JP2023101810A - 常温揮散性薬剤の拡散方法 - Google Patents

常温揮散性薬剤の拡散方法 Download PDF

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純 石川
Jun Ishikawa
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Abstract

【課題】揮散した常温揮散性薬剤が特定の領域に集中することを緩和し、常温揮散性薬剤を比較的周囲に拡散させ易い樹脂成形体を提供することを課題とする。【解決手段】常温揮散性薬剤と樹脂とを含有する樹脂組成物からなる樹脂成形体であって、隙間をあけて配された複数の羽板を有する風向変更部を備え、前記風向変更部の少なくとも一部は、受けた風が前記隙間を通ることによって、風の向きが外向きに変わるように構成されている、樹脂成形体。【選択図】図1

Description

本発明は、常温揮散性薬剤と樹脂とを含有する樹脂成形体に関する。
従来、この種の樹脂成形体としては、常温揮散性薬剤としての害虫防除成分と樹脂とし
ての熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成物からなる樹脂成形体が知られている。このよう
な樹脂成形体は、表面にブリードした害虫防除成分を周囲に揮散させることから、害虫を
忌避し又はノックダウンさせるために使用されている。
例えば、特許文献1には、害虫防除成分と熱可塑性樹脂とを含有するメッシュ状に形成
された樹脂成形体が記載されている。このような樹脂成形体は、メッシュ状に形成されて
いることにより、樹脂成形体を通り抜ける風によって、害虫防除成分を効率良く揮散させ
ることができる。
特開2009-19015号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような樹脂成形体は、風の向きが一定の場合、
常温揮散性薬剤が特定の領域に集中しやすいという問題点を有している。例えば、配置さ
れた位置の背後に壁等の障害物があるような場合であって、常温揮散性薬剤が空気より重
い場合、揮散した常温揮散性薬剤が背後下方に集中してしまうという問題点を有している
本発明は、上記問題点に鑑み、揮散した常温揮散性薬剤が特定の領域に集中することを
緩和し、常温揮散性薬剤を比較的周囲に拡散させ易い樹脂成形体を提供することを課題と
する。
本発明の樹脂成形体は、
常温揮散性薬剤と樹脂とを含有する樹脂組成物からなる樹脂成形体であって、
隙間をあけて配された複数の羽板を有する風向変更部を備え、
前記風向変更部の少なくとも一部は、受けた風が前記隙間を通ることによって、風の向
きが外向きに変わるように構成されている。
斯かる構成によれば、風向変更部の少なくとも一部が、受けた風の向きを隙間を通して
外向きに変えるため、揮散した常温揮散性薬剤が特定の領域に集中することを緩和し、常
温揮散性薬剤を比較的周囲に拡散させ易い。
また、本発明に係る樹脂成形体は、
前記常温揮散性薬剤の質量が空気の質量よりも重く、
前記風向変更部の少なくとも一部は、受けた風の向きが上向きに変わるように構成され
ている。
斯かる構成によれば、風向変更部の少なくとも一部が、受けた風の向きを上向きに変え
るため、常温揮散性薬剤の質量が空気の質量よりも重い場合であっても、揮散した常温揮
散性薬剤が下方に集中することを緩和することができる。
また、本発明に係る樹脂成形体は、
前記風向変更部の一部は、一方の側から受けた風の向きが上向きに変わるように構成さ
れており、
前記風向変更部の別の一部は、他方の側から受けた風の向きが上向きに変わるように構
成されている。
斯かる構成によれば、どちらの側から風が流れ込んでも、風向変更部が風の向きを上向
きに変えるため、常温揮散性薬剤の質量が空気の質量よりも重い場合であっても、揮散し
た常温揮散性薬剤が下方に集中することをより緩和することができる。
以上の通り、本発明によれば、揮散した常温揮散性薬剤が特定の領域に集中することを
緩和し、常温揮散性薬剤を比較的周囲に拡散させ易い樹脂成形体を提供することができる
図1は、一実施形態に係る樹脂成形体の斜視図である。 図2は、図1のII-II線断面図である。 図3は、他の実施形態に係る樹脂成形体の斜視図である。 図4は、比較例の樹脂成形体の斜視図である。 図5は、実施例における風速試験の測定点を示す図である。
以下、図1~図2を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る樹脂成形体について説明す
る。
本実施形態に係る樹脂成形体1は、常温揮散性薬剤としての害虫防除成分と樹脂として
の熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成物からなり、扁平状に形成されている。
図1に示すように、樹脂成形体1は、環状、具体的には楕円形状に形成された枠体10
と、枠体10の内側において、互いに隙間12をあけて配された複数の細長い羽板20を
有する風向変更部2とを備えている。枠体10と風向変更部2とは一体的に成形されてお
り、風向変更部2の各羽板20の長手方向における両端部が枠体10の内側に接合されて
いる。各羽板20は、枠体10の間を架け渡すように且つ互いに平行になるように配され
ている。また、各羽板20は、互いに等間隔をあけて配されることによって、隙間12を
形成している。
図1及び図2に示すように、風向変更部2の少なくとも一部は、枠体10の枠内を垂直
に貫通する方向の一方Aから受けた風が隙間12を通ることによって、外向きに曲がるよ
うに構成されている。すなわち、風向変更部2の少なくとも一部は、一方Aから受けた風
が、複数の羽板20が配列される方向における中央から離反する方向に曲がるように構成
されている。
図1に示すように、樹脂成形体1をA方向(樹脂成形体1の正面側を見る方向)から見
たとき、風向変更部2を、樹脂成形体1の長軸及び短軸を介して、右上部分、左上部分、
右下部分及び左下部分に4分割した場合に、右上部分は、設置された状態において、一方
Aから受けた風が上向きに曲がるように構成されており、左上部分は、他方Bから受けた
風が上向きに曲がるように構成されている。また、右下部分は、一方Aから受けた風が下
向きに曲がるように構成されており、左下部分は、他方Bから受けた風が下向きに曲がる
ように構成されている。
言い換えれば、右上部分と右下部分とは、一方Aからそれぞれが受けた風が上下に拡散
するように構成されており、他方Bからそれぞれが受けた風が衝突するように構成されて
いる。
同様に、左上部分と左下部分とは、一方Aからそれぞれが受けた風が衝突するように構
成されており、他方Bからそれぞれが受けた風が拡散するように構成されている。
複数の羽板20は、長手方向における中央位置に中央部26を有し、中央部26の両端
側に風向きを変更するように傾斜した傾斜部22を有している。尚、傾斜部22は、一端
側と他端側とで傾斜する方向が逆向きになっている。
図1に示すように、本実施形態では、風向変更部2は、7枚の羽板20を備えており、
羽板20が配列される方向において中央に配された羽板202を対称軸として、一方の側
に配された複数(3枚)の羽板204と、他方の側に配された複数(3枚)の羽板204
とが、線対称に配されている。
また、中央に配された羽板202の長手方向における一端側は、一方Aから受けた風の
向きが上下に変わるように上下両側に傾斜部22を有し、他端側は、他方Bから受けた風
が上下に変わるように、上下両側に傾斜部22を有している。
枠体10の長径は、通常80~200mmに設定され、枠体10の短径は、通常70~
120mmに設定される。このような枠体10の場合、平面視における羽板20の幅は、
通常3~10mmに設定される。
また、風が隙間12を通って外向きに曲がるためには、当然、隣り合う羽板20の間隔
の大きさが影響する。このため、平面視における隣り合う羽板20の間隔は、通常1~2
0mmに設定される。
上記のような場合、羽板20の枚数は、通常5~11枚であり、好ましくは7~9枚で
ある。また、平面視における、風向変更部2の面積に対する隙間12の面積が占める割合
、すなわち開口率は、通常20~80%であり、好ましくは25~50%である。
枠体10は、一定の厚みを有し、該厚みは、通常1~5mmに設定されている。
また、羽板20の厚みは、通常1~3mmに設定されている。
本実施形態の樹脂成形体1に使用される常温揮散性薬剤としては、常温において空気中
に揮散する性質を有する成分を含有するものであれば特に限定されず、複数の成分が含有
されてもよい。
常温揮散性薬剤としては、例えば、25℃における蒸気圧が0.001Pa以上0.1
Pa以下程度であるものが挙げられる。
常温揮散性薬剤は、質量が空気の質量よりも重くてもよい。尚、質量が空気よりも重い
とは、空気の分子量を28.9としたときに、常温揮散性薬剤の分子量が空気の分子量よ
りも大きいことを意味する。
常温揮散性薬剤に含有される成分としては、例えば、ディート(N,N-ジエチル-3
-メチルベンズアミド)、イカリジン(2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジン
カルボン酸 1-メチルプロピル)等の害虫防除成分が挙げられる。
また、常温揮散性薬剤に含有される害虫防除成分としては、ピレスロイド系化合物が挙
げられる。
ピレスロイド系化合物は、揮散性能の観点から、25℃における蒸気圧が0.001P
a以上0.1Pa以下程度であるものが好ましい。具体的には、トランスフルトリン(蒸
気圧(25℃)0.002Pa)、メトフルトリン(蒸気圧(25℃)0.001Pa)
、エンペントリン(蒸気圧(25℃)0.014Pa)、プロフルトリン(蒸気圧(25
℃)0.01Pa)等が挙げられる。
尚、ピレスロイド系化合物には光学異性体又は幾何異性体等の異性体が存在するが、い
ずれの異性体も使用することができる。
この他、常温揮散性薬剤に含有される害虫防除成分としては、例えば、EP00606
17号明細書、特開2000-63329号公報、特開2001-11022号公報、特
開平7-17916号公報等に記載されたエステル化合物が挙げられる。これらエステル
化合物は、上記公報に記載された方法で製造される。
エステル化合物としては、例えば、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メトキシメ
チルベンジル 3-(1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレ
ート、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベンジル 3-(1-プロペニル)
-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6-テトラフルオロ
-4-メトキシメチルベンジル 3-(2-メチル-1-プロペニル)-2,2-ジメチ
ルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メトキシメ
チルベンジル 2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3
,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベンジル 2,2,3-トリメチルシクロプロパ
ンカルボキシレート、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メトキシメチルベンジル
1R-トランス-3-(1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシ
レート、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベンジル 1R-トランス-3-
(1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,
6-テトラフルオロ-4-メトキシメチルベンジル 1R-トランス-3-(2-メチル
-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,
6-テトラフルオロ-4-メチルベンジル 1R-トランス-2,2,3-トリメチルシ
クロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メトキシメチル
ベンジル 1R-トランス-3-(1-プロペニル(E/Z=1/8))-2,2-ジメ
チルシクロプロパンカルボキシレート、及び2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチ
ルベンジル 1R-トランス-3-(1-プロペニル(E/Z=1/8))-2,2-ジ
メチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6-テトラフルオロベンジル=(
1R,3S)-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカル
ボキシラート、(1R)-2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シク
ロプロパンカルボンサン1-エチニル-2-メチル-2-ペンテニル等が挙げられる。
本実施形態では、常温揮散性薬剤の含有量は、樹脂成形体1の全質量に対して、通常0
.1~20質量%、好ましくは0.1~10質量%である。
本実施形態で用いられる常温揮散性薬剤には、共力剤、忌避剤、抗菌剤、防黴剤、芳香
剤・消臭剤、香料等の成分が含有されてもよい。
常温揮散性薬剤には、上記成分に加えて、着色剤、帯電防止剤等が適宜含有されてもよ
い。これらが含有されることによって、色彩が付加される。
常温揮散性薬剤には、酸化防止剤や紫外線吸収阻害剤等の安定剤がさらに含有されても
よい。
酸化防止剤としては、2,2´-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノー
ル)、4,4´-メチレンビス(2-メチル-6-t-ブチルフェノール)、BHT、B
HA、メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
紫外線吸収阻害剤としては、パラアミノ安息香酸類、桂皮酸類、サリチル酸類、ベンゾ
フェノン類、ベンゾトリアゾール類等が挙げられる。
本実施形態の熱可塑性樹脂には、従来公知のものが用いられ得る。このなかでも、カル
ボン酸エステル単量体単位を樹脂成形体全量に対して1~25質量%含有するポリオレフ
ィン系樹脂、スチレン系エラストマーを樹脂成形体全量に対して1~30質量%含有する
ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂とは、ポリオレフィン単量体を主なモノマー成分とする樹脂を意
味し、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
また、カルボン酸エステル単量体とは、不飽和カルボン酸エステル又はカルボン酸ビニ
ルエステルを意味し、不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸の低級アルキルエステル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の低級アルキルエステル
が挙げられ、カルボン酸ビニルエステルとしては、酢酸ビニル等の低級脂肪酸のビニルエ
ステルが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレンを硬質ブロックとし、イソプ
レン及びブタジエン等の共役ジエンの重合体又はその水素添加物を軟質ブロックとして、
硬質ブロック及び軟質ブロックを共重合してなるブロック共重合体及びその水素添加物が
挙げられる。
本実施形態では、常温揮散性薬剤とポリオレフィン系樹脂中のカルボン酸エステル単量
体単位とが、質量比で通常3:1~1:3、好ましくは2:1~1:2の割合で含有され
る。
本実施形態では、樹脂成形体1の質量に対して、熱可塑性樹脂が70質量%以上、好ま
しくは80質量%以上含有される。
本実施形態では、ポリオレフィン系樹脂、その他の高分子化合物が含有されていてもよ
い。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル-スチレン共重合
体(AS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、ポリエステ
ル(ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタ
ール、ポリアミド(6-ナイロン、6,6-ナイロン等のナイロン)等の熱可塑性樹脂が
挙げられる。
本実施形態では、樹脂成形体1に種々の性能を付与するための成分として、安定剤、可
塑剤、軟化剤、粘度調節剤、防汚剤、顔料、染料、脱臭剤、芳香剤、香料、展着剤、防錆
剤、滑剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、帯電防止剤、加硫剤、加硫促進剤、架橋
剤、発泡剤、有機充填剤、無機充填剤等が含有されてもよい。
次に、本実施形態の樹脂成形体1の製造方法について説明する。
本実施形態の樹脂成形体1は、例えば、熱可塑性樹脂に常温揮散性薬剤を練り込んで成
形することによって、又は、熱可塑性樹脂を所定の形状に成形した後に常温揮散性薬剤を
塗布したり含浸させたりすることによって製造することができる。
例えば、常温揮散性薬剤、熱可塑性樹脂及びその他の成分を、通常20~140℃に調
整したヘンシェルミキサー等を用いて予め混合、分散させて均一な樹脂組成物を調製する
か、又は、常温揮散性薬剤、熱可塑性樹脂及びその他の成分を、通常60~220℃の温
度に調整した単軸押出機若しくは二軸押出機等の押出機により溶融・混練することによっ
て樹脂組成物を調製し、該樹脂組成物を通常60~220℃の温度で射出成形等により所
定の形状に成形することによって製造することができる。
成形方法としては、射出成形の他、押出成形、プレス成形、真空成形等を用いることも
できる。
次に、本実施形態の樹脂成形体1の使用方法について説明する。
樹脂成形体1は、通常、内側に風を通し得る開口が形成された収納容器に収納して使用
される。
本実施形態の樹脂成形体1の設置方法としては、前記収納容器に収納した状態で、床に
置いたり、天井から吊り下げたり、網戸に貼り付けたりする方法が挙げられる。
本実施形態の樹脂成形体1が使用される場所としては、例えば、玄関の外側等の家屋の
外部;寝室、居間、台所等の家屋内部;犬小屋、ウサギ小屋等のペット小屋;ベランダ、
浄化槽内部;マンホールの蓋の下;キャンプ場や公園におけるテントの出入口、テント周
辺、テント内部;バーベキュー、釣り、ハイキング、ガーデニング等の野外活動場所とそ
の周辺部;工場や作業場における出入口、排気口、電灯等の周辺;厩、牛舎、鶏舎、豚舎
等の畜舎、などが挙げられる。
本実施形態の樹脂成形体1は、例えば、以下に示される害虫の防除に用いることができ
る。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparv
ata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ
(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等
のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイム
シ類、キジラミ類等;
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis med
inalis)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類、ハスモンヨト
ウ(Spodoptera litura)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(agrotis s
egetum)等のヨトウ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、チャノコカ
クモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana)等
のハマキガ類、シンクイガ類(Carposinidae)、ハモグリガ類(Lyonetiidae)、ドクガ
類(Lymantriidae)、ウワバ類(Autographa)、カブラヤガ(Agrotis segetum)及びタ
マナヤガ(Agrotis ipsolon)等のアグロティス属(Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属(H
elicoverpa spp.)、へリオティス属(Heliothis spp.)、コナガ(Plutella xylosttell
a)、イチモンジセセリ(Parnara guttata)、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tin
eola bisselliella)等;
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex trita
eniorhynchus)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、チカイエカ(Culex pipi
ens molestus)等のイエカ類、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aed
es albopictus)等のエーデス属、オオクロヤブカ(Armigeres subalbatus)等のアルミ
ゲレス属、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、コガタハマダラカ(Anopheres mini
mus)、ガンビアハマダラカ(Anopheles gambiae)等のハマダラカ類、サシバエ類、ヌカ
カ類、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)
等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ(Delia platura)、ヒメイエバエ
(Fannia canicularis)、タマネギバエ(Delia antiqua)等のハナバエ類、ミバエ類、
ショウジョウバエ類、オオチョウバエ(Clogmia albipunctata)チョウバエ類、ブユ類、
アブ類等;
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ(Athalia rosae)
等のハバチ類等。
上記の通り、本実施形態では、図1に示すように、樹脂成形体1をA方向(樹脂成形体
1の正面側を見る方向)から見たとき、風向変更部2を、樹脂成形体1の長軸及び短軸を
介して、右上部分、左上部分、右下部分及び左下部分に4分割した場合に、風向変更部2
の一部(右上部分)は、設置された状態において、一方Aから受けた風が上向きに曲がる
ように構成されており、別の一部(左上部分)は、他方Bから受けた風が上向きに曲がる
ように構成されている。また、別の一部(右下部分)は、一方Aから受けた風が下向きに
曲がるように構成されており、別の一部(左下部分)は、他方Bから受けた風が下向きに
曲がるように構成されている。これによって、いずれの方向の風であっても、風が上下に
拡散するため、揮散した常温揮散性薬剤を拡散させ易い。
尚、本発明に係る樹脂成形体は、上記の通りであるが、本発明の樹脂成形体は、上記実
施形態の構成に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が
可能である。
例えば、本実施形態では、7枚の羽板20を備えた形態を示したが、これに限定されず
、例えば、図3に示すように、樹脂成形体1は、9枚の羽板20を備えていてもよい。ま
た、羽板20の枚数は、枠体10の大きさ等により適宜変更されてもよい。
また、本実施形態では、各羽板20は、風向きを変更するように傾斜した傾斜部22を
有して構成されたが、傾斜部22に代えて、風向きを変更するように段差が形成されて構
成されていてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに説明する。
(実施例1)
常温揮散性薬剤としてメトフルトリンを14.7質量部、熱可塑性樹脂としてエチレン
-メタアクリレート共重合体58.8質量部、直鎖状低密度ポリエチレン24.5質量部
及びカラーマスターバッチ2.0質量部を混練し、射出成形機を用いて成形することによ
って、枠体と9枚の羽板を有する風向変更部とを備えた樹脂成形体を作製した。詳しくは
、図3に示すように、各羽板が長手方向中央位置に立方体状の中央部を有するように成形
し、設置状態において、上側4枚の羽板が、中央部を介して右側にA方向から受けた風が
上向きに曲がるように構成された傾斜部を有し、左側にB方向から受けた風が上向きに曲
がるように構成された傾斜部を有するように成形した。また、下側4枚の羽板が、中央部
を介して右側にA方向から受けた風が下向きに曲がるように構成された傾斜部を有し、左
側にB方向から受けた風が下向きに曲がるように構成された傾斜部を有するように成形し
た。また、上下方向の中央に配された羽板は、中央部を介して右側にB方向から受けた風
が上下両側の隙間を通って上下に曲がるように構成された一対の傾斜部を有し、左側にA
方向から受けた風が上下両側の隙間を通って上下に曲がるように構成された一対の傾斜部
を有するように成形した。
得られた樹脂成形体のその他の詳細は、以下の通りであった。
枠体の形状:楕円形状
枠体の大きさ:長径136mm×短径105mm
枠体の厚み:3.3mm
羽板の厚み:8.4mm
各羽板の間隔:5mm
開口率:26.0%
(実施例2)
羽板の枚数を7枚、各羽板の間隔を9mm、開口率を36.6%とした以外は実施例1
と同様にして樹脂成形体を作製した。
(実施例3)
羽板の枚数を5枚、各羽板の間隔を17mm、開口率を47.2%とした以外は実施例
1と同様にして樹脂成形体を作製した。
(比較例1)
図4に示すようなメッシュ状の樹脂成形体を作製した。尚、フレームの形状、大きさ及
び厚みは、実施例1の樹脂成形体と同じになるように作製した。
<試験方法>
樹脂成形体の中心部から水平方向に1m離れた位置にドライヤーを設置し、樹脂成形体
の位置における風速が1.0m/秒となるように送風する。図5に示す、中央及び上下左
右の5点における風速を、風速計によって測定する。尚、図5(a)は、樹脂成形体の側
面図であり、図5(b)は、樹脂成形体の正面図であり、樹脂成形体の正面側から送風す
ることによって、試験を実施した。
結果について表1に示す。
Figure 2023101810000002
表1に示すように、実施例の樹脂成形体は、比較例の樹脂成形体と比較して、風の向き
を上下左右の各方向外向きにまんべんなく変えるため、揮散した常温揮散性薬剤が特定の
領域に集中することを緩和し、常温揮散性薬剤を比較的周囲に拡散させ易いことが分かっ
た。また、特に風の向きを上向きに変えることに優れており、実施例で用いたメトフルト
リンのような空気より重い常温揮散性薬剤が含有された場合に、揮散した該薬剤が下方に
集中することを緩和し、より周囲に拡散させることができる。
1:樹脂成形体、
10:枠体、
12:隙間、
20:羽板、202:中央に配された羽板、204:側方に配された羽板、
22:傾斜部、
26:中央部

Claims (3)

  1. 常温揮散性薬剤と樹脂とを含有する樹脂組成物からなる樹脂成形体であって、
    隙間をあけて配された複数の羽板を有する風向変更部を備え、
    前記風向変更部の少なくとも一部は、受けた風が前記隙間を通ることによって、風の向
    きが外向きに変わるように構成されている、樹脂成形体。
  2. 前記常温揮散性薬剤の質量が空気の質量よりも重く、
    前記風向変更部の少なくとも一部は、受けた風の向きが上向きに変わるように構成され
    ている、請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記風向変更部の一部は、一方の側から受けた風の向きが上向きに変わるように構成さ
    れており、
    前記風向変更部の別の一部は、他方の側から受けた風の向きが上向きに変わるように構
    成されている、請求項2に記載の樹脂成形体。
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