JP2023092851A - 合成セグメント及び土留構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼殻とコンクリートとのずれを防止する合成セグメント及び土留構造物を提供すること。【解決手段】合成セグメントは、土留構造物の周方向及び軸方向に複数連結されることにより、土留構造物を構築する合成セグメントであって、鋼殻と、鋼殻の内部に充填されたコンクリートと、を備え、鋼殻は、軸方向に離間して設けられた一対の主桁と、主桁の外周側に接合されたスキンプレートと、主桁の周方向の両端部に接合された一対の継手板と、鋼殻の内部において、一対の主桁からコンクリートの内部に突出しており、周方向に延びている一対の突出板と、を有し、コンクリート内には、周方向に延びる主筋と、軸方向に延びる配力筋と、が設けられており、内周側に配置され、配力筋、あるいは主筋及び配力筋を含む内側鉄筋と、外周側に配置され、主筋、あるいは主筋及び配力筋を含む外側鉄筋と、内側鉄筋と外側鉄筋とを連結する連結鉄筋と、を有し、一対の突出板は、内側鉄筋と結合しているものである。【選択図】図5

Description

本発明は、トンネル等の土留構造物として用いられる合成セグメント及び土留構造物に関するものである。
従来、鉛直方向の地下構造物を構築する土留構造物の圧入工法として、アーバンリング工法(登録商標)が知られている。アーバンリング工法は、土留パネルを沈設地点でリング状の構造物に組み立てて、圧入装置でリング状の構造物を地中に圧入する。そして、リング状の構造物を地中に圧入した後、リング状の構造物の内部を掘削して排土し、その上に新たなリング状の構造物を増設するといった作業工程を所定の深度まで繰り返すことにより、立坑等の地下構造物を構築するものである。
また、トンネル構築法の一つにシールド工法がある。シールド工法とは、立坑内に設置した掘進機を一定長さ掘進させる毎に、その後部で、例えば、円弧状の合成セグメントをリング状に組み立ててセグメントリングを構築し、これを順次、延長させて円筒形の覆工を形成してシールドトンネルを構築する工法である。
上記のような立坑又はトンネル等に用いられる合成セグメントは、土留構造物の軸方向端面を形成する主桁、周方向の端面を形成する継手板及び外周面を形成するスキンプレートを有する鋼殻の内部にコンクリート等の充填材を充填し、硬化させて形成されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2009-074291号公報
合成セグメントは、鋼殻と鋼殻の内部に充填されたコンクリートとを一体化して、鋼材とコンクリートとの合成効果を発揮させる。そのため、合成セグメントは、枠体を構成する鋼殻と鋼殻に充填されたコンクリートとを一体化させ、鋼殻とコンクリートとのずれを防止し、外力に対して一体的に挙動させる合成効果が得られるようにすることで、剛性や耐力を向上させることが望まれている。特許文献1の発明は、コンクリートが内空側にはらみ出すことを抑制するために主桁に補強部材を用いているが、合成セグメントの外周側となるスキンプレート側には、はらみを抑制する構造を備えていない。そのため、特許文献1の発明は、合成セグメントの大きさ、あるいは、合成セグメントに加わる圧力等によってはスキンプレートとコンクリートとの間のずれによるはらみを抑制できず鋼殻とコンクリートとのずれが生じる恐れがある。
本発明は、上記のような課題を解決するものであり、鋼殻とコンクリートとのずれを防止する合成セグメント及び土留構造物を提供するものである。
本発明に係る合成セグメントは、土留構造物の周方向及び軸方向に複数連結されることにより、土留構造物を構築する合成セグメントであって、鋼殻と、鋼殻の内部に充填されたコンクリートと、を備え、鋼殻は、軸方向に離間して設けられた一対の主桁と、主桁の外周側に接合されたスキンプレートと、主桁の周方向の両端部に接合された一対の継手板と、鋼殻の内部において、一対の主桁からコンクリートの内部に突出しており、周方向に延びている一対の突出板と、を有し、コンクリート内には、周方向に延びる主筋と、軸方向に延びる配力筋と、が設けられており、内周側に配置され、配力筋、あるいは主筋及び配力筋を含む内側鉄筋と、外周側に配置され、主筋、あるいは主筋及び配力筋を含む外側鉄筋と、内側鉄筋と外側鉄筋とを連結する連結鉄筋と、を有し、一対の突出板は、内側鉄筋と結合しているものである。
本発明に係る土留構造物は、上記の合成セグメントを周方向及び軸方向に複数組み合わせて形成されたものである。
本発明の合成セグメントは、鋼殻の内部において、一対の主桁からコンクリートの内部に突出しており、周方向に延びている一対の突出板と、内周側に配置され内側鉄筋と、外周側に配置された外側鉄筋と、内側鉄筋と外側鉄筋とを連結する連結鉄筋とを有し、一対の突出板は、内側鉄筋と結合しているものである。合成セグメントは、一対の突出板間に内側鉄筋を渡すことにより、内側鉄筋の張力で突出板が内周側に倒れることを抑制できる。また、内側鉄筋は連結鉄筋によって外側鉄筋と連結されており、強度を確保できると共に、連結鉄筋がずれ止め材としての役割を果たすことができる。そのため、合成セグメントは腹圧力に対する強度を向上させることができ、鋼殻とコンクリートとのずれを防止することができる。
実施の形態1に係る土留構造物の概念図である。 実施の形態1に係るセグメントリングを孔軸方向ADに見た概念図である。 実施の形態1に係る合成セグメントの一例を内周側から見た斜視図である。 実施の形態1に係る合成セグメントの一例を外周側から見た斜視図である。 実施の形態1に係る合成セグメントの内部構造の一例を示す斜視図である。 実施の形態1に係る合成セグメントの内部構造の一例を示す側面図である。 実施の形態1に係る合成セグメントの内部構造の一例を示す断面模式図である。 実施の形態1に係る合成セグメントの第1変形例の内部構造の一例を示す断面模式図である。 実施の形態2に係る合成セグメントの内部構造の一例を示す斜視図である。 実施の形態2に係る合成セグメントの内部構造の一例を示す断面模式図である。 実施の形態2に係る合成セグメントの第1変形例の内部構造の一例を示す断面模式図である。 実施の形態2に係る合成セグメントの第2変形例の内部構造の一例を示す断面模式図である。 実施の形態2に係る合成セグメントの第3変形例の内部構造の一例を示す断面模式図である。
以下、実施の形態に係る合成セグメントについて図面等を参照しながら説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、上、下、左、右、前、後、表及び裏等)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
実施の形態1.
[土留構造物200]
図1は、実施の形態1に係る土留構造物200の概念図である。なお、図1に示す、孔軸方向ADは、土留構造物200の軸方向を表しており、周方向CDは、土留構造物200の周方向を表している。また、径方向RDは、土留構造物200の径方向を表しており、Y1側は、土留構造物200の内周側を表しており、Y2側は、土留構造物200の外周側を表している。
土留構造物200は、土留壁として、例えばトンネルの覆工に用いられ、地山を掘削して形成された掘削孔の壁面に設置される。土留構造物200は、地中に設置され、土留壁として、地下鉄、道路トンネル、上下水道、電力、通信のとう道、共同溝等を構成するトンネル、あるいは、立坑等に用いられる。また、土留構造物200は、圧入ケーソン工法の土留壁として用いられてもよい。土留構造物200が圧入ケーソン工法の土留壁として用いられる場合、土留構造物200は、圧入工法等の施工法において地中の掘削面を覆い、地盤に沈設される。
土留構造物200は、筒状に形成されており、中空の部分を有している。土留構造物200が圧入ケーソン工法の土留壁として用いられる場合、土留構造物200は、地中において筒状の孔軸方向ADが上下方向となるように配置される。
土留構造物200は、孔軸方向ADに見た場合に円形状に形成されており、全体として円筒形状に形成されているが、円筒形状に限定されるものではない。土留構造物200は、筒状に形成されていれば、例えば、孔軸方向ADに見た場合に、長円形状あるいは小判形状、あるいは、角が丸みを帯びた四角形状等、他の形状に形成されていてもよい。土留構造物200は、少なくとも1つのセグメントリング150を有するか、又は、セグメントリング150を複数有し、複数のセグメントリング150が、トンネルの延びる方向に連続して接続されて形成されている。
[セグメントリング150]
図2は、実施の形態1に係るセグメントリング150を孔軸方向ADに見た概念図である。セグメントリング150は、地中の掘削面を覆う構造物である。セグメントリング150は、孔軸方向ADに見た場合に環状に形成されており、全体として筒状に形成されている。セグメントリング150は、例えば、円筒形状に形成されているが、円筒形状に限定されるものではない。
土留構造物200は、複数のセグメントリング150が土留構造物200の延びる方向、すなわち、孔軸方向ADに沿って連結されることで構築される。なお、土留構造物200は、1つのセグメントリング150によって構成されてもよい。土留構造物200が例えばシールド工法に用いられる場合には、土留構造物200は、トンネルの断面の1周分(1リング)ずつセグメントリング150が配置されることにより構築される。したがって、セグメントリング150は、土留構造物200において、トンネルの延びる方向の1単位を構成する。
セグメントリング150は、周方向CDにおいて、複数個の合成セグメント100に分割されている。すなわち、複数の合成セグメント100が環状に配置され、隣接する合成セグメント100同士が互いに連結されることによりセグメントリング150が形成される。なお、図2に示すセグメントリング150は、周方向CDにおいて、合成セグメント100の大きさが略等しいように記載されているが、合成セグメント100の大きさは周方向CDにおける設置位置によってそれぞれ異なる大きさに形成されてもよい。
図1に示すように、土留構造物200において、孔軸方向ADに隣接するセグメントリング150は、セグメントリング150を構成する合成セグメント100の位置が周方向CDにずれた配置状態で組み立てられている。より具体的には、土留構造物200において、セグメントリング150を構成する合成セグメント100が千鳥配置の関係となるように構築されている。
[合成セグメント100]
図3は、実施の形態1に係る合成セグメント100の一例を内周側から見た斜視図である。図4は、実施の形態1に係る合成セグメント100の一例を外周側から見た斜視図である。図5は、実施の形態1に係る合成セグメント100の内部構造の一例を示す斜視図である。図6は、実施の形態1に係る合成セグメント100の内部構造の一例を示す側面図である。図7は、実施の形態1に係る合成セグメント100の内部構造の一例を示す断面模式図である。なお、合成セグメント100の内部構造を説明するために、図5では全てのコンクリート80の図示を省略し、図6では右側半分のコンクリート80の図示を省略する。図7は、図6のA-A線で示す断面模式図である。図3~図7を用いて合成セグメント100について説明する。
合成セグメント100は、環状に配置され周方向CDに互いに連結されることにより地中の掘削面を覆う筒状に形成されたセグメントリング150を構成する。合成セグメント100は、土留構造物200の周方向CD及び孔軸方向ADに複数連結されることにより、土留構造物200を構築する。合成セグメント100は、複数の鋼材を組み合わせて構成される箱形の構造である。合成セグメント100は、セグメントリング150の孔軸方向ADに見た場合に円弧状に形成されており、全体として湾曲した形状に形成されている。
合成セグメント100は、鋼殻10と、鋼殻10の内部に充填されたコンクリート80とを有する。合成セグメント100は、箱状に形成された鋼殻10と、鋼殻10の内部に充填材として充填されたコンクリート80との合成構造であり、鋼殻10とコンクリート80とが一体化されて構成されている。
また、合成セグメント100は、コンクリート80内に、周方向CDに延び、孔軸方向ADに間隔を空けて設けられた主筋42からなる複数の主筋を有している。主筋42の数は、複数に限定されるものでなく、単数でもよい。また、合成セグメント100は、コンクリート80内に、周方向CDに延び、孔軸方向ADに間隔を空けて設けられた主筋43からなる複数の主筋を有している。主筋43の数は、複数に限定されるものでなく、単数でもよい。また、合成セグメント100は、コンクリート80内に、孔軸方向ADに延び、周方向CDに間隔を空けて設けられた配力筋44からなる複数の配力筋を有している。配力筋44の数は、複数に限定されるものでなく、単数でもよい。また、合成セグメント100は、コンクリート80内に、孔軸方向ADに延び、周方向CDに間隔を空けて設けられた配力筋45からなる複数の配力筋を有している。また、合成セグメント100は、鋼殻10の内部に突出する突出板30を有している。配力筋45の数は、複数に限定されるものでなく、単数でもよい。
合成セグメント100の鋼殻10は、図5に示すように、孔軸方向ADに離間して設けられた一対の円弧状の主桁11と、主桁11の外周側に接合されたスキンプレート16と、主桁11の周方向CDの両端部に接合された一対の継手板12と、を有する。鋼殻10は、これらの主桁11と、継手板12と、スキンプレート16とを互いに溶接固定して一体化することで箱状に形成されている。
一対の主桁11は、土留構造物200及びセグメントリング150の孔軸方向ADにおいて、隣り合う合成セグメント100同士が当接する部分であり、隣り合う合成セグメント100同士が接続される部分である。一対の主桁11は、土留構造物200及びセグメントリング150の孔軸方向ADにおいて、合成セグメント100の両端に位置するものである。すなわち、主桁11は、土留構造物200及びセグメントリング150の孔軸方向ADにおいて、スキンプレート16の両端に設けられており、孔軸方向ADにおいて、合成セグメント100の一方の面と他方の面とを形成する。
主桁11は、平板状に形成されている。主桁11は、トンネルの断面形状に応じて孔軸方向ADに見た平面視で円弧状に形成されており、環状の扇形状に形成されている。主桁11は、周方向CD且つ径方向RDに延びるように形成されている。
一対の主桁11の内、一方の主桁11には、孔軸方向ADに積み重ねた上下に隣り合う合成セグメント100同士を連結するためのボルト孔13が複数形成されている。ボルト孔13の数は、複数に限定されるものでなく、単数でもよい。ボルト孔13は、一例として形状保持材20で仕切られた各間隔において、1つずつ形成されている。また、図3に示すように、コンクリート80において、ボルト孔13に対応する箇所には、ボルトボックス81が設けられている。ボルトボックス81は、合成セグメント100において、コンクリート80と主桁11との間にボルト孔13を露出させる空間を形成する。ボルトボックス81は、孔軸方向ADにおいて、隣接する合成セグメント100の主桁11同士を締結するためのボルトを締結するために利用される作業用の空間となる。
一対の主桁11の内、他方の主桁11には、孔軸方向ADに積み重ねた上下に隣り合う合成セグメント100同士を連結するためのボス14が複数形成されている。ボス14の数は、複数に限定されるものでなく、単数でもよい。ボス14には、ボルトを螺設するための雌ねじを有する取付孔が形成されている。
孔軸方向ADにおいて隣り合う合成セグメント100は、主桁11を突き合わせ、ボルトボックス81を利用し、ボス14に設けられたボルトであって、ボルト孔13に挿通されたボルトの軸部をナットで締結することで連結される。ボルト孔13及びボス14の形成数は、図示例に限定されず、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮して決定される。なお、孔軸方向ADにおいて隣接する合成セグメント100同士の連結は、ボルトとナットとにより連結される構造に限定されるものではなく、例えばワンタッチ継手により行ってもよく、また、他の周知の技術を用いてもよい。
一対の継手板12は、土留構造物200及びセグメントリング150の周方向CDにおいて、隣り合う合成セグメント100同士が当接する部分であり、隣り合う合成セグメント100同士が接続される部分である。一対の継手板12は、周方向CDにおいて、合成セグメント100の両端に取り付けられている部材である。
継手板12は、板状に形成されており、矩形状の鋼板からなる。継手板12は、孔軸方向AD且つ径方向RDに延びるように形成されている。継手板12は、一対の主桁11の長手方向の両端部同士の間に架け渡され、固定されている。なお、主桁11の長手方向は、周方向CDである。継手板12が位置する合成セグメント100の端部には、1つのセグメントリング150を形成するために合成セグメント100同士を連結するための継手が取り付けられていてもよい。
継手板12は、合成セグメント100の周方向CDの両端において、一対の主桁11と、一対の主桁11の間に配置されたスキンプレート16とによって形成された開口を覆うように配置されている。継手板12は、スキンプレート16の円弧方向の両端に設けられて合成セグメント100の左右の側面を形成する。
図3に示すように、継手板12には、掘削孔の周方向CDに配置した左右に隣り合う合成セグメント100を連結するためのボルト孔15が複数形成されている。ボルト孔15の数は、複数に限定されるものでなく、単数でもよい。また、図3に示すように、コンクリート80において、ボルト孔15に対応する箇所には、ボルトボックス82が設けられている。ボルトボックス82は、合成セグメント100において、コンクリート80と継手板12との間にボルト孔15を露出させる空間を形成する。ボルトボックス82は、周方向CDにおいて、隣接する合成セグメント100の継手板12同士を締結するためのボルトを締結するために利用される作業用の空間となる。
周方向CDにおいて左右に隣り合う合成セグメント100は、継手板12を突き合わせ、ボルト孔15に挿通したボルトの軸部をナットで締結することで連結される。図示したボルト孔15の形成数は一例であって、これに限定されるものではなく、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮して決定される。なお、周方向CDにおいて隣接する合成セグメント100同士の連結は、ボルトとナットとにより連結される構造に限定されるものではなく、例えばワンタッチ継手により行ってもよく、また、他の周知の技術を用いてもよい。
スキンプレート16は、合成セグメント100の地山側に面する板状の部材であり、矩形の鋼板を面方向に円弧状に曲げて成形したものである。スキンプレート16は、曲面を有する板状に形成されている。スキンプレート16は、周方向CD且つ孔軸方向ADに延びるように形成されている。スキンプレート16は、孔軸方向ADに見た平面視で円弧状に形成されていると共に、径方向RDに見た側面視で四角形状に形成されている。
図5に示すように、スキンプレート16は、一対の主桁11及び一対の継手板12を接合して得られた枠体の地山側の端面の開口部を塞ぐように接合される。すなわち、スキンプレート16は、合成セグメント100を構成する主桁11及び継手板12の外周側に取り付けられている。スキンプレート16は、合成セグメント100が地中に設置された状態において、掘削孔の壁面に面しており、土留構造物200の外周側の周壁を構成する。
鋼殻10は、一対の主桁11間に接合され、孔軸方向ADに延びた複数本の形状保持材20を有してもよい。形状保持材20の数は、複数に限定されるものでなく、単数でもよい。また、形状保持材20は、合成セグメント100の製作上、主桁11間の寸法を確保するために設けられている。なお、合成セグメント100は、耐圧強化の観点あるいは製作上の観点から形状保持材20を有していることが望ましいが、合成セグメント100を構成する他の内部構造との関係において、形状保持材20を有していなくてもよい。
形状保持材20は、孔軸方向ADに延びる部材である。形状保持材20は、主桁11及びスキンプレート16の面の法線方向に立設されており、孔軸方向ADにおいて、形状保持材20の端部が主桁11に接合されている。形状保持材20は、例えば鋼板等から成る図示したような板状部材、又は図示省略の鉄筋棒等から成る棒状部材で構成されている。
なお、形状保持材20は、図示例の場合、周方向CDに小間隔を空けて一対となるように配置されており、さらに周方向CDに大間隔を空けて一対の形状保持材20が3つ配置されている。つまり、形状保持材20は、周方向CDに大小の間隔を空けて6つ配置されている。なお、形状保持材20の形状、設置個数及び設置位置は、図示例に限定されず、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮して決定される。
実施の形態に係る合成セグメント100において、形状保持材20は、スキンプレート16との間に隙間60が形成されるように設けられており、後述する外側鉄筋41は隙間60に配置され、後述する内側鉄筋40は形状保持材20よりも内周側に配置されている。なお、合成セグメント100は、外側鉄筋41との位置関係等により、形状保持材20がスキンプレート16と接合し、形状保持材20とスキンプレート16との間に隙間60が形成されていなくてもよい。
合成セグメント100は、コンクリート80内に、内側鉄筋40と、外側鉄筋41とを有する。内側鉄筋40は、コンクリート80内において、内周側に配置され、複数の配力筋44、あるいは複数の主筋42及び複数の配力筋44によって構成されている。外側鉄筋41は、コンクリート80内において、外周側に配置され、複数の主筋43、あるいは複数の主筋43及び複数の配力筋45によって構成されている。なお、内側鉄筋40及び外側鉄筋41を構成する主筋42、主筋43、配力筋44、及び、配力筋45の数は複数に限定されるものではなく単数でもよい。
主筋42及び主筋43は、主鋼材としてコンクリート80の内部に埋設されており、合成セグメント100の周方向CDに延びるように配筋されている。主筋42は、径方向RDの内周側(Y1側)に配置された鉄筋であり、内側鉄筋40とも称する。主筋42は、セグメントリング150の孔軸方向ADに沿って複数設けられている。主筋43は、径方向RDの外周側に配置された鉄筋であり、外側鉄筋41とも称する。主筋43は、セグメントリング150の孔軸方向ADに沿って複数設けられている。
図5に示す例の合成セグメント100は、主筋42を孔軸方向ADに沿って4本且つ径方向RDに沿って1本有し、主筋43を孔軸方向ADに沿って4本且つ径方向RDに沿って1本有しているが、主筋42及び主筋43の数は、当該数に限定されるものではない。また、合成セグメント100は、主筋42と主筋43との間に、合成セグメント100の周方向CDに延びるように配筋された他の主筋を有してもよい。
配力筋44及び配力筋45は、コンクリート80の内部に埋設されており、合成セグメント100の孔軸方向ADに延びるように配筋される。配力筋44は、径方向RDにおいて、内周側(Y1側)に配置された鉄筋であり、内側鉄筋40とも称する。配力筋44は、セグメントリング150の周方向CDに沿って複数設けられている。配力筋45は、径方向RDにおいて、外周側(Y2側)に配置された鉄筋であり、外側鉄筋41とも称する。配力筋45は、セグメントリング150の周方向CDに沿って複数設けられている。
配力筋44は、周方向CDである主筋42の延びる方向において、複数設けられている。同様に、配力筋45は、周方向CDである主筋43の延びる方向において、複数設けられている。図5に示す合成セグメント100は、周方向CDに沿って配力筋44及び配力筋45をそれぞれ6本有しているが、配力筋44及び配力筋45の数は、当該数に限定されるものではない。
配力筋44は、孔軸方向ADに延びるように直線状に形成されている。なお、配力筋44の形状は、当該形状に限定されるものではなく、例えば両端が曲折し、コの字状に折り曲げられた形状に形成されてもよい。複数の配力筋44の両端は、後述する突出板30と結合される。
配力筋45は、孔軸方向ADに延びるように直線状に形成されている。なお、配力筋45の形状は、当該形状に限定されるものではなく、例えば両端が曲折し、コの字状に折り曲げられた形状に形成されてもよい。
合成セグメント100は、径方向RDにおいて、主筋42と配力筋44との位置関係、及び、主筋43と配力筋45との位置関係が限定されるものではない。例えば、主筋42が配力筋44に対して外周側(Y2側)に位置してもよく、主筋42が配力筋44に対して内周側(Y1側)に位置してもよい。同様に、主筋43が配力筋45に対して外周側(Y2側)に位置してもよく、主筋43が配力筋45に対して内周側(Y1側)に位置してもよい。
主筋42と配力筋44とは係合しており、互いに溶接固定されてもよい。また、主筋42と配力筋44とは係合しており、互いに番線等の鉄線によって緊結されてもよい。主筋43と配力筋45とは係合しており、互いに溶接固定されてもよい。また、主筋43と配力筋45とは係合しており、互いに番線等の鉄線によって緊結されてもよい。
合成セグメント100は、一対の突出板30を有している。突出板30は、鋼殻10の内側に設けられている。合成セグメント100において、突出板30は、一対の主桁11からコンクリート80の内部に向かって突出しており、コンクリート80と係合している。
合成セグメント100は、孔軸方向ADにおいて主桁11の内表面側に突出板30が設けられている。突出板30は、一対の主桁11のそれぞれに設けられたフランジである。主桁11に設けられる突出板30の枚数は、1枚でもよく、複数枚でもよい。
突出板30は、平板状の鋼材から構成され、主桁11に沿って周方向CDに延びている。また、突出板30は、一対の主桁11における一方の主桁11から他方の主桁11に向かって突出している。突出板30は、主桁11の内面に溶接固定されている。また、一対の突出板30はそれぞれ、内側鉄筋40と結合している。
内側鉄筋40である配力筋44の両端部44aはそれぞれ、突出板30と結合している。より詳細には、配力筋44の端部44aは、径方向RDに面する突出板30の側面と結合している。配力筋44の端部44aと、突出板30とは溶接固定されている。すなわち、突出板30は、内側鉄筋40と固定されている。
図8は、実施の形態1に係る合成セグメント100の第1変形例の内部構造の一例を示す断面模式図である。合成セグメント100は、図8に示すように、コンクリート80内に、内側鉄筋40を構成する複数の主筋42又は複数の配力筋44と、外側鉄筋41とを連結する連結鉄筋70を有してもよい。連結鉄筋70は、内側鉄筋40及び外側鉄筋41と、突出板30とを架橋する鉄筋である。
連結鉄筋70は、合成セグメント100において、径方向RDに延びる鉄筋である。連結鉄筋70は、両端が曲折しており、全体としてコの字状に形成されている。連結鉄筋70は、両端が曲折しており、両端部は孔軸方向ADに延びるように形成されている。
コの字状に形成された連結鉄筋70は、合成セグメント100の製造時に、連結鉄筋70の一端が内側鉄筋40に引っ掛けられ、連結鉄筋70の他端が外側鉄筋41に引っ掛けられる。合成セグメント100は、連結鉄筋70がコの字状に形成されていることで、連結鉄筋70を鋼殻10内に設置しやすくなり、合成セグメント100の製造が容易になる。
連結鉄筋70と、内側鉄筋40及び外側鉄筋41とは、溶接等により接合されていない。連結鉄筋70と、内側鉄筋40及び外側鉄筋41とは、鋼殻10内にコンクリート80を打設し、コンクリート80が硬化することにより接合される。なお、連結鉄筋70と、内側鉄筋40及び外側鉄筋41とは、コンクリート80の打設前に溶接等により接合されてもよい。
図8に示す連結鉄筋70は、コの字形状に形成されている例を示しているが、連結鉄筋70は、内側鉄筋40と外側鉄筋41とを連結させるものであれば形状は限定されない。例えば、連結鉄筋70は、中央が直線状に形成され、両端が互いに反対方向を向くように曲折してもよい。あるいは、連結鉄筋70は、直線状に形成され、両端が溶接等によって内側鉄筋40及び外側鉄筋41と接合されてもよい。また、連結鉄筋70は、棒状でもよく、板状でもよい。
連結鉄筋70は、孔軸方向ADに間隔を開けて2つ配置されている。ただし、合成セグメント100は、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮し、いずれか一方の連結鉄筋70のみを有していてもよい。周方向CDにおける、連結鉄筋70の設置個数は、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮して決定される。
[合成セグメント100の作用効果]
合成セグメント100は、鋼殻10の内部において、一対の主桁11からコンクリート80の内部に突出しており、周方向CDに延びている一対の突出板30を有する。また、合成セグメント100は、鋼殻10の内部において内周側に配置された内側鉄筋40と、外周側に配置された外側鉄筋41と、内側鉄筋40と外側鉄筋41とを連結する連結鉄筋70とを有し、一対の突出板30は、内側鉄筋40と結合しているものである。
合成セグメント100は、一対の突出板30間に内側鉄筋40を渡すことにより、内側鉄筋40の張力で突出板30が内周側に倒れることを抑制できる。また、内側鉄筋40は連結鉄筋70によって外側鉄筋41と連結されており、強度を確保できると共に、連結鉄筋70がずれ止め材としての役割を果たすことができる。そのため、合成セグメント100は腹圧力に対する強度を向上させることができ、鋼殻10とコンクリート80とのずれを防止することができる。また、合成セグメント100は、一対の突出板30間に内側鉄筋40を渡すことにより、内側鉄筋40の張力で突出板30が内周側に倒れることを抑制でき、腹圧力に対する強度を向上させることができるため断面性能を向上させることができる。
ここで、腹圧力とは、筒状に形成された土留構造物200の正曲げを受ける区間において、土留構造物200に配置された主筋に引張力が発生した場合に、土留構造物200の中心方向に向かう副次的な法線方向の力である。すなわち、腹圧力とは、筒状に形成された土留構造物200が引張りを受ける区間において、土留構造物200に配置された主筋に引張力が発生した場合に、土留構造物200の中心方向に向かう副次的な法線方向の力である。
また、合成セグメント100の内側鉄筋40が配力筋44と主筋42とによって構成される場合、配力筋44のみで構成する場合と比較して内側鉄筋40の張力を向上させることができる。そのため、合成セグメント100は、内側鉄筋40が配力筋44と主筋42とによって構成される場合、更に腹圧力に対する強度を向上させることができ、鋼殻10とコンクリート80とのずれ防止を強化でき、断面性能を向上させることができる。
また、合成セグメント100は、コンクリート80内に、周方向CDに延びる主筋と、孔軸方向ADに延びる配力筋と、が設けられている。合成セグメント100は、当該構成を有することでコンクリート80の強度を向上させることができる。
また、合成セグメント100は、コンクリート80内に、内周側に配置され、配力筋44、あるいは主筋42及び配力筋44を含む内側鉄筋40と、外周側に配置され、主筋43、あるいは、主筋43及び配力筋45を含む外側鉄筋41と、が設けられている。合成セグメント100は、当該構成を有することでコンクリート80の強度を向上させることができる。
また、鋼殻10は、一対の主桁間に接合された形状保持材20を有している。そのため、合成セグメント100は、形状保持材20によって、鋼殻10の強度を向上させることができ、また、合成セグメント100の製作上、主桁11間の寸法を確保することができる。
また、一対の突出板30は、内側鉄筋40に含まれる配力筋44と結合している。合成セグメント100は、一対の突出板30間に配力筋44を渡すことにより、配力筋44の張力で突出板30が内周側に倒れることを抑制できる。そのため、合成セグメント100は腹圧力に対する強度を向上させることができ、鋼殻10とコンクリート80とのずれを防止することができる。また、合成セグメント100は、一対の突出板30間に配力筋44を渡すことにより、配力筋44の張力で突出板30が内周側に倒れることを抑制でき、腹圧力に対する強度を向上させることができるため断面性能を向上させることができる。
また、土留構造物200は、合成セグメント100を有しているため、上述した合成セグメント100の効果を発揮させることができる。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る合成セグメント100の内部構造の一例を示す斜視図である。図10は、実施の形態2に係る合成セグメント100の内部構造の一例を示す断面模式図である。実施の形態1に係る合成セグメント100と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。以下、図9及び図10を用いて、実施の形態2が実施の形態1と異なる点を中心に説明し、実施の形態2で説明しない構成は実施の形態1と同様である。
実施の形態2に係る合成セグメント100は、フランジ状に形成された突出板30の代わりに突出板30aを有している。突出板30aは、鋼殻10の内側に設けられている。合成セグメント100において、突出板30aは、鋼殻10からコンクリート80の内部に向かって突出しており、コンクリート80と係合している。
実施の形態2に係る合成セグメント100では、孔軸方向ADにおいて主桁11の内表面側に突出板30aが設けられている。主桁11に設けられる突出板30aの枚数は、1枚でもよく、複数枚でもよい。
突出板30aは、平板状の鋼材から構成され、主桁11に沿って周方向CDに延びている。また、突出板30aは、一対の主桁11における一方の主桁11から他方の主桁11に向かって突出している。突出板30aは、主桁11の内面に溶接固定されている。
突出板30aは、例えば、PBL(Perfo-Bond Leisten)ジベルである。突出板30aには、周方向CDとなる突出板30aの長手方向に沿って複数の孔部31aが形成されている。孔部31aの数は、複数に限定されるものでなく、単数でもよい。孔部31aは、突出板30aを径方向RDに貫通する孔を形成する。孔部31aが形成する孔は円孔であるが、孔の形状は円孔に限定されるものではなく、他の形状の孔でもよい。合成セグメント100は、突出板30aの孔部31aがコンクリート80とのずれ止めとして機能する。
合成セグメント100を構成する複数の配力筋44の内、少なくとも1つ以上の配力筋44bは、両端部が曲折しており、全体としてコの字状に形成されている。両端が曲折した配力筋44bの両端部は径方向RDに延びるように形成されている。内側鉄筋40である配力筋44bの両端部はそれぞれ、突出板30aと結合している。より詳細には、配力筋44bの端部44aの先端は、径方向RDに面する突出板30aの孔部31aに挿通されて突出板30aと結合している。
配力筋44bがコの字状に形成されていることによって、合成セグメント100の製造時に、配力筋44bの一端が一方の突出板30aの孔部31aに挿入され、他端が他方の突出板30aの孔部31aに挿通され、内側鉄筋40と突出板30aとが係合する。そのため、配力筋44bがコの字状に形成されていることで、配力筋44bを鋼殻10内に設置しやすくなり、合成セグメント100の製造が容易になる。なお、配力筋44bの端部44aと、突出板30aとは溶接固定されてもよい。
図11は、実施の形態2に係る合成セグメント100の第1変形例の内部構造の一例を示す断面模式図である。第1変形例の合成セグメント100の内側鉄筋40は、接続鉄筋50aを有してもよい。なお、図12では、接続鉄筋50a等の鉄筋を説明するために連結鉄筋70の図示を省略しているが、第1変形例の合成セグメント100は、連結鉄筋70を有してもよい。
内側鉄筋40を構成する接続鉄筋50aは、配力筋44又は主筋42と、突出板30aとを架橋する鉄筋である。また、接続鉄筋50aは、配力筋44又は主筋42と、突出板30aとを連結させる鉄筋である。接続鉄筋50aは、配力筋44又は主筋42と接合している。接続鉄筋50aと配力筋44又は主筋42とは、例えば溶接等により固定されている。
接続鉄筋50aは、合成セグメント100において、孔軸方向ADに延びる鉄筋である。接続鉄筋50aは、両端が曲折しており、全体としてコの字状に形成されている。接続鉄筋50aは、両端が曲折しており、両端部は径方向RDに延びるように形成されている。接続鉄筋50aがコの字状に形成されていることにより、接続鉄筋50aの一端が配力筋44又は主筋42に引っ掛けられ、他端が突出板30aの孔部31aに挿通されることで、接続鉄筋50aと、配力筋44又は主筋42及び突出板30aとが係合する。そのため、接続鉄筋50aがコの字状に形成されていることで、接続鉄筋50aを鋼殻10内に設置しやすくなり、合成セグメント100の製造が容易になる。
図11に示す接続鉄筋50aは、コの字形状に形成されている例を示しているが、接続鉄筋50aは、配力筋44又は主筋42と、突出板30aとを連結させるものであれば形状は限定されない。例えば、接続鉄筋50aは、中央が直線状に形成され、両端が互いに反対方向を向くように曲折してもよい。あるいは、接続鉄筋50aは、直線状に形成され、溶接等によって一端が配力筋44又は主筋42と接合され、他端が突出板30aと接合されてもよい。また、接続鉄筋50aは、棒状でもよく、板状でもよい。
接続鉄筋50aは、孔軸方向ADに間隔を開けて2つ配置されている。合成セグメント100は、一対の主桁11における一方の主桁11に設けられた突出板30aと係合する接続鉄筋50aと、他方の主桁11に設けられた突出板30aと係合する他の接続鉄筋50aと、を有する。ただし、合成セグメント100は、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮し、いずれか一方の接続鉄筋50aのみを有していてもよい。周方向CDにおける、接続鉄筋50aの設置個数は、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮して決定される。
(接続鉄筋50b)
図12は、実施の形態2に係る合成セグメント100の第2変形例の内部構造の一例を示す断面模式図である。図12に示すように、第2変形例の合成セグメント100の内側鉄筋40は、接続鉄筋50bを有してもよい。接続鉄筋50bは、配力筋44又は主筋42と、突出板30aとを架橋する鉄筋である。また、接続鉄筋50bは、配力筋44又は主筋42と、突出板30aとを連結させる鉄筋である。なお、図12では、接続鉄筋50b等の鉄筋を説明するために連結鉄筋70の図示を省略しているが、第2変形例の合成セグメント100は、連結鉄筋70を有してもよい。
接続鉄筋50bは、配力筋44又は主筋42と接合している。接続鉄筋50aと配力筋44又は主筋42とは、例えば溶接等により固定されている。
接続鉄筋50bは、合成セグメント100において、径方向RDに延びる鉄筋である。接続鉄筋50bは、両端が曲折しており、全体としてコの字状に形成されている。接続鉄筋50bは、両端が曲折しており、両端部は孔軸方向ADに延びるように形成されている。接続鉄筋50bがコの字状に形成されていることにより、接続鉄筋50bの一端が配力筋44又は主筋42に引っ掛けられ、他端が突出板30aの孔部31aに挿通されることで、接続鉄筋50bと、配力筋44又は主筋42及び突出板30aとが係合する。そのため、接続鉄筋50bがコの字状に形成されていることで、接続鉄筋50bを鋼殻10内に設置しやすくなり、合成セグメント100の製造が容易になる。なお、第2変形例の合成セグメント100においては、接続鉄筋50bの直線状に延びる本体部50b1が、突出板30aの孔部31aを挿通している。
図12に示す接続鉄筋50bは、コの字形状に形成されている例を示しているが、接続鉄筋50bは、配力筋44又は主筋42と、突出板30aとを連結させるものであれば形状は限定されない。例えば、接続鉄筋50bは、中央が直線状に形成され、両端が互いに反対方向を向くように曲折してもよい。あるいは、接続鉄筋50bは、直線状に形成され、溶接等によって一端が配力筋44又は主筋42と接合され、他端が突出板30aと接合されてもよい。また、接続鉄筋50bは、棒状でもよく、板状でもよい。
接続鉄筋50bは、孔軸方向ADに間隔を開けて2つ配置されている。合成セグメント100は、一対の主桁11における一方の主桁11に設けられた突出板30aと係合する接続鉄筋50bと、他方の主桁11に設けられた突出板30aと係合する他の接続鉄筋50bと、を有する。ただし、合成セグメント100は、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮し、いずれか一方の接続鉄筋50bのみを有していてもよい。周方向CDにおける、接続鉄筋50bの設置個数は、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮して決定される。
なお、実施の形態2に係る第1変形例及び第2変形例の合成セグメント100は、外側鉄筋41を有しているが、合成セグメント100が必要とする強度等、あるいは、合成セグメント100の大きさ等との関係において外側鉄筋41を有していなくてもよい。また、実施の形態2に係る合成セグメント100は、内側鉄筋40として、主筋42と配力筋44との両方を有している。しかし、実施の形態2に係る合成セグメント100は、合成セグメント100が必要とする強度等、あるいは、合成セグメント100の大きさ等との関係において主筋42と配力筋44とのいずれか一方のみを有していてもよい。
(接続鉄筋50c)
図13は、実施の形態2に係る合成セグメント100の第3変形例の内部構造の一例を示す断面模式図である。図13に示すように、第3変形例の合成セグメント100の内側鉄筋40は、コンクリート80内に、突出板30aの孔部31aを挿通し、配力筋44又は主筋42と外側鉄筋41とを連結する接続鉄筋50cを有してもよい。接続鉄筋50cは連結鉄筋70として用いてもよい。また、合成セグメント100は、接続鉄筋50cと別に連結鉄筋70を有してもよい。
接続鉄筋50cは、配力筋44又は主筋42と、外側鉄筋41と、突出板30aとを架橋する鉄筋である。また、接続鉄筋50cは、配力筋44又は主筋42と、外側鉄筋41と、突出板30aとを連結させる鉄筋である。接続鉄筋50cは、配力筋44又は主筋42と接合している。接続鉄筋50aと配力筋44又は主筋42とは、例えば溶接等により固定されている。
接続鉄筋50cは、合成セグメント100において、径方向RDに延びる鉄筋である。接続鉄筋50cは、両端が曲折しており、全体としてコの字状に形成されている。接続鉄筋50cは、両端が曲折しており、両端部は孔軸方向ADに延びるように形成されている。第3変形例の合成セグメント100においては、接続鉄筋50cの直線状に延びる本体部50c1が、突出板30aの孔部31aを挿通している。
第3変形例の合成セグメント100の製造時に、接続鉄筋50cの一端が配力筋44又は主筋42に引っ掛けられ、本体部50c1が突出板30aの孔部31aを挿通し、接続鉄筋50cの他端が外側鉄筋41に引っ掛けられる。第3変形例の合成セグメント100は、接続鉄筋50cと、配力筋44又は主筋42と、外側鉄筋41と、突出板30aとが係合する。第3変形例の合成セグメント100は、接続鉄筋50cがコの字状に形成されていることで、接続鉄筋50cを鋼殻10内に設置しやすくなり、合成セグメント100の製造が容易になる。
図13に示す接続鉄筋50cは、コの字形状に形成されている例を示しているが、接続鉄筋50cは、配力筋44又は主筋42と、外側鉄筋41と、突出板30aとを連結させるものであれば形状は限定されない。例えば、接続鉄筋50cは、中央が直線状に形成され、両端が互いに反対方向を向くように曲折してもよい。あるいは、接続鉄筋50cは、直線状に形成され、溶接等によって一端が配力筋44又は主筋42と接合され、他端が外側鉄筋41と接合されてもよい。また、接続鉄筋50cは、棒状でもよく、板状でもよい。
接続鉄筋50cは、孔軸方向ADに間隔を開けて2つ配置されている。合成セグメント100は、一対の主桁11における一方の主桁11に設けられた突出板30aと係合する接続鉄筋50cと、他方の主桁11に設けられた突出板30aと係合する他の接続鉄筋50cと、を有する。ただし、合成セグメント100は、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮し、いずれか一方の接続鉄筋50cのみを有していてもよい。周方向CDにおける、接続鉄筋50cの設置個数は、例えば合成セグメント100の大きさ及び形状等を考慮して決定される。
[合成セグメント100の作用効果]
合成セグメント100は、鋼殻10の内部において周方向CDに延びており、貫通孔である孔部31aが形成された突出板30aを有する。突出板30aは、鋼殻10からコンクリート80の内部に突出しており、コンクリート80と係合している。合成セグメント100は、孔部31aにコンクリート80が入り込むことにより鋼殻10に対してコンクリート80の高い定着効果を得ることができ、鋼殻10とコンクリート80とのずれを防止することができる。
また、内側鉄筋40を構成する配力筋44は、両端部が曲折しており、配力筋44の両端部の先端は、孔部31aに挿通されている。合成セグメント100は、配力筋44の両端部の先端を孔部31aに挿通した状態で一対の突出板30間に配力筋44を渡すことにより、配力筋44の張力で突出板30が内周側に倒れることを抑制できる。そのため、合成セグメント100は腹圧力に対する強度を向上させることができ、鋼殻10とコンクリート80とのずれを防止することができる。また、製造者は、配力筋44の両端部の先端を、孔部31aに挿通することで、配力筋44bを鋼殻10内に設置しやすくなり、合成セグメント100の製造が容易になる。
また、内側鉄筋40は、内側鉄筋40を構成する複数の主筋42又は複数の配力筋44と、突出板30aとを連結する接続鉄筋50a、接続鉄筋50b又は接続鉄筋50cを有する。合成セグメント100は、接続鉄筋50a、接続鉄筋50b又は接続鉄筋50cを有することで、土留構造物200にかかる腹圧力に対し強度を向上させることができる。すなわち、実施の形態2に係る合成セグメント100は、突出板30aを有することによるコンクリート80のずれ止めと、突出板30aを利用した接続鉄筋50a等を有することによる腹圧力に対する強度の向上との両立を図ることができる。
また、土留構造物200は、合成セグメント100を有しているため、上述した合成セグメント100の効果を発揮させることができる。また、実施の形態2に係る合成セグメント100及び土留構造物200は、実施の形態1に係る合成セグメント100及び土留構造物200と同様の効果を発揮させることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 鋼殻、11 主桁、12 継手板、13 ボルト孔、14 ボス、15 ボルト孔、16 スキンプレート、20 形状保持材、30 突出板、30a 突出板、31a 孔部、40 内側鉄筋、41 外側鉄筋、42 主筋、43 主筋、44 配力筋、44a 端部、44b 配力筋、45 配力筋、50a 接続鉄筋、50b 接続鉄筋、50b1 本体部、50c 接続鉄筋、50c1 本体部、60 隙間、70 連結鉄筋、80 コンクリート、81 ボルトボックス、82 ボルトボックス、100 合成セグメント、150 セグメントリング、200 土留構造物、AD 孔軸方向、CD 周方向、RD 径方向。

Claims (7)

  1. 土留構造物の周方向及び軸方向に複数連結されることにより、前記土留構造物を構築する合成セグメントであって、
    鋼殻と、
    前記鋼殻の内部に充填されたコンクリートと、を備え、
    前記鋼殻は、
    前記軸方向に離間して設けられた一対の主桁と、
    前記主桁の外周側に接合されたスキンプレートと、
    前記主桁の前記周方向の両端部に接合された一対の継手板と、
    前記鋼殻の内部において、一対の前記主桁から前記コンクリートの内部に突出しており、前記周方向に延びている一対の突出板と、
    を有し、
    前記コンクリート内には、
    前記周方向に延びる主筋と、
    前記軸方向に延びる配力筋と、が設けられており、
    内周側に配置され、前記配力筋、あるいは前記主筋及び前記配力筋を含む内側鉄筋と、
    外周側に配置され、前記主筋、あるいは前記主筋及び前記配力筋を含む外側鉄筋と、
    前記内側鉄筋と前記外側鉄筋とを連結する連結鉄筋と、
    を有し、
    前記一対の突出板は、
    前記内側鉄筋と結合している
    合成セグメント。
  2. 前記鋼殻は、
    一対の前記主桁の間に接合された形状保持材を有している
    請求項1に記載の合成セグメント。
  3. 前記一対の突出板は、
    前記内側鉄筋に含まれる前記配力筋と結合している
    請求項1又は2に記載の合成セグメント。
  4. 前記一対の突出板には、
    貫通孔である孔部が形成されている
    請求項1~3のいずれか1項に記載の合成セグメント。
  5. 前記内側鉄筋を構成する前記配力筋は、両端部が曲折しており、
    前記配力筋の両端部の先端は、前記孔部に挿通されている
    請求項4に記載の合成セグメント。
  6. 前記内側鉄筋は、
    前記内側鉄筋を構成する前記主筋又は前記配力筋と、前記突出板とを連結する接続鉄筋を有し、
    前記一対の突出板は、
    前記接続鉄筋と結合している
    請求項1又は2に記載の合成セグメント。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の合成セグメントを前記周方向及び前記軸方向に複数組み合わせて形成された土留構造物。
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