JP2023107340A - 振動デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】バネ部への負荷を低減し、破損し難い振動デバイスを提供すること。【解決手段】振動デバイスは、支持部と、前記支持部に接続されているバネ部と、前記バネ部を介して前記支持部に接続され、前記バネ部を弾性変形させつつ前記支持部に対して第1方向に変位する可動部と、前記可動部に接続されている可動電極と、前記支持部に接続され、前記可動電極と前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている固定電極と、前記可動部に配置されている錘部と、前記錘部の前記第1方向への変位を許容し、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向への変位を規制するガイドと、を有している。【選択図】図5
Description
本発明は、振動デバイスに関する。
例えば、特許文献1には、静電誘導型の振動発電素子が記載されている。静電誘導型の振動発電素子は、支持部と、支持部に配置され、櫛歯状の固定電極を備えている固定電極部と、弾性変形可能なバネ部を介して支持部に接続され、固定電極に噛み合う櫛歯状の可動電極を備えた可動部と、可動部に配置されている錘と、を有している。
このように、可動部に錘を配置することにより、可動部の質量が増大し、振動発電素子の感度が向上する。しかしながら、錘を配置することにより、可動部を支持部に接続しているバネ部にかかる負荷が増大し、振動発電素子が破損し易くなる。
本発明の振動デバイスは、支持部と、
前記支持部に接続されているバネ部と、
前記バネ部を介して前記支持部に接続され、前記バネ部を弾性変形させつつ前記支持部に対して第1方向に変位する可動部と、
前記可動部に接続されている可動電極と、
前記支持部に接続され、前記可動電極と前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている固定電極と、
前記可動部に配置されている錘部と、
前記錘部の前記第1方向への変位を許容し、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向への変位を規制するガイドと、を有している。
前記支持部に接続されているバネ部と、
前記バネ部を介して前記支持部に接続され、前記バネ部を弾性変形させつつ前記支持部に対して第1方向に変位する可動部と、
前記可動部に接続されている可動電極と、
前記支持部に接続され、前記可動電極と前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている固定電極と、
前記可動部に配置されている錘部と、
前記錘部の前記第1方向への変位を許容し、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向への変位を規制するガイドと、を有している。
以下、本発明の振動デバイスを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係る振動デバイスの断面図である。図2は、図1の振動デバイスが備える振動発電ユニットの平面図である。図3は、図2の振動発電ユニットからシリコン基板および第2シリコン層を除去した状態の平面図である。図4は、図2中のA-A線断面図である。図5は、図2中のB-B線断面図である。図6は、振動デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図7ないし図20は、それぞれ、振動デバイスの製造方法を説明するための断面図である。
図6を除く各図には、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸が図示されている。また、X軸に沿う方向すなわちX軸に平行な方向を第1方向としての「X軸方向」、Y軸に沿う方向すなわちY軸に平行な方向を第2方向としての「Y軸方向」、Z軸に沿う方向すなわちZ軸に平行な方向を第3方向としての「Z軸方向」とも言う。また、各軸の矢印先端側を「プラス側」とも言い、反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z軸方向プラス側を「上」とも言い、Z軸方向マイナス側を「下」とも言う。
図1に示す振動デバイス1は、パッケージ2と、パッケージ2に収容されている振動発電ユニット10と、を有している。また、振動発電ユニット10は、支持基板41と、支持基板41に支持されている振動発電素子3と、支持基板41と振動発電素子3との間に配置されているスペーサー42と、振動発電素子3の変位をガイドするリニアガイド6と、振動発電素子3の過度な変位を規制するストッパー7と、を有している。
≪パッケージ2≫
図1に示すように、パッケージ2は、上面に開口する凹部211を備えるベース21と、凹部211の開口を塞ぐようにベース21の上面に接合されているリッド22と、を有している。そして、凹部211の開口がリッド22で塞がれることによりパッケージ2内に内部空間Sが形成されている。振動発電ユニット10は、内部空間Sに収容され、凹部211の底面に配置されている。
図1に示すように、パッケージ2は、上面に開口する凹部211を備えるベース21と、凹部211の開口を塞ぐようにベース21の上面に接合されているリッド22と、を有している。そして、凹部211の開口がリッド22で塞がれることによりパッケージ2内に内部空間Sが形成されている。振動発電ユニット10は、内部空間Sに収容され、凹部211の底面に配置されている。
例えば、ベース21は、アルミナ等の各種セラミックスで構成され、リッド22は、コバール等の各種金属材料で構成されている。ただし、これらの構成材料は、それぞれ、特に限定されない。
内部空間Sは、減圧状態、好ましくは、より真空に近い状態である。これにより、粘性抵抗が減り振動発電素子3が振動し易くなるため振動発電素子3の感度が向上する。また、発生した振動が減衰し難くなることから効率的な発電が可能となる。ただし、内部空間Sの雰囲気は、特に限定されない。
なお、パッケージ2は、省略してもよい。
≪振動発電ユニット10≫
-支持基板41-
図1に示すように、支持基板41は、振動発電素子3を支持している。このような支持基板41は、例えば、アルミナ等の各種セラミックスで構成されている。ただし、支持基板41の構成材料は、特に限定されない。この支持基板41は、振動デバイス1の製造工程を簡略化するために配置されているため省略してもよい。この場合は、ベース21が支持基板41に代わって振動発電素子3を支持すればよい。
-支持基板41-
図1に示すように、支持基板41は、振動発電素子3を支持している。このような支持基板41は、例えば、アルミナ等の各種セラミックスで構成されている。ただし、支持基板41の構成材料は、特に限定されない。この支持基板41は、振動デバイス1の製造工程を簡略化するために配置されているため省略してもよい。この場合は、ベース21が支持基板41に代わって振動発電素子3を支持すればよい。
-スペーサー42-
図1に示すように、スペーサー42は、支持基板41と振動発電素子3との間に介在して配置され、これらの間にリニアガイド6を配置するスペースを形成している。本実施形態のスペーサー42は、支持基板41の四隅からZ軸方向プラス側に突出している4本の柱状部421で構成されている。そして、これら4本の柱状部421の上面に振動発電素子3が接合されている。このようなスペーサー42は、例えば、各種金属材料、各種樹脂材料、各種セラミックス等で構成されている。
図1に示すように、スペーサー42は、支持基板41と振動発電素子3との間に介在して配置され、これらの間にリニアガイド6を配置するスペースを形成している。本実施形態のスペーサー42は、支持基板41の四隅からZ軸方向プラス側に突出している4本の柱状部421で構成されている。そして、これら4本の柱状部421の上面に振動発電素子3が接合されている。このようなスペーサー42は、例えば、各種金属材料、各種樹脂材料、各種セラミックス等で構成されている。
なお、スペーサー42の構成としては、特に限定されず、例えば、Z軸方向からの平面視で、リニアガイド6を囲む枠状であってもよい。また、スペーサー42は、例えば、支持基板41と一体で形成されていてもよいし、後述する実施形態のように、ベース21と一体的に形成されていてもよい。
-振動発電素子3-
振動発電素子3は、静電誘導型の振動発電素子であり、外力によって駆動して発電する。図2ないし図5に示すように、振動発電素子3は、SOI(Silicon on Insulator)基板8とシリコン基板9との積層基板100を半導体プロセスによってパターニングすることにより製造されている。SOI基板8は、下側に位置する第1シリコン層8Aと上側に位置する第2シリコン層8Cとの間に酸化シリコン層8Bを挿入してなる基板であり、第2シリコン層8Cの上面にシリコン基板9が接合されている。
振動発電素子3は、静電誘導型の振動発電素子であり、外力によって駆動して発電する。図2ないし図5に示すように、振動発電素子3は、SOI(Silicon on Insulator)基板8とシリコン基板9との積層基板100を半導体プロセスによってパターニングすることにより製造されている。SOI基板8は、下側に位置する第1シリコン層8Aと上側に位置する第2シリコン層8Cとの間に酸化シリコン層8Bを挿入してなる基板であり、第2シリコン層8Cの上面にシリコン基板9が接合されている。
振動発電素子3は、支持部31と、支持部31に接続されているバネ部32と、バネ部32を介して支持部31に接続され、バネ部32を弾性変形させつつ支持部31に対してX軸方向に変位する可動部33と、可動部33に接続されている可動電極34と、支持部31に接続されている固定電極としての第1、第2固定電極35、36と、を有している。このような振動発電素子3は、支持部31の下面が各柱状部421の上面に接合されることにより、スペーサー42を介して支持基板41に支持されている。
支持部31は、SOI基板8とシリコン基板9との積層体から形成されており、Z軸方向からの平面視で枠状をなしている。そして、この支持部31の内側にその他の各部が配置されている。支持部31の第2シリコン層8Cとシリコン基板9との積層体は、第1固定電極35が接続されている第1固定電極接続領域311と、第2固定電極36が接続されている第2固定電極接続領域312とに分割されており、互いに絶縁されている。また、第1固定電極接続領域311には、第1固定電極35と電気的に接続されている端子T1が配置されており、第2固定電極接続領域312には、第2固定電極36と電気的に接続されている端子T2が配置されている。
可動部33は、第1シリコン層8Aから形成されており、Z軸方向からの平面視で、振動発電素子3の中央部に位置している。
バネ部32は、第1シリコン層8Aから形成されている。バネ部32を可動部33と同じ第1シリコン層8Aから形成することにより、可動部33の重心近くにバネ部32を配置することができ、可動部33の不要な変位を抑制することができる。また、バネ部32は、それぞれX軸方向に弾性変形する第1バネ部321および第2バネ部322を有している。第1バネ部321は、可動部33のX軸方向プラス側に位置し、可動部33のX軸方向プラス側の端部と支持部31とを接続している。一方、第2バネ部322は、可動部33のX軸方向マイナス側に位置し、可動部33のX軸方向マイナス側の端部と支持部31とを接続している。このように、第1、第2バネ部321、322で可動部33をX軸方向の両側から支持することにより、可動部33をX軸方向に安定して振動させることができる。
可動電極34は、第2シリコン層8Cとシリコン基板9との積層体110から形成されている。また、可動電極34は、Z軸方向からの平面視で可動部33と重なっている。可動電極34を可動部33に重ねて配置することにより、振動発電素子3の平面寸法を大きくすることなく、可動部33を大きくし、その質量を高めることができる。そのため、振動発電素子3の感度が向上し、低い周波数帯でも効率的に可動部33を振動させることができる。さらには、可動部33の大きさに関係なく可動電極34および第1、第2固定電極35、36を広範囲にわたって形成することができ、可動電極34と第1、第2固定電極35、36との間の容量を大きくすることができる。そのため、振動発電素子3の発電量を高めることができる。
また、可動電極34は、酸化シリコン層8Bを介して可動部33に接合されている層状の基部340と、基部340から上側へ突出する複数の可動電極指341と、を有している。このような構成によれば、基部340を介して全ての可動電極指341を電気的に接続することができる。複数の可動電極指341は、行列状に配置され、それぞれ、X軸方向に延在している。図示の構成では、複数の可動電極指341がY軸方向に沿って櫛歯状に整列してなる列がX軸方向に3つ並んでいる。以下では、説明の便宜上、これら3つの列のうちX軸方向プラス側の列を可動電極指群341Aとも言い、中央の列を可動電極指群341Bとも言い、X軸方向マイナス側の列を可動電極指群341Cとも言う。ただし、可動電極指341の数や配置は、特に限定されない。
また、可動電極34には、エレクトレット膜ELが形成されている。
第1固定電極35および第2固定電極36は、それぞれ、シリコン基板9から形成されている。また、第1固定電極35および第2固定電極36は、それぞれ、Z軸方向からの平面視で、可動部33と重なっている。また、第1、第2固定電極35、36と可動電極34の基部340との間には隙間が形成されており、これらが絶縁されている。
第1固定電極35は、X軸方向に延在し、可動電極指341とY軸方向に並んで配置されている複数の第1固定電極指351を有している。具体的には、第1固定電極35は、可動電極指群341Aに対してX軸方向プラス側から噛み合う複数の第1固定電極指351を備えている櫛歯状の第1固定電極指群351Aと、可動電極指群341Bに対してX軸方向プラス側から噛み合う複数の第1固定電極指351を備えている櫛歯状の第1固定電極指群351Bと、可動電極指群341Cに対してX軸方向プラス側から噛み合う複数の第1固定電極指351を備えている櫛歯状の第1固定電極指群351Cと、を有している。可動電極指341と第1固定電極指351とは、静止状態(中立状態)においてX軸方向に所定の噛合長をもって、かつ、Y軸方向に隙間Dを介して配置されている。
同様に、第2固定電極36は、X軸方向に延在し、可動電極指341とY軸方向に並んで配置されている複数の第2固定電極指361を有している。具体的には、第2固定電極36は、可動電極指群341Aに対してX軸方向マイナス側から噛み合う複数の第2固定電極指361を備えている櫛歯状の第2固定電極指群361Aと、可動電極指群341Bに対してX軸方向マイナス側から噛み合う複数の第2固定電極指361を備えている櫛歯状の第2固定電極指群361Bと、可動電極指群341Cに対してX軸方向マイナス側から噛み合う複数の第2固定電極指361を備えている櫛歯状の第2固定電極指群361Cと、を有している。可動電極指341と第2固定電極指361とは、静止状態(中立状態)においてX軸方向に所定の噛合長をもって、かつ、Y軸方向に隙間Dを介して配置されている。
以上、振動発電素子3の構成について簡単に説明した。このような構成の振動発電素子3では、X軸方向の力が加わると、第1、第2バネ部321、322を弾性変形させつつ可動部33がX軸方向に振動する。そして、可動部33の振動によって可動電極指341と第1、第2固定電極指351、361との噛合長が逆相で変化して発電が行われる。なお、本実施形態では、可動電極34にエレクトレット膜ELが形成されているが、これに限定されず、第1、第2固定電極35、36に形成してもよいし、可動電極34と第1、第2固定電極35、36の両方に形成してもよい。
このような振動発電素子3では、前述したように、第1シリコン層8Aから可動部33が形成され、積層体110から可動電極34が形成され、シリコン基板9から第1、第2固定電極35、36が形成されている。そのため、可動部33とこれら各電極34、35、36とをZ軸方向に重ねて配置することができる。したがって、振動発電素子3の平面寸法を大きくすることなく、可動部33と各電極34、35、36とを共に大きく形成することができる。可動部33を大きくすることにより、振動発電素子3の感度が向上し、低い周波数帯でも効率的に可動部33を振動させることができる。さらには、各電極34、35、36を大きくすることにより、可動電極34と第1、第2固定電極35、36との間の容量を大きくすることができる。そのため、小型で優れた発電特性を有する振動発電素子3となる。
特に、振動発電素子3は、積層基板100をパターニングすることにより形成されているため寸法精度に優れ、可動電極指341と第1、第2固定電極指351、361との隙間Dをより小さくすることができる。そのため、可動電極34と第1、第2固定電極35、36との間の容量をより大きくすることができる。したがって、発電特性がより向上する。
-リニアガイド6-
図4に示すように、リニアガイド6は、支持基板41と振動発電素子3との間に配置されている。リニアガイド6は、ガイドGとしての案内レール61と、錘部Mとしてのスライダー62と、転動体69と、を有している。このように、ガイドGおよび錘部Mとしてリニアガイド6を適用することにより、振動発電ユニット10の構成が簡単となる。ただし、ガイドGおよび錘部Mは、リニアガイド6で構成されていなくてもよい。
図4に示すように、リニアガイド6は、支持基板41と振動発電素子3との間に配置されている。リニアガイド6は、ガイドGとしての案内レール61と、錘部Mとしてのスライダー62と、転動体69と、を有している。このように、ガイドGおよび錘部Mとしてリニアガイド6を適用することにより、振動発電ユニット10の構成が簡単となる。ただし、ガイドGおよび錘部Mは、リニアガイド6で構成されていなくてもよい。
案内レール61は、支持基板41に配置され、X軸方向に延在している。また、案内レール61の両側面には、それぞれ、X軸方向に伸びる転動溝611が形成されている。このような案内レール61は、例えば、各種金属材料で構成されている。そのため、案内レール61の剛性を十分に高めることができる。ただし、案内レール61の構成材料は、特に限定されない。
スライダー62は、可動部33の下面に配置されている。つまり、スライダー62と可動部33とがZ軸方向に並んで配置されている。これにより、振動発電ユニット10のX軸方向やY軸方向への広がりを抑制することができ、ユニットの小型化を図ることができる。また、スライダー62が可動部33に対して各電極34、35、36と反対側に配置されるため、スライダー62と各電極34、35、36との干渉を防ぐことができる。そのため、各電極34、35、36の配置スペースの減少が防止され、優れた発電効率を発揮することができる。
スライダー62は、可動部33の質量を増加させる錘部Mである。そのため、可動部33の質量が増して振動発電素子3の感度が向上する(以下、この効果を錘効果とも言う。)。特に、振動発電素子3によれば、前述したように、可動部33と各電極34、35、36とをZ軸方向に重ねて配置しているため可動部33の面積を大きく確保することができる。そのため、より大きなスライダー62を配置することができ、可動部33の質量をより増大させることができる。そのため、上述の錘効果が顕著となる。
このようなスライダー62は、例えば、各種金属材料で構成されている。そのため、スライダー62の質量を十分に高めることができ、上述の錘効果がより顕著となる。ただし、スライダー62の構成材料は、特に限定されない。なお、本実施形態では、スライダー62は、図示しない絶縁性の接着剤を介して可動部33に接合されている。これにより、リニアガイド6を介する可動部33と意図しない箇所との導通を抑制することができる。
また、スライダー62は、案内レール61上にX軸方向に移動可能に組み付けられている。そのため、スライダー62に固定されている可動部33のX軸方向の振動が許容され、上述した発電を行うことができる。また、スライダー62は、案内レール61に組み付けられることにより、Y軸方向およびZ軸方向への変位が規制されている。そのため、スライダー62に固定されている可動部33のY軸方向およびZ軸方向への変位がそれぞれ規制される。
可動部33のY軸方向への変位を規制することにより、可動電極指341と第1、第2固定電極指351、361との接触が抑制される。そのため、これらの隙間Dをさらに小さくすることができる。そのため、振動発電素子3の発電特性がさらに向上する。さらには、振動発電素子3の小型化を図ることもできる。また、可動部33のZ軸方向への変位を規制することにより、スライダー62が案内レール61によって支持された状態となる。そのため、バネ部32にかかる負荷が軽減され、振動発電素子3の破損を効果的に抑制することができる。
また、スライダー62は、下方に延びる一対の脚部620を備える略コ字状であり、一対の脚部620が案内レール61を跨ぐようにして案内レール61に跨嵌されている。また、スライダー62の案内レール61の両側面に対向する部分すなわち両脚部620の内側面には、それぞれ、案内レール61の転動溝611に対向してX軸方向に延在する転動溝621が形成されている。そして、対向する転動溝611、621によって転動体69が転動する転動路63が形成されている。
また、スライダー62には、転動体69を転動路63の終点から始点へ戻すための戻し経路623が形成されている。そして、転動路63と戻し経路623とにより、転動体69が循環する循環経路64が形成される。循環経路64には、多数の転動体69が装填されており、転動路63内で転動する転動体69を介して、スライダー62が案内レール61に対してX軸方向に移動する。これにより、スライダー62の摺動抵抗が低減され、スライダー62をスムーズに移動させることができる。そのため、リニアガイド6に起因した振動発電素子3の感度低下を効果的に抑えることができる。
-ストッパー7-
図5に示すように、ストッパー7は、案内レール61に配置され、スライダー62と衝突することにより可動部33のX軸方向への過度な変位を規制する。これにより、可動部33と支持部31との衝突、可動電極34と第1、第2固定電極35、36との衝突、バネ部32の過剰な変形等を抑制することができ、振動発電素子3の破損や発電不良を効果的に抑制することができる。
図5に示すように、ストッパー7は、案内レール61に配置され、スライダー62と衝突することにより可動部33のX軸方向への過度な変位を規制する。これにより、可動部33と支持部31との衝突、可動電極34と第1、第2固定電極35、36との衝突、バネ部32の過剰な変形等を抑制することができ、振動発電素子3の破損や発電不良を効果的に抑制することができる。
なお、MEMS分野においては、MEMS素子内の非可動箇所に一体形成されたストッパーと可動箇所とを衝突させることにより可動箇所の過度な変位を抑制する技術が従来から知られている。しかしながら、このような構成では、ストッパーとの衝突により可動箇所が破損するおそれがある。これに対して、本構成では、ストッパー7をスライダー62と衝突させるため、振動発電素子3内での衝突が生じない。したがって、振動発電素子3の破損を効果的に抑制することができる。
このようなストッパー7は、スライダー62に対してX軸方向プラス側に位置する第1ストッパー71と、スライダー62に対してX軸方向マイナス側に位置する第2ストッパー72と、を有している。第1ストッパー71は、スライダー62との衝突によりスライダー62のX軸方向プラス側への所定距離以上の変位を規制する。同様に、第2ストッパー72は、スライダー62との衝突によりスライダー62のX軸方向マイナス側への所定距離以上の変位を規制する。
なお、ストッパー7の構成としては、特に限定されず、例えば、第1、第2ストッパー71、72は、支持基板41に配置されていてもよい。
以上、振動デバイス1について説明した。このような振動デバイス1は、前述したように、支持部31と、支持部31に接続されているバネ部32と、バネ部32を介して支持部31に接続され、バネ部32を弾性変形させつつ支持部31に対して第1方向であるX軸方向に変位する可動部33と、可動部33に接続されている可動電極34と、支持部31に接続され、可動電極34とX軸方向に直交する第2方向であるY軸方向に並んで配置されている固定電極としての第1、第2固定電極35、36と、可動部33に配置されている錘部Mと、錘部MのX軸方向への変位を許容し、X軸方向およびY軸方向に直交する第3方向であるZ軸方向への変位を規制するガイドGと、を有している。このような構成によれば、錘部MがガイドGに支えられ、バネ部32にかかる負荷が軽減される。そのため、振動発電素子3の破損を効果的に抑制することができる。
また、前述したように、ガイドGは、さらに、錘部MのY軸方向への変位を規制している。これにより、可動電極指341と第1、第2固定電極指351、361との接触が抑制されるため、これらの隙間Dをさらに小さくすることができる。したがって、振動発電素子3の発電特性がさらに向上する。
また、前述したように、錘部Mは、転動体69を介してガイドGに対して変位する。これにより、錘部Mの摺動抵抗が低減され、可動部33をスムーズにX軸方向に振動させることができる。
また、前述したように、振動デバイス1は、錘部MのX軸方向への所定距離以上の移動を規制するストッパー7を有している。これにより、例えば、可動部33と支持部31との衝突、可動電極34と第1、第2固定電極35、36との衝突、バネ部32の過剰な変形等を抑制することができ、振動発電素子3の破損や発電不良を効果的に抑制することができる。
また、前述したように、錘部Mは、可動部33とZ軸方向に並んで配置されている。これにより、振動デバイス1のX軸方向やY軸方向への広がりを抑制することができ、振動デバイス1の小型化を図ることができる。また、錘部Mと各電極34、35、36との干渉を防ぐことができる。そのため、各電極34、35、36の配置スペースの減少が防止され、優れた発電効率を発揮することができる。
また、前述したように、可動電極34は、可動部33とZ軸方向に並んで配置されている。これにより、振動発電素子3の平面寸法を大きくすることなく、可動部33と各電極34、35、36とを共に大きく形成することができる。可動部33を大きくすることにより、振動発電素子3の感度が向上し、低い周波数帯でも効率的に可動部33を振動させることができる。さらには、各電極34、35、36を大きく形成することにより、可動電極34と第1、第2固定電極35、36との間の容量を大きくすることができる。そのため、小型で優れた発電特性を有する振動発電素子3となる。
また、前述したように、振動デバイス1は、可動電極34および第1、第2固定電極35、36の少なくとも一方に配置されているエレクトレット膜ELを有している。これにより、可動部33のX軸方向への振動により発電が行われる振動発電素子3となる。
次に、振動デバイス1の製造方法について説明する。図6に示すように、振動デバイス1の製造方法は、振動発電素子3を製造する第1工程S1と、第1工程S1で得られた振動発電素子3を支持基板41に接合して振動発電ユニット10とする第2工程S2と、第2工程S2で得られた振動発電ユニット10をパッケージ2に収容する第3工程S3と、を含んでいる。
≪第1工程S1≫
第1工程S1は、SOI基板8を準備するSOI基板準備工程S11と、第2シリコン層8Cの上面に凹部81を形成する凹部形成工程S12と、凹部81にエッチング耐性膜ESを形成するエッチング耐性膜形成工程S13と、第2シリコン層8Cの上面にシリコン基板9を接合するシリコン基板接合工程S14と、第2シリコン層8Cおよびシリコン基板9の積層体110をエッチングによりパターニングする積層体パターニング工程S15と、第1シリコン層8Aをエッチングによりパターニングする第1シリコン層パターニング工程S16と、エッチング耐性膜ESを除去するエッチング耐性膜除去工程S17と、酸化シリコン層8Bの一部を除去する酸化シリコン層除去工程S18と、エレクトレット膜ELを形成するエレクトレット膜形成工程S19と、を含む。
第1工程S1は、SOI基板8を準備するSOI基板準備工程S11と、第2シリコン層8Cの上面に凹部81を形成する凹部形成工程S12と、凹部81にエッチング耐性膜ESを形成するエッチング耐性膜形成工程S13と、第2シリコン層8Cの上面にシリコン基板9を接合するシリコン基板接合工程S14と、第2シリコン層8Cおよびシリコン基板9の積層体110をエッチングによりパターニングする積層体パターニング工程S15と、第1シリコン層8Aをエッチングによりパターニングする第1シリコン層パターニング工程S16と、エッチング耐性膜ESを除去するエッチング耐性膜除去工程S17と、酸化シリコン層8Bの一部を除去する酸化シリコン層除去工程S18と、エレクトレット膜ELを形成するエレクトレット膜形成工程S19と、を含む。
-SOI基板準備工程S11-
まず、図7に示すように、SOI基板8を準備する。前述したように、SOI基板8は、第1シリコン層8Aと第2シリコン層8Cとの間に酸化シリコン層8Bを挿入してなる基板である。なお、各層8A、8B、8Cの厚さとしては、それぞれ、特に限定されないが、例えば、第1シリコン層8Aが300μm程度、酸化シリコン層8Bが10μm程度、第2シリコン層8Cが20μm程度である。
まず、図7に示すように、SOI基板8を準備する。前述したように、SOI基板8は、第1シリコン層8Aと第2シリコン層8Cとの間に酸化シリコン層8Bを挿入してなる基板である。なお、各層8A、8B、8Cの厚さとしては、それぞれ、特に限定されないが、例えば、第1シリコン層8Aが300μm程度、酸化シリコン層8Bが10μm程度、第2シリコン層8Cが20μm程度である。
-凹部形成工程S12-
次に、図8に示すように、第2シリコン層8Cの上面に凹部81を形成する。凹部81は、第1、第2固定電極35、36が形成される固定電極形成領域Q35、Q36と重なるように形成される。また、凹部81は、第2シリコン層8Cを貫通しない有底の凹部である。なお、凹部81の形成方法は、特に限定されないが、例えば、RIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。また、凹部81の厚さは、例えば、10μm程度である。
次に、図8に示すように、第2シリコン層8Cの上面に凹部81を形成する。凹部81は、第1、第2固定電極35、36が形成される固定電極形成領域Q35、Q36と重なるように形成される。また、凹部81は、第2シリコン層8Cを貫通しない有底の凹部である。なお、凹部81の形成方法は、特に限定されないが、例えば、RIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。また、凹部81の厚さは、例えば、10μm程度である。
-エッチング耐性膜形成工程S13-
本工程S13は、第2シリコン層8Cの上面にエッチング耐性膜ESを成膜する成膜工程S131と、凹部81に充填されている部分を残してエッチング耐性膜ESを除去し、第2シリコン層8Cの上面を露出させる除去工程S132と、を含んでいる。
本工程S13は、第2シリコン層8Cの上面にエッチング耐性膜ESを成膜する成膜工程S131と、凹部81に充填されている部分を残してエッチング耐性膜ESを除去し、第2シリコン層8Cの上面を露出させる除去工程S132と、を含んでいる。
成膜工程S131では、図9に示すように、第2シリコン層8Cの上面にエッチング耐性膜ESを形成する。エッチング耐性膜ESとしては、後述する積層体パターニング工程S15でのエッチングに対して十分な耐性を有していれば特に限定されず、本実施形態では、酸化シリコン膜を用いている。エッチング耐性膜ES(酸化シリコン膜)の成膜方法としては、特に限定されず、例えば、熱酸化、CVD等を用いることができる。
除去工程S132では、図10に示すように、凹部81に充填されている部分を残してエッチング耐性膜ESを除去し、第2シリコン層8Cの上面を露出させる。エッチング耐性膜ESの除去方法としては、特に限定されず、例えば、CMP(化学機械研磨)を用いることができる。なお、図示の構成では、凹部81内のエッチング耐性膜ESがわずかに除去されて凹没した形状となっている。これにより、次のシリコン基板接合工程S14において、第2シリコン層8Cとシリコン基板9とを凹部81内のエッチング耐性膜ESに阻害されることなく、強固に接合することができる。ただし、凹部81内のエッチング耐性膜ESの形状は、特に限定されず、例えば、第2シリコン層8Cの上面と面一であってもよい。
以上のような工程によれば、エッチング耐性膜ESを凹部81内に容易に形成することができる。ただし、エッチング耐性膜ESの形成方法としては、特に限定されない。
-シリコン基板接合工程S14-
次に、図11に示すように、第2シリコン層8Cの上面にシリコン基板9を接合する。これにより、積層基板100が得られる。接合方法としては、特に限定されず、例えば、表面活性化接合を用いることができる。なお、シリコン基板9の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、300μm程度である。
次に、図11に示すように、第2シリコン層8Cの上面にシリコン基板9を接合する。これにより、積層基板100が得られる。接合方法としては、特に限定されず、例えば、表面活性化接合を用いることができる。なお、シリコン基板9の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、300μm程度である。
-積層体パターニング工程S15-
次に、図12に示すように、第2シリコン層8Cとシリコン基板9との積層体110を上面側からエッチングし、積層体110を貫通する貫通孔を形成することにより、積層体110に、支持部31と、可動電極34と、第1、第2固定電極35、36とを形成する。この際、酸化シリコン層8Bおよびエッチング耐性膜ESがエッチングストップ層として機能する。エッチングには、例えば、ドライエッチング、特にRIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。ドライエッチングを用いることにより、高アスペクト比の貫通孔を精度よく形成することができるため、隙間Dをより小さく設計することができる。そのため、優れた発電特性を有する振動発電素子3を製造することができる。ただし、エッチング方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチングであってもよい。
次に、図12に示すように、第2シリコン層8Cとシリコン基板9との積層体110を上面側からエッチングし、積層体110を貫通する貫通孔を形成することにより、積層体110に、支持部31と、可動電極34と、第1、第2固定電極35、36とを形成する。この際、酸化シリコン層8Bおよびエッチング耐性膜ESがエッチングストップ層として機能する。エッチングには、例えば、ドライエッチング、特にRIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。ドライエッチングを用いることにより、高アスペクト比の貫通孔を精度よく形成することができるため、隙間Dをより小さく設計することができる。そのため、優れた発電特性を有する振動発電素子3を製造することができる。ただし、エッチング方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチングであってもよい。
-第1シリコン層パターニング工程S16-
次に、図13に示すように、第1シリコン層8Aを下面側からエッチングし、第1シリコン層8Aを貫通する貫通孔を形成することにより、第1シリコン層8Aに、支持部31と、バネ部32と、可動部33とを形成する(ただし、バネ部32は、図13に不図示。)。なお、この際、酸化シリコン層8Bがエッチングストップ層として機能する。エッチングには、例えば、ドライエッチング、特にRIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。ドライエッチングを用いることにより、高アスペクト比の貫通孔を精度よく形成することができる。ただし、エッチング方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチングであってもよい。
次に、図13に示すように、第1シリコン層8Aを下面側からエッチングし、第1シリコン層8Aを貫通する貫通孔を形成することにより、第1シリコン層8Aに、支持部31と、バネ部32と、可動部33とを形成する(ただし、バネ部32は、図13に不図示。)。なお、この際、酸化シリコン層8Bがエッチングストップ層として機能する。エッチングには、例えば、ドライエッチング、特にRIE(反応性イオンエッチング)を用いることができる。ドライエッチングを用いることにより、高アスペクト比の貫通孔を精度よく形成することができる。ただし、エッチング方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチングであってもよい。
-エッチング耐性膜除去工程S17-
次に、図14に示すように、凹部81内のエッチング耐性膜ESを除去する。これにより、第1、第2固定電極35、36の下方に隙間が形成され、第1、第2固定電極35、36と可動電極34との接触が抑制される。なお、エッチング耐性膜ESの除去方法としては、特に限定さないが、例えば、フッ酸系のエッチング液を用いることができる。
次に、図14に示すように、凹部81内のエッチング耐性膜ESを除去する。これにより、第1、第2固定電極35、36の下方に隙間が形成され、第1、第2固定電極35、36と可動電極34との接触が抑制される。なお、エッチング耐性膜ESの除去方法としては、特に限定さないが、例えば、フッ酸系のエッチング液を用いることができる。
-酸化シリコン層除去工程S18-
次に、図15に示すように、酸化シリコン層8Bの一部を除去して、可動部33およびバネ部32を支持部31に対して可動可能な状態とする。可動部33およびバネ部32を支持部31に対して可動可能な状態とすることができれば、酸化シリコン層8Bの除去部分は、特に限定されない。
次に、図15に示すように、酸化シリコン層8Bの一部を除去して、可動部33およびバネ部32を支持部31に対して可動可能な状態とする。可動部33およびバネ部32を支持部31に対して可動可能な状態とすることができれば、酸化シリコン層8Bの除去部分は、特に限定されない。
-エレクトレット膜形成工程S19-
次に、図16に示すように、可動電極34にエレクトレット膜ELを形成すると共に端子T1、T2を形成する(ただし、端子T1、T2は、図16に不図示。)。なお、エレクトレット膜ELの形成方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、熱酸化により積層体110の表面に酸化シリコン膜を成膜し、次に、この酸化シリコン膜にカリウムイオン等のアルカリ金属イオンをドープし、その後、電界印加して帯電させる方法がある。
次に、図16に示すように、可動電極34にエレクトレット膜ELを形成すると共に端子T1、T2を形成する(ただし、端子T1、T2は、図16に不図示。)。なお、エレクトレット膜ELの形成方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、熱酸化により積層体110の表面に酸化シリコン膜を成膜し、次に、この酸化シリコン膜にカリウムイオン等のアルカリ金属イオンをドープし、その後、電界印加して帯電させる方法がある。
以上により、振動発電素子3が得られる。ただし、振動発電素子3の製造方法としては、特に限定されず、例えば、積層体パターニング工程S15と第1シリコン層パターニング工程S16の順序を入れ替えてもよい。つまり、第1シリコン層パターニング工程S16の後に積層体パターニング工程S15を行ってもよい。また、上面側からのエッチングと下面側からのエッチングとが同時にできる場合には、これらの工程を同時に行ってもよい。同様に、エッチング耐性膜除去工程S17と酸化シリコン層除去工程S18の順序を入れ替えてもよい。つまり、酸化シリコン層除去工程S18の後にエッチング耐性膜除去工程S17を行ってもよい。また、本実施形態のように材料が同じ等、酸化シリコン層8Bとエッチング耐性膜ESとを同時に除去可能な場合は、これらの工程を同時に行ってもよい。
≪第2工程S2≫
次に、図17に示すように、支持基板41上にスペーサー42およびストッパー7が取り付けられているリニアガイド6を配置してなるユニットを準備する。次に、図18に示すように、第1工程S1で得られた振動発電素子3を準備して、支持部31をスペーサー42に接合すると共に、可動部33をスライダー62に接合する。これにより、振動発電ユニット10が得られる。
次に、図17に示すように、支持基板41上にスペーサー42およびストッパー7が取り付けられているリニアガイド6を配置してなるユニットを準備する。次に、図18に示すように、第1工程S1で得られた振動発電素子3を準備して、支持部31をスペーサー42に接合すると共に、可動部33をスライダー62に接合する。これにより、振動発電ユニット10が得られる。
≪第3工程S3≫
次に、図19に示すように、ベース21を準備して、凹部211の底面に第2工程S2で得られた振動発電ユニット10を配置する。次に、図20に示すように、凹部211の開口を塞ぐように、ベース21の上面にリッド22を接合する。以上により、振動デバイス1が得られる。
次に、図19に示すように、ベース21を準備して、凹部211の底面に第2工程S2で得られた振動発電ユニット10を配置する。次に、図20に示すように、凹部211の開口を塞ぐように、ベース21の上面にリッド22を接合する。以上により、振動デバイス1が得られる。
<第2実施形態>
図21は、第2実施形態に係る振動デバイスの断面図である。
図21は、第2実施形態に係る振動デバイスの断面図である。
本実施形態の振動デバイス1は、ベース21が支持基板41およびスペーサー42を兼ねていること以外は、前述した第1実施形態の振動デバイス1と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における図において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図21に示すように、本実施形態の振動デバイス1では、ベース21の凹部211は、ベース21の上面に開口している第1凹部211aと、第1凹部211aの底面に開口し、第1凹部211aよりも開口が小さい第2凹部211bと、を有している。そして、第2凹部211bの底面に案内レール61が配置されており、第1凹部211aの底面に振動発電素子3が配置されている。つまり、本実施形態では、ベース21が支持基板41およびスペーサー42を兼ねている。このような構成によれば、振動デバイス1の構成部品点数が削減され、振動デバイス1の小型化や低コスト化を図ることができる。
以上のような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の振動デバイスを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、前述した実施形態では、振動デバイスを振動発電素子に応用した例を説明したが、振動デバイスとしては、これに限定されない。例えば、可動電極34と第1、第2固定電極35、36との容量変化に基づいて加速度や角速度を検出する慣性センサーに適用してもよい。
また、前述した各実施形態では、可動部33と各電極34、35、36とがZ軸方向に重なって配置されていたが、これに限定されず、例えば、可動部33と各電極34、35、36とがY軸方向およびX軸方向に並んで配置されていてもよい。
1…振動デバイス、10…振動発電ユニット、100…積層基板、110…積層体、2…パッケージ、21…ベース、211…凹部、211a…第1凹部、211b…第2凹部、22…リッド、3…振動発電素子、31…支持部、311…第1固定電極接続領域、312…第2固定電極接続領域、32…バネ部、321…第1バネ部、322…第2バネ部、33…可動部、34…可動電極、340…基部、341…可動電極指、341A…可動電極指群、341B…可動電極指群、341C…可動電極指群、35…第1固定電極、351…第1固定電極指、351A…第1固定電極指群、351B…第1固定電極指群、351C…第1固定電極指群、36…第2固定電極、361…第2固定電極指、361A…第2固定電極指群、361B…第2固定電極指群、361C…第2固定電極指群、41…支持基板、42…スペーサー、421…柱状部、6…リニアガイド、61…案内レール、611…転動溝、62…スライダー、620…脚部、621…転動溝、623…戻し経路、63…転動路、64…循環経路、69…転動体、7…ストッパー、71…第1ストッパー、72…第2ストッパー、8…SOI基板、8A…第1シリコン層、8B…酸化シリコン層、8C…第2シリコン層、81…凹部、9…シリコン基板、D…隙間、EL…エレクトレット膜、ES…エッチング耐性膜、G…ガイド、M…錘部、Q35…固定電極形成領域、Q36…固定電極形成領域、S…内部空間、S1…第1工程、S11…SOI基板準備工程、S12…凹部形成工程、S13…エッチング耐性膜形成工程、S131…成膜工程、S132…除去工程、S14…シリコン基板接合工程、S15…積層体パターニング工程、S16…第1シリコン層パターニング工程、S17…エッチング耐性膜除去工程、S18…酸化シリコン層除去工程、S19…エレクトレット膜形成工程、S2…第2工程、S3…第3工程、T1…端子、T2…端子
Claims (7)
- 支持部と、
前記支持部に接続されているバネ部と、
前記バネ部を介して前記支持部に接続され、前記バネ部を弾性変形させつつ前記支持部に対して第1方向に変位する可動部と、
前記可動部に接続されている可動電極と、
前記支持部に接続され、前記可動電極と前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている固定電極と、
前記可動部に配置されている錘部と、
前記錘部の前記第1方向への変位を許容し、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向への変位を規制するガイドと、を有していることを特徴とする振動デバイス。 - 前記ガイドは、さらに、前記錘部の前記第2方向への変位を規制する請求項1に記載の振動デバイス。
- 前記錘部は、転動体を介して前記ガイドに対して変位する請求項1または2に記載の振動デバイス。
- 前記錘部の前記第1方向への所定距離以上の移動を規制するストッパーを有している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の振動デバイス。
- 前記錘部は、前記可動部と前記第3方向に並んで配置されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の振動デバイス。
- 前記可動電極は、前記可動部と前記第3方向に並んで配置されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の振動デバイス。
- 前記可動電極および前記固定電極の少なくとも一方に配置されているエレクトレット膜を有している請求項1ないし6のいずれか1項に記載の振動デバイス。
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JP2022008495A JP2023107340A (ja) | 2022-01-24 | 2022-01-24 | 振動デバイス |
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JP2022008495A JP2023107340A (ja) | 2022-01-24 | 2022-01-24 | 振動デバイス |
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2022
- 2022-01-24 JP JP2022008495A patent/JP2023107340A/ja active Pending
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