JP2023086774A - 乾燥粉末配合および使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】疾患を処置するための吸入を使用しての、肺への物質の送達、例えば、薬品の送達のための装置および方法を提供する。【解決手段】主題となる技術は、概ね、NSAIDs、例えば、アスピリンの肺送達に関する。【選択図】図2

Description

関連出願の相互参照
この出願は、2013年4月30日付で出願された米国仮出願第61/817,435号の利益を主張し、この参照によりその全体が組み込まれる。
主題となる技術は、NSAIDs、例えば、アスピリンの肺送達に関する。主題となる技術は、疾患を処置するための吸入を使用しての、肺への物質の送達、例えば、薬品の送達のための装置および方法にも関する。
治療剤の肺送達は、他の送達方式を上回る複数の利点を提供し得る。これらの利点としては、素早い作用発現、患者が自己投与できる都合の良さ、低下した薬剤副作用の可能性、吸入による送達の容易性、針を必要としないこと等があげられる。吸入療法は、入院患者または外来患者の設定において使用するのが容易であり、薬剤作用の非常に素早い開始をもたらし、生じる副作用を最少化する、薬剤送達システムを提供可能である。
定量吸入器(MDIs)は、治療剤を気道に送達するのに使用される。MDIsは、一般的には、加圧された揮発性液体中に固体状の吸入用乾燥粒子として配合され得る治療剤を投与するのに適している。バルブを開くことにより、比較的高速で懸濁液が放出される。ついで、前記液体が揮発し、治療剤を含む乾燥粒子の素早く動くエアロゾルが後に残る。
液体エアロゾル送達は、肺の薬剤送達の最も古い形式の1つである。典型的には、液体エアロゾルは、空気噴射ネブライザにより形成される。前記空気噴射ネブライザは、小型のオリフィスから高速で圧縮空気を放出し、Bernoulli効果により出口領域に低圧をもたらす。例えば、米国特許第5,511,726号明細書(特許文献1)を参照のこと。前記低圧は、第2チューブの外へ、エアロゾル化されるべき流体を引き出すのに使用される。この流体は、気流中で加速する際に、小さな液滴の状態になる。この標準的なネブライザの設計の不利益としては、一次液体エアロゾル滴サイズが比較的大きく、多くの場合、バッフル上に一次滴を押し込んで、吸入可能なサイズの二次飛沫滴を生じさせる必要があること、液体エアロゾル滴サイズの均一性がないこと、大部分の薬剤溶液の著しい再循環および吸入された空気中において、小型で、吸入可能な液体エアロゾル滴の密度が低いことがあげられる。さらに、所望の特定の化合物は、ネブライザ送達システムに典型的に使用される溶媒と親和性がない場合がある。
超音波ネブライザは、液体貯留部の下に浸された、平坦または窪んだ圧電ディスクを使用して、前記液体貯留部の表面を共鳴させ、その表面からエアロゾル粒子を放出する液体コーンを形成する(米国特許出願公開第2006/0249144号明細書および米国特許第5,551,416号明細書(特許文献2および3))。エアロゾル化過程に気流を必要としないため、高いエアロゾル濃度が達成され得る。しかしながら、前記圧電コンポーネントは、製造するのに比較的高価であり、懸濁液をエアロゾル化するのに非効率であり、水または生理食塩水中において低濃度で活性薬剤が溶解される必要がある。より新しい液体エアロゾル技術は、より小型で、より均一な液体状の吸入用乾燥粒子を、エアロゾル化されるべき液体をミクロンサイズの孔を通過させることにより生じさせることを含む。例えば、米国特許第6,131,570号;同第5,724,957号および同第6,098,620号明細書(特許文献4~6)を参照のこと。この技術の不利益としては、比較的高価な圧電コンポーネントおよび微細なメッシュコンポーネントと、残留した塩および固体懸濁剤による前記孔の汚損とがあげられる。
乾燥粉末吸入は、歴史的に、ラクトースをブレンドすることに頼ってきた。これにより、吸入用に十分小型の粒子の投与が可能であったが、それ自体は十分分散性ではない。この方法は、非効率的であり、一部の薬剤について機能しないことが公知である。複数のグループは、吸入可能であり、分散性であるため、ラクトースをブレンドする必要がない乾燥粉末吸入器(DPI)配合を開発することにより、これらの欠点を改善するのに挑戦している。吸入療法用の乾燥粉末配合は、米国特許第5,993,805号明細書(Sutton et al.);米国特許第6,9216527号明細書(Platz et al.);国際公開第0000176号パンフレット(Robinson et al.);国際公開第9916419号パンフレット(Tarara et al.);国際公開第0000215号パンフレット(Bot et al);米国特許第5,855,913号明細書(Hanes et al.);ならびに米国特許第6,136,295号および同第5,874,064号明細書(Edwards et al.)(特許文献7~14)に記載されている。
乾燥粉末吸入送達の広い臨床用途は、適切な粒径、粒子密度および分散性の乾燥粉末を生じさせ、保存された前記乾燥粉末を乾燥状態で維持し、吸入されるべき吸入用乾燥粒子を空気中で効率的に分散させるのに都合の良い携帯型装置を開発する困難性により制限されてきた。さらに、吸入送達用の乾燥粉末の粒径は、より小型の吸入用乾燥粒子が空気中に分散し難いという事実により、本質的に限定される。乾燥粉末配合は、扱い難い液体状の投与形態および噴霧剤駆動型配合を上回る利点を提供するが、凝集および低流動性を生じやすい。凝集および低流動性のために、分散性および乾燥粉末系吸入療法の効率性がかなり低下する。例えば、粒子間のファンデルワールス相互作用および毛細管濃縮作用は、乾燥粒子の凝集の原因となることが公知である。Hickey,A.et al,「Factors Influencing the Dispersion of Dry Powders as Aerosols」,Pharmaceutical Technology,August,1994(非特許文献1)。
粒子間接着力を克服するために、Batycky et alは、米国特許第7,182,961号明細書(特許文献15)において、いわゆる、「空気力学的に軽い吸入用粒子」の製造を教示している。前記粒子は、レーザ回折機器、例えば、HELOS(Sympatec、Princeton、N.J.により製造)を使用して測定された場合、5ミクロン(μm)より大きい体積メジアン幾何学的直径(VMGD)を有する。Batycky et al、第7欄、42~65行目を参照のこと。10μm未満の平均粒径の吸入用粒子の分散性を改善する別のアプローチは、組成物合計の50%から99.9%の量での、水溶性ポリペプチドの添加または適切な賦形剤(例えば、アミノ酸賦形剤、例えば、ロイシン)の添加を含む。Eljamal et al、米国特許第6,582,729号明細書(特許文献16)、第4欄、12~19行および第5欄55行目から第6欄31行目。ただし、このアプローチは、固定量の粉末を使用して送達され得る活性剤の量を減少させる。したがって、増大した量の乾燥粉末が、目的の治療結果を達成するのに必要とされる。例えば、複数回の吸入および/または頻繁な投与が必要となる場合がある。さらに他のアプローチは、機械力、例えば、圧縮ガスからの圧力を、小型粒子に印加して、投与中または同投与直前に粒子間接着を崩壊させる装置の使用を含む。例えば、米国特許第7,601,336号(Lewis et al)、同第6,737,044号(Dickinson et al)、同第6,546,928号明細書(Ashurst et al)または米国特許出願公開第20090208582号明細書(Johnston et al)(特許文献17~20)を参照のこと。
上記方法のそれぞれにより共有される更なる制限は、生じたエアロゾルが、典型的には、実質的な量の不活性なキャリア、溶媒、乳化剤、噴霧剤および他の非薬剤材料を含むことである。一般的には、大量の非薬剤材料が、肺胞送達に十分な小型の吸入用乾燥粒子(例えば、5μm未満および好ましくは、3μm未満)の効果的な配合に必要とされる。ただし、これらの量の非薬剤材料は、送達され得る活性な薬剤物質の純度および量を低下させるのにも作用する。このため、これらの方法は、全身性送達のために、多くの活性な薬剤用量を正確に患者に導入するのが実質的に不可能なままである。
血栓塞栓症、例えば、心筋梗塞、深部静脈血栓症、肺血栓症、脳血栓症等は、患者または臨床医が、前記イベントについての初期治療または処置を提供するのを可能にする特定の兆候を提供し得る。一部の状況では、81mgの低用量または低用量(baby)アスピリンまたは通常のアスピリン(330mg)が、患者の初期処置を提供するために、経口投与される場合がある。
肺送達に適した、非ステロイド系抗炎症剤(「NSAIDs」)、例えば、アスピリンの新規な配合を提供するための必要性が残っている。
主題となる技術は、概ね、活性成分として、NSAID、例えば、アセチルサリチル酸を有する乾燥粒子を有する吸入用乾燥粉末に関する。前記吸入用乾燥粒子は、大型でもよし、または、小型でもよく、例えば、0.5μmと30μmとの間の幾何学的直径(VMGD)を有してもよい。代替的にまたはさらに、前記吸入用乾燥粉末は、約20μm以下の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有し得る。選択的に、前記粒子のMMADは、0.5と10μmとの間、より好ましくは、1と10μmとの間でもよい。
前記乾燥粉末は、大型の粒子(例えば、20~30μm)と、小型の粒子(例えば、5μm以下)との混合物も含み得る。このように、より小型の粒子は、気道下部に達し、より大型の粒子は、気道上部に捕捉されるであろう。
前記吸入用乾燥粉末組成物は、薬学的に許容され得る賦形剤、例えば、レシチン、クエン酸ナトリウム、マルトデキストリンまたはマンニトールを含み得る。前記賦形剤は、約5重量%から約90重量%の量で存在し得る。前記賦形剤の包含は任意である。
一部の実施形態では、前記NSAID、例えば、アセチルサリチル酸は、種々のサイズの粒子の混合物、例えば、(i)5μm以下の平均幾何学的直径(VMGD)および/または質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する粒子と、(ii)15μm以上の平均幾何学的直径(VMGD)および/または質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する粒子との混合物を有する乾燥粉末配合で提供される。一部の実施形態では、前記組成物は、さらに、薬学的に許容され得る賦形剤を含んでもよい。他の実施形態では、前記組成物は、賦形剤を含まないか、または、実質的に含まない。特定の実施形態では、前記組成物は、抗凝集性の賦形剤を含まないか、または、実質的に含まない。
主題となる技術は、治療(例えば、処置、予防または診断)に使用するための、本願明細書に記載された吸入用乾燥粉末または乾燥粒子にも関する。主題となる技術は、本願明細書に記載された心血管疾患(例えば、血栓症)の処置(例えば、予防的処置、例えば、予防またはリスクの低下)、および、本願明細書に記載された心血管疾患(例えば、血栓症)の処置、予防または診断のための医薬の製造に使用するための、本願明細書に記載された吸入用乾燥粒子または乾燥粉末の使用にも関する。
主題となる技術は、心血管疾患(例えば、血栓症)の処置(例えば、予防的処置またはリスクの低下)のための薬剤送達システムであって、治療的に有効量の乾燥粉末状のNSAID(例えば、アセチルサリチル酸)と、乾燥粉末吸入器とを有し、前記乾燥粉末吸入器は、マウスピースと、投与量の前記NSAID(例えば、アセチルサリチル酸)を受容する貯留部と、患者による吸入用の投与量のアセチルサリチル酸を、前記マウスピースを通して利用可能にさせる駆動部材とを有する、システムも提供する。好ましくは、前記NSAID(例えば、アセチルサリチル酸)の用量は、約40mg以下、より好ましくは30mg以下である。
本願明細書に開示された少なくとも1つの実施形態の別の態様は、患者における血栓塞栓症のリスクを低下させるのに有効で、伝統的な用量より少なく、全身性血流に対してより直接的な送達機構を使用して投与される用量を使用する、疾患を処置する薬剤の送達のための改善された装置および方法についての必要性の認識を含む。
主題となる技術の更なる特徴および利点は、以下の説明において説明され、前記説明からある程度明らかになるであろうし、または、主題となる技術の実施により学習されてもよい。主題となる技術の利点は、記載された説明および本願明細書の特許請求の範囲ならびに添付の図面において、特に指摘された構成により実現および達成されるであろう。
前述の全体的な説明および下記の発明を実施するための形態は両方とも、典型的および説明的であり、特許請求された主題となる技術の更なる説明を提供することを意図すると理解されたい。
添付の図面は、主題となる技術の更なる理解を提供することを意図し、この明細書の一部に包含され、同一部を構成し、主題となる技術の態様を図示し、前記説明と共に、主題となる技術の原理を説明するのに役立つ。
図1は、本願明細書に開示された方法およびシステムの一部の実施に基づいて、乾燥粉末吸入器を使用している患者の模式図である。 図2A~Fは、一部の実施形態に基づく乾燥粉末吸入器の使用法および構成を図示する。
下記の発明を実施するための形態において、数多くの具体的な詳細が、主題となる技術の完全な理解を提供するのに説明される。ただし、主題となる技術が、これらの具体的な詳細の一部を含まずに実施され得ることが、当業者に理解されるであろう。他の例では、周知の構造および技術は、主題となる技術を不明確にさせないために、詳細には示されていない。
1.序論
血栓塞栓性の兆候および事象
血栓塞栓症、例えば、心筋梗塞、深部静脈血栓症、肺血栓症、脳血栓症等は、患者または臨床医が、前記イベントについての初期治療または処置を提供するのを可能にする特定の兆候を提供し得る。一部の状況では、81mgの低用量または低用量(baby)のアスピリンまたは通常のアスピリン(330mg)が、患者の初期処置を提供するために、経口投与される場合がある。
本願明細書に開示された一部の実施形態に基づいて、十分な治療効果を提供するのに必要なだけの素早さで機能しない場合があるため、好ましい結果をほとんどもたらさない場合があることが認識されている。このため、一部の実施形態では、血栓塞栓症のリスクを低下させ、および/または、血栓塞栓症の処置を提供するための、加速され、より効果的な経路および処置を提供する、薬剤送達システムおよび関連する方法が開示されている。例えば、一部の実施形態は、吸入により、例えば、乾燥粉末吸入器(「DPI」)または定量吸入器(「MDI」)により、非ステロイド系抗炎症剤(「NSAID」)を投与するシステムおよび方法を提供する。
薬剤についての送達機構
薬剤は、種々の方法、例えば、液体、カプセル、錠剤またはチュアブル錠において、経口投与され得る。ほとんどの場合、前記経口経路が使用される。最も都合がよく、最も安全で、最も安価であるためである。ただし、経口薬剤送達は、薬剤が典型的に消化管を通って移動する方法であるため限界を有する。
例えば、薬剤が経口投与された場合、口、胃および小腸において吸収される。前記薬剤が血流に入るまでに、腸壁を通過し、肝臓に移動しなければならない。腸壁および肝臓を通過する間に、前記薬剤は代謝される。前記代謝は、血流に実際に達する前記薬剤量を減少させ得る。前記薬剤の代謝は、前記薬剤の生物学的利用能を低下させ、多くの場合、「初回通過効果」と呼ばれる。初回通過効果により失われる薬剤の割合は、一般的には、肝臓および消化管壁における吸収、ならびに、消化管内腔の酵素、消化管壁の酵素、細菌の酵素および肝臓(肝臓)の酵素により決定される。
一般的には、アスピリンの初回通過効果は、投与された用量の生物学的利用能を著しく減少させる。例えば、胃における酸性条件により、アスピリンは、胃および小腸上部に吸収される。吸収された後、アスピリンは、酢酸とサリチル酸塩とに代謝される。経口的に摂取された場合、一般的には、投与量のアスピリンの約1/3から2/3のみが、初回通過効果のために生物学的に利用可能である。
例えば、Iwamoto K.,GASTROINTESTINAL AND HEPATIC FIRST-PASS METABOLISM OF ASPIRIN IN RATS,J Pharm Pharmacol.1982 Mar;34(3),pp.176~80には、650mgの経口溶液後の、4名の男性の対象におけるアスピリン吸収の研究が行われている。研究報告には、「吸収過程は、一次速度論に従って表れ、対象間において4.5から16.0分の範囲の半減期を有した。静脈内および経口経路後のアスピリン血漿濃度-時間曲線下面積の比較から、投与量の68%のみが、抹消循環にそのまま達したことが示された。」ことが記載されている。
出願人は、吸入により投与された薬剤でも初回通過効果を受けることを決定した。吸入による薬剤投与について、より小型の粒子は、経鼻経路により、気管(気管)を下がって、肺内に進む。前記粒子のサイズは、処置の全体効率の決定因子であり得る。肺内に入ると、これらの粒子は、血流内に吸収される。
吸入により投与される薬剤はほとんどない。吸入された薬剤の用量および送達のタイミングが、多くの場合、測定困難であり得るためである。通常、この方法は、肺において特に作用する薬剤、例えば、定量容器中のエアロゾル化抗喘息剤を投与する、および、全身麻酔に使用されるガスを投与するのに使用される。
アスピリンの薬物動態
アスピリンは、サリチル酸のアセチル化型であり、アスピリンにおける活性な化学は、アセチルサリチル酸(ASA)と呼ばれる。アスピリンは、多数の人々により使用されて、所望の効果を達成しており、多くの人々により、低用量アスピリンが、多くの場合、毎日使用されている。アスピリンの原理的作用は、シクロオキシゲナーゼ酵素(具体的には、COX1およびCOX2の酵素)の機能を障害することである。
COX1を阻害することにより、アスピリンは、血小板凝集を不可逆的に阻害し、血餅のリスクを低下させ得る。さらに、COX2酵素の障害は、プロスタグランジンおよびトロンボキサンを阻害することにより、身体における炎症、こわばりおよび疼痛を減少させ得る。したがって、心臓発作、脳卒中についての高いリスクにある個体、または、炎症を有する個体は、多くの場合、アスピリンを摂取して、これらの症状の兆候および影響を処理する。記載のように、アスピリンは、このような心筋イベントの可能性を効果的に低下させることができ、低用量アスピリンと同程度の少ない用量で、疼痛および炎症を減少させることができる。ただし、少なくともある程度、COX1のその阻害のために、アスピリンは、出血のリスクを増大させ、臓器、例えば、胃および腸に対する傷害を起こし得る。前記傷害は、痛みを伴い得る。
乾燥粉末吸入器技術
上記されたように、アスピリンの経口送達は、疼痛、消化不良をもたらす胃壁に対する傷害のリスクおよび出血の高いリスクを生じさせる場合がある。さらに、本願明細書に記載された実施形態の少なくとも1つの態様に基づいて、血栓塞栓症に関係するか、または、血栓塞栓症をもたらし得る緊急事態中に、多くの場合、薬剤を経口投与するのが困難であると認識される。例えば、患者は、嘔吐を起こすか、またはそうでなければ経口的に薬剤を摂取できない場合がある。さらに、薬剤の経口投与は、薬剤が直ちに全身性血流に達さないため、薬剤の重要な作用が遅延するために、望ましくない場合がある。全身性血流に達したとしても、肝臓および消化管における初回通過効果のために、全身性循環に達する薬剤量は、投与量より非常に少なくなる。したがって、本願明細書に開示された種々の実施形態の態様に基づいて、投与の代替経路は、これらの望ましくない副作用を避け得ると認識される。
本願明細書に開示された種々の実施形態は、緊急事態の初期段階における吸入による薬剤の送達が、特定の健康状態の予備的処置の即効性の有効型を提供するという、新たな認識を反映する。例えば、一部の実施形態では、重篤な血栓塞栓症の兆候の病訴を受けて、患者は、治療量のNSAIDを、DPIにより投与され得る。前記NSAIDは、健康状態についての初期処置に関連する問題を処理し、または、同処置を提供し得る。
ただし、薬剤の乾燥粉末吸入は、一般的には、咳により、ミリグラム未満の用量に制限される。粒子工学における現在の開発、特に、PulmoSphere(商標)技術の開発は、1回の作動において、肺への大量の乾燥粉末の送達を可能にした。David E.Geller,M.D.,et al.,DEVELOPMENT OF AN INHALED DRY-POWDER FORMULATION OF TOBRAMYCIN USING PULMOSPHERE(商標)TECHNOLOGY,J Aerosol Med Pulm Drug Deliv.2011 August;24(4),pp.175~82を参照のこと。この刊行物において、112mgのトブラマイシン(4つのカプセル)の用量が、PulmoSphere(商標)により効果的に送達された。
一部の実施形態に基づいて、身体は、吸入された薬剤の有効性を制限する、種々の粒子フィルタを含むと認識されている。例えば、中咽頭は、5μmより大きい直径を有する粒子の通過を妨げる傾向がある。一方、肺胞に達するために、粒子は、約1μmから約5μmのサイズを有さなければならない。したがって、本願明細書における一部の実施形態は、PulmoSphere(商標)に類似する技術を使用して、約1μmから約5μm、および一部の実施形態では、約1.7μmから約2.7μmのメジアン幾何学的直径を有する粒子を製造する、吸入可能なアスピリンの調製および使用を開示している。
NSAID(例えば、低用量アスピリン)の伝統的な日用、または、血栓塞栓症の兆候についての予防的ケアとしてのNSAIDの緊急使用を置き換える、乾燥粉末吸入器によるアスピリンの単回用量の使用は存在していない。したがって、本願明細書に開示された一部の実施形態は、低用量のアスピリン用量未満(例えば、81mg未満)の量で、乾燥粉末吸入器によりNSAIDを投与するための方法を提供する。
したがって、一部の実施形態では、例えば、血栓塞栓症のリスクを低下させることにより、疾患を処置するための方法が提供され得る。前記方法は、DPIまたはMDIにより、NSAID、例えば、サリチル酸塩を投与することを有する。例えば、前記方法は、DPIまたはMDIにより、アセチルサリチル酸塩を投与することを有し得る。前記投与される用量は、25mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。さらに、前記投与される用量は、20mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。前記投与される用量は、15mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。前記投与される用量は、12mg未満のアセチルサリチル酸でもあり得る。前記投与される用量は、10mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。さらに、前記投与される用量は、8mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。前記投与される用量は、5mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。一部の実施形態では、前記投与される用量は、2mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。
例えば、一部の実施形態に基づいて、前記用量は、約2mgから約30mgのアセチルサリチル酸であり得る。一部の実施形態では、前記用量は、約4mgから約25mgのアセチルサリチル酸であり得る。前記用量は、約6mgから約20mgのアセチルサリチル酸であり得る。さらに、一部の実施形態では、前記用量は、約8mgから約15mgのアセチルサリチル酸であり得る。さらに、一部の実施形態では、前記用量は、約10mgから約13mgのアセチルサリチル酸であり得る。例えば、一部の実施形態では、前記用量は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mgまたは20mgのアセチルサリチル酸であり得る。
さらに、アセチルサリチル酸の前記用量は、約80mg未満であり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約1mgから約75mgであり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約2mgから約60mgであり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約5mgから約40mgであり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約10mgから約30mgであり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約12mgから約25mgであり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約15mgから約20mgであり得る。
一部の実施形態に基づいて、このような用量は、ネガティブな副作用をほとんど示すことなく、81mgから約325mgの典型的な用量と比較した場合、生物学的に同等な用量を提供し得る。
このため、一部の実施形態では、NSAID、例えば、アスピリンは、アスピリンの伝統的な経口投与より非常に少ない単回用量において、DPIまたはMDIにより投与され得る。前記用量は、一部のNSAIDs、例えば、アスピリンに関連するネガティブな副作用を避ける傾向にあるが、生物学的に同等な処置を提供し得る。さらに、このような処置を投与するシステムも提供される。
DPIまたはMDIは、マウスピースと、患者による吸入用のNSAIDを利用可能にさせて、血栓塞栓症のリスクを低下させる駆動部材とを有し得る。
例えば、一部の実施形態に基づいて、血栓塞栓症のリスクを低下させる方法が提供され、同方法は、乾燥粉末吸入器により、非ステロイド系抗炎症剤の用量を投与することを有し得る。前記用量は、患者における血栓塞栓症のリスクを低下させるのに有効であり得る。前記乾燥粉末吸入器は、マウスピースと、患者による吸入用の非ステロイド系抗炎症剤の用量を利用可能にさせて、血栓塞栓症のリスクを低下させる駆動部材とを有し得る。
一部の実施形態に基づいて、例えば、血栓塞栓症のリスクを低下させることにより、疾患を処置するための薬剤送達システムも提供され得る。前記システムは、粉末状の非ステロイド系抗炎症剤の用量を有し得る。前記用量は、患者における血栓塞栓症のリスクを低下させるのに有効であり得る。前記システムは、乾燥粉末吸入器も有し得る。前記乾燥粉末吸入器は、マウスピースと、投与量の前記非ステロイド系抗炎症剤を受容する貯留部と、患者による吸入用の投与量の前記非ステロイド系抗炎症剤を、前記マウスピースを通して利用可能にさせる駆動部材とを有し得る。
一部の実施形態では、前記血栓塞栓症は、心筋梗塞、深部静脈血栓症、肺血栓症または脳血栓症の少なくとも1つを有する。前記非ステロイド系抗炎症剤の用量は、血栓塞栓症の兆候に対する応答において、予備的処置として投与され得る。前記非ステロイド系抗炎症剤は、アスピリンを有し得る。さらに、前記非ステロイド系抗炎症剤の用量は、単回用量において投与され得る。
2.定義
ここで使用する場合、「約」の用語は、+/-5%の値を意味する。
本願明細書で使用する場合、前記「乾燥粉末」の用語は、吸入装置中に分散され、その後に、対象により吸入され得る、微細に分散した吸入用乾燥粒子を含む組成物を意味する。このような乾燥粉末または乾燥粒子は、約15%までの水または他の溶媒を含んでもよく、または、水または他の溶媒を実質的に含まなくてもよく、または、無水でもよい。
本願明細書で使用する場合、前記「乾燥粒子」の用語は、約15%までの水または他の溶媒を含んでもよく、または、水または他の溶媒を実質的に含まなくてもよく、または、無水でもよい、吸入用粒子を意味する。
本願明細書で使用する場合、前記「吸入用」の用語は、吸入による対象における気道への送達(例えば、肺送達)に適した乾燥粒子または乾燥粉末を意味する。吸入用乾燥粉末または乾燥粒子は、約10μm未満、好ましくは約5μm以下の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する。
本願明細書で使用する場合、前記吸入用乾燥粒子の「投与」または「投与すること」の用語は、吸入用乾燥粒子を、対象の気道に導入することを意味する。
前記「分散性」の用語は、吸入用エアロゾルに分散される乾燥粉末または乾燥粒子の特徴を説明する技術用語である。乾燥粉末または乾燥粒子の分散性は、本願明細書において、4barの分散(すなわち、調整器)圧で測定されたVMGDで割った1barの分散(すなわち、調整器)圧で測定された体積メジアン幾何学的直径(VMGD)、または、HELOS/RODOSにより測定された4barでのVMGDで割った0.5barでのVMGD、の指数として表現される。これらの指数はそれぞれ、本願明細書において、「1/4bar」および「0.5/4bar」と呼ばれる。分散性は、低い指数と相関する。例えば、1/4barは、HELOSまたは他のレーザ回折システムにより測定され、HELOS/RODOSにより4barで測定された同じ吸入用乾燥粒子または粉末のVMGDで割った場合の、約1barでのRODOS乾燥粉末分注器(または同等の技術)のオリフィスから放出された吸入用乾燥粒子または粉末のVMGDを意味する。このため、非常に分散性の乾燥粉末または乾燥粒子は、1.0に近い、1/4barまたは0.5/4barの比を有するであろう。非常に分散性の粉末は、互いに集塊、凝集または集合する傾向が低く、および/または、互いに集塊、凝集または集合する場合、それらが吸入器から放出され、対象により吸われる際、容易に分散または脱集塊される。分散性は、流量の関数として、吸入器から放出されたサイズを測定することによっても評価され得る。
本願明細書で使用する場合、「放出用量」または「ED」の用語は、発射または分散イベント後に、適切な吸入装置からの薬剤配合の送達の指標を意味する。より具体的には、乾燥粉末配合について、前記EDは、単位用量パッケージの外に引き出され、吸入装置のマウスピースを出る、粉末の割合の測定である。前記EDは、見かけの用量(すなわち、発射前に適切な吸入装置内に配置された単位用量あたりの粉末量)に対する、吸入装置により送達された用量の比として規定される。前記EDは、実験的に測定されるパラメータであり、USP Section 601 Aerosols,Metered-Dose Inhalers and Dry Powder Inhalers,Delivered-Dose Uniformity,Sampling the Delivered Dose from Dry Powder Inhalers,United States Pharmacopeia Convention,Rockville,MD,13th Revision,222~225,2007の方法を使用して決定され得る。この方法は、患者の投与を模した設定のin vitro装置を使用する。
本願明細書で使用する場合、「FPF(<5.6)」、「FPF(<5.6μm)」および「5.6μm未満の微粒子画分」の用語は、5.6μm未満の空気力学的直径を有する乾燥粒子のサンプルの画分を意味する。例えば、FPF(<5.6)は、ステージ1上および2-ステージ崩壊アンダーセン・カスケード・インパクタ(ACI)の回収フィルタ上に堆積した吸入用乾燥粉末量を、用具への送達用のカプセル内に秤量された吸入用乾燥粉末量で割ることにより決定され得る。このパラメータは、「FPF_TD(<5.6)」として特定される場合もある。この場合、TDは、総用量を意味する。同様の測定は、8-ステージACIを使用して行われ得る。前記8-ステージACIカットオフは、標準的な60L/分の流量においては異なるが、前記FPF_TD(<5.6)は、前記8-ステージの完全なデータセットから推定され得る。前記8-ステージACIの結果は、FPFを決定するカプセル中にあったものに代えて、前記ACI中で回収された用量を使用するUSP法によっても算出され得る。
本願明細書で使用する場合、「FPF(<3.4)」、「FPF(<3.4μm)」および「3.4μm未満の微粒子画分」の用語は、3.4μm未満の空気力学的直径を有する吸入用乾燥粒子量の画分を意味する。例えば、FPF(<3.4)は、2-ステージ崩壊ACIの回収フィルタ上に堆積した吸入用乾燥粉末量を、用具への送達用のカプセル内に秤量された吸入用乾燥粉末量での総量で割ることにより決定され得る。このパラメータは、「FPF_TD(<3.4)」として特定される場合もある。この場合、TDは、総用量を意味する。同様の測定は、8-ステージACIを使用して行われ得る。前記8-ステージACIの結果は、FPFを決定するカプセル中にあったものに代えて、前記ACI中で回収された用量を使用するUSP法によっても算出され得る。
本願明細書で使用する場合、「FPF(<5.0)」、「FPF(<5.0μm)」および「5.0μm未満の微粒子画分」の用語は、5.0μm未満の空気力学的直径を有する吸入用乾燥粒子量の画分を意味する。例えば、FPF(<5.0)は、標準的な60L/分の流量において、8-ステージACIを使用し、前記8-ステージの完全なデータセットから推定することにより決定され得る。このパラメータは、「FPF_TD(<5.0)」として特定される場合もある。この場合、TDは、総用量を意味する。
前記「ナノ粒子」の用語は、約1nmから約900nmの間、好ましくは、約5nmから約500nmの間の単結晶粒子を有する粒子を意味する。個々の粒子は、クラスター/集塊に集塊し得る。
前記「賦形剤」の用語は、医薬の活性成分(「API」)と共に配合される、薬理学的に不活性な物質を意味する。
「態様」等の表現は、このような態様が主題となる技術に必須であること、または、このような態様が主題となる技術の全ての構成に適用することを伴わない。態様に関する開示は、全ての構成または1若しくはそれ以上の構成に適用してもよい。態様は、本開示の1若しくはそれ以上の例を提供してもよい。「態様(an aspect)」等の表現は、1若しくはそれ以上の態様を意味する場合があり、逆もまたあり得る。「実施形態」等の表現は、このような実施形態が主題となる技術に必須であること、または、このような実施形態が主題となる技術の全ての構成に適用することを伴わない。実施形態に関する開示は、全ての実施形態または1若しくはそれ以上の実施形態に適用してもよい。実施形態は、本開示の1若しくはそれ以上の例を提供してもよい。「実施形態(an embodiment」等の表現は、1若しくはそれ以上の実施形態を意味する場合があり、逆もまたあり得る。「構成」等の表現は、このような構成が主題となる技術に必須であること、または、このような構成が主題となる技術の全ての構成に適用することを伴わない。構成に関する開示は、全ての構成または1若しくはそれ以上の構成に適用してもよい。構成は、本開示の1若しくはそれ以上の例を提供してもよい。「構成(a configuration)」等の表現は、1若しくはそれ以上の構成を意味する場合があり、逆もまたあり得る。
3.非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)
NSAIDs、例えば、アスピリンは、種々の有益な効果を提供し、心血管疾患(例えば血栓症)のリスクを低下させるのに寄与する。しかしながら、臨床設定におけるNSAIDs、例えば、アスピリンの使用は、伝統的には、経口投与に限定されてきた。アスピリンの経口投与は、例えば、消化管および肝臓における初回通過効果により、経口用量の約2/3の損失または不活性化をもたらし得る。一方、前記用量の1/3は、全身性血流に達し、所望の作用を提供し、十分な用量により生じるネガティブな副作用により、多くの場合、患者が定期的または毎日アスピリンを使用するのを妨げる。
さらに、多くの状況において、例えば、緊急時において、NSAIDs、例えば、アスピリンの経口投与は不適切である場合がある。有効になるまで時間がかかりすぎる場合があるためである。本願明細書に開示された一部の実施形態の少なくとも1つの態様に基づいて、代替的な投与法およびシステムが、より低い用量を使用し、全身性血流へのより直接的な送達機構を提供するように実施され得ると認識される。このため、本願明細書に開示された一部の実施形態は、NSAIDs、例えば、アスピリンの有益な効果が、定期的に、および、緊急事態において、NSAIDsの使用に関連するそれまでの欠点を最少化しながら達成可能である。
アスピリンが、心筋梗塞のリスクを低下させる顕著な作用を有することが、種々の研究により決定されている。しかしながら、これらの研究は、脳卒中、肺血栓症または深部静脈血栓症における不十分なデータを提供した。これらの研究では、325mgのアスピリン用量が使用された。しかしながら、これらの研究は、アスピリンの経口投与におけるその発見に基づいており、DPIまたはMDI経路を示唆していない。前記経路は、本願明細書に開示された一部の実施形態において提供される。さらに、アスピリンの投与は、ネガティブな副作用、例えば、50%を超える主要な胃腸および頭蓋外の出血を著しく増大させることを有する。このことは、予防的処置について、アスピリンが不確かな正味価値のものであるという一部議論をもたらしてきた。
更なる研究では、アスピリンの利益が、低用量、例えば、低用量アスピリン(すなわち、81mg)の用量において得られ得るかどうかが試験された。スウェーデンでのアスピリン低用量臨床試験(SALT)において、低用量(75mg/日)のアスピリンは、脳血管虚血イベントを有する患者の脳卒中または死亡のリスクを顕著に低下させることが見出された。しかしながら、前記研究では、著しく過剰な出血エピソードを含んだ、消化管の副作用も報告された。デンマークの研究では、抗血栓症剤としてアスピリンを投与されている患者において、50mg/日で十分な血小板阻害が達成されたことが見出された。一方、残りの患者は、50mg/日を超えるのを必要とした。さらに、オランダでのTIAの研究では、毎日30mgを超える任意の用量でのアスピリンは、13%の血管イベントを予防し、より有効な薬剤についての必要性が存在すると結論付けられた。しかしながら、非常に低用量でのDPIまたはMDIによるアスピリン投与に関する研究または教示は提供されていない。
アスピリンの吸入用乾燥粉末配合が開発されてきたが、報告には、前記配合が臨床的に不可能であったと記載されている。乾燥粉末の肺送達により、アスピリンの高用量要求(冠動脈イベントおよび脳卒中の低用量予防について、約80mg/日、および、疼痛または発熱の除去について、少なくとも300mg/日)に合致するのが困難であるためである。
さらに、これらの報告では、肺における乾燥粉末の副作用、例えば、咳は、1回の呼吸において、用量が数十ミリグラムより少なくない限り、避けることができないと認識されている。このため、以前の教示では、アスピリンのより高い用量要求に、DPIを使用して合致するのは不可能であろうと示唆される。最後に、アスピリンが経口以外の吸入により送達される場合、喘息患者におけるアスピリン不寛容の発生がより高くなることが教示されてもいる。
さらに別の研究では、乾燥粉末吸入器(DPI)送達用のナノ粒子薬剤の使用は簡単ではないことを、著者は述べた。ナノ粒子薬剤の直接的な吸入は、その小さいサイズのために不可能であった。このナノメートルサイズのために、肺に何ら堆積することなく、前記ナノ粒子薬剤が主に肺から吐き出される。さらに、小さいサイズにより生じる重度の凝集問題が、DPI送達についてのその物理的取扱いを困難にする。したがって、ナノ粒子薬剤の「大きな中空キャリア粒子」が、一部の薬剤の肺送達用に開発されている。Hadinoto et al.,Drug Release Study Of Large Hollow Nanoparticulate Aggregates Carrier Particles For Pulmonary Delivery,International Journal of Pharmaceutics 341(2007)195-20を参照のこと。
Hadinotoの研究では、著者は、「低水溶性」薬剤についてのモデルとして、アスピリンを使用した。著者は、「アスピリンに関して、アスピリンの高用量要求(約300mg/日)のために、ナノ粒子ポリマー送達法が、最も適した送達法ではない」ことを認めた。全体として、その研究の目的は、前記大きな中空ナノ粒子凝集体の配合における重要な一面を特定することであった。上記を参照のこと。
本願明細書に開示された本発明の一部の実施形態では、非常に少量のNSAID、例えば、低用量のアスピリンを、DPIにより投与することにより、疾患を処置する(例えば、予防的処置またはリスクの低減)、例えば、心血管疾患(例えば、血栓症)を処置するための方法およびシステムが提供される。前記用量は、低用量アスピリンの用量より非常に少なくあり得る(例えば、81mg未満)。前記投与量は、25mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。さらに、前記投与量は、20mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。前記投与量は、15mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。前記投与量は、12mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。前記投与量は、10mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。さらに、前記投与量は、8mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。前記投与量は、5mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。一部の実施形態では、前記投与量は、2mg未満のアセチルサリチル酸であり得る。
例えば、一部の実施形態に基づいて、前記用量は、約2mgから約30mgであり得る。一部の実施形態では、前記用量は、約4mgから約25mgのアセチルサリチル酸であり得る。前記用量は、約6mgから約20mgのアセチルサリチル酸であり得る。さらに、一部の実施形態では、前記用量は、約8mgから約15mgのアセチルサリチル酸であり得る。さらに、一部の実施形態では、前記用量は、約10mgから約13mgのアセチルサリチル酸であり得る。例えば、一部の実施形態では、前記用量は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mgまたは20mgのアセチルサリチル酸であり得る。
さらに、アセチルサリチル酸の前記用量は、約80mg未満であり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約1mgから約75mgであり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約2mgから約60mgであり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約5mgから約40mgであり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約10mgから約30mgであり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約12mgから約25mgであり得る。一部の実施形態では、アセチルサリチル酸の前記用量は、約15mgから約20mgであり得る。
このような用量は、81mgから約325mgの典型的な用量と比較した場合、ほとんどネガティブな副作用を示すことなく、生物学的に同等な用量を提供し得る。
一部の実施形態では、NSAIDsは、種々の方法およびシステムに使用され得る。一部の実施形態では、NSAIDsは、サリチル酸塩、すなわち、サリチル酸の塩およびエステルを含み得る。サリチル酸塩は、抗血小板作用を有する。さらに、NSAIDsは、1若しくはそれ以上の下記のものも含み得る。
Figure 2023086774000002
他の代替手段が、本願明細書に開示された一部の方法またはシステムにおいて、NSAIDに代えて使用されることもできる。このような代替手段としては、プラビックス(クロピドグレル)、COX-2阻害剤、他の治療薬、例えば、ナットウキナーゼ(納豆と呼ばれる日本食から抽出および精製された酵素(EC 3.4.21.62))があげられる。さらに、種々の有益な効果、例えば、患者における心血管疾患(例えば、血栓症)のリスクを低下させるのに有効であることを提供する他の薬剤が、一部の実施形態において使用されることもできる。このため、方法およびシステムの検討は、一般的には、これらの種々の代替手段に適用するであろう。ただし、検討目的について、本開示は、多くの場合、アスピリンを意味する。アスピリンに関する方法、効果、薬物動態データおよび他の考慮は、一部の実施形態に基づいて、他のNSAIDsに同様に適用され得ると考えられる。
4.乾燥粉末および乾燥粒子
主題となる技術は、活性成分として、NSAID、例えば、アセチルサリチル酸を有する吸入用乾燥粉末および乾燥粒子に関する。
一態様では、主題となる技術の乾燥粒子は、小型であり、好ましくは分散性である。前記乾燥粒子のサイズは、当該分野において従来からある各種の方法、例えば、微粒子画分(FPF)、体積メジアン幾何学的直径(VMGD)または質量メジアン空気力学的直径(MMAD)で表現され得る。
特定の実施形態では、主題となる技術の乾燥粒子は、小型であり、好ましくは、分散性である。例えば、主題となる技術の乾燥粒子は、1.0barにおいてHELOS/RODOSにより測定された場合、約10μm以下(例えば、約0.1μmから約10μm)のVMGDを有し得る。好ましくは、主題となる技術の乾燥粒子は、1.0barにおいてHELOS/RODOSにより測定された場合、約9μm以下(例えば、約0.1μmから約9μm)、約8μm以下(例えば、約0.1μmから約8μm)、約7μm以下(例えば、約0.1μmから約7μm)、約6μm以下(例えば、約0.1μmから約6μm)、約5μm以下(例えば、5μm未満、約0.1μmから約5μm)、約4μm以下(例えば、0.1μmから約4μm)、約3μm以下(例えば、0.1μmから約3μm)、約2μm以下(例えば、0.1μmから約2μm)、約1μm以下(例えば、0.1μmから約1μm)、約0.5μmから約6μm、約0.5μmから約5μm、約0.5μmから約4μm、約0.5μmから約3μmまたは約0.5μmから約2μmのVMGDを有し得る。典型的な実施形態では、主題となる技術の乾燥粒子は、1.0barにおいてHELOS/RODOSにより測定された場合、約1.3から約1.7μmのVMGDを有する。別の典型的な実施形態では、主題となる技術の乾燥粒子は、1.0barにおいてHELOS/RODOSにより測定された場合、約0.5μmから約2μmのVMGDを有する。
特定の実施形態では、主題となる技術の乾燥粒子は、大型であり、好ましくは、分散性である。例えば、主題となる技術の乾燥粒子は、1.0barにおいてHELOS/RODOSにより測定された場合、約30μm以下(約5μmから約30μm)のVMGDを有し得る。好ましくは、主題となる技術の乾燥粒子は、1.0barにおいてHELOS/RODOSにより測定された場合、約25μm以下(例えば、約5μmから約25μm)、約20μm以下(例えば、約5μmから約20μm)、約15μm以下(例えば、約5μmから約15μm)、約12μm以下(例えば、約5μmから約12μm)、約10μm以下(例えば、約5μmから約10μm)または約8μm以下(例えば、6μmから約8μm)のVMGDを有し得る。
本願明細書に記載された乾燥粉末は、大型の粒子と小型の粒子との混合物を含み得る。
好ましくは、前記粒子が小型であるか、または、大型であるかに関わらず、主題となる技術の乾燥粒子は、分散性であり、約2.2以下(例えば、約1.0から約2.2)または約2.0以下(例えば、約1.0から約2.0)の1/4barおよび/または0.5/4barを有する。好ましくは、主題となる技術の乾燥粒子は、約1.9以下(例えば、約1.0から約1.9)、約1.8以下(例えば、約1.0から約1.8)、約1.7以下(例えば、約1.0から約1.7)、約1.6以下(例えば、約1.0から約1.6)、約1.5以下(例えば、約1.0から約1.5)、約1.4以下(例えば、約1.0から約1.4)、約1.3以下(例えば、1.3未満、約1.0から約1.3)、約1.2以下(例えば、1.0から約1.2)、約1.1以下(例えば、1.0から約1.1μm)の1/4barおよび/若しくは0.5/4barを有するか、または、主題となる技術の乾燥粒子は、約1.0の1/4barを有する。
代替的にまたはさらに、主題となる技術の吸入用乾燥粒子は、約10μm以下のMMAD、例えば、約0.5μmから約10μmのMMADを有し得る。好ましくは、主題となる技術の乾燥粒子は、約5μm以下(例えば、約0.5μmから約5μm、好ましくは約1μmから約5μm)、約4μm以下(例えば、約1μmから約4μm)、約3.8μm以下(例えば、約1μmから約3.8μm)、約3.5μm以下(例えば、約1μmから約3.5μm)、約3.2μm以下(例えば、約1μmから約3.2μm)、約3μm以下(例えば、約1μmから約3.0μm)、約2.8μm以下(例えば、約1μmから約2.8μm)、約2.2μm以下(例えば、約1μmから約2.2μm)、約2.0μm以下(例えば、約1μmから約2.0μm)または約1.8μm以下(例えば、約1ミクロンから約1.8μm)のMMADを有し得る。
代替的にまたはさらに、主題となる技術の乾燥粉末および乾燥粒子は、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約45%、好ましくは、少なくとも40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%または少なくとも約70%の、5.0μm未満のFPF(FPF_TD<5.0μm)を有する。代替的にまたはさらに、主題となる技術の乾燥粉末および乾燥粒子は、少なくとも約45%、好ましくは、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%または少なくとも約85%の、5.0μm未満の放出量のFPF(FPF_ED<5.0μm)を有する。
代替的にまたはさらに、本発明の吸入用乾燥粉末および乾燥粒子は、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、好ましくは、少なくとも45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%または少なくとも約70%の、約5.6μm未満のFPF(FPF<5.6μm)を有し得る。
代替的にまたはさらに、本発明の乾燥粉末および乾燥粒子は、少なくとも約20%、好ましくは、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも45%、少なくとも約50%または少なくとも約55%の、約3.4μm未満のFPF(FPF<3.4μm)を有し得る。
代替的にまたはさらに、主題となる技術の吸入用乾燥粉末および乾燥粒子は、約0.1g/cm3から約1.0g/cm3のタップ密度を有する。例えば、小型で、分散性の乾燥粒子は、約0.1g/cm3から約0.9g/cm3、約0.2g/cm3から約0.9g/cm3、約0.2g/cm3から約0.9g/cm3、約0.3g/cm3から約0.9g/cm3、約0.4g/cm3から約0.9g/cm3、約0.5g/cm3から約0.9g/cm3または約0.5g/cm3から約0.8g/cm3、約0.4g/ccより大きい、約0.5g/ccより大きい、約0.6g/ccより大きい、約0.7g/ccより大きい、約0.1g/cm3から約0.8g/cm3、約0.1g/cm3から約0.7g/cm3、約0.1g/cm3から約0.6g/cm3、約0.1g/cm3から約0.5g/cm3、約0.1g/cm3から約0.4g/cm3、約0.1g/cm3から約0.3g/cm3、0.3g/cm3未満のタップ密度を有する。好ましい実施形態では、タップ密度は、約0.4g/ccより大きい。別の好ましい実施形態では、タップ密度は、約0.5g/ccより大きい。あるいは、タップ密度は、約0.4g/cc未満である。
代替的にまたはさらに、主題となる技術の吸入用乾燥粉末および乾燥粒子は、前記吸入用乾燥粒子の約15重量%未満の水または溶媒含量を有し得る。例えば、主題となる技術の吸入用乾燥粒子は、約15重量%未満、約13重量%未満、約11.5重量%未満、約10重量%未満、約9重量%未満、約8重量%未満、約7重量%未満、約6重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満の水または溶媒含量を有することができ、または、無水であることができる。主題となる技術の吸入用乾燥粒子は、約6%未満で約1%より多い、約5.5%未満で約1.5%より多い、約5%未満で約2%より多い、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%の水または溶媒含量を有し得る。
本願明細書に記載された乾燥粉末の具体的な用途に応じて、前記乾燥粉末および粒子は、前記組成物中において、低いまたは高い割合の活性成分を含み得る。例えば、前記乾燥粒子は、3%以上、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上または95%(重量パーセント)以上の前記活性成分(例えば、アセチルサリチル酸)を含み得る。
5.乾燥粉末の送達
本願明細書に開示された一部の実施形態を通して、出願人は、従来の教示により認識されている課題を克服した。特に、出願人は、薬剤が肺に吸入された場合、前記薬剤が肺胞に向かって分散され得ることを認識した。肺胞は、主に、二酸化炭素を酸素に交換するのに機能し、肺胞は、酵素も産生する。このため、吸入された物質、例えば、病原体、薬剤または他の化学物質は、肺胞で処理され得る。
肺胞は、その外側表面上において網目状の球に類似する、弾性繊維と毛細血管とのネットワークを有する。前記毛細血管は、肺動脈および肺静脈を介して、酸素が枯渇した血液を肺に向かって運び、酸素を豊富に含む血液を肺から運ぶ役割を果たす。各肺胞の内部は、肺胞被膜または肺胞上皮として公知の薄い組織を有する。肺胞上皮は、平滑I型およびII型として公知の、2種類の区別できる細胞から構成される。I型平滑細胞は、前記上皮の表面積の大部分を覆い、密に並べられており、その間を小分子、例えば、酸素および二酸化炭素のみが通過することができる。II型肺胞細胞は、ガス交換に使用される肺の界面活性剤を産生するのに役立つ。さらに、前記肺胞上皮は、マクロファージも有する。前記マクロファージは、微粒子状の異物、例えば、塵、タールおよび病原体を処分するのに役立つ。前記肺胞のサイズが小型であるにも関わらず(ほんの約250μm)、成人であれば、2億個と4億個との間の肺胞を有し得るため、前記肺胞の呼吸面積は、約1,400か約1,600平方フィートであり得る。
本願明細書に開示された一部の実施形態に基づいて、DPIまたはMDIにより投与されたNSAIDsの、肺の毛細血管および上皮からの吸収は、直ちに効果的な処置を提供して、血栓塞栓症の兆候に取り組み得る。一部の実施形態における1つの新規な実現は、NSAIDs、例えば、アスピリンの経口投与により生じる実質的な初回通過効果を、乾燥粉末吸入器による投与により避けることができることである。さらに、従来は、NSAID、例えば、アスピリンの乾燥粉末送達の薬物動態、および、肺の毛細血管の内皮組織と遭遇した際の、前記薬剤の可能性のある代謝または不活性化に関する教示または示唆が存在していなかった。
DPIまたはMDIによるNSAIDの送達は、単純には提供されず、当業者であっても結果を予測し得ない、複雑で、予測不可能な技術領域である。したがって、従前のシステムまたは処置方法の組合せが、本願明細書に開示された実施形態を提示し得たと、当業者が信じる理由が存在しない。例えば、本願明細書における一部の実施形態において、薬剤が肺動脈および肺胞の内皮を通過する際に、初回通過効果が最小化され、他の薬剤送達経路においてより、前記薬剤の非常に低い速度の活性化をもたらすという予測不可能な結果が認められた。
肺の毛細血管の内皮は、物質が血流に選択的に出入りするのを可能にすることによる障壁として機能する。アスピリンは、内皮細胞により裏打ちされた、肺の毛細血管において不活性化されるであろうことが、予測されるであろう。前記内皮細胞は、極端に代謝的に活性である。このため、当業者であれば、アスピリンが肺の毛細血管の内皮により不活性化されるであろうことを予測するであろう。しかしながら、本願明細書に開示された一部の実施形態に基づいて、粉末状の薬剤が前記内皮と遭遇した際に、前記内皮は、消化管および肝臓により提供される代謝と比較して、非常に少ない部分の前記粉末状の薬剤を代謝または活性化し得ると考えられる。例えば、胃においてサリチル酸に変換された後、80%程度のサリチル酸が、肝臓において代謝される。このため、少量のサリチル酸のみが、全身性血流に生物学的に利用可能である。
しかしながら、吸入されたアスピリン粉末から代謝された大多数のサリチル酸は、全身性血流に生物学的に利用可能であろうと考えられる。このため、低用量アスピリンの用量より非常に少ない用量(例えば、81mg未満)が、乾燥粉末吸入器により提供され得る。このことは、生物学的に同等な用量を提供しながら、非常に少ない用量を提供し得る。
さらに、一部の実施形態の態様に基づいて、類似する初回通過効果が肺の毛細血管の内皮において経験され得ると考えられる。したがって、経口投与された低用量アスピリンと生物学的に同等である吸入用量の提供に関して、前記吸入用量は、肺の毛細血管の内皮によるいくらかの初回通過効果を経験すると説明すべきである。
一部の実施形態に基づいて、肺の毛細血管の内皮による初回通過効果は、最少であることができ、吸入用量における全体的な影響をほとんど提供しない。
しかしながら、一部の実施形態では、肺の毛細血管の内皮による初回通過効果は、全体として無視することができるとも考えられる。このため、吸入用量は、肺の毛細血管による初回通過効果を補償するように調節する必要がない。
したがって、一部の実施形態では、極端に低用量のアスピリン(および、おそらく他のNSAIDs)であっても、最少または取るに足りない副作用を提供しながら、顕著な治療効果を提供し得るという、予測不可能な結果が認められる。例えば、1mg、2mg、3mg、4mgまたは5mgの低用量のアセチルサリチル酸は、血栓塞栓症のリスクを低下させるのに有効であり得る。したがって、一部の実施形態に基づいて、顕著に低い用量において、正味の利益が劇的に向上した。これらの結果および成果は、身体における薬剤相互作用の複雑で、予測不可能な性質、薬剤送達経路および超小型の薬剤構造からは、予測不可能である。最後に、超小型のNSAIDsを含むDPIまたはMDI薬剤送達機構を使用して、任意のネガティブな副作用を実質的に避けながら、治療的に有益な結果を達成するためのシステムまたは方法が開示されている教示または他の従前の参考文献は存在しない。
一部の実施形態に基づいて、NSAID、例えば、アセチルサリチル酸等のサリチル酸塩の乾燥粉末投与は、上記されたように、約1μmから約5μmのメジアン空気力学的直径を有する粒子を有し得る。前記粒子は、非常に多孔性であることができ、スポンジ様形態を示すことができ、キャリア粒子の成分であることができる。前記粒子は球状を示すこともでき、これにより、形状および多孔性表面が粒子間の接触面積を減少させる役割を果たし得、よって、ほとんど粒子の集塊がもたらされず、肺を通したより効果的な分布がもたらされる。乾燥粉末技術、例えば、PulmoSphere(商標)が、本願明細書に開示された方法およびシステムの実施形態において実施されてもよい。
図1を参照すると、乾燥粉末吸入技術において、患者は、乾燥粉末吸入器10を使用して、NSAID等の薬剤の粉末配合を吸入し得る。前記用量は、患者における血栓塞栓症のリスクを低下させるのに有効である。一部の実施形態の態様では、肺が効率的なフィルタであるため、一般的には、5μm未満のサイズを有する粒子のみを許容すると認識される。例えば、前記薬剤は、主要な気管支幹20に入った後、前記薬剤は、各肺22、24に入るであろう。ついで、前記薬剤は、肺22、24における個々の肺胞30に達するまで、気管支樹26、28を通過するであろう。前記肺胞は、以下に説明されるように、それぞれ長く非常に多数伸びている。したがって、乾燥粉末吸入器10により、約1μmから約5μmのサイズを有する粒子の用量を患者が自己投与するのを可能となり得る。一部の実施形態では、前記粒径は、約2μmから約4μmであり得る。
一部の実施形態に基づいて、種々の種類の吸入器が、DPIまたはMDI送達システムを使用して、前記薬剤を提供するのに使用され得る。投与量は、患者における血栓塞栓症のリスクを低下させるのに有効であり得る。
例えば、乾燥粉末吸入器10は、マウスピースと、NSAIDを受容する貯留部と、患者による吸入用のNSAIDを、前記マウスピースを通して利用可能にさせる駆動部材とを有し得る。
例えば、図2A~2Fは、マウスピース102および薬剤区画104を有するDPI送達装置100を図示する。薬剤区画104は、吸入器本体キャビティ110内に挿入され得る。
例えば、図2Bに示されたように、薬剤区画104は、保管目的の収納位置120内の本体キャビティ110内に挿入され得る。ただし、薬剤区画104は、図2Cに示された、第1位置122に移動されることもできる。第1位置122では、薬剤区画104の第1容器140が、マウスピースのエアウェイ142と整列される。この第1位置122では、第1容器140に収容された前記薬剤は、マウスピースのエアウェイ142を通して送達されて、図2Dに図示されたように、患者により吸入され得る。
さらに、図2Eに示されたように、薬剤区画104は、第2位置124に移動され得る。第2位置124では、第2容器144は、マウスピースのエアウェイ142と整列される。このような位置では、第2容器144に収容された前記薬剤は、図2Fに図示されたように、患者により吸入され得る。
呼吸の過程において、肺は、通常連続的に、環境中に存在する各種のサイズの物質に曝される。これには、花粉(20~90μm)、細菌(0.2~200μm)および煙粒子(0.01~1μm)が含まれ得る。特定の粒子の堆積は、数多くの因子、例えば、前記粒子のサイズおよび密度ならびに肺内外への空気の流速ならびに呼吸系における前記粒子の滞留時間により決まる。さらに、ヒトの身体は、これらの吸入された物質の一部の有害効果に対して保護するシステム、例えば、食作用としての処理を発達させてきた。このため、薬学的化合物を吸入により送達するためのシステムおよび方法を設計する場合に考慮する1つの要因は、粒径が、吸入後に薬剤粒子がおそらく堆積されることになる気道における位置に有する作用である。
肺に入る粒子は、衝突、沈降および拡散により、気道の順序に沿って堆積される。多くの場合、気流内の粒子の挙動は、本願明細書において詳細に記載されたように、空気力学的直径により説明され得る。空気力学におけるレイノルズ数概念と同様に、同じ空気力学的直径を有する2つの粒子は、その実際の幾何学的(すなわち、物理的)サイズに関わらず、気流中で全く同様に挙動するであろう。
以前に、粒径またはより正確には、空気理学的直径は、粒子が吸気後におそらく最も堆積されることになる呼吸系内の位置に、顕著に影響を及ぼすことが示されている。例えば、Heyder et al.(J.Aerosol.Sci.17,811~825,1986)は、気道において、5nmから15μmのサイズ範囲における粒子の堆積を試験した。彼らの研究から、5μmより大きい空気力学的直径を有する粒子は、口および気道上部における慣性衝突により優先的に堆積することが示された。より小型の粒子(1~5μmの範囲の空気力学的直径)は、衝突および沈降により、肺のより深くに堆積する。一方、非常に小型の粒子(<1μmの空気力学的直径)は、主に気流中に懸濁されたままであり、吐き出される。
他にも、同様の結果が得られており、肺への薬剤送達について、約2μmのメジアン空気力学的直径を有する粒子は、送達された粒子用量の90%近くのわずかな堆積を伴って、おそらく肺胞空間に効率的に堆積される(Byron,1986,J.Pharm.Sci.75(5),433~438)。対照的に、粒子が5~10μmの範囲のメジアン空気力学的直径を有する場合、送達された用量の約10%のみが、気道における約40%の堆積ならびに、口腔および咽頭における残り部分の堆積を伴って、肺胞に堆積するであろう。メジアン空気力学的直径が15μm以上である場合、粒子は、口腔および咽頭に優先的に堆積する。全身性循環に対する肺胞上皮の近接度、および、消化管における加水分解または肝臓における処理による初回通過効果による医薬品の損失を避けるために、肺に薬剤を送達することの公知の利益を仮定すれば、気道、および特に、肺胞空間に最も効率的に送達され、堆積されるであろう粉末状の薬剤組成物を設計することにより得られる利点が存在する。
更なる利点は、肺胞空間における薬剤の堆積により得られる。例えば、その大きな有効表面積の空間および肺胞上皮の薄い厚みは、循環系への薬剤のほぼ即時的な移動を提供する。同様に、肺胞の毛細血管を離れた血液は、まず、肺静脈を介して心臓に戻る際に、顕著なレベルの治療分子が、ほぼ即時的に心臓近くに達し得る。このことは、本件におけるような心血管症状の処置を設計することにおける具体的な利点である。
このため、NSAID等の抗血栓剤は、代わりに同量の経口的に投与された用量の前記薬剤で可能であろうより高い血漿濃度で送達され得る。これらのレベルは、経口投与と比較して、肺への送達により、より急速に達成され得る。このため、当業者であれば、医師の現在の推奨によりNSAIDが経口的に摂取された場合に必要とされるであろうより低い投与量で、血栓塞栓症のリスクを低下させるのに有効な、冠動脈循環におけるNSAIDの循環性血漿レベルを達成することが可能であろうことを理解するであろう。
本願明細書に記載されたように、主題となる技術の一態様は、血栓塞栓症のリスクを低下させるために、治療的に有効な量のNSAIDを提供するための装置および方法を提供する。上記されたように、一般的なアプローチは、薬学的に許容され得る粉末状態(例えば、アセチルサリチル酸および/またはその「ASA」誘導体)で、NSAIDを吸入器により送達することである。ただし、乾燥粉末吸入システムにより、治療的に有効な量のNSAIDを送達することにおいて、数多くの課題が存在する。
このような処置システムの設計における1つの課題は、患者により快適に許容され得る投与のサイズに関する制限である。例えば、一部の例では、約40から約50mgの粉末状化合物は、一回の吸入投与において、快適に送達され得ることが示されている。同時に、現在利用可能な吸入装置において、送達あたりに約50mgより多くの粉末を送達可能なものはない。しかしながら、心筋梗塞を防止することと一致する、疑わしい兆候を処置するためのASAについて推奨される用量は、81mgのASAの錠剤を2錠噛むことである。このため、このような処置についての推奨用量は、約160mgである。このことは、経口投与より推奨されるのと同量のASAを提供するために、患者は、同じ期間内で4回程度の吸入投与を行わなければならない場合があることを示唆している。患者が現在利用可能な吸入器技術を使用して、1分以内に5回の吸入投与を現実的に行い得ることが、研究では示されている。
上記されたように、肺胞空間における粒子の堆積は、粒径が低下する場合に増大するという、一般的な傾向が存在する。ナノ粒子分布における研究では、100nm未満のサイズを有する吸入されたナノ粒子が、肺胞での堆積および肺での食作用の最少化に望ましい(Hoet et al.,2004,J.Nanbiotechnol.2,doi:10.1186/1477-3155-2-12)。ナノ粒子は、より荒い調製物と比較して、活性化合物の分散に関する更なる利点、および最終的に、取り込み速度における更なる利点を提供する。その最も明確なものは、より小型の粒子が大型のものより速く分散および溶解する傾向にあることである。ただし、ナノメートルサイズの粒子は、それらが効率的に堆積する傾向になく、気流中で懸濁したままであり、呼気に基づいて吐き出されるために、粉末状の医薬品の送達に使用するのに最適ではない。
この問題を克服する1つの方法は、効率的な肺胞堆積に最適な平均空気力学的サイズを有するナノ粒子の凝集体を有する粒子を製造する方法の使用による。例えば、Hadinoto et al.(2004,Int.J.Pharma.,doi:10.1016/j.ijpharm.2007.03.035)には、ナノ粒子を有する大型の中空シェルがスプレー乾燥法により製造され得ることが示されている。これらの粒子は、大きな幾何学的直径(10~15μm)を有するが、それらは、肺のより深い領域への化合物の送達に望ましい、小さな空気力学的直径(1~3μm)を有する。さらに、これらの大型の中空シェルは、医薬品の急速な放出を提供する構成成分のナノ粒子に、急速に脱凝集する。さらに、Hadinoto et alは、この方法が粉末吸入装置に使用されるASAの調製物を製造するのに採用可能であることを示している。このため、これらの方法を主題となる技術と組み合わせて使用して、肺胞空間への堆積用の空気力学的サイズのASA粒子を達成可能である。この場合、前記薬剤の90%以上が、30分以内に前記粒子から放出される。
しかしながら、最適なサイズの粒子を製造する能力にも関わらず、吸入により使用するための薬学的組成物の調製における更なる問題が存在する。典型的には、均一なサイズの粉末は、架橋として公知の現象により、集合し、より大きい凝集体を形成する傾向があることが観察されている。架橋した場合、粒子は、非常に大きな粒子として、空気力学的に挙動し、上記されたように、肺胞空間に達する傾向がないであろう。前記空間への送達は、所望の薬剤の急速な送達を最適化するのに望ましい。薬学的に活性な作用剤の凝集を低下させるために、薬剤は、多くの場合、凝集を防止するために、賦形剤粒子、例えば、ラクトースとブレンドされる。賦形剤の添加は、凝集を防止するのに有効な方法であるが、その添加は、測定された吸入用量あたりの、薬学的に活性な化合物の量を減少させる。その結果、患者は、前記薬学的に活性な化合物の同じ摂取を達成するために、より多くの回数投与を受けなければならないであろう。緊急事態において、これは、非現実的である場合がある。例えば、調製物が、用量あたりに40mgの粉末の制限を伴って、50%のASA成分と50%の賦形剤とで調製された場合、患者は、切迫した梗塞の示唆的兆候の処置のために、推奨される162mgのASAを摂取するために、約8回の用量を吸入しなければならないであろう。このような状況では、乾燥粉末吸入器は、ほとんど実用的ではない場合がある。
しかしながら、本件では、発明者らは、現在、同じ活性成分(例えば、ASA)の粒子を、異なるサイズ分布を有する粒子のバッチを使用して混合することにより、架橋を減少させることができることを見出した。例えば、比較的均一な粒径を有する組成物は凝集するであろうが、約1μmから約5μmの範囲のメジアン空気力学的直径を有する一部の粒子と、約5μmから約15μmの範囲のメジアン空気力学的直径を有する他の粒子、および、約15μmより大きいメジアン空気力学的直径を有するさらに他の粒子を有するブレンドされた組成物を提供することにより、凝集が防止され、前記調製物の堆積特性が維持されるであろう。実際に、前記薬学的に活性な化合物は、医薬の保管中での凝集を防止するのに関して、賦形剤(例えば、ラクトース)の機能を代替するのに使用される。発明者らの認識では、凝集を防止する目的で、その賦形剤自体として前記薬学的活性な成分を使用することが考えられたことがなかった。
さらに、多くの他の薬剤と異なり、NSAIDsおよび特にASAは、肺胞上皮以外の経路から効果的に循環系に入り得る。特に、ASAは、口腔の粘膜層ならびに咽頭および間違いなく気道上皮からの吸収により、身体に入り得る。このため、粒径に関わらず、ASAの吸入可能な形態を提供することにより、吸入用量は、実質的に全身性循環内に吸収されることができ、血栓塞栓症のリスクを低下させるのに有効であることができる。
さらに、種々の粒径の割合を選択することにより、薬剤が最終的に堆積される位置に基づいて、より速くまたはより遅く作用する配合を提供し得る。例えば、一部の実施形態では、約1μmから約5μmのメジアン空気力学的直径を有する80%のASA粒子と、少なくとも15μmのメジアン空気力学的直径を有する約20%の粒子とを有する調製物を提供するのが望ましい場合がある。なお、他の組合せが可能であり、当業者であれば、より速く作用する調製物は、より小型の粒子を比例して有するであろうこと、一方、より遅く作用する調製物は、より大型の粒子を比例して有するであろうことが、容易に理解するであろう。したがって、例えば、本願明細書に記載された装置および方法を使用することにより、治療的に有効量のNSAID、例えば、ASAを、経口投与により達成され得る場合と少なくとも同等に急速に、気道を介して提供可能である。
より遅く作用する投与形態が望ましい場合、配合は、約5μmから約10μmの範囲、または、15μm以上のメジアン空気力学的直径を有する粒子の画分を増大させることを含み得る。これらの調製物は、気道または口腔および咽頭のいずれかにおける堆積をもたらすため、ASAおよびその代謝誘導体の循環レベルにおける、より段階的な増加を提供するであろう。
いずれの場合にも、主題となる技術は、ASAおよびその薬理学的に活性な代謝副産物(例えば、サリチル酸塩)を、経口投与により達成され得るより速くない場合、少なくとも同程度に速く全身性循環に送達し得る配合を提供する。さらに、本配合は、ASAおよびその薬理学的に活性な代謝副産物を、同量のASAの経口投与後に観察されたのと少なくとも等しいレベルで、全身性循環に送達するのに有効である。
例えば、薬物動態研究から、ASAの経口投与後に、ピーク血漿レベルが、約20分後に達成され、その後、比較的短い排出半減期(15~20分)のために急速に減衰する。比較すると、主な薬理学的に活性な代謝産物であるサリチル酸塩の血漿レベルは、ASAの投与後約45分の期間向上し、その顕著に長い排出半減期(2~3時間)のために、非常に長く向上したままである(Dressman et al.,2012,Biowaiver Monograph for Immediate-Release Solid Oral Dosage Forms:Acetylsalicylic Acid,doi 10.1002/jps.2312)。
明らかに、ASAの薬物動態学的挙動は、30~400mgの用量範囲にわたって直線性であることが見出されている。したがって、これらのデータから推定すると、ASAおよびSAのピーク循環血漿レベルはそれぞれ、約4mcg/mLおよび10mcg/mLであり、上記されたように、同じ時間的反応速度を有するであろうと予測されるであろう。
したがって、主題となる技術の一態様は、種々のサイズの粒子の混合物を有する乾燥粉末を提供する。
例えば、前記乾燥粉末は、VMGDにより測定した場合、大きなサイズの粒子(例えば、VMGD≧15μm、例えば、≧20μmまたは20~30μm)と、VMGDにより測定した場合、小さなサイズの粒子(例えば、VMGD≦5μm、例えば、1~3μm)とを、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:10、約1:15、約1:20、約1:25、約1:30、約1:40、約1:50、約1:100、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約15:1、約20:1、約25:1、約30:1、約40:1、約50:1または約100:1等の割合(w/w)で有し得る。
代替的にまたはさらに、前記乾燥粉末は、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%(重量パーセント)の、約10μm以下、好ましくは、約5μm以下のVMGDを有する粒子を有し得る。一般的には、10μm以下の粒子は、肺に達することができ、一般的には、5μm以下(例えば、1~3μm)の粒子は、肺胞に達することができる。
代替的にまたはさらに、前記乾燥粉末は、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%(重量パーセント)の、約5μmから約20μmの間、好ましくは、約5μmから約15μmの間または約5μmから約10μmの間のVMGDを有する粒子を有し得る。
代替的にまたはさらに、前記乾燥粉末は、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%(重量パーセント)の、約15μm以上、好ましくは20μm以上のVMGDを有する粒子を有し得る。
上記特徴は組み合わせられ得る。例えば、前記乾燥粉末は、約50%の約5μm(VMGD)以下の粒子と、約25%の約5から約15μm(VMGD)の粒子と、約25%の約15μm(VMGD)以上の粒子とを有し得る。
前記乾燥粉末は、種々の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する粒子の混合物も有し得る。例えば、前記乾燥粉末は、大きなサイズの粒子(例えば、MMAD≧15μm、例えば、≧20μmまたは20~30μm)と、小さなサイズの粒子(例えば、MMAD≦5μm、例えば、1~3μm)とを、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:10、約1:15、約1:20、約1:25、約1:30、約1:40、約1:50、約1:100、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約15:1、約20:1、約25:1、約30:1、約40:1、約50:1または約100:1等の割合(w/w)で有し得る。
代替的にまたはさらに、前記乾燥粉末は、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%(重量パーセント)の、約10μm以下、好ましくは、約5μm以下のMMADを有する粒子を有し得る。一般的には、10μm以下の粒子は、肺に達することができ、一般的には、5μm以下(例えば、1~3μm)の粒子は、肺胞に達することができる。
代替的にまたはさらに、前記乾燥粉末は、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%(重量パーセント)の、約5μmから約20μmの間、好ましくは、約5μmから約15μmの間または約5μmから約10μmの間のMMADを有する粒子を有し得る。
代替的にまたはさらに、前記乾燥粉末は、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%(重量パーセント)の、約15μm以上、好ましくは20μm以上のMMADを有する粒子を有し得る。
上記特徴は組み合わせられ得る。例えば、前記乾燥粉末は、約50%の約5μm(MMAD)以下の粒子と、約25%の約5から約15μm(MMAD)の粒子と、約25%の約15μm(MMAD)以上の粒子とを有し得る。
一部の実施形態では、前記乾燥粉末は、賦形剤を有さないか、または、実質的に有さない。一部の実施形態では、前記乾燥粉末は、抗凝集性(抗架橋性)の賦形剤を有さないか、または、実質的に有さない。
特定の実施形態では、前記乾燥粉末は、種々のサイズの粒子の混合物を有し、粒子の架橋現象を実質的に防止または低下させるのに有効である。特定の実施形態では、前記乾燥粉末中の少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%または少なくとも約90%のNSAID(例えば、アセチルサリチル酸)が、肺の肺胞領域に送達される。
6.乾燥粉末および乾燥粒子を調製するための方法
吸入用乾燥粒子および乾燥粉末は、任意の適切な方法を使用して調製され得る。吸入用乾燥粉末および粒子を調製するための多くの適切な方法が、当該分野において従来からあり、単独および二重の乳化溶媒蒸発法、スプレー乾燥、粉砕(例えば、ジェット粉砕)、ブレンド、溶媒抽出、溶媒蒸発、相分離、単独および複雑なコアセルベーション、界面重合、超臨界二酸化炭素(CO2)の使用を含む適切な方法ならびに他の適切な方法を含む。吸入用乾燥粒子は、当該分野において公知のマイクロスフェアまたはマイクロカプセルを調製するための方法を使用して調製され得る。これらの方法は、所望の空気力学的特性(例えば、空気力学的直径および幾何学的直径)を有する吸入用乾燥粒子の形成をもたらす条件下で使用され得る。必要に応じて、所望の特性、例えば、サイズおよび密度を有する吸入用乾燥粒子は、適切な方法、例えば、ふるい分けを使用して選択され得る。
前記吸入用乾燥粒子は、スプレー乾燥され得る。適切なスプレー乾燥技術は、例えば、K.Mastersにより「Spray Drying Handbook」,John Wiley & Sons,New York(1984)に記載されており、スプレー乾燥技術は、BUCHI Laboratory EquipmentまたはGEA Niro drying technologyにより開発された。一般的には、スプレー乾燥中に、熱い気体、例えば、加熱空気または窒素からの熱が、連続的な液体供給を噴霧化することにより形成された液滴から溶媒を蒸発させるのに使用される。必要に応じて、前記乾燥粒子を調製するのに使用されるスプレー乾燥または他の機器、例えば、ジェット粉砕機器には、吸入用乾燥粒子が製造される際にその幾何学的直径を測定する、直列方式の幾何学的粒径分析計、および/または、吸入用乾燥粒子が製造される際にその空気力学的直径を測定する、直列方式の空気力学的粒径分析計を含み得る。
スプレー乾燥について、適切な溶媒(水性溶媒、有機溶媒、水性-有機混合物またはエマルジョン)中に、製造されるべき前記乾燥粒子の成分を含む溶液、エマルジョンまたは懸濁液が、噴霧装置により乾燥容器に分布されてもよい。例えば、ノズルまたは回転噴霧器が、前記乾燥容器に、前記溶液または懸濁液を分布させるのに使用されてもよい。例えば、4または24枚の羽根車を有する回転噴霧器が使用されてもよい。回転噴霧器またはノズルのいずれかを備え得る適切なスプレー乾燥機の例としては、Mobile Minor Spray DryerまたはModel PSD-1があげられ、両方とも、Niro,Inc.(デンマーク)により製造される。実際のスプレー乾燥条件は、前記スプレー乾燥溶液または懸濁液の組成および材料の流量に応じて、ある程度変化するであろう。当業者であれば、スプレー乾燥されるべき前記溶液、エマルジョンまたは懸濁液の組成、所望の粒子特性および他の要因に基づいて、適切な条件を決定することができるであろう。一般的には、スプレー乾燥機への入り口温度は、約100℃から約300℃、および好ましくは、約220℃から約285℃である。スプレー乾燥機の出口温度は、供給温度および乾燥される材料の特性等の要因に応じて変化するであろう。一般的には、前記出口温度は、約50℃から約150℃、好ましくは約90℃から約120℃または約98℃から約108℃である。必要に応じて、製造された前記吸入用乾燥粒子は、例えば、ふるい分けを使用して、容量サイズにより画分されることができ、または、例えば、サイクロンを使用して、空気力学的サイズにより画分されることができ、および/または、当業者に公知の技術を使用して、密度に基づいてさらに分離されることができる。
主題となる技術の吸入用乾燥粒子を調製するために、一般的には、所望の成分の乾燥粉末を含む溶液、エマルジョンまたは懸濁液(すなわち、供給材料)は、適切な条件下において調製およびスプレー乾燥される。好ましくは、前記供給材料の溶解または懸濁した固形物濃度は、少なくとも約1g/L、少なくとも約2g/L、少なくとも約5g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/L、少なくとも約20g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約40g/L、少なくとも約50g/L、少なくとも約60g/L、少なくとも約70g/L、少なくとも約80g/L、少なくとも約90g/Lまたは少なくとも約100g/Lである。前記供給材料は、適切な成分(例えば、塩、賦形剤、他の活性成分)を適切な溶媒に溶解または懸濁させることにより、単独の溶液または懸濁液を調製することにより提供され得る。前記溶媒、エマルジョンまたは懸濁液は、任意の適切な方法、例えば、乾燥および/若しくは液体状の成分のバルク混合、または、液体成分の静的混合を使用して調製され、組合せを形成し得る。例えば、親水性成分(例えば、水溶液)および疎水性成分(例えば、有機溶液)は、静的ミキサーを使用して組合せられて、組合せを形成し得る。ついで、前記組合せは、液滴を製造するために噴霧され得る。前記液滴は、乾燥されて、吸入用乾燥粒子を形成する。好ましくは、前記噴霧工程は、前記成分が静的ミキサーにおいて組合せられた直後に行われる。
一例では、アセチルサリチル酸とクエン酸ナトリウムとを有する吸入用乾燥粒子が、スプレー乾燥により調製される。
前記供給材料または前記供給材料の成分は、任意の適切な溶媒、例えば、有機溶媒、水性溶媒またはその混合物を使用して調製され得る。使用され得る適切な有機溶媒は、これに限定されるものではないが、アルコール、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等を含む。他の有機溶媒は、これに限定されるものではないが、パーフルオロ炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、エーテル、酢酸エチル、メチルtert-ブチルエーテル等を含む。使用され得る共溶媒は、水性溶媒および有機溶媒を含み、例えば、これに限定されるものではないが、上記された有機溶媒を含む。水性溶媒は、水および緩衝溶液(例えば、リン酸バッファー)を含む。
前記供給材料または前記供給材料の成分は、任意の所望のpH、粘度または他の特性を有し得る。必要に応じて、pHバッファーが、前記溶媒若しくは共溶媒または形成した混合物に添加され得る。一般的には、前記混合物のpHは、約3から約8の範囲である。
吸入用粒子は、ジェット粉砕によっても製造され得る。例えば、Apex Process TechnologyまたはJetpharma SAにより開発された技術を参照のこと。ジェット粉砕は、通常、渦運動において、非常に圧縮された空気または他の気体を使用して、チャンバー中で微粒子同士を互いに衝突させる方法である。ジェットミルは、低ミクロンからサブミクロン範囲に固体の粒径を低下させることが可能である。粉砕エネルギーが、水平な粉砕エアノズルからのガス流により形成される。前記ガス流により形成された流動層中の粒子は、ミルの中心に向かって加速され、より遅く移動している粒子と衝突する。前記ガス流およびそれに運ばれる粒子は、激しい乱流を生じさせ、前記粒子が互いに衝突する際に、それらは粉砕される。
湿式研磨は、小さい粒径を達成する技術(ボトムアップ式技術、例えば、制御された結晶化若しくはナノ結晶化、または、トップダウン式技術、例えば、高せん断混合若しくは高圧均一化)と適切な単離技術(例えば、スプレー乾燥または乾燥処理を伴うろ過)とを組み合わせる方法である。例えば、Hovioneにより開発された技術を参照のこと。これらの組合せは、粒径および形態を調節して、具体的な薬剤送達の必要性に合致させるのに使用され得る。前記方法により、詰まった期間および工程内サンプリングでの、粒径分布の制御が可能となり、結晶状態(非晶質含有物をほとんど含まないかまたは含まない)が維持される。
湿式研磨技術は、複数回繰り返されて、約500ナノメートル以下の粒径を達成し得る。
本願明細書に記載された粒子は、例えば、薬学的な賦形剤、例えば、ラクトース、糖またはポリマーにより封入され得る。
上記技術は組み合わせられ得る。例えば、前記湿式研磨法を行った後、前記粒子は、(例えば、マイクロ封入の目的で)スプレー乾燥法を行われ得る。
吸入用乾燥粒子および乾燥粉末を、加工し、ついで、例えば、サイクロンによるろ過または遠心分離により分離して、予め選択されたサイズ分布を有する粒子サンプルを提供し得る。サンプル中の、例えば、約30%より多く、約40%より多く、約50%より多く、約60%より多く、約70%より多く、約80%より多く、または、約90%より多くの前記吸入用乾燥粒子が、選択範囲内の直径を有し得る。特定割合の吸入用乾燥粒子がその中に入る選択範囲は、例えば、本願明細書に記載されたサイズ範囲のいずれか、例えば、約0.1から約3μmのVMGDであり得る。
前記吸入用乾燥粒子の直径、例えば、そのVMGDは、電気ゾーンセンシング機器、例えば、Multisizer IIe(Coulter Electronic,Luton,Beds,イギリス)またはレーザ回折機器、例えば、HELOSシステム(Sympatec,Princeton,ニュージャージー州)を使用して測定され得る。粒子の幾何学的直径を測定するための他の機器は、当該分野において周知である。サンプル中の吸入用乾燥粒子の直径は、粒子組成および合成方法等の要因に応じた範囲であろう。サンプル中の吸入用乾燥粒子のサイズ分布は、呼吸系内の目的部位内での最適な堆積を可能にするように選択され得る。
経験的に、空気力学的直径は、飛行時間(TOF)測定を使用して測定され得る。例えば、Model 3225 エアロサイザーDSP粒径分析機(Amherst Process Instrument,Inc.,Amherst,マサチューセッツ州)等の機器が、空気力学的直径を測定するのに使用され得る。前記エアロサイザーは、2つの固定されたレーザビーム間を通過する、個々の吸入用乾燥粒子について取得された時間を測定する。
空気力学的直径は、経験的に、従来の重力沈下法を直接使用しても測定され得る。前記方法では、吸入用乾燥粒子のサンプルが特定距離を沈下するのに必要とされる時間が測定される。質量メジアン空気力学的直径を測定するための間接的な方法は、アンダーセン・カスケード・インパクタおよびマルチステージ液体インピンジャ(MSLI)法を含む。粒子の空気力学的直径を測定するための方法および機器は、当該分野において周知である。
タップ密度は、粒子を特徴付ける嵩質量密度の測定である。統計学的に等方性形状の粒子の嵩質量密度は、その中に囲われ得る最小球体嵩体積で割った前記粒子の質量として規定される。タップ密度を低下させるのに関与し得る特徴は、不規則な表面テクスチャおよび多孔性構造を含む。タップ密度は、当業者に公知の機器、例えば、デュアルプラットフォームマイクロプロセッサ制御のタップ密度試験機(Vankel,ノースカロライナ州)、GeoPyc(商標)機器(Micrometrics Instrument Corp.,Norcross,ジョージア州)またはSOTAXタップ密度試験機モデルTD2(SOTAX Corp.,Horsham,ペンシルバニア州)を使用することにより測定され得る。タップ密度は、USP Bulk Density and Tapped Density,United States Pharmacopia convention,Rockville,MD,10th Supplement,4950~4951,1999の方法を使用して測定され得る。
微粒子画分は、分散された粉末のエアロゾル性能を特徴付ける1つの方法として使用され得る。微粒子画分は、空気伝達の吸入用乾燥粒子のサイズ分布を説明する。カスケード・インパクタを使用する重量分析は、空気伝達の吸入用乾燥粒子のサイズ分布または微粒子画分を測定する1つの方法である。前記アンダーセン・カスケード・インパクタ(ACI)は、空気力学的サイズに基づいて、エアロゾルを9つの別々の画分に分離し得る、8-ステージインパクタである。各ステージのサイズカットオフは、ACIが操作される流量により決まる。前記ACIは、一連のノズル(すなわち、ジェットプレート)および衝突表面(すなわち、衝突ディスク)から成るマルチステージから構築される。各ステージにおいて、エアロゾル流は、前記ノズルを通過し、前記表面上に衝突する。十分大きな慣性を有するエアロゾル流中の吸入用乾燥粒子は、前記プレート上に衝突するであろう。前記プレート上に衝突するのに十分な慣性を有さない、より小型の吸入用乾燥粒子は、前記エアロゾル流中に残り、次のステージに運ばれるであろう。前記ACIの各連続的なステージは、前記ノズルにおいてより速いエアロゾル速度を有する。これにより、より小型の吸入用乾燥粒子は、各連続的なステージで回収され得る。
必要に応じて、2-ステージ崩壊ACIも、微粒子画分を測定するのに使用され得る。前記2-ステージ崩壊ACIは、前記8-ステージACIの上部2つのステージのみから成り、2つの異なる粉末画分の回収が可能である。具体的には、2-ステージ崩壊ACIは、ステージ1上で回収される粉末の画分が5.6μm未満で、3.4μmより大きい空気力学的直径を有する吸入用乾燥粒子から構成されるように校正される。このため、ステージ1を通過し、回収フィルタ上に堆積する粉末の画分は、3.4μm未満の空気力学的直径を有する吸入用乾燥粉末から構成される。このような校正における気流は、約60L/分である。
前記FPF(<5.6)は、患者の肺に入ることが可能な前記粉末の画分に相関することが説明されている。一方、前記FPF(<3.4)は、患者の肺深部に達する粉末の画分に相関することが説明されている。これらの相関は、粒子の最適化に使用され得る定量的な指標を提供する。
ACIは、放出用量に近づけるのに使用され得る。本願明細書において、前記用量は、重量回収用量および分析回収用量と呼ばれる。「重量回収用量」は、見かけ用量に対する前記ACIの全てのステージフィルタ上で秤量された粉末の比として規定される。「分析回収用量」は、前記見かけ用量に対する前記ACIの全てのステージ、全てのステージフィルタおよび吸気ポートを洗浄して回収した粉末の比として規定される。前記FPF_TD(<5.0)は、前記見かけ用量に対する前記ACI上の5.0μmを下回る堆積粉末の挿入量の比である。FPF_RD(<5.0)は、前記重量回収用量または分析回収用量のいずれかに対する、前記ACI上の5.0μmを下回る堆積粉末の挿入量の比である。
放出用量に近づける別の方法は、乾燥粉末吸入器(DPI)の作動に基づいて、その容器、例えば、捕捉またはブリスターから、粉末がどれだけ出ていくかを決定するものである。これには、カプセルを出る割合が考慮されるが、前記DPI上に堆積した任意の粉末は考慮されない。前記放出用量は、吸入器作動後の前記カプセル重量に対する吸入器作動前の前記用量を含む前記カプセル重量の比である。この測定は、カプセル放出粉末質量(CEPM)とも呼ばれ得る。
マルチステージ液体インピンジャ(MSLI)は、微粒子画分を測定するのに使用され得る別の装置である。前記マルチステージ液体インピンジャは、前記ACIと同じ原理で動作するが、8つのステージに代えて、MSLIは5つ有する。さらに、各MSLIステージは、固体プレートに代えて、エタノールで湿らせたガラスフリットから成る。前記湿らせたステージは、粒子のバウンドおよび再飛沫同伴を防止するのに使用される。粒子のバウンドおよび再飛沫同伴は、前記ACIをする場合に起こり得る。
主題となる技術は、本願明細書に記載された方法のいずれかを使用して製造された、吸入用乾燥粉末または吸入用乾燥粒子にも関する。
主題となる技術の吸入用乾燥粒子は、前記吸入用乾燥粒子が有する、前記塩または前記賦形剤の化学的安定性によっても特徴付けられ得る。構成塩の化学的安定性は、前記吸入用粒子の重要な特徴、例えば、有効期間、適切な保管条件、投与についての許容可能な環境、生物学的適合性および前記塩の有効性に影響し得る。化学的安定性は、当該分野において周知の技術を使用して評価され得る。化学的安定性を評価するのに使用され得る技術の一例は、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)である。主題となる技術の吸入用乾燥粒子は、長期間にわたって概ね安定な塩を含む。
必要に応じて、本願明細書に記載された吸入用乾燥粒子および乾燥粉末は、さらに、処理されて、安定性を向上させ得る。薬学的な乾燥粉末の重要な特徴は、それらが種々の温度および湿度の条件において安定であるかどうかである。不安定な粉末は、環境から湿気を吸収し、凝集するため、前記粉末の粒径分布が変化するであろう。
賦形剤、例えば、マルトデキストリンは、より安定な粒子および粉末を形成するのに使用され得る。前記マルトデキストリンは、非晶質の相安定剤として機能し、成分が非晶質から結晶状態に変わるのを防止し得る。あるいは、制御された方法で(例えば、高湿での集塵装置において)、前記粒子が結晶化工程を克服するのを手助けする後処理工程を使用することができ、これは、前記結晶化工程中に集塊が形成される場合に、例えば、前記粒子をサイクロンに通過させて、前記集塊を破壊することによって、得られた粉末をその分散性を回復させるためにさらに処理することを伴う。別の可能性のあるアプローチは、より結晶性であり、したがってより安定である粒子の製造をもたらす各処理条件の付近に最適化することである。別のアプローチは、種々の賦形剤または種々のレベルの現行の賦形剤を使用して、前記塩のより安定した形態を製造するのを試みることである。
本願明細書に記載された吸入用乾燥粒子および乾燥粉末は、吸入療法に適している。前記吸入用乾燥粒子は、適切な材料、表面粗さ、呼吸系の選択領域、例えば、肺深部または気道の上部若しくは中央部への局所送達のための直径およびタップ密度で製造されてもよい。例えば、より高い密度またはより大型の吸入用乾燥粒子が、気道上部送達に使用されてもよいし、または、同じまたは異なる配合で提供されたサンプル中の種々のサイズの吸入用乾燥粒子の混合物が、1回の投与で肺の種々の領域を標的にするのに投与されてもよい。
種々の吸入流量、体積における、および、種々の抵抗の吸入器からの粉末の分散に関連付けるために、吸入操作を行うのに必要とされるエネルギーが算出され得る。吸入エネルギーは、等式E=R22Vから算出され得る。式中、Eは、ジュールにおける吸入エネルギーであり、Rは、kPa1/2/LPMにおける吸入器抵抗であり、Qは、L/分における一定の流量であり、および、Vは、Lにおける吸入空気量である。
健康な成人集合では、Clarke et al.(Journal of Aerosol Med,6(2),p.99~110,1993)により測定された、ピーク吸気流量(PIFR)の値を使用することにより、0.02および0.055kPa1/2/LPMの2つの吸入器抵抗からの流量Qについて、乾燥粉末吸入器についてのFDAガイダンス文書および、各種のDPIsによる成人平均2.2Lの吸入量を見出した、Tiddens et al.の研究(Journal of Aerosol Med,19,(4),p.456~465,2006)の両方に基づいて2Lの吸入量を伴って、2.9から22ジュールの範囲の吸入エネルギーを達成可能であると予測される。
乾燥粉末粒子は、Li et al.,Chemical Engineering Science 61(2006)3091~3097に記載されたように、コーン-ジェットモードの電気流体力学的噴霧を使用しても調製され得る。例えば、ニードルを通して流れるアスピリン溶液は、電界に供されて、液滴を生成し得る。前記方法は、単分散に近い分布の液滴の痕跡を生じさせて、アスピリン粒子結晶の形成をもたらすと言われる。
7.処置方法
他の態様では、主題となる技術は、心血管疾患(例えば、血栓症)を処置(例えば、予防的処置またはリスクの低下)するための方法であって、それを必要とする対象の気道に、有効量の本願明細書に記載された吸入用乾燥粒子または乾燥粉末を投与することを有する方法である。
心血管疾患は、例えば、アテローム硬化症、冠動脈疾患(CAD)、狭心症(一般的には、「アンギーナ」として公知)、血栓症、虚血性心疾患、冠不全、末梢血管疾患、心筋梗塞、脳血管疾患(例えば、脳卒中)、一過性虚血発作、細動脈硬化症、小血管疾患、コレステロール上昇、間歇性跛行または高血圧を含む。
前記吸入用乾燥粒子および乾燥粉末は、それを必要とする対象の気道に、任意の適切な方法、例えば、咽頭注入技術および/または吸入装置、例えば、乾燥粉末吸入器(DPI)若しくは定量吸入器(MDI)を使用して投与され得る。数多くのDPIs、例えば、米国特許第4、995,385号明細書および同第4,069,819号明細書に開示された吸入器、Spinhaler(登録商標)(Fisons,Loughborough,英国)、Rotahalers(登録商標)、Diskhaler(登録商標)およびDiskus(登録商標)(GlaxoSmithKline,Research Triangle Technology Park,ノースカロライナ州)、FlowCapss(登録商標)、TwinCaps(登録商標)、XCaps(Hovione,Loures,ポルトガル)、Inhalators(登録商標)(Boehringer-Ingelheim,ドイツ)、Aerolizer(登録商標)(Novartis,スイス)ならびに当業者に公知の他のものが利用可能である。
一般的には、吸入装置(例えば、DPIs)は、単回吸入において、最大量の乾燥粉末または乾燥粒子を送達可能である。前記最大量は、ブリスター、カプセル(例えば、サイズ000,00,0E、0、1、2、3および4、1.37ml、950μ1、770μ1、680μ1、480μ1、360μ1、270μ1および200μ1の各容積を有する)の容積、または、前記吸入器内に乾燥粒子または乾燥粉末を収容する他の手段の容量に関する。したがって、所望量または有効量の送達は、2若しくはそれ以上の吸入を必要とする場合がある。好ましくは、それを必要とする対象に投与される各用量は、有効量の吸入用乾燥粒子または乾燥粉末を含み、約4回以下の吸入を使用して投与される。例えば、各用量の吸入用乾燥粒子または乾燥粉末が、1回の吸入または2、3若しくは4回の吸入で投与され得る。前記吸入用乾燥粒子および乾燥粉末は、好ましくは、呼吸活性化DPIを使用して、1回の呼吸活性化工程で投与される。この種の装置が使用される場合、対象の吸入エネルギーは、前記吸入用乾燥粒子の分散、および、気道内へのそれらの引き込みの両方をする。
前記吸入用乾燥粒子または乾燥粉末は、必要に応じて、気道内の所望の領域に、吸入により送達され得る。約1ミクロンから約3μmの空気力学的直径を有する粒子が、肺深部に送達され得ることが周知である。より大きい空気力学的直径、例えば、約3μmから約5μmは、気道の中央部および上部に送達され得る。
乾燥粉末吸入器について、口腔堆積は、慣性衝突により支配されるため、エアロゾルのストークス数により特徴付けられる(DeHaan et al.Journal of Aerosol Science,35(3),309~331,2003)。同等の吸入器形状、呼吸パターンおよび口腔形状について、前記ストークス数または前記口腔堆積は、主に、吸入粉末の空気力学的サイズにより影響を受ける。したがって、粉末の経口堆積に関与する要因は、個々の粒子のサイズ分布および前記粉末の分散性を含む。個々の粒子のMMADが大きすぎる、例えば、5μmを上回る場合、高い割合の粉末が、口腔内に堆積するであろう。同様に、粉末の分散性が乏しい場合、粒子が乾燥粉末吸入器を出ていき、集塊として口腔に入るであろうことを示す。集塊した粉末は、集塊と同じ大きさの個々の粒子と同様に空気力学的に振る舞うであろう。したがって、個々の粒子が小型(例えば、5μm以下のMMAD)であっても、吸入された粉末のサイズ分布は、5μmより大きいMMADを有し、口腔堆積の増大をもたらす場合がある。
したがって、前記粒子が小型であり(例えば、5μm以下、例えば、1から5μmの間のMMAD)、非常に分散性である(例えば、2.0、および好ましくは1.5未満の、1/4bar、または代替的に、0.5/4bar)粉末を有することが望ましい。より好ましくは、前記吸入用乾燥粉末は、1から4μmの間または1から3μmの間のMMADを有し、1.4未満または1.3未満、およびより好ましくは、1.2未満の1/4barを有する吸入用乾燥粒子を有する。
HELOSシステムを使用して1barで測定された前記粒子の絶対的な幾何学的直径は、前記粒子の嵩密度が、MMADが上記列記した範囲の1つにあるなど、十分である条件で、重要ではない。この場合、MMADは、VMGD×嵩密度の平方根である(MMAD=VMGD*平方根(嵩密度))。固定容量の投与容器を使用して、高い単位用量の塩を送達するのが望ましい場合、より高い嵩密度の粒子が望ましい。高い嵩密度は、より多くの粉末を固定容量の投与容器内に含ませることができる。好ましい嵩密度は、0.1g/ccより大きく、0.25g/ccより大きく、0.4g/ccより大きく、0.5g/ccより大きく、および、0.6g/ccより大きい。
主題となる技術の吸入用乾燥粉末および粒子は、呼吸系を介した薬剤送達に適した組成物に使用され得る。例えば、このような組成物は、主題となる技術の吸入用乾燥粒子と、1若しくはそれ以上の乾燥粒子または粉末、例えば、別の活性剤を含むか、または、1若しくはそれ以上の薬学的に許容され得る賦形剤から成る、若しくは、同賦形剤から本質的に成る、乾燥粒子または粉末とのブレンドを含み得る。
主題となる技術の方法に使用するのに適した吸入用乾燥粉末および乾燥粒子は、気道上部(すなわち、中咽頭および咽頭)を通って、気道下部に移動し得る。前記気道下部には、気管、続けて、気管支および細気管支に分岐し、終末細気管支を通って、次に、呼吸細気管支に分割され、ついで、終末呼吸ゾーン、肺胞または肺深部に達する。主題となる技術の一実施形態では、吸入用乾燥粉末または粒子の大部分が、肺深部に堆積する。主題となる技術の別の実施形態では、主に、気道中央部に送達される。別の実施形態では、気道上部に送達される。
主題となる技術の吸入用乾燥粒子または乾燥粉末は、呼吸サイクルの種々の部分(例えば、呼吸中における層流)において吸入により送達され得る。主題となる技術の乾燥粉末および乾燥粒子の高い分散性の利点は、気道における堆積を目的とする能力である。例えば、噴霧溶液の呼吸制御送達は、液体エアロゾル送達における最近の開発である(Dalby et al.in Inhalation Aerosols,edited by Hickey 2007,p.437)。この例では、噴霧された液滴は、呼吸サイクルの特定部分中でのみ放出される。肺深部送達について、液滴は、吸入サイクルの開始において放出される。気道中央部の堆積については、それらは、吸入において後に放出される。
本主題となる技術の乾燥粉末は、呼吸サイクルにおける薬剤送達のタイミングおよび人の肺における位置の標的化についても利点を提供する。主題となる技術の吸入用乾燥粉末は、急速に、例えば、わずかな典型的な吸入操作内で分散され得るため、粉末分散のタイミングは、その吸入中の特定のタイミングでエアロゾルを送達するために制御され得る。
非常に分散性の粉末により、エアロゾルの全用量が、吸入の開始部分において分散され得る。患者の吸入流量は、ピーク吸入流量にまで増大するが、非常に分散性の粉末は、増大の開始時に既に分散し始めるであろうし、前記吸入の最初の部分において用量を完全に分散させ得る。前記吸入の開始時に吸入された空気が肺中の最深部を換気するため、前記吸入の最初の部分内で大部分のエアロゾルを分散させることは、肺深部堆積に好ましい。同様に、中央部堆積について、気道中央部を換気するであろう空気中にエアロゾルを高濃度で分散させることは、前記吸入の中ほどから最後における、用量の急速な堆積により達成され得る。これは、数多くの機械的および他の手段、例えば、患者の吸入空気を、スイッチ条件が合致した後にのみ分散される粉末に加える、時間、圧力または流量により操作されるスイッチにより達成され得る。
エアロゾルの用量、配合および送達システムは、例えば、Gonda,I.「Aerosols for delivery of therapeutic and diagnostic agents to the respiratory tract,」、Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,6:273~313(1990);および、Moren,「Aerosol Dosage Forms and Formulations,」in Aerosols in Medicine,Principles,Diagnosis and Therapy,Moren,et al.,Eds.,Esevier,Amsterdam(1985)に記載されたように、特定の治療用途に選択されてもよい。
所望の治療効果を提供する投与間の適切な間隔は、症状の重症度、対象の全体的な健康状態ならびに吸入用乾燥粒子および乾燥粉末に対する対象の許容性ならびに他の考慮に基づいて決定され得る。これらおよび他の考慮に基づいて、臨床医は、投与間の適切な間隔を決定し得る。一般的には、吸入用乾燥粒子および乾燥粉末は、必要に応じて、1日に1回、2回または3回投与される。
一部の実施形態では、気道(例えば肺、呼吸気道)に送達されるNSAID量は、約0.001mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与、約0.002mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与、約0.005mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与、約0.01mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与、約0.02mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与、約0.05mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与、約0.075mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与、約0.1mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与、約0.2mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与、約0.5mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与または約0.75mg/kg 体重/投与から約2mg/kg 体重/投与である。
特定の実施形態では、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%の投与されたアセチルサリチル酸が、投与の約60分以内または投与の約40分以内または投与の約30分以内または投与の約20分以内または投与の約15分以内に、対象の全身性循環に達する。
特定の実施形態では、本願明細書に記載された方法および送達装置は、アセチルサリチル酸およびアセチルサリチル酸のその薬理学的に活性な代謝副産物を、約30mgのアセチルサリチル酸の経口投与により送達されるレベルと比較して、実質的に同じか、または、より高いレベルで、全身性循環に送達し得る。
特定の実施形態では、本願明細書に記載された方法および送達装置は、アセチルサリチル酸およびアセチルサリチル酸のその薬理学的に活性な代謝副産物を、約40mgのアセチルサリチル酸の経口投与により送達されるレベルと比較して、実質的に同じか、または、より高いレベルで、全身性循環に送達し得る。
特定の実施形態では、本願明細書に記載された方法および送達装置は、アセチルサリチル酸およびアセチルサリチル酸のその薬理学的に活性な代謝副産物を、約50mgのアセチルサリチル酸の経口投与により送達されるレベルと比較して、実質的に同じか、または、より高いレベルで、全身性循環に送達し得る。
特定の実施形態では、本願明細書に記載された方法および送達装置は、アセチルサリチル酸およびアセチルサリチル酸のその薬理学的に活性な代謝副産物を、約80mgのアセチルサリチル酸の経口投与により送達されるレベルと比較して、実質的に同じか、または、より高いレベルで、全身性循環に送達し得る。
特定の実施形態では、本願明細書に記載された方法および送達装置は、アセチルサリチル酸およびアセチルサリチル酸のその薬理学的に活性な代謝副産物を、約162mgのアセチルサリチル酸の経口投与により送達されるレベルと比較して、実質的に同じか、または、より高いレベルで、全身性循環に送達し得る。
約30mg、約40mg、約50mg、約80mgまたは約182mgのアセチルサリチル酸の経口投与により送達されるレベルと比較して、実質的に同じか、または、より高いレベル(または、患者集合における平均レベル)を達成するために投与される前記アセチルサリチル酸の用量は、従来法により決定され得る。前記用量、投与技術およびスケジュールは、当該分野において公知であり、熟練の医師の能力の範疇である。例えば、アセチルサリチル酸またはその代謝産物の対象における血清レベル(または、対象集合における平均血清レベル)は、従来の薬物動態または薬力学的研究により測定され得る。
特定の実施形態では、本願明細書に記載された方法および送達装置は、アセチルサリチル酸の循環血漿レベルが、投与の約60分以内または投与の約40分以内または投与の約30分以内または投与の約20分以内または投与の約15分以内に、少なくとも約1mcg/mL、少なくとも約2mcg/mL、少なくとも約3mcg/mL、少なくとも約4mcg/mL、少なくとも約5mcg/mLまたは少なくとも約6mcg/mLとなるように、アセチルサリチル酸を全身性循環に送達し得る。
特定の実施形態では、本願明細書に記載された方法および送達装置は、サリチル酸塩の循環血漿レベルが、投与の約60分以内または投与の約40分以内または投与の約30分以内または投与の約20分以内または投与の約15分以内に、約8mcg/mL、約9mcg/mL、約10mcg/mL、約11mcg/mL、約12mcg/mL、約15mcg/mLとなるように、アセチルサリチル酸を全身性循環に送達し得る。
必要に応じて、または、示された場合、本願明細書に記載された吸入用乾燥粒子および乾燥粉末は、1若しくはそれ以上の他の治療剤と共に投与され得る。前記他の治療剤は、任意の適切な経路、例えば、経口、非経口(例えば、静脈内、動脈内、筋肉内または皮下の注射)、局所、吸入(例えば、気管支内、鼻腔内または経口吸入、鼻腔内滴)、直腸、経膣等により投与され得る。前記吸入用乾燥粒子および乾燥粉末は、前記他の治療剤の投与前、同投与と実質的に同時、または、同投与後に投与され得る。好ましくは、前記吸入用乾燥粒子および乾燥粉末と前記他の治療剤とは、その薬理学的活性の実質的な重なりを提供するために投与される。
前述の説明は、当業者が本願明細書に記載された種々の構成を実施可能にするために提供される。主題となる技術が種々の図面および構成を参照して具体的に記載されているが、これらは例示の目的のみであり、主題となる技術の範囲を限定すると受け止められるべきではないと、理解されるべきである。
主題となる技術を実施する多くの他の方法が存在してもよい。本願明細書に記載された種々の機能および構成要素は、主題となる技術の範囲から逸脱することなく示されたものとは別に区切られてもよい。これらの構成に対する種々の修飾は、当業者に容易に明らかであろう。本願明細書に規定された全体的な原理は、他の構成に適用されてもよい。このため、多くの変更および修飾が、主題となる技術の範囲から逸脱することなく、当業者により主題となる技術になされ得る。
開示された方法における工程の具体的な順序または階層は、典型的なアプローチの例証であることが理解される。設計選択に基づいて、前記方法における工程の具体的な順序または階層が再編成され得る。一部の工程は、同時に行われる場合がある。付随的な方法クレームは、サンプル順序における種々の工程の構成要素を提供し、提供された具体的な順序または階層に限定されることを意味しない。
本願明細書で使用する場合、いずれかの項目を分離する「および」または「または」の用語を伴う一連の項目に続く「少なくとも1つ」は、列記の各メンバー(すなわち、各項目)ではなく、列記全体として修飾する。前記「少なくとも1つ」の表現は、列記された各項目の少なくとも1つの選択を必要とせず、むしろ、前記表現は、前記項目のいずれか1つの少なくとも1つ、および/または、前記項目のいずれかの組合せの少なくとも1つ、および/または、前記項目のそれぞれの少なくとも1つを含むことを意味し得る。例として、「A、BおよびCの少なくとも1つ」または「A、BまたはCの少なくとも1つ」の表現はそれぞれ、Aのみ、Bのみ若しくはCのみ;A、BおよびCの任意の組合せ;ならびに/または、A、BおよびCのそれぞれの少なくとも1つを意味する。
さらに、「含む(include)」、「有する(have)」等の用語が発明を実施するための形態または特許請求の範囲に使用されている限り、このような用語は、「有する(comprise)」が特許請求の範囲において転換語として使用される際に解釈される場合の「有する(comprise)」の用語と類似する方法で包含的であることを意図する。
本願明細書において、「典型的な」の語は、「例示、事例または説明」として機能すること」を意味するのに使用される。本願明細書において「典型的な」と記載された実施形態は、他の実施形態を超えて好ましいまたは有益であると、必ずしも解釈されない。
単数形の構成要素への言及は、特に断らない限り、「1つおよび1つのみ」を意味することを意図せず、むしろ、「1若しくはそれ以上」である。男性の代名詞(例えば、彼)は、女性および中性の性別(例えば、彼女およびそれ)を含み、ならびにその逆も同様である。「いくつか(some)」の用語は、1若しくはそれ以上を意味する。下線および/またはイタリックの見出しおよび小見出しは、便宜上においてのみ使用され、主題となる技術を限定せず、主題となる技術の説明の解釈に関連して言及されるものではない。当業者に公知であるか、または、後に公知になる、この開示全体を通して記載された種々の構成の構成要素に対する構造的および機能的な全ての均等物は、参照により本願明細書に明確に組み込まれ、主題となる技術に包含されることを意図する。さらに、このような開示が上記発明を実施するための形態に明確に列挙されているかどうかに関わらず、本願明細書に開示されたものは、公衆に捧げられることを意図しない。
主題となる技術がその発明の詳細な説明に関連して説明されているが、前述の説明は、例示を意図しており、主題となる技術の範囲を限定しないことを意図すると理解されたい。主題となる技術の他の態様、利点および修飾は、以下に説明される特許請求の範囲の範囲内である。明細書は、明細書内に引用された参考文献の教示を考慮して、最も完全に理解される。明細書内の実施形態は、本発明の実施形態の例証を提供し、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきでない。多くの他の実施形態が本発明に包含されることを、当業者であれば容易に認識する。この開示において引用された全ての刊行物および特許は、その全体が参照により組み込まれる。参照により組み込まれた資料がこの明細書を否定するか、または、この明細書と矛盾する限りにおいて、明細書がいずれかのこのような資料に優先するであろう。本願明細書における任意の参考文献の引用は、このような参考文献が本発明に対して先行技術であることを認めるものではない。
当業者であれば、通常の実験のみを使用して、本願明細書に記載された発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または、同均等物を確かめ得るであろう。このような均等物は、下記実施形態により包含されることを意図する。

Claims (23)

  1. アセチルサリチル酸またはその薬学的に許容され得る塩を有する吸入用乾燥粒子を有する吸入用乾燥粉末であって、
    前記乾燥粉末は、(i)約5μm以下の体積メジアン幾何学的直径(VMGD)を有する乾燥粒子と、(ii)約15μm以上の体積メジアン幾何学的直径(VMGD)を有する乾燥粒子との混合物を有する、吸入用乾燥粉末。
  2. 請求項1記載の吸入用乾燥粉末において、少なくとも50%の前記乾燥粒子は、約5μm以下の体積メジアン幾何学的直径(VMGD)を有する、吸入用乾燥粉末。
  3. 請求項1または2記載の吸入用乾燥粉末において、少なくとも70%の前記乾燥粒子は、約5μm以下の体積メジアン幾何学的直径(VMGD)を有する、吸入用乾燥粉末。
  4. アセチルサリチル酸またはその薬学的に許容され得る塩を有する吸入用乾燥粒子を有する吸入用乾燥粉末であって、
    前記乾燥粉末は、(i)約5μm以下の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する乾燥粒子と、(ii)約15μm以上の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する乾燥粒子との混合物を有する、吸入用乾燥粉末。
  5. 請求項1記載の吸入用乾燥粉末において、少なくとも50%の前記乾燥粒子は、約5μm以下の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する、吸入用乾燥粉末。
  6. 請求項1または2記載の吸入用乾燥粉末において、少なくとも70%の前記乾燥粒子は、約5μm以下の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する、吸入用乾燥粉末。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の吸入用乾燥粉末において、前記乾燥粉末は、賦形剤を有さない、吸入用乾燥粉末。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の吸入用乾燥粉末において、前記乾燥粉末は、ナノ粒子の凝集体を有し、前記ナノ粒子の平均径は、約5nmから約500nmである、吸入用乾燥粉末。
  9. 請求項8記載の吸入用乾燥粉末において、前記ナノ粒子は、約1μmから約25μmの体積メジアン幾何学的直径(VMGD)を有する中空の凝集体を形成する、吸入用乾燥粉末。
  10. 血栓症を治療するための薬剤送達システムであって、前記システムは、請求項1~9のいずれか一項に記載の吸入用乾燥粉末を有し、アセチルサリチル酸は、約40mg以下の用量で存在する、薬剤送達システム。
  11. 請求項10記載の薬剤送達システムにおいて、アセチルサリチル酸は、約40mg以下の用量で存在する、薬剤送達システム。
  12. 血栓症を治療し、または血栓塞栓症のリスクを低下させる方法であって、
    それを必要とする対象に、治療的に有効量のアセチルサリチル酸を投与する工程を有し、前記アセチルサリチル酸は、請求項1~9のいずれか一項に記載の吸入用乾燥粉末を有する乾燥粉末吸入器によって送達され、前記対象に投与されるアセチルサリチル酸の用量は、約40mg以下である、方法。
  13. 請求項12記載の方法において、アセチルサリチル酸は、約40mg以下の用量で存在する、方法。
  14. アセチルサリチル酸またはその薬学的に許容され得る塩を有する吸入用乾燥粒子を有する吸入用乾燥粉末であって、
    前記吸入用乾燥粒子は、約10μm以下の体積メジアン幾何学的直径(VMGD)を有する、吸入用乾燥粉末。
  15. 請求項14記載の吸入用乾燥粉末において、前記吸入用乾燥粒子は、約5.0μm以下の体積メジアン幾何学的直径(VMGD)を有する、吸入用乾燥粉末。
  16. アセチルサリチル酸またはその薬学的に許容され得る塩を有する吸入用乾燥粒子を有する吸入用乾燥粉末であって、
    前記吸入用乾燥粒子は、約10μm以下の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する、吸入用乾燥粉末。
  17. 請求項16記載の吸入用乾燥粉末において、前記吸入用乾燥粒子は、約5.0μm以下の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する、吸入用乾燥粉末。
  18. 薬学的に許容され得る賦形剤によって実質的に封入されている、アセチルサリチル酸またはその薬学的に許容され得る塩を有する吸入用乾燥粒子を有する吸入用乾燥粉末であって、
    前記吸入用乾燥粒子は、約10μm以下の体積メジアン幾何学的直径(VMGD)を有する、吸入用乾燥粉末。
  19. 薬学的に許容され得る賦形剤によって実質的に封入されている、アセチルサリチル酸またはその薬学的に許容され得る塩を有する吸入用乾燥粒子を有する吸入用乾燥粉末であって、
    前記吸入用乾燥粒子は、約10μm以下の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を有する、吸入用乾燥粉末。
  20. 請求項18または19記載の吸入用乾燥粉末において、約25%から約50%(重量パーセント)の前記乾燥粉末は、アセチルサリチル酸である、吸入用乾燥粉末。
  21. 請求項18~20のいずれか一項に記載の吸入用乾燥粉末において、前記賦形剤は、クエン酸ナトリウムまたはラクトースである、吸入用乾燥粉末。
  22. 血栓症を治療するための薬剤送達システムであって、
    前記システムは、請求項14~21のいずれか一項に記載の吸入用乾燥粉末を有し、アセチルサリチル酸は、約40mg以下の用量で存在する、薬剤送達システム。
  23. 血栓症を治療する方法であって、
    それを必要とする対象に、治療的に有効量のアセチルサリチル酸を投与する工程を有し、前記アセチルサリチル酸は、請求項14~21のいずれか一項に記載の吸入用乾燥粉末を有する乾燥粉末吸入器によって送達され、前記対象に投与されるアセチルサリチル酸の用量は、約40mg以下である、方法。
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