JP6311759B2 - 保護フィルム付き接着シート、積層体の製造方法、及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

保護フィルム付き接着シート、積層体の製造方法、及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、保護フィルム付き接着シート、積層体の製造方法、及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板の製造技術として、絶縁層と導体層を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。ビルドアップ方式による製造方法において、絶縁層は、例えば、保護フィルム/樹脂組成物層/支持体の層構成を有する保護フィルム付き接着シートを用いて樹脂組成物層を回路基板上に積層した後、樹脂組成物層を硬化させることにより形成することができる(特許文献1)。
配線密度の更なる向上が求められる中で、プリント配線板のビルドアップによる積層数は増加する傾向にあるが、積層数の増加に伴って絶縁層と導体層との熱膨張の差によるクラックや回路歪みの発生が問題となる。斯かるクラックや回路歪みの問題を抑制する技術として、例えば、接着シートの樹脂組成物層における無機充填材の含有量を高めることによって、形成される絶縁層の熱膨張率を低く抑える技術が提案されている(特許文献2)。
特開平11−87927号公報 特開2010−202865号公報
保護フィルム付き接着シートを用いてプリント配線板の絶縁層を効率よく形成する方法として、オートカッター装置と真空ラミネート装置により連続的に絶縁層を形成する方法が提案されている。この方法においては、真空ラミネート装置におけるラミネート処理に先立ち、まずオートカッター装置において、接着シートが回路基板上に仮付される。詳細には、オートカッター装置に設置されたロール状に巻き取られた保護フィルム付き接着シートから回路基板へと保護フィルム付き接着シートを搬送しつつ、その搬送途中において保護フィルムが剥離される。保護フィルムが剥離された接着シートは、その露出した樹脂組成物層側が回路基板と接合するように回路基板上に部分的に加熱圧着される。次いで、回路基板のサイズに応じて接着シートがカットされ、接着シートが回路基板に仮付される。
オートカッター装置と真空ラミネート装置を用いて絶縁層を形成する上記の方法は、絶縁層を連続的かつ正確に形成することができ、本来的にはプリント配線板の生産速度に著しく寄与するものである。しかしながら本発明者らは、斯かる方法に、無機充填材含有量の高い樹脂組成物層を有する接着シートを使用すると、オートカッター装置において保護フィルムを剥離する際に、樹脂組成物層の一部までもが保護フィルムと共に剥離除去されてしまう現象(以下、「樹脂剥がれ」ともいう。)が起こる場合があることを確認した。特に、この樹脂剥がれの現象は、オートカッター装置における接着シートの搬送速度が高くなるにつれて顕著となることを確認した。このように、無機充填材含有量の高い樹脂組成物層を有する接着シートを使用して熱膨張率の低い絶縁層を形成する場合、オートカッター装置を用いる利点(すなわち、プリント配線板の生産速度に寄与)が減殺されていた。
本発明は、無機充填材含有量の高い樹脂組成物層を有すると共に、オートカッター装置における保護フィルム剥離時に樹脂剥がれを生じない保護フィルム付き接着シートを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題につき鋭意検討した結果、樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度と、樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度との差が特定の範囲にある保護フィルム付き接着シートが、樹脂組成物中の無機充填材の含有量が高い場合にも、オートカッター装置における保護フィルム剥離時に樹脂剥がれを生じないことを見出した。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含む保護フィルム付き接着シートであって、
樹脂組成物層が無機充填材及び熱硬化性樹脂を含み、
樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、60質量%以上であり、
樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)と、樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)とが、S−S≧0.0020[kgf/cm]を満たす、保護フィルム付き接着シート。
[2] Sが0.0080kgf/cm以下である、[1]に記載の保護フィルム付き接着シート。
[3] [(樹脂組成物層の最低溶融粘度温度)−10℃]以下の温度条件下で、樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設けて得られる、[1]又は[2]に記載の保護フィルム付き接着シート。
[4] 支持体及び保護フィルムのそれぞれの厚みが5μm〜75μmであり、保護フィルムが支持体よりも薄い、[1]〜[3]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[5] 支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムである、[1]〜[4]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[6] 支持体が、樹脂組成物層と接合している側の表面に離型層を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[7] 離型層が、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂及びウレタン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤を含む、[6]に記載の保護フィルム付き接着シート。
[8] 保護フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される1種以上の材料を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[9] プリント配線板のビルドアップ層用保護フィルム付き接着シートである、[1]〜[8]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[10] [1]〜[9]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シートがロール状に巻き取られたロール状保護フィルム付き接着シート。
[11] S及びSが長手方向の剥離強度である、[10]に記載のロール状保護フィルム付き接着シート。
[12] 下記工程(a−1)乃至(a−4)を含む、カットされた接着シートが回路基板の表面に設けられた積層体の製造方法。
(a−1)[10]又は[11]に記載のロール状保護フィルム付き接着シートから保護フィルム付き接着シートを搬送しながら、保護フィルムを剥離する工程、
(a−2)樹脂組成物層が露出した接着シートを、樹脂組成物層が回路基板と接合するように配置する工程、
(a−3)接着シートの一部を支持体側から加熱及び加圧することで部分的に接着シートを回路基板に接着する工程、及び
(a−4)接着シートを回路基板のサイズに応じてカッターでカットすることにより、カットされた接着シートを回路基板の表面に設ける工程
[13] 工程(a−1)における搬送速度が1m/分〜20m/分である、[12]に記載の方法。
[14] 下記工程(b−1)及び(b−2)を含む、プリント配線板の製造方法。
(b−1)[12]又は[13]の方法で製造された積層体を加熱及び加圧し、回路基板に接着シートをラミネート処理する工程、及び
(b−2)樹脂組成物層を熱硬化し、絶縁層を形成する工程
本発明によれば、無機充填材含有量の高い樹脂組成物層を有すると共に、オートカッター装置における保護フィルム剥離時に樹脂剥がれを生じない保護フィルム付き接着シートを提供することができる。これにより、回路歪みの問題を生じないプリント配線板を高い生産速度にて製造することが可能となる。
図1は、本発明の保護フィルム付き接着シートの概略端面図である。 図2は、オートカッター装置による回路基板への接着シートの仮付けを模式的に示す図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
[保護フィルム付き接着シート]
本発明の保護フィルム付き接着シートは、支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含み、樹脂組成物層が無機充填材及び熱硬化性樹脂を含み、樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、60質量%以上であり、樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)と、樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)とが、S−S≧0.0020[kgf/cm]を満たすことを特徴とする。
図1に、本発明の保護フィルム付き接着シートの概略端面図を示す。本発明の保護フィルム付き接着シート1は、支持体2及び該支持体と接合している樹脂組成物層3からなる接着シート4と、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルム5とを含む。
<樹脂組成物層>
本発明の保護フィルム付き接着シートにおいて、樹脂組成物層は、該樹脂組成物層の熱硬化により得られる絶縁層の熱膨張率を低く抑えるために、高い含有量にて無機充填材を含む。詳細には、樹脂組成物層中の無機充填材の含有量は、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、60質量%以上である。絶縁層の熱膨張率を十分に低下させる観点から、樹脂組成物層中の無機充填材の含有量は、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、65質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)と、樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)との差(S−S)を特定範囲とする本発明によれば、無機充填材含有量の高い樹脂組成物層を使用してもオートカッター装置における保護フィルム剥離時に樹脂剥がれは生じ難い。よって、本発明の保護フィルム付き接着シートにおいては、樹脂剥がれの問題を生ずることなく、樹脂組成物層中の無機充填材の含有量を更に高めることができる。例えば、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、樹脂組成物層中の無機充填材の含有量は、72質量%以上、74質量%以上、76質量%以上、78質量%以上、80質量%以上、82質量%以上、又は84質量%以上にまで高めてよい。
樹脂組成物層中の無機充填材の含有量の上限は、樹脂組成物層の熱硬化により得られる絶縁層の機械強度の観点から、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、及びジルコン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等のシリカが特に好適である。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
無機充填材の平均粒径は、樹脂ワニスの粘度調整を可能とし、微細配線形成にも優れるという点で、0.01μm〜2μmの範囲が好ましく、0.05μm〜1.5μmの範囲がより好ましく、0.1μm〜1μmが更に好ましく、0.15μm〜0.7μmが特に好ましい。無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、株式会社堀場製作所製LA−500等を使用することができる。
無機充填材は、耐湿性向上のため、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤などの1種又は2種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
また、表面処理剤による表面処理の程度は、溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後の無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量をもって定量化できる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所製「EMIA−320V」等を使用することができる。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度及び樹脂組成物層の溶融粘度の上昇を抑える観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
本発明の保護フィルム付き接着シートにおいて、樹脂組成物層は、無機充填材に加えて、熱硬化性樹脂を少なくとも含む。熱硬化性樹脂としては、絶縁層形成用の接着シートにおいて用いられる従来公知の熱硬化性樹脂を用いることができ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。樹脂組成物層はさらに、必要に応じて、熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤及びゴム粒子等の添加剤を含んでいてもよい。
以下、樹脂組成物層の材料として使用し得るエポキシ樹脂、硬化剤、及び添加剤について説明する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂及びトリメチロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるのが好ましい。中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」という。)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下、「固体状エポキシ樹脂」という。)とを含むことが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有する樹脂組成物層が得られる。このため、該樹脂組成物層を用いて形成される保護フィルム付き接着シートは、取扱い性に優れる。また、樹脂組成物層を硬化して形成される絶縁層の破断強度も向上する。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、又はナフタレン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP4032D」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「EXA4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、新日鐵化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、又はナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が好ましく、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、又はナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がより好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP−4700」(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、「EXA7310」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、「EXA7311−G3」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN−502H」(トリスフェノールエポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラックエポキシ樹脂)、「NC3000H」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「NC3000」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「NC3000L」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、東都化成(株)製の「ESN475」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:5の範囲が好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比を斯かる範囲とすることにより、i)接着シートの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)接着シートの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)樹脂組成物の硬化物において十分な破断強度を得ることができるなどの効果が得られる。上記i)〜iii)の効果の観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂の量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.5〜1:4の範囲がより好ましい。
エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物層中の不揮発成分100質量%に対して、3質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜25質量%がより好ましく、8質量%〜20質量%が更に好ましく、10質量%〜20質量%が特に好ましい。
(硬化剤)
硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されないが、例えば、フェノール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ビフェニル型硬化剤、ナフタレン型硬化剤、フェノールノボラック型硬化剤、ナフチレンエーテル型硬化剤、含窒素フェノール系硬化剤が好ましい。また、導体層との密着性(剥離強度)の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び導体層との密着性(剥離強度)を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂を硬化剤として用いることが好ましい。
フェノール系硬化剤の具体例としては、例えば、ビフェニル型硬化剤のMEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(明和化成(株)製)、ナフタレン型硬化剤のNHN、CBN、GPH(日本化薬(株)製)、SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495、SN375、SN395(新日鐵化学(株)製)、EXB9500(DIC(株)製)、フェノールノボラック型硬化剤のTD2090(DIC(株)製)、ナフチレンエーテル型硬化剤のEXB−6000(DIC(株)製)、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤のLA3018、LA7052、LA7054、LA1356(DIC(株)製)等が挙げられる。
導体層との密着性(剥離強度)の観点から、活性エステル系硬化剤も好ましい。硬化剤として活性エステル系硬化剤を用いると、該絶縁層表面に十分な剥離強度を呈する導体層をもたらすことができる。活性エステル系硬化剤の具体例としては、DIC(株)製の「EXB−9460」、「HPC−8000」、三菱化学(株)製の「DC808」、「YLH1030」等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」等が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2〜1:2の範囲が好ましく、1:0.5〜1:1.5の範囲がより好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。エポキシ樹脂と硬化剤との量比を斯かる範囲とすることにより、樹脂組成物の硬化物の耐熱性が向上する。
一実施形態において、本発明の保護フィルム付き接着シートに含まれる樹脂組成物層は、上述の無機充填材、エポキシ樹脂、及び硬化剤を含む。樹脂組成物層に対する支持体及び保護フィルムの剥離強度(S及びS)が所望の範囲にある保護フィルム付き接着シートを製造する観点から、樹脂組成物層は、無機充填材としてシリカを、エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は1:0.1〜1:5、好ましくは1:0.5〜1:4)を、硬化剤として含窒素フェノール系硬化剤(好ましくはトリアジン骨格含有フェノール系硬化剤)及び活性エステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上を、それぞれ含むことが好ましい。斯かる特定の成分を組み合わせて含む樹脂組成物層に関しても、無機充填材、エポキシ樹脂、及び硬化剤の好適な含有量は上述のとおりであるが、中でも、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、無機充填材の含有量が60質量%〜95質量%、エポキシ樹脂の含有量が3質量%〜30質量%であることが好ましく、無機充填材の含有量が60質量%〜90質量%、エポキシ樹脂の含有量が5質量%〜25質量%であることがより好ましい。硬化剤の含有量については、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数と、硬化剤の反応基の合計数との比が、1:0.2〜1:2になるように含有させることが好ましく、1:0.5〜1:1.5になるように含有させることがより好ましい。
樹脂組成物層は、必要に応じて、さらに熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤及びゴム粒子等の添加剤を含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、及びポリスルホン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜70,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲が更に好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、東都化成(株)製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学(株)製の「YL7553」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製の電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化(株)製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のもの)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等に記載のもの)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績(株)製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業(株)製のポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学(株)製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物層中の不揮発成分100質量%に対して、0.1質量%〜10質量%であることが好ましい。熱可塑性樹脂の含有量を斯かる範囲とすることにより、樹脂組成物の粘度が適度となり、厚みや性状の均一な樹脂組成物層を形成することができると共に、後述するプリント配線板の製造時に基板上への配線パターンの埋め込みが容易となる。熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物層中の不揮発成分100質量%に対して、0.5質量%〜5質量%であることがより好ましい。
硬化促進剤としては、例えば、有機ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、アミンアダクト化合物、及び3級アミン化合物などが挙げられる。硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂と硬化剤の不揮発成分合計量を100質量%としたとき、0.05質量%〜3質量%の範囲で使用することが好ましい。硬化促進剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。樹脂組成物層中の難燃剤の含有量は特に限定はされないが、樹脂組成物層中の不揮発成分100質量%に対して、0.5質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜9質量%がより好ましく、1.3質量%〜8質量%が更に好ましい。
ゴム粒子としては、例えば、樹脂組成物層を形成する際に使用する有機溶剤に溶解せず、上述のエポキシ樹脂、硬化剤、及び熱可塑性樹脂などとも相溶しないものが使用される。このようなゴム粒子は、一般には、ゴム成分の分子量を有機溶剤や樹脂に溶解しないレベルまで大きくし、粒子状とすることで調製される。
ゴム粒子としては、例えば、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、又は外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メチルメタクリレート重合物などで構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)などで構成される。ゴム粒子は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
ゴム粒子の平均粒径は、好ましくは0.005μm〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.2μm〜0.6μmの範囲である。ゴム粒子の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤にゴム粒子を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(FPAR−1000;大塚電子(株)製)を用いて、ゴム粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。ゴム粒子の含有量は、樹脂組成物層中の不揮発成分100質量%に対し、好ましくは1質量%〜10質量%であり、より好ましくは2質量%〜5質量%である。
本発明の保護フィルム付き接着シートに含まれる樹脂組成物層は、必要に応じて、他の添加剤を含んでいてもよく、斯かる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに有機フィラー、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、着色剤及び硬化性樹脂等の樹脂添加剤等が挙げられる。
樹脂組成物層の厚みは、3μm〜100μmが好ましく、5μm〜80μmがより好ましく、20μm〜60μmが更に好ましい。
<支持体>
支持体としては、プラスチック材料からなるフィルムが好適に用いられる。プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下、「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下、「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。好適な一実施形態において、支持体は、ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
支持体は、樹脂組成物層と接合する側の表面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。また、接着シートを回路基板にラミネート処理した後に支持体を剥離可能とするため、支持体としては、樹脂組成物層と接合する側の表面に離型層を有する離型層付き支持体を使用するのが好ましい。
離型層付き支持体を用いる場合、オートカッター装置において、保護フィルム付き接着シートを搬送する過程で、支持体と樹脂組成物層との間に剥離(浮き)が起こり易くなる。剥離が発生した場合、オートカッター装置における保護フィルム剥離時に樹脂剥がれの問題が発生し易くなるなどの不具合を生じる。このような支持体と樹脂組成物層との間の剥離を抑制するためには、保護フィルム付き接着シートにおける樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)は、好ましくは0.0055kgf/cm以上、より好ましくは0.0060kgf/cm以上、さらに好ましくは0.0065kgf/cm以上、特に好ましくは0.0070kgf/cm以上、0.0080kgf/cm以上、0.0090kgf/cm以上、0.0100kgf/cm以上、0.0110kgf/cm以上、0.0120kgf/cm以上、0.0130kgf/cm以上、又は0.0140kgf/cm以上である。かかる剥離強度の上限は特に設定されず、接着シートを回路基板にラミネート処理した後に支持体が剥離可能であればよく、一般的には0.2kgf/cm以下の範囲に収まることとなる。なお本発明において、樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)とは、支持体を樹脂組成物層に対して垂直方向(90度方向)に引き剥がしたときの剥離強度(90度ピール強度)をいう。樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)は、支持体を樹脂組成物層に対して垂直方向(90度方向)に引き剥がしたときの剥離強度を引っ張り試験機で測定することにより求めることができる。引っ張り試験機としては、例えば(株)TSE製のAC−50C−SL等が挙げられる。本発明におけるSの値は、実施例記載の方法に従って測定した値である。
離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、接着シートを回路基板にラミネート処理した後に支持体を剥離可能にし、かつ、保護フィルム付き接着シートにおける樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)が上記好ましいとなるようなものであれば特に限定はされない。好適な離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。なお、離型層に汎用されるシリコーン系離型剤は、一般に離型性に優れており、これを主成分とする離型層を使用した場合、保護フィルム付き接着シートにおける樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)を上記好ましい範囲とするのが困難な場合がある。ただし、メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース誘導体やアルキド樹脂等を配合することにより、シリコーン系離型剤の離型性を調整することができるため、かかる離型性の調整によって、支持体の剥離強度(S)を上記好ましい範囲とし得る離型層を調製してもよい。
なお、離型層付き支持体における離型層の厚みは、通常、0.01μm〜1μm程度であり、好ましくは0.01μm〜0.2μmである。
本発明において、離型層付き支持体は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」などが挙げられる。
上記剥離強度(S)は支持体の厚みが大きいほど増大する傾向にある。しかしながら、支持体の厚みが大きすぎると、オートカッター装置においてバキューム吸着による搬送が困難となるなど、連続生産が困難となる傾向にある。また、支持体の厚みが小さすぎると、剥離強度が小さくなりすぎる傾向にあり、また回路基板の表面に仮付けされた接着シートがロール状に巻かれる(カールする)現象が起こるなど、連続生産が困難となる傾向にある。従って、本発明において、支持体の厚みは、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましく、20μm〜50μmの範囲がさらに好ましく、20μm〜45μmの範囲がさらにより好ましく、23μm〜40μmの範囲が特に好ましい。なお、本発明における支持体の厚みは、支持体が離型層付き支持体である場合、離型層付き支持体全体の厚みである。
<保護フィルム>
保護フィルムは、オートカッター装置に接着シートをセットする際に樹脂組成物層表面を物理的ダメージから守り、またゴミ等の異物付着を防止するなどの利点がある。保護フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、PET、PEN等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド等が挙げられる。好適な一実施形態において、保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される1種以上の材料を含む。
保護フィルムは、支持体と同様に、樹脂組成物層と接合する側の表面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。また、保護フィルムは、樹脂組成物層と接合する側の表面に離型層を有していてもよい。樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)は、剥離強度Sとの関係でS−S≧0.0020[kgf/cm]を満たす限り特に限定されないが、実用的な観点から、0.0080kgf/cm以下が好ましく、0.0070kgf/cm以下がより好ましく、0.0060kgf/cm以下がさらに好ましく、0.0050kgf/cm以下がよりさらに好ましく、0.0040kgf/cm以下が特に好ましい。かかる剥離強度の下限は特に設定されず、接着シートを保護するために密着しさえすればよく、一般的には0.0010kgf/cm以上の範囲に収まることとなる。なお本発明において、樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)とは、保護フィルムを樹脂組成物層に対して垂直方向(90度方向)に引き剥がしたときの剥離強度(90度ピール強度)をいう。樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)は、保護フィルムを樹脂組成物層に対して垂直方向(90度方向)に引き剥がしたときの剥離強度を引っ張り試験機で測定することにより求めることができる。引っ張り試験機としては、Sの測定と同様に、例えば(株)TSE製のAC−50C−SL等が挙げられる。本発明におけるSの値は、実施例記載の方法に従って測定した値である。
保護フィルムの厚みは、5μm〜75μmの範囲が好ましく、5μm〜30μmの範囲がより好ましい。
本発明の保護フィルム付き接着シートにおいて、オートカッター装置における保護フィルム剥離時の樹脂剥がれを防止する観点から、樹脂組成物に対する支持体の剥離強度(S)と、樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)とは、S−S≧0.0020[kgf/cm]を満たすことが重要である。オートカッター装置における保護フィルム付き接着シートの搬送速度が高い条件下においても樹脂剥がれの問題を防止する観点から、樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)と、樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)とは、S−S≧0.0022[kgf/cm]を満たすことがより好ましく、S−S≧0.0025[kgf/cm]、S−S≧0.0030[kgf/cm]、S−S≧0.0035[kgf/cm]、S−S≧0.0040[kgf/cm]、S−S≧0.0045[kgf/cm]、S−S≧0.0050[kgf/cm]、S−S≧0.0055[kgf/cm]、又はS−S≧0.0060[kgf/cm]を満たすことがさらに好ましい。かかるS−Sの上限は特に設定されないが、一般的にはS−S≦0.20[kgf/cm]、S−S≦0.020[kgf/cm]などの範囲に収まることとなる。
本発明の保護フィルム付き接着シートにおいて、支持体及び保護フィルムのそれぞれの厚みは、上記のとおり5μm〜75μmの範囲であることが好ましい。樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)と樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)との差(S−S)を特定範囲とする観点から、保護フィルムは支持体よりも薄いことが好ましい。支持体の厚みをDとし、保護フィルムの厚みをDとするとき、D/Dの比は、1未満が好ましく、0.9以下がより好ましく、0.8以下がさらに好ましく、0.7以下が特に好ましい。
本発明の保護フィルム付き接着シートは、例えば、下記工程(1)及び(2)を含む製造方法により製造することができる。
(1)支持体と接合するように樹脂組成物層を設けて接着シートを形成する工程、
(2)上記(1)で得た接着シートの樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設ける工程
工程(1)において、樹脂組成物層は、公知の方法で、支持体と接合するように設けることができる。例えば、溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどの塗布装置を用いて支持体表面に塗布し、樹脂ワニスを乾燥させて樹脂組成物層を設けることができる。
樹脂ワニスの調製に用いる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。溶剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂ワニスの乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の乾燥方法により実施してよい。樹脂組成物層中に溶剤が多く残留すると、硬化後に膨れが発生する原因となるため、樹脂組成物中の残留溶剤量が通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。
樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)と樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)との差(S−S)を特定範囲とする観点から、樹脂組成物中の残留溶剤量が、より好ましくは0.2質量%〜5質量%の範囲、さらに好ましくは0.5質量%〜4.5質量%の範囲、特に好ましくは1.6質量%〜4.0質量%の範囲となるように乾燥させる。
樹脂ワニスの乾燥条件は、形成される樹脂組成物層の最低溶融粘度温度に影響を与える。樹脂組成物の配合組成にもよるが、一実施形態では、樹脂組成物層の最低溶融粘度温度が、好ましくは60℃〜170℃の範囲、より好ましくは70℃〜160℃の範囲、さらに好ましくは80℃〜150℃の範囲となるように乾燥させる。ここで、樹脂組成物層の「最低溶融粘度温度」とは、樹脂組成物層が最低溶融粘度を示すときの温度をいう。また、樹脂組成物層の「最低溶融粘度」とは、樹脂組成物層の樹脂が溶融した際に樹脂組成物層が呈する最低の粘度をいう。詳細には、一定の昇温速度で樹脂組成物層を加熱して樹脂を溶融させると、初期の段階は溶融粘度が温度上昇とともに低下し、その後、ある温度を超えると温度上昇とともに溶融粘度が上昇するが、「最低溶融粘度」とは、かかる極小点の溶融粘度をいう。樹脂組成物層の最低溶融粘度温度は、動的粘弾性法により測定することができる。具体的には、樹脂組成物層の最低溶融粘度温度は、測定開始温度60℃、昇温速度5℃/分及び振動数1Hz、ひずみ1degの条件で動的粘弾性測定を行うことにより得ることができる。動的粘弾性測定装置としては、例えば、(株)ユー・ビー・エム社製の「Rheosol−G3000」が挙げられる。
溶剤の種類及び樹脂組成物の配合組成にもよるが、好ましくは50℃〜150℃の温度にて3分〜10分の間、より好ましくは65℃〜140℃の温度にて3分〜10分の間、更に好ましくは70℃〜120℃の温度にて3分〜8分の間樹脂ワニスを乾燥させることにより樹脂組成物層を形成することができる。なお、上記の残留溶剤量及び/又は最低溶融粘度温度を達成し得る限りにおいて、上記範囲とは異なる乾燥温度、乾燥時間を採用してもよい。
工程(2)において、工程(1)で得た接着シートの樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設ける。
樹脂組成物層に対する支持体及び保護フィルムの剥離強度(S及びS)が所望の範囲にある保護フィルム付き接着シートが得られ易い観点から、工程(2)においては、ロールやプレス圧着等で保護フィルムを接着シートの樹脂組成物層にラミネート処理することが好ましい。
工程(2)におけるラミネート処理において、圧着圧力は、通常0.02kgf/cm〜11kgf/cm(0.196×10N/m〜107.9×10N/m)の範囲であり、好ましくは0.03kgf/cm〜5kgf/cm(0.294×10N/m〜78.4×10N/m)の範囲、より好ましくは0.04kgf/cm〜2kgf/cm(0.392×10N/m〜49×10N/m)の範囲である。
樹脂組成物層に対する支持体及び保護フィルムの剥離強度(S及びS)が所望の範囲にある保護フィルム付き接着シートを製造するにあたり、[樹脂組成物層の最低溶融粘度温度−10℃]以下の温度条件にて工程(2)を実施することが好ましい。支持体や保護フィルムと樹脂組成物層との十分な密着性を得ると共に、オートカッター装置における保護フィルム剥離時の樹脂剥がれを防止する観点から、工程(2)は、[樹脂組成物層の最低溶融粘度温度−20℃]以下の温度条件にて実施することがより好ましく、[樹脂組成物層の最低溶融粘度温度−80℃]〜[樹脂組成物層の最低溶融粘度温度−30℃]の範囲の温度条件にて実施することがさらに好ましく、[樹脂組成物層の最低溶融粘度温度−55℃]〜[樹脂組成物層の最低溶融粘度温度−30℃]の範囲の温度条件にて実施することが特に好ましい。
樹脂組成物層の組成にもよるが、樹脂組成物層に対する支持体及び保護フィルムの剥離強度(S及びS)が所望の範囲にある保護フィルム付き接着シートを製造する観点から、
工程(1)において、樹脂組成物中の残留溶剤量が0.2質量%〜5質量%の範囲及び樹脂組成物層の最低溶融粘度温度が60℃〜170℃の範囲となるように樹脂ワニスを乾燥して樹脂組成物層を形成し、かつ、工程(2)において、[樹脂組成物層の最低溶融粘度温度−80℃]〜[樹脂組成物層の最低溶融粘度温度−10℃]の範囲の温度にて、圧着圧力0.02kgf/cm〜11kgf/cm(0.196×10N/m〜107.9×10N/m)の範囲の条件で、樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設けることが好ましく、
工程(1)において、樹脂組成物中の残留溶剤量が0.5質量%〜4.5質量%の範囲及び樹脂組成物層の最低溶融粘度温度が70℃〜160℃の範囲となるように樹脂ワニスを乾燥して樹脂組成物層を形成し、かつ、工程(2)において、[樹脂組成物層の最低溶融粘度温度−55℃]〜[樹脂組成物層の最低溶融粘度温度−20℃]の範囲の温度にて、圧着圧力0.04kgf/cm〜2kgf/cm(0.392×10N/m〜49×10N/m)の範囲の条件で、樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設けることがより好ましい。
工程(2)の後、得られた保護フィルム付き接着シートをロール状に巻き取ることで、ロール状の保護フィルム付き接着シートを製造することができる。ロール状の保護フィルム付き接着シートは、後述する積層体及びプリント配線板の製造方法に用いることができる。なお、ロール状の保護フィルム付き接着シートにおいて、その長手方向が、後述する積層体及びプリント配線板の製造方法におけるMD方向に対応する。よって、ロール状の保護フィルム付き接着シートにおいて、少なくとも長手方向の剥離強度が、上記のS及びSの関係を満たすことが好ましい。
上記の保護フィルム付き接着シートの製造方法は、ロール状に巻き取られた支持体から支持体を連続的に搬送し、樹脂ワニスの塗布及び乾燥により支持体上に樹脂組成物層を形成した後、樹脂組成物層と接合するように保護フィルム(ロール状に巻き取られた保護フィルムを利用し得る)を設けることにより、連続的に実施することができる。
本発明の保護フィルム付き接着シートは、オートカッター装置における保護フィルム剥離時に樹脂剥がれを生じさせず、回路歪みの問題を生じないプリント配線板を高い生産速度にて製造することが可能となるため、プリント配線板のビルドアップ層用保護フィルム付き接着シートとして好適である。
[カットされた接着シートが回路基板の表面に設けられた積層体の製造方法]
本発明のロール状保護フィルム付き接着シートを用いて、カットされた接着シートが回路基板の表面に設けられた積層体(以下、単に「積層体」ともいう。)を連続的に製造することができる。
すなわち、本発明の積層体の製造方法は、下記工程(a−1)乃至(a−4)を含む。
(a−1)本発明のロール状保護フィルム付き接着シートから保護フィルム付き接着シートを搬送しながら、保護フィルムを剥離する工程、
(a−2)樹脂組成物層が露出した接着シートを、樹脂組成物層が回路基板と接合するように配置する工程、
(a−3)接着シートの一部を支持体側から加熱及び加圧することで部分的に接着シートを回路基板に接着する工程、及び
(a−4)接着シートを回路基板のサイズに応じてカッターでカットすることにより、カットされた接着シートを回路基板の表面に設ける工程
本発明の積層体の製造方法は、オートカッター装置を用いて実施することができる。以下、図2を参照しつつ、本発明の積層体の製造方法の一実施形態を説明する。
まず回路基板6の幅に予めスリットされたロール状保護フィルム付き接着シート11を、オートカッター装置10にセットする。図2においては、回路基板6の片面(図2において上面)に接着シート4を設ける態様を示し、回路基板6の上方に1本のロール状保護フィルム付き接着シート11がセットされている。以下においては、斯かる図2の記載に基づいて、回路基板6の片面に接着シート4を設ける態様について説明するが、回路基板6の下方にも1本のロール状保護フィルム付き接着シート11をさらにセットし、回路基板6の両面に接着シート4を設けてもよい。
工程(a−1)において、本発明のロール状保護フィルム付き接着シート11から保護フィルム付き接着シート1を搬送しながら、保護フィルム5を剥離する。
例えば、保護フィルム付き接着シート1が保護フィルム取り出し具13を通過する際に接着シート4から保護フィルム5を剥離することができる。剥離された保護フィルム5は保護フィルム巻き取りロール12により回収することができる。なお、保護フィルム取り出し具13の形状、機構は、本発明の保護フィルム付き接着シートを用いる限り特に限定されないが、一般的には円柱状、角柱状である。また、図2に示すように、保護フィルム付き接着シート1の搬送方向に対し略直角方向(すなわち、搬送方向に対し90±45度方向)に保護フィルム5を取り出すことができるような形状、機構であるとより容易に剥離することができる。好適な一実施形態において、保護フィルム取り出し具13は、保護フィルム取り出し角度が90±45度の角柱の形状を有する。
保護フィルム5が剥離されて樹脂組成物層が露出した接着シート4は、回路基板6へと搬送される。
工程(a−1)における保護フィルム付き接着シート11(あるいは接着シート4)の搬送速度は、本発明の保護フィルム付き接着シートを用いる限り特に限定されない。プリント配線板の生産速度の向上に寄与する観点から、上記搬送速度は1m/分以上であることが好ましい。
本発明の保護フィルム付き接着シートは、搬送速度が高い条件下でも保護フィルム剥離時の樹脂剥がれを生じない。よって、上記搬送速度は2m/分以上であってもよく、3m/分以上であってもよく、4m/分以上であってもよく、5m/分以上とすることもできる。
本発明において、工程(a−1)における保護フィルム付き接着シート11(あるいは接着シート4)の搬送速度は、後段のプロセス速度に応じて1m/分〜20m/分の範囲で所望の速度を選択することができる。このように本発明は、プリント配線板の生産速度に著しく寄与するものである。
なお、工程(a−1)における保護フィルム付き接着シート11(あるいは接着シート4)の搬送手段は特に限定されず、例えば、支持体側からバキューム吸着で吸い付けることにより接着シートを固定した後、機械的に行うことができる。
工程(a−2)において、樹脂組成物層が露出した接着シート4を、樹脂組成物層が回路基板6と接合するように配置する。例えば、コンベア装置15により搬送される回路基板6に対して、誘導ロール16及び17により接着シート4を位置合わせすることができる。
なお、本発明において、「回路基板」とは、主として、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成されたものをいう。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物の内層回路基板も本発明でいう「回路基板」に含まれる。
工程(a−3)において、接着シート4の一部を支持体側から加熱及び加圧することで部分的に接着シート4を回路基板6に接着する。
例えば、回路基板6の送り方向において前方の一部(図2において回路基板6の右側の一部)のうち、ラミネート処理を必要とする回路に重なっていない不要部分において、接着シート4の一部を接触式ヒーター装置18等により支持体側から加熱及び加圧することで、部分的に接着シート4を回路基板6に接着することができる。
樹脂組成物層に使用した樹脂組成物とその溶融粘度特性にもよるが、通常60℃〜130℃(好ましくは60℃〜120℃)の温度にて、1秒間〜20秒間(好ましくは5秒間〜15秒間)程度、部分的に接着シート4を回路基板6に圧着する。圧着時の圧力は、好ましくは0.02kgf/cm〜0.25kgf/cm(0.196N/m〜2.45N/m)の範囲、より好ましくは0.05kgf/cm〜0.20kgf/cm(0.49N/m〜1.96N/m)の範囲である。
工程(a−4)において、接着シート4を回路基板6のサイズに応じてカッター14でカットすることにより、カットされた接着シートを回路基板の表面に設ける。
カットする際、樹脂組成物の切りカス(レジンチップ)が発生するのを低減する目的で、40℃〜80℃の範囲で加温されたカッターバックアップヒーターが設置されていることが好ましい。
上記の工程(a−1)乃至(a−4)は全て、オートカッター装置内で連続的に実施することができる。市販されているオートカッター装置としては、例えば、伯東(株)製ドライフィルムラミネーターMachシリーズ、新栄機工(株)オートカッターFAC500、SAC−500/600などが挙げられる。
本発明の方法により製造される積層体は、カットされた接着シートが回路基板の表面に設けられた積層体であり、これは、カットされた接着シートが回路基板の表面に仮付けされた積層体である。
[プリント配線板の製造方法]
上記で得られた、カットされた接着シートが回路基板の表面に設けられた積層体を用いて、プリント配線板を製造することができる。
本発明のプリント配線板の製造方法は、下記工程(b−1)及び(b−2)を含む。
(b−1)本発明の方法で製造された積層体を加熱及び加圧し、回路基板に接着シートをラミネート処理する工程、及び
(b−2)樹脂組成物層を熱硬化し、絶縁層を形成する工程
工程(b−1)は、本発明の方法で製造された積層体を加熱及び加圧し、回路基板に接着シートをラミネート処理する工程である。かかる工程(b−1)において、接着シートの全体を回路基板の表面にラミネート処理する。
積層体の加熱及び加圧は、例えば、加熱されたSUS鏡板等の金属板を支持体側からプレスすることにより行うことができる。この場合、金属板を直接プレスするのではなく、回路基板の回路凹凸に接着シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスを行うのが好ましい。
プレス温度は、好ましくは70℃〜140℃の範囲であり、プレス圧力は好ましくは1kgf/cm〜11kgf/cm(9.8×10N/m〜107.9×10N/m)の範囲で行われる。
工程(b−1)において、好ましくは20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下で積層体を加熱及び加圧する。
ラミネート処理の後に、好ましくは、金属板による熱プレスにより、ラミネート処理された接着シートの平滑化処理を行う。該平滑化処理は、常圧下(大気圧下)で、加熱されたSUS鏡板等の金属板により、接着シートを加熱および加圧することにより行われる。加熱および加圧条件は、上記ラミネート処理と同様の条件とすることができる。
ラミネート処理(及び平滑化処理)は、市販されている真空ラミネーターによって連続的に行うことができる。市販されている真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製バキュームアップリケーター等が挙げられる。
ラミネート処理(及び平滑化処理)の後、支持体を剥離して樹脂組成物層を露出させる。あるいは、支持体の剥離は、工程(b−2)の後に実施してもよい。支持体の剥離は、手動で剥離してもよく、自動剥離装置により機械的に剥離してもよい。
工程(b−2)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。
工程(b−2)における樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、一般に硬化温度は170℃〜190℃の範囲、硬化時間は15分間〜60分間の範囲とすることができる。
本発明のプリント配線板の製造方法は、絶縁層に穴あけする穴あけ工程、該絶縁層を粗化処理する粗化工程、粗化された絶縁層表面にメッキにより導体層を形成するメッキ工程、及び導体層に回路を形成する回路形成工程をさらに含んでもよい。これらの工程は、当業者に公知である、プリント配線板の製造に用いられている各種方法に従って行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず各種測定方法・評価方法について説明する。
<剥離強度の測定>
(1)樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)の測定
実施例及び比較例で製造したロール状保護フィルム付き接着シートを、長手方向に縦長になるように幅30mm、長さ100mmにカットした後、保護フィルムを剥離して、測定試料を得た。得られた試料の樹脂組成物層側表面に幅25mm、長さ95mmの両面テープ(ニチバン株式会社製「ナイスタック」)を貼り付け、幅27mm、長さ100mmにカットした高級厚口用紙(株式会社ジツタ製「こな雪210(超厚)」)に接着した。支持体の一端を剥がしてつかみ具で掴み、室温(23℃)下、50mm/分の速度で垂直方向に支持体を30mmを引き剥がした時の荷重を測定し、剥離強度Sを求めた。測定には、引っ張り試験機((株)TSE製「AC−50C−SL」)を使用した。
(2)樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)の測定
実施例及び比較例で製造したロール状保護フィルム付き接着シートを、長手方向に縦長になるように、幅30mm、長さ100mmにカットし、測定試料を得た。得られた試料の支持体側表面に幅25mm、長さ95mmの両面テープ(ニチバン株式会社製「ナイスタック」)を貼り付け、幅27mm、長さ100mmにカットした高級厚口用紙(株式会社ジツタ製「こな雪210(超厚)」)に接着した。保護フィルムの一端を剥がしてつかみ具で掴み、室温(23℃)下、50mm/分の速度で垂直方向に保護フィルムを30mm引き剥がした時の荷重を測定し、剥離強度Sを求めた。測定には、引っ張り試験機((株)TSE製の「AC−50C−SL」)を使用した。
<オートカッター装置における保護フィルム剥離時の樹脂剥がれの評価>
実施例及び比較例で製造したロール状保護フィルム付き接着シートを、オートカッター装置(新栄機工(株)製、「SAC−500」)にセットした。本評価においては、回路基板の上下に1本ずつロール状保護フィルム付き接着シートをセットした。
ロール状保護フィルム付き接着シートから、搬送速度5m/分にて保護フィルム付き接着シートを搬送しながら、保護フィルムを剥離した。樹脂組成物層の露出した接着シートを、その樹脂組成物層が内層回路基板(510×340mmサイズ、0.6mm厚)と接合するように、内層回路基板の両面に、連続して30枚(片面当たり)、仮付けを行った(仮付け時の内層回路基板の搬送速度2m/分、仮付け温度100℃、仮付け時間10秒、仮付け圧力0.15kgf/cm)。
仮付け時の状態を観察し、下記評価基準に従って、保護フィルム剥離時の樹脂剥がれの評価を行った。
評価基準:
○:異常なし(樹脂剥がれなし)
×:樹脂剥がれあり
<樹脂組成物層の最低溶融粘度温度の測定>
実施例及び比較例で製造したロール状保護フィルム付き接着シートにおける樹脂組成物層の最低溶融粘度温度は、動的粘弾性測定装置((株)ユー・ビー・エム社製、「Rheosol−G3000」)を使用して測定した。試料樹脂組成物量1gについて、直径18mmのパラレルプレートを使用して、開始温度60℃から200℃まで昇温速度5℃/分にて昇温し、測定温度間隔2.5℃、振動数1Hz、ひずみ1degの条件にて最低溶融粘度時の温度を測定した。
<実施例1>
下記の方法に従ってロール状保護フィルム付き接着シートを製造した。
(樹脂ワニスの調製)
ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量144、DIC(株)製「EXA4032SS」)6質量部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、三菱化学(株)製「YX4000HK」)12質量部、及びビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量約290、日本化薬(株)製「NC3000H」)9質量部を、メチルエチルケトン(MEK)4質量部及びソルベントナフサ25質量部の混合溶剤に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、活性エステル硬化剤(活性基当量約223、DIC(株)製「EXB−9460S−65T」、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)45質量部、フェノキシ樹脂(重量平均分子量35000、三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEK溶液)5質量部、硬化促進剤として4−ジメチルアミノピリジンの5質量%のMEK溶液5質量部、及びフェニルアミノシラン(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理した球形シリカ((株)アドマテックス製「SC2500SQ」、平均粒子径0.5μm、単位面積当たりのカーボン量0.39mg/m)160質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを調製した。
(接着シートの調製)
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、リンテック(株)製、「AL5」)を用意した。上記で得た樹脂ワニスを、該支持体の離型層側表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃〜105℃(平均90℃)で4.5分間乾燥させて樹脂組成物層を形成した。樹脂組成物層は、厚み30μm、残留溶剤量2.5質量%、最低溶融粘度温度115℃であった。
(ロール状保護フィルム付き接着シートの製造)
上記で得た接着シートの樹脂組成物層側表面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製、「アルファンMA−411」の平滑面側、厚み15μm)を、常圧下、60℃、圧着圧力0.06kgf/cmにてラミネート処理し、保護フィルム付き接着シートを製造した。得られた保護フィルム付き接着シートをロール状に巻き取った(巻き取り長50m)。得られたロール状体を幅507mmにスリットして、ロール状保護フィルム付き接着シートを2本得た。
得られたロール状保護フィルム付き接着シートについて、樹脂組成物層に対する支持体及び保護フィルムの剥離強度(S及びS)を測定すると共に、オートカッター装置における保護フィルム剥離時の樹脂剥がれについて評価した。結果を表1に示す。
<実施例2>
保護フィルムとして、ポリプロピレンフィルムに代えてアルキド樹脂系離型層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm、リンテック(株)製、「AL5」)を使用した以外は実施例1と同様にして、ロール状保護フィルム付き接着シートを2本得た。
得られたロール状保護フィルム付き接着シートについて、樹脂組成物層に対する支持体及び保護フィルムの剥離強度(S及びS)を測定すると共に、オートカッター装置における保護フィルム剥離時の樹脂剥がれについて評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
下記の方法に従ってロール状保護フィルム付き接着シートを製造した。
(樹脂ワニスの調製)
ビスフェノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量約165、新日鐵化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1混合品)5部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量約190、三菱化学(株)製「YX4000HK」)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量約290、日本化薬(株)製「NC3000H」)10部、及びフェノキシ樹脂(重量平均分子量35000、三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEK溶液)10部を、ソルベントナフサ30部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、活性エステル化合物(活性基当量約223、DIC(株)製「HPC−8000−65T」、不揮発分65質量%のトルエン溶液)10部、トリアジン含有クレゾール系硬化剤(水酸基当量151、DIC(株)製「LA−3018−50P」、固形分50質量%のメトキシプロパノール溶液)10部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン、固形分2質量%のMEK溶液)3.5部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径2μm)2部、フェニルアミノシラン(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ((株)アドマテックス製「SOC1」、平均粒径0.24μm、単位面積当たりのカーボン量0.36mg/m)110部、を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを調製した。
(接着シートの調製)
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、リンテック(株)製、「AL5」)を用意した。上記で得た樹脂ワニスを、該支持体の離型層側表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃〜110℃(平均95℃)で4分間乾燥させて樹脂組成物層を形成した。樹脂組成物層は、厚み30μm、残留溶剤量2.9質量%、最低溶融粘度温度119℃であった。
(ロール状保護フィルム付き接着シートの製造)
上記で得た接着シートを用いて、実施例1と同様にして、ロール状保護フィルム付き接着シートを2本得た。
得られたロール状保護フィルム付き接着シートについて、樹脂組成物層に対する支持体及び保護フィルムの剥離強度(S及びS)を測定すると共に、オートカッター装置における保護フィルム剥離時の樹脂剥がれについて評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
樹脂ワニスの乾燥条件を80℃〜110℃(平均95℃)で5.5分間とし、厚み30μm、残留溶剤量1.5質量%、最低溶融粘度温度130℃の樹脂組成物層を得た点、並びに保護フィルムのラミネート処理温度を70℃とした点以外は実施例1と同様にして、ロール状保護フィルム付き接着シートを2本得た。
得られたロール状保護フィルム付き接着シートについて、樹脂組成物層に対する支持体及び保護フィルムの剥離強度(S及びS)を測定すると共に、オートカッター装置における保護フィルム剥離時の樹脂剥がれについて評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
保護フィルムとして、ポリプロピレンフィルムに代えてアルキド樹脂系離型層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、リンテック(株)製、「AL5」)を使用した以外は実施例1と同様にして、ロール状保護フィルム付き接着シートを2本得た。
得られたロール状保護フィルム付き接着シートについて、樹脂組成物層に対する支持体及び保護フィルムの剥離強度(S及びS)を測定すると共に、オートカッター装置における保護フィルム剥離時の樹脂剥がれについて評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006311759
樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)と、樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)とが、S−S≧0.0020[kgf/cm]を満たさない比較例1、2の保護フィルム付き接着シートは、オートカッター装置における保護フィルム剥離時に樹脂剥がれが生じた。一方、S−S≧0.0020[kgf/cm]を満たす実施例1、2、3の保護フィルム付き接着シートは、接着シートの搬送速度が5m/分と高い条件下においても保護フィルム剥離時に樹脂剥がれは生じなかった。
1 保護フィルム付き接着シート
2 支持体
3 樹脂組成物層
4 接着シート
5 保護フィルム
6 回路基板
10 オートカッター装置
11 ロール状保護フィルム付き接着シート
12 保護フィルム巻き取りロール
13 保護フィルム取り出し具
14 カッター
15 コンベア装置
16、17 誘導ロール
18 接触式ヒーター

Claims (15)

  1. 支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含む保護フィルム付き接着シートであって、
    樹脂組成物層が無機充填材及び熱硬化性樹脂を含み、
    樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、76質量%以上であり、
    樹脂組成物層に対する支持体の剥離強度(S)と、樹脂組成物層に対する保護フィルムの剥離強度(S)とが、S−S≧0.0020[kgf/cm]を満たす、保護フィルム付き接着シート。
  2. 支持体の厚みをD とし、保護フィルムの厚みをD とするとき、D /D の比が1未満である、請求項1に記載の保護フィルム付き接着シート。
  3. が0.0080kgf/cm以下である、請求項1又は2に記載の保護フィルム付き接着シート。
  4. 支持体及び保護フィルムのそれぞれの厚みが5μm〜75μmであり、保護フィルムが支持体よりも薄い、請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  5. 支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  6. 支持体が、樹脂組成物層と接合している側の表面に離型層を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  7. 離型層が、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂及びウレタン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤を含む、請求項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  8. 保護フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される1種以上の材料を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  9. プリント配線板のビルドアップ層用保護フィルム付き接着シートである、請求項1〜のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シートがロール状に巻き取られたロール状保護フィルム付き接着シート。
  11. 及びSが長手方向の剥離強度である、請求項10に記載のロール状保護フィルム付き接着シート。
  12. 下記工程(1)及び(2)を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シートの製造方法。
    (1)支持体と接合するように、樹脂組成物層を設けて接着シートを形成する工程、
    (2)上記(1)で得た接着シートの樹脂組成物層と接合するように、[(樹脂組成物層の最低溶融粘度温度)−10℃]以下の温度条件下で保護フィルムを設ける工程
  13. 下記工程(a−1)乃至(a−4)を含む、カットされた接着シートが回路基板の表面に設けられた積層体の製造方法。
    (a−1)請求項10又は1に記載のロール状保護フィルム付き接着シートから保護フィルム付き接着シートを搬送しながら、保護フィルムを剥離する工程、
    (a−2)樹脂組成物層が露出した接着シートを、樹脂組成物層が回路基板と接合するように配置する工程、
    (a−3)接着シートの一部を支持体側から加熱及び加圧することで部分的に接着シートを回路基板に接着する工程、及び
    (a−4)接着シートを回路基板のサイズに応じてカッターでカットすることにより、カットされた接着シートを回路基板の表面に設ける工程
  14. 工程(a−1)における搬送速度が1m/分〜20m/分である、請求項1に記載の方法。
  15. 下記工程(b−1)及び(b−2)を含む、プリント配線板の製造方法。
    (b−1)請求項1又は1の方法で製造された積層体を加熱及び加圧し、回路基板に接着シートをラミネート処理する工程、及び
    (b−2)樹脂組成物層を熱硬化し、絶縁層を形成する工程
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