JP2023095244A - 樹脂層の形成方法およびドライフィルムの製造方法 - Google Patents

樹脂層の形成方法およびドライフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂層を形成する際に発生する段ムラ、皺、配向ムラといった欠陥を低減することができる樹脂層の形成方法を提供する。【解決手段】第一のフィルムの少なくとも一方の面に樹脂層を形成する方法であって、樹脂成分と溶剤とを含んでなる樹脂組成物を、前記第一のフィルム表面に塗布し、塗布された前記樹脂組成物を乾燥させて樹脂層を形成する、ことを含み、前記樹脂成分の融解開始温度(Tm)は40~200℃であり、前記乾燥を、Tm(℃)~Tm+50℃の温度範囲にて実施する。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂層の形成方法に関し、より詳細には、第一のフィルム表面に樹脂層を形成する方法、および当該方法を用いてドライフィルムを製造する方法に関する。
光学用途や電子部品用途等の技術分野において、樹脂膜を形成する方法として、溶融製膜法や溶液製膜法等の方法が知られている。溶融製膜法は、押出製膜機等を用いて溶融した樹脂をダイから吐出させて仮支持体上に押出し、ローラー等により冷却して樹脂膜を形成する方法である(例えば、特許文献1等)。溶融製膜法は、上記のように溶融した樹脂を冷却固化させて製膜化するものであるため、樹脂の固化時の収縮に起因して、得られた樹脂膜に段ムラ、縦皺、配向ムラ、粘着跡等の欠陥が生じる場合がある(特許文献2)。
一方、溶液製膜法は、樹脂を適当な溶剤に溶解させた塗工液を調整し、塗工液をコーターにより仮支持体等に塗布し、乾燥することで樹脂膜を得る方法である(例えば、特許文献3等)。
特開平5-329432号公報 特開2006-327160号公報 特開2000-301555号公報
上記したように、製膜されたフィルムの収縮ムラといった観点からは、樹脂の溶融ないし固化の工程を経ずに製膜を行う溶液製膜法の方が優れた品質の樹脂層を得ることができる。しかしながら、溶液製膜法においても、樹脂の種類、使用する溶剤、塗布膜の乾燥条件等によっては、収縮ムラに起因すると思われる欠陥(例えば、段ムラ、皺、配向ムラ等)が生じる場合がある。特に、光学用途に使用される樹脂膜には高い品質が要求されており、溶液製膜法により製造した樹脂膜であっても、要求品質が不十分とされる場合もあった。
したがって、本発明の目的は、樹脂層を形成する際に発生する段ムラ、皺、配向ムラといった欠陥を低減することができる樹脂層の形成方法を提供することである。また、本発明の別の目的は、当該方法を用いてドライフィルムを製造する方法を提供することである。
本発明者らは、溶液製膜法により樹脂層を形成すると使用する樹脂や溶剤の種類、および塗布膜の乾燥条件が、得られる樹脂層の収縮ムラとが密接に関係しているとの知見を得て、更に詳細に検討したところ、塗布膜の乾燥を、樹脂成分の融解開始温度以上の一定範囲内の温度にて実施することで、得られる樹脂層の品質が格段に向上し、段ムラ、皺、配向ムラといった欠陥を抑制できるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 第一のフィルムの少なくとも一方の面に樹脂層を形成する方法であって、
樹脂成分と溶剤とを含んでなる樹脂組成物を、前記第一のフィルム表面に塗布し、
塗布された前記樹脂組成物を乾燥させて樹脂層を形成する、
ことを含み、
前記樹脂成分の融解開始温度(Tm)は40~200℃であり、
前記乾燥を、Tm(℃)~Tm+50℃の温度範囲にて実施することを特徴とする、樹脂層の形成方法。
[2] 前記乾燥を、Tm(℃)~Tm+20℃の温度範囲にて実施する、[1]に記載の方法。
[3] 第一のフィルムと、前記第一のフィルムの少なくとも一方の面に樹脂層を備えたドライフィルムを製造する方法であって、前記樹脂層を、[1]または[2]に記載の方法により形成する、ドライフィルムの製造方法。
[4] 前記樹脂層を形成後、前記樹脂層表面に第二のフィルムを設ける、[3]に記載の方法。
第一のフィルム表面に、樹脂成分と溶剤とを含んでなる樹脂組成物を塗布し、乾燥させて樹脂層を形成する場合において、本発明によれば、樹脂組成物に含まれる樹脂成分の融解開始温度以上の一定範囲内の温度にて乾燥を行うことにより、段ムラ、皺、配向ムラといった欠陥が抑制された高品質の樹脂層を得ることができる。
<樹脂層の形成方法>
本発明による樹脂層の形成方法は、樹脂組成物を第一のフィルム表面に塗布する工程と、塗布された前記樹脂組成物を乾燥させて樹脂層を形成する工程とを含む。以下、本発明による樹脂層の形成方法の各工程について詳述する。
[樹脂組成物の塗布工程]
本発明による樹脂層の形成方法は、樹脂成分と溶剤とを含んでなる樹脂組成物を、第一のフィルム表面に塗布する、樹脂組成物の塗布工程を含む。
<樹脂組成物>
得ようとする樹脂層を構成する樹脂成分を含む樹脂組成物を準備する。なお、本発明において「樹脂成分」とは、樹脂層を構成する成分のうち、500℃以下で溶融するもの(有機物)を意味するものとする。具体的には、樹脂のみならず樹脂組成物に含まれる硬化剤やその他の添加剤も「樹脂成分」に包含するものとする。
樹脂成分としては、製膜化が可能な樹脂であれば特に制限なく使用することができ、樹脂層の用途に応じて、熱可塑性樹脂や、光硬化性または熱硬化性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂の一例としては、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンイミド樹脂、ポリウレア樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等が挙げられる。また、光硬化性または熱硬化性樹脂としては、熱硬化性や光硬化性の官能基を有するエポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性または光硬化性樹脂、水酸基やカルボキシル基の親水性官能基を有するエポキシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリヒドロキシアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等のアルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。これら樹脂は1種単独で使用してもよいし2種以上を併用して用いてもよい。上記した樹脂のうち、熱硬化性や光硬化性の官能基を有する樹脂を使用する場合には、樹脂成分として、通常は重合開始剤を含む。
また、得られた樹脂層の用途によっては、樹脂層と他の部材との密着性の向上等のため、シランカップリング剤が含まれていてもよい。シランカップリング剤は、加水分解性基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基等)と、有機官能基(例えば、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、イソシアネート基など)の少なくとも2種類の異なる反応性基を有するシラン化合物である。
シランカップリング剤は、樹脂層の用途や接着させる他の部材の種類などによって適宜選択することができるが、例えば、ビニル系シランカップリング剤(ビニル基と加水分解性基を有するシラン化合物)、メタクリル系シランカップリング剤(メタクリロキシ基と加水分解性基を有するシラン化合物)、アクリル系シランカップリング剤(アクリロキシ基と加水分解性基を有するシラン化合物)、エポキシ系シランカップリング剤(エポキシ基と加水分解性基を有するシラン化合物)、アミノ系シランカップリング剤(アミノ基と加水分解性基を有するシラン化合物)、及びメルカプト系シランカップリング剤(メルカプト基と加水分解性基を有するシラン化合物)等を挙げることができる。これらのなかでも、エポキシ系シランカップリング剤を好ましく使用するこができる。
エポキシ系シランカップリング剤としては、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。
上記した成分以外に、必要に応じて、表面張力調整剤、界面活性剤等の公知慣用の添加剤類が含まれていてもよい。
本発明において、上記した樹脂成分は、融解開始温度(Tm)が40~200℃の範囲にある。なお、本発明において融解開始温度とは、JIS K 0064:1992(3.(2)光透過量の測定による方法)に準拠した光透過方式を用いた自動融点測定装置を用い、内径が0.8~1.2mmの一端が閉じたガラス製の毛管に樹脂成分を封入し、2℃/分の昇温速度にて加熱した際の光透過率が5%になったときの温度を測定し、少なくとも3回の測定結果を平均した温度をいうものとする。また、樹脂成分として複数の成分を含む場合は、その混合物をガラス製毛管に充填し、上記の測定を実施するものとする。
本発明においては、融解開始温度(Tm)が40~200℃の範囲にある樹脂成分を使用することで、第一のフィルム表面上に樹脂層を形成する際に生じ得る、段ムラ、皺、配向ムラといった欠陥を効果的に抑制することができる。樹脂成分のTmが40℃未満であると、雰囲気温度(例えば室温程度)において、樹脂組成物中で樹脂成分が液体ないし液体に近い状態となるため、樹脂組成物からなる塗布膜を乾燥して溶剤を揮発させた場合であっても、乾燥塗布膜(樹脂層)を形成しにくく、その結果、段ムラ、皺、配向ムラといった欠陥が生じ易くなる。一方、Tmが200℃を超えるような樹脂成分では、後記するように乾燥工程での乾燥温度を考慮すると第一フィルム等の他の部材の耐熱性を考慮しければならず、材料選択を狭めてしまう。樹脂成分のTmの下限値は45℃が好ましく、上限値は第一フィルムを構成する材料の融点よりも50℃低い温度が好ましい。
樹脂成分のTmは、樹脂成分の種類により調整することもでき、また、複数種の樹脂成分を含む場合には、各成分の配合量の割合によっても調整することができる。例えば、樹脂成分が融点の高い成分と融点の低い成分とを含む場合には、両者の配合割合により、樹脂成分のTmが上記した範囲内となるように調整することができる。
<第一のフィルム>
樹脂組成物の塗布工程に使用される第一のフィルムは、樹脂組成物を塗布する基材であり、塗布された樹脂組成物(塗布膜)を支持するものである。樹脂層を形成した後は、第一フィルムは樹脂層から剥離してもよい。第一のフィルムは、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコン、シリコンカーバイド、窒化ガリウム、サファイア、セラミックス、ガラス、ガラスエポキシ樹脂、ガラスポリイミド、紙フェノール、ダイアモンドライクカーボン、アルミナ、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維等の合成繊維、カーボンファイバー等の無機繊維、セルロースナノファイバー等の天然繊維等が挙げられる。これらの第一のフィルムは、絶縁性のものが好ましく、多孔質のものを用いることができる。また、第一のフィルムは単一材料からなるものであってもよく、複数材料を積層したものであってもよい。
また、第一のフィルムとしては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維等の合成繊維、綿、麻等の天然繊維等からなる基材を用いることもできる。前記繊維には、予め加工が施されていてもよい。
特に、後記するように、第一のフィルムと、前記第一フィルムの少なくとも一方面に設けられた樹脂層とを備えた積層体をドライフィルムとして使用する場合は、第一のフィルムとしては、一般に、電気回路等の導電性パターンを形成する際の第一のフィルムとして使用されることの多い、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ガラス、セルロースナノファイバー等からなる第一のフィルムが好ましい。
第一のフィルムは、上記のなかでも、積層体に柔軟性を付与し、折り曲げ可能な最終製品を得るうえで可撓性樹脂材料からなることが好ましい。具体的には、一軸または二軸延伸等することによって形成されたフィルム状またはシート状の形態であることが好ましい。フィルム状またはシート状の第一のフィルムとしては、例えば、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。
第一のフィルムの厚さは特に限定されるものではないが、柔軟性や折り曲げ性を考慮すると、通常、1~1000μm程度であり、5~500μmであることがより好ましく、10~200μmであることがより好ましい。
第一のフィルムは、樹脂層の第一のフィルムと接する側の表面に所定の表面形態を賦型する役割を有していてもよい。第一のフィルムの少なくとも一方の面(樹脂層と接する側の面)の表面形態が樹脂層に賦形されるため、第一のフィルムの表面形態を適宜調整することにより、所望の表面形態を有する樹脂層を得ることができる。例えば、第一のフィルムに使用する可撓性樹脂材料を成膜する際の樹脂中にフィラーを添加(練り込み処理)したり、マットコーティング(コーティング処理)したり、フィルム表面をサンドブラスト処理のようなブラスト処理をしたり、あるいはヘアライン加工、またはケミカルエッチング等の処理を施したものであってもよい。これらのなかでも、コーティング処理したものを好適に使用することができる。例えば、支持フィルム上に粒子を含有する中間層を備えた第一のフィルムを使用することができる。粒子を含有する中間層は、単層に限られず、2層以上の複数層として積層されていてもよい。
第一のフィルムの樹脂組成物を塗布する面には、離型処理が施されていてもよい。例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂等の離型剤を適当な溶剤に溶解または分散して調製した塗工液を、公知の塗布手段により、第一のフィルム表面に塗布、乾燥することにより、離型処理を施すことができる。
<溶剤>
本発明に用いる樹脂組成物は溶剤を含む。樹脂組成物が溶剤を含むことで、第一のフィルムへの塗布時に塗工しやすい粘度とすることができる。使用できる溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン、γ-ブチロラクトン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の溶剤を使用できる。これらの溶剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物中に含まれる溶剤の量は、特に制限されるものではなく、塗工方法に応じて適切な粘度となるように調整されるが、概ね固形分が10~90質量%となるように調整されることが好ましく、20~80質量%となるように調整されることがより好ましい。
<その他の成分>
樹脂組成物は、上記した成分以外にも必要に応じて、エラストマー、メルカプト化合物、ウレタン化触媒、チキソ化剤、密着促進剤、ブロック共重合体、連鎖移動剤、重合禁止剤、銅害防止剤、酸化防止剤、防錆剤、有機ベントナイト等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤およびレベリング剤の少なくともいずれか1種、フォスフィン酸塩、燐酸エステル誘導体、フォスファゼン化合物等のリン化合物等の難燃剤などの成分を配合することができる。
第一のフィルム表面に樹脂組成物を塗布する方法は、特に制限なく従来公知の塗布法を適用することができ、例えば、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スロットダイコーター、スプレーコーター等が挙げられる。これらの中でもグラビアコーター、スロットダイコーターを好適に適用することができる。
樹脂組成物の塗布量は、形成する樹脂層の用途にもよるが、塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、1~500μm、好ましくは1~250μmの範囲で適宜選択される。
[樹脂層形成工程]
次に、上記のようにして樹脂組成物を第一のフィルム表面に塗布した後、乾燥させて樹脂層を形成する。本発明による方法は、塗布膜の乾燥を、融解開始温度(Tm)~Tm+50℃の温度範囲にて実施する。このような温度で塗布膜を乾燥させることにより、段ムラ、皺、配向ムラといった欠陥が抑制された高品質の樹脂層を得ることができる。この理由は明らかではないが以下のように推察できる。即ち、乾燥工程において溶剤が揮発するに従い樹脂成分濃度(固形分濃度)が高くなるが、乾燥温度がTmよりも低いと、樹脂成分が融解ないし半融解した状態とならないため、塗布膜中での樹脂成分の対流が生じず、第一フィルムと塗布膜との界面付近に存在する溶剤が揮発しにくくなる。その結果、塗布膜の厚さが異なる箇所では、乾燥後に残存する溶媒成分の量に差異が生じ、結果として得られる樹脂層の品質に影響を与えてしまう。一方、乾燥をTm+50℃よりも高い温度で実施すると、溶剤は短時間で揮発するとともに、樹脂成分が融解した状態(液状)であるため、乾燥後に樹脂成分が固化する際の体積変化の影響を受け、形成された樹脂層表面の平滑性が損なわれ、段ムラ、皺、配向ムラといった欠陥が生じる場合がある。これに対して、乾燥をTm~Tm+50℃の温度範囲で実施することで、乾燥時に樹脂成分が半溶融状態(固体と液体とが存在する状態)となり、塗布膜がレベリング(平滑化)されながら樹脂層が形成されるものと考えられる。また、室温まで冷却されても過度な体積変化が生じにくいため、平滑化された樹脂層表面にムラが生じにくくなる。本発明において、好ましい乾燥温度は、Tm~Tm+20℃であり、より好ましくはTm~Tm+15℃である。
乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより基材に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
乾燥時間は、特に制限されるものではなく、樹脂層中の溶剤の残存量が5%以下となるまで実施することが好ましく、樹脂組成物中に含まれる溶剤の割合、塗布膜の厚さ、乾燥温度等を考慮して適宜調整することができる。生産性等を考慮すると概ね10秒~20分間であり、好ましくは10秒~2分間程度である。
<ドライフィルムの製造方法>
上記のようにして第一のフィルムの表面上に樹脂層を形成することができ、このようにして得られた第一フィルムの少なくとも一方面に樹脂層が形成された積層体をドライフィルムとして使用することができる。なお、本明細書において「ドライフィルム」とは、第一のフィルムと、前記第一のフィルムの少なくとも一方の面に設けられた樹脂層とを少なくとも備えるものをいい、他の層が含まれるものを排除するものではない。例えば、第一のフィルムと樹脂層との間に中間層等が設けられてもよいし、樹脂層の表面に第二のフィルムが設けられていてもよい。
上記した積層体をドライフィルムとして使用する場合、ドライフィルムの製造において、樹脂組成物の樹脂層を形成した後、さらに、樹脂層の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、樹脂層の表面に剥離可能な第二のフィルムを設けてもよい。なお、本発明における第二のフィルムとは、基材等の被着体にドライフィルムをラミネートして一体成形する際、ラミネート前に樹脂層から剥離するものをいう。
樹脂層から剥離可能な第二のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、第二のフィルムを剥離するときに樹脂層と第一のフィルムとの接着力よりも樹脂層と第二のフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
第二のフィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、10μm~150μmとすることができる。
[樹脂層の用途]
上記のようにして製造されたドライフィルムを用いて樹脂層や樹脂フィルムを製造することができる。本発明においては、上記の方法により得られたドライフィルムの樹脂層を、回路基板等の被着体にラミネートし樹脂層を硬化させ、その後、樹脂層から第一のフィルムを剥離することにより、被着体表面に樹脂層を設けることができる。例えば、回路基板にドライフィルムを適用することにより、層間絶縁膜やソルダーレジスト層を簡易かつ容易に形成することができる。樹脂層の樹脂成分として熱可塑性樹脂を用いている場合は、室温にて樹脂層は硬化しているため、樹脂層を硬化させる工程が必要でないことはいうまでもない。樹脂成分として、光硬化性または熱硬化性樹脂を用いている場合は、所望の方法により樹脂層を硬化させてフィルム化する。また、硬化した樹脂層を第一のフィルムから剥離することにより、樹脂フィルムを得ることができる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
<樹脂組成物の調製>
溶剤として、メチルエチルケトン(MEK)およびジプロピレングリコールメチルエーテル(DPM)の混合溶剤(MEK:DPM=3:1)に、樹脂成分として、エポキシ樹脂(EPON SU-8、レゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ社製)100質量部、光カチオン重合開始剤(CPI-210S、サンアプロ株式会社製)5質量部、およびシランカップリング剤([3-(2,2-エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシラン)2質量部を溶解させ、固形分濃度が60%の樹脂組成物を調製した。
上記した樹脂組成物の樹脂成分を、自動融点測定装置(MP80、メトラートレド株式会社製)を用いて、JIS K 0064:1992に準拠して2℃/分の昇温速度条件にて融点測定を行い、光透過率が5%になったときの温度を測定した。同様の操作を3回繰り返し、測定温度の平均値を融解開始温度(Tm)とした。
<樹脂層の形成>
第一のフィルムである厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(セラピール HP2、東レ株式会社製)の表面に、スロットダイコーターを用いて樹脂組成物を塗布し、乾燥炉にて樹脂層中の溶剤の残存量が5%以下となるまで乾燥を行うことにより、乾燥後の厚さが20μmである樹脂層を形成した。
<樹脂層の表面状態観察>
上記のようにして得られた積層体(第一のフィルム上に樹脂層が形成されたもの)について、長さ100mにわたって樹脂層表面の欠陥(段ムラ、皺、配向ムラ)の有無について目視により確認し、下記基準により表面状態の評価を行った。
◎:欠陥の数が0~1個/100m
〇:欠陥の数が2~5個/100m
×:欠陥の数が6個超/100m
評価結果は下記表1に示すとおりであった。
<収縮性評価>
第一のフィルム幅方向の塗布膜長さをL(mm)とし、乾燥後の樹脂層長さをL(mm)とした時の、L-Lの値を算出した。乾燥前後での樹脂層の収縮性を下記基準により評価した。
○:0~0.99mm
△:1~4.99mm
×:5mm以上
評価結果は下記表1に示すとおりであった。
Figure 2023095244000001
表1からも明らかなように、Tmが40~200℃の範囲にある樹脂成分を用いて乾燥をTm(℃)~Tm+50℃の範囲で実施すると(実施例1~3)、樹脂層表面に欠陥がなく、収縮ムラの抑制されたドライフィルムが得られることがわかる。特に、乾燥をTm(℃)~Tm+20℃の範囲で実施すると(実施例3)、樹脂層表面品質が向上することがわかる。
一方、Tmが40~200℃の範囲にある樹脂成分を用いた場合であっても、乾燥をTm+50℃超の温度で実施すると(比較例1)、樹脂層表面に欠陥が生じ、また収縮ムラも生じることがわかる。

Claims (4)

  1. 第一のフィルムの少なくとも一方の面に樹脂層を形成する方法であって、
    樹脂成分と溶剤とを含んでなる樹脂組成物を、前記第一のフィルム表面に塗布し、
    塗布された前記樹脂組成物を乾燥させて樹脂層を形成する、
    ことを含み、
    前記樹脂成分の融解開始温度(Tm)は40~200℃であり、
    前記乾燥を、Tm(℃)~Tm+50℃の温度範囲にて実施することを特徴とする、樹脂層の形成方法。
  2. 前記乾燥を、Tm(℃)~Tm+20℃の温度範囲にて実施する、請求項1に記載の方法。
  3. 第一のフィルムと、前記第一のフィルムの少なくとも一方の面に樹脂層を備えたドライフィルムを製造する方法であって、前記樹脂層を、請求項1または2に記載の方法により形成する、ドライフィルムの製造方法。
  4. 前記樹脂層を形成後、前記樹脂層表面に第二のフィルムを設ける、請求項3に記載の方法。
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