JP2023094104A - 積層体、エポキシフィルム及び捲回体 - Google Patents

積層体、エポキシフィルム及び捲回体 Download PDF

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信人 田村
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Abstract

【課題】エポキシフィルムを製膜する場合における塗工性及び製膜後の剥離性が良好となる、積層体及び捲回体を得ることを課題とする。【解決手段】本発明は、ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)、前記(A)以外のエポキシ樹脂(B)及び硬化剤(C)を含有するエポキシ樹脂組成物からなるエポキシ樹脂層と、離型フィルムとを少なくとも備え、前記離型フィルムの表面自由エネルギーが20~50mJ/m2である積層体を提案する。【選択図】なし

Description

本発明は、積層体、エポキシフィルム及び捲回体に関する。
エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度及び電気特性等に優れていることから、塗料、土木、接着、電気・電子部材等の様々な分野で使用されている。
従来のエポキシ樹脂からなる硬化物は室温環境下において高い弾性率を有するため、フレキシブルディスプレイ等の電気・電子部材用途では、実使用環境での衝撃吸収性が不十分であり、外部応力による内部素子へのダメージが懸念される。
そこで、近年ではフレキシブルディスプレイ等の電気・電子部材用途に適用できるよう、エポキシ樹脂の柔軟性を改善する検討がなされている。
例えば、特許文献1には、高純度2官能脂肪族エポキシ化合物と2価フェノール化合物とを反応させて得られる高可撓性のエポキシ樹脂が開示されている。しかし、このエポキシ樹脂は柔軟性に優れるものの、伸びや透明性は不十分であった。
そこで、特許文献2では、脂環式構造を有する硬化剤を使用することで、伸びや透明性を改善する提案がされている。
特開2005-320477号公報 特開2019-189798号公報
本発明者らは、エポキシ樹脂の可撓性や衝撃吸収性をより向上させるために、エポキシ樹脂に低粘度成分を添加することを検討した。
しかし、低粘度成分を添加したエポキシ樹脂組成物では、上記特許文献2のようにエポキシ樹脂組成物を離型フィルムで挟み込む方法では製膜できないことがわかってきた。
そこで、エポキシ樹脂組成物からなる塗布液を離型フィルムに塗布して製膜を試みたが、離型フィルムの種類によって、ハジキ等が生じて製膜が困難であったり、製膜後にエポキシ樹脂層を離型フィルムから剥離することが困難になったりする場合があった。
そこで、本発明は、エポキシフィルムを製膜する場合における塗工性及び製膜後の剥離性が良好となる、積層体及び捲回体を得ることを課題とする。
本発明者らは、エポキシ樹脂と離型フィルムの組み合わせについて鋭意検討を行った結果、低粘度成分を添加したエポキシ樹脂組成物ではガラス転移温度が低いため、硬化時の加熱でエポキシ樹脂組成物中の分子の運動性が上がり、離型フィルム上で動きやすいためにハジキが生じやすくなると考えた。一方で、塗工性に優れる離型フィルムはエポキシ樹脂組成物との相互作用が大きいために、製膜後の剥離性が悪くなることがわかってきた。
そこで、離型フィルムの表面自由エネルギーをある一定の範囲とすることで、低粘度成分を添加したエポキシ樹脂組成物であっても、製膜時の塗工性及び製膜後の剥離性を両立できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1]ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)、前記(A)以外のエポキシ樹脂(B)及び硬化剤(C)を含有するエポキシ樹脂組成物からなるエポキシ樹脂層と、離型フィルムとを少なくとも備え、
前記離型フィルムの表面自由エネルギーが20~50mJ/mである積層体。
[2]前記エポキシ樹脂(B)が、剛直成分と柔軟成分を併せ持つ樹脂である、上記[1]に記載の積層体。
[3]前記エポキシ樹脂(B)が、2官能脂肪族エポキシ化合物及び2価フェノール化合物を反応させてなる樹脂である、上記[1]又は[2]に記載の積層体。
[4]前記エポキシ樹脂(B)の数平均分子量が1,000~20,000である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の積層体。
[5]前記硬化剤(C)が脂環式構造を有する、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の積層体。
[6]前記硬化剤(C)が脂環式ポリアミンである、上記[5]に記載の積層体。
[7]前記エポキシ樹脂組成物がレベリング剤(D)を含有する、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の積層体。
[8]前記エポキシ樹脂層のガラス転移温度が-40~40℃である、上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の積層体。
[9]前記離型フィルムが、樹脂フィルムと離型層とからなり、前記離型層が非シリコーン系である、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の積層体。
[10]前記離型フィルムの厚みが35~150μmである、上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の積層体。
[11]上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の積層体から離型フィルムを剥離してなるエポキシフィルム。
[12]上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の積層体をコアに捲回してなる捲回体。
本発明の積層体及び捲回体によれば、エポキシフィルムを製膜する場合における塗工性及び製膜後の剥離性が良好となる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。ただし、本発明は後述する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
<<積層体>>
本発明の一実施形態に係る積層体(以下、「本積層体」ともいう。)は、ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)、前記(A)以外のエポキシ樹脂(B)及び硬化剤(C)を含有するエポキシ樹脂組成物からなるエポキシ樹脂層と、離型フィルムとを少なくとも備え、前記離型フィルムの表面自由エネルギーが20~50mJ/mである。
本積層体は、組成物中に粘度の低いポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)を含んでいながらも、離型フィルムの表面自由エネルギーが20~50mJ/mであることで、塗工したときのハジキを防ぎつつ、製膜後の剥離性も良好となる。
また、本積層体は、エポキシ樹脂組成物がポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)を含むため、ポリエーテル構造及び脂肪族構造に由来して樹脂のTgが下がることで、エポキシ樹脂層の可撓性及び衝撃吸収性が良好となる。
以下、各層について詳細に説明する。
<エポキシ樹脂層>
本実施形態におけるエポキシ樹脂層は、ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)、前記(A)以外のエポキシ樹脂(B)及び硬化剤(C)を含有するエポキシ樹脂組成物を硬化してなる。
[エポキシ樹脂組成物]
以下、エポキシ樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
1.ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)
本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物は、ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)(以下、単に「脂肪族エポキシ樹脂(A)」ともいう)を含有することで、ポリエーテル構造及び脂肪族構造に由来して樹脂のTgが下がり、可撓性及び衝撃吸収性が良好な硬化物が得られる。
脂肪族エポキシ樹脂(A)は、グリシジルエーテル構造を有するとよい。グリシジルエーテル構造を有することで、硬化剤(C)との熱硬化反応が起こり、可撓性が良好な硬化物を得ることができる。
本実施形態における脂肪族エポキシ樹脂(A)は、ポリエーテル由来の構造単位と、脂肪族系の構造単位を有し、芳香環を持たないエポキシ樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリペンタメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリヘプタメチレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエーテルポリオールのグリシジルエーテル等が挙げられる。
本実施形態における脂肪族エポキシ樹脂(A)は、上記で例示した化合物のうち1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本実施形態における脂肪族エポキシ樹脂(A)の含有量は、エポキシ樹脂(B)100質量部に対して好ましくは1~300質量部であり、より好ましくは10~200質量部であり、さらに好ましくは50~150質量部である。
脂肪族エポキシ樹脂(A)の含有量が上記範囲であると、エポキシ樹脂(B)とよく相溶し、可撓性及び衝撃吸収性が良好な硬化物を得ることができる。
(脂肪族エポキシ樹脂(A)の粘度)
脂肪族エポキシ樹脂(A)の粘度は好ましくは10~100mPa・sであり、より好ましくは20~70mPa・sである。
粘度が上記範囲内であることで、エポキシ樹脂(B)と配合して塗工液とした際、溶媒を用いずとも製膜に適した粘度範囲の塗工液を調製することが可能である。
(脂肪族エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量)
脂肪族エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、50g/eq以上が好ましく、75g/eq以上がより好ましく、100g/eq以上がさらに好ましい。
一方、エポキシ当量は3,000g/eq以下が好ましく、2,000g/eq以下がより好ましく、1,000g/eq以下がさらに好ましい。
エポキシ当量が上記下限値以上であるとエポキシ樹脂層の可撓性の観点で好ましく、上記上限値以下であると、後述するエポキシ樹脂組成物を硬化させる際、エポキシ基間の架橋点間密度が高くなり硬化物性を得やすい点で好ましい。
2.エポキシ樹脂(B)
エポキシ樹脂(B)は、上記ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)以外のエポキシ樹脂であれば特に限定されない。
中でも、エポキシ樹脂層の可撓性を良好にする観点から、剛直成分と柔軟成分とを併せ持つ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂(B)の剛直成分としては、芳香環を有する構造が好ましく、例えば、ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環等の縮合芳香環構造;ビフェノール環、カルド構造、フルオレン環等の芳香環構造を多数含む構造;ピロール環、チオフェン環等のヘテロ環式構造が挙げられる。耐熱性の観点から、フェニル骨格(フェノール骨格)、フルオレン骨格及びビフェニル骨格がより好ましく、製造の容易さと耐熱性の観点から、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格及びビフェニル骨格がさらに好ましく、可撓性の観点から、ビスフェノールF骨格がとりわけ好ましい。
エポキシ樹脂(B)は、剛直成分として上記例示した構造のうち1種のみを有していてもよく、2種以上の構造を有していてもよい。
エポキシ樹脂(B)の柔軟成分としては、脂肪族炭化水素が好ましく、例えば、炭素数1~8のアルキレン基、エチレングリコール基、プロピレングリコール基、ブチレングリコール基が挙げられる。
エポキシ樹脂(B)は、柔軟成分として上記例示した構造のうち1種のみを有していてもよく、2種以上の構造を有していてもよい。
エポキシ樹脂(B)の種類及び骨格は、NMR(核磁気共鳴分光法)、IR(赤外分光法)、SEM(走査型電子顕微鏡)分析、IPC(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析法、TGA(熱質量分析)、DSC(示差走査熱量測定)及び各種クロマトグラフィー等により確認することができる。
本実施形態におけるエポキシ樹脂(B)としては、下記に示すエポキシ樹脂(B1)が好ましい。
(エポキシ樹脂(B1))
エポキシ樹脂(B1)は、フェノール化合物由来の構造単位を有する樹脂であり、エポキシ化合物と、フェノール化合物とを反応させてなる。
=エポキシ化合物=
本実施形態におけるエポキシ化合物は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物、すなわち2官能以上のエポキシ化合物が好ましい。当該化合物としては、2官能エポキシ化合物及び多官能エポキシ化合物(3官能以上)が挙げられる。
2官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールEジグリシジルエーテル、ビスフェノールCジグリシジルエーテル、ビスフェノールZジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールアセトフェノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールトリメチルシクロヘキサンジグリシジルエーテル、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラ-t-ブチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノール系ジグリシジルエーテル類;ビフェノールジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル、ジメチルビフェノールジグリシジルエーテル、テトラ-t-ブチルビフェノールジグリシジルエーテル等のビフェノール系ジグリシジルエーテル類;ハイドロキノンジグリシジルエーテル、メチルハイドロキノンジグリシジルエーテル、ジブチルハイドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、メチルレゾルシンジグリシジルエーテル等のベンゼンジオール系ジグリシジルエーテル類;ジヒドロアントラハイドロキノンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシジフェニルエーテルジグリシジルエーテル、チオジフェノールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、上記で例示した2官能エポキシ化合物の芳香環に水素を添加したエポキシ化合物;アジピン酸、コハク酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ダイマー酸等の種々のカルボン酸類と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ化合物;ジアミノジフェニルメタン、アミノフェノール、キシレンジアミン等の種々のアミン化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,5-ペンタンジオールジグリシジルエーテル、ポリペンタメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,7-ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、ポリヘプタメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,8-オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10-デカンジオールジグリシジルエーテル、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールジグリシジルエーテル等の鎖状構造のみからなる(ポリ)アルキレングリコールジグリシジルエーテル;1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル等の環状構造を有するアルキレングリコールジグリシジルエーテル等も挙げられる。
多官能エポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール変性キシレン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、テトラフェノールエタン型エポキシ樹脂や、これら種々のフェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂等の各種のフェノール化合物等を使用したエポキシ樹脂等が挙げられる。
本実施形態におけるエポキシ化合物は、上記で例示したエポキシ化合物のうち1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
中でも、反応時のゲル化を抑制しつつ、フィルム化に適した分子量の共重合体を得る観点から、2官能エポキシ化合物が好ましく、良好な可撓性を有するフィルムを得る観点から、2官能脂肪族エポキシ化合物がより好ましく、脂肪族構造に由来して樹脂のTgが下がり、可撓性及び衝撃吸収性が良好なフィルムを得る観点から、鎖状構造のみからなる(ポリ)アルキレングリコールジグリシジルエーテルがさらに好ましい。
=フェノール化合物=
本実施形態におけるフェノール化合物は、芳香環に結合した水酸基を2個以上有する化合物、すなわち2価以上のフェノール化合物が好ましい。
フェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールC、ビスフェノールZ、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ビスフェノールアセトフェノン、ビスフェノールトリメチルシクロヘキサン、ビスフェノールフルオレン、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラ-t-ブチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールS等のビスフェノール類;ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジメチルビフェノール、テトラ-t-ブチルビフェノール等のビフェノール類;ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン等のベンゼンジオール類;ジヒドロアントラハイドロキノン等のジヒドロアントラハイドロキノン類;ジヒドロキシジフェニルエーテル等のジヒドロキシジフェニルエーテル類;チオジフェノール等のチオジフェノール類;ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;ジヒドロキシスチルベン等のジヒドロキシスチルベン類;フェノールノボラック樹脂類、クレゾールノボラック樹脂類、ビスフェノールAノボラック樹脂等のビスフェノール系ノボラック樹脂類;ナフトールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、フェノールビフェニレン樹脂、フェノール変性キシレン樹脂等の種々のフェノール樹脂類や、これらの種々のフェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類;重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂等の各種のフェノール化合物等が挙げられる。
本実施形態におけるフェノール化合物は、上記で例示したフェノール化合物のうち1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
中でも、上記グリシジルエーテルとの反応時のゲル化を抑制しつつ、フィルム化に適した分子量の共重合体を得る観点、及び、エポキシ樹脂層の透明性並びに耐熱性の観点からビスフェノール類が好ましい。
=好ましい組み合わせ=
上記エポキシ化合物とフェノール化合物の好ましい組み合わせとしては、例えば1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルとビスフェノールFとの共重合体、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルとビスフェノールFとの共重合体、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルとビスフェノールAとの共重合体、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルとビスフェノールAとの共重合体、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルとテトラメチルビフェノールとの共重合体、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルとテトラメチルビフェノールとの共重合体、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルとビフェノールとの共重合体、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルとビフェノールとの共重合体、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルと1,4-ナフタレンジオールとの共重合体、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルと1,4-ナフタレンジオールとの共重合体、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルと1,6-ナフタレンジオールとの共重合体、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルと1,6-ナフタレンジオールとの共重合体等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。これらの中でも、エポキシ樹脂層の柔軟性を良好にする観点から、エポキシ樹脂(B1)は1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルとビスフェノールFとの共重合体であることが好ましい。
=エポキシ化合物及びフェノール化合物の使用量=
エポキシ樹脂(B1)を調製する際、エポキシ化合物とフェノール化合物の配合当量比は、エポキシ化合物由来のエポキシ基:フェノール化合物由来のフェノール性水酸基=1:0.1~3とすることが好ましく、より好ましくは1:0.3~1.5である。
エポキシ基に対してフェノール性水酸基の当量が1未満でフェノール性水酸基が少ない場合は、理論的に得られるエポキシ樹脂の末端はエポキシ基となり、逆にフェノール性水酸基当量が1より大きい場合は、得られるエポキシ樹脂の末端がフェノール性水酸基となる。本発明においては、硬化剤(C)との反応性の観点から、末端がエポキシ基であることが好ましいため、エポキシ化合物由来のエポキシ基:フェノール化合物由来のフェノール性水酸基=1:0.5~0.995とすることがとりわけ好ましい。
=触媒=
エポキシ樹脂(B1)の調製においては、触媒を併用してもよい。
上記触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、イミダゾール類等が挙げられる。
上記アルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;アルカリ金属フェノキシド、水素化ナトリウム、水素化リチウム等のアルカリ金属の水素化物;酢酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の有機酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
上記有機リン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラメチルホスホニウムアイオダイド、テトラメチルホスホニウムハイドロオキサイド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムクロライド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムブロマイド、トリメチルベンジルホスホニウムクロライド、トリメチルベンジルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルエチルホスホニウムクロライド、トリフェニルエチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルエチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイド、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリ-2,4-キシリルホスフィン、トリ-2,5-キシリルホスフィン、トリ-3,5-キシリルホスフィン、トリス(p-tert-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p-tert-ブトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p-n-オクチルフェニル)ホスフィン、トリ(p-n-ノニルフェニル)ホスフィン等が挙げられる。
上記第3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等が挙げられる。
上記第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
上記環状アミン類としては、例えば、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)-5-ノネン等が挙げられる。
上記イミダゾール類としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール等が挙げられる。
なお、本実施形態における触媒は、上記で例示した化合物のうち1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
=触媒の使用量=
エポキシ樹脂(B1)の調製に上記触媒を用いる場合、その使用量は通常、エポキシ化合物の使用量の10,000質量ppm以下であり、好ましくは500質量ppm以下であり、より好ましくは25質量ppm以下であり、さらに好ましくは1質量ppm以下であり、よりさらに好ましくは0.1質量ppm以下である。
=溶媒=
エポキシ樹脂(B1)の調製においては、上記エポキシ化合物と上記フェノール化合物との反応工程において、溶媒を用いてもよい。
上記溶媒は、エポキシ化合物、フェノール化合物及びその他の原料を溶解するものであれば特に限定されないが、通常は有機溶媒であり、例えば、芳香族系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、グリコールエーテル系溶媒等が挙げられる。
上記芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-オクタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等が挙げられる。
上記アミド系溶媒としては、例えば、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
上記グリコールエーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
なお、本実施形態における溶媒は、上記で例示した溶媒のうち1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
=反応条件=
上記エポキシ化合物と上記フェノール化合物との反応は、公知の方法で行われてよい。
反応系は、常圧、加圧、減圧いずれの条件でもよい。
また、反応温度は通常、80~240℃、好ましくは100~220℃、より好ましくは120~200℃である。反応温度が上記下限以上であると反応を進行させやすいために好ましい。また、反応温度が上記上限以下であると副反応が進行しにくく、高純度のエポキシ化合物を得る観点から好ましい。
反応時間としては特に限定されないが、通常0.5~24時間であり、好ましくは1~22時間であり、さらに好ましくは1.5~20時間である。反応時間が上記上限値以下であると、生産効率向上の点で好ましく、上記下限値以上であると、未反応成分を削減できる点で好ましい。
(エポキシ樹脂(B)の数平均分子量)
エポキシ樹脂(B)の数平均分子量は、好ましくは1,000~20,000であり、より好ましくは1,000~15,000、さらに好ましくは1,200~12,000、よりさらに好ましくは1,500~10,000である。
分子量が上記下限以上であると、十分な可撓性を持つエポキシ樹脂層が得られる。一方、上記上限以下であると、溶剤種が限られることなく、効率的なフィルム化に適した塗布液を得ることができる。
(エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量)
エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量は、100g/eq以上が好ましく、200g/eq以上がより好ましく、300g/eq以上がさらに好ましい。
一方、エポキシ当量は12,000g/eq以下が好ましく、11,000g/eq以下がより好ましく、10,000g/eq以下がさらに好ましい。
エポキシ当量が上記下限値以上であるとエポキシ樹脂層の可撓性の観点で好ましく、上記上限値以下であると、後述するエポキシ樹脂組成物を硬化させる際、エポキシ基間の架橋点間密度が高くなり硬化物性を得やすい点で好ましい。
なお、本発明において「エポキシ当量」とは、「1当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物の質量」と定義され、JIS K7236に準じて測定することができる。
3.硬化剤(C)
本実施形態における硬化剤(C)は、得られる硬化物の透明性、可撓性及び衝撃吸収性の観点から、脂環式構造を有するものが好ましい。
脂環式構造を有する硬化剤としては、脂環式構造を有し、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質であればよく、特に限定されないが、例えば、脂環式ポリアミン、脂環式酸無水物等が挙げられる。
より具体的には、1,4-ジアザビシクロ-2,2,2-オクタン、1,8-ジアザビシクロ-5,4,0-ウンデカ-7-エン、N,N’-ジメチルピペラジン、N-アミノエチルピペラジン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、メチレンビスシクロヘキサナミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルネンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、及びこれらの脂環式ポリアミンをエポキシ変性又はエチレンオキド変性、ダイマー酸変性、マンニッヒ変性、マイケル付加、チオ尿素縮合、ケチミン化した変性脂環式ポリアミンや、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
中でも、脂環式ポリアミンが好ましく、その中でもイソホロンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、4,4‘-メチレンビスシクロヘキシルアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルネンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、及びこれらの変性物が特に好ましい。
脂環式構造を有する硬化剤として市販品を用いることもでき、例えば三菱ケミカル社製「jERキュア113」、「jERキュアST-14」、新日本理化社製「リカシッドMH-700」等を用いることができる。
また、硬化剤(C)として脂環式構造を有する硬化剤以外の硬化剤を含有してもよい。脂環式構造を有する硬化剤以外の硬化剤としては、例えば、多官能フェノール類、イソシアネート系化合物、アミン系化合物、酸無水物系化合物、イミダゾール系化合物、アミド系化合物、カチオン重合開始剤、有機ホスフィン類等が挙げられる。これらの硬化剤を用いる場合は、脂環式構造を有する硬化剤とその他の硬化剤との合計に対して、その他の硬化剤の割合が70質量%以下、中でも50質量%以下、特には0~30質量%であることが好ましい。
本実施形態における硬化剤(C)の添加量は、全エポキシ成分のエポキシ当量の合計を100とした際、硬化剤の活性H当量が50~150となるように添加するのが好ましく、70~120となるように添加することがより好ましく、80~110となるように添加することがさらに好ましい。
なお、本発明において「全エポキシ成分」とは、エポキシ樹脂組成物中に含まれるすべてのエポキシ樹脂又はエポキシ化合物の合計を意味する。
3.その他の成分
本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物は、上記(A)~(C)以外のその他の成分を含有していてもよい。
上記その他の成分としては、例えば、レベリング剤(D)、溶剤、カップリング剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、反応性希釈剤、充填顔料、無機充填材、有機充填材等が挙げられる。上記その他の成分は、エポキシ樹脂組成物の所望の物性により、適宜組み合わせて用いることができる。
(レベリング剤(D))
本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物は、塗液の表面張力を制御し、離型フィルムに対する塗工性と剥離性をコントロールするため、レベリング剤(D)を添加してもよい。
レベリング剤としては、例えば、パーフルオロアルキル等のフッ素系、シランカップリング剤等のシリコーン系、アクリル系及びビニルポリマー系のレベリング剤が挙げられる。レベリング剤は上記で例示したうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(溶剤)
本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物は、乾燥工程を省略して生産性を高める観点から溶剤を含まないことが好ましいが、さらに粘度を調整する目的で溶剤を添加してもよい。
溶剤としては、通常、ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化剤(C)及びその他の成分を溶解するものであればどのようなものでもよく、上記エポキシ樹脂(B1)の調製で用いる溶媒として挙げたものと同様のものを用いることができる。
溶剤は、エポキシ樹脂組成物の固形分濃度が10~90質量%となるように用いることが好ましく、20~80質量%となるように用いることがより好ましい。
[硬化物(エポキシ樹脂層)]
エポキシ樹脂層は、上記エポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物である。
なお、本発明における「硬化」とは、熱及び/又は光等によりエポキシ樹脂組成物を意図的に硬化させることを意味するものである。硬化の程度は所望の物性、用途により選択されてよく、完全硬化の状態であっても、半硬化の状態であってもよいが、後工程で熱処理が行われても硬化物の物性が変化しないという観点から、完全硬化が好ましい。
エポキシ樹脂層の厚さは、1~1000μmが好ましく、5~500μmがより好ましく、10~300μmがさらに好ましい。
エポキシ樹脂層の厚さが上記の範囲であると、適度な取扱性と良好な衝撃吸収性を有するため、電子部材用として好適である。
エポキシ樹脂層のガラス転移温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましく、10℃以下がさらに好ましい。
ガラス転移温度が上記の範囲であると、室温以上での貯蔵弾性率の変化が小さいため、実使用環境下において良好な可撓性及び衝撃吸収性を維持することができる。
エポキシ樹脂層は、ディスプレイ等の電子部材に用いられる場合、透明性が高いことが好ましい。
かかる観点から、エポキシ樹脂層の全光線透過率は75%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましく、88%以上がよりさらに好ましい。
また、エポキシ樹脂層のヘーズは10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。
また。エポキシ樹脂層の黄色度(YI)は5以下が好ましく、3以下が好ましく、1以下がよりさらに好ましい。
エポキシ樹脂層は、内部素子を保護する衝撃吸収フィルムとして用いられる場合、耐衝撃吸収性を有することが好ましい。
耐衝撃吸収性は、例えば、落球試験により評価することができる。感圧紙の上にエポキシ樹脂層を設置し、そこへある高さから鉄球を落下した際、感圧紙にかかる最大圧力を求める。エポキシ樹脂層を設置せず、感圧紙のみでも同様の条件で最大圧力を求め、それぞれの最大圧力の値からエポキシ樹脂層の衝撃吸収率を算出する。エポキシ樹脂層の衝撃吸収率は20%以上が好ましく、25%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。衝撃吸収率が上記の範囲であると、衝撃吸収フィルムとして用いた際の、内部素子の保護に対して、良好な結果が得られる。
<離型フィルム>
本実施形態における離型フィルムとしては、紙、樹脂、金属等を原料とした薄いシート状のものが挙げられる。中でも、安価で加工しやすく、また廃棄やリサイクルしやすい点から、紙又は樹脂が好ましく、透明性の点から、樹脂がより好ましい。
紙としては、例えば、上質紙、クラフト紙、グラシン紙、パーチメント紙及びスーパーカレンダードクラフト紙など表面にシリコーンコート処理されたものを用いることができる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリイミド又はポリカーボネートを主成分とするフィルムを用いることができる。これらの表面にシリコーン樹脂離型剤などを塗布して剥離強度を調整してもよい。
上記の中でも、外観、加工のしやすさ、耐久性、耐熱性、コスト等の点から、ポリエステルを主成分とする樹脂フィルムを含むことが好ましい。本発明の要旨を越えない限り、前記樹脂フィルムは単層構成であっても2層以上の多層構成であってもよい。
なお、「主成分樹脂」とは、基材を構成する樹脂の中でも最も含有量の多い樹脂を意味し、具体的には50質量%以上、中でも70質量%以上、その中でも80質量%以上、その中でも90質量%以上(100質量%を含む)を占める樹脂をいう。
前記ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。ポリエステルは、1種の芳香族ジカルボン酸と1種の脂肪族グリコールとからなるポリエステルであってもよく、1種以上の他の成分をさらに共重合させた共重合ポリエステルであってもよい。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
一方、共重合ポリエステルの他の成分として用いるジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、セバシン酸が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。またp-オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸も用いることができる。
代表的なポリエステルとしては、テレフタル酸とエチレングリコールとを重縮合させて得られるポリエチレンテレフタレート、2,6-ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールとを重縮合させて得られるポリエチレンナフタレート等が例示される。
ポリエステルフィルムは、無延伸フィルムでも延伸フィルムでもいいが、機械的強度の観点から延伸フィルムが好ましく、二軸延伸フィルムであることがより好ましい。また、ポリエステルフィルムには予め、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
また、離型フィルムは、上記樹脂フィルムに加えて、エポキシ樹脂層と接触する側の最表面層として離型層をさらに含む構造であってもよい。離型フィルムが樹脂フィルムに加えて離型層をさらに含むことで、エポキシ樹脂層と離型フィルムとの剥離性が良好となる。
離型層の構成成分としては、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン化合物、フッ素化合物、ワックス類、界面活性剤等が挙げられる。中でも、塗工性と剥離性を両立する観点から、シリコーン化合物以外の成分からなる離型層(すなわち、非シリコーン系離型層)が好ましい。
さらに、離型層の剥離性調整のために剥離コントロール剤を併用してもよい。
樹脂フィルムと離型層とを含む離型フィルムの市販品として入手できるものとしては、東洋クロス株式会社製の「トークロ(商品商標)」、東レ株式会社製の「セラピール(登録商標)」、アイム株式会社製の「リリースフィルム(登録商標)」、ユニチカ株式会社製の「ユニピール(登録商標)」が挙げられる。
本発明における離型フィルムは、表面自由エネルギーが20~50mJ/mである。
上記表面自由エネルギーは、塗膜のハジキを抑制する観点からは、25mJ/m以上が好ましく、30mJ/m以上がより好ましい。一方、製膜後の剥離性の観点からは、45mJ/m以下が好ましく、40mJ/m以下がさらに好ましい。
なお、表面自由エネルギーは、離型フィルムの接触角を純水、ジヨードメタン、エチレングリコールの3種類で測定して、北崎・畑の理論式へ導入することで算出できる。
塗工性と剥離性を両立する観点から、離型フィルムの水に対する接触角は80~105度が好ましく、85~103度がより好ましい。
また、離型フィルムのジヨードメタンに対する接触角は25~80度が好ましく、30~75度がより好ましく、35~70度がさらに好ましい。
さらに、離型フィルムのエチレングリコールに対する接触角は55~85度が好ましく、60~80度がより好ましい。
離型フィルムの厚さは、35~150μmが好ましく、50~130μmがより好ましく、70~110μmがさらに好ましい。
離型フィルムの厚さが上記の範囲であると、製膜時の硬化収縮によりカールしにくく、製膜後に剥離しやすくなる。
<<積層体の製造方法>>
本実施形態における積層体は、上記エポキシ樹脂組成物からなる塗布液を離型フィルムに塗布し、硬化させることで得られる。
離型フィルム上への塗布液の塗布方法は公知の方法であってよい。当該塗布方法として、例えば、コンマコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、スライドコート法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法等を挙げることができる。
本発明は、離型フィルムの表面自由エネルギーが特定範囲であることで製膜時の塗工性が良好であるため、ダイコート法での流延製膜にとりわけ好適である。
塗布液の硬化条件は、組成物中の成分や配合量によって適宜調整されてよいが、23~200℃で5分~24時間の加熱条件が好ましい。この加熱は23~160℃で5分~24時間の一次加熱と、一次加熱温度よりも40~177℃高い80~200℃で5分~24時間の二次加熱との二段処理で行うことが、硬化不良を少なくする点で好ましい。
<<捲回体>>
本発明における積層体は、コアに捲回することでロール状に巻き取られてもよい。
積層体の長さは特に限定されないが、後工程における取扱性の観点から、5m以上が好ましく、10m以上がより好ましく、50m以上がさらに好ましい。また、積層体の長さは10000m以下が好ましい。
なお、コアとは、フィルムの巻き取りに用いられる円柱形状の巻芯をいう。コアの材料は特に限定されないが、例えば、紙、樹脂含浸紙、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、FRP、フェノール樹脂、無機物含有樹脂が挙げられる。中でも、熱膨張係数が小さく、剛性が高く、湿度に対する膨潤性が低く、かつ捲回性に優れるという観点から、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、FRP、フェノール樹脂、無機物含有樹脂などの樹脂からなることが好ましい。
コアの素材が紙である場合は、特に樹脂等でその表面をコートすることで、所望の特性が得られやすい。さらに、コアは、表面平滑性の観点から、樹脂含浸紙の管であることも好ましい。
<<用途>>
本発明の積層体は、エポキシ樹脂層の可撓性及び衝撃吸収性が良好であることから、ディスプレイ、プリント配線板等の電子部材用途において好適に使用できる。
また、電子部材用途以外でも、緩衝材、粘着シート、接着シート、伸縮テープ、封止用シート、保護フィルム、医療用シート、農業用シート、建築用シート等としても使用できる。
使用時は、積層体から離型フィルムを剥離し、エポキシ樹脂層のみを用いるのが好ましい。
次に、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
<材料>
実施例及び比較例において用いた材料は以下のとおりである。
[ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)]
(A-1):ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル(三洋化成株式会社製「グリシエールPP-300P」、エポキシ当量:296g/eq、粘度:30mPa・s)を用いた。
[エポキシ樹脂(B)]
(B-1):下記合成例1に従って、エポキシ樹脂(B-1)を調製した。
=合成例1=
攪拌機、滴下ロート及び温度計を備えた1L容ガラス製フラスコに予め45℃に加熱した1,6-ヘキサンジオール141.8質量部、三弗化ホウ素エチルエーテル0.51質量部を仕込み、80℃まで加熱した。85℃以上にならないように時間をかけてエピクロロヒドリン244.3質量部を滴下した。80~85℃に保ちながら1時間熟成を行った後、45℃まで冷却した。ここへ22質量%水酸化ナトリウム水溶液528.0質量部を加え、45℃で4時間激しく攪拌した。室温まで冷却して水相を分離除去し、減圧下加熱して未反応のエピクロロヒドリン、水を除去し、粗1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル283.6質量部を得た。
この粗1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルは、オールダショウ蒸留塔(15段)にて蒸留精製し、圧力1300Pa、170~190℃の留分を主留分とすることで、ガスクロマトグラフィ法によるジグリシジル体純度が97質量%、全塩素量が0.15質量%、エポキシ当量が116g/eqである1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを127.6質量部得た。
前記1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル100質量部、ビスフェノールF(フェノール性水酸基当量:100g/eq)55.2質量部、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド(30質量%メチルセロソルブ溶液)0.40質量部を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下、165~170℃で5時間、重合反応を行うことで、エポキシ当量が480g/eq、数平均分子量が1,900であるビスフェノールFと1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテルとの共重合体を得た。
得られたエポキシ樹脂(B-1)のエポキシ当量は480g/eqで、数平均分子量は1,900であった。
[硬化剤(C)]
(C-1):脂環式ポリアミン(三菱ケミカル株式会社製「jERキュアST-14」、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミンの酸化エチレン付加物70%+ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン30%の混合物)を用いた。
[レベリング剤(D)]
(D-1):パーフルオロアルキル含有オリゴマー(AGCセイケミカル株式会社製「サーフロン(登録商標)S-651」)を用いた。
[離型フィルム]
フィルム(1):「ユニピール(登録商標)TR1-75」(ユニチカ株式会社製、オレフィン系離型層、厚み75μm)を用いた。
フィルム(2):「N5030C」(株式会社ダイセル製、非シリコーン系離型層、厚み50μm)を用いた。
フィルム(3):「リリースフィルム(登録商標)RF2・PET38cs4500SN」(アイム株式会社製、非シリコーン系離型層、厚み38μm)を用いた。
フィルム(4):「ユニピール(登録商標)TR6-75」(ユニチカ株式会社製、オレフィン系離型層、厚み75μm)を用いた。
フィルム(5):「リリースフィルム(登録商標)RF2・PET75csH40」(アイム株式会社製、シリコーン系離型層、厚み75μm)を用いた。
フィルム(6):「リリースフィルム(登録商標)RF2・PET38cs750SN」(アイム株式会社製、非シリコーン系離型層、厚み38μm)を用いた。
フィルム(7):「リリースフィルム(登録商標)RF1・PET75cs006」(アイム株式会社製、シリコーン系離型層、厚み75μm)を用いた。
フィルム(8):「SP-PET(登録商標)O3-BU」(三井化学東セロ株式会社製、シリコーン系離型層、厚み100μm)を用いた。
フィルム(9):「ダイアホイル(登録商標)T-100」(三菱ケミカル株式会社製、離型層なし、厚み100μm)を用いた。
<積層体の作製>
[実施例1]
脂肪族エポキシ樹脂(A-1)25質量部、エポキシ樹脂(B-1)25質量部及び硬化剤(C-1)12.9質量部を混合し、塗布液を調製した。
アプリケーターを用いて塗布液をフィルム(1)上に塗布し、定温乾燥機を用いて40℃で16時間の一次加熱と、80℃で3時間の二次加熱によって硬化処理を行い、室温(25℃)まで自然冷却することでエポキシ樹脂層を形成し、実施例1の積層体を得た。得られたエポキシ樹脂層の厚みは100μmであった。
[実施例2及び3]
離型フィルムをフィルム(2)及び(3)に変更したこと以外は実施例1と同様の条件でエポキシ樹脂層を形成し、実施例2及び3の積層体を得た。得られたエポキシ樹脂層の厚みはそれぞれ100μmであった。
[実施例4]
ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A-1)25質量部、エポキシ樹脂(B-1)25質量部及び硬化剤(C-1)12.9質量部及びレベリング剤(D-1)0.05質量部を混合し、塗布液を調製した。
アプリケーターを用いて塗布液をフィルム(4)上に塗布し、定温乾燥機を用いて40℃で16時間の一次加熱と、80℃で3時間の二次加熱によって硬化処理を行い、室温(25℃)まで自然冷却することでエポキシ樹脂層を形成し、実施例4の積層体を得た。得られたエポキシ樹脂層の厚みは100μmであった。
[実施例5及び6]
離型フィルムをフィルム(5)及び(6)に変更したこと以外は実施例4と同様の条件でエポキシ樹脂層を形成し、実施例5及び6の積層体を得た。得られたエポキシ樹脂層の厚みはそれぞれ100μmであった。
[比較例1~3]
離型フィルムをフィルム(7)~(9)に変更したこと以外は実施例1と同様の条件でエポキシ樹脂層を形成し、比較例1~3の積層体を得た。比較例1及び2では、硬化処理中にハジキが発生してしまい、エポキシ樹脂層が製膜できなかった。比較例3で得られたエポキシ樹脂層の厚みは100μmであった。
<評価項目>
(1)表面自由エネルギー
協和界面科学株式会社製の接触角計DM-500を用いて、離型フィルムの接触角を測定した。測定温度は25℃、プローブ液体の滴下量は2μLとし、液滴着滴1秒後の水滴接触角を評価した。離型フィルムの3点を測定して平均を算出した。プローブ液体は純水、ジヨードメタン、エチレングリコールの3種類を用いた。この結果を北崎・畑の理論式へ導入することで、表面自由エネルギーを算出した。
(2)塗工性
エポキシ樹脂組成物を離型フィルム上にアプリケーターで塗布し、硬化させた後の膜の状態を下記の基準で評価した。
(評価基準)
A(very gооd):塗工面積の90%より多くにハジキ無く製膜されている。
B(gооd):塗工面積の80%~90%にハジキ無く製膜されている。
C(pооr):ハジキがあり、フィルム面積が塗工面積の80%未満である。
(3)クロスカット(剥離性)
JIS K 5400-8.5に準じて、クロスカット試験を行った。市販のカッターナイフ及びクロスカットガイドCCJ-1(コーテック株式会社製)を用いて、離型フィルムまで到達する切込みを1mm間隔に11本入れた後、90度向きを変えてさらに11本引き、100個のマスを作った。その上に24mm幅のセロハン粘着テープを付着させ、1~2分後にテープの端を持って塗膜面に直角に保ち、瞬間的に引きはがした。剥離後に基材に残った試験片の数をXX/100で評価した。
Figure 2023094104000001
実施例1~6より、離型フィルムの表面自由エネルギーが20~50mJ/mであることで、エポキシフィルムを製膜する場合における塗工性及び製膜後の剥離性が良好となることが確認された。
中でも、シリコーン化合物以外の成分からなる離型層(すなわち、非シリコーン系離型層)を有する離型フィルムを用いると、塗工性と剥離性のバランスに優れることが確認された。
一方、比較例1及び2は離型フィルムの表面自由エネルギーが20mJ/mに満たないため、塗布後のハジキが生じてしまい、製膜することができなかった。また、比較例3は離型フィルムの表面自由エネルギーが50mJ/mを超えるため、製膜後の剥離性が悪かった。
なお、エポキシ樹脂層の衝撃吸収性を確認するため、比較例3の積層体について落球試験を行ったところ、衝撃吸収率は33%となり、衝撃吸収フィルムとして好適であることが確認された。衝撃吸収性は離型フィルムの種類には依存しないため、同じエポキシ樹脂組成物を用いた実施例1~6のエポキシ樹脂層も、同等の衝撃吸収性を有すると考えられる。

Claims (12)

  1. ポリエーテル型脂肪族エポキシ樹脂(A)、前記(A)以外のエポキシ樹脂(B)及び硬化剤(C)を含有するエポキシ樹脂組成物からなるエポキシ樹脂層と、離型フィルムとを少なくとも備え、
    前記離型フィルムの表面自由エネルギーが20~50mJ/mである積層体。
  2. 前記エポキシ樹脂(B)が、剛直成分と柔軟成分を併せ持つ樹脂である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記エポキシ樹脂(B)が、2官能以上のエポキシ化合物及び2価以上のフェノール化合物を反応させてなる樹脂である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記エポキシ樹脂(B)の数平均分子量が1,000~20,000である、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記硬化剤(C)が脂環式構造を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記硬化剤(C)が脂環式ポリアミンである、請求項5に記載の積層体。
  7. 前記エポキシ樹脂組成物がレベリング剤(D)を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記エポキシ樹脂層のガラス転移温度が-40~40℃である、請求項1~7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 前記離型フィルムが、樹脂フィルムと離型層とからなり、前記離型層が非シリコーン系である、請求項1~8のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記離型フィルムの厚みが35~150μmである、請求項1~9のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の積層体から離型フィルムを剥離してなるエポキシフィルム。
  12. 請求項1~10のいずれか1項に記載の積層体をコアに捲回してなる捲回体。
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