JP2023090644A - 積層体 - Google Patents

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銀玉 李
Eun Ok Lee
政大 藤田
Seidai Fujita
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Abstract

【課題】湿熱環境下に晒された場合であっても、光学特性の低下を抑制することができる積層体を提供する。【解決手段】積層体は、重合性液晶化合物の硬化物層である第1液晶硬化層、接着剤層、及び重合性液晶化合物の硬化物層である第2液晶硬化層をこの順に含む。接着剤層は、硬化性成分及び光重合開始剤を含む接着剤組成物の硬化物層である。硬化性成分は、脂環式エポキシ化合物、第1オキセタン化合物、及び第2オキセタン化合物を含む。第1オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は1つであり、第2オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は2つ以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体に関する。
液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置には、位相差層及び直線偏光層等の光学フィルムが用いられる。位相差層及び直線偏光層を、重合性液晶化合物を重合硬化させた液晶硬化層によって形成すること、また、この液晶硬化層どうしを接着剤層を介して積層した積層体を光学フィルムとして用いることが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2020-56988号公報
上記した積層体は湿熱環境下において光学特性が低下することがあった。
本発明は、湿熱環境下に晒された場合であっても、光学特性の低下を抑制することができる積層体の提供を目的とする。
本発明は、以下の積層体を提供する。
〔1〕 重合性液晶化合物の硬化物層である第1液晶硬化層、接着剤層、及び重合性液晶化合物の硬化物層である第2液晶硬化層をこの順に含む積層体であって、
前記接着剤層は、硬化性成分及び光重合開始剤を含む接着剤組成物の硬化物層であり、
前記硬化性成分は、脂環式エポキシ化合物、第1オキセタン化合物、及び第2オキセタン化合物を含み、
前記第1オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は、1つであり、
前記第2オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は、2つ以上である、積層体。
〔2〕 前記接着剤組成物における前記第1オキセタン化合物の含有量は、前記第1オキセタン化合物と前記第2オキセタン化合物との合計量100質量部に対して、10質量部以上90質量部以下である、〔1〕に記載の積層体。
〔3〕 前記第1オキセタン化合物は、芳香環を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の積層体。
〔4〕 前記第2オキセタン化合物は、脂肪族化合物である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の積層体。
〔5〕 前記第1液晶硬化層は、λ/2位相差層であり、
前記第2液晶硬化層は、λ/4位相差層である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の積層体。
〔6〕 さらに、前記第1液晶硬化層の前記接着剤層側とは反対側に積層された直線偏光層を含む、〔5〕に記載の積層体。
〔7〕 さらに、前記第2液晶硬化層の前記接着剤層側とは反対側に積層された金属層を含む、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の積層体。
本発明の積層体によれば、湿熱環境下に晒された場合であっても、光学特性の低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る積層体を模式的に示す概略断面図である。 本発明の他の一実施形態に係る積層体を模式的に示す概略断面図である。 本発明のさらに他の一実施形態に係る積層体を模式的に示す概略断面図である。 本発明のさらに他の一実施形態に係る積層体を模式的に示す概略断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(積層体)
図1~図4は、本発明の一実施形態に係る積層体を模式的に示す概略断面図である。本実施形態の積層体1~4は、図1~図4に示すように、重合性液晶化合物の硬化物層である第1液晶硬化層11、接着剤層21、及び重合性液晶化合物の硬化物層である第2液晶硬化層12をこの順に含む。第1液晶硬化層11と接着剤層21とは直接接していることが好ましい。接着剤層21と第2液晶硬化層12とは直接接していることが好ましい。
積層体1~4は、第1液晶硬化層11の接着剤層21側、又は、接着剤層21側とは反対側に、第1液晶硬化層11に直接接するように、第1配向膜を有していてもよい。積層体1~4は、第2液晶硬化層12の接着剤層21側、又は、接着剤層21側とは反対側に、第2液晶硬化層12に直接接するように、第2配向膜を有していてもよい。
積層体1~4は、円偏光板であってもよい。積層体1~4が円偏光板である場合、後述する直線偏光層及びλ/4位相差層を含む。直線偏光層は、後述するように、第1液晶硬化層11及び第2液晶硬化層12とは別に設けられてもよく、第1液晶硬化層11及び第2液晶硬化層12のうちの一方が直線偏光層であり、他方がλ/4位相差層であってもよい。
本実施形態の積層体は、第1液晶硬化層11の接着剤層21側とは反対側に積層された直線偏光層を含んでいてもよい。図2及び図4には、第1液晶硬化層11の接着剤層21側とは反対側に、直線偏光層の片面又は両面に保護フィルムを有する偏光板31を積層した積層体2,4を示している。第1液晶硬化層11と偏光板31又は直線偏光層とは直接接していてもよいが、第1貼合層22を介して積層されていてもよい。第1貼合層22は、接着剤層又は粘着剤層である。
本実施形態の積層体は、図3及び図4に示す積層体3,4のように、第2液晶硬化層12の接着剤層21側とは反対側に積層された金属層35を含んでいてもよい。第2液晶硬化層12と金属層35とは通常、第2貼合層23を介して積層され、この場合、第2液晶硬化層12と第2貼合層23とは直接接していてもよく、第2貼合層23と金属層35とは直接接していてもよい。第2貼合層23は、接着剤層又は粘着剤層である。
本実施形態の積層体は、第2液晶硬化層12の接着剤層21側とは反対側に第2貼合層23を含み、さらに第2貼合層23の第2液晶硬化層12とは反対側に、剥離フィルムを含むものであってもよい。
積層体は、表示装置に適用することができる。表示装置としては、液晶表示装置及び有機EL表示装置等が挙げられる。表示装置は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末であってもよく、テレビ、デジタルフォトフレーム、電子看板、測定器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器等であってもよい。
(接着剤層)
接着剤層21は、硬化性成分及び光重合開始剤を含む接着剤組成物の硬化物層である。硬化性成分は、脂環式エポキシ化合物、第1オキセタン化合物、第2オキセタン化合物を含む。第1オキセタン化合物及び第2オキセタン化合物は、分子内にオキセタニル基(オキセタン環)を有する化合物である。第1オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は1つであり、第2オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は2つ以上である。
積層体1~4は、第1液晶硬化層11と第2液晶硬化層12とを上記の接着剤組成物を介して積層し、接着剤組成物を硬化させて接着剤層21を形成することによって得ることができる。上記の組成の接着剤組成物を用いて接着剤層21を形成することにより、積層体1~4が湿熱環境下(例えば、温度85℃、相対湿度85%)に晒された場合に、積層体1~4の光学特性が低下することを抑制することができる。
接着剤層21の厚みは、例えば20μm以下であってもよく、15μm以下であってもよく、10μm以下であってもよく、また、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよく、3μm以上であってもよい。
上記接着剤組成物に含まれる硬化性成分は、上記した硬化性成分以外のその他の硬化性成分を含んでいてもよい。その他の硬化性成分としては、脂肪族エポキシ化合物、及び芳香族エポキシ化合物等が挙げられる。
上記接着剤組成物は、硬化性成分及び光重合開始剤以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、光増感剤、光増感助剤、重合促進剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、色素、有機溶剤等が挙げられる。
上記接着剤組成物は、紫外線、可視光線、X線、又は電子線等の活性エネルギー線の照射によって、硬化性成分が重合して硬化する活性エネルギー線硬化型接着剤組成物であることが好ましい。上記接着剤組成物は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型接着剤組成物であることがより好ましい。
上記接着剤組成物が紫外線硬化型である場合、光照射強度の積算量は、例えば10mJ/cm以上であってもよく、100mJ/cm以上であってもよく、また、1000mJ/cm以下であってもよく、800mJ/cm以下であってもよい。上記接着剤組成物に照射する紫外線は、UVA(波長320~400nm)であってもよく、UVB(波長280~320nm)であってもよく、その両方であってもよい。
(脂環式エポキシ化合物)
接着剤組成物に含まれる硬化性成分は、脂環式エポキシ化合物を含む。脂環式エポキシ化合物は、脂環式エポキシ基を有する化合物であり、芳香環を含まない化合物である。本明細書において、脂環式エポキシ基とは、脂環式環に結合したエポキシ基を表し、下記に示す構造においての酸素原子-O-を意味する。下記式中、mは2~5の整数である。脂環式エポキシ化合物は、下記式における(CH)m中の1つ以上の水素原子を除いた形の基が他の化学構造に結合している化合物である。(CH)m中の1つ以上の水素原子は、メチル基及びエチル基等の直鎖状アルキル基で置換されていてもよい。接着剤組成物が脂環式エポキシ化合物を含むことにより、湿熱環境下においても優れた光学特性を有する積層体1~4を得ることができる。
Figure 2023090644000002
脂環式エポキシ化合物が有する脂環式エポキシ基は、1つであってもよく、2つ以上であってもよいが、2つであることが好ましい。
脂環式エポキシ化合物としては、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、1,2-エポキシ-1-メチル-4-(1-メチルエポキシエチル)シクロヘキサン、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの4-(1,2-エポキシエチル)-1,2-エポキシシクロヘキサン付加物、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、オキシジエチレン ビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、1,4-シクロヘキサンジメチル ビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、3-(3,4-エポキシシクロヘキシルメトキシカルボニル)プロピル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。脂環式エポキシ化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
接着剤組成物中の脂環式エポキシ化合物の含有量は、硬化性成分の合計量100質量部に対して、10.0質量部以上であってもよく、20.0質量部以上であってもよく、30.0質量部以上であってもよく、また、60.0質量部以下であってもよく、50.0質量部以下であってもよく、40.0質量部以下であってもよい。接着剤組成物に2種以上の脂環式エポキシ化合物が含まれる場合、脂環式エポキシ化合物の含有量は、接着剤組成物に含まれる脂環式エポキシ化合物の合計量である。
(第1オキセタン化合物)
接着剤組成物に含まれる硬化性成分は、第1オキセタン化合物を含む。第1オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は1つである。第1オキセタン化合物は、分子内にオキセタニル基を1つ有する単官能オキセタン化合物であれば、鎖式脂肪族化合物及び脂環式化合物等の脂肪族化合物、並びに芳香環を含む芳香族化合物のいずれであってもよい。第1オキセタン化合物は、分子内に芳香環を含むことが好ましい。本明細書でいう第1オキセタン化合物は、分子内にエポキシ基を有さない化合物である。接着剤組成物が第1オキセタン化合物を含むことにより、接着剤組成物の硬化速度や粘度を調整することができ、反応性を向上させることができる。
第1オキセタン化合物としては、3-エチル-3-(フェノキシ)メチルオキセタン、3-[(ベンジルオキシ)メチル]-3-エチルオキセタン、3-エチル-3-(シクロヘキシルオキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(クロロメチル)オキセタン等が挙げられる。第1オキセタン化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
接着剤組成物における第1オキセタン化合物の含有量は、第1オキセタン化合物と第2オキセタン化合物との合計量100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であってもよく、20質量部以上であってもよく、また、90質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であってもよく、70質量部以下であってもよい。接着剤組成物に2種以上の第1オキセタン化合物が含まれる場合、第1オキセタン化合物の含有量は、接着剤組成物に含まれる第1オキセタン化合物の合計量である。接着剤組成物に2種以上の第2オキセタン化合物が含まれる場合も同様である。接着剤組成物における第1オキセタン化合物の含有量が上記の範囲であることにより、第1液晶硬化層と第2液晶硬化層との密着性を良好なものとすることができる。
(第2オキセタン化合物)
接着剤組成物に含まれる硬化性成分は、第2オキセタン化合物を含む。第2オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は2つ以上である。第2オキセタン化合物は、分子内にオキセタニル基を2つ以上有する多官能オキセタン化合物であれば、鎖式脂肪族化合物及び脂環式化合物等の脂肪族化合物、並びに芳香環を含む芳香族化合物のうちのいずれであってもよい。第2オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は、2つであることが好ましい。第2オキセタン化合物は、脂肪族化合物であることが好ましく、鎖式脂肪族化合物であることが好ましい。本明細書でいう第2オキセタン化合物は、分子内にエポキシ基を有さない化合物である。接着剤組成物が第2オキセタン化合物を含むことにより、接着剤組成物の硬化速度や粘度を調整することができ、反応性を向上させることができる。
第2オキセタン化合物としては、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン、キシリレンビスオキセタン等が挙げられる。第2オキセタン化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
接着剤組成物における第2オキセタン化合物の含有量は、第1オキセタン化合物と第2オキセタン化合物との合計量100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であってもよく、30質量部以上であってもよく、また、90質量部以下であることが好ましく、85質量部以下であってもよく、80質量部以下であってもよい。接着剤組成物に2種以上の第2オキセタン化合物が含まれる場合、第2オキセタン化合物の含有量は、接着剤組成物に含まれる第2オキセタン化合物の合計量である。接着剤組成物に2種以上の第1オキセタン化合物が含まれる場合も同様である。接着剤組成物における第2オキセタン化合物の含有量が上記の範囲であることにより、第1液晶硬化層と第2液晶硬化層との密着性を良好なものとすることができる。
(脂肪族エポキシ化合物)
接着剤組成物は、上記した硬化性成分以外のその他の硬化性成分として、脂肪族エポキシ化合物を含んでいてもよい。本明細書において、脂肪族エポキシ化合物は、芳香環及び脂環式エポキシ基を有さない化合物である。脂肪族エポキシ化合物が有するエポキシ基は、1つであってもよく、2つ以上であってもよいが、2つ以上であることが好ましい。
脂肪族エポキシ化合物としては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルが挙げられる。より具体的には、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物;1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル;1,6-ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル;ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル;グリセリンのトリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル;ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル;プロピレングリコールのジグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
接着剤組成物中の脂肪族エポキシ化合物の含有量は、硬化性成分の合計量100質量部に対して、1質量部以上であってもよく、5質量部以上であってもよく、10質量部以上であってもよく、また、50質量部以下であってもよく、40質量部以下であってもよく、30質量部以下であってもよく、20質量部以下であってもよい。
(芳香族エポキシ化合物)
接着剤組成物は、上記した硬化性成分以外のその他の硬化性成分として、芳香族エポキシ化合物を含んでいてもよい。芳香族エポキシ化合物は、分子内に少なくとも1つのエポキシ基及び少なくとも1つの芳香環を含む化合物である。
芳香族エポキシ化合物としては、グリシジルフェニルエーテル;レゾルシノールジグリシジルエーテル;ナフタレン又はナフタレン誘導体のポリグリシジルエーテル化物であるナフタレン型エポキシ化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールM、及びビスフェノールP等のビスフェノール誘導体のグリシジルエーテル化物であるビスフェノール型エポキシ化合物;フルオレン又はフルオレン誘導体のグリシジルエーテル化物であるフルオレン型エポキシ化合物;等が挙げられる。
接着剤組成物中の芳香族エポキシ化合物の含有量は、硬化性成分の合計量100質量部に対して、1質量部以上であってもよく、5質量部以上であってもよく、10質量部以上であってもよく、また、50質量部以下であってもよく、40質量部以下であってもよく、30質量部以下であってもよく、20質量部以下であってもよい。
(光重合開始剤)
接着剤組成物は、光重合開始剤を含む。これにより、接着剤組成物に含まれる硬化性成分を重合硬化させて硬化物層を形成することができる。光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射によって、カチオン種又はルイス酸を発生し、硬化性成分の重合反応を開始させることができるものである。光重合開始剤は光で触媒的に作用するため、硬化性成分に混合しても保存安定性や作業性に優れる。光重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩及び芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄-アレーン錯体等が挙げられる。
芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、次の化合物が挙げられる。
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレート、等。
芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、次の化合物が挙げられる。
ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ジ(4-ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、等。
芳香族スルホニウム塩としては、例えば、次の化合物が挙げられる。
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4,4’-ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
4,4’-ビス〔ジ(β-ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、
4,4’-ビス〔ジ(β-ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
7-〔ジ(p-トルイル)スルホニオ〕-2-イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、
7-〔ジ(p-トルイル)スルホニオ〕-2-イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4-フェニルカルボニル-4’-ジフェニルスルホニオ-ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、
4-(p-tert-ブチルフェニルカルボニル)-4’-ジフェニルスルホニオ-ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、
4-(p-tert-ブチルフェニルカルボニル)-4’-ジ(p-トルイル)スルホニオ-ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、等。
鉄-アレーン錯体としては、例えば、次の化合物が挙げられる。
キシレン-シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロアンチモネート、
クメン-シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロホスフェート、
キシレン-シクロペンタジエニル鉄(II) トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイド、等。
光カチオン重合開始剤は、1種又は2種以上を用いることができる。上記の中でも特に芳香族スルホニウム塩は、300nm付近の波長領域でも紫外線吸収特性を有することから、硬化性に優れ、良好な機械強度や接着強度を有する接着剤層21を得ることができるため、好ましく用いられる。
接着剤組成物中の光重合開始剤の含有量(固形分量)は、硬化性成分の合計量100質量部に対して、通常3.0質量部以下であり、2.0質量部以下であることが好ましく、1.9質量部以下であってもよく、1.8質量部以下であってもよく、1.6質量部以下であってもよく、1.5質量部以下であってもよく、1.4質量部以下であってもよく、また、通常0.1質量部以上であり、0.5質量部以上であってもよく、0.7質量部以上であってもよく、1.0質量部以上であってもよい。接着剤組成物に2種以上の光重合開始剤が含まれる場合、光重合開始剤の含有量は、接着剤組成物に含まれる光重合開始剤の合計量である。光カチオン重合開始剤の含有量が硬化性成分の合計量100質量部に対して2.0質量部以下であることにより、積層体1及び2を金属層に貼合したもの又は積層体3及び4が、湿熱環境下(例えば、温度85℃、相対湿度85%)に晒された場合に、金属層に孔食が発生することを抑制することができる。
(光増感助剤)
接着剤組成物は、硬化性成分及び光重合開始剤以外のその他の成分として、光増感助剤を含んでいてもよい。光増感助剤は、光重合開始剤による重合開始反応を促進させる化合物である。光増感助剤は、ナフタレン系化合物であることが好ましい。
光増感助剤としては、例えば、4-メトキシ-1-ナフトール、4-エトキシ-1-ナフトール、4-プロポキシ-1-ナフトール、4-ブトキシ-1-ナフトール、4-ヘキシルオキシ-1-ナフトール、1,4-ジメトキシナフタレン、1-エトキシ-4-メトキシナフタレン、1,4-ジエトキシナフタレン、1,4-ジプロポキシナフタレン、1,4-ジブトキシナフタレン等が挙げられる。
接着剤組成物中の光増感助剤の含有量は、硬化性成分の合計量100質量部に対して、0.1質量部以上であってもよく、0.5質量部以上であってもよく、1.0質量部以上であってもよく、また、5.0質量部以下であってもよく、4.0質量部以下であってもよく、3.0質量部以下であってもよい。
(第1液晶硬化層、第2液晶硬化層)
第1液晶硬化層11及び第2液晶硬化層12(以下、両者をまとめて「液晶硬化層」ということがある。)は、重合性液晶化合物の硬化物層である。重合性液晶化合物は、少なくとも1つの重合性基を有し、かつ、液晶性を有する化合物である。重合性液晶化合物としては、公知の重合性液晶化合物を用いることができる。
液晶硬化層は、位相差層であってもよく、直線偏光層であってもよい。例えば、第1液晶硬化層11が直線偏光層であり、第2液晶硬化層12がλ/4位相差層であってもよい。第1液晶硬化層11及び第2液晶硬化層12とは別に直線偏光層が設けられ、第1液晶硬化層11及び第2液晶硬化層12がいずれも位相差層である場合、第1液晶硬化層11及び第2液晶硬化層12の組み合わせとしては、[i]λ/2位相差層及びλ/4位相差層、又は、[ii]λ/4位相差層及びポジティブC位相差層が挙げられる。λ/4位相差層は、逆波長分散性を有していてもよい。
λ/2位相差層は、入射光の電界振動方向(偏光面)にπ(=λ/2)の位相差を与えるものであり、直線偏光の向き(偏光方位)を変える機能を有している。円偏光の光を入射させると、円偏光の回転方向を反対回りにすることができる。λ/2位相差層は、特定の波長λ[nm]における面内レターデーション値であるRe(λ)がRe(λ)=λ/2を満足する層である。可視光域のいずれかの波長においてRe(λ)=λ/2が達成されていればよいが、なかでも波長550nmにおいて達成されることが好ましい。波長550nmにおける面内レターデーション値であるRe(550)は、210nm≦Re(550)≦300nmを満足することが好ましい。また、220nm≦Re(550)≦290nmを満足することがより好ましい。
λ/4位相差層は、入射光の電界振動方向(偏光面)にπ/2(=λ/4)の位相差を与えるものであり、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(又は円偏光を直線偏光に)変換する機能を有している。λ/4位相差層は、特定の波長λ[nm]における面内レターデーション値であるRe(λ)がRe(λ)=λ/4を満足する層であり、可視光域のいずれかの波長において達成されていればよいが、なかでも波長550nmで達成されることが好ましい。波長550nmにおける面内レターデーション値であるRe(550)が、100nm≦Re(550)≦160nmを満足することが好ましい。また、110nm≦Re(550)≦150nmを満足することがより好ましい。
液晶硬化層が直線偏光層である場合、直線偏光層は、液晶性に加えて吸収異方性を有する重合性液晶化合物を用いて形成してもよく、重合性液晶化合物と吸収異方性を有する色素とを含む組成物を用いて形成してもよい。液晶硬化層である直線偏光層としては、例えば特開2013-33249号公報等に記載の偏光層が挙げられる。
液晶硬化層を形成するために用いる重合性液晶化合物の種類は特に限定されず、棒状液晶化合物、円盤状液晶化合物、及びこれらの混合物を用いることができる。重合性液晶化合物を重合することによって形成される硬化物層は、重合性液晶化合物を適した方向に配向させた状態で硬化することにより位相差を発現する。棒状の重合性液晶化合物が、積層体の平面方向に対して水平配向又は垂直配向した場合は、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の長軸方向と一致する。円盤状の重合性液晶化合物が配向した場合は、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の円盤面に対して直交する方向に存在する。棒状の重合性液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報(請求項1等)に記載のものを好適に用いることができる。円盤状の重合性液晶化合物としては、特開2007-108732号公報(段落[0020]~[0067]等)、特開2010-244038号公報(段落[0013]~[0108]等)に記載のものを好適に用いることができる。
重合性液晶化合物が有する重合性基とは、重合反応に関与する基を意味し、光重合性基であることが好ましい。光重合性基とは、光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基のことをいう。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1-クロロビニル基、イソプロペニル基、4-ビニルフェニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基、スチリル基、アリル基等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶化合物が有する液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック液晶でもよく、サーモトロピック液晶を秩序度で分類すると、ネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。重合性液晶化合物の硬化物層を形成するために重合性液晶化合物を2種類以上を併用する場合、少なくとも1種類が分子内に2以上の重合性基を有することが好ましい。
液晶硬化層は、重合性液晶化合物と溶剤、必要に応じて各種添加剤を含む液晶硬化層形成用の組成物を、後述する配向膜上に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を固化(硬化)させることによって、重合性液晶化合物の硬化物層を形成することができる。あるいは、基材フィルム上に上記組成物を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を基材フィルムとともに延伸し、硬化させることによって形成してもよい。上記組成物は、上記した重合性液晶化合物及び溶剤の他に、重合開始剤、反応性添加剤、レベリング剤、重合禁止剤等を含んでいてもよい。重合性液晶化合物、溶剤、重合開始剤、反応性添加剤、レベリング剤、重合禁止剤等は、公知のものを適宜用いることができる。
基材フィルムとしては、樹脂材料で形成されたフィルムを用いることができ、例えば後述する保護フィルムを形成するために用いる熱可塑性樹脂として説明する樹脂材料を用いたフィルムを挙げることができる。基材フィルムの厚みは特に限定されないが、一般には強度や取扱い性等の作業性の点から1~300μm以下であることが好ましく、20~200μmであることがより好ましく、30~120μmであることがさらに好ましい。基材フィルムは、重合性液晶化合物の硬化物層とともに積層体に組み込まれていてもよく、基材フィルムを剥離して、重合性液晶化合物の硬化物層のみ、又は、当該硬化物層及び後述する配向膜が積層体1~4に組み込まれていてもよい。
第1液晶硬化層11及び第2液晶硬化層12の厚みは、それぞれ独立して、0.1μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよく、また、10μm以下であってもよく、8μm以下であってもよく、5μm以下であってもよく、3μm以下であってもよい。
(第1配向膜、第2配向膜)
積層体1~4は、第1配向膜及び/又は第2配向膜(以下、両者をまとめて「配向膜」ということがある。)を含んでいてもよい。配向膜は、重合性液晶化合物を所望の方向に配向させる配向規制力を有する。配向膜は、重合性液晶化合物の分子軸を積層体の平面方向に対して垂直配向した垂直配向膜であってもよく、重合性液晶化合物の分子軸を積層体の平面方向に対して水平配向した水平配向膜であってもよく、重合性液晶化合物の分子軸を積層体の平面方向に対して傾斜配向させる傾斜配向膜であってもよい。位相差層が2以上の配向膜を含む場合、配向膜は互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
配向膜としては、重合性液晶化合物を含む液晶層形成用組成物の塗工等により溶解しない溶媒耐性を有し、溶媒の除去や重合性液晶化合物の配向のための加熱処理に対する耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーで形成された配向性ポリマー層、光配向ポリマーで形成された光配向性ポリマー層、層表面にラビング処理等を行って形成した凹凸パターンや複数のグルブ(溝)を有するグルブ配向膜等を挙げることができる。
(直線偏光層)
直線偏光層は、無偏光の光を入射させたとき、吸収軸に直交する振動面をもつ直線偏光を透過させる性質を有する。直線偏光層は、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂フィルム(以下、「PVA系フィルム」ということがある。)であってもよく、液晶硬化層のフィルムであってもよい。液晶硬化層のフィルムとしては、上記で説明したものが挙げられる。直線偏光層は、二色性色素が吸着配向しているPVA系樹脂フィルムであることが好ましい。積層体1~4が第1液晶硬化層11及び第2液晶硬化層12とは別に直線偏光層を含む場合、第1液晶硬化層11及び第2液晶硬化層12は、位相差層であることが好ましい。
PVA系フィルムである直線偏光層は、例えば、ポリビニルアルコールフィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコールフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等のPVA系フィルムに、二色性色素による染色処理、及び延伸処理が施されたもの等が挙げられる。必要に応じて、染色処理により二色性色素が吸着配向したPVA系フィルムをホウ酸水溶液で処理し、その後に、ホウ酸水溶液を洗い落とす洗浄工程を行ってもよい。各工程には公知の方法を採用できる。
ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」ということがある。)は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより製造できる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体との共重合体であることもできる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
PVA系樹脂のケン化度は、通常85~100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。PVA系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等も使用可能である。PVA系樹脂の平均重合度は、通常1,000~10,000程度であり、好ましくは1,500~5,000程度である。PVA系樹脂のケン化度及び平均重合度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。平均重合度が1000未満では好ましい偏光性能を得ることが困難であり、10000超ではフィルム加工性に劣ることがある。
PVA系フィルムに吸着配向している二色性色素としては、ヨウ素又は二色性染料が挙げられる。二色性色素はヨウ素であることが好ましい。二色性染料としては、二色性染料としては、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラック等が挙げられる。
PVA系フィルムである直線偏光層の製造方法は、基材フィルムを用意し、基材フィルム上にPVA系樹脂等の樹脂の溶液を塗布し、溶媒を除去する乾燥等を行って基材フィルム上に樹脂層を形成する工程を含むものであってもよい。なお、基材フィルムの樹脂層が形成される面には、予めプライマー層を形成することができる。基材フィルムとしては、後述する保護フィルムを形成するために用いる熱可塑性樹脂として説明する樹脂材料を用いたフィルムを使用できる。プライマー層の材料としては、直線偏光層に用いられる親水性樹脂を架橋した樹脂等を挙げることができる。
次いで、必要に応じて樹脂層の水分等の溶媒量を調整し、その後、基材フィルム及び樹脂層を一軸延伸し、続いて、樹脂層を二色性色素で染色して二色性色素を樹脂層に吸着配向させる。次に、必要に応じて二色性色素が吸着配向した樹脂層をホウ酸水溶液で処理し、その後に、ホウ酸水溶液を洗い落とす洗浄工程を行う。これにより、二色性色素が吸着配向された樹脂層、すなわち、直線偏光層となるPVA系フィルムが製造される。各工程には公知の方法を採用できる。
二色性色素がヨウ素である場合、ヨウ素が吸着配向したPVA系フィルム又は樹脂層を処理するホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、通常、水100質量部あたり、2~15質量部程度であり、5~12質量部が好ましい。このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、通常、水100質量部あたり、0.1~15質量部程度であり、5~12質量部程度が好ましい。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常、60~1,200秒程度であり、150~600秒程度が好ましく、200~400秒程度がより好ましい。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常、50℃以上であり、50~85℃が好ましく、60~80℃がより好ましい。
PVA系フィルム、並びに、基材フィルム及び樹脂層の一軸延伸は、染色の前に行ってもよいし、染色中に行ってもよいし、染色後のホウ酸処理中に行ってもよく、これら複数の段階においてそれぞれ一軸延伸を行ってもよい。PVA系フィルム、並びに、基材フィルム及び樹脂層は、MD方向(フィルム搬送方向)に一軸延伸してもよく、この場合、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、PVA系フィルム、並びに、基材フィルム及び樹脂層は、TD方向(フィルム搬送方向に垂直な方向)に一軸延伸してもよく、この場合、いわゆるテンター法を使用することができる。また、上記延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤にてPVA系フィルム又は樹脂層を膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。直線偏光層の性能を発現するためには延伸倍率は4倍以上であり、5倍以上であることが好ましく、特に5.5倍以上が好ましい。延伸倍率の上限は特に限定されないが、破断等を抑制する観点から8倍以下が好ましい。
基材フィルムを用いる製造方法で作製した直線偏光層は、保護フィルムを積層した後に基材フィルムを剥離することによって得ることができる。この方法によれば、直線偏光層のさらなる薄膜化が可能となる。
PVA系フィルムである直線偏光層の厚みは、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であってもよく、5μm以上であってもよく、また、30μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であってもよく、8μm以下であってもよい。
(偏光板)
積層体1~4は、直線偏光層に片面又は両面に保護フィルムを有する偏光板31含むことができる。直線偏光層と保護フィルムとは、直接接していてもよく、第3貼合層(接着剤層又は粘着剤層)を介して積層されていてもよい。
(保護フィルム)
保護フィルムとしては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂から形成されたフィルムが用いられる。熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;シクロ系及びノルボルネン構造を有する環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂ともいう);(メタ)アクリル樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
保護フィルムは、任意の位相差値を有する位相差フィルムであってもよい。位相差フィルムは、上記した熱可塑性樹脂から形成されたフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることによって得ることができる。
保護フィルムは、反射防止特性、防眩特性、ハードコート特性等を有するものであってもよい。保護フィルムが上記した特性を有していない場合、偏光板の片面には、反射防止層、防眩層、ハードコート層等の表面機能層が設けられていてもよい。表面機能層は、保護フィルムに直接接するように設けられることが好ましい。表面機能層は、保護フィルムの直線偏光層側とは反対側に設けられることが好ましい。
保護フィルムは、通常5μm以上であり、10μm以上であってもよく、また、通常200μm以下であり、150μm以下であってもよく、100μm以下であってもよく、80μm以下であってもよい。
(金属層)
金属層35は、例えば、タッチパネルのタッチセンサを構成するための導電層として用いることができる。金属層35は、1種以上の金属によって形成された層である。金属層35は、その表面に不動態被膜(酸化被膜)が形成されていてもよいものとする。金属層35は単層構造であってもよく多層構造であってもよい。なお、不動態被膜は1つの層としては数えないものとする。
金属層35を構成する金属としては、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、白金(Pt)、鉄(Fe)、インジウム(In)、錫(Sn)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ネオジウム(Nd)、モリブデン(Mo)、又はこれらの金属を2種以上含む合金が挙げられる。これらのうち、金属層35は、主成分がアルミニウム又は銅であることが好ましく、添加剤としてチタンを含んでいてもよい。ここで、主成分とは、金属層35を構成する金属のうち、50質量%以上を占める金属をいう。
金属層35は、例えば透光性基材に形成することができ、透光性基材の表面全面にわたって形成された連続膜であってもよく、透光性基材の表面に形成された金属配線層であってもよい。金属配線層は、メタルメッシュであってもよい。透光性基材は、透光性を有するものであればよく、例えば上記した保護層を形成するために用いる熱可塑性樹脂として説明した樹脂材料を用いたフィルム、ガラスフィルム、ガラス基板等が挙げられる。
金属層35の形成方法は特に限定されず、透光性基材の表面に、例えば、化学気相成長法又は物理気相成長法等の蒸着法、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、電解メッキ、無電解メッキ等によって形成すればよい。金属層35は、スパッタリング法によって形成されることが好ましい。
金属層35の厚みは、通常0.01μm以上であり、0.05μm以上であってもよく、また、薄型化の観点から、3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、0.8μm以下であることがさらに好ましい。
金属層35が金属配線層である場合、その線幅は、通常10μm以下であり、5μm以下であってもよく、3μm以下であってもよく、通常0.5μm以上である。
(第1貼合層、第2貼合層、第3貼合層)
第1貼合層、第2貼合層、及び第3貼合層(以下、これらをまとめて「貼合層」ということがある。)としては、粘着剤層又は接着剤層が挙げられる。
粘着剤層は、粘着剤を用いて形成された層である。粘着剤は、それ自体を被着体に貼り付けることで接着性を発現するものであり、いわゆる感圧型接着剤と称されるものである。粘着剤は、上記で説明した粘着剤組成物であってもよく、また、公知の光学的な透明性に優れる粘着剤を用いることができる。公知の粘着剤は、例えば、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、シリコーンポリマー、ポリビニルエーテル等のベースポリマーを含有する粘着剤を用いることができる。また、粘着剤は、活性エネルギー線硬化型粘着剤、又は、熱硬化型粘着剤等であってもよい。これらの中でも、透明性、粘着力、再剥離性(リワーク性)、耐候性、耐熱性等に優れるアクリル樹脂をベースポリマーとした粘着剤が好適である。粘着剤層は、(メタ)アクリル樹脂、架橋剤、シランカップリング剤を含む粘着剤から構成されることが好ましく、その他の成分を含んでいてもよい。
粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましくは5μm以上であり、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよく、通常300μm以下であり、250μm以下であってもよく、100μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。
接着剤層は、接着剤組成物中の硬化性成分を硬化させることによって形成することができる。接着剤層を形成するための接着剤組成物としては、感圧型接着剤(粘着剤)以外の接着剤であって、例えば、水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。
水系接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂を水に溶解、又は分散させた接着剤が挙げられる。水系接着剤を用いた場合の乾燥方法については特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥機や赤外線乾燥機を用いて乾燥する方法が採用できる。
活性エネルギー線硬化型接着剤としては、例えば、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含む無溶剤型の活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。無溶剤型の活性エネルギー線硬化型接着剤を用いることにより、層間の密着性を向上させることができる。
活性エネルギー線硬化型接着剤としては、良好な接着性を示すことから、カチオン重合性の硬化性化合物、ラジカル重合性の硬化性化合物のいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。活性エネルギー線硬化型接着剤は、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるための光カチオン重合開始剤等のカチオン重合開始剤、又はラジカル重合開始剤をさらに含むことができる。
接着剤層の厚みは、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であってもよく、また10μm以下であることが好ましく、5μm以下であってもよい。
(剥離フィルム)
積層体が第2液晶硬化層12の接着剤層21側とは反対側に第2貼合層23を含み、第2貼合層23が粘着剤層である場合、積層体は、第2貼合層23を被覆保護し、第2貼合層23に対して剥離可能である剥離フィルムを含んでいてもよい。剥離フィルムは、基材層及び離型処理層を有する。基材層は樹脂フィルムであってもよい。樹脂フィルムは、例えば、上記した保護フィルムを形成するために用いる熱可塑性樹脂から形成することができる。離型処理層は、公知の離型処理層であればよく、例えばフッ素化合物やシリコーン化合物等の離型剤を基材層にコーティングして形成された層が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた材料は、次のとおりである。
[脂環式エポキシ化合物]
CEL2021P:
3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:CEL2021P、(株)ダイセル製)
[脂肪族エポキシ化合物]
EHPE3150:
2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物(商品名:EHPE3150、(株)ダイセル製)
EX-211:
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(商品名:デナコールEX-211、ナガセケムテックス(株)製)
[芳香族エポキシ化合物]
EX-201:
レゾルシノールグリシジルエーテル(商品名:デナコールEX-201、ナガセケムテックス(株)製)
[第1オキセタン化合物]
TCM-104:
3-[(ベンジルオキシ)メチル]-3-エチルオキセタン(芳香族含有オキセタン化合物、商品名:TCM-104、TRONLY製)
[第2オキセタン化合物]
OXT-221:
3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン(商品名:OXT-221、東亞合成(株)製)
[光重合開始剤]
CPI-100P:
スルホニウム系光重合開始剤(商品名:CPI-100P、サンアプロ(株)製、50質量%溶液)
[光増感助剤]
DEN:
1,4-ジエトキシナフタレン
[接着剤組成物(1)~(9)の調製]
表1及び表2に記載の硬化性成分、光重合開始剤及び光増感助剤を、表1及び表2に記載の配合割合で混合し、脱泡して、液状の接着剤組成物(1)~(9)をそれぞれ調製した。表1及び表2の数値は、質量部を示す。光重合開始剤は、50質量%プロピレンカーボネート溶液として配合したが、表1及び表2に示される数値は、それに含まれる固形分としての量である。
[偏光板の作製]
厚み20μm、重合度2,400、ケン化度99.9%以上のポリビニルアルコールフィルムを、温度125℃に加熱したロール上で延伸倍率4.5倍に一軸延伸し、緊張状態を保ったまま、温度28℃の水に30秒間浸漬した後、水100質量部あたりヨウ素0.05質量部及びヨウ化カリウム5質量部を含有する温度28℃の染色浴に30秒間浸漬した。次いで、水100質量部あたりホウ酸5.5質量部及びヨウ化カリウム15質量部を含有する温度64℃のホウ酸水溶液(1)に、110秒間浸漬した。次いで、水100質量部あたりホウ酸5.5質量部及びヨウ化カリウム15質量部を含有する温度67℃のホウ酸水溶液(2)に、30秒間浸漬した。その後、温度10℃の純水を用いて水洗し、温度80℃で乾燥して、直線偏光層を得た。得られた直線偏光層の厚みは7μmであった。
得られた直線偏光層の片面に、水系接着剤(厚み0.1μm)を介して、厚み25μmの保護フィルム(片面にハードコート層を有するシクロオレフィン(COP)フィルム)を、ハードコート層とは反対側の面(COPフィルム側の面)で貼合し、温度90℃で乾燥し、保護フィルム(ハードコート層/COPフィルム)/第3貼合層(水系接着剤層)/直線偏光層の積層構造を有する偏光板を得た。なお、直線偏光層と保護フィルムとの貼合に先立ち、保護フィルムのCOPフィルム側の面にはコロナ処理を行った。また、上記の水系接着剤は、水100質量部に、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(Z-200、日本合成製)3質量部と、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(スミレーズレジン650、住化ケムテックス製、固形分濃度30%の水溶液)1.5質量部を添加して調製した。
[基材付き第1液晶硬化層の作製]
透明樹脂基材である基材フィルムに、第1配向膜を形成するための塗布液を塗布し乾燥することにより、λ/2配向処理をし、第1配向膜を形成した。次いで、第1配向膜上に、重合性のディスコチック液晶モノマーを含む塗布液を塗布し、加熱及びUV照射をして液晶モノマーを重合硬化して配向を固定化することにより、基材フィルム上に厚み2μmの第1液晶硬化層を形成した基材付き第1液晶硬化層を得た。第1液晶硬化層はλ/2位相差層である。
[基材付き第2液晶硬化層の作製]
透明樹脂基材である基材フィルムに、λ/4配向用の配向膜であってラビング処理を行って形成された第2配向膜を形成した。次いで、第2配向膜上に、棒状で重合性のネマチック液晶モノマーを含む塗布液を塗布し、液晶モノマーを重合硬化して屈折率異方性を保持した状態で固定化することにより、基材フィルム上に厚み1μmの第2液晶硬化層を形成した基材付き第2液晶硬化層を得た。第2液晶硬化層はλ/4位相差層である。
〔実施例1〕
(液晶硬化層積層体の作製)
上記で得た基材付き第1液晶硬化層の第1液晶硬化層側、及び、基材付き第2液晶硬化層の第2液晶硬化層側に、それぞれコロナ処理を施した。ラミネータを用いて、基材付き第1液晶硬化層の第1液晶硬化層側と、基材付き第2液晶硬化層の第2液晶硬化層側とを、上記で調製した接着剤組成物(1)を介して貼合した。このとき、第1液晶硬化層の遅相軸と第2液晶硬化層の遅相軸とのなす角度が120°となるように、基材付き第1液晶硬化層と基材付き第2液晶硬化層とを積層した。また、接着剤組成物(1)の塗布量は、接着剤組成物(1)から形成される接着剤層(1)の厚みが4.5μmになるように調整した。
次に、基材付き第2液晶硬化層側から、紫外線照射装置〔フュージョンUVシステムズ(株)製〕を用い、積算光量400mJ/cm(UV-B)で紫外線照射を行い、接着剤組成物(1)を硬化させて、基材付き第1液晶硬化層(基材フィルム/第1配向膜/第1液晶硬化層)/接着剤層(1)/基材付き第2液晶硬化層(第2液晶硬化層/第2配向膜/基材フィルム)の層構造を有する液晶硬化層積層体を得た。
(積層体の作製)
液晶硬化層積層体の基材付き第1液晶硬化層側の基材フィルム及び第1配向膜を剥離して露出した面と、上記で得た偏光板の直線偏光層側とを、第1貼合層(厚み5μmのアクリル系粘着剤層)を用いて貼合した。直線偏光層の吸収軸と第1液晶硬化層(λ/2位相差層)の遅相軸とのなす角度は12.5°であり、直線偏光層の吸収軸と第2液晶硬化層(λ/4位相差層)の遅相軸とのなす角度は107.5°であった。続いて、基材付き第2液晶硬化層側の基材フィルム及び第2配向膜を剥離し、露出面に第2貼合層(厚み15μmのアクリル系粘着剤層)を積層して、積層体(1)を得た。積層体(1)の層構造は、保護フィルム(ハードコート層/COPフィルム)/第3貼合層(水系接着剤層)/直線偏光層/第1貼合層(粘着剤層)/第1液晶硬化層(λ/2位相差層)/接着剤層(1)/第2液晶硬化層(λ/4位相差層)/第2貼合層(粘着剤層)であった。
〔実施例2~8、比較例1〕
接着剤組成物(1)に代えて、接着剤組成物(2)~(9)を用いて接着剤層(2)~(9)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、積層体(2)~(9)を得た。
実施例及び比較例で得た積層体について、次の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
[光学耐久性の評価]
実施例及び比較例で作製した積層体(1)~(9)を30mm×30mmの大きさに裁断し、第2貼合層を介してガラス基板に積層して評価サンプルとした。ガラス基板には、無アルカリガラス基板〔コーニング社製の商品名「Eagle XG」〕を使用した。評価サンプルを用いて、温度85℃、相対湿度85%の湿熱環境下に24時間放置する湿熱試験を行い、次の手順で湿熱試験前後の視感度補正単体透過率及び視感度補正偏光度を決定した。まず、積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の製品名「V7100」〕に、偏光フィルム面(ガラス基板とは反対側)から入射光が入射されるように評価サンプルをセットし、透過率及び偏光度を測定した。次に、この透過率及び偏光度に対して、JIS Z 8701の2度視野(C光源)により視感度補正を行って視感度補正単体透過率及び視感度補正偏光度を決定した。
湿熱試験後の視感度補正単体透過率の値から湿熱試験前の視感度補正単体透過率の値を差し引いた値の絶対値を、単体透過率の変化量として算出し、以下の基準に基づいて評価した。
A:単体透過率の変化量が1.70以下であった。
B:単体透過率の変化量が1.70超であった。
湿熱試験後の視感度補正偏光度の値から湿熱試験前の視感度補正偏光度の値を差し引いた値を、偏光度の変化量として算出し、以下の基準に基づいて評価した。
A:偏光度の変化量が0.3以下であった。
B:偏光度の変化量が0.3超であった。
[金属腐食性の評価]
実施例及び比較例で作製した積層体(1)~(9)の保護フィルム面にコロナ処理した後、保護フィルム上に、粘着シート(離型フィルムに厚み150μmの粘着剤層が形成されたもの)の粘着剤層側を貼合し、粘着シート付き積層体を得た。粘着シート付き積層体を60mm(直線偏光層の吸収軸方向)×50mm(直線偏光層の透過軸方向)の大きさに裁断し、第2貼合層を、340mm×260mmの金属層付きガラス基板の金属層側に貼着した。金属層付きガラス基板は、無アルカリガラス表面にAl-Tiを蒸着させたものを使用した。その後、粘着シート付き積層体から離型フィルムを剥離して露出した粘着剤層面に、80mm×80mmサイズの0.4tガラスを貼合した。これを、オートクレーブ中、温度50℃、圧力5kgf/cm(490.3kPa)で20分間加圧し、これを試験サンプルとした。試験サンプルの層構造は、0.4tガラス/粘着剤層/保護フィルム(ハードコート層/COPフィルム)/第3貼合層(水系接着剤層)/直線偏光層/第1貼合層(粘着剤層)/第1液晶硬化層(λ/2位相差層)/接着剤層(1)~(9)のいずれか/第2液晶硬化層(λ/4位相差層)/第2貼合層(粘着剤層)/金属層付きガラス基板(Al-Ti蒸着層/無アルカリガラス)であった。
試験サンプルを、温度85℃、相対湿度85%の湿熱環境下に240時間、500時間放置した後、試験サンプルが貼合された部分の金属層の状態を、暗室の中で、金属層付きガラス基板の背面からバックライトを当てて0.4tガラス側から観察し、以下の基準に基づいて評価した。
A:金属層表面に発生した孔食(光が透過する孔)の数が5個以下であった。
B:金属層表面に発生した孔食(光が透過する孔)の数が5個より多く15個より少なかった。
C:金属層表面発生した孔食(光が透過する孔)の数が15個以上であった。
[密着性の評価]
実施例及び比較例で作製した積層体(1)~(9)を長さ200mm(直線偏光層の吸収軸方向)×幅25mm(直線偏光層の透過軸方向)の大きさに裁断後、第2貼合層をソーダガラス基板に貼合した。次いで、第1液晶硬化層と第2液晶硬化層との間にカッターの刃を入れ、長さ方向に端から30mm剥離し、その剥離部分を万能引張試験機〔(株)島津製作所製“AG-1”〕のつかみ部でつかんだ。この状態の試験片を、温度23℃、相対湿度55%の雰囲気中にて、JIS K 6854-2:1999「接着剤-はく離接着強さ試験方法-第2部:180度はく離」に準じて、つかみ移動速度300mm/分で180度はく離試験を行い、つかみ部の30mmを除く170mmの長さにわたる平均剥離力を求め、以下の基準に基づいて評価した。なお、表1及び表2中の※3で示す切欠不可とは、第1液晶硬化層と第2液晶硬化層との密着力が強く、両者の間にカッターの刃を入れても、第1液晶硬化層と第2液晶硬化層とを分離することが出来なかったことを示す。
A:切欠不可であった。
B:180度剥離力が0.5N以上であった。
C:180度剥離力が0.5N未満であった。
Figure 2023090644000003
Figure 2023090644000004
1,2,3,4 積層体、11 第1液晶硬化層、12 第2液晶硬化層、21 接着剤層、22 第1貼合層、23 第2貼合層、31 偏光板、35 金属層。

Claims (7)

  1. 重合性液晶化合物の硬化物層である第1液晶硬化層、接着剤層、及び重合性液晶化合物の硬化物層である第2液晶硬化層をこの順に含む積層体であって、
    前記接着剤層は、硬化性成分及び光重合開始剤を含む接着剤組成物の硬化物層であり、
    前記硬化性成分は、脂環式エポキシ化合物、第1オキセタン化合物、及び第2オキセタン化合物を含み、
    前記第1オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は、1つであり、
    前記第2オキセタン化合物が分子内に有するオキセタニル基は、2つ以上である、積層体。
  2. 前記接着剤組成物における前記第1オキセタン化合物の含有量は、前記第1オキセタン化合物と前記第2オキセタン化合物との合計量100質量部に対して、10質量部以上90質量部以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記第1オキセタン化合物は、芳香環を含む、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記第2オキセタン化合物は、脂肪族化合物である、請求項1又は2に記載の積層体。
  5. 前記第1液晶硬化層は、λ/2位相差層であり、
    前記第2液晶硬化層は、λ/4位相差層である、請求項1又は2に記載の積層体。
  6. さらに、前記第1液晶硬化層の前記接着剤層側とは反対側に積層された直線偏光層を含む、請求項5に記載の積層体。
  7. さらに、前記第2液晶硬化層の前記接着剤層側とは反対側に積層された金属層を含む、請求項1又は2に記載の積層体。
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