JP2023098047A - 複合プラント並びに複合プラントの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス化炉の損傷を抑制することを目的とする。【解決手段】複合プラント1は、固体燃料をガス化することで生成ガスを生成するガス化炉101と、固体燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラ30と、ガス化炉101から排出された生成ガスと、生成ガスに含まれたチャーとを分離するチャー分離装置15と、チャー分離装置15で分離したチャーをガス化炉101へ供給するチャー戻しライン46と、チャー分離装置15で分離したチャーをボイラ30へ供給するチャー供給ライン47と、チャー供給ライン47を介してボイラ30へ供給されるチャーの量を調整する流量調整弁47aと、ガス化炉101へ供給されるチャーの量が所定の閾値を超えた場合に、所定の閾値を超えた分のチャーをボイラ30へ供給するように流量調整弁47aを制御する制御装置96と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、複合プラント並びに複合プラントの製造方法に関するものである。
低・脱炭素化により、低効率な石炭火力発電プラント等は順次廃止されていくことが考えられている。しかしながら、発電プラントの新設には多額のコストと期間がかかる。このため、既設の石炭火力発電プラントのエネルギ効率を向上させ、既設の発電プラントを継続して使用することが考えられている。
石炭火力発電プラントとして、細かく粉砕した石炭(微粉炭)を燃焼させることで発電する発電プラント(以下、「微粉炭焚き発電プラント」と称する。)が知られている。微粉炭焚き発電プラントは、他の発電プラントと比較して、発電時の二酸化炭素排出量が多いことから、特にエネルギ効率の向上が求められている。石炭火力発電プラントのエネルギ効率を向上させる方法の1つとして、微粉炭焚き発電プラントと、エネルギ効率の高い石炭ガス化複合発電設備(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)とを併設することが考えられている(例えば、特許文献1)。
石炭ガス化複合発電設備は、石炭をガス化炉でガス化して、ガス化ガスを用いてガスタービンで発電した後に、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)で排ガスから回収した熱を利用して蒸気を発生させ、この蒸気を用いて蒸気タービンでも発電する。このため、微粉炭焚きプラントよりも効率が高い。このため、石炭ガス化複合発電設備と微粉炭焚き発電プラントと組み合わせることで、発電プラント全体のエネルギ効率を向上させることができる。
特許文献1には、既設の石炭焚きボイラに石炭ガス化装置を付加し、石炭ガス化装置で発生した乾留ガスとチャーをチャー捕集器で捕集した後、分離して乾留ガスの一部をガスタービンの燃料として使用し、残りの乾留ガスとチャーを既設の石炭焚きボイラの燃料として使用して燃焼させるシステムが記載されている。
特開2001-65804号公報
ガス化複合発電設備のガス化炉では、固体燃料をガス化する際に、チャー(燃料の未燃分)が発生する。ガス化炉で発生するチャーの量は、固体燃料の性状の影響を受け易く、固体燃料の種類や性状の変化によって変動する。ガス化炉で発生したチャーは、ガスタービンの上流で回収しガス化炉に再供給して再燃焼させているが、チャーの発生量が安定しないと、ガス化炉へ再度供給するチャーの量も不安定となり、ガス化炉の安定した運転継続が困難となる可能性があった。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ガス化炉を安定して運転することができる複合プラント並びに複合プラントの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の複合プラント並びに複合プラントの製造方法は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る複合プラントは、炭素含有固体燃料をガス化することで生成ガスを生成するガス化炉と、炭素含有固体燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラと、前記ガス化炉から排出された前記生成ガスと、該生成ガスに含まれたチャーとを分離する分離部と、前記分離部で分離した前記チャーを前記ガス化炉へ供給するチャー戻しラインと、前記分離部で分離した前記チャーを前記ボイラへ供給するチャー供給ラインと、前記チャー供給ラインを介して前記ボイラへ供給される前記チャーの量を調整する調整部と、前記ガス化炉へ供給される前記チャーの量が所定の閾値を超えた場合に、前記所定の閾値を超えた分の前記チャーを前記ボイラへ供給するように前記調整部を制御する制御部と、を備える。
また、本開示の一態様に係る複合プラントの製造方法は、炭素含有固体燃料をガス化することで生成ガスを生成するガス化炉及び炭素含有固体燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラを備える複合プラントの製造方法であって、前記ガス化炉を設置するガス化炉設置工程と、前記ガス化炉に対して前記ガス化炉から排出された前記生成ガスと該生成ガスに含まれたチャーとを分離する分離部を設置する分離部設置工程と、前記分離部で分離した前記チャーを前記ガス化炉へ供給するチャー戻しラインを設置するチャー戻しライン設置工程と、既設の前記ボイラと前記分離部と接続するように、前記分離部で分離した前記チャーを前記ボイラへ供給するチャー供給ラインを設置するチャー供給ライン設置工程と、前記ガス化炉及び前記ボイラの何れにも炭素含有固体燃料を供給する燃料供給部を設置する燃料供給部設置工程と、を備える。
本開示によれば、ガス化炉を安定して運転することができる。
本開示の実施形態に係る複合プラントを示す概略構成図である。 本開示の実施形態に係る複合プラントにおけるガスタービン停止時における制御を示すタイミングチャートである。 本開示の実施形態に係る複合プラントにおけるプラントの負荷とミルの負荷との関係を示すグラフである。 本開示の実施形態の変形例に係る複合プラントを示す概略構成図である。 本開示の実施形態の変形例に係る複合プラントの要部を示す構成図である。
以下に、本開示に係る複合プラント並びに複合プラントの製造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る発電プラントの概略構成図である。
以降の説明では、上方とは鉛直上側の方向を、上部や上面などの“上”とは鉛直上側の部分を示している。また同様に“下”とは鉛直下側の部分を示すものであり、鉛直方向は厳密ではなく誤差を含むものである。
本実施形態に係る複合プラント1は、図1に示すように、ガス化複合発電設備10と、ボイラ30と、ガス化複合発電設備10及びボイラ30の両方へ固体燃料(例えば、石炭やバイオマス燃料)を供給する燃料供給設備80と、を備えている。
[ガス化複合発電設備]
まず、ガス化複合発電設備10について説明する。
本実施形態に係るガス化炉101が適用されるガス化複合発電設備10は、加圧した空気を主とする酸化剤として用いており、ガス化炉101において、燃料から可燃性ガス(生成ガス)を生成する加圧空気燃焼方式を採用している。そして、ガス化複合発電設備10は、ガス化炉101で生成した生成ガスを、ガス精製設備16で精製して燃料ガスとした後、ガスタービン17に供給してガスタービン用発電機21で発電を行っている。すなわち、本実施形態に係るガス化複合発電設備10は、空気燃焼方式(空気吹き)の発電設備となっている。なお、本実施形態ではガス化複合発電設備10を空気燃焼方式として説明するが、酸素を主とする酸化剤を用いる酸素燃焼方式(酸素吹き)としても良い。ガス化炉101に供給する燃料としては、例えば、バイオマス燃料や石炭等の炭素含有固体燃料が用いられる。
ガス化複合発電設備10は、図1に示すように、ガス化炉101と、チャー分離装置15と、ガス精製設備16と、ガスタービン17と、ガスタービン用発電機21と、蒸気タービン18と、蒸気タービン用発電機19と、排熱回収ボイラ20とを備えている。なお、燃料供給設備80及び蒸気タービン18は、後述するボイラ30と共用している。
ガス化炉101は、燃料供給設備80から微粉燃料が供給される。また、ガス化炉101は、チャー分離装置15で分離、回収されたチャー(固体燃料の未反応分)をエネルギとして再利用する目的として供給されている。
ガス化炉101は、例えば、2段噴流床形式で構成されており、内部に供給された微粉燃料およびチャーを、酸化剤(空気、酸素)により部分燃焼させることでガス化させ生成ガスとする。ガス化炉101には、チャー分離装置15へ生成ガスを供給する第1生成ガスライン49が接続されており、チャーを含む生成ガスが排出可能となっている。ガス化炉101の壁部は、内部を水が流通する水冷周壁管を有している。
チャー分離装置15は、ガス化炉101で生成された生成ガスと、生成ガスに含まれるチャーとを分離する。チャー分離装置15は、例えば、1つまたは複数のサイクロンを有し、遠心分離によって生成ガスとチャーとの分離を行う。
チャーが分離された生成ガスは、第2生成ガスライン53を介してガス精製設備16に送られる。生成ガスから分離されたチャーは、例えば、ホッパ(図示省略)に一時的に貯留される。ホッパに貯留されたチャーは、チャー戻しライン46を介して、ガス化炉101へ導かれる。すなわち、チャー戻しライン46は、チャー分離装置15で分離したチャーをガス化炉101へ供給する。
ガス精製設備16は、チャー分離装置15でチャーが分離された生成ガスに対して、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。そして、ガス精製設備16は、生成ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン17に供給する。
ガスタービン17は、ガス精製設備16から燃料ガス供給ライン66を介して生成ガスを精製した燃料ガスが供給される。ガスタービン17は、供給された燃料ガスを燃焼させた燃焼ガスによりタービン及びタービンに固定された回転軸を回転させることで、回転軸に連結されたガスタービン用発電機21を回転駆動させる。
ガスタービン17から排出された燃焼ガス(排ガス)は、排ガスライン70を介して排熱回収ボイラ20に導かれる。排熱回収ボイラ20は、給水と排ガスとの間で熱交換を行うことで、蒸気を生成するものである。排熱回収ボイラ20から排出された排ガスは、脱硝設備22で窒素酸化物が除去され、煙突39から系外へ排出される。
蒸気タービン18は、ガス化炉101、排熱回収ボイラ20、及びボイラ30から、第1蒸気ライン23、第2蒸気ライン24、及び第3蒸気ライン25を介して蒸気が供給される。蒸気タービン18は、供給された蒸気によりタービン及びタービンに固定された回転軸を回転させることで、回転軸に連結された蒸気タービン用発電機19を回転駆動させる。
蒸気タービン18から排出された蒸気は、復水器73へ導かれる。復水器73では、蒸気が凝縮することで水となる。復水器73で凝縮された水は、給水として、第1給水ライン26、第2給水ライン27、及び第3給水ライン28を介して、ガス化炉101、排熱回収ボイラ20、及びボイラ30へ導かれる。
[ボイラ]
次に、ボイラ30について説明する。
本実施形態に係るボイラ30は、固体燃料を粉砕した微粉燃料をバーナ35により燃焼させ、この燃焼により発生した熱を給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成することが可能なボイラである。固体燃料としては、バイオマス燃料や石炭などが使用される。
ボイラ30は、火炉31と複数のバーナ35と燃焼ガス通路32とを有している。火炉31は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉31の内部で微粉燃料を燃焼させることで燃焼ガスを発生させる。
複数のバーナ35は、火炉31の下部領域に設置されている。バーナ35は、火炉31の周方向に沿って均等間隔で配設されたもの(例えば、四角形の火炉31の各コーナ部に設置された4個)を1セットとして、鉛直方向に沿って複数段配置されている。なお、図1では、図示の都合上、1セットのバーナ35のうちの1個のみを図示している。火炉の形状やバーナ35の段数、一つの段におけるバーナ35の数、バーナ35の配置などは、この実施形態に限定されるものではない。
バーナ35は、各々、微粉燃料ライン86を介して、ミル(粉砕機)31に連結されている。
燃焼ガス通路32は、火炉31の鉛直方向上部に連結されている。燃焼ガス通路32には、燃焼ガスの熱を回収するための図示省略の複数の熱交換器(例えば、過熱器、再熱器、節炭器等)が設けられており、火炉31で発生した燃焼ガスと各熱交換器の内部を流通する給水や蒸気との間で熱交換が行われる。
燃焼ガス通路32の下流側には、各熱交換器で熱回収された燃焼ガスが排出される煙道33が連結されている。煙道33には、脱硝設備37が設けられている。脱硝設備37は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を、煙道33内を流通する燃焼ガスに供給し、還元剤が供給された燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)と還元剤との反応を、脱硝設備37内に設置された脱硝触媒の触媒作用により促進させることで、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去、低減するものである。
また、煙道33の脱硝設備37よりも下流側には、燃焼ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫設備38が設けられている。煙道33の下流端部は、煙突39に連結されており、環境装置で処理された燃焼ガスが、排ガスとして系外に排出される。
次に、本実施形態に係るボイラ30の作用について説明する。
ボイラ30において、複数のミル82が駆動すると、粉砕、分級された微粉燃料が、分離機83及び微粉燃料ホッパ(微粉燃料貯留部)84に貯留される。微粉燃料ホッパ84に貯留された微粉燃料は、第1微粉燃料供給ライン87を介して、一次空気により搬送されてバーナ35に供給される。また、空気予熱器(図示省略)で加熱された二次空気(燃焼用空気)が、バーナ35に供給される。バーナ35は、一次空気(搬送用空気)と微粉燃料を火炉31に吹き込むと共に、その周囲から二次空気を火炉31に吹き込む。火炉31に吹き込まれた微粉燃料が着火し、一次空気及び二次空気と反応することで火炎を形成する。火炉31内の下部領域で火炎が形成され、高温の燃焼ガスが火炉31内を上昇し、燃焼ガス通路32に流入する。
燃焼ガス通路32に流入した燃焼ガスは、燃焼ガス通路32の内部に配置された熱交換器で水や蒸気と熱交換した後、煙道33に排出され、脱硝設備37で窒素酸化物が除去され、脱硫設備38で硫黄酸化物が除去された後、煙突39から系外に排出される。
[燃料供給設備]
次に、燃料供給設備80について説明する。本実施形態に係る燃料供給設備80は、ガス化複合発電設備10及びボイラ30の両方に固体燃料を供給する。すなわち、燃料供給設備80は、ガス化複合発電設備10とボイラ30とで共用されている。
燃料供給設備80は、固体燃料を貯留するバンカ81と、バンカ81から導かれる固体燃料を粉砕する複数のミル82と、ミル82で粉砕された固体燃料(粉砕された固体燃料である微粉燃料)が搬送ガスとともに導かれる分離機83と、分離機83で搬送ガスから分離された微粉燃料を一時的に貯留する微粉燃料ホッパ84と、微粉燃料ホッパ84から導かれた微粉燃料を加圧する加圧ホッパ85と、を備えている。
ミル82は、例えば、内部に粉砕テーブル(図示省略)が駆動回転可能に支持されていて、粉砕テーブルの上方に複数の粉砕ローラ(図示省略)が粉砕テーブルの回転に連動回転可能に支持されて構成されている竪型ローラミルである。粉砕ローラと粉砕テーブルが協働して粉砕された固体燃料は、ミル82内に供給される搬送ガスにより、ミル82が備える分級機(図示省略)に搬送される。分級機では、ガス化炉101やボイラ30に設けられたバーナ35での燃焼に適した粒径以下の微粉燃料と、該粒径より大きな粗粉燃料とに分級される。微粉燃料は、分級機を通過して、搬送ガスと共に微粉燃料ライン86を介して分離機83に供給される。分級機を通過しなかった粗粉燃料は、ミル82の内部で、自重により粉砕テーブル上に落下し、再粉砕される。
分離機83は、例えば、1つまたは複数のサイクロンを有し、遠心分離によって搬送ガスと微粉燃料との分離を行う。分離機83の上部には、分離した搬送ガスを排出する排気口が形成されている。また、分離機83は、下端部が直接又は間接的に微粉燃料ホッパ84の上端部と接続されている。微粉燃料ホッパ84は、下端部が直接又は間接的に加圧ホッパ85の上端部と接続されている。また、微粉燃料ホッパ84には、複数(本実施形態では、一例として5本)の第1微粉燃料供給ライン87が接続されている。加圧ホッパ85には、端部に第2微粉燃料供給ライン88が接続されている。
本実施形態では、ミル82で粉砕された微粉燃料は、一旦微粉燃料ホッパ84に貯留される。微粉燃料ホッパ84に貯留された微粉燃料は、第1微粉燃料供給ライン87もしくは第2微粉燃料供給ライン88を介することで、ガス化複合発電設備10と、ボイラ30との両方に供給可能とされており、各々の設備に必要な供給量を切出し搬送するための計量搬送装置(図示省略)が設置されている。計量搬送装置は、後述の制御装置96によって制御される。
[制御装置]
次に、本実施形態に係る複合プラント1に設けられる制御装置96について説明する。
制御装置96は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
制御装置96は、複合プラント1に設けられた各種弁(例えば、流量調整弁47a)や、計量搬送装置等を制御する。また、制御装置96は、後述のチャー計測手段及び生成ガス計測手段が計測したチャーの量や生成ガスの量を受信する。
制御装置96は、例えば、ガス化炉101へ供給されるチャーの量が所定の閾値を超えた場合に、所定の閾値を超えた分のチャーをボイラ30へ供給するように、流量調整弁47aを制御する。ガス化炉101へ供給されるチャーの供給量が所定の閾値を超えないように調整することで、ガス化炉101を安定して運転継続することができる。
また、制御装置96は、チャー供給ライン47を介してボイラ30に投入されるチャーの量をチャー計測手段から受信し、チャーの単位重量当たり発熱量を乗算して、投入されるチャーによる入熱量を導出する。そして、制御装置96は、計量搬送装置を制御して、導出されたチャーによる入熱量に相当する分だけ、ボイラ30に投入される微粉燃料の量を減らす。このようにすることで、ボイラ30に投入される入熱量を一定として運転を安定化することができる。
また、例えば、ガス化複合発電設備10の運転中に、チャーの発生量が急変した場合など、ボイラ30に投入される微粉燃料の量を急速に変化させる必要がある場合がある。本実施形態では、ボイラ30に供給される微粉燃料は、微粉燃料ホッパ84に貯留されている。このため、燃料供給量の変化に対するミル82の応答遅れの影響を受けることなく、ボイラ30に投入される微粉燃料の量を調整することができる。
また、制御装置96は、生成ガス供給ライン54を介してボイラ30に投入される生成ガスの量を生成ガス計測手段から受信し、生成ガスの単位重量当たり発熱量を乗算して、投入される生成ガスによる入熱量を導出する。そして、制御装置96は、流量調整弁47aを制御して、導出された生成ガスによる入熱量に相当する分だけ、ボイラ30に投入される微粉燃料の量を減らす。このようにすることで、ボイラ30に投入される入熱量を一定として運転を安定化することができる。
また、例えば、ガス化複合発電設備10の運転中に、ガスタービン17がトリップした場合など、ボイラ30に投入される微粉燃料の量を急速に変化させる必要がある場合がある。本実施形態では、ボイラ30に供給される微粉燃料は、微粉燃料ホッパ84に貯留されている。このため、燃料供給量の変化に対するミル82の応答遅れの影響を受けることなく、ボイラ30に投入される微粉燃料の量を調整することができる。
次に、ガスタービン17が緊急停止した場合における制御装置96の処理について図2を用いて説明する。図2の(a)は、ボイラ30への生成ガス及びチャーの投入量の変化を示している。また、図2の(b)は、ボイラ30への微粉燃料の投入量の変化を示している。また、図2の(c)は、ミル82に供給される固体燃料の量の変化を示している。また、図2の(d)は、ミル82から排出される微粉燃料の量の変化を示している。また。図2の(e)は、微粉燃料ホッパ84内の微粉燃料の保有量の変化を示している。
図2(a)に示すように、制御装置96は、ガスタービン17が緊急停止したタイミング(t)で、生成ガス及びチャーの供給先をボイラ30に切り替える。このため、タイミングtでボイラ30への生成ガス及びチャーの投入量が増大している。
図2(b)に示すように、制御装置96は、タイミングtでボイラ30に投入される微粉燃料の量を低減する。これは、ボイラ30に投入される入熱量を一定とするためである。すなわち、制御装置96は、ボイラ30に投入される生成ガス及びチャーによる入熱量の相当分だけ、ボイラ30に投入される微粉燃料の量を低減している。
図2(c)に示すように、制御装置96は、タイミングtでボイラ30に投入される微粉燃料の量の減少に応じて、ミル82に供給される固体燃料の量を低減する。一方、図2(d)に示すように、ミル82から排出される微粉燃料の量は、一定の時間遅れを伴い徐々に減少する。このため、図2(e)に示すように、微粉燃料ホッパ84内の微粉燃料の保有量は、徐々に増大した後に、徐々に減少する。
このように、微粉燃料ホッパ84は、ミル82の負荷応答遅れに起因する微粉燃料の変動を吸収するバッファとして機能している。
なお、微粉燃料ホッパ84内の微粉燃料の保有量が規定レベルでバランスするように制御してもよい。例えば微粉燃料ホッパ84内の微粉燃料の保有量が規定のレベルを超えた場合にミル82に供給される固体燃料の量を低減し、微粉燃料ホッパ84内のレベルが規定値を下回った場合にミル82に供給される固体燃料の量を増加させる制御を行っても良い。なお、制御対象はレベルに限らず、微粉燃料ホッパ84への投入量と排出量の積算により微粉燃料ホッパ84内の微粉燃料の保有量を算出して制御してもよいし、微粉燃料ホッパ84の重量により制御してもよい。また、微粉燃料ホッパ84内の微粉燃料の保有量の増減速度、増減加速度等により制御してもよい。
[固体燃料及び生成ガス等の流れ]
次に、本実施形態の複合プラント1における固体燃料及び生成ガス等の流れについて説明する。
図1に示すように、固体燃料は、固体燃料受入設備90によって、貯蔵設備91に貯蔵される。貯蔵設備91に貯蔵された固体燃料は、コンベアなどによって搬送されバンカ81内に供給される。バンカ81内で一時的に貯留された固体燃料は、所定量だけ切り出されて各ミル82に供給される。各ミル82に供給された固体燃料は、図示省略の粉砕ローラ及び粉砕テーブルによって粉砕され、微粉燃料となる。各ミル82内で粉砕された微粉燃料は、ミル82内に供給される搬送ガスによって、微粉燃料ライン86を介して、分離機83へ導かれる。
分離機83では、微粉燃料と搬送ガスとが分離される。分離された搬送ガスは、分離機83から大気へ排気される。一方で、分離された微粉燃料は、微粉燃料ホッパ84へ導かれる。微粉燃料ホッパ84は、微粉燃料を一時的に貯留する。微粉燃料ホッパ84へは、各ミル82で生成された微粉燃料が導かれる。すなわち、本実施形態では、微粉燃料ホッパ84は1つとされている。
微粉燃料ホッパ84に貯留された微粉燃料は、計量搬送装置によって所定の量で払い出され、ボイラ30及びガス化炉101へ供給される。各設備への微粉燃料の供給の有無や供給量は、制御装置96によって調整される。
ボイラ30に導かれる微粉燃料ホッパ84内の微粉燃料は、第1微粉燃料供給ライン87を介して、各バーナ35へ導かれる。第1微粉燃料供給ライン87は、複数(本実施形態では一例として5つ)設けられている。第1微粉燃料供給ライン87は、微粉燃料ホッパ84と、ボイラ30に設けられた各バーナ35とを接続している。
また、ガス化複合発電設備10へ導かれる微粉燃料ホッパ84内の微粉燃料は、加圧ホッパ85へ導かれる。加圧ホッパ85へ導かれた微粉燃料は、窒素ガスなどの搬送用イナートガスとともに加圧され、第2微粉燃料供給ライン88を介して、ガス化炉101へ供給される。
次に、ボイラ30における微粉燃料等の流れについて説明する。
上述のように、微粉燃料ホッパ84から第1微粉燃料供給ライン87を介して、微粉燃料が搬送用空気(一次空気)とともにバーナ35に供給される。また、空気予熱器(図示省略)で加熱された燃焼用空気(二次空気)が、バーナ35に供給される。バーナ35は、微粉燃料と一次空気を火炉31に吹き込むと共に、その周囲から二次空気を火炉31に吹き込む。火炉31に吹き込まれた微粉燃料が着火し、一次空気及び二次空気と反応することで火炎を形成する。火炉31内の下部領域で火炎が形成され、高温の燃焼ガスが火炉31内を上昇し、燃焼ガス通路32に流入する。
燃焼ガス通路32に流入した燃焼ガスは、燃焼ガス通路32の内部に配置された熱交換器で水や蒸気と熱交換した後、煙道33に排出され、脱硝設備37で窒素酸化物が除去され、脱硫設備38で硫黄酸化物が除去された後、煙突39から系外に排出される。
次に、ガス化複合発電設備10における微粉燃料等の流れについて説明する。
上述のように、ガス化炉101には、微粉燃料ホッパ84から、加圧ホッパ85及び第2微粉燃料供給ライン88を介して、微粉燃料が搬送ガスとともに供給される。また、ガス化炉101には、チャー戻しライン46を介して、チャー分離装置15で分離されたチャーが供給される。また、ガス化炉101には、燃焼用空気が供給される。
また、チャー戻しライン46の途中位置からは、チャー供給ライン47が分岐している。チャー供給ライン47は、ボイラ30に設けられたチャー用バーナ34に接続されている。チャー供給ライン47によって、チャーをボイラ30に供給し、ボイラ30の燃料とすることができる。チャー供給ライン47には、内部を流通するチャーの量を調整する流量調整弁47aが設けられている。また、チャー供給ライン47には、ボイラ30に投入されるチャーの量を計測するチャー計測手段(図示省略)を設けてもよい。
ガス化炉101では、供給された微粉燃料及びチャーが燃焼用空気により部分燃焼し、微粉燃料及びチャーがガス化することで、生成ガスを生成する。生成ガスは、ガス化炉101から第1生成ガスライン49を通って排出され、チャー分離装置15に送られる。
チャー分離装置15では、生成ガスと生成ガスに含まれるチャーとが分離される。チャーが分離された生成ガスは、第2生成ガスライン53を通してガス精製設備16に送られる。一方、生成ガスから分離したチャーは、チャー戻しライン46を通ってガス化炉101に戻されてリサイクルされる。
また、第2生成ガスライン53の途中位置からは、生成ガス供給ライン54が分岐している。生成ガス供給ライン54は、ボイラ30に設けられた生成ガス用バーナ36に接続されている。生成ガス供給ライン54によって、生成ガスをボイラ30に供給し、ボイラ30の燃料とすることができる。また、生成ガス供給ライン54には、ボイラ30に投入される生成ガスの量を計測する生成ガス計測手段(図示省略)を設けてもよい。
ガス精製設備16は、生成ガスから硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことでガスを精製し、燃料ガスを製造する。ガス精製設備16で製造された燃料ガスは、燃料ガス供給ライン66を介して、ガスタービン17へ導かれる。ガスタービン17は、ガス精製設備16から供給される燃料ガスを燃焼することで燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスによりタービンを回転駆動することで、回転軸を介してガスタービン用発電機21を回転駆動する。このようにして、ガスタービン17によって発電を行う。
ガスタービン17から排出された燃焼ガス(排ガス)は、排熱回収ボイラ20へ導かれる。排熱回収ボイラ20は、排ガスと給水とを熱交換することにより蒸気を生成する。
排熱回収ボイラ20から排出された排ガスは、脱硝設備22で窒素酸化物が除去され、煙突39から系外へ放出される。
[水及び蒸気の流れ]
次に、本実施形態の複合プラント1における水及び蒸気の流れについて説明する。
ボイラ30の燃焼ガス通路32の内部に配置された熱交換器は、伝熱管の外周面に接触する火炉31で発生した燃焼ガスと、伝熱管の内部を流通する給水との間で熱交換することで、給水を蒸発させて蒸気を生成する。ボイラ30で生成された蒸気は、第1蒸気ライン23を介して蒸気タービン18へ供給される。第1蒸気ライン23は、ボイラ30と蒸気タービン18とを接続している。
また、ガス化炉101の内部に配置された熱交換器(水冷周壁管、生成ガスクーラ等)は、伝熱管の外周面に接触する生成ガスと、伝熱管の内部を流通する給水との間で熱交換することで、給水を蒸発させて蒸気を生成する。ガス化炉101で生成された蒸気は、第2蒸気ライン24及び第1蒸気ライン23を介して蒸気タービン18へ供給される。第2蒸気ライン24は、ガス化炉101と第1蒸気ライン23の途中位置とを接続している。
また、排熱回収ボイラ20の内部に配置された熱交換器は、伝熱管の外周面に接触するガスタービン17から排出された燃焼ガスと、伝熱管の内部を流通する給水との間で熱交換することで、給水を蒸発させて蒸気を生成する。排熱回収ボイラ20で生成された蒸気は、第3蒸気ライン25、第2蒸気ライン24及び第1蒸気ライン23を介して蒸気タービン18へ供給される。第3蒸気ライン25は、排熱回収ボイラ20と第2蒸気ライン24の途中位置とを接続している。
蒸気タービン18は、蒸気によりタービンを回転駆動することで、回転軸を介して蒸気タービン用発電機19を回転駆動する。このようにして、蒸気タービン18によって発電を行う。蒸気タービン18から排出された蒸気は、復水器73で凝縮され、給水となる。
復水器73から排出された給水は、第1給水ライン26を介してボイラ30に供給され、熱交換器で加熱され蒸気となる。第1給水ライン26は、復水器73とボイラ30とを接続している。このように、蒸気及び給水は、蒸気タービン18とボイラ30との間を循環している。
また、復水器73から排出された給水は、第1給水ライン26及び第2給水ライン27を介してガス化炉101に供給され、熱交換器で加熱され蒸気となる。第2給水ライン27は、第1給水ライン26の途中位置とガス化炉101とを接続している。このように、蒸気及び給水は、蒸気タービン18とガス化炉101との間を循環している。
また、復水器73から排出された給水は、第1給水ライン26、第2給水ライン27及び第3給水ライン28を介して排熱回収ボイラ20に供給され、熱交換器で加熱され蒸気となる。第3給水ライン28は、第2給水ライン27の途中位置と排熱回収ボイラ20とを接続している。このように、蒸気及び給水は、蒸気タービン18と排熱回収ボイラ20との間を循環している。
[製造方法]
次に、複合プラント1を製造する方法について説明する。
本実施形態では、既設のボイラ30にガス化複合発電設備10を追設することで複合プラント1を製造する。既設のボイラ30は、燃料供給設備80を保有している。また、既設のボイラ30は、予備用のミル82を保有しているなど、設備容量に余裕が有る設計となっていることが多い。したがって、本実施形態のように、ガス化複合発電設備10とボイラ30とが燃料供給設備80を共用することで、既設のボイラ30が備える既設の燃料供給設備80を流用して、複合プラント1を製造することができる。よって、複合プラント1の製造コストを低減することができる。また、複合プラント1の設置面積を小さくすることができる。
複合プラント1を製造する際には、既設のボイラ30と同じ敷地内に、ガス化炉101を含むガス化複合発電設備10を設置する(ガス化炉設置工程)。また、ガス化炉101に対してチャー分離装置15を設置する(分離部設置工程)。また、ガス化炉101及びボイラ30に微粉燃料を供給する燃料供給設備80を設置する(燃料供給部設置工程)。この際、既設のボイラ30が備えるミル82等の機器を流用することが可能であり、既設のボイラ30にて保有している燃料供給設備80として一部機器(分離機83、微粉燃料ホッパ84、加圧ホッパ85など)がない場合には、足りない機器のみ適宜追設するとよい。
ガス化複合発電設備10及び燃料供給設備80を設置すると、次に、チャー分離装置15で分離したチャーをガス化炉101へ供給するチャー戻しライン46を設置する(チャー戻しライン設置工程)。また、既設のボイラ30とチャー分離装置15と接続するように、チャー供給ライン47を設置する(チャー供給ライン設置工程)。また、その他各種配管等を接続する。
このようにして、複合プラント1は製造される。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、ボイラ30と、エネルギ効率の高いガス化複合発電設備10とを組み合わせているので、複合プラント1全体のエネルギ効率を向上させることができる。また、ボイラ30とガス化複合発電設備10とを組み合わせる前と同一量の燃料を投入した場合、複合プラント1の出力を容易に向上させることができる。これは既設の蒸気タービン18に加え、ガスタービン17が追設されているからであり、蒸気タービン18からの出力とガスタービン17からの出力の合計により複合プラント1の出力を容易に向上できる。なお、この場合、ガスタービン17からの電力を伝達する送電設備及び変電設備を増設してもよい。
また、本実施形態では、ガス化炉101へ供給されるチャーの量が所定の閾値を超えた場合に、所定の閾値を超えた分のチャーをボイラ30へ供給するように流量調整弁47aを制御する制御装置96を備えている。これにより、ガス化炉101へ戻されるチャーの量を安定化させることができる。したがって、ガス化炉101における燃焼を安定化させることができるので、ガス化炉101を安定的に運転することが可能となり、ガス化炉101の信頼性を向上させることができる。なお、所定の閾値とは、ガス化炉101を安定して運転することができるチャーの上限量であり、例えば、ガス化炉101内部の許容熱負荷等により規定される。
ガス化炉101における燃焼の安定化効果について詳細に説明する。ガス化複合発電設備10において、ガス化炉101で生成されたガスは、チャーを含んでいる。このチャーは、未燃分、つまり、微粉燃料が揮発分を放出した後の固形物であり、固定炭素分を多く含んでいる。ガスタービン17には固体燃料を投入できないため、ガス化炉101の後流側のチャー分離装置15でチャーが生成ガスから分離される。分離されたチャーは、ガス化炉101に還流されて再燃焼される。しかしながら、チャーの発生量は、燃料の性状に大きな影響を受けるので、制御が難しい。チャーの全量をガス化炉101に投入する場合、ガス化炉101におけるチャーの発生量が不安定になると、チャーの供給量が過多となり、ガス化炉101における燃焼が不安定化する可能性があった。
一方、本実施形態では、発生したチャーの全部または一部をボイラ30に燃料として投入することで、ガス化炉101に還流されるチャーの量を安定化させることができる。チャーも燃料であるので、ガス化炉101で燃焼させた方が複合プラント1全体のエネルギ効率は向上するが、前述のようにガス化炉101へのチャーの供給量に変動があると、ガス化炉101における燃焼が不安定化する可能性があるので、許容可能な上限量まではガス化炉101へ投入し、それを超える大きな変動分はボイラ30に投入することが好ましい。
また、本実施形態では、ミル82で粉砕された微粉燃料は、ガス化炉101及びボイラ30の何れにも供給される。すなわち、ガス化炉101とボイラ30とで燃料供給設備80を共用している。これにより、ガス化炉101へ供給する微粉燃料を粉砕する燃料供給設備80と、ボイラ30へ供給する微粉燃料を粉砕する燃料供給設備80と、を別々に設ける場合と比較して、複合プラント1に設けられる装置の数を低減し、設備を簡素化することができる。したがって、複合プラント1の設置面積を低減することができる。また、複合プラント1を製造する際のイニシャルコストを低減することができる。また、メンテナンスを行う燃料供給設備80の機器数を低減することができるので、ランニングコストを低減することができる。
また、微粉燃料ホッパ84が設けられていない構成では、ミル82とボイラ30とが直接接続していた。この場合には、ミル82で使用した微粉燃料を搬送及び乾燥するために、ミル82で使用した搬送ガスが、そのまま微粉燃料と共にボイラ30へ投入され、微粉燃料を燃焼させる際の一次空気として用いられていた。したがって、例えば、含有する水分が多い固体燃料を乾燥させるために搬送ガスの温度や流量を上昇させた場合には、ボイラ30に供給される一次空気の量も増加することとなるので、ボイラ30において発生する窒素酸化物が増加してしまう等、ボイラ30の運転上の制約が生じる可能性があった。
一方、本実施形態では、微粉燃料ホッパ84に貯留されている微粉燃料がボイラ30に供給される。すなわち、ミル82とボイラ30との間に、分離機83及び微粉燃料ホッパ84が設けられている。分離機83では、搬送ガスと微粉燃料との分離が行われる。分離した微粉燃料は、ボイラ30における燃焼に適した量の一次空気によりバーナ35へ搬送される。これにより、ミル82とボイラ30とが直接接続されず、ミル82の搬送ガスがボイラ30まで導かれない構造とすることができる。したがって、ミル82において、固体燃料の性状に応じて、搬送ガスの量及び温度を設定することができる。また、ミル82に投入する搬送ガスの量を増加させることができるので、ミル82における乾燥性の向上、搬送ガス温度の低下による安全性の向上を図ることができる。
また、微粉燃料ホッパ84から各バーナ35までは、バーナ35での燃焼に適した量と温度の一次空気で搬送するため、ボイラ30の運転上の制約の発生を抑制することができる。また、ミル82で搬送ガスとして利用した気体を、一次空気としてバーナ35への搬送に再使用してもよい。
また、本実施形態では、ミル82とバーナ35との間に微粉燃料ホッパ84が設置されている。ミル82とボイラ30のバーナ35とが直接接続する場合には、各バーナ35の燃焼容量変化範囲や、ボイラ30の負荷変化可能範囲は、ミル82の運転可能範囲により制限されることが多かった。一方、本実施形態では、微粉燃料は一旦微粉燃料ホッパ84に貯留されることになるため、ミル82の運転可能範囲とバーナ35の運転可能範囲とを分離することができる。また、複数のミル82に対応する微粉燃料ホッパ84を1つにまとめた場合には、ミル82の運転台数と、バーナ35の運転台数との関係も分離できるので、より柔軟なボイラ30の運用が可能となる。
具体的には、図3に示すように、ミル82とバーナ35とが直接接続する場合(図3の一点鎖線参照)には、ボイラ30の負荷を最大負荷から最低負荷まで変動させる際に、バーナ35の負荷が最小となる前に、バーナ35に対応(直接接続)するミル82の負荷が最小となってしまい、バーナ35の負荷をそれ以上下げることができなかった。このため、バーナ35及びそれに対応するミル82を停止させて稼働数を減少させることで、ボイラ30の負荷を低減させていた。具体的には図3で示すように、ボイラ30の最高負荷ではバーナ35(及びそれに対応するミル82)は5本を稼働させていたが、ボイラ30の負荷を低減させる過程で5台が稼働していたミル82の負荷が最小の下限となるため、稼働するバーナ35(及びそれに対応するミル82)を4本へと減少させてボイラ30の負荷を更に低減させる。4台が稼働していたミル82の負荷が再度最小となると、稼働するバーナ35(及びそれに対応するミル82)を3本へと減少させてボイラ30の負荷を最低負荷まで低減させる。これにより、バーナ35に対応するミル82を停止させる度に待ち時間Tがそれぞれ発生しており、ボイラ30の負荷を下げるのに要する時間が長時間化していた。一方、本実施形態では、バーナ35とミル82とが直接接続していないので、ミル82の運転可能範囲とバーナ35の運転可能範囲とを分離することができ、ミル82の負荷と関係なくバーナ35の負荷を下げることができる。したがって、図3の破線矢印で示すように、負荷を変化させる速度を向上させることができる。
また、微粉燃料ホッパ84内に貯留されている微粉燃料や空間はバッファとして機能する。例えば、ボイラ30の負荷を上げる際には、ミル82の負荷追従を待つことなく、微粉燃料ホッパ84内に貯留されている微粉燃料を用いて、ボイラ30への燃料供給量を増加することで、負荷を変化させる速度をさらに向上させることができる。また、ボイラ30の負荷を下げる際には、微粉燃料ホッパ84の空間容積が許す範囲で、ミル82の負荷追従を待つことなく、ボイラ30への燃料供給量を減少することで、負荷を変化させる速度を向上させることができる。
また、一般的に、ガス化複合発電設備用のミル仕様は、コストダウンのために、サイズを大きくし、台数は極力少なくする方法が選択される。これはガス化複合発電設備では、微粉燃料ホッパを備えているため、バーナの段数と同じ台数のミルを設置する必要がないためである。この場合、冗長性確保の為に、予備のミルを設置するとコストの増加となる。このため、ガス化複合発電設備には、予備のミルが設置されないこともあった。予備のミルが設けられていない場合、ミルをメンテナンスする際にミルを1台又は複数台停止させると、必要な粉砕量が確保できず、ガス化複合発電設備の負荷低下や稼働率低下に繋がってしまう可能性があった。一方、本実施形態では、既設のボイラ30に設けられたミル82を流用している。一般的に、ボイラは、予備のミルを含め、概ね6台程度の複数のミルを備えている。このため、本実施形態の複合プラント1は、複数台のミル82に加えて予備のミル82を備えている。これにより、1台のミル82がメンテナンスをしている場合であっても、予備のミル82を起動することで、ガス化複合発電設備10とボイラ30の運転が継続できるので、冗長性を確保することができる。
また、ガス化複合発電設備10を追設することによって、複合プラント1のエネルギ効率が向上している。このため、複合プラント1の出力を変更しない場合には、複合プラント1で消費する燃料の量が減少する。これによりミル82の粉砕する固体燃料の総量も減少する。しかしながら、既設のボイラ30の構成は、上述のように1段のバーナ35と1台のミル82が連携しており、運転可能な負荷領域の制限により、ミル82の稼働台数を減少させることが難しかった。本実施形態では、燃料供給設備80に微粉燃料ホッパ84を備えているため、ミル82とバーナ35との運転可能範囲が分離されている。これにより、必要な燃料量に応じて、自由にミル82及びバーナ35の稼働台数を変更できる。これにより、ミル82の運転台数を必要最小限に設定することができるので、消費動力の削減等が可能となり、複合プラント1のエネルギ効率をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、ガス化炉101で生成された生成ガスの一部を、ボイラ30へ供給する生成ガス供給ライン54を備えている。これにより、例えば、ガス化炉101で余剰分の生成ガスが発生した場合に、生成ガス供給ライン54を介して余剰分の生成ガスをボイラ30へ供給し、ボイラ30で燃焼させることができる。このように、既設のボイラ30で生成ガスを燃焼させることができるので、別途余剰分の生成ガスを燃焼させる装置(例えば、グランドフレア)を設ける場合と比較して、複合プラント1に設けられる装置の数を低減し、設備を簡易化することができる。したがって、複合プラント1の設置面積を低減することができる。また、複合プラント1のイニシャルコストを低減することができる。また、余剰分の生成ガスをボイラ30で燃焼させることで、余剰分の生成ガスのエネルギを発電に用いることができるので、生成ガスを燃焼させるだけの装置(例えば、グランドフレア)を設ける場合と比較して、複合プラント1全体のエネルギ効率を向上させることができる。
なお、本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
また、本発明のガス化炉は、発電用に限らず、所望の化学物質を得る化学プラント用ガス化炉にも適用可能であり、本発明のボイラは、発電用に限らず、工場で用いる熱源や暖房に用いられる蒸気発生用のボイラにも適用可能である。
また、ガス化炉及びボイラで使用される燃料として、石炭の場合には、高品位炭(無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭等)や低品位炭(褐炭、亜炭、泥炭等)など、多様な石炭に対して適用可能である。また、石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマス燃料であってもよく、例えば、間伐材、廃木材、流木、草類、廃棄物、汚泥、廃タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
また、上記実施形態では、ボイラ30に投入されるチャーは、専用バーナ(チャー用バーナ34)で、火炉31へ投入される例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、微粉燃料ライン86にチャーを混合し、微粉燃料とチャーを混合して燃焼させてもよい。また、ガス化炉101から得られるチャーは、細かな粉体状であるが、ガス化炉101内にて揮発分が抜けているため、燃焼し難い。このためチャー用バーナ34は、ボイラ30の火炉31のできるだけ上流側(本実施形態では下端側)設け、火炉31内におけるチャーの滞空時間を長くすることが好ましい。また、本実施形態では、生成ガスが供給される生成ガス用バーナ36が設けられているが、ガス燃料は燃焼が速いので、生成ガス用バーナ36の設置位置は何れであってもよい。
また、例えば、本実施形態では、ミル82で使用される搬送ガスはボイラ30には直接投入されない。このため、搬送ガスとして、空気ではなく他の流体を使用してもよい。例えば、ガスタービン17の排ガスを搬送ガスとして使用してもよい。この場合、ミル82内の酸素濃度が低下する。このため、亜瀝青炭等の揮発性の高い微粉燃料を搬送する場合であっても、ミル82内及び微粉燃料ライン86における微粉燃料の酸化昇温や着火を抑制することができる。
また、例えば、本実施形態では、既設のボイラ30と同一の敷地内にガス化複合発電設備10を追設する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、既設のボイラ30の近隣にガス化複合発電設備10を設置し、パイプラインなどで系統を接続してもよい。特にチャーについては固体であり、輸送手段についてはパイプラインの他、コンベアや、トラック輸送することも可能である。また、既設のガス化複合発電設備10の同一敷地もしくは近隣に、ボイラ30を追設することも可能である。
また、既設のボイラ30と、既設または新設のガス化複合発電設備10をパイプライン等で結合してもよい。特に、最新のガス化複合発電設備10は、燃料の供給を考慮して、既設のボイラ30の近隣に設置されることが多く、またコストダウンのため、予備のミル82を持たない系統であることが多いため、燃料供給設備80の共用化による冗長性、信頼性向上の効果を得やすい。
また、例えば、図4に示すように、排熱回収ボイラ20の代わりに、既設のボイラ30を利用してもよい。この場合には、図4に示すように、ガスタービン17から排出された排ガスが、ボイラ30の燃焼ガス通路32へ供給される。また、この場合、ガスタービン17の排ガスの量と温度により、ボイラ30への燃料供給量が変更されるよう、制御装置96が制御を行っても良い。また、この場合には、図4に示すように、ガスタービン17の下流側に設けられた排熱回収ボイラ20及び脱硝設備22が省略される。この場合、脱硝設備等の環境設備をボイラ30と共用することができるので、複合プラント1の構成を簡素化することができる。
また、上記実施形態では、微粉燃料ホッパ84を1つのみとする例について説明したが、本開示はこれに限定されない。上記実施形態で説明したように、微粉燃料ホッパ84は、単一のものに全ての微粉燃料を一時的に貯留し、そこから各バーナ35へ微粉燃料を振り分ける系統とすることが好ましいが、微粉燃料ホッパ84を複数個設けてもよい。この場合には、微粉燃料ホッパ84や、分離機83のトラブルやメンテナンス時に、使用する微粉燃料ホッパ84を切り替えたりすることで複合プラント1の運転を継続することができる。
また、微粉燃料ホッパ84を複数備える場合には、図5に示すように、ボイラ30に供給するための微粉燃料を貯留するボイラ用ホッパ(ボイラ用貯留部)84Bと、ガス化炉101へ供給するための微粉燃料を貯留するガス化炉用ホッパ(ガス化炉用貯留部)84Aと、を別々に設けてもよい。ボイラ30とガス化炉101とでは要求される微粉燃料の微粉度(粒径)が異なる。具体的には、ガス化炉101は比較的粒径の大きな微粉燃料(粗粉)であってよい。このため、ボイラ用ホッパ84B及びガス化炉用ホッパ84Aを別に設けることで、それぞれに最適な微粉度の微粉燃料を供給することができる。また、これによりガス化炉用の微粉燃料の微粉度を落とす(粒径を大きくする)ことができるので、ミル82の負荷が軽減される。これにより、ミル82の消費動力の低減や、ミル82の運転台数を減らすことができるので、複合プラント1のエネルギ効率をさらに向上させることができる。
ボイラ30に供給するための微粉燃料を貯留するボイラ用ホッパ84Bと、ガス化炉101へ供給するための微粉燃料を貯留するガス化炉用ホッパ84Aと、を別々に設ける場合には、燃料供給設備80は、微粉燃料ホッパ84の上流側に設けられる分級機95を備えてもよい。この場合には、ミル82から導かれる微粉燃料は、微粉燃料ライン86を介して分級機95に導かれる。
分級機95は、ガス化炉用ホッパ84Aの上方に設けられる。分級機95は、例えば回転式分級機であり、内部に回転する複数のブレード95aを有し、回転するブレード95aが粗粉を弾き落とす。弾き落とされた粗粉は、分級機95の下方に配置されたガス化炉用ホッパ84Aに導入される(図5の破線矢印A参照)。一方で、微粉はブレード95a同士の間を通過して、複数のブレード95aの内側に形成された出口開口から分級機95の外部へ排出され、分離機83へ導入される(図5の矢印B参照)。分離機83では、搬送ガスと微粉燃料とが分離される。分離された微粉燃料は分離機83の下方に配置されたボイラ用ホッパ84Bに導入される。
このような構成は、分級機95のブレード95aの回転数を調整することで、ガス化炉用ホッパ84Aに供給される微粉燃料(粗粉)と、ボイラ用ホッパ84Bと供給される微粉燃料(微粉)との割合を容易かつ任意に調整することができる。このような系統とすることで、ミル82において、微粉燃料をガス化炉用ホッパ84Aとボイラ用ホッパ84Bとに分ける必要がなくなるので、例えば予備のミルをボイラ30用とガス化炉101用に各々備える必要がなくなるので、燃料供給設備80の構成を簡素化できる。
以上説明した実施形態に記載の複合プラント並びに複合プラントの製造方法は、例えば以下のように把握される。
本開示の一態様に係る複合プラントは、炭素含有固体燃料をガス化することで生成ガスを生成するガス化炉(101)と、炭素含有固体燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラ(30)と、前記ガス化炉(101)から排出された前記生成ガスと、該生成ガスに含まれたチャーとを分離する分離部(15)と、前記分離部(15)で分離した前記チャーを前記ガス化炉(101)へ供給するチャー戻しライン(46)と、前記分離部(15)で分離した前記チャーを前記ボイラ(30)へ供給するチャー供給ライン(47)と、前記チャー供給ライン(47)を介して前記ボイラ(30)へ供給される前記チャーの量を調整する調整部(47a)と、前記ガス化炉(101)へ供給される前記チャーの量が所定の閾値を超えた場合に、前記所定の閾値を超えた分の前記チャーを前記ボイラ(30)へ供給するように前記調整部(47a)を制御する制御部(96)と、を備える。
上記構成では、ガス化炉へ供給されるチャーの量が所定の閾値を超えた場合に、所定の閾値を超えた分のチャーをボイラへ供給するように調整部を制御する制御部を備えている。これにより、ガス化炉へ戻されるチャーの量を安定化させることができる。したがって、ガス化炉における燃焼を安定化させることができる。
また、本開示の一態様に係る複合プラントは、炭素含有固体燃料を粉砕する粉砕機(82)を備え、前記粉砕機(82)で粉砕された炭素含有固体燃料は、前記ガス化炉(101)及び前記ボイラ(30)の何れにも供給される。
上記構成では、粉砕機で粉砕された炭素含有固体燃料は、ガス化炉及びボイラの何れにも供給される。すなわち、ガス化炉とボイラとで粉砕機を共用している。これにより、ガス化炉へ供給する炭素含有固体燃料を粉砕する粉砕機と、ボイラへ供給する炭素含有固体燃料を粉砕する粉砕機と、を別々に設ける場合と比較して、複合プラントに設けられる装置の数を低減し、設備を簡素化することができる。したがって、複合プラントの設置面積を低減することができる。また、複合プラントのイニシャルコストを低減することができる。また、メンテナンスを行う機器の数を低減することができるので、ランニングコストを低減することができる。
また、本開示の一態様に係る複合プラントは、炭素含有固体燃料をガス化することで生成ガスを生成するガス化炉(101)と、炭素含有固体燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラ(30)と、前記ガス化炉(101)から排出された前記生成ガスと、該生成ガスに含まれたチャーとを分離する分離部(15)と、前記分離部(15)で分離した前記チャーを前記ガス化炉(101)へ供給するチャー戻しライン(46)と、前記分離部(15)で分離した前記チャーを前記ボイラ(30)へ供給するチャー供給ライン(47)と、炭素含有固体燃料を粉砕する粉砕機(82)と、を備え、前記粉砕機(82)で粉砕された炭素含有固体燃料は、前記ガス化炉(101)及び前記ボイラ(30)の何れにも供給される。
また、本開示の一態様に係る複合プラントは、前記粉砕機(82)で粉砕した炭素含有固体燃料である微粉燃料が供給され、該微粉燃料を貯留する微粉燃料貯留部(84)を備え、前記ボイラ(30)は、前記微粉燃料貯留部(84)に貯留されている前記微粉燃料が供給される。
微粉燃料貯留部が設けられていない構成では、粉砕機とボイラとが直接接続していた。この場合には、粉砕機で使用した微粉燃料を搬送及び乾燥するために、粉砕機で使用したガス(以下、「搬送ガス」と称する。)が、そのまま微粉燃料と共にボイラへ投入され、微粉燃料を燃焼させる際の一次空気として用いられていた。したがって、例えば、含有する水分が多い炭素含有固体燃料を乾燥させるために搬送ガスの温度や流量を上昇させた場合には、ボイラに供給される一次空気の量も増加することとなるので、ボイラにおいて発生する窒素酸化物が増加してしまう等、種々の問題が生じる可能性があった。
一方、上記構成では、微粉燃料貯留部に貯留されている微粉燃料がボイラに供給される。すなわち、粉砕機とボイラとの間に、微粉燃料貯留部が設けられている。これにより、粉砕機とボイラとが直接接続されず、粉砕機で用いる搬送ガスがボイラまで導かれない構造とすることができる。したがって、粉砕機において、微粉燃料の性状に応じた量及び温度の搬送ガスで微粉燃料を搬送した場合であっても、ボイラにおける不具合の発生を抑制することができる。
また、本開示の一態様に係る複合プラントは、前記微粉燃料貯留部(84)は、前記ボイラ(30)に供給される前記微粉燃料が貯留されるボイラ用貯留部(84B)と、前記ガス化炉(101)に供給される前記微粉燃料が貯留されるガス化炉用貯留部(84A)と、を有する。
上記構成では、微粉燃料貯留部が、ボイラに供給される微粉燃料が貯留されるボイラ用貯留部と、ガス化炉に供給される微粉燃料が貯留されるガス化炉用貯留部と、を有する。これにより、ボイラ用貯留部及びガス化炉用貯留部に性状の異なる微粉燃料を貯留することができる。したがって、ボイラ及びガス化炉に対して、性状の異なる微粉燃料を供給することができる。よって、ボイラ及びガス化炉に対して、最適な性状の微粉燃料を供給することができるので、ボイラ及びガス化炉で好適に微粉燃料を燃焼させることができる。
なお、所望の性状とは、例えば、微粉燃料の微粉度等である。例えば、微粉度の小さい微粉燃料をボイラ用貯留部に貯留し、微粉度の大きい微粉燃料をガス化炉用貯留部に貯留してもよい。このようにすることで、より微粉度の小さい微粉燃料をボイラに供給することができるので、ボイラにおいて好適に微粉燃料を燃焼させることができる。
また、本開示の一態様に係る複合プラントは、前記ガス化炉(101)で生成された前記生成ガスの一部を前記ボイラ(30)へ供給する生成ガスライン(54)を備える。
上記構成では、ガス化炉で生成された生成ガスをボイラへ供給する生成ガスラインを備えている。これにより、例えば、ガス化炉で余剰分の生成ガスが発生した場合に、生成ガスラインを介して余剰分の生成ガスをボイラへ供給し、ボイラで燃焼させることができる。このように、既設のボイラで生成ガスを燃焼させることができるので、別途余剰分の生成ガスを燃焼させる装置(例えば、グランドフレア)を設ける場合と比較して、複合プラントに設けられる装置の数を低減し、設備を簡素化することができる。したがって、複合プラントの設置面積を低減することができる。また、複合プラントのイニシャルコストを低減することができる。また、余剰分の生成ガスをボイラで燃焼させることで、余剰分の生成ガスのエネルギを発電等に用いることができるので、生成ガスを燃焼させるだけの装置(例えば、グランドフレア)を設ける場合と比較して、複合プラント全体のエネルギ効率を向上させることができる。
本開示の一態様に係る複合プラントの製造方法は、炭素含有固体燃料をガス化することで生成ガスを生成するガス化炉(101)及び炭素含有固体燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラ(30)を備える複合プラント(1)の製造方法であって、前記ガス化炉(101)を設置するガス化炉(101)設置工程と、前記ガス化炉(101)に対して前記ガス化炉(101)から排出された前記生成ガスと該生成ガスに含まれたチャーとを分離する分離部(15)を設置する分離部(15)設置工程と、前記分離部(15)で分離した前記チャーを前記ガス化炉(101)へ供給するチャー戻しライン(46)を設置するチャー戻しライン(46)設置工程と、既設の前記ボイラ(30)と前記分離部(15)と接続するように、前記分離部(15)で分離した前記チャーを前記ボイラ(30)へ供給するチャー供給ライン(47)を設置するチャー供給ライン(47)設置工程と、前記ガス化炉(101)及び前記ボイラ(30)の何れにも炭素含有固体燃料を供給する燃料供給部(80)を設置する燃料供給部設置工程と、を備える。
上記構成では、既設のボイラに対して、ガス化炉等を追設している。これによって、既設のボイラを利用して複合プラントを製造することができるので、新たにボイラを設置する場合と比較して、製造コストを低減することができる。
1 :複合プラント
10 :ガス化複合発電設備
15 :チャー分離装置(分離部)
16 :ガス精製設備
17 :ガスタービン
18 :蒸気タービン
19 :蒸気タービン用発電機
20 :排熱回収ボイラ
21 :ガスタービン用発電機
22 :脱硝設備
23 :第1蒸気ライン
24 :第2蒸気ライン
25 :第3蒸気ライン
26 :第1給水ライン
27 :第2給水ライン
28 :第3給水ライン
30 :ボイラ
31 :火炉
32 :燃焼ガス通路
33 :煙道
34 :チャー用バーナ
35 :バーナ
36 :生成ガス用バーナ
37 :脱硝設備
38 :脱硫設備
39 :煙突
46 :チャー戻しライン
47 :チャー供給ライン
47a :流量調整弁(調整部)
49 :第1生成ガスライン
53 :第2生成ガスライン
54 :生成ガス供給ライン
66 :燃料ガス供給ライン
70 :排ガスライン
73 :復水器
80 :燃料供給設備(燃料供給部)
81 :バンカ
82 :ミル(粉砕機)
83 :分離機
84 :微粉燃料ホッパ(微粉燃料貯留部)
84A :ガス化炉用ホッパ(ガス化炉用貯留部)
84B :ボイラ用ホッパ(ボイラ用貯留部)
85 :加圧ホッパ
86 :微粉燃料ライン
87 :第1微粉燃料供給ライン
88 :第2微粉燃料供給ライン
90 :固体燃料受入設備
91 :貯蔵設備
95 :分級機
95a :ブレード
101 :ガス化炉

Claims (7)

  1. 炭素含有固体燃料をガス化することで生成ガスを生成するガス化炉と、
    炭素含有固体燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラと、
    前記ガス化炉から排出された前記生成ガスと、該生成ガスに含まれたチャーとを分離する分離部と、
    前記分離部で分離した前記チャーを前記ガス化炉へ供給するチャー戻しラインと、
    前記分離部で分離した前記チャーを前記ボイラへ供給するチャー供給ラインと、
    前記チャー供給ラインを介して前記ボイラへ供給される前記チャーの量を調整する調整部と、
    前記ガス化炉へ供給される前記チャーの量が所定の閾値を超えた場合に、前記所定の閾値を超えた分の前記チャーを前記ボイラへ供給するように前記調整部を制御する制御部と、を備える複合プラント。
  2. 炭素含有固体燃料を粉砕する粉砕機を備え、
    前記粉砕機で粉砕された炭素含有固体燃料は、前記ガス化炉及び前記ボイラの何れにも供給される請求項1に記載の複合プラント。
  3. 炭素含有固体燃料をガス化することで生成ガスを生成するガス化炉と、
    炭素含有固体燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラと、
    前記ガス化炉から排出された前記生成ガスと、該生成ガスに含まれたチャーとを分離する分離部と、
    前記分離部で分離した前記チャーを前記ガス化炉へ供給するチャー戻しラインと、
    前記分離部で分離した前記チャーを前記ボイラへ供給するチャー供給ラインと、
    炭素含有固体燃料を粉砕する粉砕機と、を備え、
    前記粉砕機で粉砕された炭素含有固体燃料は、前記ガス化炉及び前記ボイラの何れにも供給される複合プラント。
  4. 前記粉砕機で粉砕した炭素含有固体燃料である微粉燃料が供給され、該微粉燃料を貯留する微粉燃料貯留部を備え、
    前記ボイラは、前記微粉燃料貯留部に貯留されている前記微粉燃料が供給される請求項2または請求項3に記載の複合プラント。
  5. 前記微粉燃料貯留部は、前記ボイラに供給される前記微粉燃料が貯留されるボイラ用貯留部と、前記ガス化炉に供給される前記微粉燃料が貯留されるガス化炉用貯留部と、を有する請求項4に記載の複合プラント。
  6. 前記ガス化炉で生成された前記生成ガスの一部を前記ボイラへ供給する生成ガスラインを備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の複合プラント。
  7. 炭素含有固体燃料をガス化することで生成ガスを生成するガス化炉及び炭素含有固体燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラを備える複合プラントの製造方法であって、
    前記ガス化炉を設置するガス化炉設置工程と、
    前記ガス化炉に対して前記ガス化炉から排出された前記生成ガスと該生成ガスに含まれたチャーとを分離する分離部を設置する分離部設置工程と、
    前記分離部で分離した前記チャーを前記ガス化炉へ供給するチャー戻しラインを設置するチャー戻しライン設置工程と、
    既設の前記ボイラと前記分離部と接続するように、前記分離部で分離した前記チャーを前記ボイラへ供給するチャー供給ラインを設置するチャー供給ライン設置工程と、
    前記ガス化炉及び前記ボイラの何れにも炭素含有固体燃料を供給する燃料供給部を設置する燃料供給部設置工程と、を備える複合プラントの製造方法。
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