JP6863435B2 - 保護フィルム付き接着シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、保護フィルム付き接着シートの製造方法に関する。さらには、プリント配線板の製造方法、保護フィルム付き接着シート、接着シートに関する。
プリント配線板の製造技術として、絶縁層と導体層(回路層)を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。ビルドアップ方式による製造方法において、絶縁層は、一般に、樹脂組成物層を含む接着シート等を用いて樹脂組成物層を内層基板に積層し、該樹脂組成物層を硬化させることにより形成される。例えば、特許文献1には、銅箔と、該銅箔上に形成された特定の樹脂組成物からなる樹脂組成物層とを含む接着シートが開示されている。
また、近年の軽薄短小の傾向を反映して、プリント配線板においては絶縁層の低熱膨張率化が求められている。特許文献2には、絶縁層の低熱膨張率化に寄与すべく、無機充填材含有量の高い樹脂組成物層を含む接着シートが開示されている。
特開2002−359444号公報 特開2014−24961号公報
ビルドアップ方式による製造方法においては、絶縁層の形成後、該絶縁層上に回路が形成される。金属箔上に樹脂組成物層を形成した接着シートを使用する場合、該金属箔を利用して、サブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法に従って回路を形成することが可能である。また、プラスチックフィルム上に樹脂組成物層を形成した接着シートを使用する場合、プラスチックフィルムを剥離後にセミアディティブ法に従って回路を形成することが可能である。斯かる場合、従来からの一括積層設備の普及の点から、接着シートと内層基板との積層及び樹脂組成物層の硬化は真空熱プレス処理により実施されることが多く、この場合は一般に、樹脂組成物層の溶融粘度は比較的高い値に設定される。
本発明者らは、支持体上に比較的高い溶融粘度を有する樹脂組成物層を形成した接着シートにおいて、低熱膨張率の絶縁層を実現すべく、樹脂組成物層中の無機充填材含有量を高めることを試みた。しかしながら、接着シートの製造過程において、接着シートをスリットすると、スリット端部において樹脂欠け(レジンチップ)が発生する場合があることを本発明者らは見出した。
スリット時の樹脂欠けの発生を抑制するにあたっては、樹脂組成物層の支持体と接合していない面に保護フィルムを設けた状態でスリットすることも考えられるが、下記障害があることを本発明者らは見出した。詳細には、保護フィルムにより樹脂欠けの発生を抑制するに際しては、保護フィルムと樹脂組成物層が十分な密着強度を呈するように保護フィルムを積層する必要があるが、保護フィルムの積層工程において付加する熱により接着シートにカールが生じ、接着シートの取り扱い性が著しく低下する場合がある。
本発明は、無機充填材含有量の高い樹脂組成物層を使用する場合であっても、スリット時の樹脂欠けの発生及びカールの発生を抑制することができる保護フィルム付き接着シートを製造する技術を提供することにある。
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討した結果、下記特定の工程を含む方法により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 下記工程(a−1)乃至(a−3)を含む、保護フィルム付き接着シートの製造方法。
(a−1)支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートを用意する工程
(a−2)接着シートの樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設けて保護フィルム付き接着シートを用意する工程であって、保護フィルムが、樹脂組成物層と接合する側に粘着面を有する工程
(a−3)保護フィルム付き接着シートをスリットする工程
[2] 支持体の厚さが5μm〜50μmである、[1]に記載の方法。
[3] 樹脂組成物層の厚さが5μm〜300μmである、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 支持体の樹脂組成物層と接合する側の表面の算術平均粗さ(Ra)が50nm〜350nmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 保護フィルムの厚さが10μm〜100μmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 樹脂組成物層が無機充填材及び熱硬化性樹脂を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、60質量%以上である、[6]に記載の方法。
[8] 樹脂組成物層の最低溶融粘度が8000ポイズ以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 樹脂組成物層が平均粒径0.01μm〜4μmの無機充填材を含む、[6]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 樹脂組成物層が硬化剤をさらに含む、[6]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11] 下記工程(b−1)及び(b−2)を含む、プリント配線板の製造方法。
(b−1)[1]〜[10]のいずれかに記載の方法で得た保護フィルム付き接着シートから保護フィルムを剥離して接着シートを用意する工程
(b−2)内層基板上に、接着シートを、該接着シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
[12] 工程(b−2)において、内層基板上に、接着シートを真空熱プレス処理で積層する、[11]に記載のプリント配線板の製造方法。
[13] 下記工程(b−3)または(b−3’)をさらに含む、[11]又は[12]に記載のプリント配線板の製造方法。
(b−3)サブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法により回路を形成する工程
(b−3’)セミアディティブ法により回路を形成する工程
[14] 支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含む保護フィルム付き接着シートであって、
樹脂組成物層が無機充填材及び熱硬化性樹脂を含み、
樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、60質量%以上であり、
樹脂組成物層の最低溶融粘度が8000ポイズ以上であり、
保護フィルムが、樹脂組成物層と接合する側に粘着面を有し、且つ
保護フィルム付き接着シートの少なくとも一辺がスリットされている、保護フィルム付き接着シート。
[15] 支持体の厚さが5μm〜50μmである、[14]に記載の保護フィルム付き接着シート。
[16] 樹脂組成物層の厚さが5μm〜300μmである、[14]又は[15]に記載の保護フィルム付き接着シート。
[17] 支持体の樹脂組成物層と接合する側の表面の算術平均粗さ(Ra)が50nm〜350nmである、[14]〜[16]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[18] 保護フィルムの厚さが10μm〜100μmである、[14]〜[17]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[19] 樹脂組成物層が平均粒径0.01μm〜4μmの無機充填材を含む、[14]〜[18]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[20] 樹脂組成物層が硬化剤をさらに含む、[14]〜[19]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[21] 真空熱プレス処理に用いられる[14]〜[20]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[22] サブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法により回路形成するための[14]〜[21]のいずれかに記載の保護フィルム付き接着シート。
[23] 支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートであって、
樹脂組成物層が無機充填材及び熱硬化性樹脂を含み、
樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、60質量%以上であり、
樹脂組成物層の最低溶融粘度が8000ポイズ以上であり、且つ
接着シートの少なくとも1辺がスリットされている、接着シート。
[24] 支持体の厚さが5μm〜50μmである、[23]に記載の接着シート。
[25] 樹脂組成物層の厚さが5μm〜300μmである、[23]又は[24]に記載の接着シート。
[26] 樹脂組成物層が平均粒径0.01μm〜4μmの無機充填材を含む、[23]〜[25]のいずれかに記載の接着シート。
[27] 樹脂組成物層が硬化剤をさらに含む、[23]〜[26]のいずれかに記載の接着シート。
[28] 真空熱プレス処理に用いられる[23]〜[27]のいずれかに記載の接着シート。
[29] サブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法により回路形成するための[23]〜[28]のいずれかに記載の接着シート。
本発明によれば、無機充填材含有量の高い樹脂組成物層を使用する場合であっても、スリット時の樹脂欠けの発生及びカールの発生を抑制することができる保護フィルム付き接着シートを製造する技術を提供することができる。
図1は、保護フィルム付き接着シートのスリット端部を示す模式図である。
本発明の保護フィルム付き接着シートの製造方法について詳細に説明する前に、本発明において使用する支持体と、樹脂組成物層を形成するための樹脂組成物とについて説明する。
<支持体>
支持体は、第1及び第2の主面を有する。本発明においては、支持体の第1の主面が樹脂組成物層と接合することとなる。
スリット時の樹脂欠けの発生を抑制し得る観点から、支持体の第1の主面の算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは50nm以上、より好ましくは70nm以上、さらに好ましくは90nm以上、さらにより好ましくは100nm以上、110nm以上、又は120nm以上である。支持体の第1の主面のRaの上限は、微細な回路を形成し得る観点から、好ましくは350nm以下、より好ましくは340nm以下、さらに好ましくは320nm以下、さらにより好ましくは300nm以下、特に好ましくは280nm以下、260nm以下、又は240nm以下である。
支持体の第2の主面のRaは、特に限定されないが、プリント配線板の製造に際してレーザーによる穴あけ加工性を向上させる観点から、好ましくは300nm以上、より好ましくは320nm以上、さらに好ましくは340nm以上、360nm以上、380nm以上、又は400nm以上である。支持体の第2の主面のRaの上限は、特に限定されないが、通常、1000nm以下、900nm以下、800nm以下などとし得る。
支持体表面の算術平均粗さ(Ra)は、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。非接触型表面粗さ計としては、例えば、ビーコインスツルメンツ製の「WYKO NT3300」が挙げられる。
支持体としては、プラスチックフィルムや金属箔が好適に用いられる。特に、金属箔はサブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法でそのまま導体層として使用できるという点から好ましい。金属箔の材料としては、例えば、銅、アルミニウム等が挙げられ、銅が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。プラスチックフィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、ポリエチレンナフタレート(「PEN」)等のポリエステル、ポリカーボネート(「PC」)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。
金属箔は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。複層構造の金属箔としては、例えば、キャリア金属箔と、該キャリア金属箔と接合する極薄金属箔とを含む金属箔が挙げられる。
金属箔の厚さは、特に限定されないが、サブトラクティブ法により微細な回路を形成する観点、モディファイドセミアディティブ法により円滑に回路を形成し得る観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは45μm以下、さらに好ましくは40μm以下、さらにより好ましくは35μm以下、特に好ましくは30μm以下、28μm以下、26μm以下、24μm以下、22μm以下、又は20μm以下である。スリット時の樹脂欠けは薄い金属箔を使用する場合に特に顕著となる傾向にある。この点、本発明においては、厚さが18μm以下、16μm以下、14μm以下、又は12μm以下と薄い金属箔を使用する場合であっても、スリット時の樹脂欠けの発生を抑制することが可能である。プラスチックフィルムの厚さも上記と同様の厚さを採用できる。
金属箔の厚さの下限は特に限定されず、回路形成に使用する方法、所期のプリント配線板の設計等に応じて決定してよい。金属箔の厚さの下限は、通常、5μm以上、10μm以上などとし得る。なお、金属箔が複層構造の場合、金属箔全体の厚さが斯かる範囲であることが好ましい。プラスチックフィルムの厚さも上記と同様の厚さを採用できる。
金属箔の製造方法は特に限定されない。金属箔は、例えば、電解法、圧延法等の公知の方法により製造することができる。電解法を用いて金属箔を製造する場合、金属箔製造時のドラム表面の平滑性、電流密度、及びめっき浴温度等を制御することでRa値を変化させることができる。プラスチックフィルムは、樹脂組成物層と接合する側の表面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。また、プラスチックフィルムとしては、樹脂組成物層と接合する側の表面に離型層を有する離型層付きプラスチックフィルムを使用してもよい。
支持体は市販品を用いてもよい。金属箔の市販品としては、例えば、JX日鉱日石金属(株)製のHLP箔、JXUT−III箔、三井金属鉱山(株)製のTP−III箔等が挙げられる。プラスチックフィルムの市販品としては、例えば、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」等が挙げられる。
<樹脂組成物>
樹脂組成物層の形成に使用する樹脂組成物は、得られる絶縁層の熱膨張率を低く抑える観点から、無機充填材を多く含むことが好ましい。樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、好ましくは50質量%以上、55質量%以上、又は60質量%以上である。先述のとおり、本発明者らは、無機充填材含有量の高い樹脂組成物層を使用する場合、スリット時の樹脂欠けの問題が特に顕著となることを確認している。この点、本発明によれば、無機充填材含有量の高い樹脂組成物層を使用する場合であっても、スリット時の樹脂欠けは生じ難い。よって、本発明においては、樹脂欠けの問題を生ずることなく、樹脂組成物中の無機充填材の含有量を更に高めることができる。例えば、樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、62質量%以上、64質量%以上、66質量%以上、68質量%以上、70質量%以上、72質量%以上、74質量%以上、76質量%以上、又は78質量%以上にまで高めてよい。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限は、得られる絶縁層の機械強度の観点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。
なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
無機充填材の材料は特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられ、シリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。またシリカとしては球形シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。市販されている球形シリカとしては、例えば、(株)アドマテックス製「SO−C2」、「SO−C1」、Unimin社製「IMSIL A−8」、「IMSIL A−10」が挙げられる。
無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、その上に微細な配線を形成し得る絶縁層を得る観点から、4μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、2.5μm以下、2μm以下、1.5μm以下、1μm以下、0.7μm以下、又は0.5μm以下がさらに好ましい。一方、適度な粘度を有し取り扱い性の良好な樹脂ワニスを得る観点から、無機充填材の平均粒径は、0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上、0.07μm以上、又は0.1μm以上がさらに好ましい。無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA−500」、「LA−750」、「LA−950」等を使用することができる。
その上に微細な配線を形成し得る絶縁層を得る観点から、分級により粗大な粒子が除去された無機充填材を使用することが好ましい。一実施形態において、分級により粒径10μm以上の粒子が除去された無機充填材を使用することが好ましく、分級により粒径5μm以上の粒子が除去された無機充填材を使用することがより好ましく、分級により粒径3μm以上の粒子が除去された無機充填材を使用することがさらに好ましい。
好適な一実施形態において、平均粒径が0.01μm〜4μmであり、かつ、分級により粒径10μm以上の粒子が除去された無機充填材を使用する。
無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤などの1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA−320V」等を使用することができる。
樹脂組成物層は、熱硬化性樹脂をさらに含むことが好ましい。したがって一実施形態において、樹脂組成物は、無機充填材及び熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂としては、プリント配線板の絶縁層を形成する際に使用し得る任意の熱硬化性樹脂を使用することができるが、中でもエポキシ樹脂が好ましい。
−エポキシ樹脂−
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるのが好ましい。中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」という。)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」という。)とを含むことが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有する樹脂組成物層が得られる。また、得られる絶縁層の破断強度も向上する。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032H」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、ナガセケムテックス(株)製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)、ダイセル化学工業(株)製の「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂がより好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP−4700」、「HP−4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」、「EXA7311−G3」、「EXA7311−G4」、「EXA7311−G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN−502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ESN475V」(ナフトール型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル(株)製の「PG−100」、「CG−500」、三菱化学(株)製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:10の範囲が好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比を斯かる範囲とすることにより、i)接着シートの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、ii)十分な破断強度を有する絶縁層を得ることができるなどの効果が得られる。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂の量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.3〜1:9の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:8の範囲がさらに好ましい。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、好ましくは3質量%〜40質量%、より好ましくは5質量%〜35質量%、さらに好ましくは10質量%〜30質量%である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜5000、より好ましくは50〜3000、さらに好ましくは80〜2000、さらにより好ましくは110〜1000である。この範囲となることで、硬化物の架橋密度が十分となり表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100〜5000、より好ましくは250〜3000、さらに好ましくは400〜1500である。ここで、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
−硬化剤−
樹脂組成物はさらに硬化剤を含んでいてもよい。硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層との密着強度の観点から、含窒素フェノール系硬化剤又は含窒素ナフトール系硬化剤が好ましく、トリアジン構造含有フェノール系硬化剤又はトリアジン構造含有ナフトール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び導体層との密着強度を高度に満足させる観点から、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂が好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金化学(株)製の「SN−170」、「SN−180」、「SN−190」、「SN−475」、「SN−485」、「SN−495」、「SN−375」、「SN−395」、DIC(株)製の「LA−7052」、「LA−7054」、「LA−3018」、「LA−1356」、「TD2090」等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系硬化剤としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン−ジシクロペンタレン−フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC8000−65T」(DIC(株)製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416−70BK」(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル系硬化剤、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル系硬化剤、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル系硬化剤、及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。具体例としては、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート))、4,4‘−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の市販品としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル(株)製の「V−03」、「V−07」等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、得られる絶縁層の機械強度や耐水性を向上させる観点から、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2〜1:2の範囲が好ましく、1:0.3〜1:1.5の範囲がより好ましく、1:0.4〜1:1の範囲がさらに好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。
一実施形態において、樹脂組成物は、上述の無機充填材、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有する。中でも、樹脂組成物は、無機充填材としてシリカを、エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は好ましくは1:0.1〜1:10、より好ましくは1:0.3〜1:9、さらに好ましくは1:0.6〜1:8)を、硬化剤としてフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上を、それぞれ含むことが好ましい。斯かる特定の成分を組み合わせて含む樹脂組成物層に関しても、無機充填材、エポキシ樹脂、及び硬化剤の好適な含有量は上述のとおりである。
樹脂組成物は、必要に応じて、熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤及び有機充填材からなる群から選択される1種以上の添加剤をさらに含有していてもよい。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜70,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、新日鉄住金化学(株)製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学(株)製の「YL7553」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製の電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化(株)製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のもの)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等に記載のもの)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績(株)製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業(株)製のポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学(株)製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%、さらに好ましくは1質量%〜5質量%である。
−硬化促進剤−
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂組成物層中の硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂と硬化剤の不揮発成分の合計を100質量%としたとき、0.05質量%〜3質量%の範囲で使用することが好ましい。
−難燃剤−
難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂組成物中の難燃剤の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.5質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜9質量%である。
−有機充填材−
有機充填材としては、プリント配線板の絶縁層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子などが挙げられ、ゴム粒子が好ましい。
ゴム粒子としては、ゴム弾性を示す樹脂に化学的架橋処理を施し、有機溶剤に不溶かつ不融とした樹脂の微粒子体である限り特に限定されず、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。ゴム粒子としては、具体的には、XER−91(日本合成ゴム(株)製)、スタフィロイドAC3355、AC3816、AC3816N、AC3832、AC4030、AC3364、IM101(以上、アイカ工業(株)製)パラロイドEXL2655、EXL2602(以上、呉羽化学工業(株)製)などが挙げられる。
有機充填材の平均粒子径は、好ましくは0.005μm〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.2μm〜0.6μmの範囲である。有機充填材の平均粒子径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤に有機充填材を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(大塚電子(株)製「FPAR−1000」)を用いて、有機充填材の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。樹脂組成物層中の有機充填材の含有量は、好ましくは1質量%〜10質量%、より好ましくは2質量%〜5質量%である。
−他の成分−
樹脂組成物は、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。斯かる他の成分としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
[保護フィルム付き接着シートの製造方法]
本発明の保護フィルム付き接着シートの製造方法は、下記工程(a−1)乃至(a−3)を含む。
(a−1)支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートを用意する工程
(a−2)接着シートの樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設けて保護フィルム付き接着シートを用意する工程であって、保護フィルムが、樹脂組成物層と接合する側に粘着面を有する工程
(a−3)保護フィルム付き接着シートをスリットする工程
<工程(a−1)>
工程(a−1)において、支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートを用意する。
支持体、樹脂組成物層の形成に使用する樹脂組成物に関しては先述のとおりである。
一実施形態において、接着シートは、支持体の第1の主面と接合するように樹脂組成物層を設けることによって用意することができる。以下、斯かる実施形態を「第1実施形態」ともいう。
第1実施形態において、樹脂組成物層は、公知の方法で設けることができる。例えば、溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどの塗布装置を用いて支持体の第1の主面に塗布し、樹脂ワニスを乾燥させて樹脂組成物層を設けることができる。
樹脂ワニスの調製に用いる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類、セロソルブ、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。溶剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂ワニスの乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の乾燥方法により実施してよい。樹脂組成物層中に溶剤が多く残留すると、硬化後に膨れが発生する原因となるため、樹脂組成物層中の残留溶剤量が通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、2質量%以下、又は1質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃〜150℃で3分間〜10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
他の一実施形態において、接着シートは、樹脂組成物層を含む接着フィルムを用いて、支持体の第1の主面と接合するように樹脂組成物層を設けることによって用意することができる。以下、斯かる実施形態を「第2実施形態」ともいう。
第2実施形態では、他の支持体と、該他の支持体と接合している樹脂組成物層とを含む接着フィルムを、樹脂組成物層が支持体の第1の主面と接合するように支持体に積層する。
接着フィルムは、例えば、溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて支持体上に塗布し、樹脂ワニスを乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより調製することができる。溶剤は、上記と同じものを用いてよい。
第2実施形態において、接着フィルムと支持体との積層は、作業性が良好であり、一様な接触状態が得られやすいので、ロール圧着やプレス圧着等で、接着フィルムを支持体にラミネート処理することが好ましい。中でも、減圧下でラミネートする真空ラミネート法がより好ましい。ラミネート処理は、市販の真空ラミネーターを用いて実施することができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製のバキュームアップリケーター等が挙げられる。
第1実施形態及び第2実施形態の別を問わず、樹脂組成物層の最低溶融粘度は、プリント配線板の製造における真空熱プレス処理時の樹脂の染みだしを抑制する観点から、好ましくは8000ポイズ以上、より好ましくは8500ポイズ以上、又は9000ポイズ以上である。樹脂組成物層の最低溶融粘度の上限は、プリント配線板を製造する際に良好な積層性(回路埋め込み性)を達成する観点から、好ましくは100000ポイズ以下、より好ましくは70000ポイズ以下、40000ポイズ以下、38000ポイズ以下、36000ポイズ以下、34000ポイズ以下、又は32000ポイズ以下である。
なお、樹脂組成物層の「最低溶融粘度」とは、樹脂組成物層の樹脂が溶融した際に樹脂組成物層が呈する最低の粘度をいう。詳細には、一定の昇温速度で樹脂層を加熱して樹脂を溶融させると、初期の段階は溶融粘度が温度上昇とともに低下し、その後、ある温度を超えると温度上昇とともに溶融粘度が上昇する。「最低溶融粘度」とは、斯かる極小点の溶融粘度をいう。樹脂組成物層の最低溶融粘度は、動的粘弾性法により測定することができ、例えば、後述する<樹脂組成物層の最低溶融粘度の測定>に記載の方法に従って測定することができる。
樹脂組成物層の最低溶融粘度は、例えば、樹脂ワニスの乾燥条件等を変更することによって調整することができる。
なお、第2実施形態により接着シートを用意する場合、使用する接着フィルムの樹脂組成物層の最低溶融粘度が上記所望の範囲より低いときは、支持体と接着フィルムの積層後に他の支持体を除去し、所望の最低溶融粘度となるように樹脂組成物層を加熱処理すればよい。
樹脂組成物層の厚さは、所期のプリント配線板の設計に応じて決定してよいが、プリント配線板の薄型化の観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下、さらに好ましくは200μm以下、180μm以下、160μm以下、140μm以下、120μm以下、100μm以下、80μm以下、60μm以下、又は40μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、回路の埋め込み性向上の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、15μm以上、又は20μm以上である。
<工程(a−2)>
工程(a−2)において、接着シートの樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設けて保護フィルム付き接着シートを用意する。ここで、保護フィルムは、樹脂組成物層と接合する側に粘着面を有することを特徴とする。
プリント配線板の製造において、従来からの一括積層設備の普及の点から、接着シートと内層基板との積層及び樹脂組成物層の硬化は真空熱プレス処理により実施されることが多い。特にサブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法に従って回路を形成する場合、真空熱プレス処理により実施されることが好まれる。斯かる用途に使用される接着シートは、上記のとおり溶融粘度の高い樹脂組成物層を有しており、一般に支持体\樹脂組成物層の2層構造を有する。
先述のとおり、低熱膨張率の絶縁層を実現すべく、樹脂組成物層中の無機充填材含有量を高めると、樹脂組成物層が脆くなり、接着シートの製造過程におけるスリット時に、スリット端部において樹脂欠け(レジンチップ)が発生する場合があることを本発明者らは見出した。
スリット時の樹脂欠けの発生を抑制するにあたっては、樹脂組成物層の支持体と接合していない面に保護フィルムを設けて支持体\樹脂組成物層\保護フィルムの3層構造の状態でスリットすることも考えられる。しかしながら、斯かる場合には、下記障害がある。詳細には、保護フィルムにより樹脂欠けの発生を抑制するに際しては、保護フィルムと樹脂組成物層が十分な密着強度を呈するように保護フィルムを積層する必要があるが、保護フィルムの積層工程において付加する熱により接着シートにカールが生じ、接着シートの取り扱い性が著しく低下する場合があることを本発明者らは見出した。
本発明においては、樹脂組成物層と接合する側に粘着面を有する特定の保護フィルムを使用する。これにより、スリット時の樹脂欠けの発生とカールの発生を有利に抑制することができる。
粘着面を有する保護フィルムとしては、例えば、基材樹脂層に粘着剤を塗工して形成される粘着剤塗工型保護フィルム、基材樹脂と粘着樹脂とを共押出して形成される自己粘着型保護フィルムが挙げられる。
粘着剤塗工型、自己粘着型の別を問わず、保護フィルムの基材樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、PET、PEN等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド等が挙げられる。好適な一実施形態において、基材樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される1種以上を含む。
粘着剤塗工型保護フィルムにおいて、粘着剤としては、スリット時の樹脂欠けの発生とカールの発生を抑制し得る限り特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤が挙げられる。好適な一実施形態において、粘着剤は、アクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂系粘着剤及びシリコーンゴム系粘着剤からなる群から選択される1種以上を含む。
自己粘着型保護フィルムにおいて、粘着樹脂としては、スリット時の樹脂欠けの発生とカールの発生を抑制し得る限り特に限定されないが、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン系樹脂(例えば、直鎖状低密度ポリエチレン)が挙げられる。好適な一実施形態において、粘着樹脂は、エチレン・酢酸ビニル共重合体及びポリオレフィン系樹脂からなる群から選択される1種以上を含む。
粘着剤塗工型、自己粘着型の別を問わず、保護フィルムの厚さは、特に限定されないが、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、25μm以上、30μm以上、又は35μm以上である。保護フィルムの厚さの上限は、特に限定されないが、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、80μm以下、70μm以下、又は60μm以下である。
中でも、プリント配線板の製造の際に、下地導体層との密着性等が良好な絶縁層を形成し得る観点から、保護フィルムとしては、自己粘着型保護フィルムが好ましい。
工程(a−2)において、保護フィルムは、接着シートの樹脂組成物層と接合するように接着シートに積層することができる。これにより、保護フィルム付き接着シートが得られる。
工程(a−2)で得られた保護フィルム付き接着シートにおいて、保護フィルムと樹脂組成物層との密着強度は、スリット時の樹脂欠けの発生を抑制する観点から、好ましくは2.5gf/cm以上、より好ましくは2.6gf/cm以上、さらに好ましくは2.8gf/cm以上、又は3.0gf/cm以上である。プリント配線板の製造に使用される通常の保護フィルム(粘着面を有さず)に関しては、斯かる密着強度を実現するにあたっては、高い加熱温度条件にて保護フィルムと接着シートとを積層する必要がある。これに対し、粘着面を有する保護フィルムを使用する本発明においては、温和な温度条件(詳細は後述する。)にて積層する場合にも上記の密着強度を実現することが可能である。本発明において、保護フィルムと樹脂組成物層との密着強度は、粘着剤や粘着樹脂の種類等を変更することにより、4.0gf/cm以上、5.0gf/cm以上、6.0gf/cm以上、7.0gf/cm以上、8.0gf/cm以上、9.0gf/cm以上、又は10.0gf/cm以上にまで有利に高めることが可能である。保護フィルムと樹脂組成物層との密着強度の上限は、保護フィルム剥離時の樹脂剥がれを抑制する観点から、通常、70gf/cm以下、50gf/cm以下などとし得る。ここで、樹脂剥がれとは、工程(a−3)のスリット処理後に保護フィルムを剥離する際に、スリット端部において樹脂組成物層の一部が保護フィルムと共に剥がれてしまう現象をいう。なお、保護フィルムと樹脂組成物層との密着強度は、後述する<樹脂組成物層と保護フィルムの密着強度の測定>の記載に従って測定することができる。
保護フィルムと接着シートとの積層は、作業性が良好であり、一様な接触状態が得られやすいので、ロール圧着やプレス圧着等で、保護フィルムを接着シートにラミネート処理することが好ましい。
ラミネート処理は、加熱条件下において実施してもよい。斯かる場合、加熱温度は、カールの発生を抑制し得る範囲に設定することが重要である。樹脂組成物層の組成や保護フィルムの種類によっても異なるが、加熱温度は、好ましくは70℃以下、より好ましくは65℃以下、さらに好ましくは60℃以下、55℃以下、50℃以下、45℃以下、又は40℃以下である。本発明においては、このように低い温度条件を採用する場合であっても、上記所望の密着強度を実現することが可能である。加熱温度の下限は特に限定されないが、通常、20℃以上、25℃以上、30℃以上などとし得る。
ラミネート処理の圧着圧力や圧着時間は、所期の密着強度が得られる限り特に限定されず、適宜決定してよい。例えば、圧着圧力は、0.1kgf/cm〜18kgf/cm(0.0098MPa〜1.77MPa)の範囲、圧着時間は5秒間〜400秒間の範囲としてよい。ラミネート処理は、減圧条件下(例えば26.7hPa以下)で実施してもよい。ラミネート処理は、市販の真空ラミネーターを用いて行うことができる。市販の真空ラミネーターは、先述のとおりである。
<工程(a−3)>
工程(a−3)において、保護フィルム付き接着シートをスリットする。これにより、所定の幅を有する保護フィルム付き接着シートが得られる。
工程(a−2)で得られた保護フィルム付き接着シートは、そのまま工程(a−3)に付してもよく、又は、ロール状に巻きとって保存した後に工程(a−3)に付してもよい。
工程(a−3)は、プリント配線板用の接着シートの製造に使用し得る公知のスリッター(例えば、円盤状カッターを備えたスリッターなど)を使用して実施してよい。本発明においては、スリッターの種類に依存せずに、スリット時の樹脂欠けの発生を有利に抑制することが可能である。
工程(a−3)において、スリット速度は、生産性の観点から、好ましくは2m/分以上、より好ましくは4m/分以上、さらに好ましくは5m/分以上、6m/分以上、7m/分以上、8m/分以上、9m/分以上、又は10m/分以上である。本発明においては、このように高いスリット速度を採用する場合であっても、樹脂欠けの発生を抑制することができる。スリット速度の上限は、特に限定されないが、通常、100m/分以下、80m/分以下などとし得る。
なお、工程(a−3)において、スリット処理に付される保護フィルム付き接着シート(すなわち、工程(a−2)で得られた保護フィルム付き接着シート)は、スリット時の樹脂欠けの発生を更に抑制し得る観点から、下記の寸法条件を満たすことが好適である。詳細には、支持体の幅をWm[mm]、樹脂組成物層の幅をWr[mm]、保護フィルムの幅をWp[mm]とするとき、
i)Wm≧Wr、及び
ii)Wp≧Wr
を満たすことが好ましい。なお、支持体、樹脂組成物層及び保護フィルムについていう「幅」とは、スリット方向に直角な方向における支持体、樹脂組成物層及び保護フィルムの寸法を意味する。
条件i)は、スリット時の樹脂欠けの発生を更に抑制し得る観点から、好ましくはWm>Wrであり、より好ましくはWm≧Wr+10、さらに好ましくはWm≧Wr+20、又はWm≧Wr+30である。条件i)は、生産性の観点から、好ましくはWm≦Wr+100、Wm≦Wr+80、又はWm≦Wr+60である。
条件ii)は、スリット時の樹脂欠けの発生を更に抑制し得る観点から、好ましくはWp>Wrであり、より好ましくはWp≧Wr+5、さらに好ましくはWp≧Wr+10、Wp≧Wr+15、又はWp≧Wr+20である。条件ii)は、生産性の観点から、好ましくはWp≦Wr+100、Wp≦Wr+80、Wp≦Wr+60、又はWp≦Wr+40である。
特に、i)Wm>Wrとii)Wp>Wrを同時に満たす場合、支持体と保護フィルムの粘着面とが、樹脂組成物層を包み込むように互いに密着し、スリット時の樹脂欠けの発生を顕著に抑制することが可能である。
工程(a−3)で得られる保護フィルム付き接着シートの幅をW[mm]とすると、W/Wrの値が1に近いほど、スリット時の樹脂欠けの発生は顕著となる傾向にあるが、本発明においては、W/Wrの値が0.9以上である場合にもスリット時の樹脂欠けの発生を抑制することが可能である。本発明において、W/Wrの値は、0.91以上、0.92以上、0.93以上、0.94以上、又は0.95以上にまで高めてもよい。W/Wrの値は、スリット時の樹脂欠けの発生を抑制する観点から、通常、1未満、0.99以下、0.98以下、0.97以下などとし得る。
[プリント配線板の製造方法]
本発明の方法で得た保護フィルム付き接着シートを使用してプリント配線板を製造することができる。
一実施形態において、本発明のプリント配線板の製造方法は、下記工程(b−1)及び(b−2)を含む。
(b−1)本発明の方法で得た保護フィルム付き接着シートから保護フィルムを剥離して接着シートを用意する工程
(b−2)内層基板上に、接着シートを、該接着シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
<工程(b−1)>
工程(b−1)において、本発明の方法で得た保護フィルム付き接着シートから保護フィルムを剥離して接着シートを用意する。
保護フィルムの剥離は、手動で実施してもよく、自動剥離装置等を使用して機械的に実施してもよい。
<工程(b−2)>
工程(b−2)において、内層基板上に、接着シートを、該接着シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する。
本発明において、「内層基板」とは、主として、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板、又は該基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成された回路基板をいう。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物の内層回路基板も本発明でいう「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用すればよい。
工程(b−2)において、接着シートと内層基板との積層は、真空熱プレス処理により実施することが好ましい。したがって本発明の好適な一実施形態において、内層基板上に、接着シートを真空熱プレス処理で積層する。
以下、内層基板の両面に接着シートを真空熱プレス処理で積層する一実施形態について説明する。
まず、接着シート2枚の間に、樹脂組成物層と内層基板とが接合するように、内層基板を配置した積層構造を準備し、該積層構造を真空熱プレス装置にセットする。
積層構造は、クッション紙、ステンレス板(SUS板)等の金属板、離型フィルムなどを介して真空熱プレス装置にセットすることが好ましい。積層構造は、例えば、クッション紙/金属板/離型フィルム/積層構造(すなわち、接着シート/内層基板/接着シート)/離型フィルム/金属板/クッション紙の順に積層されて真空熱プレス装置にセットされる。ここで記号「/」はこれを挟むように示されている構成要素同士が互いに接するように配置されていることを意味している(以下、積層構造の説明等において同様である。)。
次いで、減圧条件下で積層構造を加熱圧着する真空熱プレス処理を行う。
真空熱プレス処理は、加熱されたSUS板等の金属板によって積層構造をその両面側から押圧する従来公知の真空熱プレス装置を用いて実施することができる。市販の真空熱プレス装置としては、例えば、(株)名機製作所製の「MNPC−V−750−5−200」、北川精機(株)製の「VH1−1603」等が挙げられる。
真空熱プレス処理は、1回のみ実施してもよく、2回以上繰り返して実施してもよい。
真空熱プレス処理において、圧着圧力(押圧力)は、好ましくは5kgf/cm〜80kgf/cm(0.49MPa〜7.9MPa)、より好ましくは10kgf/cm〜60kgf/cm(0.98MPa〜5.9MPa)である。
真空熱プレス処理において、雰囲気の圧力、すなわち、処理対象の積層構造が格納されるチャンバ内の減圧時の圧力は、好ましくは3×10−2MPa以下、より好ましくは1×10−2MPa以下である。
真空熱プレス処理において、加熱温度(T)は、樹脂組成物層の組成によっても異なるが、通常150℃以上であり、好ましくは160℃以上、より好ましくは170℃以上、又は180℃以上である。加熱温度(T)の上限は特に限定されないが、通常、240℃以下などとし得る。
真空熱プレス処理は、クラックや歪みを抑制する観点から、温度を段階的に若しくは連続的に上昇させながら、及び/又は温度を段階的に若しくは連続的に下降させながら、実施することが好ましい。斯かる場合、最高到達温度が、上記所望の温度条件を満たすことが好ましい。
真空熱プレス処理によって、樹脂組成物層は硬化して絶縁層を形成する。したがって、本実施形態においては、支持体/絶縁層/内層基板/絶縁層/支持体の層構成を有する積層板が得られる。なお、内層基板の片面にのみ接着シートを積層して、支持体/絶縁層/内層基板の層構成を有する積層板を得てもよい。
支持体が金属箔である保護フィルム付き接着シートを使用する場合、本発明のプリント配線板の製造方法は、下記工程(b−3)をさらに含んでもよい。
(b−3)サブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法により回路を形成する工程
工程(b−3)においては、保護フィルム付き接着シート由来の金属箔を利用して、サブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法により回路を形成することができる。
サブトラクティブ法においては、金属箔の不要部分(非回路形成部)をエッチング等によって選択的に除去して、回路を形成する。サブトラクティブ法による回路形成は公知の手順に従って実施してよい。例えば、サブトラクティブ法による回路形成は、i)金属箔の表面(すなわち、第2の主面)にエッチングレジストを設けること、ii)エッチングレジストを露光、現像して配線パターンを形成すること、iii)露出した金属箔部分をエッチングして除去すること、iv)エッチングレジストを除去すること、を含む方法により実施することができる。
モディファイドセミアディティブ法においては、金属箔の非回路形成部をめっきレジストにより保護し、電解めっきにより回路形成部に銅等の金属を厚付けした後、めっきレジストを除去し、回路形成部以外の金属箔をエッチングで除去して、回路を形成する。モディファイドセミアディティブ法による回路形成は公知の手順に従って実施してよい。例えば、モディファイドセミアディティブ法による回路形成は、i)金属箔の表面(すなわち、第2の主面)にめっきレジストを設けること、ii)めっきレジストを露光、現像して配線パターンを形成すること、iii)めっきレジストを介して電解めっきすること、iv)めっきレジストを除去すること、v)回路形成部以外の金属箔をエッチングして除去すること、を含む方法により実施することができる。なお、保護フィルム付き接着シート由来の金属箔が厚い場合には、上記i)の前に、金属箔が所望の厚さ(通常5μm以下、4μm以下、又は3μm以下)となるようにエッチング等により金属箔全面を薄化してもよい。
支持体がプラスチックフィルムである保護フィルム付き接着シートを使用する場合、本発明のプリント配線板の製造方法は、下記工程(b−3’)をさらに含んでもよい。
(b−3’)セミアディティブ法により回路を形成する工程
セミアディティブ法においては、プラスチックフィルムを剥離後にめっき等により回路を形成する。セミアディティブ法による回路形成は公知の手順に従って実施してよい。例えば、セミアディティブ法による回路形成は、i)絶縁層表面を粗化処理すること、ii)無電解めっきによりシード層を形成すること、iii)シード層にめっきレジストを設けること、iv)めっきレジストを露光、現像して配線パターンを形成すること、v)めっきレジストを介して電解めっきすること、vi)めっきレジストを除去すること、vii)回路形成部以外のシード層をエッチングして除去すること、を含む方法により実施することができる。
本発明のプリント配線板の製造方法においては、(A)穴あけする工程、(B)デスミア処理を行う工程をさらに実施してもよい。これらの工程は、当業者に公知である、プリント配線板の製造に用いられている各種方法に従って行うことができる。
[保護フィルム付き接着シート]
本発明はまた、保護フィルム付き接着シートを提供する。
本発明の保護フィルム付き接着シートは、
支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、
該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムと
を含み、
樹脂組成物層が無機充填材及び熱硬化性樹脂を含み、
樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、60質量%以上であり、
樹脂組成物層の最低溶融粘度が8000ポイズ以上であり、
保護フィルムが、樹脂組成物層と接合する側に粘着面を有し、且つ
保護フィルム付き接着シートの少なくとも一辺がスリットされていることを特徴とする。
支持体、樹脂組成物層の形成に使用する樹脂組成物に関しては上記<支持体>及び<樹脂組成物>に記載のとおりである。また、樹脂組成物層等の物性(例えば、樹脂組成物層の厚さや最低溶融粘度、樹脂組成物層と保護フィルムの密着強度等)については、上記[保護フィルム付き接着シートの製造方法]に記載のとおりである。
本発明の保護フィルム付き接着シートは、少なくとも一辺がスリットされている。本発明の保護フィルム付き接着シートのスリット端部について、図1を参照して説明する。図1には、支持体1と、該支持体1と接合している樹脂組成物層2と、該樹脂組成物層2上に設けられた保護フィルム3とを含む保護フィルム付き接着シートのスリット端部を模式的に示している。
スリット端部において、支持体1、樹脂組成物層2、及び保護フィルム3の端面は概ね揃っている。プリント配線板を製造するに際して好適に使用し得る観点から、スリット端部における支持体の端面と樹脂組成物層の端面とのズレ(図1中の「ΔW」)は小さいことが好ましい。好適な一実施形態において、スリット端部における支持体の端面と樹脂組成物層の端面とのズレΔWは、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下、1.0mm以下、0.8mm以下、0.6mm以下、又は0.5mm以下である。ズレΔWの下限は小さいほど好ましく、0mmであってよい。なお、図1には、樹脂組成物層の端面に対し支持体の端面が突出している態様を示しているが、支持体の端面に対し樹脂組成物層の端面が突出している態様においても、上記の条件を満たすことが好ましい。
本発明の保護フィルム付き接着シートは、カールの発生を有利に抑制することができる。例えば、本発明の保護フィルム付き接着シートを490mm角の寸法に切り出したとき、該シートがロール状に丸くなるカールの発生は生じない。好適な一実施形態において、本発明の保護フィルム付き接着シートを490mm角の寸法に切り出したとき、該シートの屈曲部の曲率半径は、好ましくは80mm以上、より好ましくは100mm以上、さらに好ましくは200mm以上、400mm以上、600mm以上、800mm以上、又は1000mm以上である。該曲率半径の上限は特に限定されず、大きいほど好ましい。
本発明の保護フィルム付き接着シートは、真空熱プレス処理により内層基板に積層してプリント配線板を形成するために好適に使用することができる。本発明の保護フィルム付き接着シートはまた、支持体として金属箔を使用することで、サブトラクティブ法又はセミモディファイドアディティブ法により回路を形成するために好適に使用することができる。
[接着シート]
本発明の保護フィルム付き接着シートから保護フィルムを剥離することにより、接着シートが得られる。
本発明の接着シートは、
支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層を含み、
樹脂組成物層が無機充填材及び熱硬化性樹脂を含み、
樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、60質量%以上であり、
樹脂組成物層の最低溶融粘度が8000ポイズ以上であり、且つ
接着シートの少なくとも1辺がスリットされていることを特徴とする。
支持体、樹脂組成物層の形成に使用する樹脂組成物に関しては上記<支持体>及び<樹脂組成物>に記載のとおりである。また、樹脂組成物層等の物性(例えば、樹脂組成物層の厚さや最低溶融粘度等)については、上記[保護フィルム付き接着シートの製造方法]に記載のとおりである。
本発明の接着シートは、少なくとも一辺がスリットされている。スリット端部における支持体の端面と樹脂組成物層の端面とのズレΔWの好適な範囲は、先述のとおりである。
本発明の接着シートは、カールの発生を有利に抑制することができる。接着シートの屈曲部の曲率半径は、保護フィルム付き接着シートについて記載したとおりである。
本発明の接着シートは、スリット端部における樹脂欠けの発生を有利に抑制することができる。好適な一実施形態において、本発明の接着シートは、スリット端部において、樹脂組成物層の端面からの樹脂欠け幅の最大値が、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、50μm以下、40μm以下、又は30μm以下である。該樹脂欠け幅は小さいほど好ましく、0μmであってよい。
本発明の接着シートは、真空熱プレス処理により内層基板に積層してプリント配線板を形成するために好適に使用することができる。本発明の接着シートはまた、支持体として金属箔を使用することで、サブトラクティブ法又はセミモディファイドアディティブ法により回路を形成するために好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
<測定方法・評価方法>
まずは各種測定方法・評価方法について説明する。
<支持体表面の算術平均粗さ(Ra)の測定>
下記実施例及び比較例で使用した支持体の樹脂組成物層と接合する側の表面について、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製「WYKO NT3300」)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして得られる数値によりRa値を求めた。各サンプルについて無作為に選んだ10点の平均値を求めた。
<樹脂組成物層の最低溶融粘度の測定>
下記実施例及び比較例で作製した接着シートの樹脂組成物層について、動的粘弾性測定装置((株)ユー・ビー・エム製「Rheosol−G3000」)を使用して溶融粘度を測定した。試料樹脂組成物1gについて、直径18mmのパラレルプレートを使用して、開始温度60℃から200℃まで昇温速度5℃/分にて昇温し、測定温度間隔2.5℃、振動数1Hz、歪み1degの測定条件にて動的粘弾性率を測定し、最低溶融粘度(ポイズ)を算出した。
<樹脂組成物層と保護フィルムの密着強度の測定>
下記実施例及び比較例で製造した保護フィルム付き接着シートを、幅30mm、長さ100mmにカットし、測定試料を得た。得られた試料の支持体表面に幅25mm、長さ95mmの両面テープ(ニチバン(株)製「ナイスタック」)を貼り付け、幅27mm、長さ100mmにカットした高級厚口用紙((株)ジツタ製「こな雪210(超厚)」)に接着した。保護フィルムの一端を剥がしてつかみ具で掴み、室温(23℃)下、50mm/分の速度で垂直方向に保護フィルムを30mm引き剥がした時の荷重を測定し、剥離強度を求めた。測定には、引っ張り試験機((株)TSE製「AC−50C−SL」)を使用した。
<樹脂欠けの評価>
下記実施例及び比較例で製造したロール状保護フィルム付き接着シート又はロール状接着シートのスリット端部を目視で観察し、両端の全ての長さにわたって支持体と樹脂組成物層が密着している場合を「○」、一部でも剥離がある場合を「×」とした。
<カールの評価>
下記実施例及び比較例で製造したロール状保護フィルム付き接着シート又はロール状接着シートを490mm角のシートに切り出し、支持体を下面として静置した。そして、シートがロール状に丸くなりカールが発生した場合を「×」、カールの発生の無いものを「○」とした。
<調製例1>樹脂ワニス1の調製
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、エポキシ当量約169、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1混合品)3部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)9部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP7200HH」、エポキシ当量280)12部、及びフェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)20部を、ソルベントナフサ25部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)30部、アミン系硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)3.5部、イミダゾール系硬化促進剤(三菱化学(株)製「P200H50」、イミダゾール−エポキシ樹脂のアダクト体、不揮発成分50質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)1.2部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径2μm)2部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理した球形シリカ((株)アドマテックス製「SO−C1」、平均粒径0.25μm、単位表面積当たりのカーボン量0.36mg/m、分級により3μm以上の粒子を除去)100部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散し、樹脂ワニス1を調製した。
<調製例2>樹脂ワニス2の調製
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、エポキシ当量約169、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1混合品)5部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000L」、エポキシ当量269)10部、及びフェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)10部を、ソルベントナフサ30部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)10部、トリアジン構造含有フェノール系硬化剤(水酸基当量151、DIC(株)製「LA−3018」、固形分50%の2−メトキシプロパノール溶液)10部、アミン系硬化促進剤(DMAP、固形分5質量%のMEK溶液)2部、イミダゾール系硬化促進剤(三菱化学(株)製「P200H50」、イミダゾール−エポキシ樹脂のアダクト体、不揮発成分50質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)1.6部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ」、平均粒径2μm)2部、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM103」)で表面処理された球形シリカ((株)アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm、単位表面積当たりのカーボン量0.34mg/m)80部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理されたシリカ(Unimin社製「IMSIL A−8」、平均粒径2.2μm、単位表面積当たりのカーボン量0.29mg/m)80部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散し、樹脂ワニス2を調製した。
樹脂ワニス1及び2の組成を表1に示す。
Figure 0006863435
<実施例1>
(1)接着シートの作製
支持体として、550mm幅のロール状銅箔(JX日鉱日石金属(株)製のHLP箔、厚さ12μm)を用意した。以下、該銅箔を「銅箔1」ともいう。銅箔1の第1の主面のRaは180nmであった。該銅箔1の第1の主面に、ダイコーターにて樹脂ワニス1を520mm幅で塗布し、80℃〜120℃(平均100℃)にて3分間乾燥させ、厚さ15μmの樹脂組成物層を形成した。
(2)保護フィルム付き接着シートの製造
次いで、樹脂組成物層の銅箔と接合していない面に、保護フィルム(東レ(株)製の自己粘着性ポリエチレンフィルム「トレテック7531」、厚さ30μm、幅540mm)の粘着面を40℃で積層して保護フィルム付き接着シートを得た。得られた保護フィルム付き接着シートをロール状に巻き取った。
(3)保護フィルム付き接着シートのスリット
ロール状に巻き取った後、保護フィルム付き接着シートを、銅箔の端部から30mmの位置にカッターの刃が当たるように、10m/分の速度でカッターの刃面に向かって移動させスリットした。シートの両端をスリットして、幅490mmのロール状保護フィルム付き接着シート(ロール長20m)を得た。
<実施例2>
(1)接着シートの作製
支持体として、550mm幅のロール状銅箔(JX日鉱日石金属(株)製のHLP箔、厚さ18μm)を用意した。以下、該銅箔を「銅箔2」ともいう。銅箔2の第1の主面のRaは160nmであった。該銅箔2の第1の主面に、ダイコーターにて樹脂ワニス2を520mm幅で塗布し、80℃〜120℃(平均100℃)にて5分間乾燥させ、厚さ50μmの樹脂組成物層を形成した。
(2)保護フィルム付き接着シートの製造
次いで、樹脂組成物層の銅箔と接合していない面に、保護フィルム(王子エフテックス(株)製の自己粘着性ポリプロピレンフィルム、厚さ29μm、幅540mm)の粘着面を40℃で積層して保護フィルム付き接着シートを得た。得られた保護フィルム付き接着シートをロール状に巻き取った。
(3)保護フィルム付き接着シートのスリット
実施例1と同様にして、保護フィルム付き接着シートをスリットして、幅490mmのロール状保護フィルム付き接着シート(ロール長20m)を得た。
<実施例3>
(1)接着シートの作製
支持体として、550mm幅のロール状銅箔(JX日鉱日石金属(株)製のキャリア付銅箔「JXUT−III箔」、極薄銅箔厚さ2μm、キャリア銅箔厚さ18μm)を用意した。以下、該銅箔を「銅箔3」ともいう。銅箔3の第1の主面(極薄銅箔側)のRaは230nmであった。該銅箔3の第1の主面に、ダイコーターにて樹脂ワニス2を520mm幅で塗布し、80℃〜130℃(平均110℃)にて10分間乾燥させ、厚さ150μmの樹脂組成物層を形成した。
(2)保護フィルム付き接着シートの製造
次いで、樹脂組成物層の銅箔と接合していない面に、保護フィルム(東レ(株)製の自己粘着性ポリエチレンフィルム「トレテックCF322K5−1」、厚さ40μm、幅540mm)の粘着面を40℃で積層して保護フィルム付き接着シートを得た。得られた保護フィルム付き接着シートをロール状に巻き取った。
(3)保護フィルム付き接着シートのスリット
実施例1と同様にして、保護フィルム付き接着シートをスリットして、幅490mmのロール状保護フィルム付き接着シート(ロール長20m)を得た。
<実施例4>
(1)接着シートの作製
支持体として、550mm幅のロール状プラスチックフィルム(リンテック(株)製のAL5、厚さ38μm)を用意した。該プラスチックフィルムの第1の主面のRaは75nmであった。該プラスチックフィルムの第1の主面に、ダイコーターにて樹脂ワニス2を520mm幅で塗布し、80℃〜120℃(平均100℃)にて3分間乾燥させ、厚さ50μmの樹脂組成物層を形成した。
(2)保護フィルム付き接着シートの製造
次いで、樹脂組成物層のプラスチックフィルムと接合していない面に、保護フィルム(王子エフテックス(株)製の自己粘着性ポリプロピレンフィルム、厚さ29μm、幅540mm)の粘着面を40℃で積層して保護フィルム付き接着シートを得た。得られた保護フィルム付き接着シートをロール状に巻き取った。
(3)保護フィルム付き接着シートのスリット
ロール状に巻き取った後、保護フィルム付き接着シートを、プラスチックフィルムの端部から30mmの位置にカッターの刃が当たるように、10m/分の速度でカッターの刃面に向かって移動させスリットした。シートの両端をスリットして、幅490mmのロール状保護フィルム付き接着シート(ロール長20m)を得た。
<比較例1>
保護フィルムを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、幅490mmのロール状接着シート(ロール長20m)を得た。
<比較例2>
i)保護フィルムとして王子エフテックス(株)製のポリプロピレンフィルム「アルファンMA−411」(厚さ15μm、幅540mm)を使用した点、及びii)樹脂組成物層の銅箔と接合していない面に、該保護フィルムの粗面を60℃で積層した点以外は、実施例2と同様にして、幅490mmのロール状保護フィルム付き接着シート(ロール長20m)を得た。
<比較例3>
i)保護フィルムとしてタマポリ(株)製のポリエチレンフィルム「GF−106」(厚さ30μm、幅540mm)を使用した点、及びii)樹脂組成物層の銅箔と接合していない面に、該保護フィルムを75℃で積層した点以外は、実施例1と同様にして、幅490mmのロール状保護フィルム付き接着シート(ロール長20m)を得た。
<比較例4>
保護フィルムを使用しなかった以外は、実施例3と同様にして、幅490mmのロール状接着シート(ロール長20m)を得た。
<比較例5>
保護フィルムを使用しなかった以外は、実施例4と同様にして、幅490mmのロール状接着シート(ロール長20m)を得た。
Figure 0006863435
無機充填材含有量が高い樹脂組成物層を使用した比較例1、4及び5の接着シートでは、スリット時に樹脂欠けが発生した。保護フィルムにより樹脂欠けの発生を抑制するには、保護フィルムと樹脂組成物層が十分な密着強度を呈するように保護フィルムを積層する必要があるが(比較例2)、保護フィルムの積層工程において付加する熱により接着シートにカールが生じ、接着シートの取り扱い性が著しく低下した(比較例3)。
これに対し、本発明の方法により製造した実施例1〜4の保護フィルム付き接着シートに関しては、スリット時の樹脂欠けの発生及びカールの発生を抑制することができた。
1 支持体
2 樹脂組成物層
3 保護フィルム

Claims (24)

  1. (a−1)支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートを用意する工程、
    (a−2)接着シートの樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設けて保護フィルム付き接着シートを用意する工程であって、保護フィルムが、樹脂組成物層と接合する側に粘着力のある面を有する工程、及び
    (a−3)保護フィルム付き接着シートをスリットする工程
    を含む、保護フィルム付き接着シートの製造方法であって、
    樹脂組成物層が無機充填材及び熱硬化性樹脂を含み、且つ
    樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、64質量%以上である、保護フィルム付き接着シートの製造方法。
  2. 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂が、液状エポキシ樹脂と、固体状エポキシ樹脂とを含み、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との質量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)が、1:0.1〜1:10の範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、70質量%以上である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 支持体の厚さが5μm〜50μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 樹脂組成物層の厚さが5μm〜300μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 支持体の樹脂組成物層と接合する側の表面の算術平均粗さ(Ra)が50nm〜350nmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 保護フィルムの厚さが10μm〜100μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 樹脂組成物層の最低溶融粘度が8000ポイズ以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 樹脂組成物層が平均粒径0.01μm〜4μmの無機充填材を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 樹脂組成物層が硬化剤をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 下記工程(b−1)及び(b−2)を含む、プリント配線板の製造方法。
    (b−1)請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法で得た保護フィルム付き接着シートから保護フィルムを剥離して接着シートを用意する工程
    (b−2)内層基板上に、接着シートを、該接着シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
  12. 工程(b−2)において、内層基板上に、接着シートを真空熱プレス処理で積層する、請求項11に記載のプリント配線板の製造方法。
  13. 下記工程(b−3)または(b−3’)をさらに含む、請求項11又は12に記載のプリント配線板の製造方法。
    (b−3)サブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法により回路を形成する工程
    (b−3’)セミアディティブ法により回路を形成する工程
  14. 支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含む保護フィルム付き接着シートであって、
    樹脂組成物層が無機充填材及び熱硬化性樹脂を含み、
    樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、64質量%以上であり、
    樹脂組成物層の最低溶融粘度が8000ポイズ以上であり、
    保護フィルムが、樹脂組成物層と接合する側に粘着力のある面を有し、且つ
    保護フィルム付き接着シートの少なくとも一辺がスリットされている、保護フィルム付き接着シート。
  15. 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂が、液状エポキシ樹脂と、固体状エポキシ樹脂とを含み、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との質量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)が、1:0.1〜1:10の範囲である、請求項14に記載の保護フィルム付き接着シート。
  16. 樹脂組成物層中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたとき、70質量%以上である、請求項14又は15に記載の保護フィルム付き接着シート。
  17. 支持体の厚さが5μm〜50μmである、請求項14〜16のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  18. 樹脂組成物層の厚さが5μm〜300μmである、請求項14〜17のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  19. 支持体の樹脂組成物層と接合する側の表面の算術平均粗さ(Ra)が50nm〜350nmである、請求項14〜18のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  20. 保護フィルムの厚さが10μm〜100μmである、請求項14〜19のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  21. 樹脂組成物層が平均粒径0.01μm〜4μmの無機充填材を含む、請求項14〜20のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  22. 樹脂組成物層が硬化剤をさらに含む、請求項14〜21のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  23. 真空熱プレス処理に用いられる請求項14〜22のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
  24. サブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法により回路形成するための請求項14〜23のいずれか1項に記載の保護フィルム付き接着シート。
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