JP2023101891A - 光ファイバ - Google Patents

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Abstract

【課題】LP01モードの有効コア断面積がさらに拡大された実用的な光ファイバを提供すること。【解決手段】光ファイバは、波長1550nmにおいて、伝搬モードとして、LP01モードとLP11モードとを含み、波長1550nmにおいて、LP01モードの有効コア断面積が180μm2以上である。波長1550nmにおいて、LP11モードの有効コア断面積が320μm2以上でもよい。波長1550nmにおいて、LP01モードの有効コア断面積が260μm2以下でもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバに関する。
特許文献1には、高次モードでの光の伝搬を或る程度の長さまで許容することで、波長1550nmにおいて長距離を実質的にLP01モード(基底モードとも呼ばれる)で光を伝搬する光ファイバが開示されている。この光ファイバでは、波長1550nmにおいて90~100μmという比較的大きな有効コア断面積(Aeff)が実現されている。このような光ファイバは、実質的なシングルモード光ファイバと呼ばれる場合がある。
特許文献2には、有効コア断面積が拡大された数モード光ファイバが開示されている。この数モード光ファイバでは、長距離での数モード光伝送を行うために、波長1550nmにおける有効コア断面積が、LP01モードでは170μm程度に制限され、LP11モードでは310μm以下に制限されている。
特許第4101429号公報 特許第5100921号公報
長距離大容量光伝送に用いる光ファイバとしては、非線形性の低減のために、有効コア断面積が大きいことが望ましい。しかしながら、LP01モードの有効コア断面積がさらに拡大された実用的な光ファイバについては提案されていなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、LP01モードの有効コア断面積がさらに拡大された実用的な光ファイバを提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、波長1550nmにおいて、伝搬モードとして、LP01モードとLP11モードとを含み、波長1550nmにおいて、LP01モードの有効コア断面積が180μm以上である光ファイバである。
波長1550nmにおいて、LP11モードの有効コア断面積が320μm以上であるものでもよい。
波長1550nmにおいて、LP01モードの有効コア断面積が260μm以下であるものでもよい。
波長1550nmにおいて、LP11モードのマイクロベンド損失が、LP01モードのマイクロベンド損失の10倍以上であるものでもよい。
波長1550nmにおいて、サンドペーパー法を用いて測定したLP01モードのマイクロベンド損失が1dB/km以下であるものでもよい。
センタコアからなる、または、センタコアと該センタコアの外周を取り囲むコア層とからなる、コア部と、前記コア部の最大屈折率よりも屈折率が低く、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、を備え、前記センタコアの最大屈折率の純石英ガラスに対する比屈折率差をΔ1とし、前記センタコアに隣接する領域の屈折率の、純石英ガラスに対する比屈折率差をΔ2とすると、(Δ1-Δ2)は0.13%以上0.45%以下であるものでもよい。
(Δ1-Δ2)は0.15%以上0.40%以下であるものでもよい。
前記コア部において、前記クラッド部よりも屈折率が高い部分が、前記センタコアのみであるものでもよい。
前記センタコアのコア直径2aが15μm以上22μm以下であるものでもよい。
本発明によれは、LP01モードの有効コア断面積がさらに拡大された実用的な光ファイバを実現できるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る光ファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。 図2は、実施形態に係る光ファイバの屈折率プロファイルの模式図である。 図3は、有効コア断面積とマイクロベンド損失との関係の例を示す図である。 図4は、有効コア断面積とマイクロベンド損失との関係の例を示す図である。 図5は、有効コア断面積とマイクロベンド損失との関係の例を示す図である。 図6は、LP01モードの有効コア断面積とLP11モードの有効コア断面積との関係の例を示す図である。 図7は、(Δ1-Δ2)と、典型的なマイクロベンド損失との関係の一例を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する構成要素には適宜同一の符号を付している。また、本明細書においては、カットオフ波長または実効カットオフ波長とは、国際通信連合(ITU)のITU-T G.650.1で定義するケーブルカットオフ波長(λcc)をいう。また、その他、本明細書で特に定義しない用語についてはG.650.1およびG.650.2における定義、測定方法に従うものとする。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る光ファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。光ファイバ1は、石英系ガラスからなるコア部1aと、石英系ガラスからなり、コア部1aの外周を取り囲むクラッド部1bとを備える。なお、光ファイバ1におけるコア部1aとクラッド部1bとを備える部分は、光ファイバにおいてガラスからなる部分であり、ガラス光ファイバと記載する場合がある。また、光ファイバ1は、クラッド部1bの外周を取り囲む被覆層1cを備える。被覆層1cは、クラッド部1bの外周を取り囲むプライマリ層1caと、プライマリ層1caの外周を取り囲むセカンダリ層1cbとを有する。被覆層1cを備える光ファイバは、光ファイバ心線と記載する場合がある。
プライマリ層1caおよびセカンダリ層1cbは、樹脂からなる。この樹脂は、たとえば、紫外線硬化樹脂である。紫外線硬化樹脂は、たとえば、オリゴマー、希釈モノマー、光重合開始剤、シランカップリング剤、増感剤、滑剤等、各種の樹脂材料と添加剤とを配合したものである。オリゴマーとしては、ポリエーテル系ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレート等、従来公知の材料を用いることができる。希釈モノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマー等、従来公知の材料を用いることができる。また、添加剤は、上記したものに限定されず、紫外線硬化樹脂等に対して使用される従来公知の添加剤等を広く用いることができる。
光ファイバ1は、たとえば図2に示すような屈折率プロファイルを有する。図2(a)、(b)、(c)、(d)は、いずれも、光ファイバ1のコア部1aの中心軸から半径方向における屈折率プロファイルを示している。なお、屈折率プロファイルは、純石英ガラスに対する比屈折率差で示している。ここで、純石英ガラスとは、屈折率を変化させるドーパントを実質的に含まず、波長1550nmにおける屈折率が約1.444である、きわめて高純度の石英ガラスである。
図2(a)は、ステップ(Step)型の屈折率プロファイルを示している。図2(a)において、プロファイルP11がコア部1aの屈折率プロファイルを示し、プロファイルP12がクラッド部1bの屈折率プロファイルを示す。ステップ型の屈折率プロファイルでは、コア部1aの直径(コア直径)は2aであり、純石英ガラスの屈折率に対する、コア部1aの最大屈折率の比屈折率差(最大比屈折率差)はΔ1である。また、純石英ガラスの屈折率に対するクラッド部1bの平均屈折率の比屈折率差はΔcladである。図2(a)の場合、コア部1aのなかで平均の屈折率が最大である部分であるセンタコアは、コア部1a全体に対応する。すなわち、図2(a)の場合は、コア部がセンタコアからなる場合の一例である。
図2(b)は、いわゆるW型の屈折率プロファイルを示している。図2(b)において、プロファイルP21がコア部1aの屈折率プロファイルを示し、プロファイルP22がクラッド部1bの屈折率プロファイルを示す。W型の屈折率プロファイルでは、コア部1aは、直径が2aのセンタコアと、センタコアの外周を取り囲むように形成されており、屈折率がクラッド部の屈折率よりも小さく内径が2aで外径が2bのディプレスト層とで構成されている。センタコアは、コア部1aのなかで平均の屈折率が最大である部分である。純石英ガラスの屈折率に対するセンタコアの最大比屈折率差はΔ1である。純石英ガラスの屈折率に対するディプレスト層の平均屈折率の比屈折率差はΔ2である。また、純石英ガラスの屈折率に対するクラッド部1bの平均屈折率の比屈折率差はΔcladである。
図2(b)の場合は、コア部がセンタコアと該センタコアの外周を取り囲む1層のコア層とからなる場合の一例である。ディプレスト層はコア層の一例である。
図2(c)は、いわゆるトレンチ型の屈折率プロファイルを示している。図2(c)において、プロファイルP31がコア部1aの屈折率プロファイルを示し、プロファイルP32がクラッド部1bの屈折率プロファイルを示す。トレンチ型の屈折率プロファイルでは、コア部1aは、直径が2aのセンタコアと、センタコアの外周を取り囲むように形成されており、屈折率がセンタコアの最大屈折率よりも小さく内径が2aで外径が2bの中間層と、中間層の外周を取り囲むように形成されており、屈折率がクラッド部の屈折率よりも小さく内径が2bで外径が2cのトレンチ層とで構成されている。センタコアは、コア部1aのなかで平均の屈折率が最大である部分である。純石英ガラスの屈折率に対するセンタコアの最大比屈折率差はΔ1である。純石英ガラスの屈折率に対する中間層の比屈折率差はΔ2である。純石英ガラスの屈折率に対するトレンチ層の比屈折率差はΔ3である。また、純石英ガラスの屈折率に対するクラッド部1bの平均屈折率の比屈折率差はΔcladである。なお、Δ2は、通常はΔcladと同値またはその近傍に設定される。
図2(c)の場合は、コア部がセンタコアと該センタコアの外周を取り囲む2層のコア層とからなる場合の一例である。中間層とトレンチ層は、2層のコア層の一例である。
図2(d)は、いわゆる階段型の屈折率プロファイルを示している。図2(d)において、プロファイルP41がコア部1aの屈折率プロファイルを示し、プロファイルP42がクラッド部1bの屈折率プロファイルを示す。階段型の屈折率プロファイルでは、コア部1aは、直径が2aのセンタコアと、センタコアの外周を取り囲むように形成されており、屈折率がクラッド部の屈折率よりも大きく内径が2aで外径が2bの階段層とで構成されている。センタコアは、コア部1aのなかで平均の屈折率が最大である部分である。純石英ガラスの屈折率に対するセンタコアの最大比屈折率差はΔ1である。純石英ガラスの屈折率に対する階段層の平均屈折率の比屈折率差はΔ2である。また、純石英ガラスの屈折率に対するクラッド部1bの平均屈折率の比屈折率差はΔcladである。
図2(d)の場合は、コア部がセンタコアと該センタコアの外周を取り囲む1層のコア層とからなる場合の一例である。階段層はコア層の一例である。
ここで、コア部1aのセンタコアの屈折率プロファイルは、幾何学的に理想的な形状のステップ型である場合だけでなく、頂部の形状が平坦ではなく製造特性により凹凸が形成されたり、頂部から裾を引くような形状となっていたりする場合がある。この場合、製造設計上のコア部1aのコア直径2aの範囲内における、屈折率プロファイルの頂部で略平坦である領域の屈折率が、Δ1を決定する指標となる。なお、略平坦である領域が複数個所に分かれていると思われる場合や、あるいは連続的な変化が起こっていて略平坦である領域の定義が難しい場合も、隣の層に向かって急激に屈折率が変化する部分以外のコア部の少なくともいずれかの部分が下記のΔ1の範囲に入っていて、最大値と最小値とのΔの差が、或る値±30%以内であれば、所望に近い特性を出すことが可能であることを確認しており、特に問題はない。
また、ディプレスト層、中間層、トレンチ層、階段層、およびクラッド部1bの平均屈折率とは、屈折率プロファイルの径方向における屈折率の平均値である。クラッド部1bは、コア部1aの最大屈折率よりも屈折率が低い。
つぎに、光ファイバ1のコア部1aおよびクラッド部1bの構成材料について説明する。コア部1aのセンタコアおよび階段層は、塩素(Cl)がドープされるとともに、カリウム(K)およびナトリウム(Na)の少なくとも一方がドープされた石英ガラスからなる。Clおよび、KやNaなどのアルカリ金属元素は、石英ガラスの屈折率を上昇させるとともに、粘性を低下させるドーパントである。なお、KやNaは化合物、たとえばカリウム化合物やナトリウム化合物としてドープされていてもよい。
一方、クラッド部1bは、その少なくとも一部が、屈折率を低下させるドーパントであるたとえばフッ素(F)またはホウ素(B)を含む石英ガラスからなる。一方、ディプレスト層およびトレンチ層は、屈折率を低下させる屈折率低下ドーパントであるフッ素またはホウ素をクラッド部1bよりもさらに多く含む石英ガラスからなる。中間層は、クラッド部1bと同じ成分またはそれに近い成分の石英ガラスからなる。ここで、屈折率を下げるドーパントとしては、フッ素にする方が製造性の観点でより好ましい。なお、フッ素は、フッ素化合物としてドープされていてもよい。
なお、以下に説明する所望の屈折率プロファイルが実現されているならば、コア部1aにおけるセンタコアと階段層以外のコア層、またはクラッド部1bに、KやNaやClがドープされていてもよい。
また、コア部1aのセンタコアが純石英ガラスからなっていてもよい。この場合、階段層は屈折率低下ドーパントを含む石英ガラスからなっていてもよい。
また、コア部1aのセンタコアおよび階段層が、屈折率を上昇させるドーパントであるたとえばゲルマニウム(Ge)を含む石英ガラスからなっていてもよい。この場合、中間層やクラッド部は純石英ガラスからなっていてもよい。
この光ファイバ1は、波長1550nmにおいて、伝搬モードとして、LP01モードとLP11モードとを含む。そして、光ファイバ1は、波長1550nmにおいて、LP01モードの光の有効コア断面積が180μm以上である。このように、光ファイバ1は、LP01モードについて、より拡大された有効コア断面積を有している。
ここで、シングルモード光ファイバの場合、基底モードの有効コア断面積とマイクロベンド損失との間にはトレードオフの関係があることが知られている。たとえば、図3は、シングルモード光ファイバについて、波長1550nmにおける、LP01モードの有効コア断面積とマイクロベンド損失との関係の例を示す図である。ここで、シングルモード光ファイバは、図2に示すような様々な屈折率プロファイルのもとで有効コア断面積が90μm~150μm程度となるように設計したものである。図3において、「y=4E-14x6.1397」は、データ点のフィッティング関数である。「4E-14」は4×10-14を意味している。
図3から分かるように、マイクロベンド損失は有効コア断面積との関係が強く、かつsの関係は指数関数的な関係である。そして、波長1550nmにおいてマイクロベンド損失を1dB/km以下にしようとすると、有効コア断面積は150μm程度が上限であることが分かる。しかしながら、より大容量の光伝送に対応するためには、より拡大された有効コア断面積が望まれている。
そこで、本発明者は、光導波路としては、ケーブルカットオフ波長(λcc)を1550nm以上としてLP11モードの伝搬を許容しながら、実際にはLP11モードのマイクロベンド損失が大きくなるように光ファイバを設計し、実質的にはLP11モードの伝搬を抑制して実質的なシングルモード伝搬性を担保することを検討した。その結果、LP01モードの有効コア断面積が180μm以上でありつつ、マイクロベンド損失が抑制され得る構成を見出した。
図4は、波長1550nmにおける、LP01モードの有効コア断面積とマイクロベンド損失との関係の例を示す図である。図4において、「シングルモードファイバ」とは、光導波路としてLP11モードの伝搬が許容されず、LP01モードの伝搬だけが許容された光ファイバの典型的な特性である。一方、「LP11モード伝搬型ファイバ」とは、光導波路としてLP01モードおよびLP11モードの伝搬が許容された光ファイバの典型的な特性である。図4から明らかなように、LP11モードの伝搬を許容することで、設計の自由度が大幅に広がり、有効コア断面積を拡大したときのマイクロベンド損失の増大を大幅に抑制することができる。
なお、LP01モードの有効コア断面積が260μmを超えると、マイクロベンド損失が1dB/kmを超える場合がある。そこで、LP01モードの有効コア断面積は260μm以下が好ましい。
さらに、本発明者は、波長1550nmにおける、LP11モードの有効コア断面積とマイクロベンド損失との関係を調査した。図5は、波長1550nmにおける、LP11モードの有効コア断面積とマイクロベンド損失との関係の例を示す図である。
本発明者の検討によると、波長1550nmにおけるLP11モードのマイクロベンド損失が70dB/kmを超えると、マクロベンド損失とマイクロベンド損失との相互作用によって光ファイバの伝送損失が急激に増大し、数十~数百mの長さでのLP11モードの伝送が実質的に困難になることが分かった。図5を参照すると、LP11モードの有効コア断面積が320μm以上では、マイクロベンド損失が70dB/kmを超える。したがって、実質的なシングルモード伝搬特性の実現のためには、LP11モードの有効コア断面積が320μm以上であることが好ましい。
以上のように、本実施の形態に係る光ファイバ1は、従来は実現不可能であると考えられてきた、波長1550nmにおけるLP01モードにおいて、180μm以上という極めて大きい有効コア断面積を実現可能である。また、波長1550nmにおけるLP01モードの有効コア断面積が260μm以下であれば、1dB/km以下のマイクロベンド損失を実現できるのでより好ましい。また、LP11モードの有効コア断面積が320μm以上であれば、実質的なシングルモード伝搬特性を実現できるのでさらに好ましい。
また、光ファイバ1においては、波長1550nmにおいて、LP01モードの伝送損失は、0.20dB/km以下が好ましく、0.19dB以下がより好ましく、0.18dB/km以下がさらに好ましい。
また、光ファイバ1においては、波長1550nmにおいて、LP11モードのマイクロベンド損失が、LP11モードのマイクロベンド損失の10倍以上であることが好ましく、50倍以上であることがより好ましく、100倍以上であることがさらに好ましい。これにより、LP01モードを好適に伝搬しながら、LP11モードを伝搬しにくくすることができる。
つぎに、本発明者は、上述した好ましい有効コア断面積を実現するための最適な構造パラメータ(プロファイルパラメータとも呼ばれる)に関して、体系的な検討を行った。その結果、有効コア断面積は、Δ1とΔ2との差である(Δ1-Δ2)に深い関係があることがわかった。なお、Δ2は、センタコアに隣接する領域の屈折率の、純石英ガラスに対する比屈折率差ということができるので、ステップ型の場合は、Δ2はΔcladに置き換えて考えることができる。
図6は、様々な(Δ1-Δ2)に対する、波長1550nmにおけるLP01モードの有効コア断面積とLP11モードの有効コア断面積との関係の例を示す図である。図6に示すデータ点は、様々な屈折率プロファイル(ステップ型、階段型、W型、トレンチ型)にて、それぞれ最適化を行った場合の有効コア断面積の値の平均値を示している。図6から、(Δ1-Δ2)が0.45%以下でないと、LP11モードの有効コア断面積を320μm以上にし難いことが分かる。たとえば、図6に示す(Δ1-Δ2)が0.5%の場合、LP01モードの有効コア断面積を180μm以上とし、かつLP11モードの有効コア断面積を320μm以上とすることが困難であった。
以上のことから、LP11モードの有効コア断面積を320μm以上にするためには、(Δ1-Δ2)が0.45%以下であることが好ましく、0.40%以下であることがより好ましい。
一方、図7は、波長1550nmにおけるLP11モードの有効コア断面積を200μmに設定した場合の、(Δ1-Δ2)と、典型的なマイクロベンド損失との関係の一例を示す図である。図7に示すように、有効コア断面積を固定した場合、(Δ1-Δ2)が小さくなるにつれてマイクロベンド損失が小さくなること、(Δ1-Δ2)が0.13%を下回ると、1dB/km以下のマイクロベンド損失を実現することが困難であることが分かった。以上の観点から、(Δ1-Δ2)は0.13%以上であることが好ましく、0.15%以上であれば、より確実に低マイクロベンド損失が得られるのでより好ましい。さらには、センタコアのコア直径2aは、15μm以上22μm以下であることが、波長1550nmにおいてLP01モードの有効コア断面積を180μm以上としつつLP11モードの有効コア断面積を320μm以上とするために好ましいことが分かった。
また、本発明者の調査によれば、センタコアに隣接する領域の屈折率が、クラッド部1bの屈折率より高いと、マイクロベンド損失が大きくなる傾向があることが分かった。これは、センタコアに隣接する領域の屈折率が、クラッド部1bの屈折率より高いと、その領域にLP01モードの光のフィールドが広がって、マイクロベンド損失が増大する場合があるためであると考えられる。したがって、マイクロベンド損失の増大を抑制する観点からは、センタコアに隣接する領域の屈折率が、クラッド部の屈折率に対してあまり高くない方が好ましい。たとえば、コア部1aにおいて、クラッド部1bよりも屈折率が高い部分がセンタコアのみであることが好ましい。
なお、上記実施形態においては、LP02モードやLP21モードなどの、LP11モードよりもさらに高次の伝搬モードが存在してもよい。LP11モードの伝搬が実質的に抑制されていれば、さらに高次の伝搬モードも伝搬が抑制されるからである。ただし、モード間干渉の複雑化をより確実に回避するためには、LP01モードとLP11モードのみが伝搬モードとして有る方がよい。
(実施例)
実施例の光ファイバとして、公知のVAD(Vapor Axial Deposition)法と線引き法とを用いて、サンプルNo.0の光ファイバを製造した。屈折率プロファイルはステップ型として、構造パラメータはΔ1を0.30%とし、コア直径2aを19μmとした。
製造した光ファイバの光学特性を測定した。光学特性測定は、シフトインプット法を用いて行い、モード結合の影響を考慮して、長尺の測定に関しては複数回の測定の平均値を取った。また、マイクロベンド損失については、JIS C6823:2010に規定される固定径ドラム法に類するサンドペーパー法を用いた。サンドペーパー法による測定方法は、番手が#1000のサンドペーパーを巻いた固定径ボビンに、100gfの張力で、500mの長さの光ファイバを互いに重ならないように1層巻きに巻き付けた状態Aにおける測定対象の光ファイバを伝送損失と、側圧が掛からない巻き束状態の状態Bの光ファイバの伝送損失との差をマイクロベンド損失の値として定義するものである。
光学特性測定の結果を表1に示す。なお、LP11モードのマイクロベンド損失は測定できないほど大きかったので、表1ではシミュレーションによる計算値を示している。また、表1中、「Aeff」が有効コア断面積を意味し、「MFD」はモードフィールド径を意味する。
Figure 2023101891000002
表1に示すように、LP11モードに関しては、波長1550nmにおいて、Aeffが200μm以上に拡大されながら、マイクロベンド損失が0.5dB/km以下の低い値に抑制されており、さらに伝送損失も0.19dB/km以下に抑制されていた。よって、LP11モードが十分にリーキーであるので、LP01モードが伝搬するときに、LP11モードとの干渉による過剰な損失増加は発生していないことが分かった。一方、LP11モードに関しては、計算上のマイクロベンド損失は70.9dB/kmであるが、実際には、マクロベンドやマイクロベンドによるフィールドの大きな変化とマイクロベンド損失との相乗効果があり、伝送損失は1000dB/km以上の大きな値であり、実質的に伝搬が不可能になることが分かった。そして、この光ファイバに光を入射して例えば1km以上伝搬させた場合、光の出射端では、LP01モードのみの伝搬が確認された。
さらに、他の実施例の光ファイバとして、公知のVAD法と線引き法とを用いて、サンプルNo.1~12の光ファイバを製造した。屈折率プロファイルは、No.1~9がステップ型であり、No.10が階段型であり、No.11がW型であり、No.12がトレンチ型である。
構造パラメータと光学特性測定の結果を表2、表3に示す。なお、LP11モードのマイクロベンド損失については、シミュレーションによる計算値を示している。また、伝送損失、マイクロベンド損失、有効コア断面積(Aeff)、モードフィールド径(MFD)は、いずれも波長1550nmでの値を示している。また、項目「コア」において、「Ge系」とは、センタコアがゲルマニウムを含む石英系ガラスからなり、クラッド部が純石英ガラスからなることを意味する。また、「シリカ系」とは、センタコアがゲルマニウムを含まない石英系ガラスからなり、クラッド部がフッ素を含む石英系ガラスからなることを意味する。「シリカ系」には、センタコアに、塩素、フッ素、カリウム、ナトリウムなどのドーパントが、ドーパントによる過剰な損失を生じない範囲でドープされているものも含まれている。
表2、表3に示すように、いずれの光ファイバにおいても、LP01モードについては0.20dB/km以下の良好な伝送損失が得られている。これに対して、LP11モードについては、70dB/km以上の大きなマイクロベンド損失の影響によって、伝送損失は800dB/km(0.8dB/m)以上となっており、光が実質的に伝搬できない状態となっている。また、LP01モードについては、有効コア断面積は180μm以上に拡大されているにも関わらず、マイクロベンド損失が1dB/km以下の小さい値に抑制されているので、良好な伝送損失特性が得られている。なお、表2、表3では、LP11モードのカットオフ波長が1550nm以上の光ファイバも存在するが、LP11モードよりも高次の伝搬モードは、伝送損失がLP11モードの伝送損失よりもさらに大きいので、波長1550nmでは伝搬が殆ど不可能な状態であった。また、これらの光ファイバは、ケーブル化や接続等の関連技術の実験に使用しても、特に問題は生じなかった。
なお、表2、表3において、No.6の光ファイバは、(Δ1-Δclad)が0.20%であり、(Δ1-Δ2)が0.20%であり、2aが15.0μmであるが、LP11モードのマイクロベンド損失が295.5dB/kmと十分に大きいにも関わらず、LP01モードのマイクロベンド損失が0.32dB/kmと低い値に抑制されており、特に好ましい例の一つである。また、No.12の光ファイバは、(Δ1-Δ2)が0.20%であり、(Δ3-Δclad)が-0.15%であり、2aが15.0μmであり、b/aが2.5であり、c/aが4.0であるが、LP11モードのマイクロベンド損失が198.7dB/kmと十分に大きいにも関わらず、LP01モードのマイクロベンド損失が0.34dB/kmと低い値に抑制されており、特に好ましい例の一つである。
Figure 2023101891000003
Figure 2023101891000004
なお、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 :光ファイバ
1a :コア部
1b :クラッド部
1c :被覆層
1ca :プライマリ層
1cb :セカンダリ層

Claims (9)

  1. 波長1550nmにおいて、伝搬モードとして、LP01モードとLP11モードとを含み、
    波長1550nmにおいて、LP01モードの有効コア断面積が180μm以上である
    光ファイバ。
  2. 波長1550nmにおいて、LP11モードの有効コア断面積が320μm以上である
    請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 波長1550nmにおいて、LP01モードの有効コア断面積が260μm以下である
    請求項1または2に記載の光ファイバ。
  4. 波長1550nmにおいて、LP11モードのマイクロベンド損失が、LP01モードのマイクロベンド損失の10倍以上である
    請求項1~3のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  5. 波長1550nmにおいて、サンドペーパー法を用いて測定したLP01モードのマイクロベンド損失が1dB/km以下である
    請求項1~4のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  6. センタコアからなる、または、センタコアと該センタコアの外周を取り囲むコア層とからなる、コア部と、
    前記コア部の最大屈折率よりも屈折率が低く、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、
    を備え、
    前記センタコアの最大屈折率の純石英ガラスに対する比屈折率差をΔ1とし、前記センタコアに隣接する領域の屈折率の、純石英ガラスに対する比屈折率差をΔ2とすると、(Δ1-Δ2)は0.13%以上0.45%以下である
    請求項1~5のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  7. (Δ1-Δ2)は0.15%以上0.40%以下である
    請求項6に記載の光ファイバ。
  8. 前記コア部において、前記クラッド部よりも屈折率が高い部分が、前記センタコアのみである
    請求項6または7に記載の光ファイバ。
  9. 前記センタコアのコア直径2aが15μm以上22μm以下である
    請求項6~8のいずれか一つに記載の光ファイバ。
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