JP2023086313A - 摺動部材およびその製造方法 - Google Patents

摺動部材およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023086313A
JP2023086313A JP2021200740A JP2021200740A JP2023086313A JP 2023086313 A JP2023086313 A JP 2023086313A JP 2021200740 A JP2021200740 A JP 2021200740A JP 2021200740 A JP2021200740 A JP 2021200740A JP 2023086313 A JP2023086313 A JP 2023086313A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding
recesses
resin layer
sliding member
flat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021200740A
Other languages
English (en)
Inventor
久雄 近藤
Hisao Kondo
拓磨 伊藤
Takuma Ito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2021200740A priority Critical patent/JP2023086313A/ja
Publication of JP2023086313A publication Critical patent/JP2023086313A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】耐摩耗性および摺動性に優れ、高い強度を有する摺動部材およびその製造方法を提供する。【解決手段】本開示の摺動部材は、平坦部および複数の第1凹部を表面に有するセラミック基体と、前記表面を被覆しセラミック基体との対向面の反対側が摺動面である樹脂層とを有し、摺動面は、複数の第1凹部上のそれぞれに位置する部位に第2凹部を有し、平坦部上に位置する部位は平坦である。【選択図】図2

Description

本開示は、バルブ等の摺動部材およびその製造方法に関する。
従来から、各種機械部品の摺動部における摩耗損失を低減させるために種々の摺動部材が使用されている。
例えば、特許文献1には、セラミック材の摺動面に、固体潤滑材としての金属化合物の粉末粒子がポリマーに分散した複合材被膜を設けたセラミックス系摺動部材が記載されている。
特許文献2には、下地面に形成された微視的な凹凸を埋めるように、該下地面にふっ素系樹脂をコーティングして形成された摺接面を有するセラミックバルブが記載されている。
特許文献3には、開放気孔を有する多孔質体に潤滑材を充填した、多孔質複合体からなる弁体を備えたバルブが記載されている。
特開平7-179873号公報 特開平9-269073号公報 特開昭63-38772号公報
特許文献1で記載された摺動部材では、固体潤滑剤は膜の消耗とともに微細粒に粉砕されることにより摺動性能を向上させるものであるため、摺動性能の発現は膜の消耗を前提とする。そのため、耐摩耗性と摺動性とをともに向上させる(摩耗量と摩擦係数をともに小さくする)ことが困難である。また、固体潤滑剤が粉砕されずに脱粒すると膜剥がれの起点となる。
特許文献2で記載されたセラミックバルブでは、摺動面に潤滑剤等を保持する空間はないので、摺動性を向上させることは難しい。
特許文献3で記載された内部に連通する開放気孔を有する多孔質基体は、緻密な基体と比べると強度、剛性が低く、破損や変形しやすい。
本開示の課題は、耐摩耗性および摺動性に優れ、高い強度を有する摺動部材およびその製造方法を提供することである。
本開示の摺動部材は、平坦部および複数の第1凹部を表面に有するセラミック基体と、前記表面を被覆しセラミック基体との対向面の反対側が摺動面である樹脂層とを有し、摺動面は、複数の第1凹部上のそれぞれに位置する部位に第2凹部を有し、平坦部上に位置する部位は平坦である。
本開示の摺動部材の製造方法は、セラミック基体の表面に複数の第1凹部を形成する工程と、複数の第1凹部を残すように前記表面を研磨加工して平坦部を形成する工程と、平坦部と複数の第1凹部とを樹脂層で被覆して樹脂層の上記セラミック基体とは反対側の表面の複数の第1凹部上のそれぞれに位置する部位に第2凹部を形成する工程と、を具備する。
本開示の摺動部材は、相手側の摺動面と第2凹部との間の空間に、水等の流体(流体を使用しない装置では潤滑剤)を保持して摺動性(摩擦係数)向上させることができる。また、樹脂層は、第2凹部が第1凹部上にあり、他は平坦であるため、全体として樹脂層の厚みを確保して膜強度を維持することができるため、耐摩耗性も向上できる。さらに、樹脂層中に固体潤滑剤を添加する必要がなく、樹脂層の耐摩耗性を向上させることができる。
本開示の一実施形態に係る摺動部材を示す概略断面図である。 本開示の他の実施形態に係る摺動部材を示す概略断面図である。
以下、本開示の実施形態に係る摺動部材を図面に基づいて説明する。図1および図2はいずれも本開示の実施形態に係る摺動部材1、10の断面を模式的に示している。
図1に示す摺動部材1は、セラミックスの緻密体であるセラミック基体2と、このセラミック基体2の表面21を被覆した樹脂層3とを有する。樹脂層3において、セラミック基体2との対向面の反対側が摺動面31である
セラミック基体2の表面21は、平坦部21aと複数の第1凹部21bとを有する。第1凹部21bは、例えば、表面21を機械的に比較的荒く研磨することによって形成することができる。摺動面31は、第1凹部21b上に位置する部位に第2凹部31bを有し、平坦部21a上に位置する部位は平坦面31aとなっている。
ここで、セラミック基体2の表面21が平坦部21aと複数の第1凹部21bとを有するとは、後述する面粗さパラメータにおいて、突出山部高さSpkが突出谷部深さSvkよりも小さいことをいい、Spk、Svkの測定ができない、または難しい場合は、最大山高さSpが最大谷深さSvよりも小さいことをいう。このとき、表面2の平均面よりも高い部分を平坦部21a、低い部分を第1凹部21bとする。よって、平坦部21aは、凸部21cを包含する。第1凹部21bは、成形時の金型形状や成型後の切削加工で形成するような、断面曲線で表される比較的大きい凹部ではなく、砥粒による加工などで形成するような、粗さ曲線で表される比較的小さい凹部であることが好ましい。第1凹部21bが粗さ曲線で表される場合、第1凹部21bの深さは粗さ曲線の谷深さ(例えば、最大谷深さSv)に相当する。
また、平坦部21a上に位置する部位が平坦であるとは、平坦部21a上に位置する部位(第2凹部31bを除いた部位)の最大山高さSpが、第1凹部21b上に位置する部位の最大谷深さSvよりも小さい、ことをいう。
図2に示す摺動部材10は、セラミックスの多孔質体であるセラミック基体12と、このセラミック基体12の表面121を被覆した樹脂層13とを有する。樹脂層13において、セラミック基体12との対向面の反対側が摺動面131である。
セラミック基体12の表面121は、平坦部121aと第1凹部121bとを有する。第1凹部121bは、多孔質体であるセラミック基体12の表面121に形成された開気孔である。摺動面131は、第1凹部121b上に位置する部位に第2凹部131bを有し、平坦部121a上に位置する部位は平坦面131aとなっている。
ここで、セラミック基体12の表面121が平坦部121aと複数の第1凹部121bとを有することの定義、および平坦部121a上に位置する部位は平坦であることの定義は、図1に示したのと同様である。よって、平坦部121aは、凸部121cを包含する。
また、第1凹部21b、121bは、有底で連通孔を有していないものをいう。
なお、セラミック基体12の表面121は、上記のような、上方の摺動面131に第2凹部が位置している第1凹部121b以外に、上方の摺動面131に第2凹部が位置していない他の凹部を有していてもよい。
上記のように、樹脂層3、13は、それぞれ第2凹部31b、131bを有しているので、摺動時には、相手側の摺動面と第2凹部31b、131bとの間に空間が形成される。例えばバルブに使用される摺動部材1、10の場合、この空間に、バルブを流れる水等の流体を保持して摺動性(摩擦係数)を向上させることができる。流体を使用しない摺動装置では、潤滑剤が上記空間に保持される。
また、樹脂層3、13は、第2凹部31b、131bが第1凹部21b、121b上にあり、他は平坦部31a、131aであるため、全体として樹脂層3、13の厚みを確保することができるので、膜強度を維持することができ、耐摩耗性も向上する。
次に、面粗さ測定のパラメータを用いて、本実施形態の摺動部材1、10を詳細に説明する。なお、以下の表面粗さパラメータは、ISO25178の定義による。また、表面粗さパラメータうち、最大山高さSp、最大谷深さSvは、図1、2に示した。最大山高さSp、最大谷深さSvの数値は、いずれも5点以上測定した平均値とする。
セラミック基体2、12の表面21、121は、最大山高さSpが2μm以上または突出山部高さSpkが0.2μm以上であるのがよい。最大山高さSpとは、凸部21c、121cの高さの最大値をいう。突出山部高さSpkとは、コア部(突出した山と谷を除いた中間部分)の上にある突出山部の平均高さをいう。SpおよびSpkは、セラミック基体2、12の平坦部21a、121aおよび第1凹部21b、121bを含めた表面全体での測定値をいう。
このように、粗さ(Sp、Spk)があることにより、セラミック基体2、12への樹脂層3、13の密着力が高くなる。
表面21、121は、最大谷深さSvが最大山高さSpの2倍以上または突出谷部深さSvkが突出山部高さSpkの4倍以上であるのがよい。すなわち、2Sp≦Sv、および4Spk≦Svkである。このように、平坦部21a、121aの山(凸部21c、121c)に対し、第1凹部21b、121bの谷が深いと、樹脂層3、13の表面に流体を保持する空間が形成されやすいので摺動特性が良好になる。また、粗さ(Sv、Svk)がある程度ある方がアンカー効果により樹脂の密着力が高くなる。
図2に示すような多孔質のセラミック基体12の場合、5Sp≦Sv、10Spk≦Svkであるのが好ましい。
樹脂層3、13は、平坦部21a、121aにおける厚みtpが、セラミック基体2、12の表面21、121のコア部のレベル差Skと該表面21、121の突出山部高さSpkとの和以上であるのがよい。すなわち、Sk+Spk≦tpである。これにより、平坦部21a、121aの凹凸を十分に被覆して摺動特性を高めることができる。好ましくはSp≦tpである。上記コア部のレベル差Skとは、コア部の上限レベルと下限レベルの差をいう。
樹脂層3、13は、第2凹部31b、131bにおける厚みtvが、セラミック基体2、12の表面21、121の最大谷深さSvの3倍以下であるのがよい。すなわち、tv≦3Svである。これにより、樹脂層3、13の表面に充分な空間を確保できるので、摺動特性が向上する。図2に示すような多孔質のセラミック基体12の場合、tv≦2Svであるのが好ましい。
また、第2凹部31b、131bにおける厚みtvは、樹脂層3、13の平坦部31a、131aにおける厚みtp以上であるのがよい。すなわち、tp≦tvである。これにより、セラミック基体2、12の表面21、121の深い谷部も十分に樹脂層3、13で被覆することができる。好ましくはtp-Spk≦tv-Svkであるのがよい。
樹脂層3、13の第2凹部31b、131bにおける厚みtvは、セラミック基体2、12の表面21、121の最大谷深さSv以上であるのがよい。すなわち、Sv≦tvである。第2凹部31b、131bの底がセラミック基体2、12の第1凹部21b、121bと平坦部21a、121aの接続部Aよりも高いので、接続部A付近の樹脂に応力が集中するのを抑制して、樹脂層3、13が剥離するのを低減することができる。
上記の各表面粗さパラメータは、例えば、非接触式のレーザー顕微鏡で測定することができる。具体的には、各表面粗さパラメータは、例えば、キーエンス社製のレーザーマイクロスコープVK-X1100を用いて、測定モードをカラー超深度、測定倍率を1200倍(対物50倍、接眼24倍)、測定範囲を約60μm×80μmとして、測定ピッチ、カットオフフィルタλs、カットオフフィルタλcを測定領域の表面形状に合わせて適宜設定して、複数箇所(5点以上)測定し、平均値を測定値とすればよい。
また、第2凹部31b、131bにおける厚みtvは、(平坦部31a、131aにおける樹脂層3、13の厚みtp)+(セラミック基体2、12のSv)-(樹脂層3、13のSv)から求められる。厚みtvは、特に限定されるものではないが、5μm以上、100μm以下であるのがよい。
平坦部31a、131aにおける樹脂層3、13の厚みtpは、セラミック基体2、12の表面21、121の平均面と樹脂層3、13の表面の平均面との距離で表され、平坦部21aと31a、121aと131aにおける樹脂厚みの平均値に相当する。厚みtpは、特に限定されるものではないが、1μm以上、20μm以下であるのがよい。厚みtpは光学顕微鏡などによる断面観察のほか、超音波や赤外光などを用いた測定など、公知の方法で測定できる。
次に、本開示に係る摺動部材の製造方法を説明する。この製造方法は、以下の第1~第3工程を含んでいる。
(第1工程)
セラミック基体2、12の表面21、121に複数の第1凹部21b、121bを形成する。セラミック基体2、12としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等が使用可能である。これらのセラミックスは、硬度が高く、耐腐食性、耐熱性にも優れる
セラミック基体2、12の製造に際しては、まず、セラミックス原料を用意する。セラミックス原料とは主原料に焼結助剤およびバインダーを添加したものである。例えば、主原料がアルミナ粉末である時には、焼結助剤としてMgO、SiO、CaOなどのうち少なくとも一種を、ジルコニア粉末に対しては安定化剤として、Y、MgO、CaO、CeOなどのうち少なくとも一種を、炭化珪素粉末に対してはC、B、BC、Al、Yなどのうち少なくとも一種を、さらに窒化珪素粉末に対しては、周期律表2A、3A族元素の酸化物や窒化物などのうち少なくとも一種をそれぞれ焼結助剤として添加する。
図1に示すセラミック基体2は、緻密質のセラミックスで構成されている。このような緻密質のセラミックスについては、上記のセラミック原料を金型に充填してメカプレスあるいはラバープレスなど公知の成形手段により所定形状に成形したあと、各セラミック原料を焼結させる通常の焼成温度で焼成して緻密質のセラミックスを形成する。具体的には、アルミナに対しては1600~1750℃で、ジルコニアに対しては1100~1400℃で、炭化珪素に対しては1800~2000℃で、窒化珪素に対しては1800~1900℃の温度でそれぞれ焼成するのがよい。焼成して得られた表面21に、ダイヤモンドなどの砥粒を用いたラッピング加工等の粗面化加工を施して2μmから30μm程度の深さの第1凹部21bを形成するとよい。この加工で形成される比較的大きな凸部は後述の研磨加工で除去される。
一方、図2に示すセラミック基体12は、多孔質のセラミックスで構成されている。このような多孔質のセラミックスを得るには、上記セラミックス原料100質量部に対し1~7質量部の範囲で焼失材を添加混合する。
焼失材とは焼成時に燃えてなくなる材質のことであり、粉末ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、酢酸ビニル、アクリル樹脂、セルロ-ス、炭化カルシウム、炭化マグネシウムなどが好適に用いることができる。なお、これらの材質以外にも同じ様な作用をなす材料であれば使用することができる。焼失材の形状は金型への充填性を高めるために球状のものがよく、好ましくは外径が4~150μm程度のものが好ましい。
これにより、第1凹部121bとなる適度な開気孔を有し、かつ成形性に優れた多孔質のセラミックスを得ることができる。
上記焼失材を添加したセラミック原料を金型に充填して、上記と同様にメカプレスあるいはラバープレスにより成形体を成形したあと、緻密質のセラミックスと同様に焼成することにより、平均気孔径14~36μm、平均気孔率0.2~3.4%の多孔質セラミックスからなるセラミック基体12を形成することができる。具体的には、アルミナに対しては1600~1750℃で、ジルコニアに対しては1100~1400℃で、炭化珪素に対しては1800~2000℃で、窒化珪素に対しては1800~1900℃でそれぞれ焼成するのがよい。
(第2工程)
得られたセラミック基体2、12について、第1凹部21b、121bを残すように表面21、121を研磨加工して平坦部21a、121aを形成する。研磨加工は、ダイヤモンドなどの砥粒を用いたラッピング加工で行うのがよい。研磨加工の砥粒は、第1工程での粗面化加工の砥粒よりも粒径が小さいものを使用するとよい。
(第3工程)
上記平坦部21a、121aと第1凹部21b、121bとを樹脂層3、13で被覆して、樹脂層3、13のセラミック基体2、12とは反対側の表面の第1凹部21b、121b上に位置する部位に第2凹部31b、131bを形成する。
樹脂層3、13を形成する樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)等が挙げられる。特にPTFEは摺動性、耐摩耗性に優れているので好ましい。
樹脂層3、13は、液状またはペースト状の樹脂またはその前駆体をセラミック基体2、12の表面21、121上に塗布し加熱するなどして形成することができる。塗布時または焼成時に樹脂が第1凹部21b、121bに流れ込むので、第2凹部31b、131bにおける厚みtvは、樹脂層3、13の平坦部31a、131aにおける厚みtp以上になる。すなわち、tp≦tvである。
また、化学気相成長(CVD)法、物理気相成長(PVD)法等によって樹脂層3、13を形成してもよい。この場合、上記厚みtvとtpはほぼ等しくなる。
本開示の摺動部材1、10は、摺動性(摩擦係数)および耐摩耗性が向上しているので、例えば、流量調整バルブ(湯水混合栓、ガス混合器、車載用のクーラント流調バルブ等)、メカニカルシール、すべり軸受等の摺動面を有する部材に使用するのに好適である。
また、バルブを流れる流体は、例えば水、水溶液、有機溶剤、不凍液、冷媒等の液体であるのがよい。
平坦部と複数の第1凹部とを有するアルミナ基体の表面に、PTFEを含有する塗布液を塗布し、焼成してPTFE樹脂層を作製した。アルミナ基体としては、緻密質なアルミナ基体と、多孔質なアルミナ基体とを用いた。得られたPTFE樹脂層の表面(すなわち、セラミック基体との対向面の反対側の摺動面)には第2凹部が形成されていた。
得られたアルミナ基体の表面およびPTFE樹脂層の表面の各表面粗さパラメータおよびPTFE樹脂層の厚みtp、tvをそれぞれ測定した。その結果を表1および表2に示す。なお、数値はいずれも5点以上測定した平均値である。
Figure 2023086313000002
Figure 2023086313000003
また、緻密質のアルミナ基体の表面を、ラッピング加工等による粗面化(第1凹部形成)加工を実施せずに、研磨加工のみを実施することで、第1凹部のないアルミナ基体を用意した。そして、このアルミナ基体の表面に、上記と同様、PTFE樹脂層を作製することで、第2凹部のない比較例としての摺動部材を作製した。得られた比較例の基体表面のSpは2μm、Svは2μmであり、樹脂表面のSvは0.3μmであった。
得られた摺動部材の摺動面(PTFE樹脂層の表面)を同様に作製した同材質の摺動面と摺接させ、両摺動面間に流体として水を供給して摺動させた。具体的には、2つの摺動部材の一方(12mmφ)を固定し、他方(30mm□)を、荷重が4N、周波数が1Hz、ストロークが1mm、試験時間が12時間の条件で摺動させた。
その結果、比較例の摺動部材の摩擦係数を1としたときに、本発明の摺動部材の摩擦係数は、いずれも0.8以下であった。また、比較例の摺動部材の摩耗量を1としたときに、本発明の摺動部材の摩耗量は、いずれも0.8以下であった。
以上の結果より、比較例と比べて、本発明の摺動部材は、いずれも、摩擦係数、摩耗量が改善することを確認した。また、流体としてエチレングリコール系の冷媒を使用した場合も同様の結果が得られた。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々の変更や改善が可能である。
1、10 摺動部材
2、12 セラミック基体
21、121 表面
21a、121a 平坦部
21b、121b 第1凹部
21c、121c 凸部
3、13 樹脂層
31、131 摺動面
31a、131a 平坦部
31b、131b 第2凹部

Claims (10)

  1. 平坦部および複数の第1凹部を表面に有するセラミック基体と、
    前記表面を被覆し、前記セラミック基体との対向面の反対側が摺動面である樹脂層とを有し、
    前記摺動面は、前記複数の第1凹部上のそれぞれに位置する部位に第2凹部を有し、前記平坦部上に位置する部位は平坦である、摺動部材。
  2. 前記表面は、最大山高さSpが2μm以上または突出山部高さSpkが0.2μm以上である、請求項1に記載の摺動部材。
  3. 前記表面は、最大谷深さSvが最大山高さSpの2倍以上または突出谷部深さSvkが突出山部高さSpkの4倍以上である、請求項1または2に記載の摺動部材。
  4. 前記樹脂層は、前記平坦部における厚みtpが、前記表面のコア部のレベル差Skと前記表面の突出山部高さSpkとの和以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載の摺動部材。
  5. 前記樹脂層は、前記第2凹部における厚みtvが、前記表面の最大谷深さSvの3倍以下である、請求項1乃至4のいずれかに記載の摺動部材。
  6. 前記樹脂層は、前記第2凹部における厚みtvが、前記樹脂層の前記平坦部における厚みtp以上である、請求項1乃至5のいずれかに記載の摺動部材。
  7. 前記樹脂層は、前記第2凹部における厚みtvが、前記表面の最大谷深さSv以上である、請求項1乃至6のいずれかに記載の摺動部材。
  8. セラミック基体の表面に複数の第1凹部を形成する工程と、
    前記複数の第1凹部を残すように前記表面を研磨加工して平坦部を形成する工程と、
    前記平坦部と前記複数の第1凹部とを樹脂層で被覆して、前記樹脂層の前記セラミック基体とは反対側の表面の前記複数の第1凹部上のそれぞれに位置する部位に第2凹部を形成する工程と、を具備する摺動部材の製造方法。
  9. 請求項1~7のいずれかに記載の摺動部材を用いた摺動装置。
  10. 請求項1~7のいずれかに記載の摺動部材同士を摺動させる、請求項9に記載の摺動装置。


JP2021200740A 2021-12-10 2021-12-10 摺動部材およびその製造方法 Pending JP2023086313A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021200740A JP2023086313A (ja) 2021-12-10 2021-12-10 摺動部材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021200740A JP2023086313A (ja) 2021-12-10 2021-12-10 摺動部材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023086313A true JP2023086313A (ja) 2023-06-22

Family

ID=86850544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021200740A Pending JP2023086313A (ja) 2021-12-10 2021-12-10 摺動部材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023086313A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104918751A (zh) 具有精确成形特征部的研磨元件前体及其制造方法
KR101563130B1 (ko) 플라즈마 내식각성이 향상된 공정부품 및 공정부품의 플라즈마 내식각성 강화 처리 방법
JP5070910B2 (ja) セラミックス基複合部材およびセラミックス基複合部材の製造方法
TW201504195A (zh) 複合耐火物及複合耐火物的製造方法
JP2008127614A (ja) 溶射皮膜構造体、及び、入れ子
JP5348750B2 (ja) 焼結体の製造方法および焼結体
KR20150097384A (ko) 반도체용 복합 기판의 핸들 기판
JP4908263B2 (ja) 真空吸着装置およびその製造方法
JP2014233883A (ja) セラミック部材およびその製造方法
JP2023086313A (ja) 摺動部材およびその製造方法
JP2023139017A (ja) 焼成用セッター
JP4713981B2 (ja) セラミック電子部品焼成用容器
JP6409152B1 (ja) 多孔質セラミック粒子および多孔質セラミック構造体
TWI763965B (zh) 燒成用承燒板
JP2010006642A (ja) 摺動部材、弁体およびフォーセットバルブ
JP4185534B2 (ja) エンジン
KR20200021022A (ko) 표면경도 및 내마모성이 향상된 코팅층을 갖는 주방용품
JP7182017B2 (ja) 接液部材、その製造方法、分析装置用部材、分析装置、摺動部材および摺動装置
JP5530275B2 (ja) 真空吸着装置及びその製造方法
US20190152862A1 (en) Porous ceramic particle and porous ceramic structure
JP2008195593A (ja) 硫化亜鉛の焼結体および硫化亜鉛の焼結体の製造方法
JP2007222865A (ja) セラミックフィルター
JP6751313B2 (ja) 多孔質セラミック積層体およびその作製方法
WO2012035985A1 (ja) 成形型
JPH07332361A (ja) 摺動装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240417