をかけて扱く。尚、荷重は1580gと2000gの2通りで行った。荷重を大きくすることでより高速化した加工機における加速負荷抵抗力を評価することができる。層間が剥離長5mmとなるまでの扱き回数で評価した。評価基準は次のとおりである。
◎:200回以上扱いても剥離せず。(実用レベルで合格。)
〇:150~200回で剥離発生。(実用レベルで合格。)
△:100~150回で剥離発生。(実用下限レベルだが合格)
×:100回未満で剥離発生。(実用不可レベルで不合格)
チップ状電子部品用キャリアテープ台紙を8mm幅×1800mmのテープ状にスリットし、φ20mm径のロールに巻き付けて荷重をかけて扱く。尚、荷重は1580gと2000gの2通りで行った。荷重を大きくすることでより高速化した加工機における加速負荷抵抗力を評価することができる。層間が剥離長5mmとなるまでの扱き回数で評価した。評価基準は次のとおりである。
◎:200回以上扱いても剥離せず。(実用レベルで合格。)
〇:150~200回で剥離発生。(実用レベルで合格。)
△:100~150回で剥離発生。(実用下限レベルだが合格)
×:100回未満で剥離発生。(実用不可レベルで不合格)
表1に示すとおり、実施例1~5で得られたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、加速負荷試験の結果、実用に耐えうる加速負荷抵抗力を有しており、巻取りの際の折れじわの発生を抑制することができる。一方で、比較例1で得られたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、高速化した加工機を想定し荷重を高くした加速負荷試験では耐えることが出来ず実用不可となった。尚、厚みを大きくした実施例4と実施例5を比較すると、実施例5で得られたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙はやや加速負荷抵抗力に劣る結果となった。これより基紙の厚さが1.2mm以下でより本発明の効果が得られやすいものと考えられる。
Claims (5)
- パルプを主成分とする厚さ1.0mm以上の多層抄きの基紙を有するチップ状電子部品用キャリアテープ台紙であって、
前記パルプがLBKPとNBKPとコットンパルプの混合叩解パルプであることを特徴とする、チップ状電子部品用キャリアテープ台紙。 - 前記混合叩解パルプのカナダ標準濾水度(CSF)(JIS P 8121:1995 パルプのろ水度試験方法)が500~650mlであることを特徴とする、請求項1に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙。
- 前記混合叩解パルプが、15~40質量%のコットンパルプ、10~30質量%のLBKP、および、40~70質量%のNBKPを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙。
- パルプを主成分とする厚さ1.0mm以上の多層抄きの基紙を有するチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法であって、LBKPとNBKPとコットンパルプの混合叩解により得られたパルプスラリーを用いて抄紙機にて抄紙することを特徴とする、チップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法。
- 前記混合叩解により得られたパルプスラリーのカナダ標準濾水度(CSF)(JIS P 8121:1995 パルプのろ水度試験方法)が500~650mlであることを特徴とする、請求項4に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法。
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JP2022003093A JP2023102542A (ja) | 2022-01-12 | 2022-01-12 | チップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法 |
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- 2022-01-12 JP JP2022003093A patent/JP2023102542A/ja active Pending
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