JP2010285385A - 害虫防除器具及び害虫の防除方法 - Google Patents

害虫防除器具及び害虫の防除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】害虫の生息場所及び/又は害虫の侵入場所に室温で設置するだけで蚊などの害虫に対して速やかに効力を発揮する害虫防除器具を提供する。
【解決手段】害虫防除器具1は、薬剤保持体2と形状支持体3によって構成されている。薬剤保持体2は、下記式(1)で示されたエステル化合物を含有する樹脂によって成形された網である。薬剤保持体2は全体として筒形に成形され、網5によって環状に取り巻かれた形状をしており、その内部には軸方向に貫通する孔6が存在する。
Figure 2010285385

〔式中、R1は水素原子等を表し、R2はメチル基等で示される基を表し、R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
【選択図】図4

Description

本発明は、蚊その他の害虫を死滅あるいは弱らせたり、忌避させる害虫防除器具に関するものである。特に本発明は、筒型に成型された薬剤保持体のなかに形状支持体を嵌めることで薬剤保持体の形状を安定させ、安定的に薬剤を揮発蒸散させる害虫防除器具に関するものである。
また本発明は前記した害虫防除器具を利用した害虫の防除方法に関するものである。
次式(1)で示されるエステル化合物が有害生物防除剤の有効成分として有用であることが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。
Figure 2010285385
〔式中、
1は水素原子又はメチル基を表し、
2はメチル基又は
CH=CR2122
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
また特許文献5には、上記した有効成分をポリオレフィン系樹脂に混合・混練し、この混練物を網状に成形してなる害虫防除器具が開示されている。当該害虫防除器具の全体形状としては、筒形のものが例示されている。当該害虫防除器具は、例えば、ベランダの軒下等に吊り下げる、物干し竿に挿通する、動物の体に装着する、等の方法により使用することができる。このように、特許文献5に開示された害虫防除器具は、様々な設置場所に対応できるものであり、また取扱いも容易な優れたものである。
特開2000−63329号公報 特開2001−11022号公報 欧州特許公開第60617号明細書 特開2001−302590号公報 特開2006−348014号公報
本発明は、従来技術の害虫防除器具をさらに発展させ、有効成分の拡散性能と運搬性の面で特に優れた害虫防除器具、並びに、当該害虫防除器具を用いた害虫の防除方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、次式(1):
Figure 2010285385
〔式中、
1は水素原子又はメチル基を表し、
2はメチル基又は
CH=CR2122
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物が保持された薬剤保持体と、一定の固定形状を有する形状支持体とを備え、
前記薬剤保持体は、伸縮性を有する筒体であって少なくとも伸びた状態の時に複数の開孔を有するものであり、
前記形状支持体の周囲に前記薬剤保持体を伸ばした状態で被せて成ることを特徴とする害虫防除器具である。
本発明の害虫防除器具は、薬剤保持体と形状支持体によって構成されており、当該薬剤保持体に、有害生物防除剤の有効成分として有用な上記式(1)で示されるエステル化合物が保持されている。
本発明で採用する薬剤保持体は、伸縮性を有するので、縮めた状態では専有する体積が小さく、嵩が低いために運搬が容易である。
一方、形状支持体は、ある程度の剛性を有し、一定の固定形状を有する形状支持体を有する。
本発明では、形状支持体の周囲に薬剤保持体を伸ばした状態で被せるが、本発明で採用する薬剤保持体は、伸縮性を有する筒体であって少なくとも伸びた状態の時に複数の開孔を有するので、形状支持体に装着された状態においては、開孔が存在し、通気性が確保される。
そのため本発明の害虫防除器具は、有効成分の拡散性能が高い。
薬剤保持体が、ポリエチレンとエチレン−メタクリル酸メチル共重合体とのブレンド樹脂又はポリエチレンとポリスチレンブロック含有エラストマーとのブレンド樹脂を含む樹脂によって成形されている構成が好ましい(請求項2)。
請求項3に記載の発明は、形状支持体は枠状部を有し、枠状部に薬剤保持体が張られていることを特徴とする請求項1又は2記載の害虫防除器具である。
枠状部の形状は任意であり、「コ」の字状の様に3方向が閉じていて1方向が開放するものや、「ロ」の字状の様な環状構造を有し、4方向の全てが閉じているものであってもよい。また円形の枠や多角形の枠であってもよい。さらにはジャングルジムに似た形状の様な、立体形の枠であってもよい。
本発明の害虫防除器具では、枠状部に薬剤保持体が張られているので、薬剤保持体の大部分の面積に通気性が確保される。
請求項4に記載の発明は、形状支持体は、籠状であることを特徴とする請求項1又は2記載の害虫防除器具である。
籠と立体形の枠との定義上の差異は明確ではないが、一般的に中に物を入れることが可能であってその内外に通気性を有する形状を籠と称する。
本発明の害虫防除器具では、形状支持体が籠状であるから、薬剤保持体の大部分の面積に通気性が確保される。
請求項5に記載の発明は、形状支持体は、凹凸部を有し、凹部と薬剤保持体との間に空隙があることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の害虫防除器具である。
本発明の害虫防除器具では、形状支持体が凹凸部を有し、凹部と薬剤保持体との間に空隙があるから、薬剤保持体の通気性が確保される。
請求項6に記載の発明は、形状支持体は、開口部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の害虫防除器具である。
本発明の害虫防除器具では、形状支持体に開口部が設けられているから、薬剤保持体の通気性が確保され、有効成分の拡散が円滑である。
請求項7に記載の発明は、形状支持体は、自立可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の害虫防除器具である。
本発明の害虫防除器具は、自立するものであるから、設置が容易である。
請求項8に記載の発明は、形状支持体は、吊り下げ可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の害虫防除器具である。
本発明の害虫防除器具は、吊り下げ可能であるから、設置が容易である。
請求項9に記載の発明は、形状支持体に被せられた状態における薬剤保持体の開孔率が50%〜99%であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の害虫防除器具である。
本発明の害虫防除器具は、薬剤保持体の開孔率が高いから、通気性が優れ、有効成分の拡散が円滑である。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか記載の害虫防除器具を、害虫の生息場所または害虫の侵入場所に設置することを特徴とする害虫の防除方法である。
本発明は害虫の防除方法に係るものであり、本発明の害虫防除器具を害虫の生息場所等に設置して害虫を防除するものである。本発明によれば、害虫防除器具を置いた場所に害虫が棲めなくなるようにしたり、家屋等に対する害虫の侵入を阻止することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか記載の害虫防除器具を、家屋の出入口、家屋内または家屋が建設されている敷地内に設置することを特徴とする害虫の防除方法である。
本発明の害虫の防除方法では、本発明の害虫防除器具を家屋の出入り口当等に設置して害虫を防除する。本発明によれば、害虫が人の居住領域に近付けないようにすることができ、人に対する害虫による害を防止することができる。
本発明の害虫防除器具では、複数の開孔を有する薬剤保持体を伸ばした状態で形状支持体の周囲に被せているので、通気性が確保され、有効成分の拡散性能が高い。さらに、嵩張らず、運搬が容易である。
本発明の害虫の防除方法によれば、様々な場所や用途に応じて、害虫を防除することができる。
(a)は本発明の実施形態で採用する薬剤保持体の一例を示す斜視図であり、(b),(c),(d)はその変形例を示す斜視図である。 (a)は本発明の実施形態で採用する薬剤保持体の網目形状の一例を示す斜視図であり、(b),(c),(d)はその変形例を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第一実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 本発明の第二実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第二実施形態の害虫防除器具及びカバーの斜視図である。 本発明の第二実施形態の害虫防除器具にカバーを装着した状態における斜視図である。 本発明の第二実施形態の害虫防除器具の使用方法を示す説明図である。 本発明の第三実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 (a)は図9のA−A断面図、(b)は形状支持体に薬剤保持体を被せた状態における同一部分の断面図である。 図9のB−B断面図である。 本発明の第三実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 本発明の第四実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第四実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 本発明の第五実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第五実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 本発明の第六実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第六実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 本発明の第六実施形態で採用する形状支持体の分解斜視図である。 本発明の第七実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第七実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 本発明の第八実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第八実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 本発明の第九実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第九実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 (a)は本発明の第十実施形態の害虫防除器具の分解斜視図であり、(b)は第十実施形態の害虫防除器具で使用する薬剤保持体の変形例を示す斜視図である。 本発明の第十実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 本発明の第十一実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第十一実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 本発明の第十二実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第十二実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 本発明の第十三実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第十三実施形態の害虫防除器具の斜視図である。 (a),(b)はいずれも本発明の第十三実施形態の害虫防除器具の使用方法を示す説明図である。 本発明の第十四実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第十四実施形態の害虫防除器具の使用方法を示す説明図である。 本発明の第十五実施形態の害虫防除器具の形状支持体の斜視図である。 開き角度を小さくした図37の形状支持体に、薬剤保持体を被せた状態を示す斜視図である。 図38の形状支持体の開き角度を大きくした状態を示す斜視図である。 本発明の第十五実施形態の害虫防除器具の使用方法を示す説明図である。 本発明の第十六実施形態の害虫防除器具の分解斜視図である。 本発明の第十六実施形態の害虫防除器具の斜視図である。
以下、さらに本発明の実施形態について説明する。本発明の第一実施形態の害虫防除器具1は、図3,図4に示す様に、薬剤保持体2と形状支持体3によって構成されている。
薬剤保持体2は、上記式(1)で示されたエステル化合物を含有する樹脂によって成形された網である。また薬剤保持体2は、全体として筒形に成形されている。即ち薬剤保持体2は、網5によって環状に取り巻かれた形状をしており、その内部には軸方向に貫通する孔6が存在する。
薬剤保持体2の全体形状は、筒形であればよく、そのシルエットは限定されない。即ち薬剤保持体2の全体形状は、図1(a)の様な正面形状が縦長の長方形のものの他、同(b)の様な横長の長方形、同(c)の様な台形であってもよい。さらに同(d)の様な中央に膨らみを有する形状のものも採用可能である。
薬剤保持体2の自然状態における形状は、図1(a)に示す様な円柱形の他、同(b)の様な円盤形、同(c)の様な円錐台形、同(c)様な算盤玉形又は樽形であってもよい。
また自然状態においては、立体形状を維持することができないものであってもよい。
いずれにしても薬剤保持体2は伸縮性を有し、外力を加えることによって容易に変形させることができる。従って平面的な形状とすることも可能であり、立体的な形状にすることも可能である。
薬剤保持体2の網目形状は、図2(a)の様な菱形や長方形の他、図2(b)の様な亀甲形(六角形)、図2(c)の様な円形であってもよい。さらに、図2(d)の様な編み構造を採用してもよい。これらの網目や編み構造により、複数の開孔8が形成される。即ち、薬剤保持体2は、少なくとも伸びた状態のときに複数の開孔8を有するものである。
開孔8の面積は任意であるが、例えば図2(a)の様な菱形であれば、自然状態における一辺の長さLが1mm〜20mm程度のものが好ましく、3mm〜10mmがより好ましい。また、薬剤保持体2の開孔率は、後述する形状支持体に被せられた状態において、50%〜99%が好ましく、60%〜99%がより好ましい。
薬剤保持体2の網目を構成する線7の線径は、0.2mm〜1.5mm程度のものが好ましく、0.3mm〜1.0mmがより好ましい。
本発明の第一実施形態で採用する形状支持体3は、樹脂で作られており、全体形状が枠状である。より詳細には、長方形の枠であり、上辺10、下辺11、右側辺12、左側辺13によって環状に囲まれた形状をしている。そのため形状支持体3の中央には大きな開口が存在し、開口部15を形成している。
形状支持体3の幅W及び高さHは、共に自然状態の薬剤保持体2の幅w及び高さhよりも大きい。即ち形状支持体3は、薬剤保持体2よりも大きい。
本実施形態の害虫防除器具1は、図4に示すように、形状支持体3に薬剤保持体2が被せられたものである。前記した様に形状支持体3は、薬剤保持体2よりも大きいので、薬剤保持体2は自然状態から伸ばされた状態で形状支持体3に装着されている。
そのため薬剤保持体2は自己の弾性によって形状支持体3を締めつけ、薬剤保持体2がずれ落ちることを防いでいる。
また薬剤保持体2が伸ばされた状態で形状支持体3に装着されているので、薬剤保持体2の網目は自然状態に比べて広げられている。
本実施形態の害虫防除器具1は、自立することができ、屋内等に直接置くことができる。
また形状支持体3は枠状であって、中央に大きな開口(開口部15)を有し、薬剤保持体2は、枠状部の右側辺12と左側辺13との間に張られた状態であるから、薬剤保持体2の正面側(図4の姿勢を基準とする)から裏面側に向かって通気性がある。そのため薬剤保持体2の線7と空気との接触機会が多く、有効成分が円滑に拡散する。
次に、本発明の第二実施形態を図5乃至図7を参照しつつ説明する。なお以下の実施形態において、先の実施形態の部材と同一の部材については、同一の番号を付することによって重複した説明を省略する。
第二実施形態の害虫防除器具20では、形状支持体21として、「コ」の字状のものを採用している。
即ち第二実施形態の害虫防除器具20で採用する形状支持体21は、樹脂で作られており、図5の様に上辺31、右側辺32、左側辺33だけを有し、下辺側は開放されている。
また形状支持体21の上辺31の中央には、垂直壁35が設けられ、当該垂直壁35には孔36が設けられている。
孔36は、害虫防除器具20を吊り下げる際に紐等を通すために設けられたものである
本実施形態で採用する形状支持体21は、枠形ではあるが、一辺が欠落しているので、これに隣接する辺が容易に撓む。より具体的には、右側辺32と左側辺33の開放側(自由端側)が、開口部15の内外方向(矢印方向)に撓む。
そのため形状支持体21は、右側辺32と左側辺33の開放側を二点鎖線の様に内側に移動させることができ、形状支持体21の開放側を窄めることができる。そのため本実施形態の害虫防除器具20は、形状支持体21に外力を加えて開放側を窄めた状態にしておき、この状態で形状支持体21の開放側から薬剤保持体2を装着することができ、容易に薬剤保持体2を形状支持体21に被せることができる。
図6,図7に示す様に、害虫防除器具20は、カバー34を装着した状態で使用することができる。カバー34は、内側に害虫防除器具20がそのまま嵌る筒状又は箱状の部材であり、害虫防除器具20を囲む4面に通気孔となる窓部23を有している。そして窓部23を通じて、薬剤保持体2に保持されたエステル化合物が拡散する。
害虫防除器具20は、例えば図8に示す様に、ベランダ等の物干し竿に吊り下げて使用することができる。
次に、本発明の第三実施形態を図9乃至図12を参照しつつ説明する。本実施形態の害虫防除器具37は、先の第二実施形態の害虫防除器具20を改良したものであり、形状支持体38は、「コ」の字状を呈している。
本実施形態で採用する形状支持体38は、上辺40、右側辺41、左側辺42がいずれも内側に向かって湾曲している。
即ち上辺40,右側辺41、左側辺42はいずれも図9、図10,図11の様に平板部45とリブ部46を有している。そして各平板部45が円弧状を呈していて長手方向の中央が内側に膨出している。
リブ部46は、各辺の背面側の中央にあり、長手方向に沿って延びている。リブ部46の高さは、長手方向の中心に近づく程高く作られている。より具体的には、各辺の湾曲度合いに比例してリブ部46の高さが変化し、リブ部46の頂部が描く線は直線である。
従って形状支持体38の外形形状は、平板部45が湾曲しているにも係わらず長方形である。
上辺40のリブ部46には吊り下げ用の孔49が設けられており、
本実施形態の害虫防除器具37は、形状支持体38がリブ部46を有し、形状支持体38が凹凸形状をしている。そのため形状支持体38に薬剤保持体2を被せた状態においては、図10(b)の様に平板部45の両端辺とリブ部46の先端の3点によって薬剤保持体2が保持される。その結果、形状支持体38の凹部47と薬剤保持体2との間に空隙48ができる。そのため形状支持体38の枠部分と薬剤保持体2の間に隙間が生じ、通気性が向上する。
次に、本発明の第四実施形態を図13,図14を参照しつつ説明する。害虫防除器具50についても、形状支持体51は「コ」の字状を呈しているが、本実施形態では、形状支持体51の3辺に薬剤保持体2が被せられている。
即ち形状支持体51は、右側辺52、左側辺53、及び裏側辺55を有し、正面側が開放された枠体である。右側辺52、左側辺53、及び裏側辺55にはそれぞれ円形の開口部56が設けられている。そして薬剤保持体2は、右側辺52、左側辺53及び裏側辺55に巻き付けられている。
本実施形態では、薬剤保持体2は、3方の辺によって支持されており、薬剤保持体2と形状支持体51との接触面積が大きいが、形状支持体51の各辺に開口部56が設けられているので、薬剤保持体2の通気性は良好である。
そのため薬剤保持体2の線7と空気との接触機会が多く、有効成分が円滑に拡散する。
次に、本発明の第五実施形態を図15,図16を参照しつつ説明する。害虫防除器具57では、形状支持体58を構成する辺の構造が、部位によって異なる例を示すものである。即ち本実施形態では、形状支持体58は、天板部材60と、設置板部材61及び2本の柱状部材62,63によって構成されている。
天板部材60及び設置板部材61は、いずれも楕円形の板である。そして天板部材60及び設置板部材61は、間隔をあけて平行に配され、両者の間に2本の柱状部材62,63が設けられている。言い換えれば、設置板部材61に一定の間隔を開けて2本の柱状部材62,63が平行に立設され、前記2本の柱状部材62,63によって天板部材60が支持されている。
本実施形態の害虫防除器具57では、2本の柱状部材62,63によって構成される枠に、薬剤保持体2が被せられている。
2本の柱状部材62,63によって構成される枠の全幅Wは、薬剤保持体2の幅wよりも大きい。そのため薬剤保持体2は自然状態から伸ばされた状態で柱状部材62,63に装着されている。
また薬剤保持体2が伸ばされた状態で柱状部材62,63に装着されているので、薬剤保持体2の網目は自然状態に比べて広げられている。
本実施形態の害虫防除器具57は、設置板部材61の面積が大きいので、害虫防除器具57を直接床面等に設置した場合に安定性が高い。即ち害虫防除器具57は、自立可能であり、且つ安定性が高い。
次に、本発明の第六実施形態を図17乃至図19を参照しつつ説明する。第六実施形態の害虫防除器具68は、前記した第五実施形態を改良したものである。即ち前記した第五実施形態の害虫防除器具57は、2本の柱状部材62,63によって構成される枠に、薬剤保持体2が被せたのに対し、本実施形態では、3本の柱状部材62,63,64によって構成される枠に、薬剤保持体2が被せている。
本実施形態によると、柱状部材62,63,64によって形成される枠が立体的構造となり、専有する床面積に対して薬剤保持体2が空気と触れる面積が増大する。
第五実施形態で採用した形状支持体58及び第六実施形態で採用する形状支持体69は、射出成形等によって一体的に成形してもよいが、図19の様に、天板部材60と、設置板部材61及び柱状部材62,63,64をそれぞれ個別に成形し、これらをネジ70等によって結合してもよい。
次に、本発明の第七実施形態を図20,図21を参照しつつ説明する。第七実施形態の害虫防除器具71は、一枚の樹脂又は金属板を波形に変形し、これを屏風の如くに縦置きにして形状支持体73としたものである。
前記した様に形状支持体73は、波うち形状であり、表面に凹凸が形成されている。また形状支持体73を構成する板には、多数の開口部75が設けられている。
より詳細に説明すると、形状支持体73は、上辺77,下辺78、右側辺79、左側辺80を有し、上辺77と下辺78が波うち形状であり、右側辺79と左側辺80とが直線形状である。
そのため設置した状態において、正面側と裏面側が互い違いに凹凸形状を呈している。
本実施形態では、右側辺79と左側辺80との間に薬剤保持体2が被せられている。
前記した様に、形状支持体73は、正面側と裏面側に凹凸形状があるから、形状支持体73の凹部81と薬剤保持体2との間に空隙82ができる。そのため形状支持体73の表面と薬剤保持体2の間に隙間が生じ、通気性が向上する。
また形状支持体73を構成する板に多数の開口部75が設けられているので、開口部75を経て薬剤保持体2と接する通風も生じる。
次に、本発明の第八実施形態を図22、図23を参照しつつ説明する。第八実施形態の害虫防除器具85は、先述した第七実施形態の形状支持体73を使用し、形状支持体73の姿勢を90度傾けて使用したものである。即ち形状支持体73は、波形の辺77,78と、直線状の辺79,80を有するが、第八実施形態の害虫防除器具85では、波形の辺77,78を覆う様に薬剤保持体2を被せている。
次に、本発明の第九実施形態を図24、図25を参照しつつ説明する。第九実施形態の害虫防除器具87は、複数の形状支持体88を有し、これが紐等の線材で結合され、複数の形状支持体88の全体に薬剤保持体2が被せられたものである。
形状支持体88は、金属、樹脂、ガラス等の固形物で作られた塊状物であり、本実施形態では、球形をしている。そして本実施形態では、3個の形状支持体88が紐90で直列的に結合されている。また両端の形状支持体88の外側にも紐90が設けられている。
形状支持体88の直径は、薬剤保持体2を円形にした場合における直径よりも大きい。
第九実施形態の害虫防除器具87では、図25の様に、3個の形状支持体88がいずれも筒状の薬剤保持体2内に挿入され、且つ、3個の形状支持体88が一定の間隔を開けて並べられている。
また前記した様に形状支持体88の直径は、薬剤保持体2を円形にした場合における直径よりも大きい。
そのため薬剤保持体2は拡径され、形状支持体88の周囲に薬剤保持体2が引き伸ばされた状態で被せられる。
また形状支持体88は一定の間隔を開けて並べられているので、図25に示すように害虫防除器具87を吊るすと、形状支持体88同士の間にある薬剤保持体2が引き延ばされる。
次に、本発明の第十実施形態を図26,図27を参照しつつ説明する。第十実施形態の害虫防除器具95は、形状支持体96を家畜籠として使用するものであり、より具体的には形状支持体96は、その内部に鳥やリス等の温血動物を飼育することができるものである。
本実施形態で採用する形状支持体96は、金属線または木、竹等を素材とする籠であり、全体形状は、ドーム状である。
本実施形態の害虫防除器具95は、形状支持体96の外周部に、薬剤保持体2が被せられて成るものである。
本実施形態では、薬剤保持体2として円柱形の薬剤保持体2を使用したが、形状支持体96の形状により良く合致させるために、図26(b)の様な円錐形の薬剤保持体97を使用することも推奨される。
次に、本発明の第十一実施形態を図28,図29を参照しつつ説明する。第11実施形態の害虫防除器具102は、凹凸を有するモニュメントを形状支持体103として採用したものである。
次に、本発明の第十二実施形態を図30,図31を参照しつつ説明する。第12実施形態の害虫防除器具104は、複数の開口部105を有するモニュメントを形状支持体106として採用したものである。
次に、本発明の第十三実施形態を図32、図33を参照しつつ説明する。第13実施形態の害虫防除器具107は、棒状の物、例えば、ベランダ等の物干し竿に装着可能なものである。
第13実施形態の害虫防除器具107で採用する形状支持体108は、籐や竹等の天然素材、あるいは樹脂等で作られた円筒形のものであり、表面に多数の開口(開口部)を有し、円筒内外に通気性がある。
薬剤保持体2についても円筒形であり、形状支持体108の外表面に被せられている。
本実施形態の害虫防除器具107は、例えば図34(a)に示す様に、ベランダ等に設置された物干し竿に通して装着し、使用することができる。その他、図34(b)に示す様に、ヒトの腕に通して装着し、携行使用することもできる。
次に、本発明の第十四実施形態を図35を参照しつつ説明する。第14実施形態の害虫防除器具110も、棒状の物、例えば、ベランダ等の物干し竿に装着可能なものである。
第14実施形態の害虫防除器具110で採用する形状支持体112は、籐や竹等の天然素材、あるいは樹脂等で作られた立体的な枠体であり、円弧状の上部側辺115と、直線状の下辺116を持つ。
そして当該枠体に薬剤保持体2が被せられている。
第14実施形態の害虫防除器具110も、例えば図34に示す様に、ベランダ等に設置された物干し竿に通して装着し、使用することができる。その他、図36に示す様に、家畜やペットの胴体等に装着することもできる。
次に、本発明の第十五実施形態を図37乃至図40を参照しつつ説明する。第15実施形態の害虫防除器具120は、前記した第十四実施形態の害虫防除器具110を改良したものであり、棒状の物への装着作業を円滑に行うことができるものである。
第十五実施形態の害虫防除器具120で採用する形状支持体121は、立体的な枠体であり、円弧状の上部側辺122だけを有し、下辺側は開放されている。また円弧状の上部側辺122は、右辺側部材125と左辺側部材126を有し、両者の端部が軸127を介して揺動可能に結合されたものである。そのため右辺側部材125と左辺側部材126は、その開き角度を変更することができる。
本実施形態の害虫防除器具120では、図38に示すように、形状支持体121の右辺側部材125と左辺側部材126との開き角度を小さくした状態で、薬剤保持体2を被せる。
そして次に、図39の様に、右辺側部材125と左辺側部材126との開き角度を大きく開き、装着対象となる棒状物を通す。
つづいて、右辺側部材125と左辺側部材126との開き角度を小さくし、棒状物に形状支持体121を近接させる。
図40は、家畜やペットの胴体部分に装着して使用する例を示している。
本実施形態では、右辺側部材125と左辺側部材126とを軸を介して結合することによって右辺側部材125と左辺側部材126との開き角度を変更可能としたが、形状支持体121を容易に塑性変形する素材で成形し、形状支持体121を塑性変形させて開放側を開き、棒状物を挿通した後に再度塑性変形して開放側を閉じてもよい。
次に、本発明の第16実施形態を図41,図42を参照しつつ説明する。第16実施形態の害虫防除器具130は扇風機であり、形状支持体131を扇風機の安全枠として使用するものである。
本実施形態では、薬剤保持体135として図1(d)の様な算盤玉形のものを使用する。
そして扇風機の安全枠形をした形状支持体131に、算盤玉形の薬剤保持体135を装着して、害虫防除器具130とする。
以下、本発明の害虫防除器具ならびに本発明の害虫の防除方法に係る全ての実施形態に共通する事項について、具体例を挙げながら順次説明する。
本発明に用いられる上記式(1)で示されるエステル化合物は、欧州特許公開0060617号明細書(特許文献3)、特開2000−63329号公報(特許文献1)、特開2001−11022号公報(特許文献2)、特開昭63−203649号公報、特開平7−17916号公報等に記載された化合物であり、例えば該公報に記載された方法で製造することができる。
式(1)で示されるエステル化合物には不斉炭素に基づく異性体が存在し、また炭素−炭素二重結合に基づく異性体が存在する場合があるが、本発明には活性な異性体のいずれをも使用することができる。
式(1)で示されるエステル化合物としては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、等が挙げられる。
当該エステル化合物の含量としては特に限定はないが、例えば、薬剤保持体に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜7.0重量%の範囲内である。
薬剤保持体を構成する素材としては、式(1)のエステル化合物を保持できるものであればよく、樹脂が代表的であるがこれに限定されるものではない。例えば、ポリオレフィン系樹脂を採用することができ、好ましくは、ポリエチレンとエチレン−メタクリル酸メチル共重合体とのブレンド樹脂又はポリエチレンとポリスチレンブロック含有エラストマーとのブレンド樹脂を含む樹脂が採用される。ポリエチレンとエチレン−メタクリル酸メチル共重合体またはポリスチレンブロック含有エラストマーとのブレンド樹脂中における両者の混合比率としては、99:1〜30:70の範囲が好ましく、これは、エチレン−メタクリル酸メチル単量体またはスチレン単量体で換算して薬剤保持体重量に対して1〜20重量%含有するものである。
有効成分となる化(1)のエステル化合物を薬剤保持体に保持させる方法としては、例えば、所望のエステル化合物と薬剤保持体を構成する樹脂とを混合・混練する方法が挙げられる。例えば、所望のエステル化合物とポリエチレンとエチレン−メタクリル酸メチル共重合体のブレンド樹脂とを混合・混練し、得られた混練物を押出等により所望の形状に成型すればよい。
一方、形状支持体を構成する素材としては、ある程度の剛性と一定の固定形状を保つことができるものであれば特に限定はない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等が使用可能であるが、強度等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロンが好ましい。なお、形状支持体が板状のもの(折り曲げ等したものも含む)である場合、種々の厚みのものが採用可能であるが、形状支持体の成形性や有効成分の揮散性能を考慮すると、厚みは0.05〜2.0mmの範囲が好ましい。
薬剤保持体には、必要に応じて、紫外線吸収剤を含めてもよい。紫外線吸収剤の例としては、サリチル酸フェニル;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチル−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンズトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール化合物;2,4−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート化合物が挙げられ、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物が好ましい。なお、紫外線吸収剤の含量としては、薬剤保持体全量に対して、通常、0.005〜5重量%の範囲であり、好ましくは0.01〜1.0重量%の範囲である。
さらに、薬剤保持体には、必要に応じて、酸化防止剤や顔料等を含めてもよい。酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ステアリルβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(TBMTBP)、及びトリフェニルホスファイトが挙げられる。
本発明の害虫防除器具は、例えば、害虫の生息場所及び/又は害虫の侵入場所等にそのまま設置して用いることができる。また、家屋の出入口、家屋内または家屋が建設されている敷地内に設置して用いることもできる。さらに、家畜の育成場所に設置して用いることもできる。ここで、害虫を防除するために用いられる化(1)のエステル化合物の空間1m3あたりの量は、通常0.01〜30mg、好ましくは0.1〜20mgである。そこで、本発明の害虫防除器具を設置する際には、これらの値を考慮して行うことが好ましい。
本発明の害虫防除器具の設置方法としては、例えば、床に置く、床に敷く、天井から吊り下げる、壁に貼り付ける、等の方法が挙げられる。また、本発明の害虫防除器具の設置場所においては、本発明の害虫防除器具から有効成分である式(1)で示されるエステル化合物が徐々に揮散して害虫防除効力が発揮される。したがって、本発明の害虫防除器具は、風通しの良い場所に設置すると、有効成分である式(1)で示されるエステル化合物の揮散効率が高くなり、より優れた害虫防除効力が発揮される。また、本発明の害虫防除器具は、害虫の生息場所及び/又は害虫の侵入場所の相対的に風上側に設置することが好ましい。かかる害虫の生息場所及び侵入場所としては、例えば厩、牛舎、鶏舎、豚舎などの畜舎;犬小屋、ウサギ小屋などのペット小屋;工場や作業場における出入口、排気口、電灯などの周辺;ベランダ、玄関などの家屋の外部;クロゼット、タンス(和ダンス、洋ダンス)の内部;寝室、居間、台所などの家屋内部;浄化槽内部;マンホールの蓋の下;キャンプ場や公園におけるテントの出入口、テント周辺、テント内部;バーベキュー、釣り、ハイキング、ガーデニング等の野外活動場所とその周辺部が挙げられる。
また、本発明の害虫防除器具は、温血動物(イヌ、ネコ、ウサギ等のペット、馬、牛、鶏、豚等の家畜、及びヒトが挙げられる。)の体表部に直接又は着衣等の上から装着して使用することができる。これにより、該温血動物を害虫による加害行動、特に蚊による吸血行動から保護することができる。装着方法としては、本発明の害虫防除器具を、紐などを用いて腰から吊り下げる、適当な留め具等を用いて足首、手首、腕胴体などに巻きつける、切り抜き・縫製して衣服の形態として着衣させる、等の方法が挙げられる。
本発明の害虫防除器具は、例えば以下に示される害虫の防除に用いることができる。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等;
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(agrotis segetum)等のヨトウ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana)等のハマキガ類、シンクイガ類(Carposinidae)、ハモグリガ類(Lyonetiidae)、ドクガ類(Lymantriidae)、ウワバ類(Autographa)、カブラヤガ(Agrotis segetum)及びタマナヤガ(Agrotis ipsolon)等のアグロティス属(Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp.)、へリオティス属(Heliothis spp.)、コナガ(Plutella xylosttella)、イチモンジセセリ(Parnara guttata)、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等;
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、チカイエカ(Culex pipens molestus)等のイエカ類、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)等のエーデス属、オオクロヤブカ(Armigeres subalbatus)等のアルミゲレス属、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、コガタハマダラカ(Anopheres minimus)、ガンビアハマダラカ(Anopheles gambiae)等のハマダラカ類、サシバエ類、ヌカカ類、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ(Delia platura)、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、タマネギバエ(Delia antiqua)等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、オオチョウバエ(Clogmia albipunctata)チョウバエ類、ブユ類、アブ類等;
鞘翅目害虫:ウエスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata howardi)等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)等のコガネムシ類、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、アズキゾウムシ(Callosobruchuys chienensis)等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、キスジノミハムシ(Phylltreta nemorum)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)等のエピラクナ属(Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ(Paederus fuscipes)等;
網翅目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等;
総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ハナアザミウマ(Thrips hawawiiensis)等;
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ(Athalia rosae)等のハバチ類等;
直翅目害虫:ケラ類、バッタ類等
隠翅目害虫:ヒトノミ(Pulex irritans)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)等;
シラミ目害虫:ヒトジラミ(Pediculus humanus)、ケジラミ(Phthirus pubis)、ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)等;
等翅目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus);
ダニ目害虫:コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides ptrenyssnus)等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ムギコナダニ(Aleuroglyphus ovatus)等のコナダニ類、チリニクダニ(Glycyphagidae privatus)、イエニクダニ(Glycyphagidae domesticus)、サヤアシニクダニ(Glycyphagidae destructor)等のニクダニ類、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、フトツメダニ(Cheyletus malaccesis)等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ハダニ類、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)、トリサシダニ(Ornithonyssus sylvairum)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)等のサシダニ類、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、オウシマダニ(Boophilus microplus)等のマダニ類、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)等。
本発明の害虫防除器具は、特に蚊(例えばアカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカ、コダカアカイエカ等のイエカ類、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、オオクロヤブカ等のヤブカ類、シナハマダラカ、コガタハマダラカ、ガンビアハマダラカ等のハマダラカ類)などの吸血害虫の防除に有用である。
次に、本発明を製造例、試験例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
〔製造例1〕
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:18重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学株式会社製)28重量部、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得た。
次いで、この混練物を押出機からネット成形用異形ダイスを介して押出すことにより、一辺が約5mmの略ひし形の網(周囲の目数80目、網を形成するフィラメントの直径は約0.6mm、開孔率80%)が直径約7cmの円筒状となった成形体(薬剤保持体)を得た。この成形体を長さ10cmに切断した後、ポリエチレンテレフタレート製の短冊状シート(厚み0.5mm、幅20mm、長さ60cm)を「ロ」の字状に折った形状支持体に嵌めて、本発明の害虫防除器具(「本発明防除器具(1)」と称する。図3,4参照。)を得た。
〔製造例2〕
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:18重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学株式会社製)28重量部、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート9重量部を、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット37重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット63重量部とを混合・混練して混練物を得た。
次いで、この混練物を押出機からネット成形用異形ダイスを介して押出すことにより、一辺が約5mmの略ひし形の網(周囲の目数80目、網を形成するフィラメントの直径は約0.6mm、開孔率80%)が直径約7cmの円筒状となった成形体(薬剤保持体)を得た。この成形体を長さ10cmに切断した後、ポリエチレンテレフタレート製の短冊状シート(厚み0.5mm、幅20mm、長さ60cm)を「ロ」の字状に折った形状支持体に嵌めて、本発明の害虫防除器具(「本発明防除器具(2)」と称する。図3,4参照。)を得た。
〔製造例3〕
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:25重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学株式会社製)28重量部、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得た。
次いで、この混練物を押出成形機からネット成形用異形ダイスを介して押出し、延伸することにより、一辺が約5mmの略ひし形の網(周囲目数50、網を形成するフィラメントの直径は約0.55mm、開孔率80%)で直径約5cmの円筒状となった成形体(薬剤保持体)を得た。この成形体を長さ15cmに切断したものに、ポリエチレンテレフタレート製樹脂を用いて「コ」の字状に成型した形状支持体(厚み1,0mm、幅2cm、長辺18cm、短辺8cm)を挿入して形状を安定化させることにより、本発明の害虫防除器具(「本発明防除器具(3)」と称する。図5,6参照。)を得た。
〔製造例4〕
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:18重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学株式会社製)28重量部、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート9重量部を、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット37重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット63重量部とを混合・混練して混練物を得た。
次いで、この混練物を押出成形機からネット成形用異形ダイスを介して押出し、延伸することにより、一辺が約5mmの略ひし形の網(周囲目数50、網を形成するフィラメントの直径は約0.55mm、開孔率80%)で直径約5cmの円筒状となった成形体(薬剤保持体)を得た。この成形体を長さ15cmに切断したものに、ポリエチレンテレフタレート製樹脂を用いて「コ」の字状に成型した形状支持体(厚み1,0mm、幅2cm、長辺18cm、短辺8cm)を挿入して形状を安定化させることにより、本発明の害虫防除器具(「本発明防除器具(4)」と称する。図5,6参照。)を得た。
〔製造例5〕
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:25重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学株式会社製)28重量部、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得た。
次いで、この混練物を押出成形機からネット成形用異形ダイスを介して押出すことにより、一辺が約2.5mmの略ひし形の網(周囲目数120、網を形成するフィラメントの直径は約0.4mm、開孔率80%)が直径約5cmの円筒状となった成形体(薬剤保持体)を得た。この成形体に長さ11cm、幅8cmの屏風状の成型体(図20参照。孔あり、厚さ1mm)を挿入して、本発明の害虫防除器具(「本発明防除器具(5)」と称する。図20,21参照。)を得た。
〔製造例6〕
スチレン系熱可塑性エラストマー(エラストマー中のポリスチレンブロックの含有量:30重量%、商品名:SEPS2007、クラレ株式会社製)28重量部、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得た。
次いで、この混練物を押出機からネット成形用異形ダイスを介して押出すことにより、一辺が約5mmの略ひし形の網(周囲目数50、網を形成するフィラメントの直径は約0.55mm、開孔率80%)が直径約5cmの円筒状となった成形体(薬剤保持体)を得た。この成形体を長さ15cmに切断したものに、ポリエチレンテレフタレート製樹脂を用いて「コ」の字状に成型した形状支持体(厚み1.0mm、幅2cm、長辺18cm、短辺8cm)を挿入して形状を安定化させることにより、本発明の害虫防除器具(「本発明防除器具(6)」と称する。図5,6参照。)を得た。
〔参考例1〕
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:18重量%、商品名:アクリフトWK−307、住友化学株式会社製)28重量部、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得た。
次いで、この混練物を押出機からネット成形用異形ダイスを介して押出すことにより、一辺が約5mmの略ひし形の網(周囲の目数80目、網を形成するフィラメントの直径は約0.6mm、開孔率80%)が直径約7cmの円筒状となった成形体(薬剤保持体)を得た。これを上から押さえると幅11cmのチューブ状ネットとなり、裁断機で10cmのピッチで切断することにより、幅11cmで長さ10cmのチューブ状の平面的なネットを得た。これを「比較防除器具(1)」とした。
〔参考例2〕
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:25重量%、商品名:アクリフトWK−307、住友化学株式会社製)28重量部、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得た。
次いで、この混練物を押出成形機からネット成形用異形ダイスを介して押出し、延伸することにより、一辺が約5mmの略ひし形の網(周囲目数50、網を形成するフィラメントの直径は約0.55mm、開孔率80%)で直径約5cmの円筒状となった成形体(薬剤保持体)を得た。この成形体を上から押さえると幅8cmのチューブ状ネットとなり、裁断機で15cmのピッチで切断することにより、幅8cmで長さ15cmのチューブ状の平面的なネットを得た。これを「比較防除器具(2)」とした。
〔試験例1〕
本発明防除器具(1)を、約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の中央部天井から縦に吊り下げた。この際に本発明防除器具(1)の下端は床から約150cmであった。本発明防除器具(1)を室内に吊り下げてから15分経過後、雌のヒトスジシマカ成虫50頭を試験室内に放った。3分後に試験室内でノックダウンしている供試虫の数を数えたところ、43頭がノックダウンしていた。
〔比較例1〕
比較防除器具(1)を約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の中央部天井から縦に吊り下げた。この際に比較防除器具(1)の下端は床から約150cmであった。比較防除器具(1)を室内に吊り下げてから15分経過後、雌のヒトスジシマカ成虫50頭を試験室内に放った。3分後に試験室内でノックダウンしている供試虫の数を数えたところ、10頭がノックダウンしていたのみであった。
〔試験例2〕
本発明防除器具(3)を、約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の中央部天井から縦に吊り下げた。この際に本発明防除器具(3)の下端は床から約150cmであった。本発明防除器具(3)を室内に吊り下げてから15分経過後、雌のアカイエカ雌成虫50頭を試験室内に放った。3分後に試験室内でノックダウンしている供試虫の数を数えたところ、35頭がノックダウンしていた。
〔比較例2〕
比較防除器具(2)を約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の中央部天井から縦に吊り下げた。この際に比較防除器具(1)の下端は床から約150cmであった。比較防除器具(2)を室内に吊り下げてから15分経過後、雌のアカイエカ成虫50頭を試験室内に放った。3分後に試験室内でノックダウンしている供試虫の数を数えたところ、8頭がノックダウンしていたのみであった。
〔試験例4〕
本発明防除器具(3)1個を、図8に示す様に、ベランダ(気温25〜35℃)に配置されている物干し竿に紐で吊るして設置した。該ベランダにおいて洗濯物を干す及び取り込む作業を行ったが、本発明防除器具(3)を設置後1ヶ月間は作業者が蚊等に吸血されることは無かった。その後、本発明防除器具(3)を取り外して同様の作業を行った場合には、作業者には蚊等による吸血痕が確認された。
〔試験例5〕
本発明防除器具(1)を約3.4m3(底面:1.5m×1.5m、高さ1.5m)の蚊帳の天井から吊るし、その蚊帳の中央にビーグル犬の入った金属製ケージ(1辺70cm)を置いた。蚊帳内に雌のヒトスジシマカ成虫50頭を放ち、6時間後に試験室内でノックダウンしている供試虫の数および吸血している虫数を数えたところ、35頭がノックダウンしており、吸血しているヒトスジシマカは認められなかった。一方、比較防除器具(1)を設置した蚊帳内で同様の実験を行うと、ノックダウンしている供試虫は10頭で、そのうち2頭のヒトスジシマカが吸血していることが確認できた。
1 害虫防除器具
2 薬剤保持体
3 形状支持体
8 開孔
15 開口部
21 形状支持体
20 害虫防除器具
37 害虫防除器具
38 形状支持体
47 凹部
48 空隙
50 害虫防除器具
56 開口部
57 害虫防除器具
58 形状支持体
68 害虫防除器具
69 形状支持体
71 害虫防除器具
73 形状支持体
75 開口部
81 凹部
82 空隙
85 害虫防除器具
87 害虫防除器具
88 形状支持体
95 害虫防除器具
96 形状支持体
102 害虫防除器具
103 形状支持体
104 害虫防除器具
105 開口部
106 形状支持体
107 害虫防除器具
108 形状支持体
110 害虫防除器具
112 形状支持体
120 害虫防除器具
121 形状支持体
130 害虫防除器具
131 形状支持体
135 薬剤保持体

Claims (11)

  1. 次式(1):
    Figure 2010285385
    〔式中、
    1は水素原子又はメチル基を表し、
    2はメチル基又は
    CH=CR2122
    (式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
    で示される基を表し、
    3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
    で示されるエステル化合物が保持された薬剤保持体と、一定の固定形状を有する形状支持体とを備え、
    前記薬剤保持体は、伸縮性を有する筒体であって少なくとも伸びた状態の時に複数の開孔を有するものであり、
    前記形状支持体の周囲に前記薬剤保持体を伸ばした状態で被せて成ることを特徴とする害虫防除器具。
  2. 薬剤保持体は、ポリエチレンとエチレン−メタクリル酸メチル共重合体とのブレンド樹脂又はポリエチレンとポリスチレンブロック含有エラストマーとのブレンド樹脂を含む樹脂によって成形されていることを特徴とする請求項1記載の害虫防除器具。
  3. 形状支持体は枠状部を有し、枠状部に薬剤保持体が張られていることを特徴とする請求項1又は2記載の害虫防除器具。
  4. 形状支持体は、籠状であることを特徴とする請求項1又は2記載の害虫防除器具。
  5. 形状支持体は、凹凸部を有し、凹部と薬剤保持体との間に空隙があることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の害虫防除器具。
  6. 形状支持体は、開口部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の害虫防除器具。
  7. 形状支持体は、自立可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の害虫防除器具。
  8. 形状支持体は、吊り下げ可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の害虫防除器具。
  9. 形状支持体に被せられた状態における薬剤保持体の開孔率が50%〜99%であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の害虫防除器具。
  10. 請求項1乃至9のいずれか記載の害虫防除器具を、害虫の生息場所または害虫の侵入場所に設置することを特徴とする害虫の防除方法。
  11. 請求項1乃至9のいずれか記載の害虫防除器具を、家屋の出入口、家屋内または家屋が建設されている敷地内に設置することを特徴とする害虫の防除方法。
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