JP2023095817A - ポリプロピレン系複合フィルムおよびそれを用いた蓄電デバイス用外装材 - Google Patents

ポリプロピレン系複合フィルムおよびそれを用いた蓄電デバイス用外装材 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートシール強度が高く、絞り成型性に優れ、ラミネート後にエージングしてもフィルム表面の滑剤量を適切な範囲内に維持できて、易滑性と高いラミネート強度を達成できるポリプロピレン系複合フィルムおよびそれを用いた蓄電デバイス用外装材を提供することである。【解決手段】シール層/基材層/ラミネート層を少なくとも有する3層複合フィルムであって、シール層が、エチレン・プロピレンランダム共重合体を主成分とし、基材層が、エチレン・プロピレンランダム共重合体とエチレン・プロピレンブロック共重合体とプロピレン系エラストマーの混合物を主成分とし、ラミネート層が、エチレン・プロピレンブロック共重合体、および、プロピレン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも一つを含有する、ポリプロピレン系複合フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系複合フィルムおよびそれを用いた蓄電デバイス用外装材に関する。
蓄電デバイス用外装材として、ポリプロピレン系フィルムとポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやナイロン(Ny)フィルム、特に延伸PETフィルムや延伸ナイロンフィルム(ONy)、およびアルミニウム箔を積層した外装材が広く知られている。
蓄電デバイス用外装材に用いられるポリプロピレン系フィルムには一般的に有機滑剤が添加されており、製膜後に滑剤がフィルム表面に滲み出す(ブリードアウト)ことで良好な滑り性を発現して、絞り成型性が良好となっている。従来のポリプロピレン系フィルムにおいては、接着剤を介して延伸PETフィルムやONyなどのフィルム、アルミニウム箔などと貼り合わせ、接着剤を硬化させるために一定以上の温度をかけてエージングすると、フィルム表面に滲み出た有機滑剤(例えば、脂肪酸アミド系滑剤)によってラミネート強度が低下する傾向があった。
とくに、ラミネート層の易滑性とラミネート強度が求められる蓄電デバイス用外装材用途などで満足に使用できないことがあり、ポリプロピレン系フィルムに他のフィルム等をラミネートして積層体とし、40℃以上60℃未満でエージングされる場合にあっても他のフィルムとの高いラミネート強度を有することが望まれていた。
このような要望に関して、特許文献1には、ポリプロピレン系フィルムに滑剤として融点70~90℃の不飽和脂肪酸アマイド0.02~0.2質量%、融点115~135℃の不飽和脂肪酸ビスアマイド0.01~0.12質量%を含有する積層フィルムが開示されているが、不飽和脂肪酸アマイドおよび不飽和脂肪酸ビスアマイドの量を多くして滑り性を付与しているため、エージング処理後にフィルム表面の滑剤量が多くなりすぎて、製膜やラミネート加工時のロール等に滑剤付着物が生じ作業環境上の問題が生じ、また、他のフィルムとのラミネート強度が低くなるという問題があった。
また、特許文献2には、両外層にエルカ酸アミドなどの最適エージング温度40℃未満の滑剤を添加し、中間層にベヘン酸アミド、エチレンビスアミドなどの最適エージング温度40℃以上の滑剤を添加し、その実施例に記載されているように、中間層にプロピレン・エチレン構成のポリプロピレン系多層フィルムおよび複合フィルムが開示されている。この特許文献2の各実施例では、各層に特殊な滑剤を添加した場合には、積層フィルムのエージング後の表面同士の滑り性が良好であるが、後述の如く本発明者らの知見によれば、中間層、表層ともにエチレン・プロピレンランダム共重合体のみで構成されている場合には、滑剤の表面ブリードアウトの制御が困難で、易滑性とラミネート強度を両立することができなかった。
また、特許文献3のエチレン・プロピレンブロック共重合体を主原料として使用したフィルムが知られているが、絞り成型性、滑り性、ラミネート強度を両立において満足できるものではなかった。
このようにポリプロピレン系フィルムを蓄電デバイス用外装材として使用する場合に、ヒートシール性、絞り成型性、滑り性、ラミネート強度等の特性が高いレベルでバランス良く優れていることが求められるが、従来のフィルムは、近年の高い要求に対し必ずしも満足できるものではなかった。とくに近年、厳しい条件下での易滑性とラミネート強度の維持が求められることがあるが、このような厳しい条件下で易滑性とラミネート強度を両立したポリプロピレン系フィルムは得られていなかった。
特開平9-77881号公報 特開平11-334004号公報 国際公開第2021/006069号
そこで本発明の課題は、フィルムの製膜性およびラミネート加工性に優れ、さらに滑り性、成型性、ヒートシール強度、ラミネート強度に優れたポリプロピレン系複合フィルムおよびそれを用いた蓄電デバイス用外装材を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のポリプロピレン系複合フィルムは、以下のとおりである。
シール層/基材層/ラミネート層を少なくとも有する3層複合フィルムであって、シール層が、エチレン・プロピレンランダム共重合体を主成分とし、基材層が、エチレン・プロピレンランダム共重合体とエチレン・プロピレンブロック共重合体とプロピレン系エラストマーの混合樹脂を主成分とし、ラミネート層が、エチレン・プロピレンブロック共重合体、およびプロピレン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも一つを含有する、ポリプロピレン系複合フィルムである。また、それを用いた蓄電デバイス用外装材である。
本発明によれば、製膜性に優れ、また、フィルム表面の滑剤量を長時間エージングしてもフィルム表面の滑剤量を適切な範囲内に維持できて滑り性に優れ、それによって他フィルムとのラミネート加工性に優れたポリプロピレン系複合フィルム、およびそれを備えた絞り成型性の良好な蓄電デバイス用外装材を実現できる。
本発明のポリプロピレン系複合フィルムについて、以下詳述する。
本発明のポリプロピレン系複合フィルムは、シール層/基材層/ラミネート層を少なくとも有する3層複合フィルムである。
本発明におけるシール層は、エチレン・プロピレンランダム共重合体を主成分とする。ここで、主成分とはシール層中の全樹脂量を100質量%としたときに、50質量%以上をいう。
上記エチレン・プロピレンランダム共重合体は、230℃でのメルトフローレート(以下MFRと省略することがある)が2~10g/10分の範囲で、融点が130~150℃の範囲とすることが好ましい。230℃でのMFRが、2g/10分未満では基材層との均一な積層性が悪くなってヒートシール強度が低下することがあり、10g/10分を超えると結晶性が高くなって、滑剤の表面への移行性が悪くなり、滑り性が低下することがある。
また、融点が130℃未満では80℃雰囲気下でのヒートシール強度が低く、融点が150℃を超えると23℃雰囲気下でのヒートシール強度が低くなることがある。
上記のエチレン・プロピレンランダム共重合体は、プロピレンに、エチレンを0.1~10質量%共重合体したものが滑り性とヒートシール性から好ましく、エチレンの他にブテン、オクテンなどのα-オレフィンを少量共重合したものでもよい。
また、シール層に樹脂組成総量に対して脂肪酸アミド系滑剤を100~1000ppm添加することが好ましい。脂肪酸アミド系滑剤の添加量が100ppm未満では滑り性が悪くなることがあり、1000ppmを超えると溶融押出時に熱飛散が多くなり製膜工程を汚して製膜性の悪化や、成型時の金型を汚染して成型歩留まりが悪化することがあり、ヒートシール強度も低下することがある。
上記脂肪酸アミド系滑剤とは、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘン酸アミド等が好ましく挙げられ、特にエルカ酸アミドが樹脂組成への分散性と、滑り性の発現性から好ましい。
さらに、上記シール層の表面滑剤量は、40℃・7日エージング後で1~10mg/m範囲、かつ、40℃・30日エージング後で5~20mg/mの範囲が好ましい。滑剤量が40℃・7日エージング後で1mg/m未満では、フィルムの巻取り性が悪化することがあり、巻き皺や噛み込みエアーによるツブ欠点ができやすくなることがある。一方、10mg/mを超えるとフィルムの巻きずれが起こりやすくなることがある。また40℃・30日エージング後で5mg/mの未満では、成型時に金型との摩擦が大きくなって皺や破れが起こりやすくなることがあり、20mg/mを超えると他基材とのラミネート工程や成型時の金型に滑剤が付着して工程汚染が起こる場合がある。
また、シール層にはヒートシール強度が低下しない範囲で、無機または有機の粒子を300~5000ppm添加すると、脂肪酸アミド系滑剤の含有量を減らしても滑り性が向上することがあり、フィルムを長尺に巻き取るときに皺やエアー抜け不良による欠点が減少することがあるので好ましい。含有量が300ppm以下では滑り性付与効果がみられないことがあり、5000ppmを超えるとヒートシール強度の低下や粒子の脱落が起こることがある。
該無機粒子としては、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム等が好ましく挙げられ、有機粒子としては、架橋ポリスチレン(PS)、架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が好ましく挙げられる。それらの平均粒径は1~5μmの範囲であることが好ましい。平均粒径が1μm未満では添加効果がみられないことがあり、5μmを超えるとヒートシール強度が低下することがある。
上記シール層は、エチレン・プロピレンランダム共重合体以外に樹脂を配合してもよく、その場合、配合される樹脂としては、エチレン・プロピレンブロック共重合体、低密度ポリエチレン、エチレン・α-オレフィン共重合体、プロピレン系エラストマーから選ばれる少なくとも1種以上のポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、特にエチレン・プロピレンブロック共重合体であることが好ましい。
本発明における基材層は、エチレン・プロピレンランダム共重合体とエチレン・プロピレンブロック共重合体とプロピレン系エラストマーの混合物を主成分とする。ここで、主成分とは基材層中の全樹脂量を100質量%としたときに、50質量%以上をいう。
本発明者らの知見によれば、蓄電デバイス用外装材用途の絞り成型加工時の変形の際に、フィルム中にクラック(白化)が生じると、内容物である電解液が漏れる懸念がある。よって、基材層のエチレン・プロピレンブロック共重合体中の島となる部分のゴム成分の分散を小さくする設計が必要であり、エチレン・プロピレンランダム共重合体とポリプロピレン系エラストマーを含有することにより、島成分のゴム成分の分散性が向上して分散径を小さくすることができる。
上記基材層のエチレン・プロピレンランダム共重合体は、上記シール層と同じ樹脂特性のものであることがシール層と共押出性がよく好ましい。
上記基材層のエチレン・プロピレンブロック共重合体は、20℃キシレンの可溶部の極限粘度[η]Cxsと同不溶部の極限粘度[η]Cxisの比([η]Cxs/[η]Cxis)が、1.6以上であることが好ましく、1.6~2.0の範囲がより好ましい。[η]Cxs/[η]Cxisが1.6未満では、160℃以上でヒートシールした際にフィルムの潰れによる薄膜化でヒートシール強度の低下することがあり、ヒートシールや絞り成型時の加圧によって樹脂のはみ出しが起こり、ラミネート工程や成型工程の汚れが起こることがある。また、[η]Cxs/[η]Cxisが2.0を超えると、フィルム内に小さなゲル状の欠点ができてフィルム突起となることがあり、他基材とのラミネート時に界面に空気を噛み込んでラミネート強度が低下することがある。
また、上記のエチレン・プロピレンブロック共重合体は、ポリプロピレン部の割合を示す20℃キシレン不溶部の割合が70~85質量%で、該キシレン不溶部の極限粘度[η]Cxisは、1.7~2.5dl/gが好ましく、エチレン・プロピレン共重合のゴム成分の割合を示す20℃キシレン可溶部の極限粘度[η]Cxsは、2.7~5.0dl/gであることが好ましい。
キシレン不溶部の極限粘度[η]Cxisが1.7未満では、ヒートシールや絞り成型時にフィルムの潰れによる薄膜化が起こることがあり、2.5dl/gを超えると、フィルムが硬くなり過ぎて、絞り成型性が悪化することがある。また、キシレン可溶部の極限粘度[η]Cxsが2.7dl/g未満ではヒートシール強度が低下することがあり、5.0dl/gを超えるとゴム成分の粒径が非常に大きく、フィルムの海島構造の界面にクラックが生じ、成型時の白化やヒートシール強度低下が生じることがある。
上記、基材層のプロピレン系エラストマーは、プロピレンにエチレンを共重合したゴム弾性を有する樹脂で、プロピレン成分が80質量%以上のものをいう。
プロピレン成分が80質量%未満では上記エチレン・プロピレンランダム共重合体およびエチレン・プロピレンブロック共重合体との相溶性が低下して、絞り成型時に白化が起こることがある。
上記プロピレン系エラストマーは、230℃でのメルトフローレート(以下MFRと省略することがある)が2~50g/10分の範囲で、密度が0.860~0.890g/cmの範囲とすることがエチレン・プロピレンブロック共重合体への分散性がよく、エチレン・プロピレンブロック共重合体のゴム成分の分散効果が高いので好ましい。
本発明における基材層は、エチレン・プロピレンランダム共重合体10~50質量%、エチレン・プロピレンブロック共重合体が30~70質量%、プロピレン系エラストマーが5~50質量%の混合物(但し、該混合物の合計を100質量%とする)であることが好ましい。エチレン・プロピレンランダム共重合体が10質量%未満ではエチレン・プロピレンブロック共重合体中のゴム成分の分散性向上効果が低く、50質量%を超えると絞り成型時の割れが発生して成型性が悪化することがある。また、プロピレン系エラストマーが5質量%未満では上記エチレン・プロピレンブロック共重合体のゴム成分の分散性向上効果が少なく、蓄電デバイス外装材に用いて絞り成型の際にクラックによる白化が生じることがあり、内容物である電解液が漏れる懸念がある。プロピレン系エラストマーが50質量%を超えるとエチレン・プロピレンブロック共重合体への分散性が悪くなって、溶融押出時にスジ状欠点が発生して製膜性が悪化することがあり、また、後で述べる基材層の滑剤のフィルム表層への移行が低下して滑り性が悪くなることがある。
本発明のポリプロピレン系複合フィルムは、基材層への脂肪酸アミド系滑剤の含有量を500~2000ppmとすることが好ましい。
本発明のポリプロピレン系複合フィルムを製膜後に40℃・30日のエージングする場合、基材層の脂肪酸アミド系滑剤がシール層およびラミネート層の界面側に移行し、さらにはそこからシール層およびラミネート層へと移行することがある。
その結果、他基材とラミネート後にエージングするとき、シール層の滑剤が、シール層の内部に移行しようとするのに対し、基材層からシール層へと移行してきた滑剤と適切にバランスし、結果的にラミネート後の滑り性が問題となるシール層表面において、滑剤量が最適な範囲、例えば40℃、30日間エージング後のフィルム表面にブリードした脂肪酸アミド系滑剤量の範囲が5~20mg/mに維持することが可能になり、成型性が良好となる。
上記基材層の脂肪酸アミド系滑剤の含有量が500ppm未満では、シール層およびラミネート層表面の脂肪酸アミド系滑剤量が少なくて滑り性が悪化し、ラミネート加工および絞り成型で易滑性が求められる蓄電デバイス外装材用途では満足に使用することができないことがある。また、2000ppmを超えるとフィルム表面への滑剤量が多くなりすぎて製膜やラミネート工程でのロール等に滑剤が付着して作業環境上の問題が生じることがある。 また、ヒートシールをする際に、フィルム界面に滑剤が溜まりヒートシール強度も低下することがある。
本発明におけるラミネート層は、エチレン・プロピレンブロック共重合体、および、プロピレン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも一つを含有することが必要であり、好ましくはエチレン・プロピレンブロック共重合体とプロピレン系エラストマーを含有し、エチレン・プロピレンブロック共重合体20~80質量%、プロピレン系エラストマー5~50質量%、エチレン・プロピレンランダム共重合体が0~70質量%の混合物(但し、該混合物の合計を100質量%とする)であることがさらに好ましい。
ラミネート層中のエチレン・プロピレンブロック共重合体が20質量%未満では、後で述べるラミネート層表面への滑剤量の移行量が多くなってラミネート強度が低下することがあり、80質量%を超えると絞り成型時に白化が起こって成型性が悪化することがある。
上記ラミネート層のプロピレン系エラストマーが5質量%未満では、上記エチレン・プロピレンブロック共重合体のゴム成分の分散性向上効果が少なく、蓄電デバイス外装材に用いて絞り成型の際にクラックによる白化が生じることがあり、内容物である電解液が漏れる虞がある。プロピレン系エラストマーが50質量%を超えるとエチレン・プロピレンブロック共重合体への分散性が悪くなって、溶融押出時にスジ状欠点が発生して製膜性が悪化することがあり、また、表面粗さが大きくなりラミネート強度が低下することがある。
上記ラミネート層のエチレン・プロピレンブロック共重合体は、プロピレン部の割合を示す20℃のキシレン不溶部の割合が80~90質量%で、該キシレン不溶部の極限粘度[η]Cxisは、1.5~2.2dl/gの範囲であることが好ましく、エチレン・プロピレン共重合のゴム成分の割合を示す20℃のキシレン可溶部の割合が10~20質量%で、極限粘度[η]Cxsは、1.7~2.5dl/gの範囲であることが好ましい。
キシレン不溶部の極限粘度[η]Cxisは、1.5未満では、ヒートシールや絞り成型時にフィルムの潰れによる薄膜化が起こることがあり、2.2dl/gを超えると、フィルムが硬くなり過ぎて、絞り成型性が悪化することがある。また、キシレン可溶部の極限粘度[η]Cxsが1.7dl/g未満では、ラミネート強度が低下することがあり、2.5dl/gを超えるとゴム成分の分残径が大きくなって、マトリックスのプロピレンとゴム成分の界面にクラックが生じて白化が起こり、ラミネート強度の低下や成型性の悪化が生じることがある。
また、20℃のキシレンの可溶部の極限粘度[η]Cxsと不溶部の極限粘度[η]Cxisの比([η]Cxs/[η]Cxis)は1.4以下が好ましく、1.0~1.4の範囲がより好ましい。[η]Cxs/[η]Cxisが1.0未満では、160℃以上でヒートシールした際にフィルムの潰れによる薄膜化でラミネート強度が低下したり、絞り成型時の加圧によって樹脂のはみ出しが起こることがある。
[η]Cxs/[η]Cxisが1.4を超えると、フィルム内に小さなゲル状の欠点ができてフィルム突起となり、他基材とのラミネート時に界面に空気を噛み込んでラミネート強度が低下を生じることがある。
本明細書で、20℃キシレン不溶部、および可溶部とは、上記エチレン・プロピレンブロック共重合体のペレットを沸騰キシレンに完全に溶解させた後20℃に降温し、4時間以上放置し、その後これを析出物と溶液とに濾別した際、析出物を20℃キシレン不溶部と称し、溶液部分(濾液)を乾固して減圧下70℃で乾燥して得られる部分をキシレン可溶部と称す。
上記ラミネート層のエチレン・プロピレンランダム共重合体は、230℃でのMFRが2~10g/10分の範囲で、融点が130~150℃の範囲とすることが好ましい。230℃でのMFRが、2g/10分未満では基材層との均一な積層性が悪くなってラミネート強度が低下することがあり、10g/10分を超えると結晶性が高くなって、滑剤の表面への移行性が悪くなり、滑り性が低下することがある。
また、上記融点が130℃未満では滑り性が低下することがあり、融点が150℃を超えるとラミネート強度が低くなることがある。
上記ラミネート層のエチレン・プロピレンランダム共重合体は、プロピレンに、エチレンを0.1~10質量%共重合体したものが滑り性とラミネート強度から好ましく、エチレンの他にブテン、オクテンなどのα-オレフィンを少量共重合したものでもよい。
上記ラミネート層のプロピレン系エラストマーは、プロピレンにエチレンを共重合したゴム弾性を有する樹脂で、プロピレン成分が80質量%以上のものをいう。
プロピレン成分が80質量%未満では上記エチレン・プロピレンランダム共重合体およびエチレン・プロピレンブロック共重合体との相溶性が低下して、絞り成型時に白化が起こることがある。
また、上記プロピレン系エラストマーは、230℃でのメルトフローレート(以下MFRと省略することがある)が2~50g/10分の範囲で、密度が0.860~0.890g/cmの範囲とすることがエチレン・プロピレンブロック共重合体への分散性がよく、エチレン・プロピレンブロック共重合体のゴム成分の分散効果が高いので好ましい。
本発明におけるラミネート層は脂肪酸アミド系滑剤を含有してもよく、その場合、製膜前には無添加であることが、ラミネート強度が高くなって好ましい。3層の共押出およびエージングする際に基材層およびシール層中の滑剤が移行することがあるため、脂肪酸アミド系滑剤の含有量は10~500ppmの範囲とすることが好ましい。ラミネート層の脂肪酸アミド系滑剤の含有量が10ppm未満ではフィルムの巻取り性が悪化することがあり、巻き皺や噛み込みエアーによるツブ欠点ができやすくなることがあり、含有量が500ppmを超えると他基材とのラミネート強度が低下することがある。
上記ラミネート層の表面滑剤量は、40℃・7日エージング後で1~5mg/m範囲が好ましい。上記表面滑剤量が40℃・7日エージング後で1mg/m未満では、フィルムの巻取り性が悪化することがあり、巻き皺や噛み込みエアーによるツブ欠点ができやすくなることがある。一方、5mg/mを超えると他基材とのラミネート工程に滑剤が付着して工程汚染が起こる場合があり、また、他基材とのラミネート強度が低下することがある。
また、上記ラミネート層にはラミネート強度が低下しない範囲で、無機または有機の粒子を300~3000ppm添加すると、脂肪酸アミド系滑剤の含有量を減らしても滑り性が向上することがあり、フィルムを長尺に巻き取るときに皺やエアー抜け不良による欠点が減少することがあるので好ましい。含有量が300ppm以下では滑り性付与効果がみられないことがあり、3000ppmを超えるとラミネート強度の低下や粒子の脱落が起こることがある。
該無機粒子としては、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム等が好ましく挙げられ、有機粒子としては、架橋ポリスチレン(PS)、架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が好ましく挙げられる。それらの平均粒径は1~5μmの範囲であることが好ましい。平均粒径が1μm未満では添加効果がみられないことがあり、5μmを超えるとラミネート強度が低下することがある。
また、上記ラミネート層の十点平均表面粗さRzは、0.8~1.50μmの範囲であることが、フィルムの巻取り性およびラミネート加工性がよくて好ましい。十点平均表面粗さRzが0.8μm未満ではフィルム巻取りおよびラミネート加工においてしわが発生しやすく歩留まりが悪くなることがあり、Rzが1.50μmを超えるとラミネート強度が低下することがある。
本発明のポリプロピレン系複合フィルムのシール層およびラミネート層の、各々いずれも、厚さは1μm以上が好ましく、トータル厚さが20~200μmの範囲にあることが好ましい。シール層またはラミネートの厚さが1μm未満では、上記の十分なヒートシール強度およびラミネート強度が得られないことがあり、2~30μmの範囲が好ましい。また、トータル厚さが20μm未満では絞り成型性が十分に得られないことがあり、内容物である電池の電解液の液漏れが起こる懸念がある。また、トータル厚さが200μmを超えるとラミネート加工性および成型性が低下して製造コストが高くなるので、好ましくない。
本発明における基材層の厚みは、ポリプロピレン系複合フィルム全体の厚みの50%以上であることが好ましい。
本発明のポリプロピレン系複合フィルムは、160℃でシール層同士をヒートシールしたヒートシール強度が、80℃雰囲気下で20N/15mm以上であることが蓄電デバイス外層材として用いたときに、内容物保護において好ましい。蓄電デバイス外装材では充放電時に80℃近くに温度が上がることがあり、高温でのシール強度が求められる。80℃でのヒートシール強度が20N/15mm未満では充放電時の熱による内圧上昇で電解液の漏れが生じることがある。
本発明のポリプロピレン系複合フィルムのラミネート層側に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ナイロンフィルムおよびアルミニウム箔から選ばれる1つ以上がラミネートされた積層体からなる蓄電デバイス外装材も提供できる。
上記積層体の製造方法としては、積層体の構成フィルムに接着剤を用いて貼合わせる通常のドライラミネート法が好適に採用できるが、必要に応じて本発明のポリプロピレン系複合フィルムと他基材の貼合わせには直接接着性のポリオレフィン系樹脂を押出してラミネートする方法も採用できる。
上記ドライラミネート用接着剤としては特に限定されないが、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムとラミネートするときは、ポリウレタン系ポリオール、ポリエステル系ポリオール及びポリエーテル系ポリオールからなる群より選ばれるポリオールの1種または2種以上からなる第1液と、イソシアネートからなる第2液(硬化剤)とで構成される2液反応型接着剤などが挙げられる。また、アルミニウム箔とラミネートするときは、例えば、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、エラストマー系接着剤、フッ素系接着剤等により形成された接着剤層が挙げられる。中でも、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤を用いるのが好ましく、蓄電デバイス外装材として用いたときに耐電解液性及び水蒸気バリア性を向上させることができる。
これら積層体は本発明のポリプロピレン系複合フィルムをシール層として、成型シートなどの包装材に加工されて使用される。また、これら積層体の積層構造は、蓄電デバイス外装材の要求特性、例えば内容物の質量に対応できるサイズや耐電解液性などに応じて適宜選択される。
以下に、実施例において本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。また、各種物性値の測定方法、および評価方法を以下に示す。
(1)各層の海島構造観察および解析
各層の海島構造を観察する手段として、フィルム断面を四酸化ルテニウムで染色し、透過型電子顕微鏡を用いてフィルム長手方向と厚み方向の断面画像を取得して下記の解析条件で海島構造の島部分の形状と分散径を求めた。n数は観察箇所を変えて10か所観察し、平均を求めた。
<解析用画像>
・ファイル形式:8bitグレースケールのビットマップ形式
・画素数:912ピクセル×912ピクセル
・測定領域:4μm×4μm
<解析条件>
・解析ソフト:Fiji,ImageJ 2.1.0/1.53c
・Subtract Background:Rolling ball radius 40ピクセル
・Threshold:Default,B&W,Auto。
(2)20℃キシレン不溶部と可溶部の含有量
ポリプロピレンペレット5gを沸騰キシレン(関東化学(株)製1級)500mLに完全に溶解させた後に、20℃に降温し、4時間以上放置する。その後、これを析出物と溶液とにろ過して可溶部と不溶部に分離した。可溶部は濾液を乾固して減圧下70℃で乾燥し、その質量を測定して含有量(質量%)を求めた。
(3)20℃キシレン可溶部と不溶部の極限粘度([η]Cxs、[η]Cxis)
上記(2)により可溶部と不溶部に分離したサンプルを用い、ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。
(4)共重合体のエチレン含量
高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)616頁に記載されている方法により、赤外分光法で測定を行って求めた。
(5)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210(1999)に準拠し、プロピレン系ランダム共重合体およびエチレン・プロピレンブロック共重合体は温度230℃、低密度ポリエチレン系重合体は温度190℃で、それぞれ荷重21.18Nにて測定した。
(6)樹脂の融点
示差走査熱量計(島津製作所製 DSC-60)を用いて、20℃から10℃/分の速度で昇温し、250℃まで加熱した際の融解ピークの最も高いピーク温度を融点とした。
(7)樹脂の密度
JIS K7112(1999)に準拠し、密度勾配管による測定法で測定した。
(8)表面滑剤量
各実施例、比較例における各フィルムサンプルを40℃で7日間、および、30日間保存した直後に各サンプルで測定面を内面にして内寸が20cm×25cmの袋を作り、その中に50mlのエタノールを入れ、3分間攪拌してエタノール中に溶解させた。滑剤が溶解したエタノールを、水素塩イオン検出器付薄層クロマトグラフィー(LSIメディエンス製のイアトロスキャン)を用い、定量分析を行った。
(9)23℃でのヒートシール強度
蓄電デバイス外装材として、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(PET-BO)と厚さ15μmのナイロン6延伸フィルム(ONy)と両面を化成処理した厚さ40μmのアルミニウム箔とポリプロピレン系複合フィルムのラミネート層とをウレタン系接着剤を用いて通常のドライラミネート法で貼合わせ、60℃で3日間エージングして、PET-BO/接着剤/ONy/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ポリプロピレン系複合フィルム(最外層はシール層面)の積層体を得た。
蓄電デバイス外装材の評価としては、上記積層体を用いて、平板ヒートシーラーを使用し、シール層面同士を重ねてシール温度160℃、シール圧力0.2MPa、 シール時間2秒の条件でヒートシールした後、15mm幅の短冊状に切断し、オリエンテック社製のテンシロンを使用して23℃の雰囲気下で300mm/分の引張速度で、T型剥離法にてヒートシール強度を測定した。ヒートシール強度が、40N/15mm以上であれば(○)とし、35N/15mm未満を(×)とし、その間の強度を(△)とした。
(10)80℃でのヒートシール強度
(9)のヒートシール強度測定サンプルを、加熱オーブンの付いたオリエンテック社製のテンシロンを使用して80℃の雰囲気中で上記(9)と同じ条件でヒートシール強度を測定した。ヒートシール強度が、20N/15mm以上であれば(○)とし、15N/15mm未満を(×)とし、その間の強度を(△)とした。
(11)ラミネート強度
(9)の積層体作成時に、アルミニウム箔とポリプロピレン系複合フィルム間にスペーサーを入れて剥離点を作成して、ラミネート強度測定用のサンプルを作成した。ラミネート強度測定条件は上記(9)と同じく15mm幅の短冊状に切断し、オリエンテック社製のテンシロンを使用して300mm/分の引張速度で、T型剥離法にてヒートシール強度を測定した。ラミネート強度が、10N/15mm以上であれば(○)とし、8N/15mm以下を(×)とし、その間の強度を(△)とした。
(12)フィルム厚さおよび厚さ構成
フィルム厚さは、ダイヤルゲージを用い、JIS K7130(1992)A-2法に準じて、フィルムの任意の10ヶ所について厚さを測定した。その平均値をフィルム厚みとした。また、積層フィルムの場合の各層の厚さは、積層フィルムをエポキシ樹脂に包埋しフィルム断面をミクロトームで切り出し、該断面を走査型電子顕微鏡で3,000倍の倍率で観察して、各層の厚みを算出した。
(13)ラミネート性、絞り成型性
ポリプロピレン系複合フィルムの製膜工程においての積層乱れおよび巻取り工程でのロールの汚れや、上記(9)の他基材とのラミネート工程において、工程ロールの汚れや皺の発生、また、絞り成型時の白化等をみて、下記の評価をした。
○:製膜工程、ラミネート工程でのロール汚れや巻取り時の皺等の発生がなく、外観良好な製品が得られ、絞り成型時の白化もなく成型性も良好であった。
×:製膜工程、ラミネート工程でのロール汚れや巻取り時の皺等の発生や、絞り成型時の白化があった。
実施例1~9および比較例1~4のシール層、基材層、ラミネート層用の樹脂と滑剤として、下記を準備した。
(1)プロピレン系ランダム共重合体(EPC)
MFR3.5g/10分、融点143℃のエチレン・プロピレンランダム共重合体をEPCと表示。
(2)エチレン・プロピレンブロック共重合体(BPP-1)
230℃のMFRが2.0g/10分、20℃キシレン可溶部13質量%、該可溶部の極限粘度[η]Cxs1.9dl/g、20℃キシレン不溶部87質量%、該不溶部の極限粘度[η]Cxis2.0dl/g、[η]Cxs/[η]Cxis=0.95のエチレン・プロピレンブロック共重合体をBPP-1と表示。
(3)エチレン・プロピレンブロック共重合体(BPP-2)
230℃のMFRが5.5g/10分、20℃キシレン可溶部15質量%、該可溶部の極限粘度[η]Cxs2.2dl/g、20℃キシレン不溶部85質量%、該不溶部の極限粘度[η]Cxis1.6dl/g、[η]Cxs/[η]Cxis=1.4のエチレン・プロピレンブロック共重合体をBPP-2と表示。
(4)エチレン・プロピレンブロック共重合体(BPP-3)
20℃キシレン可溶部20質量%、該可溶部の極限粘度[η]Cxs3.2dl/g、20℃キシレン不溶部80質量%、該不溶部の極限粘度[η]Cxis1.9dl/g、[η]Cxs/[η]Cxis=1.7のエチレン・プロピレンブロック共重合体をBPP-3と表示。
(5)プロピレン系エラストマー
プロピレン成分が80質量%、エチレン成分が20質量%の共重合体で、230℃でのMFRが20g/10分で、密度が0.863g/cmのエラスマーをPERと表示。
(6)脂肪酸アミド系滑剤
脂肪酸アミド系滑剤として、エルカ酸アミドを用いた。
実施例および比較例
実施例1~9および比較例1~4では、表1に示すように、シール層として上記エチレン・プロピレンランダム共重合体EPCにエルカ酸アミドを混合し、基材層として上記エチレン・プロピレンランダム共重合体EPCと、エチレン・プロピレンブロック共重合体BPP-3と、プロピレン系エラストマーとエルカ酸アミドの組成を変更して混合し、ラミネート層として、エチレン・プロピレンランダム共重合体EPCと、エチレン・プロピレンブロック共重合体BPP-1と、プロピレン系エラストマーとエルカ酸アミドの組成を変更して混合した。シール層、基材層、ラミネート層それぞれ別々の押出機に供給して、シール層/基材層/ラミネート層の3層共押出からなる無延伸の3層複合フィルムを作製した。それぞれの層の厚さは、5μm/30μm/5μmの合計40μmと、10μm/55μm/15μmの合計80μmの2種類とした。
実施例1~9はシール層、基材層、ラミネート層の原料組成を本発明の範囲としたことにより、各々がいずれも、本発明の目的とするフィルム表面の滑剤量が適量となり、成型性およびラミネート性に優れ、ヒートシール強度およびラミネート強度が高いものであった。
比較例1では、シール層の主成分がEPCでないため、表面の滑剤量が少なくなって、成型性も劣ったものであった。
比較例2では、基材層にエチレン・プロピレンブロック共重合体の混合がないため、表面の滑剤量が多くなって、絞り成型性、ラミネート性に劣ったものであった。
比較例3では、基材層にエチレン・プロピレンランダム共重合体の混合がないため、エチレン・プロピレンブロック共重合体中のゴム分散性が悪く、絞り成型時に白化が起こり、成型性に劣ったものであった。
比較例4では、基材層にプロピレン系エラストマーの混合がないため、エチレン・プロピレンブロック共重合体中のゴム分散性が悪く、絞り成型時に白化が起こり、成型性に劣ったものであった。
Figure 2023095817000001
Figure 2023095817000002
本発明のポリプロピレン系複合フィルムは、エージングしてもフィルム表面の滑剤量を適切な範囲内に維持できて、ヒートシール強度とラミネート強度が高く、絞り成型性に優れ、蓄電デバイス外装材として好適に使用できるものである。

Claims (10)

  1. シール層/基材層/ラミネート層を少なくとも有する3層複合フィルムであって、
    シール層が、エチレン・プロピレンランダム共重合体を主成分とし、
    基材層が、エチレン・プロピレンランダム共重合体とエチレン・プロピレンブロック共重合体とプロピレン系エラストマーの混合物を主成分とし、
    ラミネート層が、エチレン・プロピレンブロック共重合体、および、プロピレン系エラストマーからなる群から選ばれた少なくとも一つを含有する、ポリプロピレン系複合フィルム。
  2. 前記基材層が、エチレン・プロピレンランダム共重合体10~50質量%、エチレン・プロピレンブロック共重合体30~70質量%、プロピレン系エラストマー5~50質量%の混合物(但し、該混合物の合計を100質量%とする)である請求項1に記載のポリプロピレン系複合フィルム。
  3. 前記ラミネート層が、エチレン・プロピレンブロック共重合体20~80質量%、プロピレン系エラストマー5~50質量%、エチレン・プロピレンランダム共重合体が0~70質量%の混合物(但し、該混合物の合計を100質量%とする)である、請求項1に記載のポリプロピレン系複合フィルム。
  4. 前記ラミネート層の十点平均粗さRzが0.80~1.50μmである、請求項1に記載のポリプロピレン系複合フィルム。
  5. 前記シール層が脂肪酸アミド系滑剤を100~1000ppm含有し、前記基材層が脂肪酸アミド系滑剤を500~2000ppm含有し、前記ラミネート層が脂肪酸アミド系滑剤を10~500ppm含有する、請求項1に記載のポリプロピレン系複合フィルム。
  6. 前記各層における脂肪酸アミド系滑剤量が、基材層>シール層>ラミネート層である、請求項5に記載のポリプロピレン系複合フィルム。
  7. 前記シール層の表面滑剤量が40℃・7日エージング後で1~10mg/m、かつ、40℃・30日エージング後で5~20mg/mである、請求項1に記載のポリプロピレン系複合フィルム。
  8. 前記基材層の厚みが、ポリプロピレン系複合フィルム全体の厚みの50%以上である、請求項1に記載のポリプロピレン系複合フィルム。
  9. 前記シール層同士を重ねて160℃でヒートシール後、80℃雰囲気下でのヒートシール強度が20N/15mm以上である、請求項1に記載のポリプロピレン系複合フィルム。
  10. 請求項1に記載のポリプロピレン系複合フィルムを用いた蓄電デバイス用外装材。
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