JP3336714B2 - 防虫樹脂組成物 - Google Patents

防虫樹脂組成物

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JP3336714B2 JP00479294A JP479294A JP3336714B2 JP 3336714 B2 JP3336714 B2 JP 3336714B2 JP 00479294 A JP00479294 A JP 00479294A JP 479294 A JP479294 A JP 479294A JP 3336714 B2 JP3336714 B2 JP 3336714B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防虫樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より可塑化ポリ塩化ビニルやポリウレタン等の基材に殺
虫活性成分を含有させた樹脂組成物からなる成形体が知
られている(特公平4−3927、特開昭57−960
41、特開昭57−96650)。しかしながらこれら
の樹脂成形体は十分な防虫活性効果を奏するために多量
の殺虫活性成分を必要とし、しかも有効期間が必ずしも
十分なものとは言えなかった。本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、これまでにはなかった新規な線状低密度
ポリエチレン樹脂を基材としてこれに防虫活性成分を含
有させてなる樹脂組成物が、可塑化ポリ塩化ビニルやポ
リウレタン等の樹脂基材を用いたものに比べて低濃度の
防虫活性成分でも長期間にわたり優れた防虫効果を示す
ことを見出し本発明に至った。
【0003】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、防
虫活性成分が線状低密度ポリエチレン中に含有されてな
る防虫樹脂組成物を提供するものである。
【0004】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いる線状低密度ポリエチレンは、通常、炭素数
4〜12のα−オレフィン類から選ばれた少なくとも一
つ以上のα−オレフィンと、エチレンとの共重合体であ
り、該線状低密度ポリエチレンの密度は一般に0.870〜
0.935g/cm3であり、このうち、0.870〜0.915g/cm3であ
るものが本発明においてとくに好ましい。
【0005】本発明において用いられる防虫活性成分は
特に限定されず、防虫活性があるものであればよく、各
種の殺虫活性成分、昆虫成長制御活性成分、忌避活性成
分等の有効成分化合物が例示される。また、防虫活性成
分の効果を高める役割をもつ化合物を併用してもよい。
【0006】殺虫活性成分としては、例えば、ピレスロ
イド系化合物、有機燐系化合物、カーバメート系化合物
あるいはフェニルピラゾール系化合物等が挙げられる。
ピレスロイド系化合物としては、例えば、パーメスリ
ン、アレスリン、d−アレスリン、dd−アレスリン、
プラレスリン、サイフェノトリン、d−フェノトリン、
d−レスメトリン、エムペントリン、フェンバレレー
ト、フェンプロパスリン、シハロトリン、サイフルトリ
ン、エトフェンプロクス、トラロメスリン、エスビオス
リン、ベンフルスリン、テラレスリン等が挙げられ、有
機燐系化合物としては、フェニトロチオン、ジクロルボ
ス、ナレド、フェンチオン、シアホス、クロロピリホ
ス、ダイアジノン、カルクロホス、サリチオン、ダイア
ジノン等が挙げられ、カーバメート系化合物としては、
メトキシジアゾン、プロポクスル、フェノブカーブ、カ
ルバリル等が挙げられ、フェニルピラゾール系化合物と
してはフィプロニル等が挙げられる。
【0007】昆虫成長制御活性成分としては、例えば、
ピリプロキシフェン、メソプレン、ヒドロプレン、ジフ
ルベンズロン、シロマジン、フェノキシカーブ、ルフェ
ニュロン(CGA184599)等を用いることができる。忌
避活性成分としては、例えば、ジエチルトルアミド、ジ
ブチルフタレート等が挙げられる。これらの防虫活性成
分は、1種単独でまたは2種以上を混合して用いること
ができる。また、防虫活性成分の効果を高める役割をも
つ化合物としては、例えば、ピペロニルブトキサイド、
MGK264、オクタクロロジプロピルエーテル等が挙
げられる。
【0008】防虫樹脂組成物中での防虫活性成分の配合
量は、防虫活性成分の種類により異なるが、通常0.1
〜5重量%であり、害虫への効力と組成物の表面への防
虫活性成分のブリードが生じない範囲の量である。さら
に本発明の目的を損なうことのない範囲内で、防菌・防
黴剤、脱臭剤、芳香剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐
光剤、抗ブロッキング剤、充填剤、芳香剤、顔料等を適
宜含有せしめて使用できる。
【0009】本発明の防虫樹脂組成物の製造方法は特に
限定されないが、例えば、加圧型バンバリーや押出機な
どを用いた混練方法により防虫活性成分またはその製剤
品と線状低密度ポリエチレンとを溶融混練する方法、あ
るいは各種形状に予め成形した線状低密度ポリエチレン
基材を防虫活性成分またはその液状製剤に基材の熱変形
温度以下の温度で含浸、浸漬する方法で製造することが
でき、例えば、防虫活性成分もしくはその液状製剤を各
種形状に予め成形した線状低密度ポリエチレン基材に滴
下あるいは注加する方法で製造することもできる。
【0010】本発明の防虫活性成分が線状低密度ポリエ
チレン中に含有されてなる防虫樹脂組成物の使用形態は
特に限定されるものではなく、所望の使用条件に応じ
て、例えば、防虫活性成分が線状低密度ポリエチレン中
に含有されてなる防虫樹脂組成物よりなる動物用防虫首
輪等の特定の形状に成形して用いることもでき、その他
任意の形状の射出成形体として使用することができ、ネ
ット、不織布、繊維、シート、フィルム等の形状に加工
して使用することもできる。また、防虫活性成分の表面
濃度を高める、加工成形中の防虫活性成分の蒸散消失を
防ぐ、あるいは防虫活性成分のブリードを防ぐ等の目的
に応じて、適宜多層押出成形、多色射出成形、複合紡
糸、押出ラミネート成形等の通常の熱可塑性樹脂の加工
のために用いられる方法で加工して使用することができ
る。
【0011】かかる方法で得られた本発明の防虫樹脂組
成物の対象となる害虫としては、クモ、ダニ、昆虫等の
節足動物があげられる。更に例をあげて説明すると以下
の通りである。蛛形綱では、例えばダニ目(Acarina)
に属するトリサシダニ、ミカンハダニ、ケナガコナダニ
等、真正蜘蛛目(Araneae)に属するジグモ、イエユウ
レイグモ等が挙げられる。唇脚綱では、例えばゲジ目
(Scutigeromorpha)に属するゲジ等、イシムカデ目(L
ithobiomorpha)に属するイッスンムカデ等が挙げられ
る。倍脚綱では、例えばオビヤスデ目(Polydesmoide
a)に属するヤケヤスデ、アカヤスデ等が挙げられる。
昆虫目としては、例えば以下のものが挙げられる。シミ
目(Thysanura)に属するヤマトシミ等、バッタ目(Ort
hoptera)に属するカマドウマ、ケラ、エンマコオロ
ギ、トノサマバッタ、サバクトビバッタ、イナゴ等、ハ
サミムシ目(Dermaptera)に属するハサミムシ等、ゴキ
ブリ目(Blattaria)に属するチャバネゴキブリ、クロ
ゴキブリ、ヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリ等、シロア
リ目(Isoptera)に属するヤマトシロアリ、イエシロア
リ、アメリカカンザイシロアリ等、チャタテムシ目(Ps
ocoptera)に属するカツブシチャタテ、ヒラタチャタテ
等、ハジラミ目(Mallophaga)に属するイヌハジラミ、
ネコハジラミ等、シラミ目(Anoplura)に属するコロモ
ジラミ、ケジラミ、ヒトジラミ等、カメムシ目(Hemipt
era)に属するトビイロウンカ、ツマグロヨコバイ、オ
ンシツコナジラミ、モモアカアブラムシ、トコジラミ、
クサギカメムシ等、コンチュウ目(Coleoptera)に属す
るカツオブシムシ、ウリハムシ、コクゾウムシ、ヒラタ
キクイムシ、ナガヒョウホンムシ、マメコガネ等、ノミ
目(Siphonaptera)に属するネコノミ、イヌノミ、ヒト
ノミ等、ハエ目(Diptera)に属するアカイエカ、ネッ
タイシマカ、ハマダラカ、ブユ、セスジユスリカ、チョ
ウバエ、イエバエ、ヒメイエバエ、ツェツェバエ、ウシ
アブ、ヒラタアブ等・ハチ目(Hymenoptera)に属する
スズメバチ、アシナガバチ、マツノミドリハバチ、クリ
タマバチ、クロアリガタバチ、イエヒメアリ等があげら
れる。
【0012】
【作用】線状低密度ポリエチレン以外の従来知られてい
た通常のポリエチレン、すなわち、分岐低密度ポリエチ
レン(密度0.915〜0.935g/cm3)、高密度ポリエチレン
(密度0.935g/cm3以上)と比較して、本発明の線状低密
度ポリエチレンが低濃度の防虫活性成分で長期間にわた
り優れた防虫効果を示す防虫樹脂組成物を与える原因
は、線状低密度ポリエチレンが防虫活性成分の拡散性に
優れているために、防虫活性成分の表面濃度が低下した
場合に速やかに表面濃度が回復するためであると考えら
れる。例えば、防虫活性成分のひとつであるパーメスリ
ンの線状低密度ポリエチレン(住友化学工業(株) 製エ
クセレンVL200、密度0.898g/cm3)中の拡散係数の値
は、分岐低密度ポリエチレン(住友化学工業(株) 製ス
ミカセンF208-0、密度0.921g/cm3)の約4倍、高密度ポ
リエチレン(昭和電工(株) 製エースポリエチHDS500
8、密度0.950g/cm3)の約20倍である。
【0013】
【実施例】 次に実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれらこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 密度が0.905g/cm3の線状低密度ポリエチレン(住友化学
工業(株)製、商品名:エクセレンVLVL800)と
パーメスリン(住友化学工業(株)製、エクスミン)
を、99.5/0.5の重量比率で密閉式加圧ニーダー
(森山製作所製)にてせん断発熱を利用して溶融混練
下、押出機に供給し押し出しながらホットカットを行な
いペレット化し、防虫樹脂組成物を得た。この防虫樹脂
組成物を、成形温度190℃で厚み3mm、幅1cm、長
さ35cmの首輪の形状に成形した。この成形体を用い
て、ネコノミに体する初期効果、および残効効果を下記
の方法により評価した。結果を表1〜3に示す。低濃度
の防虫活性成分(0.5 重量%)で優れた効力が得られ
た。 (初期効果)底部にウールモスリンを敷いた200ミリ
リットルのバイアルビンに、厚み3mm、幅1cm、長さ
4cmに切断した上記の成形体を配置した後、ネコノミ
を放虫し、4時間ノックダウンを観察し、更に1日後の
致死を観察した。 (残効効果)予めエタノールに浸せきしたガーゼを用い
て、厚み3mm、幅1cm、長さ4cmに切断した上記の
成形体を、7日毎に1回、計20回(140日)ふき取
った後、上記した初期効果と同様にしてネコノミに対す
る残効効果を判定した。
【0014】比較例1 密度が0.905g/cm3の線状低密度ポリエチレン(住友化学
工業(株)製、商品名:エクセレンVLVL800)に
変えて、低密度ポリエチレン(住友化学工業(株) 製ス
ミカセンF208-0、密度0.921g/cm3)を用いた以外は実施
例1と同様にして、厚み3mm、幅1cm、長さ35cm
の首輪を得た。この成形体を用いて、ネコノミに体する
初期効果、および残効効果を実施例1と同様の方法によ
り評価した。結果を表1〜3に示す。同濃度の防虫活性
成分(0.5重量%)を含むにもかかわらず、実施例1
に比較して効力は劣った。
【0015】比較例2 密度が0.905g/cm3の線状低密度ポリエチレン(住友化学
工業(株)製、商品名:エクセレンVLVL800)に
変えて、高密度ポリエチレン(昭和電工( 株)製エース
ポリエチHDS5008 、密度0.950g/cm3)を用いた以外は
実施例1と同様にして、厚み3mm、幅1cm、長さ35
cmの首輪を得た。この成形体を用いて、ネコノミに体
する初期効果、および残効効果を実施例1と同様の方法
により評価した。結果を表1〜3に示す。同濃度の防虫
活性成分(0.5重量%)を含むにもかかわらず、実施
例1に比較して効力は劣った。
【0016】比較例3 ポリ塩化ビニル(住友化学工業(株)製、商品名:スミ
リットSx−13F)、可塑剤としてDOP(フタル酸ジオ
クチル)、安定剤としてステアリン酸バリウム、および
パーメスリン(住友化学工業(株)製、商品名:エクス
ミン)を、59.3/40/0.2/0.5重量%の割
合でロール混練にて5分間混練して得たシートをシート
ペレタイザーでペレット化した後、成形温度190℃で
厚み3mm、幅1cm、長さ35cmの首輪の形状に成形
した。この成形体を用いて、ネコノミに体する初期効
果、および残効効果を実施例1と同様の方法により評価
した。同濃度の防虫活性成分(0.5重量%)を含むに
もかかわらず、実施例1に比較して効力は劣った。結果
を表1〜3に示す。
【0017】比較例4 分岐ポリエーテルポリオール(住友化学工業(株)製、商
品名スミフェン3036)100重量部に触媒としてN,N,N',N'-
テトラメチルヘキサメチレンジアミン0.5 重量部および
N,N-ジメチルアミノエチルエーテル70%、ジプロピレン
グリコール30%を含むもの0.02重量部、この他にさらに
水2.3 重量部、パーメスリン10重量部を含む溶液に対
し、ポリメチレンジイソシアナート50重量部を加えた
直後に10秒間攪拌し、40℃に保った金型の中に素早
く封入することにより、パーメスリンを0.5重量%の
割合で含むポリウレタンフォームを得た。このポリウレ
タンフォームを厚み3mm、幅1cm、長さ4cmに切断
し、実施例1と同様の方法により評価した。同濃度の防
虫活性成分(0.5重量%)を含むにもかかわらず、実
施例1に比較して効力は劣った。結果を表1〜3に示
す。
【0018】実施例2 線状低密度ポリエチレンと防虫活性成分の配合割合を9
8/2(重量比)とした以外は実施例1と同様にして、首
輪の形状でネコノミに対する初期効果、および残効効果
を判定した。結果を表1〜3に示す。なお、残効試験後
に防虫活性成分の残存量を分析すると、樹脂組成物中に
当初に用いた防虫活性成分の85%が残存していること
がわかった。
【0019】比較例5 ポリ塩化ビニル(住友化学工業(株)製、商品名:スミ
リットSxー13F)、可塑剤としてDOA(アジピン酸ジ
オクチル)、安定剤としてステアリン酸バリウムおよび
パーメスリン(住友化学工業(株)製、商品名:エクス
ミン)を、重量比54.8/30/0.2/15の割合
でロール混練にて5分間混練して得たシートをシートペ
レタイザーでペレット化した後、成形温度190℃で厚
み3mm、幅1cm、長さ35cmの首輪の形状に成形し
た。この成形体を用いて、ネコノミに体する初期効果、
および残効効果を実施例2と同様の方法により評価し
た。結果を表1〜3に示す。高濃度の防虫活性成分(1
5重量%)を含む樹脂組成物を用いて初期効果、および
残効効果を試験し、残効試験後に防虫活性成分の残存量
を分析すると、樹脂組成物中に当初に用いた防虫活性成
分の85%が残存していたにもかかわらず実施例2に比
較して効力は劣った。
【0020】実施例3 パーメスリンにかえてdーフェノトリン(住友化学工業
(株)製、スミスリン)をフィラーである炭酸カルシウ
ム(白石カルシウム(株)製、ソフトン2200、平均
粒径1μ)に担持させた製剤を防虫活性成分として用い
た以外は実施例2と同様にして防虫樹脂組成物を得た
後、首輪の形状でネコノミに対する初期効果、および残
効効果を判定した。結果を表1〜3に示す。
【0021】実施例4 パーメスリンにかえてプラレスリン(住友化学工業
(株)製、エトック)を用いた以外は実施例2と同様に
して、首輪の形状でネコノミに対する初期効果、および
残効効果を判定した。結果を表1〜3に示す。
【0022】実施例5 パーメスリンにかえてフェニトロチオン(住友化学工業
(株)製、スミチオン)を用いた以外は実施例2と同様
にして、首輪の形状でネコノミに対する初期効果、およ
び残効効果を判定した。結果を表1〜3に示す。
【0023】実施例6 パーメスリンにかえてメトキシジアゾン(住友化学工業
(株)製、商品名:エレミック)を用いた以外は実施例
2と同様にして、首輪の形状でネコノミに対する初期効
果、および残効効果を判定した。結果を表1〜3に示
す。
【0024】
【表1】
【表2】
【表3】
【0025】実施例7 密度が0.905g/cm3の線状低密度ポリエチレン(住友化学
工業(株)製、商品名:エクセレンVLVL800)と
ピリプロキシフェン(住友化学工業(株)製、スミラ
ブ)とを、重量比98/2の割合で密閉式加圧ニーダー
(森山製作所製)にてせん断発熱を利用して溶融混練下
後、押出機に供給し押し出しながらホットカットを行な
いペレット化し、防虫樹脂組成物を得た。この防虫樹脂
組成物を、成形温度190℃で厚み3mm、幅1cm、長
さ35cmの首輪の形状に成形した。この成形体の一端
にバックルを取付けて首輪を作製した。該首輪を装着し
た猫を、床面にカーペットを敷いた飼育室にて飼育し
た。1週間後にカーペットを取りだし直径5cmの円を切
り抜いた。切り抜いた円の上に、ネコノミの卵約60個
をネコノミの餌と共に載せ、26℃にて20日間ノミ成
虫の出現を観察した。同様に2週、4週、8週後も同じ
試験を行なった。また、比較例として、防虫活性成分を
含まない首輪での効果も同様に評価した。結果を表4に
示す。
【0026】
【表4】
【0027】実施例8 密度が0.900g/cm3の線状低密度ポリエチレン(住友化学
工業(株)製、商品名:エクセレンVL VL200)
と害虫防除剤としてピレスロイド化合物であるパーメス
リン(住友化学工業(株)製、エクスミン)を、重量比
98/2の割合で密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)
にてせん断発熱を利用して溶融混練下後、押出機に供給
し押し出しながらホットカットを行ないペレット化し、
防虫樹脂組成物を得た。この防虫樹脂組成物を、プレス
温度150℃で16cm角、厚み1mmのシートに成形し
た。このシート上に45mmφ、高さ2cmのガラスリ
ングをおきリング内に白蟻職蟻10頭を放虫し、経時後
のノックダウン数を観察し、反復数4の平均値によりノ
ックダウン率を算出した。結果を表5に示す。低濃度の
防虫活性成分(2重量%)で優れた効力が得られた。
【0028】比較例6 ポリ塩化ビニル(住友化学工業(株)製、商品名:スミ
リットSxー13F)、可塑剤としてDOP(フタル酸ジ
オクチル)、安定剤としてステアリン酸バリウム、およ
びパーメスリン(住友化学工業(株)製、商品名:エク
スミン)を、重量比54.8/30/0.2/15の割
合でロール混練にて5分間混練した後、プレス温度18
0℃で16cm角、厚み1mmのシートに成形した。この
シートを実施例8と同様にして白蟻職蟻のノックダウン
率を算出した。結果を表5に示す。比較的高濃度の防虫
活性成分(15重量%)を含むにもかかわらず実施例8
に比較して効力は劣った。
【表5】
【0029】実施例9 実施例8と同様にして得た防虫樹脂組成物(線状低密度
ポリエチレン中にパーメスリン2重量%を含有)を、1
mm厚み、16cm角のシート形状に溶融成形した後、
シート表面に、胡麻油を5mg、蜂蜜を10mg塗布し、ゴ
キブリ、アリ等の誘引殺虫シートを得た。
【0030】実施例10 実施例8と同様にして得た防虫樹脂組成物(線状低密度
ポリエチレン中にパーメスリン2重量%を含有)を、1
mm厚み、16cm角のシート形状に溶融成形した後、
シート表面に、スキムミルク/ショ糖/スカトール(7
0/25/5重量部)水溶液2ミリリットルを塗布し、
乾燥させることにより、ハエ等の誘引殺虫シートを得
た。
【0031】実施例11 実施例8と同様にして得た防虫樹脂組成物(線状低密度
ポリエチレン中にパーメスリン2重量%を含有)を、直
径3mm、長さ30cmの棒状に溶融成形した。これを
園芸用のプランター、植木鉢、温室または畑等の地面に
挿すことにより、アブラムシ、オンシツコナジラミ、ウ
ンカ等の殺虫用の棒状体を得た。
【0032】実施例12 実施例8と同様にして得た防虫樹脂組成物(線状低密度
ポリエチレン中にパーメスリン2重量%を含有)を、
0.15mm厚みのフィルムに溶融成形した後、これを
袋状に製袋し、各種貯穀害虫やコオロギ等の食害を防止
する防虫穀物袋を得た。
【0033】実施例13 実施例8と同様にして得た防虫樹脂組成物(線状低密度
ポリエチレン中にパーメスリン2重量%を含有)を、
0.05mm厚みのフィルムを得た。これを畳またはカ
ーペットの下、あるいは押し入れ等の下敷にすることに
より、防ダニフィルムを得た。
【0034】
【発明の効果】本発明の防虫活性成分が線状低密度ポリ
エチレン中に含有されてなる防虫樹脂組成物は、従来の
可塑化ポリ塩化ビニルやポリウレタン等の樹脂基材を用
いたものに比べて低濃度の防虫活性成分でも長期間にわ
たり優れた防虫効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千保 聡 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−103888(JP,A) 特開 平5−139460(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 27/00 C08L 23/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防虫活性成分が線状低密度ポリエチレン中
    に含有されてなることを特徴とする防虫樹脂組成物。
  2. 【請求項2】防虫活性成分が線状低密度ポリエチレン中
    に含有されてなる防虫樹脂組成物よりなる動物用防虫首
    輪。
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