JP2022024798A - 発泡性固体入浴剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮脂除去効果が高く、発泡性及び浴水への溶解性が良好で、圧縮成形時にスティッキングが発生し難く成形性にも優れる発泡性固体入浴剤を提供する。【解決手段】次の成分(A)及び(B):(A)炭酸ジアルカリ金属塩(A1)を含む炭酸塩(B)20℃の水100mLへの溶解度が10g以下である有機酸(B1)を含む有機酸を含有する発泡性固体入浴剤であって、該入浴剤中の成分(A)の含有量が60質量%以上80質量%以下であり、該入浴剤中の成分(A1)の含有量が35質量%以上65質量%以下であり、成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]が2.60以上3.90以下であり、成分(B)に対する成分(B1)の質量比[(B1)/(B)]が0.30以上である発泡性固体入浴剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性固体入浴剤に関する。
炭酸塩と有機酸とを配合した固体入浴剤は、浴水中で炭酸ガスの泡を発生し、発泡感を楽しむことができると共に、炭酸ガスによる温まり感、血行促進効果が得られることが知られている。
このような発泡性固体入浴剤に、さらに種々の機能を付加することも検討されている。
例えば特許文献1には、炭酸水素ナトリウムを15質量%以上100質量%以下含む所定量の炭酸塩、有機酸、及び硫酸マグネシウムを含有し、炭酸水素ナトリウムに対する硫酸マグネシウムの質量比が特定の範囲にある固形状発泡性浴用剤が、製造時においては打錠杵や金型への付着を効果的に抑制しつつ、使用時には充分な温熱効果を実感できることが開示されている。
特許文献2には、水素化マグネシウム、多価脂肪族カルボン酸及び炭酸ナトリウムを含有し、炭酸ナトリウムの配合量が所定の範囲である顆粒状、ブリケット状又は錠剤状の固形入浴剤が、製剤の安定性向上、水素発生時の熱発生の低減、製剤からの硫黄臭発生の防止を同時に達成できることが開示されている。
ところで、近年、消費者のニオイケアに対する意識が高まっており、入浴剤分野においても、汗、皮脂等のニオイの元をクレンジングできる入浴剤の需要が見込まれている。
ニオイの元となる皮脂を除去する技術として、アルカリ性の浴水に浸かることにより皮膚から余分な皮脂を除去できること、及び、該浴水のpHがアルカリ側に傾くほど皮膚の清浄効果が高くなることが知られている(非特許文献1)。
特開2017-31072号公報 特開2018-70549号公報
長井克介、日本温泉気候物理医学会雑誌、Vol.52、1988年、p16-18
しかしながら炭酸塩と有機酸とを配合した発泡性固体入浴剤は、アルカリ性の浴水中では余剰アルカリ量が増加することにより、発生する炭酸ガス量が減少して十分な発泡性を付与することが困難である。さらに該発泡性固体入浴剤は、アルカリ性の浴水中では溶解性が低下するという問題があることも分かった。
一般には、水に対し速溶性の有機酸を用いることで発泡性及び浴水への溶解性を向上させることができる。しかしながら水に対し速溶性の有機酸を用いると、固体入浴剤の圧縮成形時に打錠杵への付着(スティッキング)が発生しやすくなる。
本発明は、皮脂除去効果が高く、発泡性及び浴水への溶解性が良好で、圧縮成形時にスティッキングが発生し難く成形性にも優れる発泡性固体入浴剤を提供することを課題とする。
通常であれば、水に対し速溶性の有機酸を配合することで発泡性の問題に対処することを考える。しかし、前述のとおり速溶性の有機酸はコストが高く、また、圧縮成形時に打錠杵への付着(スティッキング)が発生しやすくなるため、水に対し速溶性の有機酸を使用せずに課題を解決できるのが望ましい。
本発明者らは、あえて水への溶解度が所定量以下の有機酸を用い、これと炭酸ジアルカリ金属塩を含む炭酸塩の配合比率を所定の範囲とすることで、予想外にもアルカリ性の浴水下で十分な発泡性を有する発泡性固体入浴剤を実現することができ、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)炭酸ジアルカリ金属塩(A1)を含む炭酸塩
(B)20℃の水100mLへの溶解度が10g以下である有機酸(B1)を含む有機酸
を含有する発泡性固体入浴剤であって、該入浴剤中の成分(A)の含有量が60質量%以上80質量%以下であり、該入浴剤中の成分(A1)の含有量が35質量%以上65質量%以下であり、成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]が2.60以上3.90以下であり、成分(B)に対する成分(B1)の質量比[(B1)/(B)]が0.30以上である発泡性固体入浴剤に関する。
本発明によれば、皮脂除去効果が高く、発泡性及び浴水への溶解性が良好な発泡性固体入浴剤を提供できる。
さらに本発明の発泡性固体入浴剤は、圧縮成形時にスティッキングが発生し難く成形性に優れる。
[発泡性固体入浴剤]
本発明の発泡性固体入浴剤(以下、単に「本発明の入浴剤」ともいう)は、次の成分(A)及び(B):
(A)炭酸ジアルカリ金属塩(A1)を含む炭酸塩
(B)20℃の水100mLへの溶解度が10g以下である有機酸(B1)を含む有機酸
を含有する発泡性固体入浴剤であって、該入浴剤中の成分(A)の含有量が60質量%以上80質量%以下であり、該入浴剤中の成分(A1)の含有量が35質量%以上65質量%以下であり、成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]が2.60以上3.90以下であり、成分(B)に対する成分(B1)の質量比[(B1)/(B)]が0.30以上である。
本発明の入浴剤は上記構成とすることにより、皮脂除去効果が高く、発泡性及び浴水への溶解性が良好で、圧縮成形時にスティッキングが発生し難く成形性にも優れるものとなる。その理由は次のように考えられる。
炭酸塩(A)の中でも炭酸ジアルカリ金属塩(A1)は、固体入浴剤に用いた際に浴水のpHをアルカリ性側へシフトさせやすい。そのため本発明の入浴剤において、成分(A)及び成分(A1)を所定量用いることで、皮脂除去効果が高い固体入浴剤を得ることができると考えられる。
成分(B)として、水への溶解度が比較的低い有機酸(B1)を所定の割合で含む有機酸を用いることで、入浴剤の圧縮成形時のスティッキング発生を抑え、成形性を向上させることができる。これは、有機酸(B1)はα-ヒドロキシ酸を含有しないためと考えられる。また成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]を2.60以上とすることで入浴剤による皮脂除去効果を高め、且つ3.90以下とすることで、有機酸として成分(B1)を用いた場合でも入浴剤の発泡性と浴水への溶解性とを共に向上させることができると考えられる。
なお、本発明において「発泡性」とは、入浴剤を浴水に投入した時に発生する泡の強さをいう。また「固体」とは、25℃において固体であることを意味する。
<成分(A):炭酸塩>
本発明の入浴剤は、成分(A)として、炭酸ジアルカリ金属塩(A1)を含む炭酸塩を含有する。成分(A)は、本発明の入浴剤を浴水に投入した際に、後述する成分(B)との作用により炭酸ガスを発生させ、血行促進効果をもたらすとともに良好な温まり速さを付与することができる。
また、成分(A)として炭酸ジアルカリ金属塩である成分(A1)を所定量含むことにより、浴水のpHを所望の範囲にすることが可能となり、浴水をアルカリ性として皮脂除去効果が高い固体入浴剤とすることができる。
炭酸ジアルカリ金属塩(A1)としては、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、浴水をアルカリ性にする観点、皮脂除去効果、発泡性、浴水への溶解性及び成形性の観点、並びに経済性の観点から、炭酸ナトリウムが好ましい。
成分(A)は、入浴剤の発泡性、浴水への溶解性及び成形性をより向上させる観点で、成分(A1)以外の炭酸塩(A2)を含むことが好ましい。成分(A2)としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。入浴剤の皮脂除去効果、発泡性及び成形性の観点から、成分(A2)は炭酸水素ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、炭酸水素ナトリウムを含むことがより好ましく、炭酸水素ナトリウムであることがさらに好ましい。
本発明の入浴剤中の成分(A)の含有量は、本発明の入浴剤を投入した浴水をアルカリ性にする観点、及び十分な皮脂除去効果を付与する観点から、60質量%以上であり、好ましくは62質量%以上、より好ましくは65質量%以上である。また、発泡性、浴水への溶解性及び成形性の観点から、80質量%以下であり、好ましくは75質量%以下、より好ましくは72質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
本発明の入浴剤中の成分(A1)の含有量は、十分な皮脂除去効果を付与する観点から、35質量%以上であり、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上である。また、発泡性、浴水への溶解性及び成形性の観点から、65質量%以下であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下である。
<成分(B):有機酸>
本発明の入浴剤は、成分(B)として、20℃の水100mLへの溶解度が10g以下である有機酸(B1)を含む有機酸を含有する。本発明の入浴剤は成分(B)を含有することで、成分(A)との作用により炭酸ガスを発生し得る発泡性固体入浴剤とすることができる。また成分(B)が成分(B1)を含むことで、入浴剤の圧縮成形時のスティッキング発生を抑え、成形性を向上させることができると考えられる。
有機酸(B1)としては、カルボン酸系化合物の他、有機スルホン酸系化合物、有機リン酸系化合物が挙げられるが、入浴剤の発泡性、浴水への溶解性及び成形性の観点からはカルボン酸系化合物が好ましい。当該カルボン酸系化合物は少なくとも1個のカルボキシ基を有する化合物であればよいが、発泡性を付与する観点からは2個以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸が好ましい。またカルボン酸系化合物は、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸のいずれでもよい。
成分(B1)のうち脂肪族カルボン酸としては、フマル酸(0.49g)、コハク酸(8.0g)、アジピン酸(2.2g)等が挙げられ、芳香族カルボン酸としては、安息香酸(0.3g)、サリチル酸(0.2g)、ピロリドンカルボン酸(5.7g)等が挙げられる。括弧内の値は、20℃の水100mLへの溶解度を意味する(後段においても同じ)。
これらの中でも、入浴剤の発泡性、浴水への溶解性及び成形性の観点、並びに経済性の観点から、成分(B1)としては脂肪族カルボン酸が好ましく、フマル酸、コハク酸、及びアジピン酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、フマル酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上がさらに好ましく、フマル酸を含むことがよりさらに好ましく、フマル酸及びコハク酸を含むことがよりさらに好ましい。
成分(B)は、発泡性及び浴水への溶解性をより向上させる観点で、成分(B1)以外の有機酸(B2)を含むことが好ましい。成分(B2)としては、20℃の水100mLへの溶解度が10gを超える有機酸であればよく、入浴剤の発泡性、浴水への溶解性及び成形性をより向上させる観点から、成分(B1)と同様にカルボン酸系化合物が好ましい。
成分(B2)の具体例としては、酒石酸(20.6g)、リンゴ酸(56g)、クエン酸(62g)、マレイン酸(47.8g)、グルタル酸(63.9g)、シュウ酸(13.3g)等が挙げられる。これらの中でも、入浴剤の発泡性、浴水への溶解性及び成形性をより向上させる観点からは、酒石酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、酒石酸を含むことがより好ましい。
本発明の入浴剤において、成分(B)に対する成分(B1)の質量比[(B1)/(B)]は、入浴剤の成形性の観点から、0.30以上であり、好ましくは0.40以上、より好ましくは0.50以上、さらに好ましくは0.60以上、よりさらに好ましくは0.65以上である。また質量比[(B1)/(B)]は、1.0以下であり、発泡性及び浴水への溶解性をより向上させる観点から、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.90以下である。
本発明の入浴剤において、成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]は、浴水をアルカリ性にする観点、及び十分な皮脂除去効果を得る観点から、2.60以上であり、好ましくは2.80以上、より好ましくは2.90以上、さらに好ましくは2.95以上、よりさらに好ましくは3.00以上である。また、発泡性及び浴水への溶解性の観点から、3.90以下であり、好ましくは3.85以下、より好ましくは3.80以下、さらに好ましくは3.60以下、よりさらに好ましくは3.50以下である。
入浴剤中の成分(B)の含有量は、入浴剤中の成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]が前記範囲となる限り特に制限されないが、入浴剤の発泡性及び浴水への溶解性の観点から、好ましくは16質量%以上、より好ましくは17質量%以上、さらに好ましくは18質量%以上、よりさらに好ましくは20質量%以上であり、皮脂除去効果及び成形性の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは28質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、よりさらに好ましくは22.5質量%以下である。
入浴剤中、成分(A)と成分(B)の総量に対する、成分(A1)と成分(B1)の総量の質量比[{(A1)+(B1)}/{(A)+(B)}]は、入浴剤の発泡性及び浴水への溶解性の観点から、好ましくは0.78以下、より好ましくは0.77以下である。また、皮脂除去効果及び成形性の観点から、好ましくは0.50以上、より好ましくは0.55以上、さらに好ましくは0.60以上、よりさらに好ましくは0.70以上、よりさらに好ましくは0.72以上である。
また本発明の入浴剤は、入浴剤の発泡性、浴水への溶解性及び成形性をより向上させる観点から、成分(B)に対する成分(B1)の質量比[(B1)/(B)]が好ましくは0.60以上0.90以下、より好ましくは0.65以上0.90以下であり、かつ、成分(A)と成分(B)の総量に対する、成分(A1)と成分(B1)の総量の質量比[{(A1)+(B1)}/{(A)+(B)}]が0.72以上0.77以下であることが好ましい。
本発明の入浴剤は、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性を向上させる観点から、さらに水溶性高分子を含有することができる。
当該水溶性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール等の合成水溶性高分子;にかわ、ゼラチン、コラーゲンタンパク、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ファーセレラン、タマリンドガム、ペクチン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、デキストリン、デキストラン、寒天、澱粉等の天然水溶性高分子;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン澱粉等の半合成水溶性高分子;等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性の観点から、ポリエチレングリコール及びデキストリンからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ポリエチレングリコールがより好ましい。ポリエチレングリコールの分子量は、好ましくは4,000以上10,000以下であり、より好ましくは5,000以上9,000以下である。
水溶性高分子を用いる場合、入浴剤中の水溶性高分子の含有量は、入浴剤の浴水への溶解性及び成形性を向上させる観点から、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは2.0質量%以上である。また、炭酸ガス発生量を確保して発泡性を向上させる観点から、当該含有量は好ましくは15質量%以下、より好ましくは13質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
本発明の入浴剤には、その他の成分として、通常入浴剤に用いられる成分を適宜含有させることができる。かかる成分としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステルやポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤、及びその他の界面活性剤;硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の、成分(A)以外の無機塩;ケイ酸カルシウム、ブドウ糖等の賦形剤;崩壊助剤;生薬等の薬効成分;色素;香料;油剤;等が挙げられる。
また本発明の入浴剤においては、デオドラント感付与成分として活性炭、毛穴に詰まった汚れ(角栓)の洗浄助剤としてアルギニン等のアミン系基剤、速乾性付与成分として無水ケイ酸等の多孔質粉体を適宜含有させることができる。
但し本発明の入浴剤は、十分な皮脂除去効果を得る観点から、硫酸マグネシウム等の、浴水中で発熱反応する化合物の含有量が少ないことが好ましい。入浴剤中の該化合物の含有量は、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満、さらに好ましくは0.01質量%未満、よりさらに好ましくは0.001質量%未満であり、実質0質量%であることがよりさらに好ましい。
本発明の入浴剤により十分な皮脂除去効果を得る観点からは、入浴時間を長くすることが好ましい。特に、毛穴に詰まった汚れ(角栓)は、36℃付近に融点を持つ物質を含む。該融点以上の浴水に長時間浸かった方が角栓が膨潤し、これを除去しやすくなるためである。浴水温が高いと入浴時間は短くなる傾向があるので、浴水中で発熱反応する化合物の含有量が少ないと、入浴時間を長めに設定しやすい点で好ましい。
また本発明の入浴剤は、入浴剤製品の保存安定性、すなわち、入浴剤を封入した包材の経時的な膨らみを抑制する観点、並びに、入浴剤の製造時に不可避的に混入してくる硫黄成分由来の硫黄臭を抑制する観点から、水素化マグネシウムの含有量が少ないことが好ましい。入浴剤中の水素化マグネシウムの含有量は、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満、さらに好ましくは0.001質量%未満であり、実質0質量%であることがよりさらに好ましい。
(剤型)
本発明の入浴剤の使用時の剤型(製品形態)としては、錠剤が好ましい。錠剤には、打錠剤やブリケット型剤が含まれ、成形性の観点からは打錠剤であることがより好ましい。
本発明の入浴剤が打錠剤又はブリケット型剤である場合、プレス打錠機やブリケットマシーンを用いて圧縮成形法等の常法に従って製造することができる。
打錠剤又はブリケット型剤の製造においては、例えば、本発明の入浴剤を構成する全成分をドライブレンドして得られた粉末を圧縮成形に供してもよく、成分の一部を予め造粒あるいは成形した後、残りの成分と混合して得られた混合物を圧縮成形に供してもよい。
(性状)
本発明の入浴剤は、前記構成を有することにより、入浴剤の皮脂除去効果、発泡性、浴水への溶解性及び成形性に優れるものとなる。入浴剤の浴水への溶解性に関しては、湯温の低下抑制や、不要な追い炊き抑制等の観点から、浴水に対する入浴剤の溶解時間を、好ましくは11分以下、より好ましくは10分以下とすることができる。また、急激な反応による“むせ”防止の観点からは、浴水に対する入浴剤の溶解時間は、好ましくは2分以上、より好ましくは3分以上である。入浴剤の溶解時間は、具体的には実施例に記載の方法により評価することができる。
さらに、十分な皮脂除去効果を得る観点から、本発明の入浴剤を投入した浴水のpHは、好ましくは8.0以上、より好ましくは8.4以上、さらに好ましくは8.7以上である。また、皮膚への刺激性を抑制する観点、及び給湯・下水設備の保護を考慮した場合には、該pHは9.5以下が好ましく、9.2以下がより好ましい。
入浴剤を投入した浴水のpHは、入浴時の浴水の温度におけるpHが上記範囲となることが好ましく、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。
実施例1~14、比較例1~12(発泡性固体入浴剤の製造及び評価)
表1~4に示す各成分を混合して得られた粉末を用いて、ロータリー打錠機にて、質量39~41g、錠高15.1~15.3mmのサイズにて、打錠速度20錠/分で打錠を行い、錠剤(打錠剤)型の発泡性固体入浴剤を製造した。また、下記方法にて発泡性、皮脂除去効果、成形性、浴水への溶解性、pH、及び溶解時間について測定及び評価を行った。結果を表1~4に示す。
なお、表1~4に示す各成分の配合量(質量%)は、いずれもアクティブ量である。
<発泡性>
各例の固体入浴剤1錠を40℃、150Lの浴水に溶解させている時の発泡の強さについて、実施例4を「普通」(評価C)とし、下記基準にしたがって専門パネラー3名の協議によって5段階で評価した。なお、評価のタイミングは、固体入浴剤を浴水に投入した直後から30秒後の発泡強さを評価した。評価A~Cを合格、評価D、Eを不合格とする。
A:強い
B:やや強い
C:普通
D:やや弱い
E:弱い
<皮脂除去効果>
被験者を人工環境室で1時間馴化させ、前腕屈側部に人工汚れ(頭皮によりジエチルエーテルを用いて抽出した、皮脂を含んだ汚れのエーテル溶液)をマイクロシリンジで一定量(皮膚1cmあたり252.9±2.57μL)接種した。次いで、各例の固体入浴剤を1錠投入した41℃、150Lの浴水に被験者が5分間入浴を行い、浴後皮膚上に残った人工汚れを定量し、下記基準にしたがって4段階で評価した。人工汚れの定量測定には、浴後の皮膚からフィルムで採取した皮脂を量的な関数とし、その光の透過度で測定する「セブメーター法」を用いた。皮脂除去率の数値が高いほど、皮脂除去率に優れていることを意味し、皮脂除去率55%以上あれば良好であると判断した。
A:皮脂除去率60%以上
B:皮脂除去率55%以上60%未満
C:皮脂除去率50%以上55%未満
D:皮脂除去率50%未満
<成形性(スティッキングの有無)>
表に示す各成分を混合して得られた粉末を用いて、ロータリー打錠機にて、質量39~41g、錠高15.1~15.3mmのサイズにて、打錠速度20錠/分で100錠を連続打錠した際のスティッキングの有無を目視観察し、下記基準にしたがって4段階で評価した。評価A~Cを合格、評価Dを不合格とする。
A:打錠機の金型にほぼ付着しなかった
B:打錠機の金型への付着があるが、得られた錠剤表面は滑らかであった
C:打錠機の金型への付着があり、得られた錠剤表面に少し付着を認めたが実使用レベルである
D:打錠機の金型への明らかな付着があり、得られた錠剤形状に著しい付着を認めた
<浴水への溶解性(溶け残りの有無)>
各例の固体入浴剤1錠を40℃、150Lの浴水に投入し、固体入浴剤が全て溶解した時の浴槽の底に沈降した溶け残りを、以下の基準にしたがって3段階で目視評価した。評価A、Bを合格、評価Cを不合格とする。
A:溶け残りが認められない
B:わずかに溶け残りが認められるが、浴水をかき混ぜると溶解する
C:溶け残りが認められ、浴水をかき混ぜても溶解しない
<pH>
各例の固体入浴剤1錠を40℃、150Lの浴水に投入し、溶解させた際の溶解完了時のpHを、pHメーター(HORIBA製「ポータブル型pH計LAQUAact D-50」)により測定した。
<溶解時間>
40℃、150Lの浴水に各例の固体入浴剤1錠を投入し、1錠が溶解し終わるまでの時間を測定した。
Figure 2022024798000001
Figure 2022024798000002
Figure 2022024798000003
Figure 2022024798000004
表中に記載の成分の詳細は下記である。
*1:ポリエチレングリコール、花王(株)製「PEG6000」(分子量6,000)
表1、2より、本実施例の発泡性固体入浴剤は、浴水のpH及び浴水への溶解時間が所望の範囲となり、発泡性、皮脂除去効果、成形性、浴水溶解性のいずれにおいても優れることがわかる。これに対し、表3、4に示す本比較例の発泡性固体入浴剤は、発泡性、皮脂除去効果、成形性、浴水溶解性のいずれかが劣る結果となった。
本発明によれば、皮脂除去効果が高く、発泡性及び浴水への溶解性が良好で、圧縮成形時にスティッキングが発生し難く成形性にも優れる発泡性固体入浴剤を提供できる。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)炭酸ジアルカリ金属塩(A1)を含む炭酸塩
    (B)20℃の水100mLへの溶解度が10g以下である有機酸(B1)を含む有機酸
    を含有する発泡性固体入浴剤であって、
    該入浴剤中の成分(A)の含有量が60質量%以上80質量%以下であり、
    該入浴剤中の成分(A1)の含有量が35質量%以上65質量%以下であり、
    成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]が2.60以上3.90以下であり、
    成分(B)に対する成分(B1)の質量比[(B1)/(B)]が0.30以上である、発泡性固体入浴剤。
  2. 成分(A1)が炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の発泡性固体入浴剤。
  3. 成分(B1)がフマル酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の発泡性固体入浴剤。
  4. 成分(A)と成分(B)の総量に対する、成分(A1)と成分(B1)の総量の質量比[{(A1)+(B1)}/{(A)+(B)}]が0.78以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡性固体入浴剤。
  5. 前記質量比[(B1)/(B)]が0.60以上0.90以下であり、かつ、成分(A)と成分(B)の総量に対する、成分(A1)と成分(B1)の総量の質量比[{(A1)+(B1)}/{(A)+(B)}]が0.72以上0.77以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の発泡性固体入浴剤。
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