JP2023083549A - 頭足類の飼育方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】頭足類を生存状態で維持し、頭足類の養殖や、馴致、鑑賞、輸送、保管にも使用することができ、その頭足類の逃亡を防止する頭足類飼育用のカゴや頭足類の逃亡防止用シートを提供することを目的とする。【解決手段】頭足類を生存状態で維持することのできる頭足類飼育用のカゴ10であって、頭足類飼育用のカゴ10が、少なくとも一部(側面部1)に4メッシュ以上の網状シートを用いて構成されたものである頭足類飼育用のカゴ10。頭足類を生存状態で維持することのできる頭足類の逃亡防止用シートであって、少なくとも一部に4メッシュ以上の網状シートを用いて構成されたものである頭足類の逃亡防止用シート。【選択図】 図1

Description

本発明は頭足類を生存状態で維持することのできる頭足類飼育用のカゴおよび頭足類の逃亡防止用シート、ならびにこれらの使用に関する。
食料資源の安定供給のために、各種水産生物の養殖技術が活発に開発されている。しかしながら、イカ、タコなどの頭足類は、日本人の食生活に非常になじみがあるものの、それらの養殖技術が確立されていない。
例えば、タコは養殖するときの養殖環境の重要性も指摘されており、養殖中のタコが利用する種々の構造物が提案されている(特許文献1、2、非特許文献1)。
特開2017-6054号公報 特開平10-262488号公報
秋山伸彦(東海大学海洋学部),「マダコの高密度収容技術と幼生飼育の現状」,平成29年度水産学会水産増殖懇話会第1回講演会,要旨集pp7-8
特許文献1、2や非特許文献1においてタコが利用する種々の構造物が検討されているように、生存状態のタコの商業的利用にあたっては、その維持、管理手段が重要となる。
養殖を例にすると、頭足類、特にタコなどのように吸盤を有する頭足類は、養殖槽の壁に吸盤を用いて自在に移動し、養殖槽から外へ容易に逃亡することが問題となる。また養殖槽に重い蓋を設けても、養殖される頭足類がその蓋を持ち上げてわずかな隙間を作り、その隙間から逃亡することもある。このように、頭足類を生存状態で維持して扱う養殖や、馴致などにあたっては、その頭足類の逃亡が問題となっていた。
本発明は係る状況下、頭足類の逃亡を防止するカゴおよびシートを提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の発明が前記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
(1) 頭足類を生存状態で維持することのできる頭足類飼育用のカゴであって、
前記頭足類飼育用のカゴが、少なくとも一部に4メッシュ以上の網状シートを用いて構成されたものである頭足類飼育用のカゴ。
(2) 前記頭足類飼育用のカゴの水面より上の部分が、少なくとも一部に前記網状シートを用いて構成されたものである(1)記載の頭足類飼育用のカゴ。
(3) 前記網状シートが、180メッシュ以下である(1)または(2)記載の頭足類飼育用のカゴ。
(4) 前記頭足類飼育用のカゴの水面より上の部分が頭足類の忌避する色を含むかつ/または前記頭足類飼育用のカゴの水面下の部分が頭足類の好む色を含む(1)~(3)のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
(5) 前記頭足類飼育用のカゴの天面側に返し部を有する(1)(4)のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
(6) 前記頭足類飼育用のカゴの側面部と、前記返し部とがなす角度の劣角が170度以下である(5)記載の頭足類飼育用のカゴ。
(7) 前記返し部が、頭足類の忌避する色を含むものである(5)または(6)記載の頭足類飼育用のカゴ。
(8) 前記頭足類飼育用のカゴの側面部の高さが、前記頭足類の全長の2倍以上である(1)~(7)のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
(9) 前記頭足類が、マダコ上科である(1)~(8)のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
(10) 前記マダコ上科が、マダコ科である(9)に記載の頭足類飼育用のカゴ。
(11) 前記マダコ科が、マダコである(10)に記載の頭足類飼育用のカゴ。
(12) 前記頭足類が、着底期以後の頭足類である(1)~(11)のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
(13) 前記頭足類の個体重量が、10g以上である(12)記載の頭足類飼育用のカゴ。
(14) 頭足類の養殖、馴致、鑑賞、輸送、および保管からなる群から選択される少なくともいずれかに用いられるための(1)~(13)のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
(15) 頭足類を生存状態で維持することのできる頭足類の逃亡防止用シートであって、
少なくとも一部に4メッシュ以上の網状シートを用いて構成されたものである頭足類の逃亡防止用シート。
(16) 前記網状シートが、180メッシュ以下である(15)記載の頭足類の逃亡防止用シート。
(17) 前記頭足類の逃亡防止用シートが、頭足類の忌避する色の部分を含む(15)または(16)記載の頭足類の逃亡防止用シート。
(18) 前記頭足類の逃亡防止用シートの高さが、前記頭足類の全長の2倍以上である(15)~(17)のいずれかに記載の頭足類の逃亡防止用シート。
(19) 前記頭足類が、マダコ上科である(15)~(18)のいずれかに記載の頭足類の逃亡防止用シート。
(20) 前記マダコ上科が、マダコ科である(19)に記載の頭足類の逃亡防止用シート。
(21) 前記マダコ科が、マダコである(20)記載の頭足類の逃亡防止用シート。
(22) 前記頭足類が、着底期以後の頭足類である(15)~(21)のいずれかに記載の頭足類の逃亡防止用シート。
(23) 前記頭足類の個体重量が、10g以上である(22)記載の頭足類の逃亡防止用シート。
(24) 頭足類の養殖、馴致、鑑賞、輸送、および保管からなる群から選択される少なくともいずれかに用いられるための(15)~(23)のいずれかに記載の頭足類の逃亡防止用シート。
(25) (1)~(14)のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴの頭足類の飼育のための使用。
(26) (15)~(24)のいずれかに記載の頭足類の逃亡防止用シートの頭足類の逃亡防止のための使用。
本発明の頭足類飼育用のカゴや頭足類の逃亡防止用シートによれば、この頭足類の逃亡を抑制し、生存状態で安定に維持、管理することができる。
頭足類の全長を測定する一例を説明するためのタコの図である。 本発明の第一の実施形態に係るカゴの概要図である。 本発明の第二の実施形態に係るカゴの概要図である。 本発明に用いられる網状シートの構造を説明するための概要図である。
以下、本発明について例示物を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、本明細書において、「A~B」とはその前後の数値又は物理量を含む表現として用いるものとする。
本発明の頭足類飼育用のカゴは、頭足類を生存状態で維持することのできる頭足類飼育用のカゴであって、前記頭足類飼育用のカゴが、少なくとも一部に4メッシュ以上の網状シートを用いて構成されたことを特徴とする。本発明の頭足類飼育用のカゴによれば、このカゴ内の頭足類の逃亡を防止することが可能となる。なお、以下において、本発明の頭足類飼育用のカゴを、単に「本発明のカゴ」と記載する場合がある。
本発明の頭足類の逃亡防止用シートは、頭足類を生存状態で維持することのできる頭足類の逃亡防止用シートであって、少なくとも一部に4メッシュ以上の網状シートを用いて構成されたものであることを特徴とする。本発明の頭足類の逃亡防止用シートを頭足類の逃亡を防止したい場所に配置することで、頭足類の逃亡を防止することができる。
頭足類を生存状態で取り扱うにあたっては、頭足類が吸盤を利用して槽の壁などを伝って逃亡する場合がある。しかし、本発明者らは、本発明のカゴや本発明の頭足類の逃亡防止用シートを用いるとこれらに用いられる網状シートの空隙によって頭足類の吸盤が吸着し登ることができず逃亡できなくなることを見出した。4メッシュ未満の場合、吸盤を用いることができなくても、頭足類はその足を網状シートの空隙に通して移動することができる。
本発明において、「頭足類飼育用のカゴ」は、頭足類を生存状態で維持、管理することができる頭足類を入れるための容器であり、網状シートで全部または一部を構成する容器である。
本発明において、「頭足類の逃亡防止用シート」は、頭足類を生存状態で維持、管理するために用いるシートであり、頭足類の逃亡を防止するために用いられるシートである。
本発明の頭足類飼育用のカゴおよび本発明の頭足類の逃亡防止用シートは、いずれも網状シートを用いて構成される。逃亡防止用シートとしては、面状や柵状、ドーム状とすることができ、頭足類飼育用のカゴとしては、カゴ状の容器とすることができる。
本発明の頭足類飼育用のカゴや本発明の頭足類の逃亡防止用シートは、例えば、頭足類の養殖、馴致、鑑賞、輸送、保管に用いることができる。
[網状シート]
本発明の頭足類飼育用のカゴは、カゴの少なくとも一部に4メッシュ以上の網状シートを用いて構成されたものである。また本発明の頭足類の逃亡防止用シートは4メッシュ以上の網状シートを用いて構成されたものである。この「網状シート」は、そのシートの全体に網目構造や編構造等による空隙を多数有する網状のものである。このような網状シートとしては、水や海水に対して耐性を有し浸漬して使用しても使用期間中その形状や物性が大きく変化しない限りなんでもよいが、例えば後述する織布や網、レース等の布状体のものや、シートの全面に微細孔が形成された多孔質体、金属等の種々の素材による網構造体・織構造体などを使用することができる。
ここで布状体とは、繊維そのものや繊維からなる糸状体を用いて構成された平面状のものである。この布状体の構造は、繊維や糸を、織った織物・織布や、編んだ編物、組み紐状に組み合わせた組紐、レース状に絡み合わせたレース、網状に糸を結合させて編目を作り連ね合わせた網、クロス状に配置してその繊維や糸の交点を接着させたクロスなどを用いることもできる。
この布状体に用いられる繊維は、細い糸状であることもできる。これらの繊維をそのまま用いて布状体を構成してもよいし、撚糸としたものや、モノフィラメントやマルチフィラメントのような不撚糸を用いてもよい。また、単に断面が略丸となる丸糸のほかに、平糸など任意の形状のものを用いてもよい。これらの繊維や糸の太さは本発明の目的を達成することができる範囲で任意のものでよいが、これらが太すぎる場合、吸盤が吸い付くことができる場合がある。よって、その太さや幅はその繊維や糸の最も太い部分で1mm以下のものでもよく、0.8mm以下、0.6mm以下、0.4mm以下のものでもよい。
これらの繊維には、有機繊維や、無機繊維のいずれも用いることができる。有機繊維は、天然繊維や化学繊維があげられる。天然繊維としては、綿・麻などの植物繊維や、羊毛・絹などの動物繊維などがあげられる。化学繊維としては、レーヨン・キュプラ等の再生繊維や、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド系・ポリエステル系・アクリル系などの種々の合成樹脂繊維などがあげられる。これらの繊維を前述したように繊維のまま、あるいは適宜糸としたものを用いることができる。また、これらの繊維を単独または2以上組み合わせて用いることもできる。
布状体として、織物や織布を用いる場合は、その織物組織は、平織りや、あや織、朱子織等の種々の織物組織のいずれを用いてもよい。また、編物、組紐、レース、網、クロスなどの他の布状体の構造とする場合も、そのメッシュが所定の範囲となるものであれば、その織物組織は任意の構造であってよい。
網状シートとしては多孔質体を用いることもできる。これは、高分子のフィルム等を延伸し結晶部分が細く伸びた糸状の部分で結ばれた構造とする延伸法や、液状の高分子やその溶液から固体の高分子を析出させる相分離法や、放射線で線上にダメージを与え化学的なエッチングで穴を広げるトラックエッチング法などの手法により、フィルムや膜などに多数の孔を設けたものなどがあげられる。
網状シートには、金属等の種々の素材による網構造体・織構造体を用いることもできる。これは、例えば線状の金属を、織布状に配置したり網目状に織り込んだいわゆる金網などがあげられる。さらにはパンチングメタル加工により、網状のメッシュに相当する空隙を有するものも含む概念である。
本発明に用いられる網状シートは、4メッシュ以上である。網状シートのメッシュは、頭足類の種類によっても適宜選択される。この「メッシュ」は、1インチ当たりの同軸の繊維や糸による目の数である。メッシュの下限は4メッシュ以上、5メッシュ以上、10メッシュ以上、18メッシュ以上、20メッシュ以上としてもよい。メッシュが小さくなると、一部前述したように頭足類はその網状シートの空隙に足を入れて移動する可能性がある。このメッシュの番手が大きくなるほど、より広範な頭足類に利用できるカゴとすることができる。特に、マダコ上科の頭足類用としては10メッシュ以上とすることが好ましい。
本発明に用いられる網状シートは、180メッシュ以下であることが好ましい。メッシュの上限は165メッシュ以下、150メッシュ以下、120メッシュ以下、100メッシュ以下、70メッシュ以下、50メッシュ以下としてもよい。メッシュの番手が大きすぎる場合、網状シートの空隙が小さいためカゴを配置した槽内の液が網状シートを十分に通過しにくくなりカゴ内の環境が汚染されやすくなる。
本発明に用いられる網状シートは、各軸がいずれも、この範囲のメッシュで設計されることが好ましい。このようなメッシュは、空隙の大きさと、糸の太さとが、本発明の網状シートに適したものである。また、利用しようとする頭足類の逃亡防止用シートやカゴの大きさ等に適した網状シートを入手しやすく、全体に均一性が高い空隙を有する構造を配置しやすい。
本発明に用いられる網状シートに関して、そのメッシュに対応する目開きについて説明する。この目開きは2軸の交差の織物組織における交差する繊維・糸間の方形についての幅であり、長さ方向、および幅方向の双方の数値が存在するときのより長いほうの目開きの数値を目開きとする。また、編物、組紐、レース、網等の構造のうち2軸の糸(繊維)の交差に基づく目開きを特定しにくい構造の場合は、その布状体等を形成する糸等の間の空隙のうち最大長さをその目開きとする。また多孔質体の場合、その孔径の最大孔径をその目開きとする。
この網状シートの目開きは、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下としてもよい。一方、網状シートの目開きの下限は0.10mm以上、0.15mm以上、0.20mm以上、0.25mm以上、0.30mm以上、0.35mm以上、0.40mm以上としてもよい。
[頭足類の逃亡防止用シートの配置]
本発明の頭足類の逃亡防止用シートは、頭足類の逃亡を防止しようとする方向に面状に配置したり、頭足類を入れた水槽の開口部に柵状に配置したり、水槽の開口部をドーム状に覆うように配置することができる。また、頭足類の逃亡防止用シートは、網状シートの周囲に吊下げたり固定したりする取付用の部材を設けて容易に設置できるようにしたり、網状シートの周囲の辺に剛性が高いシートやテープ、紐、枠を設けて形状が安定しやすいものとしたりしてもよい。
本発明の頭足類の逃亡防止用シートは、少なくとも一部に網状シートが用いられる。この網状シートが用いられる部分は、頭足類の逃亡を防止できる範囲で任意の範囲とすることができる。この網状シートが用いられる部分は、例えば、本発明の逃亡防止用シートの表面積の10%以上、30%以上、50%以上、70%以上、90%以上、95%以上としてもよく、逃亡防止用シートの全体にこの網状シートが用いられていてもよい。また、この網状シートが用いられる部分の形状は何でもよいが、面状、錘状又は球帽状としたり、これらの組み合わせの形状としてもよい。
また、本発明の逃亡防止用シートは、頭足類が生活できるように、逃亡防止用シートを通して換水を行いやすいものとしてもよい。なお、本発明の逃亡防止用シートは、本発明に用いられる網状シートの他の部分は何でもよいが、頭足類が逃げにくい構造とし、例えば頭足類が通過できない大きさの他のメッシュの網状シートとしたり、通液しにくい防水シートとしてもよい。
[カゴの形状]
本発明のカゴの形状は、頭足類飼育用のカゴとして機能する任意の形状から選択される。例えば、円筒状や、角柱状、錘体状、錐台状、球状、楕円体状などや、これらに拡径部や凸状部があるもの、これらに縮径部や凹状部があるもの、これらを組み合わせた形状があげられる。この錘体状は、一点から放射状に伸びる直線によって形作られる錐体状の立体状のものをいう。例えば円錐や角錐である。この錘台状は、錐体から、頂点を共有し相似に縮小した錐体を取り除いた立体状のものをいう。例えば円錐台や角錐台である。
このような形状のカゴの任意の少なくとも一部に、網状シートを用いて本発明のカゴは構成される。この網状シートが用いられている部分では、頭足類の移動が大きく制限され、カゴ内からの頭足類の逃亡が防止される。
本発明のカゴは、本発明に用いられる網状シートが設けられる部分は、このような頭足類の逃亡が防止される範囲で任意の範囲とすることができる。この網状シートが設けられる部分は、例えば、本発明のカゴの表面積の10%以上、30%以上、50%以上、70%以上、90%以上としてもよく、カゴの表面積の全体に網状シートが用いられていてもよい。また、この網状シートが設けられる部分の形状は何でもよいが、カゴのいずれかの面としたり、その面の任意の多角形状や、球状等の範囲としたり、隣接した複数の面に設けたり、離隔した複数の面に設けてもよい。
本発明のカゴは、天面などが開放された開口部を有するものでもよく、閉じた形状としてもよい。閉じた形状とする場合、給餌などのために用いる開閉自在な開口部を設けておくことが好ましい。開閉自在な開口部は、点ファスナーや線ファスナー、面ファスナーを用いたり、ねじ式やスナップフィット式の蓋などを用いて必要に応じて開閉できるものとすることができる。
「カゴの水面より上の部分」
本発明においてカゴの「水面より上の部分」とは頭足類飼育用のカゴを使用する時、水面下となる部分である。本発明のカゴの水面より上の部分は、少なくとも一部に網状シートを用いて構成されることが好ましい。本発明のカゴの水面より上の部分には、その最内層などに網状シートが用いられて、頭足類がそのカゴの水面より上の部分を足場とした移動が制限されればよい。
本発明のカゴには、カゴを構成する水面より上の部分の少なくともいずれかの高さの全周にわたって4メッシュ以上の網状シートが用いられていることが好ましい。カゴの水面より上の部分の全周にこのような網状シートが用いられていることで、カゴの水面より上の部分のいずれの方向からも頭足類は移動することが難しくなり、逃亡する可能性が低くなる。このメッシュの網状シートは、側面部の全面に設けられたものであってもよい。本発明においてカゴの側面部とは、頭足類飼育用のカゴを使用する時、立体としてのカゴの底部および天面以外の、高さ方向に対する周囲の面をいう。
カゴの水面より上の部分には、網状シートを複層重ねて使用することができる。また、カゴの水面より上の部分の外周には、色を調整するものや強度を調整するものなど他の素材で覆って使用することもできる。
本発明のカゴの水面より上の部分は、一部に給餌用のために開口部となっている部分を含むことができる。また、本発明のカゴの水面より下の部分は任意の素材による構造としてもよく、水面より上の部分に用いられるものと同様の網状シートにより構成されていてもよい。
本発明のカゴが使用されるにあたっては、カゴを海水等を入れた槽内に配置し、そのカゴの一定の範囲までは海水等に浸った状態で用いられる。頭足類は、この槽内の海水中を主たる住処として維持される。頭足類が、槽から外に出るためにはカゴの水面より上の部分を移動して外へ出ることとなる。このため、そのカゴの水面より上の部分を移動できないように、本発明のカゴに関する網状シートが用いられる。
本発明のカゴは、水面からの高さによって、メッシュの大きさを段階的に変更したカゴとすることもできる。例えば、カゴの水面より下の部分はメッシュの番手が小さいものとし、水面から上の部分の一部をメッシュの番手が大きいものとすることができるし、その逆としてもよい。このような構成とすれば、カゴ内に入れられた複数の頭足類の大きさに個体差があっても、いずれかのメッシュの網状シートを登ることが困難なものとなる。
本発明のカゴを使用するにあたっては、カゴの水面から上の部分の一部を、適宜複数個所吊り下げたり、カゴの辺となる部分に芯線となるものを配置してその形状を整えて使用することができる。
[カゴの水面から下の部分]
本発明のカゴの「水面から下の部分」は、頭足類飼育用のカゴを使用する時、水面下となる部分である。頭足類はこのカゴ内で生息することとなり、このカゴの開口部から餌を供給することができる。そして、頭足類の排泄物や餌の食べ残しはカゴの水面から下の部分へと沈降しやすい。これらのものがカゴ内に蓄積するとその環境が汚染される。このため、排泄物等がカゴ内から排出されやすいように、カゴの底部は4メッシュ以下の空隙を設けておくことが好ましい。
[カゴの返し部]
本発明のカゴは、返し部を有することが好ましい。本発明のカゴの「返し部」は、カゴの開口部側に側面部の上端に連結されカゴの内向きに傾斜して側面部上端の各辺から設けられた部分で、カゴの上部に向かって縮径する部分である。この返し部は、側面部となす角度の劣角が170度以下であることが好ましい。この角度は、カゴとして張った状態で計測される値である。側面部に対して、返し部は鉛直方向に対してカゴの内側方向に傾くように連結され、その側面部と返し部とのなす角度の劣角は170度以下であることが好ましい。この角度は、160度以下、150度以下、140度以下、130度以下、120度以下としてもよい。また、返し部として機能する限りその角度の下限に制限はないが、取付け易さなどの観点から60度以上、70度以上、80度以上、90度以上としてもよい。
この返し部はカゴの上端側に縮径する錐台状のものとして設けて上端の面は開口としてもよい。また錘台状の上端の面を閉じてもよい。また返し部をカゴの上端が頂点となる錘体状として閉じてもよい。カゴから逃亡しようとする頭足類はこの返し部でカゴの底側に向かって反り返されるため、より逃亡を防止することができる。
[色]
本発明のカゴの水面より上の部分は、頭足類の忌避する色の部分を含むことが好ましい。本発明のカゴの側面部は、頭足類の忌避する色の部分を含むことが好ましい。本発明のカゴの上側である天面や返し部も頭足類の忌避する色であることが好ましい。この頭足類の忌避する色とされる部分は、例えば、その色とすることが好ましい部分の、表面積の10%以上、30%以上、50%以上、70%以上、90%以上としてもよく、その部分の全体がこの色でもよい。特に側面部は、カゴの天面側に頭足類の忌避する色の部分を含むことが好ましい。
この「頭足類の忌避する色」は、明度が高い色でありPCCS(Practical Color Co-ordinate System:日本色研配色体系)の明度段階での白やライトグレイに分類される色である。また、その色相としての色は、黄や橙等の色相のものが好ましく用いられる。特に、本発明のカゴの水面より上の部分、側面部、カゴの上側の天面、返し部は、明度が高い白色であることがより好ましい。頭足類は前述してきたように、カゴから逃亡する場合、側面部を移動して天面の開口部から逃亡することとなる。この逃亡しようとする方向を明色とすると、頭足類がその方向を忌避するため、逃亡しにくくなる。よって、カゴの水面より上の部分、側面部、カゴの上側の天面、返し部は明色であることが好ましい。
特にカゴの水面より上の部分は、頭足類にとって、カゴからの脱出をはかる場合には、通過は不可避である。そのため、この部分を頭足類の忌避する色を含む構成とすることは頭足類の逃亡を防止する上で効果的である。頭足類の忌避する色か否かは、同じ条件で頭足類の生存環境にさらしたときに、頭足類のその色上の滞在時間がより少なくなることにより判断が可能である。
本発明の頭足類の逃亡防止用シートは、頭足類の忌避する色の部分を含むことが好ましく、明度が高い白色であることがより好ましい。本発明の頭足類の逃亡防止用シートをこのような色とすることで、頭足類がその逃亡防止用シートが配置された方向を忌避して逃亡しにくくなる。
この頭足類の忌避する色としては、白・ホワイトや、ペール、ライト、ブライト、ライトグレイッシュのトーンのものにすることもできる。これらのトーンの内、色相として橙、黄、黄緑のものにすることもできる。特に明度が高い白色にすることもできる。
本発明のカゴの水面より上の部分は、頭足類の好む色の部分を含むことが好ましい。本発明のカゴの底部は頭足類の好む色の部分を含むことが好ましい。この頭足類の好む色とされる部分は、例えば、その色とすることが好ましい部分の、表面積の10%以上、30%以上、50%以上、70%以上、90%以上としてもよく、その部分の全体がこの色でもよい。
前記「頭足類の好む色」は、明度が低い色でありPCCSの明度段階でのダークグレイまたは黒に分類される色である。その色相としては、青や青紫等の色相のものが好ましく用いられる。頭足類、特にタコは明色を忌避し、反対に暗色側に移動しやすいと考えられる。本発明のカゴを用いた頭足類の維持においては、頭足類が底部側にいることを好むため逃亡するおそれが少なくなる。よって、カゴの水面より上の部分または底部を暗色とすることが好ましい。この暗色としては、黒・ブラックや、ダークグレイッシュ、ダークのトーンのものが好ましく、これらのトーンの内、色相として青や紫、赤を使用することもできる。また、黒を用いることもできる。頭足類が好む色か否かは、同じ条件で頭足類の成育環境にさらしたときに、頭足類のその色上の滞在時間がより多くなることによって判断が可能である。頭足類が好む色を水面より下の部分に含ませる構成とすることにより、頭足類の水面下での滞在時間を長く保ち、それにより頭足類のカゴからの逃亡を予防することができる。
本発明のカゴの水面より上の部分、水面から下の部分、側面部、天面、底部等の前述した色は、それらの各部に用いられている網状シートの色自体でもよい。また本発明の頭足類の逃亡防止用シートの前述した色は、その逃亡防止用シートに用いられる網状シートの色自体でもよい。または、それらの網状シートの周囲を他の素材で覆う構成とし、それらの周囲の素材の色により、全体として明色や暗色といった各部の色とすることもできる。
本発明のカゴの側面部の高さは、その頭足類飼育用のカゴ内に入れられる頭足類の全長の2倍以上であることが好ましい。また本発明の頭足類の逃亡防止用シートの高さは、その頭足類飼育用のカゴ内に入れられる頭足類の全長の2倍以上であることが好ましい。
本発明において頭足類の「全長」は、頭足類の外套膜の先端から最も長い足の先端までの直線距離とする。頭足類の全長について図1を参照してタコを例に説明する。タコ6の全長は、外套膜の先端61から最も長い足の先端62までの直線距離Lである。頭足類は足が届く範囲の足場となる部分につかまり、体全体を移動させることができる。カゴから逃亡することを防止するために、予めカゴの側面部の高さを頭足類の全長の2倍以上の高さとしておくことで、頭足類の逃亡を防止することができる。
この高さの下限は、2.5倍以上、3倍以上、4倍以上、5倍以上とすることができる。高さの上限は特に定めはないが、頭足類の全長の100倍以下とすることができる。この高さの上限は、90倍以下、80倍以下、70倍以下、60倍以下、50倍以下とすることができる。
本発明のカゴを用いるにあたっては、槽内にカゴを配置してもよい。頭足類は隠れ家となる場所を好むので、そのカゴ内にさらに蛸壺、開口部と空洞部を有する円柱や角柱、仕切り板等により複数の区画を設けた構造物を配置して利用してもよい。
[頭足類]
本発明の対象となる「頭足類」は、軟体動物門頭足綱に属するものである。本発明は、これらの頭足類で養殖や飼育等の対象となる頭足類全般への適用が可能である。具体的には、ヤリイカ、アオリイカ、コウイカ、マダコ、イイダコ、ミズダコ、オクトパス マヤなどがあげられる。
本発明の対象となる頭足類は、マダコ上科であることが好ましく、マダコ科であることがより好ましく、マダコであることが特に好ましい。マダコは、特に日本等で食用されており、完全養殖技術の確立が望まれている水産生物である。このマダコの完全養殖にあたって本発明のカゴを用いた養殖は非常に適している。
本発明の対象となる頭足類の養殖期としては、任意の生活期を対象とすることができる。養殖期としては、着底期以後の頭足類の養殖に用いることが好ましい。さらに、底生生活期以後の頭足類の養殖に用いることが好ましい。本発明の対象となる頭足類の大きさとしては、頭足類の個体重量を10g以上とすることができ、20g以上、30g以上、50g以上、70g以上、100g以上、200g以上、250g以上、300g以上、500g以上、1kg以上、1.5kg以上、2kg以上、2.5kg以上、3kg以上の頭足類に用いることができる。
本発明のカゴや本発明の頭足類の逃亡防止用シートは、頭足類の養殖、馴致、鑑賞、輸送、および保管からなる群から選択される少なくともいずれかに用いられるためのものとすることができる。本発明のカゴや本発明の頭足類の逃亡防止用シートは頭足類の飼育や頭足類の逃亡防止に使用することができる。また本発明のカゴを用いる飼育方法や、本発明の頭足類の逃亡防止用シートを用いる頭足類の逃亡防止方法とすることができる。特に養殖のときに利用することを中心に使用することができる。本発明のカゴや本発明の頭足類の逃亡防止用シートは、それぞれの用途に応じてその大きさを設計することができる。その具体的な大きさは、従来その用途に用いられていた水槽や容器の大きさに合わせて設計することができる。
本発明のカゴを用いたマダコの飼育では、マダコはなわばり意識を持つためしばしば他の個体に対して攻撃性を示す。しかし、本発明のカゴ内で複数のマダコを養殖しても、意外にもマダコの自傷行為や他傷行為がほとんどみられない。
[第一の実施形態]
図2に本発明のカゴに係る第一の実施形態の概要図を示す。図2は、円筒状のカゴ10を示したものである。カゴ10は、側面部1が4メッシュ以上の網状シートのメッシュの織布を使用して構成されており、天面は穴が開いた状態の開口部3となっている。底部2は、側面部1よりも粗いメッシュの織布により4メッシュ未満の空隙を有するものとなっている。カゴ10の内部に、頭足類を生存状態で維持することができる。
[第二の実施形態]
図3に本発明のカゴに係る第二の実施形態の概要図を示す。図3は、四角柱上の構造の側面部1の天面側に返し部4を設けたカゴ11を示したものである。側面部1と、天面側の返し部4は、同様のメッシュの織布を使用して構成されている。カゴ11は、返し部4の上端側は閉じずに、餌の投入等を容易に行いやすいように天面は穴が開いた状態の開口部3となっている。底部2は、第一の実施形態と同様に、4メッシュ未満の空隙を有するものとなっている。この第二の実施形態においては、側面部1の上端と、返し部4の上端とをそれぞれ吊り紐5により、各吊り紐の延長方向(図中矢印方向W)の壁や養殖槽の槽壁に固定して吊り下げてカゴの形状を整えた。このとき、使用時の形状に基づいて、側面部1と、返し部4とがなす角度の劣角θ1により、返し部の返しの程度を設計することができる。カゴ11の内部に、頭足類を生存状態で維持することができる。
図4は、本発明のカゴの側面部等に用いることができる網状シートの一例を示す図である。この網状シートは、経糸と緯糸とを直交する方向に配置し、各糸が交差する部分を融着させることで接着・固定させたクロスである。このクロスにおいては、糸間の距離sを空隙(目開き)の大きさとしても用いることができる。また、各糸は太さdの糸である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
図3に示す第二の実施形態に準じて、下記の構造によりカゴ(A)を作製した。
側面部:50メッシュのポリエチレン製織布(白色)を用いて、幅65cm、高さ70cmの四角柱状の側面部を有するカゴとした。
底部:トリカルネットのポリエチレン製織布を用いて、四角柱状の底面を設けた。
返し部:側面部と同様の織布を用いて返し部を設けた。返し部は長さ20cmとし、吊り下げて張った状態のとき、返し部と側面部とがなす角度の劣角(図2のθ1)が160度となるように設計した。
[試験方法]
試験魚:マダコ500g~2kg 計7個体
実施例1(カゴ):500L水槽に前述のカゴ(A)を設置した試験区に海水を300L貯め、マダコ3個体を収容し、逃亡の有無を確認した。試験中は注水を5~6L/分とし、逃亡の有無を1時間後、2時間後、24時間後に観察した。
比較例1(水槽):実施例1に準じて、カゴ(A)を用いずに海水を貯めた水槽にマダコ4個体を収容し、逃亡の有無を確認した。
[試験結果]
比較例1に係る試験区のマダコは、収容後0~1時間後には2個体、1~2時間後には1個体が水槽外に逃亡した。さらに、24時間後には残りの1個体も逃亡し、試験を終了した。
一方、実施例1の試験区では、24時間後にも逃亡個体は1個体も観察されなかった。
Figure 2023083549000002
本発明の頭足類飼育用のカゴや本発明の頭足類の逃亡防止用シートは、頭足類を生存状態で維持するために用いられ、例えば、頭足類の養殖や、馴致、鑑賞、輸送、保管に適したものである。本発明の頭足類飼育用のカゴや本発明の頭足類の逃亡防止用シートによって、頭足類を生存状態で維持や管理することが容易となり、産業上有用である。
1 側面部
10、11 カゴ
2 底部
3 開口部
4 返し部
5 吊り紐
6 タコ
61 外套膜の先端
62 足の先端
本発明は頭足類の飼育方法に関する。
本発明は係る状況下、頭足類の逃亡を防止しつつ飼育できる頭足類の飼育方法を提供することを目的とする。

Claims (26)

  1. 頭足類を生存状態で維持することのできる頭足類飼育用のカゴであって、
    前記頭足類飼育用のカゴが、少なくとも一部に4メッシュ以上の網状シートを用いて構成されたものである頭足類飼育用のカゴ。
  2. 前記頭足類飼育用のカゴの水面より上の部分が、少なくとも一部に前記網状シートを用いて構成されたものである請求項1記載の頭足類飼育用のカゴ。
  3. 前記網状シートが、180メッシュ以下である請求項1または2記載の頭足類飼育用のカゴ。
  4. 前記頭足類飼育用のカゴの水面より上の部分が頭足類の忌避する色を含むかつ/または前記頭足類飼育用のカゴの水面下の部分が頭足類の好む色を含む請求項1~3のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
  5. 前記頭足類飼育用のカゴの天面側に返し部を有する請求項1~4のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
  6. 前記頭足類飼育用のカゴの側面部と、前記返し部とがなす角度の劣角が170度以下である請求項5記載の頭足類飼育用のカゴ。
  7. 前記返し部が、頭足類の忌避する色を含むものである請求項5または6記載の頭足類飼育用のカゴ。
  8. 前記頭足類飼育用のカゴの側面部の高さが、前記頭足類の全長の2倍以上である請求項1~7のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
  9. 前記頭足類が、マダコ上科である請求項1~8のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
  10. 前記マダコ上科が、マダコ科である請求項9記載の頭足類飼育用のカゴ。
  11. 前記マダコ科が、マダコである請求項10記載の頭足類飼育用のカゴ。
  12. 前記頭足類が、着底期以後の頭足類である請求項1~11のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
  13. 前記頭足類の個体重量が、10g以上である請求項12記載の頭足類飼育用のカゴ。
  14. 頭足類の養殖、馴致、鑑賞、輸送、および保管からなる群から選択される少なくともいずれかに用いられるための請求項1~13のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴ。
  15. 頭足類を生存状態で維持することのできる頭足類の逃亡防止用シートであって、
    少なくとも一部に4メッシュ以上の網状シートを用いて構成されたものである頭足類の逃亡防止用シート。
  16. 前記網状シートが、180メッシュ以下である請求項15記載の頭足類の逃亡防止用シート。
  17. 前記頭足類の逃亡防止用シートが、頭足類の忌避する色の部分を含む請求項15または16記載の頭足類の逃亡防止用シート。
  18. 前記頭足類の逃亡防止用シートの高さが、前記頭足類の全長の2倍以上である請求項15~17のいずれかに記載の頭足類の逃亡防止用シート。
  19. 前記頭足類が、マダコ上科である請求項15~18のいずれかに記載の頭足類の逃亡防止用シート。
  20. 前記マダコ上科が、マダコ科である請求項19記載の頭足類の逃亡防止用シート。
  21. 前記マダコ科が、マダコである請求項20記載の頭足類の逃亡防止用シート。
  22. 前記頭足類が、着底期以後の頭足類である請求項15~21のいずれかに記載の頭足類の逃亡防止用シート。
  23. 前記頭足類の個体重量が、10g以上である請求項22記載の頭足類の逃亡防止用シート。
  24. 頭足類の養殖、馴致、鑑賞、輸送、および保管からなる群から選択される少なくともいずれかに用いられるための請求項15~23のいずれかに記載の頭足類の逃亡防止用シート。
  25. 請求項1~14のいずれかに記載の頭足類飼育用のカゴの頭足類の飼育のための使用。
  26. 請求項15~24のいずれかに記載の頭足類の逃亡防止用シートの頭足類の逃亡防止のための使用。
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