JP2023084830A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つのインバータの周波数差分の変化により生じる干渉音の不快感を低減させるとともに、効率の低下を抑制した誘導加熱調理器を提供する。【解決手段】誘導加熱調理器は、第1の加熱コイルと、第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータと、第2の加熱コイルと、第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータと、を備え、第1のインバータと第2のインバータとは、第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルのそれぞれに動作開始要求がされている場合において、第1のインバータ又は第2のインバータが負荷判定シーケンスを行うときには、第1のインバータ及び第2のインバータのそれぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、第1のインバータと第2のインバータとが交互に単独でオン状態となるように時分割駆動を行う。【選択図】図2
Description
本開示は、複数のインバータを備えた誘導加熱調理器に関する。
誘導加熱調理器において、複数の加熱コイルを備え、各加熱コイルに対してインバータを設けたものがある(例えば、特許文献1)。特許文献1には、互いに隣接した複数の加熱コイルへの電力配分を決定するために、インバータを駆動して負荷の状態を検知する負荷検知処理が行われる。特許文献1では、負荷の状態として、加熱コイルの上方における被加熱物(例えば、鍋)の有無の判別、及び、被加熱物の大きさの判別が行われる。特許文献1では、負荷の状態を正確に判別できるように、加熱コイルごとに単独通電状態として被加熱物の有無を判別する負荷検知が行われる。
特許文献1の誘導加熱調理器では、一つの加熱口に配置された複数の加熱コイルについては、複数の加熱コイルに共通の動作開始要求により、単独通電による負荷検知が各加熱コイルで順次行われる。しかし、例えば異なる加熱口に設けられるような、個別に動作する2つの加熱コイルについては、各加熱コイルに単独通電をするといった通電の制限が設けられていない。このため、特許文献1の誘導加熱調理器では、使用者が2つの加熱口の双方を使用する場合に、2つの加熱口の双方に通電する同時駆動が行われる場合がある。2つの加熱コイルの双方の駆動中には、2つのインバータの周波数差分により干渉音が発生する場合がある。特に、2つのインバータの双方の駆動中に一方又は双方のインバータの駆動周波数を掃引するときには周波数差分が変化するため、その変化に伴って干渉音も変化し、干渉音による不快感が発生し易くなる。なお、2つの加熱コイルのそれぞれに動作開始要求があった場合にも、特許文献1の互いに近接した複数の加熱コイルに共通の動作開始要求があった場合と同様、単独通電による負荷検知を順次行うことが考えられる。しかし、この場合、一方の加熱口の負荷検知が終了した後に他方の加熱口の負荷検知を開始することになり、2つの加熱口の双方に対して並行して負荷検知処理が実施できず、誘導加熱調理器の効率が低下する。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、2つのインバータの周波数差分の変化により生じる干渉音の不快感を低減させるとともに、効率の低下を抑制した誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
本開示に係る誘導加熱調理器は、第1の加熱コイルと、前記第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータと、第2の加熱コイルと、前記第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータと、を備え、前記第1のインバータと前記第2のインバータとは、前記第1の加熱コイル及び前記第2の加熱コイルのそれぞれに動作開始要求がされている場合において、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータが負荷判定シーケンスを行うときには、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータのそれぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、前記第1のインバータと前記第2のインバータとが交互に単独でオン状態となるように時分割駆動を行う。
また、本開示に係る別の誘導加熱調理器は、第1の加熱コイルと、前記第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータと、第2の加熱コイルと、前記第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータと、加熱動作のモードを切替えるモード切替手段と、を備え、前記第1のインバータと前記第2のインバータとは、双方が加熱動作を行う場合において、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、交互に単独でオン状態となるように時分割駆動を行い、前記モード切替手段は、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの双方が加熱動作を行う場合において、モード切替えの前と後とにおいて、時分割駆動のオンとオフの繰り返し周期を変更するとともに、前記繰り返し周期の変動に連動して前記第1のインバータ又は前記第2のインバータの出力電力を調整する。
また、本開示に係る更に別の誘導加熱調理器は、第1の加熱コイルと、前記第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータと、第2の加熱コイルと、前記第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータと、定常加熱モードと非定常加熱モードとを切替えるモード切替手段と、を備え、前記第1のインバータと前記第2のインバータとは、双方が前記定常加熱モードで加熱動作を行う場合において、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、交互に単独でオン状態となるように時分割駆動を行い、前記モード切替手段は、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの双方が加熱動作を行う場合において前記非定常加熱モードに切替えられると、繰り返し周期を変更し、前記非定常加熱モードの加熱動作において、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータのうち一方のインバータは、変更後の前記繰り返し周期でオンとオフを繰り返し、他方のインバータは、変更後の前記繰り返し周期でメイン加熱と、前記メイン加熱時の駆動周波数よりも高い駆動周波数で駆動するアシスト加熱と、を繰り返し、前記一方のインバータがオフのときに前記メイン加熱を行い、前記一方のインバータがオンのときに前記アシスト加熱を行う。
本開示の誘導加熱調理器によれば、負荷判定シーケンス中、あるいは加熱動作のモード切替え時、といった2つのインバータの周波数差分の変化が生じ易いときには、2つのインバータが交互に単独でオン状態となる、あるいは一方のインバータがオンのときに他方のインバータはメイン加熱時の駆動周波数よりも高い駆動周波数でアシスト加熱を行う。したがって、2つのインバータの周波数差分の変化により生じる干渉音の不快感を低減させるとともに、効率の低下を抑制することができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の概略構成を示す回路図である。図1において、誘導加熱調理器100は商用電源200と接続されている。図1に基づき、誘導加熱調理器100の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の概略構成を示す回路図である。図1において、誘導加熱調理器100は商用電源200と接続されている。図1に基づき、誘導加熱調理器100の構成について説明する。
(誘導加熱調理器100の構成)
誘導加熱調理器100は、複数の加熱コイル13a及び14aを含む回路と、加熱コイル13a、14aの上方に配置された不図示の天板と、制御装置30と、使用者が操作する操作部4と、を備えている。
誘導加熱調理器100は、複数の加熱コイル13a及び14aを含む回路と、加熱コイル13a、14aの上方に配置された不図示の天板と、制御装置30と、使用者が操作する操作部4と、を備えている。
図示していないが、天板には、加熱領域である加熱口が設けられている。加熱口は、鍋又はフライパンといった被加熱物が載置される領域を示すよう、天板に印刷で示されている。図1に示される例では、誘導加熱調理器100は2つの加熱コイル13a及び14aを備えている。本実施の形態では、天板に2つの加熱口が左右に設けられ、各加熱口の下方に円形状の加熱コイル13a、14aが配置されているものとして説明する。加熱口は、加熱源である加熱コイル13a、14aの外形と同じ形状か、または、加熱コイル13a、14aの外形よりも若干大きい形状に形成される。本実施の形態では、加熱口は円形状に形成されている。なお、加熱口および加熱コイル13a、14aの数および形状は、図1に示す例に限定されるものではない。
操作部4は、各加熱口に応じた操作部4a及び4bを有している。各操作部4a、4bは、電源をON/OFFするための電源スイッチ、および火力を調節するための複数の操作ダイヤルなどを含む。
回路は、交流電源を整流する整流回路11と、整流回路11からの出力を平滑化するフィルタ回路12と、加熱コイル13aを含む共振回路13と、加熱コイル14aを含む共振回路14と、高周波電流を共振回路に供給するインバータと、を有している。図1に示される例では、誘導加熱調理器100は2つのインバータを備えている。
整流回路11は、例えば、ブリッジ構成の複数のダイオード11aで構成されている。フィルタ回路12は、チョークコイル12a及び平滑コンデンサ12bを有している。2つのインバータのそれぞれは、複数のスイッチング素子を有している。後述する第1のインバータINV1は、スイッチング素子3a及び3bを有し、後述する第2のインバータINV2は、スイッチング素子3c及び3dを有する。共振回路13は、加熱コイル13a及び共振コンデンサ13bを有している。共振回路14は、加熱コイル14a及び共振コンデンサ14bを有している。
図1に示されるように、1つの整流回路11の出力側に1つのフィルタ回路12が接続され、そのフィルタ回路12の出力側に2つのインバータINV1及びINV2が接続されている。そして、各インバータの出力側には共振回路13又は14が接続されている。2つのインバータのうち一方のインバータ(第1のインバータINV1)は、一方の加熱口(例えば、天板の右側に設けられた加熱口)に対応した加熱コイル13aに高周波電流を供給し、その加熱口に載置された被加熱物を誘導加熱する。また、2つのインバータのうち他方のインバータ(第2のインバータINV2)は、他方の加熱口(天板の左側に設けられた加熱口)に対応した加熱コイル14aに高周波電流を供給し、その加熱口に載置された被加熱物を誘導加熱する。
以降の説明において、第1のインバータINV1によって駆動される加熱コイル13aを第1の加熱コイルと称し、第2のインバータINV2によって駆動される加熱コイル14aを第2の加熱コイルと称する場合がある。また、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とを特に区別しない場合には、それぞれを、インバータINVと称する。
整流回路11及びフィルタ回路12は、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2に共通の前段回路10とされており、この前段回路10の出力段に第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とが並列に接続されている。前段回路10は、商用電源200を直流電圧に変換して、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2のそれぞれに印加する。ここで、このような回路構成において、前段回路10の出力段すなわちフィルタ回路12の出力段を母線と呼び、また、当該回路構成では2つのインバータINV1及びINV2の母線が共通接続されていることから、当該回路構成を母線共通方式と呼ぶ。
このようにフィルタ回路12を含む前段回路10を、2つのインバータINV1及びINV2に対して共通化することにより、各インバータINVにフィルタ回路12を設ける構成と比べ、回路部品の削減、並びに、回路の小型化及び軽量化を図っている。
なお、図1に示されるインバータの回路方式は2つのスイッチング素子3a及び3bを組み合わせたハーフブリッジ回路方式としているが、この場合に限定されず、例えば、一石電圧共振回路方式、あるいはフルブリッジ回路方式等の他の回路方式でもよい。
誘導加熱調理器100は、各加熱コイル13a、14aにおける負荷の状態を検知する負荷検知部を備えている。具体的には、負荷の状態として、各加熱コイル13a、14aの上方の被加熱物の有無、あるいは各加熱コイル13a、14aに載置された被加熱物の材質が判別される。加熱コイル13a、14aの上方に被加熱物が配置されている場合と、配置されていない場合とでは、その加熱コイル13a、14aの両端で測定したインピーダンスは異なる。また、被加熱物が鉄などの磁性金属である場合と、アルミニウム又は銅などの非磁性体である場合とでは、加熱コイル13a、14aの両端で測定したインピーダンスは異なる。このインピーダンスの違いを利用して、各加熱コイル13a、14a上に載置された被加熱物の負荷判定が行われる。インピーダンスの違いは、抵抗またはインダクタンスの変化として測定される。図1に示される例では、誘導加熱調理器100は、整流回路11の電流すなわち入力電流を測定する電流検出器51と、各加熱コイル13a、14aの電流すなわちコイル電流を測定する電流検出器52a、52bと、を備える。そして、これらの電流検出器51、52a、52bと、制御装置30と、により負荷検知部が構成されている。なお、負荷検知部の構成は、上記のものに限定されない。
制御装置30には、複数の電流検出器51、52a、52bの検出結果、及び操作部4を介した指示が入力される。制御装置30は、入力に応じて誘導加熱調理器100の動作を制御する。制御装置30は、2つのインバータのそれぞれに駆動信号であるPWM信号を送信する。各インバータINVは、PWM信号を受けて高周波駆動を行うことで、加熱コイル13a、14aに高周波電流を供給する。
制御装置30は、操作部4を介して加熱開始の指示が入力されると、負荷判定シーケンスを実施する。負荷判定シーケンス中、制御装置30は、指示対象のインバータINVを、負荷判定用の駆動信号により駆動しつつ、予め決められたタイミングで、電流検出器51及び電流検出器52a、52bからの入力に基づいて負荷判定を行う。具体的には、対象のインバータINVが負荷判定用の駆動周波数で駆動するときに、電流検出器51で測定された入力電流と、電流検出器52aで測定された指示対象の加熱コイル13a又は14aのコイル電流との比に基づき、この加熱コイル13a又は14aの負荷の状態が判別される。以下、加熱開始の指示を、動作開始要求と称する場合がある。
制御装置30は、負荷判定の結果に基づいてインバータINVの駆動信号(スイッチングの駆動周波数及びデューティ等を含む)を決定する。制御装置30は、負荷判定シーケンスに続く加熱動作では、負荷判定シーケンスにおいて決定した駆動信号により、インバータINVを駆動する。第1のインバータINV1のスイッチング素子3a及び3bは、制御装置30からの駆動信号を受けてスイッチングを行う。また、第2のインバータINV2のスイッチング素子3c及び3dは、制御装置30からの駆動信号を受けてスイッチングを行う。これにより、加熱コイル13aに高周波電流が供給されることで、加熱コイル13aの上方に配置された被加熱物が誘導加熱される。また、加熱コイル14aに高周波電流が供給されることで、加熱コイル14aの上方に配置された被加熱物が誘導加熱される。
制御装置30は、その機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア、又はメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)で構成されている。なお、CPUは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はプロセッサともいう。
次に、誘導加熱調理器100が有する複数のモードについて説明する。誘導加熱調理器100は、予め決められた電力範囲(例えば、約300W~3000W)で被加熱物の加熱を行う定常加熱モードを有している。また、誘導加熱調理器100は、加熱動作を行う定常加熱モードとは別に、予め決められた電力範囲(例えば、約200W~300W)で負荷判定シーケンスを行う負荷検知モードを有している。誘導加熱調理器100は、制御装置30に動作開始要求が入力されると、負荷検知モードの一つである初期負荷検知モードで負荷判定シーケンスを行い、負荷有り状態が検知された場合には定常加熱モードに移行する。負荷判定シーケンスでは、負荷判定の結果に応じて加熱動作の可否を決定し、また、加熱動作時の駆動信号を決定する。定常加熱モードでは、決定された駆動信号により、インバータINVが駆動される。
被加熱物が非磁性材料のアルミニウム又は銅等で構成されている場合、その電気抵抗は非常に小さいので、必要な熱を起こすためには磁性材料で構成される場合と比べ、駆動周波数を大きくする必要がある。
また、誘導加熱調理器100は、負荷検知モードとして、上記の初期負荷検知モードと別に、動作中負荷検知モードを有している。定常加熱モード中に被加熱物が加熱口から取り除かれる等して負荷が変化すると、誘導加熱調理器100は、動作中負荷検知モードに移行して、再びその加熱口の負荷判定を行う。動作中負荷検知モードにおいても、初期負荷検知モードの場合と同様の負荷判定シーケンスが行われる。なお、動作中負荷検知モードと初期負荷検知モードとにおいて、異なる負荷判定シーケンスを行う構成としてもよい。
図2は、図1の誘導加熱調理器の2つのインバータが負荷判定シーケンスを行うときの駆動周波数の経時的変化を説明する図である。図2に基づき、図1を参照しつつ、負荷判定シーケンスの一例について説明する。負荷判定シーケンス中、インバータINVは、オンとオフとの切替えを繰り返し行う。図2には、インバータINVのオン期間における駆動周波数が実線で示され、インバータINVのオフ期間における駆動周波数が二点鎖線で示されている。負荷判定は、インバータINVのオン期間に行われる。
図2に示される例では、制御装置30は、インバータINVの負荷判定シーケンス中にそのインバータINVの駆動周波数が変化するように掃引を行い、予め掃引過程に設定されている複数の負荷判定ポイントで、負荷判定を行っている。図2に示される例では、インバータINVの動作開始からの時間がt1、t2及びt3であるときに、それぞれ負荷判定が行われる。
また、図2に示される例では、制御装置30は、インバータINVの負荷判定シーケンス中に駆動周波数が高い周波数から低い周波数に変化するように掃引を行っている。負荷検知モードは被加熱物の加熱を目的としていないので、負荷検知モードでの駆動周波数は、定常加熱モードでの駆動周波数と比べて高く設定される。
図2の例を用いて、詳細に説明する。操作部4aを介して動作開始要求がされると、制御装置30は、第1のインバータINV1の負荷判定シーケンスを開始し、開始から終了までの期間(例えば、1秒)に、第1のインバータINV1の駆動周波数をf0からf3に掃引する。第1のインバータINV1の動作開始からの時間がt1であるとき、駆動周波数はf1であり、動作開始からの時間がt2であるとき、駆動周波数はf2であり、動作開始からの時間がt3であるとき、駆動周波数はf3である。駆動周波数は、高い方から順に、f0>f1>f2>f3となっている。また、操作部4bを介して動作開始要求がされると、制御装置30は、第2のインバータINV2の負荷判定シーケンスを開始し、開始から終了までの期間(例えば、1秒)に、第2のインバータINV2の駆動周波数を周波数f4から周波数f7に掃引する。第2のインバータINV2の動作開始からの時間がt1であるとき、駆動周波数はf5であり、動作開始からの時間がt2であるとき、駆動周波数はf6であり、動作開始からの時間がt3であるとき、駆動周波数はf7である。駆動周波数は、高い方から順に、f4>f5>f6>f7となっている。
上記のように、負荷判定シーケンスの開始時の駆動周波数を高くすることで、負荷判定シーケンスの開始時に急に被加熱物に電流が流れることを回避できる。
操作部4を介してインバータINVの動作開始要求がされ、そのインバータINVの負荷判定シーケンスを開始すると、動作開始から時間t1が経過したときに1回目の負荷判定T1が行われる。負荷判定T1で判定条件が成立すると(例えば、被加熱物が加熱適正鍋であると判定された場合)、初期負荷検知モードは終了し、定常加熱モードに移行する。一方、負荷判定T1で判定条件が不成立の場合(すなわち、被加熱物が加熱適正鍋であると判定されなかった場合)、動作開始から時間t2が経過したときに2回目の負荷判定T2が行われる。負荷判定T2で判定条件が成立すると初期負荷検知モードは終了し、定常加熱動作モードに移行する。一方、負荷判定T2で判定条件が不成立の場合、動作開始から時間t3が経過したとき3回目の負荷判定T3が行われる。負荷判定T3で判定条件が成立すると初期負荷検知モードは終了し、定常加熱モードに移行する。負荷判定T3で判定条件が不成立の場合、加熱不適正鍋であると判断して、定常加熱モードへの移行は行われない。
なお、負荷判定シーケンスを負荷判定T1~T3の3段階としたが、その限りではなく、何段階としても良い。
図3は、図1の誘導加熱調理器の初期負荷検知モードにおける制御の一例を示すフローチャートである。図3に示されるように、制御装置30は、操作部4を介して加熱開始要求が入力されたか否かを判定する(ステップST100)。加熱開始要求が入力されたと判定されると(ステップST100:YES)、制御装置30は、2つのインバータINV1及びINV2の双方に対して加熱開始要求が入力されたか否かを判定する(ステップST101)。一方、加熱開始要求が入力されていないと判定されると(ステップST100:NO)、制御装置30は、加熱開始要求が入力されたと判定されるまでステップST100の判定を繰り返す。
ステップST101において、2つのインバータINV1及びINV2の双方に対して加熱開始要求が入力されたと判定されると(ステップST101:YES)、制御装置30は、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2の負荷判定シーケンスをそれぞれ開始する(ステップST102)。ただし、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とが一方のみ駆動の排他動作となるように、動作開始タイミングをずらし、交互にオン状態となる時分割駆動を行う。図2に示される例では、第2のインバータINV2が負荷判定シーケンスを開始してオン期間が経過した後、第2のインバータINV2はオフに切り替わり、第1のインバータINV1が負荷判定シーケンスを開始してオンになる。その後も、制御装置30により、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2のそれぞれがオンとオフの切替えを連動して繰り返し、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とが交互に単独でオン状態となるように制御される。
一方、図3に示されるステップST101において、2つのインバータINV1及びINV2の双方に対する加熱開始要求ではないと判定されると(ステップST101:NO)、すなわち、一方のインバータINVに対してのみ加熱開始要求がされると、制御は、ステップST103に進む。ステップST103において、制御装置30は、動作開始要求がされたインバータINVの負荷判定シーケンスを開始する。
ところで、図2に示される例では、時分割駆動により、第1のインバータINV1の動作開始から時間t1が経過するまでの第1期間にオフ期間が含まれる。このため、1回目の負荷判定T1を実施できる実質的な負荷判定時間は、第1期間よりも短くなっている。具体的には、実質的な負荷判定時間は、第1期間におけるオン期間の合計時間であり、第1期間から、第1期間におけるオフ期間の合計時間を差し引いた時間となる。
なお、第1期間におけるオフ期間の合計時間(例えば、40msec)を補完するように負荷判定T1までの第1期間を延長することで、実質的な負荷判定時間を確保する構成としても良い。これは、時間t1から時間t2までの第2期間、及び時間t2から時間t3までの第3期間においても同様である。このような構成では、動作開始から第3期間の終了(時間t3)までの期間が長くなるが、第1期間、第2期間及び第3期間において実質的な負荷判定時間を確保でき、判定精度を確保するのに有効である。また、第2のインバータINV2においても同様に、第2のインバータINV2のオフ期間の合計(図2に示される第1期間の例では、60[msec])を補完するように第1期間、第2期間及び第3期間をそれぞれ延長するようにして、実質的な負荷判定時間を確保するようにしても良い。
また、2つのインバータINV1及びINV2の双方が時分割の排他動作により負荷判定シーケンスを行っているとき、制御装置30は、一方のインバータINVのオフ期間においてもそのインバータの駆動周波数の掃引を行うことができる。図2に示される例では、制御装置30は、インバータINVのオン期間及びオフ期間の双方において、一定の掃引スピードで駆動周波数を掃引している。図2に二点鎖線及び実線で示されるように、制御装置30は、負荷判定シーケンスの開始から終了まで一次直線を想定して周波数を掃引する。
このようにオフ期間すなわち駆動オフ時に周波数の掃引を中断せずに低下させ続けることで、制御装置30は掃引スピードを変更する必要がないので、負荷判定シーケンス中の駆動周波数の制御が容易化できる。さらには、第1のインバータINV1の駆動周波数の変化方向と、第2のインバータINV2の駆動周波数の変化方向とを同一方向とできるので、2つのインバータの周波数差分の変化を小さくでき、干渉音による不快感を低減できる。また、短時間にインバータINVが駆動周波数の上昇と下降とを行うことが回避できるので、2つのインバータの周波数差分による干渉音による不快感を低減できる。
次に、図1に基づき、2つのインバータINV1及びINV2の双方が負荷判定シーケンスを行う場合に前段回路10に流れる電流について説明する。
第1のインバータINV1が例えば20[kHz]駆動を行うと、前段回路10の各部品(例えば、チョークコイル12a及び平滑コンデンサ12b等)には20[kHz]成分の高周波電流成分が流れる。同様に、第2のインバータINV2が例えば55[kHz]駆動を行うと、前段回路10の各部品には55[kHz]成分の高周波電流成分が流れる。仮に、2つのインバータINV1及びINV2が同時駆動を行うものとすると、2つのインバータINV1及びINV2に共通の前段回路10には、20[kHz]成分と55[kHz]成分の高周波成分が重畳した重畳電流が流れてしまう。一方、本開示では、2つのインバータINV1及びINV2の双方が負荷判定シーケンスを行う場合、時分割駆動により排他動作が行われる。このため、前段回路10を2つのインバータINV1及びINV2に共通の構成として回路の小型化を図る場合でも、前段回路10の各部品に重畳電流が流れることが抑制される。
図4は、図1の第2のインバータINV2の初期負荷検知モード中に第1のインバータINV1に動作開始要求がされた場合の動作の一例を表すタイミングチャートである。以降の説明では、第2のインバータINV2が動作開始要求により初期負荷検知モードで負荷判定シーケンスを開始してから、第1のインバータINV1の動作開始要求があるまでの期間の動作を工程aと定義する。また、工程aに続き、第1のインバータINV1の動作開始要求から第1のインバータINV1の負荷有り状態が検知されるまでの期間の動作を工程bと定義する。工程bにおいて、第2のインバータINV2は初期負荷検知モードである。また、工程bに続き、第1のインバータINV1の負荷有り状態が検知されてから、第2のインバータの負荷有り状態が検知されるまでの期間の動作を工程cと定義する。以降の説明では、負荷有り状態が検知されることを負荷有り検知と称し、負荷無し状態が検知されることを負荷無し検知と称する場合がある。
また、図4に示される例では、初期負荷判定モードにおいて、負荷判定シーケンスを行う検知期間(例えば、1秒)と、負荷判定シーケンスと次の負荷判定シーケンスとの間の期間である検知休止期間(例えば、2秒)と、を繰り返す。ここで、検知休止期間は、ペースメーカの誤動作を回避するために設けたものであり、本開示の主旨とは直接関係しないので説明を省略する。
工程aにおいて、初期負荷検知モード中の第2のインバータINV2は、検知期間と検知休止期間とを繰り返す。第2のインバータINV2の検知期間中、第2のインバータINV2はオンとオフとの切替えを繰り返す時分割駆動となっている。なお、工程aでは第2のインバータINV2のみが動作を開始しており、第1のインバータINV1は未動作であるから、第2のインバータINV2の検知期間は時分割駆動とせず連続動作としてもよい。
工程bでは、第1のインバータINV1が動作開始要求により初期負荷検知モードで負荷判定シーケンスを開始する。INV1が初期負荷検知モードになると、第1のインバータINV1は、第2のインバータINV2の時分割駆動に連動して排他動作となるように、時分割駆動を開始する。なお、第2のインバータINV2が連続動作をしていた場合には、2つのインバータが互いに排他動作となるように時分割駆動を開始する。
図4に示される例では、第1のインバータINV1の駆動時間比は6:4とされ、例えば、第1のインバータINV1のオン期間は60[msec]であり、オフ期間は40[msec]とされている。また、図4に示される例では、第2のインバータINV2の駆動時間比は4:6とされ、例えば、第2のインバータINV2のオン期間は40[msec]であり、オフ期間は60[msec]とされている。なお、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2ともに、検知期間中の駆動時間比は任意であり、上記の場合に限定されない。検知期間中に、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とが排他動作となるように駆動時間比が決定されていればよい。
ここで、2つのインバータINV1及びINV2の動作を排他動作とするためには、第1のインバータINV1の停止のタイミングと第2のインバータINV2の駆動開始のタイミングとを合わせる必要がある。また同様に、第2のインバータINV2の停止のタイミングと第1のインバータINV1の駆動開始のタイミングとを合わせる必要がある。このような、駆動状態を切替えるタイミングの制御は、商用電源200からの交流入力電圧のゼロクロスポイントを検出し、ゼロクロスタイミングをトリガにして切替えるようにすればよい。ゼロクロスポイントは、母線電圧がゼロのポイントであるから、ゼロクロスタイミングをトリガにして2つのインバータINV1及びINV2の駆動状態を切替えることで、この切替えのタイミングにおけるインバータINVへの印加電圧をゼロにできる。ここで、駆動状態を切替えるタイミングとは、第1のインバータINV1動作から第2のインバータINV2動作へ切替えるタイミング、及び、第2のインバータINV2動作から第1のインバータINV1動作へ切替えるタイミングである。
仮に、母線に電圧印加された状態でインバータINVを瞬時にオンにした場合には、ハードスイッチング現象によりパワー素子(すなわち、スイッチング素子3a及び3b)に過電流が流れ、スイッチング損失が増大してしまう。また、インバータINVのオン及びオフの繰り返しによりスイッチング損失の増大が繰り返されると、熱暴走が生じる。これを回避するために、上記のように、ゼロクロスタイミングでインバータINVのオンとオフとの切替えを行うことが望ましい。
図4に示される例では、第1のインバータINV1は、母線電圧のリプル波形の山6つ分のオン期間を経た後、ゼロクロスポイントでオフに切替えられ、その後、リプル波形の山4つ分のオフ期間を経た後、ゼロクロスポイントでオンに切替えられる。一方、第2のインバータINV2は、第1のインバータINV1が切替えられるタイミングすなわちゼロクロスポイントでオン及びオフが切替えられる。第2のインバータINV2は、第1のインバータINV1と排他動作を行うために、リプル波形の山4つ分のオン期間と、リプル波形の山6つ分のオフ期間とを繰り返す。
このように、2つのインバータINV1及びINV2がともに負荷検知モードである工程bでは、排他動作による時分割駆動が返される。したがって、2つのインバータINV1及びINV2がともに負荷判定シーケンスを実施しても同時駆動とならない。よって、干渉音の発生を回避しつつ、2つのインバータINV1及びINV2の双方が負荷判定シーケンスを実施することができる。
工程cにおいて、負荷有り検知がされた第1のインバータINV1は、定常加熱モードに移行し、加熱動作を開始する。第1のインバータINV1は、定常加熱モードにおいて、事前の初期負荷検知モードで検知された負荷の状態に応じて制御装置30により設定された駆動周波数及びデューティで駆動される。図4に示される例では、第1のインバータINV1の定常加熱モードにおける電力α[W]は、初期負荷検知モード時の電力よりも高い電力となっている。
また、第2のインバータINV2では工程cにおいても判定条件が不成立のため、第2のインバータINV2は、工程bに引き続き工程cにおいても初期負荷検知モードとなっている。工程cにおいて、初期負荷検知モードの第2のインバータINV2と、定常加熱モードの第1のインバータINV1とは、時分割駆動による排他動作を継続する。
図5は、図4の第2のインバータINV2の初期負荷検知モード中に第1のインバータINV1が行う加熱動作の一例を表すタイミングチャートである。第1のインバータINV1が定常加熱モードで加熱動作を行う工程cにおいて、第2のインバータINV2は初期負荷検知モードで検知期間と検知休止期間とを交互に行っている。以降の説明では、工程cのうち、第2のインバータINV2が検知期間であるときの動作を工程c1とし、第2のインバータINV2が検知休止期間であるときの動作を工程c2と定義する。図5に示される例では、工程cにおいて、最初に工程c1が行われ、その後に工程c2が行われ、工程c1と工程c2とが繰り返される。
工程c1において、加熱動作を開始した第1のインバータINV1は、検知期間中で時分割動作を継続している第2のインバータINV2と排他動作となるように、時分割駆動を繰り返す。工程c2では、第2のインバータINV2は、初期負荷検知モードではあるものの検知休止期間であり、同時駆動の懸念が無いので、定常加熱モード中の第1のインバータINV1は連続動作を行う。
工程c1において、定常加熱モード中の第1のインバータINV1は、被加熱物を加熱するために駆動されるので、第1のインバータINV1における、工程c1での電力α[W]および工程c2での電力(β[W])はそれぞれ、工程bの検知期間中の電力とは必ずしも同じではない。一般には、加熱動作時の周波数よりも高い周波数で負荷判定が行われるので、工程c1及び工程c2における各ピーク電力(α[w]及びβ[w])は、工程bにおけるピーク電力よりも大きくなる。また、工程cをとおして2つのインバータINV1及びINV2が同時駆動されないように、第1のインバータINV1は、工程c2では連続動作を行うが、工程c1では時分割駆動される。よって、第1のインバータINV1が時分割駆動される工程c1での第1のインバータINV1のピーク電力(電力α[W])は、第1のインバータINV1が連続動作する工程c2での第1のインバータINV1のピーク電力(β[W])よりも大きく設定される。
なお、図5には、第2のインバータINV2の検知休止期間すなわち工程c2において、第1のインバータINV1が連続動作する場合について示したが、第1のインバータINV1は、工程c1及び工程c2の双方において、工程bでの動作を踏襲するように、時分割駆動を繰り返してもよい。
図6は、図5の第1のインバータINV1の加熱動作中に第2のインバータINV2の負荷有り状態が検知された場合の動作の一例を表すタイミングチャートである。以降の説明では、第2のインバータINV2の負荷有り検知後の、工程cに続く期間の動作を工程dと定義する。
工程dにおいて、定常加熱モード中の第1のインバータINV1は、加熱動作を継続する。検知期間(工程c1)において負荷有り検知がされた第2のインバータINV2は、工程dにおいて、定常加熱モードに移行し、加熱動作を開始する。つまり、工程dでは、2つのインバータINV1及びINV2の双方が定常加熱動作を行う。
2つのインバータINV1及びINV2の双方が定常加熱モードである場合(すなわち工程d)にも、時分割駆動により排他動作とすることが好ましい。この場合、第1のインバータINV1の高周波駆動により、右側の加熱口に載置された被加熱物を誘導加熱している期間は、第2のインバータINV2の高周波駆動を停止し、左側の加熱口に載置された被加熱物の加熱を行わない。同様に、第2のインバータINV2の高周波駆動により、左側の加熱口に載置された被加熱物を誘導加熱している期間は、第1のインバータINV1の高周波駆動を停止し、右側の加熱口に載置された被加熱物の加熱を行わない。
図6に示される例では、工程cから工程dへ移行する際、第2のインバータINV2の電力は、負荷検知用の出力(数百[W]出力)からより大きいγ[W]出力へ変更される。一方、時分割駆動の繰り返し周期Tr、及び、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2との駆動時間比は変更しないものとしている。
図7は、図6の2つのインバータの加熱動作中に第1のインバータINV1の負荷無し状態が検知された場合の動作の一例を表すタイミングチャートである。以降の説明では、工程dに続き、第1のインバータINV1の負荷無し検知から、第1のインバータINV1で再び負荷有り状態が検知されるまでの期間の動作を工程eと定義する。また、第1のインバータINV1で再び負荷有り状態が検知された後の、工程eに続く動作を、工程fと定義する。工程d、工程e及び工程fにおいて、第2のインバータINV2は定常加熱モードである。
2つのインバータの双方が定常加熱モードであるとき(工程d)に、第1の加熱コイルの上方の被加熱物が取り除かれる等して負荷無し状態に変わると、第1のインバータINV1の負荷無し状態が検知され、動作中負荷検知モード(工程e)に突入する。負荷無し状態は、使用者により加熱動作の停止の指示はされず、コイル電流が大幅に低下して一定未満となった場合に検知される。
工程eにおいて、動作中負荷検知モードに移行した第1のインバータINV1は、定常加熱モード中の第2のインバータINV2との排他動作を実施する。第1のインバータINV1は、動作中負荷検知モード(工程e)中、初期負荷検知モードのときと同様、検知期間(工程e1)と検知休止期間(工程e2)とを繰り返す。第1のインバータINV1は、オンとオフとの切替えを繰り返す検知期間(工程e1)には、第2のインバータINV2との時分割駆動による排他動作を行う。第1のインバータINV1の検知休止期間(工程e2)には、同時駆動の懸念が無いので、定常加熱モード中の第2のインバータINV2は連続動作を行う。第2のインバータINV2が時分割駆動される工程e1での第2のインバータINV2のピーク電力(γ[W])は、第2のインバータINV2が連続動作する工程e2での第2のインバータINV2のピーク電力(δ[W])よりも大きく設定される。
なお、図7には、第1のインバータINV1の検知休止期間すなわち工程e2において、第2のインバータINV2が連続動作する場合について示したが、この場合に限定されない。例えば、第2のインバータINV2は、工程e1及び工程e2の双方において、工程dでの動作を踏襲するように、時分割駆動を繰り返してもよい。
図7に示される例では、第2のインバータINV2が定常加熱モードであり、第1のインバータINV1が動作中負荷検知モードに移行して2度目の検知期間(工程e1)に、第1のインバータINV1の負荷有り状態が検知され、第1のインバータINV1が定常加熱モードに戻っている(工程f)。2つのインバータINV1及びINV2の双方が定常加熱モードとなる工程fにおいても、時分割駆動により排他動作とすることが好ましい。
以上のように、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100は、第1の加熱コイルと、第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータINV1と、第2の加熱コイルと、第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータINV2と、を備える。第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とは、第1の加熱コイル(例えば、右側の加熱コイル13a)及び第2の加熱コイル(左側の加熱コイル14a)のそれぞれに動作開始要求がされている場合において、第1のインバータINV1又は第2のインバータINV2が負荷判定シーケンスを行うときには、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2のそれぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とが交互に単独でオン状態となるように時分割駆動を行う。
これにより、まず、第1のインバータINV1又は第2のインバータINV2が負荷判定シーケンスを行うとき、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とが時分割駆動を行うので、2つのインバータの同時駆動が行われず、干渉音の発生自体を回避できる。また、時分割駆動により同時駆動を回避することで、第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルの双方について同時に又は重複して負荷判定シーケンスを実施できるので、加熱開始の指令後の加熱コイル13a、14aの待機時間が従来よりも短くなり、効率の低下を抑制できる。したがって、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100によれば、2つのインバータの周波数差分の変化により生じる干渉音の不快感を低減させるとともに、効率の低下を抑制することができる。
また、誘導加熱調理器100は、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2を制御する制御装置30を備え、制御装置30は、第1のインバータINV1又は第2のインバータINV2の負荷判定シーケンス中に、負荷判定シーケンスを行っているインバータINV(例えば、第1のインバータINV1)の駆動周波数が変化するように掃引を行う。制御装置30は、第1のインバータINV1又は第2のインバータINV2の負荷判定シーケンス中に、負荷判定シーケンスを行っているインバータの駆動周波数が高い周波数から低い周波数に変化するように掃引を行う。
これにより、電源オン時、及び加熱を目的としていない負荷検知モードにおいて、負荷電流が入りにくい高周波数から動作を開始することができ、いきなり被加熱物に電流が流れることが回避できるので、安全性が向上する。
また、制御装置30は、第1のインバータINV1又は第2のインバータINV2の負荷判定シーケンス中、負荷判定シーケンスを行っているインバータINV(例えば、第1のインバータINV1)のオン期間及びオフ期間の双方において、一定の掃引スピードで駆動周波数を掃引する。
これにより、制御装置30は、動作開始からの経過時間から駆動周波数が把握できるので、負荷判定シーケンス中の駆動周波数の制御が容易化する。また、負荷判定シーケンスにおいてオフ期間も引き続き駆動周波数が掃引されるので、負荷判定シーケンスを行っているインバータINVのオンとオフとの切替え時における周波数の変化量が小さくて済む。結果、周波数差分が変化することによる干渉音の変化が抑制され、干渉音による不快感を更に低減することができる。
また、整流回路11及びフィルタ回路12を有する前段回路10を備え、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とは、前段回路10の出力段に並列に接続されている。
これにより、前段回路10は第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とに共通の回路となるので、回路部品を削減でき、回路の小型化及び軽量化を実現できる。上記のように、負荷判定シーケンスにおいて第1のインバータINV1と第2のインバータINV2との動作は排他動作となるので、前段回路10を共通化しても、負荷検知モード時に前段回路10に異なる高周波成分の重畳電流が流れることを回避できる。よって、前段回路10の部品の劣化を抑制しつつ、回路部品の削減を実現できる。
なお、負荷判定シーケンスは、図2に示したものに限定されない。図8は、図2の負荷判定シーケンスの第1変形例を示す図である。図9は、図2の負荷判定シーケンスの第2変形例を示す図である。図8及び図9には、インバータINVのオン期間における駆動周波数が実線で示され、インバータINVのオフ期間における駆動周波数が破線で示されている。負荷判定は、インバータINVのオン期間に行われる。
図8に示される第1変形例においても、図2の場合と同様、制御装置30は、インバータINVの負荷判定シーケンス中にそのインバータINVの駆動周波数が変化するように掃引を行い、予め掃引過程に設定されている複数の負荷判定ポイントで、負荷判定を行う。第1変形例では、制御装置30は、インバータINVの負荷判定シーケンス中、そのインバータINVのオン期間にのみ駆動周波数が次第に低下するように掃引を行い、時分割駆動により生じるそのインバータINVのオフ期間には周波数掃引を停止する。そして、オフ期間直後のオン期間開始時には、制御装置30は、掃引を停止したときの周波数から掃引を再開する。動作開始から時間t1までの第1期間、時間t1から時間t2までの第2期間、及び時間t2から時間t3までの第3期間のそれぞれにおいて、このような掃引及び停止の動作が繰り返し行われる。
例えば、第1変形例において、第1のインバータINV1の動作開始の駆動周波数f0、周波数の掃引スピード(図2及び図8においてオン期間の傾き)、第1期間、第2期間及び第3期間が、図2の場合と同様であるとき、図8に示される第1変形例の駆動周波数f11と、図2の駆動周波数f1とは異なる。これは、第1変形例ではオフ期間に駆動周波数が変化しないので、第1変形例と図2の例とでは、第1期間における駆動周波数の掃引幅が異なるからである。第1期間における駆動周波数の掃引幅は、図2の例ではf0-f1[kHz]であり、第1変形例ではf0-f11[kHz]である。
なお、第1変形例と図2の例とで掃引幅が同一値となるように、第1変形例においてオン期間の掃引スピードを、図2の例における掃引スピードよりも大きくしてもよい。制御装置30は第1期間という時間長さ[msec]と、その第1期間における掃引幅[kHz]とを把握している。よって、オフ期間に掃引を停止する構成では、第1期間において負荷判定T1を行う最後のオン期間に駆動周波数がf1となるように(例えば、第1変形例の駆動周波数f11が図2の例の駆動周波数f1となるように)、掃引スピードを一時的に大きくする構成としてもよい。第2期間及び第3期間についても第1期間の場合と同様である。また、第2のインバータINV2についても、第1のインバータINV1の場合と同様の制御が行われる。
以上のように、図8に示される第1変形例では、制御装置30は、第1のインバータINV1又は第2のインバータINV2の負荷判定シーケンス中、負荷判定シーケンスを行っているインバータINV(例えば、第1のインバータINV1)のオン期間にのみ駆動周波数が変化するように掃引を行い、負荷判定シーケンスを行っているインバータINVのオフ期間には掃引を停止する。制御装置30は、オフ期間直後のオン期間には、掃引を停止したときの周波数から掃引を再開する。
これにより、インバータINVがオフからオンに切り替わる駆動再開時に、いきなり低い駆動周波数がインバータに印可されることを回避して、より安全に負荷判定シーケンスを実施することができる。例えば、第1のインバータINV1のオフ期間(例えば、40[msec])に、第1の加熱コイル(例えば、加熱コイル13a)直上の被加熱物の配置が変わる等して負荷が低インピーダンス化した場合、掃引停止時の周波数よりも低い周波数から再開すると、過電流が流れる懸念がある。第1変形例では、オン期間には、掃引を停止したときの周波数から掃引を再開するので、より安全にインバータINVを駆動することができる。
図9に示される第2変形例においても、図2の場合と同様、制御装置30は、インバータINVの負荷判定シーケンス中にそのインバータINVの駆動周波数が変化するように掃引を行い、予め掃引過程に設定されている複数の負荷判定ポイントで、負荷判定を行う。第2変形例では、制御装置30は、インバータINVの負荷判定シーケンス中、そのインバータINVのオン期間に、駆動周波数を段階的に変化させて負荷判定を行う。特に、負荷判定T1、T2及びT3を行う直前にのみ駆動周波数を低下させ、それ以外は、駆動周波数を一定値としている。
例えば、制御装置30は、第1のインバータINV1の動作開始から時間t1までの第1期間において第1のインバータINV1の駆動周波数をf0とし、時間t1が経過すると、駆動周波数をf21に下げて負荷判定T1を実施する。ここで、制御装置30は、第1期間に渡る駆動周波数f0での継続動作により、加熱不適正鍋では無いすなわち加熱適性鍋であるとの判断のもとに、駆動周波数をf21に低下させて負荷判定T1を実施する。制御装置30は、負荷判定T1において加熱適正鍋と判断すると、負荷検知モードを終了して定常加熱動作モードに移行する。一方、負荷判定T1において加熱適正鍋と判断できなければ、制御装置30は、次シーケンスに移行する。
次シーケンスでは、制御装置30は、時間t1から時間t2までの第2期間において第1のインバータINV1の駆動周波数をf21とし、時間t2が経過すると、駆動周波数を更にf22に下げて負荷判定T2を実施する。ここで、制御装置30は、第2期間に渡る駆動周波数f21での継続動作により、加熱不適正鍋では無いとの判断のもとに、駆動周波数をf22に低下させて負荷判定T2を実施する。制御装置30は、負荷判定T2において加熱適正鍋と判断すると、負荷検知モードを終了して定常加熱動作モードに移行する。一方、負荷判定T2において加熱適正鍋と判断できなければ、制御装置30は、更に次シーケンスに移行する。
このシーケンスでは、制御装置30は、時間t2から時間t3までの第3期間において第1のインバータINV1の駆動周波数をf22とし、時間t3が経過すると、駆動周波数を更にf23に下げて負荷判定T3を実施する。ここで、制御装置30は、第3期間に渡る駆動周波数f22での継続動作により、加熱不適正鍋では無いとの判断のもとに、駆動周波数をf23に低下させて負荷判定T3を実施する。制御装置30は、負荷判定T3において加熱適正鍋と判断すると、負荷検知モードを終了して定常加熱動作モードに移行する。一方、負荷判定T2において加熱適正鍋と判断できなければ、加熱動作は行われず、負荷判定シーケンスが終了する。
以上のように、図9に示される第2変形例では、制御装置30は、第1のインバータINV1又は第2のインバータINV2の負荷判定シーケンス中、負荷判定シーケンスを行っているインバータINV(例えば、第1のインバータINV1)のオン期間に、駆動周波数を段階的に変化させて負荷判定を行う。
これにより、第2変形例においても、図8に示される第1変形例の場合と同様、オン期間の終了時と次のオン期間の開始時との間で駆動周波数が変化しない。したがって、第2変形例においても、第1変形例の場合と同様、インバータINVの駆動再開時に、いきなり低い駆動周波数がインバータに印可されることを回避して、より安全に負荷判定シーケンスを実施することができる。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100において2つのインバータの加熱動作中に第1のインバータINV1が非定常加熱モードに切替えられた場合の動作の一例を表すタイミングチャートである。実施の形態2の誘導加熱調理器100の回路構成は、実施の形態1の誘導加熱調理器100の回路構成と同様である。実施の形態2の誘導加熱調理器100は、モード切替手段を備える点が、実施の形態1の場合とは異なる。以下、実施の形態2において、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図10は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100において2つのインバータの加熱動作中に第1のインバータINV1が非定常加熱モードに切替えられた場合の動作の一例を表すタイミングチャートである。実施の形態2の誘導加熱調理器100の回路構成は、実施の形態1の誘導加熱調理器100の回路構成と同様である。実施の形態2の誘導加熱調理器100は、モード切替手段を備える点が、実施の形態1の場合とは異なる。以下、実施の形態2において、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態2では、操作部4(図1参照)に不図示のモード切替えボタンが設けられている。モード切替手段は、制御装置30のCPUによって実現される。使用者が操作部4のモード切替えボタンを操作してモード切替えを指示すると、制御装置30にモード切替え指示が入力され、加熱動作における繰り返し周期が変更される。
以降の説明では、モード切替え前の動作を工程d1と定義し、モード切替え後の動作を工程d2と定義する。図10に示されるように、工程d1及び工程d2のいずれにおいても、2つのインバータINV1及びINV2の双方が加熱動作を行っている。2つのインバータINV1及びINV2の双方が加熱動作を行う場合において、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とは、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、交互に単独でオン状態となる時分割駆動を行うように制御されている。ここで、モード切替えの前(工程d1)と後(工程d2)とでは、2つのインバータINV1及びINV2のいずれにおいても繰り返し周期が変更される。
モード切替手段は、例えば、定常加熱モードにおける時分割駆動をmsecオーダーで交互駆動するモード(短周期動作)と、それよりも長い時間オーダーで交互駆動するモード(長周期動作)と、を切替える。図10に示される例では、繰り返し周期Tr1の短周期動作から、繰り返し周期Tr1よりも長い繰り返し周期Tr2の長周期動作に切替えられている。以下、長周期動作のモードを、通常時に実施される短周期動作のモード(定常加熱モード)と区別して、非定常加熱モードと称する場合がある。なお、モードは繰り返し周期を含むが、繰り返し周期に加えて出力電力を含むものとしてもよい。
繰り返し周期Tr1、Tr2は、例えばゼロクロス回数で変更することができる。以下、図10に示される例に基づき、説明する。第1のインバータINV1は、モード切替え前の工程d1では、ゼロクロスの6ポイントオン及びゼロクロスの4ポイントオフで駆動され、モード切替え後の工程d2では、ゼロクロスの30ポイントオン及びゼロクロスの20ポイントオフで駆動される。換言すると、第1のインバータINV1は、モード切替え前の工程d1において、リプル波形の山6つ分のオン期間を経た後、ゼロクロスポイントでオフに切替えられ、その後、リプル波形の山4つ分のオフ期間を経た後、ゼロクロスポイントでオンに切替えられる、というオンとオフの切替えを繰り返す。また、第1のインバータINV1は、モード切替え後の工程d2において、リプル波形の山30個分のオン期間を経た後、ゼロクロスポイントでオフに切替えられ、その後、リプル波形の山20個分のオフ期間を経た後、ゼロクロスポイントでオンに切替えられる、というオンとオフの切替えを繰り返す。このようにして、モード切替手段は、オンオフ比は変更せずに繰り返し周期を変更する。また、第2のインバータINV2は、モード切替え前の工程d1では、ゼロクロスの4ポイントオン及びゼロクロスの6ポイントオフで駆動され、モード切替え後の工程d2では、ゼロクロスの20ポイントオン及びゼロクロスの30ポイントオフで駆動される。第1のインバータINV1のピーク電力は、工程d1及び工程d2のいずれの期間でもα[W]に設定されている。
また、モード切替手段は、繰り返し周期の変更と出力電力の変更とを連動させる。より正確には、使用者の指示により2つのインバータINV1及びINV2が加熱動作を行うとき、モード切替えが行われていない通常加熱においては、msecオーダーの時間でインバータINVのオンとオフを切替える短周期動作を行うことで、あたかも各インバータINVが、オフ時間無しの連続動作を行っているように被加熱物を加熱することができる。msecオーダーの時間でオンとオフを切替えても視覚的には被加熱物に対して連続加熱が行われていると捉えられるからである。ここで、モード切替手段によりモード切替えを行うことで、長周期動作に切替える。長周期動作は例えば、数百msec又は数secでインバータINVのオンとオフを切替える。このため、長周期動作では、被加熱物において、視覚的に不連続動作が確認される。
図10に示される例では、第2のインバータINV2の電力は、繰り返し周期の変更に伴い、モード切替えの前後で異なる。第2のインバータINV2は、モード切替え前の工程d1では、ゼロクロスの4ポイントオン、ゼロクロスの6ポイントオフ、且つピーク電力(β[W])で駆動される。また、第2のインバータINV2は、モード切替え後の工程d2では、ゼロクロスの20ポイントオン、ゼロクロスの30ポイントオフ、且つ、直前よりも大きいピーク電力γ[W]で駆動される。
モード切替手段は、繰り返し周期と出力電力とを含むモードを複数有しており、使用者が操作部4のモード切替えボタンを操作してモードを選択すると、モード切替手段によりモードが切り替わる構成とされている。例えば、モード切替手段は、繰り返し周期が互いに異なる複数のモードを有し、各モードは、繰り返し周期に応じた出力電力を含む。このような構成により、モード切替えボタンによりモードが変更されると、繰り返し周期が変更され、繰り返し周期の変更と連動して出力電力が変更される。また、非定常加熱モードは一つでもよく、あるいは複数でもよい。非定常加熱モードを複数備える場合、非定常加熱モード間でモードが切替えられたときに、出力電力が繰り返し周期の変更と連動して変更される構成としてもよい。例えば、第2のインバータINV2は、上述した工程d1及び工程d2で表す2つのモードとは別の、ゼロクロスの200ポイントオン、ゼロクロスの300ポイントオフ、且つピーク電力δ[W]とするモードを有している。
なお、図10に示される例では、繰り返し周期Tr1、Tr2を可変とし、2つのインバータの駆動時間比を固定(上記例では6:4)としたが、モード切替えで繰り返し周期Tr1、Tr2を変更する際に駆動時間比が変わる構成としてもよい。また、モード切替手段は、短周期動作のモード及び長周期動作のモードの切替えにより、繰り返し周期だけでなく、出力(電力)を繰り返し周期に応じて変える構成としてもよい。
図10に基づき、2つのインバータINV1及びINV2の動作について説明する。工程d1では、第1のインバータINV1は、α[W]の出力で時分割駆動により定常加熱モードで加熱動作を行っており、第2のインバータINV2は、β[W]の出力で時分割駆動により定常加熱モードで加熱動作を行っている。定常加熱モードの加熱動作において第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とは排他動作を行うものとし、2つのインバータINV1及びINV2は時分割駆動のもとでそれぞれ目的出力電力を得るように、駆動時間比及びピーク電力等が設定される。工程d1は定常加熱モードであり、msecオーダーでの短周期動作を行うことで、使用者の使い勝手を損なわない、すなわち被加熱物に対して連続加熱が行われていると捉えられる動作を実現する。
使用者の指示に応じてモード切替手段がモード切替えを行うと、長周期動作へと切り替わる(工程d2)。工程d2において行われる長周期動作では、オン期間及びオフ期間が数百msec~数secと長いので、2つのインバータINV1及びINV2はともに、視覚的、及び沸騰感的にも不連続動作となる。このことを利用して、長周期動作では、例えば、対流発生、焦げ付き抑制、又は煮込みのしみ込み促進といった新機能要素を得ることができる。工程d2における目的出力電力に応じて、ピーク電力は調整すれば良い。
なお、定常加熱モードにおいて2つのインバータINV1及びINV2の双方が時分割駆動で加熱動作を行っているとき、すなわち使用者の指示により2つの加熱口が加熱オンされているときに周期を変更するモード切替えが行われる場合の動作シーケンスについて図10を用いて説明したが、モード切替えを行うことができるタイミングは、図10に示される場合に限定されない。例えば、一方のインバータの単独動作時、すなわち、1つの加熱口のみが加熱オンとされているときでも、周期を変更するモード切替えを行って対流発生等の新機能要素を得ることができる。
図11は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100において1つの加熱口のみが動作を行っているときにモード切替えが行われた場合の動作の一例を表すタイミングチャートである。図11に示される例では、誘導加熱調理器100の2つの加熱口のうち1つの加熱口(例えば、天板の右側に設けられた加熱口)のみが使用者により使用され、この加熱口に対応する第1のインバータINV1のみが加熱動作を行っている。
図11に示される例では、モード切替え前の動作を工程d10と定義し、モード切替え後の動作を工程d20と定義する。工程d10及び工程d20のいずれにおいても、2つのインバータINV1及びINV2のうち第1のインバータINV1のみが加熱動作を行っており、第2のインバータINV2は動作していない。したがって、時分割駆動の必要がないので、定常加熱モードである工程d10において、第1のインバータINV1は連続動作を行う。ただし、非定常加熱モードである工程d20では、第1のインバータINV1は、対流発生、焦げ付き抑制、又は煮込みのしみ込み促進といった新機能要素が得られるように、オン期間とオフ期間とが繰り返される長周期動作を行う。
すなわち、図10に示される例では、2つの加熱口の被加熱物に対して、連続加熱と捉えられる短周期動作が行われているときに(工程d1)、繰り返し周期が変更されて視覚的に不連続動作となる長周期動作が行われることで(工程d2)、2つの加熱口において新機能要素が得られたが、図11に示される例では、1つの加熱口のみが加熱オンとされ、オフ期間無しの連続加熱を行っているときに(工程d10)、長周期動作に切替えられてその加熱口で新機能要素が得られる。
図11に示される例は、工程d20において第1のインバータINV1が駆動時間比3:2(すなわち、繰り返し周期Tr2におけるオン期間の割合が60%)で駆動され、駆動オン時に一定電力を投入する実施例である。図11に示される例では、第1のインバータINV1は、工程d10においてα1[W]の出力で連続動作を行い、工程d20のオン期間において、α1[W]よりも大きいα2[W]の出力で駆動する。工程d20における投入電力は、例えば1500[W]と0[W]との繰り返しとなる。なお、第1のインバータINV1の駆動時間比は、任意の駆動時間比で構わない。
ここで、長周期動作の適用は、使用者からの指示にしたがい行われるものとする。使用者が長周期動作を必要とした場合、操作部4(図1参照)のモード切替えボタン(図示なし)を押下することで、INV1は長周期動作モードへ移行する。
図12は、図11の工程d20における駆動オン時の投入電力を変化させる場合の動作の一例を表すタイミングチャートである。図13は、図11の工程d20における駆動オン時の投入電力を変化させる場合の他の動作の一例を表すタイミングチャートである。図11に示される例では、工程d20において駆動オン時に一定電力が投入されたが、図12及び図13に示される例では、工程d20における駆動オン時の電力投入パターンを変化させている。
図12に示される例では、工程d20において、投入電力がα2[W]となるオン期間と、投入電力がα3[W]となるオン期間とが交互に繰り返される。詳しくは、工程d20において、投入電力がα2[W](例えば1500[W])となるオン期間、投入電力が0[W]となるオフ期間、投入電力がα3[W](例えば600[W])となるオン期間、およびオフ期間、といったパターンが繰り返される。
また、図13に示される例では、工程d20において、投入電力がα2[W](例えば1500[W])となるオン期間と投入電力が0[W]となるオフ期間とが複数回繰り返され、その後、投入電力がα3[W](例えば、600[W])となるオン期間、および投入電力が0[W]となるオフ期間、といったパターンが繰り返される。
一般に、投入電力が小さいときには被加熱物の底面付近で対流が生じ、投入電力が大きいときには被加熱物内に大きな対流が生じて調理物がかき混ぜられるので、投入電力によって加熱部位及びかき混ぜ効果等に違いが出る。したがって、図12~図13に示されるように長周期動作において投入電力にパターンをもたせることにより、被加熱物内の調理物に様々な対流を発生させることができるので、多様な調理の仕方が実現でき、利便性が向上する。
なお、図11~図13では、第1のインバータINV1の単独動作時に長周期動作に移行する例が示されたが、第2のインバータINV2の単独動作時においても、同様である。すなわち、モード切替えボタン(図示なし)が押下されると、使用者が使用する1つの加熱口に対応したインバータINVを長周期動作させるように、制御が行われる。また、工程d20における電力投入パターンは、図12又は図13に示されるパターンに限定されない。例えば、誘導加熱調理器100は、工程d20において、図12に示される電力投入パターンと図13に示される電力投入パターンとが交互に行われるように構成されてもよい。この場合においても、被加熱物内の調理物に様々な対流を発生させることができるので、多様な調理の仕方が実現でき、利便性が向上する。また、誘導加熱調理器100は、被加熱物内の調理物Fb、Fc及びFdに応じて、工程d20における投入電力パターンを選別するように構成してもよい。この場合において、図1に示される操作部4には、調理物である食材を選択する選択ボタン(図示なし)が設けられ、使用者が調理物を選択するようにしてもよい。誘導加熱調理器100は、調理物がFbである場合には、工程d20において図11の電力投入パターンを適用し、調理物がFcである場合には、工程d20において図12の電力投入パターンを適用し、調理物がFdである場合には、工程d20において図13の電力投入パターンを適用する。このような構成により、食材の粘度又は形状に合った長周期動作を選択することができるので、使い勝手が向上する。
図14は、図10の非定常加熱モードの第3変形例を示す図である。図10に示される例では、通常時の短周期動作(工程d1)及びモード切替え後の長周期動作(工程d2)の双方において常に2つのインバータが排他動作となるが、図14に示される第3変形例では、長周期動作において、一部同時駆動が行われる。
工程d1では、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とは、常に排他動作を行う。一方、工程d2では、第1のインバータINV1は、第2のインバータINV2のオフ期間には単独駆動でメイン加熱を行い、第2のインバータINV2のオン期間には第2のインバータINV2との同時駆動でアシスト加熱を行う。ただし、第3変形例では、2つのインバータINV1及びINV2の同時駆動時の周波数差分が一定以上になるように駆動周波数を制御している。一般に、人が聞くことのできる音の周波数範囲(いわゆる可聴域)は20[Hz]~20[kHz]である。よって、2つのインバータINV1及びINV2の同時駆動時の周波数差分が20[kHz]以上となるように各駆動周波数を設定することで、周波数差分による干渉音が人に感知されにくくなる。
具体的には、工程d2では次の(1)及び(2)の2つの制御のうち少なくとも一方を採ることで、干渉音が人に与える不快感を抑制できる。
(1)アシスト加熱時の第1のインバータINV1の駆動周波数を、第2のインバータINV2の駆動周波数と一定以上の周波数差分が得られるように、メイン加熱時の周波数よりも高い周波数(例えば55[kHz])とする制御を採る。この場合、第1のインバータINV1は、長周期動作を行う工程d2において、メイン加熱の低い周波数(例えば20[kHz])での駆動と、アシスト加熱の高い周波数(例えば55[kHz])での駆動とを、交互に行うことになる。
(2)長周期動作(工程d2)に入ると、第2のインバータINV2の駆動周波数を高い周波数(例えば55[kHz])に移行する制御を採る。この場合、第1のインバータINV1は常に低い周波数(例えば20[kHz])としてアシスト加熱を行うこともできる。このように長周期動作において第1のインバータINV1の駆動周波数を固定値とする場合、すなわち同じ駆動周波数でメイン加熱とアシスト加熱を行う場合、デューティ制御により、メイン加熱時の電力に対してアシスト加熱時の電力が低くなるように制御する。具体的には、第1のインバータINV1がメイン加熱を行うときのオンデューティに対して、アシスト加熱を行うときのオンデューティを低くすることで、アシスト加熱時の電力を低くする。
上述のようにアシスト加熱を行うことで、第1のインバータINV1側の加熱口(例えば右側の加熱口)が加熱動作を行わない期間が無くなる。よって、被加熱物内の食材の温度低下を緩和することができ、省電力で新機能要素を得ることができる。言い換えると、時分割駆動による投入電力の制限(駆動時間比で制限量が決定される)が緩和され、第1のインバータINV1への投入電力を増加させることができるので、新機能要素を得るための効率が向上する。
なお、図14には、第1のインバータINV1でアシスト加熱を行う場合が示されているが、第2のインバータINV2側に本機能を付加する構成としてもよい。この場合、第2のインバータINV2側の加熱口(例えば左側の加熱口)の非定常加熱モードの使い勝手を向上させることができる。
図15は、図10の第1のインバータが非定常加熱モードで目的出力電力が得られないときの動作の一例を表すタイミングチャートである。制御装置30は、非定常加熱モードにおいて第1のインバータINV1で目的出力電力が得られない場合には(工程d21)、連続モード(工程d3)に移行する。連続モード(工程d3)では、制御装置30は、2つのインバータINV1及びINV2の時分割駆動を中断し、第2のインバータINV2の駆動を停止させ、第1のインバータINV1を連続駆動させる(工程d3)。制御装置30は、予め決められた解除条件が成立するまで、連続モードで第1のインバータINV1単独の連続駆動を続け、解除条件が成立すると、非定常加熱モードに戻り(工程d22)、2つのインバータINV1及びINV2の時分割駆動を再開する。
連続モードの解除条件は、非定常加熱モードに応じて予め設定されている。例えば、被加熱物の温度が適温(例えば、対流機能を得る場合には約100℃)に達したことを、連続モードの解除条件とすることができる。図示していないが、誘導加熱調理器100は、被加熱物の温度を検出する温度センサを備えている。温度センサは、例えば、非接触式である赤外線温度センサで構成される。
図15に基づき、2つのインバータINV1及びINV2の動作について説明する。工程d1では、第1のインバータINV1は、α1[W]の出力で時分割駆動により定常加熱動作を行っており、INV2は、β[W]の出力で時分割駆動により定常加熱動作を行っている。定常加熱動作において第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とは交互にオン状態となるように排他動作を行う。
使用者の指示に応じてモード切替手段がモード切替えを行うと、非定常加熱モードに移行し、長周期動作が開始される(工程d21)。非定常加熱モードの工程d21では、2つのインバータINV1及びINV2が時分割駆動のもとでそれぞれ目的出力電力を得るように、駆動時間比及びピーク電力等が設定される。工程d21において、第1のインバータINV1のピーク電力はα2[W]とされ、第2のインバータINV2のピーク電力はγ[W]とされ、2つのインバータINV1及びINV2は長周期の時分割駆動により排他動作を行う。
ここで、定常加熱モードから非定常加熱モードへの移行時に目的出力電力を変化させたときに目的出力電力ε[W]が投入できないため(工程d21)、連続モードに移行する。目的出力電力ε[W]が投入できない場合とは、具体的には、ピーク電力を第1のインバータINV1の最大値α2[W]としてもα2[W]×駆動時間比が目的出力電力ε[W]に満たない場合等が該当する。
連続モード(工程d3)では、それまで時分割駆動していた第2のインバータINV2の駆動が停止し、第1のインバータINV1で目的出力電力ε[W]が得られるように第1のインバータINV1が単独で駆動する。工程d3では、第1のインバータINV1は、ピーク電力をε[W]として、連続駆動する。工程d3において、連続モードの解除条件が満たされると、非定常加熱モードに戻る(工程d22)。その後、非定常加熱モードの工程d22では、2つのインバータINV1及びINV2の時分割駆動が再開される。
以上のように、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100は、第1の加熱コイル(例えば、加熱コイル13a)と、第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータINV1と、第2の加熱コイル(例えば、加熱コイル14a)と、第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータINV2と、を備える。また、誘導加熱調理器100は、加熱動作のモードを切替えるモード切替手段を備える。第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とは、双方が加熱動作を行う場合において、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、交互に単独でオン状態となるように時分割駆動を行う。モード切替手段は、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2の双方が加熱動作を行う場合において、モード切替えの前と後とにおいて、時分割駆動のオンとオフの繰り返し周期を変更するとともに、繰り返し周期の変動に連動して第1のインバータINV1又は第2のインバータINV2の出力電力を調整する。
これにより、まず、2つのインバータINV1及びINV2の双方が加熱動作を行う場合において、モード切替えの前と後とにおいて、時分割駆動が行われるので、2つのインバータの同時駆動が行われず、干渉音の発生自体を回避できる。また、時分割駆動により同時駆動を回避することで、2つのインバータの双方が加熱動作を続けることができるので、一方のインバータを停止させずに済み、効率の低下を抑制できる。したがって、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100においても、実施の形態1の場合と同様、2つのインバータの周波数差分の変化により生じる干渉音の不快感を低減させるとともに、効率の低下を抑制することができる。さらに、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100では、モード切替手段を備え、時分割駆動における繰り返し周期とインバータINVの出力電力を連動させることで新機能が得られ、定常加熱モードと非定常加熱モードの両方を実現するので使い勝手が向上する。
また、誘導加熱調理器100は、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2を制御する制御装置30を備える。制御装置30は、モード切替手段によるモード切替え後、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2のうち一方のインバータにおいてピーク電力を最大値α2[W]にしても平均投入電力が目的出力電力ε[W]未満である場合には、一方のインバータにおいて予め決められた解除条件が成立するまで、他方のインバータの駆動を停止させ、且つ一方のインバータを連続駆動させる。
これにより、他方のインバータを停止して一方のインバータINVで目的出力電力ε[W]を得ることができるので、新機能要素を短時間で得ることができ、使用者の使い勝手が向上する。
また、実施の形態2の第3変形例(図14参照)の誘導加熱調理器100は、第1の加熱コイル(例えば、加熱コイル13a)と、第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータINV1と、第2の加熱コイル(例えば、加熱コイル14a)と、第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータINV2と、を備える。また、誘導加熱調理器100は、定常加熱モードと非定常加熱モードとを切替えるモード切替手段と、を備える。第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とは、双方が定常加熱モードで加熱動作を行う場合において、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、交互に単独でオン状態となるように時分割駆動を行う。モード切替手段は、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2の双方が加熱動作を行う場合において非定常加熱モードに切替えられると、繰り返し周期を変更する。そして、非定常加熱モードの加熱動作において、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2のうち一方のインバータ(例えば、第2のインバータINV2)は、変更後の繰り返し周期でオンとオフを繰り返す。また、非定常加熱モードの加熱動作において、他方のインバータ(例えば、第1のインバータINV1)は、変更後の繰り返し周期でメイン加熱と、メイン加熱時の駆動周波数よりも高い駆動周波数で駆動するアシスト加熱と、を繰り返す。他方のインバータ(第1のインバータINV1)は、一方のインバータ(第2のインバータINV2)がオフのときにメイン加熱を行い、一方のインバータ(第2のインバータINV2)がオンのときにアシスト加熱を行う。
これにより、2つのインバータINV1及びINV2は、定常加熱モードでは時分割駆動が行われることで、同時駆動されることなく双方で加熱動作が行われ、また、非定常加熱モードでは、一方のインバータ(第2のインバータINV2)がオンのときに他方のインバータ(第1のインバータINV1)が、メイン加熱時の駆動周波数よりも高い駆動周波数でアシスト加熱を行う。したがって、実施の形態2の第3変形例の誘導加熱調理器100においても、実施の形態1、2の場合と同様、2つのインバータの周波数差分の変化により生じる干渉音の不快感を低減させるとともに、効率の低下を抑制することができる。さらに、実施の形態2の第3変形例の誘導加熱調理器100では、アシスト加熱をすることで合計の投入電力を増加させることができ、新機能要素を得るための効率を向上させることができるので、省電力化と使い勝手の向上を両立できる。
実施の形態3.
図16は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の概略構成を示す回路図である。図17は、図16の誘導加熱調理器の3つのインバータが負荷判定シーケンスを行うときの駆動周波数の経時的変化を説明する図である。実施の形態1の誘導加熱調理器100は、2つの加熱コイルと2つのインバータINV1及びINV2を備えていたが、実施の形態3の誘導加熱調理器100は、3つの加熱コイル13a、14a及び15aと、3つのインバータINV1、INV2及びINV3と、を備えている。以下、実施の形態3において、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図16は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の概略構成を示す回路図である。図17は、図16の誘導加熱調理器の3つのインバータが負荷判定シーケンスを行うときの駆動周波数の経時的変化を説明する図である。実施の形態1の誘導加熱調理器100は、2つの加熱コイルと2つのインバータINV1及びINV2を備えていたが、実施の形態3の誘導加熱調理器100は、3つの加熱コイル13a、14a及び15aと、3つのインバータINV1、INV2及びINV3と、を備えている。以下、実施の形態3において、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態3の誘導加熱調理器100では、前段回路10の出力側に、第1のインバータINV1と、第2のインバータINV2と、第3のインバータINV3とが並列接続されている。各インバータINVの出力側には、加熱コイル13a、14a又は15aを含む共振回路13、14又は15が接続されている。具体的には、第1のインバータINV1の出力側には、加熱コイル13a及び共振コンデンサ13bを含む共振回路13が接続され、第2のインバータINV2の出力側には、加熱コイル14a及び共振コンデンサ14bを含む共振回路14が接続され、第3のインバータINV3の出力側には、加熱コイル15a及び共振コンデンサ15bを含む共振回路15が接続されている。3つのインバータのそれぞれは、複数のスイッチング素子を有している。具体的には、第1のインバータINV1はスイッチング素子3a及び3bを有し、第2のインバータINV2はスイッチング素子3c及び3dを有し、第3のインバータINV3はスイッチング素子3e及び3fを有している。
また、図示していないが、天板には3つの加熱口が設けられている。第1のインバータINV1と接続された加熱コイル13a(第1の加熱コイル)は、例えば天板右側に設けられた加熱口の下方に配置される。第2のインバータINV2と接続された加熱コイル14a(第2の加熱コイル)は、例えば天板中央に設けられた加熱口の下方に配置される。第3のインバータINV3と接続された加熱コイル15a(第3の加熱コイル)は、例えば天板左側に設けられた加熱口の下方に配置される。
また、操作部4は、各加熱口に応じた操作部4a、4b及び4cを有している。各操作部4a、4b、4cは、電源をON/OFFするための電源スイッチ、および火力を調節するための複数の操作ダイヤルなどを含む。加熱口について操作部4を介して動作開始要求がされると、その加熱口に対応するインバータINVは初期負荷検知モードに移行して負荷検知を行い、その検知結果に応じてその後の加熱動作を行う。
図16に示される、母線共通方式で並列接続された3つのインバータINV1、INV2及びINV3は、時分割駆動により排他動作を行う。以下、3つの加熱口全てに動作開始要求が行われた場合の動作について、図16及び図17に基づき説明する。
3つの加熱口に動作開始要求がされると、制御装置30は、3つのインバータINV1、INV2及びINV3の負荷判定シーケンスを並行して行う。ただし、3つのインバータINV1、INV2及びINV3のうち一つのインバータのみ駆動の排他動作となるように、動作開始タイミングをずらし、順次繰り返してオン状態となる時分割駆動を行う。
図17に示される例では、第2のインバータINV2が負荷判定シーケンスを開始してオン期間が経過した後、第2のインバータINV2はオフに切り替わり、第3のインバータINV3が負荷判定シーケンスを開始してオンになる。次に、第3のインバータINV3が負荷判定シーケンスを開始してオン期間が経過した後、第3のインバータINV3はオフに切り替わり、第1のインバータINV1が負荷判定シーケンスを開始してオンになる。次に、第1のインバータINV1が負荷判定シーケンスを開始してオン期間が経過した後、第1のインバータINV1はオフに切り替わり、再び第2のインバータINV2がオンになる。その後も、制御装置30により、第1のインバータINV1、第2のインバータINV2及び第3のインバータINV3のそれぞれがオンとオフの切替えを連動して繰り返し、順次繰り返して単独でオン状態となるように制御される。図17に示される例では、100[msec]を繰り返し周期として、第1のインバータINV1は50[msec]オン且つ50[msec]オフとなるように駆動され、第2のインバータINV2は30[msec]オン且つ70[msec]オフとなるように駆動される。また、第3のインバータINV3は20[msec]オン且つ80[msec]オフとなるように駆動される。すなわち、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2と第3のインバータINV3との駆動時間比は、5:3:2である。なお、繰り返し周期及び駆動時間比は上記のものに限定されない。なお、図17では第2のインバータINV2の負荷判定シーケンス図を割愛している。
また、3つの加熱コイル13a、14a及び15aを備える実施の形態3においても、実施の形態2の場合と同様、モード切替手段を備えることができる。図18は、図16の3つのインバータの加熱動作中に各インバータが非定常加熱モードに切替えられた場合の動作の一例を表すタイミングチャートである。図18において、通常加熱の工程d1から非定常加熱モードの工程d2への移行時の動作は、実施の形態2の図10に示される場合と同様であり、3つのインバータINV1、INV2及びINV3が時分割駆動による排他動作を行いながら各モードを実行する。
また、3つの加熱コイル13a、14a及び15aを備える実施の形態3においても、実施の形態2の第3変形例の場合と同様、アシスト動作を備えることができる。図19は、図18の誘導加熱調理器の第4変形例を示す図である。図20は、図18の誘導加熱調理器の第5変形例を示す図である。
図19に示す第4変形例及び図20に示す第5変形例においても、実施の形態2の第3変形例(図14参照)の場合と同様、一定条件のもとで一部同時駆動を許容することで、投入電力を増加させることができる。ここで、一定条件とは、干渉音による不快感を抑制するために設けられた条件であり、例えば図14に基づき説明した先述の(1)及び(2)の制御のように、同時駆動するインバータの同時駆動時の駆動周波数を、周波数差分が一定以上となるように調整することをいう。
図19に示される第4変形例では、一例として、第3のインバータINV3のみでアシスト加熱を行う構成としている。第3のインバータINV3は、アシスト加熱時に、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2とそれぞれ同時駆動を行う。図19には、第3のインバータINV3が先述の(1)の制御を行う場合が示される。第3のインバータINV3は、メイン加熱時の駆動周波数に対してアシスト加熱時の駆動周波数を変えることで、電力を変えている。第3のインバータINV3のメイン加熱時のピーク電力はγ1[W]であり、アシスト加熱時のピーク電力は、メイン加熱時のピーク電力(γ1[W])及び通常加熱時のピーク電力(β[W])よりも小さいγ2[W]とされる。なお、先述の(2)の制御を採用し、駆動周波数は固定してデューティ制御により平均投入電力を変えるようにしてもよい。
また、図20に示される第5変形例では、一例として、第3のインバータINV3が第2のインバータINV2のみと同時駆動を行う構成としている。なお、第3のインバータINV3が第1のインバータINV1のみと同時駆動を行う構成としてもよい。干渉音は、加熱口間の距離が近いほど発生し易い特性がある。例えば、3つの加熱口が天板の右側と中央と左側とに設けられる場合、右側の加熱口と中央の加熱口の距離、及び、左側の加熱口と中央の加熱口の距離が近いことから、中央の加熱口に対応したインバータ(例えば、第2のインバータINV2)の駆動周波数を高周波駆動(例えば、50[kHz]以上)とし、他のインバータと同時駆動を行う場合でも一定以上の周波数差分を確保している。なお、右側の加熱口と左側の加熱口の距離は離れているので、第1のインバータINV1と第3のインバータINV3の駆動周波数が近くても、すなわち、周波数差分が可聴域であっても、干渉音は発生しにくい。
第5変形例において、例えば、第1のインバータINV1の駆動周波数を20[kHz]近傍、第2のインバータINV2の駆動周波数を55[kHz]近傍、第3のインバータINV3の駆動周波数を25[kHz]近傍とすることができる。この場合、第2のインバータINV2と第3のインバータINV3の周波数差分が可聴域を超えるため、同時駆動しても干渉音が感知されない。なお、第1のインバータINV1と第3のインバータINV3の周波数差分は可聴域であるが、第1のインバータINV1と第3のインバータINV3とは同時駆動を行わないので干渉音は発生しない。このように、3つの加熱口を備える場合においても、隣り合う加熱口間で周波数差分が一定以上となるようにすることで干渉音による不快感を抑制しつつ、アシスト動作により効率的な加熱を行うことができる。
以上のように、実施の形態3に係る誘導加熱調理器100は、第1の加熱コイル(例えば、加熱コイル13a)と、第2の加熱コイル(例えば、加熱コイル14a)と、第3の加熱コイル(例えば、加熱コイル15a)と、第1のインバータINV1と、第2のインバータINV2と、第3のインバータINV3と、を備える。そして、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2と第3のインバータINV3とは、それぞれが負荷判定シーケンスを行うときには、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2と第3のインバータINV3とが単独でオン状態となるように時分割駆動を行う。
これにより、加熱コイルが3つ設けられる場合でも、実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。
また、実施の形態3に係る別の誘導加熱調理器100は、第1の加熱コイル(例えば、加熱コイル13a)と、第2の加熱コイル(例えば、加熱コイル14a)と、第3の加熱コイル(例えば、加熱コイル15a)と、第1のインバータINV1と、第2のインバータINV2と、第3のインバータINV3と、を備える。そして、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2と第3のインバータINV3とは、全てが加熱動作を行う場合において、モード切替えの前と後の双方において、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、第1のインバータINV1と第2のインバータINV2と第3のインバータINV3とが単独でオン状態となるように時分割駆動を行う。
これにより、加熱コイルが3つ設けられる場合でも、実施の形態2の場合(図10参照)と同様の効果が得られる。
なお、本開示の実施の形態は上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。例えば、上述した実施の形態1、第1変形例、第2変形例、実施の形態2、第3変形例、実施の形態3、第4変形例及び第5変形例では、個別の加熱口の被加熱物を加熱する第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とを時分割駆動する構成について示したが、その限りでは無く、1つの加熱口に分割コイルを配し、第1のインバータINV1及び第2のインバータINV2のそれぞれが、分割コイルそれぞれを駆動する構成としてもよい。この場合、例えば内側の加熱コイルの負荷検知を第1のインバータINV1が、外側の加熱コイルの負荷検知を第2のインバータINV2が行い、これらの加熱コイルの非定常加熱モードを第1のインバータINV1と第2のインバータINV2とで各々行う。このような構成では、1つの加熱口に複数の加熱コイルが集約されるので、非定常加熱モードで対流を発生させる場合において、加熱口の内側と外側とを交互に駆動させるので、より効果的な対流発生を行うことができる。また、このような構成では、2つの加熱コイルが至近距離で配置されるので、実施の形態1のように負荷検知モードで排他動作とする場合、干渉音の発生をより効果的に抑制することができる。
3a、3b、3c、3d、3e、3f スイッチング素子、4 操作部、4a 操作部、4b 操作部、10 前段回路、11 整流回路、11a ダイオード、12 フィルタ回路、12a チョークコイル、12b 平滑コンデンサ、13、14、15 共振回路、13a、14a、15a 加熱コイル、13b、14b、15b 共振コンデンサ、30 制御装置、51、52a、52b 電流検出器、100 誘導加熱調理器、200 商用電源、INV インバータ、INV1 第1のインバータ、INV2 第2のインバータ、INV3 第3のインバータ、T1 負荷判定、T2 負荷判定、T3 負荷判定、Tr 繰り返し周期、Tr1 繰り返し周期、Tr2 繰り返し周期、α2 最大値、ε 目的出力電力。
Claims (12)
- 第1の加熱コイルと、
前記第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータと、
第2の加熱コイルと、
前記第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータと、を備え、
前記第1のインバータと前記第2のインバータとは、前記第1の加熱コイル及び前記第2の加熱コイルのそれぞれに動作開始要求がされている場合において、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータが負荷判定シーケンスを行うときには、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータのそれぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、前記第1のインバータと前記第2のインバータとが交互に単独でオン状態となるように時分割駆動を行う
誘導加熱調理器。 - 前記第1のインバータ及び前記第2のインバータを制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータの前記負荷判定シーケンス中に、前記負荷判定シーケンスを行っているインバータの駆動周波数が変化するように前記駆動周波数の掃引を行う
請求項1に記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御装置は、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータの前記負荷判定シーケンス中に、前記負荷判定シーケンスを行っているインバータの前記駆動周波数が高い周波数から低い周波数に変化するように掃引を行う
請求項2に記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御装置は、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータの前記負荷判定シーケンス中、前記負荷判定シーケンスを行っているインバータのオン期間及びオフ期間の双方において、一定の掃引スピードで前記駆動周波数を掃引する
請求項2又は3に記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御装置は、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータの前記負荷判定シーケンス中、前記負荷判定シーケンスを行っているインバータのオン期間にのみ前記駆動周波数を掃引し、前記負荷判定シーケンスを行っているインバータのオフ期間には前記駆動周波数の掃引を停止し、前記オフ期間直後のオン期間には、掃引を停止したときの周波数から掃引を再開する
請求項2又は3に記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御装置は、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータの前記負荷判定シーケンス中、前記負荷判定シーケンスを行っているインバータのオン期間に、前記駆動周波数を段階的に変化させて負荷判定を行う
請求項2又は3に記載の誘導加熱調理器。 - 第3の加熱コイルと、
前記第3の加熱コイルに高周波電流を供給する第3のインバータと、を備え、
前記第1のインバータと前記第2のインバータと前記第3のインバータとは、それぞれが前記負荷判定シーケンスを行うときには、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、前記第1のインバータと前記第2のインバータと前記第3のインバータとが単独でオン状態となるように時分割駆動を行う
請求項1に記載の誘導加熱調理器。 - 第1の加熱コイルと、
前記第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータと、
第2の加熱コイルと、
前記第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータと、
加熱動作のモードを切替えるモード切替手段と、を備え、
前記第1のインバータと前記第2のインバータとは、双方が加熱動作を行う場合において、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、交互に単独でオン状態となるように時分割駆動を行い、
前記モード切替手段は、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの双方が加熱動作を行う場合において、モード切替えの前と後とにおいて、時分割駆動のオンとオフの繰り返し周期を変更するとともに、前記繰り返し周期の変動に連動して前記第1のインバータ又は前記第2のインバータの出力電力を調整する
誘導加熱調理器。 - 第3の加熱コイルと、
前記第3の加熱コイルに高周波電流を供給する第3のインバータと、を備え、
前記第1のインバータと前記第2のインバータと前記第3のインバータとは、全てが加熱動作を行う場合において、モード切替えの前と後の双方において、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、前記第1のインバータと前記第2のインバータと前記第3のインバータとが単独でオン状態となるように時分割駆動を行う
請求項8に記載の誘導加熱調理器。 - 前記第1のインバータ及び前記第2のインバータを制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記モード切替手段によるモード切替え後、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータのうち一方のインバータにおいてピーク電力を最大値にしても平均投入電力が目的出力電力未満である場合には、前記一方のインバータにおいて予め決められた解除条件が成立するまで、他方のインバータの駆動を停止させ、且つ前記一方のインバータを連続駆動させる
請求項8に記載の誘導加熱調理器。 - 第1の加熱コイルと、
前記第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータと、
第2の加熱コイルと、
前記第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータと、
定常加熱モードと非定常加熱モードとを切替えるモード切替手段と、を備え、
前記第1のインバータと前記第2のインバータとは、双方が前記定常加熱モードで加熱動作を行う場合において、それぞれがオンとオフの切替えを繰り返し、交互に単独でオン状態となるように時分割駆動を行い、
前記モード切替手段は、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの双方が加熱動作を行う場合において前記非定常加熱モードに切替えられると、繰り返し周期を変更し、
前記非定常加熱モードの加熱動作において、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータのうち一方のインバータは、変更後の前記繰り返し周期でオンとオフを繰り返し、他方のインバータは、変更後の前記繰り返し周期でメイン加熱と、前記メイン加熱時の駆動周波数よりも高い駆動周波数で駆動するアシスト加熱と、を繰り返し、前記一方のインバータがオフのときに前記メイン加熱を行い、前記一方のインバータがオンのときに前記アシスト加熱を行う
誘導加熱調理器。 - 整流回路及びフィルタ回路を有する前段回路を備え、
前記第1のインバータと前記第2のインバータとは、前記前段回路の出力段に並列に接続されている
請求項1~11のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。
Priority Applications (1)
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JP2021199166A JP2023084830A (ja) | 2021-12-08 | 2021-12-08 | 誘導加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021199166A JP2023084830A (ja) | 2021-12-08 | 2021-12-08 | 誘導加熱調理器 |
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JP2023084830A true JP2023084830A (ja) | 2023-06-20 |
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ID=86775500
Family Applications (1)
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JP2021199166A Pending JP2023084830A (ja) | 2021-12-08 | 2021-12-08 | 誘導加熱調理器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2023084830A (ja) |
-
2021
- 2021-12-08 JP JP2021199166A patent/JP2023084830A/ja active Pending
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