JP2023082527A - 発泡性固体入浴剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性に優れ、かつ、保存安定性にも優れる発泡性固体入浴剤を提供する。【解決手段】次の成分(A)~(C):(A)アルカリ金属重炭酸塩(A1)及びアルカリ金属硫酸塩(A2)からなる群から選ばれる少なくとも1種(B)炭酸ジアルカリ金属塩(C)有機酸を含有する発泡性固体入浴剤であって、該入浴剤中の成分(B)の含有量が16質量%以上であり、該入浴剤中の成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比[(A)/(B)]が1.0以上5.4以下であり、該入浴剤中の分子量300以下の液体状油性成分の含有量が0.1質量%以下である、発泡性固体入浴剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性固体入浴剤に関する。
炭酸塩と有機酸とを配合した固体入浴剤は、浴水中で炭酸ガスの泡を発生し、発泡感を楽しむことができると共に、炭酸ガスによる温まり感、血行促進効果が得られることが知られている。
このような発泡性固体入浴剤に香料を含有させ、その香りによりリラックス効果等を高めることが行われている。
例えば特許文献1には、発泡性圧縮成形型入浴剤において、テルペン系香料と流動パラフィンを含有し、流動パラフィンを入浴剤全量に対して0.05~3.0重量%含有する入浴剤が、浴湯に溶解した直後から香り立ちが良好であるため、入浴者は入浴後すぐに良好な香り立ちを感じることができ、アロマテラピー効果を得ることができることが開示されている。
特開2017-66103号公報
このような香り立ちの良い発泡性固体入浴剤が存在するのに対し、近年、自然な感じを重視する消費者より、さら湯に近い自然な入浴感を求める需要が高まっており、発泡性固体入浴剤に含有させる香料の量を低減したり、香料を含有させないことが求められている。しかしながら、発泡性固体入浴剤から香料等の油性成分の量を低減すると、成形工程における生産性が低下する課題が発生することがわかった。また、生産性の低下を改善しようとすると、保存安定性が悪化するというさらなる課題が発生することがわかった。
本発明は、成形性に優れ、かつ、保存安定性にも優れる発泡性固体入浴剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、香料等の油性成分を低減する場合の成形工程における生産性の低下と、保存安定性の悪化の問題について解決すべく検討を行ったところ、アルカリ金属重炭酸塩及びアルカリ金属硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と炭酸ジアルカリ金属塩との配合量のバランスに着目し、炭酸ジアルカリ金属塩の含有量に対するアルカリ金属重炭酸塩及びアルカリ金属硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量の質量比を所定の範囲とし、炭酸ジアルカリ金属塩の含有量を所定の量以上とすることで、分子量300以下の液体状油性成分の含有量を低減した処方において予想外にも成形性と保存安定性とを両立できる発泡性固体入浴剤を実現することができ、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、次の成分(A)~(C):
(A)アルカリ金属重炭酸塩(A1)及びアルカリ金属硫酸塩(A2)からなる群から選ばれる少なくとも1種
(B)炭酸ジアルカリ金属塩
(C)有機酸
を含有する発泡性固体入浴剤であって、
該入浴剤中の成分(B)の含有量が16質量%以上であり、
該入浴剤中の成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比[(A)/(B)]が1.0以上5.4以下であり、
該入浴剤中の分子量300以下の液体状油性成分の含有量が0.1質量%以下である、発泡性固体入浴剤に関する。
本発明によれば、成形性に優れ、かつ、保存安定性にも優れる発泡性固体入浴剤を提供することができる。
[発泡性固体入浴剤]
本発明の発泡性固体入浴剤(以下、単に「本発明の入浴剤」ともいう)は、次の成分(A)~(C):
(A)アルカリ金属重炭酸塩(A1)及びアルカリ金属硫酸塩(A2)からなる群から選ばれる少なくとも1種
(B)炭酸ジアルカリ金属塩
(C)有機酸
を含有する発泡性固体入浴剤であって、
該入浴剤中の成分(B)の含有量が16質量%以上であり、
該入浴剤中の成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比[(A)/(B)]が1.0以上5.4以下であり、
該入浴剤中の分子量300以下の液体状油性成分の含有量が0.1質量%以下である。
なお、本発明において「発泡性固体入浴剤」とは、固体入浴剤であって、これを浴水に投入した時に発泡する入浴剤を意味する。
本発明において「液体状」とは、1気圧下、25℃において、流動性を有している状態をいう。また「油性成分」とは、20℃の水100gに対する溶解度が0.01g未満の成分を意味する。
本発明の入浴剤は上記構成とすることにより、成形性に優れ、かつ、保存安定性にも優れるものとなる。
本発明の入浴剤は、炭酸塩として少なくとも成分(B)炭酸ジアルカリ金属塩を含有し、さらに成分(C)有機酸を含有するため、浴水に投入した際には、これら炭酸塩と有機酸との作用により炭酸ガスを発生させることができる。
成分(A)としてアルカリ金属重炭酸塩(A1)及びアルカリ金属硫酸塩(A2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。この成分(A)は、粉体同士の結合力が低い原料であり、成分(B)炭酸ジアルカリ金属塩は、吸湿性に優れる。そこで、これら成分の配合割合及び配合量を鋭意検討した結果、入浴剤中の成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比[(A)/(B)]を1.0以上5.4以下とし、入浴剤中の成分(B)の含有量を16質量%以上にすることで、入浴剤中の分子量300以下の液体状油性成分の含有量が0.1質量%以下であっても入浴剤を製造する際の成形時のスティッキングの発生を抑制させることができ、さらに入浴剤の保存安定性も向上させることができ、その結果、優れた成形性と優れた保存安定性とを両立することができると考えられる。
<成分(A):アルカリ金属重炭酸塩(A1)及びアルカリ金属硫酸塩(A2)からなる群から選ばれる少なくとも1種>
本発明の入浴剤は、成形性を向上させる観点から、成分(A)として、アルカリ金属重炭酸塩(A1)及びアルカリ金属硫酸塩(A2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。
アルカリ金属重炭酸塩(A1)は、成形性を向上させ、さらに本発明の入浴剤を浴水に投入した際には、後述する成分(C)との作用により炭酸ガスを発生させ、血行促進効果をもたらすとともに良好な温まり速さを付与することができる。
アルカリ金属重炭酸塩(A1)としては、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、成形性を向上させる観点、並びに発泡性及び経済性の観点から、好ましくは炭酸水素ナトリウムを含み、より好ましくは炭酸水素ナトリウムである。
アルカリ金属硫酸塩(A2)は、成形性を向上させることができ、さらに、入浴時の温浴効果を向上させる効果を付与することができる。
アルカリ金属硫酸塩(A2)としては、硫酸ナトリウム及び硫酸カリウムからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、成形性を向上させる観点、及び経済性の観点から、好ましくは硫酸ナトリウムを含み、より好ましくは硫酸ナトリウムである。
本発明の入浴剤中の成分(A)の含有量は、成形性を向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは23質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは28質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上であり、そして、保存安定性、発泡性、及び浴水への溶解性の観点から、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。
成分(A)がアルカリ金属重炭酸塩(A1)を含む場合、本発明の入浴剤中のアルカリ金属重炭酸塩(A1)の含有量は、成形性を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、保存安定性、発泡性、及び浴水への溶解性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは47質量%以下、更に好ましくは45質量%以下、より更に好ましくは42質量%以下、より更に好ましくは40質量%以下である。
成分(A)がアルカリ金属硫酸塩(A2)を含む場合、本発明の入浴剤中のアルカリ金属硫酸塩(A2)の含有量は、成形性を向上させる観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上、より更に好ましくは9質量%以上であり、そして、保存安定性及び浴水への溶解性の観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
成分(A)は、成形性を向上させる観点から、好ましくはアルカリ金属重炭酸塩(A1)及びアルカリ金属硫酸塩(A2)である。成分(A)がアルカリ金属重炭酸塩(A1)及びアルカリ金属硫酸塩(A2)である場合、アルカリ金属硫酸塩(A2)の含有量に対するアルカリ金属重炭酸塩(A1)の含有量の質量比[(A1)/(A2)]は、前記と同様の観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.7以上、より更に好ましくは1以上、より更に好ましくは1.5以上、より更に好ましくは2以上であり、そして、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である。
<成分(B):炭酸ジアルカリ金属塩>
本発明の入浴剤は、保存安定性を向上させる観点、及び発泡性の観点から、成分(B)として、炭酸ジアルカリ金属塩を含有する。
成分(B)としては、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、成形性を向上させつつ、保存安定性を向上させる観点、並びに発泡性、浴水への溶解性、及び経済性の観点から、好ましくは炭酸ナトリウムを含み、より好ましくは炭酸ナトリウムである。
本発明の入浴剤中の成分(B)の含有量は、保存安定性を向上させる観点、及び発泡性の観点から、16質量%以上であり、そして、浴水への溶解性及び成形性の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下である。
本発明の入浴剤中の成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比[(A)/(B)]は、成形性を向上させつつ、保存安定性を向上させる観点から、1.0以上であり、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.4以上、更に好ましくは2以上、より更に好ましくは2.6以上であり、そして、5.4以下であり、好ましくは4以下、より好ましくは3.5以下、更に好ましくは3以下である。
<成分(C):有機酸>
本発明の入浴剤は、成分(C)として有機酸を含有する。本発明の入浴剤は成分(C)を含有することで、アルカリ金属重炭酸塩(A1)及び成分(B)との作用により炭酸ガスを発生し得る発泡性固体入浴剤とすることができる。
成分(C)としては、カルボン酸系化合物、有機スルホン酸系化合物、有機リン酸系化合物が挙げられるが、成形性を向上させつつ、保存安定性を向上させる観点、並びに発泡性及び浴水への溶解性の観点から、好ましくはカルボン酸系化合物である。
カルボン酸系化合物は、少なくとも1個のカルボキシ基を有する化合物であればよいが、発泡性を付与する観点からは2個以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸が好ましい。
カルボン酸系化合物は、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、複素環式カルボン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、フタル酸、安息香酸、サリチル酸等が挙げられる。
複素環式カルボン酸としては、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、成形性を向上させつつ、保存安定性を向上させる観点、発泡性及び浴水への溶解性の観点、並びに経済性の観点から、成分(C)は、好ましくは脂肪族カルボン酸であり、より好ましくはジカルボン酸であり、更に好ましくはフマル酸、コハク酸、及びアジピン酸からなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはフマル酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはフマル酸である。
本発明の入浴剤中の成分(C)の含有量は、発泡性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、成形性を向上させつつ、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下、より更に好ましくは42質量%以下である。
成分(A)がアルカリ金属重炭酸塩(A1)を含む場合、成分(C)の含有量に対する成分(A1)及び成分(B)の合計含有量の質量比[{(A1)+(B)}/(C)]は、成形性を向上させつつ、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.8以上、より更に好ましくは1以上、より更に好ましくは1.8以上であり、そして、発泡性及び浴水への溶解性の観点から、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下、より更に好ましくは2以下である。
<分子量300以下の液体状油性成分>
本発明において、成形性と保存安定性をバランスよく向上させる観点、及びさら湯に近い自然な入浴感を得られ易い観点から、入浴剤中の分子量300以下の液体状油性成分の含有量は、0.1質量%以下である。
本発明において「液体状」及び「油性成分」の定義は、前記のとおりである。
分子量300以下の液体状油性成分としては、香料、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、高級脂肪酸、シリコーン油等の分子量300以下の液体状油性成分が挙げられる。
分子量300以下の液体状油性成分は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
香料としては、例えば、「合成香料 化学と商品知識」(印藤元一著、化学工業日報社、2005年増補改定版)に記載の香料が挙げられる。すなわち、テルペン系炭化水素、セスキテルペン系炭化水素等の炭化水素系香料、アルコール系香料、アルデヒド系香料、ケトン系香料、エーテル系香料、オキサイド系香料、エステル系香料、ラクトン系香料等の合成香料、これらを多く含有する天然精油、又はこれらを所望の香りに合わせて調合された調合香料のうち分子量300以下の液体状油性成分が挙げられる。
例えば、炭化水素系香料のうち分子量300以下の液体状油性成分としては、ミルセン、オシメン、ターピノレン、アルファーターピネン、アルファフェランドレン、パラサイメン、ファルネセン、セドレン、ロンジフォレン、コパエン、グアイエン、パチョレン、グルジュネン、リモネン、シトラール、テルピネン等が挙げられる。
炭化水素油としては、パラフィン、プリスタン等のうち分子量300以下の液体状油性成分が挙げられる。
エステル油のうち分子量300以下の液体状油性成分としては、脂肪酸と1価アルコールとからなる脂肪酸モノエステル、脂肪酸と多価アルコールとからなる脂肪酸エステル、ジカルボン酸と1価アルコールとからなるジカルボン酸ジエステル等の脂肪酸エステルが挙げられる。
高級アルコールのうち分子量300以下の液体状油性成分としては、ヘキシルデカノール、ヘキサデカノール、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール等の炭素数12以上20以下の高級アルコールが挙げられる。
高級脂肪酸のうち分子量300以下の液体状油性成分としては、イソステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
シリコーン油のうち分子量300以下の液体状油性成分としては、直鎖状オルガノポリシロキサン、分岐鎖状オルガノポリシロキサイン、環状オルガノポリシロキサンが挙げられる。
本発明の入浴剤中の分子量300以下の液体状油性成分の含有量は、成形性と保存安定性をバランスよく向上させる観点から、0.1質量%以下であり、好ましくは0.07質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.03質量%以下、さら湯に近い自然な入浴感を得る観点からは、より更に好ましくは0.01質量%以下、より更に好ましくは0.005質量%以下であり、より更に好ましくは実質的に0質量%であること、すなわち分子量300以下の液体状油性成分を実質的に含有しないことである。
なお、本発明の入浴剤中の分子量300以下の液体状油性成分の含有量は、分子量300以下の液体状油性成分が2種以上含まれる場合にはそれらの合計含有量である。
また、本発明の入浴剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で、分子量300超の液体状油性成分を含有してもよい。分子量300超の液体状油性成分の含有量は、成形性及び保存安定性を良好に維持する観点、並びに浴水への溶解性の観点から、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましく、実質的に0質量%であることがより更に好ましい。
<ノニオン性界面活性剤>
本発明の入浴剤は、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性を向上させる観点から、ノニオン性界面活性剤をさらに含有することができる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリルアルキルエーテル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセリル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
ノニオン性界面活性剤のうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリルアルキルエーテル、アルキルグルコシド、及びポリオキシエチレンアルキルアミンにおけるアルキル基、ポリオキシエチレンアルケニルエーテルにおけるアルケニル基、並びに、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセリル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性を向上させる観点から、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数10以上22以下、更に好ましくは炭素数12以上20以下、より更に好ましくは炭素数14以上20以下である。
ノニオン性界面活性剤のうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油における、エチレンオキシドの平均付加モル数(以下、「EO平均付加モル数」という)は、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性を向上させる観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上であり、そして、好ましくは150以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは60以下である。なお、EO平均付加モル数は数平均値である。
ノニオン性界面活性剤の中でも、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性を向上させる観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。これらのノニオン性界面活性剤のアルキル基又は脂肪酸は、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数10以上22以下、更に好ましくは炭素数12以上20以下、より更に好ましくは炭素数14以上20以下である。
本発明の入浴剤がノニオン性界面活性剤を含有する場合、本発明の入浴剤中のノニオン性界面活性剤の含有量は、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性を向上させる観点から、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.007質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であり、そして、さら湯に近い自然な入浴感を得る観点から、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.07質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下、より更に好ましくは0.03質量%以下、より更に好ましくは0.02質量%以下である。
また、本発明の入浴剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で、ノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤、すなわち、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。本発明の入浴剤中のこれらの他の界面活性剤の合計含有量は、成形性及び保存安定性を良好に維持する観点、並びに浴水への溶解性の観点から、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましく、実質的に0質量%であることがより更に好ましい。
<水溶性高分子>
本発明の入浴剤は、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性を向上させる観点から、水溶性高分子をさらに含有することができる。
水溶性高分子としては、合成水溶性高分子、天然合成水溶性高分子、半合成水溶性高分子が挙げられる。
合成水溶性高分子としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
天然水溶性高分子としては、にかわ、ゼラチン、コラーゲンタンパク、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ファーセレラン、タマリンドガム、ペクチン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、デキストリン、デキストラン、寒天、澱粉等が挙げられる。
半合成水溶性高分子としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン澱粉等が挙げられる。
これらの水溶性高分子は、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、水溶性高分子は、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性の観点から、好ましくはポリエチレングリコール及びデキストリンからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリエチレングリコールである。
ポリエチレングリコールの分子量は、好ましくは4,000以上10,000以下であり、より好ましくは5,000以上9,000以下である。
本発明の入浴剤が水溶性高分子を含有する場合、本発明の入浴剤中の水溶性高分子の含有量は、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性を向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上である。また、炭酸ガス発生量を確保して発泡性を向上させる観点から、当該含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
さらに、本発明の入浴剤には、入浴時の温浴効果を向上させる観点、及び、入浴剤の成形性及び保存安定性向上の観点から、硫酸マグネシウム又はその水和物をさらに含有させてもよい。本発明の入浴剤が硫酸マグネシウム又はその水和物を含有する場合、本発明の固形入浴剤中の硫酸マグネシウム及びその水和物の合計含有量は、入浴時の温浴効果を向上させる観点、及び、入浴剤の成形性及び保存安定性向上の観点から、好ましくは0.03質量%以上12.5質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以上8質量%以下であり、より更に好ましくは2質量%以上5質量%以下である。
<その他の成分>
本発明の入浴剤には、その他の成分として、通常入浴剤に用いられる成分を適宜含有させることができる。かかる成分としては、例えば、前述で挙げた無機塩以外の無機塩;ケイ酸カルシウム、ブドウ糖等の賦形剤;酸化チタン等の乳白剤;崩壊助剤;生薬等の薬効成分;色素などが挙げられる。
(剤型)
本発明の入浴剤の使用時の剤型(製品形態)としては、錠剤が好ましい。錠剤には、打錠剤やブリケット型剤が含まれ、成形性の観点からは打錠剤であることがより好ましい。
本発明の入浴剤が打錠剤又はブリケット型剤である場合、プレス打錠機やブリケットマシーンを用いて圧縮成形法等の常法に従って製造することができる。
打錠剤又はブリケット型剤の製造においては、例えば、本発明の入浴剤を構成する全成分をドライブレンドして得られた粉末を圧縮成形に供してもよく、成分の一部を予め造粒あるいは成形した後、残りの成分と混合して得られた混合物を圧縮成形に供してもよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。
実施例1~13、比較例1~5(発泡性固体入浴剤の製造及び評価)
表1~2に示す各成分を混合して得られた粉末を用いて、ロータリー打錠機にて、質量40g、錠高15.0~15.2mmのサイズにて、打錠速度20錠/分で打錠を行い、錠剤(打錠剤)型の発泡性固体入浴剤を製造した。この錠剤の発泡性固体入浴剤をアルミ箔に高分子膜をラミネートしたフィルムで作った袋に入れ、ヒートシールして密封した。また、下記方法にて成形性、保存安定性、及びさら湯のような自然な入浴感について評価を行った。結果を表1~2に示す。
なお、表1~2に示す各成分の配合量(質量%)は、いずれもアクティブ量である。
<成形性>
表に示す各成分を混合して得られた粉末を用いて、ロータリー打錠機にて、質量40g、錠高15.0~15.2mmのサイズにて、打錠速度20錠/分で100錠を連続打錠した際のスティッキングの有無及び錠剤の表面状態を目視観察し、下記基準にしたがって4段階で評価した。評価4~2を合格、評価1を不合格とする。
4:打錠機の金型への付着が非常に少なく、得られた錠剤表面は滑らかである
3:打錠機の金型への付着が少なく、得られた錠剤表面は滑らかである
2:打錠機の金型への付着がやや多く、得られた錠剤表面にわずかに凹凸が認められるが実使用レベルである
1:打錠機の金型への付着が非常に多く、得られた錠剤表面に凹凸が認められる
<保存安定性>
実施例及び比較例の各固体入浴剤をフィルム包装したサンプルを50℃恒温槽に2週間保存し、保存後の包装の膨れの有無を観察し、下記基準にしたがって3段階で評価した、評価3~2を合格、評価1を不合格とする。
3:膨れが認められない
2:わずかに膨れが認められるが、実使用レベルである
1:膨れが認められる
<さら湯のような自然な入浴感>
実施例の各固体入浴剤40gを40℃、150Lの浴水に投入し、専門パネラー4名により各々10分間の入浴を行った。炭酸ガスの発生が終了した後、かき混ぜた際の浴水表面の泡残りの目視による確認及び匂いの有無について、下記基準にしたがって評価し、その平均値を四捨五入して評価値とした。評価値が高いほど浴水表面の泡残り及び匂いが少なく、さら湯のような自然な入浴感を得ることができる良好な結果であることを意味する。なお、比較例の固体入浴剤については、成形性及び保存安定性のいずれかの評価結果が不合格であったため、入浴感の評価は行わなかった。
3:泡残り及び匂いのいずれも認められず、さら湯のような自然な入浴感である
2:泡残り及び匂いの少なくともいずれかがやや認められるが、ややさら湯に近い入浴感である
1:泡残り及び匂いの少なくともいずれかが認められ、さら湯には近くない入浴感である
Figure 2023082527000001
Figure 2023082527000002
表1より、本実施例の発泡性固体入浴剤は、成形性及び保存安定性のいずれにおいても優れることがわかる。これに対し、表2に示す本比較例の発泡性固体入浴剤は、成形性、保存安定性のいずれかが劣る結果となった。
本発明によれば、成形性に優れ、さらに保存安定性に優れる発泡性固体入浴剤を提供できる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)~(C):
    (A)アルカリ金属重炭酸塩(A1)及びアルカリ金属硫酸塩(A2)からなる群から選ばれる少なくとも1種
    (B)炭酸ジアルカリ金属塩
    (C)有機酸
    を含有する発泡性固体入浴剤であって、
    該入浴剤中の成分(B)の含有量が16質量%以上であり、
    該入浴剤中の成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比[(A)/(B)]が1.0以上5.4以下であり、
    該入浴剤中の分子量300以下の液体状油性成分の含有量が0.1質量%以下である、発泡性固体入浴剤。
  2. 成分(A)の含有量が30質量%以上である、請求項1に記載の発泡性固体入浴剤。
  3. ノニオン性界面活性剤の含有量が0.01質量%以上0.05質量%以下である、請求項1又は2に記載の発泡性固体入浴剤。
  4. 成分(A)がアルカリ金属重炭酸塩(A1)及びアルカリ金属硫酸塩(A2)であり、
    成分(A2)の含有量に対する成分(A1)の含有量の質量比[(A1)/(A2)]が0.5以上10以下である、請求項1~3のいずれかに記載の発泡性固体入浴剤。
  5. 成分(C)の含有量に対する成分(A1)及び成分(B)の合計含有量の質量比[{(A1)+(B)}/(C)]が0.8以上5以下である、請求項1~4のいずれかに記載の発泡性固体入浴剤。
  6. 成分(C)がフマル酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~5のいずれかに記載の発泡性固体入浴剤。
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