JP2023093970A - 繊維の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊を抑制できる繊維の処理方法を提供する。【解決手段】下記の(A)成分、(B)成分及び水を含有し、(B)成分の含有量と(A)成分の含有量の質量比である(B)/(A)が0.5以上40以下である処理液を、繊維に接触させる、繊維の処理方法。(A)成分:機能剤内包シリカカプセル(B)成分:(B1)アニオン界面活性剤〔以下、(B1)成分という。〕及び(B2)ノニオン界面活性剤〔以下、(B2)成分という。〕から選ばれる1種以上の界面活性剤(ただし、(B1)成分と(B2)成分をどちらも含む場合は、(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比である(B1)/(B2)が、0超え2以下である。)【選択図】なし

Description

本発明は、繊維の処理方法に関する。
香料、感覚剤、保湿剤、殺菌剤などの機能剤は、様々な用途の製品に配合されている。例えば、香料は、柔軟剤、衣料用洗剤、身体用洗剤などの製品において、製品自体や、衣料、身体などへの香り付けを目的として使用される。その際、製品中で香りが逸失してしまわないよう、香料を安定に保持できることが求められている。こうした機能剤の効果を持続させるために、機能剤をマイクロカプセルに封入し、製品中に配合する試みがなされている。
また、従来から使用されているメラミン等の樹脂を壁材とするマイクロカプセルは、今後の社会的な環境意識の高まりに基づくルール改正等によって、マイクロプラスチックに該当する可能性があり、環境負荷が懸念される。一方、シリカカプセルは、壁材が無機化合物であるがゆえ、マイクロプラスチック非該当であり、製品中に配合できれば、環境負荷の低減を期待できる。
特許文献1には、所定の製造方法によって得られる、1種以上の有機化合物からなるコアと、コアを包接し、シリカを構成成分として含む第一シェルと、第一シェルを包接し、シリカを構成成分として含む第二シェルとを有する、平均粒径が0.5μm以上50μm以下であるマイクロカプセルが開示されている。
特許文献2には、界面活性剤並びにさらなる洗剤および洗浄剤の通常成分を含有する水性液状洗剤および洗浄剤であって、該剤は、少なくとも1種のカプセルを含有し、該カプセルは、マトリックス中に活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカを含み、ケイ酸アルミニウムとシリカは、1:10~10:1の比率で存在している、水性液状洗剤および洗浄剤が開示されている。
特許文献3には、カプセル封入された香料組成物を含む香料キャリア系であって、該香料組成物が、水性媒体中に香料化合物のエマルジョンを含有し、且つケイ素含有材料を含むシェル内にカプセル封入され、該シェルの平均直径サイズが30マイクロメートル未満である、カプセル封入された香料組成物を含む香料キャリア系、及び該香料キャリア系を含有する界面活性剤組成物が開示されている。
特許文献4には、シリカを構成成分として含むシェルと、該シェルの内部にポリマー微粒子及び1種以上の油溶性液体を含むコアとを有する、マイクロカプセルが開示されている。
特開2015-128762号公報 特表2009-504812号公報 特表2011-517323号公報 特開2017-114802号公報
機能剤内包シリカカプセルは、易崩壊性なので、浴処理時に布のこすれで崩壊しやすい。機能剤内包シリカカプセルを含有する組成物で処理した後の繊維に機能剤内包シリカカプセルをそのまま残し、このシリカカプセルに内包された機能剤の効果を長期間持続させる場合など、浴処理時に機能剤内包シリカカプセルが崩壊しない方が望ましい場合がある。
本発明は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊を抑制できる繊維の処理方法を提供する。
本発明は、下記の(A)成分、(B)成分及び水を含有し、(B)成分の含有量と(A)成分の含有量の質量比である(B)/(A)が0.5以上40以下である処理液を、繊維に接触させる、繊維の処理方法に関する。
(A)成分:機能剤内包シリカカプセル
(B)成分:(B1)アニオン界面活性剤〔以下、(B1)成分という。〕及び(B2)ノニオン界面活性剤〔以下、(B2)成分という。〕から選ばれる1種以上の界面活性剤(ただし、(B1)成分と(B2)成分をどちらも含む場合は、(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比である(B1)/(B2)が、0超え2以下である。)
本発明によれば、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊を抑制できる繊維の処理方法が提供される。
発明者らは、機能剤内包シリカカプセルにおいて、所定の界面活性剤を共存させることで、該シリカカプセルの処理浴時での崩壊を抑制できることを見出した。この機能剤内包シリカカプセルの崩壊を抑制できる理由は定かではないが、以下のように考えられる。
所定の界面活性剤が処理浴中に適度に存在することで、機能剤内包シリカカプセルと繊維との摩擦が減り、そして、機能剤内包シリカカプセルへの界面活性剤の過度な吸着を抑制して、該シリカカプセルの崩壊を抑制できるとものと考えられる。なお、本発明はこの機構に拘束されるものではない。
本発明の繊維の処理方法は、下記の(A)成分、(B)成分及び水を含有し、(B)成分の含有量と(A)成分の含有量の質量比である(B)/(A)が0.5以上40以下である処理液を、繊維に接触させる、繊維の処理方法である。
(A)成分:機能剤内包シリカカプセル
(B)成分:(B1)アニオン界面活性剤〔以下、(B1)成分という。〕及び(B2)ノニオン界面活性剤〔以下、(B2)成分という。〕から選ばれる1種以上の界面活性剤(ただし、(B1)成分と(B2)成分をどちらも含む場合は、(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比である(B1)/(B2)が、0超え2以下である。)
<処理液>
まず、本発明の繊維の処理方法に用いられる処理液(以下、本発明の処理液ともいう)について、説明する。
本発明の処理液は、上記の(A)成分、(B)成分及び水を含有し、(B)成分の含有量と(A)成分の含有量の質量比である(B)/(A)が0.5以上40以下である。
(A)成分の機能剤内包シリカカプセルとしては、例えば、シリカを構成成分として含むシェルと、該シェルの内部に機能剤を含むコアとを有するものが挙げられる。
(シェル)
(A)成分は、シリカを構成成分として含むシェルを有するものが挙げられる。(A)成分のシェルは、シェルを構成している構造の一部または実質的全部がシリカを構成成分としてできているものであってよい。繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、シリカは、アルコキシシラン等の加水分解によりシラノール化合物を生成する原料シリカから生成されることが好ましい。繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、本発明の(A)成分のシェルは、アルコキシシランを前駆体としたゾル-ゲル反応により形成されてなるものが好ましい。本発明において「ゾル-ゲル反応」とは、アルコキシシランが加水分解及び重縮合反応により、ゾル及びゲル状態を経てシェルの構成成分であるシリカを形成する反応を意味する。具体的には、例えばテトラアルコキシシランが加水分解され、シラノール化合物が脱水縮合反応及び脱アルコール縮合反応によりシロキサンオリゴマーを生成し、更に脱水縮合反応が進行することによりシリカが形成される。
原料シリカとしては、例えば、四塩化ケイ素、テトラアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、水ガラス及び金属ケイ酸塩からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、中でも、テトラアルコキシシラン、アルキルアルコキシシランが好ましく、テトラアルコキシシランがより好ましい。
テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等が挙げられる。繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、より好ましくはテトラエトキシシランである。
アルキルアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルフェニルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン等が挙げられる。
これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの縮合物等も使用することができる。
また、本発明のシリカカプセルのシェルは、本発明の効果を阻害しない範囲で、シリカ以外の無機重合体を構成成分として含んでもよい。本発明において無機重合体とは、無機元素を含む重合体をいう。該無機重合体としては、無機元素のみからなる重合体、主鎖が無機元素のみから構成され側鎖又は置換基として有機基を有する重合体等が挙げられる。
繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、前記無機重合体は、好ましくは金属元素又は半金属元素を含む金属酸化物であり、更に好ましくは金属アルコキシド〔M(OR)〕を前駆体として、前述のシリカのゾル-ゲル反応と同様の反応により形成されてなる重合体である。ここで、Mは金属又は半金属元素であり、Rは炭化水素基である。
金属アルコキシドを構成する金属又は半金属元素としては、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、亜鉛等が挙げられる。
シェルは、第一シェルと第二シェルとを有していてもよく、(A)成分は、1種以上の機能剤を含むコアを包接する第一シェルと、第一シェルを包接する第二シェルとを有していてもよい。さらに、本発明の(A)成分は、第二シェルと接して有機高分子化合物からなる第三シェルを有してもよい。このような多層シェルであれば、香料等の機能剤を長期間保持することができ、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましい。
シェル(第一シェルと第二シェルを有する場合は第一シェル)の厚みは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは5nm以上であり、そして、好ましくは20nm以下、より好ましくは15nm以下である。また、シェル(第一シェル)は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、内包する機能剤の長期保持のために、可能な限り細孔を有しない緻密な層であることが好ましい。
(A)成分が、第二シェルを有する場合、第二シェルの厚みは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上であり、そして、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下である。第二シェルは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、第一シェルとの界面に沿った方向のみならず厚み方向へもシリカが存在する高次構造を取る、メソポーラス構造になっていることが好ましい。
ここで、第二シェルにおける「メソポーラス構造」とは、構造内に存在する細孔(いわゆる、メソ孔)の径が、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは2nmを超え、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは30nm以上であり、そして、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下、更に好ましくは40nm以下の範囲にある構造をいう。
第二シェルがメソポーラス構造であることにより、(A)成分は高い機械的強度を有する。
(A)成分の第一及び第二シェルの平均厚み、並びに第一及び第二シェルの細孔径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定することができる。具体的には、透過型電子顕微鏡観察下で、第一シェル並びに第二シェルの厚み、第一シェル及び第二シェルの細孔径を写真上で実測する。この操作を、視野を5回変えて行う。得られたデータから第一シェル及び第二シェルの厚み並びに細孔径の分布を求める。透過型電子顕微鏡の倍率の目安は1万~10万倍であるが、(A)成分の大きさによって適宜調節される。ここで、透過型電子顕微鏡(TEM)として、例えば商品名「JEM-2100」(日本電子株式会社製)を用いることができる。
(コア)
本発明の(A)成分のコアは、1種以上の機能剤を含む。機能剤は、例えば、油溶性液体であってよい。当該機能剤として香料を用いた場合、(A)成分は、シェルの内部に当該香料を内包することで、シェルが破れたときに、香料が放出して発香する。
機能剤としては、例えば、香料、香料前駆体、油剤、酸化防止剤、冷感剤、温感剤、抗菌剤、染料、色素、紫外線吸収剤、シリコーン、溶媒、及び油溶性ポリマーからなる群から選ばれる1種以上、更に香料、香料前駆体、油剤、酸化防止剤、冷感剤、温感剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、及び溶媒からなる群から選ばれる1種以上、更に香料及び香料前駆体からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。また、機能剤は、保湿剤等のスキンケア成分、化粧油、防腐剤、抗酸化剤、殺虫成分及び防虫成分であってもよい。
香料としては、例えば、γ-ウンデカラクトン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、ダマセノン、δ-ダマスコン、α-メチル-β-(p-t-ブチルフェニル)-プロピオンアルデヒド、β-イオノン、ミルラアルデヒド、エチルトリシクロ〔5.2.1.0-2,6〕デカン-2-カルボキシレート、シトロネロール、ゲラニオール、α-イオノン、パチョリアルコール、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、メチルジヒドロジャスモネート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、サリチル酸アミル、γ-メチルイオノン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、ネロリンヤラヤラ、フェニルヘキサノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト〔2,1-b〕フラン、γ-ノナラクトン、メチルβ-ナフチルケトン、オイゲノール、リラール、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、イソ-ダマスコン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、γ-デカラクトン、α-メチル-3,4-メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド、7-メチル-3,5-ジヒドロ-2H-ベンゾジオキセピノン、トリシクロデシニルアセテート(酢酸トリシクロデセニル)、トリシクロデシニルプロピオネート、2-ペンチルオキシグリコール酸アリル、1-(2-tert-ブチルシクロヘキシロキシ)-2-ブタノール、シトロネリロキシアセトアルデヒド、インドール、4-メチル-3-デセン-5-オール、パラ-メンタン-8-チオール-3-オン、3-(パラ-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、エチルシンナメート、5-メチル-3-ヘプタノンオキシム、メチルアンスラニレート、ターピネオール、β-カリオフィレン、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸ネリル、酢酸p,t-ブチルシクロヘキシル、酢酸o,t-ブチルシクロヘキシル、テトラヒドロゲラニオール、2-イソブチル-4ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピラノール(フロローサ)、α-ダイナスコン、シスジャスモン、ビシクロ〔3.2.1〕オクタン-8-オン-1,5-ジメチル-オキシム、2,4-ジメチル-4,4α,5,9β-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、3-(パラ-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、エチル-2-tert-ブチルシクロヘキシル-カーボネート、安息香酸ヘキシル、4-アセトキシ-3-アミルテトラヒドロピラン、ドデシルアルデヒド、ジヒドロ-β-イオノン、メチルシクロオクチルカーボネート、メチルフェニルグリシド酸エチル、イソオイゲノール、ジフェニルオキサイド、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、チモール、ネロリンブロメリア、5,6-ジメチル-8-イソプロペニル、ビシクロ[4,4,0]-1-デセン-3-オン、3-(4-イソプロピルフェニル)-プロパナール、4-イソプロピルシクロヘキサンメタノール、メチルアンスラニル酸メチル、ドデカンニトリル3-ドデセナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、リリアール、p,t-ブチルヒドロシンナミックアルデヒド、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド、酢酸ヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ターピニル、カプロン酸アリル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸シス-3-ヘキセニル、シクラメンアルデヒド、リモネン、リナロール、テトラヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、メチルβ-ナフチルケトン、イソEスーパー、セドリルメチルエーテル、ジャバノール(ジボダン社製)、アンブロキサン、1,8-シネオール、ゲラニルニトリル、シトロネリルニトリル、11-オキサ-16-rカノリド(ムスクR-1、ジボダン製)、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、カシュメラン、シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、アンブレットリド等が挙げられる。香料は、複数の香料を含む香料組成物であってよい。
香料前駆体としては、例えば水に反応して香料成分を放出する化合物等が挙げられる。具体的には、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有するケイ酸エステル化合物、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有する脂肪酸エステル化合物、香料アルデヒド又は香料ケトン由来のカルボニル成分とアルコール化合物の反応で得られるアセタール化合物もしくはヘミアセタール化合物、香料アルデヒド又は香料ケトン由来のカルボニル成分と1級アミン化合物との反応で得られるシッフベース化合物、香料アルデヒド又は香料ケトン由来のカルボニル成分とヒドラジン化合物との反応で得られるヘミアミナール化合物もしくはヒドラゾン化合物が挙げられる。
また、他の形態の香料前駆体としては、光に反応して香料成分を放出する化合物が挙げられる。例えば、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有する2-ニトロベンジルエーテル化合物、香料アルデヒドや香料ケトン由来のカルボニル成分を有するα-ケトエステル化合物、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有するクマリン酸エステル化合物が挙げられる。これらの香料前駆体は、例えばポリアクリル酸の一部のカルボキシ基と香料アルコールとの反応生成物等のポリマーとして用いてもよい。これらの中でも、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有するケイ酸エステル化合物が好ましい。
機能剤のClogP値は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは10以下である。機能剤のClogP値が2以上であることにより、(A)成分内への機能剤のカプセル化率(以下、「内包率」ともいう)が向上する。ここで、機能剤が、複数の香料を含む香料組成物である場合も上記同様であり、香料組成物のClogP値が2以上であることによって、(A)成分内への香料組成物のカプセル化率(内包率)を向上させることができる。
ここで、ClogP値は、A. Leoin "Comprehensive Medicinal Chemistry", Vol.4, (C. Hansch, P.G.Sammes, J.B. Taylor and C.A. Ramsden, Eds.), p.295, Pergamon Press, 1990に記載の方法で計算した「計算logP(ClogP)」であり、プログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値である。複数の香料を含む香料組成物である場合、その香料組成物のCLogP値は、各香料のCLogP値に香料組成物中の体積比を乗じ、それらの和とすることで求めることができる。
また、機能剤の油水界面張力は、機能剤の保持性の観点から、25℃において、好ましくは7mN/m以上、より好ましくは10mN/m以上、更に好ましくは13mN/m以上である。機能剤の油水界面張力は、例えば、接触角計「DropMaster DM-501」(商品名、協和界面科学株式会社製)により測定することができる。
(A)成分の体積平均粒径は、製品への配合性の観点、及び機能剤の保持性の観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.7μm以上、更に好ましくは1μm以上であり、そして、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
なお、本発明において、(A)成分の体積平均粒径は、実施例に記載の方法で測定できる。例えば、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA-960」(商品名、株式会社堀場製作所製)を用いて測定することができる。その場合、測定はフローセルを使用し、媒体は水、屈折率は1.40-0iに設定する。(A)成分を含む分散液をフローセルに添加し、透過率が90%付近を示した濃度で測定を実施し、体積基準で平均粒径を求める。
(A)成分は、例えば、下記工程(1)及び(2)を有し、好ましくは下記工程(3)を更に有する製造方法により得ることができる。
工程(1):界面活性剤を含む水相中に、1種以上の油溶性液体とポリマー微粒子を構成し得るモノマーとラジカル重合開始剤と原料シリカとを含む有機相を混合して乳化した後、酸性条件下でゾル-ゲル反応を行ってシェルを形成し、前記の油溶性液体、モノマー及びラジカル重合開始剤を内包するカプセルを形成する工程
工程(2):工程(1)で得られたカプセルを含有する水分散体を加熱して、前記モノマーの重合反応を行い、シェルの内部にポリマー微粒子を形成する工程
工程(3):工程(1)又は(2)で得られたカプセルを含む分散液に更に原料シリカを添加してゾル-ゲル反応を行い、第一シェルを包接する第二シェルを有するカプセルを形成する工程
ここで、工程(1)及び(3)における「ゾル-ゲル反応」は、原料シリカ(シリカ前駆体)を、酸性条件で加水分解及び重縮合することによって、アルコールを脱離させながら重合させて、第一シェル及び第二シェルのシリカを合成する反応である。
前記製造方法は、例えば、特開2015-128762号公報、特開2017-114802号公報などを参考に行うことができる。前記製造方法では、通常、(A)成分は、水中に分散した状態で得られる。用途によってはこの水分散液をそのまま使用することもできるが、場合によっては、(A)成分を分離して使用する。分離方法としては、ろ過、遠心分離等を採用することができる。
(A)成分は、機能剤とシリカとの合計中、機能剤の割合が、例えば、50質量%以上、更に60質量%以上、更に70質量%以上、そして、99質量%以下、更に97質量%以下、更に95質量%以下であってよい。
(B)成分は、(B1)アニオン界面活性剤〔以下、(B1)成分という。〕及び(B2)ノニオン界面活性剤〔以下、(B2)成分という。〕から選ばれる1種以上の界面活性剤である。
(B1)成分のアニオン界面活性剤は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、炭化水素基を有するスルホン酸又はその塩、炭化水素基を有する硫酸エステル又はその塩、カルボン酸又はその塩が挙げられ、炭化水素基を有するスルホン酸又はその塩、カルボン酸又はその塩が好ましい。炭化水素基は、アルキル基又はアルケニル基であってよい。炭化水素基の炭素数は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは9以上、より更に好ましくは11以上、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは18以下である。前記の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などの一価金属塩、マグネシウム塩などの二価金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩などの有機アミン塩が挙げられ、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、ナトリウム塩が好ましい。
(B1)成分は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、下記(b1-1)成分~(b1-5)成分から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好ましく、(b1-1)~(b1-3)成分から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤がより好ましく、(b1-2)成分及び(b1-3)成分から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が更に好ましい。
(b1-1)成分:下記一般式(b1-1)で表されるスルホン酸又はその塩
-B-SOM (b1-1)
〔式(b1-1)中、Rは炭素数3以上21以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Bはベンゼン環を示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す。Bに結合するRに対して、スルホン酸基はオルト位、メタ位又はパラ位に結合している。
(b1-2)成分:炭素数14以上24以下の内部オレフィンスルホン酸又はその塩
(b1-3)成分:炭素数10以上20以下の脂肪酸又はその塩
(b1-4)成分:下記一般式(b1-4)で表される硫酸エステル又はその塩
-O-[(PO)/(EO)]-SOM (b1-4)
〔式(b1-4)中、Rは炭素数8以上22以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、酸素原子と結合する炭素原子が第1炭素原子であって、POはプロピレンオキシ基、EOはエチレンオキシ基を示し、EOとPOはブロック又はランダム結合であってもよく、/はPOとEOの結合順序を問わないことを示す記号であり、m及びnは平均付加モル数であって、mは0以上5以下、かつnは0以上16以下であり、そしてMは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。〕
(b1-5)成分:下記一般式(b1-5)で表されるα-スルホ脂肪酸エステル又はその塩
-CH(SOM)COOR (b1-5)
〔式(b1-5)中、Rは炭素数6以上20以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。〕
式(b1-1)中、Rの炭素数は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、3以上、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは10以上、そして、21以下、好ましくは19以下、より好ましくは17以下、更に好ましくは15以下である。
式(b1-1)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム又は有機アンモニウムを示し、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくはアルカリ金属、炭素数2以上6以下のアルカノールアンモニウムである。アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウムが挙げられる。有機アンモニウムは、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウムなどのアルカノールアンモニウムが挙げられる。
なお、本発明における(b1-1)成分の含有量は、ナトリウム塩に換算した化合物の量に基づく。すなわち、一般式(b1-1)中のMをナトリウムとした化合物の量で濃度(ppm)や質量比を算出する。
具体的な(b1-1)成分としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸などが挙げられる。
(b1-2)成分の炭素数は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、14以上、より好ましくは16以上、更に好ましくは18以上、そして、24以下、好ましくは22以下、より好ましくは20以下である。
(b1-2)成分には、内部オレフィンスルホン酸又はその塩に加えて、合成時において生成するヒドロキシアアルカンスルホン酸又はその塩やオレフィンスルホン酸又はその塩も含まれ得る。
(b1-2)成分の塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、例えば、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウムなどのアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくはアルカリ金属、炭素数2以上6以下のアルカノールアンモニウムが挙げられる。
なお、本発明における(b1-2)成分の含有量は、カリウム塩に換算した化合物の量に基づく。
(b1-3)成分の炭素数は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、10以上、好ましくは11以上、より好ましくは12以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下である。この炭素数には、下記の塩に含まれる炭素数は含まれない(以下、同じである)。
(b1-3)成分の塩としては、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属(1/2原子)塩、アンモニウム塩又は有機アンモニウム塩が挙げられる。
なお、本発明における(b1-3)成分の含有量は、酸型(水素原子)に換算した化合物の量に基づく。
(b1-3)成分の全脂肪酸(脂肪酸の塩を含む)に対する炭素数12の脂肪酸(脂肪酸の塩を含む)の割合は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
具体的な(b1-3)成分は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヤシ脂肪酸、パーム脂肪酸、パーム核脂肪酸などが挙げられる。
式(b1-4)中、Rは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは炭素数9以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下のアルキル基又はアルケニル基、好ましくはアルキル基である。繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、Rは上記炭素数の直鎖アルキル基が好ましい。
式(b1-4)中、mは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、0以上、そして、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。mは、0であってよい。
式(b1-4)中、nは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、0以上、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは6以下である。
(b1-4)成分の塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、例えば、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウムなどのアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。(b1-4)成分の塩としては、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくはアルカリ金属塩、炭素数2以上6以下のアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。
なお、本発明における(b1-4)成分の含有量は、ナトリウム塩に換算した化合物の量に基づく。
式(b1-5)中、Rは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは炭素数8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下のアルキル基又はアルケニル基、好ましくはアルキル基である。
式(b1-5)中、Rは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、炭素数1以上、そして、好ましくは5以下、より好ましくは4以下のアルキル基である。
式(b1-5)中、Mは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。Mは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、より好ましくはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウムなどのアルカノールアンモニウムであり、更に好ましくは、ナトリウムである。
なお、本発明における(b1-5)成分の含有量は、ナトリウム塩に換算した化合物の量に基づく。
具体的な(b1-5)成分としては、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、式(b1-5)中、Rが11以上14以下のアルキル基、Rがメチル基であるα-スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩が挙げられる。
(B2)成分のノニオン界面活性剤は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリルモノエーテル等が挙げられ、ポリオキシアルキレンエーテル、脂肪酸メチルエステルアルコキシレートが好ましい。
(B2)成分としては、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、下記の(b2-1)成分~(b2-4)成分から選ばれる1種以上のノニオン界面活性剤が好ましく、(b2-2)成分及び(b2-3)成分から選ばれる1種以上のノニオン界面活性剤がより好ましい。
(b2-1)成分:下記一般式(b2-1)で表される化合物
-O-(EO)―H (b2-1)
〔式中、Rは、炭素数8以上20以下の第一級アルキル基又は第一級アルケニル基、EOは、エチレンオキシ基、mは、平均付加モル数であり2以上50以下である。〕
(b2-2)成分:下記一般式(b2-2)で表される化合物
-O-[(PO)/(EO)]-H (b2-2)
〔式中、Rは、炭素数8以上20以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、EOとPOはブロック型結合又はランダム型結合であり、/はPOとEOの結合順序を問わないことを示す記号であり、pはPOの平均付加モル数で0.1以上20以下、qはEOの平均付加モル数で4以上25以下である。〕
(b2-3)成分:第二級アルコールにエチレンオキサイドが付加したノニオン界面活性剤、具体的には、下記一般式(b2-3)で表される化合物
-O-(EO)-H (b2-3)
〔式中、Rは炭素数8以上24以下の直鎖又は分岐鎖の第二級アルキル基又は第二級アルケニル基であり、EOはエチレンオキシ基であり、sは平均付加モル数であり、3以上24以下の数である。〕
(b2-4)成分:炭素数8以上24以下の脂肪酸メチルエステルアルコキシレート
式(b2-1)中、Rの炭素数は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下である。
なお、第一級アルキル基又は第一級アルケニル基とは、一般式(b2-1)中のR-Oにおいて、Oと結合するRの炭素が第一級炭素である基をいう。
式(b2-1)中、mは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、2以上、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは10以上、そして、50以下、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。
式(b2-2)中、Rの炭素数は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下である。
式(b2-2)中、pは、POの平均付加モル数であり、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、0.1以上、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、そして、20以下、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下、より更に好ましくは6以下、より更に好ましくは4以下の数である。繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、pは、好ましくは2以上8以下の数であってよい。
式(b2-2)中、qは、EOの平均付加モル数であり、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、4以上、好ましくは7以上、より好ましくは10以上、そして、25以下、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは17以下の数である。
式(b2-3)中、Rは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、直鎖の第二級アルキル基であることが好ましく、Rの炭素数は、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは14以下である。なお、第二級アルキル基及び第2級アルケニル基とは、式(b2-3)中、Rの炭素原子のうち-O-と結合する炭素原子が第二級炭素原子である基をいう。また、Rの第二級炭素に結合する炭素鎖は更に側鎖(分岐鎖)を有していてもよい。
式(b2-3)中、sは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5以上であり、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは12以下である。
(b2-4)成分は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、炭素数が、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは14以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは18以下である脂肪酸のメチルエステルであって、エチレンオキシ基の平均付加モル数が、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは15以上、そして、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下のノニオン界面活性剤が挙げられる。
本発明の処理液は水を含有する。すなわち、前記(a)成分、及び(b)成分や(c)成分などの任意成分以外の残部が水であってよい。水は、水道水、地下水、河川水などが挙げられる。水は、硬度を有する水が好ましい。水の硬度は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、ドイツ硬度で、好ましくは0.2°dH以上、より好ましくは0.5°dH以上、更に好ましくは0.8°dH以上、より更に好ましくは1°dH以上、より更に好ましくは1.5°dH以上、そして、好ましくは20°dH以下、より好ましくは15°dH以下、更に好ましくは10°dH以下である。
ここで、本明細書におけるドイツ硬度(°dH)とは、水中におけるカルシウム及びマグネシウムの濃度を、CaCO換算濃度で1mg/L(ppm)=約0.056°dH(1°dH=17.8ppm)で表したものを指す。このドイツ硬度のためのカルシウム及びマグネシウムの濃度は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を使用したキレート滴定法で求められる。
本明細書における水のドイツ硬度の具体的な測定方法を下記に示す。
<水のドイツ硬度の測定方法>
〔試薬〕
・0.01mol/l EDTA・2Na溶液:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの0.01mol/l水溶液(滴定用溶液、0.01 M EDTA-Na2、シグマアルドリッチ(SIGMA-ALDRICH)社製)
・Universal BT指示薬(製品名:Universal BT(株)同仁化学研究所製)
・硬度測定用アンモニア緩衝液(塩化アンモニウム67.5gを28w/v%アンモニア水570mlに溶解し、イオン交換水で全量を1000mlとした溶液)
〔硬度の測定〕
(1)試料となる水20mlをホールピペットでコニカルビーカーに採取する。
(2)硬度測定用アンモニア緩衝液2ml添加する。
(3)Universal BT指示薬を0.5ml添加する。添加後の溶液が赤紫色であることを確認する。
(4)コニカルビーカーをよく振り混ぜながら、ビュレットから0.01mol/l EDTA・2Na溶液を滴下し、試料となる水が青色に変色した時点を滴定の終点とする。
(5)全硬度は下記の算出式で求める。
硬度(°dH)=T×0.01×F×56.0774×100/A
T:0.01mol/l EDTA・2Na溶液の滴定量(mL)
A:サンプル容量(20mL、試料となる水の容量)
F:0.01mol/l EDTA・2Na溶液のファクター
<組成等>
本発明の処理液の(A)成分の濃度は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは5ppm以上、更に好ましくは40ppm以上、より更に好ましくは80ppm以上、そして、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは800ppm以下、更に好ましくは400ppm以下であってよい。なお、本発明では、ppmは、質量の割合を表す(以下のppmに関しても同様である)。
本発明の処理液の(B)成分の濃度は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは80ppm以上、より更に好ましくは150ppm以上、そして、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは800ppm以下、更に好ましくは600ppm以下、より更に好ましくは300ppm以下であってよい。
本発明の処理液において、(B)成分の含有量と(A)成分の含有量との質量比である(B)/(A)は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.8以上、そして、40以下、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下である。ここで(B)成分の含有量は、(B)成分の含有量の合計、すなわち、(B1)成分と(B2)成分の含有量の合計である。
本発明の処理液中の(B1)成分の含有量と(A)成分の含有量との質量比である(B1)/(A)は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは0以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは0.6以上、より更に好ましくは0.7以上、そして、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。前記の(B)/(A)が上記範囲を満たしたうえで、(B1)/(A)が前記範囲を満たすことが好ましい。
本発明の処理液中の(B2)成分の含有量と(A)成分の含有量との質量比である(B2)/(A)は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは0以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは0.6以上、より更に好ましくは0.7以上、そして、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。前記の(B)/(A)が上記範囲を満たしたうえで、(B2)/(A)が前記範囲を満たすことが好ましい。
本発明の処理液が(B1)成分と(B2)成分を含む場合、該処理液中の(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比である(B1)/(B2)は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、0を超え、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、そして、2以下、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.7以下、更に好ましくは1.5以下である。
本発明の処理液は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、更に(C)成分として、水酸基を有する有機溶剤を含有することができる。但し、(C)成分からは、(A)成分に内包された水酸基を有する有機溶剤は除かれる。
(C)成分は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、下記の(c1)~(c4)成分から選ばれる1種以上の有機溶剤が好ましく、(c2)成分を含む1種以上の有機溶剤がより好ましい。
(c1)成分:炭素数2以上6以下の1価のアルコール
(c2)成分:炭素数2以上12以下、且つ2価以上12価以下のアルコール
(c3)成分:炭素数1以上8以下の炭化水素基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤(ただし、炭化水素基は芳香族基を除く。)
(c4)成分:部分的に置換していても良い芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤
(c1)成分は、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられ、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、エタノールが好ましい。
(c2)成分は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の炭素数2以上8以下の2価以上6価以下の多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の炭素数4以上12以下のグリコールエーテルが挙げられ、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、プロピレングリコール、ブチレングリコールが好ましい。
(c3)成分は、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、1-メチルグリセリルエーテル、2-メチルグリセリルエーテル、1,3-ジメチルグリセリルエーテル、1-エチルグリセリルエーテル、1,3-ジエチルグリセリルエーテル、1-ペンチルグリセリルエーテル、2-ペンチルグリセリルエーテルが挙げられ、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
(c4)成分は、フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、平均分子量約480のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、2-ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等のグリコールの芳香族エーテルが挙げられ、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましい。
(C)成分は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくはフェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びブチレングリコールから選ばれる1種以上であり、より好ましくはエタノール、フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上である。
本発明の処理液が(C)成分を含有する場合、本発明の処理液の(C)成分の濃度は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは50ppm以上、そして、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、更に好ましくは100ppm以下であってよい。
本発明の処理液は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、更にpH調整剤を含有することができる。但し、pH調整剤からは、(A)成分に内包されたpH調整剤は除かれる。
pH調整剤としては、
(1)塩酸や硫酸などの無機酸、p-トルエンスルホン酸、(o-、m-、p-)キシレンスルホン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸などの有機酸などの酸剤、及び
(2)水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、アンモニアやその誘導体、モノエタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン塩など、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ剤
から選ばれる化合物が挙げられる。
本発明の処理液のpHは、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは7.5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは9.5以下、更に好ましくは9以下である。処理液は、25℃におけるpHが前記範囲であってよい。pHは、下記に記載のpHの測定方法に従って測定する。
〔pHの測定方法〕
pHメーター(HORIBA製 pH/イオンメーター D-71)にpH測定用複合電極(HORIBA製 9615S計量法型式JF15)を接続し、電源を投入する。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33モル/L)を使用する。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬する。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行う。測定対象となるサンプルを25℃に調整し、前記のpHメーターの電極をサンプルに浸漬し3分後のpHを測定する。
本発明の処理液は、任意に、抗菌剤、漂白剤、漂白活性化剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防汚剤、染料、酵素、ポリマー、シリコーン等を含むことができる。
[繊維の処理方法]
本発明の繊維の処理方法について、より詳細に説明する。本発明の繊維の処理方法は、繊維の仕上げ方法、繊維の柔軟性付与方法、又は繊維の洗浄方法であってよい。
また、本発明の繊維の処理方法は、上記本発明の処理液を繊維製品に接触させる繊維製品の処理方法であってよい。また、本発明の繊維の処理方法は、上記本発明の処理液で繊維製品を処理する繊維製品の処理方法であってよい。
本発明の繊維製品の処理方法は、繊維製品の仕上げ方法、繊維製品の柔軟性付与方法、又は繊維製品の洗浄方法であってよい。
本発明の繊維の処理方法で繊維又は繊維製品を処理した後に、当該繊維又は繊維製品を水ですすいでもよい。
本発明の繊維の処理方法では、上記本発明の処理液を好ましく用いることができる。また、(A)~(C)成分の具体例や好ましい態様なども同じである。
本発明の繊維の処理方法において、処理液中の(B)成分の含有量と(A)成分の含有量との質量比である(B)/(A)は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.8以上、そして、40以下、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下である。
本発明の繊維の処理方法が対象とする繊維及び繊維製品は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良い。疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど)、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維(ベンゾエートなど)、ポリフルオロエチレン系繊維(ポリテトラフルオロエチレンなど)、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリコーンカーバイト繊維、岩石繊維(ロックファイバー)、鉱滓繊維(スラッグファイバー)、金属繊維(金糸、銀糸、スチール繊維)等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(木綿、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が例示される。
繊維製品としては、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、ワイシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ、マスク等の製品が挙げられる。
以下、具体的に本発明の処理液で繊維製品を処理する例を挙げて詳細に説明するが、本発明の繊維の処理方法は、下記態様に制限されるものではない。
本発明の処理液で繊維製品を処理する方法としては、例えば、本発明の処理液に対象繊維製品を浸漬させる方法を挙げることができる。ここで、浸漬とは、本発明の処理液に、当該繊維製品が浸される状態をいう。浸漬処理により繊維製品を処理する場合、撹拌を行って繊維製品を処理してもよい。
本発明の繊維製品の処理方法では、処理液を含んだ繊維製品を手洗いすることができる。手洗いの方法としては、繊維製品を手でもみ洗いする方法、繊維製品を押し洗いする方法、繊維製品同士を手で擦り合わせる方法などが挙げられる。
また、本発明の繊維製品の処理方法では、繊維製品を洗濯機で処理することができる。洗濯機としては、例えば、縦型洗濯機、二層式洗濯機、ドラム式洗濯機、パルセータ式洗濯機、アジテータ式洗濯機、小型洗濯機などが挙げられる。これらの洗濯機は、それぞれ家庭用として市販されているものを使用することができる。
本発明の処理液の(A)成分の濃度は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは5ppm以上、更に好ましくは40ppm以上、より更に好ましくは80ppm以上、そして、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは800ppm以下、更に好ましくは400ppm以下であってよい。
本発明の処理液の(B)成分の濃度は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは80ppm以上、より更に好ましくは150ppm以上、そして、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは800ppm以下、更に好ましくは600ppm以下、より更に好ましくは300ppm以下であってよい。
本発明の処理液が(C)成分を含有する場合、本発明の処理液の(C)成分の濃度は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは50ppm以上、そして、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、更に好ましくは100ppm以下であってよい。
処理液の温度は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは3℃以上、更に好ましくは5℃以上、そして、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下である。
処理時間は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは2分以上、より好ましくは3分以上、そして、好ましくは60分以下、より好ましくは45分以下である。
繊維製品の質量(kg)と処理液の量(リットル)の比で表される浴比の値、すなわち処理液の量(リットル)/繊維製品の質量(kg)(以下、この比を浴比とする場合もある)の値は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、より更に好ましくは5以上、そして、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。
本発明の繊維製品の処理方法では、前記の繊維製品の処理において、本発明の処理液で繊維製品を洗った後に、すすぎを行うこともできる。本発明において、すすぎとは、処理液を含んだ繊維製品を新しい水と接触することで、繊維製品に含まれる処理液と共にキャリーオーバーされる本発明の成分の量を減少させる工程を言う。なお、すすぎで用いる水の温度や量は、本発明の処理操作で用いた水と、同じでも異なっていてもよい。すすぎは、複数回行うことができる。
すすぎ水の温度は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、そして、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下である。
また、この方法では、処理時間は、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、そして、好ましくは30分以下、より好ましくは20分以下、更に好ましくは15分以下である。
本発明の繊維製品の処理方法で処理された繊維製品は、脱水し、自然乾燥あるいは加熱乾燥機により乾燥させてもよい。乾燥後の繊維製品は、より仕上がりを重視する場合にはアイロンをかけても差し支えない。
[処理液用キット]
本発明は、前記(A)成分を含む第1の剤と、前記(B)成分を含む第2の剤とを含んで構成される処理液用キットを提供する。処理液用キットは、繊維又は繊維製品の仕上げ処理液用キット、繊維又は繊維製品の柔軟性付与処理液用キット、又は繊維又は繊維製品の洗浄液用キットであってよい。
本発明の処理液用キットは、具体的には、(A)成分を含む第1の剤と、(B)成分を含む第2の剤を、分離した状態で含んで構成されるキットである。
本発明の処理液用キットは、成分を分けて保存できる容器に収容し、使用時に混合して用いる。特に、(A)成分を含む第1の剤(実質的に(B)成分を含まないことが好ましい。)と(B)成分を含む第2の剤(実質的に(A)成分を含まないことが好ましい。)とを、それぞれ分離して保持する容器に充填してなるキットが好ましい。
本発明の処理液用キットを用いて、(A)成分を含む第1の剤と(B)成分を含む第2の剤とが混合されることで、本発明の処理液が調製される。
本発明の処理液用キットは、本発明の処理液、及び本発明の繊維の処理方法で記載した態様を適宜適用することができる。
(A)成分、(B)成分などの具体例や好ましい態様は、本発明の処理液で記載したものと同じである。
本発明の処理液用キットは、(A)成分を含む第1の剤と(B)成分を含む第2の剤とを、処理液の(A)成分の濃度が、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは5ppm以上、更に好ましくは40ppm以上、より更に好ましくは80ppm以上、そして、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは800ppm以下、更に好ましくは400ppm以下となるように混合される。
本発明の処理液用キットは、(A)成分を含む第1の剤と(B)成分を含む第2の剤とを、処理液の(B)成分の濃度が、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは80ppm以上、より更に好ましくは150ppm以上、そして、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは800ppm以下、更に好ましくは600ppm以下、より更に好ましくは300ppm以下となるように混合される。
本発明の処理液用キットは、(A)成分を含む第1の剤と(B)成分を含む第2の剤とを、処理液中の(B)成分の含有量と(A)成分の含有量との質量比(B)/(A)が、繊維摩擦による機能剤内包シリカカプセルの崩壊抑制の観点から、0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.8以上、そして、40以下、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下となるように混合される。
本発明の処理液用キットは、前記(C)成分を、(A)成分を含む第1の剤と(B)成分を含む第2の剤の少なくともいずれかに含むことが好ましい。
(C)成分の具体例や好ましい態様は、本発明の処理液で記載したものと同じである。
本発明の処理液用キットは、水を、(A)成分を含む第1の剤と(B)成分を含む第2の剤の少なくともいずれかに含むことが好ましい。
本発明の処理液用キットは、成分を分けて保存できる容器に収容し、使用時に混合して用いるタイプの2剤型の処理剤組成物に適用できる。また本発明の処理液用キットは繊維製品用として好適に用いることができる。
<実施例及び比較例>
下記配合成分を用い、表2~3に示す処理液を調製し、得られた処理液を用いて、下記の方法でカプセル崩壊率の評価を行った。
<配合成分>
実施例及び比較例では、以下の成分を用いた。
<(A)成分>
・A-1:下記方法により製造された香料内包シリカカプセル(1)
<A-1の製造方法>
(工程1)
3.0gのコータミン60W(商品名、花王株式会社製、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、有効分30質量%)を750gのイオン交換水で希釈して水相成分を得た。この水相成分に、200gの表1に示す配合割合のモデル香料Aと50gのテトラエトキシシラン(以下、「TEOS」ともいう)を混合して調製した油相成分を加え、ホモミキサー(HsiangTai製、モデル:HM-310、以下同様)を用いて回転数8,500rpmにて混合液を乳化し、乳化液を得た。この時の乳化滴の体積平均粒径は1.4μmであった。
得られた乳化液のpHを1%硫酸水溶液を用いて3.8に調整した後、撹拌翼と冷却器を備えたセパラブルフラスコに移し、液温を30℃に保ちつつ、200rpmで24時間撹拌し、モデル香料Aからなるコアとシリカからなる第一シェルとを有するシリカカプセルを含有する水分散体を得た。
(工程2)
工程1で得られた水分散体を液温30℃で撹拌しながら、21gのTEOSを420分かけて滴下した。滴下後、更に17時間撹拌を続けた後に冷却することにより、第一シェルを包接する第二シェルを形成し、モデル香料Aが非晶質シリカで内包されたシリカカプセルを含有する水分散体を得た。シリカカプセルの体積平均粒径は2.1μmであった。乳化滴及びシリカカプセル(I)の体積平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA-960」(商品名、株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。測定はフローセルを使用し、媒体は水、屈折率は1.40-0iに設定した。乳化液又はシリカカプセルを含む水分散体をフローセルに添加し、透過率が90%付近を示した濃度で測定を実施し、体積平均粒径を求めた。
なお、第一シェルの厚さは約5nmであり、第二シェルの厚さは5~30nmであった。
Figure 2023093970000001
<(B)成分>
・(B1-1-1):直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アルキル組成:C10/C11/C12/C13=11/29/34/26(質量比)、化合物全体の質量平均炭素数=17.75)
・(B1-2-1):炭素数18の内部オレフィンスルホン酸カリウム塩(C18IOS)、当該C18IOS中のオレフィン体(オレフィンスルホン酸カリウム)/ヒドロキシ体(ヒドロキシアルカンスルホン酸カリウム)の質量比は16/84である。当該C18IOS中のHAS体のスルホン酸基の位置分布の質量比は以下の通りである。1位/2位/3位/4位/5位/6~9位=1.5/22.1/17.2/21.8/13.5/23.9。また、(IO-1S)/(IO-2S)=1.6(質量比)である。
なお、当該C18IOS中に含まれるHAS体のスルホン酸基の位置分布は、液体クロマトグラフ質量分析計(以下、LC-MSと省略)により測定した。ただし、二重結合が6位以上に存在する内部オレフィンスルホン酸塩は、ピークが重なり明確に分画できなかった。測定に使用した装置及び分析条件は次の通りである。
〔測定機器〕
LC装置:「LC-20ASXR」((株)島津製作所製)
LC-MS装置:「LCMS-2020」((株)島津製作所製)
カラム:ODS Hypersil(長さ:250mm、内径:4.6mm、粒子径:3μm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)検出器:ESI(-)、m/z=349.15(C18)、321.10(C16)、293.05(C14)
〔溶媒〕
溶媒A:10mM酢酸アンモニウム水溶液
溶媒B:10mMの酢酸アンモニウムを添加した、アセトニトリル/水=95/5溶液
〔溶出条件〕
グラジエント:溶媒A60%溶媒B40%(0~15分)→溶媒A30%溶媒B70%(15.1~20分)→溶媒A60%溶媒B40%(20.1~30分)
流速:0.5ml/min
カラム温度:40℃
インジェクション量:5μl
・(B1-3-1)ラウリン酸
・(B1-3-2)ミリスチン酸
・(B1-3-3)パルミチン酸
・(B1-4-1)ドデシル硫酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
・(B1-4-2)ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム(EO付加モル数:2)
・(B1-4-3)ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム(EO付加モル数:4)
・(B2-1-1)前記一般式(b2-1)においてRがラウリル基であり、mが平均で10である、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
・(B2-2-1)前記一般式(b2-2)においてRがラウリル基であり、pが平均で3.7、qが平均で16.5である、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
・(B2-3-1)ソフタノール70H((株)日本触媒製)(炭素数12~14の第二級アルコールにエチレンオキサイドを平均7モル付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル)
・(B2-4-1)脂肪酸メチルエステルエトキシレート(脂肪酸の炭素数16以上18以下、エチレンオキシ基の平均付加モル数が15モル)
<(C)成分>
・C-1:プロピレングリコール、富士フイルム和光純薬(株)製
・C-2:ジエチレングリコールモノブチルエーテル、富士フイルム和光純薬(株)製
・C-3:エタノール、富士フイルム和光純薬(株)製
<任意成分>
・増粘剤:硬化ヒマシ油、よう素価1.5g-I/100g
・消泡剤:DOWSIL AC8066 Antifoam、東レ・ダウコーニング(株)製
・pH調整剤:クエン酸、モノエタノールアミン
<水>
和歌山市水に塩化カルシウムと塩化マグネシウムを質量比で8:2の割合で投入し、硬度を4°dHに調製した水。
<カプセル崩壊率評価用の繊維製品の調製>
木綿布1.7kg(木綿2003(谷頭商店製))を、全自動洗濯機(National製NA-F702P)の標準コースで2回累積洗濯(洗浄時にエマルゲン108(花王(株)製)4.7g、水量47L、洗い9分・すすぎ2回・脱水3分)後、水のみで3回累積洗濯(水量47L、洗い9分・すすぎ2回・脱水3分)を行い、23℃、45%RHの環境下で24時間乾燥させた。その後、6cm×6cmの大きさに裁断した。
<処理液の調製>
上記成分を用いて、表2、3に示す処理液を調製した。処理液は、具体的には、各成分を粘度等のハンドリングが問題ない範囲まで水で希釈した組成物を調製して、その後1リットルのガラスビーカーに500mlの水を加えて、その水に対して、表2、3の組成になるように各成分を水で希釈した組成物を添加して調製した。
<カプセル崩壊率の測定>
(1)実施例1~22、比較例1~5
ターゴトメーター(上島製作所製)を用いて、前記評価用の繊維製品の処理を行った。表2、3に記載の処理液を1リットルのステンレスビーカーに0.6L投入した。処理液の温度は20℃であった。ターゴトメーターで85rpm、10分間、評価用の繊維を処理した。
この処理を行った後に処理液をビーカーに約400ml回収し、メンブレンフィルターDurapore HVLP04700(目開き0.45μm メルク社製)をろ紙として使用し、吸引ろ過装置(アドバンテック社製VT-500)でろ過を行い、ろ液重量を測定した。メンブレンフィルター上に未崩壊のカプセルを回収した。
ろ液1mlを計りとり、内部標準としてベンジルベンゾエートを10μg /mlの濃度で含むアセトン9mlと混合した。この溶液に含まれる香料の量を、下記の測定機器により、ガスクロマトグラフィーを用いて分画、質量分析装置により定量し、ろ液重量による補正を加えた後、添加した量との比率からカプセル崩壊率を算出した。カプセル崩壊率が低いほど、カプセル崩壊抑制能に優れるといえる。
カプセル崩壊率(%)=〔(ガスクロマトグラフィーにより定量したろ液中の香料の重量)/(投入した香料の重量)〕×100
〔測定機器〕
GC装置:「Agilent Technologies7890B」(Agilent社製)
MS装置:「Agilent Technologies5977A」(Agilent社製)
カラム:DB-WAX(長さ:30m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、Agilent社製)
注入口温度:240℃
注入法:スプリットレス
注入量:1μl
温度:40℃→12.5℃/minで昇温→240℃(14min)
キャリアガス:ヘリウム 平均線速度 51cm/min
MS温度:イオン源230℃ 四重極温度150℃
イオン化方式:EI
取り込みモード:SIM
(2)実施例23、24、比較例6
上記(1)のカプセル崩壊率の測定において処理液の温度を40℃に調整し、この処理液を用いて、上記(1)の方法と同様で、評価用の繊維を処理した後、カプセル崩壊率の評価を行った。
Figure 2023093970000002
Figure 2023093970000003

Claims (6)

  1. 下記の(A)成分、(B)成分及び水を含有し、(B)成分の含有量と(A)成分の含有量の質量比である(B)/(A)が0.5以上40以下である処理液を、繊維に接触させる、繊維の処理方法。
    (A)成分:機能剤内包シリカカプセル
    (B)成分:(B1)アニオン界面活性剤〔以下、(B1)成分という。〕及び(B2)ノニオン界面活性剤〔以下、(B2)成分という。〕から選ばれる1種以上の界面活性剤(ただし、(B1)成分と(B2)成分をどちらも含む場合は、(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比である(B1)/(B2)が、0超え2以下である。)
  2. 前記(B1)成分が、下記の(b1-1)成分~(b1-5)成分から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の繊維の処理方法。
    (b1-1)成分:下記一般式(b1-1)で表されるスルホン酸又はその塩
    -B-SOM (b1-1)
    〔式(b1-1)中、Rは炭素数3以上21以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Bはベンゼン環を示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す。Bに結合するRに対して、スルホン酸基はオルト位、メタ位又はパラ位に結合している。〕
    (b1-2)成分:炭素数14以上24以下の内部オレフィンスルホン酸又はその塩
    (b1-3)成分:炭素数10以上20以下の脂肪酸又はその塩
    (b1-4)成分:下記一般式(b1-4)で表される硫酸エステル又はその塩
    -O-[(PO)/(EO)]-SOM (b1-4)
    〔式(b1-4)中、Rは炭素数8以上22以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、酸素原子と結合する炭素原子が第1炭素原子であって、POはプロピレンオキシ基、EOはエチレンオキシ基を示し、EOとPOはブロック又はランダム結合であってもよく、/はPOとEOの結合順序を問わないことを示す記号であり、m及びnは平均付加モル数であって、mは0以上5以下、かつnは0以上16以下であり、そしてMは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。〕
    (b1-5)成分:下記一般式(b1-5)で表されるα-スルホ脂肪酸エステル又はその塩
    -CH(SOM)COOR (b1-5)
    〔式(b1-5)中、Rは炭素数6以上20以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。〕
  3. 前記(B2)成分が、下記の(b2-1)成分~(b2-4)成分から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の繊維の処理方法。
    (b2-1)成分:下記一般式(b2-1)で表される化合物
    -O-(EO)-H (b2-1)
    〔式中、Rは、炭素数8以上20以下の第一級アルキル基又は第一級アルケニル基、EOは、エチレンオキシ基、mは、平均付加モル数であり2以上50以下である。〕
    (b2-2)成分:下記一般式(b2-2)で表される化合物
    -O-[(PO)/(EO)]-H (b2-2)
    〔式中、Rは、炭素数8以上20以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、EOとPOはブロック型結合又はランダム型結合であり、/はPOとEOの結合順序を問わないことを示す記号であり、pはPOの平均付加モル数で0.1以上20以下、qはEOの平均付加モル数で4以上25以下である。〕
    (b2-3)成分:第二級アルコールにエチレンオキサイドが付加したノニオン界面活性剤であり、下記一般式(b2-3)で表される化合物
    -O-(EO)-H (b2-3)
    〔式中、Rは炭素数8以上24以下の第二級アルキル基又は第二級アルケニル基であり、EOはエチレンオキシ基であり、sは平均付加モル数であり、3以上24以下の数である。〕
    (b2-4)成分:炭素数8以上24以下の脂肪酸メチルエステルアルコキシレート
  4. さらに下記の(C)成分を含有する、請求項1~3の何れか1項に記載の繊維の処理方法。
    (C)成分:水酸基を有する有機溶剤
  5. 前記(C)成分が下記の(c1)~(c4)成分から選ばれる1種以上である、請求項4に記載の繊維の処理方法。
    (c1)成分:炭素数2以上6以下の1価のアルコール
    (c2)成分:炭素数2以上12以下、且つ2価以上12価以下のアルコール
    (c3)成分:炭素数1以上8以下の炭化水素基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤(ただし、炭化水素基は芳香族基を除く。)
    (c4)成分:部分的に置換していても良い芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤
  6. 前記(C)成分が(c2)成分を含む1種以上である、請求項5に記載の繊維の処理方法。
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