JP2023095017A - マグネシウム合金部材および該マグネシウム合金部材に好適な無鉛低融点ガラス組成物 - Google Patents

マグネシウム合金部材および該マグネシウム合金部材に好適な無鉛低融点ガラス組成物 Download PDF

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Masafumi Nojima
孝 内藤
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秀樹 山浦
Hideki Yamaura
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【課題】Mg合金材料を基体としながら耐食性に優れるMg合金部材を提供する。【解決手段】本発明に係るMg合金部材は、Mg合金基体の表面が無鉛低融点ガラス組成物のガラス被膜で被覆されており、前記無鉛低融点ガラス組成物は、必須成分を酸化物で表現したときにV2O5、P2O5、Fe2O3、K2O、および0.5モル%以上2.5モル%以下のAl2O3を含有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム(Mg)合金材料を基体としながら耐食性に優れるMg合金部材、および当該Mg合金部材に好適な無鉛低融点ガラス組成物に関するものである。
Mgは、最も軽量な金属であり、かつ十分な比強度が得られることから、次世代の軽量金属材料として期待が高い。飛行機、電車、自動車、自転車等のモビリティ、携帯デジタル機器、回転体など、多様な製品にマグネシウム合金部材を適用することで、製品の軽量化や高効率化を望める。
その一方、Mgは、酸素との化学反応性が高く、一般的に耐食性や耐熱性が低いという弱点や、異種金属と接触した場合にガルバニック腐食が発生して優先的に腐食され易いという弱点がある。このため、使用環境や、異材接合時の組み合わせ材料が限定され、適用先拡充を図ることが難しい。そこで、合金化したり表面処理/表面塗装したりすることによって、耐食性や耐熱性を向上させる研究開発が数多くなされている。
例えば、特許文献1(特開2013-194285)には、Al(アルミニウム)合金やMg合金等の軽金属基合金材料の耐食性を向上させる方法として、金属又は合金である下地が溶融後の遷移金属酸化物ガラスで被覆された金属基複合材料であって、前記遷移金属酸化物ガラスの半導体極性がn型であることを特徴とする金属基複合材料が教示されている。
また、特許文献2(特開2009-269085)には、異種金属の接合方法として、Mgを主成分とする第1の材料とFe(鉄)を主成分とする第2の材料の間に、金属Cを含有する第3の材料を介在させ、上記Mg及びFeの少なくとも一方と金属Cの間に共晶溶融を生じさせ、共晶溶融による反応生成物を接合界面から排出して第1の材料と第2の材料を接合するに際して、上記第1の材料及び第2の材料のうち、金属Cとの間に共晶溶融を生じる金属を主成分として含有する材料及び/又は第3の材料中に金属Dを添加しておき、Mg及びFeの一方又はそれぞれと金属Dとの金属間化合物を接合界面に形成し、当該金属間化合物を含む化合物層を介して上記第1及び第2の材料を接合することを特徴とする異種金属の接合方法が教示されている。
特開2013-194285号公報 特開2009-269085号公報
Mg合金基体を絶縁体であるガラスで被覆してMg合金部材の耐食性を向上させることで、異材接合への適用も可能となる。ただし、特許文献1に記載されている遷移金属酸化物ガラス/Mg合金は、その界面領域に何かしらの化学反応層が生成しており、該化学反応層による影響が十分に確認・検証されておらず、改善の余地があると考えられる。
また、特許文献2に記載されている異種金属の接合方法は、Mgの融点よりも低い共晶点を有する合金系に着目したものであるが、特定の金属との組み合わせのみが適用対象となるため、改善の余地があると考えられる。
これらのことから、本発明の目的は、Mg合金材料を基体としながら耐食性に優れるMg合金部材、およびMg合金材料に対する被覆性に優れる無鉛低融点ガラス組成物を提供することにある。
(I)本発明の一態様は、Mg合金部材であって、前記Mg合金部材は、Mg合金基体の表面が無鉛低融点ガラス組成物のガラス被膜で被覆されており、前記無鉛低融点ガラス組成物は、必須成分を酸化物で表現したときにV2O5(酸化バナジウム)、P2O5(酸化リン)、Fe2O3(酸化鉄)、K2O(酸化カリウム)、および0.5モル%以上2.5モル%以下のAl2O3(酸化アルミニウム)を含有することを特徴とするMg合金部材、を提供するものである。
本発明は、上記の本発明に係るMg合金部材(I)において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)前記必須成分のモル%含有率が、
関係式(1):[V2O5]+[P2O5]+[Fe2O3]+[K2O]+[Al2O3] ≧ 85、
関係式(2):[V2O5] > [K2O] ≧ [P2O5] > [Fe2O3] > [Al2O3]、および
関係式(3):2×[P2O5] ≧ [V2O5] ≧ 2×[Fe2O3] > [K2O]、
を満たす。
なお、本発明において、[成分X]とは、ガラス組成物中の成分Xのモル%含有率を表すものとする。
(ii)前記無鉛低融点ガラス組成物は、追加成分を酸化物で表現したときにTeO2(酸化テルル)、WO3(酸化タングステン)、Y2O3(酸化イットリウム)、La2O3(酸化ランタン)、およびCeO2(酸化セリウム)の内のいずれか一種以上を更に含有する。
(iii)前記追加成分のモル%含有率が、
関係式(4):[Al2O3] < [TeO2]+[WO3]+[Y2O3]+[La2O3]+[CeO2] ≦ 15、
を満たす。
(iv)前記無鉛低融点ガラス組成物は、軟化点が410℃以下で、結晶化温度が前記軟化点よりも50℃以上高い。
(v)前記ガラス被膜に金属粒子が含有されている。
(vi)前記金属粒子は、純AlまたはAl合金である。
(vii)前記金属粒子のメジアン径(D50)が30μm以下である。
(viii)前記金属粒子が前記ガラス被膜に45体積%以下で含有されている。
(ix)前記ガラス被膜の上に樹脂被膜が更に形成されている。
本発明によれば、Mg合金材料に対する被覆性に優れる無鉛低融点ガラス組成物を用いることによって、Mg合金材料を基体としながら耐食性に優れるMg合金部材を提供することができる。それにより、Mg合金部材の適用対象を拡充することができるようになり、製品の軽量化や高効率化を図ることができる。
本発明に係るMg合金部材の一例を示す断面模式図である。 本発明に係るMg合金部材の他の一例を示す断面模式図である。 ガラス組成物に対する示差熱分析の昇温過程で得られるチャートの典型例である。
耐食性に優れる無鉛低融点ガラス組成物自体は従来から数多く存在するが、従来の無鉛低融点ガラス組成物は、Mg合金基体との濡れ性が不十分であった。たとえガラス組成物自体に高い耐食性があったとしても、被覆する基体との濡れ性が不十分な場合、被覆不良の箇所が生じ易く、当該箇所を起点として基体の腐食が進行してしまう問題が発生する。そこで、本発明者等は、基体となるMg合金材料に対して十分な濡れ性を示し、かつ緻密性および密着性の高い被膜を形成するのに適したV2O5-P2O5系無鉛低融点ガラスについて鋭意研究した。その結果、Al2O3成分が、V2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物とMg合金基体との濡れ性を改善する重要な要素であることを見出した。
なお、一般的なSiO2-Na2O(酸化ケイ素-酸化ナトリウム)系ガラス組成物やSiO2-B2O3(酸化ケイ素-酸化ホウ素)系ガラス組成物等では、Al2O3成分を容易に含有/固溶させることができ、その含有/固溶によって化学的安定性を向上できることはよく知られている。しかしながら、V2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物においては、Al2O3成分を含有/固溶させることが難しい。本発明者等は、V2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物を構成する成分およびその含有率の関係を詳細に検討して、本発明を完成させた。
以下、本発明の実施形態について、図表を参照して詳細に説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、公知技術と適宜組み合わせたり公知技術に基づいて改良したりすることが可能である。
図1は、本発明に係るMg合金部材の一例を示す断面模式図であり、図2は、本発明に係るMg合金部材の他の一例を示す断面模式図である。図1~図2に示したように、本発明に係るMg合金部材110,120は、Mg合金基体11の表面がV2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物のガラス被膜21,22で被覆されている物品である。基体となるMg合金材料に特段の限定はなく、従前のMg合金材料(例えば、AlとZn(亜鉛)とを含むAZ系合金材料、AlとMn(マンガン)とを含むAM系合金材料、ZnとZr(ジルコニウム)とを含むZK系合金材料など)を適宜利用できる。図2に示した金属粒子23および樹脂被膜32については後述する。
ガラス組成物の特性温度(転移点、屈伏点、軟化点、結晶化温度)について簡単に説明する。
ガラス組成物の特性温度は、しばしば示差熱分析(DTA)によって測定される。図3は、ガラス組成物に対するDTAの昇温過程で得られるチャートの典型例である。図3に示したように、第1吸熱ピークの開始温度は転移点Tg(粘度=1013.3 poiseに相当)と定義され、該第1吸熱ピークのピーク温度は屈伏点Mg(粘度=1011.0 poiseに相当)と定義され、第2吸熱ピークのピーク温度は軟化点Ts(粘度=107.65 poiseに相当)と定義され、第1発熱ピークの開始温度は結晶化温度Tcryと定義され、第1発熱ピークのピーク温度は結晶化ピーク温度Tcry-pと定義される。それぞれの温度は、接線法によって求められる温度とする。本発明で言う各特性温度は上記の定義に基づくものである。
基体の表面にガラス被膜を形成する場合、ガラス組成物の粘度を104~106 poise程度に調整することが好ましいため、軟化点Tsよりも30~40℃程度高い温度で実施されることが多い。それにより、緻密性および密着性の高いガラス被膜が得られる。このとき、基体に対する熱的影響を抑制するためには、被覆するガラス組成物の特性温度が低い方が好ましい。本発明では、特に基体としてMg合金材料を用いることからMg合金基体11の激しい酸化(いわゆる発火)を避けるため、被覆するV2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物の軟化点Tsは410℃以下が好ましい。
一方で、特性温度が低いガラス組成物ほど、化学的安定性(例えば、耐水性、耐塩水性などの耐食性)が劣る傾向を示すことが一般的である。また、ガラス組成物の軟化点Tsと結晶化温度Tcryとが近いと、ガラス被膜の形成時に結晶化し易くなって、緻密性および密着性の高いガラス被膜が得られにくくなる。そのため、軟化点Tsと結晶化温度Tcryとの温度差は、50℃以上あることが好ましく、100℃以上あることがより好ましい。また、結晶化温度Tcryは480℃以上であることが更に好ましい。
本発明で用いる無鉛低融点ガラス組成物は、必須成分を酸化物で表現したときにV2O5、P2O5、Fe2O3、K2O、および0.5モル%以上2.5モル%以下のAl2O3を含有する。P2O5成分は、V2O5成分をガラス化するための成分(ガラス化成分)である。本ガラス組成物の構造は、VO5ピラミッドが連なる層が積層した構造を有すると考えられ、その層間にPO4四面体が存在することによって骨格(いわゆる、ガラスの網目)を形成しているものと考えられる。
Fe2O3、K2O、およびAl2O3の各成分は、VO5ピラミッド層の層間に存在/固溶すると考えられる。Fe2O3成分は、V2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物の耐食性(耐水性、耐塩水性など)の改善に寄与する。K2O成分は、Mg合金基体との熱膨張整合のための高熱膨張率化に有効であると共に、当該無鉛低融点ガラス組成物へのAl2O3成分の含有/固溶を促進する。Al2O3成分は、前述したようにMg合金基体との濡れ性を確保する重要な成分であり、0.5モル%以上の含有率が好ましく、1モル%以上がより好ましく、1.5モル%以上が更に好ましい。Al2O3成分含有率の上限は、2.5モル%以下が好ましく、2モル%以下がより好ましい。Al2O3成分は、Al3+イオンの状態でガラス構造の中に存在/固溶していることが好ましいと考えられる。
より具体的には、必須成分の含有率は、下記の関係式(1)~(3)を満たすことが好ましい。
関係式(1):[V2O5]+[P2O5]+[Fe2O3]+[K2O]+[Al2O3] ≧ 85、
関係式(2):[V2O5] > [K2O] ≧ [P2O5] > [Fe2O3] > [Al2O3]、および
関係式(3):2×[P2O5] ≧ [V2O5] ≧ 2×[Fe2O3] > [K2O]。
Fe2O3成分およびK2O成分の含有率が上記の関係式(2)~(3)を外れると、V2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物の軟化流動性が低下したり、耐食性が低下したりする。
また、本発明で用いるV2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物は、TeO2、WO3、Y2O3、La2O3、およびCeO2の内のいずれか一種以上からなる追加成分を更に含有することが好ましい。当該追加成分は、必須ではなく含有させなくてもよいが、結晶化をより抑制する(軟化点Tsと結晶化温度Tcryとの温度差を十分に確保する)観点からは、含有させることが好ましい。TeO2成分とWO3成分とはVO5ピラミッド層の層内に存在/固溶し、Y2O3成分、La2O3成分およびCeO2成分はVO5ピラミッド層の層間に存在/固溶しているものと考えられる。
追加成分の含有率は、下記の関係式(4)を満たすことが好ましい。
関係式(4):[Al2O3] < [TeO2]+[WO3]+[Y2O3]+[La2O3]+[CeO2] ≦ 15。
なお、追加成分の中で含有させない成分は、関係式(4)の当該成分のモル%含有率を「0モル%」とすればよい。
追加成分の含有率が上記の関係式(4)を外れると、ガラス組成物を構成するカチオンが還元されて耐食性が低下したり、ガラス組成物の特性温度が過度に高温化したり、Al2O3成分の含有/固溶を阻害したりする。
V2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物のガラス被膜22に金属粒子23を分散含有させることは好ましい(図2参照)。金属粒子23の分散含有は必須ではないが、金属粒子23を分散含有させることにより、ガラス被膜22とMg合金基体11との間の熱膨張係数差を小さくすることができ、ヒートサイクルによるガラス被膜22の破損を抑制/防止できる作用効果が期待できる。また、金属粒子23を分散含有させると、ガラス被膜22の熱衝撃耐性や機械的衝撃耐性が向上する作用効果も期待できる。
分散含有させる金属粒子23としては、V2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物との濡れ性がよい金属粒子が好ましく、安価で軽量な純Al粒子またはAl合金粒子がより好ましい。ガラス組成物との濡れ性がよい金属粒子を利用することによって、ガラス被膜中の望まない残留気泡を低減できると共に、金属粒子23の含有率を増加させることができる。
分散含有させる金属粒子23の粒径は、メジアン径(D50)が30μm以下であることが好ましく、3μm以上25μm以下であることがより好ましい。分散含有させる金属粒子23のD50が30μm超になると、ガラス被膜22の厚さ制御が難しくなったり、ガラス被膜22の表面に凹凸が生じたりする。当該D50が3μm未満の場合、上記の作用効果の程度が低下するが特段の問題は生じない。
また、ガラス被膜22中の金属粒子23の含有率は、被膜形成時の軟化流動性や上記の作用効果の観点から、45体積%以下が好ましく、10体積%以上40体積%以下がより好ましい。金属粒子23の含有率が45体積%超になると、ガラス被膜22の表面に凹凸が生じたり、ガラス被膜22を形成する際の軟化流動性が低下して被覆不良が生じたりする。当該含有率が10体積%未満の場合、上記の作用効果の程度が低下するが特段の問題は生じない。
Mg合金部材120の使用環境温度が400℃を超えない場合、ガラス被膜22の上に(外側に)当該使用環境温度の耐熱性を有する樹脂被膜32を更に形成してもよい。樹脂被膜32の形成は必須の構成ではないが、樹脂被膜32を形成することにより、Mg合金部材の機械的衝撃耐性を更に向上させることができる。
所望の構造を有するMg合金部材110,120が得られる限り、Mg合金部材110,120の製造方法に特段の限定はなく、従前の製造方法を適宜利用できる。例えば、Mg合金基体11を用意する工程と、所定の組成を有するV2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物を用意する工程と、当該無鉛低融点ガラス組成物の粒子を含むガラスペーストを用意する工程と、当該ガラスペーストをMg合金基体11の表面に塗布し乾燥する工程と、ガラス乾燥塗膜に被覆されたMg合金基体11を焼成してガラス被膜21,22を形成する工程とを行う。ガラス被膜22に金属粒子23を分散含有させる場合は、ガラスペーストを用意する工程の際に所定の含有率となるように金属粒子23を混合する。また、必要に応じて、ガラス被膜21,22の表面に樹脂被膜32を形成する工程を行ってもよい。
ガラスペーストには、溶媒として有機溶剤(非水性溶剤)を使用することが好ましい。これは、水性溶媒を使用すると、Mg合金基体11が水と化学反応して腐食する可能性があるためである。使用する有機溶剤としては、V2O5-P2O5系無鉛低融点ガラス組成物の粒子および金属粒子23を腐食しないα-テルミネオール(α-T)やブチルカルビトールアセテート(BCA)が好ましい。また、ガラスペーストの粘度調整材として使用される樹脂バインダーは、α-テルミネオールやブチルカルビトールアセテートに溶解可能なエチルセルロース(EC)が好ましい。
以下、本発明について、具体的な実験例に基づいてより詳細に説明する。ただし、本発明は、ここで取り上げた実験例に限定されることはなく、そのバリエーションを含むものである。
[実験1]
(無鉛低融点ガラス組成物の作製)
実験1では、後述する表1~表2に示す無鉛低融点ガラス組成物を作製し、その特性/性状の調査を行った。ガラス組成物の出発原料としては、V2O5、P2O5、Al2O3、AlPO4、Fe2O3、K2CO3、KVO3、TeO2、WO3、Y2O3、La2O3、およびCeO2の粉末(それぞれ純度99.9%の市販試薬)を用いた。
まず、表1~表2に示す名目組成となるように、各出発原料を秤量し混合して混合原料粉末(約200 g)を用意した。なお、出発原料の純度から推定できるように、本発明におけるガラス組成物は不可避不純物を含むものである。
混合原料粉末を投入した白金るつぼをガラス溶融炉内に設置し、大気中10℃/minの昇温速度で900℃まで加熱して混合原料粉末を溶融させ、白金るつぼ内の融液の組成均一化を図るためにアルミナ棒で撹拌しながら1~2時間保持した。その後、白金るつぼをガラス溶融炉から取り出し、ステンレス鋼板の上に融液を流し拡げて無鉛低融点ガラス組成物のガラスカレットを作製した。
(ガラス化状態の評価)
得られた無鉛低融点ガラス組成物のガラスカレットを目視および光学顕微鏡にて観察し、表面失透、結晶化、分相および未溶解物の有無を確認することによって、ガラス化状態を評価した。また、必要に応じて、ガラスカレットを粉砕して粉末X線回折(PXRD)測定を行い、結晶粒に起因する回折ピークの有無を確認して、ガラス化状態を評価した。
ガラスカレットに表面失透、結晶化、分相および未溶解物のいずれも観察されない場合、および/またはPXRD測定で結晶粒に起因する回折ピークが認められない場合には、均一なガラス化状態になっていると判断し、「良好:Good」と評価した。一方、得られたガラスカレットに表面失透、結晶化、分相および未溶解物のいずれかが観察された場合、および/またはPXRD測定で結晶粒に起因する回折ピークが認められた場合には、均一なガラス化状態ではなく、「不良:No good」と評価した。結果を表1~表2に併記する。
(ガラス特性温度の測定)
作製した無鉛低融点ガラス組成物の特性温度(転移点Tg、屈伏点Mg、軟化点Ts、結晶化温度Tcry)は、DTAにより測定した。ガラスカレットを平均粒径約20μmの粉末に粉砕し、測定試料とした。DTA測定条件は、参照試料としてα-アルミナを用い、参照試料および測定試料の質量をそれぞれ500 mgとし、大気中5℃/minの昇温速度とした。DTA測定により得られたチャートから、図3と同様の定義により特性温度を求めた。結果を後述する表3~表4に示す。
(軟化流動性の評価)
作製した無鉛低融点ガラス組成物の軟化流動性は、ボタンフロー試験により評価した。測定試料として、平均粒径約20μmに粉砕したガラス粉末を用いて圧粉成形体(直径10 mm、厚さ5 mm)を用意した。この圧粉成形体をアルミニウム板の上に置き、大気中10℃/minの昇温速度で当該ガラス組成物の軟化点Tsよりも30~40℃高い温度まで加熱し、30分間保持した際の形状変化を観察した。
本ボタンフロー試験においては、圧粉成形体は温度の上昇に伴って、焼結による寸法減少が一旦生じ、その後、軟化して濡れ広がる。良好な軟化流動性を示すガラス組成物は、表面失透や結晶化や分相などがなく直径10 mm以上に濡れ広がるはずであり、これを判断基準とした。良好な軟化流動性が得られた場合は「良好」とし、直径10 mm以上に濡れ広がらないおよび/または表面失透や結晶化や分相などが観察された場合は「不良」と評価した。結果を表3~表4に併記する。
(化学的安定性の評価)
作製した無鉛低融点ガラス組成物の化学的安定性(耐食性)は、得られたガラスカレットに対して、純水中に室温で3日間浸漬する純水浸漬試験および3.5質量%塩水中に室温で3日間浸漬する塩水浸漬試験を行い、その状態変化を目視で観察することによって評価した。3日間浸漬した後のガラスカレットに変化が認められない場合は「良好」とし、ガラスカレットの形状が変化したり崩壊したりした場合は「不良」と評価した。結果を表3~表4に併記する。
(Mg合金基体への濡れ性の評価)
作製した無鉛低融点ガラス組成物のMg合金基体への濡れ性の評価は、Mg合金部材の製造手順に沿って評価試料を作製し、ガラス被膜の被覆状況を観察することによって評価した。評価試料は、次のような手順で作製した。
ガラスカレットを粉砕したガラス粉末(平均粒径約20μm、25 g)と有機溶媒(5 g)とを30分間混練してガラスペーストを作製した。有機溶媒としては、α-テルピネオール(α-T)単体と、樹脂バインダー(5質量%エチルセルロース)を溶解したブチルカルビトールアセテート(EC/BCA)との二種類を用いた。
Mg合金基体としては、市販のMg合金板(ASTM合金記号のAZ31およびAZ91D、それぞれ100 mm×100 mm×5 mm)を用意した。上記で用意したガラスペーストをMg合金基体の全面に約0.1 mm厚さで塗布し大気中150~170℃で乾燥させて、ガラス乾燥塗膜で被覆されたMg合金基体を作製した。
なお、予備検討として、高重合度ポリエチレンオキサイド(PEO)の水溶性樹脂バインダーを水に溶解した水性溶媒を用いたガラスペーストを別途作製し、上記のMg合金基体へ塗布した。その結果、Mg合金基体が水性溶媒と化学反応を起こして腐食されることが確認された。
つぎに、ガラス乾燥塗膜で被覆されたMg合金基体を大気中で焼成してガラス被膜で被覆されたMg合金基体(すなわちMg合金部材)の試料を作製した。ガラス被膜を形成する焼成は、次のように行った。α-T溶媒を用いたガラスペーストの場合、ペースト中のガラス組成物の軟化点Tsより30~40℃高い温度まで10℃/minの速度で昇温して当該温度で30分間保持した後、炉冷した。EC/BCA溶媒を用いたガラスペーストの場合、ペースト中のガラス組成物の屈伏点Mgの近傍温度(±5℃以内)まで昇温して当該温度で30分間保持し、さらに該ガラス組成物の軟化点Tsより30~40℃高い温度まで10℃/minの速度で昇温して当該温度で30分間保持した後、炉冷した。
得られたMg合金部材試料の表面状態を目視および光学顕微鏡にて観察し、被覆不良箇所の有無を確認することによって、濡れ性を評価した。試料全面に亘って被覆不良箇所が確認されなかった場合は「良好」とし、被覆不良箇所が一箇所でも確認された場合は「不良」と評価した。結果を表3~表4に併記する。
(無鉛低融点ガラス組成物の総合評価)
ガラス組成物における各種評価項目「ガラス化状態」、「Ts ≦410℃」、「Tcry-Ts ≧50℃」、「軟化流動性」、「化学的安定性」および「Mg合金基体への濡れ性」のすべてが「良好」である場合、当該ガラス組成物を「合格」と判定し、一項目でも「不良」の場合、当該ガラス組成物を「不合格」と判定した。
Figure 2023095017000002
Figure 2023095017000003
Figure 2023095017000004
Figure 2023095017000005
表1、表3に示したように、無鉛低融点ガラス組成物GA-01~GA-21は、ガラス化状態、軟化流動性、化学的安定性がすべて「良好」の評価であり、特性温度においても軟化点Tsが410℃以下と低く、TsとTcryとの温度差が50℃以上である。また、Mg合金基体への濡れ性においても、すべての試料で「良好」の評価である。これらのことから、無鉛低融点ガラス組成物GA-01~GA-21は、「合格」と判定される。
表2、表4に示したように、無鉛低融点ガラス組成物GB-01~GB-24も、ガラス化状態、軟化流動性、化学的安定性がすべて「良好」の評価であり、特性温度においても軟化点Tsが410℃以下と低く、TsとTcryとの温度差が50℃以上である。しかしながら、Mg合金基体への濡れ性では、すべての試料で「不良」の評価である。これらのことから、無鉛低融点ガラス組成物GB-01~GB-24は、「不合格」と判定される。
無鉛低融点ガラス組成物GAシリーズとGBシリーズとの最も大きな差異は、Al2O3成分の有無であり、Mg合金基体への濡れ性の良否である。これらの実験結果から、Al2O3成分の有無が、Mg合金基体との濡れ性に強く関与していることが確認された。
[実験2]
(ガラス組成物における成分含有率の関係調査)
実験2では、実験1と同様の手順により、表5に示す名目組成を有する無鉛低融点ガラス組成物GC-01~GC-13を作製し、ガラス化状態の評価を行った。ガラス化状態の結果を表5に併記する。
Figure 2023095017000006
表5に示したように、無鉛低融点ガラス組成物GC-01~GC-13は、いずれもガラス化状態が「不良」である。具体的には、いずれの試料においても多数の粒状未溶解物が認められ、均一なガラスとはならなかった。PXRD測定した結果、粒状未溶解物はAl2O3と同定された。すなわち、無鉛低融点ガラス組成物GC-01~GC-13では、Al2O3成分を完全に固溶させることが困難であることが分かった。
実験1のガラス組成物GAシリーズと実験2のガラス組成物GCシリーズとを比較しながら、Al2O3成分の完全固溶を可能にするための成分含有率の関係を検討・考察した。その結果、関係式(1)~(3)をすべて満たすことにより、0.5モル%以上2.5モル%以下の範囲でAl2O3成分を完全固溶できることが確認された。
関係式(1):[V2O5]+[P2O5]+[Fe2O3]+[K2O]+[Al2O3] ≧ 85、
関係式(2):[V2O5] > [K2O] ≧ [P2O5] > [Fe2O3] > [Al2O3]、および
関係式(3):2×[P2O5] ≧ [V2O5] ≧ 2×[Fe2O3] > [K2O]。
なお、ガラス組成物GCシリーズにおいて、満たしていない関係式を表5中に併記した。
また、ガラス組成物の結晶化をより抑制する(軟化点Tsと結晶化温度Tcryとの温度差を十分に確保する)観点から、関係式(4)を満たすようにTeO2、WO3、Y2O3、La2O3、およびCeO2の内のいずれか一種以上の更なる含有が好ましいことが確認された。
関係式(4):[Al2O3] < [TeO2]+[WO3]+[Y2O3]+[La2O3]+[CeO2] ≦ 15。
[実験3]
(ガラス被膜に分散含有する金属粒子の調査)
実験3では、ガラス被膜に分散含有させる金属粒子について調査した。ガラスペーストに所定の金属粒子を混合させる以外は、実験1と同様にしてMg合金部材(ガラス被膜で被覆されたMg合金基体)の試料を作製した。
ガラスペーストを構成する無鉛低融点ガラス組成物としては、実験1で作製したGA-09、GA-12、GA-18、GB-10、GB-14、およびGB-23を用いた。金属粒子としては、市販の純Al粉末(A1100、D50≒3μm)、Al合金粉末(A3003、D50≒10μm)、純Ag(銀)粉末(純度99.9%、D50≒5μm)、純Sn(スズ)粉末(純度99.9%、D50≒30μm)、純Te粉末(純度99.9%、D50≒30μm)、および純Zn(亜鉛)粉末(純度99.9%、D50≒7μm)を用いた。Mg合金基体としては、実験1と同様のAZ31板を用いた。
ガラスペースト中の金属粒子の含有率は、ガラス粉末100体積部に対して金属粒子25体積部とした。これは、ガラス被膜の中で20体積%に相当する。
得られたMg合金部材の試料に対して、実験1と同様に塩水浸漬試験を行って耐塩水性を評価した。塩水浸漬試験の結果、試料全面に亘って変化が認められない場合は「良好」とし、ガラス被膜の変化および/またはMg合金基体に達する損傷が認められた場合は「不良」と評価した。結果を表6に示す。
Figure 2023095017000007
表6に示したように、金属粒子として純Zn粉末を使用した場合は、すべての試料で耐塩水性が「不良」と評価された。これは、ガラス被膜形成の焼成時に、ガラス組成物が純Zn粒子と化学反応して結晶化し、軟化流動性の低下によってガラス被膜の被覆不良が生じたことに起因すると考えられる。GAシリーズのガラス組成物を用いた試料では、他の金属粒子(純Al粉末、Al合金粉末、純Ag粉末、純Sn粉末、純Te粉末)のすべてにおいて「良好」と評価された。一方、GBシリーズのガラス組成物を用いた試料では、他の金属粒子においても「不良」と評価された。
ここで、GBシリーズのガラス組成物を用いた試料において、実験1で行ったMg合金基体への濡れ性の評価試料(金属粒子を分散含有させていない試料)と濡れ性に関して比較したところ、金属粒子として純Al粉末、Al合金粉末および純Ag粉末を用いた場合は、実験1での試料に比して濡れ性が向上している(被覆不良の箇所/程度が少なくなっている)ことが分かった。金属粒子として純Sn粉末および純Te粉末を用いた場合は、実験1での試料との差異は認められなかった。
この結果から、金属粒子として純Al粉末、Al合金粉末および純Ag粉末を用いると、ガラス被膜のMg合金基体への濡れ性/被覆性が向上する可能性があると考えられる。さらに、コストや比重(Mg合金の軽量性を阻害しない)の観点から、純Al粉末およびAl合金粉末は非常に有望であると言える。
つぎに、ガラス被膜に分散含有させる金属粒子の粒径および含有率について調査した。
ガラスペーストを構成する無鉛低融点ガラス組成物としては、実験1で作製したGA-01、GA-05、GA-06、およびGA-18を用いた。金属粒子としては、純Al粉末(A1100)でD50が約3μm、約10μm、約20μm、および約30μmの四種類を用いた。ガラスペースト中の金属粒子の含有率は、ガラス粉末100体積部に対して金属粒子11~67体積部とした。これは、ガラス被膜の中で10~40体積%に相当する。Mg合金基体としては、実験1と同様のAZ31板を用いた。
作製したMg合金部材の試料に対して、JIS Z 2371に準拠して塩水噴霧試験を行って耐塩水性を評価した。塩水噴霧の条件は、3.5質量%食塩水、pH=7.1、温度25℃、3日間とした。塩水噴霧試験の結果、試料全面に亘って変化が認められない場合は「良好」とし、ガラス被膜の変化および/またはMg合金基体に達する損傷が認められた場合は「不良」と評価した。結果を表7に示す。
Figure 2023095017000008
表7に示したように、試験を行ったすべての試料において「良好」と評価された。なお、予備検討として、D50 ≒30μmの純Al粉末を用いてガラス粉末100体積部に対して純Al粒子92体積部(ガラス被膜中で50体積%に相当)のガラスペーストを別途用意し、Mg合金部材の試料を作製したところ、ガラス被膜の表面に純Al粒子に起因する表面凹凸が生じ、過度の混合は好ましくないことが確認された。
これらの実験結果から、ガラス被膜に分散含有させる金属粒子は、30μm以下のD50が好ましく、45体積%以下の含有率が好ましいと言える。
[実験4]
(Mg合金部材の発火性の調査)
実験4では、Mg合金部材の発火性について調査した。Mg合金基体のサイズを30 mm×30 mm×2 mmに変更したこと以外は、実験3と同様にしてMg合金部材(ガラス被膜で被覆されたMg合金基体)の試料を作製した。また、比較試料として、ガラス被膜で被覆していないMg合金基体単体を用意した。
作製/用意した試料を、大気中10℃/minの昇温速度で500℃、550℃または600℃まで昇温し、当該温度で30分間保持した際の発火の有無を観察した。発火しなかった場合は「良好」とし、発火した場合は「不良」と評価した。結果を表8に示す。
Figure 2023095017000009
表8に示したように、ガラス被膜で被覆していないMg合金基体単体(AZ31単体)は、500℃以上の昇温で発火した。これに対し、本発明に係るMg合金部材(Mg合金基体がガラス被膜で被覆された部材)は、すべての試料で600℃に昇温しても発火することはなかった。この実験結果から、本発明に係るMg合金部材は、耐塩水性等の化学的安定性の改善に有効である上に、耐発火性も向上できることが確認された。
上述した実施形態や実験例は、本発明の理解を助けるために説明したものであり、本発明は、記載した具体的な構成のみに限定されるものではない。例えば、実施形態の構成の一部を当業者の技術常識の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に当業者の技術常識の構成を加えることも可能である。すなわち、本発明は、本明細書の実施形態や実験例の構成の一部について、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、削除・他の構成に置換・他の構成の追加をすることが可能である。
例えば、本明細書では、金属基体としてMg合金基体を基にして説明したが、本発明の技術的思想は、Mg合金基体に限定されるものではなく、Al合金基体を金属基体として用いた場合にも適用できるものである。
110,120…Mg合金部材、
11…Mg合金基体、21,22…ガラス被膜、23…金属粒子、32…樹脂被膜。

Claims (14)

  1. Mg合金部材であって、
    前記Mg合金部材は、Mg合金基体の表面が無鉛低融点ガラス組成物のガラス被膜で被覆されており、
    前記無鉛低融点ガラス組成物は、必須成分を酸化物で表現したときにV2O5、P2O5、Fe2O3、K2O、および0.5モル%以上2.5モル%以下のAl2O3を含有することを特徴とするMg合金部材。
  2. 請求項1に記載のMg合金部材において、
    前記必須成分のモル%含有率が、
    関係式(1):[V2O5]+[P2O5]+[Fe2O3]+[K2O]+[Al2O3] ≧ 85、
    関係式(2):[V2O5] > [K2O] ≧ [P2O5] > [Fe2O3] > [Al2O3]、および
    関係式(3):2×[P2O5] ≧ [V2O5] ≧ 2×[Fe2O3] > [K2O]、
    を満たすことを特徴とするMg合金部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のMg合金部材において、
    前記無鉛低融点ガラス組成物は、追加成分を酸化物で表現したときにTeO2、WO3、Y2O3、La2O3、およびCeO2の内のいずれか一種以上を更に含有することを特徴とするMg合金部材。
  4. 請求項3に記載のMg合金部材において、
    前記追加成分のモル%含有率が、
    関係式(4):[Al2O3] < [TeO2]+[WO3]+[Y2O3]+[La2O3]+[CeO2] ≦ 15、
    を満たすことを特徴とするMg合金部材。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のMg合金部材において、
    前記無鉛低融点ガラス組成物は、軟化点が410℃以下で、結晶化温度が前記軟化点よりも50℃以上高いことを特徴とするMg合金部材。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のMg合金部材において、
    前記ガラス被膜に金属粒子が含有されていることを特徴とするMg合金部材。
  7. 請求項6に記載のMg合金部材において、
    前記金属粒子は、純AlまたはAl合金であることを特徴とするMg合金部材。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のMg合金部材において、
    前記金属粒子のメジアン径が30μm以下であることを特徴とするMg合金部材。
  9. 請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載のMg合金部材において、
    前記金属粒子が前記ガラス被膜に45体積%以下で含有されていることを特徴とするMg合金部材。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のMg合金部材において、
    前記ガラス被膜の上に樹脂被膜が更に形成されていることを特徴とするMg合金部材。
  11. Mg合金基体の表面を被覆する無鉛低融点ガラス組成物であって、
    必須成分を酸化物で表現したときにV2O5、P2O5、Fe2O3、K2O、および0.5モル%以上2.5モル%以下のAl2O3を含有し、
    前記必須成分のモル%含有率が、
    関係式(1):[V2O5]+[P2O5]+[Fe2O3]+[K2O]+[Al2O3] ≧ 85、
    関係式(2):[V2O5] > [K2O] ≧ [P2O5] > [Fe2O3] > [Al2O3]、および
    関係式(3):2×[P2O5] ≧ [V2O5] ≧ 2×[Fe2O3] > [K2O]、
    を満たすことを特徴とする無鉛低融点ガラス組成物。
  12. 請求項11に記載の無鉛低融点ガラス組成物において、
    追加成分を酸化物で表現したときにTeO2、WO3、Y2O3、La2O3、およびCeO2の内のいずれか一種以上を更に含有することを特徴とする無鉛低融点ガラス組成物。
  13. 請求項12に記載の無鉛低融点ガラス組成物において、
    前記追加成分のモル%含有率が、
    関係式(4):[Al2O3] < [TeO2]+[WO3]+[Y2O3]+[La2O3]+[CeO2] ≦ 15、
    を満たすことを特徴とする無鉛低融点ガラス組成物。
  14. 請求項11乃至請求項13のいずれか一項に記載の無鉛低融点ガラス組成物において、
    軟化点が410℃以下で、結晶化温度が前記軟化点よりも50℃以上高いことを特徴とする無鉛低融点ガラス組成物。
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