JP2023086983A - 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料 - Google Patents

水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP2023086983A
JP2023086983A JP2023075151A JP2023075151A JP2023086983A JP 2023086983 A JP2023086983 A JP 2023086983A JP 2023075151 A JP2023075151 A JP 2023075151A JP 2023075151 A JP2023075151 A JP 2023075151A JP 2023086983 A JP2023086983 A JP 2023086983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
mass
emulsion composition
water emulsion
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023075151A
Other languages
English (en)
Inventor
裕之 杉山
Hiroyuki Sugiyama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JP2023086983A publication Critical patent/JP2023086983A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L29/00Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof
    • A23L29/10Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof containing emulsifiers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L2/00Non-alcoholic beverages; Dry compositions or concentrates therefor; Their preparation
    • A23L2/52Adding ingredients
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/12Ketones
    • A61K31/122Ketones having the oxygen directly attached to a ring, e.g. quinones, vitamin K1, anthralin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/107Emulsions ; Emulsion preconcentrates; Micelles
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2250/00Food ingredients
    • A23V2250/20Natural extracts
    • A23V2250/21Plant extracts
    • A23V2250/214Tea

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】アスタキサンチンの原料由来の臭気を抑制し、かつ乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物の提供。【解決手段】水中油型乳化組成物は、アスタキサンチン、油性成分、酵素分解レシチン、所定のショ糖脂肪酸エステル、所定のポリグリセリン脂肪酸エステル、水溶性茶抽出物、ビタミンE及び/又はその誘導体、及び水を含み、水中油型乳化組成物の全質量に対して、アスタキサンチンの含有率が5.0質量%~10.0質量%、油性成分の含有率が20質量%~50質量%、ビタミンE及び/又はその誘導体の含有率が3質量%~6質量%、水溶性茶抽出物の含有率が0.3質量%以上5.0質量%以下であり、水溶性茶抽出物の全質量に対する茶ポリフェノールの含有率が80質量%以上であり、茶ポリフェノールがエピガロカテキンガレート又はエピガロカテキンの少なくとも1種以上を10質量%以上含む。【選択図】なし

Description

本開示は、水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料に関する。
アスタキサンチンは、活性酸素を消去する「抗酸化作用」を有する成分として注目されており、近年では健康食品の原料としても広く流通している。アスタキサンチンは、天然のカロテノイド色素の一種であり、自然界においても広く分布しており、例えば、サケ、マダイ等の魚類、カニ、エビ、オキアミなどの甲殻類、藻類等に多く含まれている。
しかしながら、アスタキサンチンを食品原料とした場合、水への溶解性が低いため消化吸収性が悪い他、原料由来の特有の匂いによる商品の嗜好性の低下等の欠点も有している。
特許第4163218号公報には、各種食品に好適に使用可能な、安定で、かつ臭気の発生がなく、長期間の保存が可能な、ヘマトコッカス藻色素を含有する乳化組成物を目的として、ヘマトコッカス藻色素を含有する油と、少なくとも当該油を乳化しうるに十分な量の乳化剤と、茶抽出物と親水性媒体を含む乳化組成物を調製することを特徴とする、ヘマトコッカス藻色素特有の臭いの抑制方法が開示されている。
本発明が、アスタキサンチンの原料由来の独特の臭気を低減した、嗜好性の高い食品添加用のアスタキサンチン含有水中油型乳化組成物を目的として乳化物を作製したところ、特許第4163218号公報記載の方法では、乳化安定性が悪くなってしまうことがわかった。
本発明の実施形態の一つは、上記のような問題点を鑑みて、アスタキサンチンの原料由来の臭気を抑制し、かつ乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物を提供することを課題とする。
本発明の実施形態の一つは、アスタキサンチンの原料由来の臭気を抑制し、かつ乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物を含有する、食品又は飲料を提供することを課題とする。
本発明者らは、アスタキサンチン、油性成分、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、水溶性茶抽出物、及び水を含み、水溶性茶抽出物が、水溶性茶抽出物の全質量に対して茶ポリフェノールを20質量%以上含有し、水中油型乳化組成物の全質量に対するアスタキサンチンの含有率が0.1質量%~20.0質量%であり水中油型乳化組成物の全質量に対する水溶性茶抽出物の含有率が0質量%超20.0質量%以下である、水中油型乳化組成物により、上記課題を解決しうることを見出した。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
[1] アスタキサンチン、油性成分、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、水溶性茶抽出物、及び水を含み、水溶性茶抽出物が、水溶性茶抽出物の全質量に対して茶ポリフェノールを20質量%以上含有し、水中油型乳化組成物の全質量に対するアスタキサンチンの含有率が0.1質量%~20.0質量%であり、水中油型乳化組成物の全質量に対する水溶性茶抽出物の含有率が0質量%超20.0質量%以下である、水中油型乳化組成物。
[2] さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含む、[1]に記載の水中油型乳化組
成物。
[3] 乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンからなる群から選ばれる1種以上のみを含有する、[1]に記載の水中油型乳化組成物。
[4] ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有し、水中油型乳化組成物の全質量に対するポリグリセリン脂肪酸エステルの含有率が2質量%以上22質量%以下の範囲である、[2]又は[3]に記載の水中油型乳化組成物。
[5] 水溶性茶抽出物が水相に含まれる、[1]~[4]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[6] ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖脂肪酸エステルの全質量に対するモノ置換体の割合が75質量%以上である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[7] ショ糖脂肪酸エステルを水中油型乳化組成物の全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下の範囲で含有する、[1]~[6]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[8] 酵素分解レシチンを水中油型乳化組成物の全質量に対して0.00001質量%以上7質量%以下の範囲で含有する、[1]~[7]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[9] さらにグリセリンを水中油型乳化組成物の全質量に対して20質量%以上50質量%以下の範囲で含有する、[1]~[8]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[10] 水溶性茶抽出物が水溶性茶抽出物の全質量に対して茶ポリフェノールを80質量%以上含有する、[1]~[9]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[11] 油性成分が、中鎖脂肪酸トリグリセライド及び動植物性油脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]~[10]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[12] 食品添加物用途である、[1]~[11]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[13] [1]~[12]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物を含む食品。
[14] [1]~[12]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物を含む飲料。
本発明の実施形態の一つによれば、アスタキサンチンの原料由来の臭気を抑制し、かつ乳化安定性に優れたアスタキサンチン含有水中油型乳化組成物を提供することができる。
また、本発明の実施形態の一つによれば、アスタキサンチンの原料由来の臭気を抑制し、かつ乳化安定性に優れたアスタキサンチン含有水中油型乳化組成物を含有する食品又は飲料を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明その目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、各成分の量は、各成分に該当する物質が、組成物中に複数種存在する
場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において「HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値」は、成分として市販品を使用し、かつ、市販品のカタログ等の文献において、その市販品のHLB値が明確に示されている場合には、カタログ等の文献に示された値を採用する。
使用する成分が市販品ではない場合、或いは、市販であってもHLB値がカタログ等の文献に明確に示されていない場合には、本開示におけるHLB値としては、以下に示す川上式を採用する。
HLB=7+11.7log(M/M
ここで、Mは親水基の分子量、Mは疎水基の分子量である。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において「水相」とは、溶媒の種類にかかわらず「油相」に対する語として使用する。
本開示の実施形態の一つは、アスタキサンチン、油性成分、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、水溶性茶抽出物、及び水を含み、水溶性茶抽出物が、水溶性茶抽出物の全質量に対して茶ポリフェノールを20質量%以上含有し、水中油型乳化組成物の全質量に対するアスタキサンチンの含有率が0.1質量%~20.0質量%であり、水中油型乳化組成物の全質量に対する水溶性茶抽出物の含有率が0質量%超20.0質量%以下である、水中油型乳化組成物(以下、単に「本開示の水中油型乳化組成物」と称することがある。)である。
本開示の実施形態の一つは、本開示の水中油型乳化組成物を含む食品又は飲料(以下、単に「本開示の食品」又は「本開示の飲料」と称することがある。)である。
〔水中油型乳化組成物〕
本開示の水中油型乳化組成物は、水中油型乳化組成物の全質量に対して0.1質量%~20.0質量%の含有率であるアスタキサンチンと、油性成分と、酵素分解レシチンと、ショ糖脂肪酸エステルと、水中油型乳化組成物の全質量に対して0質量%超20.0%以下の含有率であり、水溶性茶抽出物の全質量に対して茶ポリフェノールを20質量%以上含む水溶性茶抽出物と、水とを含む、水中油型乳化組成物である。
アスタキサンチンは、活性酸素を消去する「抗酸化作用」を有する成分として、注目されている。また、アスタキサンチンは、免疫賦活、疲労回復、自立神経のバランス調整等、種々の機能を有することが知られており、健康食品などの原料として多用されている。しかし、アスタキサンチンの原料由来の臭気により、製品の嗜好性が低下する場合があることが本発明者の検討により明らかとなった。このような現象は、特に、機能性表示等を目的としてアスタキサンチンをより高濃度に配合した食品とする場合に生じる傾向がある。
これに対し、本開示によれば、特定量のアスタキサンチンと、油性成分と、酵素分解レシチンと、ショ糖脂肪酸エステルと、特定量の水溶性茶抽出物と、水とを含むことにより、臭気が抑制され、かつ乳化安定性(特に室温経時に伴う保存安定性)に優れた水中油型乳化組成物を提供することができる。
本開示において室温とは「25±3℃」を指す。
この点について、本発明者は以下の通り推測している。
一般的に、茶抽出物は、消臭効果を有することが知られている。しかしながら、本発明者の検討によると、アスタキサンチンの原料由来の臭気を低減させるために、茶抽出物を水中油型乳化組成物に含有させた場合、室温経時に伴う水中油型乳化組成物の安定性が悪化することがわかった。本発明者が検討を重ねたところ、茶抽出物の中でも茶ポリフェノールを20質量%以上含む水溶性茶抽出物を特定量で含み、さらに、油性成分、酵素分解レシチン、およびショ糖脂肪酸エステルを含む水中油型乳化組成物とすることにより、高濃度のアスタキサンチンを含みながらも、アスタキサンチンの原料由来の臭気が抑制され、かつ、優れた乳化安定性を示すことが明らかとなった。
さらに、本開示の水中油型組成物は、上述のような構成とすることにより、冷蔵保存した場合の水中油型乳化組成物の安定性にも優れる他、高濃度に配合したアスタキサンチンによる水中油型乳化組成物の粘度の上昇を抑制することができ、水中油型乳化物としての製剤適性を有すると考えられる。
本開示において冷蔵保存とは、「1℃超10℃以下」の雰囲気温度における保存を指す。また、本開示において冷蔵保存と低温保存とは同義である。
なお、上記の推測は、本開示の水中油型組成物を限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
[アスタキサンチン]
本開示の水中油型乳化組成物は、アスタキサンチンを含む。
本開示の水中油型乳化組成物は、アスタキサンチンを含む。本開示では、特に断りの無い限り、アスタキサンチン及びその誘導体を総称して「アスタキサンチン」という。すなわち、本開示の水中油型乳化組成物では、アスタキサンチンとして、アスタキサンチン及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。アスタキサンチンの誘導体は、アスタキサンチンのエステル等を含む。
アスタキサンチンとしては、植物類、藻類、甲殻類、バクテリア等の天然物に由来するアスタキサンチンの他、常法に従って得られるアスタキサンチンの合成品を用いることもできる。
アスタキサンチンは、赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌、オキアミ等の培養物から抽出することができる。
品質及び生産性の観点からは、アスタキサンチンとしては、ヘマトコッカス藻からの抽出物(以下、「ヘマトコッカス藻抽出物」と称する。)又はオキアミからの抽出物に由来するアスタキサンチンが好ましく、ヘマトコッカス藻抽出物に由来するアスタキサンチンが特に好ましい。
本開示の水中油型乳化組成物では、アスタキサンチンは、後述する油性成分に溶解された状態であることが好ましい。すなわち、アスタキサンチンは、油性成分にアスタキサンチンを含有させたアスタキサンチン含有油の態様で、本開示の水中油型乳化組成物に配合することができる。
ヘマトコッカス藻の具体例としては、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)、ヘマトコッカス・ラキュストリス(Haematococcus lacustris)、ヘマトコッカス・カペンシス(Haematococcus capensis)、ヘマトコッカス・ドロエバゲンシス(Haematococcus droebakensis)、ヘマトコッカス・ジンバビエンシス(Haematococcus zimbabwiensis)等が挙げられる。
これらの中でも、ヘマトコッカス藻としては、ヘマトコッカス・プルビアリス(Hae
matococcus pluvialis)が好ましい。
ヘマトコッカス藻抽出物は、上記のヘマトコッカス藻を、必要に応じて、特開平5-68585号公報等に開示された方法により細胞壁を破砕して、アセトン、エーテル、クロロホルム、アルコール(エタノール、メタノール等)などの有機溶剤、又は超臨界状態の二酸化炭素等の抽出溶剤を加えることによって得ることができる。
ヘマトコッカス藻抽出物としては、市販品を用いてもよい。
ヘマトコッカス藻抽出物の市販品の例としては、富士フイルム(株)のASTOTS(登録商標)-S、ASTOTS(登録商標)-5O、ASTOTS(登録商標)-10O等、富士化学工業(株)のアスタリール(登録商標)オイル50F、アスタリール(登録商標)オイル5F等、東洋酵素化学(株)のBioAstin SCE7などが挙げられる。
ヘマトコッカス藻抽出物中におけるアスタキサンチンの色素純分としての含有率は、製造時の取り扱いの観点から、好ましくは0.001質量%~50質量%であり、より好ましくは0.01質量%~40質量%である。
なお、ヘマトコッカス藻抽出物は、特開平2-49091号公報に記載の色素と同様に、色素純分として、アスタキサンチン又はそのエステル体を含有してもよい。
本開示の水中油型乳化組成物におけるアスタキサンチンの含有率は、0.1質量%~20.0質量%である。
アスタキサンチンの含有率は、例えば、アスタキサンチンを含むことで期待される効果を十分に得る観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.2質量%以上であることが好ましく、0.4質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましい。
また、アスタキサンチンの含有率は、例えば、摂取のしやすさの観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。
[油性成分]
本開示の水中油型乳化組成物は、油性成分を含有する。
本開示の水中油型乳化組成物において油性成分とは、25℃の水への溶解度が0.1質量%未満(1g/L未満)の成分である。油性成分は、アスタキサンチンを溶解する目的で使用する化合物として好適に用いることができる。アスタキサンチンは、本開示の水中油型乳化組成物における油性成分には包含されない。
油性成分としては、アスタキサンチンとの親和性、食品衛生法上の観点からは、中鎖脂肪酸トリグリセライド及び動植物性油脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
中鎖脂肪酸トリグリセライドの例としては、トリグリセライドを構成する脂肪酸の炭素数が8~10である中鎖脂肪酸トリグリセリドが挙げられる。
動植物性油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、ひまわり油、サフラワー油、やし油、小麦胚芽油、コーン胚芽油、オリーブ油、米ぬか油、ココナッツ油等の植物性油脂、肝油、魚油、鯨油等の動物性油脂が挙げられる。
これらの油性成分のなかでも、中鎖脂肪酸トリグリセライドが好ましく、本開示の水中油型乳化組成物が含有する油性成分としては、中鎖脂肪酸トリグリセライドのみであることがより好ましい。
既述のとおり、アスタキサンチンは、油性成分にアスタキサンチンを含有させたアスタ
キサンチン含有油として、本開示の水中油型乳化組成物に含有させてもよく、後述する抗酸化剤Bに由来するものであってもよい。アスタキサンチン含有油は、油性成分として中鎖脂肪酸トリグリセライドを含むことが好ましい。
油性成分は、1種のみであってもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
油性成分の総含有率は、水中油型乳化組成物の全質量に対して、15質量%以上50質量%以下の範囲であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下の範囲であることがより好ましい。
[水溶性茶抽出物]
本開示の水中油型乳化組成物は、水中油型乳化組成物の全質量に対して0質量%超20.0質量%以下の含有率である水溶性茶抽出物を含有する。
本開示の水中油型乳化組成物に用いる水溶性茶抽出物は、水溶性茶抽出物の全質量に対して茶ポリフェノールを20質量%以上含む。
本開示の水中油型乳化組成物に用いる水溶性茶抽出物は、25℃の水への溶解度が20質量%以上(200g/L以上)の茶抽出物であれば特に制限はない。
水溶性茶抽出物は、緑茶、ウーロン茶、及び紅茶から選択される茶葉のうち一種又は二種以上から抽出されたものであり、茶ポリフェノール(カテキン類)を水溶性茶抽出物の全質量に対して20質量%以上含む。抽出に用いる溶剤(「抽出溶剤」とも言う。)は、特に限定されず、熱水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチルなどが挙げられる。これらの抽出溶剤の1種又は2種以上の混合物を用いて抽出操作を行なうことで、水溶性茶抽出物を含む抽出液が得られる。
抽出液は熱水抽出の場合はそのままでも使用でき、望ましくは噴霧乾燥や凍結乾燥などにより水を除去した粉末状のものが使用しやすく、デキストリン、グリセリン等で製剤化したものも用いることができる。
本開示の水中油型乳化組成物において、水溶性茶抽出物は、抗酸化剤として機能する。以下、本開示に係る水溶性茶抽出物を「抗酸化剤A」とも称する。
臭気を低減する観点から、抗酸化剤Aの含有率の下限は、水中油型乳化組成物の全質量に対して好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上である。
一方、アスタキサンチンによる水中油型乳化組成物の粘度を低減させ、製造適性を良好とする観点から、抗酸化剤Aの含有率の上限は特に制限されないが、乳化安定性の観点からは20.0質量%以下であり、好ましくは15.0質量%以下であり、より好ましくは10.0質量%以下であり、さらに好ましくは8.0質量%以下であり、よりさらに好ましくは5.0質量%以下である。
抗酸化剤Aとしては、市販品を用いることもでき、サンフード(登録商標)100、CD、水性、末(30%)(以上、商品名、三菱ケミカルフーズ(株)製)、サンフェノン(登録商標)30S-OP、EGCGーOP、BG-3、90S、90MB-OP(以上、商品名、太陽化学(株)製)、ポリフェノン(登録商標)G、70S、PF(以上、商品名、三井農林(株))、Nテアフラン(登録商票)30A、90S(以上、商品名、(株)伊藤園製)、サンウーロン(登録商標、商品名、サントリー(株)製)等が挙げられる。
抗酸化剤Aは、臭気の低減および乳化安定性の両立の観点から、茶ポリフェノールとしては、フラバン-3-オールの基本構造を有するカテキン類、すなわちエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、及びガロカテキンガレートからなる群から選択される1種ま
たは2種以上を含むことが好ましい。臭気を低減する観点から、上記茶ポリフェノールの抗酸化剤Aの全質量に対する含有率は40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がよりさらに好ましい。本開示の水中油型乳化組成物を食品又は飲料に適用する際、臭気を低減する観点からは、茶ポリフェノールがエピガロカテキンガレート又はエピガロカテキンの少なくとも1種以上を10質量%以上含むことが好ましい。なお、お茶特有の苦味を抑制しつつ、十分な臭気低減を可能とする観点からは、上限は50質量%以下であることが好ましい。
本開示の水中油型乳化組成物は、水相および油相の少なくとも一方が抗酸化剤Aを含有していればよいが、より効果的にアスタキサンチンの原料由来の臭気を抑制する観点からは、抗酸化剤Aは水相中に含まれていることが好ましい。
この点について、本発明者は、抗酸化剤Aが水相中に含まれる場合、水中油型組成物において、油相の界面に存在するために、連続相である水相へ臭気が拡散することを押さえ込んでいるためと考えている。
(その他の抗酸化剤)
本開示の水中油型乳化組成物は、上述した水溶性茶抽出物(抗酸化剤A)とは異なる抗酸化剤(以下、「抗酸化剤B」とも称する。)を少なくとも1種含有してもよい。
抗酸化剤Bとしては、特に限定されない。
抗酸化剤Bとしては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、トコフェロール等のビタミンE及びその誘導体、ビタミンA、レチノイン酸、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチニルアセテート、レチニルパルミテート、レチノイン酸トコフェリル、ビタミンC及びその誘導体、カイネチン、セサミン、α-リポ酸、コエンザイムQ10、フラボノイド類、エリソルビン酸、没食子酸プロピル、BHT(ジ-n-ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、トレチノイン、ポリフェノール、SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)、フィチン酸、コウキエキス、大豆エキス、エイジツエキス、ローズマリーエキスなどを挙げることができる。
抗酸化剤Bとして好ましくは、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、トコフェロール等のビタミンE及びその誘導体、ビタミンA、レチノイン酸、レチノール、並びに、酢酸レチノールであり、より好ましくは、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、並びに、トコフェロール等のビタミンE及びその誘導体であり、さらに好ましくは、トコフェロール等のビタミンE及びその誘導体である。
本開示の水中油型乳化組成物における抗酸化剤Bの含有量は、アスタキサンチンの乳化安定性の維持等を考慮し、抗酸化剤Bの種類に応じて適宜設定することができる。
抗酸化剤Bの含有量は、アスタキサンチンの質量に対して、0.1倍量以上100倍量以下であることが好ましく、0.1倍量以上10倍量以下であることがより好ましく、0.1倍量以上5倍量以下であることが更に好ましい。
本開示の水中油型乳化組成物における抗酸化剤Bとして、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を用いる場合、アスコルビン酸及びその塩としては、具体的には、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム等が挙げられる。
また、アスコルビン酸誘導体及びその塩としては、アスコルビン酸リン酸エステル及びその塩、アスコルビン酸硫酸エステル及びその塩、パルミチン酸アスコルビルリン酸エステル及びその塩等が挙げられる。
本開示の水中油型乳化組成物に含有される抗酸化剤Bの好適な態様は、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、及び/又は、トコフェロール等のビタミンE及びその誘導体を含む。
本開示の水中油型乳化組成物において抗酸化剤Bとして、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、及び/又は、トコフェロール等のビタミンE及びその誘導体が含有される場合、その総含有率は、本開示の水中油型乳化組成物の全質量に対して0.5質量%~6質量%であることが好ましく、これらの化合物の低温における経時での析出を抑制する点から、0.5質量%~4質量%がより好ましく、0.5質量%~3質量%が更に好ましい。
アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群の化合物、及び/又はトコフェロール等のビタミンE及びその誘導体は、1種のみであってもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
本開示の水中油型乳化組成物は、アスタキサンチンの安定性を高める観点から、抗酸化剤Bは油相組成物中に含有されることが好ましい。
本開示の水中油型乳化組成物は、その効果を損ねない限り、水溶性茶抽出物(抗酸化剤A)以外にも水溶性抗酸化剤を用いることができるが、抗酸化剤A以外の水溶性抗酸化剤を用いないことが乳化安定性の観点から好ましい。
乳化安定性の観点から、水溶性茶抽出物および抗酸化剤Bの含有量は、合計して水中油型乳化組成物全質量に対して、0.6質量%以上11質量%以下が好ましく、1.0質量%以上8.0質量%以下であることがより好ましい。
[酵素分解レシチン]
本開示の水中油型乳化組成物は、酵素分解レシチンを含む。
レシチンは、ホスファチジルコリン(PC)などの各種のリン脂質を含有する混合物の一般的な名称である。酵素分解レシチン(リゾレシチンとも呼ばれる)は、ホスホリパーゼなどの酵素により、ホスファチジルコリン分子が持つ1つの脂肪酸が失われたリゾホスファチジルコリンを含有する組成物である。なお、本開示の水中油型乳化組成物において、酵素分解レシチンは、水素添加処理を行い、結合脂肪酸を飽和脂肪酸にすることで酸化安定性を向上させた、いわゆる水素添加された酵素分解レシチンを含む。
酵素分解レシチンに含まれるリゾホスファチジルコリンの濃度は、安定な水中油型乳化組成物を得る観点から、18質量%以上75質量%以下であることが好ましく、18質量%以上65質量%以下であることがより好ましく、18質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。
本開示の水中油型乳化組成物における酵素分解レシチンの含有率は、水中油型乳化組成物の全質量に対して0.00001質量%以上7質量%以下の範囲であることが好ましく、0.00001質量%以上5質量%以下の範囲であることがより好ましい。酵素分解レシチン由来の味を抑制しつつ、乳化安定性を確保する観点からは、酵素分解レシチンの含有量は、水中油型乳化組成物の全量に対して0.00001質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。
酵素分解レシチンは、市販されている酵素分解レシチンを用いることができる。酵素分解レシチンとしては、ベネコート(登録商標)BMI-40L(商品名、花王社製)、レシマール(登録商標)EL(商品名、理研ビタミン社製)、SLP-ペーストリゾ(商品
名、辻製油社製)、SLP-ホワイトリゾ(商品名、辻製油社製)、SLP-ホワイトリゾH(商品名、辻製油社製)等が挙げられる。
[ショ糖脂肪酸エステル]
本開示の水中油型乳化組成物は、ショ糖脂肪酸エステルを含む。本開示の水中油型乳化組成物は、ショ糖脂肪酸エステルを含むことにより、アスタキサンチンの体内での吸収性が向上し、経時に伴う乳化安定性が向上する。
本開示の水中油型乳化組成物は、ショ糖脂肪酸エステルを1種単独で含んでもよく、2種以上組み合わせて含んでもよい。
ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は、アスタキサンチンの体内での吸収性の観点から、10以上であり、好ましくは12以上であり、より好ましくは14以上である。
また、ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は、両親媒性を示す観点から、好ましくは19以下である。
ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は、例えば、両親媒性を示す観点から、8以上であることが好ましく、10~18であることがより好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルの市販品としては、リョートー(登録商標)シュガーエステル S1170(商品名、ショ糖ステアリン酸エステル、HLB値:約11(カタログ値)、三菱化学フーズ(株))、リョートー(登録商標)シュガーエステル S1570(商品名、ショ糖ステアリン酸エステル、HLB値:約15(カタログ値)、三菱化学フーズ(株))、リョートー(登録商標)シュガーエステル S1670(商品名、ショ糖ステアリン酸エステル、HLB値:約16(カタログ値)、三菱化学フーズ(株))、リョートー(登録商標)シュガーエステル P1570(商品名、ショ糖パルミチン酸エステル、HLB値:約15(カタログ値)、三菱化学フーズ(株))、リョートー(登録商標)シュガーエステル P1670(商品名、ショ糖パルミチン酸エステル、HLB値:約16(カタログ値)、三菱化学フーズ(株))、リョートー(登録商標)シュガーエステル L1695(商品名、ショ糖ラウリン酸エステル、HLB値:約16(カタログ値)等が挙げられる。
本開示の水中油型乳化組成物は、低温における乳化安定性を高める観点から、ショ糖脂肪酸エステルの全質量に対するモノ置換体(モノエステル体ともいう)の割合が75質量%以上であることが好ましい。モノエステル体の割合は100質量%(すなわち、全てのショ糖脂肪酸エステルがモノエステル体)であってもよい。本開示の水中油型乳化組成物は、より好ましくは、ショ糖脂肪酸エステルとしてショ糖ステアリン酸エステルを含有する。
ショ糖ステアリン酸エステルにおけるモノエステル体の含有率は、以下の方法により測定することができる。
(ショ糖ステアリン酸エステルにおけるモノエステル体の含有率の測定]
<試料の調製>
ショ糖ステアリン酸エステルを、1mg/mLとなる量でテトラヒドロフランへ添加し、溶解して試料溶液を得る。
<測定条件>
使用装置: 高速液体クロマトグラフィー prominence (株式会社島津製作所)
検出方法: コロナ荷電化粒子検出
カラム: Capcellpack C18 UG120 4.6mm×150mm(株式会社資生堂)
カラム温度: 40℃
溶離液: 0分~20分:水/メタノール50/50、7mM酢酸アンモニウム;20分~30分:メタノール、7mM酢酸アンモニウム
流量: 1mL/min
注入量: 10μL
<モノエステル体の含有率算出方法>
高速液体クロマトグラフィーにおける保持時間15分~30分におけるピーク総面積に対する保持時間17分~22分におけるピーク面積の割合を算出し、これをモノエステル体の含有率とする。
なお、モノエステル体を75質量%~100質量%含むショ糖脂肪酸エステルは、以下に示す市販品において、モノエステル体の含有量が75質量%以上であるものを選択して用いることができる。また、以下の市販品を複数混合してモノエステル体の含有量を75質量%以上とした混合物を用いてもよく、モノエステル体の含有量が75質量%未満の市販品を精製することで、モノエステル体の含有率を75質量%以上に高めた精製品を使用してもよい。
市販品としては、例えば、リョートー(登録商標)シュガーエステル S-070、S-170、S-270、S-370、S-370F、S-570、S-770、S-970、S-1170、S-1170F、S-1570、S-1670(以上、商品名、三菱化学フーズ(株)製)、DKエステル(登録商標)SS、F160、F140、F110、F90、F70、F50、F-20W、F-10、FA-10E、コスメライク、S-10、S-50、S-70、S-110、S-160、S-190 (以上、商品名、第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
なかでも、リョートーシュガーエステルS-1170、S-1170F、S-1570、S-1670、DKエステルSS、F160、F140、F110、コスメライクS-110、S-160、S-19等が好ましい。モノエステル体の含有量の比率が高いことから、DKエステルSSのみからなることが最も好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルの含有率は、例えば、アスタキサンチンの体内での吸収性の観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。
また、ショ糖脂肪酸エステルの含有率は、例えば、乳化安定性の観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましい。
[ポリグリセリン脂肪酸エステル]
本開示の水中油型乳化組成物は、より好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステルを含む。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数10以上の飽和脂肪酸構造、分岐脂肪酸構造及び不飽和脂肪酸構造の少なくとも1つを有するポリグリセリン脂肪酸エステルであることが好ましい。
本開示におけるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が好ましくは6~20、より好ましくは8~16、さらに好ましくは8~10のポリグリセリンと、炭素数10~22の飽和脂肪酸、炭素数8~22の不飽和脂肪酸及び炭素数8~22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる脂肪酸のエステルが挙げられる。なお、炭素数10~22の飽和脂肪酸
には、炭素数10~22の直鎖状飽和脂肪酸及び炭素数10~22の分岐不飽和脂肪酸が含まれ、炭素数8~22の不飽和脂肪酸には、炭素数8~22の直鎖状不飽和脂肪酸及び炭素数8~22の分岐不飽和脂肪酸が含まれる。
ポリグリセリンの重合度が上記範囲にあることで、乳化安定性がより良好となる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数10~22の飽和脂肪酸構造、炭素数8~22の不飽和脂肪酸構造及び炭素数8~22の分岐飽和脂肪酸構造から選ばれる脂肪酸構造を有するエステルが好ましく、炭素数10~22の飽和脂肪酸構造、炭素数16~22の分岐脂肪酸構造及び炭素数16~22の不飽和脂肪酸構造の少なくとも1つを有する脂肪酸のエステルがより好ましく、炭素数10~20の飽和脂肪酸構造、炭素数16~18の分岐脂肪酸構造及び炭素数16~18の不飽和脂肪酸構造の少なくとも1つを有する脂肪酸のエステルがさらに好ましい。
炭素数10~22の飽和脂肪酸から選ばれる脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸が挙げられる。
炭素数8~22の不飽和脂肪酸及び炭素数8~22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸及びイソステアリン酸が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、モノエステル体であってもよく、ジエステル体であってもよいが、モノエステル体であることが好ましい。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、界面活性能を有する。乳化安定性をより向上させる観点から、HLBが5以上の化合物が好ましく、8以上の化合物がより好ましく、10以上の化合物がさらに好ましい。一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBの上限値は、特に限定されないが、20以下が好ましく、18以下がより好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい具体例としては、デカグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンミリスチン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンリノール酸エステル、デカグリセリンイソステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンイソステアリン酸エステル、デカグリセリンモノイソステアリン酸エステル等が挙げられ、なかでも、デカグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンミリスチン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、イソステアリン酸ポリグリセリル及びオレイン酸ポリグリセリルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)製 NIKKOL(登録商標) Decaglyn 1-ISV、NIKKOL Decaglyn 1-OV、NIKKOL Decaglyn 1-LN、NIKKOL Decaglyn 1-PVEX、NIKKOL Decaglyn 1-SVEX、NIKKOL Decaglyn 1-L、NIKKOL Decaglyn 1-M、三菱化学フーズ(株)社製リョートーポリグリエステル O-15D、O-50D、太陽化学 (株) 社製サンソフトQ-17S、理研ビタミン(株)社製ポエムJ-0381Vなどが挙げられる。
これらの中でも、より好ましくは、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノイソステアリン酸エステルなどが挙げられる。
本開示の水中油型乳化組成物は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを1種のみ含んでもよく、2種以上を含んでもよい。
本開示の水中油型乳化組成物におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの含有率は、水中
油型乳化組成物の全質量に対して、2質量%~22質量%であることが好ましく、5質量%~22質量%であることがより好ましい。
水中油型乳化組成物におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が上記範囲において、均一でありかつ微細な油相粒子が得やすく、水中油型乳化組成物の低温における乳化安定性がより良好となる。
本開示の水中油型乳化組成物の乳化安定性を高める観点から、ショ糖脂肪酸エステルに対するポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は2倍量~13倍量であることが好ましい。
[水]
本開示の水中油型乳化物は、水を含む。
水としては、特に制限はなく、天然水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水(Milli-Q水等)などを使用することができる。なお、Milli-Q水とは、メルク(株)メルクミリポアのMilli-Q水製造装置により得られる超純水である。
(乳化剤)
本開示の水中油型乳化組成物は、乳化剤を含有することが好ましい。
本開示の水中油型乳化組成物における乳化剤としては、既述した、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上のみを含有することが好ましいが、本開示の水中油型乳化組成物に期待される効果を損なわない限りにおいて、他の乳化剤を含有してもよい。
他の乳化剤としては、天然物由来の乳化剤のみを用いて高圧乳化を行えること、及び経時安定性の観点から、酵素分解レシチン以外のレシチン、サポニン、ステロール等を含有してもよい。
ここで、「乳化剤として、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上のみを含有する」とは、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステル以外の他の乳化剤の含有率が、水中油型乳化組成物の全質量に対し、1質量%以下であることを指す。他の乳化剤の含有率は、0.001質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下であることがさらに好ましい。
本開示の水中油型乳化組成物における乳化剤として、実質的に酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上のみを含有する場合、酵素分解レシチン:ショ糖脂肪酸エステル:ポリグリセリン脂肪酸エステルは質量比で0.00001:15:1~7:1:15とすることが好ましい。
(多価アルコール)
本開示の実施形態の水中油型乳化組成物は、多価アルコールを含むことが好ましい。乳化安定性の観点から、多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール及び還元水飴からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、グリセリン又は還元水飴から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
<グリセリン>
グリセリンは、アスタキサンチンを含む乳化粒子の平均粒子径を小さくし、かつ粒子径を小さいまま長期にわたり安定に保持し易くなることから、好ましく用いられる。
本開示の水中油型乳化組成物において、グリセリンの含有率は、水中油型乳化組成物の全質量に対して20質量%以上60質量%以下の範囲であることが好ましく、20質量%
以上50質量%以下の範囲であることがより好ましく、30質量%以上60質量%以下の範囲であることがさらに好ましい。
本開示の水中油型乳化組成物において、グリセリンの含有率は、アスタキサンチンの質量に対して1倍量以上100倍量以下であることが好ましく、2倍量以上50倍量以下であることがより好ましく、2倍量以上10倍量以下であることがさらに好ましい。
<還元水飴>
還元水飴は、糖アルコールの1種であり、水飴を還元(すなわち水素添加)することで合成される。還元水飴は、原料となる水飴(すなわち糖類)の組成を変更することによって粘度を調整することができ、高糖化還元水飴と低糖化還元水飴とに分類される。
アスタキサンチンを含む乳化粒子の平均粒子径を小さくし、かつ粒子径を小さいまま長期にわたり安定に保持しやすくなることから、低糖化還元水飴が好ましく用いられる。
還元水飴としては、アスタキサンチンを含む乳化粒子の粒径を維持し、かつ、水中油型乳化組成物内での析出を抑制する観点から、オリゴトース(直鎖オリゴ糖)を還元した水飴が特に好ましい。オリゴトースの由来としては特に限定されないが、マルトトリオース(G3)を主成分とする直鎖オリゴ糖であることが好ましく、マルトトリオースを主成分とする直鎖オリゴ糖であって、かつ、ぶとう糖および高分子デキストリンの含有率が低いものであることがより好ましい。
還元水飴は、市販品であってもよい。
還元水飴の市販品の例としては、オリゴトース(三和澱粉工業(株))、オリゴトース(商品名、物産フードサイエンス(株))、エスイー30(商品名、物産フードサイエンス(株))、エスイー100(商品名、物産フードサイエンス(株))オリゴトース H―70(三菱化学フーズ(株))、ハローデックス(商品名、(株)林原)、テトラップ、テトラップ-H(商品名、(株)林原)、ペントラップ(商品名、(株)林原)、カップリングシュガー(商品名、(株)林原)、カップリングシュガーS(商品名、(株)林原)等が挙げられる。
還元水飴は、固体(粉末状)、又は、溶媒(例えば、水など)を含む液体状のいずれでもよいが、生産性の観点から液体状であることが好ましい。
市販品の液体状の還元水飴は、20質量%以上40質量%以下の水を含むことが多いが、所望の効果が得られる限り、この範囲以外の水を含むものであってもよい。
本開示の水中油型乳化組成物における還元水飴の含有率は、水中油型乳化組成物の全量に対して、30質量%以上70質量%以下の範囲であることが好ましく、35質量%以上70質量%以下の範囲であることがより好ましく、40質量%以上70質量%以下の範囲であることがさらに好ましい。
なお、本開示でいう「水中油型乳化組成物における還元水飴の含有率」とは、水中油型乳化組成物中に含まれている還元水飴の固形分の質量基準の含有率を意味する。
本開示の水中油型乳化組成物において、還元水飴の含有量は、アスタキサンチンの質量に対して1倍量以上100倍量以下であることが好ましく、2倍量以上50倍量以下であることがより好ましく、2倍量以上10倍量以下であることがさらに好ましい。
多価アルコールとして、グリセリン及び還元水飴以外の多価アルコールは、本実施形態の水中油型乳化組成物を食品に用いる場合には、用いないことが好ましい。
[その他の成分]
本開示の水中油型乳化組成物は、上述した各成分の他に、必要に応じて任意の他の成分を、1種又は2種以上含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、栄養成分、有効成分、薬理成分等のアスタキサンチン以外の生理活性成分、色素(アスタキサンチンは含まない)、酸化防止剤、水飴等の液糖などが挙げられる。このようなその他の成分としては、飲食品、医薬品に使用可能なものであれば、特に制限されない。
〔水中油型乳化組成物の製造方法〕
本開示の水中油型乳化組成物は、アスタキサンチン及び油性成分を含む油相組成物と、水、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンを含む水相組成物とを混合した混合液を調製し、調製された混合液を常法により乳化することを含む製造方法により、製造されることが好ましい。水溶性茶抽出物(抗酸化剤A)は油相組成物および水相組成物のどちらが含有してもよいが、臭気を効果的に抑制する観点から、水相組成物が含有することが好ましい。
本開示の水中油型乳化組成物は、抗酸化剤Aを含有するため、高濃度のアスタキサンチンを含有しつつも、水中油型乳化組成物の粘度の上昇を低減することができるため、製造適性に優れている。
乳化に供される混合液は、油相組成物及び水相組成物をそれぞれ別個に調製した後、調製された油相組成物及び水相組成物を組み合わせて調製してもよいし、油相組成物及び水相組成物に含まれる各成分を、一括に混合して又は逐次混合して調製してもよい。
油相組成物中には、アスタキサンチン及び油性成分と共に、他の任意成分を含んでもよい。アスタキサンチンの安定性を高める観点から、抗酸化剤Aとは異なる抗酸化剤(抗酸化剤B)としてアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、並びにトコフェロール等のビタミンE及びその誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が含まれることが好ましい。
水相組成物中には、水、酵素分解レシチン、及びショ糖脂肪酸エステルが含まれ、好ましくは、抗酸化剤Aが含まれる。水相組成物は、酵素分解レシチン及びショ糖脂肪酸エステルを多価アルコールに溶解した溶解液を調製したのち、この溶解液に抗酸化剤A、及び水を添加して調製されることが好ましい。
水中油型乳化組成物の製造方法の一態様では、例えば、a)水と、酵素分解レシチンと、ショ糖脂肪酸エステルと、抗酸化剤Aと、を混合し溶解して、水相組成物を得る、b)アスタキサンチンと、油性成分と、を混合し溶解して、油相組成物を得る、そして、c)撹拌下で水相組成物と油相組成物とを混合して混合液とし、得られた混合液に対して、乳化分散を行う。
乳化分散の際には、例えば、スターラー、インペラー式撹拌機、ホモミキサー、又は連続流通式剪断装置等の剪断作用を利用する通常の乳化装置を用いて乳化をした後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用することが好ましい。高圧ホモジナイザーを使用する場合、乳化粒子を更に均一に近い粒子径に揃えることができる。更なる粒子径の均一化を図る目的で、乳化分散を複数回行ってもよい。
高圧ホモジナイザーには、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するチャンバー型高圧ホモジナイザー、及び均質バルブを有する均質バルブ型高圧ホモジナイザーがある。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーは、処理液の流路の幅を容易に調節することができるので、操作時の圧力及び流量を任意に設定することができ、その操作範囲が広いため、本開示の水中油型乳化組成物の製造において好ましく用いることができる。
操作の自由度は低いが、圧力を高める機構が作りやすいため、超高圧を必要とする用途
にはチャンバー型高圧ホモジナイザーも好適に用いることができる。
チャンバー型高圧ホモジナイザーとしては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)、アルティマイザー((株)スギノマシン製)等が挙げられる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等が挙げられる。
高圧ホモジナイザーの圧力は、好ましくは50MPa以上、より好ましくは50MPa以上250MPa以下、更に好ましくは100MPa以上250MPa以下である。
得られた水中油型乳化組成物は、チャンバー通過直後30秒以内、好ましくは3秒以内に何らかの冷却器を通して冷却することが、乳化粒子の粒子径保持の観点から好ましい。
また、得られた水中油型乳化組成物は、ソフトカプセル製剤用の水中油型乳化組成物として適用する場合には、ソフトカプセルの膨張等を防ぐ観点から、脱泡することが好ましい。
(水中油型乳化組成物中の特定成分の含有量)
アスタキサンチンの原料に由来する臭気は、複数の物質に由来し、その原因物質の1つとして、2,4-ヘプタジエナールが挙げられる。このため、臭気を低減する観点から、2,4-ヘプタジエナールの含有量(A)が水中油型乳化組成物の全質量に対して1000ppb以下が好ましく、800ppb以下がより好ましく、500ppb以下がさらに好ましい。
飲料等に加工した際ののど越し、特に藻臭(口に含んだ後の鼻から抜ける藻のような生臭又は魚臭さ)が軽減される観点からは、下記の式(1)に沿って算出する濃度1質量%アスタキサンチン含有水中油型乳化物100質量部あたりに換算した2,4-ヘプタジエナールの含有量(B)は200ppb以下が好ましく、100ppb以下がより好ましく、80ppb以下がさらに好ましい。
(B)=(A)/水中油型乳化組成物中のアスタキサンチン含有率・・・式(1)
2,4-ヘプタジエナールの含有量を低減させる方法は特に制限はなく、
(1)アスタキサンチンの原料そのものを公知の脱臭方法で精製した後、精製したアスタキサンチンを用いて本開示の水中油型乳化組成物を調製する方法、及び、
(2)本開示の水中油型乳化組成物を調製した後に、公知の脱臭方法で精製する方法、
等のいずれの方法であってもよい。
公知の脱臭方法としては、超臨界抽出方法、活性炭又はシリカゲル等の多孔質吸着剤を用いた分離精製方法、マスキング方法、オゾン酸化法、触媒燃焼法等が挙げられる。
本開示の水中油型乳化組成物中の2,4-ヘプタジエナールの含有量を測定する方法は水中油型乳化組成物中の2,4-ヘプタジエナールの含有量を測定できる限り特に制限されないが、クロマトグラフ分析が好ましく、ガスクロマトグラフ分析又は液体クロマトグラフ分析がより好ましい。水中油型乳化組成物中に微量に含まれる2,4-ヘプタジエナールを正確に、かつ、比較的簡便に測定できる観点から、例えば、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法、パージ&トラップガスクロマトグラフ質量分析法等がより好ましい方法として挙げられる。
なお、本開示において2,4-ヘプタジエナールとは、構造異性体を含む。
(水中油型乳化組成物の粘度)
本開示の水中油型乳化組成物の粘度は、特に限定されないが、乳化分散等の製造適性の
観点から、600mPa・s以下が好ましく、500mPa・s以下がより好ましい。下限値は特に制限されないが、例えば、50mPa・s以上が挙げられる。
水中油型乳化組成物の粘度は、JIS Z8803(2011)に沿って測定する方法であれば特に制限はなく、25℃で測定した値を用いる。
(水中油型乳化組成物の平均粒子径)
本開示の水中油型乳化組成物の平均粒子径(体積平均粒子径)は、特に限定されないが、5nm~200nmであることが好ましく、水中油型乳化組成物の良好な透明性と安定性の観点からは、10nm~150nmとすることがより好ましく、10nm~120nmとすることがさらに好ましい。
水中油型乳化組成物の平均粒子径(体積平均粒子径)は、市販の粒度分布計等で計測することができる。粒度分布測定の方法として、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
粒径測定は、動的光散乱法により行なうことが好ましい。動的光散乱法を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(商品名、日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB-550(商品名、(株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR-1000(商品名、大塚電子(株))等が挙げられるが、動的光散乱法の原理に基づき、粒径測定が可能になるものであれば、測定装置はこれらに限定されない。
水中油型乳化組成物の平均粒子径は、例えば、大塚電子(株)、濃厚系粒径アナライザーFPAR1000(商品名)を用いて、100倍希釈した水中油型乳化組成物を、装置内のサンプルセルに入れ、25℃で測定した値を採用し、50%累積粒子径で測定できる。
(水中油型乳化組成物の粉末化)
本開示の水中油型乳化組成物は、乾燥することにより、粉末化された形態とすることができる。
水中油型乳化組成物を粉末化する際の乾燥方法は、特に限定されず、噴霧乾燥、混練造粒、凍結乾燥など常法を用いることができる。
粉末化された水中油型乳化組成物は、水を含む溶媒に懸濁することにより、水中油型乳化組成物として利用することができる。
粉末化された水中油型乳化組成物では、粉末形態での流動性及び懸濁時の分散性を向上させる場合、水相の媒体(即ち、水)はできる限り除去されていることが好ましい。水相の媒体の除去は、スプレードライによる噴霧乾燥等の加熱乾燥手段により行なえばよい。
水中油型乳化組成物の粉末化においては、粉末化に必要な当該分野で公知の物質、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、防腐剤、コーティング剤、安定化剤、流動化剤、溶解補助剤、増粘剤、緩衝剤、香料、着色剤、乳化剤等の添加剤をさらに含有することができる。また、粉末化に必要な物質の含有量は、特に限定されず、適宜設定することができる。
水中油型乳化組成物を粉末化する際には、必要に応じて、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの高分子物質;アラビアゴム、トラガントゴム、ゼラチンなどの天然高分子物質;粉末乳糖、カゼイ
ン、微結晶セルロース、澱粉、小麦粉、デキストリン、二酸化硅素などの添加剤を加えることができる。
〔用途〕
本開示の水中油型乳化組成物は、食品又は飲料(機能性食品又は飲料、健康食品又は飲料等)、医薬品、医薬部外品、化粧品等の各種の用途に適用することができ、なかでも、高濃度にアスタキサンチンを含有しつつも、アスタキサンチンの原料由来の臭気が低減することができるため、本開示の水中油型乳化組成物は、食品又は飲料に好ましく用いられ、特に飲料に好ましく用いることができる。
本開示の水中油型乳化組成物が適用される、食品、医薬品、医薬部外品、又は化粧品の剤型としては、例えば、液体製剤及びそれを乾燥して得られる固体製剤(散剤、顆粒剤等)が挙げられる。
本開示の水中油型乳化組成物は、液体製剤及びそれを乾燥して得られる固体製剤、例えば、ハードカプセル、ソフトカプセル、錠剤等に適用することができる。これらの製剤は、さらに、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料等を剤型に応じて添加し、常法に従って製造することができる。なお、本開示の水中油型乳化組成物を適用してなる固形製剤は、周知の方法でコーティング又は糖衣を施してもよい。
(ソフトカプセル製剤)
本開示の水中油型乳化組成物の好適な適用形態の一つは、本開示の水中油型乳化組成物を含むソフトカプセル製剤である。即ち、本開示のソフトカプセル製剤は、本開示の水中油型乳化組成物を含む内容物をソフトカプセル皮膜に封入することによって得られる。
本開示のソフトカプセル製剤における内容物は、ソフトカプセル製剤の全量に対して、本開示の水中油型乳化組成物を、0.0001質量%~95質量%含むことができる。
ソフトカプセル皮膜(以下、単に皮膜とも称する。)を形成する基材(以下、皮膜形成用組成物とも称する。)としては、寒天、ゼラチン、ジェランガムを主成分とする基材が、皮膜の透明性等の観点で好ましい。例えば、ソフトカプセル皮膜は、ゼラチンを皮膜用の基材とする場合、ゼラチン、可塑剤、及び水を含むゼラチン皮膜液から調製される。用いられるゼラチンとしては、ゼラチン、酸性ゼラチン、アルカリ性ゼラチン、ペプタイドゼラチン、低分子ゼラチン、ゼラチン誘導体等が挙げられる。
また、ソフトカプセル皮膜は、可塑剤を含んでいてもよく、可塑剤としては、グリセリン;プロピレングルコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類;コーンシロップ、スクロース、フルクトース、ソルビトール、マンニトール等の糖類;結晶セルロース、デンプン類、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースなどの水不溶性セルロース等を挙げることができる。なお、これらの可塑剤は1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。可塑剤としては、グリセリンが好ましい。
ソフトカプセル製剤(内容物又は皮膜)には、食品の分野において通常用いられる添加成分を、本開示のソフトカプセル製剤に期待される効果を損なわない限りにおいて、適宜配合してもよい。添加成分の例としては、色素又は顔料等の着色剤、保存料、香料、果汁、各種ビタミン類、動植物エキス類、アミノ酸類、ミネラル、着色料、増粘剤、pH調整剤、防腐剤、崩壊剤、界面活性剤、矯味剤、矯臭剤、甘味料、有機酸等の成分が挙げられ、これらの成分から必要に応じて適宜選択して、配合することができる。
ソフトカプセル製剤の製造方法としては、例えば、(i)カプセルの内容物及び皮膜形成用組成物をそれぞれ調製すること(以下、組成物調製工程という。)、(ii)得られ
た皮膜形成用組成物内に、内容物を封入し、成形、乾燥して、中間体製剤を得ること(以下、成形工程という。)、(iii)得られた中間体製剤を乾燥すること(以下、乾燥工程という。)、により好適に製造する方法が挙げられる。
組成物調製工程では、本開示の水中油型乳化組成物を含む内容物、及び、皮膜形成用組成物をそれぞれ調製する。本開示の水中油型乳化組成物の調製方法は、既述のとおりである。また、皮膜形成用組成物は、組成物に含有される所定の成分を溶解させた溶液として調製すればよい。
成形工程では、皮膜形成用組成物を用いて形成された皮膜内に、本開示の水中油型乳化組成物を含む内容物を封入し、成形、乾燥して、中間体製剤を得る。
本開示のソフトカプセル製剤において、皮膜形成用組成物への内容物の封入は、従来公知のソフトカプセル製剤の製造法、例えば、平板法又はロータリーダイ法に準じて行なうことができる。
乾燥工程では、成形工程において得られた中間体製剤を乾燥させる。本工程を経ることにより、完成品であるソフトカプセル製剤が得られる。
乾燥工程に適用される乾燥手段は、特に限定されず、タンブラー乾燥機(即ち、回転ドラム式乾燥機)などの公知の乾燥機を使用することができる。
乾燥の際の温度、時間等の条件は、特に制限されるものではなく、食品組成物に含まれる成分及びカプセル皮膜に含まれる成分の種類により、適宜調整することができる。
ソフトカプセル製剤の形状としては、特に制限はなく、楕円(OVAL)、長方形(OBLONG)、球状(ROUND)等のいずれの形状もとることができる。これらの形状にするため、当業界で周知の方法又は装置を適用することができる。
(飲料)
本開示の水中油型乳化組成物は、水などの溶媒を用いて希釈して飲料にすることができる。
粉末等の固体製剤とした本開示の水中油型乳化組成物に、水などの溶媒を加えて飲料にしてもよい。
飲料とする場合は、飲料の全量に対して、本開示の水中油型乳化組成物を、好ましくは0.0001質量%~50質量%含むことができ、より好ましくは0.1質量%~20質量%含むことができる。
飲料には、甘味料、香料、酸味料、増粘安定剤、酸化防止剤等を配合することによって、飲料としての味等を適宜調整することができる。
甘味剤としては、甘味を呈する材料であればどのようなものでもよい。例えば、果汁、糖類又は高甘味度甘味料などが挙げられる。糖類として、ブドウ糖、フルクトース、ガラクトース、異性果糖などの単糖類、スクロース、乳糖、パラチノースなどの二糖類、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノースなどのオリゴ糖類、例えば、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール等の単糖アルコール類、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール等の二糖アルコール類、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等の三糖アルコール類、オリゴ糖アルコール等の四糖以上アルコール類等の糖アルコールが挙げられる。例えば、高甘味度甘味料として、ステビア、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムK等が挙げられる。
香料としては、例えば、天然香料及び合成香料等が挙げられる。
天然香料としては、例えば、草根、木皮、花、果実、果皮又はその他動植物を素材として常法に従って調製された香成分含有物等が挙げられる。また、天然香料としては、天然素材を、水蒸気蒸留法、圧搾法又は抽出法等によって処理して分離した精油等が挙げられる。
合成香料としては、例えば、コーヒー由来香料、紅茶由来香料、緑茶由来香料、ウーロン茶由来香料、ココア由来香料、ハーブ由来香料、スパイス由来香料、フルーツ由来香料等が挙げられる。
飲料は、容器に充填することによって容器詰飲料としてもよい。
飲料に使用される容器としては、飲料用容器として使用されているものであればよく、例えば、PETボトル、紙パック、ガラス容器、アルミ缶、スチール缶等が挙げられる。
飲料のpHは、20℃におけるpHは1.0~9.0の範囲が好ましく、1.5~7.0の範囲がより好ましく、2.0~5.0の範囲が特に好ましい。pH1.0以上であれば飲用として好ましく、pH9.0以下であれば、飲料としての風味安定化効果を充分に得ることができる。
以下、本開示の水中油型乳化組成物を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本開示の水中油型乳化組成物は、それらの実施例に何ら限定されない。なお、特に断りのない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
実施例において調製された水中油型乳化組成物は、ソフトカプセル製剤、食品(機能性食品、健康食品、飲料等)、医薬品、医薬部外品、又は化粧品に好適に利用できる。
[実施例1A~11A、比較例1A~4A]
1A.水中油型乳化組成物の調製
表1および表2に示す組成で各成分をそれぞれ混合し、溶解して、水相組成物及び油相組成物を、それぞれ得た。得られた水相組成物及び油相組成物を、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら混合して混合液を得た。
さらにスターラーで撹拌を続けながら、混合液を70℃に30分間加温した後、TKホモミキサー(プライミクス株式会社)を用いて3000rpm(revolutions per minute、以下同じ)で3分間剪断力を付与して、水中油型乳化組成物を調製した。
得られた水中油型乳化組成物を、高圧分散装置であるスターバーストミニ機((株)スギノマシン)で200MPaの圧力で3回処理することで、実施例1A~11Aおよび比較例1B~4Bの水中油型乳化組成物を得た。
表1及び表2に示す各成分の詳細は以下の通りである。
・アスタキサンチン:ASTOTS(登録商標)-S(商品名、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン含有油、アスタキサンチン20質量%含有、中鎖脂肪酸トリグリセライド含有、富士フイルム(株))
・トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:O.D.O(商品名、日清オイリオ(株))・酵素分解レシチン:SLP-ホワイトリゾ(商品名、辻製油(株))
・ショ糖脂肪酸エステル1:DKエステルSS(商品名、第一工業製薬(株))
・ショ糖脂肪酸エステル2:リョートーシュガーエステルS-1670(商品名、三菱化学フーズ(株))
・ポリグリセリン脂肪酸エステル:ポエムJ-0381V(商品名、理研ビタミン(株))
・ミックストコフェロール(ビタミンE混合物):理研Eオイル800(商品名、理研ビ
タミン(株))
・グリセリン:食品添加物グレード
・水溶性茶抽出物1:ポリフェノン70S(商品名、茶ポリフェノール80%含有、三井農林(株))
・水溶性茶抽出物2:サンフード100(商品名、三菱化学フーズ(株))
・水溶性抗酸化剤:L-アスコルビン酸ナトリウム(三菱化学フーズ(株))
・油溶性茶抽出物:サンフード油性(商品名、三菱化学フーズ(株))
・抗酸化剤B:ローズマリー抽出物(日清オイリオ(株))
・水: 精製水
表1及び表2中の各成分について示す数値は、各成分の含有率(質量%)を表す。
表1及び表2中、各成分の含有量における「-」の記載は、該当する成分を含有していないことを示す。
2A.水中油型乳化組成物の評価A1
得られた各水中油型乳化組成物を以下の方法で評価した。結果を表1及び表2に示す。
2A-1.水中油型乳化組成物の臭気
得られた水中油型乳化組成物をアスタキサンチンの濃度が6mg/100gとなるように、ミネラルウォーターに溶解させ、飲料組成物を調製した。
調製した飲料組成物を8人の被験者で飲用し、藻臭(口に含み、鼻から抜ける藻のような生臭又は魚臭さ)について、以下に示す評価段階の数値で評価した。得られた各人の数値を算術平均した平均値を、以下に示すA、B又はCにてランク付けし、評価結果とした。
<評価段階>
-2:藻臭がなく、飲みやすい。
0:藻臭が僅かにするが、飲める。
+2:藻臭が明らかにし、飲めない。
<平均値>
A:-1.0点以下
B:-1.0点超0.5点以下
C:0.5点超1.5点以下
D:1.5点超
2A-2.室温での乳化安定性
水中油型乳化組成物を調製後、60℃で1週間保存した後、目視にて水中油型乳化組成物における沈殿の有無を観察し、以下に示す評価基準により評価した。
ここで、60℃で1週間の保存期間は、室温(25℃)で約1年間保存した期間に相当する。なお、A及びBは実用上問題のないレベルである。
<評価基準>
A:水中油型乳化組成物中に沈殿は認められない。
B:水中油型乳化組成物中にわずかな浮遊物が認められる。
C:水中油型乳化組成物中に析出、沈殿が認められるか、相分離が認められる。
Figure 2023086983000001


Figure 2023086983000002


実施例1A~11Aの水中油型乳化組成物は、いずれもアスタキサンチンの原料由来の臭気が抑制され、室温での乳化安定性にも優れた水中油型乳化組成物であった。
3A.水中油型乳化組成物の評価A2
実施例1A~11Aの水中油型乳化組成物を以下の方法で評価した。結果を表3に示す。
3A-1.水中油型乳化組成物の粘度
水中油型乳化組成物を調製後、振動式粘度計(型番:VM-10A-L、アズワン(株))を用いて25℃での粘度(mPa・s)を測定した。
3A-2.水中油型乳化組成物の製造適性
各水中油型乳化組成物について、高圧乳化装置(スターバーストミニ、スギノマシン(株)製)にて圧力200MPa、穴径0.15μmの噴射ノズルを用いたノズル噴射方式により何パス処理可能か確認した。以下に示す評価基準により評価した。
<評価基準>
A:3パス以上可能。
B:2パス可能。
C:1パスは可能だが、2パス以上の処理がやや難しい。
3A-3.低温での乳化安定性
水中油型乳化組成物を調製後、10℃で1ヶ月保存した後、目視にて水中油型乳化組成物における沈殿の有無を観察し、以下に示す基準により評価した。なお、A及びBは実用上問題のないレベルである。
<評価基準>
A:水中油型乳化組成物中に沈殿は認められない。
B:水中油型乳化組成物中にわずかな浮遊物が認められる。
Figure 2023086983000003
実施例1A~11Aの水中油型乳化組成物は、いずれも低温での乳化安定性にも優れた水中油型乳化組成物であった。また、実施例1A~11Aはいずれも高圧乳化処理が可能であり、製造適性に優れていた。特に、粘度が600mPa・s以下の実施例3A~5A
および7A~11Aは3パス以上処理が可能であり、粒子径が小さな水中油型乳化物を製造する上でより好ましいことがわかった。
[実施例1B~12B、比較例1B]
1B.水中油型乳化組成物の調製
表4に示す組成で各成分をそれぞれ混合し、溶解して、水相組成物及び油相組成物を、それぞれ得た。
油相組成物については、調製後、活性炭処理を実施した。活性炭処理の有無については表4中に記載をした。
得られた水相組成物及び油相組成物を、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら混合して混合液を得た。
さらにスターラーで撹拌を続けながら、混合液を70℃に30分間加温した後、TKホモミキサー(プライミクス株式会社)を用いて3000rpmで3分間剪断力を付与して、水中油型乳化組成物を調製した。
得られた水中油型乳化組成物を、高圧分散装置であるスターバーストミニ機((株)スギノマシン)で200MPaの圧力で3回処理することで、実施例1B~12B及び比較例1Bの水中油型乳化組成物を得た。
表4に示す各成分の詳細は、以下の通りである。
・ヘマトコッカス藻色素1:ASTOTS(登録商標)-S(商品名、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン含有油、色価2000~5000、アスタキサンチン20質量%含有、中鎖脂肪酸トリグリセライド含有、2,4-ヘプタジエナール量の含有量A:6.2mg/kg、濃度1質量%アスタキサンチン含有水中油型乳化物100質量部あたりに換算した2,4-ヘプタジエナールの含有量(B):31.0mg/kg、富士フイルム(株))。
・ヘマトコッカス藻色素2:ASTOTS(登録商標)-SS(商品名、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン含有油、色価5000~7500、アスタキサンチン35質量%含有、中鎖脂肪酸トリグリセライド含有、2,4-ヘプタジエナールの含有量A:4.5mg/kg、濃度1質量%のアスタキサンチン含有水中油型乳化物100質量部あたりに換算した2,4-ヘプタジエナールの含有量(B):12.9mg/kg、富士フイルム(株))
・トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:O.D.O(商品名、日清オイリオ(株))・酵素分解レシチン:SLP-ホワイトリゾ(商品名、辻製油(株))
・ショ糖脂肪酸エステル1:DKエステルSS(商品名、第一工業製薬(株))
・ポリグリセリン脂肪酸エステル1:Nikkol Decaglyn1-M(商品名、
日光ケミカルズ(株)、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル)
・ポリグリセリン脂肪酸エステル2:NikkolDecaglyn1-L(商品名、日光ケミカルズ(株)、デカグリセリンモノラウリン酸エステル)
・ミックストコフェロール(ビタミンE混合物):理研Eオイル800(商品名、理研ビタミン(株))
・グリセリン:食品添加物グレード
・水溶性茶抽出物1:ポリフェノン70S(商品名、茶ポリフェノール含有量:80%、うち、エピガロカテキンガレート含有量:20~30%、三井農林(株))
・水溶性茶抽出物2:Nテアフラン90S(商品名、茶ポリフェノール含有量:90%、うち、エピガロカテキンガレート含有量:40~50%、伊藤園(株))
・水溶性茶抽出物3:サンフェノンEGCG-OP(商品名、茶ポリフェノール含有量:95%、うち、エピガロカテキンガレート含有量:94%以上、太陽化学(株))
・水: 精製水
表4中の各成分について示す数値は、各成分の含有率(質量%)を表す。
表4中、各成分の含有量における「-」の記載は、該当する成分を含有していないことを示す。
2B.水中油型乳化組成物の評価B1
得られた各水中油型乳化組成物を以下の方法で評価した。結果を表4に示す。
2B-1.水中油型乳化組成物の臭気
上述した2A-1と同様の手順で評価した。
2B-2.室温での乳化安定性
上述した2A-2と同様の手順で評価した。
3B.水中油型乳化組成物の評価B2
実施例1B~12B及び比較例1Bの水中油型乳化組成物を以下の方法で評価した。結果を表4に示す。
3B-1.水中油型乳化組成物の粘度
上述した3A-1と同様の手順で評価した。
3B-2.水中油型乳化組成物の製造適性
上述した3A-2と同様の手順で評価した。
3B-3.低温での乳化安定性
上述した3A-3と同様の手順で評価した。
Figure 2023086983000004
4B.水中油型乳化組成物の評価B3
4B-1.2,4-ヘプタジエナールの含有量
実施例2B、7B及び比較例1Bの水中油型乳化組成物について、2,4-ヘプタジエナールの含有量を以下の方法で測定した。結果を表5に示す。
(1)検量線の作成
2,4-ヘプタジエナール標準液(濃度1000ppm,富士フイルム和光純薬(株))を、2,4-ヘプタジエナールの濃度が、10ppb、50ppb、250ppb、500ppbとなるようにしてグリセリン40質量%水溶液(富士フイルム和光純薬(株))を用いて希釈し、検量線作成用試料溶液をそれぞれ調製した。
次いで、各検量線作成用試料溶液1mLを採取してヘッドスペースバイアルに封入して検量線作成用サンプルを調製し、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析装置(HS/GC-MS:Head Space - Gas Chromatograph / Mas
s Spectrometer)を用いて、ピーク面積を測定した。測定装置及び測定条
件は以下に示す。
続いて、各検量線作成用サンプルの2,4-ヘプタジエナールの濃度に対して対応するピーク面積をプロットし、検量線を作成した。
<測定装置>
HS部:HS-20、(株)島津製作所
GC-MS部:GSMS-QP2020、(株)島津製作所
<測定条件>
・ヘッドスペース条件
オーブン温度:80℃
保温時間:30min
・GC/MS条件
カラム:40℃(5min hold)→250℃(15min hold)
スプリット比:10:1
検出:SIMモード(m/z=81)
(2)試料中の2,4-ヘプタジエナールの含有量の評価
実施例2B、7B及び比較例1Bの水中油型乳化組成物を、それぞれ1mL採取してヘッドスペースバイアルに封入して各測定サンプルを調製し、(1)で記載した測定装置、測定条件に従って、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析装置でピーク面積を測定した。
得られたピーク面積を(1)で作成した検量線に内挿し、各測定サンプル中の2,4-ヘプタジエナールの含有量(A)を求めた。
続いて、式(1)により、濃度1質量%アスタキサンチン含有水中油型乳化物100質量部あたりに換算した2,4-ヘプタジエナールの含有量(B)を求めた。
(B)=(A)/水中油型乳化組成物中のアスタキサンチン含有率・・・式(1)
4-2.専門パネリストによる臭気の評価
以下に示すパネル選定用基準を満たす専門パネリストに12名による、実施例2B、実施例7B及び比較例1Bの水中油型乳化組成物の臭気の評価を行った。具体的には、実施例2B、実施例7B及び比較例1Bの各水中油型乳化組成物を室温(25℃)に放置して試料温度を室温に戻した後、専門パネリストに飲用させ、以下の段階で評価し、算術平均した平均値を用いた。
結果を表5に示す。
<パネル選定用基準>
パネル選定用基準臭[第一薬品産業株式会社]により嗅覚正常者と判断され、かつ、0.4%ショ糖、0.02%クエン酸、0.13%食塩、0.05%グルタミン酸ナトリウム及び0.03 %カフェインの水溶液の味が正しく識別できる者。
<評価基準>
藻臭(口に含み、鼻から抜ける藻のような生臭又は魚臭さ)を感じる程度の強さを、比較例1Bを0点として以下の通りにランク付けした。
3点: 非常に強い
2点:強い
1点:少し強い
0点:差がない
-1点:少し弱い
-2点:弱い
-3点:非常に弱い
得られた採点結果について、t検定による有意差の評価を確認したところ、共に1%有意水準が認められた。
Figure 2023086983000005
以上の結果より、2,4-ヘプタジエナール含有量(A)を低減させ、かつ、茶ポリフェノールを20質量%以上含有する水溶性茶抽出物を含む実施例2B及び実施例7Bでは、2,4-ヘプタジエナール含有量Aを低減させていない比較例1Bよりも専門パネリストによる臭気評価が良好であった。特に、濃度1質量%アスタキサンチン含有水中油型乳化物100質量部あたりに換算した2,4-ヘプタジエナールの含有量(B)を低減させた実施例2Bはさらに良好な評価結果であった。
また、以上の結果から、2,4-ヘプタジエナールの含有量とヒトが感知する臭気の程度には相関性があることが示された。
2017年9月29日に出願された日本国特許出願2017-190995の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同
程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (7)

  1. アスタキサンチン、油性成分、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、水溶性茶抽出物、ビタミンE及び/又はその誘導体、及び水を含む水中油型乳化組成物であって、
    ショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数が10~18であり、
    ポリグリセリン脂肪酸エステルが、平均重合度が6~20のポリグリセリンと、炭素数10~22の飽和脂肪酸、炭素数8~22の不飽和脂肪酸及び炭素数8~22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる脂肪酸とのエステルであり、
    水中油型乳化組成物の全質量に対するアスタキサンチンの含有率が5.0質量%~10.0質量%であり、
    水中油型乳化組成物の全質量に対する油性成分の含有率が20質量%~50質量%であり、
    水中油型乳化組成物の全質量に対するビタミンE及び/又はその誘導体の含有率が3質量%~6質量%であり、
    水中油型乳化組成物の全質量に対する水溶性茶抽出物の含有率が0.3質量%以上5.0質量%以下であり、
    水溶性茶抽出物の全質量に対する茶ポリフェノールの含有率が80質量%以上であり、茶ポリフェノールがエピガロカテキンガレート又はエピガロカテキンの少なくとも1種以上を10質量%以上含む、
    水中油型乳化組成物。
  2. ビタミンE及び/又はその誘導体が、トコフェロールである請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
  3. 水中油型乳化組成物の全質量に対するポリグリセリン脂肪酸エステルの含有率が2質量%以上22質量%以下の範囲である請求項1又は請求項2に記載の水中油型乳化組成物。
  4. ショ糖脂肪酸エステルに対するポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が2倍量~13倍量である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  5. 酵素分解レシチンを水中油型乳化組成物の全質量に対して0.00001質量%以上7質量%以下の範囲で含有する請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  6. ショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、及びショ糖オレイン酸エステルから群より選択される少なくとも1種を含む請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  7. ポリグリセリン脂肪酸エステルが、デカグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンミリスチン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンリノール酸エステル、デカグリセリンイソステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンイソステアリン酸エステル、及びデカグリセリンモノイソステアリン酸エステルから群より選択される少なくとも1種含む請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
JP2023075151A 2017-09-29 2023-04-28 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料 Pending JP2023086983A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017190995 2017-09-29
JP2017190995 2017-09-29
JP2019545197A JPWO2019066068A1 (ja) 2017-09-29 2018-09-28 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料
JP2021132191A JP2021177782A (ja) 2017-09-29 2021-08-16 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021132191A Division JP2021177782A (ja) 2017-09-29 2021-08-16 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023086983A true JP2023086983A (ja) 2023-06-22

Family

ID=65901974

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019545197A Pending JPWO2019066068A1 (ja) 2017-09-29 2018-09-28 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料
JP2021132191A Pending JP2021177782A (ja) 2017-09-29 2021-08-16 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料
JP2023075151A Pending JP2023086983A (ja) 2017-09-29 2023-04-28 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料

Family Applications Before (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019545197A Pending JPWO2019066068A1 (ja) 2017-09-29 2018-09-28 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料
JP2021132191A Pending JP2021177782A (ja) 2017-09-29 2021-08-16 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料

Country Status (4)

Country Link
JP (3) JPWO2019066068A1 (ja)
KR (1) KR102445766B1 (ja)
CN (1) CN111107754A (ja)
WO (1) WO2019066068A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102359555B1 (ko) * 2019-12-19 2022-02-09 주식회사 디네이쳐바이오랩스 오메가3 지방산을 포함하는 음료 조성물 및 이의 제조방법
CN110960492A (zh) * 2019-12-30 2020-04-07 福建启元堂生物技术有限公司 一种虾青素冻干粉及其制备方法
JP7407643B2 (ja) * 2020-04-02 2024-01-04 サントリーホールディングス株式会社 中鎖脂肪酸トリグリセリドとアスコルビン酸とを含有する加熱殺菌済み容器詰め飲料
KR102431821B1 (ko) * 2021-11-22 2022-08-12 콜마비앤에이치 주식회사 오일, 말토덱스트린 및 펙틴을 포함하는 음료 조성물 및 이의 제조방법
CN114246332B (zh) * 2021-12-22 2023-08-08 无锡江大百泰科技有限公司 一种能够增加食品营养保健功效的食品添加剂的制备方法
CN114246303B (zh) * 2021-12-27 2022-10-04 无锡江大百泰科技有限公司 一种用于蛋黄制品的食品添加剂及其制备方法和应用

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4163218B2 (ja) * 2006-04-11 2008-10-08 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 ヘマトコッカス藻色素乳化組成物
JP4302159B2 (ja) * 2006-12-01 2009-07-22 富士フイルム株式会社 エマルション組成物、該エマルション組成物を含む食品及び化粧品
JP2008245588A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Nisshin Pharma Inc 乳化剤組成物及び水中油型エマルジョン
JP2008280257A (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Fujifilm Corp エマルション組成物及びポリフェノール化合物の凝集防止方法
JP4910927B2 (ja) * 2007-07-26 2012-04-04 日油株式会社 アスタキサンチン含有乳化物、および製造方法
JP5675079B2 (ja) * 2009-10-29 2015-02-25 富士化学工業株式会社 安定な脂溶性成分含有エマルジョン組成物
US11179333B2 (en) * 2014-08-29 2021-11-23 Fuji Chemical Industries Co., Ltd. Emulsion composition

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021177782A (ja) 2021-11-18
WO2019066068A1 (ja) 2019-04-04
KR102445766B1 (ko) 2022-09-20
KR20200034789A (ko) 2020-03-31
CN111107754A (zh) 2020-05-05
JPWO2019066068A1 (ja) 2020-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2023086983A (ja) 水中油型乳化組成物、並びに、これを含む食品及び飲料
EP2172223B1 (en) Composition containing physiologically active substance
US8906424B2 (en) Licorice polyphenol preparation
EP2172196B1 (en) Composition containing coenzyme q10
JP5334492B2 (ja) 高濃度アスタキサンチン抽出物
JP5936796B1 (ja) 乳化組成物
KR20140040754A (ko) 아스타크산틴 함유 조성물 및 그 제조 방법, 그리고 화장료
JP4869979B2 (ja) コーヒー豆抽出物含有水性組成物、容器詰飲料、コーヒー豆抽出物含有水性組成物の製造方法、及びコーヒー豆抽出物の沈殿防止方法
JP2009142180A (ja) 容器詰飲料
JP6964660B2 (ja) 酸化防止剤分散物
JP2018512879A (ja) ナノ粒子、ナノエマルション、及び混合室微粒子化によるそれらの形成
JP5631941B2 (ja) 容器詰飲料
JP2008280256A (ja) エマルジョン含有組成物、食品及び外用剤
JP5878590B2 (ja) 容器詰飲料
JP2008174537A (ja) 粉末組成物並びに、これを含む食品組成物、化粧品組成物及び医薬品組成物
JP2017186320A (ja) 乳化組成物及びそれを含むソフトカプセル製剤
US20140141076A1 (en) Soft capsule preparation, composition for soft capsule preparation, and method of producing soft capsule preparation
JP7225374B2 (ja) 乳化組成物及びこれを含む飲料
JP5599649B2 (ja) エマルション組成物及び粉末組成物
JP5283458B2 (ja) 粉末組成物、食品組成物、化粧品組成物及び医薬品組成物
JP2012040018A (ja) 容器詰飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230428