JP2023098569A - 電子レンジ調理用調味料 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子レンジを利用して簡単に短時間で、固形食材を柔らかくしっとりと、かつ味浸み良く仕上げることができる、電子レンジ加熱調理用液状調味料を提供する。【解決手段】本発明の液状調味料は、(1)25℃における粘度が100cp以上であり、(2)pHが4.2以下であり、(3)糖質を5重量%以上含み、かつ(4)塩分濃度が2.5重量%以上である、固形食材を電子レンジで調理するための加熱調理用調味料であって、固形食材が畜肉類である場合にピロリン酸またはその塩を含まない調味料である。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 発行者名:キッコーマン株式会社、刊行物名:2021秋冬商品カタログ、発行年月日:2021年7月
本発明は、加熱によりかたくパサツキやすくなる固形食材を、前処理を要することなくしっとり柔らかく、味浸み良く調理できる電子レンジ調理用の液状調味料に関する。
糖質制限ダイエットブームの影響もあって、近年良質なタンパク質源として、脂肪が少なくて低カロリーの肉の需要が高まっている。そのような脂肪が少なく筋線維組織が密で均質な鶏むね肉、鶏ささみ、牛赤身肉、豚肉などの肉や魚肉は、疲労回復物質を豊富に含む優れた食材であるが、脂肪組織を含む肉筋間結合組織が多くジューシーで食べごたえのある肉に比べると、加熱後のかたくパサパサする食感が好ましくないと感じる人もいる。
また、女性の社会進出や消費者のライフスタイルの変化にともない、家庭内で簡単に美味しく調理できる健康的な食事のために、コンロ調理に替えて電子レンジを用いる調理方法が好まれるようになっている。
電子レンジを用いる調理方法では、電子レンジで加熱するだけで食材を短時間で調理できるように、家庭では食材と調味料を混合した状態にしてラップを掛けて加熱することが一般的に行われている。鍋やフライパンによる調理の必要がないため、洗い物も少なくキッチンも汚れないが、生肉等の未加熱食材をそのまま電子レンジで加熱調理すると、食材中の水分、肉汁が出てしまい、ジューシーさに欠けパサパサとした食感となり、美味しく調理できないという難点がある。
そのため、食材を電子レンジで加熱調理するための液状調味料が開発されている。例えば、野菜類の具材のための電子レンジ加熱調理用調味料で、具材を均一に味付けして短時間調理できる水分活性とブリックス値を調整した液状調味料(特許文献1)や、パウチと呼ばれる電子レンジ調理用の容器を使用して、電子レンジ調理用液状調味料を入れたパウチ入り調味料が提案されている。
パウチ入り調味料としては、開封・密封が可能なファスナーと加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機構とを備えたパウチ内に、レトルト処理済の液状食品を充填密封しておき、電子レンジ加熱時に、パウチ内に消費者が選んだ生鮮食材を投入して調理を行うようにしたパウチ詰め液状食品(特許文献2)や、開封・密封が可能なファスナーと蒸気抜き機構とを備えたスタンディングパウチを用いて、液状調味料中のだしの含有量と常温での粘度の範囲を調整することにより、縦置き状態で電子レンジにて加熱調理したときに、だしの風味が十分に効いていて肉類が十分に柔らかい肉類煮物料理を得ることができる電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料(特許文献3)などが報告されている。
一般に食材が肉の場合、肉を加熱すると筋線維が収縮するため、加熱により肉が硬くなることは避けられず、これを防ぐために、肉をたたいたり線維を壊すような調味料に漬けるという前処理が必要であり、電子レンジ調理の場合にも肉をしっとり柔らかくジューシーに仕上げるためには、前処理を行う必要がある。電子レンジ調理はマイクロ波によって食材が直接加熱されることが特徴である。マイクロ波による直接加熱は、外側から徐々に内部に熱が伝わる方式とは異なり、熱のロスが少なく、食材の温度上昇が早く、調理時間も短くなる。このことにより、熱によりたんぱく変性を起こし物性が変化しやすい食材、例えば肉類や魚介類はかたくパサついてしまうといった問題が生じやすい。加えてマイクロ波は、電子レンジの庫内で照射されると、食材に直接伝わったり、壁面に跳ね返ってから食材に伝わったり、複数の状態で食材を加熱する。また加熱される食材の形や、庫内の形、マイクロ波の照射部の角度により、マイクロ波の跳ね返り方は異なり、食材全体が均一に昇温されるわけではない。
食品素材についても、組織ごとに構造や成分が均一ではないので、これらについて加熱後に均一な品質を得ることは難しい。すなわち、タンパク質を含む固形食材の電子レンジ調理では、加熱ムラによる品質上の問題が生じやすいのである。また電子レンジ調理には、加熱による変化が外からは見え難い事から、適切な加熱具合に調理することも難しいといった問題もある。このような背景から、特に、筋線維組織が密で均質な鶏むね肉、鶏ささみ、豚肉、牛赤身肉をそのまま電子レンジで調理すると、あくが流出して肉が破裂することもあり、前処理なしでしっとり柔らかくジューシーに調理することは、大変難しいとされている。
特開2020-99204号公報 特開2009-254303号公報 特開2015-130811号公報
固形食材を電子レンジで美味しく加熱調理するためには、高温短時間の適度な加熱により野菜や肉など食材の表面を香ばしく加熱するとともに、食材から出る水分、肉汁を閉じ込めて、食材の内側はしっとり柔らかく仕上がることが理想的である。
本発明は、加熱によりパサツキやすい食材を、前処理を要することなくしっとり柔らかく、かつ味浸み良く調理することができる、電子レンジ調理用の液状調味料を提供することを課題とする。また、該液状調味料を用いて固形食材を電子レンジ加熱調理する方法を提供することを課題とする。
加熱によりパサつきやすい畜肉類としては、きめが粗い、肉質がかたい、結合組織が多い、赤筋が少ない、脂肪量や脂肪交雑が少ないなどといった特徴を有するものが該当する。たとえば、脂肪量が少なく白筋が多い鶏むね肉や鶏ささみ、脂肪交雑が少ないネック、肩、肩ロース、ヒレ、モモ、外モモ、ランプ、すねなどの牛赤身肉、筋線維が太かったり、筋肉間への細かい脂肪の入り込みが少ない結合組織が多い豚肉全般などが挙げられる。豚ばら肉は全体としての脂肪量は多いものの、脂身を柔らかくしようとレンジ加熱を強くすると、赤身がかたくなり、赤身を柔らかくしようとレンジ加熱を弱めると、脂身がかたいままとなり、脂肪とたんぱく組織が大きな層状で混在する豚肉のレンジ調理は難しい。
本発明者らは、電子レンジ調理用調味料において、調味料の粘度およびpHを、特定の数値以上および以下に調整し、かつ食塩と糖質を所定量含有させる場合に、固形食材の電子レンジ調理における上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下[1]~[9]の電子レンジ調理用調味料に関する。
[1]畜肉類または魚介類である固形食材を電子レンジ加熱調理するための液状調味料であって、(1)25℃における粘度が100cp以上であり、(2)pHが4.2以下であり、(3)糖質を5重量%以上含み、かつ、(4)塩分濃度が2.5重量%以上である、
ことを特徴とする電子レンジ調理用調味料(ただし、固形食材が畜肉類であるとき、ピロリン酸またはその塩を含むものを除く。)。
[2]固形食材を液面浸漬した状態で電子レンジ加熱調理するための液状調味料である、上記[1]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[3]前記畜肉類または魚介類が、調味料無添加でレンジ加熱調理した肉の中間荷重(50%歪)が3.3N以上である、上記[1]または[2]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[4]肉をしっとり柔らかく仕上げるための調味料である、上記[1]ないし[3]のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
[5]前記畜肉類が鶏むね肉、鶏ささみ、豚肉、または牛赤身肉、前記魚介類がブリ、鮭、マグロ、エビ、タコ、イカ、またはアサリである、上記[1]ないし[4]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[6]一辺1mm以上の具材を1重量%以上含む、上記[1]ないし[5]のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
[7]前記具材が香味野菜を含む、上記[6]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[8]包装容器に充填封入された液状調味料である、上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
[9]前記包装容器が電子レンジ加熱対応包材の包装容器である、上記[8]に記載の電子レンジ調理用調味料。
また、本発明は、以下[10]、[11]の固形食材を電子レンジ加熱調理する方法に関する。
[10]加熱用容器内で液状調味料により固形食材を電子レンジ加熱調理する方法であって、液状調味料は、上記[1]ないし[8]のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料であることを特徴とする方法。
[11]前記加熱用容器は、前記液状調味料が充填封入された電子レンジ加熱対応包材の包装容器である、上記[10]に記載の方法。
本発明の電子レンジ調理用調味料および電子レンジ加熱調理する方法によれば、固形食材が、筋線維組織が密で均質な畜肉類や魚介類であっても、前処理なしで電子レンジを使用して短時間でふっくらジューシーで、柔らかくしっとりした肉質に、しかも味浸み良く調理することができる。また、表面も照りよく仕上がる。
本発明により、加熱調整が難しいレンジ調理のなかでも、特に品質が悪くなりやすい食材(かたくパサつきやすい肉類や魚介類)に効果が高い液状調味料を提供することができ、このような品質が悪くなりやすい固形食材の指標が、調味料無添加で加熱した肉の中間荷重(50%歪)が3.3N以上であることがわかった。
本発明の液状調味料は、そのpHを下げることで、肉中の筋線維をほぐし保水性を上げることで、畜肉や魚介類を柔らかくしっとり、かつ味浸み良く仕上げることができる。同時に、液状調味料に一定粘度を付与することにより、畜肉や魚介類の過度なタンパク変性を抑えて肉汁を流出させずに、旨味を閉じ込め肉組織がかたくなるのを抑制できる。また、塩分を所定量以上含むことで、食材の表面加熱効率が上がり、さらに糖質を含むので照り良く仕上がる。野菜料理でも同様である。
また、液状調味料中に1mm以上の所望の大きさにカットされた他の具材、たとえば香味野菜等を含有させておくと、加熱調理時に固形食材と香味野菜を同時に投入する場合に比べ、固形食材の生臭さがより抑えられるだけでなく、味なじみが良く香味野菜の風味が全体になじんで、風味のよい繊細な料理になる。
さらに、電子レンジ調理用調味料を充填封入する包装容器として、電子レンジ加熱対応包材の包装容器を使用すれば、電子レンジ調理用調味料を別の加熱用容器に投入することなくそのまま電子レンジ加熱調理できる。たとえば、加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機能を有するジッパー付パウチを用いると、固形食材を投入してジッパーを閉じてそのまま電子レンジで加熱調理できるので、別の加熱用容器に液状調味料を移す必要もなく、調理後の洗い物の数も減る。
本発明の電子レンジ調理用調味料は、短時間での電子レンジ加熱調理により、固形食材を柔らかくしっとりと、かつ味浸み良く仕上げることができる液状調味料である。
固形食材は、畜肉類としては、鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、鴨肉等や獣肉類が挙げられ、魚介類としては、サケ、タイ、マグロ、カツオ、ブリ、タラ、スズキ、イワシ、サバ、アジ、サンマ等の魚類、エビ、カニ、イカ、タコなどの水産動物類、アサリなどの貝類などが挙げられる。また、野菜としては、葉菜類、花菜類、根菜類、果菜類、きのこ類が挙げられる。
固形食材は特に限定されないが、効果がより発揮されるのは、鶏むね肉、鶏ささみ、豚肉、牛赤身肉、ブリ、鮭、マグロ、エビ、タコ、イカ、アサリ等の加熱によりかたくパサつきやすい食材である。
これらのレンジ加熱調理で品質が悪くなりやすい食材の物性値は、以下の中間荷重の指標で表される。
「調味料無添加でレンジ加熱調理した肉の中間荷重(50%歪)が3.3N以上 」である。中間荷重の測定法は、試験10に示す。
中間荷重と肉のテクスチャーとは、筋線維が太い、結合組織が多い、あるいは脂肪量や水分が少ないような肉の場合、加熱後にかたくなるので中間荷重の数値が高くなるという関係がある。また、弾力が少ない、たとえばキメが粗かったり、脂肪量や脂肪交雑が少ない肉の場合、押し込んだ際に初期から応力が強くなりやすく、中間荷重の数値が高くなる。
一般に、肉のテクスチャーに影響する要因には、筋線維、結合組織、脂肪組織、水分などがある。
筋線維は、繊維の細かさ、あるいは熟成などでみられる物理的な微細構造の脆弱化などによって、テクスチャーを左右する。筋線維が集まってできた筋束の大きさや密度はきめ細かさに影響する。きめが細かい肉は、滑らかでやわらかく、きめが粗いというのは筋束が大きく、凹凸があって荒いテクスチャーとなる。
また筋線維は、収縮特性・代謝特性および形態特性の違いから、赤筋と白筋に分類される。互いの色調は異なっており、赤筋は白筋よりも筋線維の直径が小さく、保水性に優れていたり、きめが細かく、やわらかくジューシーに感じられる傾向がある。たとえば鶏では、もも肉はむね肉よりも赤筋の割合が高い。むね肉は速筋型筋線維で構成された骨格筋が多く、肉色は白色で品種等での変化が少ないのに対し、もも肉は速筋と遅筋型の筋線維が混在し、各筋線維との比率も変わるために、肉毎に肉色にも違いがある。もも肉の赤い部分は、白い部分に比べて弾力がある。
結合組織はコラーゲンやエラスチンなどの蛋白質が主体となって、筋線維を接着する役割などを果たしている。蛋白質の種類や性質によってテクスチャーは左右されるが、結合組織が多いまたは蛋白質の構造安定性が高い筋肉ほど、食肉が硬くなる傾向がある。
脂肪組織、特に筋肉への脂肪の蓄積である脂肪交雑は、やわらかさに影響する。調理で肉を加熱すると、蛋白質が不可逆的に凝固して筋線維は硬くなるが、脂肪は溶解して硬さを示さなくなり、冷めて固まっても加熱凝固した筋線維よりも軟らかいので、脂肪交雑が入った肉ほどやわらかくなる。また肉自体に脂肪量や水分が少ない肉は、加熱後に乾いたテクスチャーとなりやすく、しっとりさに欠けパサつきを感じやすい。
筋線維や結合組織は加熱によって状態が大きく変化する。筋原線維蛋白質の主成分であるミオシンは55℃、アクチンは70~80℃で凝固し、筋全体としては65℃付近から収縮が始まる。そのため高温加熱すると、たんぱく質の網目構造に保持されていた肉汁が、筋肉収縮によって押し出され、一方、結合組織のコラーゲンは、加熱前はかたくて噛み切れないが、60℃以上で長く加熱すると柔らかいゼラチンに変化するのである。そのため、肉をやわらかく調理するのは難しい。
固形食材のレンジ調理時の大きさや形状は任意であるが、電子レンジ加熱用容器内に投入しやすくて食べやすく、マイクロ波加熱が均等になるような大きさや形状が好ましく、例えば1~20cm程度の塊状、片状、棒状、円形などにカットして使用する。固形食材は未処理であってもよいが、塩、コショウなどの下味や、固形食材の種類によっては、下ゆで、あく抜き、油通しなどの下処理をしてもよい。
さらに、液状調味料中に、1mm以上の所望の大きさ(目開き1mmの篩を通過しない)にカットした具材を1重量%以上含有させると、加熱調理時に固形食材と具材を同時に投入する場合に比べ、肉や魚の生臭さをより抑えられるだけでなく、具材の風味が全体になじみ、具材が食材に絡むことで加熱調理品の味にメリハリがつき、咀嚼した後にも風味の余韻が残りやすく、味の持続性が高まる。具材の含有量は、料理や具材の種類に応じて1~70重量%が好ましい。
具材は、整形(カット、粉砕、細断又はおろし)された野菜、香辛料及び茸類を意味し、生でも乾燥品でもよい。また、調味液に配合される具材としては、例えば、ハーブ、胡椒、山椒及び唐辛子などの香辛料類、キャベツ、ホウレンソウ、レタス、シュンギク、小松菜、カラシナ、シソ、セリ、アスパラガス、ニラ、パセリ及びミツバなどの葉菜類、ショウガ、ニンニク、ニンジン、ダイコン、カブ、ゴボウ及びワサビなどの根菜類、タマネギ、長ネギ、フキ及びセロリなどの茎菜類、カリフラワー、ブロッコリー及びミョウガなどの花菜類、キュウリ、カボチャ、トマト、ナス、ピーマン及びシシトウガラシなどの果菜類、シイタケ及びマツタケなどの茸類、ゴマなどが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
具材は特に限定されないが、香味野菜である場合にその効果がより発揮される。香味野菜とは、調味料に香味を付与することができる野菜をいい、具体的には、長ネギ、玉ネギ、リーキ、シソ、ミツバ、ショウガ、ミョウガ、パセリ、バジル、レモングラス、フェンネル、ニンニク、セロリ、ワサビ等が挙げられる。
液状調味液に香味野菜を含有させる場合に、香味野菜を炒めてから含有させると、香味野菜の風味がより調味料全体にいきわたるため、味しみや味なじみをより良くすることができる。これら効果を奏する香味野菜のうち、長ネギ、玉ネギ、ショウガ、ニンニクはより好適である。
本発明の電子レンジ調理用調味料のpHは4.4以下であり、3.0以上4.2以下が好ましい。より強い酸味が好まれる料理の場合には、pH3以下であってもよい。液状調味液のpHを4.4以下に下げることにより、食材が肉であれば、肉の筋線維をほぐす効果により肉の保水性を上げることができ、肉を柔らかくしっとり、かつ味浸み良く調理することができる。
pH調整剤としては特に限定されないが、通常使用可能な食酢、酢酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、フィチン酸、リン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸などが挙げられる。
本発明の電子レンジ調理用調味料の粘度は、25℃で100cp以上、好ましくは25℃で150~9000cp、より好ましくは170~6000cpである。粘度は、B型粘度計(ローターNo.1~4)で25℃に調整し回転数60rpmで30秒間回転の条件で測定する。
粘度が100cp未満であると、食材表面に液状調味料がとどまらないため、肉等の加による過度のタンパク変性により、肉の水分とあくが流出して肉が破裂したりする。粘度が100cp以上であると、液状調味料に一定粘度が付されて食材表面にとどまり、加熱による肉の過度なタンパク変性を抑え、肉の水分を流出させず旨味を肉に閉じ込めることができる。pHが4.4以下であることによる肉の保水性の向上との相乗効果により、肉をより柔らかくしっとりジューシーに仕上げることができる。一方、粘度が高すぎると、苦味を感じる焦げが生じたり、液状調味液と具材の絡みつきが不均一となって、食感や照りが劣るものになる。
また、液状調味料に1mm以上の具材として香味野菜等が含まれている場合には、香味野菜等を取り除いて粘度を測定する。
液状調味料に粘度を付与するための増粘剤として、一般に料理で用いる澱粉、加工澱粉を用いることができ、小麦粉澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチの他、これらのα化澱粉、湿熱澱粉、架橋澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉が挙げられる。また、増粘剤として増粘多糖類を用いることができ、たとえば、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、ジェランガム、アラビアガム、タマリンドシードガム、ジェランガムなどが挙げられる。
本発明の調味料の製造において、加工時に機械的攪拌をしたり、保存性を高める等の目的で高温での殺菌工程を施すことがある。そのため、本発明で用いる増粘剤の種類は限定されないが、このような物理的な攪拌や高温での加熱、低pH条件でも安定した粘度を得るという観点から、架橋澱粉、エーテル化架橋澱粉、エステル化架橋澱粉、キサンタンガムを用いることが好適である。
本発明の電子レンジ調理用調味料は、塩分と糖質を所定量以上含有する。
本発明における塩分としては、食塩の他に塩分を含む醤油、味噌等の醸造調味料などを使用することができ、醸造調味料に含まれるアミノ酸等の旨味成分により、より美味しく調理できる。醤油には、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、白醤油等が、味噌には、赤味噌、白味噌、麦味噌、米味噌、仙台味噌、八丁味噌等が挙げられる。
固形食材の表面加熱効率を高め、かつ味浸みを良くするために、液状調味料の塩分濃度は2.5重量%以上であることが重要であり、好ましくは3重量%以上である。2.5重量%未満であると、食材が肉の場合に食感が低下する。なお、本発明における塩分濃度とは、塩化ナトリウムの濃度、またはそれに換算した食塩相当濃度をいい、例えば、電位差滴定法、モール法等の公知の方法で測定することもできる。
また、醤油や味噌などの醸造調味料の窒素分は、糖類との加熱反応によりメイラード物質を生成し、香ばしさなどの風味や照りなどの外観に寄与する。このため本発明の効果をより好適にするためには一定量含まれることが望ましい。例えば、調味料中の全窒素量は、0.3重量%以上で、好ましく0.5重量%以上、より好ましくは0.8重量%以上である。なお、調味料の全窒素量は、例えば醤油や味噌の配合量から計算により求めることができるが、ケルダール法や燃焼法などにより調味料から直接測定することもできる。
本発明における糖質とは、食品表示基準の記載に準じ、蛋白質や脂質、ミネラル、食物繊維の何れにも分類されないものを意味する。具体的には、糖質には、ブドウ糖、果糖などの単糖類、ショ糖や乳糖の二糖類、オリゴ糖、デキストリン、でんぷんなどの多糖類、還元麦芽糖水あめ、エリスリトール、マルチトールなどの糖アルコールが含まれる。
本発明の液状調味料は、糖質を5重量%以上、好ましくは9重量%以上含有する。糖質が5重量%未満であると、食材が肉の場合に食感が劣り臭みも残るが、5重量%以上であると、塩分濃度との相乗効果により食感が向上し、臭みも残らない。また、料理の照りには、加熱により糖とアミノ酸が反応して生成されるメイラードや糖類のカラメル化が関係していると考えられ、糖質は味覚だけでなく、表面を照り良く仕上げるために必要である。糖質はBrixや水分活性にも関連するので、5重量%以上の範囲内でその含有量を調整する。
本発明の電子レンジ加熱調理用の液状調味料のBrixは、好ましくは8.8以上、より好ましくは8.8以上62以下である。液状調味料のBrixが低すぎると、加熱調理時に食材と調味料とがうまく馴染まず、Brixが高すぎると、加熱調理時に焦げが発生する。
使用可能なBrix調整剤としては、特に制限がなく、糖質として例示した少糖類やデキストリンが挙げられる。
本発明の電子レンジ調理用調味料の水分活性は、好ましくは0.976以下である。水分活性が高いと、電子レンジのマイクロ波が液状調味料中の自由水に吸収されてしまい、食材自体を効率的に加熱できない。
液状調味料の水分活性(Aw)は、調味料表面水分の持つ水蒸気圧(水分のエネルギー状態)を意味し、一般にはサンプル上の平衡時蒸気圧(p)を、同じ温度の水の蒸気圧(po)で割った値であり、Aw=p/poという式で計算される。
一般に水分活性は、サンプル中に含まれる自由水の割合に依存する。自由水とはその他の成分の相互作用や束縛を受けていない水分として定義され、純粋な水分の水分活性値は1.00(平衡相対湿度100%)となる。
一方、水以外の成分(塩分、糖分、炭水化物など)を混合させると、それらの成分との相互作用による束縛を受けた結合水や表面に吸着する水分(吸着水)の割合が増えるので、水分活性値は低下する。このように、水分活性は、糖類などの含有量と加水量のバランスを調整することにより、所望の値に調整することができる。また、液状調味料に1mm以上の具材が含まれている場合には、具材入りの液状調味料で水分活性の測定を行う。
本発明の液状調味料は、油脂分を含まなくてもよいが、風味付け等のために含有してもよい。油脂分は主に液状の食用油脂であり、ゴマ油、オリーブ油、落花生油、エゴマ油、大豆油、菜種油、サフラワー油、コーン油、ひまわり油、米油、綿実油、パーム油、ヤシ油等が挙げられる。
他にも、柑橘類、調味料類、香料、香辛料、酒類、食物繊維、アルコール、添加剤などを適宜配合できる。柑橘類としては、ユズ、レモン、スダリ、カボス、ミカン等が、調味料類としては、ケチャップ、マヨネーズ、ソース、つゆ、みりん、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等が挙げられる。本発明のpHや塩分濃度の範囲内になるように、その含有量を調整する。
本発明の電子レンジ調理用調味料を充填封入する包装容器は、加熱殺菌処理やレトルト処理が可能な液状調味料用の容器であれば、形状を問わずに任意の容器を用いることができる。
また、液状調味料の包装容器として、電子レンジ加熱対応包材からなる包装容器を用いると、包装容器としてだけではなく電子レンジ加熱用容器としても用いることができ、加熱調理時に液状調味料を包装容器から加熱用容器に移す必要がなく、容器に固形食材を投入してそのまま加熱調理すればよいので、手間がかからず洗い物も少ない。包装容器が加熱用容器を兼ねるものの一例として、容器上部の一部あるいは全部が開放しているものがあるが、容器を開封して食材を投入した後電子レンジ調理する前に容器を再封するための再封機能や、電子レンジ加熱調理時に蒸気を容器外に排出する蒸気抜き機構を備えるとよい。
このような容器としては、電子レンジ加熱調理が可能な耐熱性樹脂性の成形容器や、耐熱性を有する熱可塑性樹脂フィルム、剥離層、およびシーラントフィルムの3層の積層プラスチックフィルムからなり、底面にマチをもたせたスタンディングパウチや底面及び側面にマチをもたせたガゼット袋、平置きタイプのパウチ(シッティングパウチ)、三方シール袋、四方シール袋、ピロー袋、紙容器等を使用することができる。
スタンディングパウチは、底面にマチができるようにプラスチックフィルムを折り曲げて重ね合わせ、両側縁部及び上縁部をヒートシールして側縁シール部及び上縁シール部を形成した平袋状のパウチである。上縁シール部の下方には平行してジッパー部が設けられ、ジッパー部と上縁シール部の間の側縁シール部には、食材投入用と料理取出用の開口部を、引き裂きにより形成するための切欠が形成されている。
また、ジッパー部の下方のパウチ表面には、電子レンジ加熱調理時にパウチが膨張して破裂することを防止する蒸気抜き機構として、蒸気通過部が設けられている。パウチの蒸気抜き機構としては、密封時のジッパー部が、電子レンジ加熱調理時に容器が膨張する際の圧力で部分的に開口するように、ジッパー部の嵌合を調整するものでもよい。
本発明の液状調味料は、通常の加熱殺菌方法により、60℃以上100℃未満で1分~60分間加熱殺菌する。また、長期保存のためにレトルト殺菌する場合には、包装容器をレトルト槽内に並べ、レトルト槽の温度を蒸気や熱水などにより120℃程度まで上昇させて、所定の殺菌効果が得られるように一定時間の殺菌処理を施す。レトルト殺菌とは一般的に、食品の中心温度が121℃、4分間(F値4)以上、またはこれと同等以上の効力を有する方法により殺菌することである。
本発明の電子レンジ調理用の液状調味料は、電子レンジ加熱調理した後の固形食材に添加して使用するのではなく、加熱用容器内で、添加した固形食材と液状調味料とを電子レンジで加熱調理するために用いるので、液状調味料に固形食材の一部または全部が浸っている(固形食材が液面浸漬された)状態で電子レンジ加熱調理される。
液状調味料と固形食材を入れてレンジ調理する電子レンジ加熱用容器としては、固形食材を上に乗せることができるものであれば大きさや形状は問わないが、電子レンジでの調理に適したタッパーや耐熱皿等の耐熱性容器が望ましい。また必要に応じてラップや蓋をして加熱するとよい。
また、液状調味料による均一な味付けや食材表面への付着、食材になじみやすい、食材からの水分蒸発を抑える等の観点から、固形食材100gに対して、液状調味料を通常5~100g、好ましくは7.5~50gより好ましくは10~40 g 、最適には15~35g添加するが、加熱用容器の大きさや形状および固形食材の量や種類によって好適な量は変化する。
次に、本発明の液状調味料を用いる固形食材の電子レンジ加熱調理方法について説明する。
包装容器が加熱用容器でない場合には、レンジ加熱調理が可能な加熱用容器上に固形食材を並べ、包装容器から液状調味料を投入して浸して、軽く揉み込みあるいはしばらくの間味をなじませてから、必要に応じてラップや蓋をして電子レンジで加熱調理する。
また、包装容器が加熱用容器を兼ねている場合、スタンディングパウチ入り液状調味料を例にすると、スタンディングパウチの切欠を起点として上部シール部を切り離し、開口部を広げてから、あらかじめ所定の大きさにカットしておいた固形食材をその開口部からパウチ内の液状調味料中に投入し、ジッパー部を閉じた状態で食材と液状調味料をよく揉み込んだ後、縦置きにした状態で電子レンジにて加熱調理する。
本発明の電子レンジ調理用調味料を用いる電子レンジ加熱調理は、液状調味料と固形食材に必要十分な量の熱を付与できる条件で行い、その結果、加熱用容器内に投入した食材から好ましい風味、食感、外観を加熱により引き出すことができる。液状調味料で食材を調味することから、少なくとも液状調味料が沸騰する加熱条件が必要であり、さらに食材によっても適当な加熱条件が異なる。たとえば、液状調味料と食材の合計100gあたり、出力600W×2分相当以上の加熱をする。ここで600W×2分相当とは、出力300Wであれば4分、出力400Wであれば3分、出力ワット数と時間との積の値が同じ条件以上の電子レンジ加熱をいう。
電子レンジでの加熱調理後30秒間~30分間、好ましくは1分~10分蒸らすと、余熱によりさらに味なじみをよくすることができる。
以上本明細書において、数値間に記載の「~」は、その前後の数値を含む値であり、前の数値以上、後の数値以下を意味する。
以下、本発明を実施例と比較例としての試験例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の試験例によって何ら限定されるものではない。
また、試験例における「%」は全て「質量%」を意味する。
各実施例においては、特記する場合を除き、調理方法における「調味液の調製」と「レンジ調理」は、下記の基本方法に準じた。
「調味液の調製:基本方法」
1.原料の調合
各表に示す各原料(調味料全質量あたりの質量%)及び水を混和し、85℃になるまで攪拌しながら加熱保持して均一に混合する。
2.充填
各調味料70gをレンジ調理可能な蒸気抜き機構を有するジッパー付スタンディングパウチに入れ、その後シーリングして密封する。
3.加熱処理
調味料の入ったパウチをレトルト釜に入れ、100℃、10分間の加熱処理を行い、パウチ内に液状調味液が充填されている電子レンジ調理用容器入り液状調味液(以下、試験調味料)を得る。
「レンジ調理:基本方法」
1.肉の準備
鶏むね1枚肉(300g)を準備し、下処理として肉を三等分にカットする。
2.肉の揉み込み
各試験調味液のパウチ上部の開口部を開け、カットした鶏むね肉を投入し、ジップ付チャックを閉めて密封する。30秒間パウチの外側を両手で摘みながら肉を揉み、調味液を肉に絡ませる。
3.レンジ調理
肉の入った試験調味料を、パウチのチャック部が上部にくるように縦置きで自立できる状態にして、電子レンジ庫内フラットテーブルの中央に置く。600W、6分間電子レンジ加熱を行い、その後庫内で4分間蒸らし調理品を作製する。得られた調理品について、各官能評価を行う。
[試験1]
[各官能評価項目の評価基準を設定するための予備試験](試験調味料1~5)
<調理方法>
試験調味料1~5:表1に示す各原料を配合した。「調味液の調製」と「レンジ調理」は、上記基本方法に準じた。
<評価方法>
実施例での各試験において、評価方法における「評価パネル」、「評価項目の概要」、および「評価項目の定義」については、全て下記の試験1の方法で行った。「評価基準」については、試験1と試験2では評価基準のみ異なり、試験3~試験8では、試験2の評価基準で行った。
また、測定装置は全て試験1と同じものを用いた。
「評価パネル」
肉の評価に秀でた分析型官能評価パネル(A~Cの3名、訓練期間8~20年)を用いて、各評価項目に関する評価訓練を行った。具体的には、評価項目の特性に対しては、パネル間で討議してすり合わせを行うことで、各パネリストが共通認識を持つようにした。また、官能試験の妥当性を担保するために、いくつかの評価サンプルを用いて該パネルに評価訓練をさせ、各パネリストにおける評価の再現性を確認した。これら評価訓練を行った後、該パネルを用いて各試験調味液の評価サンプルについて評価を行った。
「評価項目の概要」
評価項目は、以下の6項目である。
・食感の評価項目:『肉のしっとりさ』『肉の柔らかさ』『肉のきめ細かさ』の3項目
・風味の評価項目:『味浸み』『鶏臭さ』の2項目
・外観の評価項目:『照り』の1項目
加熱直後の調理品を白色の皿(直径22.5cm・深さ0~1.5cm)に移し、これをパネルに提示して外観の評価を行った。
次に、調理はさみにて調理品が一口サイズ(約20g)となるようにカットし、評価サンプルを作製した。この評価サンプルをパネルに提示し、喫食した際に感じる食感と風味(喫食時に口腔内から鼻へぬける香り)との評価を行った。
「評価項目の定義」
・『肉のしっとりさ』:加熱後もドリップ(肉汁)を引き続き保持させた肉の状態であり、肉を噛んだ際に肉から染み出てくる水分の量が多いこと。(パサつきと対義)
・『肉の柔らかさ』:肉芯部の柔らかさであり、肉を噛んだ際に噛み切ることができること。
・『肉のきめ細かさ』:肉を噛んだ際に感じる、噛み応えや筋感。(繊維感が残ると対義)
・『味浸み』:調味液が肉に染み込み、肉の風味と調和がとれていること。
・『鶏臭さ』:若鶏特有の臭み及び鶏肉特有の獣臭を合わせた不快な臭い。ブロイラー臭。
・『照り』:肉の表面がつやを帯びている外観。
「評価基準」
・『肉のしっとりさ、肉の柔らかさ、肉のきめ細かさ、味浸み』:順位法により評価した。
5つの試験調味液間の順位は、上記官能評価項目について感じない試験調味液を順位1として弱い順から順番づけをした。
・『鶏臭さ』:次の通りの3段階評価を行った。
× 鶏臭さを感じる、〇 やや鶏臭さを感じる、◎ 鶏臭さを感じない
・『照り』:次の通りの3段階評価を行った。
× 照りがない、〇 照りがある、◎ 照りに優れている
<調味液の測定装置>
・Brix(Bx):デジタル屈折計Rx-5000α(アタゴ社)
・pH:pHメーターHM-25R(東亜ディーケーケー社)
・水分活性:水分活性測定装置LabMaster-awSTANDARD(Novasinas社)
・粘度:B型粘度計TVB-10M(東機産業社)
粘度測定用のローターは、No.1~4を適宜用い、25℃に調整し回転数60rpmで30秒間回転の条件で測定。各表中の粘度の括弧内の記載は(ローターの種類、回転数、調味液の温度。)
Figure 2023098569000001
Figure 2023098569000002
表1に試験1の内容を、表2に結果を示す。試験調味液3~5が本発明の実施例であり、試験調味液1、2は比較例である。
試験調味料1は粘度とpHの両方が、試験調味料2はpHが本発明の範囲外である。試験調味料1から5への順で、粘度を高めてpHを低くした結果、試験調味料1から5への順で各評価項目の評価が高くなったことから、調味液の粘度付与と低pHが、本発明の効果を奏するために重要な要素であることがわかる。
液状調味液の粘度を高め、同時にpHを4.4以下にすることで、本発明の効果が発揮されることが確認された。
[試験2]
[しょうゆに関する試験](試験調味料11~13)
試験1の配合において、食塩をしょうゆ(調味料中の塩分濃度が同等になるように配合)に置き換えて試験して、塩分濃度が本発明の必須の構成要素かを検討した。
<調理方法>
試験1の試験調味料1、2、4の配合の食塩を、表3に示すようにしょうゆに置き換えて試験調味料11~13とした。
<評価基準>
・『肉のしっとりさ』:加熱後もドリップ(肉汁)を引き続き保持させた肉の状態であり、肉を噛んだ際に肉から染み出てくる水分の量が多いこと(パサつきと対義)
5:強く感じる(試験調味料5)
4:感じる(試験調味料4)
3:やや感じる(試験調味料3)
2:ほぼ感じない(試験調味料2)
1:感じない(肉中の水分が少なく、パサついている)(試験調味料1)
・『肉の柔らかさ』:肉芯部の柔らかさであり、肉を噛んだ際に噛み切ることができること
5:強く感じる(試験調味料5)
4:感じる(試験調味料4)
3:やや感じる(試験調味料3)
2:ほぼ感じない(試験調味料2)
1:感じない(筋線維質を感じ、噛み切りにくい)(試験調味料1)
・『肉のきめ細かさ』:肉を噛んだ際に感じる、噛み応えや筋感(繊維感が残ると対義)
5:強く感じる(試験調味料5)
4:感じる(試験調味料4)
3:やや感じる(試験調味料3)
2:ほぼ感じない(試験調味料2)
1:感じない(試験調味料1)
・『味浸み』:調味液が肉に染み込み、肉の風味と調和がとれている
5:強く感じる(試験調味料5)
4:感じる(試験調味料4)
3:やや感じる(試験調味料3)
2:ほぼ感じない(試験調味料2)
1:感じない(試験調味料1)
・『鶏臭さ』:若鶏特有の臭み及び鶏肉特有の獣臭を合わせた不快な臭い
◎:鶏臭さを感じない(試験調味料3)
〇:やや鶏臭さを感じる(試験調味料2)
×:鶏臭さを感じる(試験調味料1)
・『照り』:肉の表面がつやを帯びている外観
◎:照りに優れている(試験調味料3)
〇:照りがある(試験調味料2)
×:照りがない(試験調味料1)
<評価>
合計点が3~4は×、5~7は△、8~13は○、14~15は◎、と評価した。
<総合評価>
すべての評価が◎あるいは〇であるものを〇とした。それ以外は×とした。
Figure 2023098569000003
Figure 2023098569000004
表3に試験2の内容を、表4に結果を示す。試験調味液13が本発明の実施例で、試験調味液11、12は比較例である。
塩分濃度の由来を食塩からしょうゆに置き換えても効果に違いはないことから、本発明の効果に寄与するのは、塩分濃度であることが示された。
また、食塩からしょうゆに置き換えたことで、試験調味料1および2のpH6.4から、試験調味料11および12のpHは4.9と異なるものになったが、評価結果に違いはなかったことから、調味液のpHによる効果は線形的なものではなく、pH4前半からドラスティックに変化するものと考えられる。
[試験3]
[好適なpHに関する試験](試験調味料21~28)
<調理方法>
試験調味料21~27:醸造酢の配合量を調整してpHを変化させた。
試験調味料28:具材として4mmカットした長ねぎを20重量%添加し、pHを4.1に調整した。
<評価基準>は、試験2に準じた。
なお、試験3~試験9および試験12の評価基準は、試験2に準じて行った。
Figure 2023098569000005
Figure 2023098569000006
表5に試験3の内容を、表6に結果を示す。試験調味液23~28が本発明の実施例で、試験調味液21、22は比較例である
試験調味料22と23を比較すると、pHは4.4以下であることが重要であることが確認された。また、試験調味料28により、具材を入れることで、具材無添加の試験区よりも鶏臭さ、味浸みならびに照りのいずれの評価も向上し、かつ加熱時に調味液が吹きこぼれしにくいという予想以上の優れた効果が得られることがわかった。
[試験4]
[好適な糖質に関する試験](試験調味料41~51)
<調理方法>
試験調味料41~47:砂糖の配合量を調整して、糖質含量を0~58重量%にした。
試験調味料48~51:試験調味料43の糖質濃度5%を固定し、砂糖以外の糖質を配合した。
Figure 2023098569000007
Figure 2023098569000008
表7に試験4の内容を、表8に結果を示す。試験調味液43~51が本発明の実施例で、試験調味液41、42は比較例である。
糖質が5重量%未満であると、食材が肉の場合に食感が劣り臭みが残るので、糖質を5重量%以上、好ましくは9重量%以上(Bx12以上)含有することが重要であることが確認できた。糖質が58重量%を超えると、肉表面の一部が固くなることがある。
また、本発明の効果を奏する糖質は、単糖類や少糖類・オリゴ糖、もしくはデキストリン(水飴)が好ましい。デキストリン(水飴)を用いる場合は、解度(DE:デキストロース等量)はDE値18以上が好ましく、DEが4または9のデキストリンを配合すると、鶏臭さがやや残った。また、難消化デキストリンを配合すると、試験調味料43に比べてすべての評価で劣り、肉がぱさつき、やや異臭な香りを感じた。
[試験5]
[好適な塩分濃度に関する試験](試験調味料61~69)
<調理方法>
試験調味料61~69:食塩の配合量を調整して、塩分濃度を0~15重量%にした。
Figure 2023098569000009
Figure 2023098569000010
表9に試験5の内容を、表10に結果を示す。試験調味液63~68が本発明の実施例で、試験調味液61、62、69は比較例である。
塩分濃度が2.5%未満であると、肉の食感の評価が低下するため、塩分濃度は2.5重量%以上であることが重要である。塩分濃度が15重量%以上であると、塩味が強すぎたり、肉表面の一部が固くなることがある。
[試験6]
[先行技術との比較に関する試験](試験調味料81~84)
<調理方法>
試験調味料81:試験調味料4、24、45、64と同じ実施例
試験調味料82:特許文献3の(図5)試験例1eに記載の配合に準じて調製した。
塩分濃度は2.4重量%である。
試験調味料83:特許文献1の(表2)の「バーニャカウダ味調味料」に準じて調製した。
塩分濃度は7.6重量%である。
試験調味料84:特許文献1の(表1)の「黒酢味調味料」に準じて調製した。
塩分濃度は6.6重量%である。
Figure 2023098569000011
Figure 2023098569000012
表11に試験6の内容を、表12に結果を示す。試験調味液81が本発明の実施例であり、試験調味料82~84は先行技術である。
試験調味料82は塩分濃度において、試験調味料83、84はpHにおいて、それぞれ本発明と相違し、そのことにより、本発明は先行技術と異質な効果が得られることが確認された。
[試験7]
[好適な粘度に関する試験](試験調味料121~126)
<調理方法>
試験調味料121~126:キサンタンガム(増粘剤)の配合量を調整して、粘度を0~9,000cpにした。
Figure 2023098569000013
Figure 2023098569000014
表13に試験7の内容を、表14に結果を示す。試験調味液122~126が本発明の実施例であり、試験調味液121は比較例である。
粘度が100cp以上であることが重要であり、170~5500cpの範囲で好ましいことが確認された。9000cpを超えると、アクが出たり、一部ゲル化して粘度が高すぎるため、たれが肉と絡まない部位が残った。
[試験8]
[容器と肉の種類・大きさに関する試験](試験調味料91~98)
<調理方法>
試験調味料91、92:容器は電子レンジ加熱対応のスタンディングパウチ
試験調味料91は、試験調味料2、21と同じ比較例
試験調味料92は、4、24、45、64、81と同じ実施例
試験調味料93、94:容器は電子レンジ加熱対応のシッティングパウチ
試験調味料93、94は、試験調味料91、92と同じ。
試験調味料95、96:容器は、皿とラップ
試験調味料95、96は、試験調味料91、92と同じ。
試験調味料97、98:鶏むね肉のサイズを一口サイズ(10等分にカット)にした。
試験調味料97、98は、試験調味料91、92と同じ。
Figure 2023098569000015
Figure 2023098569000016
表15に試験8の内容を、表16に結果を示す。試験調味液92、94、96、98が本発明の実施例であり、試験調味液91、93、95、97は比較例である。
他にも1cm幅にカットした豚ブロック肉を、試験調味料91と92と同じ条件で調理すると、試験調味料91を用いた場合には繊維感が残り、ぱさつきを感じたが、試験調味料92では柔らかくジューシーに仕上がった。
本発明の液状調味料はこのように、容器の形状や、肉の種類、サイズは問わず効果があることが確認できた。
[試験9-1]
[調理後の肉類の硬さに関する試験](試験調味料91、92)
<調理方法>
鶏もも、鶏ささみ、鶏むね、豚バラ、豚ヒレ、牛ももについて、試験調味料91と92と同じ条件で調理した。
牛もも肉は、3cm角のカット品を250g用いた。また、鶏もも肉は、調理後、赤色部と白色部に分けそれぞれ評価した。
Figure 2023098569000017
試験9-1の結果を表17に示す。試験調味液92が本発明の実施例であり、試験調味液91は比較例である。
鶏むねは、速筋型筋線維で構成された骨格筋が多く、肉色は白色で品種等での変化が少ない。それに対して、鶏ももは速筋と遅筋型の筋線維が混在して、各筋線維との比率も変わるため、部位によって肉色に違いがある。先の背景から、鶏もも肉を、調理後に赤色部と白色部に分けそれぞれ評価した結果、赤い部分は、白い部分に比べてより弾力があることがわかった。試験調味料91での肉類の評価は、いずれも冷めた状態でさらにはっきり確認された。
一方、本発明の液状調味料92は、肉の種類は問わず効果があることが確認できた。特に、鶏ささみ、鶏むね、豚肉、牛ももなど、電子レンジ加熱調理による食感の劣化を受けやすい肉に、その効果がより発揮された。
[試験9-2]
[調理後の魚介類の硬さに関する試験](試験調味料91、92)
<調理方法>
ブリ、鮭、マグロ赤身、エビ、タコ、イカ、アサリについて、試験調味料91と92と同じ条件で調理した。
ブリは、160g(2切れ)を用い、600Wで3分電子レンジ加熱した。
鮭は、170g(2切れ)を用い、600Wで3分電子レンジ加熱した。
マグロ赤身は、160g(15×5×厚さ2cm)を用い、600Wで4分加熱した。
エビは、170g(むきえび)を用い、600Wで3分電子レンジ加熱した。
タコは、35g(うすきり6枚)を用い、500Wで2分電子レンジ加熱した。
イカは、100g(1cmスライス6枚)を用い、600Wで3分電子レンジ加熱した。
アサリは、160g(殻付き)を用い、600Wで3分電子レンジ加熱した。
Figure 2023098569000018
試験9-2の結果を表18に示す。試験調味液92が本発明の実施例であり、試験調味液91は比較例である。試験調味料91での魚介類の評価は、いずれも冷めた状態でさらにはっきり確認された。
一方、本発明の液状調味料92は、魚介類にも効果があることが確認できた。
[試験10]
[各畜肉類の物性値(中間荷重)と官能評価の相関性に関する試験]
<肉の調整方法>
各肉は150g(30gずつ5分割)となるように調整した後、調味料無添加で皿に入れ、ラップをかけた状態で電子レンジで600W4分加熱した。
加熱した肉について、筋繊維が長辺と並行になるように、肉内部より20mm×10mm×厚さ8mmを切り出し、官能評価および機器測定用試料とした。なお、サンプル品温は25℃に調整して、評価及び測定に用いた。
<中間荷重の測定法>
測定は、レオメーター((株)山電:RE2-33005)により、樹脂製くさび型プランジャー(W16mm×60°幅20mm)を用いて、筋線維方向垂直に貫入するよう1.0mm速度/秒で定速圧縮破断(99%圧縮)を行った。
得られた破断曲線より歪率50%時点の荷重を、中間荷重(N=3~4の平均値)として算出した。
<官能評価>
「評価パネル」実施例1に準じた。
「評価訓練」下記の評価基準のすり合わせ、および評価の再現性について、実施例1に準じて行った。
「評価概要」実験1に準じた。
「評価項目の定義」「噛みこんだ際の肉の硬さ」を評価項目とした。具体的には、実験1に記載した『肉のしっとりさ』『肉の柔らかさ』『肉のきめ細かさ』の総合的な食感の評価である。
「評価基準」「噛みこんだ際の肉の硬さ」を順位法により評価した。8つの対象肉(加熱済)間の順位は、「噛みこんだ際の肉の硬さ」について感じないものから順位1として弱い順から順番付けをした。
Figure 2023098569000019
官能評価の結果を表19に示す。
中間荷重は、官能評価結果と相関があり、肉の破断性、弾力、パサつきならびに肉組織のキメなどの総合評価にあたる、噛みこんだ際の肉の硬さを示す指標となることがわかった。固形食材の畜肉類のうち、中間荷重が3.3N以上である場合に、その効果がより発揮される。また、中間荷重が4.8N以上がより好ましく、6.1N以上がさらに好ましい。
[試験11]
[魚肉類(ブリ)の物性値(中間荷重)と官能評価の相関性に関する試験]
<魚肉の調整方法>
ブリ150g(2切れ)を皿に入れ、ラップをかけた状態で電子レンジで600W4分加熱した。魚の筋線維は層状構造になっているので、形状は部位により異なるが、層状が重なった部分から高さが8mmとなるよう20mm×10mm×厚さ8mmの試験片を切り出し、官能評価および機器測定用試料とした。なお、サンプル品温は25℃に調整して、畜肉と同条件での中間荷重測定に用いた。
官能評価では、噛んだ際にやや硬さがあり、繊維感が残りパサつきを感じた。中間荷重は4.8N(N=6の平均値)であった。
この結果から、魚肉類においても、噛みこんだ際の肉の硬さを示す指標として、中間荷重は有用であることが示唆された。
また、畜肉に比べると、魚のテクスチャーはより繊細であることが知られているが、その要因の一つには、魚の筋肉が層状構造になっていること、そしてその結合組織がまばらで弱いことが考察された。
[試験12]
[中間荷重を指標として噛みこんだ際の鶏むね肉の硬さの抑制を測定する試験](試験調味料131、132)
<調理方法>
鶏むね1枚肉(300g)を三等分にカットし、「レンジ調理:基本方法」に従って調理した。
試験調味料131:試験調味料1と同じ。
試験調味料132:試験調味料125をpHを3.5に調整。
<官能評価>は試験2に準じて行い、<中間荷重の測定法>は試験10と同じである。
Figure 2023098569000020
Figure 2023098569000021
Figure 2023098569000022
表20は試験12の内容であり、官能評価の結果を表21に、中間荷重の測定結果を表22に示す。
本発明の実施例である試験調味料132は、比較例である試験調味料131と比べて、噛み切る硬さが弱く、また弾力も増えており、肉の食感が良好であり、それに伴い中間荷重も小さくなっている。このように、肉の硬さの抑制が中間荷重の減少で測定できることが確認された。






本発明は、以下[1]~[9]の電子レンジ調理用調味料に関する。
[1]畜肉類または魚介類である固形食材を電子レンジ加熱調理するための液状調味料であって、(1)25℃における粘度が100~9000cpであり、(2)pHが3.0~4.2であり、(3)糖質を5~58重量%含み、かつ、(4)塩分濃度が3.0~15重量%である、ことを特徴とする電子レンジ調理用調味料(ただし、固形食材が畜肉類であるとき、ピロリン酸またはその塩を含むものを除く。)。
[2]固形食材を液面浸漬した状態で電子レンジ加熱調理するための液状調味料である、上記[1]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[3]前記畜肉類または魚介類が、調味料無添加でレンジ加熱調理した肉の中間荷重(50%歪)が3.3N以上である、上記[1]または[2]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[4]肉をしっとり柔らかく仕上げるための調味料である、上記[1]ないし[3]のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
[5]前記畜肉類が鶏むね肉、鶏ささみ、豚肉、または牛赤身肉、前記魚介類がブリ、鮭、マグロ、エビ、タコ、イカ、またはアサリである、上記[1]ないし[4]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[6]一辺1mm以上の野菜、香辛料、ゴマ及び茸類からなる群から選ばれる少なくとも1種の具材を1重量%以上含む、上記[1]ないし[5]のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
[7]前記具材が香味野菜を含む、上記[6]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[8]包装容器に充填封入された液状調味料である、上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
[9]前記包装容器が電子レンジ加熱対応包材の包装容器である、上記[8]に記載の電子レンジ調理用調味料。
本発明は、以下[1]~[9]の電子レンジ調理用調味料に関する。
[1]畜肉類または魚介類である固形食材を電子レンジ加熱調理するための液状調味料であって、(1)25℃における粘度が150~9000cpであり、(2)pHが3.0~4.2であり、(3)糖質を5~58重量%含み、かつ、(4)塩分濃度が3.0~15重量%である、ことを特徴とする電子レンジ調理用調味料(ただし、固形食材が畜肉類であるとき、ピロリン酸またはその塩を含むものを除く。)。
[2]固形食材を液面浸漬した状態で電子レンジ加熱調理するための液状調味料である、上記[1]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[3]前記畜肉類または魚介類が、調味料無添加でレンジ加熱調理した肉の中間荷重(50%歪)が3.3N以上である、上記[1]または[2]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[4]肉をしっとり柔らかく仕上げるための調味料である、上記[1]ないし[3]のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
[5]前記畜肉類が鶏むね肉、鶏ささみ、豚肉、または牛赤身肉、前記魚介類がブリ、鮭、マグロ、エビ、タコ、イカ、またはアサリである、上記[1]ないし[4]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[6]一辺1mm以上の野菜、香辛料、ゴマ及び茸類からなる群から選ばれる少なくとも1種の具材を1重量%以上含む、上記[1]ないし[5]のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
[7]前記具材が香味野菜を含む、上記[6]に記載の電子レンジ調理用調味料。
[8]包装容器に充填封入された液状調味料である、上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
[9]前記包装容器が電子レンジ加熱対応包材の包装容器である、上記[8]に記載の電子レンジ調理用調味料。

Claims (11)

  1. 畜肉類または魚介類である固形食材を電子レンジ加熱調理するための液状調味料であって、
    (1)25℃における粘度が100cp以上であり、
    (2)pHが4.2以下であり、
    (3)糖質を5重量%以上含み、かつ、
    (4)塩分濃度が2.5重量%以上である、
    ことを特徴とする電子レンジ調理用調味料(ただし、固形食材が畜肉類であるとき、ピロリン酸またはその塩を含むものを除く。)。
  2. 固形食材を液面浸漬した状態で電子レンジ加熱調理するための液状調味料である、請求項1に記載の電子レンジ調理用調味料。
  3. 前記畜肉類または魚介類が、調味料無添加でレンジ加熱調理した肉の中間荷重(50%歪)が3.3N以上である、請求項1または2に記載の電子レンジ調理用調味料。
  4. 肉をしっとり柔らかく仕上げるための調味料である、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
  5. 前記畜肉類が鶏むね肉、鶏ささみ、豚肉、または牛赤身肉、前記魚介類がブリ、鮭、マグロ、エビ、タコ、イカ、またはアサリである、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
  6. 一辺1mm以上の具材を1重量%以上含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
  7. 前記具材が香味野菜を含む、請求項6に記載の電子レンジ調理用調味料。
  8. 包装容器に充填封入された液状調味料である、請求項1ないし7のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料。
  9. 前記包装容器が電子レンジ加熱対応包材の包装容器である、請求項8に記載の電子レンジ調理用調味料。
  10. 加熱用容器内で液状調味料により固形食材を電子レンジ加熱調理する方法であって、液状調味料は、請求項1ないし8のいずれかに記載の電子レンジ調理用調味料であることを特徴とする方法。
  11. 前記加熱用容器は、前記液状調味料が充填封入された電子レンジ加熱対応包材の包装容器である、請求項10に記載の方法。



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