JP2023097877A - 床版構造及び接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】橋軸方向への必要な圧縮力を得ることができる床版構造及び接合方法を提供する。【解決手段】一実施形態に係る床版構造1は、橋軸方向D1に直交する橋軸直角方向D2に延びる支持部材3と、橋軸方向D1に沿って並ぶ複数のプレキャストコンクリート床版5と、一対のプレキャストコンクリート床版5の間に充填される間詰材30と、複数のプレキャストコンクリート床版5に橋軸方向D1に沿って挿通された緊張材20と、を備える。橋軸方向D1に連続する複数のプレキャストコンクリート床版5に緊張材20によってポストテンション方式によるプレストレスが導入されている。床版構造1は、プレストレスが導入された複数のプレキャストコンクリート床版5の橋軸方向D1の外側に位置しており、緊張材20をプレキャストコンクリート床版5に固定する定着部を更に備える。【選択図】図3

Description

本開示は、橋軸方向に沿って並ぶ複数のプレキャストコンクリート床版を備える床版構造、及びプレキャストコンクリート床版の接合方法に関する。
特許第6718658号公報には、プレキャストコンクリート製の床版が記載されている。この床版は、平板状に形成された板部と、板部の下面に形成された格子状リブと、格子状リブに挿通された緊張材と、橋軸方向の端部に設けられた接合部とを備える。格子状リブは、板部と一体に成型された部分であって、橋軸方向に沿って延びる複数の縦リブと、橋軸直角方向に相当する床版の長辺方向に沿って延びる複数の横リブとによって形成されている。
縦リブ及び横リブのそれぞれには、PC鋼材である緊張材によってプレストレスが導入されている。縦リブにはポストテンション方式によるプレストレスが導入されており、横リブにはプレテンション方式によるプレストレスが導入されている。縦リブの断面中央には管材が埋設されており、この管材にはポストテンション用の緊張材としてのPC鋼棒が挿入されている。PC鋼棒の両端部は、ボルトボックスが設けられた接合部にナットによって固定されている。横リブには、プレテンション用の緊張材としてのPC鋼より線が埋設されている。PC鋼より線は、横リブの断面内に埋設されており、横リブ内において定着している。
この床版の接合方法では、予めPC鋼より線によって橋軸直角方向にプレストレスが導入された床版を橋桁上に載置する。床版は、先行して橋桁上に載置された他の床版と、接合部同士を突き合わせた状態で設置する。その後、PC鋼棒を利用して橋軸方向のプレストレスを導入する。そして、接合部に形成された貫通孔に接合部PC鋼棒を挿通し、接合部PC鋼棒にナットを締結することによって床版の接合が行われる。
特許第6718658号公報
前述した床版の接合方法では、各床版の橋軸方向の端部に位置する接合部同士を接合部PC鋼棒によって接合することにより、一対の床版を互いに接合する。しかしながら、この接合方法では、接合部において、橋軸方向への必要な圧縮力が不足することがある。更に、PC鋼棒又はボルトによって床版の接合部に導入できるプレストレスは、限定的であり、桁作用による負曲げ(床版には引張)に対して抵抗できないということが起こりうる。
本開示は、プレキャストコンクリート床版の端辺が橋軸直角方向に配置された支持部材によって支持されるプレキャストコンクリート床版の橋軸方向の接合部に従前の方法以上の圧縮力を得ることができる床版構造及び接合方法を提供することを目的とする。
本開示に係る床版構造は、橋軸方向に直交する橋軸直角方向に延びる支持部材と、橋軸方向、橋軸直角方向、及び、橋軸方向と橋軸直角方向の双方に直交する高さ方向に延びると共に、支持部材に支持された状態で橋軸方向に沿って並ぶ複数のプレキャストコンクリート床版と、橋軸方向に沿って並ぶ一対のプレキャストコンクリート床版の間に充填される間詰材と、複数のプレキャストコンクリート床版に橋軸方向に沿って挿通された緊張材と、を備える。橋軸方向に連続する複数のプレキャストコンクリート床版に緊張材によってポストテンション方式によるプレストレスが導入されている。床版構造は、プレストレスが導入された複数のプレキャストコンクリート床版の橋軸方向の外側に位置しており、緊張材をプレキャストコンクリート床版に固定する定着部を更に備える。
この床版構造では、橋軸方向に沿って並ぶように複数のプレキャストコンクリート床版が橋軸直角方向に延びる支持部材に支持されており、橋軸方向に沿って並ぶ複数のプレキャストコンクリート床版に緊張材が挿通される。緊張材は、橋軸直角方向に延びる支持部材に支持された状態で橋軸方向に連続する複数のプレキャストコンクリート床版にポストテンション方式によるプレストレスを導入する。ポストテンション方式によって緊張材で複数のプレキャストコンクリート床版にプレストレスを導入することにより、橋軸方向の接合部においても橋軸方向への必要な圧縮力を得ることができる。また、緊張材は複数のプレキャストコンクリート床版を跨がるように複数のプレキャストコンクリート床版に挿通された状態でプレストレスを導入するので、複数のプレキャストコンクリート床版に十分にプレストレスを導入でき、桁作用による負曲げ等に対して抵抗させることができる。更に、この床版構造は、複数のプレキャストコンクリート床版の橋軸方向の外側に位置する定着部を備えるので、定着部によって緊張材をプレキャストコンクリート床版に固定することができる。
複数のプレキャストコンクリート床版のそれぞれは、プレテンション方式によって橋軸直角方向にプレストレスが導入されていてもよい。ところで、従来から、橋軸方向及び橋軸直角方向の双方にプレテンション方式でプレストレスを導入する方法が知られている。しかしながら、2方向にプレテンション方式でプレストレスを導入する方法では、特殊な製作設備が必要となり、プレキャストコンクリート床版の製作が煩雑になったり製作コストが増大したりするという問題が生じうる。また、プレキャストコンクリート床版の橋軸方向ではプレストレスが100%有効となる部分が短くなるので、プレテンション方式によって橋軸方向にプレストレスを導入することは経済的でないという事情がある。従って、前述したように、プレテンション方式によって橋軸直角方向にプレストレスが導入される場合、プレキャストコンクリート床版の製作を容易に且つ低コストで行うことができる。
本開示に係る接合方法は、橋軸方向、橋軸方向に直交する橋軸直角方向、及び、橋軸方向と橋軸直角方向の双方に直交する高さ方向に延びる複数のプレキャストコンクリート床版を橋軸方向に沿って接合する接合方法である。接合方法は、橋軸直角方向に延びる支持部材に複数のプレキャストコンクリート床版を載せて支持部材によって複数のプレキャストコンクリート床版を支持する工程と、橋軸方向に連続する複数のプレキャストコンクリート床版に橋軸方向に沿って緊張材を挿通させる工程と、橋軸方向に沿って並ぶ一対のプレキャストコンクリート床版の間に間詰材を充填する工程と、支持部材に支持された状態で橋軸方向に連続する複数のプレキャストコンクリート床版に緊張材によってポストテンション方式によるプレストレスを導入する工程と、プレストレスが導入された複数のプレキャストコンクリート床版の橋軸方向の外側に位置する定着部によって緊張材をプレキャストコンクリート床版に固定する工程と、を備える。
この接合方法では、複数のプレキャストコンクリート床版を橋軸方向に沿って並ぶように橋軸直角方向に延びる支持部材上に設置し、当該複数のプレキャストコンクリート床版に緊張材を挿通させる。そして、緊張材によって橋軸方向に連続する複数のプレキャストコンクリート床版にポストテンション方式によるプレストレスが導入される。従って、前述の床版構造と同様、ポストテンション方式によって橋軸方向に沿ったプレストレスを橋軸直角方向に延びる支持部材に支持された複数のプレキャストコンクリート床版に導入できるので、橋軸方向への必要な圧縮力を得ることができる。すなわち、緊張材は、複数のプレキャストコンクリート床版を跨がるように複数のプレキャストコンクリート床版に挿通された状態でプレストレスを導入するので、十分なプレストレスを導入でき、桁作用による負曲げ等に対して抵抗させることができる。そして、定着部によって緊張材をプレキャストコンクリート床版に固定させることができる。
この接合方法では、支持部材に載せられ、橋軸方向に沿って並ぶ一対のプレキャストコンクリート床版を支持すると共に一対のプレキャストコンクリート床版の間に入り込む介在部材を備えてもよい。プレストレスを導入する工程では、介在部材が、一対のプレキャストコンクリート床版と共に支持部材に対して橋軸方向にスライド可能とされていてもよい。この接合方法は、プレストレスを導入する工程の後に、支持部材に介在部材を固定させる工程を備えてもよい。この場合、プレストレスを導入するときには、一対のプレキャストコンクリート床版と介在部材が支持部材に対してスライド可能とされているので、プレキャストコンクリート床版に円滑にプレストレスを導入できる。また、プレストレスを導入した後には、介在部材を支持部材に固定することにより、支持部材、介在部材、間詰材及び一対のプレキャストコンクリート床版を強固に接合(一体化)させることができる。
接合方法は、複数のプレキャストコンクリート床版のそれぞれに、橋軸直角方向にプレテンション方式によってプレストレスを導入する工程を備えてもよい。この場合、前述と同様、プレキャストコンクリート床版の製作を容易に且つ低コストで行うことができる。
本開示によれば、橋軸方向への必要な圧縮力を得ることができる。
(a)は、実施形態に係る床版構造の桁及び支持部材を模式的に示す斜視図である。(b)は、実施形態に係る床版構造を模式的に示す斜視図である。 実施形態に係るプレキャストコンクリート床版を示す底面図である。 実施形態に係る床版構造の一対のプレキャストコンクリート床版、緊張材、間詰材、介在部材及び支持部材を橋軸方向及び高さ方向に延びる平面で切断したときにおける断面図である。 複数のプレキャストコンクリート床版の橋軸方向の端部に位置する定着部を示す斜視図である。 複数のプレキャストコンクリート床版の間に位置する定着部を示す斜視図である。 プレストレスが有効となる領域について説明するためのプレキャストコンクリート床版の平面図である。
以下では、図面を参照しながら本開示に係る床版構造及び接合方法の実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
図1(a)及び図1(b)は、本実施形態に係る床版構造1及び接合方法が適用される現場Aを有する橋梁Bを示す斜視図である。図1(a)及び図1(b)に示されるように、橋梁Bは、橋軸方向D1に延びる複数の桁2と、複数の桁2の間において橋軸直角方向D2に延在する複数の支持部材3と、複数の桁2の上において橋軸直角方向D2に延びるように配置される複数のプレキャストコンクリート床版5とを備える。なお、図1(a)及び図1(b)では、一部の図示を簡略化している。
桁2は、例えば、上フランジ2b、ウェブ2c及び下フランジ2dを有する鋼桁である。しかしながら、桁2は、鋼桁に限られず、例えば、PC桁であってもよい。一例として、現場Aは、高速道路における工事現場である。例えば、現場Aでは、プレキャストコンクリート床版5の更新工事が行われる。
プレキャストコンクリート床版5は、橋軸方向D1に延びる短辺と、橋軸直角方向D2に延びる長辺とを有し、高さ方向D3に厚みを有する矩形板状を呈する。プレキャストコンクリート床版5は、例えば、超高強度繊維補強コンクリート(UFC:Uitra high strength Fiber reinforce Concrete)によって構成されるUFC床版である。この場合、現場Aでは、UFC床版を用いた高速道路の床版更新工事が行われる。
図2は、プレキャストコンクリート床版5を下方から見たプレキャストコンクリート床版5の底面図である。図2に示されるように、プレキャストコンクリート床版5の下面5bには、例えば、格子状リブ5cが形成されている。格子状リブ5cは、橋軸方向D1に延びる複数の橋軸方向リブ5dと、橋軸直角方向D2に延びる複数の橋軸直角方向リブ5fとを含む。格子状リブ5cが下面5bに形成されたプレキャストコンクリート床版5はワッフル型床版と称されることがある。
図3は、本実施形態の床版構造1における一対のプレキャストコンクリート床版5を拡大した縦断面図である。図3に示されるように、プレキャストコンクリート床版5は、橋軸直角方向D2に延びる複数のPC鋼材6を有し、プレテンション方式によって橋軸直角方向D2にプレストレスが導入されている。本実施形態において、プレキャストコンクリート床版5は、プレテンション方式によって橋軸直角方向D2のみにプレストレスが導入されている。
床版構造1は、支持部材3と、支持部材3の上に配置されると共に一対のプレキャストコンクリート床版5の間に入り込む介在部材10と、橋軸方向D1に沿って並ぶ複数のプレキャストコンクリート床版5にポストテンション方式によるプレストレスを導入する緊張材20と、一対のプレキャストコンクリート床版5の間に充填された間詰材30とを備える。
プレキャストコンクリート床版5は、他のプレキャストコンクリート床版5に橋軸方向D1に対向する端面5hを有する。例えば、端面5hは、橋軸直角方向D2及び高さ方向D3に延在する平面状とされている。一対の端面5hの間に間詰材30が充填される。例えば、間詰材30は、充填時には流動性を有し、充填時から一定期間経過後に硬化するセメント系材料である。間詰材30は、無収縮モルタルであってもよいし、場所打ちUFC又はUHPFRC(Ultra High Performance Fiber Reinforced Concrete)であってもよく、間詰材30としては種々のものを用いることが可能である。
支持部材3は、例えば、橋軸直角方向D2に延びる鋼横リブである。支持部材3は、上フランジ3bと、ウェブ3cと、下フランジ3dとを有する。介在部材10は、例えば、穴あき鋼板ジベルである。介在部材10は、上フランジ3bに対向する第1板部11と、第1板部11から高さ方向D3に突出する第2板部12とを有する。
第1板部11は、例えば、締結部材40によって支持部材3に締結される。一例として、床版構造1は、橋軸方向D1に沿って並ぶ一対の締結部材40を備える。締結部材40は、第1板部11及び支持部材3に挿通されるボルト41と、第1板部11及び支持部材3に通されたボルト41に締結されるナット42とを有する。
例えば、締結部材40によって固く締結されていない状態(例えば仮締結の状態)において、介在部材10は、支持部材3に対して橋軸方向D1にスライド可能とされている。具体例として、支持部材3及び第1板部11のそれぞれに高さ方向D3に貫通すると共に橋軸方向D1に延びる長孔が形成されており、当該長孔にボルト41が挿通された状態で介在部材10が橋軸方向D1にスライド可能とされる。
第2板部12には、橋軸方向D1に貫通する複数の貫通孔13が形成されている。複数の貫通孔13は橋軸直角方向D2(図3の紙面の直交方向)に沿って並んでいる。例えば、貫通孔13には、緊張材20が橋軸方向D1に挿通される。また、複数の貫通孔13のそれぞれには、間詰材30が充填されている。
従って、床版構造1では、介在部材10と間詰材30が一体化されると共に、プレストレスによって一対のプレキャストコンクリート床版5と間詰材30が一体化される。緊張材20は、複数の橋軸直角方向リブ5fに挿通されている。例えば、各橋軸直角方向リブ5fには橋軸方向D1に延びるシースが埋設されており、複数の橋軸直角方向リブ5fのそれぞれのシースの内部に緊張材20が挿通されている。
例えば、図4及び図5に示されるように、複数のプレキャストコンクリート床版5は、橋軸方向D1に沿って並ぶ複数の標準パネル5Aと、複数の標準パネル5Aにおける橋軸方向D1の両端のそれぞれに位置する端部パネル5Bと、複数の標準パネル5Aの間に位置する交差定着パネル5Cとを含む。緊張材20は、橋軸方向D1に沿って並ぶ複数のプレキャストコンクリート床版5に挿通されている。
緊張材20は、複数のプレキャストコンクリート床版5の橋軸方向D1の外側に位置する定着部25によって固定されている。例えば、緊張材20は複数の標準パネル5Aに橋軸方向D1に沿って挿通されており、緊張材20の一端は端部パネル5Bの下部の定着部25に固定されている。定着部25は、例えば、端部パネル5Bの下面から突出すると共に緊張材20が通される突出部26と、突出部26に通された緊張材20の端部に設けられる定着体27とを有する。
例えば、緊張材20の他端は交差定着パネル5Cの下部の定着部25に固定されている。一例として、交差定着パネル5Cは、橋軸方向D1の中央を含む領域において下方に突出する凸部5gを有し、凸部5gの橋軸方向D1の両端のそれぞれに定着部25が設けられる。
次に、本実施形態に係るプレキャストコンクリート床版5の接合方法について説明する。まず、プレキャストコンクリート床版5を用意する。このとき、例えばプレキャストコンクリート床版5の製作工場において、プレキャストコンクリート床版5に、プレテンション方式によって橋軸直角方向D2のみにプレストレスを導入する。
具体的には、プレキャストコンクリート床版5を構成するコンクリートが硬化する前にPC鋼材6によって橋軸直角方向D2のみに緊張力を与え、当該コンクリートが硬化した後に当該緊張力を緩める。このように、橋軸直角方向D2のみにプレストレスを導入した複数のプレキャストコンクリート床版5を用意する(プレテンション方式によって橋軸直角方向にプレストレスを導入する工程)。
そして、複数のプレキャストコンクリート床版5を橋軸方向D1に沿って並ぶように支持部材3の上に配置する。このとき、図1(a)及び図1(b)に示されるように、複数の桁2及び複数の支持部材3によって形成される床組みの上にプレキャストコンクリート床版5を載せて、当該床組みにプレキャストコンクリート床版5を支持させる。
より具体的な例としては、図3に示されるように、支持部材3の上に介在部材10を載せ、介在部材10の上に橋軸方向D1に並ぶように複数のプレキャストコンクリート床版5を配置し、その後、複数のプレキャストコンクリート床版5に緊張材20を挿通させる。このとき、橋軸方向D1に連続する複数のプレキャストコンクリート床版5の各橋軸直角方向リブ5fのシースに橋軸方向D1に沿って緊張材20を挿通させる(緊張材を挿通させる工程)。また、橋軸方向D1のリブ内にシースを配置して緊張材を挿通させる。
橋軸方向D1に沿って並ぶ一対のプレキャストコンクリート床版5の間に間詰材30を充填する(間詰材を充填する工程)。このとき、支持部材3の上に設置された介在部材10の各貫通孔13に間詰材30を充填させる。そして、間詰材30が硬化した後、橋軸方向D1に連続する複数のプレキャストコンクリート床版5に緊張材20によってポストテンション方式によるプレストレスを導入する。具体的には、緊張材20の一端を定着部25に固定し、緊張材20の他端を引っ張ることによって複数のプレキャストコンクリート床版5に橋軸方向D1への圧縮力を加える(ポストテンション方式によるプレストレスを導入する工程)。
緊張材20によってプレストレスを導入するときに、介在部材10は締結部材40によって支持部材3に固く締結されていない。すなわち、複数のプレキャストコンクリート床版5、間詰材30及び介在部材10は支持部材3に対してスライド可能とされている。従って、緊張材20による緊張に伴って介在部材10を滑動させることによって円滑にプレストレスを導入することができる。
以上のようにプレストレスを導入した後には、締結部材40によって支持部材3に介在部材10を固定し(介在部材を固定させる工程)、緊張材20の他端を定着部25に固定する(定着部によって緊張材をプレキャストコンクリート床版に固定する工程)。その後、本実施形態に係る接合方法の一連の工程が完了する。
次に、本実施形態に係る床版構造1及び接合方法から得られる作用効果について詳細に説明する。本実施形態に係る床版構造1及び接合方法では、橋軸方向D1に沿って並ぶように複数のプレキャストコンクリート床版5が、橋軸直角方向D2に延びる支持部材3に支持されており、橋軸方向D1に沿って並ぶ複数のプレキャストコンクリート床版5に緊張材20が挿通される。
緊張材20は、橋軸直角方向D2に延びる支持部材3に支持された状態で橋軸方向D1に連続する複数のプレキャストコンクリート床版5にポストテンション方式によるプレストレスを導入する。ポストテンション方式によって緊張材20で複数のプレキャストコンクリート床版5にプレストレスを導入することにより、橋軸方向D1の接合部においても橋軸方向D1への必要な圧縮力を得ることができる。本実施形態では、橋軸方向D1に延びる複数の桁2、及び橋軸直角方向D2に延びる複数の支持部材3によって構成される床組みに載せられた複数のプレキャストコンクリート床版5に橋軸方向D1へのプレストレスを導入することにより、橋軸方向D1の接合部に従前の方法以上の圧縮力を得ることができる。
また、緊張材20は複数のプレキャストコンクリート床版5を跨ぐように複数のプレキャストコンクリート床版5に挿通された状態でプレストレスを導入するので、複数のプレキャストコンクリート床版5に十分にプレストレスを導入でき、桁作用による負曲げ等に対して抵抗させることができる。更に、床版構造1は、複数のプレキャストコンクリート床版5の橋軸方向D1の外側に位置する定着部25を備えるので、定着部25によって緊張材20をプレキャストコンクリート床版5に固定することができる。
本実施形態において、複数のプレキャストコンクリート床版5のそれぞれは、プレテンション方式によって橋軸直角方向D2にプレストレスが導入されている。ところで、従来から、橋軸方向D1及び橋軸直角方向D2の双方にプレテンション方式でプレストレスを導入する方法が知られている。しかしながら、2方向にプレテンション方式でプレストレスを導入する方法では、特殊な製作設備が必要となり、プレキャストコンクリート床版の製作が煩雑になったり製作コストが増大したりするという問題が生じうる。
また、プレキャストコンクリート床版の橋軸方向ではプレストレスが100%有効となる部分が短くなる。より具体的には、図6に示されるように、一般的にプレキャストコンクリート床版は橋軸直角方向D2に長く延びる長方形状の平面を有する。プレテンション方式では、平面視においてプレストレスが100%有効とならない領域R1がプレストレスが100%有効となる領域R2の外側に形成される。
一例として、橋軸方向D1の長さL1が2.5m、橋軸直角方向D2の長さL2が10mであるプレキャストコンクリート床版では、プレストレスが有効とならない領域R1の幅Wが60cm程度となる。この場合、橋軸方向D1へのプレストレスが有効とならない領域R1の長さは1.2m(60cm×2)程度となり、橋軸方向D1へのプレキャストコンクリート床版5の長さ(2.5m)に対する領域R1(1.2m)の割合は48%程度となる。従って、プレテンション方式によって橋軸方向D1にプレストレスを導入することは経済的でない。
よって、本実施形態のように、プレテンション方式によって橋軸直角方向D2のみにプレストレスが導入される場合、プレキャストコンクリート床版5の製作を容易に且つ低コストで行うことができる。本実施形態において、プレキャストコンクリート床版5は、下面5bに格子状リブ5cを有するUFC床版である。従って、高い強度を維持しつつ軽いプレキャストコンクリート床版5とすることができる。
本実施形態に係る接合方法では、図3に示されるように、支持部材3に載せられ、橋軸方向D1に沿って並ぶ一対のプレキャストコンクリート床版5を支持すると共に一対のプレキャストコンクリート床版5の間に入り込む介在部材10を備える。プレストレスを導入する工程では、介在部材10が、一対のプレキャストコンクリート床版5と共に支持部材3に対して橋軸方向D1にスライド可能とされている。
本実施形態に係る接合方法は、プレストレスを導入する工程の後に、支持部材3に介在部材10を固定させる工程を備える。従って、プレストレスを導入するときには、一対のプレキャストコンクリート床版5と介在部材10が支持部材3に対してスライド可能とされているので、プレキャストコンクリート床版5に円滑にプレストレスを導入できる。また、プレストレスを導入した後には、介在部材10を支持部材3に固定する。以上より、間詰材30と介在部材10が一体化し、プレストレスによって一対のプレキャストコンクリート床版5と間詰材30を一体化させることができる。
以上、本開示に係る床版構造及び接合方法の実施形態について説明した。しかしながら、本開示に係る床版構造及び接合方法は、前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内において適宜変形することが可能である。すなわち、床版構造の各部の構造、形状、大きさ、材料、数及び配置態様、並びに、接合方法の工程の内容及び順序は、上記の要旨の範囲内において適宜変更可能である。
前述の実施形態では、支持部材3に対して介在部材10がスライドする例について説明した。例えば、支持部材3と介在部材10の間に、テフロン(登録商標)等の低摩擦材料によって構成されている部材が介在してもよい。また、支持部材3に対する介在部材10の固定手段は、前述した締結部材40のみに限られず、例えば、締結部材40と溶接、又は接着剤によって介在部材10を固定してもよい。
前述の実施形態では、介在部材10が穴あき鋼板ジベルである例について説明した。しかしながら、介在部材は、穴あき鋼板ジベル以外のものであってもよく、例えば、頭付きスタッド(スタットジベル)であってもよい。すなわち、介在部材は、一対のプレキャストコンクリート床版の間で間詰材と一体化できる部材であれば種々のものを用いることが可能である。
前述の実施形態では、プレキャストコンクリート床版5の製作工場においてプレテンション方式で橋軸直角方向D2にプレストレスを導入する例について説明した。しかしながら、プレキャストコンクリート床版5の製作工場以外の場所(例えば現場A)でポストテンション方式によるプレストレスが導入されてもよい。
前述の実施形態では、他のプレキャストコンクリート床版5に橋軸方向D1に対向するプレキャストコンクリート床版5の端面5hが平面状とされている例について説明した。しかしながら、他のプレキャストコンクリート床版5に橋軸方向D1に対向するプレキャストコンクリート床版5の端面5hには凹凸が形成されていてもよい。この場合、一対のプレキャストコンクリート床版5をより強固に一体化できる。
前述の実施形態では、格子状リブ5cが下面5bに形成されたワッフル型床版であるプレキャストコンクリート床版5について説明した。しかしながら、プレキャストコンクリート床版は格子状リブ5cが形成されていないプレキャストコンクリート床版であってもよく、プレキャストコンクリート床版の種類は適宜変更可能である。
1…床版構造、2…桁、2b…上フランジ、2c…ウェブ、2d…下フランジ、3…支持部材、3b…上フランジ、3c…ウェブ、3d…下フランジ、5…プレキャストコンクリート床版、5A…標準パネル、5b…下面、5B…端部パネル、5c…格子状リブ、5C…交差定着パネル、5d…橋軸方向リブ、5f…橋軸直角方向リブ、5g…凸部、5h…端面、6…PC鋼材、10…介在部材、11…第1板部、12…第2板部、13…貫通孔、20…緊張材、25…定着部、26…突出部、27…定着体、30…間詰材、40…締結部材、41…ボルト、42…ナット、A…現場、B…橋梁、D1…橋軸方向、D2…橋軸直角方向、D3…高さ方向、L1,L2…長さ、R1、R2…領域、W…幅。

Claims (5)

  1. 橋軸方向に直交する橋軸直角方向に延びる支持部材と、
    前記橋軸方向、前記橋軸直角方向、及び、前記橋軸方向と前記橋軸直角方向の双方に直交する高さ方向に延びると共に、前記支持部材に支持された状態で前記橋軸方向に沿って並ぶ複数のプレキャストコンクリート床版と、
    前記橋軸方向に沿って並ぶ一対の前記プレキャストコンクリート床版の間に充填される間詰材と、
    複数の前記プレキャストコンクリート床版に前記橋軸方向に沿って挿通された緊張材と、
    を備え、
    前記橋軸方向に連続する複数の前記プレキャストコンクリート床版に前記緊張材によってポストテンション方式によるプレストレスが導入されており、
    前記プレストレスが導入された複数の前記プレキャストコンクリート床版の前記橋軸方向の外側に位置しており、前記緊張材を前記プレキャストコンクリート床版に固定する定着部を更に備える、
    床版構造。
  2. 複数の前記プレキャストコンクリート床版のそれぞれは、プレテンション方式によって前記橋軸直角方向にプレストレスが導入されている、
    請求項1に記載の床版構造。
  3. 橋軸方向、前記橋軸方向に直交する橋軸直角方向、及び、前記橋軸方向と前記橋軸直角方向の双方に直交する高さ方向に延びる複数のプレキャストコンクリート床版を前記橋軸方向に沿って接合する接合方法であって、
    前記橋軸直角方向に延びる支持部材に複数の前記プレキャストコンクリート床版を載せて前記支持部材によって複数の前記プレキャストコンクリート床版を支持する工程と、
    前記橋軸方向に連続する複数の前記プレキャストコンクリート床版に前記橋軸方向に沿って緊張材を挿通させる工程と、
    前記橋軸方向に沿って並ぶ一対の前記プレキャストコンクリート床版の間に間詰材を充填する工程と、
    前記支持部材に支持された状態で前記橋軸方向に連続する複数の前記プレキャストコンクリート床版に前記緊張材によってポストテンション方式によるプレストレスを導入する工程と、
    前記プレストレスが導入された複数の前記プレキャストコンクリート床版の前記橋軸方向の外側に位置する定着部によって前記緊張材を前記プレキャストコンクリート床版に固定する工程と、
    を備える接合方法。
  4. 前記支持部材に載せられ、前記橋軸方向に沿って並ぶ一対の前記プレキャストコンクリート床版を支持すると共に一対の前記プレキャストコンクリート床版の間に入り込む介在部材を備え、
    前記プレストレスを導入する工程では、前記介在部材が、一対の前記プレキャストコンクリート床版と共に前記支持部材に対して前記橋軸方向にスライド可能とされており、
    前記プレストレスを導入する工程の後に、前記支持部材に前記介在部材を固定させる工程を備える、
    請求項3に記載の接合方法。
  5. 複数の前記プレキャストコンクリート床版のそれぞれに、プレテンション方式によって前記橋軸直角方向にプレストレスを導入する工程を備える、
    請求項3又は4に記載の接合方法。

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