JP2023091647A - 振動デバイスの製造方法および振動デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた形成精度を有する振動デバイスの製造方法および振動デバイスを提供する。【解決手段】振動デバイスの製造方法は、第1シリコン層と第2シリコン層との間に酸化シリコン層が介在するSOI基板を準備するSOI基板準備工程と、第2シリコン層をエッチングによりパターニングし、第2シリコン層に支持部、可動電極および固定電極を形成する第2シリコン層パターニング工程と、第1シリコン層をエッチングによりパターニングし、第1シリコン層に支持部および可動部を形成する第1シリコン層パターニング工程と、可動部と第2シリコン層との間の酸化シリコン層を除去して、可動部と固定電極とを分離する酸化シリコン層除去工程と、を含む。【選択図】図4
Description
本発明は、振動デバイスの製造方法および振動デバイスに関する。
例えば、特許文献1および特許文献2には、それぞれ、静電誘導型の振動発電素子が記載されている。これらは、共に、櫛歯状の固定電極を備えた固定電極部と、固定電極に噛み合う櫛歯状の可動電極を備えた可動部と、可動部に配置された錘と、を有する。
特許文献1の振動発電素子では、可動電極が可動部と平面的に配置されている。そのため、可動電極を大きくして固定電極との間の静電容量を高めようとすると可動部を小さくするか、素子全体を大きくする必要がある。可動部が小さくなると素子の感度が悪化して発電特性が低下するおそれがあり、素子全体が大きくなると素子の搭載性が悪化する。これに対して、特許文献2の振動発電素子では、可動電極が可動部に重ねて配置されている。そのため、可動部の小型化や素子全体の大型化を招くことなく、可動電極を大きくして固定電極との間の静電容量を高めることができる。
しかしながら、特許文献2の振動発電素子は、2つの基板を準備し、2つの基板をそれぞれフォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いて所定パターンにパターニングした後、これら2つの基板を貼り合わせることにより製造されている。このように、パターニングを終えた基板同士を貼り合わせる製造方法では、個体毎に貼り合わせのばらつきが生じる。そのため、このばらつきを許容するためのマージンを確保しておく必要があり、可動電極と固定電極とのギャップを十分に小さくすることができない。そのため、発電効率を高めることが困難である。
本発明の振動デバイスの製造方法は、支持部と、
前記支持部に対して第1方向に変位する可動部と、
前記可動部に接続されている可動電極と、
前記支持部に接続され、前記可動電極と前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている固定電極と、を有する振動デバイスの製造方法であって、
第1シリコン層と第2シリコン層との間に酸化シリコン層が介在するSOI基板を準備するSOI基板準備工程と、
前記第2シリコン層をエッチングによりパターニングし、前記第2シリコン層に前記支持部、前記可動電極および前記固定電極を形成する第2シリコン層パターニング工程と、
前記第1シリコン層をエッチングによりパターニングし、前記第1シリコン層に前記支持部および前記可動部を形成する第1シリコン層パターニング工程と、
前記可動部と前記第2シリコン層との間の前記酸化シリコン層を除去して、前記可動部と前記固定電極とを分離する酸化シリコン層除去工程と、を含む。
前記支持部に対して第1方向に変位する可動部と、
前記可動部に接続されている可動電極と、
前記支持部に接続され、前記可動電極と前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている固定電極と、を有する振動デバイスの製造方法であって、
第1シリコン層と第2シリコン層との間に酸化シリコン層が介在するSOI基板を準備するSOI基板準備工程と、
前記第2シリコン層をエッチングによりパターニングし、前記第2シリコン層に前記支持部、前記可動電極および前記固定電極を形成する第2シリコン層パターニング工程と、
前記第1シリコン層をエッチングによりパターニングし、前記第1シリコン層に前記支持部および前記可動部を形成する第1シリコン層パターニング工程と、
前記可動部と前記第2シリコン層との間の前記酸化シリコン層を除去して、前記可動部と前記固定電極とを分離する酸化シリコン層除去工程と、を含む。
本発明の振動デバイスは、第1シリコン層と第2シリコン層との間に酸化シリコン層が介在するSOI基板からなり、
支持部と、
前記支持部に接続されているバネ部と、
前記バネ部を介して前記支持部に接続され、前記バネ部を弾性変形させつつ前記支持部に対して第1方向に変位する可動部と、
前記可動部に接続されている可動電極と、
前記支持部に接続され、前記可動電極と前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている固定電極と、を有し、
前記第1シリコン層、前記酸化シリコン層および前記第2シリコン層の積層体から前記支持部が形成され、
前記第1シリコン層から前記可動部および前記バネ部が形成され、
前記第2シリコン層から前記可動電極および前記固定電極が形成されている。
支持部と、
前記支持部に接続されているバネ部と、
前記バネ部を介して前記支持部に接続され、前記バネ部を弾性変形させつつ前記支持部に対して第1方向に変位する可動部と、
前記可動部に接続されている可動電極と、
前記支持部に接続され、前記可動電極と前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている固定電極と、を有し、
前記第1シリコン層、前記酸化シリコン層および前記第2シリコン層の積層体から前記支持部が形成され、
前記第1シリコン層から前記可動部および前記バネ部が形成され、
前記第2シリコン層から前記可動電極および前記固定電極が形成されている。
以下、本発明の振動デバイスの製造方法および振動デバイスを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、好適な実施形態に係る振動発電素子の平面図である。図2は、図1の振動発電素子から第2シリコン層を除去した状態の平面図である。図3は、図1中のA-A線断面図である。図4は、振動発電素子の製造工程を示すフローチャートである。図5ないし図13は、それぞれ、振動発電素子の製造方法を説明するための断面図である。図14は、振動発電素子の変形例を示す断面図である。
図4を除く各図には、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸が図示されている。また、X軸に沿う方向すなわちX軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に沿う方向を「Y軸方向」、Z軸に沿う方向を「Z軸方向」とも言う。また、各軸の矢印先端側を「プラス側」とも言い、反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z軸方向プラス側を「上」とも言い、Z軸方向マイナス側を「下」とも言う。
図1ないし図3に示す振動デバイスとしての振動発電素子1は、静電誘導型の振動発電素子であり、外力によって駆動して発電する。このような振動発電素子1は、SOI(Silicon on Insulator)基板2を半導体プロセスによってパターニングすることにより製造されている。SOI基板2は、一対のシリコン層2A、2Cの間に酸化シリコン層2Bを挿入してなる基板である。なお、以下では、説明の便宜上、下側のシリコン層2Aを第1シリコン層2Aとも言い、上側のシリコン層2Cを第2シリコン層2Cとも言う。
振動発電素子1は、支持部3と、支持部3に接続されているバネ部4と、バネ部4を介して支持部3に接続され、バネ部4を弾性変形させつつ支持部3に対して第1方向であるX軸方向に変位する可動部5と、可動部5に接続されている可動電極6と、支持部3に接続されている固定電極としての第1、第2固定電極7、8と、を有する。このような構成の振動発電素子1では、X軸方向の外力を受けると可動部5がバネ部4を弾性変形させつつX軸方向に振動し、この振動によって可動電極6と第1、第2固定電極7、8との間の容量が変化することにより発電が行われる。
≪支持部3≫
支持部3は、第1シリコン層2A、酸化シリコン層2Bおよび第2シリコン層2Cの積層体から形成されており、Z軸方向からの平面視で枠状をなしている。そして、この支持部3の内側にその他の各部が配置されている。支持部3の第2シリコン層2Cは、第1固定電極7が接続された第1固定電極接続領域31と、第2固定電極8が接続された第2固定電極接続領域32とに分割されており、互いに絶縁されている。また、第1固定電極接続領域31には、第1固定電極7と電気的に接続された端子T1が配置されており、第2固定電極接続領域32には、第2固定電極8と電気的に接続された端子T2が配置されている。
支持部3は、第1シリコン層2A、酸化シリコン層2Bおよび第2シリコン層2Cの積層体から形成されており、Z軸方向からの平面視で枠状をなしている。そして、この支持部3の内側にその他の各部が配置されている。支持部3の第2シリコン層2Cは、第1固定電極7が接続された第1固定電極接続領域31と、第2固定電極8が接続された第2固定電極接続領域32とに分割されており、互いに絶縁されている。また、第1固定電極接続領域31には、第1固定電極7と電気的に接続された端子T1が配置されており、第2固定電極接続領域32には、第2固定電極8と電気的に接続された端子T2が配置されている。
≪可動部5≫
可動部5は、第1シリコン層2Aから形成されており、Z軸方向からの平面視で、振動発電素子1の中央部に位置している。
可動部5は、第1シリコン層2Aから形成されており、Z軸方向からの平面視で、振動発電素子1の中央部に位置している。
≪バネ部4≫
バネ部4は、第1シリコン層2Aから形成されている。そのため、可動部5の重心近くにバネ部4を配置することができ、可動部5の不要な変位を抑制することができる。また、バネ部4は、それぞれX軸方向に弾性変形する第1バネ部41および第2バネ部42を有する。第1バネ部41は、可動部5のX軸方向プラス側に位置しており、可動部5のX軸方向プラス側の端部と支持部3とを接続している。一方、第2バネ部42は、可動部5のX軸方向マイナス側に位置しており、可動部5のX軸方向マイナス側の端部と支持部3とを接続している。このように、第1、第2バネ部41、42で可動部5をX軸方向の両側から支持することにより、可動部5をX軸方向に安定して振動させることができる。
バネ部4は、第1シリコン層2Aから形成されている。そのため、可動部5の重心近くにバネ部4を配置することができ、可動部5の不要な変位を抑制することができる。また、バネ部4は、それぞれX軸方向に弾性変形する第1バネ部41および第2バネ部42を有する。第1バネ部41は、可動部5のX軸方向プラス側に位置しており、可動部5のX軸方向プラス側の端部と支持部3とを接続している。一方、第2バネ部42は、可動部5のX軸方向マイナス側に位置しており、可動部5のX軸方向マイナス側の端部と支持部3とを接続している。このように、第1、第2バネ部41、42で可動部5をX軸方向の両側から支持することにより、可動部5をX軸方向に安定して振動させることができる。
≪可動電極6≫
可動電極6は、第2シリコン層2Cから形成されている。また、可動電極6は、Z軸方向からの平面視で、可動部5と重なっている。また、可動電極6は、可動部5と接続されており、可動部5の上面からZ軸方向プラス側に突出して形成されている。なお、可動電極6と可動部5との間には酸化シリコン層2Bが形成されておらず、第1シリコン層2Aと第2シリコン層2Cとが接している。そのため、可動電極6は、第1シリコン層2Aと電気的に接続され、例えば、支持部3の第1シリコン層2Aを介して外部と電気接続を図ることができる。当該部分は、酸化シリコン層2Bによって、第1、第2固定電極接続領域31、32と絶縁されている。これにより、外部との電気接続が容易な振動発電素子1となる。
可動電極6は、第2シリコン層2Cから形成されている。また、可動電極6は、Z軸方向からの平面視で、可動部5と重なっている。また、可動電極6は、可動部5と接続されており、可動部5の上面からZ軸方向プラス側に突出して形成されている。なお、可動電極6と可動部5との間には酸化シリコン層2Bが形成されておらず、第1シリコン層2Aと第2シリコン層2Cとが接している。そのため、可動電極6は、第1シリコン層2Aと電気的に接続され、例えば、支持部3の第1シリコン層2Aを介して外部と電気接続を図ることができる。当該部分は、酸化シリコン層2Bによって、第1、第2固定電極接続領域31、32と絶縁されている。これにより、外部との電気接続が容易な振動発電素子1となる。
このように、可動電極6と可動部5とをZ軸方向に重ねて配置することにより、振動発電素子1の平面寸法を大きくすることなく、可動部5を大きくし、その質量を高めることができる。そのため、振動発電素子1の感度が向上し、低い周波数帯でも効率的に可動部5を振動させることができる。さらには、可動部5の大きさに関係なく可動電極6および第1、第2固定電極7、8を広範囲にわたって形成することができるため、可動電極6と第1、第2固定電極7、8との間の容量を大きくすることができる。そのため、振動発電素子1の発電量を高めることができる。
可動電極6は、X軸方向に延在する複数の可動電極指61を有し、これら複数の可動電極指61が行列状に配置されている。図示の構成では、複数の可動電極指61がY軸方向に櫛歯状に整列してなる列が、X軸方向に3つ並んでいる。以下では、説明の便宜上、これら3つの列のうちX軸方向プラス側の列を可動電極指群61Aとも言い、中央の列を可動電極指群61Bとも言い、X軸方向マイナス側の列を可動電極指群61Cとも言う。ただし、可動電極指61の数や配置は、特に限定されない。
また、可動電極6には、エレクトレット膜ELが形成されている。
≪第1、第2固定電極7、8≫
第1固定電極7および第2固定電極8は、それぞれ、第2シリコン層2Cから形成されている。また、第1固定電極7および第2固定電極8は、それぞれ、Z軸方向からの平面視で、可動部5と重なっている。また、第1、第2固定電極7、8と可動部5との間の酸化シリコン層2Bが除去されており、これらの間に酸化シリコン層2Bの厚さの隙間が形成されている。
第1固定電極7および第2固定電極8は、それぞれ、第2シリコン層2Cから形成されている。また、第1固定電極7および第2固定電極8は、それぞれ、Z軸方向からの平面視で、可動部5と重なっている。また、第1、第2固定電極7、8と可動部5との間の酸化シリコン層2Bが除去されており、これらの間に酸化シリコン層2Bの厚さの隙間が形成されている。
第1固定電極7は、X軸方向に延在し、可動電極指61とY軸方向に並んで配置された複数の第1固定電極指71を有する。具体的には、第1固定電極7は、可動電極指群61Aに対してX軸方向プラス側から噛み合う複数の第1固定電極指71を備えた櫛歯状の第1固定電極指群71Aと、可動電極指群61Bに対してX軸方向プラス側から噛み合う複数の第1固定電極指71を備えた櫛歯状の第1固定電極指群71Bと、可動電極指群61Cに対してX軸方向プラス側から噛み合う複数の第1固定電極指71を備えた櫛歯状の第1固定電極指群71Cと、を有する。可動電極指61と第1固定電極指71とは、静止状態(中立状態)においてX軸方向に所定の噛合長をもって、かつ、Y軸方向に隙間Gを介して配置されている。
第2固定電極8は、X軸方向に延在し、可動電極指61とY軸方向に並んで配置された複数の第2固定電極指81を有する。具体的には、第2固定電極8は、可動電極指群61Aに対してX軸方向マイナス側から噛み合う複数の第2固定電極指81を備えた櫛歯状の第2固定電極指群81Aと、可動電極指群61Bに対してX軸方向マイナス側から噛み合う複数の第2固定電極指81を備えた櫛歯状の第2固定電極指群81Bと、可動電極指群61Cに対してX軸方向マイナス側から噛み合う複数の第2固定電極指81を備えた櫛歯状の第2固定電極指群81Cと、を有する。可動電極指61と第2固定電極指81とは、静止状態(中立状態)においてX軸方向に所定の噛合長をもって、かつ、Y軸方向に隙間Gを介して配置されている。
以上、振動発電素子1の構成について簡単に説明した。このような構成の振動発電素子1では、X軸方向の力が加わると、第1、第2バネ部41、42を弾性変形させつつ可動部5がX軸方向に振動する。そして、可動部5の振動によって可動電極指61と第1、第2固定電極指71、81との噛合長が逆相で変化して発電が行われる。なお、本実施形態では、可動電極6にエレクトレット膜ELが形成されているが、これに限定されず、第1、第2固定電極7、8に形成してもよいし、可動電極6と第1、第2固定電極7、8の両方に形成してもよい。
このような振動発電素子1では、前述したように、第1シリコン層2Aから可動部5が形成され、第2シリコン層2Cから可動電極6および第1、第2固定電極7、8が形成されている。そのため、可動部5と各電極6、7、8とをZ軸方向に重ねて配置することができる。したがって、振動発電素子1の平面寸法を大きくすることなく、可動部5と各電極6、7、8とを共に大きく形成することができる。可動部5を大きくすることにより、振動発電素子1の感度が向上し、低い周波数帯でも効率的に可動部5を振動させることができる。さらには、各電極6、7、8を大きくすることにより、可動電極6と第1、第2固定電極7、8との間の容量を大きくすることができる。そのため、小型で優れた発電特性を有する振動発電素子1となる。
特に、振動発電素子1は、1枚のSOI基板2をパターニングすることにより形成されているため寸法制度に優れ、上述した特許文献2のように2枚の基板の貼り付けバラツキを考慮しなければならない方法と比べて、可動電極指61と第1、第2固定電極指71、81との隙間Gをより小さくすることができる。そのため、可動電極6と第1、第2固定電極7、8との間の容量をより大きくすることができる。したがって、発電特性がより向上する。
次に、振動発電素子1の製造方法について説明する。振動発電素子1の製造方法は、図4に示すように、SOI基板2を準備するSOI基板準備工程S1と、第2シリコン層2Cをエッチングによりパターニングし、第2シリコン層2Cに支持部3、可動電極6および第1、第2固定電極7、8を形成する第2シリコン層パターニング工程S2と、第1シリコン層2Aをエッチングによりパターニングし、第1シリコン層2Aに支持部3、バネ部4および可動部5を形成する第1シリコン層パターニング工程S3と、酸化シリコン層2Bの一部を除去して可動部分を分離する酸化シリコン層除去工程S4と、可動電極6にエレクトレット膜を形成するエレクトレット膜形成工程S5と、を含む。
≪SOI基板準備工程S1≫
本工程S1は、第1、第2シリコン層2A、2Cの間に酸化シリコン層2Bを挿入してなるSOI基板2を準備する工程である。この工程S1では、図9に示すように、第2シリコン層2Cの可動電極6が形成される可動電極形成領域Q6と、第1シリコン層2Aの可動部5が形成される可動部形成領域Q5と、の間から酸化シリコン層2Bが除去されているSOI基板2を準備する。これにより、可動電極6と可動部5との間に酸化シリコン層2Bが介在しない構成となり、これらが構造的に電気接続された状態となる。そのため、振動発電素子1の構成が簡単となる。
本工程S1は、第1、第2シリコン層2A、2Cの間に酸化シリコン層2Bを挿入してなるSOI基板2を準備する工程である。この工程S1では、図9に示すように、第2シリコン層2Cの可動電極6が形成される可動電極形成領域Q6と、第1シリコン層2Aの可動部5が形成される可動部形成領域Q5と、の間から酸化シリコン層2Bが除去されているSOI基板2を準備する。これにより、可動電極6と可動部5との間に酸化シリコン層2Bが介在しない構成となり、これらが構造的に電気接続された状態となる。そのため、振動発電素子1の構成が簡単となる。
また、図4に示すように、本工程S1は、第1シリコン層2Aを準備する第1シリコン層準備工程S11と、第1シリコン層2Aの上面に凹部21を形成する凹部形成工程S12と、第1シリコン層2Aの上面に酸化シリコン層2Bを成膜する酸化シリコン層成膜工程S13と、凹部21に充填されている部分を残して酸化シリコン層2Bを除去し、上面を露出させる酸化シリコン層除去工程S14と、第2シリコン層2Cを第1シリコン層2Aの上面に接合する第2シリコン層接合工程S15と、を含む。
-第1シリコン層準備工程S11-
まず、図5に示すように、第1シリコン層2Aを準備する。第1シリコン層2Aは、例えば、厚さが400μm程度のシリコン基板である。
まず、図5に示すように、第1シリコン層2Aを準備する。第1シリコン層2Aは、例えば、厚さが400μm程度のシリコン基板である。
-凹部形成工程S12-
次に、図6に示すように、第1シリコン層2Aの上面に凹部21を形成する。凹部21は、可動電極形成領域Q6と可動部形成領域Q5とが重なる領域を除くように形成される。なお、凹部21の形成方法は、特に限定されないが、例えば、RIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。また、凹部21の厚さは、例えば、20μm程度である。
次に、図6に示すように、第1シリコン層2Aの上面に凹部21を形成する。凹部21は、可動電極形成領域Q6と可動部形成領域Q5とが重なる領域を除くように形成される。なお、凹部21の形成方法は、特に限定されないが、例えば、RIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。また、凹部21の厚さは、例えば、20μm程度である。
-酸化シリコン層成膜工程S13-
次に、図7に示すように、第1シリコン層2Aの上面に酸化シリコン層2Bを成膜する。成膜方法としては、特に限定されず、例えば、熱酸化、CVD等を用いることができる。
次に、図7に示すように、第1シリコン層2Aの上面に酸化シリコン層2Bを成膜する。成膜方法としては、特に限定されず、例えば、熱酸化、CVD等を用いることができる。
-酸化シリコン層除去工程S14-
次に、図8に示すように、凹部21に充填されている部分を残して酸化シリコン層2Bを除去し、第1シリコン層2Aの上面を露出させる。酸化シリコン層2Bの除去方法としては、特に限定されないが、例えば、CMP(化学機械研磨)を用いることができる。
次に、図8に示すように、凹部21に充填されている部分を残して酸化シリコン層2Bを除去し、第1シリコン層2Aの上面を露出させる。酸化シリコン層2Bの除去方法としては、特に限定されないが、例えば、CMP(化学機械研磨)を用いることができる。
-第2シリコン層接合工程S15-
次に、第2シリコン層2Cを準備する。第2シリコン層2Cは、例えば、厚さが300μm程度のシリコン基板である。次に、図9に示すように、第2シリコン層2Cを第1シリコン層2Aの上面に貼り合わせて接合する。
次に、第2シリコン層2Cを準備する。第2シリコン層2Cは、例えば、厚さが300μm程度のシリコン基板である。次に、図9に示すように、第2シリコン層2Cを第1シリコン層2Aの上面に貼り合わせて接合する。
以上の工程によってSOI基板2が得られる。このような方法によれば、SOI基板2を簡単に製造することができる。ただし、SOI基板2の製造方法は、特に限定されない。
≪第2シリコン層パターニング工程S2≫
次に、図10に示すように、第2シリコン層2Cを上面側からエッチングし、第2シリコン層2Cを貫通する貫通孔を形成することにより、第2シリコン層2Cに、支持部3と、可動電極6と、第1、第2固定電極7、8とを形成する。なお、この際、酸化シリコン層2Bがエッチングストップ層として機能する。エッチングには、例えば、ドライエッチング、特にRIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。ドライエッチングを用いることにより、高アスペクト比の貫通孔を精度よく形成することができるため、隙間Gをより小さく設計することができる。そのため、優れた発電特性を有する振動発電素子1を製造することができる。ただし、エッチング方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチングであってもよい。
次に、図10に示すように、第2シリコン層2Cを上面側からエッチングし、第2シリコン層2Cを貫通する貫通孔を形成することにより、第2シリコン層2Cに、支持部3と、可動電極6と、第1、第2固定電極7、8とを形成する。なお、この際、酸化シリコン層2Bがエッチングストップ層として機能する。エッチングには、例えば、ドライエッチング、特にRIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。ドライエッチングを用いることにより、高アスペクト比の貫通孔を精度よく形成することができるため、隙間Gをより小さく設計することができる。そのため、優れた発電特性を有する振動発電素子1を製造することができる。ただし、エッチング方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチングであってもよい。
≪第1シリコン層パターニング工程S3≫
次に、図11に示すように、第1シリコン層2Aを下面側からエッチングし、第1シリコン層2Aを貫通する貫通孔を形成することにより、第1シリコン層2Aに、支持部3と、バネ部4と、可動部5とを形成する(ただし、バネ部4は、図11に不図示。)。なお、この際、酸化シリコン層2Bがエッチングストップ層として機能する。エッチングには、例えば、ドライエッチング、特にRIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。ドライエッチングを用いることにより、高アスペクト比の貫通孔を精度よく形成することができる。ただし、エッチング方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチングであってもよい。
次に、図11に示すように、第1シリコン層2Aを下面側からエッチングし、第1シリコン層2Aを貫通する貫通孔を形成することにより、第1シリコン層2Aに、支持部3と、バネ部4と、可動部5とを形成する(ただし、バネ部4は、図11に不図示。)。なお、この際、酸化シリコン層2Bがエッチングストップ層として機能する。エッチングには、例えば、ドライエッチング、特にRIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。ドライエッチングを用いることにより、高アスペクト比の貫通孔を精度よく形成することができる。ただし、エッチング方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチングであってもよい。
≪酸化シリコン層除去工程S4≫
次に、図12に示すように、酸化シリコン層2Bの一部、具体的には、バネ部4および可動部5と第2シリコン層2Cとの間にある部分、言い換えると支持部3を除くすべての部分を除去して、バネ部4および可動部5を支持部3に対して可動可能な状態にする。ただし、バネ部4および可動部5を支持部3に対して可動可能な状態とすることができれば、酸化シリコン層2Bの除去部分は、特に限定されない。
次に、図12に示すように、酸化シリコン層2Bの一部、具体的には、バネ部4および可動部5と第2シリコン層2Cとの間にある部分、言い換えると支持部3を除くすべての部分を除去して、バネ部4および可動部5を支持部3に対して可動可能な状態にする。ただし、バネ部4および可動部5を支持部3に対して可動可能な状態とすることができれば、酸化シリコン層2Bの除去部分は、特に限定されない。
≪エレクトレット膜形成工程S5≫
次に、図13に示すように、可動電極6にエレクトレット膜ELを形成すると共に端子T1、T2を形成する(ただし、端子T1、T2は、図13に不図示。)。なお、エレクトレット膜ELの形成方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、熱酸化により第2シリコン層2Cの表面に酸化シリコン膜を成膜し、次に、この酸化シリコン膜にカリウムイオン等のアルカリ金属イオンをドープし、その後、電界印加して帯電させる方法がある。
次に、図13に示すように、可動電極6にエレクトレット膜ELを形成すると共に端子T1、T2を形成する(ただし、端子T1、T2は、図13に不図示。)。なお、エレクトレット膜ELの形成方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、熱酸化により第2シリコン層2Cの表面に酸化シリコン膜を成膜し、次に、この酸化シリコン膜にカリウムイオン等のアルカリ金属イオンをドープし、その後、電界印加して帯電させる方法がある。
以上により、振動発電素子1が得られる。ただし、振動発電素子1の製造方法としては、特に限定されず、例えば、第2シリコン層パターニング工程S2と第1シリコン層パターニング工程S3の順序を入れ替えてもよい。つまり、第1シリコン層パターニング工程S3の後に第2シリコン層パターニング工程S2を行ってもよい。また、上面側からのエッチングと下面側からのエッチングとが同時にできる場合には、これらの工程を同時に行ってもよい。
このような製造方法では、第1シリコン層2Aから可動部5を形成し、その上側に位置する第2シリコン層2Cから可動電極6および第1、第2固定電極7、8を形成する。そのため、可動部5と各電極6、7、8とをZ軸方向に重ねて配置することができる。したがって、振動発電素子1の平面寸法を大きくすることなく、可動部5と各電極6、7、8とを共に大きく形成することができる。可動部5を大きくすることにより、振動発電素子1の感度が向上し、低い周波数帯でも効率的に可動部5を振動させることができる。さらには、各電極6、7、8を大きくすることにより、可動電極6と第1、第2固定電極7、8との間の容量を大きくすることができる。そのため、小型で優れた発電特性を有する振動発電素子1を製造することができる。
特に、振動発電素子1は、1枚のSOI基板2をパターニングすることにより形成されているため寸法精度に優れ、上述した特許文献2のように2枚の基板の貼り付けバラツキを考慮しなければならない方法と比べて、可動電極指61と第1、第2固定電極指71、81との隙間Gをより小さくすることができる。そのため、可動電極6と第1、第2固定電極7、8との間の容量をより大きくすることができる。したがって、より優れた発電特性を有する振動発電素子1を製造することができる。
以上、振動発電素子1および振動発電素子1の製造方法について説明した。振動発電素子1の製造方法は、支持部3と、支持部3に対して第1方向としてのX軸方向に変位する可動部5と、可動部5に接続されている可動電極6と、支持部3に接続され、可動電極6とX軸方向に直交する第2方向としてのY軸方向に並んで配置されている固定電極としての第1、第2固定電極7、8と、を有する振動デバイスである振動発電素子1の製造方法であって、第1シリコン層2Aと第2シリコン層2Cとの間に酸化シリコン層2Bが介在するSOI基板2を準備するSOI基板準備工程S1と、第2シリコン層2Cをエッチングによりパターニングし、第2シリコン層2Cに支持部3、可動電極6および第1、第2固定電極7、8を形成する第2シリコン層パターニング工程S2と、第1シリコン層2Aをエッチングによりパターニングし、第1シリコン層2Aに支持部3および可動部5を形成する第1シリコン層パターニング工程S3と、可動部5と第2シリコン層2Cとの間の酸化シリコン層2Bを除去して、可動部5と第1、第2固定電極7、8とを分離する酸化シリコン層除去工程S4と、を含む。
このような製造方法では、第1シリコン層2Aから可動部5を形成し、その上側に位置する第2シリコン層2Cから可動電極6および第1、第2固定電極7、8を形成する。そのため、可動部5と各電極6、7、8とをZ軸方向に重ねて配置することができる。したがって、振動発電素子1の平面寸法を大きくすることなく、可動部5と各電極6、7、8とを共に大きく形成することができる。その結果、小型で優れた発電特性を有する振動発電素子1を製造することができる。
特に、振動発電素子1は、1枚のSOI基板2をパターニングすることにより形成されているため寸法精度に優れ、上述した特許文献2のように2枚の基板の貼り付けバラツキを考慮しなければならない方法と比べて、可動電極指61と第1、第2固定電極指71、81との隙間Gをより小さくすることができる。そのため、可動電極6と第1、第2固定電極7、8との間の容量をより大きくすることができる。したがって、より優れた発電特性を有する振動発電素子1を製造することができる。
また、前述したように、第1シリコン層パターニング工程S3および第2シリコン層パターニング工程S2では、それぞれ、エッチングとしてドライエッチングを用いる。これにより、第1シリコン層2Aおよび第2シリコン層2Cを高精度にパターニングすることができる。また、高アスペクト比の孔を形成することができるため、隙間Gをより小さくすることができ、より優れた発電特性を有する振動発電素子1を製造することができる。
また、前述したように、振動発電素子1の製造方法は、酸化シリコン層除去工程S4の後に行われ、可動電極6および第1、第2固定電極7、8の少なくとも一方にエレクトレット膜ELを形成するエレクトレット膜形成工程S5を含む。これにより、可動部5のX軸方向への振動により発電が行われる振動発電素子1となる。
また、前述したように、SOI基板準備工程S1では、第2シリコン層2Cの可動電極6が形成される可動電極形成領域Q6と、第1シリコン層2Aの可動部5が形成される可動部形成領域Q5と、の間から酸化シリコン層2Bが除去されているSOI基板2を準備する。これにより、第1シリコン層2Aと電気的に接続された可動電極6を容易に得ることができる。そのため、外部との電気接続が容易な振動発電素子1となる。
また、前述したように、SOI基板準備工程S1は、第1シリコン層2Aを準備する第1シリコン層準備工程S11と、可動電極形成領域Q6と可動部形成領域Q5とが重なる領域を除くように第1シリコン層2Aの一方の主面である上面に凹部21を形成する凹部形成工程S12と、第1シリコン層2Aの上面に酸化シリコン層2Bを成膜する酸化シリコン層成膜工程S13と、凹部21に充填されている部分を残して酸化シリコン層2Bを除去し、第1シリコン層2Aの上面を露出させる酸化シリコン層除去工程S14と、第2シリコン層2Cを第1シリコン層2Aの上面に接合する第2シリコン層接合工程S15と、を含む。このような方法によれば、SOI基板2を容易に製造することができる。
また、前述したように、振動発電素子1は、X軸方向に弾性変形し、支持部3と可動部5とを接続しているバネ部4を有する。また、バネ部4は、第1シリコン層パターニング工程S3において、支持部3および可動部5と共に第1シリコン層2Aに形成される。このように、第1シリコン層2Aからバネ部4を形成することにより、可動部5の重心近くにバネ部4を配置することができ、可動部5の不要な変位を抑制することができる。
また、前述したように、振動発電素子1は、第1シリコン層2Aと第2シリコン層2Cとの間に酸化シリコン層2Bが介在するSOI基板2からなり、支持部3と、支持部3に接続されているバネ部4と、バネ部4を介して支持部3に接続され、バネ部4を弾性変形させつつ支持部3に対して第1方向であるX軸方向に変位する可動部5と、可動部5に接続されている可動電極6と、支持部3に接続され、可動電極6とX軸方向に直交する第2方向であるY軸方向に並んで配置されている固定電極としての第1、第2固定電極7、8と、を有する。また、第1シリコン層2A、酸化シリコン層2Bおよび第2シリコン層2Cの積層体から支持部3が形成され、第1シリコン層2Aから可動部5およびバネ部4が形成され、第2シリコン層2Cから可動電極6および第1、第2固定電極7、8が形成されている。
このような構成では、第1シリコン層2Aから可動部5が形成され、その上側に位置する第2シリコン層2Cから可動電極6および第1、第2固定電極7、8が形成されている。そのため、可動部5と各電極6、7、8とをZ軸方向に重ねて配置することができる。したがって、振動発電素子1の平面寸法を大きくすることなく、可動部5と各電極6、7、8とを共に大きく形成することができる。その結果、小型で優れた発電特性を有する振動発電素子1となる。
特に、振動発電素子1は、1枚のSOI基板2をパターニングすることにより形成されているため寸法精度に優れ、上述した特許文献2のように2枚の基板の貼り付けバラツキを考慮しなければならない方法と比べて、可動電極指61と第1、第2固定電極指71、81との隙間Gをより小さくすることができる。そのため、可動電極6と第1、第2固定電極7、8との間の容量をより大きくすることができる。したがって、発電特性がより向上する。
以上、本発明の振動デバイスの製造方法および振動デバイスを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、前述した実施形態では、振動デバイスを発電振動素子に応用した例を説明したが、振動デバイスとしては、これに限定されない。例えば、可動電極6と第1、第2固定電極7、8との容量変化に基づいて加速度や角速度を検出する慣性センサーに適用してもよい。
また、例えば、図14に示すように、可動部5の下面に錘Mを配置してもよい。これにより、可動部5の質量がさらに増大し、振動発電素子1の感度がより向上する。特に、振動発電素子1によれば、可動部5の面積を大きく確保することができるため、その分、より大きな錘Mを配置することができる。そのため、上述の効果がより向上する。
1…振動発電素子、2…SOI基板、2A…第1シリコン層、2B…酸化シリコン層、2C…第2シリコン層、21…凹部、3…支持部、31…第1固定電極接続領域、32…第2固定電極接続領域、4…バネ部、41…第1バネ部、42…第2バネ部、5…可動部、6…可動電極、61…可動電極指、61A…可動電極指群、61B…可動電極指群、61C…可動電極指群、7…第1固定電極、71…第1固定電極指、71A…第1固定電極指群、71B…第1固定電極指群、71C…第1固定電極指群、8…第2固定電極、81…第2固定電極指、81A…第2固定電極指群、81B…第2固定電極指群、81C…第2固定電極指群、EL…エレクトレット膜、G…隙間、M…錘、Q5…可動部形成領域、Q6…可動電極形成領域、S1…SOI基板準備工程、S11…第1シリコン層準備工程、S12…凹部形成工程、S13…酸化シリコン層成膜工程、S14…酸化シリコン層除去工程、S15…第2シリコン層接合工程、S2…第2シリコン層パターニング工程、S3…第1シリコン層パターニング工程、S4…酸化シリコン層除去工程、S5…エレクトレット膜形成工程、T1…端子、T2…端子
Claims (7)
- 支持部と、
前記支持部に対して第1方向に変位する可動部と、
前記可動部に接続されている可動電極と、
前記支持部に接続され、前記可動電極と前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている固定電極と、を有する振動デバイスの製造方法であって、
第1シリコン層と第2シリコン層との間に酸化シリコン層が介在するSOI基板を準備するSOI基板準備工程と、
前記第2シリコン層をエッチングによりパターニングし、前記第2シリコン層に前記支持部、前記可動電極および前記固定電極を形成する第2シリコン層パターニング工程と、
前記第1シリコン層をエッチングによりパターニングし、前記第1シリコン層に前記支持部および前記可動部を形成する第1シリコン層パターニング工程と、
前記可動部と前記第2シリコン層との間の前記酸化シリコン層を除去して、前記可動部と前記固定電極とを分離する酸化シリコン層除去工程と、を含むことを特徴とする振動デバイスの製造方法。 - 前記第1シリコン層パターニング工程および前記第2シリコン層パターニング工程では、それぞれ、前記エッチングとしてドライエッチングを用いる請求項1に記載の振動デバイスの製造方法。
- 前記酸化シリコン層除去工程の後に行われ、前記可動電極および前記固定電極の少なくとも一方にエレクトレット膜を形成するエレクトレット膜形成工程を含む請求項1または2に記載の振動デバイスの製造方法。
- 前記SOI基板準備工程では、前記第2シリコン層の前記可動電極が形成される可動電極形成領域と、前記第1シリコン層の前記可動部が形成される可動部形成領域と、の間から前記酸化シリコン層が除去されている前記SOI基板を準備する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の振動デバイスの製造方法。
- 前記SOI基板準備工程は、
前記第1シリコン層を準備する第1シリコン層準備工程と、
前記可動電極形成領域と前記可動部形成領域とが重なる領域を除くように前記第1シリコン層の一方の主面に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記第1シリコン層の前記主面に前記酸化シリコン層を成膜する酸化シリコン層成膜工程と、
前記凹部に充填されている部分を残して前記酸化シリコン層を除去し、前記主面を露出させる酸化シリコン層除去工程と、
前記第2シリコン層を前記主面に接合する第2シリコン層接合工程と、を含む請求項4に記載の振動デバイスの製造方法。 - 前記振動デバイスは、前記第1方向に弾性変形し、前記支持部と前記可動部とを接続しているバネ部を有し、
前記バネ部は、第1シリコン層パターニング工程において、前記支持部および前記可動部と共に前記第1シリコン層に形成される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の振動デバイスの製造方法。 - 第1シリコン層と第2シリコン層との間に酸化シリコン層が介在するSOI基板からなり、
支持部と、
前記支持部に接続されているバネ部と、
前記バネ部を介して前記支持部に接続され、前記バネ部を弾性変形させつつ前記支持部に対して第1方向に変位する可動部と、
前記可動部に接続されている可動電極と、
前記支持部に接続され、前記可動電極と前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている固定電極と、を有し、
前記第1シリコン層、前記酸化シリコン層および前記第2シリコン層の積層体から前記支持部が形成され、
前記第1シリコン層から前記可動部および前記バネ部が形成され、
前記第2シリコン層から前記可動電極および前記固定電極が形成されていることを特徴とする振動デバイス。
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