JP2023089589A - 包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナイロンを用いながら電子レンジ調理中に蒸気抜きのための小孔が形成されやすい包装体を提供する。【解決手段】包装体1は、合掌状にヒートシールされた背貼りシール部3aと、これに直交するようにヒートシールされた端部シール部3b,3cとを備えてなり、背貼りシール部3aに設けられた開封開始部7を起点として引っ張って開封した際に進行する裂け目を捕捉してその進行を誘導するための一対の開封誘導部5,5が設けられている。ヒートシールのために備わっているヒートシール性樹脂層は、応力-歪み曲線の、弾性変形範囲における直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.2ギガパスカル(GPa)以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、包装体に関する。
従来、1枚の包装材を筒状にして合掌状の背貼りシール部を形成し、その内部空間に内容物を収容してその天部と底部をシールした、いわゆるピロー包装体が、さまざまな用途に使用されている。このような構造の包装体を開封するひとつの方法としては、背貼りシール部に開封開始部を設け、そこから一方向へ引き裂く方法がある。例えば特許文献1に開示されている包装体では、背貼りシール部に設けた開封開始部から出発した包装材の裂け目を、背貼りシール部の両側に設けた開封誘導線で捕捉し、開封誘導線に沿って開封を進める。これにより、内容物に適した開口部が得られる。
他方、調理済み又は半調理状態の食品を、常温、低温、又は冷凍で保存することが可能な包装容器に収容し、調理時は開封せずに電子レンジで加熱するものが知られている。例えば特許文献2に開示されている包装容器では、包装容器の一部に脆弱加工部を設け、加熱に伴う内圧の上昇により脆弱加工部に蒸気抜きのための小孔が形成されることで、包装容器の破裂を防ぎながら、食品の蒸らしを十分に行うことができる。
特開2015-123967号公報 特許第6365302号公報
包装体を構成する材料としては、開封時の引き裂きの観点からは例えばポリエチレンテレフタレートよりもナイロンのほうが優れている。しかしながら、電子レンジ調理用の包装体の材料としては、ナイロンでは蒸気抜きのための小孔が形成されにくい。そこで本発明は、ナイロンを用いながら電子レンジ調理中に蒸気抜きのための小孔が形成されやすい包装体を提供することを目的とする。
ナイロンで形成した包装体を用いて本発明者らが検討したことによれば、電子レンジ調理時に蒸気抜きのための小孔(以下「通蒸口」と呼ぶ。)が形成されにくい要因として、ナイロンの高い吸湿性が影響して脆弱加工部の周辺でヒートシール性樹脂層を支持する力が弱くなることでヒートシール性樹脂層が伸びやすくなることが分かった。
この知見に基づき、本発明は、略矩形の包装材の互いに略平行な一対の両端部が互いに合掌状にヒートシールされて形成された背貼りシール部と、背貼りシール部に直交するように包装材の他の一対の両端部がそれぞれヒートシールされて形成された端部シール部と、を備える包装体であって、包装材は、一軸延伸されたナイロンフィルムからなる基材層と、ヒートシール性樹脂層と、を有する積層体であり、背貼りシール部には開封開始部が設けられており、開封開始部を起点として背貼りシール部の延在方向に引っ張って開封した際に進行する裂け目を捕捉して裂け目の進行を誘導するための一対の開封誘導部が、背貼りシール部を挟むようにして、且つ、当該包装体を背貼りシール部側から見たときに背貼りシール部の位置から裏側に回り込まない位置までの範囲内に設けられており、開封誘導部は、包装材を貫通しない程度に設けられた切目線であり、ヒートシール性樹脂層は、単位断面積あたりの応力-歪み直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.2ギガパスカル(GPa)以上である、包装体を提供する。
この包装体によれば、電子レンジ調理時に適切に通蒸口が形成されるので、内圧の上昇による破裂を防止できるとともに、収容した食品を十分に蒸らすことができる。また、包装材の基材層がナイロンフィルムからなるので、引き裂き性が良い。また、この包装体は、開封誘導部に沿った開封を行えることから、開封誘導部の形状次第では開口を広くとることができ、包装材が食器を兼ねることができる。
この包装体では、背貼りシール部の延在方向は、ナイロンフィルムの延伸方向と一致していてもよい。この場合、開封時の引っ張り方向とナイロンフィルムの延伸方向とが一致するので、当該方向への引き裂きをしやすい。
この包装体では、開封誘導部は、裂け目が進行するにしたがって背貼りシール部から遠ざかる形状を有していてもよい。この場合、開口を広くとることができるので、内容物を取り出しやすい。
この包装体では、積層体は、開封誘導部が設けられた部分を対象とした、単位断面積あたりの応力-歪み直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.45ギガパスカル(GPa)以上であってもよい。
開封誘導部は、レーザ加工によって形成された連続線、破線、点線、又はこれらの組み合わせからなっていてもよい。
開封誘導部は、その両端点の位置が、背貼りシール部の延在方向において、開封開始部を挟むように位置していてもよい。この場合、開封開始部を起点とする開封において、開封し始めの裂け目を開封誘導部が捕捉しやすい。
本発明によれば、ナイロンを用いながら電子レンジ調理中に蒸気抜きのための小孔が形成されやすい包装体を提供することができる。
(A)は、包装体の外観を示す図である。(B)は、(A)の包装体を形成する前の包装材の平面図である。 包装体の開封の途中の斜視図である。 包装体の開封を終えたときの斜視図である。
本発明は、いわゆるピロー型の包装体に関する。この包装体は、内部に食品を収容しており、その電子レンジ調理において包装体の一部に通蒸口を形成することで、内部圧による破裂を防止することができる。また、調理後には背貼りシール部に設けた開封開始部から開封して、包装体の長手方向に比較的大きな開口幅を有する開口部を容易に形成することができるので、食品を取り出しやすく、包装材を食器として兼用することも可能である。以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されているとおり、本実施形態の包装体1は、食品を内部に密封した袋体であり、合掌状にヒートシールされて形成された背貼りシール部3aと、背貼りシール部3aに直交するようにヒートシールされた二か所の端部シール部3b,3cとを備えている。背貼りシール部3aと端部シール部3b,3c以外の部分で、食品を収容する部分である胴部4を構成している。背貼りシール部3aが形成されている側と形成されていない側とで包装体1の表裏をなしており、その両側を接続する部分は包装体1の厚さに相当するマチを構成している。背貼りシール部3aには、端部シール部3b側に寄った位置に、開封開始部であるノッチ7が設けられている。
包装体1は、背貼りシール部3a側から見たときに、背貼りシール部3aの基部6を中心線として、背貼りシール部3aをその両側から挟むようにして線対称に一対の開封誘導線(開封誘導部)5,5が設けられている。ここで基部6とは、背貼りシール部3aと胴部4との境目を指している。開封誘導線5,5は、包装体1を背貼りシール部3a側から見たときに、基部6から胴部4の裏側に回り込まない位置まで(ここでは胴部4のマチに達する手前まで)の範囲内にある。開封誘導線5,5の詳細については後述する。
ここで、包装体1の構成材料である包装材100は、樹脂フィルムの積層体からなる矩形の樹脂シートである。包装体1を形成する前の包装材100は、その全ての周縁領域において、帯状に縁取られたヒートシール予定部3を有している。すなわち、ヒートシール予定部3は、矩形の縁から矩形の内側へ進入した所定の距離を幅として、矩形の全周に延在している。図1(B)では、開封誘導線5,5が設けられている図示表面が包装体1の外面側、図示裏面が包装体1の内面側である。ヒートシール予定部3は、図示裏面にある。図1(B)では、包装材100のうち、図示左右方向にあって図示上下方向に延在している互いに平行な一対の両端部が互いに合掌状にヒートシールされることで、背貼りシール部3aが形成される。
包装材100を構成している積層体は、一軸延伸されたナイロンフィルムからなる基材層と、ヒートシール性樹脂層と、を少なくとも備えている。ヒートシール性樹脂層は、包装体1の最内層として積層されている。基材層とヒートシール性樹脂層との間には、両者を貼合する接着剤や、印刷層を備えていてもよい。他に、ガスバリア層、遮光層、紫外線吸収層等を備えていてもよい。
一軸延伸ナイロンフィルムの厚さは、例えば10μm~30μmである。一軸延伸ナイロンフィルムの一軸延伸の方向は、包装体1の背貼りシール部3aの延在方向と一致している。
ヒートシール性樹脂層(シーラント)としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂が最も一般的なものとして用いることができる。ポリエチレン樹脂の中でも、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。本実施形態の包装体1の場合には特に、C4(ブテン-1)をコモノマーとしてZiegler-Natta系の触媒を用いて共重合した直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。このポリエチレンは手切れ性が良く、かつ、電子レンジでの加熱時に開封誘導線5,5が部分的に破断して開口し、蒸気抜きとして機能する通蒸口が形成されやすい。ヒートシール性樹脂層は、樹脂を溶融して基材層に押出して積層してもよいし、フィルムに成形されたものを貼り合せてもよい。
本実施形態において、ヒートシール性樹脂層は、単位断面積あたりの応力-歪み直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.2ギガパスカル(GPa)以上である。このヤング率は0.3ギガパスカル以上であってもよく、0.4ギガパスカル以上であってもよい。ヤング率がこの範囲内にあるとヒートシール性樹脂層が伸びにくく、電子レンジでの加熱時に通蒸口が形成されやすくなる。
ヒートシール性樹脂層の厚さは、例えば10μm~50μmであってもよく、20μm~40μmであってもよい。
また、積層体については、単位断面積あたりの応力-歪み直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.45ギガパスカル(GPa)以上であることが好ましい。この測定では、開封誘導線5を形成したサンプルを用意し、これを測定対象として、開封誘導線5を跨いだ二か所(後述する切目線として伸びる方向に垂直な方向における二か所)を引っ張る。当該ヤング率の値が0.45ギガパスカル以上であると、電子レンジでの加熱時に、内圧による積層体の伸び(包装体1の破裂に耐える程度)と通蒸口の形成のされ具合がバランスしやすい。
開封誘導線5,5は、包装材100を貫通しない程度の深さで設けられた切目線である。本実施形態において、開封誘導線5,5はいずれも、それぞれが直線形状である三つの部位からなっている。すなわち、開封誘導線5,5はいずれも、端部シール部3bに近い側、かつ、背貼りシール部3aの基部6に近い側において背貼りシール部3aの延在方向と平行に延びている第1の並走部5aと、第1の並走部5aの端部シール部3c側の端点から引き続き、端部シール部3c側に、かつ、背貼りシール部3aから遠ざかるように延びている横断部5bと、横断部5bの端部シール部3c側の端点から引き続き、背貼りシール部3aの延在方向と平行に延びている第2の並走部5cとからなる。ここで第1の並走部5aは、背貼りシール部3aの延在方向においてノッチ7の存在位置を内包するように位置しており、第2の並走部5cの終点は、背貼りシール部3aの延在幅の中央までは達しない位置にある。
開封誘導線5,5における切れ目の深さは、当該部分を他の部分と比べて脆弱な構造とすることができ、かつ、包装材100を貫通しない程度(いわゆる「ハーフカット」)であればよく、例えば、ヒートシール性樹脂層以外の層が切れているように形成されてもよい。このような切目線は、ダイカッターやロータリーダイカッター等の刃物を用いる方法や、炭酸ガスレーザ等のレーザ加工機を用いる方法によって形成することができる。レーザ加工による場合は、レーザの線幅に基づいて材料が融けることで、幅のある切目線を形成することができる。この材料が融けて形成された切目線の幅は、例えば50~300μm、好ましくは100~250μmである。また、切目線の幅は、10μm~100μmであってもよく、30μm~70μmであってもよい。
包装体1は、内部に収容した食品を電子レンジ調理によって加熱し蒸らすことができる。通常、密封された包装体を加熱すると内圧が高まって包装体が破裂するが、本実施形態の包装体1では、内圧が高まって膨らみ、胴部4全体に張力が掛かる格好となったときに、引張応力に対して脆弱とされた開封誘導線5,5が部分的に破断し、通蒸口が形成される。通蒸口から蒸気が噴出することで、内圧が下がって包装体1の破裂が防止されるとともに、内部に充満している蒸気によって食品を蒸らすことができる。
包装体1を開封するときは、はじめに、倒れた状態になっている背貼りシール部3aを起こす。次に、背貼りシール部3aのうちノッチ7の両側をそれぞれ指でつまんだ後、端部シール部3c側へ引っ張ることで包装体1の引き裂きが始まる。ノッチ7を起点として引き裂くと、裂け目9は背貼りシール部3aを胴部4側へ下りて基部6に達し、基部6において二股に分かれて進行し、開口部11を形成しながら第1の並走部5a,5aに達する。換言すれば、進行する裂け目9を第1の並走部5a,5aが捕捉する。その後、引き裂きを続けると(図2)、裂け目9は第1の並走部5a,5a、横断部5b,5b、第2の並走部5c,5cに順次誘導されて進行し、第2の並走部5c,5cの終点に到達する。更に端部シール部3c側への引き裂きを続けると、開封誘導線5,5が存在しない部分において裂け目9が直線的に進行し、開口部11を大きく形成することができる(図3)。これにより、食品13を取り出しやすくなる。また、開口部11が十分に大きいことから、包装材が食器を兼ねることができ、食品13を他の食器に移し替える必要がない。
このような電子レンジ調理と開封の一連の手順において、包装体1を構成する包装材のヒートシール性樹脂層のヤング率が0.2ギガパスカル(GPa)以上であることから、通蒸口が適切に形成される。従来の包装体に用いていた包装材では、基材であるナイロンフィルムの吸湿性が高いために、開封誘導線5,5が設けられている部分でヒートシール性樹脂層を支持する力が弱くなり、ヒートシール性樹脂層が伸びてしまうことで通蒸口が形成されにくかったが、本実施形態の包装体1では一軸延伸ナイロンフィルムが吸湿しても、通蒸口が適切に形成される。
そして開封時には、第1の並走部5a,5aが背貼りシール部3aの延在方向においてノッチ7の存在位置を内包するように位置しているので、基部6から二股に分かれて進行した裂け目9を第1の並走部5a,5aが捕捉しやすい。また、包装材の基材層が一軸延伸ナイロンフィルムからなり、その延伸方向が引き裂く方向と一致しているので、開封誘導線5,5による誘導を終えた後の引き裂きにおいても直線的に引き裂きやすい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態では胴部にマチがある形状の包装体を例にしたが、マチがない形状であってもよい。また、上記実施形態では開封誘導線の形状を三つの直線部位からなる連続線で構成したものとしたが、曲線で構成してもよく、連続線のみならず破線、点線、又はこれらの組み合わせからなるものとしてもよい。また、上記実施形態では二本の開封誘導線を背貼りシール部に関して対称形としているが、非対称形としてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<使用材料>
(基材層)
・一軸延伸ナイロンA
一軸延伸されたナイロンフィルム。商品名「ユニアスロン」、出光ユニテック株式会社製。厚さ15μm。
・一軸延伸ナイロンB
一軸延伸されたナイロンフィルム。商品名「エンブレムNC」、ユニチカ株式会社製。厚さ15μm。
・二軸延伸ナイロン
二軸延伸されたナイロンフィルム。商品名「エンブレムONU」、ユニチカ株式会社製。厚さ25μm。
・一軸延伸PET
一軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム。商品名「エンブレットPC」、ユニチカ株式会社製。厚さ12μm。
(ヒートシール性樹脂層)
C4(ブテン-1)をコモノマーとしてZiegler-Natta系の触媒を用いて共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを用いた。
・LLDPE(KF101)
直鎖状低密度ポリエチレン。商品名「KF101」、スカイフィルム株式会社製。厚さ40μm。ヤング率0.40GPa。
・LLDPE(KF201)
直鎖状低密度ポリエチレン。商品名「KF201」、スカイフィルム株式会社製。厚さ40μm。ヤング率0.22GPa。
・LLDPE(XMTN)
直鎖状低密度ポリエチレン。商品名「XMTN」、フタムラ化学株式会社製。厚さ40μm。ヤング率0.16GPa。
・LLDPE(HR611)
直鎖状低密度ポリエチレン。商品名「HR611」、スカイフィルム株式会社製。厚さ40μm。ヤング率0.17GPa。
<実施例1>
(積層体の作製)
基材層としての一軸延伸ナイロンAに、インキ「リオグラン」(商品名、東洋インキ株式会社製)を用いて印刷を施した。この印刷面に対して、ヒートシール性樹脂層としての「LLDPE(KF101)」を接着剤「タケラックA626」(商品名、三井化学株式会社製)及び「タケネートA50」(商品名、三井化学株式会社製)を用いて貼り合わせ、積層体を作製した。
(積層体のヤング率の測定)
積層体をヤング率測定のためのサンプルとして準備した。一軸延伸ナイロンAの側からそのTD方向に炭酸ガスレーザを照射(出力25W、スキャン速度800mm/秒)し、ヒートシール性樹脂層を貫通しない脆弱加工線(開封誘導線)を形成した。MD方向が長手方向となるようにサンプルを15mm巾にカットし、チャック間距離50mm、引張速度200m/分の速度で脆弱加工部が試験片の中央にくるように配置して引っ張り、ヤング率を算出した(JIS K 7127準拠)。
(包装体の形成)
基材層側から炭酸ガスレーザを照射し(出力25W、スキャン速度800mm/秒)、図1(B)に示した形状となるように、ヒートシール性樹脂層を貫通しない開封誘導線を形成した。図示上下方向の存在領域が50mm、図示左右方向の存在領域が70mmであるようにした。内部に冷凍炒飯200gを充填し、図1(A)に示した形状となるように各端部をヒートシールし、包装体を得た。背貼りシール部にアイノッチを設けた。包装体の大きさは、155mm×250mm×20mmであった。
<実施例2,3及び比較例1~5>
表1に示した材料を用いて、実施例1と同様に包装体を作製した。
(電子レンジ調理と通蒸性の評価)
実施例1~3、及び、比較例1~5の包装体を電子レンジにて1000Wで3分間加熱した。また、これとは別に、実施例1~3、及び、比較例1,2の各包装体については温度40℃、湿度90%の恒温槽に四週間保管した後に電子レンジにて1000Wで3分間加熱した。それぞれの包装体の電子レンジ調理中の通蒸性を確認した。通蒸口が形成され正常に蒸気が抜けた場合を「良好」、蒸気が抜けなかった場合や、開封誘導線以外の部分で破袋が発生した場合を「不良」とした。
(開封誘導性の評価)
保管前に電子レンジ調理した実施例1~3、及び、比較例1~5の包装体をアイノッチから引き裂き、開封した。開封誘導線の形状に沿って開口できた場合を「良好」、開封誘導線から逸れた場合を「不良」とした。
表1に示した結果によれば、基材層として一軸延伸ナイロンフィルムを用い、かつ、ヒートシール性樹脂層のヤング率が0.22GPa以上である場合に、通蒸性と開封誘導性が良好であることが分かる。
Figure 2023089589000002
本発明は、電子レンジ調理用の包装体に利用することができる。
1…包装体、3…ヒートシール予定部、3a…背貼りシール部、3b,3c…端部シール部、4…胴部、5…開封誘導線(開封誘導部)、5a…第1の並走部、5b…横断部、5c…第2の並走部、6…基部、7…ノッチ(開封開始部)、9…裂け目、11…開口部、13…食品、100…包装材。

この知見に基づき、本発明は、略矩形の包装材の互いに略平行な一対の両端部が互いに合掌状にヒートシールされて形成された背貼りシール部と、背貼りシール部に直交するように包装材の他の一対の両端部がそれぞれヒートシールされて形成された端部シール部と、を備える包装体であって、包装材は、一軸延伸されたナイロンフィルムからなる基材層と、ヒートシール性樹脂層と、を有する積層体であり、背貼りシール部には開封開始部が設けられており、開封開始部を起点として背貼りシール部の延在方向に引っ張って開封した際に進行する裂け目を捕捉して裂け目の進行を誘導するための一対の開封誘導部が、背貼りシール部を挟むようにして、且つ、当該包装体を背貼りシール部側から見たときに背貼りシール部の位置から裏側に回り込まない位置までの範囲内に設けられており、開封誘導部は、包装材を貫通しない程度に設けられた切目線であり、ヒートシール性樹脂層は、応力-歪み曲線の、弾性変形範囲における直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.2ギガパスカル(GPa)以上である、包装体を提供する。
この包装体では、積層体は、開封誘導部が設けられた部分を対象とした、応力-歪み曲線の、弾性変形範囲における直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.45ギガパスカル(GPa)以上であってもよい。
本実施形態において、ヒートシール性樹脂層は、応力-歪み曲線の、弾性変形範囲における直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.2ギガパスカル(GPa)以上である。このヤング率は0.3ギガパスカル以上であってもよく、0.4ギガパスカル以上であってもよい。ヤング率がこの範囲内にあるとヒートシール性樹脂層が伸びにくく、電子レンジでの加熱時に通蒸口が形成されやすくなる。
また、積層体については、応力-歪み曲線の、弾性変形範囲における直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.45ギガパスカル(GPa)以上であることが好ましい。この測定では、開封誘導線5を形成したサンプルを用意し、これを測定対象として、開封誘導線5を跨いだ二か所(後述する切目線として伸びる方向に垂直な方向における二か所)を引っ張る。当該ヤング率の値が0.45ギガパスカル以上であると、電子レンジでの加熱時に、内圧による積層体の伸び(包装体1の破裂に耐える程度)と通蒸口の形成のされ具合がバランスしやすい。
開封誘導線5,5における切れ目の深さは、当該部分を他の部分と比べて脆弱な構造とすることができ、かつ、包装材100を貫通しない程度(いわゆる「ハーフカット」)であればよく、例えば、ヒートシール性樹脂層以外の層が切れているように形成されてもよい。このような切目線は、ダイカッターやロータリーダイカッター等の刃物を用いる方法や、炭酸ガスレーザ等のレーザ加工機を用いる方法によって形成することができる。レーザ加工による場合は、レーザの線幅に基づいて材料が融けることで、幅のある切目線を形成することができる。この材料が融けて形成された切目線の幅は、例えば50~300μm、好ましくは100~250μmである

Claims (6)

  1. 略矩形の包装材の互いに略平行な一対の両端部が互いに合掌状にヒートシールされて形成された背貼りシール部と、前記背貼りシール部に直交するように前記包装材の他の一対の両端部がそれぞれヒートシールされて形成された端部シール部と、を備える包装体であって、
    前記包装材は、一軸延伸されたナイロンフィルムからなる基材層と、ヒートシール性樹脂層と、を有する積層体であり、
    前記背貼りシール部には開封開始部が設けられており、
    前記開封開始部を起点として前記背貼りシール部の延在方向に引っ張って開封した際に進行する裂け目を捕捉して前記裂け目の進行を誘導するための一対の開封誘導部が、前記背貼りシール部を挟むようにして、且つ、当該包装体を背貼りシール部側から見たときに前記背貼りシール部の位置から裏側に回り込まない位置までの範囲内に設けられており、
    前記開封誘導部は、前記包装材を貫通しない程度に設けられた切目線であり、
    前記ヒートシール性樹脂層は、単位断面積あたりの応力-歪み直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.2ギガパスカル(GPa)以上である、包装体。
  2. 前記背貼りシール部の延在方向は、前記ナイロンフィルムの延伸方向と一致している、請求項1記載の包装体。
  3. 前記開封誘導部は、前記裂け目が進行するにしたがって前記背貼りシール部から遠ざかる形状を有している、請求項1又は2記載の包装体。
  4. 前記積層体は、前記開封誘導部が設けられた部分を対象とした、単位断面積あたりの応力-歪み直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)がJIS K7127に準拠した測定において0.45ギガパスカル(GPa)以上である、請求項1~3のいずれか一項記載の包装体。
  5. 前記開封誘導部は、レーザ加工によって形成された連続線、破線、点線、又はこれらの組み合わせからなる、請求項1~4のいずれか一項記載の包装体。
  6. 前記開封誘導部は、その両端点の位置が、前記背貼りシール部の延在方向において、前記開封開始部を挟むように位置している、請求項1~5のいずれか一項記載の包装体。

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